JP2006007427A - 画像記録装置 - Google Patents

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JP2006007427A JP2004183431A JP2004183431A JP2006007427A JP 2006007427 A JP2006007427 A JP 2006007427A JP 2004183431 A JP2004183431 A JP 2004183431A JP 2004183431 A JP2004183431 A JP 2004183431A JP 2006007427 A JP2006007427 A JP 2006007427A
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三郎 清水
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Abstract

【課題】 記録媒体の種類に拘わらず高い印字品質を達成できる画像記録装置を実現することである。
【解決手段】 記録媒体を支持して搬送する搬送部と、搬送部により搬送されている記録媒体の搬送方向Xと直交する方向に配設された複数のノズルを有し、記録媒体の搬送方向Xに印字ライン単位で画像データを記録するライン型のヘッドユニットと、記録媒体の種類又は画質モードに応じて、記録媒体がヘッドユニットに対する印字位置を複数回通過させるように往復搬送させ、記録媒体がヘッドユニットに対する印字位置を通過する際、記録タイミング毎に記録媒体の搬送方向Xと搬送方向に直交する方向Zとに少なくとも1画素分の間隔を置いてインクを吐出させるようにヘッドユニットと搬送部とを制御する制御部と、を備える画像記録装置。
【選択図】図8

Description

本発明は、複数のノズルからインクを吐出して印字ライン単位で画像データを記録する画像記録装置に関する。
複数のノズルから記録媒体上にインク滴を吐出して画像を印字する画像記録装置は、記録媒体の物性に対するインク滴の拡散性、浸透性、乾燥性等により印字品質が左右されることが知られている。また、近年の画像記録装置は、数10kHzの高い周波数でインク滴を吐出することが可能であるため、高速印字可能となっている。また、ライン型の記録ヘッドを有する画像記録装置の場合は、記録媒体の搬送速度に合わせてインク滴を吐出させることにより、例えば100PPM以上の高速印字への対応も容易となっている。
しかし、コート紙、アート紙などの光沢紙やOHP用シート等のようなインクの吸収性や乾燥性が悪い遅乾性の記録媒体への印字を行った場合、同一ノズルから吐出されたインク滴は、高速度でインク滴が吐出されると、吐出されたインク滴が記録媒体に浸透する前に、記録媒体上で隣接したインク滴同士が結合してしまう。図9(a)に理想的なドット形状の例を示し、図9(b)にインク滴の結合によるドット形状の例を示す。このように、遅乾性の記録媒体上に印字されたドットは、図9(a)に示すような理想的なドット形状とならず、図9(b)に示すような隣接したドットが重なりあったドット形状となり、特定の方向にスジが発生することによる「濃度ムラ」や「細線の太り」などが現れるため、印字品質の低下を招く要因となっており、高い印字品質を達成することが困難であった。
このような問題に対応するための方策として、記録モードを速乾性の被記録体へ印字を行う速乾モードと、遅乾性の被記録体へ印字を行う遅乾モードとに切替え自在とし、遅乾モードによる印字時であって、隣接するドットが略同時に形成される場合、飛翔した液滴が被記録体上に付着し形成されるメニスカス状の隣接ドット同士が接触してつながらないように、飛翔する液滴の質量を速乾モードによる印字時より小さくする液滴飛翔記録方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、印字するドットを少なくとも4個ずつのドットのブロックに分割し、該ブロック内のドット数に応じて少なくとも4回の走査印字を繰り返すインクジェット記録装置における記録方法が開示されている(特許文献2参照)。
更に、記録媒体上に印字する画像の最大幅以上の範囲にわたって複数のインクの吐出口を配列してなる記録ヘッドを用い、記録媒体を吐出口配列方向と異なる方向に搬送しつつ、複数の吐出口より所定の吐出周期でインクを吐出させて記録媒体に印字を行うインクジェット記録装置において、記録媒体にインクが吸収・定着する速度に対応して、記録媒体の搬送速度を調整し、インクを乾燥させながら印字を進めるインクジェット記録装置が開示されている(特許文献3参照)。
特開平5−104726号公報 特開平6−115100号公報 特開2004−50706号公報
しかしながら、特許文献1及び2は、記録媒体の種類への対応、一定の液滴量の吐出しかできない記録ヘッドへの対応ができず、また、液滴量の減少による印字品質の悪化(ベタが埋まらない等)、ライン型の記録ヘッドへの対応の点が未解決である。特許文献3は、インクが記録媒体に浸透する時間である1ドットあたり数10msの速度で印字すると、印字速度が非常に遅くなる(例えば、210mmの長さのA4サイズの記録媒体に印字する場合、600dpiで30ms/dotの速度で印字すると、1枚あたり149sもかかる計算となる。)等の課題が残存している。
