JP2006005972A - ブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造コストや組付工程コストの増加を招くことなく、スリーブおよびシャフトの垂直度を良好に得ることができるブラシレスモータを提供する。
【解決手段】 油が含浸されてシャフト2を回転自在に支持するスリーブ3が、内側軸受ハウジング4と外側軸受ハウジング部5hとを介して取付ベース9に取り付けられ、内側軸受ハウジング4が外側軸受ハウジング部5hに対して互いに相対位置が調整可能な状態で嵌合されて組付けられ、内側軸受ハウジング4と外側軸受ハウジング部5hとの相対位置が接着剤15により固定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 油が含浸されてシャフト2を回転自在に支持するスリーブ3が、内側軸受ハウジング4と外側軸受ハウジング部5hとを介して取付ベース9に取り付けられ、内側軸受ハウジング4が外側軸受ハウジング部5hに対して互いに相対位置が調整可能な状態で嵌合されて組付けられ、内側軸受ハウジング4と外側軸受ハウジング部5hとの相対位置が接着剤15により固定されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ディスクドライブ装置などに用いるブラシレスモータに関するものである。
光ディスクや磁気ディスクなどの円板状記録媒体を回転させるディスクドライブ装置などに使用するブラシレスモータとして、回転子のシャフトを、油を含浸させた円柱状のスリーブと、円板状のスラスト板とにより、回転自在に受けて支持するものは知られている(例えば特許文献1〜3等)。
図8は、この種の従来のブラシレスモータを示すもので、シャフト51を、油を含浸させた無底筒形状のスリーブ52によりラジアル方向に受けて回転自在に支持し、シャフト51におけるピボット形状の底面部を、円板状に形成した樹脂製のスラスト板53により受けて回転自在に支持している。スリーブ52は、ブラケット54に設けられた筒状の軸受ハウジング部54aにより、周方向に回転できない姿勢で外周側から圧入されて保持されている。ブラケット54は、軸受ハウジング部54aと、この軸受ハウジング部54aから段部を介して繋がった太径筒状部54bと、この太径筒状部54bの底部を介して繋がった取付ベース部54cとが一体形成されて構成されている。そして、ブラケット54の太径筒状部54bの内周側に有底筒形状のスラストキャップ55が圧入状態で嵌合され、スラストキャップ55の底面部上に前記スラスト板53が固定されている。
また、ブラケット54の軸受ハウジング部54aの外周にはステータコア56が圧入状態で嵌合され、このステータコア56に設けられた歯部にコイル66が捲回されている。一方、シャフト51の上部には回転子のフレーム57の内周筒状部が圧入されて固定され、フレーム57の外周筒状部内面にはリング状のロータマグネット58が、前記ステータコア56に対向する姿勢で固定されている。また、フレーム57の円板状部分には、複数の挿通孔57aが予め形成されている。
なお、図8における59は、シャフト51の上端部に固定されて、円板状記録媒体が着脱自在に取り付けられるターンテーブル、62は、スリーブ52の上部からの油がステータコア56側に漏れ出ることを防止する筒状部材で、この筒状部材62は、ステータコア56の内周面とスリーブ52の外周面との間に圧入状態で嵌め込まれている。64は駆動制御回路などの電気回路が設けられているプリント基板である。また、70はステータコア56の上面部内周寄り位置に固着されたリング状のマグネット部品で、このマグネット部品70の磁力によりフレーム57を吸引することで、シャフト51が回転中でもシャフト51が上方に移動し難くして、スラスト方向の位置決め精度を向上させるように図っている。
この従来構成のブラシレスモータは、以下のような工程で組み立てる。
図9に示すように、まず、ブラケット54の取付ベース部54cに両面テープ65でプリント基板64を取り付ける。次に、図10(a),(b)に示すように、ブラケット54の軸受ハウジング部54aの外周に、コイル66が捲回されたステータコア56を圧入状態で嵌合させ、図11に示すように、ブラケット54の軸受ハウジング部54aの内周に、スリーブ52を圧入状態で挿入させ、スリーブ52とブラケット54とが相対的に周方向に移動しないように固定する。また、筒状部材62をステータコア56の内周面とスリーブ52の外周面との間に圧入状態で嵌め込む。
