JP2006013819A - レーダ用レフレクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の反射面間の角度精度、面精度等を損なうことなく、有効反射断面積の大型化と取り扱いの利便性の向上とを両立させる。
【解決手段】 各々が直角二等辺三角形の底部反射板11、左反射板12、右反射板13の隣り合う辺同士を屈曲可能にヒンジ15で結合するとともに、固定金具16にて展開自在に固定する構造とした三面体コーナレフレクタ10である。組み立て状態では、底部反射板11〜右反射板13で構成される反射面A〜反射面Cの各々には一切の凹凸や分割線、部品は存在せず、三面体コーナレフレクタ10の輪郭となる底部反射板11〜右反射板13の各辺には面取り部14が設けられ、反射面A〜反射面Cに正対するレーダビームの入射方向からは、底部反射板11〜右反射板13の板厚の端面は不可視となっており、端面でのレーダビームの乱反射は発生しない。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーダ用レフレクタに関し、特に、レーダ装置の標的としてのレーダ反射板を備えた三面体コーナレフレクタ等に適用して有効な技術に関する。
たとえば、鉄道や道路等の交通路における列車、車両、障害物の監視等の目的で、高精度のミリ波等のレーダビームを用いるレーダ装置が普及してきており、設置や保守管理の調整作業においても、一層の高精度化を要求されている。
レーダの性能評価等において、正確な受信電力を知ることは必要不可欠である。レーダ評価時に測定ターゲットとして一般的に使用されるものに三面体コーナレフレクタがある。
三面体コーナレフレクタは互いに直交する金属板を組みあわせたものであり、電波ビームがこの三面体コーナレフレクタに当たると三重反射を行い、ビームの入射した方向に反射していく。また、探知距離を向上するには三面体コーナレフレクタの形状を大きくする必要がある。形状を大きくすると持ち運びに不便さが生じるため、レフレクタの各反射面を折り畳み可能にする技術が知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2)。
ところで、三面体コーナレフレクタでは、図11に示されるように、レフレクタに対する入射角度の変化によって利得は低下し、また、図13(a)および(b)に示されるように、有効反射断面積は入射波の入射角度に依存する。また、図12に示されるように、反射面の凹凸が大きいと反射波の利得が低下する。
従って、精度を要求された測定では各コーナレフレクタの金属板がなす角度の精度(図11,図13)、三面体コーナレフレクタを構成するための金属板の表面の面精度(図12)、三面体コーナレフレクタで必要とされる有効反射面積(図13)を損なわずに測定できることが必要不可欠となる。
しかしながら、従来の展開可能なレフレクタでは、たとえば特許文献1の場合では、一つの反射板を複数個に分割してヒンジ部材で折り曲げる構成であるため、一つの反射面内に多数の分割溝が存在することとなり、各反射板を互いに正確に90度に直交させることや、反射面全体の平坦度や平滑度等の面精度を保つことが困難であった。
同様に特許文献2では、薄板からなる反射板の周辺部に連結用のフランジを設け、このフランジを貫通するねじにて反射板を相互に締結して組み立てる構造であるため、反射板がたわみ易く高い面精度を実現することが困難であるとともに、締結用のねじ、フランジ、継ぎ目が有効反射領域内に露出しているため、実質的な有効反射面積が損なわれ、測定精度に影響を及ぼすことが懸念される。
さらに、三面体コーナレフレクタを用いた測定時においては、反射板の撓みを防止すべく厚板材を用いると、板の厚さがビームの入射した方向から見える構造となるため、高精度を要求される測定では板厚部分からの乱反射等に起因する誤差を生じることも懸念される。
又、三面体コーナレフレクタは図11に示すように、反射面の対称軸にビームの入射方向が一致する場合に反射利得が大きくなるような指向性をもっており、受信電力を最大にするためには、三面体コーナレフレクタの対称軸上に、レーダ装置の送信アンテナの中心軸がくるようにする必要がある。しかし、レフレクタ側の対称軸とレーダビームの入射方向をあわせるために、三面体コーナレフレクタ単独で目視等により位置調整を行うには困難が伴った。
なお、レフレクタの反射面内の中央部を開口して位置合わせ用のマーカを設けることも考えられるが、その分だけ有効反射面積が損なわれ、測定精度に影響を及ぼすことが懸念される。
実開平5−59925号公報 実開昭58−6409号公報
