JP2006015476A - インクジェット用記録用紙の作成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 予め画像印刷を施したインクジェット記録シートを切断して得られるインクジェット用記録用紙10の作成方法であって、該切断前のインクジェット記録シート面上にさらに切断位置マークMを設け、該切断位置マークMを読み取りセンサーにより検出して該インクジェット記録シートの切断を行なうことを特徴とするインクジェット用記録用紙10の作成方法。
【選択図】 図1
Description
例えば、写真用途のインクジェット用記録用紙において、特に、ユーザーがインクジェットプリンターを使用して複数の写真を印刷する際、インクジェットプリンターでは用紙のサイズ基準で印刷を行なうため、上記ズレが大きい場合でも、常に用紙縁端からの距離が等しい位置に自動的に印刷を行なう。このため、用紙内に予め施された印刷と用紙切断位置(用紙縁端)との距離にばらつきが生じると、インクジェットプリンターで印刷する写真位置と予め施された印刷位置にズレが生じる。
また、これを修正しようとすると用紙毎に印刷位置を測定し補正する等の手間が掛かってしまう。
一方、通常、広幅ロール状に巻き取られた原紙より任意のサイズのシート状に裁切断を行なう場合は、原反より繰出した長尺のウェブを流れ方向に裁断した後、幅方向に切断を行なう方法、或いは広幅のシート状に切り落とした後、ギロチン等にて所定サイズのシート状に切り落とす方法等が行なわれている(特許文献1参照。)。
しかしながら、流れ方向に沿って裁断した短冊状ウェブを、流れ方向に任意の長さで切断を行なう場合、規定の長さでの切断では印刷に対する切断位置の規定が困難であり、印刷の切断位置の制御、特にその切断位置からのばらつきの制御が困難であった。
<2> 前記切断前のインクジェット記録シート面上で、かつシート切断時に不要部分として取り除かれる位置にシート切断時の流れ方向と並行するライン状のマークを設け、シート切断時の流れ方向と直角方向の位置をセンサーにより検出し位置制御を可能とすることを特徴とする上記<1>に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
<3> 前記読み取りセンサーによる検出が、所定時間連続して行われることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
<4> 前記切断位置マーク及び画像が印刷により作成されていることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
<5> 前記切断位置マーク及び画像の印刷が平板印刷、凹版印刷、凸版印刷及びスクリーン印刷から選択される1以上で印刷されていることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
<6> 前記切断位置マークが前記印刷と同時に設けられることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
<7> 前記インクジェット用記録用紙が写真印刷用高光沢インクジェット用記録用紙であることを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
前記予め画像の印刷を施したインクジェット記録シート面上に切断位置マークを設け、該切断位置マークを読み取りセンサーにより検出して該シートを切断することにより、該印刷と該記録用紙切断位置を常に一定にすることができ、その結果、該印刷と最終形態シート(記録用紙)外端からの印刷位置ズレがない安定したインクジェット用記録用紙の作成が可能となる。
本発明におけるインクジェット記録シートの例を図1及び2に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は、本発明に用いられる切断位置マーク印刷済みインクジェット記録シートの概略図であり、図2は、本発明に用いられる切断位置マーク印刷済みインクジェット記録シート(8条)の概略図である。
また、図2に示すように本発明に用いられる切断位置マーク印刷済みインクジェット記録シート(8条)20も、図1の前記インクジェット記録シート10と同様に、画像D及び切断マークMが印刷されており、さらに幅方向の印刷位置を認識する印刷ラインPを設けることが好ましい。すなわち、前記切断前のインクジェット記録シート面上で、かつシート切断時に不要部分として取り除かれる位置にシート切断時の流れ方向と並行するライン状のマーク(印刷ラインPマーク)を設けることが好ましい。この印刷ラインPマークを付与することにより、前記インクジェット記録シート切断時の流れ方向と直角方向の位置をセンサーにより検出し位置制御を可能とすることができる。
ここで、前記画像とは、写真画像やグラフィックイメージだけでなく、文字情報も含め、記録媒体上に視覚的に認識できるように記録されたイメージ情報全般を指すものである。該画像としては、後から印刷するものを装飾し、あるいは、情報を伝えるもの等が挙げられ、より具体的には、キャラクタ画像、図柄及び文字等が挙げられる。
