JP2006020979A - 多目的収納ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構造で縦方向及び横方向に無駄なく連結可能で、複数段収納ユニットを連結しても、側板に設けられた取付孔の間隔のずれが生じない多目的収納ユニットを提供すること
【解決手段】 矩形状で所定の厚みを有する板材と、前記板材を連結しうる棒状の枠材20、25、30、35と、からなる多目的収納ユニット1であって、前記板材を、天板10、底板11、縦板12、13、あるいは仕切り板18、19として使用し、前記板材の外周部に前記枠材を取り付けて縦方向及び横方向に任意の数だけ接続することにより、一個乃至複数の収納空間を形成する多目的収納ユニット。
【選択図】 図1

Description

本発明は組み立て式の多目的収納ユニットに係り、特に、縦方向、及び横方向に任意の数だけ連結使用することが可能で、かつ、様々な付属品の取付が容易に行える多目的収納ユニットに関する。
各世帯に備えられる収納家具は現在広く市場に出回っており、そのニーズも高い。特に、収納容量を容易に増加でき、持ち運びも便利な組み立て式の収納ユニットは少ないスペースに多くのものを収納でき、使い勝手がよく、様々な形態のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図11は、下記特許文献1に記載の組立式の収納家具を示す側断面図である。
下記特許文献1(特開2004−97404号公報)に記載の組立式の収納家具は、組立式収納家具である戸棚101と、前記戸棚101の構成体となる、天板102と、底板103と、戸棚101の周壁を形成する縦板104(側板K、背板L)と、扉5とを備えており、側板Kには孔K1、K2が設けられており、その孔に支持具(図示省略)、あるいはヒンジ112を取り付けることにより棚板110や、扉105が取り付けられている。
そして、前記縦板104は、一の戸棚101の縦板104と、他の戸棚101の縦板104とが、縦に積まれるようにして連結可能に、かつ取外し可能に、形成されている。そして、一の戸棚101の縦板104と、他の戸棚101の縦板104とを連結するために、前述の第1接続具106及び第2接続具107が用いられる。この戸棚101によると、例えば二つの戸棚101、101を縦に積み重ねる際に、下側の戸棚101の天板102を外し、そして、上側の戸棚101の底板103を外して、それら戸棚101、101の縦板104、104を(詳細には、側板K、K及び背板L、Lをそれぞれ)、縦に積むようにして連結することができる(図11参照)。こうして積み重ねられた戸棚101、101は、それらの間に、天板102や底板103がなく、それぞれの戸棚101、101の収納スペースが一体化されて、一つの戸棚として機能する。そして、このように、一つの戸棚として機能するので、それら戸棚101、101の収納スペースを有効に利用することができる。
特開2004−97404号公報(図5、段落[0015]、[0021]〜[0024])
しかしながら、上記特許文献1に記載の組立式の収納家具においては、縦方向への積み重ねに関しては無駄なスペースを省いて連結することが可能であるが、横方向に連結することは考えられておらず、横方向に連結しようとすると、横方向の仕切りとして側板が2枚合わさって使用されることからスペースの無駄が発生する恐れがある。
また、例えば縦方向に連結した複数の戸棚にまたがって扉を取り付けたい場合には、孔の位置が定まらなくなることから、特別にヒンジの取り付け位置を定めた扉を用意する必要があり、扉の取り付けが高価になってしまう恐れがあった。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、縦方向のみならず、横方向にも無駄なく連結することの可能な多目的収納ユニット(以下、単に収納ユニットとする)を種々検討した結果、矩形状の板材と、前記板材を連結するための枠材によって収納空間を形成することより横方向にも連結可能な収納ユニットを提供できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の第1の目的は、簡単な構造で縦方向及び横方向に無駄なく連結可能な多目的収納ユニットを提供することにある。