本発明の目的は、レーダ評価時に高精度の測定ターゲットとして使用することが可能なレーダ用レフレクタを提供することにある。
本発明の他の目的は、複数の反射面間の角度精度、面精度等を損なうことなく、有効反射断面積の大型化と取り扱いの利便性の向上とを両立させることが可能なレーダ用レフレクタを提供することにある。
本発明の他の目的は、三面体コーナレフレクタの有効反射断面積を損なうことなくレーダ反射板におけるレーダ有効断面積を大きくする際における大型形状による問題の解決および測定の効率化のために構造を改善したレーダ用三面体コーナレフレクタを提供することにある。
本発明の第1の観点は、互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、複数の前記反射板の境界の各辺を屈曲可能に結合するヒンジ結合部を含む展開構造を備えたレーダ用レフレクタを提供する。
本発明の第2の観点は、互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、複数の前記反射板の組み立て状態において、レーダビームの入射方向から不可視となるように個々の前記反射板に穿設された複数のねじ穴と、前記ねじ穴に螺合して複数の前記反射板を締結するねじと、を含むレーダ用レフレクタを提供する。
本発明の第3の観点は、互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、組み立て状態の複数の前記反射板の対称軸上に、当該対称軸をレーダビームの入射方向に位置決めするための位置合わせマーカを移動自在に配置するマーカ取付治具を備えたことを特徴とするレーダ用レフレクタを提供する。
本発明の第4の観点は、互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、前記反射板に対するレーダビームの入射方向から見て、個々の前記反射板の端面の板厚が不可視となるように、個々の前記反射板の辺に面取部が設けられているレーダ用レフレクタを提供する。
上記した本発明の第1および第2の観点によれば、個々の反射板を分割することなく、各辺だけのねじ止めによる展開構造、もしくは反射板の各辺でのヒンジ結合による展開構造を有する構成としたので、各反射面を折り曲げるための分割線等が反射面に存在せず、また、組み立て状態では、ねじやねじ穴は不可視であるため、測定時における面精度への影響を及ぼさず組み立てることが可能となる。すなわち、面精度の低下等を懸念することなく、反射板を大型化してレーダ有効断面積の増大させることができるとともに、コンパクトに折り畳んで簡便に取り扱うことが可能になる。
また、本発明の第3の観点によれば、マーカの使用時に位置合わせマーカをレーダ用レフレクタの対称軸上に移動させ、それ以外は、反射領域から退避させて収納することで、マーカ設置のために反射板の反射面を損なうことなく、対称軸をレーダビームの入射方向に正確に位置決めすることが可能となり、レーダ用レフレクタを用いたレーダ装置の調整作業を精度良く迅速に行うことが可能になる。
また、本発明の第4の観点によれば、反射板の撓みを防止して面精度を確保すべく厚板材を反射板に用いても、レーダビームの入射方向から見た反射板の輪郭に板厚部分が見えないので、当該板厚部分での乱反射がなくなり、レーダ装置の調整作業の高精度のターゲットとしてレーダ用レフレクタを用いることができる。
本発明によれば、レーダ評価時に高精度の測定ターゲットとして使用することが可能なレーダ用レフレクタを提供することができる。
また、複数の反射面間の角度精度、面精度等を損なうことなく、有効反射断面積の大型化と取り扱いの利便性の向上とを両立させることが可能となる。
また、三面体コーナレフレクタの有効反射断面積を損なうことなくレーダ反射板におけるレーダ有効断面積を大きくする際における大型形状による問題の解決および測定の効率化のために構造を改善したレーダ用三面体コーナレフレクタを提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1(a)および(b)は、本発明の一実施の形態であるレーダ用レフレクタの構成の一例を示す分解組み立て図であり、図2は、その構成および作用を示す説明図である。以下の説明では、レーダ用レフレクタの一例として、互いに直交する三つの反射面を有する三面体コーナレフレクタの場合を例にとって説明する。
図1(a)に例示されるように、本実施の形態の三面体コーナレフレクタ10は、各々が直角二等辺三角形からなる底部反射板11、左反射板12および右反射板13を備え、各々の主面が、たとえば研磨加工等にて平坦に加工されることで反射面A、反射面Bおよび反射面Cとして機能するようになっている。
