JP2006016932A - 鉄筋継手へのグラウト材の注入方法、グラウト材及び連結鉄筋 - Google Patents

鉄筋継手へのグラウト材の注入方法、グラウト材及び連結鉄筋 Download PDF

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Abstract

【課題】 廃棄物の容積を少なくすることができる鉄筋継手へのグラウト材の注入方法を提供する。
【解決手段】 グラウト材の主剤と硬化剤とをそれぞれ収容したカートリッジ31,32を供給管21,22にその一端部から挿入する。供給管21,22を混合用継手41の大径嵌合部42及び小径嵌合部43にそれぞれ着脱可能に嵌合する。継手41、供給管21,22及びカートリッジ31,32を注入装置の装着部19に着脱可能に装着する。カートリッジ31,32の底部31d,32dをピストン24,25によって供給管21,22の一端側へ押すことにより、カートリッジ31,32の柔軟な薄膜からなる筒部31a,32aを押し潰し、その内部に収容されたグラウト材の主剤及び硬化剤を継手41を介してミキサー50に押出す。そして、ミキサー50内において主剤及び硬化剤を混合させた後、ミキサー50から鉄筋継手内に注入する。
【選択図】図2

Description

この発明は、二本の鉄筋を連結するための鉄筋継手にグラウト材を注入する方法、その方法に用いられるグラウト材及びその方法を採用して製造された連結鉄筋に関する。
一般に、二本の鉄筋を鉄筋継手を介して連結する場合には、筒状をなす鉄筋継手の両端部に二本の鉄筋の各一端部をそれぞれ挿入する。その後、鉄筋継手の外周面に開口する注入孔から継手の内部にグラウト材を注入する。鉄筋継手の内部に注入されたグラウト材は、鉄筋継手の内周面と二本の鉄筋の外周面との各間に入り込んで固化する。この結果、二本の鉄筋が鉄筋継手を介して連結される。
従来、鉄筋継手にグラウト材を注入する場合には、下記特許文献1に記載されているように、グラウト注入装置が用いられている。グラウト注入装置は、装置本体を有している。装置本体には装着部が設けられている。この装着部には、二本の供給管が互いに平行に装着される。一方の供給管には、主剤が収容され、他方の供給管には硬化剤が挿入される。各供給管に収容された主剤及び硬化剤は、各供給管の基端部に摺動自在に設けられたピストンを前進させることにより、各供給管の先端部から吐出される。各供給管から吐出された主剤及び硬化剤は、二つの供給管の先端部に設けられた混合用継手を介して筒状をなすミキサーに流入する。そして、ミキサー内において十分に混合され、ミキサーの先端部に形成された吐出口から吐出される。したがって、ミキサーの先端部を鉄筋継手に形成された注入孔に対向させて押し付け、あるいは注入孔に嵌め込むことにより、注入孔から鉄筋継手の内周面と鉄筋の外周面との間にグラウト材を注入することができる。
特開平9―13675号公報
上記従来の吐出方法においては、二本の供給管内にそれぞれ収容された主剤及び硬化剤を使い切った後に、各供給管が廃棄される。各供給管は、その内周面にピストンが摺動可能に設けられる関係上、大きな剛性を有しており、押し潰すことが困難である。そこで、供給管は、通常、押し潰すことなく、そのままの状態で廃棄されている。このため、廃棄物としての容積が大きくなるという問題があった。
上記の問題を解決するために、この発明の第1の態様は、装置本体と、この装置本体に長手方向へ移動不能に装着された剛性を有する複数の供給管と、各供給管の内部にその長手方向へ摺動可能に嵌合され、駆動機構によって互いに連動して移動させられる複数のピストンと、上記複数の供給管に接続された筒状をなすミキサーとを備えたグラウト注入装置を用いて鉄筋継手の内部に複数の成分からなる反応性の鉄筋継手用グラウト材の各成分を注入するに際し、上記駆動機構によって上記ピストンを上記供給管の基端側から先端側へ移動させることにより、各供給管内に収容されたグラウト材の各成分を上記ミキサー内に送り込んで混合した後、上記ミキサーの吐出口から上記鉄筋継手内にグラウト材を注入する方法において、上記複数の供給管に、柔軟な薄膜からなる筒部を有し、内部に上記グラウト材の各成分を収容したカートリッジをそれぞれ着脱可能に挿入し、その状態で上記ピストンを上記供給管の基端側から先端側へ向かって移動させて各カートリッジの筒部をそれぞれ押し潰すことにより、各カートリッジの先端部からグラウト材の各成分を吐出させて上記ミキサー内に送り込むことを特徴としている。
この場合、上記グラウト注入装置が、剛性を有する混合用継手をさらに備え、上記混合用継手が、上記複数の供給管が着脱可能に嵌合固定される複数の嵌合部、各嵌合部内にそれぞれ開口し、上記カートリッジから吐出した上記グラウト材の成分が流入する複数の流入筒部、及び上記複数の流入筒部の各内部にそれぞれ接続された複数の吐出口が設けられ、上記ミキサーが着脱可能に取り付けられる取付部を有していることが望ましい。
上記カートリッジが、上記筒部の先端部外周面に嵌合固定された補強リングと、この補強リングに設けられ、上記筒部の先端開口部を閉じる薄膜からなる蓋部と、上記筒部の基端開口部を閉じる底部とを有し、上記補強部材の後端面が上記供給管の先端面に突き当たるまで上記筒部が上記供給管に挿入され、その状態で上記供給管が上記混合用継手の嵌合部に嵌合されることにより、上記流入筒部が上記蓋部を破って上記筒部内に突出していることが望ましい。
上記カートリッジの筒部が、その基端側から先端側へ向かって僅かに大径になるようにテーパ状に形成されていることが望ましい。
上記グラウト材が二成分からなる場合には、それに対応して上記供給管、上記ピストン及び上記カートリッジがそれぞれ二つ宛て用いられる。
上記グラウト材がエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、水ガラス系組成物系、シリカゾル系グラウト材から選ばれるものであるグラウト材が好ましい。
上記グラウト材の二つの成分の一方がエポキシ化合物(A)及び無機充填剤(B)からなり、他方の成分がアミノ化合物(C)及び無機充填剤(B)からなることが望ましい。
上記グラウト材の混合直後の25°Cにおける粘度が20,000〜200,000mPa・sであることが望ましい。
上記グラウト材の混合直後の25°Cにおける下記式で算出されるSVI値が3.0〜10.0であることが望ましい。
S=η1/η2
ここで、
η1:BH型粘度計、7号スピンドルを用いて回転数2rpmでの25°Cにおける粘度
η2:BH型粘度計、7号スピンドルを用いて回転数20rpmでの25°Cにおける粘度
この発明の第2の態様は、筒状をなす鉄筋継手と、この鉄筋継手の両端部にそれぞれ挿入された二本の鉄筋と、上記鉄筋継手の内周面と上記二本の鉄筋の外周面との各間に充填固化されたグラウト材とからなり、上記グラウト材が請求項1〜8のいずれかに記載の注入方法によって上記鉄筋継手の内部に注入することにより、上記鉄筋継手の内周面と上記二本の鉄筋の外周面との各間に上記グラウト材が充填されていることを特徴としている。
上記特徴構成を有するこの発明によれば、グラウト材の注入後に各供給管にグラウト材の各成分がほとんど付着することがない。したがって、各供給管は、廃棄する必要がなく、再度使用することができる。廃棄するのは、カートリッジだけである。カートリッジは、その全体の大部分を占める筒部が柔軟な膜体によって構成されているので、グラウト材の注入中にピストンによって押されて潰される。したがってカートリッジは、その廃棄時には、容積が使用前の容積に比して大幅に小さくなっている。よって、廃棄物としての容積を小さくすることができる。
