JP2006021240A - フロート式鋳造方法及びフロート式鋳造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】注湯機構の構成が簡易でトラブルが発生しにくく、鋳型の加熱温度や冷却温度の安定保持が可能で良好な鋳造品質が得られるフロート式鋳造装置を提供する。
【解決手段】溶湯2を加熱可能に貯留する溶解槽1と、鋳造用金型4を溶解槽1内に浮島状に固定支持する金型支持部6と、溶解槽1内に貯留された溶湯2への浸漬度を変化させることで鋳造用金型4のキャビティ内に溶湯2を注入する昇降式のフロート3と、キャビティに溶湯2を注入した後の余剰溶湯を鋳造用金型4の表面から除去する余剰溶湯除去手段7と、キャビティ内に注入された溶湯2を冷却する冷却手段と、キャビティ内に形成された鋳造品を離型させる離型手段と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】溶湯2を加熱可能に貯留する溶解槽1と、鋳造用金型4を溶解槽1内に浮島状に固定支持する金型支持部6と、溶解槽1内に貯留された溶湯2への浸漬度を変化させることで鋳造用金型4のキャビティ内に溶湯2を注入する昇降式のフロート3と、キャビティに溶湯2を注入した後の余剰溶湯を鋳造用金型4の表面から除去する余剰溶湯除去手段7と、キャビティ内に注入された溶湯2を冷却する冷却手段と、キャビティ内に形成された鋳造品を離型させる離型手段と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、各種車両等に搭載される鉛蓄電池(バッテリ)用のストラップや極柱等及びその他の部品を鋳造するために用いられるフロート式鋳造方法及びフロート式鋳造装置に関する。
各種車両等に搭載される鉛蓄電池においては、電極板群の耳部同士をストラップを介して接続するための方法としてキャストオンストラップ方式(COS方式)が従来より公知である(例えば、特許文献1〜7参照)。このCOS方式では2通りの方法が行われている。その一つは、鋳型を手作業または自動機で溶解槽内の溶湯(溶融鉛)に浸漬させてキャビティ内に溶湯を満たした後、鋳型を溶解槽から引き上げて電極板群の耳部をキャビティ内に浸漬させて溶湯を凝固させることによりストラップを形成する方法である(特許文献1,4,5参照)。
別の方法では、鋳型を溶解槽近傍位置に配置し、ピストンポンプ等の移送手段でキャビティ内に溶湯を注入し、この注入溶湯を外部からヒータ(又はバーナ)等の加熱手段で加熱保温しつつ、その溶湯内に、予めフラックス処理して乾燥させた電極板群の耳部の先端部を浸漬させ、この状態で前記鋳型を冷却して溶湯を凝固させ、耳部をストラップに一体化させるようにしていた(特許文献2,3,6,7参照)。なお、キャビティ内への溶湯の注入方法については、堰を設けて溶湯を溶解槽からポンプで汲み上げ、余分の溶湯を溶解槽に戻す方法、湯面と鋳型の間に落差を設ける方法(重力方式)、トリベで直接注ぎ込む方法等々がある。
特開平7−122259号公報
特開平9−199103号公報
特開平9−164469号公報
特開平10−294096号公報
特開2002−011562号公報
特開2002−279965号公報
特開2002−025534号公報
上述のような従来のCOS方式によるストラップの鋳造方法では種々の問題があった。即ち、(1)溶湯をポンプで汲み上げてキャビティ内に注入する場合には、ポンプ内や配管内での溶湯の詰まりに起因する注湯系統のトラブルが発生しやすく、メンテナンスに多大の時間と手間を要し、そのために、稼働率が低下することもあり、ランニングコストも高くなるという問題があった。(2)キャビティ内に注入した溶湯をヒータで加熱する場合には、断線等のトラブルが発生することがあった。また、鋳型の加熱温度や冷却温度の安定保持が難しく温度のバラツキに起因する品質不良が発生しやすく、鋳造品質の安定化(品質管理)が容易ではなかった。さらに、溶湯と大気が接触する機会が多い(接触面積が大きい)ために、酸化物や凝固物が生成しやすいという欠点があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、注湯機構の構成が簡易でトラブルが発生しにくく、鋳型の加熱温度や冷却温度の安定保持が可能で良好な鋳造品質が得られるフロート式鋳造方法及びフロート式鋳造装置を提供することを目的とする。
