JP2006009035A - 金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、天然マイカの黄着色の影響のない鮮明な金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【解決手段】合成マイカ製パール顔料0.5〜50重量%および熱可塑性樹脂50〜99.5重量%の割合で配合し、成形品の黄色着色をなくすることを特徴とする金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】合成マイカ製パール顔料0.5〜50重量%および熱可塑性樹脂50〜99.5重量%の割合で配合し、成形品の黄色着色をなくすることを特徴とする金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車、車両用、電気機器部品等の各種樹脂成形品であって、金属光沢を有する成形品に用いる熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
従来、天然マイカ製パール顔料を原料樹脂組成物配合して、金属光沢を有する成形品を得ることは、特開平5−93091号公報によって知られている。
しかし、天然マイカ製パール顔料は、不純物の影響で、黄色が発現して、成形品の表面に所望の色彩の鮮明な金属光沢面を設けることが困難になる欠点がある。
特開平5−93091号公報
しかし、天然マイカ製パール顔料は、不純物の影響で、黄色が発現して、成形品の表面に所望の色彩の鮮明な金属光沢面を設けることが困難になる欠点がある。
本発明は、天然マイカの黄着色の影響のない鮮明な金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは、天然マイカは、表面コーティングの際に、黄色に変色するが、合成マイカは、表面コーティングしても着色しないことを見出し、これを成形品用熱可塑性樹脂組成物に用いることによって、金属光沢の色調の鮮明度低下を防止できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の各項よりなる。
(1)合成マイカ製パール顔料0.5〜50重量%および熱可塑性樹脂50〜99.5重量%の割合で配合して着色組成物を形成して、該組成物の成形品に黄色着色が見られないことを特徴とする金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(2)平均アスペクト比10〜100のアルミニウム粉末0.5〜49.5重量%、合成マイカ製パール顔料0.5〜49.5重量%及び熱可塑性樹脂50〜99重量%の割合で配合して着色組成物を形成して、該組成物の成形品に黄色着色が見られないことを特徴とする金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(3)着色組成物を用いて、射出成形して得た色相評価プレートをCIE(L*、a*、b*)表色系における光学測定を分光測色計によって行い、この測定に基き、彩度C*をC*=(a*2+b*2)1/2式に基づき算出し、該C*が1.0以下であり、かつ、前記b*が−0.5以下の黄色着色である(1)項または又は(2)項記載の金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
すなわち、本発明は、次の各項よりなる。
(1)合成マイカ製パール顔料0.5〜50重量%および熱可塑性樹脂50〜99.5重量%の割合で配合して着色組成物を形成して、該組成物の成形品に黄色着色が見られないことを特徴とする金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(2)平均アスペクト比10〜100のアルミニウム粉末0.5〜49.5重量%、合成マイカ製パール顔料0.5〜49.5重量%及び熱可塑性樹脂50〜99重量%の割合で配合して着色組成物を形成して、該組成物の成形品に黄色着色が見られないことを特徴とする金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(3)着色組成物を用いて、射出成形して得た色相評価プレートをCIE(L*、a*、b*)表色系における光学測定を分光測色計によって行い、この測定に基き、彩度C*をC*=(a*2+b*2)1/2式に基づき算出し、該C*が1.0以下であり、かつ、前記b*が−0.5以下の黄色着色である(1)項または又は(2)項記載の金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物は、合成マイカ製パール顔料を配合することにより、マイカ自身の色相に左右されないメタリック調光沢を有する樹脂成形品を得ることができる。
本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ABS・PCアロイ、プロピレン−エチレン共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を使用することができる。
本発明で使用される合成マイカ製パール顔料は、合成により製造された、積層構造を有する微細な雲母表面をチタン処理したパール顔料であって、平均粒径が5〜150μm、好ましくは5〜60μmの範囲のものが適用される。
これらの合成マイカ製パール顔料は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等で予め処理されていることが、樹脂成形品中への均一分散の点から望ましい。
本発明熱可塑性樹脂組成物に所望により配合するアルミニウム粉末は、金属アルミニウム粉末をボールミル等により粉砕したもので、平均アスペクト比10〜100、好ましくは20〜50の粉末粒径が10〜200μ、好ましくは20〜100μのものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、その他の各種添加剤、例えば染料、顔料、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、ワックス類及び紫外線吸収剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明は、合成マイカ製パール顔料0.5〜50重量%、好ましくは3〜20重量%および熱可塑性樹脂50〜99.5重量%、好ましくは80〜97重量%の割合で配合する。