また、複数のグラウト材成分に共通の無機充填剤を配合すれば本発明の注入方法で混合しても各成分が容易に相溶することができるので注入されたグラウト材は均一性に優れる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
まず、この発明に係る注入方法を採用することによって製造された連結鉄筋について説明すると、図4に示すように、連結鉄筋Aは、鉄筋継手1と、二本の鉄筋2,3とを備えている。鉄筋継手1は、筒状をなしており、その内周面には雌ねじ部1aが形成されている。鉄筋継手1には、その外周面から内周面まで貫通する注入孔1b及び二つの確認孔1c,1cが形成されている。注入孔1bは、鉄筋継手1の長手方向の中央部に配置されており、確認孔1c,1cは、鉄筋継手1の両端部にそれぞれ配置されている。一方、各鉄筋2,3の一端部外周面には、雄ねじ部2a,3aがそれぞれ形成されている。雄ねじ部2a,3aは、鉄筋継手1の雌ねじ部1aの両端部にそれぞれ螺合されている。この場合、雄ねじ部2a,3aは、鉄筋2,3の一端面どうしが互いに突き当たるまでねじ込まれているが、鉄筋2,3の一端面どうしは若干離間させておいてもよい。
注入孔2bには、後述するミキサー50の先端部が挿入され、その吐出口52からグラウト材が注入される。注入孔2bに注入されたグラウト材は、鉄筋継手1の内周面と鉄筋2,3の外周面との間を通って継手1の両端側へ向かう。グラウト材が鉄筋継手1の内周面と鉄筋2,3の外周面との各間のほぼ全体に充填されると、確認孔2c,3cからグラウト材が溢れ出る。これによって、グラウト材が鉄筋継手1の内周面と鉄筋2,3の外周面との各間のほぼ全体に充填されたことが分かる。そこで、グラウト材の注入を停止する。その後、グラウト材を固化させる。これにより、鉄筋2,3が鉄筋継手1を介して連結固定され、連結鉄筋Aが構成される。
次に、鉄筋継手1の内部に注入孔2bからグラウト材を注入するためにグラウト注入装置について説明すると、図1に示すように、グラウト注入装置Bは、装置本体10を有している。この装置本体10には図1(I)における上後端部に駆動軸11がその長手方向へ移動可能に設けられるとともに、駆動軸11を移動させるための駆動機構が設けられている。駆動機構は、装置本体10の下前端部に図1の矢印A,B方向へ回動可能に設けられた操作ハンドル12を有している。この操作ハンドル12を矢印A方向へ回動させると、駆動軸11が駆動機構により操作ハンドル12の回動量に応じた距離だけ前進させられるようになっている。なお、駆動機構は、周知の構造であるのでその説明は省略する。操作ハンドル12は、コイルばね等の付勢手段(図示せず)によって矢印B方向へ回動付勢されており、操作ハンドル12を矢印A方向へ回動させた後、自由に回動し得る状態にすると、付勢手段によって図1(I)に示す初期位置に戻される。操作ハンドル12が矢印B方向へ回動するとき、駆動軸11は停止状態を維持している。駆動軸11は、手動操作で移動させることなく、操作ハンドル12に代わるモータ等の駆動源を用いて移動させてもよい。
装置本体10には、一対の被動軸13,14がその長手方向へ移動可能に設けられている。一対の被動軸13,14は、駆動軸11の両側に駆動軸11と平行に配置されている。駆動軸13,14の後端部は、被動軸11の後端部に連結部材15を介して連結固定されている。したがって、被動軸13,14は、互いに連動して移動する。つまり、被動軸13,14は、同時に、かつ互いに同一距離だけ前進、後退移動する。被動軸13,14の先端部には、皿状をなす押圧部材16,17が設けられている。押圧部材16,17の各外径は、後述する供給管21,22の内径より小径になっている。
装置本体10の前端部には、支持部材18が設けられている。この支持部材18と装置本体10の上側前端部とによって装着部19が構成されている。この装着部19には、一対の供給管21,22が着脱可能に装着されている。供給管21,22は、例えば高強度ポリエチレン等の樹脂、その他強度の高い材質からなるものであり、所定以上の剛性を有する円筒体として形成されている。供給管21,22の内径は、グラウト注入装置Bによって注入されるグラウトの主剤と硬化剤との混合割合に応じて定められている。供給管21,22は、その長手方向の中間部及び先端部が連結部23,23によって連結され、一体的に取り扱うことができるようになっている。供給管21,22は、互いに連結することなく、別体にしてもよい。供給管21,22は、各軸線を被動軸13,14の各軸線とそれぞれ一致させた状態で装着部19に装着されている。したがって、被動軸13,14を前進移動させると、図2に示すように、押圧部材16,17が供給管21,22内にそれぞれ入り込み、供給管21,22の後端部に摺動自在に嵌合されたピストン24,25に突き当たる。その状態でさらに被動軸13,14を前進させると、ピストン24,25が前進させられる。
各供給管21,22には、カートリッジ31,32がその後端部を先にして各供給管21,22の先端開口部からそれぞれ挿入されている。カートリッジ31は、断面円形の筒部31aを有している。筒部31aは、単層の樹脂フィルム、又は1ないし複数の樹脂フィルムとアルミニウム箔とを積層してなる積層フィルム等の柔軟な薄膜によって構成されている。筒部31aは、その外径が後端側(基端側)から先端側(図2において右端側から左端側)へ向かって僅かに大径になるようにテーパ状に形成されている。筒部31aは、一定の外径をもって形成してもよい。筒部31aの先端部の外径は、供給管21の内径とほぼ同一になっている。
上記に用いられる樹脂フィルムの材質としては、グラウト材に作用せず、かつグラウト材によって劣化しないフィルム状のものであれば特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル、ナイロン等の樹脂が挙げられる。
膜厚は特に限定はないが、好ましくは0.1μm〜100μmである。
筒部31aの先端部外周面には、所定の剛性を有する補強リング31bが固着されている。この補強リング31bが筒部31aの先端部に固着されることにより、筒部31aの先端部が一定の断面円形状を維持している。補強リング31bの外径は、供給管21の外径とほぼ同一になっている。補強リング31bの内周面には、蓋部31cが設けられており、筒部31aの先端開口部が蓋部31cによって閉じられている。蓋部31cは、筒部31aと同様の薄膜によって構成されている。したがって、蓋部31cは、鋭角をなすエッジによって比較的容易に切断することが可能である。筒部31aの後端部外周面には、補強リング31bと同程度の剛性を有する底部31dが固着されている。この底部31dによって筒部31aの後端部が断面円形に維持されているとともに、筒部31aの後端開口部が閉じられている。蓋部31c及び底部31dによって両端開口部が閉じられた筒部31aの内部には、グラウト材の主剤が収容されている。
