JP2006006184A - 加熱式薬剤蒸散装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体10に発熱体11と蒸散体載置部12と熱気流助長手段13を設けた装置本体1と、シートを折り畳み、又はまるめたシート材21に薬剤を含浸して保持した薬剤保持体20と固定具30を有する蒸散用薬剤蒸散体2を備え、その発熱体11から発生した熱気流を熱気流助長手段13で増速することで、その熱気流を薬剤保持体20の表面の全部に沿って高速で上昇させ、短時間に多量の薬剤を蒸散させる。
【選択図】図1
Description
これらのものは、煙、分解ガス、噴射ガスが大気中に発散され、環境が汚染されて安全かつ衛生的でない。又、一回きりの使い捨て商品であり、昨今のゴミ問題や省資源など社会状況から好ましくない。
例えば、特許文献1には、多数の揮散孔を有する板状の多孔質材を素材とした担体に薬剤を含浸して保持した燻蒸マットを、ヒータ伝熱や熱気流で加熱することで、薬剤を早く蒸散させるものが開示されている
また、特許文献2には、害虫駆除剤を含浸したリング状の燻蒸マットをヒータ体に嵌着し、その燻蒸マットをヒータ体で加熱すると共に、ヒータ体の発熱で生じた熱気流によって加熱して上昇することで、薬剤を急速に蒸散させるものが開示されている。
しかし、燻蒸マットを厚肉とするに従って薬剤の蒸散が著しく低下する。
このために、特許文献1に開示されたものでは、短時間に多量の薬剤を蒸散できない。
しかしながら、多量の薬剤を保持するには燻蒸マットを厚肉にしなければならないし、前記ヒータ体の発熱で生じた熱気流は蒸散した薬剤を上昇することができるが、その熱気流は燻蒸マット内部の薬剤の蒸散には効果が少ない。
このために、特許文献2に開示されたものでは、短時間に多量の薬剤を蒸散できない。
通気性を有するシートを折り畳み、又はまるめたシート材21に薬剤を含浸して保持した薬剤保持体20と固定具30を有する蒸散用薬剤蒸散体2を備え、
前記発熱体11は通電することで発熱して熱気流を発生し、
前記蒸散体載置部12は発熱体11の周囲に設けてあり、
前記熱気流助長手段13は、発熱体11の発熱により発生した熱気流の上昇速度を増速し、
前記固定具30は薬剤保持体20を支持し、かつ前記蒸散体載置部12に載置することで、熱気流が薬剤保持体20の表面に沿って上昇するようにしたことを特徴とする加熱式薬剤蒸散装置である。
また、前述の薬剤保持体20は、通気性を有するシートを所定の折り幅で山折りと谷折りを交互に繰り返して多数折り畳んだ中央空洞部22と複数の半径方向に向かう空洞部23を有するほぼ花びら形状のシート材21に、薬剤を含浸して保持したものが好ましい。
さらに、その固定具30の下端部を蒸散体載置部12を載置することで薬剤保持体20の下面20aと発熱体11の上面11aが対向することが好ましい。
また、薬剤保持体20のシート材21は折り畳み又はまるめたものであるから、単位体積当たりの表面積が多く、しかも発熱体11の発熱で発生した熱気流の上昇温度が熱気流助長手段13で増速されて薬剤保持体20の表面の全部に沿って高速で上昇するから、短時間に多量の薬剤を蒸散できる。
また、薬剤保持体20の薬剤を全て蒸散したら、新しい薬剤保持体20を備えた蒸散用薬剤蒸散体2と交替して薬剤の取り替えができる。
また、送風機13aの吐出空気は発熱体11の表面と薬剤保持体20の裏面との間に吐出されるから、その吐出空気が発熱体11に直接吹きつけられることがなく、送風機13aの吐出空気で発熱体11が冷却されて発熱温度が低下することがない。
また、送風機13aの吸込み空気は発熱体11の表面と薬剤保持体20の裏面との間を通して吸い込みされるから、その吸込み空気が発熱体11に沿って流れることがなく、送風機13aの吸込み空気によって発熱体が冷却されて発熱温度が低下することがない。
装置本体1と蒸散用薬剤蒸散体2で加熱式薬剤蒸散装置を構成している。
前記装置本体1は、本体10に発熱体11と、発熱体11周囲の蒸散体載置部12と、熱気流助長手段13を設けたものである。
前記本体10は底面板14と周面板15と上面板16で空洞部10aを有する容器形状で、その上面板16に支持片17が設けられ、この支持片17に接するように発熱体11が設けられる。
