JP2006020753A - 食器洗い乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、高湿空気を排出せず乾燥機能を向上させた食器洗い乾燥機を提供する。
【解決手段】除湿材5が配置された除湿デバイス3を備え、洗浄モード時に除湿材5を再生し、乾燥モード時に除湿材5による除湿を行う。
【選択図】図1
【解決手段】除湿材5が配置された除湿デバイス3を備え、洗浄モード時に除湿材5を再生し、乾燥モード時に除湿材5による除湿を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、高湿空気を室内に排出することを防止するとともに、乾燥性能を向上させるために除湿デバイスを搭載した食器洗い乾燥機に関するものである。
従来、この種の食器洗い乾燥機について図7を用いて説明する。食器洗い乾燥機(卓上型)20の運転モードは、洗浄モードとすすぎモードと引き続いて行われる乾燥モードからなる。洗浄モード時は、市水または給湯機の温水を庫内21に所定量導入してこの水を回転吹き出しノズル22より食器23に打ちかけて食器23の汚れを落とすが、この際、水温は内部ヒータ24により徐々に上昇して行く。そして、排水後、市水を入れ替えすすぎモードにはいる。すすぎモードでは、食器23に付着した洗剤を落とすモードであり、何回か市水の入れ替えと内部ヒータ24による温水でのすすぎが行われる。そして、最後に乾燥モードに入る。乾燥はファン(図省略)で外気を庫内21に導入してこれを内部ヒータ24で加熱して温風を生成し、温風を食器23の間を通過させることで食器23を乾燥させる。食器23に付着していた水は水蒸気となって排気口(図省略)より庫外(室内)に排出されるようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−61754号公報
しかし、前記従来の食器洗い乾燥機では、乾燥モード時、水蒸気を含む高湿空気が室内に排出されるとともに、運転終了時にドアを開くと庫内に充満していた多量の水蒸気が室内に排出されていた。洗浄後食器に付着する水は、洗濯の際、脱水後の衣類に付着している水に比べて少ないため、シリカゲル等の除湿材を用いて高湿空気の湿気を除去する提案もされているが、実用的には高湿空気排出に対する対策が取られていないのが実状である。通常、室内に排出される水分量は約100g程度と考えられるが、シリカゲル等の除湿剤では吸湿能力は自重の1/2以下と少ないために、除湿剤だけで最低200g必要となり、嵩密度や再生機構、その他を考慮すると容量的に大きなものとなり、外寸を変えないならば庫内体積の減少に繋がることが予想される。また、除湿剤を用いた場合には、再生手段も必要となるが、有効な再生手段も提案されていない。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高湿空気を室内に排出することを防止するとともに乾燥性能を向上させた食器洗い乾燥機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の発熱体は、除湿材が配置された除湿デバイスを備え、少なくとも洗浄モード時に除湿材を再生し、乾燥モード時に除湿材による除湿を行うものである。
この構成により、除湿材の再生と除湿が運転モードに対応して行うことができるとともに、除湿デバイスにより乾燥性能を向上させることができる。
本発明の食器洗い乾燥機は、除湿デバイスによる除湿を行うことができるため、高湿空気を室内に排出することがなく、乾燥性能の高い食器洗い乾燥機を提供できる。
第1の発明は、除湿材が配置された除湿デバイスを備え、少なくとも洗浄モード時に除湿材を再生し、乾燥モード時に除湿材による除湿を行うことにより、除湿材の再生と除湿が運転モードに対応して行うことができるとともに、除湿デバイスにより乾燥性能を向上させることができる。
第2の発明は、除湿デバイスは、送風ファンと、除湿材と、前記除湿材を再生する加熱器と、前記送風ファンと除湿材と加熱器とを収納するとともに庫内空気を通過させる連通部とを備えたことにより、除湿デバイスの除湿・再生機能を発揮することができる。
第3の発明は、除湿材と加熱器とを一体に設けるとともに波形に付形したことにより、除湿材と加熱器との接触面積を多くすることができるため、除湿材を加熱器により効率的に再生することができる。また、波形に付形することで、除湿材の空気との接触面積を多くすることができる。
