JP2006016291A - フロートバスおよびフロート成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヒータに給電するためのストラップを短命化させることなく、成形温度が高いガラスを成形できるフロートバスおよびフロート成形方法を提供する。
【解決手段】 フロートバス10は、溶融スズ11がたたえられているボトム12と当該ボトム12を覆うルーフ14とを有し、ルーフ14内の空間がルーフレンガ層16によって上方空間20と下方空間21とに二分され、ルーフレンガ層16に設けられた貫通孔17を貫通してヒータ18が設置されている。ルーフレンガ層16の厚みは320mm以上である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、粘度が10ポアズになる温度(以下、この温度を成形温度という。)がソーダライムシリカガラスに比べ高いガラスをフロート成形するのに好適なフロートバスおよびそのようなフロート成形方法に関する。
従来、建築物・自動車等の窓ガラス、STN液晶ディスプレイのガラス基板、等には溶融状態のソーダライムシリカガラスをフロート成形して製造されたガラス板が広く使用されている。
溶融状態のソーダライムシリカガラスをフロート成形する方法は1952年に英国のピルキントン社社員によって発明され、1959年に工業化され、その後世界各国のガラス板メーカーにライセンスされた。その結果、フロート成形によってソーダライムシリカガラス板を製造する設備(フロートバス)の数は1996年時点で150以上となり、現在ではフロート成形がソーダライムシリカガラス板の主要な製造方法となった(非特許文献1参照)。
フロートバスは巨大な溶融スズ浴であり、その溶融スズの上部空間(ルーフで覆われている空間)はルーフレンガ層によって上方空間と下方空間とに二分され、そのルーフレンガ層に設けられた多数の孔にはこれを貫通して多数のヒータ(通常、SiC製のヒータ)が設置される。これらのヒータはルーフレンガ層の上方空間に配置されたたとえばブスバーにアルミニウム製のストラップを介して電線によって接続され、ルーフレンガ層の下方空間に突き出した各ヒータの発熱部の発熱により溶融スズ上部の雰囲気等が加熱される。
このようなフロートバスの構造、基本寸法、構成部材寸法、等の基本仕様は前記ライセンス元がライセンス時に各ガラス板メーカーに示した仕様書に規定されているものが変更されることなく使用されており、いわば世界共通である。
このようにフロートバスの基本仕様が世界共通となっているのは次のような理由による。
すなわち、フロートバスを含むフロートガラス製造設備の金額は莫大であり、製造開始後の不具合発生による製造中止は莫大な損失をもたらす。したがって、順調な製造を確実に見込める基本仕様の変更は通常行われず、設備運転条件の調整等によって可能な範囲で製造効率、製品品質の改善等が図られる。その結果、基本仕様は変更されず世界共通になったと考えられる。
ところで、TFT液晶ディスプレイ(TFT−LCD)のガラス基板にはソーダライムシリカガラスに比べ成形温度が100℃以上高い無アルカリガラスが用いられ、そのガラス基板用ガラス板の製造には当初フュージョン法が用いられていた。しかし、その後ガラス基板の大型化等が求められるようになり、そのような要求への適合性が高いフロート法による無アルカリガラス板の製造が行われるようになった。
山根正之他編集、「ガラス工学ハンドブック」、初版、(株)朝倉書店、1999年7月5日、p.358−362
しかしながら、ソーダライムシリカガラスに比べて成形温度が100℃以上高い無アルカリガラスを、ソーダライムシリカガラス用に確立されたフロート法またはフロートバスを用いてガラス板に成形しようとすると種々の問題が起こる。
そのような問題の一つに、以下に述べるような前記上方空間(以下、単に上方空間ということがある。)の雰囲気温度上昇が挙げられる。
上方空間には先にも述べたようにたとえばブスバー、電線、ストラップ等の電気配線部材、ストラップが取付けられるヒータ給電部、等が存在する。
これら電気配線部材のうち最も温度が高くなるのは、発熱部からの熱伝導等によって温度が高くなっているヒータ給電部に直接取付けられるアルミニウム製ストラップである。
このストラップがその高温ゆえに損傷し当該ストラップが取付けられているヒータへの給電を行えなくなると充分な加熱が行えなくなる。このような損傷が起こる場合、通常は1個のストラップについてのみ起こることは考えにくく、ほぼ同時に多数のストラップについて起こる可能性が高く、その場合事実上加熱ができなくなり製造を中止せざるを得ない。