図9に示すように、まず、ブラケット54の取付ベース部54cに両面テープ65でプリント基板64を取り付ける。次に、図10(a),(b)に示すように、ブラケット54の軸受ハウジング部54aの外周に、コイル66が捲回されたステータコア56を圧入状態で嵌合させ、図11に示すように、ブラケット54の軸受ハウジング部54aの内周に、スリーブ52を圧入状態で挿入させ、スリーブ52とブラケット54とが相対的に周方向に移動しないように固定する。また、筒状部材62をステータコア56の内周面とスリーブ52の外周面との間に圧入状態で嵌め込む。
またこれと並行して、図12に示すように、フレーム57の内周筒状部外周面にシャフト51を圧入状態で挿入する。なお、フレーム57の外周筒状部内面にはリング状のロータマグネット58を予め固着しておく。
そして、図13に示すように、ステータコア56、ブラケット54などが組みつけられ、油が含浸されたスリーブ52にシャフト51を挿通させて、ステータコア56などがフレーム57内に収納された姿勢とする。
この後、図14に示すように、これらの部品を組付けた組付け体を、複数の位置規制ピン68が立設された載置台67に逆さにして載せる。この際、フレーム57に形成された挿通孔57aを介して挿入された位置規制ピン68が筒状部材62の先端に当接し、筒状部材62に先端が当接しているブラケット54も下方へ移動することが規制される。このように、ブラケット54が下方に移動しないように位置規制した状態で、スラスト板53を固着したスラストキャップ55を、ブラケット54の太径筒状部54b内に圧入して組付ける。これにより、図15に示すように、シャフト51におけるピボット形状の底面部がスラスト板53上に摺接した姿勢となり、モータとして完成する。この後、必要に応じて、ターンテーブル59などの回転対象となる部材をシャフト51に取り付ける。
特開2000−125505号公報
特開平8−289523号公報
特開2002−262540号公報
しかしながら、上記従来構成のブラシレスモータにおいては、シャフト51をラジアル方向に回転自在に支持するスリーブ52を、ブラケット54に一体形成した軸受ハウジング部54aに圧入して保持する構造であり、ブラケット54の軸受ハウジング部54aの製造精度やスリーブ52の外周面の製造精度、また、ブラケット54の軸受ハウジング部54aとシャフト51との組付精度が、モータの取付ベース部54cに対するスリーブ52およびシャフト51の垂直度に直接影響するので、前記製造精度や組付精度を極めて高精度に維持しなければならず、製造コストや組付工程コストの増加を招いていた。
また、スリーブ52を保持するブラケット54の軸受ハウジング部54aの外周面にステータコア56が圧入状態で嵌合される構造であるため、このステータコア圧入時の軸受ハウジング部54aの変形が、スリーブ52を外嵌している部分に直接影響し、その結果、スリーブ52およびシャフト51の垂直度に直接影響する問題があった。また、同様に、ステータコア56で発生する熱や振動が軸受ハウジング部54aを通してスリーブ52に伝わり易く、スリーブ52の軸受性能の信頼性が低下する問題もあった。
さらに、上記構成では、スリーブ52に含浸された油が外周側に飛散することを防止するために、軸受ハウジング部54a以外に筒状部材62を設ける必要があり、部品点数の増加による製造コストの増加や、これらの部品を組付けるための製造工程数の増加も招いていた。
本発明は上記問題や課題を解決するもので、製造コストや組付工程コストの増加を招くことなく、スリーブおよびシャフトの垂直度を良好に得ることができ、しかも、ステータコアの圧入による変形が前記垂直度に悪影響を及ぼすことがなく、さらに、ステータコアで発生する熱や振動がスリーブに伝わり難く、軸受ハウジング部以外に油漏れ防止用の筒状部材などを設けなくても済むブラシレスモータを提供することを目的とする。
上記問題や課題を解決するために本発明のブラシレスモータは、油が含浸されてシャフトを回転自在に支持するスリーブが、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とを介して取付ベースに取り付けられ、内側軸受ハウジングが外側軸受ハウジング部に対して互いに相対位置が調整可能な状態で嵌合されて組付けられ、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部との相対位置が固定体により固定されていることを特徴とする。