合成マイカ製パール顔料がこの範囲未満では金属光沢が不十分であり、この範囲を超えると樹脂の物性が低下する。
また、本発明の別の態様として、アルミニウム粉末を併用する場合は、平均アスペクト比10〜100のアルミニウム粉末0.5〜49.5重量%、好ましくは3〜20重量%、合成マイカ製パール顔料0.5〜49.5重量%、好ましくは3〜20重量%及び熱可塑性樹脂50〜99重量%、好ましくは60〜96重量%の割合で配合することができる。
樹脂に対するアルミニウム粉末又は合成マイカ製パール顔料の配合割合が上記範囲未満の場合は、金属光沢が低下し、また、上記範囲を超えると樹脂の物性が低下する。
これらの樹脂配合物以外に本発明樹脂組成物に、本発明の効果を損なわない範囲で、有機顔料、無機顔料、無機充填剤、内部潤滑剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤等の他の物質も添加することができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ系顔料、アンスラキノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、インダンスレン系顔料、ペリレン系顔料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、弁柄、鉄黒、黄鉛、コバルトブルー、カーボンブラック等が挙げられる。
本発明で使用される合成マイカ製パール顔料は、合成により製造された、積層構造を有する微細な雲母表面をチタン処理したパール顔料であって、平均粒径が5〜150μm、好ましくは5〜60μmの範囲のものが適用される。
これらの合成マイカ製パール顔料は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等で予め処理されていることが、樹脂成形品中への均一分散の点から望ましい。
本発明熱可塑性樹脂組成物に所望により配合するアルミニウム粉末は、金属アルミニウム粉末をボールミル等により粉砕したもので、平均アスペクト比10〜100、好ましくは20〜50の粉末粒径が10〜200μ、好ましくは20〜100μのものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、その他の各種添加剤、例えば染料、顔料、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、ワックス類及び紫外線吸収剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明は、合成マイカ製パール顔料0.5〜50重量%、好ましくは3〜20重量%および熱可塑性樹脂50〜99.5重量%、好ましくは80〜97重量%の割合で配合する。
合成マイカ製パール顔料がこの範囲未満では金属光沢が不十分であり、この範囲を超えると樹脂の物性が低下する。
また、本発明の別の態様として、アルミニウム粉末を併用する場合は、平均アスペクト比10〜100のアルミニウム粉末0.5〜49.5重量%、好ましくは3〜20重量%、合成マイカ製パール顔料0.5〜49.5重量%、好ましくは3〜20重量%及び熱可塑性樹脂50〜99重量%、好ましくは60〜96重量%の割合で配合することができる。
樹脂に対するアルミニウム粉末又は合成マイカ製パール顔料の配合割合が上記範囲未満の場合は、金属光沢が低下し、また、上記範囲を超えると樹脂の物性が低下する。
これらの樹脂配合物以外に本発明樹脂組成物に、本発明の効果を損なわない範囲で、有機顔料、無機顔料、無機充填剤、内部潤滑剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤等の他の物質も添加することができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ系顔料、アンスラキノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、インダンスレン系顔料、ペリレン系顔料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、弁柄、鉄黒、黄鉛、コバルトブルー、カーボンブラック等が挙げられる。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
平均粒径33μmの合成マイカ製パール顔料を第1表に示す割合でポリプロピレン樹脂に配合した。
この組成物を押出機により220〜240℃の温度で溶融混練して樹脂中に合成マイカ製パール顔料を十分に分散し、ペレット状熱可塑性樹脂着色組成物を作成した。さらに、この着色組成物を平板金型を装着した射出成形機で金型温度230℃で射出成形して50×90×2mmの成形品を作成し、色相評価プレートとした。
比較例1
天然マイカ製パール顔料を第1表に示す割合で配合し、他は実施例と同様にして色相評価プレートを作成した。
プレートの物性評価;上記の色相評価プレートを、下記の測定方法によりCIE(L*、a*、b*)表色系における色相の光学測定を評価し、その評価結果を第1表に示す。
色相の測定方法は下記の方法で行った。
分光測色計[大日精化工業(株)製、カラコムCシステム、D65光源、10度視野]を用い、L*、a*、b*表色系で測色し、明度(L*)及び彩度(C*)の値を測定した。
なお、彩度C*は{(a*)2+(b*)2}1/2で計算した。
また、天然マイカ製パール顔料に見られる不純物による黄色度を明確にするため、b*を同時に記載する。
実施例1
平均粒径33μmの合成マイカ製パール顔料を第1表に示す割合でポリプロピレン樹脂に配合した。
この組成物を押出機により220〜240℃の温度で溶融混練して樹脂中に合成マイカ製パール顔料を十分に分散し、ペレット状熱可塑性樹脂着色組成物を作成した。さらに、この着色組成物を平板金型を装着した射出成形機で金型温度230℃で射出成形して50×90×2mmの成形品を作成し、色相評価プレートとした。
比較例1
天然マイカ製パール顔料を第1表に示す割合で配合し、他は実施例と同様にして色相評価プレートを作成した。
プレートの物性評価;上記の色相評価プレートを、下記の測定方法によりCIE(L*、a*、b*)表色系における色相の光学測定を評価し、その評価結果を第1表に示す。
色相の測定方法は下記の方法で行った。
分光測色計[大日精化工業(株)製、カラコムCシステム、D65光源、10度視野]を用い、L*、a*、b*表色系で測色し、明度(L*)及び彩度(C*)の値を測定した。