このようなストラップ損傷による製造中止を防止するべく上方空間雰囲気温度Tは通常300℃を超えないように管理される。なお、ストラップ温度の直接管理が行われないのは、その測定が容易ではなく、またヒータの数、すなわちストラップの数が極めて多いからである。
Tの管理上限温度の300℃は、長年のソーダライムシリカガラスへのフロート法適用によって得られた実績/経験に基づき、ストラップ損傷が長期間たとえば10年間起こらないことを保証する温度として確立されたものである。
ところで、ソーダライムシリカガラスに比べ成形温度が高いガラス(以下、高粘性ガラスということがある。)をフロート法で成形しようとすると、ソーダライムシリカガラスをフロート法で成形しようとする場合に比べTは高くなる。
Tが300℃を超えそうな場合、通常は雰囲気ガス(典型的には窒素と水素の混合ガス)の体積流量Vを増加させる。なお、雰囲気ガスはルーフケーシング上面等に設けられた孔から上方空間に導入され、電気配線部材等を冷却後、ルーフレンガ層の孔を通じて下方空間に流入して溶融スズの酸化を防止する。
このようなVの増加は、ヒータ加熱の減殺→当該減殺を補償するためのヒータ出力増→Tの再度の上昇→Vの増加、という悪循環をもたらすおそれがあるばかりでなく、ガラスリボン上のスズ欠点(トップスペック)を発生もしくは増加させるおそれを増大させる。
近年TFT−LCD用ガラス基板はその大型化が進み、またその高品質化の要求が強くなっているが、先に述べたようなトップスペックの増加は製造効率、特に大型の前記ガラス基板の製造効率を低下させる。
また、同基板に用いられるガラスの特性に対する要求も高度化しそれに対応できるガラスが開発されているが、そのようなガラスの成形温度は一般により高くなる。すなわち、Tはより高くなる。
その結果、TFT−LCD基板用ガラスをフロート成形するに際し、V増加によるトップスペックの発生もしくは増加をもたらすことなくTを300℃以下とすることが求められるようになった。
本発明はこのような課題を解決できるフロートバスおよびフロート成形方法の提供を目的とする。
本発明は、溶融スズがたたえられているボトムと当該ボトムを覆うルーフとを有し、前記ルーフ内の空間がルーフレンガ層によって上方空間と下方空間とに二分され、前記ルーフレンガ層に設けられた孔を貫通してヒータが設置されているフロートバスであって、前記ルーフレンガ層の厚みが320mm以上であることを特徴とするフロートバスを提供する。
また、前記ルーフレンガ層に設けられた孔の内面と当該孔内に位置するヒータとの隙間の周方向平均が20mm以下であることを特徴とする前記フロートバスを提供する。
また、前記ヒータの少なくとも前記下方空間における発熱部においては、該ヒータの外径が23mm〜50mmとされていることを特徴とする前記フロートバスを提供する。
また、粘度が10ポアズになる温度が1100℃以上であるガラスをフロート法によりガラス板に成形するフロート成形方法であって、前記フロートバスの一端からその溶融スズの上に溶融状態の前記ガラスを連続的に注ぎ込み、溶融スズ上でそのガラスをガラスリボンに成形し、そのガラスリボンをそのフロートバスの他の一端から連続的に引き出すことを特徴とするフロート成形方法を提供する。
また、ガラスリボンを1〜200トン/日の速度で連続的に引き出す前記フロート成形方法を提供する。
本発明者は次のような経緯を経て本発明に至った。
無アルカリガラスAN635(旭硝子社商品名。成形温度=1210℃。)はTFT−LCD用ガラスとして長く使用されていたが、先に述べたようなガラス特性に対するより高度の要求に対応できる無アルカリガラスとしてAN100(旭硝子社商品名。成形温度=1268℃。)が開発された。
ところが、AN635をフロート成形していたフロートバスを用いてAN100をフロート成形しようとすると、ヒータの単位面積あたりの負荷が大きくなりすぎ、長期間の製造が困難であることが判明した。
そこでヒータの同負荷を低減させるべく前記ルーフレンガ層の下方空間におけるヒータの発熱部の直径を従来の20mmから25mmに変更したところ、トップスペック増加のおそれが著しくは増加しない範囲でVを増大させてTを320℃まで低下させることに成功したが、このフロートバスを用いての長期間のAN100製造をさらに確実なものとするために、本発明者は種々の測定をこのフロートバスについて行い、その結果をもとに次のような計算モデルを構築した。図1はこの計算モデルの説明図である。