キャラクタ画像とはキャラクタ入り画像をいい、該キャラクタとは小説、漫画、映画、演劇、テレビ番組、CM等の登場人物をあしらったものを言い、図柄とは、図案や模様などを言う。
また、文字とは文字列(1字以上)を配置したものであり、それが印刷されるものを示すものでも、季節及びイベントなどを表す各種情報でも、印刷物を活用する目的に応じた内容などを示すものでもあってもよい。
該切断位置マークの印刷する数は、複数シートに対し1個、或いは1シートで複数あっても特に構わない。シートに仕上がった際に各シート同一数であることが見た目から好ましい。
該切断位置マークの大きさは、後述の切断位置マークセンサーが認識できる大きさであれば特に限定されず、任意に設定することができる。
該切断位置マークの形は、後述の切断位置マークセンサーが認識できる形であれば特に限定されるものではない。
該切断位置マークは、切断位置マークセンサーが認識できる色相を有する線画であれば特に限定されるものではなく、いずれの線画であってもよい。
図3において、31は圧胴、32は印刷ロール、34はファニッシャロール、33はドクター、36はインキ皿、35は被印刷物(インクジェット記録シート)を示す。円周592mmの版胴に図柄を円周方向に4面、幅方向に8面付けで、図2のインクジェット記録シート20の印刷ができるように印刷版(図示無し。)を製作した。
図2において前記印刷ラインPを示すが、その位置は、シート切断時に不要となるなる位置に設けることが好ましいが、シート内に含まれるものであってもよく、特に限定されるものではない。印刷ラインの幅は、センサーによる検出が可能であれば、太さ、色等は限定されるものではない。一般的には、太さは2mm程度であり、色は黒色等が用いられる。該印刷ラインPの印刷は、前記切断位置マークMの印刷と同様の態様であり、好ましい態様も同様である。
まず、ユニット式の多色刷りグラビア輪転印刷機に前記画像を有する印刷版(図無し)を取り付け、溶剤系インクを用いて印刷速度80〜150m/min、好ましくは100〜130m/minで、乾燥温度40〜140℃、好ましくは60〜100℃の印刷条件で、前記インクジェット用記録シートに印刷する。このようにしてインク受容層の表面上に該印刷により形成された切断位置マークM、画像D、及び印刷ラインPを有するインクジェット用記録シートを得る。
該印刷条件は用途及び目的等に応じて適宜選択することができる。また、印刷に用いる該インクは、特に限定されるものではなく、該印刷には溶剤系インクを用いることができるが、中でも、印刷品位安定性の観点から、グラビア印刷機用インクが好ましく、特に無機顔料インクが好ましい。該無機顔料インクは従来公知のものを用いることができる。
このように該インクジェット用記録シートに前記印刷を行うことにより、色調、品位の良好な画像を有するインクジェット用記録シートを安定して大量かつ低コストで得ることができる。
以下、前記印刷済みインクジェット記録シートの裁切断及び集積について、図4、5を用いて説明する。
図4は、本発明に用いられる前記裁切断を行う加工システム(送り出し、裁断、切断、集積装置)の一例を示すシート裁切断機の概略図である。該シート加工システムは、シート材としてLサイズやはがきサイズ等の各種サイズのインクジェット用記録用紙となるインクジェット記録シートを用い、該シートをロール状に巻き取った原反を装填し、この原反から引き出したインクジェット記録シートを、所定サイズのシート状に加工することにより、インクジェット用記録用紙を作製する。
図4における送出し装置410は、少なくとも原反411を装填する原反チャック機構419と幅方向の印刷位置を認識するラインコントロールセンサー412((株)ニレコ製、LH−100)を有する。装填された原反(インクジェット記録シート)411は、この原反411の外周端から引出され、裁断装置420に送り出される。
送出し装置410と裁断装置420の間には、複数のパスロール451が設けられており、原反419から引出されたインクジェット記録シート411は、パスロール451のそれぞれに順に巻き掛けられる。
更に詳しくは、前記印刷ラインセンサーによる読み取り検出は、所定時間連続して行われることが好ましい。
ここで、前記連続とは、所定時間(一定時間)毎の検出を繰り返すことを意味し、検出間隔時間を短くすることが読み取り精度の向上から好ましい。
また、所定時間とは、前記検出を行っている時間のことを意味し、この時間を長くすることが読み取りの精度の向上から好ましい。
裁断装置420は、少なくとも一対有するスリット刃424がインクジェット記録シート411の幅方向に沿った所定の位置に配置され、駆動手段の駆動力によって回転駆動するようになっている。
該スリット刃424は、インクジェット記録シート411を扶持しながら、回転駆動して2条以上のスリット目を形成して所定幅で裁断するようになっている。
また、裁断装置では、スリット刃424の下流側に位置するフイードローラ425が駆動手段の駆動力によって回転駆動して、裁断したインクジェット記録シート411を扶持しながら、シート同士が重なり合うのを防止し切断装置430へ向けて送り出す。