(1)本発明のフロート式鋳造方法は、溶解槽1内に加熱可能に貯留された溶湯2にフロート3を浸漬させることにより、前記溶解槽1内に浮島状に固定支持された鋳造用金型4のキャビティ5に対して前記溶湯2を注入する。
このような方法によれば、フロート3を溶湯2に浸漬させる動作で湯面を上昇させてキャビティ5内に溶湯2を注入するため、注湯方法が簡易であり、溶湯をポンプで汲み上げてキャビティ内に注入する従来装置のようなポンプ内や配管内で溶湯が詰まるようなトラブルが発生しなくなる。しかも、鋳造用金型4が溶解槽1内に固定支持されているため、金型の水平が保たれ、かつ、湯面を上昇させてキャビティ内に溶湯を注入するため、キャビティの周囲全体から溶湯を注入できるので、キャビティ5への溶湯2の注入動作が安定化し、注入不良を解消することができる。
また、溶解槽1内で加熱された溶湯2がそのままキャビティ5内に注入されるため、従来のようなキャビティ5内に注入した溶湯を外部から加熱するためのヒータ(又はバーナ)等の加熱手段が不要となり構成を簡素化することができ、トラブルの発生を少なくすることができる上に、鋳造用金型4の加熱温度や冷却温度の安定保持が可能となり、良好な鋳造品質が得られる。そして、溶湯2が撹拌されないため、溶湯2がCa合金の場合には酸化滓の発生が抑制される。また、全ての鋳造工程を溶解槽1内で行えるため、鉛成分(溶湯)の外部への持ち出しがなく、環境対策が容易になる。
(2)本発明のフロート式鋳造装置は、溶湯2を加熱可能に貯留する溶解槽1と、鋳造用金型4を前記溶解槽1内で浮島状に固定支持する金型支持部6と、前記溶解槽1内に貯留された前記溶湯2に浸漬される昇降式のフロート3と、を備えている。
このような構成によれば、フロート3を溶湯2に浸漬させる動作で湯面を上昇させてキャビティ5内に溶湯2を注入するため、注湯機構が簡易であり、溶湯をポンプで汲み上げてキャビティ5内に注入する従来装置のようなポンプ内や配管内で溶湯が詰まるようなトラブルが発生しなくなる。しかも、鋳造用金型4が溶解槽1内に固定支持されているため、キャビティ5への溶湯2の注入動作が安定化し、注入不良を解消することができる。
また、溶解槽1内で加熱された溶湯2がそのままキャビティ5内に注入されるため、従来のようなキャビティ5内に注入した溶湯を外部から加熱するためのヒータ(又はバーナ)等の加熱手段が不要となり構成を簡素化することができ、トラブルの発生を少なくすることができる上に、鋳造用金型4の加熱温度や冷却温度の安定保持が可能となり、良好な鋳造品質が得られる。そして、溶湯2が撹拌されないため、溶湯2がCa合金の場合には酸化滓の発生が抑制される。また、全ての鋳造工程を溶解槽1内で行えるため、鉛成分(溶湯)の外部への持ち出しがなく、環境対策が容易になる。
(3)本発明のフロート式鋳造装置は、溶湯2を加熱可能に貯留する溶解槽1と、鋳造用金型4を前記溶解槽1内に浮島状に固定支持する金型支持部6と、前記溶解槽1内に貯留された前記溶湯2への浸漬度を変化させることで前記鋳造用金型4のキャビティ5内に溶湯2を注入する昇降式のフロート3と、前記キャビティ5に前記溶湯2を注入した後の余剰溶湯を前記鋳造用金型4の表面から除去する余剰溶湯除去手段7と、前記キャビティ5内に注入された前記溶湯2を冷却する冷却手段8と、前記キャビティ5内に形成された鋳造品9を離型させる離型手段10と、を備えている。
