JP2006021368A - 多層フィルムおよび成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンカーコート剤を使用しないで高い接着力を有するプロピレン系樹脂層とエチレン系樹脂層を有し、さらに低温ヒートシール性、ヒートシール強度、透明性、耐ブロッキング性にも優れた多層フィルムを得ること
【解決手段】融点が105℃以下のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)を含む樹脂層(1)とポリエチレン系樹脂(B)を主成分とする樹脂層(2)が積層されてなる層(12)を有する多層フィルムまたは成形体。
【選択図】図1

Description

本発明は食品包装をはじめとする各種包装に使用される多層フィルムまたは成形体に関する。詳しくは、高い層間接着力を有するプロピレン系樹脂層とエチレン系樹脂層の積層構造を有し、低温ヒートシール性、ヒートシール強度、透明性、耐ブロッキング性に優れた特徴を有する多層フィルムまたは成形体に関する。
近年用いられている包装用フィルムおよび包装用成形体は複数の層を積層させた複合体となっているものが多い。なかでも、ポリエチレン系樹脂からなる層は柔軟性・他の層との接着性・耐水性(耐水蒸気バリア性)などに優れており、またポリプロピレン系樹脂からなる層は耐熱性・良好なヒートシール特性・耐油性・透明性などに優れていることからこれらの樹脂からなる層はさまざまな用途に用いられている。
これらの両層を接着させる方法としては、これまでアンカーコート剤等の接着剤を介する方法や特殊な方法で両層の一方ないしは両方を酸化させて接着力を発現させる方法が一般的であった。アンカーコート剤を用いる場合には、溶剤を乾燥させるための特殊な設備が必要であったり、また近年では溶剤から発生するVOC(揮発性有機成分)による人体への影響も懸念されていることなど多くの問題点が存在する。このため、このようなアンカーコート剤を使用せずに十分な接着力を発現させるための検討がなされている。
特開2003−266616号公報には特定のプロピレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする層と、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする層を共押出法により成形する方法が、また特開2003−170552号公報では特定のプロピレン系樹脂フィルムの表面上に、特定のエチレン系樹脂をアンカーコート剤を介さずに溶融押出ラミネートさせる方法が、また特開2004−9354号公報では特定のエチレン系樹脂層の表面上に、特定のプロピレン系樹脂をアンカーコート剤を介さずに溶融押出ラミネートさせる方法が提案されている。
これらの方法はアンカーコート剤を使用せずにポリエチレン系樹脂層とポリプロピレン系樹脂層の接着力を発現させる方法としては優れているものの、さらなる高機能化が求められるケースもある。(特許文献1〜3)
特開2003−266616号公報 特開2003−170552号公報 特開2004−9354号公報
本発明は、アンカーコート剤を使用しないで高い接着力を有するプロピレン系樹脂層とエチレン系樹脂層を有し、さらに低温ヒートシール性、ヒートシール強度、透明性、耐ブロッキング性にも優れた多層フィルムまたは成形体を提供するものである。
本発明の第一の発明は、下記(a1)〜(a2)の特性を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)を含む成分からなる樹脂層(1)とポリエチレン系樹脂(B)を主成分とする樹脂層(2)が積層されてなる層(12)を有する多層フィルムまたは成形体である。
(a1)DSC法によって測定される融点が105℃以下
(a2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から得られる分子量分布が3以下
また本発明の第二の発明は、樹脂層(1)が、前記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)3〜97重量%、結晶性ポリプロピレン(C)97〜3重量%、(A)(C)の合計量100重量部に対してエチレン・α−オレフィン共重合体(D)0〜50重量部、低密度ポリエチレン(E)0〜50重量部からなる樹脂組成物を主成分とする成分からなる請求項1記載の多層フィルムまたは成形体である。
さらに本発明の多層フィルムまたは成形体を得るための方法および本発明の用途についても提供する。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
本発明におけるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は、(a1)DSC法によって測定される融点(200℃にて5分間保持した後、降温速度−20℃/minで−20℃まで降温後、再度180℃まで20℃/minで昇温する際に観察されるときの吸熱ピーク)が105℃以下、好ましくは95℃以下、より好ましくは80℃未満であり、さらにゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された分子量分布が1〜3、好ましくは1.5〜2.5の範囲を示すものが使用される。
プロピレンとともに共重合されるコモノマー(α−オレフィン)としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテンをはじめとする少なくとも1種以上の炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)であるが、好ましくは1−ブテンもしくは1−ブテンを主成分とするものである。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)中のコモノマー含量は10〜40モル%、好ましくは15〜30モル%である。