図1(b)に例示されるように、底部反射板11〜右反射板13の背面側(反射面A〜反射面Cの反対側)には、中央の底部反射板11と、左右の右反射板13および左反射板12を屈曲自在に結合するヒンジ15が設けられている。このヒンジ15は、底部反射板11、左反射板12、右反射板13が直角三角錐をなすように、互いに90度の交差角度をなすまで屈曲することが可能になっている。
また、右反射板13および左反射板12の隣り合う辺には、両者の辺を分解自在に結合するための固定金具16が設けられている。
そして、使用時には、底部反射板11に対して左反射板12および右反射板13が互いに90度で交差するように折り曲げて、固定金具16にて固定することで、図2(a)に示すように、反射面A〜反射面Cが直角三角錐をなす三面体コーナレフレクタ10を構成することが可能になっている。なお、この組み立てに際しては、後述する組み立て調整用治具30を用いることができる。
また、底部反射板11〜右反射板13の各々において、三面体コーナレフレクタ10の輪郭をなす辺には、図2(b)に示すように、面取り角度θmが、たとえば、35.26度以下になるように面取り部14が設けられている。これにより、三面体コーナレフレクタ10の反射面A〜反射面Cに正対する方向から見た場合に、底部反射板11〜右反射板13の各々の板厚の端面が不可視となり、図2(c)の従来の場合のように、板厚の端面における入射波72aの散乱波がノイズとして生じることが防止される。
すなわち、図2(a)に示すように、三面体コーナレフレクタ10の組み立て状態においては、三面体コーナレフレクタ10を反射面A〜反射面Cに正対する方向(すなわちレーダビーム(入射波72a)の入射方向)から見た場合、底部反射板11、左反射板12、右反射板13の交線と輪郭が見えるだけとなり、それ以外の反射波のノイズ要因となる凹凸や輪郭部の板厚端面等は全く見えない状態となる。
図3(a)および(b)は、反射板の結合にねじを用いる構成の三面体コーナレフレクタ20の例を示す分解組み立て図である。
この三面体コーナレフレクタ20は、各々が直角二等辺三角形の底部反射板21、左反射板22および右反射板23を備えている。
底部反射板21は、図3(a)および図4(a)に示されるように、底部反射板21には、直交する二辺に沿って厚さ方向に貫通する貫通ねじ穴21aおよび貫通ねじ穴21bが設けられ、他の一辺には面取り部24が設けられている。
左反射板22には、図3(a)および図4(b)に示されるように、直交する二辺の一方に沿って厚さ方向に貫通するように形成された貫通ねじ穴22aと、他方の辺の端面に穿設されたねじ穴22bが設けられている。また、残りの一辺には面取り部24が設けられている。
右反射板23には、図3(a)および図4(c)に示されるように、直交する二辺の各々の端面に穿設されたねじ穴23aおよびねじ穴23bが設けられている。また、残りの一辺には面取り部24が設けられている。
そして、組み立てに際しては、図3(a)に示すように、底部反射板21の直交する二辺に沿って設けられた貫通ねじ穴21aおよび貫通ねじ穴21bの上に、左反射板22のねじ穴22bが形成された端面、および右反射板23のねじ穴23bが形成された端面が、それぞれ重なるように配置するとともに、左反射板22の貫通ねじ穴22aと右反射板23のねじ穴23aが重なり合うように、左反射板22と右反射板23を位置決めする。
これにより、組み立て状態では、底部反射板21の貫通ネジ穴21aおよび貫通ネジ穴21b、左反射板22の貫通ネジ穴22aおよびネジ穴22b、右反射板23のネジ穴23aおよびネジ穴23bは、互いに他の反射板の端面にて隠蔽されることで、反射面A〜反射面Cに正対する方向からは全く見えなくなる。
そして、底部反射板21の貫通ねじ穴21aと左反射板22のねじ穴22bをねじ25aにて締結し、底部反射板21の貫通ねじ穴21bと右反射板23のねじ穴23bをねじ25bにて締結し、左反射板22の貫通ねじ穴22aと右反射板23のねじ穴23aをねじ25cにて締結することで、図3(b)に示されるように、底部反射板21、左反射板22、右反射板23が、反射面Aないし反射面Cを内側にして互いに直交するように直角三角錐をなして固定され、使用状態の三面体コーナレフレクタ20が構成される。
なお、この三面体コーナレフレクタ20の組み立てに際しては、後述する組み立て調整用治具30を用いることができる。