また、記録媒体の搬送方向と直交する方向に隣接するノズルを千鳥配置することにより、記録媒体の搬送方向と直交する方向でのインク滴の結合による印字品質の低下を防止する方法があるが、同一ノズルから吐出されるインク滴により形成される記録媒体の搬送方向のドットは、インク滴が記録媒体に吸収される前に吐出されてしまうため、インク滴の結合による印字品質の低下を防止することが困難であった。
更に、記録媒体を搬送する搬送ベルトを同一方向に複数回回転させつつ記録媒体の搬送方向において少なくとも1画素分の間隔を置いてインクを吐出させることによりドットの結合を解消する方策がある。しかし、搬送ローラの機構的な変位や搬送ベルトの材質等により搬送ベルトは搬送方向と直交する方向にズレが生じているため、複数回回転させた場合、印字位置ズレが生じ印字品質を低下させるおそれがある。
本発明の課題は、記録媒体の種類に拘わらず高い印字品質を達成できる画像記録装置を実現することである。
請求項1に記載の発明は、記録媒体を支持して搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送されている前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に配設された複数のノズルを有し、前記記録媒体の搬送方向に印字ライン単位で画像データを記録するライン型の記録ヘッドと、前記記録媒体が前記記録ヘッドに対する印字位置を複数回通過させるように往復搬送させ、前記記録媒体が前記記録ヘッドに対する印字位置を通過する場合、前記記録媒体の種類又は前記記録媒体に記録される画質モードに基づいて、記録タイミング毎に前記記録媒体の搬送方向に少なくとも1画素分の間隔を置いてインクが吐出されるように前記記録ヘッドと前記搬送手段とを制御する制御手段と、を備える画像記録装置であること、を特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録装置において、前記制御手段は、前記記録媒体が前記記録ヘッドに対する印字位置を通過する場合、前記記録媒体の種類又は前記記録媒体に記録される画質モードとに基づいて、記録タイミング毎に前記記録媒体の搬送方向と搬送方向と直交する方向とにそれぞれ少なくとも1画素分の間隔を置いてインクが吐出されるように前記記録ヘッドと前記搬送手段とを制御すること、を特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像記録装置において、前記制御手段は、前記記録媒体の種類又は前記記録媒体に記録される画質モードに基づいて、前記記録媒体が前記記録ヘッドにより走査される設定走査回数を設定し、前記設定走査回数に基づいて前記搬送手段を制御すること、を特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像記録装置において、前記制御手段は、前記設定走査回数毎に記録タイミング毎の当該記録媒体にインクが吐出される間引き画像データを作成し、前記設定走査回数と当該間引き画像データとに基づいて前記記録ヘッドを制御すること、を特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像記録装置において、前記制御手段は、前記記録媒体の種類又は前記記録媒体に記録される画質モードに基づいて、前記設定走査回数をn回と設定した場合、前記設定走査回毎に、前記記録媒体の搬送方向と搬送方向と直交する方向とにそれぞれn画素分の間隔を置いてインクが吐出される間引き画像データを作成し、かつ、前記記録媒体が前記記録ヘッドに対する同一の印字位置を少なくともn回通過するように前記記録媒体を往復搬送させること、を特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、印字位置のズレや搬送方向に隣接したインク滴の結合による印字品質の低下を防止することができ、記録媒体の種類又は画質モードに基づいて高い印字品質を達成できる画像記録装置を実現することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られるのは勿論のこと、搬送方向と搬送方向と直交する方向に隣接したインク滴の結合による印字品質低下を防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られるのは勿論のこと、記録媒体の種類又は記録媒体に記録される画質モードとに応じた走査回数に基づいて記録媒体の搬送方向が制御されることにより、印字速度の低下を最小限に抑えることができ、効率良く高品質な画像印字を達成できる画像記録装置を実現することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3と同様の効果を得られるのは勿論のこと、隣接する画素が同一走査回に形成されないため、インク滴の結合による印字品質の低下を防止することができ、高品質な画像印字を達成できる画像記録装置を実現することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4と同様の効果を得られるのは勿論のこと、隣接したインク滴の結合による印字品質の低下を容易に防止することができ、効率良く高品質な画像印字を達成できる画像記録装置を実現することができる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像記録装置としてのライン型のインクジェットプリンタ1の内部の概略構成図を示す。