JP2006022779A - 内燃機関の排ガス浄化装置。 - Google Patents

内燃機関の排ガス浄化装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃費悪化等の弊害を生ずることなく、燃料カットからの復帰直後のNOx排出量の増加を抑制できる内燃機関の排ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】 酸素ストレージ剤を添加した下流側触媒5に対して、上流側触媒4には酸素ストレージ剤を添加せずにF/C中の酸素吸着を抑制すると共に、F/Cからの復帰後には、上流側触媒4の狭いウインドに空燃比変調の振幅が収まるように、小さなF/Bゲインに基づくF/C復帰後制御を実施して空燃比変調の振幅を縮小し、上流側触媒4の浄化作用によりF/C復帰後のNOx排出量の増加を抑制する。
【選択図】 図1

Description

本発明は内燃機関の排ガス浄化装置に係り、詳しくは内燃機関の排気通路に設けられた触媒により排ガス中のNOxを浄化する排ガス浄化装置に関するものである。
セリアやジルコニア等の酸素ストレージ剤(OSC:Oxygen Storage Component)は、触媒の酸素ストレージ機能を強化してウインド(理論空燃比を中心としNOx,HC等の複数の成分の浄化効率が高い空燃比範囲)を拡大する特性があることから、触媒への添加物として広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1に開示された排ガス浄化装置では、排気通路の下流側のメイン触媒に酸素ストレージ剤を添加した上で、上流側のウォームアップ触媒は酸素ストレージ剤を無添加とし、これによりエンジン始動直後にウォームアップ触媒への酸素吸着によりHCの酸化反応が阻害される事態を防止している。
特開2000−84363号公報
しかしながら、触媒への酸素ストレージ剤の添加にはデメリットもある。即ち、車両減速に伴う燃料カット中には、触媒の貴金属上のみならず酸素ストレージ剤上にも排ガス中の酸素が大量に吸着されるため、燃料カットから復帰しても酸素が脱離・消費されるまでは触媒上が酸素過剰の酸化雰囲気となる。三元触媒等では酸化雰囲気でNOx浄化率が低下する特性のため、結果として燃料カットからの復帰毎にNOx排出量が増大してしまう現象が発生した。
そこで、燃料カット復帰直後に所定期間だけ空燃比をリッチ化して還元剤の供給量を増加する対策が実施されているが、燃費が悪化するという弊害があった。
一方、特許文献1の排ガス浄化装置では、燃料カット直後でも酸素ストレージ剤が添加されていないウォームアップ触媒がNOx浄化作用を奏するものの、ウォームアップ触媒はウインドが狭いことから、例えば減速後の加速時等には簡単に空燃比がウインドから外れて浄化効率を低下させてしまい、上記対策とはなり得なかった。
本発明の目的は、燃費悪化等の弊害を生ずることなく、燃料カットからの復帰後のNOx排出量の増加を抑制することができる内燃機関の排ガス浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の排気通路に設けられ、少なくとも排ガス中のNOxを浄化する内燃機関の排ガス浄化装置において、内燃機関の排気通路に配置されて酸素ストレージ剤が添加された下流側触媒と、排気通路の下流側触媒より上流側に配置されて、下流側触媒より酸素ストレージ剤の添加量が少ない上流側触媒と、内燃機関の空燃比を理論空燃比に制御する空燃比制御手段と、内燃機関の燃料カットからの復帰後に、空燃比制御手段の制御による空燃比変調より振幅又は周期を縮小した変調制御を実行するF/C復帰後制御手段とを備えたものである。
従って、上流側触媒は下流側触媒に比較して酸素ストレージ剤の添加量が少ないため、酸素ストレージ機能が低くてウインドが狭い特性を有する。内燃機関の空燃比は空燃比制御手段により理論空燃比に制御され、結果として理論空燃比を中心とした空燃比変調が行われる。このときの排ガス浄化はウインドが狭い上流側触媒では十分でないものの、より広いウインドを有する下流側触媒が浄化作用の不足分を補うことで良好な排ガス浄化が達成される。
