JP2006007417A - 情報記録媒体用基板の製造方法及び情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

情報記録媒体用基板の製造方法及び情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】平滑性の高い情報記録媒体用基板の製造方法及びこれを用いた情報記録媒体の製造方法を提供する。【解決手段】情報記録媒体用基板を製造する情報記録媒体用基板の製造方法において、研磨工程における研磨液は1μm以上の粒子を除去した水又は超純水と研磨剤とを含む。【選択図】 図1

Description

本発明は情報記録媒体用基板の製造方法及び情報記録媒体の製造方法に係り、特にハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクといった情報記録媒体用基板の製造方法及びこれを用いた情報記録媒体の製造方法に関する。
現在、ハードディスク、光ディスク等の記録媒体やこのような記録媒体用の基板としてはディスクが広く用いられている。このようなディスクは、高記録密度化に伴い、その表面平滑性を確保することが要請されている。
ディスクは、一般に、形状加工工程、研削工程、研磨工程、最終検査工程を経て製造される。ディスクの表面の平滑性は、主に研磨工程で使用する研磨パッド、研磨砥粒の種類や粒径を選定することによって所望な表面に仕上げられている。しかし、いまや研磨条件だけでは、所望なディスク表面の平滑性を得られない状況になり、製造工程における環境が問題視されるようになった。例えば、特開平9−288820号には、最終仕上研磨後に実施される成膜工程までの間に基板が大気中にさらされず、基板に大気中のごみ等が付着することのないように、最終仕上研磨を所定クリーン度のクリーンルーム内で研磨テープを用いて水溶液で洗い流しながら行う磁気記録媒体用基板の製造方法が記載されている。
また、特開平10−194785には、最終研磨工程以後の清浄工程、化学強化工程、化学強化処理液の洗浄工程、乾燥工程、検査工程、収納工程のなかの少なくとも一工程を、ガラス基板にパーティクルが付着しないように、クリーンルーム内で行う情報記録媒体用ガラス基板の製造方法が記載されている。
これらの製造方法はいずれも最終研磨工程や最終研磨工程以後の工程における製造環境を問題としている。しかし、これらの対策を講じてもなお、ディスク表面に微小な欠陥(凸状の欠陥や凹状の欠陥)が発生し、高密度記録化に適用できる情報記録媒体用基板が得られないという問題があった。 その原因を究明した結果、今まで問題視されていなかった最終研磨工程の前の研磨工程等での製造環境に原因があることが分かった。即ち、今までは研磨工程で使用する両面研磨装置は、発塵性がある等の理由からクリーンルーム外に置かれ、最終研磨工程前の研磨工程は大気中で行われていた。
また、このような研磨工程で使用する研磨液としては、酸化セリウムやコロイダルシリカの研磨砥粒と水道水を混合した研磨液を使用していた。しかし、大気中に浮遊している微小なパーティクル(例えば、アルミ、鉄、鉛、クロム、銅等)や、研磨液で使用されている水道水に含まれる微小なパーティクル(例えば、銅、鉄、鉛等)が研磨パッドとディスクとの間に介在してディスク表面に傷を与えたり、また、ディスクの搬送時にディスク表面に付着したパーティクルとディスクを収納、搬送するためのディスクケースが接触してディスク表面に傷を与えたりすることがあった。さらに、洗浄不良によってディスク表面にパーティクルが残存し、このパーティクルが例えば化学強化工程における熱処理によってディスクに強固に付着して平滑性を悪化させることが明らかになった。
また、上記各製造工程間では、ディスクは複数枚単位に収納するディスクケースで搬送される。しかし、全ての工程で共通のディスクケースを使用すると、前工程でディスクケースに付着した異物を後工程に持ち込むことになり、ディスクの平滑性を悪化させる原因となる。特に、ディスク表面の平滑性を問題としない大気中で行われる研削工程からクリーンルーム内で行われる研磨工程へディスクを搬送するのに共通のディスクケースを使用すると、たとえ研磨工程前にディスクケースを洗浄処理したとしても、異物を持ち込んでしまうおそれがある。 本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、平滑性の高い情報記録媒体用基板の製造方法及びこれを用いた情報記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。 請求項1の発明は、情報記録媒体用基板を製造する情報記録媒体用基板の製造方法において、研磨工程における研磨液は1μm以上の粒子を除去した水と研磨剤とを含む情報記録媒体用基板の製造方法である。本発明によれば、研磨工程で使用する水として1μm以上の粒子を除去したものを用いることにより、研磨工程においてディスク表面に発生する欠陥、特に凹欠陥の発生率を低下することができる。 本発明における研磨工程は基板表面の平滑性の向上を目的とするものであり、研磨工程は基板の主表面を研磨する主表面研磨工程、基板の端面を研磨する端面研磨工程を含む。
請求項2の発明は、情報記録媒体用基板を製造する情報記録媒体用基板の製造方法において、研磨工程における研磨液は研磨剤と超純水とを含むことを特徴とする情報記録媒体用基板の製造方法である。本発明によれば、研磨工程で使用する研磨液に超純水を用いることにより、研磨工程においてディスク表面に発生する欠陥、特に凹欠陥の発生率を低下することができる。 研磨液に超純水を用いることにより、一般の水に含まれる銅、鉄、鉛等の不純物による影響を避けことができる。超純水の製造方法としては、限外濾過膜・UF(ultra filtration membrane)と逆浸透圧膜・RO(reverse osmotic membrane)を用いる方法が挙げられる。この超純水を用いた研磨液としては、基板に対して化学的腐食性を有するフッ酸やケイフッ酸を含むものを用いてもよい。
