JP2006015367A - 鋳造品製造装置、及び鋳造品製造方法 - Google Patents

鋳造品製造装置、及び鋳造品製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的性質に優れた鋳造品を製造することが可能な鋳造品製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の鋳造品製造装置1は、アルミニウムを含む合金を溶融して溶湯を得、得られた溶湯を鋳造して鋳造品を製造する鋳造品製造装置1であって、アルミニウムを含む合金を溶融するための溶融手段7と、得られた溶湯を鋳造して鋳造品16を得るための鋳造手段20と、得られた鋳造品16を熱処理するための熱処理手段21とを備えたものであり、溶融手段7は、それぞれ所定の温度に貯留した二つの一次溶湯11,12を混合して、鋳造に適した二次溶湯13を得ることができる。また、熱処理手段21は、炉体23と、流動層22と、加熱部24とを有し、鋳造手段20によって得られた鋳造品16を、熱処理手段21の流動層22の中で熱処理することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋳造品製造装置、及び鋳造品製造方法に関する。さらに詳しくは、機械的性質に優れた鋳造品を製造することが可能な鋳造品製造装置、及び鋳造品製造方法に関する。
一般に、金属を熱処理し、金属内部の組成構造を変化させることによって、機械的性質を向上させ得ることが知られている。例えば、日本工業規格に基づくAC4A、AC4C、AC4CH、AC4D等の少量のマグネシウム(Mg)を添加したアルミニウム(Al)−ケイ素(Si)系合金に対して、比較的高温の溶体化処理(熱処理)によって、凝固時に晶出した非平衡相を固溶させ、水冷して常温で均一な固溶体を得た後に、比較的低い温度の時効処理(熱処理)を施し、中間析出相による析出硬化を起こさせると、これらの合金の機械的性質を向上(改善)させることができる。
このような溶体化処理や時効処理を行うに際し、従来、空気を熱媒体としたトンネル炉等の雰囲気炉が用いられている。しかしながら、雰囲気炉は、溶体化温度までの昇温速度が遅く昇温に時間がかかり、また、処理装置が大型となる上に、運転操作が煩雑で人手が多くかかり、さらには、昇温及び温度保持のために熱エネルギーを多量に必要とする、という問題があった。そこで、本出願人は、これら従来の雰囲気炉の問題点を解決するべく、流動層が形成されその中でワークピース(鋳造品)が熱処理される新たな炉を開発し、特許文献1及び特許文献2に開示した。
特開2002−107064号公報 特開2003−21467号公報
本発明は、既に特許文献1及び特許文献2に開示された流動層を有する熱処理炉にかかる技術的思想を基にして、新たに高度な創作が加えられたものである。特許文献1及び特許文献2に示される熱処理炉は、雰囲気炉に対して、コンパクト化、省スペース化、熱エネルギーロスの低減、運転の全自動化等の目的が十分なレベルで達成されているが、本発明は、より質の高い熱処理を行い、機械的性質に優れた鋳造品を製造するためになされたものであり、熱処理前の鋳造品の結晶化状態等に着目し、上述した熱処理に適した結晶化状態となるように鋳造品を鋳造して、得られた鋳造品を熱処理するという一連の操作を行うこととし、より効率的に鋳造品の機械的性質を向上させることが可能な鋳造品製造装置、及び鋳造品製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上述した熱処理に適した鋳造品の結晶化状態を検討した結果、鋳造に使用する溶湯として、二つの異なる所定温度の溶湯を混合した溶湯を用いることにより、得られた鋳造品の機械的性質を上述した熱処理によりさらに向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。さらに、上述した方法で鋳造された鋳造品は、鋳造時の初晶が球状化することから、鋳造終了段階における鋳造品の機械的性質においても優れている。即ち、本発明によれば、以下の鋳造品製造装置、及び鋳造品製造方法が提供される。
[1]アルミニウムを含む合金を溶融して溶湯を得、得られた前記溶湯を鋳造して鋳造品を製造する鋳造品製造装置であって、前記アルミニウムを含む合金を溶融するための溶融手段と、得られた前記溶湯を鋳造して鋳造品を得るための鋳造手段と、得られた前記鋳造品を熱処理するための熱処理手段とを備え、前記溶融手段が、前記アルミニウムを含む合金を、その溶融温度よりも100〜180℃高い温度まで加熱することにより一次溶湯を得ることが可能な溶融部と、前記溶融部で溶融した前記一次溶湯のうちの所定の一次溶湯を、所定量ずつに複数に分けた状態で、前記溶融温度よりも10〜50℃高い温度まで冷却して保持して貯留する第一の貯留部と、前記溶融部で溶融した前記一次溶湯のうちの残余の一次溶湯を、前記溶融温度よりも220〜290℃高い温度まで加熱して保持して貯留する第二の貯留部と、所定量ずつに複数に分けた状態で前記第一の貯留部に貯留したそれぞれの前記所定の一次溶湯に対して、前記第二の貯留部に貯留した前記残余の一次溶湯を、混合した後の温度が前記溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるようにそれぞれ加えて混合して二次溶湯を得る混合部とを有し、前記鋳造手段が、その型合わせ面にキャビティが形成された、二以上に分割された部分金型と、前記二次溶湯を前記キャビティに充填する充填部とを有し、前記熱処理手段が、炉体と、前記炉体の内部に充填された粒状体から構成された流動層と、前記流動層を昇温させる加熱部とを有し、前記鋳造手段によって得られた鋳造品を、前記熱処理手段の前記流動層の中で熱処理する鋳造品製造装置。