前記発熱体11は通電することで発熱して熱気流を発生するもので、その発熱体11には本体10内に設けた図示しない電池や、商用電源から通電される。
前記蒸散体載置部12は、上面板16の支持片17よりも上方位置に形成してある。
例えば、送風機13aを駆動することで吸込孔13bから本体10の空洞部10a内に外気を吸い込み、その吸い込んだ空気を吐出孔13cで発熱体11の上方に吐出、好ましくは斜め上向きに吐出して上昇気流を発生させ、熱気流の上昇速度を速くする。
前記上面板16の上部寄りに複数の吐出孔13cを周方向に間隔を置いて斜め上向きに形成して熱気流助長手段13としている。
その薬剤保持体20は、通気性を有するシートを折り畳み又はまるめたシート材21に薬剤を含浸して保持した形状である。
例えば、図2と図3に示すようにシートを所定の折り幅で山折り、谷折りを交互に繰り返してほぼ波形状に折り畳んだシート材21に薬剤を含浸して保持してある。
前記固定具30は上下面が開口したほぼ筒形状で、この固定具30内に薬剤保持体20を挿入して保持する。
そして、薬剤保持体20を折り畳み方向に押しつけて支持枠33内に押し込み、支持片34に接する。
最後に、押え部材32を支持枠33の上部に嵌合して薬剤保持体20の上面に接して保持する。
例えば、支持枠33の下端面を蒸散体載置部12に接して取付けることで、薬剤保持体20の裏面、例えば下面20aが発熱体11の上面11aと間隔を置いて対向し、前述の吐出孔13cは薬剤保持体20の下面20aと発熱体11の上面11aとの間の空間部に開口し、送風機13aの吐出空気を発熱体11の上面11aと薬剤保持体20の下面20aとの間の空間部に吐出する。
しかも、熱気流は送風機13aの吐出空気で増速されて高速であるから短い時間で多量の熱気流が薬剤保持体20の表面に沿って流れ、短時間に多量の薬剤が蒸散する。
また、送風機13aの吐出空気が発熱体11に吹きつけられることがないので、その吐出空気で発熱体11が冷却されて発熱温度が低下することがない。
図4、図5に示すように、通気性を有するシートを所定の折り幅で山折り、谷折りを交互に繰り返してひだ形状で、かつほぼ花びら状の筒形状に折り畳んだシート材21とし、そのシート材21に薬剤を含浸して保持することでほぼ花びら状の筒形状の薬剤保持体20とする。
そして、その薬剤保持体20をほぼ筒形状の固定具30内に嵌め込んで支持する。例えば支持枠33内に挿入して支持片34に接し、押え部材32を取付けて支持することで、ほぼ筒形状の薬剤保持体20の軸方向(つまり、折り線に沿った方向)に熱気流が流れるようにする。
前記固定具30の押え部材32、支持片34は、外周リング部32a,34aと中央リング部32b,34bを複数の杆体32c,34cで連結した形状である。
そして、シート材21の中央空洞部22に中央リング部34b,32bが嵌合するように取付けられる。
例えば、発熱体11を中央部に穴を有する環状とし、その穴が中央空洞部22と対向するようにする。
または、中央リング部34bを板状として熱気流が流れないようにする。
図6、図7に示すように、前記蒸散用薬剤蒸散体2の薬剤保持体20は、通気性を有するシートをまるめたシート材21に薬剤を含浸して保持したほぼ円柱形状である。
前記蒸散用薬剤蒸散体2の固定具30は、支持枠33に支持片34を設けた支持部材31と、その支持枠33に嵌合して取付けられる押え部材32を備えている。
そして、支持片34と押え部材32は、外周リング部34a,32aと放射状の複数の杆体34c,32cを有している。
この実施の形態の蒸散用薬剤蒸散体2は図8に示すように、薬剤保持体20の外周面20bと固定具30の内周面30a(支持枠33の内周面33a)との間に、上下方向に連続した隙間2aを形成し、この隙間2aに熱気流が上昇することで薬剤保持体20の外周面20bを加熱できるようにしたものである。
薬剤保持体20は図2に示すシート材21を有し、そのシート材21の折り畳み方向の両側面を一対の縦向突片35間に設けて一対の第2縦板33cの内面との間に隙間を形成し、シート材21の下面を横向突片36に接して薬剤保持体20を固定具30内に取付ける。
この実施の形態の装置本体1は熱気流助長手段13の形態が前述の各実施の形態と相違する。