この図3(b)の組み立て状態では、三面体コーナレフレクタ20を反射面A〜反射面Cに正対する方向(すなわちレーダビームの入射方向)から見た場合、底部反射板21、左反射板22、右反射板23の交線と輪郭が見えるだけとなり、それ以外の反射波のノイズ要因となる凹凸や輪郭部の板厚端面等は全く見えない状態となる。
次に、図5を参照して、上述の三面体コーナレフレクタ10および三面体コーナレフレクタ20の組み立て方法の一例について説明する。簡単のため、三面体コーナレフレクタ20の場合について説明するが、三面体コーナレフレクタ10についても同様である。
上述の三面体コーナレフレクタ20には、図5に示す、棒状の組み立て調整用治具30を備えることができる。
この組み立て調整用治具30は、基端部が可動支持部31を介して、底部反射板21、左反射板22、右反射板23の角部に回動自在に支持されている。組み立て調整用治具30の先端部には、組み立て状態の三面体コーナレフレクタ20の輪郭の各辺に係止するための固定フック32が設けられている。
不使用時には、組み立て調整用治具30は、可動支持部31により三面体コーナレフレクタ20の背面側に隠蔽されるように折り畳むことが可能になっている。
組み立て調整用治具30において、可動支持部31から固定フック32までの長さは、組み立て状態の三面体コーナレフレクタ20の正三角形をなす輪郭の二等分線の長さに設定されている。
そして、三面体コーナレフレクタ20の、図3のような組み立て作業に際して、底部反射板21、左反射板22、右反射板23を、ねじ25a〜ねじ25cで仮止めした状態(図5(a))で、複数の組み立て調整用治具30を三面体コーナレフレクタ20の正面の略正三角形の輪郭の各角部から対向辺側にそれぞれ差し渡し、個々の組み立て調整用治具30が、他の組み立て調整用治具30に対して、2:1の長さの比率で交差するように、底部反射板21、左反射板22、右反射板23の交差角を調整してねじ25a〜ねじ25cで最終的に固定することで、これらの反射面A、反射面B、反射面Cが、互いに90度で正確に交差する状態に位置決めできる。すなわち、正確な反射面A、反射面B、反射面Cを有する三面体コーナレフレクタ20を組み立てることが可能になる。三面体コーナレフレクタ10の場合も同様である。
この組み立て調整用治具30を備えることで、分解(折り畳み)/組み立てを繰り返しても、反射面A〜反射面Cが正確な直角三角錐をなす三面体コーナレフレクタ10や三面体コーナレフレクタ20を実現できる。
上述の三面体コーナレフレクタ10および三面体コーナレフレクタ20は、実際の使用時には、互いに直交する三つの反射面A〜反射面Cの対称軸がレーザビームの到来方向に平行になるようになんらかの方法で支持される必要がある。
本実施の形態の場合には、図6および図7に例示される三脚取付治具40を用いて、三脚80に支持させる。すなわち、三脚取付治具40は、反射面Aを構成する底部反射板11または底部反射板21の背面を支持する傾斜支持板41と、三脚接続板42を備えている。傾斜支持板41は、貫通ねじ穴41aが設けられ、複数のレフレクタ固定ねじ43を用いて底部反射板11または底部反射板21の背面に密着するように固定される。なお、底部反射板11または底部反射板21の背面側には、レフレクタ固定ねじ43が螺合するための図示しないねじ穴が穿設されるが、このねじ穴は反射面Aの側に開口することはなく、また、反射面Aに凹凸が生じることがないように、底部反射板11または底部反射板21の板厚、穿設深さ、レフレクタ固定ねじ43の長さ等が設定されている。
また、三脚取付治具40は、三面体コーナレフレクタ10または三面体コーナレフレクタ20の正面から見た場合に、全体が底部反射板11または底部反射板21の背面側に隠蔽されるように各部の寸法が設定されている。また、傾斜支持板41の水平方向に対する傾斜角度は、三脚80に支持された状態で対称軸Zがほぼ水平方向になるように、面取り角度θmとほぼ等しく設定されている。
三脚接続板42の中央には、三脚80の上端が螺合する三脚ねじ穴42aが穿設されており、三脚80が着脱自在に固定される。
このような三脚取付治具40により、図6に例示されるように、組み立て状態の三面体コーナレフレクタ10または三面体コーナレフレクタ20は、その反射面A〜反射面Cの対称軸Zが水平になるように、三脚80に支持される。また、三面体コーナレフレクタ10または三面体コーナレフレクタ20に正対する方向から見た場合、三脚取付治具40は、底部反射板11または底部反射板21の背面側に完全に隠蔽されて不可視となる。これにより、三脚取付治具40がレーダビームのノイズ反射の要因となることもない。
