JP2006008515A - 農業用殺菌剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 農業用殺菌性有効成分であるフルアジナムの殺菌効力及び/又は残効性を改善できることが希求されていた。
【解決手段】 (a)殺菌性有効成分としてのフルアジナム、(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン、並びに(c)農薬上許容される補助剤の成分を含むことを特徴とする農業用殺菌剤組成物を提供する。また、植物の病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することを特徴とする前記方法を提供する。
【選択図】 なし。
【解決手段】 (a)殺菌性有効成分としてのフルアジナム、(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン、並びに(c)農薬上許容される補助剤の成分を含むことを特徴とする農業用殺菌剤組成物を提供する。また、植物の病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することを特徴とする前記方法を提供する。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、フルアジナム、ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン、並びに農薬上許容される補助剤の成分を含む農業用殺菌剤組成物に関する。また、本発明は、ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン、並びにフルアジナムによって、植物の病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法に関する。
フルアジナム(化学名:3−クロロ−N−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジル)−α,α,α−トリフルオロ−2,6−ジニトロ−p−トルイジン)は農園芸用殺菌剤の有効成分であり、EP特許31257号に記載の化合物である。
ジ−1−p−メンテンによって植物中で農薬の化学特性が改良できることは、WO81/187に記載されている。また、植物病害の防除方法において、ジ−1−p−メンテンをコーティング剤として使用することは、EP特許162551号に記載されている。
しかしながら、これら先行技術には、ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンによって、フルアジナムの植物に対する病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法は記載されていない。
ジ−1−p−メンテンによって植物中で農薬の化学特性が改良できることは、WO81/187に記載されている。また、植物病害の防除方法において、ジ−1−p−メンテンをコーティング剤として使用することは、EP特許162551号に記載されている。
しかしながら、これら先行技術には、ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンによって、フルアジナムの植物に対する病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法は記載されていない。
従来、農業用殺菌性有効成分であるフルアジナムを植物に施用するに当たり、農園芸用作物に備わった病害抵抗力を増強し、植物病害を効率的に防除する方法が希求されていた。
本発明者らは、フルアジナムと、ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンとを混合使用すると、意外にも植物体の抵抗性が増強されることによって、フルアジナムの殺菌効力及び/又は残効性は改善され、植物病害が効率的に防除できることの知見を得た。
即ち本発明は、(a)殺菌性有効成分としてのフルアジナム、(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン、並びに(c)農薬上許容される補助剤の成分を含むことを特徴とする農業用殺菌剤組成物に関する。また、本発明は、植物の病害抵抗力を増強する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することを特徴とする前記方法に関する。さらに、本発明は、植物の病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することを特徴とする前記方法に関する。
本発明で使用されるフルアジナムは、通常、水和剤、乳剤または水性懸濁剤の形であるのが望ましい。なお、フルアジナムの水和剤は商品名フロンサイド水和剤(石原産業株式会社製)等として市販され、フルアジナムの水性懸濁剤は、商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)等として市販されている。また、本発明殺菌剤組成物の殺菌性有効成分には、フルアジナムを単独で含むものが挙げられるほか、フルアジナムに悪影響を与えない他の殺菌性有効成分を含むことができる。
上記他の殺菌剤有効成分の例としては、1−(2−シアノ−2−メトキシイミノアセチル)−3−エチルウレア(以下、シモキサニルという)、テトラクロロイソフタロニトリル(以下、クロロサロニルという)、ジメチル−4,4’−(o−フェニレン)ビス−(3−チオアロファネート)(以下、チオファネートメチルという)、4−〔3−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリロイル〕モルホリン(以下、ジメトモルフという)、(RS)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチル−5−ビニル−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン(以下、ビンクロゾリンという)、3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキシアミド(以下、イプロジオンという)、N