JP2006010227A - 石炭ガス化複合発電設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 微粉炭を気体燃料に変換する石炭ガス化炉3と、気体燃料を燃料として運転されるガスタービン設備5と、ガスタービン設備5の燃焼排ガスを導入する排熱回収ボイラ30で生成した蒸気により運転される蒸気タービン設備7と、ガスタービン設備5および/または蒸気タービン設備7に連結された発電機Gと、を備えた石炭ガス化複合発電設備1において、排熱回収ボイラ30から排出される燃焼排ガスから硫黄分を除去する脱硫設備32と、硫黄分および煤塵を除去する湿式電気集塵設備33と、が備えられていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
そこで、上述の問題などを解決、または回避するために、硫黄分を除去する設備をガスタービンの排気側に配置した石炭ガス化複合発電設備が提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。
また、特許文献2に開示されている石炭ガス化複合発電設備でも同様に、ガスタービンの排気中の硫黄分を脱硫設備により取り除いていた。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の石炭ガス化複合発電設備では、SO3や硫安を主成分とする煤塵は取り除くことができず、硫黄分や煤煙の除去が十分に行われていないという問題があった。
本発明の石炭ガス化複合発電設備は、微粉炭を処理して気体燃料に変換する石炭ガス化炉と、前記気体燃料を燃料として運転されるガスタービン設備と、前記ガスタービン設備の燃焼排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により運転される蒸気タービン設備と、前記ガスタービン設備および/または前記蒸気タービン設備に連結された発電機と、を備え、前記排熱回収ボイラから排出される前記燃焼排ガスを脱硫して大気放出する排煙脱硫方式の石炭ガス化複合発電設備において、前記排熱回収ボイラから排出される前記燃焼排ガスから硫黄分を除去する脱硫設備と、前記脱硫設備から排出される前記燃焼排ガスから硫黄分および煤塵を除去する湿式電気集塵設備と、が備えられていることを特徴とする。
本発明によれば、気体燃料に含まれるチャーを回収して石炭ガス化炉に戻すことができるので、供給された微粉炭を効率よく気体燃料に変換することができる。そのため、発電に貢献する微粉炭の割合を向上させることができ、発電効率を向上させることができる。
気体燃料からNa分およびK分が除去されると、ガスタービン設備における腐食の発生を防止することができる。気体燃料中には多量の硫黄分が含まれるが、Na,Kが存在しない環境ではガスタービン設備のガスタービンに腐食を生じない。そのため、気体燃料から硫黄分を取り除かなくてもガスタービン設備の運転に支障を生じない。
本発明によれば、ガスタービン設備が、燃焼排ガスの経路に配置された脱硫設備などの圧損の影響を受けることを防止することができる。そのため、ガスタービン設備を効率の良い条件で安定して運転させることができ、石炭ガス化複合発電設備の発電効率を向上させることができる。
また、石炭ガス化炉から湿式ガス精製設備を経ないでガスタービン設備に気体燃料を供給するため、石炭ガス化複合発電設備の発電効率を向上できるという効果を奏する。
以下、本発明の第1の実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備について図1を参照して説明する。
図1に示されているように、本実施形態に係る石炭を燃料とする石炭ガス化複合発電設備(IGCC;Integrated Coal
Gasification Combined Cycle)1は、主として、石炭ガス化炉3と、ガスタービン設備5と、蒸気タービン設備7と、排熱回収ボイラ(HRSG)30と、を備えている。
各ホッパ11に貯留された微粉炭は、一定流量ずつ空気分離装置13から供給される窒素とともに石炭ガス化炉3へと搬送される。
石炭ガス化部3aには、下方から、コンバスタ13およびリダクタ14が設けられている。コンバスタ13は、微粉炭およびチャーの一部分を燃焼させ、残りは熱分解により揮発分(CO,H2,低級炭化水素)として放出させる部分である。コンバスタ13には噴流床が採用されている。しかし、流動床式や固定床式であっても構わない。
コンバスタ13及びリダクタ14には、それぞれ、コンバスタバーナ13a及びリダクタバーナ14aが設けられており、これらバーナ13a,14aに対して石炭供給設備10から微粉炭が供給される。
コンバスタバーナ13aには、空気昇圧機17からの空気が、空気分離装置13において分離された酸素とともにガス化剤として供給されるようになっている。このようにコンバスタバーナ13aには酸素濃度が調整された空気が供給されるようになっている。