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、給紙部10、搬送手段としての搬送部20、ヘッドユニット部30、排紙部40、ヘッドユニット部のメンテナンスを行う際に用いられるメンテナンス部(図示略)などを備えて構成されている。
給紙部10は、インクジェットプリンタ1の内部下方に、複数の記録媒体Pを積層して収容する給紙トレイ11が設けられている。この給紙トレイ11の一端部上側には、画像を印字しようとする記録媒体Pを一枚ずつ給紙トレイ11から取り出す取出装置12が設けられている。
なお、記録媒体Pとしては、普通紙、再生紙、光沢紙、OHP用シート等の各種紙、又は、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の材質からなるカットシート状のものであってもよい。
搬送部20は、給紙部10の上方に配設され記録媒体Pを支持して搬送方向Xに往復搬送させる。この搬送部20には、搬送ベルト21と、駆動ローラ22と、張設ローラ23と、押圧ローラ24と、搬送ローラ25と、搬送経路26と、ベルト帯電器27、除電器28とを備えている。
搬送ベルト21は、記録媒体Pを平面状に支持して往路方向と復路方向に搬送する環状のベルトである。搬送ベルト21は、駆動ローラ22と複数の張設ローラ23により移動自在に張設されており、記録媒体Pを搬送する際にはベルト帯電器27により帯電されることにより記録媒体Pを静電吸着し、記録媒体Pを排出する際には除電器28により除電される。また、搬送ベルト21の内側端部に取り付けられたエンコーダフィルム、若しくは駆動ローラ22に取り付けられたロータリーエンコーダをエンコーダセンサで検出し、エンコーダセンサからの検出信号に基づいて記録媒体Pの位置が検知されている(図示略)。
搬送ベルト21は、ポリイミド製であり、誘電率が3.0F/m以上であることが好ましい。
往路方向とは、記録媒体Pの搬送方向Xにおいて、記録媒体Pが給紙部10から乾燥装置35へ向かう方向である。
復路方向とは、記録媒体Pの搬送方向Xにおいて、記録媒体Pが乾燥装置35から給紙部10へ向かう方向である。
押圧ローラ24は、搬送ベルト21と記録媒体Pとが接触を開始する位置に、記録媒体Pを平面状に搬送させるために搬送ベルト21に押圧するローラとして回転自在に設けられている。
搬送経路26は、給紙トレイ11から供給された記録媒体Pを搬送ベルト21へ搬送し、記録媒体Pが搬送ベルト21の周面に沿って搬送された後、搬送ベルトから排紙部40に排出させる経路である。搬送ローラ25は、この搬送経路26の所定位置に、記録媒体Pの搬送方向Xに記録媒体Pを搬送するための複数対のローラとして設けられている。
ヘッドユニット部30は、搬送ベルト21の上部近傍に、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のインクを記録媒体Pに吐出する記録媒体の搬送方向Xと直交する方向に配設された複数のノズル吐出口を有し記録媒体Pの搬送方向Xに印字ライン毎に画像データを記録するインク色毎のライン型の記録ヘッドとしてのヘッドユニット31、32、33、34が、それぞれ搬送ベルト21のほぼ全幅にわたって設けられている。各ヘッドユニット31、32、33、34は、吐出面と搬送ベルト21の周面とが対向するように配置されている。また、ヘッドユニット部30は、各ヘッドユニット31、32、33、34から吐出されたインク滴を乾燥させる乾燥装置35を備える。
各ヘッドユニット31、32、33、34からのインク滴の吐出によって画像が形成された記録媒体Pは、乾燥装置35によってインク滴が乾燥され、除電器28で除電された後、排紙部40へ順次排出される。
排紙部40は、インクジェットプリンタ1の側部に設けられた排紙トレイ41を備え、画像が形成された記録媒体Pが順次排出される。
図示しないメンテナンス部としては、メンテナンス方法として代表的な吸引動作やフラッシング動作を採用することができ、更に、吸引動作又はフラッシング動作の後、ノズル吐出面上に付着した無駄なインク滴を排除するためのワイピング動作を行う機構を備える構成としてもよい。
本発明に係るインクジェットプリンタ1に用いられるインクは、水系インクを用いることが好ましい。水系インクとは、例えば、インク総質量あたり10質量%以上の水を含有する水系インクジェットインクである。
