JP2006010824A - 電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 導電性支持体上に、少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、複数の電子輸送剤としての第1および第2の電子輸送剤と、正孔輸送剤と、を含む単層構造の感光層を備えた電子写真感光体およびそのような電子写真感光体を備えた画像形成装置であって、第1の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を−0.60〜−0.80V未満の範囲内の値とするとともに、前記第2の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を−0.80〜−1.20Vの範囲内の値とし、かつ、中性分子としての電子輸送剤からの還元電位を−0.80〜−1.40Vの範囲内の値とする。
【選択図】 図1
Description
より具体的には、参照電極に対して−0.94〜−1.10Vの還元電位を示す電子輸送剤を含む単層型の感光層が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、優れた感度特性と、耐久性のバランスを採るために、感光層が、少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、電子輸送剤(有機アクセプタ性化合物)と、正孔輸送剤(有機正孔移動物質)と、を含むとともに、電荷発生剤の酸化還元電位を、電子輸送剤(有機アクセプタ性化合物)のそれ以下の値とした感光層が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
そこで、本発明の発明者らは、上述の課題を鋭意検討した結果、複数の電子輸送剤を使用するとともに、これらの電子輸送剤におけるアニオンラジカルからの酸化電位をそれぞれ所定範囲内の値とするとともに、中性分子としての電子輸送剤からの還元電位を所定範囲内の値とすることにより、複数の電子輸送剤の種類にかかわらず、露光メモリの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、露光メモリの発生を抑制し、初期ばかりでなく、長時間連続印刷した場合であっても、優れた印刷特性が得られる電子写真感光体およびそのような電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することにある。
ここで、第1および第2の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を問題とするのは、複数の電子輸送剤における電子輸送は、還元状態であるアニオンラジカルからの一種の酸化反応と擬することができるためである。すなわち、複数の電子輸送剤におけるアニオンラジカルからの酸化電位を、それぞれ所定範囲内の値とすることにより、複数の電子輸送剤が段階的に酸化されやすくなり、電荷発生剤において発生した電荷を効率的かつ短時間に伝達することができることから、電子写真感光体における残留電位が低下して、露光メモリの発生を抑制できるものである。
また、さらに中性分子としての電子輸送剤からの還元電位を問題とするのは、還元状態であるアニオンラジカルが生成しやすくなければ、複数の電子輸送剤におけるアニオンラジカルからの酸化電位を、それぞれ所定範囲内の値としただけでは、電子写真感光体における残留電位が高くなる傾向があるためである。すなわち、中性分子としての電子輸送剤、例えば第1の電子輸送剤からの還元電位を所定範囲内の値とすることにより、電荷発生剤において発生した電荷を効率的かつ短時間に伝達すべく、還元状態としてのアニオンラジカルが容易に生成するためである。
一方、例えば第2の電子輸送剤が式(12)で表されるETM−Hの場合、図10に示すように、還元電位として認められる還元ピークが−1.05Vあたりに現れているとともに、アニオンラジカルが酸化されて、酸化ピークが−0.90Vあたりに現れている。
したがって、アニオンラジカルからの酸化電位がそれぞれ所定範囲である第1および第2の電子輸送剤として、ETM−BおよびETM−Hを所定割合で混合使用することにより、電荷発生剤において発生した電荷により、還元状態としてのアニオンラジカルが容易に生成するとともに、その電荷を効率的かつ短時間に伝達することができることから、電子写真感光体における残留電位が低下して、露光メモリの発生を抑制できるものである。
したがって、かかる電子写真感光体によれば、露光メモリの発生を抑制して、長時間連続印刷した場合であっても、優れた印刷特性を得ることができる。
なお、本発明の画像形成装置によれば、メモリ電位の発生が少ないために、電子写真感光体の周囲から除電工程を省いた方式とすることができ、画像形成装置の低コスト化や簡素化を図ることもできる。
第1の実施形態は、図1(a)に構成の概要を例示するように、導電性支持体としてのドラム素管13上に、少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、複数の電子輸送剤としての第1および第2の電子輸送剤と、正孔輸送剤と、を含む単層構造の感光層11を備えた電子写真感光体10であって、第1の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を−0.60〜−0.80V未満の範囲内の値とするとともに、第2の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を−0.80〜−1.20Vの範囲内の値とし、かつ、中性分子としての電子輸送剤からの還元電位を−0.80〜−1.40Vの範囲内の値とした電子写真感光体である。
なお、図1(b)および図1(c)に示す電子写真感光体10´、10´´は、それぞれ図1(a)に示す電子写真感光体10の変形例であって、下引層12あるいは表面保護層11aをそれぞれ設けた例である。
ドラム素管は、図1(a)〜(c)に示すように、単層型の感光層11を形成するための基材としての機能を果たしており、高速回転させることから円筒形状であることが好ましい。また、所定の長さ、肉厚、外形寸法を有することから、アルミニウムや、A5000系やA6000系のアルミニウム合金等を原料として、マンドレル法等により円筒加工した後、さらに引き抜き加工により形成したものが好ましい。