リダクタ14では、コンバスタ13からの高温燃焼ガスによって微粉炭がガス化される。これにより、石炭からCOやH2等の気体燃料となる可燃性ガスが生成される。石炭ガス化反応は、微粉炭およびチャー中の炭素が高温ガス中のCO2及びH2Oと反応してCOやH2を生成する吸熱反応である。
熱交換部3bを通過したガスは、チャー回収装置(回収部)20へと導かれる。このチャー回収装置20は、ポーラスフィルタを備えており、ポーラスフィルタを通過させることによってガスに混在するチャーを捕捉して回収する。捕捉されたチャーはポーラスフィルタに堆積してチャー層を形成している。チャー層には、ガスに含まれるNa分およびK分が凝縮し、結果的にチャー回収装置20においてNa分およびK分も除去される。
このように回収されたチャーは、空気分離装置13において分離された窒素とともに石炭ガス化炉のコンバスタバーナ13aへと返送されてリサイクルされる。
なお、チャーとともにコンバスタバーナ13aへと返送されたNa分およびK分は、最終的に溶融した微粉炭の灰とともに石炭ガス化部3aの下方から排出される。溶融排出された灰は水で急冷、破砕されガラス状のスラグとなる。
チャー回収装置20とガスタービン設備5の燃焼器5aとの間には、分岐路22が設けられており、この分岐路22の下流には開閉弁23を介してフレアシステム24が設けられている。フレアシステム24は、石炭ガス化炉3の起動時において生成される発熱量の少ないガスを燃焼させて処理する設備である。
ガスタービン5bを通過した燃焼排ガスは、排熱回収ボイラ30へと導かれる。
ガスタービン5b及び蒸気タービン7bによって駆動される回転軸5dから電気を出力する発電機Gが、蒸気タービン設備7を挟んでガスタービン設備5の反対側に設けられている。なお、発電機の配置位置については、この位置に限られず、回転軸5dから電気出力が得られるようであればどの位置であっても構わない。
Desulfurization)32が設けられている。この脱硫設備32によって、排ガス中の硫黄分が取り除かれるようになっている。脱硫設備32としては、例えば石灰石―石膏法を用いた脱硫設備や水酸化マグネシウムスラリー法を用いた脱硫設備など、公知の脱硫設備を用いることができる。この脱硫設備32により、主に排ガス中のSO2が取り除かれる。
原料炭は粉砕機(図示せず)で粉砕された後、ホッパ11へと導かれて貯留される。ホッパ11に貯留された微粉炭は、空気分離装置13において分離された窒素とともに、リダクタバーナ14a及びコンバスタバーナ13aへと供給される。さらに、コンバスタバーナ13aには、微粉炭だけでなく、チャー回収装置20において回収されたチャーが供給される。
リダクタ14では、リダクタバーナ14aから供給された微粉炭およびコンバスタ13内で揮発分を放出したチャーが、コンバスタ13から上昇してきた高温ガスによりガス化され、COやH2等の可燃性ガスが生成される。
リダクタ14を通過したガスは、石炭ガス化炉3の熱交換部3bを通過しつつ各熱交換器にその顕熱を与え、蒸気を発生させる。熱交換部3bで発生させた蒸気は、主として、蒸気タービン7bの駆動のために用いられる。
熱交換部3bを通過したガスは、チャー回収装置20へと導かれ、チャーが回収される。ガス中のNa分およびK分は、ここで凝縮してチャーに取り込まれる。回収されたNa分およびK分を含むチャーは、石炭ガス化炉3へと返送される。
なお、石炭ガス化炉3の起動時には、ガスタービン設備5の燃焼器5aに供給しうる程度の発熱量を有するガスが得られないので、開閉弁23を開けてフレアシステム24へと低発熱量ガスを導き、フレアシステム24において焼却処理する。
蒸気タービン7bは、石炭ガス化炉3からの蒸気および排熱回収ボイラ30からの蒸気によって回転させられ、ガスタービン設備5と同一の回転軸5bを駆動させる。回転軸5bの回転力は、発電機Gによって電気出力へと変換される。
脱硫設備32により硫黄分(SO2)が除去された燃焼排ガスには、なおミスト状の硫黄分(SO3)および主に硫安からなる煤塵が含まれているため、湿式電気集塵設備33で除去される。煤塵は湿式電気集塵設備33の集塵作用で除去され、SO3もミスト状になっているため湿式電気集塵設備33の本来の集塵作用で除去される。
硫黄分(SO2,SO3)および煤塵が取り除かれた燃焼排ガスは、誘引ファン34を経由して煙突35から大気へと放出される。誘引ファン34は、ガスタービン設備5から排出された燃焼排ガスを誘引し、煙突35に向けて圧送している。