更に、本発明の第2の目的は、複数段収納ユニットを連結しても、側板に設けられた取付孔の間隔のずれが生じない多目的収納ユニットを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の多目的収納ユニットの発明は、矩形状で所定の厚みを有する板材と、前記板材を連結しうる棒状の枠材と、からなる多目的収納ユニットであって、
前記板材を、天板、底板、縦板、あるいは仕切り板として使用し、前記板材の外周部に前記枠材を取り付けて縦方向及び横方向に任意の数だけ接続することにより、一個乃至複数の収納空間を形成することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多目的収納ユニットに係り、前記板材は、その外周部の何れかに所定の取付機構を有しており、前記取付機構に取付可能な枠材を前記板材の取付機構と連結することにより複数の板材の取り付けが可能となっていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の多目的収納ユニットに係り、前記取付機構は、外周部の何れかの一辺に延設された臍であり、前記枠材には、前記臍状の取付機構に嵌合する臍溝が形成されており、前記臍と前記臍溝を結合することにより前記板材と前記枠材との結合がなされることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の多目的収納ユニットに係り、前記枠材は、前記板材の一辺とほぼ等しい長さを有する四角柱状の枠材からなり、前記枠材の長手方向の側面の少なくとも2面には、前記臍溝が形成されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の多目的収納ユニットに係り、前記臍は蟻状の臍であり、前記臍溝は蟻状の臍溝であることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の多目的収納ユニットに係り、前記天板、底板、縦板、あるいは仕切り板として使用される板材の外周部の何れかの一辺の近傍には、背板を取り付けるための溝が設けられており、矩形状で所定の厚みを有し、外周部に前記溝と嵌合する突起を有する背板が取り付けられることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の多目的収納ユニットに係り、前記枠材の外周部の何れかの一辺の近傍には、背板を取り付けるための溝が適宜設けられており、外周部に前記溝と嵌合する突起を有する背板が取り付けられることを特徴とする
また、請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の多目的収納ユニットに係り、前記板材において、縦材、あるいは左右の仕切り板として利用されるものには、一定間隔毎に付属品を取り付けるための取付金具用の取付穴が縦方向に一列乃至複数列穿設されており、前記取付穴は、前記枠材により縦方向に板材が連結された場合の板材接合部分においても穿設間隔が等しくなることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の多目的収納ユニットに係り、前記板材を縦方向に連結する枠材の長手方向の面には、前記連結した板材に設けられた取付穴の延長線上に、前記板材に設けられたものと同様の取付穴が穿設されていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の多目的収納ユニットに係り、前記取付穴は、取付穴に関する所定の規格に準じた位置に穿設されていることを特徴とする。
請求項1によれば、複数の板材を複数の枠材で接続し、例えば天板と、底板と、2枚の縦板とによって形成される立方体状の収納空間を一個又は複数設ければ、収納ユニット自体の収納容量を自由に増減可能で、かつ収納空間を縦方向のみならず横方向にも連結させて設けることができるため、設置スペースに合わせて自由に組み立てることにより設置スペースを選ばない収納ユニットを組み立てることができる。