請求項3の発明は、前記超純水はRO水である情報記録媒体用基板の製造方法である。本発明によれば、イオン・低分子領域まで除去する逆浸透圧膜・ROを用いた方法によって製造された水(以下、RO水という。)を用いることにより、研磨工程においてディスク表面に発生する欠陥、特に凹欠陥の発生率をさらに低下することができる。
請求項4の発明は、前記研磨剤は酸化セリウム又はコロイダルシリカを含む情報記録媒体用基板の製造方法である。本発明によれば、情報記録媒体用基板を良好に研磨することができる。
請求項5の発明は、前記研磨工程はクリーンルーム中で行なう情報記録媒体用基板の製造方法である。本発明によれば、研磨工程で空気中に浮遊しているパーティクルが基板へ付着するのを防止することにより、基板表面に発生する欠陥、特に凹欠陥の発生率を低減することができる。 請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項記載の情報記録媒体用基板の製造方法によって得られた情報記録媒体用基板に記録層を形成する情報記録媒体の製造方法である。本発明によれば、表面平滑性の高い基板を用いることにより、記録密度の高い情報記録媒体を製造することが可能になる。
上記いずれかの発明では、基板材料から研削工程、形状加工工程、研磨工程、化学強化工程及び検査工程を含む工程により情報記録媒体用基板を製造する情報記録媒体用基板の製造方法において、研削工程と形状加工工程を大気中で行い、研磨工程から検査工程までをクリーンルーム中で行なうことができる。この方法によれば、研磨工程、化学強化工程、検査工程をクリーンルーム中で行なうことにより、研磨工程で発生する凹欠陥、化学強化工程で基板に異物が付着することにより発生する凸欠陥、検査工程で発生する凸欠陥の発生率を低減することができる。
また、基板材料から研削工程及び研磨工程を含む工程により情報記録媒体用基板を製造する情報記録媒体用基板の製造方法において、少なくとも研磨工程をクリーンルーム中で行なうことができる。この方法によれば、基板表面に発生する欠陥(凹欠陥や凸欠陥)の発生率を低減することができる。本発明においては、研磨工程前に行なわれる研磨工程以外の工程、例えば、研削工程、形状加工工程をクリーンルームで行なっても良い。また、前述のように最終研磨工程以後の洗浄工程や、化学強化工程、検査工程、梱包工程をクリーンルーム内で行うこともできる。この場合、信頼性がさらに向上するので好ましい。
このようなクリーンルーム内の清浄度はクラス100000以下であることが好ましい。これによれば、ディスク表面に発生する欠陥(凸状、凹状)の発生率をさらに低減させることができる。この清浄度は1立方フィートの雰囲気中に存在する0.5μm以上のパーティクルの数として定義される。本発明では、クリーンルームの清浄度はクラス50000以下であることが好ましく、10000以下であることが更に望ましい。
本発明により研磨される情報記録媒体用基板としてはガラス基板があり、この場合、製造工程には化学強化工程を含むことができる。 化学強化工程としては、例えば、ガラス転移点の観点から転移温度を越えない領域でイオン交換を行なう低温型化学強化を挙げることができる。この場合、化学強化に用いる硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどのアルカリ溶融塩を約280℃〜450℃程度加熱した溶液にガラス基板を浸漬して行われる。
一般に、化学強化処理前には、通常、洗浄工程が行われるが、洗浄不良等によってガラス基板表面の研磨工程で研磨液の液体(溶媒)の中に含まれていた異物が除去できずに基板表面にパーティクルが付着したまま化学強化を行なうと、化学強化処理液の熱によってガラス基板表面にパーティクルが強固に付着し、後の洗浄工程ではおとし切れずに凸欠陥となる。従って、少なくとも研磨工程をクリーンルーム中で行なうこと、さらに望ましくは研磨工程で使用する研磨液を研磨剤と微小なパーティクルを除去した液体を含むものとすることにより、欠陥(凹欠陥、凸欠陥)のない化学
強化ガラス基板を製造することができる。
化学強化工程を行なう場合、少なくとも化学強化工程のクリーンルーム内の清浄度をクラス10000以下とすることが好ましい。化学強化工程において、基板にパーティクルが付着していると加熱によってこのパーティクルが強固に付着し後の洗浄工程では除去しきれず欠陥になる。従って、化学強化工程をクリーンルーム内で行うことにより欠陥の発生を防止することができる。
本発明においては、クリーンルーム内の清浄度を研削工程、形状加工工程、研磨工程、化学強化工程及び検査工程のうちの一つ又は複数の工程単位毎に設定し、工程単位が進むに従ってクリーンルーム内の清浄度を向上させることが好ましい。この方法によれば、基板材料の平滑度が上がるに従ってクリーンルームの清浄度を向上させることができるので、平滑性の高い基板を製造することができる。
本発明では、例えば、基板の平坦度と形状精度を向上と目的とした研削工程及び基板の端部形状の作り込みを行なう形状加工工程については大気中で行ない、研磨工程以降の工程をクリーンルームで行ない、さらに、研磨工程(端面研磨工程、主表面の研磨工程を含む)、化学強化工程、検査工程をそれぞれ一つの製造環境とし、クラス100000、クラス10000、クラス1000の環境下で行なうことにより実施することができる。さらに、研磨工程を端面研磨工程と主表面の研磨工程と分離し、それぞれクラス500000、クラス100000としたり、主表面の研磨工程を複数の研磨工程で行なう場合は、さらに研磨工程毎に清浄度を設定することができる。上述と同様、研磨工程、形状加工工程もクリーンルームで行なっても良い。
