JP2006010225A - 石炭ガス化複合発電設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微粉炭を処理して気体燃料に変換する石炭ガス化炉と、気体燃料を燃料として運転されるガスタービン設備5と、ガスタービン設備5の燃焼排ガスを導入する排熱回収ボイラ30で生成した蒸気により運転される蒸気タービン設備7と、ガスタービン設備5及び蒸気タービン設備7と連結された発電機Gとを備え、排熱回収ボイラ30から排出される燃焼排ガスを脱硫して大気放出する排煙脱硫方式の石炭ガス化複合発電設備1において、排熱回収ボイラ30が、主熱交換器43の下流側にボイラ給水を予熱する耐酸性給水加熱器42を備えている構成とした。
【選択図】図2
Description
この腐食を防止するためには、排熱回収ボイラ出口ガス温度を硫酸の露点(130℃)温度よりも高く(たとえば150℃程度)設定する必要がある。しかし、排熱回収ボイラ出口ガス温度を高く設定することは、排熱回収ボイラでガスタービン排気ガスから回収されるガスの熱エネルギーが減少することを意味するので、このガスを利用する蒸気タービンの出力が減少し、プラント効率が下がることとなる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、硫酸により熱交換器が腐食する問題を解決し、排熱回収ボイラ出口ガス温度を硫酸の露点以下に設定して高効率化を達成できる石炭ガス化複合発電設備を提供することにある。
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備は、微粉炭を処理して気体燃料に変換する石炭ガス化炉と、前記気体燃料を燃料として運転されるガスタービン設備と、前記ガスタービン設備の燃焼排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により運転される蒸気タービン設備と、前記ガスタービン設備及び/又は前記蒸気タービン設備と連結された発電機とを備え、前記排熱回収ボイラから排出される前記燃焼排ガスを脱硫して大気放出する排煙脱硫方式の石炭ガス化複合発電設備において、
前記排熱回収ボイラの下流側にボイラ給水を予熱する耐酸性給水加熱器を備えていることを特徴とするものである。
この場合、前記耐酸性給水加熱器は、前記燃焼排ガスの温度が硫酸の露点より低くなる領域に設置されることが好ましく、これにより、高価な耐酸性給水加熱器の使用を最小限に抑えて燃焼排ガスの保有する熱エネルギーを有効に利用することができる。
すなわち、洗浄の対象とする部分のガス流れ方向を下方とすることにより、耐酸性熱交換器等を運転中に洗浄を行うことができる。洗浄後の水は後流の排煙脱硫設備へ流入するため、特段排水処理設備を付加する必要もない。
図1に示されているように、石炭を燃料とする石炭ガス化複合発電設備(IGCC;Integrated Coal Gasification Combined Cycle)1は、主として、石炭ガス化炉3と、ガスタービン設備5と、蒸気タービン設備7とを備えている。
石炭ガス化炉3の上流側には、石炭ガス化炉3へと微粉炭を供給する石炭供給設備10が設けられている。この石炭供給設備10は、原料炭を粉砕して数μm〜数百μmの微粉炭とする粉砕機(図示せず)を備えており、この粉砕機によって粉砕された微粉炭が複数のホッパ11,11…に貯留されるようになっている。
石炭ガス化炉3は、下方から上方へとガスが流されるように形成された石炭ガス化部3aと、石炭ガス化部3aの下流側に接続されて、上方から下方へとガスが流されるように形成された熱交換部3bとを備えている。
石炭ガス化部3aには、下方から、コンバスタ13及びリダクタ14が設けられている。コンバスタ13は、微粉炭及びチャーの一部分を燃焼させ、残りは熱分解により揮発分(CO,H2 ,低級炭化水素)として放出させる部分である。コンバスタ13には噴流床が採用されている。しかし、流動床式や固定床式であっても構わない。
コンバスタバーナ13aには、空気昇圧機17からの空気が、空気分離装置13において分離された酸素とともに供給されるようになっている。このようにコンバスタバーナ13aには酸素濃度が調整された空気が供給されるようになっている。
リダクタ14では、コンバスタ13からの高温燃焼ガスによって微粉炭がガス化される。これにより、石炭からCOやH2 等の可燃性ガスが生成される。石炭ガス化反応は、微粉炭及びチャー中の炭素が高温ガス中のCO2 及びH2O と反応してCOやH2 を生成する吸熱反応である。
