JP2006005258A - 固体除去装置及びそれを利用した化合物半導体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
MOCVD排ガス中に含まれる固体成分を効率的に捕集し、かつ配管詰まりが生じにくい固体除去装置ないし煤トラップを提供する。
【解決手段】
気体中に含まれる少なくとも一つの成分の固化物を付着する部分を有する気体を流通する固体除去装置であって、必要に応じて、前記気体中に含まれる少なくとも一つの成分が固化する温度以下に気体を冷却する手段を備えるとともに、該固体装置内での気体の流路が屈曲を繰り返す構造とする。
【選択図】図6


Description

本発明は、排ガス中に含まれる蒸気圧の低い成分を効率的に除去する固体除去装置(ないし煤トラップ)とそれを利用した化合物半導体の製造方法に関する。
化合物半導体のエピタキシャル成長技術は種々の光デバイスや電子デバイスに応用される重要な技術である。なかでも有機金属化学気相成長法(以下、MOCVD法と記すことがある。)は再現性に優れ、また広い面積にわたる均一性に優れたエピタキシャル成長法であり、さらに急峻な界面を有する半導体エピタキシャル結晶成長を行うことができることから現在では化合物半導体エピタキシャル成長法の主流となっている。
MOCVD法に用いられる装置は、エピタキシャル成長を行う反応炉の内部に基板を載置するための基板保持体(サセプタ)を有し、さらに反応炉に有機金属を含む原料気体を供給するための導入管、反応炉からのガスを排出するための排気管、およびサセプタを加熱するための加熱機構等から構成される。原料気体は反応炉内の加熱された基板上に導かれ、その際に熱分解を含む化学反応を生じ、基板上に所定のエピタキシャル膜が成長する。
ところで、MOCVD法では、排ガス中に未分解の原料、反応生成物などを含む。これらの排ガス中に含まれる成分のうち、通常「煤」と呼ばれる、比較的蒸気圧が低く、室温付近で固化し析出するものについては、反応炉から除害装置にいたるガス配管中で固化し、配管内に付着して、配管の詰まりの原因となる。また、煤には毒性、発火性などの危険性がある場合もある。たとえば、構成元素としてリンを含む化合物半導体をMOCVD法にて成長する場合、大量のリンが配管中に析出し、排ガス配管の詰まりを起こすばかりでなく、リンが付着した排ガス配管を大気に曝すと、リンが自然発火するという危険性がある。また、ヒ素を構成元素として含む化合物半導体をMOCVD法にて成長する場合、ヒ素あるいはヒ素を含む煤が排ガス配管中に析出する。これらの煤は人体に対して有害である。これら危険性の高い煤が固着した排ガス配管部材を取り扱うには特段の注意が必要である。
排ガス配管中にこれら危険性の高い煤が付着する可能性が高い場合には、これらの析出物が特定の部分に集中して析出するようにすることで、排ガス配管の分解、洗浄などの取扱が安全に行えるようになる。すなわち、危険性の高い析出物が集中して析出する特定の部分の前後にバルブを設け、排ガス配管を分解する際には、この特定の部分の前後のバルブを閉じて、排ガス配管を分解することで、煤の大気への暴露、飛散などを防止することができ、このような操作における安全性が格段に向上する。また、煤に危険性がない場合でも、特定の部分にのみ煤が集中して付着する場合には、その部分の容量を増やすことで、排ガス配管の詰まりを生じにくくすることができ、また詰まりが生じた場合でも、その部分のみの交換で詰まりを解消できることから、メンテナンス性が向上する。図1にMOCVD法での一般的な装置構成での煤トラップの配置について示した。図1(A)はMOCVD反応炉10Bと真空ポンプ10Cの間に煤トラップ12を配置した例である。また図1(B)は真空ポンプ10Cと除害装置10Dの間に煤トラップ12を配置した例である。成長圧力によっては、真空ポンプ10Cは省略される場合もある。
これまで、このような排ガス中からの煤の除去については、排ガス配管11中に金属等のメッシュあるいは繊維状素材を用いたフィルターを配置する方法が一般に行われてきた。メッシュやフィルターの目の細かさは、大きいもので1mm程度、細かいもので数μm程度が一般的である。排ガス中の煤はメッシュあるいはフィルターで濾し取られて、それ以降の排ガス配管中への煤の析出を減らすことができる。
また、以下に示す特許文献1には、煤のおもな成分としてリンを想定した煤トラップ(リントラップ)内部にリンを固着させる部分を持たない替わりに、リントラップの内部において冷却された作動油に排ガスを接触させ、該作動油のなかに固体のリンを混合させる方法が提案されている。この方法では、経路内にろ過装置を含む配管中に作動油を循環させ、ろ過装置内のフィルターでリンを濾し取り、リンを分離除去した後の作動油を再び排ガスに接触させることで、排ガス中に含まれるリンをろ過装置内のフィルターに効率的に捕捉することが試みられている。