この構成において、取付ベースに取り付けられた外側軸受ハウジング部に、スリーブを取り付けた内側軸受ハウジングを、相対位置が調整可能な状態で嵌合させて組付け、外側軸受ハウジング部に対する内側軸受ハウジングの位置を、シャフトを回転自在に支持するスリーブが取付ベースに対して良好な垂直度が出るように調整し、その後、この姿勢を固定体で固定する。これにより、スリーブや内側軸受ハウジング、外側軸受ハウジング部、取付ベースなどの製造精度や組付精度にかかわらず、良好な垂直度を得ることができる。
また、本発明は、内側軸受ハウジングにおける外側軸受ハウジング部に嵌合する部分に、外側軸受ハウジング部に対する嵌合時の結合強度を軽減させる結合強度軽減部が形成され、この結合強度軽減部により、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とが低い結合強度で嵌合されて組付けられ、固定体により、前記結合強度軽減部を介することなく内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とが結合されていることを特徴とする。
この構成において、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とを嵌合させた状態では、これらの結合強度が低いので、取付ベースに対して良好な垂直度が出るように内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部との相対結合位置を容易に調整することができ、この後、良好な垂直度が出た姿勢となった状態で固定体を用いて内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とを固定することで、良好な垂直度が出た状態を良好に維持できる。
また、この場合に、前記結合強度軽減部として、内側軸受ハウジングにおける嵌合部分において軸芯方向に沿って切り込まれるようにスリットを形成することで、簡単な構成で結合強度軽減部を構成できる。
また、本発明は、外側軸受ハウジング部に、内側軸受ハウジングと隙間を有して配設されている間隙介在配設部が設けられ、この間隙介在配設部にステータコアが取り付けられていることを特徴とする。
この構成により、外側軸受ハウジング部の間隙介在配設部によってステータコアを支持できながら、内側軸受ハウジングとの間の隙間によって、ステータコアを圧入させて組付けた際の変形や、ステータコアからの振動や熱が内側軸受ハウジングに伝わり難くなる。
また、本発明は、外側軸受ハウジング部が、シャフトのスラスト方向の力を受けるスラストキャップに一体形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とにより、スリーブにおける外周に臨む面が覆われていることを特徴とする。
また、本発明は、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とにより、スリーブにおける外周に臨む面が覆われていることを特徴とする。
この構成により、スリーブに含浸された油が外部に飛散することが、内側軸受ハウジングおよび外側軸受ハウジング部によって、防止される。
以上のように本発明によれば、シャフトを回転自在に支持するスリーブが、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とを介して取付ベースに取り付けられ、内側軸受ハウジングが外側軸受ハウジング部に対して互いに相対位置が調整可能な状態で嵌合されて組付けられているので、内側軸受ハウジングや外側軸受ハウジング部、スリーブなどの製造精度を極めて高精度に維持したり、組付精度を極めて高精度に維持したりしなくても、シャフトを回転自在に支持するスリーブを取付ベースに対して良好な垂直度が出るように組付けることができ、製造コストや組付工程コストを低減できる。
