JP2006006835A - 透析装置 - Google Patents
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Abstract
その状態から血液ポンプ12を作動させると同時に、排出通路5に設けられた廃液通路26の廃液弁27を開放することで、血液回路3及び血液室2A内の残留液が廃液容器28に排出され、透析液室2B内の残留液は排出通路5及び廃液通路26を介して排出される。
【効果】 返血終了時に血液回路及び透析器内に残留する残留液を迅速に排出させ、作業者の負担を低減することができる。
【選択図】 図1
Description
このような透析装置を用いて透析を行うと、透析終了時には上記血液回路内に血液が残るので、この血液を人体に戻す返血作業が行われており、この返血作業のため、上記血液回路に生理食塩水などの液体を供給して血液を押し出すようになっていた。
さらに、上記透析器と血液回路は透析を行う毎に廃棄しなければならないが、このとき返血作業に用いた生理食塩水等の残留液が存在すると、廃棄する際の透析器と血液回路の重量が多大となり、また残留液が飛散して汚染の原因となるおそれがあった。
このような問題に対し、従来、上記返血作業が終了したら、血液回路及び透析器内の残留液を排出する排出作業が行われており、例えば、上記血液回路における人体との接続部を相互に連結し、この状態で血液ポンプおよび排出通路に設けられた排出ポンプを作動させて血液回路内の残留液を上記排出通路に移動させ、その後さらに透析器から供給通路を取り外すことで、透析液室の残留液を除去するようになっていた。(特許文献1)
このような問題に鑑み、本発明は迅速に残留液の排出が可能であり、作業者にかかる負担の低い透析装置を提供するものである。
上記排出通路に、廃液通路と当該廃液通路を開閉する廃液弁とを設けるとともに、所定の作動指令に基づいて、該廃液弁と上記血液ポンプを作動させる制御手段を備え、
上記透析器における供給通路側の連通口を大気と連通させた状態で上記廃液弁を開放するとともに、上記血液ポンプを作動させることで、
上記透析液室の残留液を上記廃液通路を介して排出するとともに、上記血液室及び血液回路の残留液を排出することを特徴としている。
そして透析液室の残留液と血液室及び血液回路の残留液を同時期に排出するため、迅速に残留液を排出することができ、しかも作業者の負担を軽減することが可能となる。
本実施例において、上記透析器2は血液の流れが図示下方から上方に向けて流れるように図示してあり、その内部には束ねられた多数の中空糸7が設けられている。
そしてこの中空糸7の内側を血液が流れ、外側を透析液が流れるようになっており、図1には模式的に透析器2内に1本の中空糸7を記載するとともに、この中空糸7の内側を血液室2A、外側を透析液室2Bとしている。
なお、実際に本実施例の透析装置1によって透析を行う際には、血液が透析器2の上方から下方に向けて流れるように設置するが、本実施例では後述する残留液の排出を説明するため、このような記載となっている。
これら動脈側通路3a及び静脈側通路3bの途中にはそれぞれ血液中に気泡が混入するのを防止するためのドリップチャンバ11が設けられており、さらに動脈側通路3aには、制御装置6により作動を制御され血液を送液する血液ポンプ12が設けられている。
この血液ポンプ12は動脈側通路3aを構成するチューブを外部から押圧しながら送液を行うものとなっており、従来公知のものを使用しているので、詳細な説明については省略する。
さらに、上記動脈側通路3aの途中には生理食塩水通路13が設けられており、生理食塩水を貯溜する生理食塩水バック14に接続されている。この生理食塩水は、後述する返血作業時に血液回路3内の血液を返血するために使用され、この生理食塩水通路13は透析作業中はクランプされて閉鎖されるようになっている。
これら供給通路4及び排出通路5は、ともに図示しない定量ポンプに接続されており、この定量ポンプから供給通路4を介して透析液室2Bに供給される新たな透析液と、透析液室2Bから排出通路5を介して定量ポンプに排出される使用済みの透析液とが同量となるようにされている。
そして、上記排出通路5と定量ポンプとの間にはには排出ポンプ23および除水機構24が設けられており、上記排出ポンプ23によって透析液回路での透析液の送液を行い、また上記除水機構24によって透析器2において血液からの除水を行うようになっている。
なお、上述した定量ポンプ、排出ポンプ23、除水機構24等、透析液回路の構成については、従来公知の透析装置と同一の構成を有しているので、詳細な説明を省略し、上記除水機構24については、上記定量ポンプが除水機能を備えている場合には省略することも可能となっている。
この廃液通路26の端部は病院設備における廃液タンク等に接続されており、さらにこの廃液通路26の途中には、制御装置6によって開閉を制御される廃液弁27が設けられている。
この返血作業が終了すると、血液回路3及び透析液の血液室2A内にはそれぞれ返血に用いた生理食塩水が残留液として残留しており、一方透析器2の透析液室2B内には透析液が残留液として残留している。
ここで、上記透析器2及び血液回路3は透析を行うたびに交換するようになっており、透析の終了した透析器2及び血液回路3は廃棄する必要がある。廃棄の際、透析器2及び血液回路3内に上記残留液が存在していると、廃棄重量が大きくなるばかりでなく、残留液による汚染が心配されるため、これらの残留液については排出作業により排出しておく必要がある。
