JP2006017686A - 減揺装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ジャイロスタビライザからの音を遮断し、かつ、ジャイロスタビライザからの振動の、当該ジャイロスタビライザが固定された器具等への伝達を防ぐことができる減揺装置を提供する。
【解決手段】 減揺装置1は、器具の揺動を抑制するジャイロモーメントを生じるジャイロスタビライザ2と、当該ジャイロスタビライザ2から発生する音を吸収する吸音部材3と、この吸音部材3とジャイロスタビライザ2とを覆うケーシング4と、このケーシング4に貫入され、かつ、一部が当該ケーシング4の外部に突出し、ケーシング4からの振動を減衰させる振動減衰特性を有する防振部材5と、ケーシング4の外部に突出した、防振部材5の突出部5bに設けられ、器具に防振部材5を固定する固定手段6とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 減揺装置1は、器具の揺動を抑制するジャイロモーメントを生じるジャイロスタビライザ2と、当該ジャイロスタビライザ2から発生する音を吸収する吸音部材3と、この吸音部材3とジャイロスタビライザ2とを覆うケーシング4と、このケーシング4に貫入され、かつ、一部が当該ケーシング4の外部に突出し、ケーシング4からの振動を減衰させる振動減衰特性を有する防振部材5と、ケーシング4の外部に突出した、防振部材5の突出部5bに設けられ、器具に防振部材5を固定する固定手段6とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ジャイロスタビライザから発生する音や振動を遮断する技術に関する。
従来、揺動を抑制するための減揺装置(スタビライザ)の1つとして、ジャイロスタビライザが用いられている。このジャイロスタビライザは、高速回転するコマ(フライホイール)に外力が加えられた際に発生する力(ジャイロモーメント)によって、揺動を抑制するものである(例えば、特許文献1参照)。このジャイロスタビライザは、例えば、撮影者によって搬送されたり航空機等に固定されたりして、移動しながら撮影する撮影機器に取り付けられている。これによって、移動の際の撮影機器の揺れを軽減することができ、ぶれの少ない安定した映像を撮影することができる。
特開平10−246637号公報(段落番号0002〜0003、図7等)
しかしながら、このジャイロスタビライザは、内部に備えたモータによってフライホイールを高速回転させているため、モータやフライホイールの回転軸のベアリングから、金属音や振動が発生する。そして、このジャイロスタビライザは、揺動を抑制する対象となる器具等に取り付けて使用されるため、金属音や振動が、この機器を使用する使用者に不快感を与え、また、機器に振動が伝わるという問題があった。そして、例えば、ジャイロスタビライザを撮影機器に取り付けて撮影すると、映像と同時に収録された音声に、モータやベアリングから発生した音や撮影機器に伝達した振動による音が含まれ、音声の品質が低下してしまうという問題が生じていた。また、例えば、医療器具のように、比較的静かな環境で用いたり、人間の体に触れたりする器具にジャイロスタビライザを取り付けた場合には、ジャイロから金属音や振動が、この器具の使用者に不快感を与えるという問題が生じていた。
本発明は、前記従来技術の問題を解決するために成されたもので、ジャイロスタビライザから発生する音を遮断し、かつ、ジャイロスタビライザから発生する振動の、当該ジャイロスタビライザが固定された器具等への伝達を防ぐことができる減揺装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の減揺装置は、揺動を抑制する対象となる器具に固定され、前記揺動を抑制する減揺装置であって、前記器具の揺動を抑制するジャイロモーメントを生じるジャイロスタビライザと、このジャイロスタビライザを覆い、当該ジャイロスタビライザから発生する音を吸収する吸音部材と、この吸音部材と前記ジャイロスタビライザとを覆うケーシングと、このケーシングに貫入され、かつ、一部が当該ケーシングの外部に突出し、前記ケーシングからの振動を減衰させる振動減衰特性を有する防振部材と、この防振部材における、前記ケーシングの外部に突出した部分に設けられ、前記器具に前記防振部材を固定する固定手段とを備える構成とした。