また、内側軸受ハウジングにおける外側軸受ハウジング部に嵌合する部分に、外側軸受ハウジング部に対する嵌合時の結合強度を軽減させる結合強度軽減部を形成し、この結合強度軽減部により、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とが低い結合強度で嵌合されて組付けるように構成することで、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部との相対結合位置調整作業を容易に行うことができ、作業能率が向上する。また、この後、良好な垂直度が出た姿勢となった状態で固定体を用いて内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とを結合することで、取付ベースに対して良好な垂直度が出た状態を良好に維持できる。
また、スリットにより結合強度軽減部を構成することで、構成の簡素化も図れる。
また、外側軸受ハウジング部に、内側軸受ハウジングと隙間を有して配設されている間隙介在配設部を設け、この間隙介在配設部にステータコアを取り付けることにより、ステータコアを良好に支持できながら、内側軸受ハウジングとの間の隙間によってステータコアからの圧入時の変形や振動、熱が内側軸受ハウジングに伝わり難くなり、垂直度の悪影響が抑えられるとともにモータとしての信頼性が向上し、かつモータの軸受けとしての寿命も延びることとなる。
また、外側軸受ハウジング部に、内側軸受ハウジングと隙間を有して配設されている間隙介在配設部を設け、この間隙介在配設部にステータコアを取り付けることにより、ステータコアを良好に支持できながら、内側軸受ハウジングとの間の隙間によってステータコアからの圧入時の変形や振動、熱が内側軸受ハウジングに伝わり難くなり、垂直度の悪影響が抑えられるとともにモータとしての信頼性が向上し、かつモータの軸受けとしての寿命も延びることとなる。
また、外側軸受ハウジング部を、シャフトのスラスト方向の力を受けるスラストキャップに一体形成することで、構成が簡素化されて製造コストや組付け工数の低減を図ることができる。
また、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とにより、スリーブにおける外周に臨む面を覆うことにより、スリーブに含浸された油が外周側に飛散することが、内側軸受ハウジングおよび外側軸受ハウジング部によって防止され、従来必要であった油漏れ防止用の筒状部材が不要となり、これによっても製造コストや組付け工数の低減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、以下の説明では、理解しやすいように、図1における上下方向が上下に沿うよう配置されている場合を述べているが、このような方向にモータおよびその構成要素を配置することに限定するものではない。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るブラシレスのモータは、円板状記録媒体が着脱自在に取り付けられるターンテーブル1がその上端部に取り付けられたシャフト2と、多孔性金属材料などから構成されて油が含浸され、シャフト2をラジアル方向に回転自在に支持する、無底筒形状のスリーブ3と、スリーブ3に外嵌されてこのスリーブ3を保持する略無底筒形状の内側軸受ハウジング4と、この内側軸受ハウジング4の外周に嵌合されて組付けられた外側軸受ハウジング部5hと、この外側軸受ハウジング部5hが一体形成され、シャフト2のスラスト方向の力をスラスト板6およびスラストマグネット7を介して受ける略有底筒形状のスラストキャップ5と、シャフト2の底部外周に外嵌されてシャフト2が上方に抜けることを防止する円環状の抜け止め部材8と、スラストキャップ5をその中央孔内に組付けた取付ベース9と、取付ベース9上に取り付けられ、駆動制御回路などの電気回路が設けられたプリント基板10と、スラストキャップ5における外側軸受ハウジング部5hの上方に形成された太径筒状部5cの外側に圧入状態で嵌合されて取り付けられたステータコア11と、このステータコア11に設けられた歯部に捲回されたコイル12と、シャフト2の上部にその内周筒状部が圧入されて固定された回転子のフレーム13と、このフレーム13の外周筒状部内面において、ステータコア11に対向する姿勢で固定されたリング状のロータマグネット14とを備えている。
ここで、内側軸受ハウジング4の上部はスリーブ3の外周から少しだけ隙間を有した状態でスリーブ3の上端よりもさらに上方まで延設され、この内側軸受ハウジング4によりスリーブ3が外周側から覆われて、スリーブ3に含浸された油が外部に飛散しないよう防止されている。