また、縦方向に板材を連結し、二段の収納空間を有する収納ユニットを組み立てる場合には、一段目の天板と、二段目の底板を1枚の板材(仕切り板)で兼用できるようになり、同様に横方向に2つの収納空間を有する収納ユニットを組み立てた場合においても、右側の収納空間の左縦板と、左側の収納空間の右縦板とを1枚の板材(仕切り板)で兼用できるようになることから、少ない板材で多くの収納空間を作ることができるようになると共に、設置を行う際には限られたスペースの有効利用を行うことができる。
請求項2によれば、板材と枠材を連結する際に、ねじ穴や、接着剤等の接続手段を用いることなく、板材及び枠材の取付機構を連結することにより収納ユニットの組み立てが可能となるため、収納ユニットの追加や、取り外しを容易に行うことが可能となる。
請求項3によれば、板材と枠材とに、取付機構として臍及び臍溝を形成するという簡単な構成で板材と枠材とを連結できるため、より安価に収納ユニットを提供することができる。
請求項4によれば、枠材の少なくとも2面に臍溝が形成されることにより、この臍溝に板材の外周部に設けられた臍を接続することで、複数の板材を連結可能となり、更に枠材の3面あるいは4面に臍溝を形成したものを用いれば、複数の収納空間を有する比較的大型の収納ユニットを形成する場合にも、無駄な板材を用いることなく最少の板材の使用で収納ユニットを形成できる。
請求項5によれば、臍及び臍溝を蟻状とすることにより、臍と臍溝とを接合した際に、縦方向の力に対しても連結が外れる心配のない堅固な接合を行うことができる。
請求項6によれば、天板、底板、縦板、あるいは仕切り板の背面に位置する外周部の近隣に溝を設けることにより、背板の取り付けが行えるようになるため、例えば美観の面及び補強の面で背板を取り付けたい場合があれば簡単に背板の取り付けを行うことができる。
請求項7によれば、板材を同方向に複数枚連結することにより、比較的大きな収納空間を形成し、更に、その収納空間の背面部分に前記収納空間に合う大きさの背板を取り付けたい場合に、枠材が邪魔になることなく背板の取り付けができるようになる。
請求項8によれば、収納空間を縦方向に複数段有する収納ユニットを組み立てた場合においても、縦材に設けられた付属品を取り付けるための取付金具用の取付穴が、例えばシステム32(ヨーロッパ規格)のような取付穴の設置位置の規格に準じた間隔で整列しているため、例えば扉の取り付けを収納空間の複数段にまたがって行いたい場合においても、前記規格に準じた位置に取付金具が設置されている扉であれば取り付けることができるため、特別に取付金具の取付位置を変更することなく、既製品等の取り付けが可能となるため、扉のような付属品の取り付けの制限を少なくでき、好みの付属品の取り付けを自由に行うことができるようになる。
請求項9によれば、枠材上にこの収納ユニットで採用した取付穴の規格に準じる穴が形成されることになっている場合にも、枠材自身に前記取付穴を設けることにより、取付穴の抜けを防止し、より付属品の取り付けの制限を少なくすることができるようになる。
請求項10によれば、縦板に穿設される取付穴の位置を、例えばヨーロッパの規格であるシステム32に則した位置とすることにより、同規格を採用した例えば扉等の付属品を特別な加工をすることなくそのまま取り付けることができるようになり、容易に付属品の取り付けが可能な収納ユニットを提供することができるようになる。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための多目的収納ユニットを例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