かかる構成によれば、減揺装置は、吸音部材によってジャイロスタビライザを覆い、この吸音部材は、ジャイロスタビライザのモータの駆動音やフライホイールの回転によって生じる音を吸収する。また、吸音部材はケーシングによって覆われ、固定手段によって、このケーシングに貫入された防振部材を、揺動を抑制する対象となる器具に固定することで、減揺装置が当該器具に固定される。そして、減揺装置は、当該器具に固定されているため、この器具が揺動することにより、減揺装置のジャイロスタビライザが揺動し、この揺動を抑制するジャイロモーメントを生じる。更に、減揺装置が当該器具に固定されているため、このジャイロモーメントは減揺装置が固定された器具に作用し、当該器具の揺動を抑制することができる。
ここで、ジャイロスタビライザから発生する音は吸音部材によって吸収されるが、振動は吸音部材を介してケーシングに伝達される。そして、ケーシングから防振部材に伝わった振動は、防振部材を伝達する際に減衰する。ところが、当該減揺装置を器具に固定する固定手段が、外部から防振部材内部に嵌入されて、この固定手段の先端が、防振部材内部において、ケーシングに貫入されている部分にまで及んでいるときには、当該固定手段がケーシングと接触していないにもかかわらず、ケーシングから伝達された振動が固定手段に伝達される。これは、ケーシングに貫入されている部分の防振部材は、周囲がケーシングに囲まれているため、ケーシングから伝達された振動が、防振部材によって十分に吸収されずに固定手段に伝達するためである。
しかし、本発明の減揺装置では、当該防振部材における、ケーシングの外部に突出した部分に固定手段を設けることで、固定手段は、振動しているケーシングの外部に設けられる。そのため、ケーシングから防振部材に伝達された振動は、防振部材によって吸収され、固定手段には伝達されない。これによって、減揺装置は、ジャイロスタビライザから発生する音と振動を吸収することができる。
なお、揺動とは、減揺装置が固定された器具の揺れであり、当該器具や減揺装置の傾きに変化が生じる程度の、周波数の小さい揺れである。また、振動とは、揺動より大きい周波数の揺れ(震え)であり、器具や減揺装置の傾きに変化が生じない程度の小刻みな揺れである。また、防振部材は、例えば、シリコンゴムやポリウレタン樹脂のような、振動を吸収して減衰させる振動減衰特性をもつ材料からなる。この防振部材は、振動を吸収する一方で、減揺装置が固定された器具や減揺装置の傾きが変化するような揺動は吸収しない。そのため、当該器具の揺動は防振部材によって減衰されずにジャイロスタビライザに伝達され、ジャイロスタビライザから発生した振動は防振部材によって減衰され、減揺装置が固定された器具には伝達されない。
更に、吸音部材は、例えば、ゴムスポンジのようなスポンジ素材等の一般的な吸音材から構成できる。また、ケーシングは、例えば、アルミニウム合金やプラスチック等から構成でき、吸音部材によって覆われた状態のジャイロスタビライザを保持する。そして、吸音部材は硬度が低く、防振部材を固定したり、ジャイロスタビライザを支えたりできないものであっても、ジャイロスタビライザと吸音部材とを、ケーシングによって覆うことで、吸音部材に覆われたジャイロスタビライザを保持するとともに、防振部材を貫入して固定し、当該減揺装置を揺動を抑制する対象となる器具に固定することができる。
本発明に係る減揺装置では、以下のような優れた効果を奏する。この発明によれば、ジャイロスタビライザから発生する音や振動を遮断できるため、当該減揺装置を取り付けた器具等を使用する使用者等の、音や振動による不快感をなくすことができる。また、ジャイロスタビライザから発生する音を遮断し、当該減揺装置を取り付けた器具等への振動(音)の伝達を防ぐことができるので、例えば、撮影機器に当該減揺装置を取り付けた場合には、撮影時に収録される音声にジャイロスタビライザから発生する音が含まれることを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、ここでは、本発明の減揺装置を、映像を撮影する機器である撮影機器に取り付けた減揺撮影システムについて説明する。
[減揺撮影システムの構成]
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態である減揺撮影システムSの構成について説明する。図1は、本発明における減揺装置を撮影機器に取り付けた減揺撮影システムの斜視図である。