カートリッジ32も、カートリッジ31と同様に、筒部32a、補強リング32b、蓋部32c及び底部32dを有している。ただし、カートリッジ32においては、筒部32aの先端部の外径が供給管22の内径とほぼ同一になっており、補強リング32bの外径が供給管22の外径とほぼ同一になっている。また、蓋部32c及び底部32dによって両端開口部が閉じられた筒部32aの内部には、グラウト材の硬化剤が収容されている。特に、この実施の形態では、鉄筋継手用グラウト材の各成分のうち、アミノ化合物(C)及び上記無機充填剤(B)が均一に混合した状態で収容されている。
カートリッジ31,32は、それぞれの後端部を先にして供給管21,22にその先端開口部から挿入されている。カートリッジ31,32は、補強リング31b,32bの後端面が供給管21,22の先端面に突き当たるまで供給管21,22にそれぞれ挿入されている。この状態では、底部31d,32dが供給管21,22の後端部に嵌合されたピストン24,25に僅かの隙間をもって対向するようになっている。
供給管21,22の先端部は、混合用継手41に嵌合固定されている。混合用継手41は、例えば補強リング31b,32bを構成する樹脂と同様の比較的硬質の樹脂からなるものであり、深さの浅い有底円筒状をなす二つの嵌合部42及び43を有している。嵌合部42と嵌合部43とは、互いに平行に配置されており、互いに隣接する一側部どうしが一体に連結されている。一方の嵌合部42の内周には、その底部42aにカートリッジ31の補強リング31bが突き当たるまで供給管21の先端部外周が着脱可能に嵌合されている。他方の嵌合部43の内周には、その底部43aにカートリッジ32の補強リング32bが突き当たるまで供給管22の先端部外周が着脱可能に嵌合されている。これらの二つの嵌合部42,43の径は同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、大径嵌合部と小径嵌合部の組み合わせである。この実施の形態では、一方の嵌合部42として大径嵌合部が採用され、他方の嵌合部43として小径嵌合部が採用されている。
大径嵌合部42の底部42aの中央部には、カートリッジ31側に向かって突出する流入筒部42bが形成されている。この流入筒部42bの先端部は、鋭角をなすように形成されており、底部42aから流入筒部42bの先端までの長さは、補強リング31の先端面から蓋部31cまでの距離より長くなっている。したがって、大径嵌合部42にカートリッジ31が挿入された供給管21を嵌合固定すると、鋭角をなす流入筒部42bの先端部が蓋部31cを切り裂いて、筒部31a内に入り込む。この結果、筒部31a内に収容されたグラウトの上記成分(A)、(B)が流入筒部42bの内部に流入可能になる。小径嵌合部43の底部43aの中央部には、流入筒部42bと同様の流入筒部43bが形成されており、この流入筒部43bの先端部が蓋部32cを切り裂いて筒部32a内に入り込むことにより、筒部32a内に収容されたグラウトの上記成分(C)、(B)が流入筒部43bに流入可能になる。
大径嵌合部42と小径嵌合部43との連結部近傍における底部42a,43aの外面には、流入筒部42b,43bと逆向きに突出する流出筒部(取付部)44が形成されている。この流出筒部44は、二重筒構造をなしており、大径筒部45とこの大径筒部45の内側にそれと同軸に形成された小径筒部46とを有している。大径筒部45の内周面と小径筒部46の外周面との間には、環状をなす第1吐出口(吐出口)47が形成されている。この第1吐出口47は、継手41に形成された第1通路41aを介して流入筒部42bの内部と連通している。小径筒部46の内部が第2吐出口(吐出口)48になっている。この第2吐出口48は、継手41に形成された第2通路41bを介して流入筒部43bの内部と連通している。
大径筒部45の外周面には、ミキサー50の基端部が螺合固定されている。このミキサー50は。円筒状をなしており、その内部には第1、第2吐出口47,48から吐出されたグラウトの各成分(A)、(B)及び(C)、(B)がそれぞれ流入する。ミキサー50内に流入した各成分は、ミキサー50内をその先端側へ流れる間に撹拌混合される。各成分の混合をより均一にするために、ミキサー50の内部には、混合用の螺旋体(図示せず)を回転可能に設けるのが望ましい。ミキサー50の先端部には、先端側へ向かって小径になるテーパ部51が形成されている。このテーパ部51の先端部の外径は、鉄筋継手1の注入孔1cの内径より若干小径にするのが望ましい。
上記構成のグラウト注入装置Bを用いて、両端部に鉄筋2,3が螺合された鉄筋継手1にグラウト材を注入する場合には、まず供給管21,22にカートリッジ31,32をそれぞれ挿入する。次に、供給管21,22を混合用継手41の大径嵌合部42及び小径嵌合部43にそれぞれ嵌合させる。この場合、供給管21,22は、カートリッジ31,32の補強リング31b、32bが大径嵌合部42の底部42a及び小径嵌合部43の底部43aにそれぞれ突き当たるまで大径嵌合部42及び小径嵌合部43に嵌合させる。すると、流入筒部42b,43bの先端部がカートリッジ31,32の蓋部31c,32cを破って筒部31a,32a内に入り込む。その結果、カートリッジ31に収容されたグラウト材の成分(A)、(B)が流入筒部42b内に流入可能になるとともに、カートリッジ32内に収容されたグラウト材の成分(C)、(B)が流入筒部43b内に流入可能になる。その後、互いに一体化された供給管21,22、カートリッジ31,32及び混合用継手41(以下、この一体化された三者をユニットと称する。)をグラウト注入装置Bの装着部19に装着する。勿論、このときにはグラウト注入装置Bの駆動軸11及び被動軸13,14を最後方側の位置に予め移動させておく。
ユニットを装着部19に装着すると、供給管21,22の軸線と被動軸13,14の軸線とがほぼ一致する。そこで、被動軸13,14を前進させると、押圧部材16,17が供給管21,22内に入り込み、ピストン24,25に突き当たる。駆動軸13,14をさらに前進させると、押圧部材16,17がピストン24,25を介してユニットを前方へ押圧し、混合用継手41の前面に形成された当接突条49が支持部材18の前端部に設けられた停止部18aに突き当てる。すると、ユニットがそれ以上前方へ移動することができなくなる。したがって、その後は押圧部剤16,1を前進移動させると、ピストン24,25だけが前方へ移動する。
グラウト注入装置Bが上記の状態になったら、ミキサー50のテーパ部51の先端部を鉄筋継手1の注入孔1bの外側の開口部に挿入する。勿論、このときには、鉄筋継手1の雌ねじ部1aの両端部に鉄筋2,3を螺合させておく。その後、ピストン24,25を前方へ移動させる。ピストン24,25がカートリッジ31,32の底部31d,32dに突き当たると、その後はピストン24,25の前方への移動に伴ってカートリッジ31,32の筒部31a,32aが押し潰される。その結果、カートリッジ31,32内にそれぞれ収容されたグラウト材の各成分(A)、(B)及び(C)、(B)が、カートリッジ31,32から押し出され、混合用継手41の流入筒部42b,43bに流入する。流入筒部42b,43bに流入した成分(A)、(B)及び(C)、(B)は、第1、第2通路41a,41b及び第1、第2吐出口47,48を通ってミキサー50内に流入し、ミキサー50内を移動するにしたがって撹拌混合される。各成分(A)、(B)及び(C)、(B)は、混合されることによって鉄筋継手用グラウト材を構成する。