熱交換部3bを通過したガスは、チャー回収装置20へと導かれる。このチャー回収装置20は、ポーラスフィルタを備えており、ポーラスフィルタを通過させることによってガスに混在するチャーを捕捉して回収する。このように回収されたチャーは、空気分離装置13において分離された窒素とともに石炭ガス化炉のコンバスタバーナ13aへと返送されてリサイクルされる。
チャー回収装置20とガスタービン設備5の燃焼器5aとの間には、分岐路22が設けられており、この分岐路22の下流には、開閉弁23を介してフレアシステム24が設けられている。フレアシステム24は、石炭ガス化炉3の起動時において生成される発熱量の少ないガスを燃焼させて処理する設備である。
ガスタービン5bを通過した燃焼排ガス(ガスタービン排気ガス)は、排熱回収ボイラ(HRSG)30へと導かれる。
ガスタービン5b及び蒸気タービン7bによって駆動される回転軸5dから電気を出力する発電機Gが、蒸気タービン設備7を挟んでガスタービン設備5の反対側に設けられている。なお、発電機の配置位置については、この位置に限られず、回転軸5dから電気出力が得られるようであればどの位置であっても構わない。
脱硫装置32を通過したガスは、湿式電気集塵機(wet−EP)34及び誘引ファン(BUF)36を通過して煙突38から大気へと放出される。
排熱回収ボイラ30は、ガスタービン5bで仕事をした燃焼排ガスの供給を受け、ボイラ給水を加熱して蒸気を生成する。ボイラ給水が循環するボイラ水配管系40は、給水ポンプ41、耐酸性給水加熱器42、主熱交換器43、蒸気タービン7b及び復水器44が配管45により連結された閉回路を形成している。
給水ポンプ41は、ボイラ水配管系40を循環し、給水、蒸気及び復水の順に状態変化を繰り返すボイラ給水の送出手段である。
ここで採用する耐酸性給水加熱器42には、燃焼排ガスと接する全ての面に耐酸性皮膜を形成したものが採用される。燃焼排ガス中に含まれる硫黄分から生成される硫酸に有効な耐酸性皮膜としては、たとえばテフロン(登録商標)等のフッ素樹脂(4フッ化エチレン樹脂)皮膜、溶射により形成したクロム(Cr)皮膜、CrまたはNi−Cr合金のアンダーコートとセラミック質のCr2 O3 よりなるトップコートとの複合被膜等がある。
なお、復水器44は、蒸気タービン7bで仕事をした蒸気を冷却して水に戻すための熱交換器である。
なお、図中の符号70は吸収液循環ポンプ、71はノズルを示している。
原料炭は粉砕機(図示せず)で粉砕された後、ホッパ11へと導かれて貯留される。ホッパ11に貯留された微粉炭は、空気分離装置15において分離された窒素とともに、リダクタバーナ14a及びコンバスタバーナ13aへと供給される。さらに、コンバスタバーナ13aには、微粉炭だけでなく、チャー回収装置20において回収されたチャーが供給される。
コンバスタバーナ13aの燃焼用空気としては、タービン圧縮機5cから抽気した圧縮空気をさらに空気昇圧機17によって昇圧した圧縮空気に、空気分離機13において分離された酸素が添加された空気が使用される。コンバスタ13では、微粉炭及びチャーが燃焼用空気によって部分燃焼させられ、残部は揮発分(CO,H2 ,低級炭化水素)へと熱分解させられる。
リダクタ14を通過したガスは、石炭ガス化炉3の熱交換部3bを通過しつつ各熱交換器にその顕熱を与え、蒸気を発生させる。熱交換部3bで発生させた蒸気は、主として、蒸気タービン7bの駆動のために用いられる。
熱交換部3bを通過したガスは、チャー回収装置20へと導かれ、チャーが回収される。回収されたチャーは、石炭ガス化炉3へと返送される。
なお、石炭ガス化炉3の起動時には、ガスタービン設備5の燃焼器5aに供給しうる程度の発熱量を有するガスが得られないので、開閉弁23を開けてフレアシステム24へと低発熱量ガスを導き、フレアシステム24において焼却処理する。
すなわち、燃焼排ガスが保有する熱エネルギーを有効に利用するため、主熱交換器43により高温の燃焼排ガスと予熱されたボイラ給水とを熱交換して効率よく蒸気を発生させ、さらに、耐酸性給水加熱器42により温度低下した燃焼排ガスが低温のボイラ給水を予熱するという2段階の加熱を行って熱エネルギーの有効利用を可能にしている。