このような構成によれば、フロート3を溶湯2に浸漬させる動作で湯面を上昇させてキャビティ5内に溶湯2を注入するため、注湯機構が簡易であり、溶湯をポンプで汲み上げてキャビティ5内に注入する従来装置のようなポンプ内や配管内で溶湯が詰まるようなトラブルが発生しなくなる。しかも、鋳造用金型4が溶解槽1内に固定支持されているため、キャビティ5への溶湯2の注入動作が安定化し、注入不良を解消することができる。
また、溶解槽1内で加熱された溶湯2がそのままキャビティ5内に注入されるため、従来のようなキャビティ5内に注入した溶湯を外部から加熱するためのヒータ(又はバーナ)等の加熱手段が不要となり構成を簡素化することができ、トラブルの発生を少なくすることができる上に、鋳造用金型4の加熱温度や冷却温度の安定保持が可能となり、良好な鋳造品質が得られる。さらに、余剰溶湯除去手段25によって、溶湯2をキャビティ5に注入した後の余剰溶湯を鋳造用金型4の表面から除去するので、鋳バリの発生を抑えることができ、鋳造品9の離型性が向上し、鋳造品質も向上する。そして、溶湯2が撹拌されず、かつ、溶湯にフロートを浸漬させているために、溶湯と大気の接触面積を小さくすることができるので、特に、Ca合金において発生しやすい酸化滓等の凝固物の発生が抑制される。また、全ての鋳造工程を溶解槽1内で行えるため、鉛成分(溶湯)の外部への持ち出しがなく、環境対策が容易になる。
(1)本発明のフロート式鋳造方法は、フロートを溶湯に浸漬させる動作で湯面を上昇させてキャビティ内に溶湯を注入するので、溶湯をポンプで汲み上げてキャビティ内に注入する従来装置のようなポンプ内や配管内で溶湯が詰まるようなトラブルが発生しなくなる。しかも、鋳造用金型が溶解槽内に固定支持されているので、キャビティへの溶湯の注入動作が安定化し、注入不良を解消することができる。
また、溶解槽内で加熱された溶湯がそのままキャビティ内に注入されるので、従来のようなキャビティ内に注入した溶湯を外部から加熱するためのヒータ(又はバーナ)等の加熱手段が不要となり構成を簡素化することができ、トラブルの発生を少なくすることができる上に、鋳造用金型の加熱温度や冷却温度の安定保持が可能となり、良好な鋳造品質が得られる。そして、溶湯が撹拌されないので、溶湯がCa合金の場合には酸化滓の発生が抑制される。また、全ての鋳造工程を溶解槽内で行えるので、鉛成分(溶湯)の外部への持ち出しがなく、環境対策が容易になる。
(2)本発明のフロート式鋳造装置は、フロートを溶湯に浸漬させる動作で湯面を上昇させてキャビティ内に溶湯を注入するので、溶湯をポンプで汲み上げてキャビティ内に注入する従来装置のようなポンプ内や配管内で溶湯が詰まるようなトラブルが発生しなくなる。しかも、鋳造用金型が溶解槽内に固定支持されているので、キャビティへの溶湯の注入動作が安定化し、注入不良を解消することができる。
また、溶解槽内で加熱された溶湯がそのままキャビティ内に注入されるので、従来のようなキャビティ内に注入した溶湯を外部から加熱するためのヒータ(又はバーナ)等の加熱手段が不要となり構成を簡素化することができ、トラブルの発生を少なくすることができる上に、鋳造用金型の加熱温度や冷却温度の安定保持が可能となり、良好な鋳造品質が得られる。そして、溶湯が撹拌されないので、溶湯がCa合金の場合には酸化滓の発生が抑制される。また、全ての鋳造工程を溶解槽内で行えるので、鉛成分(溶湯)の外部への持ち出しがなく、環境対策が容易になる。
(3)本発明のフロート式鋳造装置は、フロートを溶湯に浸漬させる動作で湯面を上昇させてキャビティ内に溶湯を注入するため、溶湯をポンプで汲み上げてキャビティ内に注入する従来装置のようなポンプ内や配管内で溶湯が詰まるようなトラブルが発生しなくなる。しかも、鋳造用金型が溶解槽内に固定支持されているため、キャビティへの溶湯の注入動作が安定化し、注入不良を解消することができる。