特開平7−24250号公報
しかしながら、上記の背景技術の煤トラップでは、以下のような問題が生じることが知られている。つまり、メッシュやフィルターを用いる方法の場合、メッシュやフィルターはその表面に煤が析出すると、急速にガスの透過率が減少し、目詰まりを起こす。このため、大量の原料ガスを用いる大型のMOCVD設備では、頻繁にメンテナンスを行わなければならなかった。さらに排ガス中のリンを固着させる場合、十分な固着効率が得られず、その結果、実用上十分なリンの捕集効率を達成することが難しかった。あるいは捕集できるリンの総量を大きくするためには、実用的ではないほど大きな容積を持つリントラップを設置しなければならなかった。また、作動油と排ガスを接触させる方法においても、作動油の流路中に設置したフィルターの目詰まりが高い頻度で発生することが知られていた。このように排ガス中のリンを捕集するための従来のいずれの方法も、高効率の分離除去かつ低いメンテナンス頻度を実現することは難しいことが問題となっていた。
本発明の目的は、排ガス中の煤を高効率に捕集することができ、しかも十分低いメンテナンス頻度の固体除去装置(煤トラップ)とそれを利用した化合物半導体の製造方法を提供することである。
このような状況を見て本発明者は鋭意検討の結果、排ガス配管中のガス流路を特定の構造とすることで上記の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、気体中に含まれる少なくとも一つの成分の固化物を付着させる部分を有しており、前記気体を流通させる固体除去装置であって、該固体除去装置内での気体の流路が屈曲を含む構造であることを特徴とする。主要な形態の一つは、前記気体中に含まれる少なくとも一つの成分が固化する温度以下に気体を冷却する手段を備えたことを特徴とする。他の形態は、前記気体の流路が、前記屈曲を繰り返す構造であることを特徴とする。
更に他の形態は、(1)前記固体成分がリン、ヒ素、またはヒ化ガリウムの内の少なくとも1つであること,(2)前記屈曲が、気体の流路内に気体の流れを妨げるように設置された邪魔板によって形成されていること,(3)前記気体の流路を2系統以上有すること,(4)気体の上流側から下流側に向かって固体析出部分の容積が次第に小さくなる部分を有することを特徴とする。
本発明の化合物半導体の製造方法は、気相成長法において、排ガス配管中に請求項1〜7のいずれかに記載の固体除去装置を配置したことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明は、気体中に含まれる少なくとも1つの成分を固化させ、該固化した成分を付着させる屈曲部分を気体の流路に設けるとともに、前記屈曲を必要に応じて繰り返す構造とすることで、煤などの固化成分を高効率に捕集することができるとともに、メンテナンス頻度の低減が可能となる。
以下、本発明について詳述する。本発明の煤トラップ(ないし固体除去装置)は、排ガス配管に屈曲させた部分を設けることを特徴とする。本発明者は、排ガス中の煤は排ガス配管が大きな角度を持って屈曲した部分に多く析出することを見出した。本発明はこれを利用したものである。本発明によれば、気体の流路部分の断面の寸法が数cmのものを用いるため、細かい目のメッシュやフィルターを用いる必要がない。このため、屈曲部分が目詰まりするまで使用することができる。したがって、屈曲部の配管の断面積を大きくすることで目詰まりするまでの排ガス処理量を大きくすることができ、メンテナンス頻度を大幅に低減することができる。
本発明の煤トラップは、排ガス中に含まれる少なくとも一つの成分が固化する温度以下に気体を冷却する手段を有することを特徴とする。気体を冷却する手段としては、公知のものを好適に用いることができる。具体的には煤トラップの壁面、あるいは内部に冷媒を通した配管を配置して、煤トラップの接ガス部分を冷却したり、あるいは冷媒を通した配管に排ガスを直接接触させて気体を冷却する方法が挙げられる。あるいは、煤トラップ全体を、冷媒中や冷却した雰囲気に浸す方法が挙げられる。
とくに、室温以上の温度で固化する排ガス中の成分を固化しようとする場合には、煤トラップを室温に放置することで実質的に冷却する構造とすることができる。