ただし、アルミニウム等をドラム素管の原料とした場合には、ドラム素管の表面における酸化がすすんで、電子写真感光体における帯電電位が変化する場合がある。そのため、ドラム素管の表面に陽極酸化処理を施して、強制的に陽極酸化膜を形成することが好ましい。そして、ドラム素管と、感光層との間の密着性を改善し、電子写真感光体による長期印刷時における黒点の発生を防止するために、陽極酸化膜に所定のクラックを強制的に形成することも好ましい。
この理由は、かかる陽極酸化膜の厚さが4μm未満の値になると、ドラム素管の表面における酸化防止効果が発揮されずに、電子写真感光体における帯電電位が変化しやすくなる場合があるためである。一方、陽極酸化膜の厚さが12μmを超えても、残留メモリ等が発生しやすくなり、そのために電子写真感光体における帯電電位が不安定になって、所望の値に制御することが困難となる場合があるためである。
したがって、陽極酸化膜の厚さを5μm〜10μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
感光層は、図1(a)〜(c)に示すように、結着樹脂と、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、を単一層に含む単層型の感光層11であることを特徴とする。
単層型の感光体に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等が使用可能である。
また、電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン(τ型またはX型)、チタニルフタロシアニン(α型またはY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、およびクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、このような電荷発生剤を使用することにより、正孔輸送剤および電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性および安定性等が優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
このような電荷発生剤の種類としては、オキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体や、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンといった無機光導電剤等の一種単独または二種以上の混合物が挙げられる。
この理由は、かかる電荷発生剤の添加量が0.2重量部未満の値になると、量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度、電気特性、安定性等が低下する場合があるためである。一方、かかる電荷発生剤の添加量が40重量部を超えると、赤外ないし近赤外領域に波長を有する光に対する吸光係数を大きくする効果が不十分となり、やはり、感光体の感度特性、電気特性、および安定性等が低下する場合があるためである。
したがって、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、電子輸送剤として、複数の電子輸送剤としての第1および第2の電子輸送剤を使用することが好ましい。
この理由は、かかる複数の電子輸送剤を使用するとともに、それぞれの酸化電位を所定範囲内の値とすることにより、電荷発生剤において発生した電荷を効率的かつ短時間に伝達することができるためである。したがって、かかる電子写真感光体によれば、露光メモリの発生を抑制して、長時間連続印刷した場合であっても、優れた印刷特性を得ることができる。
この理由は、一部上述したように、複数の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位および、中性分子としての電子輸送剤からの還元電位をそれぞれ所定範囲内の値とすることにより、複数の電子輸送剤が段階的に酸化されやすくなり、電荷発生剤において発生した電荷を効率的かつ短時間に伝達することができるとともに、還元状態としてのアニオンラジカルの生成が容易になるためである。よって、露光メモリの発生を抑制して、電子写真感光体の周囲から除電工程を省いた状態で、長時間連続印刷した場合であっても、優れた印刷特性を得ることができる。
したがって、第1の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を−0.62〜−0.78Vの範囲内の値とするとともに、第2の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を−0.82〜−1.18Vの範囲内の値とし、かつ、中性分子としての電子輸送剤からの還元電位を−0.82〜−1.30Vの範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、複数の電子輸送剤の添加比率をそれぞれ所定範囲内の値とすることにより、初期および長時間連続印刷後の露光メモリの発生がバランス良く抑制されて、優れた印刷特性を得ることができるためである。
したがって、Aw/Bwで表される添加比率を0.5〜8の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、複数の電子輸送剤の添加量をそれぞれ所定範囲内の値とすることにより、初期および長時間連続印刷後の露光メモリの発生がバランス良く抑制されて、優れた印刷特性を得ることができるためである。
したがって、第1の電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、20〜40重量部の範囲内の値とするとともに、第2の電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、5〜25重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、第1の電子輸送剤および第2の電子輸送剤の少なくとも一つの電子移動度をこのような範囲内の値とすることにより、さらに長時間連続印刷した場合であっても、優れた印刷特性を得ることができるためである。
したがって、第1の電子輸送剤および第2の電子輸送剤の少なくとも一つの電子移動度を1×10-6cm2/(V・sec)以上の値とすることがより好ましい。