このようなプロピレン共重合体は例えば国際公開番号WO95/14717に記載されているような触媒を用いて得ることができる。このようなプロピレン共重合体は、該融点Tm(℃)と13C−NMRスペクトル測定にて求められるコモノマー構成単位含量M(モル%)が
146exp(−0.022M)≧Tm≧125exp(−0.032M)
の範囲にあるものが望ましく用いられる。
プロピレン系共重合体(a)のASTM D−1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフローレート(以下、MFR(230℃)と略記する)は1〜40(g/10分)、好ましくは3〜20(g/10分)の範囲にある。

ポリエチレン系樹脂(B)
本発明におけるポリエチレン系樹脂(B)は、エチレン由来の構造を主成分とするものであれば特に制限はないが、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、その他のエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体やエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。
これらの中で、柔軟性、透明性、ヒートシール性が優れることから、密度が0.910〜0.930g/cmの低密度ポリエチレン、密度が0.900〜0.930g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン、密度が0.910〜0.970g/cmのエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸エステル共重合体の単体またはこれらの混合物が好ましく使用できる。上記エチレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンとしては、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜10までのα−オレフィンを挙げることができる。本発明におけるポリエチレン系樹脂(B)のメルトフローレート(MFR、ASTMD1238、190℃、2.16kg荷重)としては0.5〜50(g/10分)が好ましい。
結晶性ポリプロピレン(C)
本発明の樹脂組成物における結晶性ポリプロピレン(C)としては、公知のプロピレン単独重合体、またはエチレンないしは炭素数4〜20のα―オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体、これらの複数混合物を挙げることができる。プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR、ASTMD1238、230℃、2.16kg荷重)としては1〜50(g/10分)、好ましくは1〜40(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が110〜150℃、好ましくは115〜140℃の範囲にあるプロピレンランダム共重合体が好ましく利用される。このようなランダム共重合体を使用することで低温ヒートシール性およびフィルム外観に優れたシーラントフィルムを得ることができる。
このような結晶性ポリプロピレン(C)は、典型的には固体状チタン触媒と有機金属化合物を主成分とする触媒、またはメタロセン化合物を触媒の一成分として用いたメタロセン触媒の存在下でプロピレンを重合あるいはプロピレンと他のα―オレフィンを共重合させることによって製造することができる。特にメタロセン触媒の存在下で製造された結晶性ポリプロピレン(C)が好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(D)
本発明のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(D)は、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜10までのα−オレフィン共重合させたものを意味するが、下記特徴を有するものが好ましく使用できる。
(a)密度(ASTM 1505 23℃)が0.850〜0.899g/cm3、好ましくは0.860〜0.895g/cm3、より好ましくは0.870〜0.888g/cm3
(b)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が1〜150g/10分
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(D)の製造法については特に制限はないが、ラジカル重合触媒、フィリップス触媒、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。特にメタロセン触媒を用いて製造された共重合体は通常分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、本発明に好ましく利用できる。
コモノマーとして使用される炭素数3から20のα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンおよびそれらの組み合わせを挙げることができ、中でもプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。また、必要に応じて他のコノモマー、例えば1,6−ヘキサジエン、1,8−オクタジエン等のジエン類や、シクロペンテン等の環状オレフィン類等を少量含有してもよく、共重合体中のα−オレフィン含量としては、5〜50モル%、通常7〜30モル%である。
