JP2006017007A - 舶用蒸気タービンプラント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 タービンの出口蒸気等の熱源を用いて給水中の溶存ガスを分離除去するデアレータ19と、舶用ボイラ3の排ガス通路33に設けられた給水エコノマイザ25と、が舶用ボイラ3への給水ライン13中に備えられた舶用蒸気タービンプラント1において、排ガス通路33における給水エコノマイザ25の排ガス流れ方向下流側に、配設された熱交換器41と、熱交換器41の導入側42とデアレータ19とを連絡する水導入ライン43と、熱交換器41の出口側44とデアレータ19とを連絡する還流ライン45と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
また、蒸気タービンプラントでは、さらに熱効率を向上させるために、エコノマイザに加えてタービンから抽気した蒸気を熱源としてボイラへの給水を加温する加熱器を備えた給水再生方式がよく利用されている。
従来、舶用蒸気タービンプラントには、この給水再生方式がよく使われていた。この舶用蒸気タービンプラントは、例えば図2に示すように構成されている。
舶用ボイラ101で生成された過熱蒸気は、蒸気ドラム102から蒸気配管103を通って高圧タービン104と低圧タービン105とに順次導入されて、熱エネルギーが動力に変換される。低圧タービン105から排出される蒸気は、コンデンサ106にて復水され、給水ライン107を通って舶用ボイラ101に給水される。給水ライン107には、復水ポンプ108、低圧タービン105の抽気を熱源とする加熱器109、高圧タービン104の出口蒸気等を熱源として給水中の溶存ガスを分離除去するデアレータ110、主給水ポンプ111、高圧タービン104の抽気を熱源とする加熱器112、113およびボイラ101の排ガス通路に設けられた給水エコノマイザ114が備えられている。
このように、3台の加熱器109,112,113とデアレータ110とにおいて、蒸気の潜熱がボイラ給水へ回収され、かつ、エコノマイザ114でボイラ排ガスの熱量が給水に回収される、すなわち5段の給水加熱がなされるので、プラント全体の熱効率は高められる。この給水加熱の段数は、多い程効率が向上するが、反面プラントの構成が複雑になり、製作コストも高くなるので、一般的には加熱器112(さらには給水ポンプ111まで)を省略したものが採用されている。
また、舶用蒸気タービンプラントでは、燃料として低質すなわち硫黄分の多いC重油を使用するので、排ガス中に含まれる硫黄酸化物の凝縮による煙道等の配管の腐食問題を考慮する必要がある。また、舶用蒸気タービンプラントでは、負荷変動が大きく、特に負荷の低い部分負荷の場合に、排ガス温度や給水温度が低下してエコノマイザ114の出口の排ガス温度が低下する傾向にある。そのため、図2に示すものは、部分負荷の場合に、エコノマイザ114の出口の排ガス温度が排ガス中に含まれる硫黄酸化物の凝縮しない温度になるように葉排ガスからの熱回収率を抑えた設計をする必要がある。したがって、定格運転時には、排ガスからの熱回収が不十分となる問題があった。
すなわち、本発明にかかる舶用蒸気タービンプラントは、タービンの出口蒸気等の熱源を用いて給水中の溶存ガスを分離除去するデアレータと、舶用ボイラの排ガス通路に設けられた給水エコノマイザと、が舶用ボイラへの給水ライン中に備えられた舶用蒸気タービンプラントにおいて、前記排ガス通路における前記給水エコノマイザの排ガス流れ方向下流側に、配設された熱交換器と、該熱交換器の導入側と前記デアレータとを連絡する水導入ラインと、前記熱交換器の出口側と前記デアレータとを連絡する還流ラインと、を備えたことを特徴とする。
また、デアレータのところでの熱回収量が増加するので、従来デアレータと給水エコノマイザとの間に設けられていた蒸気タービンからの抽気を熱源とする複数の加熱器を省略できる。このように、加熱器を省略できるので、それらに伴う蒸気配管等が不要となり舶用蒸気タービンプラントの構造を簡素にでき、製造コストを安価にできる。
これにより、排ガスの出口温度が制御できるので、舶用ボイラ負荷の変動により排ガスの温度が変動しても腐食性水溶液の凝縮を防止できる。
また、舶用ボイラが低負荷で運転されて排ガスの温度が熱交換器のところでデアレータからの給水温度より低い場合、デアレータからの給水が加熱媒体となって排ガス温度を上昇させることができる。これにより、硫酸等の腐食性水溶液の凝縮を防止できる。
また、デアレータのところでの熱回収量が増加するので、従来デアレータと給水エコノマイザとの間に設けられていた蒸気タービンからの抽気を熱源とする複数の加熱器を省略できる。このように、加熱器を省略できるので、それらに伴う蒸気配管等が不要となり舶用蒸気タービンプラントの構造を簡素にでき、製造コストを安価にできる。
また、舶用ボイラが低負荷で運転されて排ガスの温度が熱交換器のところでデアレータからの給水温度より低い場合、排ガスを加温することになるので、硫酸等の腐食性水溶液の凝縮を防止できる。
図1は、本実施形態にかかる舶用蒸気タービンプラント1の全体概略構成を示すブロック図である。