例えば図10に示すように発熱体11を上下面が開口した筒形状とし、その発熱体11の内部に送風機13aを位置させる。
本体10の上面板16に開口部13dを形成し、この開口部13dの周囲に蒸散体載置部12を形成する。
これによって、薬剤保持体20の表面の全部が熱気流で短時間で高温に加熱されるから、短時間に多量の薬剤が蒸散する。
なお、この熱気流助長手段13を備えた装置装置本体1には、前述の第2・第3・第4の実施の形態で示す蒸散用薬剤蒸散体を利用できることは勿論である。
この実施の形態は、図11に示すように送風機13aをシロッコファンを用いたものとし、本体10の上部に、その蒸散体載置部12と連続し蒸散用薬剤蒸散体2の上下寸法よりも深く、本体10の上面に開口した蒸散用薬剤蒸散体2を取付ける凹陥部3を形成したものである。
具体的には、図11に示すように、本体10は送風機室13eと、その外周側の環状空間13fを有する。例えば、底面板14の中央部と上面板16の中央下部とで送風機室13eを形成し、上面板16と周面板15との間に環状空間13fを形成している。
前記送風機室13eは底板14の吸込孔13bで大気に開口し、かつ出口13gで環状空間13fに開口していると共に、その送風機室13eにシロッコファン13hを設けて送風機13aとしてある。
そして、シロッコファン13hを回転駆動することで吸込口13bから空気を吸い込んで出口13gから環状空間13fに吐出し、その環状空間13e内の空気が吐出孔13cから発熱体11の上面11aと薬剤保持体20の下面20aとの間に吐出される。
また、シロッコファン13hを用いることで、ファン回転時に発生する音が小さい。
このようにすることで、本体10よりも上方部分に発生する外気流が薬剤保持体20に作用し難くなり、蒸散した薬剤が外気流の流れの影響を受け難く、その蒸散薬剤の上昇を良好に行うことができる。
また、蒸散体載置部12付近の保温性が向上するので、薬剤の蒸散を良好にできる。
また、凹陥部3の内周面における薬剤保持体20よりも上方に突出した部分によって空気の上昇を促進し、蒸散薬剤をより上方に拡散することができる。
図12に示すように、上面板16の上部寄りのテーパ状部16aに前述の吐出口13cを周方向に間隔を置いて複数形成し、そのテーパ状部16aの上面に断面鉤形の切欠部12aを形成して前述の蒸散体載置部12とする。
前記吐出孔13cは、前述のように発熱体11の上面11aと薬剤保持体20の下面20aとの間の空間部及び前述の隙間13iにそれぞれ開口する。
例えば、図13に示すように本体1の上面板16の上部外周縁(凹陥部3の開口縁)にリング状の突起6を一体的に設ける。
前記導風用筒体5は下部開口5aが大径で上部開口5bが小径となるように上端に向けて順次小径な筒形状、この実施の形態ではほぼ半球状で、その下部開口5aの周縁にリング状で断面鉤形の取付用突起7を有する形状である。
この取付用突起7を突起6に嵌合することで導風用筒体5が本体10の上部に着脱自在に取付けられる。
また、導風用筒体5を取り外すことで凹陥部3内に蒸散用薬剤蒸散体2を挿入して取付けたり、取り出したりできるので、蒸散用薬剤蒸散体2を交換できる。
図14に示すように、熱気流助長手段13を、その送風機13aを駆動することで、発熱体11の表面、例えば一側面11bと薬剤保持体20の裏面、例えば他側面20bとの間及び薬剤保持体20を通して空気を吸い込むように構成した。
すなわち、蒸散用薬剤蒸散体2の一側方に送風機13a、他側方に発熱体11をそれぞれ取付け、その薬剤保持体20の他側面20bと発熱体11の一側面11bとの間の空間部を発熱体11よりも外周に形成した吸気通路18で外部に開口連通する。この吸気通路18は環状空間18aと、その環状空間18aを外部に開口する第1孔18bと、前記環状空間18aを前述の空間部に連通する第2孔18cを備えている。
そして、送風機13aを駆動することで吸気通路18、発熱体11の一側面11bと薬剤保持体20の他側面20bとの間を通して薬剤保持体20を通過して空気を吸い込んで外部に排出するように構成する。
前記装置本体1の本体10は、外側筒体10aと中間筒体10bと内側筒体10cと外側リング状端板10dと中間リング状端板10eと内側端板10fで外側の環状空間10gと内側の凹陥部10hを有するほぼ二重壁形状の筒状体で、その環状空間10gが前述の環状空間18aを形成している。