そして、車両減速により燃料カットが開始されると、上流側触媒及び下流側触媒には酸素過剰の排ガスが流通するが、下流側触媒に比較して酸素ストレージ剤の添加量が少ない上流側触媒は酸素の吸着量が少ない。よって、燃料カットからの復帰後に上流側触媒は酸化雰囲気に陥ることなく本来のNOx浄化作用を奏し、一方、このときにはF/C復帰後制御手段により振幅又は周期を縮小した変調制御が実行されて、上流側触媒のウインド内で空燃比変調が行われるため、結果として上流側触媒によりNOxが十分に浄化されると共に、NOx浄化のために空燃比をリッチ化する必要がないことから、リッチ化による燃費悪化等の弊害が未然に防止される。
請求項2の発明は、請求項1において、上流側触媒が、酸素ストレージ剤を無添加とされたものである。
従って、酸素ストレージ剤が無添加の上流側触媒は燃料カット時の酸素の吸着量が更に少ないため、燃料カットからの復帰後には酸化雰囲気に陥ることなく本来のNOx浄化作用を確実に奏する。
請求項3の発明は、請求項1において、排気通路の下流側触媒の下流側に第1の空燃比検出手段を備え、F/C復帰後制御手段は、振幅又は周期を減少させた変調制御の実行中に第1の空燃比検出手段の出力が理論空燃比又はリッチ空燃比になると、該変調制御を中止するものである。
従って、燃料カットからの復帰後には燃料カット中に下流側触媒に吸着した酸素が次第に離脱・消費されるため、第1の空燃比検出手段の出力はリーン空燃比の値を継続し、第1の空燃比検出手段の出力が理論空燃比又はリッチ空燃比となった時点では、下流側触媒の酸素の離脱・消費が完了して本来の浄化性能を回復したと見なせる。
空燃比制御手段の制御に比較して、空燃比変調の振幅又は周期を縮小したF/C復帰後制御手段の変調制御ではロバスト性が低いため、当該変調制御を必要以上に継続することは好ましくないが、第1の空燃比検出手段の出力に基づいて下流側触媒が本来の浄化性能を回復した適切なタイミングでF/C復帰後制御手段による変調制御が中止されて、より外乱に強い安定した空燃比制御手段の制御に復帰する。
請求項4の発明は、請求項1において、排気通路の上流側触媒と下流側触媒との間に第2の空燃比検出手段を備え、F/C復帰後制御手段は、振幅又は周期を減少させた変調制御の実行中に第2の空燃比検出手段の出力が理論空燃比から所定値以上にリッチ側又はリーン側に外れると、変調制御を中止するものである。
空燃比制御手段のフィードバック制御に比較して、空燃比変調の振幅又は周期を縮小したF/C復帰後制御手段の変調制御では平均としての中心空燃比の補正には時間を要してロバスト性が低いため、何らかの外乱が生じたとき、例えば車両減速から急激な加速に移行したとき等には、空燃比が上流側触媒のウインドから外れてNOx浄化が期待できなくなる。
そして、このときには第2の空燃比検出手段の出力が理論空燃比から所定値以上にリッチ側又はリーン側に外れるため、F/C復帰後制御手段の変調制御が中止されてより外乱に強い安定した空燃比制御手段のフィードバック制御に復帰し、空燃比は速やかに理論空燃比に収束される。空燃比制御手段のフィードバック制御では上流側触媒の狭いウインドに空燃比を常に収めることはできないが、空燃比が触媒ウインドから完全に外れた場合に比較するとNOx浄化が期待できる。
請求項5の発明は、請求項4において、F/C復帰後制御手段が、振幅又は周期を減少させた変調制御の中止と共に、内燃機関の空燃比をリッチ側に制御するものである。
従って、空燃比が上流側触媒のウインドから外れたときには、F/C復帰後制御手段の変調制御が中止されると共に、内燃機関の空燃比がリッチ側に制御されて還元剤が供給されるため、下流側触媒の浄化性能が早急に回復してより確実にNOxの排出が抑制される。
以上説明したように請求項1の発明の内燃機関の排ガス浄化装置によれば、燃費悪化等の弊害を生ずることなく、燃料カットからの復帰直後のNOx排出量の増加を抑制することができる。