インクに用いられる色材としては、水溶性染料、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、あるいは分散染料、顔料等を用いることができる。
色材としては顔料を用いることが画像印字の保存性の観点からも好ましい。水系顔料インクで用いる顔料としては、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及びカーボンブラック等を好ましく用いることができる。
水不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの顔料には、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよく、用いることのできる顔料分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはポリマー類、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。
特にこの中でも、3,000以上の分子量(重量平均分子量)を有するものが好ましく、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩からなるポリマー分散剤が好ましく、これらのなかでも、3,000以上の分子量を有する、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等から選ばれるブロック共重合体、ランダム共重合体が好ましい。これらの例としては、スチレン−アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(分子量10,000、酸価160)があり、又アクリル−スチレン系樹脂であるジョンクリル61(ジョンソン社製)等は入手できる。
顔料インクとして好ましい形態である水系インク組成物は、水溶性有機溶媒を併用することが好ましい。水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用することが、特に好ましい。
水溶性有機溶媒は、単独もしくは複数を併用しても良い。水溶性有機溶媒のインク中の添加量としては、総量で5〜60質量%であり、好ましくは10〜35質量%である。
インク組成物は、必要に応じて、吐出安定性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤等を挙げることができる。
インク組成物は、その飛翔時の粘度として40mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下であることがより好ましい。また、インク組成物はその飛翔時の表面張力として、20mN/m以上が好ましく、30〜45mN/mであることがより好ましい。
インク中の顔料固形分濃度は、0.1〜10%の範囲で選択でき、写真画像を得るには、顔料固形分濃度を各々変化した、いわゆる濃淡インクを用いることが好ましく、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの濃淡インクを各々用いることは特に好ましい。また、必要に応じて、赤、緑、青等の特色インクを用いることも、色再現性上好ましい。
図2に、イエロー(Y)のヘッドユニット31のインク吐出面の概略図を示す。
図2に示すように、ヘッドユニット31は、それぞれ記録媒体Pの搬送方向Xと直交する方向Zに延びている。また、ヘッドユニット31の記録媒体Pに対向するノズル吐出面には、a、b列の2列のノズル列が配列されている。そして、ノズル列a、bの各列の始点は、1画素ずつ搬送方向Xに直交する方向Zにずれるよう配置されており、各列のノズル吐出口hは、搬送方向Xと直交する方向Zに対して互いに重複しないように配置されている。
例えば、解像度600dpiの画像が印字可能なヘッドユニットの場合は、ノズル列aとノズル列bとの配列間隔dabを5mm、各列のノズルピッチd1を300dpiに相当する84.7μmとなるよう配列されており、搬送方向Xと直交する方向Zに対してのa列のノズル吐出口hとb列のノズル吐出口hとの間隔d2が600dpiに相当する42.3μmとなり、600dpiの画像が印字可能な構成である。即ち、ノズル列aとノズル列bとによって、高解像度の1印字ラインを形成することができる。
ノズル列a、bの各列の始点を1画素ずつ搬送方向Xに直交する方向にずれるよう配置した場合、記録媒体Pの搬送方向Xと直交する方向Zでのインク滴の結合による印字品質の低下を防止するための効果的な技術として公知であるが、搬送速度が高速化されるに伴い、インクの組成や記録媒体の種類によって搬送方向Xと直交する方向Zに隣接するインク滴の結合を防止する事が難しくなり、また搬送方向Xのインク滴の結合を防止することができない。
なお、ヘッドユニットの構成は特に限定されるものではなく、周知のライン型の記録ヘッドを適用可能であり、図示しないインクカートリッジから供給されるインクを吐出するノズル吐出口hが、搬送方向と直交する方向Zに連続して配置されたものを用いることができる。