[2]前記熱処理手段の前記加熱部が、前記炉体の内部へ熱風を吹き込むことにより前記流動層を加熱する前記[1]に記載の鋳造品製造装置。
[3]前記熱処理手段の前記流動層を構成する前記粒状体が、二酸化ケイ素を主成分とする粒状体である前記[1]又は[2]に記載の鋳造品製造装置。
[4]前記溶融手段の前記第一の貯留部が、複数の有底筒状の貯留容器と、前記貯留容器が載置された移動台とを有し、前記所定の一次溶湯を、前記移動台上に載置された複数の前記貯留容器に充填し、前記移動台を前記貯留容器とともに移動させることにより、前記所定の一次溶湯を冷却して保持する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の鋳造品製造装置。
[5]前記溶融手段の前記第二の貯留部が、加熱炉を有し、前記残余の一次溶湯を、前記加熱炉に充填し、前記加熱炉を加熱させることにより、前記残余の一次溶湯を加熱して保持する前記[1]〜[4]のいずれかに記載の鋳造品製造装置。
[6]前記溶融手段の前記混合部が、前記所定の一次溶湯と、前記残余の一次溶湯とを略等量ずつ混合する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の鋳造品製造装置。
[7]前記第二の貯留部の前記加熱炉が、高周波炉である前記[5]又は[6]に記載の鋳造品製造装置。
[8]前記アルミニウムを含む合金が、ケイ素(Si)を12.6質量%以下含有する亜共晶Al−Si系合金である前記[1]〜[7]のいずれかに記載の鋳造品製造装置。
[9]アルミニウムを含む合金を溶融して溶湯を得、得られた前記溶湯を鋳造して鋳造品を製造する鋳造品製造方法であって、前記アルミニウムを含む合金を、その溶融温度よりも100〜180℃高い温度まで加熱して溶融して一次溶湯を得、得られた前記一次溶湯のうちの所定の一次溶湯を、所定量ずつに複数に分けた状態で、前記溶融温度よりも10〜50℃高い温度まで冷却して保持して貯留するとともに、前記一次溶湯のうちの残余の一次溶湯を、前記溶融温度よりも220〜290℃高い温度まで加熱して保持して貯留し、所定量ずつに複数に分けた状態の前記所定の一次溶湯に、前記残余の一次溶湯を、混合した後の温度が前記溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるように、それぞれ加えて混合することにより二次溶湯を得、得られた前記二次溶湯を、所定の形状のキャビティに充填して鋳造品を得、得られた前記鋳造品を、炉体の内部に充填され、所定の温度に昇温された粒状体から構成された流動層の内部に配設して熱処理する鋳造品製造方法。
[10]得られた前記鋳造品を熱処理する際に、前記炉体の内部へ熱風を吹き込むことにより前記流動層を加熱する前記[9]に記載の鋳造品製造方法。
[11]前記流動層を構成する前記粒状体として、二酸化ケイ素を主成分とする粒状体を用いる前記[9]又は[10]に記載の鋳造品製造方法。
[12]前記一次溶湯のうちの前記所定の一次溶湯を、複数の有底筒状の貯留容器に充填し、前記貯留容器を移動させることにより、前記貯留容器に充填した前記所定の一次溶湯を冷却して保持する前記[9]〜[11]のいずれかに記載の鋳造品製造方法。
[13]前記一次溶湯のうちの前記残余の一次溶湯を、有底筒状の加熱炉に充填し、前記加熱炉を加熱することにより、前記残余の一次溶湯を加熱して保持する前記[9]〜[12]のいずれかに記載の鋳造品製造方法。
[14]前記所定の一次溶湯と、前記残余の一次溶湯とを略等量ずつ混合する前記[9]〜[13]のいずれかに記載の鋳造品製造方法。
[15]前記残余の一次溶湯を加熱して保持する前記加熱炉が、高周波炉である前記[13]又は[14]に記載の鋳造品製造方法。
[16]前記アルミニウムを含む合金が、ケイ素(Si)を12.6質量%以下含有する亜共晶Al−Si系合金である前記[9]〜[15]のいずれかに記載の鋳造品製造方法。
本発明の鋳造品製造装置、及び鋳造品製造方法は、鋳造に用いる溶湯として、二つの異なる所定温度の溶湯を混合したものを用いることにより、従来の鋳造方法、即ち、一定の温度で溶融された溶湯を用いて鋳造した場合と比較して、流動層を用いた熱処理手段で熱処理する際の、機械的性質の向上(改善)の効果をより大きくすることができる。さらに、上述したように、二つの異なる所定温度の溶湯を混合した溶湯を用いることにより、溶湯が冷却・固化する際に生ずる初晶を球状化させ、機械的性質に優れた鋳造品を鋳造することができる。
以下、図面を参照して、本発明の鋳造品製造装置、及び鋳造品製造方法の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