切断装置430には、一対のフイードロール435、及び切断位置マークMを検出するマークセンサー433が設置される。マークセンサーは、汎用型の光電センサー(OMRON製:E3Z,KEYENCE製:PZ2)、あるいは色識別可能なカラーマークセンサー(OMRON製:E3MV、E3MC,KEYENCE製:CZ)等、紙面/マークの色を識別させることで検出ができる。
切断装置430では、裁断装置から送り込まれるインクジェット記録シート411をフイードローラ435によって扶持して、カット刃と下刃へ向けて送り出す。これと共に、切断装置では、インクジェット記録シート411を切断するタイミングを認識し、カット刃436を作動させて切断を行なう。インクジェット記録シート411を所定量搬送し、前記センサ433により、切断マークを検出する毎に、インクジェット記録シート411の搬送を停止して、カット刃を作動させてインクジェット記録シート411を切断する。
すなわち、カット刃と下刃の間から印刷に合った所定長のインクジェット記録シート411が送り出されたタイミングでカット刃を作動させて、インクジェット記録シート411を切断することにより、インクジェット用記録用紙を作成するようになっている。該インクジェット用記録用紙は下記集積装置で収容される。
集積装置440は、切断装置430の下流側に設けられ、インクジェット記録シート411を積層して収容する集積トレイ(図示無し)を備えている。この集積トレイには、小幅に形成されるインクジェット用記録用紙の数に合わせた収容部が設けられている。これにより、カット刃の作動によって形成されたインクジェット用記録用紙が、集積トレイの収容部内に落下、集積して収容される。
本発明におけるインクジェット用記録媒体のインク受容層は、主成分として固体微粒子を含有することが好ましい。ここで、主成分とは、該インク受容層を構成する構成成分のうち、最も多く含有される成分を表す。また、樹脂バインダとして水溶性樹脂を含有することが好ましい。
該固体微粒子としては、有機、無機を問わず用いることができるが、無機微粒子であることが印刷部画像の色再現性の点で好ましい。
インクジェット用記録媒体のインク受容層は、前記固体微粒子を含有することにより多孔質構造が得られ、これによりインクの吸収性能が向上する。特に、インク受容層における全固形分質量に対して該固体微粒子の含有量が50質量%以上、より好ましくは60質量%を超えていると、更に良好な多孔質構造を形成することが可能となり、十分なインク吸収性を備えたインクジェット用記録媒体が得られるので好ましい。ここで、インク受容層における全固形分質量に対して固体微粒子の含有量とは、インク受容層を構成する組成物中の水以外の成分に基づき算出される含有量である。
また、アルミナ微粒子の中では気相法アルミナ微粒子が比表面積が大きく好ましい。該気相法アルミナの平均一次粒子径としては30nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましい。
前記水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げられる。
また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。
以上の中でも、特にポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。
尚、インク受容層を主に構成する上記の微粒子と水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材であってもよいし、複数素材の混合系であってもよい。
本発明におけるインクジェット用記録媒体のインク受容層は、固体微粒子および水溶性樹脂を含む塗布層(多孔質層)が、更に必要に応じて該水溶性樹脂を架橋し得る硬膜剤によって硬化された多孔質層であってもよい。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
上記の硬膜剤は、一種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよい。
本発明におけるインクジェット用記録媒体では、固体微粒子を良好に分散するためインク受容層塗布液に分散剤を添加することができる。分散剤は、媒染剤としての機能を有し、形成画像の耐水性及び耐経時ニジミの向上も図ることができる。
このような分散剤としては、有機分散剤としてカチオン性ポリマー(カチオン性分散剤)が好ましく、該分散剤をインク受容層中に存在させることにより、アニオン性染料をインクとして有する液状インクとの間で相互作用しインクを安定化し、耐水性や耐経時ニジミを向上させることができる。有機分散剤それぞれ単独種で使用しても良いし、有機分散剤および無機分散剤を併用してもよい。
上記ポリマー分散剤としては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが挙げられる。また、これらのポリマー分散剤は、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
上記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