前記内側筒体10cは短尺で、中間リング状端板10eは長手方向の中間に位置し、その内側筒体10cの開口端縁部に発熱体11が取付けてある。
前記中間筒体10bの長手方向一側寄りが他側寄りよりも大径で、かつ中間部がテーパ形状で、そのテーパ形状の中間部に前述の第2孔18cが周方向に間隔を置いて複数形成してある。
前記中間筒体10bの長手方向一側寄りに蒸散用薬剤蒸散体2(固定具30)が嵌挿して取付けられてテーパ形状の中間部に当接している。つまり、テーパ形状の中間部が蒸散体載置部12である。
前記外側リング状端板10dに前述の第1孔18bが周方向に間隔を置いて複数形成してある。
そして、送風機ハウジング40が前述の本体10に着脱自在に取付けられる。
この実施の形態では、送風機ハウジング40のリング状突起45を、本体10の外側筒体10aと中間筒体10bとの間に嵌合して取付けてある。
このようであるから、送風機13aを取り外した状態で蒸散用薬剤蒸散体2を簡単に交換することができる。
すなわち、図15に示すように、本体10の内側筒体10bにおけるテーパ形状の中間部に固定具30の端部外周縁を接して取付けることで、その中間部の中間部分が蒸散体載置部12とし、かつ固定具30の外周面30bと内側筒体10bの長手方向一側寄り部との間に隙間13iを形成し、その隙間13iを前述の第2孔18cと入口43に開口連通する。
また、薬剤を蒸散(熱気流の流通性)させやすくするためには、シートの密度は0.05〜1.0g/cm3の範囲が好ましい。
すなわち、熱気流を薬剤保持体の表面の全部に沿って上昇させる形態であるから、折り幅を短くすると蒸散用薬剤蒸散体の高さが増長していく傾向にあることから好ましいとは言えず、薬剤の含浸量及び薬剤保持体の面積に応じて決めることが望ましい。折り幅は、好ましくは100mm以下、20mm以上である。
また、前述の薬剤の内、殺虫剤はピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤などがあり、安全性が高いことからピレスロイド系殺虫剤が好適に用いられ、例えばアレスリン、フラメトリン、プラレトリン、テラレスリン、トランスフルトリン、エムペントリン、メトフルトリン、プロフルトリン、ペルメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、レスメトリン、天然ピレトリンなどが挙げられる。
Claims (3)
- 本体10に、発熱体11と蒸散体載置部12と熱気流助長手段13を設けた装置本体1と、
通気性を有するシートを折り畳み、又はまるめたシート材21に薬剤を含浸して保持した薬剤保持体20と固定具30を有する蒸散用薬剤蒸散体2を備え、
前記発熱体11は通電することで発熱して熱気流を発生し、
前記蒸散体載置部12は発熱体11の周囲に設けてあり、
前記熱気流助長手段13は、発熱体11の発熱により発生した熱気流の上昇速度を増速し、
前記固定具30は薬剤保持体20を支持し、かつ前記蒸散体載置部12に載置することで、熱気流が薬剤保持体20の表面に沿って上昇するようにしたことを特徴とする加熱式薬剤蒸散装置。 - 前記熱気流助長手段13は、送風機13aを備え、その送風機13aの吐出空気を発熱体11の表面と薬剤保持体20の裏面との間に吐出するものとした請求項1記載の加熱式薬剤蒸散装置。
- 前記熱気流助長手段13は、送風機13aを備え、この送風機13aは発熱体11の表面と薬剤保持体20の裏面との間及び薬剤保持体20を通して空気を吸い込むものとした請求項1記載の加熱式薬剤蒸散装置。
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JP2010035522A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Earth Chem Corp Ltd | 加熱蒸散システムおよびそれを用いた蒸散方法 |
JP2011115053A (ja) * | 2009-12-01 | 2011-06-16 | Hosiden Corp | 加熱式噴霧器 |
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