図1は、本発明の鋳造品製造装置の一の実施の形態を模式的に示す説明図である。本実施の形態の鋳造品製造装置は、図1に示すように、アルミニウムを含む合金を溶融して溶湯を得、得られた溶湯を鋳造して鋳造品を製造する鋳造品製造装置1であって、アルミニウムを含む合金を溶融するための溶融手段7と、得られた溶湯を鋳造して鋳造品16を得るための鋳造手段20と、得られた鋳造品16を熱処理するための熱処理手段21とを備えたものである。
本実施の形態の鋳造品製造装置1においては、上述した溶融手段7が、鋳造に用いるアルミニウムを含む合金を、その溶融温度よりも100〜180℃高い温度まで加熱して溶融することにより一次溶湯10を得る溶融部8と、溶融部8で溶融した一次溶湯10のうちの所定の一次溶湯11を、所定量ずつに複数に分けた状態で、溶融温度よりも10〜50℃高い温度まで冷却して保持して貯留する第一の貯留部2と、溶融部8で溶融した一次溶湯10のうちの残余の一次溶湯12を、溶融温度よりも220〜290℃高い温度まで加熱して保持して貯留する第二の貯留部3と、所定量ずつに複数に分けた状態で貯留したそれぞれの所定の一次溶湯11に対して、第二の貯留部3に貯留した残余の一次溶湯12を、混合した後の温度が前記溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるようにそれぞれ加えて混合して二次溶湯13を得る混合部19とを有し、鋳造手段20が、その型合わせ面にキャビティ14が形成された、二以上に分割された部分金型18と、二次溶湯13をキャビティ14に充填する充填部25とを有し、熱処理手段21が、炉体23と、炉体23の内部に充填された粒状体30から構成された流動層22と、流動層22を昇温させる加熱部24とを有し、鋳造手段20によって得られた鋳造品16を、熱処理手段21の流動層22の中で熱処理するものである。
このように、鋳造に用いる溶湯として、二つの異なる所定温度の一次溶湯11,12を混合したものを用いることにより、従来の鋳造方法、即ち、一定の温度で溶融された溶湯を用いて鋳造した場合と比較して、流動層22を用いた熱処理手段21で熱処理する際の、機械的性質の向上(改善)の効果をより大きくすることができる。さらに、上述したように、二つの異なる所定温度の溶湯を混合した一次溶湯11,12を用いることにより、二次溶湯13が冷却・固化する際に生ずる初晶を球状化させ、機械的性質に優れた鋳造品16を鋳造することができる。
アルミニウムを含む合金を溶融して一次溶湯10を形成する溶融部8は、アルミニウムを含む合金を、その溶融温度よりも100〜180℃高い温度まで加熱して溶融させるものであり、従来、アルミニウムを含む合金を溶融する際に用いられている溶融炉等を好適に用いることができる。
また、本実施の形態の鋳造品製造装置1においては、溶融部8にてアルミニウムを含む合金を溶融して一次溶湯10を得る際に、空気中の酸素によって一次溶湯10が酸化しないように、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
溶融部8によって形成された一次溶湯10のうちの所定の一次溶湯11を貯留する第一の貯留部2は、所定量ずつに複数に分けた状態で、アルミニウムを含む合金の溶融温度よりも10〜50℃高い温度まで冷却して保持するためのものであり、例えば、複数の有底筒状の貯留容器4と、この貯留容器4が載置された移動台5とを有し、所定の一次溶湯11を、移動台5上に載置された複数の貯留容器4に充填し、移動台5を貯留容器4とともに移動させることにより、所定の一次溶湯11を冷却して保持するものを好適に用いることができる。このように、所定の一次溶湯11を充填した貯留容器4を移動させることにより、所定の一次溶湯11を簡便に冷却して保持することができる。また、複数の有底筒状の貯留容器4が移動台5上に載置されていることから、所定の一次溶湯11を、一回の鋳造に必要となる量毎にそれぞれの貯留容器4に充填することが可能であるとともに、それぞれの貯留容器4毎に時間をずらして冷却して保持することが可能なことから、連続的に鋳造を行うことができる。
なお、第一の貯留部2にて所定の一次溶湯11を冷却する際には、エネルギー効率的な観点から、上述したように、貯留容器4を移動させて自然冷却することが好ましいが、例えば、強制的に冷却してもよい。
なお、第一の貯留部2で冷却して保持する温度が、溶融温度より10℃高い温度より低い場合には、所定の一次溶湯11が十分に溶融しないため、残余の一次溶湯12との混合が困難になる。また、第一の貯留部2で冷却して保持する温度が、溶融温度よりも50℃を超えて高くなった場合には、残余の一次溶湯12と混合した際に、混合した二次溶湯13の温度が高くなりすぎてしまう。
第一の貯留部2の貯留容器4の形状や材質等については特に制限はないが、例えば、セラミック等の断熱構造を有するとともに、一次溶湯10と反応しない材質であることが好ましい。
また、図1に示した、第一の貯留部2の移動台5は、ターンテーブル状のものであるが、所定の一次溶湯11を貯留し、溶融温度よりも10〜50℃高い温度まで冷却して保持することが可能でものであれば、その他の形状のものであってもよい。