図1は、本発明の一実施例に係る収納ユニットを示す外観斜視図、図2は、図1の収納ユニットを各構成部品に分解して示す分解斜視図、図3は、収納ユニットの左縦板を示す図であり、図3(a)は右側面図、図3(b)は底面図、図3(c)は正面図、図4は収納ユニットに用いられる枠材の形状を示す斜視図であり、図4(a)及び図4(b)は臍溝が2方向に設けられた枠材を示す図、図4(c)は臍溝が3方向に設けられた枠材を示す図、図4(d)は臍溝が4方向に設けられた枠材を示す図、図5は、構成部品を組み合わせることにより複数の収納空間を設けた収納ユニットを示す外観斜視図、図6は、図5の収納ユニットの前面に扉を設けた場合の外観斜視図、図7は、図6のA−A線から見た断面図、図8は、各構成部品を組み合わせることにより更に多くの収納空間を設けた収納ユニットを示す外観斜視図、図9は、図8のB−B線から見た断面図、図10は、枠材の他の構成例を示すものであり、図10(a)は図4(b)の枠材に溝が1つ形成された枠材を示す斜視図、図10(b)は図4(b)の枠材に溝が2つ形成された枠材を示す斜視図、図10(c)は図4(c)の枠材に溝が1つ形成された枠材を示す斜視図である。
本発明の収納ユニット1は、複数枚の板材と、それらの板材を接続する枠材とから構成されており、いくつかの構成部品からなる収納ユニットの一例を図1及び図2に示す。この収納ユニット1は、天板10、底板11、及び図中左方向側面に備えられる左縦板12と、図中右方向側面に備えられる右縦板13とを構成する4枚の板材と、それらの外周端部同士を接続するための4本の枠材21〜24と、これら4枚の板材10〜13と同じく4本の枠材21〜24とにより組み立てられる矩形状の管体の背面に必要に応じて取り付けられる背板14とから構成されている。そして、上記構成部品によりなる箱状の収納ユニット1は、箱体内部が収納空間5となっており、これにより収納家具としての使用が可能となる。
この収納ユニット1に用いられる各構成部品について以下に詳細に説明する。
先ず、板材の基本的な構成について、左縦板12を用いて図3を参照して説明する。ちなみに、この収納ユニット1で使用されている天板10、底板11、左縦板12、及び右縦板13はほぼ同一の形状及び構造を有している。ただし、縦板として使用される板材12、13は、種々の付属品を取り付ける為の取付穴Hが設けられている箇所にのみ、天板10あるいは底板11と異なる。
左縦板12は、図3(a)に示すように、矩形状で所定の厚みを有する板体であり、左縦板12の平面部12T及び底面部12Bにはそれぞれ枠材21〜24との取付機構である臍16A、16Bが形成されている。ちなみに、左縦板12の正面部12F、及び背面部12Rには臍等の取付機構は形成されていない。また、この縦板の右側面上の背面部12R付近には、図3(b)に示すように背板14を取り付けるための矩形状の結合溝17(左縦板に設けられた結合溝は17Cとする。)が底面部12Bから平面部12Tにかけて延設されており、この左縦板の結合溝17Cには背板14に設けられた結合突起14C(図2参照)が結合される。
更に、前記臍16A、16Bは図3(c)に示すように、蟻状の臍であり、このように形成することにより、枠材21〜24を連結した際に、臍に対して垂直な方向に外力が生じても前記連結が外れる心配がない。このような臍16A、16B及び結合溝17は左縦板12のみならず、天板10、底板11、及び右縦板13にも同様のものが設けられている。なお、結合溝17については、それぞれの板材に、図2に示すように、それぞれ符号17A〜17Dを付して区別することとする。
また、前記結合溝17A〜17Dに取り付けられる背板14は、板材10〜13の縦方向及び横方向と同じ長さを有する矩形状の板体からなり、その肉厚は前記板材10〜13と同様である。この背板14は、外周部に板材10〜13に設けられた結合溝17A〜17Dと結合するための結合突起14A〜14Dが延設されており、組み立て時にこの結合突起14A〜14Dを結合溝17A〜17Dに嵌め込むことにより固定される。
次に、図4を参照して本実施例に用いる枠材を説明する。
枠材20は、図4(a)に示すように前記板材の奥行き方向の長さと等しい奥行き方向の長さを有し、正面部20Aがほぼ正方形状に成形された直方体であり、その、上部、底部、あるいは左右側面部に前記板材に設けられた蟻状の臍を挿入するための臍溝(20a、20b)が設けられている。そして、図4(a)に示す枠材20は、上面、底面、及び左右側面のうち、隣接する2面に臍溝20a、20bが設けられた枠材であり、図1の収納ユニット1は、この枠材20のみで組み立てられている。また、図4(b)に示す枠材25は、対向する2面に臍溝25a、25bが設けられており、図4(c)に示す枠材30は3面に臍溝30a、30b、30cが設けられており、図4(d)に示す枠材35は4面すべてに臍溝35a、35b、35c、35dが設けられたものを示している。