この計算モデルは上方空間20の熱収支モデルである。
入熱は下方空間21からの熱移動Qinである。
出熱は、ルーフケーシング19のうち上方空間20に接する部分(以下、壁面部分という。)から外界への放熱Qout1、および上方空間20に供給される雰囲気ガスの温度上昇に費やされる熱量Qout2であり、Qin=Qout1+Qout2が成り立つ。
out1は、外界温度T、前記壁面部分の面積A、総括熱伝達係数hを用いて次式で表される。
out1=h(T−T
は、Qout1、TおよびTの実測値とAとから決められる。なお、Qout1は、T、A、壁面部分の外面温度T、熱伝達係数hから、Qout1=h(T−T)の関係式を用いて知ることができる。
out2は、T、T、雰囲気ガスの体積流量V、密度ρ、比熱Cを用いて次式で表される。
out2=Vρ(T−T
inは、上方空間20の雰囲気温度T、下方空間21の雰囲気温度T、ルーフレンガ層16の面積A、総括熱伝達係数h、厚みtを用いて次式で表される。
in=h(T−T)
kを係数としてh=k/tとすると、
in=(k/t)A(T−T)
となる。kはTおよびTの実測値とQinとtとAとから決められ、QinはQout1とQout2の和として求められる。即ち、Qin=Qout1+Qout2より、
(k/t)A(T−T)=h(T−T)+Vρ(T−T
=(h+Vρ)(T−T)・・・(1)
が成り立ち、上式(1)からtとTの関係式を求めることができる。
t=292mm(先に述べた世界共通の基本仕様)のときT=320℃であったのであるから、厚み、温度の単位としてそれぞれmm、℃を用いることにすると、tとTの関係式(1)は次式のように表すことができる。
(k/292)A(T−320)=(h+Vρ)(320−T
・・・(2)
一方、厚みがt、雰囲気温度がTのときは式(1)であるので、式(1)および式(2)の左辺、右辺を各々割ると、
[(k/292)A(T−320)]/[(k/t)A(T−T)]
=[(h+Vρ)(320−T)]/[(h+Vρ)(T−T)]
となり、上式を整理すると、
(t/292)[(T−320)/(T−T)]=(320−T)/(T−T
となり、上式をさらに整理すると、
t/292=[(T−T)/(T−320)][(320−T)/(T−T)]
が得られる。
図2は、前記AN100の製造時における実測値(T=1065℃、T=40℃)を用いて作成した、tとTの関係を示す図である。なお、黒丸が前記AN100の製造時における実績値を示す。
図2から、ルーフレンガ層16の厚みtを320mm以上とすれば上方空間20の雰囲気温度Tを300℃以下にできることがわかり、本発明に至った。
本発明によれば、従来のフロートバスを用いてフロート成形しようとするとその設備寿命が著しく短くなる、またはトップスペックが発生もしくは増加するおそれが著しくなるような高粘性ガラスを、そのようなおそれの増大をもたらすことがないようにフロート成形することが可能になる。
また、従来顕著なトップスペック発生はなかったが散発的にトップスペック発生が起こっていたような高粘性ガラスのフロート成形についても、上方空間雰囲気温度を下げるための雰囲気ガスの流量を抑制できるのでトップスペック発生をより根本的に抑制することが可能になる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこれに限定されない。
図3は本発明のフロートバスの断面(部分)を概念的に示す図である。フロートバス10は、溶融スズ11がたたえられているボトム12と、ボトム12を覆うルーフ14とを有している。
フロートバス10内における溶融スズ11の幅の最大値は、フロートバス10の大きさにもよるが、典型的には1〜10mである。
ルーフ14は、フロートバス10が設置されている建物の梁等の上部構造(図示せず)から吊下げられている鋼製のルーフケーシング19と、ルーフケーシング19の下方部分の内張りである保温レンガ製のサイドウォール15と、ボトム12の縁部に載置されている鋼製箱状のサイドシール13とを有する。
ルーフ14内の空間はルーフレンガ層16によって上方空間20と下方空間21に二分されている。