この発明のグラウト材注入方法に用いられるグラウト材としては特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、水ガラス系組成物系、シリカゾル系グラウト材等が挙げられる。これらは複数成分系であるが、好ましくは二成分系である。
エポキシ樹脂系グラウト材は、一方の成分がエポキシ化合物(A)及び無機充填剤(B)からなり、他方の成分がアミノ化合物(C)及び無機充填剤(B)からなるのが好ましい。
アクリル樹脂系グラウト材は、一方の成分がアクリル系モノマー及び/若しくはオリゴマーと無機充填剤からなり、他方の成分が重合開始剤及び無機充填剤からなるのが好ましい。
ウレタン樹脂系グラウト材は、一方の成分が多価水酸基含有化合物及び無機充填剤からなり、他方の成分がイソシアネート化合物及び無機充填剤からなるのが好ましい。
水ガラス系グラウト材は、一方の成分が水ガラス及び無機充填剤からなり、他方の成分が固結剤(ホウ酸亜鉛、リン酸アルミニウム等)及び無機充填剤からなるのが好ましい。
シリカゾル系グラウト材は、一方の成分がシリカゾル及び無機充填剤からなり、他方の成分が固結剤(ホウ酸亜鉛、リン酸アルミニウム等)及び無機充填剤からなるのが好ましい。
これらの内で、より好ましくはエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系グラウト材であり、特に好ましくはエポキシ樹脂系グラウト材である。
エポキシ樹脂系グラウト材の一方の成分は上記の通り、エポキシ化合物(A)及び無機充填剤(B)からなる。
エポキシ化合物(A)としては、分子中に1個以上のエポキシ基を有していれば特に限定されず、用途、目的に応じて適宜選択することができる。好ましくは分子中にエポキシ基を1〜6個有するものである。エポキシ化合物のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、好ましくは65〜1,000であり、より好ましくは90〜500である。エポキシ当量が1,000以下であると、硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が良好であり、一方、エポキシ当量が65以上であると硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等が良好な架橋構造となる。
エポキシ化合物(A)の例としては、下記(A−1)から(A―5)があげられる。
(A−1)グリシジルエーテル型
1価フェノール類のグリシジルエーテル(フェニルグリシジルエーテル等の炭素数6〜30の1価フェノール類のグリシジルエーテル);2価フェノール類のジグリシジルエーテル(ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル等の炭素数6〜30の2価フェノール類のジグリシジルエーテル);3価〜6価又はそれ以上の、多価フェノール類のポリグリシジルエーテル[ピロガロールトリグリシジルエーテル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂(分子量200〜5,000)のグリシジルエーテル等の炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量250〜5,000の3価〜6価又はそれ以上の多価フェノール類のポリグリシジルエーテル];脂肪族1価アルコールのグリシジルエーテル(アリルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル等の炭素数2〜100、分子量150〜5,000のモノオールのグリシジルエーテル);脂肪族2価アルコールのジグリシジルエーテル[エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(分子量150〜4,000)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール(分子量180〜5,000)ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の炭素数2〜100、分子量150〜5,000のジオールのジグリシジルエーテル];3価〜6価又はそれ以上の脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル[トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、ポリ(n=2〜5)グリセロールポリグリシジルエーテル等の炭素数3〜50又はそれ以上で、分子量92〜10,000の3価〜6価又はそれ以上の多価アルコール類のグリシジルエーテル];エポキシ変成シリコーン[1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等の1個以上の水酸基を含有する分子量200〜2,000のポリジアルキルシロキサン];
(A―2)グリシジルエステル型;
炭素数6〜20又はそれ以上で、1価〜6価又はそれ以上の芳香族カルボン酸のグリシジルエステル、及び炭素数2〜20又はそれ以上で、1価〜6価又はそれ以上の脂肪族若しくは脂環式カルボン酸のグリシジルエステル;例えば、フタル酸ジグリシジルエステル等の芳香族カルボン酸のグリシジルエステル;前記芳香族カルボン酸のグリシジルエステルの芳香核水添加物、ダイマー酸ジグリシジルエステル等の脂肪族若しくは脂環式カルボン酸のグリシジルエステル等;
(A−3)グリシジルアミン型;
炭素数6〜20又はそれ以上で、1〜10又はそれ以上の活性水素原子をもつ芳香族アミン類のグリシジルアミン及び脂肪族、脂環式若しくは複素環式アミン類のグリシジルアミン;例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等の芳香族アミン類のグリシジルアミン;N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン等の脂肪族アミン類のグリシジルアミン;N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミンの水添化合物等の脂環式アミン類のグリシジルアミン;トリスグリシジルメラミン等の複素環式アミンのグリシジルアミン;
(A−4)鎖状脂肪族エポキサイド;
炭素数6〜50又はそれ以上で1〜6価又はそれ以上の鎖状脂肪族エポキサイド;例えば、エポキシ当量130〜1,000のエポキシ化ブタジエン(分子量90〜2,500)等のエポキシ化(ポリ)アルカジエン等;
(A−5)脂環式エポキサイド
炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量90〜2500、エポキシ基の数1〜4又はそれ以上の脂環式エポキサイド;例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド等;
これらのうち、グラウト材硬化物の強度の観点から好ましいものはグリシジルエーテル型(A−1)であり、特に好ましいものはフェノール類の(ポリ)グリシジルエーテルである。