前述した板材及び枠材により組み立てられる収納ユニット1の組み立て工程を、図2を参照して以下に説明する。
先ず、底板11の側面に設けられた臍16A、16Bに図4(a)に記載の枠材20と同様の形状からなる枠材22、24をスライド結合させる。そして、前記枠材22、24のもう一方の臍溝に、左右の縦板12、13の臍16B、16Bを同様にスライド結合させる。次に、前述の各工程により組み立てられた底板11、及び左右の縦板12、13の背面に近接する位置に設けられた結合溝17B〜17D(17Dは図示省略)に結合突起14B〜14Dを嵌め込むように背板14を取り付ける。そして、天板10の結合溝17Aを結合突起14Aに嵌め込んだ状態で保持し、天板10の臍16Bと左縦板12の臍16Aに枠材21をスライド結合し、同様に天板10の臍16Aと、右縦板13の臍16Aに枠材23をスライド結合することにより、図1に示すような収納ユニット1が形成される。
次に、図3を参照して、左右の縦板(左右の仕切り板も含む)に設けられる取付穴の穿設位置について説明する。ちなみにここでは、穿設位置としてヨーロッパ規格である「システム32」を採用した場合の取付穴について説明するが、他の取付穴に関する規格を採用した場合においても適応可能であることは当業者にとり自明である。また、以下には左縦板12に設けられた取付穴を参照して説明するが、右縦板13、及び左右の仕切り板18にも同様の取付穴が穿設されている。
図3の左縦板12に設けられた取付穴は、正面部12F、及び背面部12Rに隣接した位置に前記正面部12F、及び背面部12Rに平行な方向へ2列穿設されており、各取付穴Hの穿設間隔は等間隔である。
ここで、「システム32」を採用した際の取付穴の位置を説明するため、正面部12Fから取付穴Hまでの長さをL1、各取付穴Hの穿設間隔をL2、各板材の肉厚をL3、2列に穿設された取付穴H間の長さをL4、最上部(最下部)に穿設された取付穴Hから平面部12T(底面部12B)までの長さをL5、とすると、前記各長さは、L1=37mm、L2=32mm、L3=19mm、L4=32×n(n=定数)mm、L5=22.5mmとなる。ちなみにここで穿設される取付穴の穴径は5mmである。
前記収納ユニット1は、収納空間5が1つのみの収納ユニットであったが、収納空間5は、板材及び枠材の組み合わせによって実質的にいくつでも作る事が可能である。
以下には、前記収納ユニット1の構成部品の組み合わせ及び個数を変更し、収納空間を4つ有する収納ユニット1Aを説明する。
収納ユニット1Aは、図5に示すように天板10、底板11、左縦板12、右縦板13、及び左右の仕切り板18、上下の仕切り板19をそれぞれ2枚ずつ使用し、これらの板材を枠材により連結させて組み立てたものである。なお、収納ユニット1Aの背面には、背板14が4枚嵌め込まれている。この収納ユニット1Aの組み立て方法に関しては、前記収納ユニット1の組み立て方法から容易に想像できるためその説明を省略する。ちなみに、前記上下の仕切り板19は、天板10、底板11等と同様の形状を有し、加えて板材の背面部近傍の両側面に背板14を取り付けるための結合溝が延設されている。また、前記左右の仕切り板18は、前記上下の仕切り板19と同様の形状を有し、加えて、この仕切り板の両側面に、左右の縦板12、13に設けられたものと同様の取付穴Hが穿設されている。
この収納ユニット1Aは、その組み立てを実現するために2面に、臍溝20a、20bが設けられた枠材20と、3面に臍溝30a〜30cが設けられた枠材30とをそれぞれ4本と、4方向に臍溝35a〜35dが設けられた枠材35を1本使用しており、前記枠材を使用することにより、各板材の連結を良好に行うことができるようになる。