なお、かかる電子移動度は、次のようにして測定することができる。すなわち、該当する電子輸送材料を平均分子量50,000のポリカーボネート樹脂中に、40重量%の濃度になるように添加したものを測定試料用の塗布液とする。次いで、得られた塗布液を基材上に塗布し、80℃で30分間熱処理を行って、膜厚7μmの測定資料とする。そして、このようにして得られた測定試料を、常温下で、通常のTOF(Time of Flight)法を用い、電界強度を5×105v/cmの一定値として、電子移動度を測定する。
また、正孔輸送剤としては、従来、感光体に使用されている種々の正孔輸送剤を使用することができる。
このような正孔輸送剤としては、例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
この理由は、かかる正孔輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下する場合があるためである。一方、かかる正孔輸送剤の添加量が80重量部を超えると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、かかる正孔輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、30〜70重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、感光層の厚さを1〜40μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる感光層の厚さが1μm未満の値になると、感光層の機械的強度が低下したり、感光層の平滑性が低下したりする場合があるためである。一方、感光層の厚さが40μmを超えると、均一な厚さに形成することが困難になったり、逆に感度が低下したりする場合があるためである。
したがって、かかる感光層の厚さを5〜35μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
電子写真感光体の製造方法は特に制限されるものではないが、例えば、単層型の感光層を形成する場合には、例えば、超音波分散機にて、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送性剤と、結着樹脂と、レベリング剤と、溶媒と、を混合分散させて、塗布液を作成した後、アルマイト処理済みアルミニウム素管上に、ディップコート法にて塗布して形成することが好ましい。
第2の実施形態は、第1の実施の形態で示した電子写真感光体を備えた画像形成装置に関するものである。
図12に、本発明に係る画像形成装置50の基本構成を示す。かかる画像形成装置50は、ドラム型の感光体10を備えており、この感光体10の周囲には、矢印Aで示す回転方向に沿って、一次帯電器14a、露光装置14b、現像器14c、転写帯電器14d、分離帯電器14e、およびクリーニング装置18が順次に配設されて構成されている。
また、記録材Pを矢印Bで示す搬送方向に沿って、その上流側から順に、給紙ローラ19a、19bおよび搬送ベルト21によって搬送し、その途中に、トナーを定着させて画像形成するための定着ローラ22aおよび加圧ローラ22bが配設されている。
そして、感光体10は、下引層12を支持基体13上に備えている。したがって、均一な厚さを有する中間層であるとともに、長時間にわたって、優れた電気特性や画像特性を示すことができる。
次いで、図12を参照しながら、画像形成装置50の基本動作について説明する。
まず、かかる画像形成装置50の感光体10を、駆動手段(図示せず)によって、矢印Aで示す方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転させるとともに、その表面を一次帯電器14aによって所定の極性および電位に帯電させる。例えば、導電性弾性ローラを感光体表面に接触させる方式の場合には、1〜2KV程度の直流電圧を印加して、50〜2000Vに正帯電させることが好ましい。
次いで、レーザーやLED等の露光装置14bにより、画像情報に応じて光変調されながら反射ミラー等を介して、光を照射して、感光体10の表面を露光する。この露光により、感光体10の表面に静電潜像が形成される。
次いで、感光体10上に形成されたトナー像は、記録材Pに転写される。この記録材Pは、給紙カセット(図示せず)から、給紙ローラ19a、19bによって給紙された後、感光体10上のトナー像とタイミングが同期するように調整して、感光体10と転写帯電器14dとの間の転写部に供給される。そして、感光体10上のトナー像は、転写帯電器14dに、所定の転写バイアスを印加することにより、記録材P上に確実に転写することができる。
一方、トナー像転写後の感光体10はそのまま回転を続け、転写時に記録材Pに転写されなかった残留トナー(付着物)が感光体11の表面から、クリーニング装置18によって除去されるとともに、感光体10は、次の画像形成に供されることになる。
そして、上述したように、感光体10は、第1の実施形態で説明した所定の下引層12を支持基体13上に備えているため、長時間にわたって、優れた電気特性や画像特性を示すことができる。
(1)電子写真感光体の作成
容器内に、結着樹脂として、式(15)で表される粘度平均分子量30,000のZ型ポリカーボネート樹脂(Resin−A)を100重量部と、電荷発生剤として、式(1)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−A)を2.0重量部と正孔輸送剤として、下式(14)で表されるビススチルベン誘導体(HTM−A)を40重量部と、第1の電子輸送剤として、式(5)で表されるジナフトキノン誘導体(ETM−A)を20重量部と、第2の電子輸送剤として、式(12)で表されるナフトキノン誘導体(ETM−H)を5重量部と、レベリング剤としてのジメチルシリコーンオイルであるKF−96−50CS(信越化学工業製)を0.1重量部と溶媒としてのテトラヒドロフラン800重量部を収容した後、ボールミルにて24時間混合分散して、塗布液を作成した。
得られた塗布液を、直径30mm、長さ254mmの陽極酸化膜を備えたアルミニウム素管上に、ディップコート法により塗布した。その後、130℃、30分間の条件で熱風乾燥して、感光層の膜厚が25μmである単層型の電子写真感光体を得た。