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシイミド(以下、プロシミドンという)、3’−イソプロポキシ−o−トルアニリド(以下、メプロニルという)、α,α,α−トリフルオロ−3’−イソプロポキシ−o−トルアニリド(以下、フルトラニルという)、メチル(E)−メトキシイミノ〔α−(o−トリルオキシ)−o−トリル〕アセテート(以下クレソキシム・メチルという)、メチル(E)−2−{2−〔6−(2−シアノフェノキシ)ピリミジン−4−イルオキシ〕フェニル}−3−メトキシアクリレート(以下アゾキシストロビンという)、(E)−2−メトキシイミノ−N−メチル−2−(2−フェノキシフェニル)アセトアミド(以下メトミノストロビンという)、メチル(E)−3−メトキシ−2−[2−(6−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシメチル)フェニル]アクリレート(以下ピコキシストロビンという)、メチル=(E)−メトキシイミノ−{(E)−α−[1−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリル)エチリデンアミノオキシ]−o−トリル}アセタート(以下トリフロキシストロビンという)、N−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)アニリン(以下、ピピリメサニルという)、2−アニリノ−4−メチル−6−(1−プロピニル)ピリミジン(以下、メパニピリムという)、4−クロロ−2−シアノ−1−ジメチルスルファモイル−5−(4−メチルフェニル)イミダゾール(以下シアゾファミドという)、3,5−ジクロロ−N−(3−クロロ−1−エチル−1−メチル−2−オキソプロピル)−4−メチルベンズアミド(以下イプロバリカルブという)、N−(α−シアノ−2−チエニル)−4−エチル−2−(エチルアミノ)−5−チアゾールカルボキシアミド(以下エタボキサムという)、Benthiavalicarb(ベンチアバリカルブ)等が挙げられる。そのなかでも、シモキサニル、クロロサロニル、チオファネートメチル、ジメトモルフ、アゾキシストロビン、クレソキシム・メチル、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン、メトミノストロビン、シアゾファミド、イプロバリカルブ、エタボキサム又はベンチアバリカルブが望ましい。
本発明では、フルアジナムとの組み合わせで植物の抵抗性を増強する目的で、ポリ−1−p−メンテン(Poly-1-p−menthene)及び/又はジ−1−p−メンテン(Di-1-p−menthene)を用いる。その中でも、ポリ−1−p−メンテンを用いるのが望ましい。これらはそれ自体で又は溶液若しくは乳濁液として用いることができる。
ポリ−1−p−メンテンとしては、商品名Nu−Film−p(Intracrop社製)、商品名Barclay Clinger(Barclay Chemicals(R&D)Limited社製)、商品名Biothene(Intracrop社製)等のポリ−1−p−メンテン96%含有物等が挙げられる。また、ジ−1−p−メンテンとしては、商品名Nu−Film−17(Miller Chemical&Fertilizer Corporation)、商品名Pin-O-Film(Intracrop社製)、商品名LASTICK(Helena Chemical Company)、商品名Vapor Gard(Miller Chemical&Fertilizer Corporation)等のジ−1−p−メンテン96%含有物等が挙げられる。
本発明で使用するポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンは、フルアジナムの製剤形態や、散布対象植物によって、各々単独、或いはそれらを混合して用いる。一般の水和剤では、散布液の形にしたとき、散布液中のポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン固形分が0.001〜1.0重量%となるように使用するとよい。また、フロアブル剤に予め加えるときには、フロアブル剤中にポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン固形分を0.5〜50.0重量%の割合で加え、これを水で希釈して散布液中のポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン固形分が0.001〜1.0重量%となるように使用するとよい。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではなく、フルアジナムの製剤形態、散布濃度、散布対象植物、適応病害虫等によってその使用量を変えることができる。
ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンに代えて、一般的な農業用固着剤をフルアジナムと組み合わせることはできるが、植物の抵抗性増強は不十分であり、殺菌効力及び/又は残効性改善は十分とはいえない。
上記した一般的な農業用固着剤の例を以下に挙げる。
(A)アクリル樹脂エマルジョン
ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチル アクリレート/ブチルアクリレート)、商品名ハイテックAC−3208(アクリル樹脂エマルジョン40%含有物;東邦化学株式会社製)等が挙げられる。
(B)セルロースエーテル類
例えば、ヒドロキシエチル セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
(C)セルロースエステル類
例えば、メチルセルロースが挙げられる。
(D)エポキシ樹脂
例えば、商品名エピコート828(Epikote828)、商品名エピコート834(Epikote834)、商品名エピコート1001(Epikote1001)(全てジャパンエポキシレジン社(Japan Epoxy Resins Co.,Ltd.)製)等が挙げられる。
(E)炭化水素樹脂
例えば、石油樹脂が挙げられる。
(F)ポリエステル樹脂
(G)ポリエーテル樹脂
(H)ポリアミド樹脂
(I)シリコーン樹脂及び重合体
(J)スチレン重合体
例えば、ポリスチレン及びスチレン/ブタジエン重合体等が挙げられる。