排熱回収ボイラ30を通過した燃焼排ガスは、脱硫装置32へと導かれ、ここで硫黄分が除去される。この後、誘引ファン36により吸引された燃焼排ガスは、湿式電気集塵機34を通過して燃焼排ガス中の煤塵及び硫酸ミストが除去され、さらに、放熱器52を通過して白煙が生じない温度まで加熱された後、煙突36から大気へと放出される。
3 石炭ガス化炉
5 ガスタービン設備
5a 燃焼器
5b ガスタービン
5c ターボ圧縮機
5d 回転軸
7 蒸気タービン設備
7b 蒸気タービン
10 石炭供給設備
20 チャー回収装置
24 フレアシステム
30 排熱回収ボイラ(HRSG)
32 脱硫装置(FGD)
38 煙突
40 ボイラ水配管系
41 給水ポンプ
42 耐酸性給水加熱器
43 主熱交換器
44 復水器
50 ガス−ガス熱交換器
51 吸熱器
52 放熱器
60 洗浄水ライン
61 噴霧ノズル
G 発電機
Claims (3)
- 微粉炭を処理して気体燃料に変換する石炭ガス化炉と、
前記気体燃料を燃料として運転されるガスタービン設備と、
前記ガスタービン設備の燃焼排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により運転される蒸気タービン設備と、
前記ガスタービン設備及び/又は前記蒸気タービン設備と連結された発電機とを備え、
前記排熱回収ボイラから排出される前記燃焼排ガスを脱硫して大気放出する排煙脱硫方式の石炭ガス化複合発電設備において、
前記排熱回収ボイラの下流側にボイラ給水を予熱する耐酸性給水加熱器を備えていることを特徴とする石炭ガス化複合発電設備。 - 前記耐酸性給水加熱器は、前記燃焼排ガスの温度が硫酸の露点より低くなる領域に設置されることを特徴とする請求項1に記載の石炭ガス化複合発電設備。
- 前記耐酸性給水加熱器の上流側に洗浄水噴射手段を設け、かつ前記燃焼排ガスの流れ方向を下向きとしたことを特徴とする請求項1または2に記載の石炭ガス化複合発電設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004188886A JP2006010225A (ja) | 2004-06-25 | 2004-06-25 | 石炭ガス化複合発電設備 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004188886A JP2006010225A (ja) | 2004-06-25 | 2004-06-25 | 石炭ガス化複合発電設備 |
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JP (1) | JP2006010225A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7814742B2 (en) | 2006-12-13 | 2010-10-19 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Integrated coal gasification combined cycle plant |
WO2019176119A1 (ja) * | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 関西電力株式会社 | ボイラ設備及び火力発電設備 |
-
2004
- 2004-06-25 JP JP2004188886A patent/JP2006010225A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7814742B2 (en) | 2006-12-13 | 2010-10-19 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Integrated coal gasification combined cycle plant |
WO2019176119A1 (ja) * | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 関西電力株式会社 | ボイラ設備及び火力発電設備 |
JPWO2019176119A1 (ja) * | 2018-03-16 | 2020-12-03 | 関西電力株式会社 | ボイラ設備及び火力発電設備 |
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