本発明において、ガスの流路の屈曲とはガスの流れの方向を変更するような構造である。ガスの流れの方向を変更する方法としては、単純には排ガス配管を屈曲させればよい。また、いわゆる邪魔板をガス流を妨げるように配置してもよい。この様子を図2〜4に示す。図2、3は配管を屈曲させた例であり、図4は邪魔板19を用いた例である。屈曲によりガスの流れ方向が変わる部分の近傍で固化した成分が効率よく析出する。図2〜4の例では屈曲13、15、17の角度、すなわち屈曲により変更されたガスの流れの方向の角度、はそれぞれ180度、90度、90度である。
屈曲によるガスの流れの方向の変化はなるべく急激に生じることが好ましい。図2、3に示した配管を屈曲させる方法の場合、屈曲に大きな曲率が生じやすく、流れの方向の変化が緩やかになる場合がある。これを避けるためには、配管の屈曲の始まりと終わりの間の距離が、屈曲の入り口側の配管の内径の3倍以内であることが好ましい。またガスの流れの方向の変化を急激にするために、配管の屈曲の角度は45度以上が好ましく、さらに好ましくは90度以上である。
邪魔板を用いてガス流を屈曲させる場合、ガスの流れを妨げるように邪魔板を配置すればよいので、簡便に所望の構造を作製することができる。この場合も、流れの変化を急激に起こすために、邪魔板が入り口側のガス流の方向に対してなす角は45度以上が好ましく、さらに好ましくは90度以上である。
図5は配管に90度の屈曲15を連続して設けた本発明の煤トラップの例の模式図である。図6は流れの方向に対して邪魔板19が直角になるように連続して配置した本発明の煤トラップの例の模式図である。図5の例では屈曲と屈曲との間に直線状の配管があるが、図6の例では屈曲の後に直接屈曲が配置された構造になっており、煤トラップの占有空間の利用効率が高い。図6の例では、もともとのガスの入り口側から出口側に向かうガス流に対して、これと略垂直方向に配置された邪魔板により屈曲が形成されたという観点からは、邪魔板は配管の内部に配置された部分と考えられる。一方、邪魔板は各屈曲のガス流の方向を変える働きをする部分と捉えると、壁面に略垂直のガス流に対して、その方向を変える働きのある配管の側壁も邪魔板と考えることができる。更に、図6の邪魔板19を、図2,図3,図5の実施例の配管内に更に追加形成してもよい。
図7は図6の例を2系統に分けた例である。系統を複数にすることで、煤トラップ内での析出物の詰まりを各系統に分散できるため、詰まりによるコンダクタンスの低下、圧力上昇等の急激な変化を防止する効果がある。
図8は円板状の空間20の内部に本発明の連続した屈曲を配置した例を示したものである。この例では円板状の空間20に半径方向に邪魔板21、22を配置して、ガスの流路は邪魔板21、22に略垂直に当たるように、上下に往復しながら円板状空間20を周方向に回るように形成されている。邪魔板21は、流路を閉塞させるものであり、邪魔板22は、ガスが流れるように上方または下方のいずれかに流路を形成したものである。なお、図8には4枚の邪魔板21、22しか示していないが、必要に応じて邪魔板の数を増やすことができる。
図9は円板状の空間20の内部に本発明の連続した屈曲を配置した例を示したものである。この例では円板状の空間に半径方向に邪魔板23、24を配置して、ガスの流路は邪魔板に略垂直に当たるように、円板状空間20を中央部と周辺部を往復しながら周方向に回るように形成されている。邪魔板23は、流路を閉塞させるものであり、邪魔板24は、ガスが流れるように円板状空間20の中心または外周側のいずれかに流路を形成したものである。なお、図9には4枚の邪魔板23、24しか示していないが、必要に応じて邪魔板の数を増やすことができる。
図8あるいは9に示したような円板状の空間20を、積み重ねて円筒状容器の中に収容することにより、本発明の煤トラップの一例を構成することができる。
配管を屈曲させた場合と、邪魔板を用いた場合を比較すると、後者では煤トラップが実質的に占有する体積に対して、煤が析出する部分の容積を比較的大きくとることができ、効率的である。とくに後者の場合、トラップの分解が容易にできるようにすることができるため、内部の洗浄にも好都合である。
本発明の煤トラップでは、煤トラップ内部での、屈曲部のガス流に対する断面積が、屈曲部以外でのガス流に対する断面積に対して小さくなる場合、比較的少ない析出物で屈曲部に詰まりが生じ、析出物の捕集量が小さくなる場合がある。屈曲部では煤が析出しやすいために、屈曲部でのガス流に対する断面積は、屈曲部以外でのガス流に対する断面積と同じか、大きくすることが好ましい。