すなわち、従来は、複数の収納空間を縦方向あるいは横方向に連結して使用する場合、箱状の収納ボックスを縦あるいは横方向に積み重ねることにより連結するため、収納空間同士の間に板材が2枚隣接配置されることになり、その分収納スペースの無駄が生じていたが、本実施例のように臍溝を有する枠材を使用することにより、例えば図5中左下の収納空間を形成する天板は、同じく図5中左上の収納空間を形成する底板として兼用されることとなり、言い換えると、縦方向、あるいは上下の仕切り板18、19を1枚のみ使用するだけで収納空間を区切ることができることから、収納スペースの無駄が生じることなく有効に収納空間の連結を行うことができるようになる。
ここで、上述のような収納ユニット1Aに付属品として扉を取り付けたものを図6に示す。
図6の収納ユニットには、図5に記載の収納ユニット1Aの正面部に、収納ユニットの中央部に取手41A、41Bが位置するように左右の縦板12、13に取り付けられた扉40A、40Bが取り付けられており、観音開きの扉が正面部に設けられた収納ユニット1A'が形成されている。
収納ユニット1A'の扉40A、40Bの取付方法を、図7を参照して説明する。ただし、図7は図6のA−A線から見た断面図であり、以下には左側の扉40Aの取付方法について説明するが、右側の扉40Bも左側の扉40Aと同様の形状を有していることから、同様の取付方法で取り付けられることは言うまでもない。
扉40Aの取り付けに際してはヒンジ42が用いられている。このヒンジ42は、扉40Aの予め設定された高さに配置された取付位置に従って、取付穴Hに取り付けられるものであって、図7では収納ユニットの正面部に隣接する、最上(最下)の取付穴から1つ下(1つ上)、及び2つ下(2つ上)の取付穴Hを利用して、上下2箇所に取り付けられている。なお、ヒンジ42は周知のものを利用しているため、その説明は省略する。
このようにヒンジ42を取り付ける場合、本発明によれば特別にヒンジの取付位置を変更したりすることなく取り付けが行えるように、取付穴Hの穿設間隔を複数の縦板が連結された場合であっても一定に保たれている。
図7中のL6は、縦方向に2段の収納空間を有する収納ユニット1A'の上部収納空間を形成する左縦板12に穿設された最下部の取付穴H(以下、説明のためHとする)と、下部収納空間を形成する左縦板12に穿設された最上部の取付穴H(以下、説明のためHとする)との間隔を示している。
このL6の長さは、図3を参照すると、L6=2×L5+L3である。ここで、「システム32」を採用した場合のL1〜L5の各長さを計算すると、
L6=2×L5+L3=2×22.5mm+19mm=64mm=2×L2
となる。すなわち、図7中の取付穴H、Hは、取付穴H同士の穿設間隔L2の2倍の位置に設けられていることとなり、前記「システム32」の規格に準じた位置に穿設されていることとなる。
このように、異なる縦板12同士を連結させた場合にも、取付穴Hの穿設間隔は一定に保たれ、ずれを生じないことから、採用している取付穴に関する規格(本実施例では「システム32」)が同様の付属品であれば、既に市場に出回っている汎用品でも容易に取り付けることができるため、付属品のバリエーションが豊富な収納ユニットができる。
上記収納ユニット1Aよりも更に多くの構成部品を用い、比較的大型に組み立てた場合の一例として、収納ユニット1Bを図8〜図10を用いて以下に説明する。
図8に示す収納ユニット1Bは、前記収納ユニット1、1Aに用いられた板材、及び枠材に加えて、前記天板10、あるいは底板11等に比べて横方向にほぼ倍の長さを有する細長な板材50と、対向する2面に臍溝25a、25bを有する枠材25に更に取付穴(25H)と背板用の溝(26)が1つ設けられた枠材25'(図10参照)、3面に臍溝30a、30b、30cを有する枠材30に、更に取付穴(30H)と背板用の溝(31)が1つ設けられた枠材30'、及び縦方向にほぼ倍の長さを有する細長な背板(図9参照)51を備えている。
この収納ユニット1Bでは、前記細長な板材50を用いることにより、図1に示す収納空間5に比べて横方向に広い収納空間5Aが形成され、また、枠材25を用いて板材を連結することにより、縦方向に広い収納空間5Bが形成されている。このように細長な板材50や、枠材25'、枠材30'、あるいは細長な背板51を用いれば、大きさの異なる収納空間を有する収納ユニットを組み立てることも可能である。ちなみに、前記細長な板材51、及び枠材25'の取付方向は縦方向及び横方向どちらでも構わない。