無機充填剤(B)の種類は特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択できる。具体的には、例えば、ホウ酸系ガラス粉末、ナトリウム塩系ガラス粉末、ケイ酸塩系ガラス粉末等のガラス粉末、アルミナ、硫酸アルミニウム等のアルミニウム化合物;チタン酸バリウム、ホウ酸バリウム等のバリウム化合物;炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム等のカルシウム化合物;硫酸アルミニウムカリウム、リン酸三カリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム等のカリウム化合物;硫酸アルミニウムナトリウム、ケイ酸マグネシウムナトリウム等のナトリウム化合物;炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム化合物;ホウ酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、チタン酸亜鉛等の亜鉛化合物;セピオライト、ウォラスナイト、フライアッシュ、スラグ、紅柱石粉、灰長石粉、長石粉、明ばん石粉、カオリン、タルク、マイカ、クレー、セリサイト、アスベスト、ジルコン、ゼオライト、シリカ、ベントナイト、シラスバルーン、金属粉末等;
が挙げられる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
これらの内で好ましくはガラス粉末、アルミニウム化合物、カルシウム化合物及び亜鉛化合物であり、より好ましくはガラス粉末及びカルシウム化合物である。
(B)の形状についても特に限定されず、粉末状でもビーズ状でもよく、また、粒状でも中空状でもよい。
(B)の体積平均粒子径は、好ましくは0.1μm〜300μmであり、より好ましくは0.2μm〜200μmである。
(A)と(B)の配合比は、(A)と(B)の合計を100質量部としたとき、好ましくは10〜95:90〜5質量部であり、より好ましくは20〜90:80〜10質量部である。
(A)と(B)の配合方法は、混合できれば限定されるものではないが、万能混合機等の通常の混合機を使用して各成分を混合する方法が好適に用いられる。
(A)と(B)の配合物の粘度は、好ましくは3,000〜40,000mPa・s、より好ましくは5,000〜300,000mPa・sである。
エポキシ樹脂系グラウト材の他方の成分はアミノ化合物(C)及び無機充填剤(B)からなる。
アミノ化合物(C)はアミノ基に由来する活性水素を2個以上有する化合物であり、以下の(C−1)〜(C−9)が挙げられる。アミノ基に由来する活性水素とは、直接アミノ基の窒素原子に結合する水素原子のことをいう。好ましくは分子中にアミノ基に由来する活性水素を2〜10個有する化合物であり、より好ましくは3〜6個有する化合物である。
(C)の活性水素当量(活性水素1個当りの分子量)は、好ましくは15〜500であり、より好ましくは20〜200である。活性水素当量が500以下であると硬化物の接着性、耐久性等の物性が良好である。活性水素当量が15以上であると硬化物の接着性、耐久性、耐薬品性等の物性が良好である。
(C−1)脂肪族アミン類(炭素数2〜18、官能基数1〜7、分子量60〜500);
(i)脂肪族アミン{炭素数6〜18のアルキルアミン(オクチルアミン等)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン等)、ポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン等〕};
(ii)これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体〔ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン等〕;
(iii)芳香族アミン類(炭素数8〜15)(キシリレンジアミン等);
(C−2)脂環式ポリアミン(炭素数4〜15、官能基数2〜3);
1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等;
(C−3)複素環式ポリアミン(炭素数4〜15、官能基数2〜3);
ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等〕等;
(C−4)ポリアミドポリアミン;
ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り1〜2級アミノ基が2モルの)ポリアミン類(官能基数2〜7の前記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られるポリアミドポリアミン(数平均分子量200〜1,000)等;
(C−5)ポリエーテルポリアミン(官能基数;好ましくは2〜7);
ポリエーテルポリオール(官能基数;好ましくは2〜7)のシアノエチル化物の水素化物(分子量230〜1,000)等;
(C−6)エポキシ付加ポリアミン;
エポキシ化合物[特開2001−40331号公報記載のポリエポキサイド及びモノエポキサイド)1モルをポリアミン類(前記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)に1〜30モル付加させることによって得られるエポキシ付加ポリアミン(分子量230〜1,000)等;
(C−7)シアノエチル化ポリアミン:アクリロニトリルとポリアミン類(前記脂肪族ポリアミン等)との付加反応により得られるシアノエチル化ポリアミン、ビスシアノエチルジエチレントリアミン等(分子量230〜606)等;
(C−8)アミノ変成シリコーン;
分子量200〜2,000のポリジアルキルシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン等)にアミノ基を導入した化合物、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−ポリ(n=2〜20)テトラメチルジシロキサン等;
(C−9)その他のポリアミン化合物;
(i)ヒドラジン類(ヒドラジン、モノアルキル(炭素数1〜5)ヒドラジン等);
(ii)ジヒドラジッド類(コハク酸ジヒドラジッド,アジピン酸ジヒドラジッド等の炭素数4〜30の脂肪族系ジヒドラジッド;イソフタル酸ジヒドラジッド,テレフタル酸ジヒドラジッド等の炭素数10〜40の芳香族系ジヒドラジッド;);
(iii)グアニジン類(ブチルグアニジン等の炭素数1〜5のアルキルグアニジン;1−シアノグアニジン等のシアノグアニジン);
(iv)ジシアンジアミド等;
並びにこれらの2種以上の混合物。
上記(C)のうち、好ましいのは(C−2)、(C−3)、(C−4)及び(C−6)であり、特に好ましいのは(C−1)である。
無機充填剤(B)は前記と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。(B)は一方に加えられるものと他方に加えられるものは同じであっても異なっていてもよいが、好ましくは同じものである。
(C)と(B)の配合比は、(C)と(B)の合計を100質量部としたとき、好ましくは10〜95:90〜5質量部であり、より好ましくは20〜90:80〜10質量部である。
配合方法としては、万能混合機等の通常の混合機を使用して各成分を混合する方法が好適に用いられる。
(C)と(B)の配合物の粘度は、好ましくは3,000〜40,000mPa・s、より好ましくは5,000〜300,000mPa・sである。