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態である減揺撮影システムSの構成について説明する。図1は、本発明における減揺装置を撮影機器に取り付けた減揺撮影システムの斜視図である。
図1に示すように、減揺撮影システムSは、映像を撮影し、撮影者等によって保持されて使用される撮影機器Cと、この撮影機器Cの下部に固定され、当該撮影機器Cの揺動を、ジャイロモーメントによって抑制する減揺装置1とを備えている。
[減揺装置の構成]
以下、図2を参照して、減揺装置1について詳細に説明する。図2(a)は、減揺装置の平面図、(b)は、減揺装置を撮影機器に取り付けた場合における、(a)に示すA−A線の側面断面図、(c)は、減揺装置を撮影機器に取り付けた場合における、(a)に示すB−B線の正面断面図である。
以下、図2を参照して、減揺装置1について詳細に説明する。図2(a)は、減揺装置の平面図、(b)は、減揺装置を撮影機器に取り付けた場合における、(a)に示すA−A線の側面断面図、(c)は、減揺装置を撮影機器に取り付けた場合における、(a)に示すB−B線の正面断面図である。
減揺装置1は、撮影機器Cに固定され、当該撮影機器Cの揺動を抑制するものである。ここでは、減揺装置1は、ジャイロスタビライザ2と、吸音部材3と、ケーシング4と、防振部材5と、固定手段6と、結合板7と、取り付けネジ保持部8と、取り付けネジ9とを備えている。
ジャイロスタビライザ2は、揺動に対する抑制力となるジャイロモーメントを生成するものである。ジャイロスタビライザ2は、ジャイロスタビライザ本体2aと、電源コード2bと、電源接続部2cと、シール部2dとを備える。
ここで、図3を参照して、ジャイロスタビライザ本体2aの構成を説明する。図3は、本発明に係る減揺装置のジャイロスタビライザの構成を示す部分破断図である。ジャイロスタビライザ本体2aは、高速回転(例えば、20000rpm)するフライホイール2eと、このフライホイール2eを支える枠2fとを、右側と左側(図示せず)とに1組ずつ備え、当該フライホイール2eの回転軸(スタビライザ軸)の軸方向から見て上下方向及び左右方向の揺動に対する抑制力を生成するものである。なお、このフライホイール2eは、内部に図示しないモータを備え、枠2fに固定されたベアリング2gによって支えられる図示しないモータ軸を中心に回転する。そのため、スタビライザ本体2aからは、モータの駆動と、ベアリング2gを介したフライホイール2eの回転とによって、音と振動とが発生する。
図2に戻って説明を続ける。電源接続部2cは、電源コード2bを介して、ジャイロスタビライザ本体2aに内部のフライホイール2e(図3参照)を高速回転させるための電気を供給するものである。
シール部2dは、電源接続部2cに接続された部分から、後記するケーシング4の外部に突出するまでの電源コード2bの表面を覆い、ジャイロスタビライザ本体2aで発生し、当該電源コード2bを伝達する振動が、ケーシング4に伝達するのを防ぐものである。このシール部2dは、振動を吸収する防振材(例えば、防振ゴム等)からなる。
吸音部材3は、ジャイロスタビライザ2を覆い、当該ジャイロスタビライザ2から発生した音を吸収するものである。この吸音部材3は、ゴムスポンジのようなスポンジ素材等の、音を吸収する吸音材からなる。
なお、ここでは、吸音部材3を、密度70〜100kg/m3のスポンジ素材からなるモータ音吸収部3aと、密度100〜150kg/m3のゴムスポンジからなるベアリング音吸収部3bとから構成することとした。このモータ音吸収部3aは、ジャイロスタビライザ本体2aの筒部の周囲を覆い、また、ベアリング音吸収部3bは、ジャイロスタビライザ本体2aの左右の端部を覆う。このように吸音部材3を構成することによって、モータ音吸収部3aは、ジャイロスタビライザ本体2aのフライホイール2e(図3参照)の内部のモータ(図示せず)の駆動音を好適に吸収することができ、ベアリング音吸収部3bは、ジャイロスタビライザ本体2a内部の左右端部付近にあるベアリング2g(図3参照)から発生する音を好適に吸収することができる。