第4の発明は、除湿材は、不織布と前記不織布に坦持されたノニオン型吸水性樹脂と前記吸水性樹脂に保持された除湿剤とを備えたことにより、ノニオン型吸水性樹脂は不織布に支持され、かつ、除湿剤が液状となってもノニオン型吸水性樹脂及び不織布により吸液され、形状保持される。
第5の発明は、除湿剤は、硫酸ナトリウム、エリスリトール、カルボキシメチルセルロースナトリウムのいずれか、または組み合わせて用いることにより、除湿性能が高く、安全性の高い除湿剤を提供できる。
第6の発明は、加熱器としてメッシュ状金網を用いて、前記メッシュ状金網の両面に除湿材を接触して配置することにより、加熱器が通気性を有するとともに加熱器の全面が除湿材と接触し効率良く除湿材を加熱することができる。
第7の発明は、少なくとも庫内の温度を検出する庫内温度検出器と、除湿材の温度を検出する除湿材温度検出器を設け、前記庫内温度検出器と除湿材温度検出器の検知する温度より除湿材の状態を把握して除湿デバイスを制御するようにしたことにより、庫内温度と除湿材温度により除湿材の再生と吸湿を行わせることができる。
第8の発明は、除湿時に、庫内温度検出器と除湿材温度検出器の検出する温度が所定の温度差以内になることで除湿終了を判定するようにしたことにより、除湿を開始すると除湿材温度は吸着熱のために庫内(水蒸気)温度よりも上昇とするが、除湿材の除湿能力の低下と共に低下し、所定の温度差以内で除湿運転終了を判定することができる。
第9の発明は、庫内温度検出器と除湿材温度検出器の検出する温度が所定の温度差以上の場合に除湿材の再生を行うようにしたことにより、除湿材の再生を洗浄モード時に効率良く行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における食器洗い乾燥機の概略構成断面図、図2は、除湿デバイス装着部の概略構成断面図、図3は、除湿材の連通部の断面図、図4は、除湿材の拡大断面図、図5は、食器洗い乾燥機運転時の庫内温度及び除湿材温度(乾燥モード時のみ)の変化を示したグラフである。
図1は、本発明の第1の実施の形態における食器洗い乾燥機の概略構成断面図、図2は、除湿デバイス装着部の概略構成断面図、図3は、除湿材の連通部の断面図、図4は、除湿材の拡大断面図、図5は、食器洗い乾燥機運転時の庫内温度及び除湿材温度(乾燥モード時のみ)の変化を示したグラフである。
図1において、食器洗い乾燥機1は、庫内2と閉ループを形成するように除湿デバイス3が設置されている。除湿デバイス3は、図2に示したように、送風ファン4と、除湿材5と、除湿材5を再生する加熱器6と、これらを収納するとともに庫内空気を循環させる連通部7とからなる。
除湿材5は、不織布8としてメッシュ状ポリエステル製スパンレースを用いて、これに熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂9としてウレタン系吸水性樹脂(商品名:バイオコンタクトN、日清紡績(株)製)を熱融着して貼り合わせ、さらに、この吸水性樹脂9に硫酸ナトリウム30%水溶液を吸液させた後乾燥して作製した。除湿材5は波形に付形するとともに積層して連通部7内に加熱器6の風下に配置されている。
食器洗い乾燥機1の運転モードは、洗浄モードとすすぎモードと乾燥モードとなる。この運転モードの庫内2温度及び除湿材5温度の変化を図4に示した。除湿材5による除湿は、乾燥モードに入ると共に送風ファン4を動作させることで開始し、その時の除湿材5の温度(庫内空気入り口側と出口側の2カ所の温度)変化を示している。除湿材5が庫内2より流入する高湿空気と接触すると、入口側の除湿材5の温度は急激に庫内2温度近傍に急激に上昇し、さらに高湿空気中の水蒸気を吸着することで除湿材5温度は庫内2温度よりも約5〜10℃上昇する。出口側の除湿材5温度が入口側に比べて5℃程高いのは、入口側の除湿材5により高温となった除湿空気が流れてきて、出口側の除湿材5でもさらに除湿を行うためである。除湿されて高温となった減湿乾燥空気は庫内2に戻る。除湿が進むにつれて除湿材5の温度は庫内温度に近づいて行く。こうして、庫内2の食器は減湿乾燥空気により効率的に乾燥される。また、除湿デバイス3は庫内2と閉ループを形成しているため、庫外(室内)に高湿空気が流出することがない。さらに、乾燥終了後、ドアを開いても庫内からの水蒸気発生はほとんど観察されない。