本発明の煤トラップにおいて、連続する屈曲は多いほど捕集効率は向上するが、屈曲の数が多くなると作製に多くの工数が必要になる、メンテナンスが容易でなくなるなどの問題が生じる。本発明の煤トラップの屈曲の具体的な数としては、3以上200以下が挙げられる。屈曲の数が3より小さいと本発明の効果が得られにくい。また、屈曲の数が200より大きいと作製が困難になることがある。より好ましい屈曲の数としては4以上150以下、さらに好ましくは5以上100以下である。
屈曲に析出した煤により、屈曲でガスのコンダクタンスが実用に用いることができるよりも低下した段階で煤トラップのメンテナンスが必要になる。1つのガスの流れの系統においては、1つの屈曲でもコンダクタンスが低下した場合には煤トラップのメンテナンスが必要になるので、なるべく全体の屈曲に一様に煤が析出することが好ましい。屈曲での煤の析出は、屈曲内でのガス流の断面積、温度、などの因子が影響する。とくに、煤の析出部分である屈曲部およびその近傍の容積を小さくすることで、簡便に実質的な屈曲当たりの煤の析出のしやすさを増すことができる。全体の屈曲に一様に煤を析出させるためには、すべての屈曲を同じ構造とするよりも、ガスの上流に配置した屈曲から下流に配置した屈曲へ次第に煤が析出しやすくなるようにしておく部分を設けることが好ましい。このような部分は、簡便には上流側から下流側に向かって屈曲部およびその近傍の容積が次第に小さくなるようにすることで実現できる。ただし、煤トラップの出口付近、つまり最終段付近では、煤が他の屈曲よりも析出しやすい構造にすると、煤トラップの出口の配管にも、煤が析出する場合があるため、そのような場合には、最終段付近ではそれより前段部分よりも煤の析出しにくい構造とすることが好ましい。
本発明の煤トラップに用いることができる邪魔板、配管の材質に関する条件としては、排ガスに対して熱的および化学的に安定であることである。具体的な材質としては金属、熱伝導性のセラミックスなどを挙げることができる。さらに具体的には、ステンレススチール、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)などを好適に用いることができる。
なお、本発明の煤トラップはそれ自身で十分高い気体中の煤の捕集効率を示すものであるが、さらにメッシュあるいはフィルターなどを本発明の煤トラップの内部に配置して、捕集効率を調整することもできる。
本発明の煤トラップは効率的にMOCVDの排ガス中の煤を捕集するが、捕集量を高めるためには、煤トラップの容量を大きくする以外にも、多数の本発明の煤トラップを並列および/または直列に接続してもよい。この場合、1つ1つの煤トラップの容量を適切な大きさにすることができ、煤トラップの製作、メンテナンスのなどの作業効率が向上する場合がある。さらに、能力の異なる煤トラップを組み合わせることで、メンテナンス頻度を下げることができる場合がある。また、本発明の煤トラップは本発明以外の煤トラップと併用してもよい。
以上、本発明の煤トラップについて、MOCVD法における説明を詳細に行ったが、それ以外の一般的な気体中の固体の分離、捕集にも本発明の煤トラップを用いることができることは言うまでもない。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更又は改良を行いうることは言うまでもない。
主としてGaAs、AlGaAsを成長する大型MOCVD装置の反応炉出口の配管に、概略、図9の構造の円板状部分を2段に積み重ねて構成した円筒状の煤トラップを1つ配置した。ただし、一つの円板状部分は2系統のガス流に分けられ、おのおののガス流には6回の連続した屈曲が設けられている。これを2段積み重ねているため、全体としては12回の連続した屈曲の系統を2系統持つ煤トラップである。6回の屈曲のうちはじめの5つは屈曲間の距離が次第に小さくなるようにし、煤の析出部分の容積が次第に小さくなるようにした。また最後の屈曲では逆に屈曲間の距離が長くなるようにしてある。
この構成でGaAs系半導体のデバイス用エピ成長を繰り返して行ったところ、約200ランで煤トラップの詰まりが発生した。煤トラップを分解して内部を観察したところ、各屈曲にGaAsが主成分と考えられる煤が一様に析出しており、煤トラップ内部の容積の80%程度の煤が捕集されていた。煤トラップの前後の配管には煤の析出はほとんどなかった。
<比較例1>・・・実施例1とは内部が空洞になっていることを除いては同様の円筒状煤トラップを配置して、実施例1と同様のエピ成長を行ったところ、約100ランで詰まりが発生した、煤トラップ前後の排ガス配管を調べたところ、煤トラップにはほとんど煤の析出はなく、煤トラップ直後の配管に煤が析出していた。この部分の煤の詰まりにより、配管全体のコンダクタンスが低下していた。従って、本比較例1と実施例1の比較から、繰り返し屈曲を設けることにより煤の捕集効果が得られることが確認された。