また、本実施形態の石炭ガス化複合発電設備1においては、ガス化剤として酸素が添加された空気が使用される、いわゆる空気吹き方式に適用して説明している。この空気吹きの石炭ガス化複合発電設備1は、いわゆる酸素吹き方式と比較して、設備内を流れる気体の流量が多くなり、例えば酸素吹き方式の略2倍の流量となる。燃焼排ガス中の硫黄分は所定濃度(例えば略50ppm)で平衡状態になるため、設備内を流れる気体の流量が多くなるほど硫黄分の排出量が多くなる。そのため、本実施形態のような空気吹きの石炭ガス化複合発電設備1においては、煙突35から排出される燃焼排ガス中に含まれる硫黄分の低減効果をより発揮することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図2を参照して説明する。
本実施の形態の石炭ガス化複合発電設備の基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、排熱回収ボイラより後流側の構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図2を用いて排熱回収ボイラより後流側の構成のみを説明し、石炭ガス化炉等の説明を省略する。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備51は、図2に示すように、主として、石炭ガス化炉3と、ガスタービン設備5と、蒸気タービン設備7と、排熱回収ボイラ30とを備えている。
Carbon Fiber)が備えられている。排ガス中の硫黄分(SO2、SO3)および煤塵は、この活性炭素脱硫設備52によって取り除かれるようになっている。
活性炭素脱硫設備52の燃焼排ガス流の下流には、誘引ファン34が設けられている。この誘引ファン34は、ガスタービン設備5から燃焼排ガスを誘引することにより、燃焼排ガスを煙突35から大気へと放出している。
排熱回収ボイラ30を通過した燃焼排ガスは、活性炭素脱硫設備52へと導かれ、ここで排ガス中の硫黄分(SO2,SO3)および煤塵が除去される。具体的には、排ガス中のSO2は、活性炭素繊維の触媒作用によりSO3に酸化される。活性炭素繊維により酸化されたSO3と排ガス中のSO3とは、活性炭素脱硫設備52に供給される水と反応して硫酸(H2SO4)に変換されて除去される。また、排ガス中の煤塵も活性炭素繊維により取り除かれる。
硫黄分(SO2,SO3)および煤塵が取り除かれた燃焼排ガスは、誘引ファン34を経由して煙突35から大気へと放出される。
また、硫黄分を直接硫酸として除去することができるため、注入するアルカリ剤を選択することで、さまざまな硫酸塩を副生成品として得ることができる。
3 石炭ガス化炉
5 ガスタービン設備
7 蒸気タービン設備
20 チャー回収装置(回収部)
30 排熱回収ボイラ
32 脱硫設備
33 湿式電気集塵設備
34 誘引ファン(ファン)
52 活性炭素脱硫設備(脱硫設備)
G 発電機
Claims (4)
- 微粉炭を処理して気体燃料に変換する石炭ガス化炉と、
前記気体燃料を燃料として運転されるガスタービン設備と、
前記ガスタービン設備の燃焼排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により運転される蒸気タービン設備と、
前記ガスタービン設備および/または前記蒸気タービン設備に連結された発電機と、を備え、
前記排熱回収ボイラから排出される前記燃焼排ガスを脱硫して大気放出する排煙脱硫方式の石炭ガス化複合発電設備において、
前記排熱回収ボイラから排出される前記燃焼排ガスから硫黄分を回収する脱硫設備と、
前記脱硫設備から排出される前記燃焼排ガスから硫黄分および煤塵を回収する湿式電気集塵設備と、が備えられていることを特徴とする石炭ガス化複合発電設備。 - 微粉炭を処理して気体燃料に変換する石炭ガス化炉と、
前記気体燃料を燃料として運転されるガスタービン設備と、
前記ガスタービン設備の燃焼排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により運転される蒸気タービン設備と、
前記ガスタービン設備および/または前記蒸気タービン設備に連結された発電機と、を備え、
前記排熱回収ボイラから排出される前記燃焼排ガスを脱硫して大気放出する排煙脱硫方式の石炭ガス化複合発電設備において、
前記排熱回収ボイラから排出される前記燃焼排ガスから硫黄分を回収する脱硫設備を備え、
該脱硫設備が活性炭素繊維を有することを特徴とする石炭ガス化複合発電設備。 - 少なくとも前記気体燃料に含まれるチャーを回収する回収部が、前記石炭ガス化炉と前記ガスタービン設備との間に配置され、
回収された前記チャーが、前記石炭ガス化炉に供給されていることを特徴とする請求項1または2に記載の石炭ガス化複合発電設備。 - 前記ガスタービン設備から排出される前記燃焼排ガスを誘引し大気に向けて放出するためのファンが備えられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の石炭ガス化複合発電設備。
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