また、溶解槽内で加熱された溶湯がそのままキャビティ内に注入されるので、従来のようなキャビティ内に注入した溶湯を外部から加熱するためのヒータ(又はバーナ)等の加熱手段が不要となり構成を簡素化することができ、トラブルの発生を少なくすることができる上に、鋳造用金型の加熱温度や冷却温度の安定保持が可能となり、良好な鋳造品質が得られる。さらに、余剰溶湯除去手段によって、溶湯をキャビティに注入した後の余剰溶湯を鋳造用金型の表面から除去するので、鋳バリの発生を抑えることができ、鋳造品の離型性が向上し、鋳造品質も向上する。そして、溶湯が撹拌されないので、溶湯がCa合金の場合には酸化滓の発生が抑制される。また、全ての鋳造工程を溶解槽内で行えるので、鉛成分(溶湯)の外部への持ち出しがなく、環境対策が容易になる。
以下に、本発明の最良の実施の形態に係るフロート式鋳造装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1はフロート式鋳造装置の要部断面図、図2はその斜視図である。これらの図に示すように、このフロート式鋳造装置は、加熱装置(図示省略)付きの溶解槽1と、鋳造用金型4を固定するための金型支持部6と、溶湯2に浸漬される昇降式のフロート3と、鋳造用金型4のキャビティ5(図5(c)参照)に溶湯2を注入した後の余剰溶湯を鋳造用金型4の表面から除去するための余剰溶湯除去手段7と、キャビティ5内に注入された溶湯2を冷却する冷却手段8(図4(a)(b)参照)と、前記キャビティ5内に形成された鋳造品(例えば、ストラップ)9を離型させる離型手段としての鋳型引き込み装置10と、を備えている。なお、図1中、符号L1は溶湯2の湯面の下限位置、L2は湯面の上限位置を示し、フロート3が実線の位置にある時は、溶湯2の湯面は下限位置L1にあり、フロート3が二点鎖線の位置にある時は、溶湯2の湯面は上限位置L2になる。
図1はフロート式鋳造装置の要部断面図、図2はその斜視図である。これらの図に示すように、このフロート式鋳造装置は、加熱装置(図示省略)付きの溶解槽1と、鋳造用金型4を固定するための金型支持部6と、溶湯2に浸漬される昇降式のフロート3と、鋳造用金型4のキャビティ5(図5(c)参照)に溶湯2を注入した後の余剰溶湯を鋳造用金型4の表面から除去するための余剰溶湯除去手段7と、キャビティ5内に注入された溶湯2を冷却する冷却手段8(図4(a)(b)参照)と、前記キャビティ5内に形成された鋳造品(例えば、ストラップ)9を離型させる離型手段としての鋳型引き込み装置10と、を備えている。なお、図1中、符号L1は溶湯2の湯面の下限位置、L2は湯面の上限位置を示し、フロート3が実線の位置にある時は、溶湯2の湯面は下限位置L1にあり、フロート3が二点鎖線の位置にある時は、溶湯2の湯面は上限位置L2になる。
上述の金型支持部6は、入子11をキャビティ5から離脱させる鋳型引き込み装置10の上部に設けられ、鋳造用金型4を、溶湯2の湯面下限L1と湯面上限L2の間に浮島状に固定支持し、鋳造終了後には、鋳型引き込み装置10によって、鋳造用金型4の貫通孔4aから入子11(図5(c)参照)を離脱させることで、ストラップ9をキャビティ5から離型させる。このように、入子11を貫通孔4aから離脱させる動作で、成形されたストラップ9をキャビティ5から安定性よく離型させることができるため、従来のような押出ピンは必要としなくなり、装置の構成を簡素化することができる。なお、鋳造用金型4を浮島状に固定支持するための浮島部を図1及び図4(a)(b)に符号1aで示す。