本発明においては、工程単位毎に基板を収納するディスクケースを異ならせることが好ましい。本発明によれば、前工程で使用されディスクケースに付着したパーティクルを次工程に持ち込むことがないので、欠陥を防止することができる。この場合、ディスクケースを使用される環境を表示する色で着色したり、材質を異ならせたりすることで、前工程からのパーティクルの持ち込みを確実に防止することができる。
以下、使用される工程又は雰囲気毎に異なった色が着色されているディスクケースの使用方法についてガラス製のハードディスク基板の製造を例にとって説明する。ハードディスク用ガラス基板の製造を例にとって説明する。ハードディスク用ガラス基板の製造は、研削工程、形状加工工程、研磨工程、化学強化工程、検査工程に大別できる。これらの製造工程のうち、研削工程と形状加工工程は大気中で行われ、研磨工程から検査工程まではクリーンルーム中で行われる。そこで、大気中で使用するディスクケースは黒色に着色し、クリーンルーム内で使用するディスクケースは緑色に着色する。そして、研削工程と形状加工工程間のディスクの搬送には黒色に着色されたディスクケースを使用し、研磨工程から検査工程における各工程間のディスクの搬送には緑色に着色されたディスクケースを使用する。これによって、大気中で使用されるディスクケースとクリーンルーム中で使用されるディスクケースが識別され、大気中で行われた研削工程及び形状加工工程で用いられたディスクケースが研磨工程から検査工程が行われるクリーンルームに持ち込まれることが防止される。従って、クリーンルーム内を清浄に保つことができるので、平滑性に優れたディスクの製造が可能になる。
以上のような目的に使用されるディスクケースの具体例を図1〜図4を参照して説明する。 このディスクケース10は、上方及び下方が開放された箱状の形状を有する。そして、ディスク12は、ディスクケースの上方より出し入れされる。 このディスクケース10は、相対向する前壁16及び後壁18並びに1対の側壁20を備えている。また、ディスクケース10内の中心には、隔壁21が設けられている。この隔壁によりディスクケース10内にディスク12を収納する収納レーン10aが2列形成される。
この前壁16及び後壁18の各々の収納レーン10aに対向する位置には、略U字状の切欠部22が形成されている。各々の収納レーン10aの前壁16又は後壁18に対向して収納されたディスク12の中央部近傍はこの切欠部より露出する。
側壁20の上端部には、ロボットハンド等によりディスクケース10を保持することを可能にするため外側に突出するフランジ部20dが形成されている。また、側壁20は図2に示されるように、上方の薄板部20aと、この薄板部20aから下方に向かって内側に厚さが増大するテーパ部20bと、テーパー部20bの最大厚さを有する厚板部20cが連続して形成されている。また、側壁21の両面には、側壁20に対応して、上方の平坦部21aと、平坦部から下方に向かって内側に突出するテーパ部21bと、テーパ部21bに連続して形成された突出部21cを有している。
このような側壁20及び隔壁21を対向させることにより、収納レーン10aの上方では側壁20と隔壁21の間隔が広くなり、テーパ部20bが形成されている部分では側壁20と隔壁21の間隔が下方に向かって徐々に減少し、厚板部20cと突出部21cが対向している部分では側壁20と隔壁21の間隔が最も小さくなる。これによって、円盤状のディスク20を安定して保持することが可能になる。
側壁20の下端部と隔壁21の下端部との間は開放部14となっている。 側壁20内側及び隔壁21の両面には、ディスク12を直立保持する溝部を形成するためのリブ24が対向して設けられている。このリブ24は、図1及び図2に示されるように、外壁20及び隔壁21の薄板部20a、平坦部21aからテーパー部20b、21b下端に渡って形成されており、その下部は側壁20及び隔壁21のテーパ部20b、21bの形状に合わせて、収納レーン10aの内側に突出する湾曲形状を有している。
また、リブ24は、図3及び図4に示されるように、収納するディスク12の厚さよりやや大きな間隔を介して配列されており、この間隔により、リブ24間にディスク12の周縁部を挟持する溝が形成される。また、リブ24は収納レーン10aの上方よりディスク12を容易に挿入することを可能にするため、内側に向かって幅が減少する横断面台形状の形状を有している。
各々の収納レーン10aの前壁16、後壁18、側壁20及び隔壁21の下方には、同一ディスクケース10の収納レーン10aの上方に嵌合する形状のフレーム26が形成されている。このフレーム26の底面は、ディスクケース10をローラコンベア等で搬送可能とするため、平坦に形成されている。 ディスク12に化学的処理を施すためにディスクケース10ごと処理液に浸漬する場合や、ディスク12をディスクケースに収納された状態で洗浄する場合等には、リブ24間の溝部に液体排出用のスリットを形成することができる。これによって、化学的処理や洗浄が終了した後、処理液や洗浄液が溝部に滞留することがなくなる。
このようなディスクケース10は、収納されているディスク12の処理に用いられる処理液や処理温度等の使用環境に耐え得る金属、樹脂等の材質により形成される。特に、製作コストや仕上がり精度の観点から、樹脂により一体成形することが好ましい。このような樹脂としては、各種ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニール、商標名テフロン(PTFE)等の一般的な樹脂を用いることができる。特に、ディスクケースを通常の射出成形法により製造する場合、樹脂としては、例えば、ポリカーポネート、ポリアミド、サーモトロピック液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、PEEK系アロイ樹脂〔例えばPEEK/サーモトロピック液晶ポリマー、PEEK/ポリペンゾイミダゾール(PBI)等〕、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂等を用いることが好ましい。