請求項2の発明の内燃機関の排ガス浄化装置によれば、請求項1に加えて、上流側触媒への酸素の吸着量をより減少させて、燃料カット復帰後に上流側触媒によるNOx浄化を一層確実に行うことができる。
請求項3の発明の内燃機関の排ガス浄化装置によれば、請求項1に加えて、下流側触媒の浄化性能が回復した適切なタイミングでF/C復帰後制御手段の変調制御を中止して、より外乱に強い安定した空燃比制御手段の制御に復帰することができる。
請求項4の発明の内燃機関の排ガス浄化装置によれば、請求項1に加えて、空燃比が上流側触媒のウインドから外れたときにF/C復帰後制御手段の変調制御を中止して、より外乱に強い安定した空燃比制御手段の制御により空燃比を速やかに理論空燃比に収束でき、もってNOx排出量の増加を最小限に抑制することができる。
請求項5の発明の内燃機関の排ガス浄化装置によれば、請求項4に加えて、空燃比をリッチ化することで、より確実にNOxの排出を抑制することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を具体化した内燃機関の排ガス浄化装置の第1実施形態を説明する。
図1は本実施形態の内燃機関の排ガス浄化装置を示す全体構成図である。内燃機関1の排気側には排気マニホールド2を介して排気通路3が接続され、排気通路3には車両床下に相当する位置に前後一対の三元触媒4,5が配置されている。以下、上流の触媒を上流側触媒4、下流の触媒を下流側触媒5と称する。排気通路3の上流側触媒4の上流には上流O2センサ6が設けられ、下流側触媒5の下流には下流O2センサ7(第1の空燃比検出手段)が設けられている。
上流側触媒4及び下流側触媒5は、担体上にプラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属を担持して構成され、下流側触媒5には加えてセリア(CeO2)やジルコニア(ZrO2)等の酸素ストレージ剤が添加され、一方、上流側触媒4には酸素ストレージ剤は一切添加されていない。酸素ストレージ剤の添加により下流側触媒5は酸素ストレージ機能を強化されて比較的広いウインドを有し、これに対して上流側触媒4は主に貴金属による多少の酸素ストレージ機能を有するだけで、そのウインドは下流側触媒5に比較すると狭くなっている。
内燃機関1には各気筒毎に燃料噴射弁8及び点火プラグ9が設けられ、これらの燃料噴射弁8及び点火プラグ9は車室内に設置されたECU11(電子コントロールユニット)に接続されている。又、ECU11には上記した上流O2センサ6及び下流O2センサ7が接続されると共に、図示しない機関回転速度を検出する回転速度センサやアクセル操作量を検出するアクセルセンサ等が接続されている。
ECU11は各種センサ類からの検出情報に基づき、空燃比制御及び点火時期制御を実行して内燃機関1を運転する。例えば空燃比制御については、主に機関回転速度及び機関負荷が低い運転領域では上流O2センサ6及び下流O2センサ7の出力に基づいて空燃比をストイキオ(理論空燃比)にフィードバック制御し(空燃比制御手段)、より回転及び負荷が高い運転領域では空燃比をリッチ側に設定してオープンループ制御する。
次に、このように構成された本実施形態の内燃機関1の排ガス浄化装置において、フューエルカット(以下、F/Cと略す)からの復帰後にECU11が実行する空燃燃比制御を説明する。
ECU11は図2に示すF/C復帰後制御ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。まず、ステップS2でF/Cから復帰したか否を判定する。ECU11は図示しないメインルーチンで内燃機関1の空燃比制御を実行しており、当該メインルーチンで車両減速から加速若しくは停車に移行して、F/C中の燃料噴射を再開するときにF/C復帰と見なす。ECU11はステップS2の判定がNo(否定)のときには一旦ルーチンを終了し、判定がYes(肯定)のときにはステップS4に移行する。
