JP2006018035A - 導波路型光合分波回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光路長差の小さなアレイ導波路を有する導波路型光合分波回路を実現する。
【解決手段】 複数の入力導波路から受光した光信号を分岐する第1のスラブ導波路102と、所定の導波路長差で順次長くなる複数の導波路の各々に、第1のスラブ導波路102で分岐された各々の光信号を入力するアレイ導波路106と、アレイ導波路106から出力された各々の信号光を複数の出力導波路の各々に導く第2のスラブ導波路104とを含む導波路型光合分波回路において、アレイ導波路106a,106cは、アレイ導波路より屈折率の低い複数の散乱点により画定されるホログラフィック波動伝達媒体を含み、複数の導波路の各々を伝搬する光信号の光路長を短縮する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、導波路型光合分波回路に関し、より詳細には、2次元的な屈折率分布に応じた多重散乱によりホログラフィックに波動を伝達させるホログラフィック波動伝達媒体を用いた導波路型光合分波回路に関する。
現在、通信容量の拡大のために、複数の異なる波長の光信号を、1本の光ファイバで伝送する光波長分割多重(WDM)伝送システムの開発が盛んである。従来、幹線系の伝送システムとして用いられていたWDM伝送システムを、アクセス系の伝送システムに適用するためには、低コスト化が課題である。そこで、波長間隔を拡げて、光部品の低コスト化を図ったCWDM(Coarse WDM)伝送システムが開発されている。WDM伝送システムの光部品の一つとして、送信機側において、複数の波長の光信号を合波し、受信機側において、1本の光ファイバから複数の光信号を異なるポートに分波する光波長合分波回路が用いられる。
図1に、従来のアレイ導波路回折格子型光合分波回路の構成を示す。アレイ導波路回折格子型光合分波回路は、基板100の上に、入力導波路101と、第1のスラブ導波路102と、アレイ導波路103と、第2のスラブ導波路104と、出力導波路105とが順に接続され配置されている(例えば、非特許文献1参照)。入力導波路101に導かれた光信号は、第1のスラブ導波路102内で波長に応じて光路が変わり、それぞれ対応するアレイ導波路103へ分岐される。アレイ導波路103を透過した光信号は、第2のスラブ導波路104で再び合波され、出力導波路105へと導かれる。
ここで、第1のスラブ導波路102のアレイ導波路端に投射された光フィールドパターンは、第2のスラブ導波路104のアレイ導波路端にコピーされることになる。アレイ導波路103は、隣り合う光導波路がちょうどΔLだけ光路長が異なるように設計されており、入力された光の波長に依存して、フィールドが傾きを有する。この傾きによって、第2のスラブ導波路104の出力導波路端において、光フィールドが焦点を結ぶ位置が波長ごとに変化して、波長分波が可能となる。
一方、出力導波路105に、複数の異なる波長の光信号を入力すれば、光波長分割多重された光信号が、入力導波路101から出力される。すなわち、アレイ導波路回折格子型光合分波回路により、波長合波が可能となる。
K.Okamoto, "Fundamentals of Optical Waveguides", Academic Press, 2000
しかしながら、CWDM伝送システムにおいては、チャネル波長間隔が20nmと広いため、光路長差ΔLを6.4μmと極めて小さくする必要がある。そこで、回路レイアウトの観点から、アレイ導波路103を複数のブロックに分け、各々のブロックごとのΔLの差分によって小さな光路長差を実現していた。図1においては、アレイ導波路103a,cとアレイ導波路103bの2つのブロックに分け、差分の小さな2つのΔLを組み合わせている。