ケーシング4は、ジャイロスタビライザ2と、吸音部材3とを覆うものである。このケーシング4は、例えば、アルミニウム合金のような軽金属や、プラスチック等によって構成することができる。このケーシング4は、4つの開口部4a、4a、…を有し、この開口部4a、4a、…には、後記する防振部材5、5、…が貫入されている。なお、このケーシング4は、吸音部材3に覆われたジャイロスタビライザ2を支持し、防振部材5、5、…を貫入して固定するのに必要な硬度を有する材質から構成することができるが、軽金属、プラスチック、カーボンファイバのような軽量の材質とすることで、減揺装置1を軽量化することができる。
防振部材5は、ケーシング4の開口部4aを介して、ケーシング4に貫入され、当該ケーシング4及び吸音部材3から伝達された振動を減衰させるものである。この防振部材5は、シリコンゴムやポリウレタン樹脂のような、振動を吸収して減衰させる振動減衰特性をもつ防振材からなる。なお、ここでは、防振部材5を、硬度40〜50%のシリコンゴムによって構成することとした。
そして、防振部材5の、ケーシング4から突出する部分を突出部5aとし、ケーシングの開口部4aを介してケーシング4内部に貫入された部分を貫入部5bとした。この防振部材5は、ケーシング4の開口部4aの口径よりも大きい径を有する円柱状のシリコンゴムとし、この防振部材5の一部を開口部4aに貫入することで、開口部4aによって防振部材5が圧迫され、ケーシング4に固定されている。
固定手段6は、防振部材5と、結合板7とを結合するものである。固定手段6は、固定ナット6bと固定ネジ6aとを備えている。ここで、固定ナット6bは、防振部材5の突出部5aの内部に埋設され、更に、防振部材5の突出部5aには、固定ネジ6aを固定ナット6bに螺合させるためのネジ孔が、結合板7と接する部分である防振部材5の上部から、固定ナット6bのネジ孔(図示せず)の開口部まで設けられている。そして、固定ネジ6aは、防振部材5と結合板7とを結合した際に当該固定ネジ6aの先端部が突出部5a内部に収められ、貫入部5bに達しない長さとする。この固定手段6によって、後記する取り付けネジ保持部8と取り付けネジ9とともに、撮影機器Cに固定された結合板7に、防振部材5を固定することができる。
結合板7は、後記する取り付けネジ保持部8とともに、後記する取り付けネジ9を回動自在に保持するものである。この結合板7は、固定ネジ6a、6a、…が貫通する孔と、取り付けネジ保持部8を結合する結合ネジ8a、8a、…と螺合するネジ孔(図示せず)とを有し、当該結合板7の下面に、4つの防振部材5、5、…が固定され、上面において、取り付けネジ9を挟んで取り付けネジ保持部8が結合されている。
取り付けネジ保持部8は、結合板7とともに、後記する取り付けネジ9を回動自在に保持するものである。この取り付けネジ保持部8は、結合ネジ8a、8a、…によって、取り付けネジ9を挟んで結合板7に結合されている。また、取り付けネジ保持部8は、取り付けネジ9のネジ部が貫通する孔8bを備え、取り付けネジ9を、ネジ部を軸として回動自在に保持している。
取り付けネジ9は、減揺装置1と、撮影機器Cとを固定するものである。この取り付けネジ9は、結合板7と、取り付けネジ保持部8によって、当該取り付けネジ9のネジ部を軸として回動自在に保持され、撮影機器Cのネジ孔Caに螺合することで、減揺装置1を撮影機器Cに固定することができる。
以上のように減揺装置1を構成することで、減揺装置1は、撮影機器Cに固定され、撮影機器Cの揺動を抑制するジャイロモーメントを生成する。また、減揺装置1は、ジャイロスタビライザ2から発生した音を吸音部材3によって吸収し、かつ、ジャイロスタビライザ2から発生した振動を防振部材5によって吸収する。
なお、特許請求の範囲に記載の器具は、撮影機器Cと、当該撮影機器Cに固定された結合板7と、取り付けネジ保持部8と、取り付けネジ9とに相当する。
[減揺装置の動作]
次に、図1及び図2を参照して、減揺装置1の動作について説明する。
次に、図1及び図2を参照して、減揺装置1の動作について説明する。
撮影機器Cに揺動が生じると、減揺装置1も揺動する。すると、減揺装置1のジャイロスタビライザ2の傾きに変化が生じ、ジャイロスタビライザ2は、この傾きの横方向又は上下方向への変化を抑制するジャイロモーメントを生成する。
ここで、このジャイロスタビライザ2は、吸音部材3によって覆われ、更にケーシング4によって覆われることで、ケーシング4の内部に固定されている。そして、このケーシング4に貫入された防振部材5が、取り付けネジ保持部8及び取り付けネジ9を介して撮影機器Cに固定された結合板7に、固定手段6によって固定されることによって、当該減揺装置1は撮影機器Cに固定されている。