次に、取り外した静脈側通路3b及び動脈側通路3aのうち、少なくとも静脈側通路3bを準備した廃液容器28に接続し、その状態で動脈側通路3aにしていたクランプを取り外すとともに、上記生理食塩水通路13を再びクランプする。
一方、透析液回路では、上記供給通路4をカプラ21により透析器2から取り外し、当該供給通路4を透析装置1の所定の場所に収納する。
そして、この状態となったら作業者は制御装置6に設定された所定の作動ボタン6aを押し、これにより作動指令が入力されて、制御装置6は血液ポンプ12に作動信号を出力し、これとほぼ同時に、上記廃液通路26の廃液弁27に開放作動信号を出力する。
すると、上記血液回路3では動脈側通路3の先端から外気が流入し、上記廃液容器28内に残留液が押し出されて血液室2A及び血液回路3内の残留液が全て排出される。
一方、これと同時期に透析液室2B内の残留液は、透析器2の供給通路4側の接続部が大気に開放されているので、上記廃液弁27が開放されることで自重により排出通路5及び廃液通路26を介して排出され、透析液室2B内の残留液も全て排出される。
血液ポンプ12は所定時間が経過すると停止するよう設定されており、透析器2及び血液回路3内の残留液が除去されて排出作業が終了する。その後作業者は透析器2から排出通路5を取り外すとともに、血液ポンプ12から動脈側通路3aを取り外して、透析器2及び血液回路3を残留液のない状態で廃棄処分する。
したがって、上記特許文献1のように血液回路3内の残留液が除去されることを待ってから透析液室2B内の残留液を除去する場合に比べ、より短時間で排出作業を終了させることができ、しかも作業者が所定の作動ボタン6aを押せば、制御手段6により排出作業は自動的に終了まで実行されるので、作業者の負担が軽減される。
本実施例では、上記廃液通路26における廃液弁27のさらに下流側となる位置に流通路31が接続されており、当該流通路31には逆止弁32が設けられていて、廃液通路26から当該流通路31への逆流を防止している。
そしてこの流通路31における廃液通路26との接続部とは反対側の端部には、接続コネクタ33aが設けられていて、血液回路3の静脈側通路3bの端部には、これと接続可能な接続コネクタ33bが設けられている。
この血液回路3側の接続コネクタ33bは、透析時に取り付けられている穿刺針を外したものであり、一方、流通路31の接続コネクタ33aは、透析装置1の機体表面に開口するよう配置されている。
上記流通路31の接続コネクタ33aと静脈側通路3bの接続コネクタ33bとを接続し、その状態で動脈側通路3aにしていたクランプを取り外すとともに、上記生理食塩水通路13を再びクランプし、透析液回路では、上記供給通路4を透析器2から取り外し、当該供給通路4を透析装置1の所定の場所に収納する。
そしてこの状態から制御装置6の作動ボタン6aを押すことで、血液ポンプ12が作動するとともに、上記廃液通路26の廃液弁27が開放される。
すると、血液ポンプ12によって血液回路3内の残留液は動脈側通路3aから静脈側通路3bへと流れ、上記接続コネクタ33を介して上記流通路31に流入し、さらにこの流通路31内の残留液は廃液通路26を流れて上記透析液回路内の残留液とともに排出される。
このように、第2の実施例によれば、血液回路3の残留液も廃液通路26を介して廃液できるので、廃液容器28に収容した残留液を廃棄する手間を省くことができ、一層作業者の負担が低減される。
なお、本実施例では上記流通路31を直接廃液通路26に接続しているが、必ずしも直接である必要は無く、排出通路5のような廃液通路26と連通する通路に接続させて、間接的に連通するよう構成しても良い。
すなわち、排出作業の際に、上記血液ポンプ12の作動と、上記廃液弁27の開放と同時に、当該大気弁が開放されるようにすれば、作業者が供給通路4を透析器2から取り外さなくとも、排出作業を行うことが可能となるので、作業者の負担をさらに低減させることが可能となる。
また、上記排出作業時に上記排出ポンプ23を作動させれば、より迅速に残留液を透析液室2Bより排出することが可能となる。
2A 血液室 2B 透析液室
3 血液回路 4 供給通路
5 排出通路 12 血液ポンプ
23 排出ポンプ 26 廃液通路
27 廃液弁 31 流通路
Claims (3)
- 血液室と透析液室とに区画された透析器と、上記血液室に接続された血液回路と、上記透析液室に新たな透析液を供給する供給通路と、透析液室から使用済み透析液を排出する排出通路と、上記血液回路内の液体を送液する血液ポンプとを備えた透析装置において、
上記排出通路に、廃液通路と当該廃液通路を開閉する廃液弁とを設けるとともに、所定の作動指令に基づいて、該廃液弁と上記血液ポンプを作動させる制御手段を備え、
上記透析器における供給通路側の連通口を大気と連通させた状態で上記廃液弁を開放するとともに、上記血液ポンプを作動させることで、
上記透析液室の残留液を上記廃液通路を介して排出するとともに、上記血液室及び血液回路の残留液を排出することを特徴とする透析装置。 - 上記供給通路に大気と連通する大気通路と、当該大気通路を開閉する大気弁とを設け、上記廃液弁を開放する際に上記開閉弁を開くことで、上記透析器における供給通路側の連通口を大気と連通させることを特徴とする請求項1に記載の透析装置。
- 上記廃液通路と連通する流通路を設け、
血液ポンプの送液側となる血液回路の端部を該流通路に接続させて、上記血液室及び血液回路の残留液を流通路を介して廃液通路に排出することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の透析装置。
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