除湿デバイス3の再生は、洗浄モード時及びすすぎモード時の庫内2水温が低い時に、加熱器6に通電を開始して送風ファン4を動作させることで高温空気を除湿材5に送ることで除湿材5の再生を行う。洗浄モード時及びすすぎモード時の庫内2水温が低い時には庫内2の水蒸気圧が低く、除湿材5の再生により発生した高温高湿空気は庫内2の水と接触することで冷却されて高湿空気中の水蒸気は水に戻る。この除湿材5の再生は、庫内2と除湿材5の水蒸気分圧が同じになるまで行うことができる。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2における除湿材の拡大断面図を示したもので、上記実施の形態1においては、加熱器6と除湿材5を分割して設けたが、本実施の形態では除湿材5と加熱器とを一体に設けたもので、波形に付形する前の状態を示している。加熱器と除湿材5の一体構成は加熱器を中央にした対称構成としている。加熱器としてメッシュ状金網11を用いて、メッシュ状金網11の両面に除湿材5を接触して配置するとともに、波形に付形して連通部7内に配置する。除湿材5は、上記実施の形態と同様に、不織布8とノニオン型吸水性樹脂9と除湿剤10とからなる。
図6は、実施の形態2における除湿材の拡大断面図を示したもので、上記実施の形態1においては、加熱器6と除湿材5を分割して設けたが、本実施の形態では除湿材5と加熱器とを一体に設けたもので、波形に付形する前の状態を示している。加熱器と除湿材5の一体構成は加熱器を中央にした対称構成としている。加熱器としてメッシュ状金網11を用いて、メッシュ状金網11の両面に除湿材5を接触して配置するとともに、波形に付形して連通部7内に配置する。除湿材5は、上記実施の形態と同様に、不織布8とノニオン型吸水性樹脂9と除湿剤10とからなる。
除湿材5とメッシュ状金網11(加熱器)とを一体に設けることで除湿材5とメッシュ状金網11との接触面積を大きくして、除湿材5に加熱器により発生する熱を効率的に伝達して、除湿材5の再生を行うことができる。
次に、除湿材5について説明する。除湿材5は、不織布8と、不織布8に坦持された熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂9と、ノニオン型吸水性樹脂9に保持された除湿剤10とからなる。本発明で用いる除湿剤10は、一般的に用いられているゼオライトやシリカゲルといった吸湿しても形状が変化しない固体系除湿剤とは異なり、吸湿することにより固体から液体に変化する性質を有する潮解性除湿剤である。固体系除湿剤の吸湿能力は自重の50%以下であるのに対して、潮解性除湿剤は自重の3〜4倍の吸湿能力を有する。しかしながら、潮解性を有するために取り扱いに煩雑さを伴い、押入用等の使い捨ての特殊な用途にしか用いられていない。固体系除湿剤は除湿乾燥機や床下乾燥機等に良く用いられている。
また、紙おむつや生理用品としてアクリル酸塩系吸水性樹脂(アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物)が一般的に用いられている(分子内にイオン性末端官能基を有する)。アクリル酸塩系吸水性樹脂は水や血液、尿等の無電解質水溶液に対して自重の100倍以上の吸水能力を有する。一方、食塩水などの無機塩の電解質水溶液に対してはイオン性末端官能基が電解質イオンの影響を受けるために、その吸水能力が塩濃度20%以上では1以下に低下する。このアクリル酸系吸水性樹脂に対してノニオン型吸水性樹脂9と呼ばれるものがある。ノニオン型と呼ばれるように、分子内にイオン性末端官能基をもたないもので電解質水溶液に対しても自重の数倍の吸湿能力を有する。ノニオン型吸水性樹脂にはポリN−ビニルアセトアミド、ポリアルキレンオキサイドや熱可塑性ポリウレタン等がある。アクリル酸塩系及びノニオン型吸水性樹脂のいずれも吸湿能力は持たない。
本発明の主眼とするところは、潮解性除湿剤10とノニオン型吸水性樹脂9を組み合わせて、潮解性樹脂の優れた除湿能力を生かしながら欠点である形状安定性の欠如をノニオン型吸水性樹脂9で補い、優れた除湿能力を有する新規な除湿材5を提供する点にある。上記実施の形態においては、ノニオン型吸水性樹脂9を溶剤で溶液として不織布8に含浸・乾燥したものに、除湿剤10である硫酸ナトリウムを水溶液としてノニオン型吸水性樹脂9担持不織布8に吸液・乾燥して除湿材5としたが、熱可塑性を有するノニオン型吸水性樹脂9の場合には、ノニオン型吸水性樹脂9を成型して不織布8に熱融着等で貼り合わせたのちに除湿材10水溶液を吸液・乾燥して作製することができる。また、ノニオン型吸水性樹脂9に除湿剤10を所定量混練・成型したものを不織布8に貼り合わせて除湿材5を作製することも可能である。不織布8の役割は、ノニオン型吸水性樹脂9が不織布8に捕捉・保持されるので除湿材5の形状安定性向上と、除湿剤10の捕捉した湿気の保持にある。