本実施の形態の鋳造品製造装置1の第二の貯留部3は、溶融部8によって形成された一次溶湯10のうちの残余の一次溶湯12を、溶融温度よりも220〜290℃高い温度まで加熱して保持して貯留するものであり、例えば、第二の貯留部3が、加熱炉6を有し、残余の一次溶湯12を、加熱炉6に充填し、この加熱炉6を加熱させることにより、残余の一次溶湯12を加熱して保持することが好ましい。この加熱炉6としては、例えば、有底筒状の高周波炉を好適に用いることができる。また、加熱には、溶融温度よりも220〜290℃高い温度まで加熱して保持することとなり、残余の一次溶湯12が非常に酸化し易い状態となるため、加熱炉6の周囲をアルゴンガス等の不活性ガスによって満たし、残余の一次溶湯12の酸化を防止することが好ましい。
なお、第二の貯留部3で加熱して保持する温度が、溶融温度より220℃高い温度より低い場合には、この残余の一次溶湯12と所定の一次溶湯11とを混合した際に、混合した二次溶湯13の温度が低くなりキャビティ14への充填が困難になる。また、第二の貯留部3で加熱して保持する温度が、溶融温度よりも290℃を超えて高くなった場合には、加熱に費やされるエネルギーが無駄になりコスト高になることや、残余の一次溶湯12が酸化して得られる鋳造品16の品質が低下する。
溶融部8で形成した一次溶湯10を、第一及び第二の貯留部2,3に貯留する際には、図1に示すように、注湯ロボット17を用いることが好ましい。この注湯ロボット17は、所定の量の一次溶湯10を溶融部8から吸い上げて移動するためのロボットであり、従来の鋳造において溶湯の移動に使用されている注湯ロボットを好適に用いることができる。
また、本実施の形態の鋳造品製造装置1に用いられる混合部19は、所定量ずつに複数に分けた状態で第一の貯留部2に貯留したそれぞれの所定の一次溶湯11に対して、第二の貯留部3に貯留した残余の一次溶湯12を、混合した後の温度が溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるようにそれぞれ加えて混合して二次溶湯13を得るものであり、例えば、注湯ロボット26により、第二の貯留部3に貯留した残余の一次溶湯12を一定量吸い取り、第一の貯留部2に貯留したそれぞれの所定の一次溶湯11に注湯するものを好適例として挙げることができる。なお、この混合部19においては、所定の一次溶湯11と残余の一次溶湯12とを、混合した後の温度が溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるようにそれぞれ加えて混合することができるものであれば、これに限定されることはない。
また、本実施の形態の鋳造品製造装置1においては、所定の一次溶湯11と、残余の一次溶湯12とを混合する際に、略等量ずつ混合することが好ましい。このように構成することによって、混合した二次溶湯13の温度の調整が容易になるとともに、初晶の球状化の状態が良好となり、機械的性質に特に優れた鋳造品16を得ることができる。
なお、上述したように、所定の一次溶湯11と残余の一次溶湯12とを混合する際には、溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるように混合する必要があり、混合した二次溶湯13の温度が、この温度範囲以外の場合には、キャビティ14に充填した二次溶湯13を冷却・固化する際に鋳造欠陥を生じる恐れがあるため好ましくない。
本実施の形態の鋳造品製造装置1においては、溶融するアルミニウムを含む合金の種類については、特に制限はないが、アルミニウムとケイ素とを含む合金であること好ましく、ケイ素(Si)を12.6質量%以下含有する亜共晶Al−Si系合金であることがさらに好ましい。具体的なものとしては、例えば、AC4Cを挙げることができる。
例えば、アルミニウムを含む合金としてAC4Cを用いた場合には、AC4Cの溶融温度が約580℃であることから、まず、約680〜740℃まで加熱して溶融させて一次溶湯10を得る。次に、得られた一次溶湯10のうちの所定の一次溶湯11を、約580〜620℃にまで冷却して保持する第一の貯留部2に貯留するとともに、得られた一次溶湯10のうちの残余の一次溶湯12を、約800〜870℃にまで加熱して保持する第二の貯留部3に貯留し、第一の貯留部2に貯留した所定の一次溶湯11と、第二の貯留部3に貯留した残余の一次溶湯12とを、約690〜745℃となるように混合して二次溶湯13を得る。このようにして得られた二次溶湯13を用いて鋳造することにより、AC4Cの初晶が球状化し、機械的性質に優れた鋳造品16を得ることができる。
また、第一の貯留部2に所定の一次溶湯11を貯留する際には、溶融部8にて溶融した一次溶湯10を、溶融温度よりも10〜50℃高い温度まで冷却して保持することが必要であるが、本実施の形態においては、溶融温度よりも10〜40℃高い温度まで冷却して保持することが好ましく、10〜30℃高い温度まで冷却して保持することがさらに好ましい。このように構成することによって、初晶の球状化がさらに進行し、得られる鋳造品16の機械的性質をさらに向上させることができるとともに、鋳造を繰り返し行った場合に、得られる鋳造品16の機械的性能の差異を低減し、品質の均一化を図ることができる。また、同様の理由から、第二の貯留部3に残余の一次溶湯12を貯留する際には、残余の一次溶湯12を、溶融温度よりも220〜290℃高い温度まで加熱して保持することが必要であるが、溶融温度よりも230〜280℃高い温度まで加熱して保持することが好ましく、240〜270℃高い温度まで加熱して保持することがさらに好ましい。