このような回路レイアウトは、基板サイズが大きくなるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光路長差の小さなアレイ導波路を有する導波路型光合分波回路を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の入力導波路から受光した光信号を分岐する第1のスラブ導波路と、所定の導波路長差で順次長くなる複数の導波路の各々に、前記第1のスラブ導波路で分岐された各々の光信号を入力するアレイ導波路と、該アレイ導波路から出力された各々の信号光を複数の出力導波路の各々に導く第2のスラブ導波路とを含む導波路型光合分波回路において、前記アレイ導波路は、前記アレイ導波路より屈折率の低い複数の散乱点により画定されるホログラフィック波動伝達媒体を含み、前記複数の導波路の各々を伝搬する光信号の光路長を短縮することを特徴とする。
また、上述の導波路型光合分波回路において、前記散乱点の最小寸法は、0.2μm以上であることを特徴とする。さらに、前記導波路は、シリコン基板上の石英系ガラス光導波路で構成されていることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、アレイ導波路一部に、導波路より屈折率の低い複数の散乱点を配置するので、アレイ導波路の実効的な屈折率を変えることができ、光路長差の小さなアレイ導波路を実現することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態のアレイ導波路回折格子型光合分波回路は、アレイ導波路の一部に、導波路より屈折率の低い複数の散乱点を配置する。複数の散乱点により画定されるホログラフィック波動伝達媒体は、2次元的な屈折率分布に応じた多重散乱によりホログラフィックに波動を伝達させる。ホログラフィック波動伝達媒体により、アレイ導波路の実効的な屈折率を変えることができるので、アレイ導波路を伝搬する光信号の光路長を短縮することができる。
最初に、本願発明に用いる波動伝達媒体の基本的概念について説明する。ここでは、光回路へ適用することから、波動伝達媒体中を伝搬する「波動」は「光」である。なお、波動伝達媒体にかかる理論は、一般の波動方程式に基づいて、媒質の特性を指定するものであり、一般の波動においても原理的に成り立ち得るものである。波動伝達媒体は、コヒーレントな光のパターンを入力して所望の光のパターンを出力させるために、波動伝達媒体中を伝搬する順伝搬光と逆伝搬光の位相差が、波動伝達媒体中の何れの場所においても小さくなるように屈折率分布が決定される。屈折率分布に応じた局所的なレベルのホログラフィック制御を多重に繰り返すことにより、所望の光のパターンが出力される。
図2を参照して、本実施形態にかかる波動伝達媒体の基本構造を説明する。図2(a)に示したように、光回路基板1の中に、波動伝達媒体により構成される光回路の設計領域1−1が存在する。光回路の一方の端面は、入力光3−1が入射する入射面2−1である。入力光3−1は、波動伝達媒体で構成された空間的な屈折率分布を有する光回路中を多重散乱しながら伝搬し、他方の端面である出射面2−2から出力光3−2として出力される。図2(a)中の座標zは、光の伝搬方向の座標(z=0が入射面、z=zが出射面)であり、座標xは、光の伝搬方向に対する横方向の座標である。なお、本実施形態では、波動伝達媒体は、誘電体からなるものと仮定し、空間的な屈折率分布は、波動伝達媒体を構成している誘電体の局所的な屈折率を後述する理論に基づいて設定することにより実現される。
入力光3−1が形成している「場」(入力フィールド)は、光回路を構成する波動伝達媒体の屈折率の空間的分布に応じて変調され、出力光3−2の形成する「場」(出力フィールド)に変換される。換言すれば、本発明の波動伝達媒体は、その空間的な屈折率分布に応じて入力フィールドと出力フィールドとを相関づけるための(電磁)フィールド変換手段である。なお、これら入力フィールドおよび出力フィールドに対して、光回路中での伝搬方向(図中z軸方向)に垂直な断面(図中x軸に沿う断面)における光のフィールドを、その場所(x,z)における(順)伝搬像(伝搬フィールドあるいは伝搬光)と呼ぶ(図2(b)参照)。