キャビティ5に溶湯2を注入した後の余剰溶湯を鋳造用金型4の表面から除去するための余剰溶湯除去手段7は、装置本体に横架された支持部7aに沿ってエア又は油圧等の流体圧駆動手段等(図示省略)によって水平方向に往復駆動される除去板7b,7bを備え、その除去板7bの先端(下端)を鋳造用金型4の表面に摺接させて溶湯注入後の余剰溶湯の除去を行うように構成される。このような余剰溶湯除去手段7によって、溶湯2を注入した後の余剰溶湯を除去するので、鋳バリの発生を抑えることができ離型性が向上し鋳造品質も向上する。
フロート3は、例えば、SUS304で直方体状に形成されて内部に断熱材が充填されており、例えば、図3(a)(b)に示すように、装置本体に架設された架台31に設けられているスライドブッシュ32,32に上下方向に案内されるガイドシャフト33,33の下端、及び、その両ガイドシャフト33,33の中間に上下可動に立設されたジャッキ34の下端に、ボルト締結等により吊持される。ジャッキ34の入力軸に取り付けられた被動ギヤ35は、チェーン36を介して、架台31に載設されたモータ37の出力軸に取り付けられた駆動ギヤ38に伝動連結されており、フロート3を所定の速度で昇降動作させることができる。
例えば、フロート3の自重が約71kgf(体積0.08m3 程度)の場合、18.23mm/sec程度の昇降速度で、最大ストロークを140mm程度に設定すれば、適切な溶湯排斥量を確保することができる。このようなフロート3の昇降動作によって、溶湯2に対する浸漬度(没入度)を変化(増大)させることで溶湯排斥量を変化(増大)させて湯面を上昇させ、溶解槽1内の浮島部1aに固定支持されている鋳造用金型4のキャビティ5内に溶湯2を安定な状態で注入することができる。なお、フロート3が最大ストローク移動しても溶湯2が溢出しないように初期の溶湯量を設定する。
また、一方のガイドシャフト33に近接させてセンサブラケット39が立設され、その上部と下部に、それぞれ近接スイッチ40,41が設けられ、一方のガイドシャフト33に固定されたカラー42の位置を検出できるようになっており、カラー42が図示の位置(実線で示す)では、フロート3が上限位置にあることが検知され、カラー42が二点鎖線で示す下方の位置にあるときには、フロート3が下限位置の少し手前(上方)の警報位置にあり、この位置にフロート3が降下すると警報が発せられ、作業者にインゴット投入準備を促し、さらに運転を続行した場合には、フロート3が下限位置で自動的に停止し、品質異常となるおそれのある鋳造品の発生が防止される。
このようなフロート3によって湯面を上昇させてキャビティ5内に溶湯2を注入するため、注湯機構の構成が簡易であり、溶湯をポンプで汲み上げてキャビティ内に注入する従来装置のようなポンプ内や配管内で溶湯が詰まるようなトラブルが発生しなくなる。また、溶解槽1内で加熱された溶湯2がそのままキャビティ5に注入されるため、従来のようなキャビティ内に注入した溶湯を外部から加熱するためのヒータ(又はバーナ)等の加熱手段が不要となり、構成を簡素化することができ、加熱系統のトラブルの発生を少なくすることもできる。また、鋳造用金型4の加熱温度や冷却温度の安定保持が可能となり、良好な鋳造品質を得ることができる。
鋳型引き込み装置10は、例えば、図4(a)(b)に示され、内部に冷却水通路8aを有する上下可動な4本のクーリングポスト(本発明の冷却手段)8の上部に設けた金型支持部6にガスケットを介して鋳造用金型4を固定する一方、入子11(図5(c)参照)をプレート45に固定し、鋳造終了後にエアシリンダ46の押し上げ動作によって、入子11を少し上方に移動させて鋳造用金型4の貫通孔4aから離脱させる際に、ストラップ9をキャビティ5から離型させるように構成される。
より詳しく説明すると、図4(a)(b)に示すように、4本のクーリングポスト8の下部にはアンダープレート47が固定され、そのアンダープレート47の中央部に立設されたリニアブッシュ48には、シャフト49が上下に移動自在に挿通されており、そのシャフト49の上部には、接続プレート50及びパイプ51を介して入子11を固定支持するプレート45が接続されており、シャフト49の下部には被掛止部材52が接続され、その被掛止部材52は、エアシリンダ46の出力軸に固定された掛止部材53に掛止されている。