また、測定溶液としては、電界質として用いる過塩素酸t-ブチルアンモニウム0.1モルと、電子輸送剤0.001モルとを、ジクロロメタン1リットル中に溶解したものを用い、掃引電圧速度を−0.1V/secとして、電流値を測定した。そして、図13に示すように、酸化反応が生じた時点(Ox1)の電位をアニオンラジカルからの酸化電位(E1)とし、還元反応が生じた時点(Re1)の電位を中性分子としての電子輸送剤からの還元電位(E2)とした。
得られた電子写真感光体を、除電ランプを取り除いたマルチファンクションプリンタAntico40(京セラミタ(株)製)に搭載した後、表面電位が700Vになるように帯電させて、未露光時の表面電位を測定した。その後、波長780nmの単色光(ドラム面光強度:1.5μJ/cm2)を露光しその後の次帯電工程後の表面電位を測定し、未露光時の表面電位との差を露光メモリ電位とした。得られた結果を表1に示す。
得られた電子写真感光体を、除電ランプを取り除いたマルチファンクションプリンタAntico40に搭載した後、図14に示すメモリ画像評価用原稿をA4紙に対して1万枚の連続印刷を行い、下記基準に準じて、目視にて画像評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
◎:グレー部に露光メモリの発生が全く観察されない。
○:グレー部に露光メモリの発生がほとんど観察されない。
△:グレー部に露光メモリの発生が少々観察される。
×:グレー部に露光メモリの顕著な発生が観察される。
実施例2〜7では、表1に示すように、本発明の範囲内において、酸化還元電位が異なるように、第1の電子輸送剤および第2の電子輸送剤の種類を変えたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を作成して、それぞれ評価した。
比較例1〜4では、表1に示すように、本発明の範囲外において、酸化還元電位が異なるように、第1の電子輸送剤の種類を式(5)〜(7)あるいは(11)で表される電子輸送剤(ETM−A〜C、G)に変え、第2の電子輸送剤を添加しなかったほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を作成して、それぞれ評価した。
比較例5では、表1に示すように、本発明の範囲外において、酸化還元電位が異なるように、第1の電子輸送剤の種類を式(11)で表される電子輸送剤(ETM−G)を用い、第2の電子輸送剤を式(12)で表される電子輸送剤(ETM−H)を添加したほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を作成して、それぞれ評価した。
したがって、電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置の高速化や高性能化、さらには低コスト化に資することができる。
11:感光層
11a:表面保護層
12:下引層(中間層)
13:ドラム素管
44:酸化還元電位の測定装置
50:画像形成装置
100:メモリ画像評価用原稿
Claims (8)
- 導電性支持体上に、少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、複数の電子輸送剤としての第1および第2の電子輸送剤と、正孔輸送剤と、を含む単層構造の感光層を備えた電子写真感光体であって、
前記第1の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を−0.60〜−0.80V未満の範囲内の値とするとともに、前記第2の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を−0.80〜−1.20Vの範囲内の値とし、かつ、中性分子としての電子輸送剤からの還元電位を−0.80〜−1.40Vの範囲内の値とすることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記第1の電子輸送剤の添加量をAwとし、第2の電子輸送剤の添加量をBwとしたときに、Aw/Bwで表される添加比率を0.1〜10の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記第1の電子輸送剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、10〜50重量部の範囲内の値とするとともに、前記第2の電子輸送剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、1〜30重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記第1の電子輸送剤および第2の電子輸送剤の少なくとも一つの電子移動度を5×10-7cm2/(V・sec)以上の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体の周囲に帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を順次備えた正帯電反転現象方式の画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、導電性支持体上に、少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、複数の電子輸送剤としての第1および第2の電子輸送剤と、正孔輸送剤と、を含む単層構造の感光層を備えるとともに、
前記第1の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を−0.60〜−0.80V未満の範囲内の値とするとともに、前記第2の電子輸送剤のアニオンラジカルからの酸化電位を−0.80〜−1.20Vの範囲内の値とし、かつ、中性分子としての電子輸送剤からの還元電位を−0.80〜−1.40Vの範囲内の値とすることを特徴とする画像形成装置。 - 帯電電位を850〜150Vに減衰させるために必要な露光エネルギーを1μJ/cm2以下の値とすることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 初期メモリ電位を50V以下の値とすることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
- A4紙、1万枚印刷時のメモリ電位を130V以下の値とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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