その分子構造は、直鎖状であってもよいし、長鎖または短鎖の側鎖を有する分岐状であってもよい。
また、複数の異なるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(D)を混合して使用することも可能である。このようなエチレン・αオレフィン共重合体の製造方法については特許公開平10−212382号に記載されている。
低密度ポリエチレン(E)
本発明の低密度ポリエチレン(E)は、ASTM D1238に準じ190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(以下MFRと略記する)が0.1〜50、好ましくは1〜40(g/10分)であり、密度(ASTM D1505)が0.900〜0.940、好ましくは0.900〜0.930(g/cm)であり、かつメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次の関係式
40×(MFR)-0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)-0.67
を満たしているものである。ここで、MTおよびMFRは、いずれも190℃で測定した値である。メルトテンション(MT)は、溶融させた低密度ポリエチレン(E)を一定速度で延伸したときの応力を測定することによって求められる値である。具体的には、東洋精機製MT測定機を用い、樹脂温度190℃、押出速度15mm/分、巻取速度15m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で測定した値である。
MFRが上記範囲にあり、MTが上記関係式の範囲内にあることで、エチレン系重合体の溶融張力を高め、成形性が良好となる。
本発明の組成物に使用される低密度ポリエチレン(E)は、前記の物性を満たしている限り、ラジカル触媒を用いて高圧下で製造されたいわゆる高圧法ポリエチレンであっても、あるいはチーグラー触媒またはメタロセン触媒を用い、エチレンとα−オレフィン等のコモノマーの存在下、中低圧下で製造されたいわゆる中低圧ポリエチレンであってもよい。高圧法ポリエチレンでは、分子鎖中に長鎖分岐が存在し、これにより高い溶融張力を示すことから、本発明においては好ましく使用できる。
また、本発明の組成物に使用される低密度ポリエチレン(E)は、本発明におけるシーラントフィルムとしての特性を損なわない限り、エチレンと少量の酢酸ビニル等の不飽和カルボン酸との共重合体であっても良い。

樹脂層(1)、樹脂層(2)、層(12)
本発明の樹脂層(1)は、前記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)を含む。また本発明の樹脂層(1)は、前記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)3〜97重量%、結晶性ポリプロピレン(C)97〜3重量%、(A)(C)の合計量100重量部に対してエチレン・α−オレフィン共重合体(D)0〜50重量部、低密度ポリエチレン(E)0〜50重量部からなる樹脂組成物を主成分とする層である。樹脂層(1)の好ましい範囲はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)10〜60重量%、結晶性ポリプロピレン(C)40〜90重量%、(A)(C)の合計量100重量部に対してエチレン・α−オレフィン共重合体(D)5〜30重量部、低密度ポリエチレン(E)0〜30重量部からなる
本発明の樹脂層(2)は、前記ポリエチレン系樹脂(B)を主成分とする層である。
また本発明の層(12)は、前記樹脂層(1)と樹脂層(2)が熱融着して形成される層であり、このときアンカーコート剤を使用しないことを特徴とする。
これら樹脂層(1)、樹脂層(2)および層(12)の厚みについては特に制限されないが、好ましくは1〜2000μmの範囲である。
樹脂層(1)、樹脂層(2)を成形する方法としては特に制限はないが、例えば公知の溶融押出法(T−ダイ成形法、インフレーション成形法)、公知の溶融押出しラミネーション法、公知のカレンダー成形法、公知の熱プレス成形等により得ることができる。特に好ましいのは公知の溶融押出法(T−ダイ成形法、インフレーション成形法)、公知の溶融押出しラミネーション法である。
層(12)を形成する方法としては、樹脂層(1)、樹脂層(2)および必要に応じて他の樹脂を溶融させて同時に押出す公知の共押出法、または樹脂層(1)もしくは樹脂層(2)の一方を最表面とした単層ないしは多層のフィルムまたは成形体上に、他の一方を溶融させて積層させる公知の溶融押出しラミネーション法、独立に得られた樹脂層(1)および樹脂層(2)を最表面とする単層ないしは多層のフィルムまたは成形体を、熱ロールあるいは熱板等を用いて熱圧着(ヒートシール)させる方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
この際、樹脂層(1)および樹脂層(2)の一方または両方に、オゾン・プラズマ処理などのように表面に化学的・物理的な処理を施すことも可能である。このような処理を行うことで層間の接着力がさらに増加する。
樹脂層(1)および樹脂層(2)にはそれぞれ石油樹脂を配合することも可能である。石油樹脂の添加によりさらに層間の接着力が向上する。配合する石油樹脂の量としては、樹脂層(1)および樹脂層(2)を構成する樹脂組成物100重量部に対し、好ましくは1〜40重量部である。
樹脂層(1)、樹脂層(2)および層(12)は、それぞれ延伸することも可能である。延伸することにより剛性の増加、薄肉化が可能となる。