そのため、ジャイロスタビライザ2によって生成されたジャイロモーメントは、撮影機器Cに作用する。これによって、減揺装置1は、当該撮影機器Cの揺動を抑制することができる。
更に、ジャイロスタビライザ2は、内部においてフライホイール2e(図3参照)が高速回転しているために、フライホイール2eを回転させるモータ(図示せず)とベアリング2g(図3参照)とから、音と振動とを発生する。この音は、ジャイロスタビライザ2を覆う吸音部材3によって吸収される。
また、ジャイロスタビライザ2から発生した振動は、吸音部材3に伝達し、更にケーシング4に伝達する。更に、この振動は、ケーシング4及び吸音部材3から防振部材5、5、…の貫入部5b、5b、…に伝達される。
ここで、貫入部5b、5b、…の内部にまで固定手段6、6、…が貫入されていると、貫入部5b、5b、…に伝達された振動が固定手段6、6、…に伝達されるが、本発明の減揺装置1では、固定手段6、6、…が貫入部5b、5b、…の内部にまで到達していないため、振動は、貫入部5b、5b、…から突出部5a、5a、…に伝達する間に吸収されて減衰し、固定手段6、6、…に振動が伝達されない。
これによって、減揺装置1は、ジャイロスタビライザ2から発生した音を吸音部材3によって吸収し、かつ、ジャイロスタビライザ2から発生した振動を防振部材5によって吸収することができる。
以上の動作によって、減揺装置1は、ジャイロモーメントによって撮影機器Cの揺動を抑制する。また、減揺装置1は、撮影機器Cによって撮影される際に収録された音声に、ジャイロスタビライザ2から発生した金属音が含まれたり、ジャイロスタビライザ2から発生した振動が当該撮影機器Cを伝達することによる音が含まれたりすることを防ぐことができる。更に、減揺装置1は、ジャイロスタビライザ2から発生する振動の撮影機器Cへの伝達を防ぐことができるため、撮影機器Cによって撮影する撮影者の、音や振動による不快感をなくすことができる。
以上述べた実施の形態は、本発明を説明するための一例であり、本発明は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、減揺装置1が、防振部材5を4つと、固定手段6を4組備える構成としたが、本発明の減揺装置は、防振部材5と固定手段6とを各々少なくとも1つずつ備える構成とすればよい。また、本実施の形態では、減揺装置1は、防振部材5を1組の固定手段6によって結合板7に固定することとしたが、本発明の減揺装置は、複数の組の固定手段6によって固定する構成としてもよい。
更に、本実施の形態では、防振部材5と結合板7とを固定する固定手段6を、固定ネジ6aと、固定ナット6bとし、固定ナット6bを防振部材5の突出部5a内部に埋設する構成としたが、本発明の減揺装置の固定手段6は、防振部材5の突出部5aに設けられ、防振部材5を、揺動を抑制する対象となる器具に固定できるものであればよい。
ここで、図4及び図5を参照して、揺動を抑制する対象となる器具に防振部材(5A又は5B)を他の方法によって固定する固定手段を備える減揺装置(1A又は1B)について説明する。図4(a)は、本発明の減揺装置の他の実施の形態の側面断面図、(b)は、(a)におけるDの部分を拡大して示した、本発明の減揺装置の固定手段を説明するための模式図である。図5(a)は、本発明の減揺装置の他の実施の形態の側面断面図、(b)は、(a)におけるEの部分を拡大して示した、本発明の減揺装置の固定手段を説明するための模式図である。
まず、図4に示した減揺装置1Aについて説明する。図4(a)に示すように、減揺装置1Aは、撮影機器Cに固定され、当該撮影機器Cの揺動を抑制するものである。減揺装置1Aは、減揺装置1(図2参照)の防振部材5に代えて防振部材5Aを、固定ネジ6aと固定ナット6bに代えてボルト6Aaとナット6Abとワッシャ6Acを、結合板7に代えて結合板7Aを備える。減揺装置1A内の防振部材5A、ボルト6Aaとナット6Abとワッシャ6Ac、結合板7A以外の構成は、図2に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