ステップS4ではメインルーチンの処理に優先してF/Cからの復帰専用の空燃比制御(以下、F/C復帰後制御と称する)を実行する。当該処理は空燃比をストイキオにフィードバック制御するものであるが、上記した通常制御時のストイキオフィードバックに比較して、より小さなF/Bゲインに基づいて実行される。具体的にはPI制御のPゲイン及びIゲインが縮小設定されることにより、図3に破線で示す通常制御のフィードバックによる空燃比変調の振幅に対して、F/C復帰後制御では実線で示すようにより縮小した振幅で空燃比変調が行われ、結果として空燃比は常に上記した上流側触媒4のウインドに常に収まる(F/C復帰後制御手段)。
ECU11は続くステップS6で下流O2センサ7の出力がストイキオ又はリッチ側の値となったか否かを判定し、判定がNoのときは上記ステップS4に戻る。そして、ステップS6の判定がYesになるまでステップS4の処理を繰り返し、ステップS6の判定がYesになるとルーチンを終了する。従って、その後の空燃比制御はメインルーチンの通常制御に移行する。
以上のECU11の空燃比制御によりF/Cからの復帰後には上流側触媒4及び下流側触媒5が以下のように浄化作用を奏する。
まず、F/C復帰後以外の通常制御時には、上流側触媒4及び下流側触媒5が協調して排ガス浄化を行う。即ち、フィードバック制御に伴う空燃比変調の振幅やオープンループ制御時の空燃比の変動に対して、ウインドが狭い上流側触媒4では浄化作用が十分でないものの、より広いウインドを有する下流側触媒5が浄化作用の不足分を補うことで良好な排ガス浄化が達成される。
そして、車両減速によりF/Cが開始されると、上流側触媒4及び下流側触媒5には酸素過剰の排ガスが流通する。酸素ストレージ剤が添加された下流側触媒5は排ガス中の酸素を大量に吸着するが、酸素ストレージ剤が無添加の上流側触媒4は、貴金属への若干の酸素吸着を除いて酸素をほとんど吸着しない。
従って、その後にF/Cから復帰した時点では、酸素を吸着して酸化雰囲気となった下流側触媒5によるNOx浄化は期待できないものの、酸素を吸着していない上流側触媒4は酸化雰囲気に陥ることなく本来のNOx浄化作用を奏する。そして、このときにはステップS4の処理により小さなF/Bゲインに基づくF/C復帰後制御が実施されるため、図3に示すように空燃比変調の振幅が縮小されて上流側触媒4のウインドで空燃比変調が行われる。結果として、振幅の縮小により変調時のリーン度合が小さくなるため上流側触媒4に流入する酸素が減少する一方、リッチ度合も小さくなるため上流側触媒4に流入する還元剤も減少することから、酸素ストレージ機能に頼らない空燃比制御及び浄化作用が奏されて、上流側触媒4によりNOxが十分に浄化される。
一方、F/Cからの復帰後に下流側触媒5では吸着した酸素が次第に離脱・消費され、排ガス中の酸素により下流O2センサ7の出力はリーン側の値を継続する。下流O2センサ7の出力がストイキオ又はリッチ側の値となった時点(ステップS6がYes)では、下流側触媒5の酸素が完全に離脱・消費されて本来の浄化性能を回復したと見なせ、上流側触媒4のウインドを対象としたF/C復帰後制御を中止して通常制御に復帰し、その後は上記のように上流側触媒4及び下流側触媒5の協調により排ガスが浄化される。
以上のように本実施形態の内燃機関1の排ガス浄化装置では、酸素ストレージ剤を添加した下流側触媒5に対して、上流側触媒4には酸素ストレージ剤を添加せずにF/C中の酸素吸着を抑制すると共に、F/Cからの復帰後には、上流側触媒4の狭いウインドに空燃比変調の振幅が収まるように、小さなF/Bゲインに基づくF/C復帰後制御を実施して空燃比変調の振幅を縮小しているため、F/C復帰後においても上流側触媒4は十分な浄化作用を奏してNOx排出量の増加を確実に抑制することができる。
図4はF/C時における排気空燃比とテールパイプ(下流側触媒5通過後)でのNOx排出量とを測定した試験結果を示すタイムチャートである。車両減速によるF/Cに伴って一旦リーン側に変化した排気空燃比はF/C復帰後にストイキオに制御され、このとき触媒への酸素吸着の対策(リッチ化も含めて)を何ら実施していない従来技術では、破線で示すようにNOx排出量が急増するが、本実施形態では実線で示すようにNOx排出量の増加をほぼ完全に抑制できることが判る。