また、スリーブ3は、内側軸受ハウジング4と外側軸受ハウジング部5hとを介して取付ベース9に取り付けられているが、この場合に、内側軸受ハウジング4が外側軸受ハウジング部5hに対して互いに相対位置が調整可能な状態で嵌合されて組付けられ、内側軸受ハウジング4と外側軸受ハウジング部5hとの相対位置が固定体としての接着剤15により固定されている。より具体的には、図2(b)に示すように、内側軸受ハウジング4における外側軸受ハウジング部5hに嵌合する筒状部分に、外側軸受ハウジング部5hに対する結合強度を低くする結合強度軽減部としての複数のスリット16が軸芯方向に沿って所定角度毎に切り込まれるように形成されており、接着剤15が後工程で塗布される前において、外側軸受ハウジング部5hに内側軸受ハウジング4が嵌合されているだけの状態では、図4(b)に示すように、垂直度調整用の押さえピン18などの治具を用いるなどして、外側軸受ハウジング部5hに対する内側軸受ハウジング4の位置を調整できるように構成している。また、図2(a)に示すように、スリーブ3の外周の一部(スラストキャップ5の内周の一部でもよい)には、後述するスリーブ3にシャフト2を挿入する際の工程で、スラストキャップ5内の空気を外部に排出するための溝通路3aが形成されている。
スラストキャップ5の太径筒状部5cは、外側軸受ハウジング部5hの上方に段部5bを介して形成されており、この太径筒状部5cは、内側軸受ハウジング4との間、より詳しくは内側軸受ハウジング4におけるスリーブ3が嵌合された箇所の外周部分との間に隙間を有して間隙介在配設部として機能する。そして、この隙間における段部5bの近傍箇所に接着剤15が注入されて、内側軸受ハウジング4とスラストキャップ5とが固着されている。また、スラストキャップ5の太径筒状部5cにおける前記接着剤15の注入箇所よりも上方の部分の外周に、ステータコア11の下半部内周が圧入されるようにしてステータコア11が取り付けられている。
スラストキャップ5は、その外側軸受ハウジング部5hが、取付ベース9における中央孔部から上方に延びるように一体形成された取付用筒状部9aの内周に圧入された状態で取り付けられている。また、取付ベース9における取付用筒状部9aの先端面がスラストキャップ5の段部5bに下方から当接され、スラストキャップ5が下方に離脱しないように阻止されている。
さらに、上述したように、スラストキャップ5とシャフト2の底部箇所との間の空間には抜け止め部材8が配置され、この抜け止め部材8は、シャフト2の底部外周に圧入状態で外嵌され、シャフト2が上方に移動しようとした場合でも、抜け止め部材8がスリーブ3の下端に当接して、シャフト2が上方に抜けることを阻止している。また、スラストキャップ5の底面上には樹脂製のスラスト板6に加えてスラストマグネット7も固着されているとともに、シャフト2だけでなく抜け止め部材8も磁力を受ける材料で構成され、スラストマグネット7の磁力によって、シャフト2および抜け止め部材8が上方に抜けないように引き付けることで、シャフト2の上方への移動阻止力を強めている。なお、図1、図7に示すように、スラストキャップ5の底部には、抜け止め部材8をシャフト2の底部外周に圧入させる際に、抜け止め部材8を下方から支える複数の位置規制ピン17を通すための貫通孔5dが形成されている。
次に、このブラシレスのモータの組付け手順について説明する。
図3(a)に示すように、まず、取付ベース9の上面にプリント基板10を取り付ける。この実施の形態では、図3(a)に示すように、リベッテイング処理(図3(a)においてリベット部をLで示すが、他の図面においては、この箇所を省略して図示している)により、プリント基板10を取付ベース9に取り付けており、従来用いていた両面テープが不要になる利点があるが、これに限るものではない。また、スラストキャップ5の底面上に、スラストマグネット7およびスラスト板6を固着する。さらに、スラストキャップ5内に抜け止め部材8を収納する。
図3(a)に示すように、まず、取付ベース9の上面にプリント基板10を取り付ける。この実施の形態では、図3(a)に示すように、リベッテイング処理(図3(a)においてリベット部をLで示すが、他の図面においては、この箇所を省略して図示している)により、プリント基板10を取付ベース9に取り付けており、従来用いていた両面テープが不要になる利点があるが、これに限るものではない。また、スラストキャップ5の底面上に、スラストマグネット7およびスラスト板6を固着する。さらに、スラストキャップ5内に抜け止め部材8を収納する。