また、第一の貯留部2に貯留した所定の一次溶湯11と、第二の貯留部3に貯留した残余の一次溶湯12とを混合する際には、溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるように混合する必要があるが、本実施の形態の鋳造品製造装置1においては、溶融温度よりも100〜170℃高い温度となるように混合することが好ましく、100〜160℃高い温度となるように混合することがさらに好ましい。このように構成することによって、得られる鋳造品16の機械的性質がさらに向上する。
また、第一の貯留部2に貯留した所定の一次溶湯11と、第二の貯留部3に貯留した残余の一次溶湯12とを混合する際には、混合後少なくとも60秒経過した後に、キャビティ14への充填を行うことが好ましい。
本実施の形態の鋳造品製造装置1における鋳造手段20としては、その型合わせ面にキャビティ14が形成された、二以上に分割された部分金型18と、二次溶湯13をキャビティ14に充填する充填部25とを有するものであり、従来公知の重力鋳造等の鋳造に用いられる鋳造手段を好適に用いることができる。
また、本実施の形態の鋳造品製造装置1の熱処理手段21は、炉体23と、炉体23の内部に充填された粒状体30から構成された流動層22と、流動層22を昇温させる加熱部24とを有するものであり、鋳造手段20によって得られた鋳造品16を、熱処理手段21の流動層22の中で熱処理し、鋳造品16の機械的性質を向上させるものである。このような熱処理手段21は、熱媒体である流動層22の温度分布が安定して均一化されたものであるため、熱処理、具体的には、溶体化処理や時効処理に有効に用いることができる。上述したように流動層22の温度分布が安定して均一化されたものであるため、例えば、鋳造品16に対して、融点直下近傍の温度で溶体化処理を施しても、温度のオーバーシュートのおそれが殆ど生じず、鋳造品16が溶融することを有効に防止することができる。
なお、本実施の形態の鋳造品製造装置1においては、熱処理手段21の加熱部24が、炉体23の内部へ熱風を吹き込むことにより流動層22を加熱するものであることが好ましい。具体的には、図示しない熱風発生装置及び配管と、分散パイプ27とを有する。熱風発生装置はバーナの火炎によって、図示しないブロワより送られる空気を所定温度(例えば、500〜600℃等)まで加熱し、熱風を製造する。熱風は、その温度が監視されつつ配管を経て、炉体23内へ吹き込まれる。炉体23の内部の粒状体30は、吹き込まれた熱風により熱せられ、流動して流動層22を形成する。
また、本実施の形態の鋳造品製造装置1においては、熱処理手段21の流動層22を構成する粒状体30が、一般に自然砂の主成分である二酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、マグネシア等であってよく、又は、成分を問わない人工粒状体であってもよいが、二酸化ケイ素を主成分とする粒状体30であることが好ましい。酸化ケイ素を主成分とする粒状体30は、粉塵爆発することがないため安全性に優れており、さらに、入手し易く、安価なため、メンテナンスに有利である。具体的には、ベトナム産のカムランケイ砂、オーストラリア産のフラタリーサンド等を採用できる。粒度分布毎に分離して選別したものを用いることが好ましい。
流動層22の温度は、アルミニウムを含む合金の溶融温度、即ち、二次溶湯13の溶融温度の直下近傍の温度であることが好ましく、具体的には、溶融温度〜融点温度より10℃低い温度であることが好ましく、溶融温度〜融点温度より5℃低い温度であることがさらに好ましい。このように構成することによって、鋳造品16に優れた機械的性質を付与することが可能である。
また、本実施の形態の鋳造品製造装置1においては、図2(a)〜図2(c)に示すような熱処理手段110を用いてもよい。図2(a)〜図2(c)は、本実施の形態の鋳造品製造装置1を構成する熱処理手段の他の例を示す図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のX−X断面図、図2(c)は図2(b)のY−Y断面図である。
図2に示すように、熱処理手段110は、炉体120が、入口部112、その入口部112に続く熱処理帯部114、及びその熱処理帯部114に続く取出部(出口部)116から構成されている。炉体120の内部には、オーストラリア産のフラタリーサンドからなり、比熱が0.72(J/g・K)の粒状体124から構成された流動層125が充填されている。
流動層125を昇温させる加熱部131は、炉体120の内部へ熱風を吹き込む熱風吹込手段と浸漬型ヒータとで構成される。熱風吹込手段は、図示しない熱風発生装置及び配管と、分散パイプ130とを有し、熱風発生装置によって製造された熱風は、配管を経て分散パイプ130から炉体120内へ吹き込まれる。炉体120の内部の粒状体124は、吹き込まれた熱風により熱せられ、流動して流動層125を形成する。
この熱処理手段110を構成する入口部112は、図2(a)から理解されるように、熱処理帯部114及び取出部116に比して移動方向に対する断面積が大きく、容積的に大きく形成されており、また、入口部112における両側張出部112a,112bには、それぞれ浸漬型ヒータ118a,118bが配置されている。入口部112から熱処理帯部114、取出部116に至る流動層125の中にはコンベア122が配設されており、コンベア122上に鋳造品126が載置され、鋳造品126が入口部112から取出部116まで流動層125中を移動しながら熱処理されるようになっている。