(K)熱硬化性重合体
例えば、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
(L)天然油脂類
例えば、アマニ油、アマニ油/キリ油、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
(A)アクリル樹脂エマルジョン
ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチル アクリレート/ブチルアクリレート)、商品名ハイテックAC−3208(アクリル樹脂エマルジョン40%含有物;東邦化学株式会社製)等が挙げられる。
(B)セルロースエーテル類
例えば、ヒドロキシエチル セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
(C)セルロースエステル類
例えば、メチルセルロースが挙げられる。
(D)エポキシ樹脂
例えば、商品名エピコート828(Epikote828)、商品名エピコート834(Epikote834)、商品名エピコート1001(Epikote1001)(全てジャパンエポキシレジン社(Japan Epoxy Resins Co.,Ltd.)製)等が挙げられる。
(E)炭化水素樹脂
例えば、石油樹脂が挙げられる。
(F)ポリエステル樹脂
(G)ポリエーテル樹脂
(H)ポリアミド樹脂
(I)シリコーン樹脂及び重合体
(J)スチレン重合体
例えば、ポリスチレン及びスチレン/ブタジエン重合体等が挙げられる。
(K)熱硬化性重合体
例えば、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
(L)天然油脂類
例えば、アマニ油、アマニ油/キリ油、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
本発明組成物は、(a)殺菌性有効成分としてのフルアジナム、(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン、並びに(c)農薬上許容される補助剤を混合し、希釈した後、任意の方法、望ましくはスプレーにより対象植物に散布することができる。
本発明では、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することにより、植物の病害抵抗力を増強することができる。この方法を植物に適用することにより、植物体内で抗菌物質生合成が促されるか又は全身獲得抵抗反応が誘導され、植物の抵抗性が増強されるのではないかと考えられる。抗菌物質としては、例えばファイトアレキシン(Phytoalexin)、プロヒビチン(Prohibitin)、インヒビチン(inhibitin)、ポストインヒビチン(post inhibitin)等が挙げられる。ファイトアレキシンは、健全植物組織には存在せず、病原菌に感染した後に初めて誘導、合成される植物病害抵抗反応において主用な役割を果たす抗菌性物質であり、例えば、ピサチン(エンドウ)、グリセオリン(大豆)、ベタブルガリン(ビート)、リシチン(馬鈴薯)、6−メトキシメレイン(ニンジン)、ブラシニン(ハクサイ)、リシチン(トマト)、ルビミン(ナス)、α−ビニフェリン(ブドウ)、カプシジオール(タバコ)等が挙げられる。プロヒビチンは健全植物組織に十分な濃度で存在する抗菌性物質であり、インヒビチンは健全植物組織に低濃度で存在し、病原菌に感染した後に濃度が増加する抗菌性物質であり、ポストインヒビチンは、健全植物組織に存在し、それ自体では抗菌性を示さないが、病原菌の侵害を受けると簡単な化学変化を起こして抗菌力を発揮する物質である。この方法により、植物の病害抵抗力を増強された結果、植物病害を効率的に防除することができる。その結果、さらに、フルアジナムの殺菌効力及び/又は残効性が改善される。
本発明方法には、本発明組成物を適用するのが望ましい。本発明組成物を構成する(a)殺菌性有効成分としてのフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンは、従来の農薬製剤の場合と同様に、(c)農薬に許容される補助剤と配合し、粉剤、粒剤、顆粒水和剤、水和剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、水溶剤、乳剤、液剤、ペースト剤、エアゾール剤、微量散布剤等の種々の形態に製剤して使用されるが、本発明の目的に適合するかぎり、通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態にすることができる。製剤に使用する補助剤としては、珪藻土、消石灰、珪砂、硫安、尿素、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、バーミキュライト、カオリン、ベントナイト、カオリナイト及びセリサイトの混合物、クレー、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝、ゼオライト、澱粉、カルボキシメチルセルロース等の固型担体;水、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジオキサン、アセトン、イソホロン、メチルイソブチルケトン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、メチルナフタレン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アルコール等の溶剤;脂肪酸塩、安息香酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩のような陰イオン系の界面活性剤や展着剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤や展着剤;オリーブ油、カポック油、ひまし油、シュロ油、椿油、ヤシ油、ごま油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、きり油、液状パラフィン等の植物油や鉱物油等が挙げられる。これら補助剤は本発明の目的から逸脱しないかぎり、当該分野で知られたものの中から選んで用いることができる。また、増量剤、増粘剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤等通常使用される各種補助剤も使用することができる。本発明化合物と各種補助剤との配合割合は、一般に0.005 : 99.995 〜95:5、望ましくは0.2:99.8 〜90:10である。これら製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、又は水等の希釈剤で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤を添加して使用することができる。