本発明に係る方法により製造される情報記録媒体用基板の表面粗さは、Rmax≦3nm、Ra≦0.3nmであることが好ましい。これによって、表面平滑性の高い基板であって欠陥(凹欠陥、凸欠陥)のない基板を提供することが可能になる。さらに、情報記録媒体用基板の表面粗さは、Rmax≦2nm、Ra≦0.2nmとすることが望ましい。
本発明に係る方法により製造される情報記録媒体用基板に記録層を形成することにより情報記録媒体を製造することができる。本発明によれば、表面平滑性の高い基板を用いることにより、記録密度の高い情報記録媒体を製造することが可能になる。
この記録層は、情報記録媒体が磁気ディスク(ハードディスク)の場合、磁性層に相当する。磁性層としては、例えば、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoCrPt、CoNiPt、CoNiCrPt、CoCrPtTa、CoCrPtBなどの磁性薄膜が挙げられる。
基板と磁性層との間には、通常、シード層や下地層が形成される。シード層は下地層や磁性層の結晶粒径のばらつきを抑える働きを有し、NiAl、CrTi、CrNiなどの材料が用いられる。下地層としては、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al等の非磁性金属等の材料が用いられる。磁性層としてCoを主成分とするものが用いられる場合、磁気特性の向上の目的から、下地層としてはCr合金を用いることが好ましい。
磁性層上には、通常、保護層や潤滑層が形成される。保護層としては、例えば、Cr、Cr合金、カーボン、ジルコニア、シリカ等が挙げられる。潤滑層は、パーフルオロポリエーテル潤滑剤等が用いられる。
本発明により製造される基板の材料は特に限定されない。例えば、ガラス基板(例えば、化学強化ガラス基板やガラスセラミック基板)、セラミック基板、アルミ基板、カーボン基板、シリコン基板、プラスチック基板、ポリカーボネート基板などが挙げられる。本発明は、基板の材料が特にガラス基板(例えば、化学強化ガラス基板やガラスセラミック基板(結晶化ガラス基板))において顕著な効果がある。例えば、ガラスセラミック基板は基板に結晶化処理することにより、基板表面に非晶質相と結晶相とが混在する表面構造となっているが、研磨液に使用する溶媒の中に微小なパーティクルが含まれている場合、結晶相のみが欠落するピットと呼ばれる凹欠陥が発生しやすい。従って、微小なパーティクルを除去した溶媒の研磨液を使用することで、欠陥の発生を低減することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。〔実施例1〕 本実施例では、磁気ディスク(ハードディスク)用ガラス基板を製造し、さらに、このガラス基板を用いて磁気ディスクを製造した。本実施例の方法は、(1)粗ラッピング工程(粗研削工程)、(2)形状加工工程、(3)精ラッピング工程(精研削工程)、(4)端面鏡面加工工程、(5)第1研磨工程、(6)第2研磨工程、(7)化学強化工程、(8)検査工程、(9)磁気ディスク製造工程を含む。
本実施例では、(1)粗ラッピング工程から(3)精ラッピング工程までを大気中にて行ない、(4)端面鏡面加工工程から(6)第2研磨工程までを第1クリーン環境で実施し、(7)化学強化工程を第2クリーン環境で、(8)検査工程を第3クリーン環境で、(9)磁気ディスク製造工程を第4クリーン環境にて実施した。それぞれのクリーン環境は、清浄度を、クラス100000(第1クリーン環境)、クラス10000(第2クリーン環境)、クラス1000(第3クリーン環境)、クラス100(第4クリー
ン環境)とし、クリーンルーム内の濾過した空気を循環させていた環境とした。
また、上記(4)端面鏡面加工工程から(6)第2研磨工程までの研磨装置に使用する研磨液の水は、RO水を使用した。 なお、製造環境毎(第1、2、3、4クリーン環境)にディスク(基板)を収納するディスクケースとしてそれぞれ違った色に着色されたディスクケースを用いた。
(1)粗ラッピング工程 まず、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより直径96mmφ、厚さ1.5mmの円盤状のアルミノシリケートガラスからなるガラス基板を得た。なお、この場合、ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状のガラス基板を得てもよい。 このアルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を含有する化学強化ガラスを使用した。
次いで、ガラス基板に寸法精度及び形状精度の向上させるためラッピング工程と行った。このラッピング工程は両面ラッピング装置を用い、粒度#400の砥粒を用いて行なった。具体的には、はじめに粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷重を100kg程度に設定して、サンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を面精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)6μm程度にラッピングした。
(2)形状加工工程 次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けると共に、外周端面の研削をして直径を95mmφとした後、外周端面および内周端面に所定の面取り加工を施した。このときのガラス基板端面の表面粗さは、Rmaxで4μm程度であった。
(3)精ラッピング工程 次に、砥粒の粒度を#1000に変え、ガラス基板表面をラッピングすることにより、表面粗さをRmaxで2μm程度、Raで0.2μm程度とした。上記ラッピング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽(超音波印加)に順次浸漬して、超音波洗浄を行なった。