なお、三脚取付治具40を支持する三脚80は見える状態となるが、この三脚80を電波吸収体で構成することで、三面体コーナレフレクタ10または三面体コーナレフレクタ20を正面から見た状態で、レーダビームの乱反射ノイズとなる要因はほぼ皆無となる。
組み立て後の三面体コーナレフレクタ10または三面体コーナレフレクタ20を使用する場合、対称軸Zをレーダシステム70のアンテナ71の主ビームに正対させる位置決め作業を行う必要がある。
このため、図10(b)に示されるように、三面体コーナレフレクタの対称軸Zが通るコーナ部に穴を開けて、レーザ源のような直線性発光体や反射鏡等のマーカ60を埋め込んで配置することも考えられるが、この場合、有効反射断面積(図13)が減少するとともに、マーカ60や設置穴がレーダビームの乱反射のノイズ源となる。
そこで、本実施の形態では、図8に例示されるようなマーカ取付治具50を用いて、位置決め作業の必要な時のみマーカ60を三面体コーナレフレクタ10または三面体コーナレフレクタ20の対称軸Z上に配置する構成とする。
すなわち、マーカ取付治具50は、可動支持部51を介して、基端部が反射面Bと反射面Cの合わせ面の頂点部分に支持され、先端部には、マーカ60を保持するためのマーカフック部52が設けられている。
そして、不使用時は、図8(a)のように、マーカ取付治具50を三面体コーナレフレクタ10または三面体コーナレフレクタ20の背面側に退避させておき、使用時には、図8(b)および図9のようにマーカ取付治具50のマーカフック部52を対称軸Z上に移動させて、図8(c)のようにマーカ60を保持させる。
そして、このマーカ60を目標にしてアンテナ71の主ビーム方向と対称軸Zとの位置合わせを行う。
また、三面体コーナレフレクタ10または三面体コーナレフレクタ20を反射体としたレーダビームの測定時にはレーダビームの入射した方向からマーカ60が見えないように、マーカ取付治具50およびマーカ60を三面体コーナレフレクタ10または三面体コーナレフレクタ20の背面側に折り畳んで隠れるようにする。
これにより、マーカ60の配置のために三面体コーナレフレクタ10や三面体コーナレフレクタ20の、入射波72aを反射波72bとして返す有効反射断面積(図13(a)〜(c))を減少させることなく、当該マーカ60を用いてレーダシステム70との位置合わせ作業が可能となる。
以上説明したように、本実施の形態の三面体コーナレフレクタ10および三面体コーナレフレクタ20によれば、図1に示すような三面体コーナレフレクタの金属板の各辺でのヒンジ結合による展開構造、もしくは、各反射板の各辺だけのねじ止めによる展開構造を有するので、個々の反射面A〜反射面Cを折り曲げない展開構造となり、三面体コーナレフレクタを用いた測定時における面精度への影響(図12)を及ぼさず組み立てることが可能となる。
換言すれば、面精度を損なうことなく、反射面A〜反射面Cの大型化による有効反射断面積(図13)の増大による反射ビームの利得増大と、分解/組み立てによる取り扱いの利便性向上とを両立させることができる。
また、図5に示すように、展開した三面体コーナレフレクタを組み立てる際に、組み立て調整用治具30を用いることで、各反射面A〜反射面Cの交差角度を90度に正確に再現可能となる。
さらに、組み立て時に入射ビーム方向からみて可視できないような面取り部14(面取り部24)を持つ底部反射板11〜右反射板13(底部反射板21〜右反射板23)にて三面体コーナレフレクタ10(三面体コーナレフレクタ20)を構成することで測定時の誤差を低減することができる。
また、実際に三面体コーナレフレクタ10や三面体コーナレフレクタ20を用いた図10(a)のようなレーダシステム70の性能評価等において、正確な受信電力を知る際には、三面体コーナレフレクタ10(三面体コーナレフレクタ20)が図11に示すような指向性をもっているためアンテナ71の中心軸が、対称軸Zに一致するように位置合わせを行う必要がある。
本実施の形態では、三面体コーナレフレクタ10(三面体コーナレフレクタ20)に対して、退避可能なようにマーカ60をマーカ取付治具50を用いて配置するので、マーカ取付治具50は測定位置調整時には図8(c)に示すように直進性発光媒体等からなるマーカ60を対称軸Z上に固定でき、この発光点を観測することでアンテナ71の位置を合わせることが可能である。また、測定時にはレーダビームの入射の障害にならないように、三面体コーナレフレクタ10(三面体コーナレフレクタ20)の背面に折り畳むことができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
(付記1)