一方、アンダープレート47のリニアブッシュ48を挟む両側の位置に、一対のフックプレート54,54が垂下され、その被掛止端54a,54aが、エアシリンダ46の直下に配設された他方のエアシリンダ55の出力軸に固定された掛止部材56,56に掛止されている。このような構成により、鋳造工程では、図示のように、両方のエアシリンダ46,55によって鋳造用金型4及び入子11が初期位置に引き込まれた状態となっている。なお、57は鋳造用金型4の温度を計測するための熱電対である。
他方、図4(c)に示される鋳造用金型4には、貫通孔4aが6個2列(計12個)形成され、図示の状態では、各貫通孔4aに入子11が嵌装され、その上にキャビティ5が形成されており、その両側に冷却水通路4b,4cが形成されている。そして、金型本体の両側部には6本のガイドピン61,62が立設され、中央の2本は位置決め用で段付き状に形成され、両端の4本のガイドピン61には搬送手段(図示省略)に掛止させるための被掛止突片61aが設けられている。
図5は、以上のようなフロート式鋳造装置によって鋳造される鋳造品9の一例としてのストラップ及び鋳造用金型4と入子11を示し、図5(a)はストラップ9の側面図、図5(b)は入子11の側面図、図5(c)はキャビティ5内でストラップ9が鋳造(成形)された状態を示す側断面図である。このストラップ9は、互いにL型に折曲されるセル間接続部9aと電極接続部9bとを有し、入子11は、そのセル間接続部9aの内側と電極接続部9bの下側とに対応してキャビティ5の底を形成するように形成される。鋳造用金型4に形成される貫通孔4aは、4つの側壁からなり、対向し合う2つの側壁4b,4cが、それぞれ図示下方内向きにそれぞれ1°,2°のテーパー角(ストラップ9の離型方向に拡がるテーパー角)をなす抜き勾配を有し、その両側壁4b,4c間に対向し合うように形成される2つの側壁(符号なし)は下向きに1°のテーパー角をなす勾配を有している。このように鋳型の壁面にテーパー角を設けることによって入子11を上方へ押し上げたときに、鋳造品を鋳型から容易に離型させることができる。
ストラップ9の鋳造に先立って、まず、入子11を貫通孔4aに嵌入すると、側壁4b,4cのテーパー角(図示下方内向きに1°,2°)によって抜け止めされた状態で底部に嵌装された状態となり、このとき、入子11の底部が貫通孔4aから若干突出する。この状態にて、入子11の上部にストラップ9を鋳造(成形)するためのキャビティ5が形成される。この貫通孔4aは、入子11の嵌装によってキャビティ5の底部が形成されるため、抜き勾配を有する段部のない貫通状に形成することができ、鋳造用金型4の形成が容易となり、例えば、その貫通孔4aをワイヤカットにより形成することができる。その場合、従来の放電加工による場合よりも表面仕上げ精度が格段に向上するため、上述のように、抜き勾配を小さく設定することができ、かつ、コスト安に鋳造用金型4を提供することができる。
次いで、フロート式鋳造装置によるストラップ9の鋳造方法について説明すると、まず、鋳造用金型4の貫通孔4a内に入子11を嵌装してキャビティ5を形成し、搬送手段によって鋳造用金型4を搬入し金型支持部6に位置決め状態に固定する。このとき、鋳造用金型4の冷却水通路4b,4cにクーリングポスト8の冷却水通路8aをそれぞれ接続する(図4(c)参照)。次いで、フロート3を所定の温度に加熱された溶湯2に所定の深さまで浸漬させて湯面を上昇させ、キャビティ5内に溶湯2を注入する。