図3に、本実施の形態におけるインクジェットプリンタ1を制御するための制御ブロック図を示す。図3に示すように、制御手段としての制御部100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130と、RIP(Raster Image Processor)ユニット140と、各種制御部150と、I/F160などがシステムバス170と接続されており、I/F160に接続された各種装置の駆動制御を行っている。I/F160には、各ヘッドユニット31、32、33、34、各種センサ部200、ローラ駆動機構部300、吸着機構部400、操作表示部500、ネットワーク等を介して接続されたPC(Personal Computer)等が電気的に接続されている。
CPU110は、ROM120内に記憶されているシステムプログラムや各処理プログラム及びデータを読み出して、RAM130内に展開し、展開されたプログラムに従って、インクジェットプリンタ1全体の動作を集中制御する。システム全体のタイミング制御、RAM130を使用したデータの記憶及び蓄積制御、各ヘッドユニット31、32、33、34に対するデータの出力、操作表示部500の入出力制御、他のアプリケーションとのインターフェース(I/F)や動作制御を行うものである。
本実施の形態を実現させるために、制御部100は、操作表示部500から入力される記録媒体Pの種類を示す信号、印字される画像の画質モードを指定する信号、PC等から画像データと共に入力される記録媒体Pの種類データ又は画質モードデータに応じて、記録媒体Pがヘッドユニット31、32、33、34に対する印字位置でインクを吐出させて印字する走査回数(以下、設定走査回数nと言う。)を設定し、設定された設定走査回数nに基づいて、設定走査回数n毎に記録タイミング毎の当該記録媒体Pの搬送方向Xと搬送方向と直交する方向Zにおいてインクを吐出させる間隔がそれぞれ設定された間引き画像データを作成し、設定走査回数nと間引き画像データとによりヘッドユニット31、32、33、34と搬送部20とを制御する。
なお、画像データとは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
詳しくは、制御部100のCPU110は、ROM120内に記憶されている印字動作プログラムやROM120内に予め設定された記録媒体Pの種類又は画質モードに基づいた設定走査回数データテーブル等を読み出し、RAM130内に展開し、展開されたプログラムに従って設定走査回数nを設定する。また、CPU110は、RIPユニット140によって変換された画像データを設定走査回数nに基づいて、設定走査回毎に記録タイミング毎の当該記録媒体Pの搬送方向Xと搬送方向と直交する方向Zとにおいて夫々n画素分の間隔を置いてインクを吐出させる間隔が設定された間引き画像データを作成する。制御部100は、作成された間引き画像データに応じてインクを吐出させるようヘッドユニット31、32、33、34を制御し、かつ、記録媒体Pがヘッドユニット31、32、33、34に対して同一の印字位置を少なくともn回通過するよう搬送ベルトを往復駆動させる。
また、CPU110は、駆動ローラ22に設けられたロータリーエンコーダ等の各種センサ部200からの信号に基づいて、印字動作中の記録媒体Pの位置を検出し、搬送部20の制御を行っている。
作成される間引き画像データは、設定走査回数nに基づいて、少なくとも記録媒体Pの搬送方向Xと搬送方向と直交する方向Zとに隣接する画素が同一走査回に印字されない画像データであり、搬送方向Xと搬送方向と直交する方向Zとにおいて少なくとも1画素分の間隔をおいて間引きされた画像データである。
記録媒体Pの種類とは、記録媒体Pの材質、インクの吸収性及び浸透性、インク滴の拡散性、乾燥性等によって分類される。例えば、普通紙、光沢紙、OHP用シート等に分類される。
画質モードとは、記録媒体Pに記録される画像の品質の種類である。例えば、標準画質モードを基準とした場合、高画質モードとは標準画質モードよりも発色性や質感等が優れている画像である。
ROM120は、インクジェットプリンタ1を駆動させるプログラムやシステムプログラム、当該システムに対応する各種処理プログラム、各種処理プログラムで処理するのに必要なデータなどを記憶している。また、本実施の形態を実現させるために、ROM120は、記録媒体Pの種類又は画質モードに応じて印字動作を行うための印字動作プログラムと設定走査回数データテーブルとを記憶している。
図4に、設定走査回数データテーブルの一例を示す。
図4に示すように、記録媒体Pの種類又は画質モードに応じて、設定走査回数nが定められている。例えば、記録媒体Pの種類がOHP用シートかつ画質モードが高画質モードと設定された場合、設定走査回数nは3回と設定される。
RAM130は、CPU110により制御実行される各種処理において、ROM120から読み出されたプログラム、入力、若しくは出力データ及びパラメータなどの一時的な格納領域となる。
RIPユニット140は、I/F160を介してPCなどから入力されたプリント指示データ(ベクタイメージデータ)を、プリント指示に応じた画像データ(ラスタイメージデータあるいはビットマップデータ)に変換する。