(4)端面鏡面加工工程 次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面(内周、外周)の表面の粗さを、Rmaxで1μm、Raで0.3μm程度に研磨した。そして、上記端面鏡面加工を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
(5)第1研磨工程 次に、上述したラッピング工程で残留した傷や歪みの除去するため第1研磨工程を両面研磨装置を用いて行なった。両面研磨装置においては、研磨パッドが貼り付けられた上下上盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、このキャリアをサンギアとインターナルギアとに噛合させ、上記ガラス基板を上下定番によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラス基板の研磨面との間に研磨液を供給して回転させることによって、ガラス基板が定盤上で自転しながら公転して両面を同時に研磨加工するものである。以下、実施例で使用する両面研磨装置としては同一装置を用いた。
具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、研磨工程を実施した。研磨条件は、研磨液として酸化セリウム(平均粒径1.3μm)+RO水とし、荷重:100g/cm、研磨時間:15分とした。上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(6)第2研磨工程 次に第1研磨工程で使用したものと同じタイプの両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェードパット)に変えて、第2研磨工程を実施した。この第2研磨工程は、上述した第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えば表面粗さRaを1.0〜0.3μm程度以下まで低減させることを目的とするものである。研磨条件は、研磨液として酸化セリウム(平均粒径0.8μm)+RO水とし、荷重:100g/cm、研磨時間を5分とした。上記第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(7)化学強化工程 次に、上記洗浄を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合した化学強化液を用意し、この化学強化溶液を380℃に加熱し、上記洗浄・乾燥済みのガラス基板を約4時間浸漬して化学強化処理を行なった。化学強化を終えたガラス基板を硫酸、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(8)検査工程 次に、上記洗浄を終えたガラス基板表面の目視検査及び光の反射・散乱・透過を利用した精密検査を実施した。その結果、ガラス基板表面に付着物による突起や、傷等の欠陥は発見されなかった。これは、表面の平滑性悪化の原因となる雰囲気中に浮遊しているパーティクルが研磨工程時に基板へ付着するのを防止し、研磨パッドと基板の間に介在されたパーティクルによる基板表面の傷の発生を防止できたこと及び研磨液の溶媒(液体)に含まれるパーティクルを除去したことにより、研磨パッドと基板との間に介在されたパーティクルによる基板表面に発生する欠陥(特に凹欠陥:転がり傷)を防止できたことによると考えられる。また、化学強化工程で発生した欠陥(凸欠陥:鉄コンタミなど)や検査工程で付着する欠陥(凸欠陥)についても、クリーンルーム内の清浄な雰囲気で実施することによって、凸欠陥を防止できたと考えられる。上述のように、研磨工程以降の工程(具体的には、研磨工程、化学強化工程、検査工程)をクリーンルーム中で行なうことによって基板表面に発生する欠陥(凹欠陥、凸欠陥)を防止することができる。
また、上記工程を経て得られたガラス基板の主表面の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定したところ、Rmax=2.13nm、Ra=0.20nmと超平滑な表面を持つ磁気ディスク用ガラス基板を得た。
(9)磁気ディスク製造工程 上記工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板の両主表面に、インライン型スパッタリング装置を用いて、NiAシード層、CrV下地層、CoPtCrB磁性層、水素化カーボン保護層を順次成膜し、さらにディップ法によりパーフルオロポリエーテル潤滑層を成膜して磁気ディスクを得た。得られた磁気ディスクについて、タッチダウンハイト試験を実施したところ、タッチダウンハイトが5nmと良好な値を示した。また、ロードアンロード試験(10万回)を行なってもヘッドがクラッシュすることがなかった。
〔実施例2〕 実施例1におけるアルミノシリケートガラスの代わりに、SiO:35〜65モル%、Al:5〜25モル%、MgO:10〜40モル%、TiO:5〜15モル%、Y:0〜10モル%、ZrO:0〜6モル%、RO:0〜5モル%(但し、RはLi、Na、Kからなる群から選ばれる少なくとも1種を表す)、RO:0〜5モル%(但し、RはCa、Sr、Baからなる群から選ばれる少なくとも1種を表す)、As+Sb:0〜2モル%、SiO+Al+MgO+TiO:92モル%以上であるガラスを結晶化処理させ、主結晶がエンスタタイト及び/又はその固溶体である結晶化ガラス基板を用いた。尚、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程は、(1)円盤状ガラス基板素材製造工程、(2)結晶化ガラス製造工程、(3)形状加工工程、(4)ラッピング工程(研削工程)、(5)端面鏡面加工工程、(6)第1研磨工程、(7)第2研磨工程、(8)検査工程、(9)磁気ディスク製造工程からなる。実施例1との相違点は、各工程毎に異なるクリーン環境で実施したことである。具体的には、上記(1)円盤状ガラス基板素材製造工程から(4)ラッピング工程までを大気中にて行ない(5)端面鏡面加工工程を第1クリーン環境で実施し、(6)第1研磨工程を第2クリーン環境で実施し、(7)第2研磨工程を第3クリーン環境で実施し、(8)検査工程を第4クリーン環境で、(9)磁気ディスク製造工程を第5クリーン環境にて実施した。それぞれのクリーン環境は、清浄度を、クラス500000(第1クリーン環境)、クラス100000(第2クリーン環境)、クラス50000(第3クリーン環境)、クラス1000(第4クリーン環境)、クラス100(第5クリーン環境)とし、クリーンルーム内の濾過した空気を循環させた。また、上記(4)端面鏡面加工工程から(6)第2研磨工程までの研磨装置に使用する研磨液の水として、RO水を利用した。