鋳造品126は、入口部112において、鋳造品搬入機128により入口部112の流動層125中に投入され、コンベア122上に載せられる。入口部112は、熱処理帯部114及び取出部116に比して容積的に大きく形成されているので粒状体124が多量となる。従って、炉体120のうち入口部112における熱容量が、より大きくなるため、低温の鋳造品126が入口部112の流動層125内へ投入されても、温度降下が生じ難く、このようにして、熱処理手段110の内部は、所定の温度に加熱され、しかも炉体120の内部の温度の振れ幅は約4(℃)(±2(℃))以下という温度の均一性が達成される。
入口部112に投入された鋳造品126は、コンベア122の移動に伴って入口部112から熱処理帯部114を通過し、取出部116まで流動層125中を移動する。鋳造品126には、流動層125中を移動する間に所望の熱処理がなされ、取出部(出口部)116まで到達したら、鋳造品搬出機132により炉体120の外に搬出される。
また、図1に示すように、本実施の形態の鋳造品製造装置1においては、熱処理手段21が、流動層22によって、鋳造品16を高温熱処理(溶体化)できるものであればよく、炉体や加熱部等の構成については、これまでに説明した熱処理手段に限定されることはない。
以上説明したように、異なる温度の二種類の一次溶湯11,12、即ち、溶融温度より10〜50℃高い温度に保持した所定の一次溶湯11と、溶融温度よりも220〜290℃高い温度に保持した残余の一次溶湯12とを混合して得られた二次溶湯13を用いて鋳造品16を鋳造することにより、二次溶湯13が冷却・固化する際に生ずる初晶を球状化させて、機械的性質に優れた鋳造品16を得ることができるとともに、このようにして得られた鋳造品16は、熱処理手段21により、通常の方法で鋳造した鋳造品と比較して、機械的性質が大幅に向上される。
なお、本実施の形態の鋳造品製造装置1においては、鋳造品16の形状については特に制限はないが、鋳造品16が車両用ホイールである場合には、熱処理によって得られる実質的な機械的性質向上の効果を、車両用ホイールの薄肉化に結実させることができる。これにより、熱処理によって、より薄肉化してもこの熱処理を施さない場合以上の機械的性質、例えば、引張強度、伸び等を保つことができるので、車両用ホイールのさらなる軽量化が図られる。軽量化した車両用ホイールは、環境負荷の低減を図るべく燃費の向上が求められる自動車の製造者あるいは需要者に望まれる製品である。
次に、本実施の形態の鋳造品製造方法の一の実施の形態について具体的に説明する。本実施の形態の鋳造品製造方法は、例えば、図1に示した鋳造品製造装置1を用いて実現することが可能な鋳造品製造方法であり、アルミニウムを含む合金を溶融して溶湯を得、得られた溶湯を鋳造して鋳造品を製造する鋳造品製造方法であって、アルミニウムを含む合金を、その溶融温度よりも100〜180℃高い温度まで加熱して溶融することにより一次溶湯10を得、得られた一次溶湯10のうちの所定の一次溶湯11を、所定量ずつに複数に分けた状態で、溶融温度よりも10〜50℃高い温度まで冷却して保持して貯留するとともに、一次溶湯10のうちの残余の一次溶湯12を、溶融温度よりも220〜290℃高い温度まで加熱して保持して貯留し、所定量ずつに複数に分けた状態で貯留した所定の一次溶湯11に、残余の一次溶湯12を、混合した後の温度が溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるように、それぞれ加えて混合することにより二次溶湯13を得、得られた二次溶湯13を、所定の形状のキャビティ14に充填して鋳造品16を得、得られた鋳造品16を、炉体23の内部に充填され、所定の温度に昇温された粒状体30から構成された流動層22の内部に配設して熱処理する鋳造品製造方法である。
本実施の形態の鋳造品製造方法においては、アルミニウムを含む合金を、その溶融温度よりも100〜180℃高い温度まで加熱して溶融することにより一次溶湯10を得る工程、所定の一次溶湯11を、所定量ずつに複数に分けた状態で、溶融温度よりも10〜50℃高い温度まで冷却して保持して貯留する工程、残余の一次溶湯12を、溶融温度よりも220〜290℃高い温度まで加熱して保持して貯留する工程、及び、所定量ずつに複数に分けた状態で貯留した所定の一次溶湯11に、残余の一次溶湯12を、混合した後の温度が溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるように、それぞれ加えて混合することにより二次溶湯13を得る工程は、図1に示す鋳造品製造装置1を構成する溶融手段7の、溶融部8、第一の貯留部2、第二の貯留部3、及び混合部19によって実現することができる。なお、それぞれの一次溶湯10,11,12の好ましい温度範囲や各条件等については、第一の発明の一の実施の形態(鋳造品製造装置1)で説明したものと同様に構成されていることが好ましい。