防振部材5Aの突出部5Aaは、結合板7Aを貫通している。ここで、図4(b)に示すように、結合板(固定手段)7Aには、円筒状の防振部材5Aの径よりも小さい口径の開口部7Aaが設けられ、防振部材5Aには、結合板7Aの板厚と同じ高さで、結合板7Aの開口部7Aaとほぼ同じ径の小径部5Acが設けられている。更に、防振部材5Aの小径部5Acの上及び下の部分の径は、結合板7Aの開口部7Aaの口径より大きい。これによって、防振部材5Aの小径部5Acは、結合板7Aの開口部7Aaに嵌合し、結合板7Aは防振部材5Aの突出部5Aaに取り付けられる。
更に、ボルト(固定手段)6Aaは、そのボルト頭が防振部材5Aの突出部5Aaの内部に埋設され、ネジ部の一部が防振部材5Aの上部に突出している。そして、ナット(固定手段)6Abは、外部に突出したボルト6Aaのネジ部と螺合している。また、ワッシャ(固定手段)6Acは、このナット6Abと防振部材6Aの上部との間に介在している。このボルト6Aaのボルト頭の径とナット6Abの径とワッシャ6Acの径は、いずれも結合板7Aの開口部7Aaの口径より大きい。そのため、ナット6Abをボルト6Aaに強く締結することで、ボルト6Aaのボルト頭とナット6Abとワッシャ6Acは、このボルト6Aaとワッシャ6Acとによって挟まれる部分の防振部材5Aを挟持し、更に、防振部材5Aの突出部5Aaにおける、小径部5Acの上と下の部分の周縁部は、結合板7Aを挟持する。これによって、ボルト6Aa、ナット6Ab及びワッシャ6Acは、当該結合板7Aを防振部材5Aの突出部5Aaに、更に強固に取り付けることができる。
以上のようにして、結合板7Aが、ボルト6Aa、ナット6Ab、ワッシャ6Ac及び結合板7Aの開口部7Aaによって、防振部材5Aの突出部5Aaに取り付けられ、この結合板7Aが取り付けネジ保持部(固定手段)8及び取り付けネジ(固定手段)9によって撮影機器Cに固定されることによって、当該減揺装置1は揺動を抑制する対象となる器具(ここでは撮影機器C)に固定される。
次に、図5に示した減揺装置1Bについて説明する。図5(a)に示すように、減揺装置1Bは、撮影機器Cに固定され、当該撮影機器Cの揺動を抑制するものである。減揺装置1Bは、減揺装置1(図2参照)の固定ネジ6aと固定ナット6bに代えてボルト6Baとナット6Bbを、防振部材5に代えて防振部材5Bを、結合板7に代えて結合板7Bを備える。減揺装置1B内の防振部材5B、結合板7B以外の構成は、図2に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
防振部材5Bの突出部5Baは、結合板7Bを貫通している。ここで、図5(b)に示すように、結合板(固定手段)7Bには、円筒状の防振部材5Bの径と同じ口径の開口が設けられ、防振部材5Bの突出部5Baは、防振部材5Bの上面と結合板7Bの上面とが同一平面になるように、結合板7Bの開口に貫入されている。そして、防振部材5Bは、結合板7Bの開口と接する面(溶着部7Bb)において、この開口に溶着されている。
これによって、結合板7Bは防振部材5Bの突出部5Baに取り付けられ、この結合板7Bが取り付けネジ保持部(固定手段)8及び取り付けネジ(固定手段)9によって撮影機器Cに固定されることによって、当該減揺装置1は揺動を抑制する対象となる器具(ここでは撮影機器C)に固定される。
また、ボルト6Baは、そのボルト頭が防振部材5Bの突出部5Baの内部に埋設され、ネジ部の一部が防振部材5Bの上部に突出している。そして、ナット6Bbは、外部に突出したボルト6Baのネジ部と螺合している。防振部材5Bが突出部5Baにボルト6Baとナット6Bbとを備えることで、防振部材5Bの強度を向上させることができる。
なお、ナット6Bbと防振部材5Bの上部との間に結合板7Bの開口の口径より大きい径のワッシャ(図示せず)を備えることとしてもよい。これによって、ボルト6Baとナット6Bbとワッシャ(固定手段)は、結合板7Bから防振部材5Bが抜け落ちるのを防ぐことができる。
また、本発明の減揺装置の固定手段の他の例として、ネジ(図示せず)の先端を防振部材5(図2参照)の突出部5aの内部から外部に突出させて、当該ネジのネジ頭を防振部材5の突出部5aに埋設し、外部に突出したネジ部を結合板7に貫通させて、結合板7から突出したネジ部をナット(図示せず)で固定することとしてもよいし、結合板7に凸部あるいは凹部を設け、この凸部あるいは凹部と嵌合する凹部あるいは凸部を有する部材を突出部5aに設けることで、凸部と凹部を嵌合させて固定することとしてもよい。更に、固定手段6によって防振部材5を結合板7に固定し、当該結合板7を取り付けネジ保持部8と取り付けネジ9とを介して撮影機器Cに固定することとしたが、この結合板7と、取り付けネジ保持部8と、取り付けネジ9とはこの形状に限定されることはなく、また、これらの部材を備えず、固定手段6によって直接撮影機器Cに固定されることとしてもよい。