本発明組成物において、フルアジナムとポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンとの適当な混合重量比は、一般に1:500〜500:1、望ましくは1:10〜100:1、さらに望ましくは1:2〜10:1、最も望ましくは1:1〜5:1である。
本発明組成物及び本発明方法において、ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンに代えて、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アラビアゴム及びポリオキシエチレン樹脂酸エステルから成る群から選択される少なくとも1種の添加剤を用いることができる。このときも、植物の抵抗性増強効果、殺菌効力及び/又は残効性改善は良好である。これら添加剤の使用量及びフルアジナムとの混合重量比は、ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを使用した場合と同様である。
ポリ酢酸ビニルエマルジョンとしては、木工用ボンドとして市販されているもの等が使用できる。例えば、木工用ボンド(コニシ社製)には、ポリ酢酸ビニルエマルジョンが固形分として40重量%含まれている。また、商品名モビニール DC(Mowinyl DC;固形分56重量%含有)、商品名モビニール DC O2(Mowinyl DC O2;固形分60重量%含有)、商品名モビニール 116(Mowinyl 116;固形分52重量%含有)、商品名モビニール 116(Mowinyl 300G;固形分50重量%含有)(モビニールは、何れもクラリアントジャパン(Clariant Japan)社製)等を使用できる。アラビアゴムとしては、Arabic acidと呼ばれるD-galactose、L-arabinose、L-rhamnose、D-glucuronic acidを構成糖とする分枝多糖体を約80%含有するもの等が使用できる。ポリオキシエチレン樹脂酸エステルとしては、商品名スプレースチッカー(有効成分ポリオキシエチレン樹脂酸エステル70%;アリスタライフサイエンス社製)、商品名ネオエステリン(ポリオキシエチレン樹脂酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルの混合物10.0%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル20.0%;クミアイ化学工業株式会社製)等が使用できる。
かくして、本発明によれば、フルアジナムとポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンとを混合使用すると、植物の病害抵抗力が増強されるため、フルアジナムの殺菌効力及び/又は残効性を改善できる有用な方法を提供することができる。
次に本発明の方法及び本発明の殺菌剤組成物(以下本発明組成物と略す)の望ましい実施の形態を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)(a)殺菌性有効成分としてのフルアジナム、(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン、並びに(c)農薬上許容される補助剤の成分を含むことを特徴とする農業用殺菌剤組成物。
(2)成分(b)がポリ−1−p−メンテンである(1)の農業用殺菌剤組成物。
(3)(a)殺菌性有効成分としてのフルアジナム、(b)ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アラビアゴム及びポリオキシエチレン樹脂酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の添加剤、並びに(c)農薬上許容される補助剤の成分を含むことを特徴とする農業用殺菌剤組成物。
(4)殺菌性有効成分としてフルアジナムと他の殺菌性有効成分とを含有する前記(1)、(2)又は(3)に記載の農業用殺菌剤組成物。
(5)他の殺菌性有効成分がシモキサニル、クロロサロニル、チオファネートメチル、ジメトモルフ、ビンクロゾリン、イプロジオン、プロシミドン、メプロニル、フルトラニル、アゾキシストロビン、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン、ピピリメサニル、メパニピリム、シアゾファミド、イプロバリカルブ、エタボキサム及びベンチアバリカルブから選択される少なくとも1種である(4)に記載の農業用殺菌剤組成物。
(6)植物の病害抵抗力を増強する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することを特徴とする前記方法。
(7)前記(1)に記載の農業用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする前記(6)に記載の方法。
(8)植物の病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することを特徴とする前記方法。
(9)前記(1)に記載の農業用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする前記(7)に記載の方法。
(10)植物の病害抵抗力を増強する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アラビアゴム及びポリオキシエチレン樹脂酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を植物に施用することを特徴とする前記方法。