枠材25あるいは前記枠材25'のように、縦方向に板材を連結する枠材について以下に図9を参照して説明する。ただしここでは図8の収納ユニットに使用されている枠材25'について説明する。
図9は、図8のB−B線から見た断面図である。この収納空間5Bは、細長な背板51、天板10、上下の仕切り板19、2枚の右縦板13、13、左縦板12(図示省略)、及び左右の仕切り板18(図示省略)で囲まれており、2枚の右縦板13、13は対向する2面に臍溝25a、25bを備える枠材25'で連結されている。そして、この枠材25'には、2枚の右縦板13、13に穿設された2列の取付穴Hの延長線上に取付穴25H、25Hが設けられている。
この取付穴25Hは、枠材25'の中心線上に位置し、また、上部の右縦板13に穿設された最下部の取付穴Hと、下部の右縦板13に穿設された最上部の取付穴Hとの間に位置している。これにより、各縦板の取付穴H、Hの間隔がL6であることから、その中心部に穿設された取付穴25Hは、前記取付穴H、HからL2ずつ離れた位置に穿設されることになる。
上記のように枠材25'上にも取付穴25Hを穿設することにより、収納空間5Bの側面に設けられた取付穴が隙間なく設けられるため、付属品の取り付けが良好に行えるようになる。また、他の枠材においても、縦方向に板材を連結する際には、同様の取付穴を穿設することが可能であることは明らかである。
ところで、前記図9で用いられている枠材25'には細長な背板51が取り付けられているため、他の板材と同様に細長な背板51の外周部に設けられた結合突起(図示省略)と結合するための結合溝が設けられている必要がある。以下には、結合溝が設けられた枠材の一例を図10を参照して説明する。
図10は枠材の他の構成例を示すものであり、図10(a)に示す枠材25'は図4(b)の枠材25に背板の結合突起(14A〜14C)と結合する結合溝26が1つ形成されたものである。したがって基本的な大きさあるいは形状等は図4(b)に示す枠材25と同様のものであり、板材と連結した際に板材に設けられた結合溝17の延長線上に位置するように板材の結合溝17と同様の深さ及び幅を有する結合溝26が設けられている部分が前記枠材25と異なる。同様に、図10(b)に記載の枠材25"は枠材25に前記結合溝26が対向する位置に2つ形成されたものであり、図10(c)に記載の枠材30'は枠材30に前記結合溝26と同様の構成からなる結合溝31が1つ形成されたものである。また、前記枠材25'、25"、30'の各結合溝26は、臍溝25a〜25b、30a〜30cが設けられていない外周面に設けられている。また、前記臍溝25a〜25b、30a〜30cが設けられていない外周面には必要に応じて取付穴25H、30Hが穿設されている。
上述のような枠材25'、25"、30'を用いることにより、板材を同方向に複数枚連結して比較的大きな収納空間(5A、5B)を形成した場合にも背板を取り付けることができるようになるため、背板を取り付けない場合に比べて横方向あるいは縦方向に収納ユニット自体が不安定になることなく、すなわち背板が収納ユニットを支える補強材の役目を果たすことにより、より頑丈な収納ユニットを形成することができる。
また、上述の実施例において、取付穴に関する規格を「システム32」としたが、他の規格でもよく、採用した規格の内容に準じて、板材の板厚等を変更することにより、同様の効果を奏することができるようになる。
図1は、本発明の一実施例に係る収納ユニットを示す外観斜視図、 図2は、図1の収納ユニットを各構成部品に分解して示す分解斜視図、 図3は、収納ユニットの左縦板を示す図であり、図3(a)は右側面図、図3(b)は底面図、図3(c)は正面図、 図4は収納ユニットに用いられる枠材の形状を示す斜視図であり、図4(a)及び図4(b)は臍溝が2方向に設けられた枠材を示す図、図4(c)は臍溝が3方向に設けられた枠材を示す図、図4(d)は臍溝が4方向に設けられた枠材を示す図、 図5は、構成部品を組み合わせることにより複数の収納空間を設けた収納ユニットを示す外観斜視図、 図6は、図5の収納ユニットの前面に扉を設けた場合の外観斜視図、 図7は、図6のA−A線から見た断面図、 図8は、構成部品を組み合わせることにより更に多くの収納空間を設けた収納ユニットを示す外観斜視図、 図9は、図8のB−B線から見た断面図、 図10は、枠材の他の構成例を示すものであり、図10(a)は図4(b)の枠材に溝が1つ形成された枠材を示す斜視図、図10(b)は図4(b)の枠材に溝が2つ形成された枠材を示す斜視図、図10(c)は図4(c)の枠材に溝が1つ形成された枠材を示す斜視図、 図11は、特許文献1に記載の組立式の収納家具を示す側断面図。