なお、本発明の樹脂層(1)、樹脂層(2)には、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて公知の、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、耐ブロッキング剤、結晶核剤、着色剤、難燃剤、架橋剤及び/又はその他成分を配合することができる。
多層フィルムまたは成形体
本発明の多層フィルムまたは成形体は、前記層(12)を有する構造体である。前記層(12)の一方の表面または両面にフィルムやシート等からなる他の層(基材)を積層することも可能である。
他の層(基材)としては特に限定されるものではないが、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、スチレン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルのフィルム、ナイロン6やナイロン6,6のようなポリアミドのフィルム、またはこれらの延伸フィルム、ポリオレフィンフィルムとポリアミドフィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムのようなガスバリヤー性のある樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミニウム等の金属箔、あるいはアルミニウムやシリカ等を蒸着させた蒸着フィルムや紙等が、包装材の使用目的に応じて適宜選択使用される。この他の層(基材)は、1種類のみならず、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
多層フィルムまたは成形体の一実施態様として、(本発明の層(12):樹脂層(2)・樹脂層(1))/ポリオレフィンフィルム層/他のフィルム層の構成を挙げることができる。ここで、他のフィルム層としては、前記したポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルムとガスバリヤー性樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミニウム箔、蒸着フィルム、および紙からなる群から選ばれる層を挙げることができる。
このような多層フィルムまたは成形体の製造方法としては特に制限はないが、例えば層(12)と他の層(基材)をドライラミネーション・押出ラミネーション・サンドイッチラミネーション、共押出法、熱有着法などによって得る方法が挙げられる。
また、樹脂層(1)もしくは樹脂層(2)を最表面とする単層または他の層(基材)を積層させた複層フィルム・成形体の樹脂層(1)表面上に、樹脂層(2)もしくは樹脂層(1)を押出ラミネーション法により積層させて得ることも可能である。
また、樹脂層(1)を最表面に有する単層または他の層(基材)を積層させた複層フィルム・成形体と、樹脂層(2)を最表面に有する単層または他の層(基材)を積層させた複層フィルム・成形体の樹脂層(1)と樹脂層(2)面を熱融着して得ることも可能である。
上記のような方法で多層フィルムまたは成形体を得る際、樹脂層(1)、樹脂層(2)あるいは層(12)と他の層(基材)との接着強度が十分でない場合には、アンカーコート剤を用いたり、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのような変性ポリオレフィンを接着性樹脂として用いることができる。
本発明の多層フィルムまたは成形体は、樹脂層(1)がその最表面となる構成をとり、これをその面同士で熱融着層させる熱融着シーラント利用できる。このような多層フィルムまたは成形体は、低温でのヒートシール性に優れるとともに樹脂層(1)と樹脂層(2)の層間強度も優れることから、包装材料として好ましく利用できる。
[実施例]以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に本実施例および比較例に用いた原料の物性を示す。
a、 プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(PBR):プロピレン・1−ブテン共重合体
ブテン含量=21mol%、Tm=81℃、MFR(230℃)=7g/10min、Mw/Mn=2.1
b、 結晶性ポリプロピレン1(rPP):プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体
Tm=140℃、MFR(230℃)=7g/10min、Mw/Mn=4.8
c、 結晶性ポリプロピレン2(mPP):プロピレン・エチレン共重合体
Tm=125℃、MFR(230℃)=7g/10min、Mw/Mn=2.1
d、 ポリエチレン系樹脂(L−LDPE):直鎖状低密度ポリエチレン
密度=926kg/m3、MFR(190℃)=3.6g/10min、Tm=123℃
e、 エチレン・α−オレフィン共重合体(EBR):エチレン・1−ブテン共重合体
ブテン含量=11mol%、密度=885kg/m3、MFR(190℃)=3.6g/10min、Tm=66℃
f、 低密度ポリエチレン(LDPE):高圧法低密度ポリエチレン
密度=0.917g/cm3、MFR(190℃)=7.2g/10min、Tm=106℃
g、 石油樹脂:脂環族飽和炭化水素樹脂
分子量(Mn)=820、Tg(ガラス転移)=80℃ 。
評価方法、評価項目
i)接着力
下記に示す実施例で得られたフィルムの樹脂層(1)と樹脂層(2)の間の層間接着力を、180度方向に300mm/分の速度で剥離させたときの強度を接着力(N/15mm)とした。なお、接着力が強く剥離評価が不可能(基材破壊)のものはN.P.とした。
ii)ヒートシール強度
下記に示す実施例で得られたフィルムの樹脂層(1)面どうしを向かい合わせ、圧力0.2MPa、シール時間0.5秒の条件でヒートシール(表.5記載の温度)を行った。その後(一日後)、シール部を180度方向に300mm/分の速度で剥離させた時の剥離強度をヒートシール強度(N/15mm)とした。