(11)前記(3)に記載の農業用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする前記 (10)に記載の方法。
(12)植物の病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アラビアゴム及びポリオキシエチレン樹脂酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を植物に施用することを特徴とする前記方法。
(13)前記(3)に記載の農業用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする前記 (12)に記載の方法。
(14)施用する植物の部位が葉、茎又は根である前記(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)の方法。
(15)施用する植物の部位が葉である前記(14)の方法。
(16)前記(8)、(9)、(12)又は(13)の方法によって、殺菌性有効成分であるフルアジナムの殺菌効力及び/又は残効性を改善する方法。
(1)(a)殺菌性有効成分としてのフルアジナム、(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン、並びに(c)農薬上許容される補助剤の成分を含むことを特徴とする農業用殺菌剤組成物。
(2)成分(b)がポリ−1−p−メンテンである(1)の農業用殺菌剤組成物。
(3)(a)殺菌性有効成分としてのフルアジナム、(b)ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アラビアゴム及びポリオキシエチレン樹脂酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の添加剤、並びに(c)農薬上許容される補助剤の成分を含むことを特徴とする農業用殺菌剤組成物。
(4)殺菌性有効成分としてフルアジナムと他の殺菌性有効成分とを含有する前記(1)、(2)又は(3)に記載の農業用殺菌剤組成物。
(5)他の殺菌性有効成分がシモキサニル、クロロサロニル、チオファネートメチル、ジメトモルフ、ビンクロゾリン、イプロジオン、プロシミドン、メプロニル、フルトラニル、アゾキシストロビン、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン、ピピリメサニル、メパニピリム、シアゾファミド、イプロバリカルブ、エタボキサム及びベンチアバリカルブから選択される少なくとも1種である(4)に記載の農業用殺菌剤組成物。
(6)植物の病害抵抗力を増強する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することを特徴とする前記方法。
(7)前記(1)に記載の農業用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする前記(6)に記載の方法。
(8)植物の病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することを特徴とする前記方法。
(9)前記(1)に記載の農業用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする前記(7)に記載の方法。
(10)植物の病害抵抗力を増強する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アラビアゴム及びポリオキシエチレン樹脂酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を植物に施用することを特徴とする前記方法。
(11)前記(3)に記載の農業用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする前記 (10)に記載の方法。
(12)植物の病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アラビアゴム及びポリオキシエチレン樹脂酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を植物に施用することを特徴とする前記方法。
(13)前記(3)に記載の農業用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする前記 (12)に記載の方法。
(14)施用する植物の部位が葉、茎又は根である前記(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)の方法。
(15)施用する植物の部位が葉である前記(14)の方法。
(16)前記(8)、(9)、(12)又は(13)の方法によって、殺菌性有効成分であるフルアジナムの殺菌効力及び/又は残効性を改善する方法。
次に、本発明をより詳しく説明するために試験例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例
試験例1(キュウリべと病予防効果試験)
(1)薬液の調製方法
添加剤が重量基準で200ppmになるように水に分散させ、そこに、フルアジナム濃度が所定濃度となるように商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)を添加して薬液を調製した(用いた添加剤のうち、アラビアゴムは固体であり、それ以外は液体である)。なお、比較のため、所定濃度のフルアジナムを含む薬液を、商品名フロンサイドSCを水で希釈して調製した。
(2)キュウリべと病予防効果試験
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:本葉)を栽培し、1.5 葉期に達した時にフルアジナムを所定濃度含む薬液をスプレーガンにて十分量(20ml/ポット)噴霧処理した。薬液散布翌日にキュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)胞子懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で5日間育苗し、第1葉の病斑面積を調査し、下記式により防除価を算出し、結果を表1に示した。
試験例1(キュウリべと病予防効果試験)
(1)薬液の調製方法