しかも、F/C復帰後制御では空燃比をストイキオに制御しているため、空燃比のリッチ化により還元剤を供給してNOxを抑制する従来技術に比較して、燃費悪化等の弊害を未然に防止できるという利点もある。
一方、小さなF/Bゲインに基づくF/C復帰後制御は、空燃比を狭い触媒ウインドに収めるには好適であるものの、空燃比制御の安定性が良好でなくロバスト性が低いという欠点を併せ持つため、当該空燃比制御を必要以上に継続することは好ましくない。本実施形態では下流O2センサ7の出力に基づいて下流側触媒5が本来の浄化性能を回復したか否かを判定しているため、適切なタイミングでF/C復帰後制御を中止して、より安定した外乱に強い通常制御に復帰できるという利点もある。
[第2実施形態]
次に、本発明を別の内燃機関1の排ガス浄化装置に具体化した第2実施形態を説明する。
本実施形態は、F/C復帰後制御中に何らかの外乱で空燃比がストイキオから外れた場合の対策を講じたものであり、その他の構成は上記図1に示す第1実施形態と同様である。よって、共通する構成の箇所は同一部材番号を付して重複する説明を省略し、相違点を重点的に説明する。
図1に破線で示すように、上流側触媒4と下流側触媒5との間には中間O2センサ21(第2の空燃比検出手段)が設けられ、中間O2センサ21の出力がECU11に入力されるようになっている。
ECU11は図5に示すF/C復帰後制御ルーチンを所定の制御インターバルで実行し、F/Cから復帰したときにはステップS2からステップS4に移行してF/C復帰後制御を実行する。当該空燃比制御は第1実施形態と同じく、小さなF/Bゲインの適用により空燃比変調の振幅を上流側触媒4のウインドに収めるものであるが、本実施形態では上流O2センサ6に加えて中間O2センサ21の出力もフィードバック制御に利用される。中間O2センサ21の出力は下流側触媒5の影響を受けることなく上流側触媒4を通過後の排ガス空燃比のみを応答性よく反映しているため、この情報を加えることで上流側触媒4の狭いウインドにより確実に空燃比を保持できる。
続くステップS12では、空燃比が上流側触媒4のウインドを外れたか否かを判定する。具体的な判定は中間O2センサ21の出力に基づいて行われ、例えば中間O2センサ21の出力(電圧)が所定値(例えば、0.8V)以上、又は所定値(例えば、0.2V)未満の状態が所定時間(例えば、5sec)継続した場合、或いは空燃比のフィードバック制御において、中間O2センサ21の出力に基づくリッチ判定又はリーン判定が所定サイクル継続した場合には、空燃比が上流側触媒4のウインドを外れたと見なす。
ステップS12の判定がNoのときにはステップS6に移行して、第1実施形態と同じく下流O2センサ7の出力に基づいて下流側触媒5の浄化性能の回復を判定し、判定がNoのときにはステップS4,12の処理を繰り返す。ステップS6又はステップS12でYesの判定を下したときにはルーチンを終了し、その後はメインルーチンの通常制御に復帰する。
このように本実施形態の内燃機関1の排ガス浄化装置では、空燃比が上流側触媒4のウインドを外れたときに通常制御に復帰している。第1実施形態で述べたように、小さなF/Bゲインに基づくF/C復帰後制御は平均としての中心空燃比を補正するのに時間を要してロバスト性が低いため、何らかの外乱が生じたとき、例えば車両減速から急激な加速に移行したとき等には、空燃比が触媒ウインドから完全に外れた後に復帰するのに時間を要し、結果として上流側触媒4によるNOx浄化はほとんど期待できなくなり、一方、この時点では未だ下流側触媒5の浄化性能は回復していない。
そこで、通常制御に復帰することで大きなF/Bゲインに基づくフィードバック制御により空燃比を速やかにストイキオに収束させているのである。通常制御では上流側触媒4の狭いウインドに空燃比を常に収めることはできないが、空燃比が触媒ウインドから完全に外れた場合に比較すると、ある程度のNOx浄化が期待できるため、NOx排出量の増加を最小限に抑制できるという利点が得られる。