ルーフレンガ層16は、多数のシリマナイト製のサポートタイル(図示せず)およびその上にレールタイル(図示せず)が直交するように組まれた格子状の骨組の上に、PBAと呼ばれる概ね直方体状の組合せレンガブロックを載置したものである。サポートタイルはルーフケーシング19の天井部分等からハンガーと呼ばれる部材(図示せず)によって吊下げられている、すなわちルーフレンガ層16はハンガーによって溶融スズ11上方の所望の高さに水平に保持されている。
なお、ルーフレンガ層16の側面はサイドウォール15の側面上方部分と接触し、ルーフレンガ層16の上面はサイドウォール15の上面と概ね同じ高さとなるようにされる。
そしてルーフレンガ層16にはヒータ18を貫通させて設置するための孔17が形成されている。
図4はヒータ部におけるPBA30を側面から見た概念図である。
PBA30は、たとえば東京マテリアルス社製インシュレーションボード・ヘミサル(商品名)等の断熱セラミックス板30a、低温用保温レンガ30b、高温用保温レンガ30cおよびシリマナイトレンガ30dを、図示しないハンガー(ルーフケーシング19の天井部分等から吊下げられる前記ハンガーとはまったく別のもの)によって締めて組み上げた組合せレンガブロックである。シリマナイトレンガ30dの左右の異形部分はサポートタイルの上に載る部分である。
ヒータを貫通させて設置するための孔17はPBA30を貫通して形成されている。
tは断熱セラミックス板30aの上面とシリマナイトレンガ30dの下面間の距離すなわちPBA30の厚みであって、これはルーフレンガ層16の厚みとなる。
tは従来、先にも述べたように世界共通で292mmとされていたが、本発明においては320mm以上とされる。このようにすることにより、TFT−LCD用無アルカリガラス等の高粘性ガラスを、雰囲気ガス(N+H)流量を顕著に増加させることなくフロート成形することが可能になる。tは、好ましくは340mm以上、より好ましくは360mm以上である。なお、tは典型的には500mm以下である。また、ヒータ18の少なくとも前記下方空間における発熱部18Cにおいては、ヒータの外径は23mm〜50mmが好ましく、さらに好ましくは23mm〜30mm、特に好ましくは約25mmである。
図3に戻って、上方空間20には、三本のブスバー22が平行に配置されていて、電線23およびアルミニウム製のストラップ24を介してヒータ18に接続されている。
ヒータ18は通常SiC製で、三本一組としてそれらの下端が連結部材25により連結されてユニット化されている。尚、ヒータ18の発熱部18Cは外径25mmの略円筒状に形成されている。
図5に示すように、これらヒータ18は、ルーフレンガ層16の上方に突き出してストラップ24が取付けられる給電部18Aと、給電部18Aの下方にあってルーフレンガ層16の孔17内に位置する非発熱部18Bと、非発熱部18Bの下方にあって下方空間21に突き出る発熱部18Cとを有する。ヒータ18には給電部18Aと非発熱部18Bの境界付近に貫通孔(図示せず)が形成されており、その貫通孔に差し込まれた取付ピン51によってヒータ18はルーフレンガ層16から吊下げられる。
ルーフレンガ層16の孔17の内面と当該孔17に位置するヒータ18(非発熱部18Bに相当)との隙間gの周方向平均は典型的には0.5mm以上(より好ましくは1mm以上)20mm以下(より好ましくは10mm以下)が好ましく、gの周方向平均が0.5mm以上20mm以下である部分が孔17の深さ(=t)の80%以上であることが好ましく、100%であることがより好ましい。
図3に再び戻って、上方空間20にはルーフケーシング19の供給口26から雰囲気ガス(NとHの混合ガス)を矢印のように供給し、これにより上方空間20の雰囲気温度Tの上昇を抑制する。
Tは先にも述べたように、ストラップ24の損傷に起因して設備トラブルが起こらないことを第一にして実績ある管理温度すなわち300℃またはそれより低くなるようにされる。そして、この場合に使用される雰囲気ガスの流量は、トップスペックの増加を特にもたらすことがないようなものとすることができる。
なお、上方空間20に供給された雰囲気ガスは孔17とヒータ18(図5の非発熱部18B)との間の隙間g等を通過して下方空間21に流れ込み、溶融スズ11の酸化を抑制する。
本発明のフロート成形方法においてはこのようなフロートバス10を用いて成形温度が1100℃以上であるガラスをフロート成形する。