各種制御部150は、図1の給紙部10、ローラ駆動機構部300を制御するローラ制御部、吸着機構部400を制御する吸着制御部、メンテナンス部の動作を制御するメンテナンス制御部、インク供給制御部、廃インク制御部などの各種制御部を備えている。
各種センサ部200は、ヘッドユニットに設けられたセンサ、搬送ベルト21の位置を検出するエンコーダセンサ、ローラ駆動機構部300に設けられたセンサ等のインクジェットプリンタ1内部に設けられた各種センサが電気的に接続されており、各種センサからの信号を制御部100へ出力する。
ローラ駆動機構部300は、搬送部20などに備えられた各種ローラの駆動を行う。また、吸着機構部400は、ベルト帯電器27、除電器28への電圧印加制御を行う。
操作表示部500は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部100から入力される表示信号の指示に従って表示画面上に各種操作ボタンや装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。LCDの表示画面上は、透明電極を格子状に配置して構成された感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルに覆われており、手指やタッチペン等で押下された力点のxy座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部100に出力する。また、操作表示部500は、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ボタン操作による操作信号を制御部100に出力する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図5及び6に、本実施の形態における印字動作の制御フローを示す。
図5及び6に示す制御フローは、A4サイズの記録媒体Pの印字動作の制御フローの一例である。なお、本実施の形態における搬送ベルト21に載置可能な記録媒体Pの枚数(以下、載置限界枚数と言う。)は、A4サイズの記録媒体Pの場合4枚とする。
制御部100は、操作表示部500やPC等から印字動作指令を受けた場合、記録媒体Pの種類又は画質モードに応じて設定走査回数データテーブルを参照し、設定走査回数nを設定する。設定された設定走査回数nは、RAM130に格納される(ステップS1)。
制御部100は、設定した設定走査回数nに基づいて、設定走査回数毎の間引き画像データを作成する。作成された間引き画像データは、RAM130に格納される(ステップS2)。
制御部100は、操作表示部500やPC等によって指示された画像データが記録される記録媒体Pの枚数(以下、設定印字枚数mと言う。)の確認を行う。そして、制御部100は、設定印字枚数mが載置限界枚数(4枚)以下であるか否かを判断する(ステップS3)。
制御部100は、設定印字枚数mが載置限界枚数よりも多いと判断した場合(ステップS3;No)、搬送ベルト21に載置されている記録媒体Pの枚数を示す搬送ベルト載置枚数jに載置限界枚数の値を代入する(例えば、搬送ベルト載置枚数jに4を代入する。)(ステップS4)。
制御部100は、設定印字枚数mから載置限界枚数を引き(例えば、設定印字枚数mから4を引く)、搬送ベルト21に載置できない未印字枚数m′を算出する(ステップS6)。
制御部100は、未印字枚数m′を算出した後、間引き画像データが記録された記録媒体Pの枚数を示す印字枚数kを0に代入し(ステップS7)、記録媒体Pが走査された回数を示す走査回数lに0を代入する(ステップS8)。
制御部100は、ベルト帯電器27を動作させ搬送ベルト21を帯電させ(ステップS9)、走査回数lに1を加える(ステップS10)。
制御部100は、走査回数lの値が奇数か否かを判断する(ステップS11)。
制御部100は、走査回数lの値が奇数でない(偶数である)と判断した場合(ステップS12)、印字枚数kに搬送ベルト載置枚数jを代入し(ステップS12)、搬送ベルト21を復路方向に駆動させる(ステップS13)。
制御部100は、搬送ベルト21を復路方向に駆動開始させた後、k頁目の記録媒体Pに、k頁目の間引き画像データを頁の後端側から記録させる(ステップS14)。k頁目の記録媒体Pに間引き画像データが記録された後、制御部100は、印字枚数kから1を引く(ステップS15)。
制御部100は、印字枚数kが0であるか否かを判断する(ステップS16)。即ち、制御部100は、載置枚数分の間引き画像データが印字されたか否かを判断している。制御部100は、印字枚数kが0でないと判断した場合(ステップS16;No)、次頁の印字動作を行うよう制御する(ステップS13に戻る)。
制御部100は、印字枚数kが0であると判断した場合(ステップS16;Yes)、ステップS22に進む。
制御部100は、走査回数lの値が奇数であると判断した場合(ステップS17)、搬送ベルト21を往路方向に駆動させる(ステップS17)。