上記非媒染モノマーも、一種単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
無機媒染剤の具体例としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスロプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビスマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
本発明でインク受容層に含まれる上記媒染剤量は、0.01g/m2〜5g/m2が好ましく、0.1g/m2〜3g/m2がより好ましい。
本発明におけるインクジェット用記録媒体は、必要に応じて、更に各種の公知の添加剤、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、蛍光増白剤、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、滲み防止剤、防腐剤、粘度安定剤、消泡剤、界面活性剤、帯電防止剤、マット剤、カール防止剤、耐水化剤等を含有することができる。
また、無機顔料微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリーコールジエチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、グリセロールモノオレート等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等)、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アセチレングリコール類(例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、及び該ジオールのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等)等が挙げられ、就中、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類が好ましい。該ノニオン系界面活性剤は、塗布液Aおよび塗布液Bにおいて使用することができる。また、上記ノニオン系界面活性剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられる。
例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどがあげられる。
本発明で使用するインクジェット記録媒体の支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。インク受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。
上記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い易い点で、50〜200μmが好ましい。
白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。更に銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート紙も好適である。
上記原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。上記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
更に、原紙剛度としては、JIS P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙のpHは、JIS P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
本発明におけるインクジェット用記録シートは、支持体の少なくとも片面上に、インク受容層を有する。
前記支持体の少なくとも片面上にインク受容層を形成した支持体を、以下、インクジェット用記録媒体ともいう。
以下、詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
この水性媒体の溶媒としては、水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。水としては、蒸留水でもイオン交換水でもよい。ここで用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
このとき、水性媒体をディゾルバーで攪拌しながら固体微粒子を加え分散することが好ましい。
固体微粒子添加終了後もディゾルバーで攪拌を続け、更に、必要によりサンドグラインダー等で微粒化処理を行ない固体微粒子分散液が得られる。
この様にして架橋硬化させたインク受容層を設けることは、インク吸収性や膜のヒビ割れ防止などの観点から好ましい。