また、必要によりポリオールの炭素数2〜6のアルキレンオキサイド(AO)付加物(D)をさらに含有させることができる。(D)を含有させる場合、(A)と(B)の配合物、(C)と(B)の配合物のどちらか一方に含有させても、両方に含有させても良い。
該(D)を含有することにより、作業性を損なわずに、鉄筋継手に注入した後でもタレが生じにくくなる効果が向上する。
(D)は、ポリオールにアルキレンオキサイド(AO)を付加したものである。該目的に用いられるポリオールとしては、例えば、2〜8価又はそれ以上で、炭素数2〜30で2価〜8価又はそれ以上の多価アルコール〔エチレングリコール,プロピレングリコール等の2価アルコール;グリセリン,トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,グルコース,ショ糖等の4〜8価のアルコール等〕、2〜8価又はそれ以上で、炭素数6〜40の多価フェノール(ピロガロール,ヒドロキノン等の多価フェノ―ル;ビスフェノールA,ビスフェノールF等のビスフェノール類)等があげられる。
これらのポリオールは1種又は2種以上使用することができる。これらのうち、好ましくは多価アルコールであり、より好ましくは2〜4価で炭素数2〜10の多価アルコールである。
(AO)としては、エチレンオキサイド(EOという)、プロピレンオキサイド(POという)、ブチレンオキサイド等が挙げら、好ましくは(EO)及び(PO)である。
(AO)として(EO)及び(PO)を用いた場合、(EO)と(PO)のポリオールへの付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよいが、好ましくはランダム付加である。ランダム付加であると配合物の注入作業性とチキソトロピー性が良好となり、鉄筋継手に注入した後でもタレが生じにくくなる効果がさらに向上する。
この場合の(EO)と(PO)の付加モル数の比は、好ましくは1:0.1〜0.5であり、より好ましくは1:0.12〜0.35である。 (PO)の付加モル数が0.1以上であると配合物のチキソトロピー性が良好となり注入後タレにくく、0.5以下であると作業性が良好となる。
(D)を含有させる場合、その添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)、(B)、(C)の合計を100質量部としたとき、0.1〜10質量部である。
また、硬化促進剤(E)をさらに含有させることができる。(E)を含有させる場合は、(C)と(B)の配合物に含有させることが好ましい。
硬化促進剤(E)としては、3級アミノ化合物(E1)、ソジウムメチラ−ト、カセイソ−ダ、カセイカリ、炭酸リチウム等のアルカリ化合物(E2)、トリエチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等のルイス塩基化合物(E3)、フェノール、4−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール等のフェノール類(E4)、リン酸、サリチル酸等の酸類(E5)、リン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム等の塩類(E6)等があげられる。これらの内好ましいものは3級アミノ化合物(E1)である。
該(E)として好ましい3級アミノ化合物(E1)は分子中に3級アミノ基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、以下の(E1−1)から(E1−3)がそれぞれ挙げられる。
(E1−1)脂肪族3級アミン:トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、テトラメチルグアニジン、ジメチルピペラジン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノエタノ−ル、ジメチルアミノエトキシエタノール、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン等、
(E1−2)フェノール核含有脂肪族3級アミン:N,N−ジメチルアミノメチルフェノール(通称「DMP−10」)等、
(E1−3)含窒素複素環化合物 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(サンアプロ社;商標「DBU」)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5(サンアプロ社;商標「DBN」)、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(サンアプロ社;商標「DBA−DBU」)等が挙げられる。
3級アミノ化合物(E1)は得ようとする硬化速度、可使時間に応じて種類、添加量とも適宜選択すればよい。例えば(E1)の量は好ましくは(A)+(C)の合計を100質量部としたとき、1〜100質量部である。
前記配合物には、さらに必要に応じて前記(A)及び(C)以外の添加剤、例えば(1)シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の接着性付与剤、(2)ヒンダードアミン類、硫黄含有化合物等の酸化防止剤、(3)ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫外線吸収剤、(4)金属石けん類、重金属(例えば亜鉛、錫、鉛、カドミウム等)の無機及び有機塩類、有機錫化合物等の安定剤、(5)フタル酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、ひまし油、流動パラフィン、アルキル多環芳香族炭化水素等の可塑剤、(6)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、密ロウ、鯨ロウ、低分子量(分子量1,000〜10,000)ポリオレフィン等のワックス類、(7)ベンジルアルコール、タール、ピチューメン等の非反応性希釈剤、(8)エステル(酢酸エチル等)、芳香族炭化水素(トルエン等)、アルコール(メタノール等)、エーテル(ジエチルエーテル等)、ケトン(メチルエチルケトン等)等の溶剤、(9)発泡剤、(10)消泡剤、(11)脱水剤、(12)帯電防止剤、(13)抗菌剤、(14)防かび剤、(15)香料、(16)難燃剤、(17)分散剤等を添加することができる。これらは2種以上を併用することも可能である。
これらの添加剤を含有させる場合、(A)と(B)の配合物、(C)と(B)の配合物のどちらに含有させてもよいが、好ましくは(C)と(B)の配合物に含有させる場合である。 これらの添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)、(B)、(C)の合計を100質量部としたとき、0.01〜10質量部である。
(A)+(B)の成分と(C)+(B)の成分の比率は、容量比で整数比となることが好ましく、例えば、好ましい例として、容量比で1:1、2:1、1:2、4:1、1:4等が挙げられる。