鋳造用金型4が所定の温度に達した後、フロート3を引き上げて鋳造用金型4の表面を露出させ、表面に残留している余剰溶湯を余剰溶湯除去手段7によって除去する。次いで、搬送手段(図示省略)により電極板群の耳部(図示省略)を下に向けてキャビティ5内に(3mm程度)浸漬させ、冷却水通路4b,4cに冷却水を流通させて鋳造用金型4を所定の温度まで冷却した後、鋳型引き込み装置10のエアシリンダ46を作動させて、入子11を上方に押し上げて鋳造用金型4の貫通孔4aから離脱させることで、極板群の耳部が一体化された状態のストラップ9を入子11に載せた状態でキャビティ5から離型させることができる。
このような入子11を用いた鋳造用金型5によるCOS方式では、鋳型引き込み装置10によって入子11を鋳造用金型4の貫通孔4aから離脱させることでストラップ9を離型させるため、その離型動作が安定し、未硬化のストラップ9を変形させることなく離型させることができ、離型剤を用いなくても、離型不良を極減することができる。なお、本実施の形態では、鋳型引き込み装置10によって入子11を上方に移動させて鋳造用金型4から離脱させているが、鋳造用金型5を下方に移動させて、入子11を離脱させるようにしてもよい。
また、フロート式鋳造装置により、鋳造用金型4を溶解槽1内に浮島状に固定支持させているため、鋳造工程中に鋳造用金型4を移動させる必要がなく、溶湯2がこぼれにくくなり充填ミスをなくすことができる(鉛の溶湯は、比重が大であるため、鋳造用金型4に僅かの傾斜や振動があると、こぼれる虞がある)。そして、溶湯2中に極板群耳部を浸漬させたときに、溶湯2の一部が耳の表面を伝わって這い上がりメニスカスを形成するので、キャビティ5内に溶湯2を満杯状態として耳群を浸漬させても溶湯2が溢出することがなく、溶湯不足による極板群耳部の接合不良が解消される。
尚、本発明のフロート式鋳造方法及びフロート式鋳造装置は、実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、使用条件や使用目的等に応じて、部分的な改良や設計変更等を行うことは自由であり、例えば、鋳造用金型4に形成されるキャビティ5は、貫通孔ではなく有底の凹状に形成されてもよく、また、鋳造品9は、ストラップの他、極柱やその他の部品類であってもよい。
1…溶解槽、2…溶湯、3…フロート、4…鋳造用金型、5…キャビティ、6…金型支持部、7…余剰溶湯除去手段、8…冷却手段、9…鋳造品、10…離型手段
Claims (3)
- 溶解槽(1)内に加熱可能に貯留された溶湯(2)にフロート(3)を浸漬させることにより、前記溶解槽(1)内に浮島状に固定支持された鋳造用金型(4)のキャビティ(5)に対して前記溶湯(2)を注入することを特徴とするフロート式鋳造方法。
- 溶湯(2)を加熱可能に貯留する溶解槽(1)と、
鋳造用金型(4)を前記溶解槽(1)内で浮島状に固定支持する金型支持部(6)と、
前記溶解槽(1)内に貯留された前記溶湯(2)に浸漬される昇降式のフロート(3)と、を備えたことを特徴とするフロート式鋳造装置。 - 溶湯(2)を加熱可能に貯留する溶解槽(1)と、
鋳造用金型(4)を前記溶解槽(1)内に浮島状に固定支持する金型支持部(6)と、
前記溶解槽(1)内に貯留された前記溶湯(2)への浸漬度を変化させることで前記鋳造用金型(4)のキャビティ(5)内に溶湯(2)を注入する昇降式のフロート(3)と、
前記キャビティ(5)に前記溶湯(2)を注入した後の余剰溶湯を前記鋳造用金型(4)の表面から除去する余剰溶湯除去手段(7)と、
前記キャビティ(5)内に注入された前記溶湯(2)を冷却する冷却手段(8)と、
前記キャビティ(5)内に形成された鋳造品(9)を離型させる離型手段(10)と、を備えたこと特徴とするフロート式鋳造装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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