次に、この状態で、図3(b)に示すように、スラストキャップ5の底部から外側軸受ハウジング部5hまでの部分を取付ベース9の取付用筒状部9a内に、スラストキャップ5の段部5b下面が取付ベース9の取付用筒状部9a先端に当接するまで、圧入状態で嵌合させて固定する。
一方、図4(a)に示すように、油を含浸させたスリーブ3に内側軸受ハウジング4を外嵌させて組付け、このようにスリーブ3を組付けた内側軸受ハウジング4の下部を、図4(b)に示すように、スラストキャップ5の外側軸受ハウジング部5hに嵌合させる。この際、内側軸受ハウジング4における外側軸受ハウジング部5hに嵌合させる部分にはスリット16が形成されているので、内側軸受ハウジング4は比較的小さい力で圧入された状態(いわゆる軽圧入状態)で嵌合される。この状態で、垂直度調整用の押さえピン18を内側軸受ハウジング4の上端部などに当てて、取付ベース9に対してスリーブ3の軸芯が良好な垂直度となるように調整する。
そして、良好な垂直度が得られた姿勢を保持した状態で、図4(c)に示すように、内側軸受ハウジング4と外側軸受ハウジング部5hとの間に接着剤15を注入して硬化させ、スリーブ3が組みつけられた内側軸受ハウジング4と、取付ベース9に組みつけられたスラストキャップ5の外側軸受ハウジング部5hとを固定する。
この後、図5に示すように、スラストキャップ5の太径筒状部5cに、コイル12が捲回されたステータコア11を圧入状態で嵌合させて組付ける。また、図6に示すように、リング状のロータマグネット14が固着されたフレーム13に、予めシャフト2を圧入状態で挿入して固定しておき、このようにして、フレーム13が固定されたシャフト2を、その底面部がスラスト板6に当接するまで、スリーブ3内に挿通させる。この際、位置規制ピン17を、スラストキャップ5の底部に設けられた貫通孔5dから上方へ通し、その先端で抜け止め部材8を下方から支持して、シャフト2の底部における所定位置に抜け止め部材8が圧入されるように規制しながら、フレーム13などが固定されたシャフト2を挿通させる。これにより、ブラシレスのモータとして完成することとなるが、この後、必要に応じて、図7に示すように、ターンテーブル1などの回転対象部品をシャフト2に取り付ける。
上記の構成によれば、軸受ハウジングを、内側軸受ハウジング4と外側軸受ハウジング部5hとの2つの部材で構成し、内側軸受ハウジング4と外側軸受ハウジング部5hとの相対位置を調整可能な状態で嵌合させて組付けたので、スリーブ3の軸芯が取付ベース9に対して良好な垂直度を得た姿勢となるように、外側軸受ハウジング部5hに対する内側軸受ハウジング4の相対位置を容易に調整することができる(図4(b)参照)。これにより、スリーブ3や内側軸受ハウジング4、外側軸受ハウジング部5h、取付ベース9などの製造精度を高くしたり、互いの部品の組付精度を高精度に保ったりしなくても、良好な垂直度を得ることができ、この結果、製造コストや組付工程コストを低減できる。
また、内側軸受ハウジング4における外側軸受ハウジング部5hに嵌合する部分に、スリット16を形成して、内側軸受ハウジング4における外側軸受ハウジング部5hとの結合強度を低めに抑えたので、スリット16などが形成されずに、大きな結合強度で嵌合された場合と比較して、垂直度の調整作業を容易に行うことができて、作業能率が向上する。また、結合強度軽減部部をスリット16により構成したことで、構成の簡素化も図れる利点もある。
また、ステータコア11が取り付けられているスラストキャップ5の太径筒状部5cが内側軸受ハウジング4と隙間を有して配設されているので、外側軸受ハウジング部5hが設けられているスラストキャップ5によってステータコア11を良好に支持できながら、内側軸受ハウジング4との間の隙間によって、ステータコア11の圧入による変形の影響を受け難くなるととともに、ステータコア11から発生する振動や熱が、スラストキャップ5における段部5bや外側軸受ハウジング部5hが接している取付ベース9側に逃げやすくなり、内側軸受ハウジング4にステータコア11の振動や熱が伝わり難くなる。したがって、ステータコア11の圧入による太径筒状部5cの変形に起因したスリーブ3やシャフト2の取付ベース9に対する垂直度への悪影響が最小限に抑えられるとともに、ステータコア11からの熱が内側軸受ハウジング4、スリーブ3およびシャフト2に伝達され難くなり、その結果、熱によりスラスト板6が磨耗し易くなるなどの弊害も生じ難くなり、また、スリーブ3とシャフト2間の振動も最小限に抑えられるので信頼性も向上する。