添加剤が重量基準で200ppmになるように水に分散させ、そこに、フルアジナム濃度が所定濃度となるように商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)を添加して薬液を調製した(用いた添加剤のうち、アラビアゴムは固体であり、それ以外は液体である)。なお、比較のため、所定濃度のフルアジナムを含む薬液を、商品名フロンサイドSCを水で希釈して調製した。
(2)キュウリべと病予防効果試験
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:本葉)を栽培し、1.5 葉期に達した時にフルアジナムを所定濃度含む薬液をスプレーガンにて十分量(20ml/ポット)噴霧処理した。薬液散布翌日にキュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)胞子懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で5日間育苗し、第1葉の病斑面積を調査し、下記式により防除価を算出し、結果を表1に示した。
防除価={1−(処理区の病斑面積/無処理区の病斑面積)}×100
(3)キュウリべと病残効性試験
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:本葉)を栽培し、1.5 葉期に達した時に所定濃度の薬液をスプレーガンにて十分量(20ml/ポット)噴霧処理した後、8日間育苗した。その後、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)遊走子のう懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で5日間育苗し、(2)と同様に防除価を算出し、結果を表2に示した。
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:本葉)を栽培し、1.5 葉期に達した時に所定濃度の薬液をスプレーガンにて十分量(20ml/ポット)噴霧処理した後、8日間育苗した。その後、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)遊走子のう懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で5日間育苗し、(2)と同様に防除価を算出し、結果を表2に示した。
試験例2(トマト疫病予防効果試験1)
(1)薬液の調製方法
添加剤が重量基準で200ppmになるように水に分散させ、そこに、フルアジナム濃度が所定濃度となるように商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)を添加して薬液を調製した(用いた添加剤のうち、アラビアゴムは固体であり、それ以外は液体である)。なお、比較のため、所定濃度のフルアジナムを含む薬液を、商品名フロンサイドSCを水で希釈して調製した。
(2)トマト疫病予防効果試験
直径7.5 cm のポリ鉢でトマト(品種:ポンテローザ)を栽培し、3葉期に達した時に所定濃度の薬液をスプレーガンにて十分量(20ml/ポット)噴霧処理した。薬剤散布翌日にトマト疫病菌(Phytophthora infestans)遊走子のう懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で3日間育苗し、葉位ごとに発病指数を調査し、下記式により防除価を算出し、結果は表3に示した(無処理区の平均発病度は100として算出した)。
(1)薬液の調製方法
添加剤が重量基準で200ppmになるように水に分散させ、そこに、フルアジナム濃度が所定濃度となるように商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)を添加して薬液を調製した(用いた添加剤のうち、アラビアゴムは固体であり、それ以外は液体である)。なお、比較のため、所定濃度のフルアジナムを含む薬液を、商品名フロンサイドSCを水で希釈して調製した。
(2)トマト疫病予防効果試験
直径7.5 cm のポリ鉢でトマト(品種:ポンテローザ)を栽培し、3葉期に達した時に所定濃度の薬液をスプレーガンにて十分量(20ml/ポット)噴霧処理した。薬剤散布翌日にトマト疫病菌(Phytophthora infestans)遊走子のう懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で3日間育苗し、葉位ごとに発病指数を調査し、下記式により防除価を算出し、結果は表3に示した(無処理区の平均発病度は100として算出した)。
発病指数 0:病斑を認めない
1:病斑がわずかに認められる
2:病斑面積が葉面積の25%未満
3:病斑面積が葉面積の25%から50%未満
4:病斑面積が葉面積の50%以上
発病度=[(0×A+1×B+2×C+3×D+4×E)/{4×(A+B+C+D+E)}]×100
A:発病指数0の葉数
B:発病指数1の葉数
C:発病指数2の葉数
D:発病指数3の葉数
E:発病指数4の葉数
防除価={1−(処理区の平均発病度/無処理区の平均発病度)}×100
1:病斑がわずかに認められる
2:病斑面積が葉面積の25%未満
3:病斑面積が葉面積の25%から50%未満
4:病斑面積が葉面積の50%以上
発病度=[(0×A+1×B+2×C+3×D+4×E)/{4×(A+B+C+D+E)}]×100
A:発病指数0の葉数
B:発病指数1の葉数
C:発病指数2の葉数
D:発病指数3の葉数
E:発病指数4の葉数
防除価={1−(処理区の平均発病度/無処理区の平均発病度)}×100
(3)トマト疫病残効性試験
直径7.5cmのポリ鉢でトマトを栽培し、3葉期に達した時に所定濃度の薬液をスプレーガンにて十分量(20ml/ポット)噴霧処理した後、8日間育苗した後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)遊走子のう懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で3日間育苗し、(2)と同様に防除価を算出し、結果を表4に示した。