更に、ここでは、ケーシング4の開口部4aの口径よりも大きい径を有する防振部材5の一部を開口部4aに貫入することで防振部材5をケーシング4に固定することとしたが、防振部材5をケーシング4に固定する方法はこれに限定されることなく、例えば、防振部材5が開口部4aの口径と同じ大きさの径の小径部(図示せず)を備え、その小径部の上下の部分を開口部4aの口径より大きい径とし、この小径部がケーシング4の開口部4aに嵌合することで、防振部材5をケーシング4に固定することとしてもよい。
また、ここでは、減揺装置1を撮影機器Cに固定する場合について説明したが、本発明の減揺装置は、例えば、医療器具のような、音や振動が好ましくない様々な器具等に固定して、その揺動を抑制することができる。
1、1A、1B 減揺装置
2 ジャイロスタビライザ
3 吸音部材
4 ケーシング
5、5A、5B 防振部材
5a、5A、5B 突出部
6 固定手段
2 ジャイロスタビライザ
3 吸音部材
4 ケーシング
5、5A、5B 防振部材
5a、5A、5B 突出部
6 固定手段
Claims (1)
- 揺動を抑制する対象となる器具に固定され、前記揺動を抑制する減揺装置であって、
前記器具の揺動を抑制するジャイロモーメントを生じるジャイロスタビライザと、
このジャイロスタビライザを覆い、当該ジャイロスタビライザから発生する音を吸収する吸音部材と、
この吸音部材と前記ジャイロスタビライザとを覆うケーシングと、
このケーシングに貫入され、かつ、一部が当該ケーシングの外部に突出し、前記ケーシングからの振動を減衰させる振動減衰特性を有する防振部材と、
この防振部材における、前記ケーシングの外部に突出した部分に設けられ、前記器具に前記防振部材を固定する固定手段とを備えることを特徴とする減揺装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004223903A JP2006017686A (ja) | 2004-06-01 | 2004-07-30 | 減揺装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004163697 | 2004-06-01 | ||
JP2004223903A JP2006017686A (ja) | 2004-06-01 | 2004-07-30 | 減揺装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006017686A true JP2006017686A (ja) | 2006-01-19 |
Family
ID=35792103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004223903A Pending JP2006017686A (ja) | 2004-06-01 | 2004-07-30 | 減揺装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006017686A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109774855A (zh) * | 2019-03-14 | 2019-05-21 | 江苏科技大学 | 一种船舶减摇陀螺参数优化方法 |
-
2004
- 2004-07-30 JP JP2004223903A patent/JP2006017686A/ja active Pending
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CN109774855A (zh) * | 2019-03-14 | 2019-05-21 | 江苏科技大学 | 一种船舶减摇陀螺参数优化方法 |
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A977 | Report on retrieval |
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