塗布液Bの付与後は、一般に40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥および硬化がおこなわれる。中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。
また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、インク受容層の層厚としては、10〜50μmが好ましい。
上記空隙率および細孔メジアン径は、水銀ポロシメーター((株)島津製作所製の商品名「ボアサイザー9320−PC2」)を用いて測定することができる。
上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HGM−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定することができる。
(支持体の作製)
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/m2の原紙を抄造した。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ19μmとなる様にコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、この樹脂層面を「ウラ面」と称する。)。このウラ側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施した後、帯電防止剤として酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)を質量比1:2で水に分散した分散液を、乾燥重量が0.2g/m2となる様に塗布した。
更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有する、MFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなる様に溶融押し出し、高光沢の熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、本実施例に用いる支持体とした。
下記組成中の(1)蒸留水、(2)硬膜剤及び(3)分散剤を混合したものをディゾルバーで撹拌しながら(4)シリカ微粒子を添加する。添加終了後、ディゾルバーを用いて回転数2000rpmで120分間かけて分散させた後、サンドグラインダー(KD−20)を用いて微粒化処理を行い、シリカ微粒子分散液を得た。
(1)蒸留水 1800kg
(2)硬膜剤(硼酸) 12kg
(3)分散剤 60kg
(アクリル系カチオンポリマー 三洋化成工業(株)製の「ケミスタット 7005」、40%水溶液)
(4)シリカ微粒子(無機微粒子) 300kg
((株)トクヤマ製の「レオロシールQS−30」、平均一次粒子径:7nm)
上記シリカ微粒子分散液を30℃にて24時間保管後、下記(5)水溶性樹脂水溶液、(6)界面活性剤及び(7)界面活性剤を混合し、色材受容層塗布液Aを得た。
(5)水溶性樹脂水溶液
蒸留水 800kg
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 10kg
ポリビニルアルコール 60kg
((株)クラレ製の「PVA124」)
ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製HPC−SSL) 4kg
これらを混合後、95℃180分間加熱し、30℃まで冷却し、水溶性樹脂水溶液を得た。
(6)界面活性剤(ポリオキシエチレンオレイルエーテル 10%溶液)30kg
(花王(株)製の「エマルゲン109P」)
(7)界面活性剤(フッ素界面活性剤 10%溶液) 15kg
(大日本インキ化学(株)製「メガファックF−1405」)
前記の支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、上記で得られた色材受容層用塗布液Aを、支持体のオモテ面にエクストルージョンダイコーターを用いて、170ml/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥機にて温度40℃(風速5m/sec)で塗布層の固形分濃度が18%になるまで乾燥させた。この間、上記塗布層は恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成からなる塩基性溶液(pH=9.6)に浸漬して、上記塗布層上にその20g/m2を付着させ(溶液付与工程)、更に温度80℃で10分間乾燥させた(乾燥工程)。これにより、乾燥膜厚35μmの色材受容層が設けられた、本発明におけるインクジェット用記録シートを得た。
(1)硼酸(架橋剤、100%) 6.5kg
(2)イオン交換水 723.5kg
(3)塩基性媒染剤 150kg
(日東紡績(株)製の「PAA−03」、20%水溶液)
(4)表面pH調整剤(塩化アンモニウム、100%) 1.0kg
(5)表面pH調整剤(p−トルエンスルホン酸、100%) 18.0kg
(6)界面活性剤 100.0kg
(花王(株)製の「エマルゲン109P」、2%)
(7)界面活性剤(フッ素界面活性剤) 2.0kg