給水ライン13には、コンデンサ11側から順に、復水ポンプ15と、低圧加熱器17と、デアレータ19と、主給水ポンプ21と、給水エコノマイザ25と、が備えられている。
復水ポンプ15は、コンデンサ11からの水をデアレータ19に送るものである。低圧加熱器17は、低圧タービン9からの抽気を熱源として給水ライン13で送られる水を加温するもので、一段目の再生段を構成する。
熱交換器41の導入側42は、熱交換器41の出口側44より排ガス流れ方向上流側に設けられている。
舶用ボイラ3で生成された過熱蒸気は、過熱蒸気配管5を通って高圧タービン7次いで低圧タービン9に導入され過熱蒸気の熱エネルギーが回転動力に変換されて、船舶の駆動等に利用される。
熱交換器41の導入側42は、熱交換器41の出口側44より排ガス流れ方向上流側に設けられているので、熱交換器41を流れる水と蒸気は、排ガスと同じ方向に流れることになる。すなわち、熱交換される排ガスと水等とは、いわゆる並行流の関係になるので、排ガスの温度は熱交換器41への給水温度ではなく昇温された熱交換器41からの出口温度に近づくように低下することになる。すなわち、給水エコノマイザ25のような対向流の熱交換に比べて温度変化が著しくない。そのため、舶用蒸気タービンプラント1は、負荷変動が大きく負荷が低い部分負荷時に給水温度が極端に低下する場合もあるが、そのような場合でも排ガスの温度は極端に低下しないので、排ガスが過冷却によって、硫酸等の腐食性水溶液を凝縮させることを防止できる。
また、負荷が極端に下がった場合には、熱交換器41で排ガスを暖めることもできる。
このように、排ガス通路における給水エコノマイザ25の排ガス流れ方向下流側に、配設された熱交換器41と、熱交換器41の導入側42とデアレータ19とを連絡する水導入ライン43と、熱交換器41の出口側44とデアレータ19とを連絡する還流ライン45と、が設けられているので、デアレータ19から水導入ライン43を通って熱交換器41に導入された水は、給水エコノマイザ25を通過した排ガスにより昇温され飽和蒸気となってデアレータ19に還流ライン45を通って還流される。この還流された飽和蒸気がデアレータ19の熱源となるので、デアレータ19における水の温度を上昇させる。これにより、排ガスからの排熱回収量が増加するので、舶用ボイラ3の効率を改善できる。したがって、舶用蒸気タービンプラント1の熱効率を向上させることができる。
また、デアレータ19のところでの熱回収量が増加するので、従来デアレータ19と給水エコノマイザ25との間に設けられていた蒸気タービンからの抽気を熱源とする複数の加熱器を省略できる。このように、加熱器を省略できるので、それらに伴う蒸気配管等も不要となり、舶用蒸気タービンプラント1の構造を簡素にでき、製造コストを安価にできる。
これにより、排ガスの出口温度が制御できるので、舶用ボイラ3負荷の変動により排ガスの温度が変動しても腐食性水溶液の凝縮を防止できる。
また、舶用ボイラ3が低負荷で運転されて排ガスの温度が熱交換器41のところでデアレータ19からの給水温度より低い場合、デアレータ19からの給水が加熱媒体となって排ガス温度を上昇させることができる。これにより、硫酸等の腐食性水溶液の凝縮を防止できる。
3 舶用ボイラ
13 給水ライン
19 デアレータ
25 給水エコノマイザ
41 熱交換器
42 導入側
43 水導入ライン
44 出口側
45 還流ライン
Claims (3)
- タービンの出口蒸気等の熱源を用いて給水中の溶存ガスを分離除去するデアレータと、
舶用ボイラの排ガス通路に設けられた給水エコノマイザと、
が舶用ボイラへの給水ライン中に備えられた舶用蒸気タービンプラントにおいて、
前記排ガス通路における前記給水エコノマイザの排ガス流れ方向下流側に、配設された熱交換器と、
該熱交換器の導入側と前記デアレータとを連絡する水導入ラインと、
前記熱交換器の出口側と前記デアレータとを連絡する還流ラインと、
を備えたことを特徴とする舶用蒸気タービンプラント。 - 前記熱交換器の前記導入側を、前記出口側より排ガス流れ方向上流側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の舶用蒸気タービンプラント。
- 前記水導入ラインまたは前記還流ラインに、内部圧力を調整する調節手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載された舶用蒸気タービンプラント。
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WO2012114892A1 (ja) | 2011-02-25 | 2012-08-30 | 三菱重工業株式会社 | 蒸気タービン駆動機、並びに、蒸気タービン駆動機を備えた船舶及びガス液化装置 |
JP2014105612A (ja) * | 2012-11-27 | 2014-06-09 | Kubota Kankyo Service Kk | 廃熱回収設備、廃熱回収方法及び廃棄物処理炉 |
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