鉄筋継手用グラウト材は、上記複数成分を混合した直後の25°Cにおける粘度が20,000〜200,000mpa・sであることが望ましい。粘度が20,000mpa・s以上であると、流動性が高すぎず、供給管21,22に混合用継手41が装着された際に、カートリッジ31,32の蓋部31c、32cからグラウト材が漏れ出すおそれがない。逆に、グラウト材の粘度が200,000mpa・s以下であると、その粘性が高すぎず、カートリッジ31,32からグラウト材が短時間で充分に吐出されることになる。
また、粘度が20,000mpa・s以上であると、流動性が高すぎず、継手1の内周面と鉄筋2,3の外周面との間に充填したグラウト材が、固化する前にそれらの間から流れ出てしまうおそれがない。逆に、グラウト材の粘度が200,000mpa・s以下であると、その粘性が高すぎず、グラウト材が継手1の内周面と鉄筋2,3の外周面との間全体に行き渡り、それらの間にグラウト材が充填されていない空間がなく、継手1と鉄筋2,3との接続強度が低下するおそれがない。
また、上記グラウト材の混合直後の25°Cにおける次式で算出されるSVI値は、3.0〜10.0であることが望ましい。
S=η1/η2
ここで、
S:SVI値
η1:BH型粘度計、7号スピンドルを用いて回転数2rpmでの25°Cにおける粘度。
η2:BH型粘度計、7号スピンドルを用いて回転数20rpmでの25°Cにおける粘度。
SVI値が3.0以上であると、供給管21,22に混合用継手41が装着された際に、カートリッジ31,32の蓋部31c、32cからグラウト材が漏れ出さず、ミキサー50の先端開口部からタレを生じるおそれがない。逆に、SVI値が10.0以下であると、カートリッジ31,32からグラウト材が短時間に充分に吐出されることになる。
なお、グラウト材の粘度及びSVI値を上記の値にすることは、例えばエポキシ樹脂(A)、アミノ化合物(C)の種類の選定、無機充填剤(B)の種類の選定、エポキシ樹脂(A)と無機充填剤(B)および/またはアミノ化合物(C)と無機充填剤(B)の配合比率を適宜に調整することによって達成することができる。
注入されたグラウト材の硬化条件は従来公知の条件でよく、温度は好ましくは5〜40℃であり、特に好ましくは10〜35℃である。
ミキサー50内において混合したグラウト材は、注入孔1bを通って継手1内に流入し、鉄筋継手1の内周面と鉄筋2,3の外周面との間に入り込む。グラウト材が鉄筋継手1の内周面と鉄筋2,3の外周面との間の全体に充填されると、グラウト材が確認孔1c、1cから外部に漏れ出る。これにより、グラウト材が鉄筋継手1の内周面と鉄筋2,3の外周面との間の全体に充填されたことが分かる。その後、グラウト材の注入を終了する。そして、グラウト材が固化することにより、鉄筋継手1とその両端部に連結固定された二本の鉄筋2,3とからなる連結鉄筋Aが構成される。
鉄筋継手1へのグラウト材の注入を繰返し行い、カートリッジ31,32がその内部に収容された成分(A)、(B)及び(C)、(B)を使いきるまで押し潰されたら、被動軸13,14を後方へ移動させ、押圧部材16,17を供給管21,22から後方へ抜き出す。すると、混合用継手41、供給管21,22及びカートリッジ31,32からなるユニット全体が注入装置Bの装着部19から取り外し可能になる。ユニットを装着部19から取り外した後、混合用継手41の大径嵌合部42及び小径嵌合部43から供給管21,22及びカートリッジ31,32の補強リング31b、32bを取り外す。その後、使用済みのカートリッジ31,32を供給管21,22から抜き出す。
使用済みのカートリッジ31,32は廃棄する。この場合、カートリッジ31,32の筒部31a,32aが押し潰されているので、廃棄物の容積を少なくすることができる。したがって、廃棄物の搬送及び廃棄処分を容易に行うことができる。一方、供給管21,22には、グラウト材が付着することがないので、廃棄することなく再度使用することができる。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、グラウト材が二成分から構成されていることに対応して、二つの供給管21,22及び二つのカートリッジ31,32が用いられているが、グラウト材が三つ以上の成分を混合することによって構成される場合には、供給管及びカートリッジを三つ以上設けることになる。勿論、それに対応して被動軸も3つ以上設けられる。
また、カートリッジ31,32が、剛性を有する補強リング31b,32b及び底部31d、32dを有しているが、それらは必ずしも必要ではない。例えば、筒部31a,32aの両端部に金属線を巻回して締め付けることにより、筒部31a,32aの両端開口部を閉じてもよい。その場合には、二つのカートリッジを供給管21,22にそれぞれ挿入した後、各筒部31a,32aの混合用継手41側の一端部を金属線より内側において切除して開口させ、各カートリッジの開口部に継手41の流入筒部42b、43bを挿入すればよい。
二本の鉄筋を鉄筋継手を介して連結した場合の鉄筋継手性能判定基準としては、鉄筋継手の引張試験による国土交通省の鉄筋継手性能判定基準が挙げられる。
すなわち、鉄筋継手を母材である鉄筋の規格降伏強度の95%まで引張荷重を加え、次に荷重を圧縮荷重に変えて、鉄筋の規格降伏強度の2%のところまで圧縮し、再度降伏するまで引張荷重を加え、応力と変位を測定する。母材である鉄筋の弾性率をE0、最初に引張荷重を加えたときに鉄筋の規格降伏強度の70%のところでの応力を断面積で割った見掛けの弾性率をE70、最初に引張荷重を加えたときに鉄筋の規格降伏強度の95%のところでの応力を断面積で割った見掛けの弾性率をE95、鉄筋の規格降伏強度の2%まで圧縮したときの継手のすべり量をSとしたとき、E70/E0≧0.9、E95/E0≧0.7、S≦0.3を満足した場合に、鉄筋継手性能としてA級と判定され、実用上問題ないとされている。
この発明の連結鉄筋の引張試験による国土交通省の鉄筋継手性能判定基準のA級を満足しする良好なものである。
以下、実施例によってこの発明をさらに説明するが、この発明はこれに限定されるものではない。
製造例1
攪拌式オートクレーブにプロピレングリコールを147部、触媒として水酸化カリウムを0.76部仕込み、エチレンオキサイド682部とプロピレンオキサイド171部とを混合したものを吹き込み、110℃で5 時間反応させた。130℃で3時間 時間熟成後、「キョーワード600」酸化マグネシウム系吸着剤(酸化マグネシウム系吸着剤:協和化学工業社製:「キョーワード600」)で処理し、触媒を除去してアルキレンオキサイド付加物Hを得た。このものの水酸基価は28、粘度は700mPa・s/25℃であった。
実施例1
25℃雰囲気下で、下記に示した配合量で各成分を混合攪拌し、エポキシ樹脂主剤とエポキシ樹脂硬化剤とを二つのカートリッジにそれぞれ充填した。
[エポキシ樹脂主剤]
エピコート828 260部
エピオールB 25部
製造例1のアルキレンオキサイド付加物 3部
ホワイトンSB 175部
[エポキシ樹脂硬化剤]
ペンタエチレンヘキサミン 50部
製造例1のアルキレンオキサイド付加物 2部
ホワイトンSB 105部
エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製ビスフェノールAジグリシジルエーテル、粘度11,000mPa・s/25℃、エポキシ当量190);
エピオールB(日本油脂社製ブチルグリシジルエーテル、粘度1mPa・s/25℃、エポキシ当量135);