また、得られた二次溶湯13を、所定の形状のキャビティ14に充填して鋳造品16を得る工程は、図1に示す鋳造品製造装置1を構成する鋳造手段20によって実現することができる。また、この鋳造品16を得る工程は、従来公知の重力鋳造等を好適に用いることができる。
また、得られた鋳造品16を、炉体23の内部に充填され、所定の温度に昇温された粒状体30から構成された流動層22の内部に配設して熱処理する工程については、図1に示す鋳造品製造装置1を構成する熱処理手段21によって実現することができる。なお、本実施の形態の鋳造品製造方法における熱処理の具体的な方法については、第一の発明の一の実施の形態(鋳造品製造装置1)で説明した方法や、例えば、特開2002−107064号公報及び特開2003−21467号公報に記載されている方法を好適に用いることができる。
このように、鋳造に用いる溶湯として、二つの異なる所定温度となるように保持した一次溶湯11,12を混合して得られた二次溶湯13を用いることによって、二次溶湯13が冷却・固化する際に生ずる初晶が球状化し、機械的性質に優れた鋳造品16を鋳造することができるとともに、このようにして鋳造された鋳造品16は、従来の鋳造方法、即ち、一定の温度で溶融された溶湯を用いて鋳造する方法と比較して、熱処理することにより、機械的性質の向上(改善)の効果をより大きくすることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例においては、以下に示す鋳造品製造方法により鋳造品を製造した。まず、アルミニウム(Al)を主たる成分として含み、ケイ素(Si)を7質量%、及びマグネシウム(Mg)を0.3質量%含む合金2000gを、720℃で加熱して溶融させて一次溶湯を得た。次に、得られた一次溶湯のうちの1000gの溶湯(所定の一次溶湯)を600℃まで冷却して保持するとともに、残余の1000gの溶湯(残余の一次溶湯)を、840℃まで加熱して保持した。次に、この所定の一次溶湯と残余の一次溶湯とを、720℃となるように混合して二次溶湯を得、得られた二次溶湯を舟型金型のキャビティに充填して鋳造品を鋳造した。
次に、得られた鋳造品を、図2(a)〜図2(c)に示す熱処理手段110と同様に構成された熱処理手段で熱処理して鋳造品を製造した。この熱処理手段110を構成する炉体120は、入口部112の横幅が3000mm、長さが1500mmであり、入口部112から熱処理帯部114、取出部(出口部)116に至る全長は7500mmであり、熱処理帯部114及び取出部(出口部)116の横幅は1000mmである。また、炉体120の高さは、入口部112、熱処理帯部114、取出部(出口部)116の各部において共通して1500mである。なお、この炉体120の内部には、ベトナム産のカムランケイ砂から構成され、比熱が0.72(J/g・K)の粒状体124が10.8(m3)充填されている。この粒状体124は、概ね球状体を呈し、径が100〜800(μmφ)のものが95(%)以上、かつ、400〜600(μmφ)のものが70(%)以上を占めるように選別され、見掛け比重は1.6(g/cm3)である。
(比較例1)
従来公知の鋳造品製造方法である、一種類の温度で溶融した溶湯を用いた鋳造によって鋳造品を得、得られた鋳造品を、図2(a)〜図2(c)に示す熱処理手段110と同様に構成された熱処理手段で熱処理して鋳造品を製造した。
実施例1によって製造された鋳造品は、従来の鋳造品製造方法である比較例1によって製造された鋳造品と比較して、機械的性質に優れるものであった。
本発明の鋳造品製造装置、及び鋳造品製造方法は、機械的性質に優れた鋳造品を製造することができる。このことから、例えば、車両用ホイール等を製造した場合には、従来の機械的性質、例えば、引張強度、伸び等を向上させるとともに、薄肉化することが可能であり、車両用ホイール等の軽量化を図ることができる。
本発明(第一の発明)の鋳造品製造装置の一の実施の形態を模式的に示す説明図である。 本発明(第一の発明)の鋳造品製造装置の一の実施の形態を構成する熱処理手段の他の例を示す図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のX−X断面図、図2(c)は図2(b)のY−Y断面図である。
符号の説明
1…鋳造品製造装置、2…第一の貯留部、3…第二の貯留部、4…貯留容器、5…移動台、6…加熱炉、7…溶融手段、8…溶融部、10…一次溶湯、11…一次溶湯(所定の一次溶湯)、12…一次溶湯(残余の一次溶湯)、13…二次溶湯、14…キャビティ、16…鋳造品、17…注湯ロボット、18…部分金型、19…混合部、20…鋳造手段、21…熱処理手段、22…流動層、23…炉体、24…加熱部、25…充填部、26…注湯ロボット、27…分散パイプ、30…粒状体、110…熱処理手段、112…入口部、112a,112b…両側張出部、114…熱処理帯部、116…取出部(出口部)、118a,118b…浸漬型ヒータ、120…炉体、122…コンベア、124…粒状体、125…流動層、126…鋳造品、128…鋳造品搬入機、130…分散パイプ、131…加熱部、132…鋳造品搬出機。

Claims (16)

  1. アルミニウムを含む合金を溶融して溶湯を得、得られた前記溶湯を鋳造して鋳造品を製造する鋳造品製造装置であって、