(大日本インキ化学(株)製の「メガファックF−1405」、100%)
−印刷版の作製−
ヘリオK−500電子彫刻機(HELL グラビアシステム社)を用いて、150線スクリーン、セル深度最大28μmにて画像、切断位置マーク、及び印刷ラインを形成する印刷版(図無し)を作製した。
ここで、印刷版は、画像Dを円周方向4面、幅方向8面付けした印刷版で、画像印刷は、便宜上斜線で示した図2の画像Dに相当する(図2参照。)。該印刷版は図2のインクジェット記録シートに相当する。
前記印刷版(図無し)を、図3の多色刷グラビア輪転印刷機(中島精機エンジニアリング製)の版胴(円周592mm)(2)に取り付けて、溶剤系インク(PANNカラーSシリーズ、東洋インキ製造(株))を用いて、印刷速度120m/min、乾燥温度80℃で、画像を4色印刷し、1000枚の本発明における図2に示すインクジェット用記録シート(原反サイズ)を得た。図2の21、22は、インクジェット用記録用紙として分割するための分割線を示し、23は印刷可能な無印刷の部分である。Pは印刷ラインを示す。M、及びDは、図1のそれと同義である。
上記のようにして得られた画像印刷済みのインクジェット用記録用紙(A6サイズ)100枚について、流れ方向及び幅方向における画像印刷位置と用紙縁端との間隔を測定してそのバラツキを観察し、下記評価基準で評価した。結果を表1に示す。
○:バラツキが±1.0mm以下で良好である。
△:バラツキが±1.0mm超〜±1.5mm以下で、実用限界のレベル。
×:バラツキが±1.5mm超で、実用不可レベル。
実施例1において、流れ方向ライン状マーク(印刷ライン)を設けない印刷版を用いて、幅方向を切断位置マークにて検出、制御を行った以外は、実施例1と同様に行なってインクジェット用記録用紙を作製した。また、評価も同様に行なった。結果を表1に示す。
実施例1において、切断位置マークを設けない印刷版を用いて、一定ピッチでインクジェット記録シートの切断を行なった以外は、実施例1と同様に行なってインクジェット用記録用紙を作製した。また、評価も同様に行なった。結果を表1に示す。
D 画像
M 切断位置マーク
P インクジェット記録用シートの幅方向の印刷位置を示す印刷ライン
10 インクジェット記録用シート
20 インクジェット記録用シート
21 幅方向分割線
22 流れ方向分割線
23 ユーザー印刷部
31 圧胴
32 版胴(印刷ロール)
33 ドクター
34 ファニッシャロール
35 被印刷物
36 インキ皿
101 原反ロール
102 カッター部
120 上下一対の丸刃スリット刃
121 上下一対の長刃カッター刃
130、131 プーリー
132 ベルトコンベア
104 インクジェット用記録用紙
105 インクジェット用記録用紙集積装置
150 インクジェット用記録用紙受板
151 インクジェット用記録用紙当て板
410 引き出し装置
411 原反
412 ラインコントロールセンサー
419 原反チャック機構(図示なし)
420 裁断装置
433 切断位置マークセンサー
424 スリット刃
425 フィードローラー
430 切断装置
435 フィードローラー
436 カッター刃(上刃)
438 カッター刃(下刃)
440 集積装置
447 集積トレイ
451 パスロール
Claims (7)
- 予め画像印刷を施したインクジェット記録シートを切断して得られるインクジェット用記録用紙の作成方法であって、該切断前のインクジェット記録シート面上にさらに切断位置マークを設け、該切断位置マークを読み取りセンサーにより検出して該インクジェット記録シートの切断を行なうことを特徴とするインクジェット用記録用紙の作成方法。
- 前記切断前のインクジェット記録シート面上で、かつシート切断時に不要部分として取り除かれる位置にシート切断時の流れ方向と並行するライン状のマークを設け、シート切断時の流れ方向と直角方向の位置をセンサーにより検出し位置制御を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
- 前記読み取りセンサーによる検出が、所定時間連続して行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
- 前記切断位置マーク及び画像が印刷により作成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
- 前記切断位置マーク及び画像の印刷が平板印刷、凹版印刷、凸版印刷及びスクリーン印刷から選択される1以上で印刷されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
- 前記切断位置マークが前記印刷と同時に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
- 前記インクジェット用記録用紙が写真印刷用高光沢インクジェット用記録用紙であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用記録用紙の作成方法。
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