ここで、「フィールド」とは、一般に電磁場(電磁界)または電磁場のベクトルポテンシャル場を意味している。本実施形態における電磁場の制御は、光回路中に設けられた空間的な屈折率分布、すなわち誘電率の分布を変えることに相当する。誘電率はテンソルとして与えられるが、通常は偏光状態間の遷移はそれほど大きくないので、電磁場の1成分のみを対象としてスカラー波近似しても良い近似となる。そこで、本明細書では電磁場を複素スカラー波として扱う。なお、光の「状態」には、エネルギ状態(波長)と偏光状態とがあるため、「フィールド」を光の状態を表現するものとして用いる場合には、光の波長と偏光状態をも包含し得ることとなる。
また、通常、伝搬光の増幅や減衰を生じさせない光回路では、屈折率の空間的分布を決めると、焦点以外の入力光3−1の像(入力フィールド)は、出力光3−2の像(出力フィールド)に対して一意的に定まる。このような、出射面2−2側から入射面2−1側へと向かう光のフィールドを、逆伝搬像(逆伝搬フィールドあるいは逆伝搬光)と呼ぶ(図2(c)参照)。このような逆伝搬像は、光回路中の場所ごとに定義することができる。すなわち、光回路中での任意の場所における光のフィールドを考えたとき、その場所を仮想的な「入力光」の出射点として考えれば、上記と同様に出力光3−2の像に対して、その場所での逆伝搬像を考えることができる。このように、光回路中の各場所ごとに逆伝搬像が定義できる。
特に、単一の光回路において、出射フィールドが入射フィールドの伝搬フィールドとなっている場合には、光回路の任意の点で、伝搬フィールドと逆伝搬フィールドとは一致する。なお、フィールドは、一般的に、対象とする空間全体の上の関数であるが、「入射フィールド」または「出射フィールド」という場合は、入射面あるいは出射面におけるフィールドの断面を意味している。また、「フィールド分布」という場合でも、ある特定の断面に関して議論を行う場合には、その断面についてのフィールドの断面を意味している。
屈折率分布の決定方法を説明するためには記号を用いるほうが見通しがよいので、各量を表すために以下のような記号を用いることとする。なお、対象とされる光(フィールド)は、単一状態の光には限定されないので、複数の状態の光が重畳された光を対象とされ得るべく、個々の状態の光にインデックスjを充てて一般的に表記する。
・ψj(x):j番目の入射フィールド(複素ベクトル値関数であり、入射面において設定する強度分布および位相の分布、ならびに、波長および偏波により規定される。)
・φj(x):j番目の出射フィールド(複素ベクトル値関数であり、出射面において設定する強度分布および位相分布、ならびに、波長および偏波により規定される。)
なお、ψj(x)およびφj(x)は、回路中で強度増幅、波長変換、偏波変換が行われない限り、光強度の総和は同じ(あるいは無視できる程度の損失)であり、それらの波長も偏波も同じである。
・{ψj(x)、φj(x)}:入出力ペア(入出力のフィールドの組み。)
{ψj(x)、φj(x)}は、入射面および出射面における、強度分布および位相分布ならびに波長および偏波により規定される。
・{n}:屈折率分布(光回路設計領域全体の値の組。)
与えられた入射フィールドおよび出射フィールドに対して屈折率分布を1つ与えたときに光のフィールドが決まるので、q番目の繰り返し演算で与えられる屈折率分布全体に対するフィールドを考える必要がある。そこで、(x,z)を不定変数として、屈折率分布全体をn(x,z)と表しても良いが、場所(x,z)における屈折率の値n(x,z)と区別するために、屈折率分布全体に対しては{n}と表す。
・ncore:光導波路におけるコア部分のような、周囲の屈折率に対して高い屈折率の値を示す記号。
・nclad:光導波路におけるクラッド部分のような、ncoreに対して低い屈折率の値を示す記号。
・ψj(z,x,{n}):j番目の入射フィールドψj(x)を屈折率分布{n}中をzまで伝搬させたときの、場所(x,z)におけるフィールドの値。