尚、ステップS12で空燃比が上流側触媒4のウインドを外れたときには、図6に示すように、通常制御への復帰と共にステップS22で空燃比を所定時間に亘ってリッチ化してもよい。空燃比のリッチ化により還元剤が供給されるため、より確実にNOxの排出を抑制できる。そして、この場合のリッチ化は、ステップS4でのF/C復帰後制御では対処しきれない空燃比の変動が生じた場合のみ実施されるため、F/C復帰毎にリッチ化する従来技術に比較すれば燃費悪化を最小限に抑制した上で、上記作用効果を得ることができる。
又、リッチ化の期間は、下流O2センサ7がリッチを検出するまでとしてもよい。この場合、下流側触媒5の浄化性能回復以上のリッチ運転を行わず、燃費に有利である。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではなく、例えば触媒や空燃比制御に関して種々に変更可能であり、以下に変更例について述べる。
1)触媒に関して、
上記実施形態では上流側触媒4及び下流側触媒5を三元触媒として構成したが、酸素ストレージ機能により酸化雰囲気でNOx浄化率が低下する特性を有するものであれば、三元触媒に限らず本発明を適用できるため、触媒の種類を種々に変更可能である。
又、上記実施形態では上流側触媒4に酸素ストレージ剤を一切添加しなかったが、F/C復帰後に酸化雰囲気に陥ることなく浄化作用を維持できれば、一切の酸素ストレージ剤の添加を妨げるものではない。よって、一般的な酸素ストレージ剤の添加量(例えば、下流側触媒5に対する添加量)に比較して、上流側触媒4の酸素ストレージ剤の添加量を制限してもよい。
上記実施形態では一対の触媒4,5を備えたが、触媒の数は3つ以上であってもよく、この場合には、例えば上流側触媒4に相当する酸素ストレージ剤が無添加の触媒を最上流に配置し、下流側触媒5に相当する酸素ストレージ剤を添加した触媒を最下流に配置すればよい。
又、上記実施形態では上流側触媒4及び下流側触媒5を車両床下に前後に配置したが、図7に示すように上流側触媒4を内燃機関1に近接配置した近接触媒として構成することで、下流触媒5に対して離間させてもよい。又、図8に示すように単一の担体上の前半部に上流側触媒4の成分を担持させ、後半部に下流側触媒5の成分を担持させて、上流側触媒4及び下流側触媒5を所謂ゾーンタイプとして構成してもよい。
2)F/C復帰後の空燃比制御に関して、
上記実施形態では空燃比変調の振幅を縮小したが、振幅に代えて周期を縮小してもよい。上流O2センサ6や中間O2センサ21は排気系容積に起因する応答遅れを有するため、必然的に上流側触媒4での空燃比は振幅を縮小したときと同様に変動幅が小さくなって上流側触媒4のウインドに収まり、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。勿論、空燃比の振幅と周期の双方を縮小してもよい。
上記実施形態ではフィードバック制御に小さなF/Bゲインを適用することで空燃比変調の振幅を縮小したが、これに代えてECU11により強制的に空燃比を変調する強制変調制御を実施し、このときの空燃比変調の振幅か周期の少なくとも一方を通常制御に比較して縮小してもよい。上流O2センサ6や中間O2センサ21の出力に基づくフィードバック制御では、排気系容積に起因するセンサ応答遅れにより空燃比変調の振幅や周期の縮小に限界があるが、強制変調制御ではセンサ出力に関係なく空燃比の振幅や周期をECU11側で任意に設定できるため、センサ応答遅れの制限を受けることなく上流側触媒4のウインドに対して最適な振幅や周期の空燃比変調を実現できる利点が得られる。
上記実施形態では下流O2センサ7の出力に基づいて下流側触媒5の浄化性能の回復を判定したが、この判定をF/C復帰からの経過時間に基づいて実施してもよい。この場合には、予め試験を実施してF/C復帰から下流側触媒5が回復するまでの所要時間を機関の運転領域(機関回転速度及び機関負荷)毎に求めてマップ化し、F/C復帰後には現在の運転領域に対応する所要時間を読み出し、この所要時間が経過した時点で下流側触媒5の浄化性能が回復したと見なして通常制御に復帰すればよい。