すなわち、ガラス溶融窯等で溶融されたガラスをフロートバス10の一端(上流端)に位置する周知のスパウトリップ(図示せず。図3中のたとえば奥側に位置する。)から溶融スズ11の上に連続的に注ぎ込む。溶融スズ11の上に連続的に注ぎ込まれた溶融ガラスは周知の方法により所望の形状のガラスリボン27に成形される。ガラスリボン27はフロートバス10の他の一端(下流端)に隣接して位置するリフトアウトローラ(取り上げローラ)によってフロートバス10から連続的に引き出される。なお、ガラスリボン27は、典型的には1〜200トン/日の速度で連続的に引き出される。
リフトアウトローラによって引き出されたガラスリボンはレヤ(徐冷窯)で徐冷され、その後所望の寸法に切断されガラス板とされる。
本発明のフロート成形方法を用いることにより、トップスペックの数を特に増大させることなく、また短期間でも製造を中止せざるを得なくなるような事態が生じるおそれを増大させることなく、高粘性ガラスをフロート成形することが可能となる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能であり、前述した実施形態において例示したボトム、ルーフ、ルーフレンガ層、上方空間、下方空間、ヒータ、雰囲気ガス、温度、引き出し量、フロートバスの部材の材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所、厚み等、は本発明の目的を損なわない範囲で任意である。
また、高粘性ガラスはTFT−LCD基板用ガラスに限定されず、たとえばプラズマディスプレイパネル基板用ガラスであってもよい。
また、本発明のフロートバスは高粘性ガラスだけでなくたとえばソーダライムガラスのフロート成形に用いてもよい。
(実施例)
AN100を本発明のフロートバス(ルーフレンガ層厚みt:394mm、ルーフレンガ層のヒータ挿入用孔の内面とヒータの隙間の周方向平均gAV:9mm)を用いてフロート成形した。
雰囲気ガスの体積流量Vgを、前記AN635のフロート成形に用いていたフロートバス(t:292mm、gAV:9mm)でAN100をフロート成形してTが320℃になったときのVgの95%としたところTは270℃となった(図2黒四角)。Vgを少なくしたのでトップスペックの発生は抑制され、またストラップ損傷に起因する設備寿命短命化もまったく問題にならなかった。
上方空間の熱収支を求める計算モデルである。 無アルカリガラスの製造時における実測値を用いて作成した、ルーフレンガ層の厚みtと上方空間雰囲気温度Tとの関係を示す図である。 本発明に係るフロートバスを概念的に示す断面図である。 PBAを側面から見た概念図である。 ルーフレンガ層の孔とヒータとの隙間を示す要部拡大断面図である。本発明に係る第1実施形態であるフロートバスを概念的に示す断面図である。
符号の説明
10 フロートバス
11 溶融スズ
12 ボトム
14 ルーフ
16 ルーフレンガ層
17 孔
18 ヒータ
20 上方空間
21 下方空間

Claims (5)

  1. 溶融スズがたたえられているボトムと当該ボトムを覆うルーフとを有し、前記ルーフ内の空間がルーフレンガ層によって上方空間と下方空間とに二分され、前記ルーフレンガ層に設けられた孔を貫通してヒータが設置されているフロートバスであって、
    前記ルーフレンガ層の厚みが320mm以上であることを特徴とするフロートバス。
  2. 前記ルーフレンガ層に設けられた孔の内面と当該孔内に位置するヒータとの隙間の周方向平均が20mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフロートバス。
  3. 前記ヒータの少なくとも前記下方空間における発熱部においては、該ヒータの外径が23mm〜50mmとされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフロートバス。
  4. 粘度が10ポアズになる温度が1100℃以上であるガラスをフロート法によりガラス板に成形するフロート成形方法であって、
    請求項1から請求項3に記載のフロートバスの一端からその溶融スズの上に溶融状態の前記ガラスを連続的に注ぎ込み、溶融スズ上でそのガラスをガラスリボンに成形し、そのガラスリボンをそのフロートバスの他の一端から連続的に引き出すことを特徴とするフロート成形方法。
  5. ガラスリボンを1〜200トン/日の速度で連続的に引き出す請求項4に記載のフロート成形方法。
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