・φj(z,x,{n}):j番目の出射フィールドφj(x)を屈折率分布{n}中をzまで逆伝搬させたときの、場所(x,z)におけるフィールドの値。
本実施形態において、屈折率分布は、すべてのjについてψj(ze,x,{n})=φj(x)、またはそれに近い状態となるように{n}が与えられる。
「入力ポート」および「出力ポート」とは、入射端面および出射端面におけるフィールドの集中した「領域」であり、例えば、その部分に光ファイバを接続することにより、光強度をファイバに伝搬できるような領域である。ここで、フィールドの強度分布および位相分布は、j番目のものとk番目のものとで異なるように設計可能であるので、入射端面および出射端面に複数のポートを設けることができる。さらに、入射フィールドと出射フィールドの組を考えた場合、その間の伝搬により発生する位相が、光の周波数によって異なるので、周波数が異なる光(すなわち波長の異なる光)については、位相を含めたフィールド形状が同じであるか直交しているかの如何にかかわらず、異なるポートとして設定することができる。
ここで、電磁界は、実数ベクトル値の場で、かつ波長と偏光状態をパラメータとして有するが、その成分の値を一般な数学的取扱いが容易な複素数で表示し、電磁波の解を表記する。また、以下の計算においては、フィールド全体の強度は1に規格化されているものとする。図2(b)および図2(c)に示したように、j番目の入射フィールドψj(x)および出力フィールドφj(x)に対し、伝搬フィールドと逆伝搬フィールドとをそれぞれの場所の複素ベクトル値関数として、ψj(z,x,{n})およびφj(z,x,{n})と表記する。これらの関数の値は、屈折率分布{n}により変化するため、屈折率分布{n}がパラメータとなる。記号の定義により、ψj(x)=ψj(0,x,{n})、および、φj(x)=φj(ze,x,{n})となる。これらの関数の値は、入射フィールドψj(x)、出射フィールドφj(x)、および屈折率分布{n}が与えられれば、ビーム伝搬法などの公知の手法により容易に計算することができる。
以下に、空間的な屈折率分布を決定するための一般的なアルゴリズムを説明する。図3に、波動伝達媒体の空間的な屈折率分布を決定するための計算手順を示す。この計算は、繰り返し実行されるので、繰り返し回数をqで表し、(q−1)番目まで計算が実行されているときのq番目の計算の様子が図示されている。(q−1)番目の計算によって得られた屈折率分布{nq-1}をもとに、各j番目の入射フィールドψj(x)および出射フィールドφj(x)について、伝搬フィールドと逆伝搬フィールドとを数値計算により求め、その結果を各々、ψj(z,x,{nq-1})およびφj(z,x,{nq-1})と表記する(ステップS220)。
これらの結果をもとに、各場所(z,x)における屈折率n(z,x)を、次式により求める(ステップS240)。
n(z,x)=nq-1(z,x)−αΣjIm[φj(z,x,{nq-1})*・ψj(z,x,{nq-1})] ・・・(1)
ここで、右辺第2項中の記号「・」は、内積演算を意味し、Im[]は、[]内のフィールド内積演算結果の虚数成分を意味する。なお、記号「*」は複素共役である。係数αは、n(z,x)の数分の1以下の値をさらにフィールドの組の数で割った値であり、正の小さな値である。Σjは、インデックスjについて和をとるという意味である。
ステップS220とS240とを繰り返し、伝搬フィールドの出射面における値ψj(ze,x,{n})と出射フィールドφj(x)との差の絶対値が、所望の誤差dよりも小さくなると(ステップS230:YES)計算が終了する。