符号の説明
1、1A、1B 収納ユニット
5 収納空間
10 天板
11 底板
12 左側板
13 右側板
14 背板
16A、16B (蟻状)臍
17 結合溝
18 左右の仕切り板
19 上下の仕切り板
20、25、30、35、21〜24
枠材
20a〜20b、25a〜25b、30a〜30c、35a〜35d
(蟻状)臍溝
26、31 (枠材の)結合溝
40A、40B 扉
41A、41B 取手
42 ヒンジ
50 細長な板材
51 細長な背板
H 取付穴

Claims (10)

  1. 矩形状で所定の厚みを有する板材と、前記板材を連結しうる棒状の枠材と、からなる多目的収納ユニットであって、
    前記板材を、天板、底板、縦板、あるいは仕切り板として使用し、前記板材の外周部に前記枠材を取り付けて縦方向及び横方向に任意の数だけ接続することにより、一個乃至複数の収納空間を形成することを特徴とする多目的収納ユニット。
  2. 前記板材は、その外周部の何れかに所定の取付機構を有しており、前記取付機構に取付可能な枠材を前記板材の取付機構と連結することにより複数の板材の取り付けが可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の多目的収納ユニット。
  3. 前記取付機構は、外周部の何れかの一辺に延設された臍であり、前記枠材には、前記臍状の取付機構に嵌合する臍溝が形成されており、前記臍と前記臍溝を嵌合することにより前記板材と前記枠材との結合がなされることを特徴とする請求項2に記載の多目的収納ユニット。
  4. 前記枠材は、前記板材の一辺とほぼ等しい長さを有する四角柱状の枠材からなり、前記枠材の長手方向の側面の少なくとも2面には、前記臍溝が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の多目的収納ユニット。
  5. 前記臍は蟻状の臍であり、前記臍溝は蟻状の臍溝であることを特徴とする請求項3に記載の多目的収納ユニット。
  6. 前記天板、底板、縦板、あるいは仕切り板として使用される板材の外周部の何れかの一辺の近傍には、背板を取り付けるための溝が設けられており、矩形状で所定の厚みを有し、外周部に前記溝と嵌合する突起を有する背板が取り付けられるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の多目的収納ユニット。
  7. 前記枠材の外周部の何れかの一辺の近傍には、背板を取り付けるための溝が適宜設けられており、外周部に前記溝と嵌合する突起を有する背板が取り付けられるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の多目的収納ユニット。
  8. 前記板材において、縦材、あるいは左右の仕切り板として利用されるものには、一定間隔毎に付属品を取り付けるための取付金具用の取付穴が縦方向に一列乃至複数列穿設されており、前記取付穴は、前記枠材により縦方向に板材が連結された場合の板材接合部分においても穿設間隔が等しくなることを特徴とする請求項1に記載の多目的収納ユニット。
  9. 前記板材を縦方向に連結する枠材の長手方向の面には、前記連結した板材に設けられた取付穴の延長線上に、前記板材に設けられたものと同様の取付穴が穿設されていることを特徴とする請求項8に記載の多目的収納ユニット。
  10. 前記取付穴は、取付穴に関する所定の規格に準じた位置に穿設されていることを特徴とする請求項8に記載の多目的収納ユニット。
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