直径7.5cmのポリ鉢でトマトを栽培し、3葉期に達した時に所定濃度の薬液をスプレーガンにて十分量(20ml/ポット)噴霧処理した後、8日間育苗した後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)遊走子のう懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で3日間育苗し、(2)と同様に防除価を算出し、結果を表4に示した。
試験例3(トマト疫病予防効果試験2)
(1)薬液の調製方法
ポリ−1−p−メンテン96%含有物が重量基準で200ppmになるように水に分散させ、そこに、フルアジナム又はマンゼブが所定濃度となるように、殺菌剤(商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)又は商品名ジマンダイセン水和剤(ダウ・アグロサイエンス社製))を添加して薬液を調製した。なお、比較のため、所定濃度の前記殺菌剤有効成分を含む薬液を前記殺菌剤を水で希釈して調製した。
(2)トマト疫病予防効果試験
(1)で調製した薬液を用い、試験例2(2)の方法に準じて予防効果試験を行い、結果を表5に示した。
(1)薬液の調製方法
ポリ−1−p−メンテン96%含有物が重量基準で200ppmになるように水に分散させ、そこに、フルアジナム又はマンゼブが所定濃度となるように、殺菌剤(商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)又は商品名ジマンダイセン水和剤(ダウ・アグロサイエンス社製))を添加して薬液を調製した。なお、比較のため、所定濃度の前記殺菌剤有効成分を含む薬液を前記殺菌剤を水で希釈して調製した。
(2)トマト疫病予防効果試験
(1)で調製した薬液を用い、試験例2(2)の方法に準じて予防効果試験を行い、結果を表5に示した。
試験例4(トマト疫病予防効果試験3)
(1)薬液の調製方法
フルアジナムが重量基準で500ppm、ポリ−1−p−メンテン96%含有物が重量基準で所定濃度(300ppm、250ppm、200ppm、150ppm、100ppm)になるように水に分散させ、5種の分散液(各々フルアジナムとポリ−1−p−メンテン96%含有物の配合比が重量基準で、5/3、2/1、5/2、10/3、5/1となる)を調製した。次いで各分散液でフルアジナム濃度が所定濃度となるように薬液を調製した。一方、比較のため、商品名フロンサイドSCの500ppm分散液を希釈し、フルアジナム濃度が所定濃度となるように薬液を調製した。
(2)トマト疫病予防効果試験
(1)で調製した薬液を用い、試験例2(2)の方法に準じて予防効果試験を行い、結果を表6に示した。
(1)薬液の調製方法
フルアジナムが重量基準で500ppm、ポリ−1−p−メンテン96%含有物が重量基準で所定濃度(300ppm、250ppm、200ppm、150ppm、100ppm)になるように水に分散させ、5種の分散液(各々フルアジナムとポリ−1−p−メンテン96%含有物の配合比が重量基準で、5/3、2/1、5/2、10/3、5/1となる)を調製した。次いで各分散液でフルアジナム濃度が所定濃度となるように薬液を調製した。一方、比較のため、商品名フロンサイドSCの500ppm分散液を希釈し、フルアジナム濃度が所定濃度となるように薬液を調製した。
(2)トマト疫病予防効果試験
(1)で調製した薬液を用い、試験例2(2)の方法に準じて予防効果試験を行い、結果を表6に示した。
(3)(1)で調製した薬液を用い、試験例2(3)の方法に準じて残効性試験を行い、結果を表7に示した。
試験例5(トマトの病害(疫病)抵抗力増強確認試験)
(1)薬液の調製方法
ポリ−1−p−メンテン96%含有物が重量基準で200ppmになるように水に分散させ、次いで商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)の濃度が500ppmとなるように薬液を調製した。なお、比較のため、添加剤を含まない商品名フロンサイドSCの薬液を500ppm濃度に調製した。
(2)トマト疫病予防効果試験
直径7.5cmのポリ鉢でトマト(品種:ポンテローザ)を栽培し、4.5葉期に達した時に所定濃度の薬液をスプレーガンにて、トマトの第3葉に散布し、7日間育苗後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)遊走子のう懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で4日間育苗し、試験例2(2)と同様に各々の葉の防除価を算出し、結果を表8に示した。なお、試験は5連制にて行った。
(1)薬液の調製方法
ポリ−1−p−メンテン96%含有物が重量基準で200ppmになるように水に分散させ、次いで商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)の濃度が500ppmとなるように薬液を調製した。なお、比較のため、添加剤を含まない商品名フロンサイドSCの薬液を500ppm濃度に調製した。
(2)トマト疫病予防効果試験
直径7.5cmのポリ鉢でトマト(品種:ポンテローザ)を栽培し、4.5葉期に達した時に所定濃度の薬液をスプレーガンにて、トマトの第3葉に散布し、7日間育苗後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)遊走子のう懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で4日間育苗し、試験例2(2)と同様に各々の葉の防除価を算出し、結果を表8に示した。なお、試験は5連制にて行った。
試験例6(キュウリの病害(炭そ病)抵抗力増強確認試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白)を栽培し、2.5 葉期に達した時にフルアジナムを所定濃度含む薬液をスプレーガンにて第1葉へ噴霧処理した。薬剤散布8日後にキュウリ炭そ病菌分生子懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で5日間育苗し、第2葉の病斑面積を調査し、試験例1と同様にして防除価を算出し、結果を表9に示した。なお、試験は5連制にて行った。