以上の計算では、屈折率分布の初期値{n}は適当に設定すればよいが、この初期値{n}が予想される屈折率分布に近ければ、それだけ計算の収束は早くなる(ステップS200)。また、各jについてφj(z,x,{nq-1})およびψj(z,x,{nq-1})を計算するにあたっては、パラレルに計算が可能な計算機の場合は、jごと(すなわち、φj(z,x,{nq-1})およびψj(z,x,{nq-1})ごと)に計算すればよいので、クラスタシステム等を利用して計算の効率化を図ることができる(ステップS220)。また、比較的少ないメモリで計算機が構成されている場合は、式(1)のインデックスjについての和の部分で、各qで適当なjを選び、その分のφj(z,x,{nq-1})およびψj(z,x,{nq-1})のみを計算して、以降の計算を繰り返すことも可能である(ステップS220)。
以上の演算において、φj(z,x,{nq-1})の値とψj(z,x,{nq-1})の値とが近い場合には、式(1)中のIm[φj(z,x,{nq-1})*・ψj(z,x,{nq-1})]は位相差に対応する値となり、この値を減少させることで所望の出力を得ることが可能である。
屈折率分布の決定は、波動伝達媒体に仮想的メッシュを定め、このメッシュによって画定される微小領域(ピクセル)の屈折率を、各ピクセルごとに決定することと言い換えることもできる。このような局所的な屈折率は、原理的には、その場所ごとに任意の(所望の)値とすることができる。最も単純な系は、低屈折率(n)を有するピクセルと高屈折率(n)を有するピクセルのみからなる系であり、これら2種のピクセルの空間的分布により全体的な屈折率分布が決定される。この場合、媒体中の低屈折率ピクセルが存在する場所を高屈折率ピクセルの空隙として観念したり、逆に、高屈折率ピクセルが存在する場所を低屈折率ピクセルの空隙として観念したりすることができる。すなわち、本発明の波動伝達媒体は、均一な屈折率を有する媒体中の所望の場所(ピクセル)を、これとは異なる屈折率のピクセルで置換したものと表現することができる。
上述した屈折率分布決定のための演算内容を要約すると次のようになる。波動をホログラフィックに伝達させ得る媒体(光の場合には誘電体)に、入力ポートと出力ポートとを設け、入力ポートから入射した伝搬光のフィールド分布1(順伝搬光)と、入力ポートから入射した光信号が出力ポートから出力される際に期待される出力フィールドを出力ポート側から逆伝搬させた位相共役光のフィールド分布2(逆伝搬光)と、を数値計算により求める。フィールド分布1およびフィールド分布2を、伝搬光と逆伝搬光の各点(x,z)における位相差をなくすように、媒体中での空間的な屈折率分布を求める。なお、このような屈折率分布を得るための方法として最急降下法を採用すれば、各点の屈折率を変数として最急降下法により得られる方向に屈折率を変化させることにより、屈折率を式(1)のように変化させることで、2つのフィールド間の差を減少させることができる。このような波動伝達媒体を、入力ポートから入射した光を所望の出力ポートに出射させる光部品に応用すれば、媒体内で生じる伝搬波同士の多重散乱による干渉現象により、実効的な光路長が長くなり、緩やかな屈折率変化(分布)でも充分に高い光信号制御性を有する光回路を構成することができる。
図4に、アレイ導波路に適用される波動伝達媒体の屈折率分布を示す。上述したアルゴリズムにしたがって、約200回の繰り返しにより、図4に示した屈折率分布を有する光回路が得られる。ここで、図中の光回路設計領域1−1内の黒色部分は、コアに相当する高屈折率部(誘電体多重散乱部)1−11であり、黒色部以外の部分はクラッドに相当する低屈折率部1−12であり、導波路より屈折率の低い散乱点である。クラッドの屈折率は、石英ガラスの屈折率を想定し、コアの屈折率は、石英ガラスに対する比屈折率が1.5%だけ高い値を有する。光回路のサイズは縦250μm、横50μmである。屈折率分布を求める際の計算に用いられたメッシュは、500×100である。
図5に、波動伝達媒体を含む導波路の作成方法を示す。シリコン基板201上に、火炎堆積法により、SiOを主体にした下部クラッドガラススート202を堆積する。次に、SiOにGeOを添加したコアガラススート203を堆積する(図5(a))。その後、1000℃以上の高温でガラス透明化を行う。このとき、下部クラッドガラス層204は30ミクロン厚、コアガラス205は7ミクロン厚となるように、ガラスの堆積を行っている(図5(b))。