iii)耐ブロッキング性
下記に示す実施例で得られたフィルムの樹脂層(1)面どうしを、ASTMD1893に準じ、20kg荷重、40℃のエアーオーブンで3日間放置した後、ブロッキング係数(N/m)を測定した。
[実施例1] 50mmφの押出機を備えた幅300mmの3種3層T−ダイ成形機にて、2種2層の多層フィルムサンプルを共押出法により作成した。各樹脂層を構成する成分組成を表.1に、成形条件(押出し温度・ダイス温度)を表.2に示す。また得られた多層フィルムサンプルの構成を表.3に示す。
このようにして得られた多層フィルムサンプルについて、上記接着力試験、ヒートシール強度試験、耐ブロッキング性試験を行った結果を表.5に示す。
[実施例2] 表.1の成分組成を用いて、他の条件は実施例1と同様の方法で多層フィルムサンプルを得た。これらについて実施例1と同様の方法で接着力試験、ヒートシール強度試験、耐ブロッキング性試験を行った結果を表.5に示す。
[実施例3]表.1の成分組成を用いて、他の条件は実施例1と同様の方法で多層フィルムサンプルを得た。これらについて実施例1と同様の方法で接着力試験、ヒートシール強度試験、耐ブロッキング性試験を行った結果を表.5に示す。
[実施例4]表.1の成分組成を用いて、他の条件は実施例1と同様の方法で多層フィルムサンプルを得た。これらについて実施例1と同様の方法で接着力試験、ヒートシール強度試験、耐ブロッキング性試験を行った結果を表.5に示す。
[実施例5]65mmφの押出機を兼備えたダイス幅500mmの押出ラミネーション加工機を用い、表.1の成分組成からなる樹脂層(1)を、別途成形した樹脂層(2)からなる単層フィルムの上に厚さ20μmになるように押出しラミネートした。このときの成形条件を表.4に示す。このようにして得た多層フィルムサンプルについて実施例1と同様の方法で接着力試験、ヒートシール強度試験、耐ブロッキング性試験を行った結果を表.5に示す。
[比較例1]表.1の成分組成を用いて、他の条件は実施例1と同様の方法で多層フィルムサンプルを得た。これらについて実施例1と同様の方法で接着力試験、ヒートシール強度試験、耐ブロッキング性試験を行った結果を表.5に示す。
[比較例2]表.1の成分組成を用いて、他の条件は実施例1と同様の方法で多層フィルムサンプルを得た。これらについて実施例1と同様の方法で接着力試験、ヒートシール強度試験、耐ブロッキング性試験を行った結果を表.5に示す。
Figure 2006021368
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本発明のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、結晶性ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、低密度ポリエチレンを用いた樹脂層(1)は、ポリエチレン樹脂からなる樹脂層(2)との接着強度に優れるとともに、低温でのヒートシール特性にも優れる。したがって、本発明の層(12)を用いた多層フィルム・成形体は、優れたヒートシール性能を有する。
本発明により、アンカーコート剤を使用しないで高い接着力を有するプロピレン系樹脂層とエチレン系樹脂層を有し、さらに低温ヒートシール性、ヒートシール強度、透明性、耐ブロッキング性にも優れた多層フィルムが可能となる。
本発明の積層フィルムまたは成形体を構成する層(12)である。(実施例1) 本発明の積層フィルムまたは成形体(層(12)の両面にフィルムまたはシート等からなる他の層(基材)を積層した例)の一例である。

Claims (7)

  1. 下記(a1)〜(a2)の特性を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)を含む樹脂層(1)とポリエチレン系樹脂(B)を主成分とする樹脂層(2)が積層されてなる層(12)を有する多層フィルムまたは成形体。
    (a1)DSC法によって測定される融点が105℃以下
    (a2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から得られる分子量分布が3以下
  2. 樹脂層(1)が、前記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)3〜97重量%、結晶性ポリプロピレン(C)97〜3重量%、(A)(C)の合計量100重量部に対してエチレン・α−オレフィン共重合体(D)0〜50重量部、低密度ポリエチレン(E)0〜50重量部からなる樹脂組成物を主成分とする成分からなる請求項1記載の多層フィルムまたは成形体。
  3. 樹脂層(1)が最表面となっており、この樹脂層(1)どうしを熱融着シーラントとして用いる請求項1または2記載の多層フィルムまたは成形体。
  4. 樹脂層(1)と樹脂層(2)の界面が共押出法により接着されている層(12)を有する請求項1または2記載の多層フィルムまたは成形体。
  5. 樹脂層(1)を最表面とする単層または複層フィルム・成形体の樹脂層(1)の表面上に樹脂層(2)を押出ラミネーション法により積層させて得られる請求項1〜3記載の多層フィルムまたは成形体。
  6. 樹脂層(2)を最表面とする単層または複層フィルム・成形体の樹脂層(2)の表面上に樹脂層(1)を押出ラミネーション法により積層させて得られる請求項1〜3記載の多層フィルムまたは成形体。
  7. 樹脂層(1)を最表面に有する単層または複層フィルム・成形体と、樹脂層(2)を最表面に有する単層または複層フィルム・成形体の樹脂層(1)と樹脂層(2)面を熱融着してなる請求項1または2記載の多層フィルムまたは成形体。
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