互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、複数の前記反射板の境界の各辺を屈曲可能に結合するヒンジ結合部を含む展開構造を備えたことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記2)
付記1記載のレーダ用レフレクタにおいて、前記反射板に対するレーダビームの入射方向から見て、個々の前記反射板の端面の板厚が不可視となるように、個々の前記反射板の辺に面取部が設けられていることを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記3)
付記1記載のレーダ用レフレクタにおいて、組み立て状態の複数の前記反射板の対称軸上に、当該対称軸をレーダビームの入射方向に位置決めするための位置合わせマーカを移動自在に配置するマーカ取付治具を備えたことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記4)
付記1記載のレーダ用レフレクタにおいて、前記反射板の反射面を損なうことなく、かつレーダビームの入射方向から見て前記レーダ用レフレクタの背後に隠蔽されるように前記レーダ用レフレクタを支持するレフレンタ支持構造を備えたことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記5)
互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、複数の前記反射板の組み立て状態において、レーダビームの入射方向から不可視となるように個々の前記反射板に穿設された複数のねじ穴と、前記ねじ穴に螺合して複数の前記反射板を締結するねじと、を含むことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記6)
付記5記載のレーダ用レフレクタにおいて、組み立て時に複数の前記反射板の位置決めを行う組み立て治具を備えたことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記7)
付記5記載のレーダ用レフレクタにおいて、前記反射板に対するレーダビームの入射方向から見て、個々の前記反射板の端面の板厚が不可視となるように、個々の前記反射板の辺に面取部が設けられていることを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記8)
付記5記載のレーダ用レフレクタにおいて、組み立て状態の複数の前記反射板の対称軸上に、当該対称軸をレーダビームの入射方向に位置決めするための位置合わせマーカを移動自在に配置するマーカ取付治具を備えたことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記9)
付記5記載のレーダ用レフレクタにおいて、前記反射板の反射面を損なうことなく、かつレーダビームの入射方向から見て前記レーダ用レフレクタの背後に隠蔽されるように前記レーダ用レフレクタを支持するレフレンタ支持構造を備えたことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記10)
互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、組み立て状態の複数の前記反射板の対称軸上に、当該対称軸をレーダビームの入射方向に位置決めするための位置合わせマーカを移動自在に配置するマーカ取付治具を備えたことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記11)
互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、前記反射板に対するレーダビームの入射方向から見て、個々の前記反射板の端面の板厚が不可視となるように、個々の前記反射板の辺に面取部が設けられていることを特徴とするレーダ用レフレクタ。
(付記12)
三面体を分解可能な構造、かつ組み立てが可能な構造であることを特徴とする三面体コーナレフレクタにおいて、三面体コーナレフレクタの金属板の各辺だけのヒンジ結合による展開構造を有することで、各面の面精度を保持でき、ヒンジ結合部を固定すれば高精度に再現可能な構造をもつ組み立て可能な三面体コーナレフレクタ。
(付記13)
三面体を分解可能な構造、かつ組み立てが可能な構造であることを特徴とする三面体コーナレフレクタにおいて、取り付け治具を用い組み立て調整が可能な構造をもつ組み立て可能な三面体コーナレフレクタ。
(付記14)