(1)円盤状ガラス基板製造工程 まず、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより、直径66mmφ、圧さ1.3mmの円盤状のガラス基板を得た。このガラスとしては、SiO:35〜65モル%、Al:5〜25モル%、MgO:10〜40モル%、TiO:5〜15モル%、Y:0〜10モル%、ZrO:0〜6モル%、RO:0〜5モル%(但し、RはLi、Na、Kからなる群から選ばれる少なくとも1種を表す)、RO:0〜5モル%(但し、RはCa、Sr、Baからなる群から選ばれる少なくとも1種を表す)、As、Sb:0〜2モル%、SiO+Al+MgO+TiO:92モル%以上のものを使用した。
(2)結晶化ガラス製造工程 上記のガラス基板を、砥粒の粒度が#400である両面ラッピング装置によって基板の厚み及び平坦度を整えた。その後、このガラス板を750℃で約4時間熱処理して結晶核を形成した後、約1000℃の結晶化温度で約4時間保持することにより、主結晶相がエンスタタイト及びその固溶体である結晶化ガラス基板を製造した。結晶粒子の平均粒子径は電子顕微鏡観察によると、28nmであった。
(3)形状加工工程 上記の結晶化ガラス基板を、両面ラッピング装置によってラッピングして、ガラス基板の反りを取り除いた後、比較的粒度の粗いダイヤモンド砥石で、研削加工して直径65mmφ、厚さ0.7mmに成形してガラス基板を得た。このガラス基板の両面を粒度の細かいダイヤモンド砥石で研削加工し、さらに円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けるとともに、外周端面の研削をした後、内周及び外周面に所定の面取り加工を施した。
(4)ラッピング工程 所定の粒度のダイヤモンド砥粒を固定したペレットを貼り付けた上下定盤に、キャリアでガラス基板を保持し、潤滑油(クーラント)を供給しながら上下定盤を回転させてガラス基板の両面を研削加工した。上記研削工程を終えたガラス基板を中性洗剤、純水の各洗浄槽に順次浸漬し、超音波洗浄した。 次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面(内周、外周)の表面粗さを、Rmaxで1μm、Raで0.3μm程度に研磨した。上記端面鏡面加工を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
(5)第1研磨工程 次に、第1研磨工程を両面研磨装置を用いて行なった。 詳しくは、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発砲ウレタン)を用い、研磨工程を実施した。研磨条件は、研磨液として酸化セリウム(平均粒径1.3μm)+RO水とし、荷重:120g/cm、研磨時間:60分とした。上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、
IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し乾燥した。
(6)第2研磨工程 次に第1研磨工程で使用したものと同じタイプの両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェードパット)に変えて、第2研磨工程を実施した。 研磨条件は、研磨液としてコロイダルシリカ(平均粒径0.1μm)+RO水を用い、荷重:120g/cm、研磨時間を20分とした。上記第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(7)検査工程 次に、上記洗浄を終えたガラス基板の表面の目視検査及び顕微鏡による精密検査等を実施した。その結果、ガラス基板表面に付着物による突起や、傷等の欠陥は発見されなかった。
これは、表面の平滑性悪化の原因となる雰囲気中に浮遊しているパーティクルが研磨工程時に基板へ付着するのを防止し、研磨パッドと基板との間に介在されたパーティクルによる基板表面の傷の発生を防止できたこと及び研磨液の溶媒(液体)に含まれるパーティクルを除去したことにより、研磨パッドと基板との間に介在されたパーティクルによる基板表面に発生する欠陥(特に凹欠陥:転がり傷や結晶相が抜け落ちたことによるピット)を防止できたためと考えられる。また、検査工程で付着する欠陥(凸欠陥)についても、クリーンルーム内の清浄な雰囲気で実施することによって、凸欠陥を防止できたと考えられる。上述のように、研磨工程以降の工程(具体的には、研磨工程、検査工程)をクリーンルーム中で行なうことによって基板表面に発生する欠陥(凹欠陥、凸欠陥)を防止することができる。
また、上記工程を経て得られたガラス基板の主表面の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定したところ、Rmax=3.23nm、Ra=0.31nmと超平滑な表面を持つ磁気ディスク用ガラス基板を得た。