さらに、外側軸受ハウジング部5hが、シャフト2のスラスト方向の力を受けるスラストキャップ5に一体形成されているので、それぞれ別部品で構成した場合と比較して、構成が簡素化されて製造コストや組付け工数の低減を図ることができる。
また、内側軸受ハウジング4と外側軸受ハウジング部5hとにより、スリーブ3における外周に臨む面が覆われているので、スリーブ3に含浸された油が外部に飛散することが確実に防止される。そして、従来必要であった油漏れ防止用の筒状部材が不要となるので、これによっても製造コストや組付け工数の低減を図ることができる。
さらに、スラストキャップ5の段部5bが取付ベース9における取付用筒状部9aの先端面に上方から当接されているので、簡単な構成でありながら、ターンテーブル1などを介してシャフト2からスラスト方向下方に向けて外力が作用した場合でも、スラストキャップ5が下方に離脱することが確実に阻止され、これにより一層信頼性が向上する。
本発明のブラシレスモータは、ブラシレスのモータだけでなく、各種モータにも適用可能である。
1 ターンテーブル
2 シャフト
3 スリーブ
4 内側軸受ハウジング
5 スラストキャップ
5b 段部
5c 太径筒状部(間隙介在配設部)
5h 外側軸受ハウジング部
6 スラスト板
7 スラストマグネット
8 抜け止め部材
9 取付ベース
9a 取付用筒状部
10 プリント基板
11 ステータコア
12 コイル
13 フレーム
14 ロータマグネット
15 接着剤(固定体)
16 スリット(結合強度軽減部)
17 位置規制ピン
18 押さえピン
2 シャフト
3 スリーブ
4 内側軸受ハウジング
5 スラストキャップ
5b 段部
5c 太径筒状部(間隙介在配設部)
5h 外側軸受ハウジング部
6 スラスト板
7 スラストマグネット
8 抜け止め部材
9 取付ベース
9a 取付用筒状部
10 プリント基板
11 ステータコア
12 コイル
13 フレーム
14 ロータマグネット
15 接着剤(固定体)
16 スリット(結合強度軽減部)
17 位置規制ピン
18 押さえピン
Claims (6)
- 油が含浸されてシャフトを回転自在に支持するスリーブが、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とを介して取付ベースに取り付けられ、
内側軸受ハウジングが外側軸受ハウジング部に対して互いに相対位置が調整可能な状態で嵌合されて組付けられ、
内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部との相対位置が固定体により固定されていることを特徴とするブラシレスモータ。 - 内側軸受ハウジングにおける外側軸受ハウジング部に嵌合する部分に、外側軸受ハウジング部に対する嵌合時の結合強度を軽減させる結合強度軽減部が形成され、
この結合強度軽減部により、内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とが低い結合強度で嵌合されて組付けられ、
固定体により、前記結合強度軽減部を介することなく内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とが結合されていることを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。 - 結合強度軽減部が、内側軸受ハウジングにおける嵌合部分において軸芯方向に沿って切り込まれるように形成されたスリットであることを特徴とする請求項2記載のブラシレスモータ。
- 外側軸受ハウジング部に、内側軸受ハウジングと隙間を有して配設されている間隙介在配設部が設けられ、この間隙介在配設部にステータコアが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
- 外側軸受ハウジング部が、シャフトのスラスト方向の力を受けるスラストキャップに一体形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
- 内側軸受ハウジングと外側軸受ハウジング部とにより、スリーブにおける外周に臨む面が覆われていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
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