なお、彩度C*は{(a*)2+(b*)2}1/2で計算した。
また、天然マイカ製パール顔料に見られる不純物による黄色度を明確にするため、b*を同時に記載する。
実施例2
粒径30μm、平均アスペクト比43のアルミニウム粉末及び粒径5〜60μmの合成マイカ製パール顔料を第1表に示す配合割合でポリプロピレン樹脂に配合した。
この組成物を押出機により220〜240℃の温度で溶融混練して樹脂中にアルミニウム粉末と合成マイカ製パール顔料を十分に分散し、ペレット状熱可塑性樹脂着色組成物を作成した。さらに、この着色組成物を平板金型を装着した射出成形機で220〜240℃で射出成形して50×90×2mmの成形品を作成し、色相評価プレートとした。
比較例2
粒径30μm、平均アスペクト比43のアルミニウム粉末及び天然マイカ製パール顔料を第1表に示す割合で配合し、他は実施例と同様にして色相評価プレートを作成した。
比較例3
粒径30μm、平均アスペクト比43のアルミニウム粉末を第1表に示す割合で配合し、他は実施例と同様にして色相評価プレートを作成した。
粒径30μm、平均アスペクト比43のアルミニウム粉末及び粒径5〜60μmの合成マイカ製パール顔料を第1表に示す配合割合でポリプロピレン樹脂に配合した。
この組成物を押出機により220〜240℃の温度で溶融混練して樹脂中にアルミニウム粉末と合成マイカ製パール顔料を十分に分散し、ペレット状熱可塑性樹脂着色組成物を作成した。さらに、この着色組成物を平板金型を装着した射出成形機で220〜240℃で射出成形して50×90×2mmの成形品を作成し、色相評価プレートとした。
比較例2
粒径30μm、平均アスペクト比43のアルミニウム粉末及び天然マイカ製パール顔料を第1表に示す割合で配合し、他は実施例と同様にして色相評価プレートを作成した。
比較例3
粒径30μm、平均アスペクト比43のアルミニウム粉末を第1表に示す割合で配合し、他は実施例と同様にして色相評価プレートを作成した。
第1表の結果から、天然マイカ製パール顔料は、C*値及びb*値が大きい値を示し黄色着色が見られ、合成マイカ製パール顔料はC*値及びb*値は小さく、黄色着色は見られない。
また、第2表よりアルミニウム粉末との併用においても、合成マイカ製パール顔料はC*値及びb*値は小さく、黄色着色は見られず、より明度の高いメタリック着色熱可塑性樹脂組成物を提供することが可能である。
実施例1〜2では、C*値は1.0以下であり、b*値は−0.5以下であった。
また、第2表よりアルミニウム粉末との併用においても、合成マイカ製パール顔料はC*値及びb*値は小さく、黄色着色は見られず、より明度の高いメタリック着色熱可塑性樹脂組成物を提供することが可能である。
実施例1〜2では、C*値は1.0以下であり、b*値は−0.5以下であった。
本発明は、自動車、車両用、電気機器部品等の成形品等の黄色着色が見られない点が好まれる分野に利用される。
Claims (3)
- 合成マイカ製パール顔料0.5〜50重量%および熱可塑性樹脂50〜99.5重量%の割合で配合して着色組成物を形成して、該組成物の成形品に黄色着色が見られないことを特徴とする金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
- 平均アスペクト比10〜100のアルミニウム粉末0.5〜49.5重量%、合成マイカ製パール顔料0.5〜49.5重量%及び熱可塑性樹脂50〜99重量%の割合で配合して着色組成物を形成して、該組成物の成形品に黄色着色が見られないことを特徴とする金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
- 着色組成物を用いて、射出成形して得た色相評価プレートをCIE(L*、a*、b*)表色系における光学測定を分光測色計によって行い、この測定に基き、彩度C*をC*=(a*2+b*2)1/2式に基づき算出し、該C*が1.0以下であり、かつ、前記b*が−0.5以下の黄色着色である請求項1又は請求項2記載の金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005270120A JP2006009035A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | 金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物 |
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JP2005270120A JP2006009035A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | 金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11134796A Division JP2000319522A (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 金属光沢を有する成形品用熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006009035A true JP2006009035A (ja) | 2006-01-12 |
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ID=35776600
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JP (1) | JP2006009035A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023286703A1 (ja) * | 2021-07-12 | 2023-01-19 | 出光ユニテック株式会社 | 樹脂シート、積層体、成形体及び成形体の製造方法 |
-
2005
- 2005-09-16 JP JP2005270120A patent/JP2006009035A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023286703A1 (ja) * | 2021-07-12 | 2023-01-19 | 出光ユニテック株式会社 | 樹脂シート、積層体、成形体及び成形体の製造方法 |
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