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白)を栽培し、2.5 葉期に達した時にフルアジナムを所定濃度含む薬液をスプレーガンにて第1葉へ噴霧処理した。薬剤散布8日後にキュウリ炭そ病菌分生子懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で5日間育苗し、第2葉の病斑面積を調査し、試験例1と同様にして防除価を算出し、結果を表9に示した。なお、試験は5連制にて行った。
試験例7(キュウリの病害(べと病)抵抗力増強確認試験)
試験例6において、キュウリ炭そ病菌分生子懸濁液(1.0×105個)をキュウリべと病菌分生子懸濁液(1.0×105個)に代えた試験を行い、結果を表10に示した。
試験例6において、キュウリ炭そ病菌分生子懸濁液(1.0×105個)をキュウリべと病菌分生子懸濁液(1.0×105個)に代えた試験を行い、結果を表10に示した。
試験例8(キュウリの病害(うどんこ病)抵抗力増強確認試験)
試験例6において、キュウリ炭そ病菌分生子懸濁液(1.0×105個)をキュウリうどんこ病菌分生子懸濁液(1.0×105個)に代えた試験を行い、結果を表11に示した。
試験例6において、キュウリ炭そ病菌分生子懸濁液(1.0×105個)をキュウリうどんこ病菌分生子懸濁液(1.0×105個)に代えた試験を行い、結果を表11に示した。
試験例9(馬鈴薯の病害(疫病)抵抗力増強確認試験)
(1)薬液の調製方法
ポリ−1−p−メンテン96%含有物が重量基準で200ppmになるように水に分散させ、次いで商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)の濃度が500ppmとなるように薬液を調製した。なお、比較のため、添加剤を含まない商品名フロンサイドSCの薬液を500ppm濃度に調製した。
(2)馬鈴薯疫病予防効果試験
直径14cmのポリ鉢で馬鈴薯(品種:男爵)を栽培し、開花直前に所定濃度の薬液をスプレーガンにて、馬鈴薯の第1葉、2葉及び3葉に散布し、7日間育苗後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)遊走子のう懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で4日間育苗し、試験例2(2)と同様に各々の葉の防除価を算出し、結果を表12に示した。なお、試験は5連制にて行った。
(1)薬液の調製方法
ポリ−1−p−メンテン96%含有物が重量基準で200ppmになるように水に分散させ、次いで商品名フロンサイドSC(石原産業株式会社製)の濃度が500ppmとなるように薬液を調製した。なお、比較のため、添加剤を含まない商品名フロンサイドSCの薬液を500ppm濃度に調製した。
(2)馬鈴薯疫病予防効果試験
直径14cmのポリ鉢で馬鈴薯(品種:男爵)を栽培し、開花直前に所定濃度の薬液をスプレーガンにて、馬鈴薯の第1葉、2葉及び3葉に散布し、7日間育苗後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)遊走子のう懸濁液(1.0×105個)を噴霧接種し、6時間湿室に置いた後、20℃で4日間育苗し、試験例2(2)と同様に各々の葉の防除価を算出し、結果を表12に示した。なお、試験は5連制にて行った。
Claims (8)
- (a)殺菌性有効成分としてのフルアジナム、(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテン、並びに(c)農薬上許容される補助剤の成分から成ることを特徴とする農業用殺菌剤組成物。
- 殺菌性有効成分としてフルアジナムと他の殺菌性有効成分とを含有する請求項1に記載の農業用殺菌剤組成物。
- 他の殺菌性有効成分がシモキサニル、クロロサロニル、チオファネートメチル、ジメトモルフ、ビンクロゾリン、イプロジオン、プロシミドン、メプロニル、フルトラニル、アゾキシストロビン、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン、ピピリメサニル、メパニピリム、シアゾファミド、イプロバリカルブ、エタボキサム及びベンチアバリカルブから選択される少なくとも1種である請求項2に記載の農業用殺菌剤組成物。
- (b)の成分が、ポリ−1−p−メンテンである請求項1に記載の農業用殺菌剤組成物。
- 植物の病害抵抗力を増強する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することを特徴とする前記方法。
- 前記請求項1に記載の農業用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする前記請求項5に記載の方法。
- 植物の病害抵抗力を増強し、植物病害を防除する方法であって、(a)殺菌性有効成分であるフルアジナム、並びに(b)ポリ−1−p−メンテン及び/又はジ−1−p−メンテンを植物に施用することを特徴とする前記方法。
- 前記請求項1に記載の農業用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする前記請求項7に記載の方法。
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JP2004163045A JP2006008515A (ja) | 2003-06-02 | 2004-06-01 | 農業用殺菌剤組成物 |
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Cited By (2)
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JP2016522201A (ja) * | 2013-05-23 | 2016-07-28 | シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー | タンク混合配合物 |
CN107517974A (zh) * | 2017-08-17 | 2017-12-29 | 北京宇悦生物科技有限公司 | 一种农药组合物及其应用 |
-
2004
- 2004-06-01 JP JP2004163045A patent/JP2006008515A/ja active Pending
Cited By (2)
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