(8)磁気ディスク製造工程 上記工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板の両主表面に、インライン型スパッタリング装置を用いて、NiAlシード層、CrV下地層、CoPtCrB磁性層、水素化カーボン保護層を順次成膜し、さらにディップ法によりパーフルオロポリエーテル潤滑層を成膜して磁気ディスクを得た。得られた磁気ディスクについて、タッチダウンハイト実験をしたところ、タッチダウンハイトが7nmと良好な値を示した。また、ロードアンロード試験(10万回)を行なってもヘッドがクラッシュすることがなかった。
〔実施例3〕 次に、実施例1における第2研磨工程の後に、以下の第3研磨工程を実施した以外は、実施例1と同様に磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクを製造した。 この第3研磨工程では、第1、2研磨工程で使用したものと同じタイプの両面研磨装置を用い、ポリシャを超軟質ポリシャ(スウェードパッド)に変え、研磨条件は、研磨液をコロイダルシリカ(平均粒径0.1μm)+RO水とし、荷重:100g/cm、研磨時間を3分とした。第3研磨工程を終えたガラス基板を、アルカリ、中性洗剤、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し乾燥した。
上記洗浄を終えたガラス基板表面の目視検査、及び光の反射・散乱・透過を利用した精密検査等を実施した。その結果、ガラス基板表面に付着物による突起や傷等の欠陥は発見されなかった。これは、実施例1と同様、表面の平滑性悪化の原因となる雰囲気中に浮遊しているパーティクルが研磨工程時に基板へ付着するのを防止し、研磨パッドと基板との間に介在されたパーティクルによる基板表面の傷の発生を防止できたこと、及び、研磨液の溶媒(液体)に含まれるパーティクルを除去したことにより、研磨パッドと基板との間に介在されたパーティクルによる基板表面に発生する欠陥(特に凹欠陥:転がり傷)を防止できたためと考えられる。また、化学強化工程で発生した欠陥(凸欠陥:鉄コンタミなど)や検査工程で付着する欠陥(凸欠陥)についても、クリーンルーム内での清浄な雰囲気で実施することによって、凸欠陥を防止できたと考えられる。上述のように、研磨工程以降の工程(具体的には、研磨工程、化学強化工程、検査工程)をクリーンルーム中で行なうことによって基板表面に発生する欠陥(凹欠陥、凸欠陥)を防止することができる。
また、上記工程を経て得られたガラス基板の主表面の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定したところ、Rmax=1.53nm、Ra=0.15nmと超平滑な表面を持つ磁気ディスク用ガラス基板を得た。また、磁気ディスクについて、タッチダウンハイト試験を実施したところ、タッチダウンハイトが4nmと良好な値を示した。また、ロードアンロード試験(10万回)を行なってもヘッドがクラッシュすることがなかった。
〔比較例1〜3〕 比較例1として、上記実施例1において、端面鏡面加工工程、研磨工程(第1、2研磨工程)及び化学強化工程をクリーンルーム内で行なわず大気中で行なったこと、研磨工程で使用する溶媒をRO水から水道水にした以外は実施例1と同様にして磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクを作製した。
比較例2として、実施例2において、端面鏡面加工工程及び研磨工程(第1、2研磨工程)をクリーンルーム内で行なわず大気中で行なったこと、研磨工程で使用する溶媒をRO水から水道水にした以外は実施例2と同様にして磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクを作製した。
比較例3として、実施例3において、端面鏡面加工工程、研磨工程(第1、2、3研磨工程)及び化学強化工程をクリーンルーム内で行なわず大気中で行なったこと、研磨工程で使用する溶媒をRO水から水道水にした以外は実施例3と同様にして磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクを作製した。 比較例1〜3において、検査工程において、ガラス基板の表面の目視検査及び顕微鏡による精密検査等を実施した。
その結果、比較例1、3では、研磨工程時に水道水や雰囲気中のパーティクルの洗浄不良でできた突起や、化学強化工程時にガラス基板に強固に付着した突起による凸欠陥や、研磨工程時にできた転がり傷と思われる2〜5μm程度の傷が発見された。 また、比較例2では、研磨工程時に水道水や雰囲気中のパーティクルの洗浄不良でできた突起や、研磨工程時にできた2〜5μm程度の転がり傷や、異物によって結晶相が抜け落ちたことによるピットの凹欠陥が発見された。
また、上記工程を経て得られたガラス基板の主表面の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定したところ、比較例1〜3ともに、上記凸欠陥、凹欠陥によりRmaxが約7〜10nm、Raが約0.6〜0.9nmと粗くなった。得られた磁気ディスクについて、タッチダウンハイト試験を実施したところ、タッチダウンハイトが15nm以上という結果となり、また、ロードアンロード試験(10万回)においてヘッドクラッシュが発生した。
〔評価〕 上記実施例1〜3及び比較例1〜3の磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスク、さらに上記実施例1〜3において研磨工程で使用する研磨液の溶媒を水(水道水)に変えた場合に得られた磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクをそれぞれ100枚作製して、欠陥の発生率及びその内訳について調べた。その結果を表1に示す。表1において、クリーンルーム、RO水における○は実施を、×は未実施を表す。また、凹欠陥は2〜5μmの異物による転がり傷を表し、凸欠陥は異物の付着による欠陥を表す。
Figure 2006007417