引き続き、フォトリソグラフィ技術を用いてコアガラス205上に、図4に示した屈折率分布に応じたパターンを有するエッチングマスク206を形成し(図5(c))、反応性イオンエッチングによってコアガラス205のパターン化を行う(図5(d))。エッチングマスク206を除去した後、上部クラッドガラス207を、再度火炎堆積法で形成する。上部クラッドガラス207は、BやPなどのドーパントを添加してSiOである。これによりガラス転移温度を下げ,コアガラス205とコアガラス205との間の狭い隙間にも、上部クラッドガラス207が入り込むようにする(図5(e))。
なお、メッシュの最小寸法は、光信号の波長1.55μmに対して、光散乱が生じる形状として十分に小さい値を仮定し、実際の設計において計算機メモリの消費を抑えるために、最小寸法を0.2μmとする。
図6に、本発明の一実施形態にかかる導波路型光合分波回路を示す。図1に示した導波路型光合分波回路と同様に、アレイ導波路106を3つのブロックに分割し、アレイ導波路106bに、図4に示した波動伝達媒体を適用する。図7に、アレイ導波路106bの拡大図を示す。アレイ導波路106bが波動伝達媒体となり、従来と比較して、アレイ導波路の経路を曲げることなく配置することができる。波動伝達媒体を適用することによって、アレイ導波路の実効的な屈折率を変えることができるので、アレイ導波路を伝搬する光信号の光路長を短縮することができ、導波路型光合分波回路の小型化を実現することができる。従来の導波路型光合分波回路と比較すると、基板長さでおよそ80%の小型化を実現することができる。
図8に、図6に示した導波路型光合分波回路の透過特性を示す。チャネル波長間隔が20nmのアレイ導波路回折格子型光合分波回路に適用した場合を示す。スペクトル形状に殆ど影響を与えることなく、良好な分波特性を得ることができる。
従来のアレイ導波路回折格子型光合分波回路の構成を示す図である。 波動伝達媒体の基本構造を説明するための図である。 波動伝達媒体の空間的な屈折率分布を決定するための計算手順を示すフローチャートである。 アレイ導波路に適用される波動伝達媒体の屈折率分布を示す図である。 波動伝達媒体を含む導波路の作成方法を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる導波路型光合分波回路を示す図である。 アレイ導波路の波動伝達媒体を示す拡大図である。 本発明の一実施形態にかかる導波路型光合分波回路の透過特性を示す図である。
符号の説明
100 基板
101 入力導波路
102 第1のスラブ導波路
103,106 アレイ導波路
104 第2のスラブ導波路
105 出力導波路

Claims (3)

  1. 複数の入力導波路から受光した光信号を分岐する第1のスラブ導波路と、所定の導波路長差で順次長くなる複数の導波路の各々に、前記第1のスラブ導波路で分岐された各々の光信号を入力するアレイ導波路と、該アレイ導波路から出力された各々の信号光を複数の出力導波路の各々に導く第2のスラブ導波路とを含む導波路型光合分波回路において、
    前記アレイ導波路は、前記アレイ導波路より屈折率の低い複数の散乱点により画定されるホログラフィック波動伝達媒体を含み、前記複数の導波路の各々を伝搬する光信号の光路長を短縮することを特徴とする導波路型光合分波回路。
  2. 前記アレイ導波路に分布する前記散乱点の最小寸法は、0.2μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の導波路型光合分波回路。
  3. 前記導波路は、シリコン基板上の石英系ガラス光導波路で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の導波路型光合分波回路。
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