除湿剤10としては、硫酸ナトリウム、エリスリトール、カルボキシメチルセルロースナトリウムのいずれか、または組み合わせて用いることができる。単独での80℃95%雰囲気中での吸湿量をそれぞれ自重の3.8倍、2.7倍、2.9倍であり、優れた除湿能力があることを確認した。また、これら除湿剤を組み合わせても除湿能力の低下は認められず算術平均となった。これら除湿剤は安全性の極めて高い除湿剤であり、食器洗い乾燥機には最適と言える。なお、代表的な除湿剤の吸湿能力は、以下の通りである(自重比)。塩化カルシウムは3.8倍、塩化リチウムは4.6倍、シリカゲル(B型)は0.5倍、ゼオライトは0.2倍であった。
本実施の形態では、少なくとも庫内2の温度を検出する庫内温度検出器(図示せず)と除湿材の温度を検出する除湿材温度検出器(図示せず)を設けて、前記庫内温度検出器と除湿材温度検出器の検知する温度より除湿材の状態を把握して除湿デバイスの制御を行う。除湿時に、庫内温度検出器と除湿材温度検出器の検出する温度が所定の温度差以内になることで除湿終了を判定する。また、庫内温度検出器と除湿材温度検出器の検出する温度が所定の温度差以上の場合に除湿材の再生を行う。図は省略している。
以上のように、本発明にかかる食器洗い乾燥機は、新規な除湿材を用いた除湿デバイスを備え、運転時および運転終了時、湿気を庫外(室内)に排出することのない魅力的な食器洗い乾燥機に有用である。
1 食器洗い乾燥機
2 庫内
3 除湿デバイス
4 送風ファン
5 除湿材
6 加熱器
7 連通部
8 不織布
9 ノニオン型吸水性樹脂
10 除湿剤
11 メッシュ状金網
2 庫内
3 除湿デバイス
4 送風ファン
5 除湿材
6 加熱器
7 連通部
8 不織布
9 ノニオン型吸水性樹脂
10 除湿剤
11 メッシュ状金網
Claims (9)
- 除湿材が配置された除湿デバイスを備え、少なくとも洗浄時に除湿材を再生し、乾燥時に除湿材による除湿を行う食器洗い乾燥機。
- 除湿デバイスは、送風ファンと、除湿材と、前記除湿材を再生する加熱器と、前記送風ファンと除湿材と加熱器とを収納するとともに庫内空気を通過させる連通部とを備えた請求項1記載の食器洗い乾燥機。
- 除湿材と加熱器とを一体に設けるとともに波形に付形して成る請求項2記載の食器洗い乾燥機。
- 除湿材は、不織布と前記不織布に坦持されたノニオン型吸水性樹脂と前記吸水性樹脂に保持された除湿剤とを備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の食器洗い乾燥機。
- 除湿剤は、硫酸ナトリウム、エリスリトール、カルボキシメチルセルロースナトリウムのいずれか、または組み合わせて用いてなる請求項4記載の食器洗い乾燥機。
- 加熱器としてメッシュ状金網を用いて、前記メッシュ状金網の両面に除湿材を接触して配置してなる請求項2〜4のいずれか1項に記載の食器洗い乾燥機。
- 少なくとも庫内の温度を検出する庫内温度検出器と、除湿材の温度を検出する除湿材温度検出器を設けて、前記庫内温度検出器と除湿材温度検出器の検知する温度より除湿材の状態を把握して除湿デバイスを制御するようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の食器洗い乾燥機。
- 除湿時に、庫内温度検出器と除湿材温度検出器の検出する温度が所定の温度差以内になることで除湿終了を判定するようにした請求項7記載の食器洗い乾燥機。
- 庫内温度検出器と除湿材温度検出器の検出する温度が所定の温度差以上の場合に除湿材の再生を行うようにした請求項7または8記載の食器洗い乾燥機。
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Publication Number | Publication Date |
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- 2004-07-07 JP JP2004200282A patent/JP2006020753A/ja active Pending
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