    前記アルミニウムを含む合金を溶融するための溶融手段と、得られた前記溶湯を鋳造して鋳造品を得るための鋳造手段と、得られた前記鋳造品を熱処理するための熱処理手段とを備え、
    前記溶融手段が、前記アルミニウムを含む合金を、その溶融温度よりも100〜180℃高い温度まで加熱して溶融することにより一次溶湯を得る溶融部と、前記溶融部で溶融した前記一次溶湯のうちの所定の一次溶湯を、所定量ずつに複数に分けた状態で、前記溶融温度よりも10〜50℃高い温度まで冷却して保持して貯留する第一の貯留部と、前記溶融部で溶融した前記一次溶湯のうちの残余の一次溶湯を、前記溶融温度よりも220〜290℃高い温度まで加熱して保持して貯留する第二の貯留部と、所定量ずつに複数に分けた状態で貯留したそれぞれの前記所定の一次溶湯に対して、前記第二の貯留部に貯留した前記残余の一次溶湯を、混合した後の温度が前記溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるようにそれぞれ加えて混合して二次溶湯を得る混合部とを有し、
    前記鋳造手段が、その型合わせ面にキャビティが形成された、二以上に分割された部分金型と、前記二次溶湯を前記キャビティに充填する充填部とを有し、
    前記熱処理手段が、炉体と、前記炉体の内部に充填された粒状体から構成された流動層と、前記流動層を昇温させる加熱部とを有し、
    前記鋳造手段によって得られた前記鋳造品を、前記熱処理手段の前記流動層の中で熱処理する鋳造品製造装置。
  2. 前記熱処理手段の前記加熱部が、前記炉体の内部へ熱風を吹き込むことにより前記流動層を加熱する請求項1に記載の鋳造品製造装置。
  3. 前記熱処理手段の前記流動層を構成する前記粒状体が、二酸化ケイ素を主成分とする粒状体である請求項1又は2に記載の鋳造品製造装置。
  4. 前記溶融手段の前記第一の貯留部が、複数の有底筒状の貯留容器と、前記貯留容器が載置された移動台とを有し、
    前記所定の一次溶湯を、前記移動台上に載置された複数の前記貯留容器に充填し、前記移動台を前記貯留容器とともに移動させることにより、前記所定の一次溶湯を冷却して保持する請求項1〜3のいずれかに記載の鋳造品製造装置。
  5. 前記溶融手段の前記第二の貯留部が、加熱炉を有し、
    前記残余の一次溶湯を、前記加熱炉に充填し、前記加熱炉を加熱させることにより、前記残余の一次溶湯を加熱して保持する請求項1〜4のいずれかに記載の鋳造品製造装置。
  6. 前記溶融手段の前記混合部が、前記所定の一次溶湯と、前記残余の一次溶湯とを略等量ずつ混合する請求項1〜5のいずれかに記載の鋳造品製造装置。
  7. 前記第二の貯留部の前記加熱炉が、高周波炉である請求項5又は6に記載の鋳造品製造装置。
  8. 前記アルミニウムを含む合金が、ケイ素(Si)を12.6質量%以下含有する亜共晶Al−Si系合金である請求項1〜7のいずれかに記載の鋳造品製造装置。
  9. アルミニウムを含む合金を溶融して溶湯を得、得られた前記溶湯を鋳造して鋳造品を製造する鋳造品製造方法であって、
    前記アルミニウムを含む合金を、その溶融温度よりも100〜180℃高い温度まで加熱して溶融することにより一次溶湯を得、得られた前記一次溶湯のうちの所定の一次溶湯を、所定量ずつに複数に分けた状態で、前記溶融温度よりも10〜50℃高い温度まで冷却して保持して貯留するとともに、前記一次溶湯のうちの残余の一次溶湯を、前記溶融温度よりも220〜290℃高い温度まで加熱して保持して貯留し、所定量ずつに複数に分けた状態で貯留した前記所定の一次溶湯に、前記残余の一次溶湯を、混合した後の温度が前記溶融温度よりも100〜180℃高い温度となるように、それぞれ加えて混合することにより二次溶湯を得、
    得られた前記二次溶湯を、所定の形状のキャビティに充填して鋳造品を得、
    得られた前記鋳造品を、炉体の内部に充填され、所定の温度に昇温された粒状体から構成された流動層の内部に配設して熱処理する鋳造品製造方法。
  10. 得られた前記鋳造品を熱処理する際に、前記炉体の内部へ熱風を吹き込むことにより前記流動層を加熱する請求項9に記載の鋳造品製造方法。
  11. 前記流動層を構成する前記粒状体として、二酸化ケイ素を主成分とする粒状体を用いる請求項9又は10に記載の鋳造品製造方法。
  12. 前記一次溶湯のうちの前記所定の一次溶湯を、複数の有底筒状の貯留容器に充填し、前記貯留容器を移動させることにより、前記貯留容器に充填した前記所定の一次溶湯を冷却して保持する請求項9〜11のいずれかに記載の鋳造品製造方法。
  13. 前記一次溶湯のうちの前記残余の一次溶湯を、有底筒状の加熱炉に充填し、前記加熱炉を加熱することにより、前記残余の一次溶湯を加熱して保持する請求項9〜12のいずれかに記載の鋳造品製造方法。
  14. 前記所定の一次溶湯と、前記残余の一次溶湯とを略等量ずつ混合する請求項9〜13のいずれかに記載の鋳造品製造方法。
  15. 前記残余の一次溶湯を加熱して保持する前記加熱炉が、高周波炉である請求項13又は14に記載の鋳造品製造方法。
  16. 前記アルミニウムを含む合金が、ケイ素(Si)を12.6質量%以下含有する亜共晶Al−Si系合金である請求項9〜15のいずれかに記載の鋳造品製造方法。
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