制御部100は、搬送ベルト21を往路方向に駆動開始させた後、1頁目の記録媒体Pに、間引き画像データを記録させる(ステップS18)。1頁目の記録媒体Pに間引き画像データが記録された後、制御部100は、印字枚数kに1を加える(ステップS19)。
制御部100は、印字枚数kが搬送ベルト載置枚数jと等しいか否かを判断する(ステップS20)。即ち、制御部100は、載置枚数分の間引き画像データが印字されたか否かを判断している。制御部100は、印字枚数kが搬送ベルト載置枚数jと等しくないと判断した場合(ステップS20;No)、次頁の印字動作を行うよう制御する(ステップS18に戻る)。
制御部100は、印字枚数kが搬送ベルト載置枚数jと等しいと判断した場合(ステップS20;Yes)、印字枚数kに0を代入する(ステップS21)。
制御部100は、印字枚数kが0となったとき、走査回数lが設定走査回数nと等しいか否かを判断する(ステップS22)。制御部100は、走査回数lが設定走査回数nと等しくないと判断した場合(ステップS22;No)、再度印字動作を行うよう制御する(ステップS10に戻る)。
制御部100は、走査回数lが設定走査回数nと等しいと判断した場合(ステップS22;Yes)、走査回数lに0を代入する(ステップS23)。そして、制御部100は、搬送ベルト21を往路方向に駆動させ、除電器28を動作させて記録媒体Pの除電を行い、記録媒体Pの排紙処理を行う(ステップS24)。
記録媒体Pが排紙された後、制御部100は、未印字枚数m′が0以下か否かを判断する(ステップS25)。制御部100は、未印字枚数m′が0以下でない場合(ステップS25;No)、搬送ベルト21に載置されなかったために画像データが記録されていない記録媒体Pの印字動作をするためにステップS3に戻る。
制御部100は、未印字枚数m′が0以下である場合(ステップS25;Yes)、印字動作を終了させる。
図7に、設定走査回数nが3回の場合の記録媒体Pに記録したい画像例を示す。
図7(a)に、記録媒体Pに記録したい画像例を示し、図7(b)に、図7(a)に示された画素において、走査回毎に記録される画素の順番を示す。
図7(a)に示す42.3μm×42.3μmの正方形は、600dpi相当の1画素として表している。また、搬送方向と直交する方向Zに配列された画素は、交互にノズル列aのノズル吐出口hとノズル列bのノズル吐出口hから吐出されるインク滴のドットによって形成される。
図7(b)に示すように、走査回毎に記録される画素は、記録媒体Pの搬送方向Xと搬送方向と直交する方向Zとにおいて夫々n画素分(ここでは3画素分)の間隔を置いてインクを吐出させる間隔が設定された間引き画像データに基づいて印字される。
図7(b)中の「1」は、記録媒体Pが往路方向に搬送された状態で1回目の走査時に記録される画素を示し、「2」は、記録媒体Pが復路方向に搬送された状態で2回目の走査時に記録される画素を示し、「3」は、記録媒体Pが往路方向に搬送された状態で3回目の走査時に記録される画素を示す。
図8に、走査回毎に形成される画像例を示す。
図8に示す画像例は、図7(a)に示す画像が記録される際の、走査回毎の画像例である。図8(a)、(b)、(c)に示すD1は、1回目の走査時に形成されるドットを示し、図8(b)、(c)に示すD2は、2回目の走査時に形成されるドットを示し、図8(c)に示すD3は、3回目の走査時に形成されるドットを示す。
まず、図7に示すように、設定走査回数nが3回に設定された場合の間引き画像データは、搬送方向Xと搬送方向と直交する方向Zにおいて3画素分の間隔を置いてインクを吐出させる間隔が設定された間引き画像データが作成される。そして、1回目の走査時において(走査回数が奇数の場合)、搬送ベルト21が往路方向に駆動されるため、記録媒体Pが往路方向に搬送された状態で1回目の走査が行われ、ドットD1が形成される(図8(a)参照)。
次に、記録媒体Pが乾燥装置35を通過した後、搬送ベルト21が復路方向に駆動された2回目の走査時において(走査回数が偶数の場合)、記録媒体Pが復路方向に搬送さるた状態で2回目の走査が行われ、ドットD2が形成される(図8(b)参照)。
記録媒体Pが初期位置に戻された後、搬送ベルト21が復路方向に駆動された3回目の走査時において(走査回数が奇数の場合)、記録媒体Pが往路方向に搬送された状態で3回目の走査が行われ、ドットD3が形成され(図8(c)参照)、図7(a)に示すような画像が記録媒体P上に完成される。
このように、同一ノズルから吐出されるインク滴により形成される記録媒体Pの搬送方向Xと搬送方向に直交する方向Zとに隣接するドットが同一走査回に形成されないため、図9(b)に示すような搬送方向Xや搬送方向に直交する方向Zに隣接するインク滴の結合によるドットの重なりによって生じる印字品質の低下を防止することができ、図9(a)に示すような理想的なドット形状を形成することができる。
また、記録媒体Pの搬送方向を反転させ、往路方向と復路方向とにおいて走査し印字することにより、印字位置のズレによる印字品質の低下を防止することができる。
従って、記録媒体Pの種類又は画質モードに拘わらず印字速度の低下を最小に抑え高品質な画像印字を達成できるインクジェットプリンタ1を実現することができる。