ホワイトンSB(白石カルシウム社製炭酸カルシウム)
ペンタエチレンヘキサミン(東ソー社製、粘度70mPa・s/25℃、活性水素当量29)
主剤の粘度は、51,000mPa・sであり、硬化剤の粘度は、48,000mPa・sであった。なお粘度の測定法は、25℃において、BH型粘度計、7号スピンドルを用いて、回転数20rpmで測定した。
上記主剤及び硬化剤を二つのカートリッジにそれぞれ充填した後、各カートリッジを二つ供給管にそれぞれ挿入し、さらに各供給管の先端部に混合用継手を嵌合固定してユニット化し、このユニットをグラウト注入装置の装着部に装着した。その後、二つのピストンを前進させて各カートリッジを押し潰すことにより、主剤と硬化剤とを混合用継手を介してミキサー内に流入させ、ミキサー内のおいて混合させた。混合することによって構成されたグラウト材を、その硬化前にミキサーから直接鉄筋継手(サイズ:D29)に注入した。注入し始めてから鉄筋継手からあふれ出すまでの時間(注入時間)を測定したところ、25秒と良好な結果であった。混合直後の粘度は54,000mPa・sであった。
また、グラウト材を完全に吐出した後の二本のカートリッジ外観は、筒部が押し潰されることにより、縮んだときのアコーディオンのような状況を呈していた。
また、上記条件にてグラウト材を鉄筋継手(サイズ:D29)に注入し、25℃にて1週間養生後に継手性能試験を行ったところ、引張試験による国土交通省の鉄筋継手性能判定基準のA級を満足し、実用上問題のないレベルであった。
この発明のグラウト材注入方法は、コンクリート構造物に用いられる鉄筋継手へのグラウト材注入方法として有用である。
この発明に係る注入方法を実施するための注入装置を示す図であって、図1(I)はその側面図、図1(II)はその平面図である。 図1のX−X線に沿う拡大断面図である。 同注入装置において用いられている混合用継手を示す図2のX矢視図である。 この発明に係る注入方法によってグラウト材が注入される継手とその継手の両端部に螺合された二本の鉄筋とを示す断面図である。
符号の説明
A 連結鉄筋
B グラウト注入装置
1 鉄筋継手
2 鉄筋
3 鉄筋
10 装置本体
19 装着部
21 供給管
22 供給管
24 ピストン
25 ピストン
31 カートリッジ
31a 筒部
31b 補強リング
31c 蓋部
31d 底部
32 カートリッジ
32a 筒部
32b 補強リング
32c 蓋部
32d 底部
41 混合用継手
42 大径嵌合部(嵌合部)
42a 底部
42b 流入筒部
43 小径嵌合部(嵌合部)
43a 底部
43b 流入筒部
44 流出筒部(取付部)
47 第1吐出口(吐出口)
48 第2吐出口(吐出口)
50 ミキサー
52 吐出口

Claims (10)

  1. 装置本体と、この装置本体に長手方向へ移動不能に装着された剛性を有する複数の供給管と、各供給管の内部にその長手方向へ摺動可能に嵌合され、駆動機構によって互いに連動して移動させられる複数のピストンと、上記複数の供給管に接続された筒状をなすミキサーとを備えたグラウト注入装置を用いて鉄筋継手の内部に複数の成分からなる反応性の鉄筋継手用グラウト材の各成分を注入するに際し、上記駆動機構によって上記ピストンを上記供給管の基端側から先端側へ移動させることにより、各供給管内に収容されたグラウト材の各成分を上記ミキサー内に送り込んで混合した後、上記ミキサーの吐出口から上記鉄筋継手内にグラウト材を注入する方法において、
    上記複数の供給管に、柔軟な薄膜からなる筒部を有し、内部に上記グラウト材の各成分を収容したカートリッジをそれぞれ着脱可能に挿入し、その状態で上記ピストンを上記供給管の基端側から先端側へ向かって移動させて各カートリッジの筒部をそれぞれ押し潰すことにより、各カートリッジの先端部からグラウト材の各成分を吐出させて上記ミキサー内に送り込むことを特徴とする鉄筋継手へのグラウト材の注入方法。
  2. 上記グラウト注入装置が、剛性を有する混合用継手をさらに備え、上記混合用継手が、上記複数の供給管が着脱可能に嵌合固定される複数の嵌合部、各嵌合部内にそれぞれ開口し、上記カートリッジから吐出した上記グラウト材の成分が流入する複数の流入筒部、及び上記複数の流入筒部の各内部にそれぞれ接続された複数の吐出口が設けられ、上記ミキサーが着脱可能に取り付けられる取付部を有していることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋継手へのグラウト材の注入方法。
  3. 上記カートリッジが、上記筒部の先端部外周面に嵌合固定された補強リングと、この補強リングに設けられ、上記筒部の先端開口部を閉じる薄膜からなる蓋部と、上記筒部の基端開口部を閉じる底部とを有し、上記補強部材の後端面が上記供給管の先端面に突き当たるまで上記筒部が上記供給管に挿入され、その状態で上記供給管が上記混合用継手の嵌合部に嵌合されることにより、上記流入筒部が上記蓋部を破って上記筒部内に突出していることを特徴とする請求項2に記載の鉄筋継手へのグラウト材の注入方法。
  4. 上記カートリッジの筒部が、その基端側から先端側へ向かって僅かに大径になるようにテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鉄筋継手へのグラウト材の注入方法。
  5. 上記グラウト材が二成分からなり、それに対応して上記供給管、上記ピストン及び上記カートリッジがそれぞれ二つ宛て用いられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鉄筋継手へのグラウト材の注入方法。
  6. 請求項5に記載の注入方法に用いられる上記グラウト材がエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、水ガラス系組成物系、シリカゾル系グラウト材から選ばれるものであるグラウト材。
  7. 請求項5に記載の注入方法に用いられる上記グラウト材の二つの成分の一方がエポキシ化合物(A)及び無機充填剤(B)からなり、他方の成分がアミノ化合物(C)及び無機充填剤(B)からなることを特徴とするグラウト材。
  8. 請求項5に記載の注入方法に用いられる上記グラウト材の二つの成分の混合直後の25°Cにおける粘度が20,000〜200,000mPa・sであることを特徴とするグラウト材。
  9. 請求項5に記載の注入方法に用いられる上記グラウト材の二つの成分の混合直後の25°Cにおける下記式で算出されるSVI値が3.0〜10.0であることを特徴とするグラウト材。
    S=η1/η2
    ここで、
    η1:BH型粘度計、7号スピンドルを用いて回転数2rpmでの25°Cにおける粘度
    η2:BH型粘度計、7号スピンドルを用いて回転数20rpmでの25°Cにおける粘度
  10. 筒状をなす鉄筋継手と、この鉄筋継手の両端部にそれぞれ挿入された二本の鉄筋と、上記鉄筋継手の内周面と上記二本の鉄筋の外周面との各間に充填固化されたグラウト材とからなり、上記グラウト材が請求項1〜5のいずれかに記載の注入方法によって上記鉄筋継手の内部に注入することにより、上記鉄筋継手の内周面と上記二本の鉄筋の外周面との各間に上記グラウト材が充填されていることを特徴とする連結鉄筋。
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