実施例1〜3は、研磨工程以降をクリーンルーム内で実施したこと及び研磨工程での研磨液の溶媒(液体)をRO水にしたことにより、転がり傷(凹欠陥)の発生率が0%となっている。凸欠陥の発生率が1%になっているのは、実施例2では結晶化ガラス基板によるもの、実施例3では研磨工程が1工程増えたことによる洗浄不良等が発生したものと考えられる。
実施例4〜6では、研磨工程での研磨液の溶媒を水(水道水)を使用したことにより、水道水に含まれている銅、鉄、鉛等の異物が研磨液に含まれ、研磨工程時に異物が基板表面を傷つけたことにより、凹欠陥の発生率が十数%になったことと思われる。特に、実施例6では、表面粗さRmax≦2nm、Ra≦2nmという超平滑なガラス基板を必要とする製造工程では、歩留まりが実施例4と比べて低くなっている。また、実施例5では、結晶化ガラス基板表面が非結晶質相と結晶相の構造になっているので、異物による結晶相部分がかけ落ちやすいことと、ガラス基板の材質により若干凹欠陥の発生率が高くなったと考えられる。また、凸欠陥は、研磨液に水道水に含まれる異物が洗浄不良として残ったものと考えられる。
比較例1〜3では、研磨工程をクリーンルーム内で実施しなかったこと及び研磨工程での研磨液の溶媒を水道水にしたことにより、雰囲気中のパーティクル、研磨液中の異物による研磨工程時の転がり傷(凹欠陥)の発生率が20数%〜30数%と非常に高くなっていることがわかる。特に、超平滑の基板表面を形成する工程(第3研磨工程)を付加した場合(比較例3)に、33%と高くなっている。また、結晶化ガラス基板の材質によって凹欠陥の発生率が36%と高くなっている(比較例2)。また、凸欠陥も、研磨工程、化学強化工程をクリーンルーム内で実施しなかったこと及び研磨工程で水道水を使用したことによる洗浄不良などが原因により、異物が基板表面に付着し、凸欠陥の発生率が化学強化ガラス基板(比較例1、3)の場合、10数%となっている。尚、結晶化ガラス基板は、化学強化工程を行なわない分、基板に付着する異物による凸欠陥の発生がない分、化学強化ガラス基板の場合に比べて数%低くなっている(比較例2)。
以上の結果をみても分かるように、研磨工程以降をクリーンルーム内で実施し、且つ研磨工程で使用する研磨液の溶媒(液体)をRO水にすることによって、凹欠陥、凸欠陥の発生率をほぼ0%にし、製造歩留まりも良いことがわかる。また、研磨液の溶媒を水道水にした場合には、製造歩留まりが79%〜88%と、前述と比べ約10〜20%低下する結果となった。従って、研磨工程以降をクリーンルーム内で実施し、且つ、研磨工程で使用する研磨液の溶媒を微小なパーティクルを除去した液体(例えばRO水)を使用することが一番良いことがわかる。特に、本発明は、Rmax≦2nm、Ra≦0.2nm超平滑なガラス基板を製造する場合、ガラス基板の材質が結晶化ガラス基板の場合に、特に有効であることがいえる。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。例えば、研磨工程以前のラッピング工程、形状加工工程をクリーンルーム内で行なってもよい。 また、上述の実施例では、ロードアンロード用磁気ディスク及び磁気ディスク用基板について説明したが、本発明は、例えば、CSS(コンタクト・スタート・ストップ)方式の磁気ディスク及び磁気ディスク用基板に適用できる。また、磁気ディスクや磁気ディスク用基板に限らず、光ピックアップレンズを搭載したヘッドスライターで記録再生する光磁気ディスクや光磁気ディスク用基板等の一般の情報記録媒体及び情報記録媒体用基板に適用できる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、情報記録媒体用基板の製造方法において研磨液として1μm以上の粒子を除去した水又は超純水を用いることとしたので、研磨工程においてディスク表面に発
生する欠陥、特に凹欠陥の発生率を低下することができ、平滑性に優れた情報記録媒体用基板を製造することが可能になる。また、このような情報記録媒体用基板を用いて情報記録媒体を製造することにより記録密度の高い情報記録媒体を製造することが可能になる。
本発明の情報記録媒体用基板の製造方法で用いられるディスクケースを示す斜視図である。 本発明の情報記録媒体用基板の製造方法で用いられるディスクケースを示す正面図である。 本発明の情報記録媒体用基板の製造方法で用いられるディスクケースを示す平面図である。 本発明の情報記録媒体用基板の製造方法で用いられるディスクケースのリブを示す拡大平面図である。
符号の説明
10 ディスクケース 12 ディスク

Claims (6)

  1. 情報記録媒体用基板を製造する情報記録媒体用基板の製造方法において、 研磨工程における研磨液は1μm以上の粒子を除去した水と研磨剤とを含む情報記録媒体用基板の製造方法。
  2. 情報記録媒体用基板を製造する情報記録媒体用基板の製造方法において、 研磨工程における研磨液は超純水と研磨剤とを含む情報記録媒体用基板の製造方法。
  3. 請求項2記載の情報記録媒体用基板の製造方法であって、 前記超純水は、RO水であることを特徴とする情報記録媒体用基板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の情報記録媒体用基板の製造方法であって、 前記研磨剤は酸化セリウム又はコロイダルシリカを含む情報記録媒体用基板の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載の情報記録媒体用基板の製造方法であって、 前記研磨工程はクリーンルーム中で行なう情報記録媒体用基板の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載の情報記録媒体用基板の製造方法によって得られた情報記録媒体用基板に記録層を形成する情報記録媒体の製造方法。
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