なお、本実施の形態では、走査回毎に全てのラインヘッドが駆動されて記録媒体上にインクを吐出させる例を示しているが、複数色のラインヘッドを備えるカラーインクジェットプリンタにおいて、色毎にラインヘッドを駆動させてインクを吐出させた場合、複数のラインヘッドを駆動させてインクを吐出された場合でも本発明を適用することができる。
また、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施の形態におけるライン型のインクジェットプリンタ1の内部の概略構成図である。 イエロー(Y)のヘッドユニット31のインク吐出面の概略図である。 本実施の形態におけるインクジェットプリンタ1を制御するための制御ブロック図である。 設定走査回数データテーブルの一例である。 本実施の形態における印字動作の制御フローである。 本実施の形態における印字動作の制御フローである(図5の続き)。 設定走査回数nが3回の場合の記録媒体Pに形成される画像例である。 走査回毎に形成される画像例である。 記録媒体上に形成されるドット例である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
10 給紙部
11 給紙トレイ
12 取出装置
20 搬送部
21 搬送ベルト
22 駆動ローラ
23 張設ローラ
24 押圧ローラ
25 搬送ローラ
26 搬送経路
27 ベルト帯電器
28 除電器
30 ヘッドユニット部
31、32、33、34 ヘッドユニット
35 乾燥装置
40 排紙部
41 配置トレイ
100 制御部
110 CPU
120 ROM
130 RAM
140 RIPユニット
150 各種制御部
160 I/F
170 システムバス
200 各種センサ部
300 ローラ駆動機構部
400 吸着機構部
500 操作表示部
a、b ノズル列
D1 1回目のドット
D2 2回目のドット
D3 3回目のドット
h ノズル吐出口
j 搬送ベルト載置枚数
k 印字枚数
l 走査回数
n 設定走査回数
m 設定印字枚数
m′ 未印字枚数
P 記録媒体
X 搬送方向
Z 搬送方向と直交する方向

Claims (5)

  1. 記録媒体を支持して搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送されている前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に配設された複数のノズルを有し、前記記録媒体の搬送方向に印字ライン単位で画像データを記録するライン型の記録ヘッドと、
    前記記録媒体が前記記録ヘッドに対する印字位置を複数回通過させるように往復搬送させ、前記記録媒体が前記記録ヘッドに対する印字位置を通過する場合、前記記録媒体の種類又は前記記録媒体に記録される画質モードに基づいて、記録タイミング毎に前記記録媒体の搬送方向に少なくとも1画素分の間隔を置いてインクが吐出されるように前記記録ヘッドと前記搬送手段とを制御する制御手段と、
    を備えること、
    を特徴とする画像記録装置。
  2. 請求項1に記載の画像記録装置において、
    前記制御手段は、
    前記記録媒体が前記記録ヘッドに対する印字位置を通過する場合、前記記録媒体の種類又は前記記録媒体に記録される画質モードとに基づいて、記録タイミング毎に前記記録媒体の搬送方向と搬送方向と直交する方向とにそれぞれ少なくとも1画素分の間隔を置いてインクが吐出されるように前記記録ヘッドと前記搬送手段とを制御すること、
    を特徴とする画像記録装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像記録装置において、
    前記制御手段は、
    前記記録媒体の種類又は前記記録媒体に記録される画質モードに基づいて、前記記録媒体が前記記録ヘッドにより走査される設定走査回数を設定し、
    前記設定走査回数に基づいて前記搬送手段を制御すること、
    を特徴とする画像記録装置。
  4. 請求項3に記載の画像記録装置において、
    前記制御手段は、
    前記設定走査回数毎に記録タイミング毎の当該記録媒体にインクが吐出される間引き画像データを作成し、前記設定走査回数と当該間引き画像データとに基づいて前記記録ヘッドを制御すること、
    を特徴とする画像記録装置。
  5. 請求項4に記載の画像記録装置において、
    前記制御手段は、
    前記記録媒体の種類又は前記記録媒体に記録される画質モードに基づいて、前記設定走査回数をn回と設定した場合、
    前記設定走査回毎に、前記記録媒体の搬送方向と搬送方向と直交する方向とにそれぞれn画素分の間隔を置いてインクが吐出される間引き画像データを作成し、
    かつ、前記記録媒体が前記記録ヘッドに対する同一の印字位置を少なくともn回通過するように前記記録媒体を往復搬送させること、
    を特徴とする画像記録装置。
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