付記12又は付記13において、入射ビームが三面体コーナレフレクタの対称軸にそって入射した場合、入射ビーム方向からみて、三脚に取り付け可能な治具が可視できない構造を有し、かつ三面体コーナレフレクタの金属板の厚さが入射方向からみて可視できないような構造をもつ三面体コーナレフレクタ。
(付記15)
付記12又は付記13、付記14記載の三面体コーナレフレクタにおいて、三面体コーナレフレクタの対称軸上にレーダアンテナ主ビームと正対するための直進性発光可能媒体、もしくは鏡を、三面体コーナレフレクタに取り付けられた治具により固定でき調整可能な構造をもつ三面体コーナレフレクタ。
(a)および(b)は、本発明の一実施の形態であるレーダ用レフレクタの構成の一例を示す分解組み立て図である。 (a)〜(c)は、その構成および作用を示す説明図である。 (a)および(b)は、反射板の結合にねじを用いる構成の三面体コーナレフレクタの例を示す分解組み立て図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、本発明の実施の形態である三面体コーナレフレクタを構成する底部反射板、左反射板、右反射板の構成を示す斜視図である。 (a)および(b)は、組み立て調整用治具を用いた三面体コーナレフレクタの組み立て方法を工程順に示す正面図である。 本発明の一実施の形態である三面体コーナレフレクタの支持構造の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である三面体コーナレフレクタの支持構造の一例を示す斜視図である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施の形態である三面体コーナレフレクタに備えられるマーカ取付治具の構成および作用を示す正面図である。 本発明の一実施の形態である三面体コーナレフレクタに備えられるマーカ取付治具の使用状態を示す略断面図である。 (a)および(b)は、本発明の一実施の形態である三面体コーナレフレクタを用いたレーダシステムの測定調整方法と、従来技術とを比較対照して示す概念図である。 レフレクタに対する入射角度の変化によって利得が変化することを示す説明図である。 レフレクタの反射面の凹凸と反射波の利得との関係を示す線図である。 (a)〜(c)は、レフレクタの有効反射断面積と入射波の入射角度の関係を示す説明図である。
符号の説明
10 三面体コーナレフレクタ
11 底部反射板
12 左反射板
13 右反射板
14 面取り部
15 ヒンジ
16 固定金具
20 三面体コーナレフレクタ
21 底部反射板
21a 貫通ねじ穴
21b 貫通ねじ穴
22 左反射板
22a 貫通ねじ穴
22b ねじ穴
23 右反射板
23a ねじ穴
23b ねじ穴
24 面取り部
25a ねじ
25b ねじ
25c ねじ
30 組み立て調整用治具
31 可動支持部
32 固定フック
40 三脚取付治具
41 傾斜支持板
41a 貫通ねじ穴
42 三脚接続板
42a 三脚ねじ穴
43 レフレクタ固定ねじ
50 マーカ取付治具
51 可動支持部
52 マーカフック部
60 マーカ
70 レーダシステム
71 アンテナ
72a 入射波
72b 反射波
80 三脚
A 反射面
B 反射面
C 反射面
Z 対称軸
θm 面取り角度

Claims (3)

  1. 互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、複数の前記反射板の境界の各辺を屈曲可能に結合するヒンジ結合部を含む展開構造を備えたことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
  2. 互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、複数の前記反射板の組み立て状態において、レーダビームの入射方向から不可視となるように個々の前記反射板に穿設された複数のねじ穴と、前記ねじ穴に螺合して複数の前記反射板を締結するねじと、を含むことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
  3. 互いに直交する反射板を組みあわせたレーダ用レフレクタであって、組み立て状態の複数の前記反射板の対称軸上に、当該対称軸をレーダビームの入射方向に位置決めするための位置合わせマーカを移動自在に配置するマーカ取付治具を備えたことを特徴とするレーダ用レフレクタ。
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