実施形態の内燃機関の排ガス浄化装置を示す全体構成図である。 第1実施形態のECUが実行するF/C復帰後制御ルーチンを示すフローチャートである。 通常制御とF/C復帰後制御との空燃比変調を示すタイムチャートである。 F/C時における排気空燃比とテールパイプでのNOx排出量とを測定した試験結果を示すタイムチャートである。 第2実施形態のECUが実行するF/C復帰後制御ルーチンを示すフローチャートである。 第2実施形態のECUが実行するF/C復帰後制御ルーチンの別例を示すフローチャートである。 上流側触媒を近接触媒として構成した別例を示す図である。 上流側触媒及び下流側触媒をゾーンタイプとして構成した別例を示す図である。
符号の説明
3 排気通路
4 上流側触媒
5 下流側触媒
7 下流O2センサ(第1の空燃比検出手段)
11 ECU(空燃比制御手段、F/C復帰後制御手段)
21 中間O2センサ(第2の空燃比検出手段)

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、少なくとも排ガス中のNOxを浄化する内燃機関の排ガス浄化装置において、
    上記内燃機関の排気通路に配置されて酸素ストレージ剤が添加された下流側触媒と、
    上記排気通路の上記下流側触媒より上流側に配置されて、該下流側触媒より酸素ストレージ剤の添加量が少ない上流側触媒と、
    上記内燃機関の空燃比を理論空燃比に制御する空燃比制御手段と、
    上記内燃機関の燃料カットからの復帰後に、上記空燃比制御手段の制御による空燃比変調より振幅又は周期を縮小した変調制御を実行するF/C復帰後制御手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  2. 上記上流側触媒は、酸素ストレージ剤が無添加であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  3. 上記排気通路の上記下流側触媒の下流側に第1の空燃比検出手段を備え、
    上記F/C復帰後制御手段は、上記振幅又は周期を減少させた変調制御の実行中に上記第1の空燃比検出手段の出力が理論空燃比又はリッチ空燃比になると、該変調制御を中止することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  4. 上記排気通路の上記上流側触媒と上記下流側触媒との間に第2の空燃比検出手段を備え、
    上記F/C復帰後制御手段は、上記振幅又は周期を減少させた変調制御の実行中に上記第2の空燃比検出手段の出力が理論空燃比から所定値以上にリッチ側又はリーン側に外れると、該変調制御を中止することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  5. 上記F/C復帰後制御手段は、振幅又は周期を減少させた変調制御の中止と共に、上記内燃機関の空燃比をリッチ側に制御することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
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US9394823B2 (en) 2013-10-11 2016-07-19 Hyundai Motor Company O2 purge control method and vehicle exhaust system for two type catalysts
JP2017057736A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 マツダ株式会社 エンジンの制御装置

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