主として、InGaP、InGaAlPを成長する大型MOCVD装置の排ガス除害装置の直前に、概略、図8の構造の円板状部分を4段に積み重ねて構成した円筒状の煤トラップを配置した。ただし、一つの円板状部分は2系統に分けられ、1系統は1段目、2段目、3段目、4段目におのおの、12回、15回、14回、10回の連続した屈曲が設けられている。全体としては51回の連続した屈曲を2系統持つ煤トラップである。この構造の煤トラップを2つ並列にして除害装置の前に配置した。また、各円板状部分の中央部には冷媒を循環させるための配管を設け、この配管内を0℃程度に冷却した冷媒を循環させた。煤トラップ内の邪魔板はこの冷媒を通す配管に接続されており、冷媒の循環によって、邪魔板も冷却される。
この構成でInGaP系半導体のデバイス用エピ成長を繰り返して行ったところ、原料であるフォスフィンを合計7500リットル使用した時点で煤トラップの詰まりが発生した。煤トラップを分解して内部を観察したところ、各屈曲にリンが主成分と考えられる煤が一様に析出しており、煤トラップ内部の容積の80%程度の煤が捕集されていた。煤トラップの前後の配管には煤の析出はほとんどなかった。このように、実施例2によっても、繰り返し屈曲を設けることによって、高い煤の捕集効果が得られることが分かる。
本発明によれば、気体中に含まれる少なくとも1つの成分を固化させ、該固化した成分を付着させる屈曲部分を気体の流路に設けるとともに、前記屈曲を必要に応じて繰り返す構造としたので、煤などの固化成分を高効率で捕集するための固体除去装置(ないし煤トラップ)の用途として適用できる。特に、化合物半導体を気相成長方法によって形成する際に排ガス中に含まれる成分を除去する方法として好適である。
本発明における煤トラップのMOCVD設備構成における配置例。(A)真空ポンプの前段に配置した例。(B)真空ポンプの後段に配置した例。 配管を180度湾曲させて作製した屈曲。 配管を90度湾曲させて作製した屈曲。 邪魔板を用いて作製した屈曲。 配管を90度湾曲させて作製した屈曲を連続させた煤トラップの例。 邪魔板を用いて作製した屈曲を連続させた煤トラップの例。 邪魔板を用いた屈曲の連続を2系統持つ煤トラップの例。 円板状ガス流路に邪魔板を配置して、円板面に対して垂直方向にガス流が往復するような屈曲の例。 円板状ガス流路に邪魔板を配置して、円板中央部と周辺部をガス流が往復するような屈曲の例。
符号の説明
10A・・・原料ガス供給装置
10B・・・MOCVD反応炉
10C・・・真空ポンプ
10D・・・除害装置
11・・・排気ガス配管
12・・・煤トラップ
13・・・屈曲
15・・・屈曲
17・・・屈曲
19・・・邪魔板
20・・・円板状の空間
21〜24・・・邪魔板

Claims (8)

  1. 気体中に含まれる少なくとも一つの成分の固化物を付着させる部分を有しており、前記気体を流通させる固体除去装置であって、該固体除去装置内での気体の流路が屈曲を含む構造であることを特徴とする固体除去装置。
  2. 前記気体中に含まれる少なくとも一つの成分が固化する温度以下に気体を冷却する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の固体除去装置。
  3. 前記気体の流路が、前記屈曲を繰り返す構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の固体除去装置。
  4. 前記固体成分がリン、ヒ素、またはヒ化ガリウムの内の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体除去装置。
  5. 前記屈曲が、気体の流路内に気体の流れを妨げるように設置された邪魔板によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体除去装置。
  6. 前記気体の流路を2系統以上有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固体除去装置。
  7. 気体の上流側から下流側に向かって固体析出部分の容積が次第に小さくなる部分を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固体除去装置。
  8. 気相成長法において、排ガス配管中に請求項1〜7のいずれかに記載の固体除去装置を配置したことを特徴とする化合物半導体の製造方法。

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