JP2006004257A - 所持品遺失防止方法およびシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 忘れ物や盗難による所持品の遺失を未然に防止することが困難であった。
【解決手段】 ユーザの所持品に付加され且つ識別情報を有する無線タグ(100)と、該無線タグとの交信を行う無線通信機構(200)とを備える。無線通信機構は、無線タグから識別情報を取得し該取得した識別情報を記録するID記録部(21a)と、無線タグへ識別情報の問い合わせを行い該問い合わせに対する無線タグからの応答の有無を判定する応答判定部(21b)と、該応答判定部により無線タグからの応答がないことが検知されたとき、その旨をユーザに報知する報知部(21c)とを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、落し物や盗難等による所持品の遺失を防止するための技術に関し、特に、至近距離の無線通信機能を有する無線タグを利用した所持品遺失防止方法およびシステムに関する。
従来、公共交通機関や公道上などへの遺失物の発生は年々増加している。例として、警視庁の平成15年中の遺失物の取扱い状況を見ると、年間の拾得件数及び拾得された物品点数は、ともに前年を上回る180万件以上である。拾得物の上位5品目は、傘39万本以上、衣類23万枚以上、財布類17万個以上、カード・証明書類15万枚以上、有価証券類13万枚以上であり、その他、かばん、時計、カメラ、めがね、携帯電話なども多数である。また、近年は、所有者の失念などに伴う遺失物の発生だけではなく、スリ・置き引きなどによる所持品の遺失も増加しつつある。
このような所持品の遺失を防止するための手法として、例えば、後述の特許文献1に記載の手法がある。特許文献1に記載の手法は、物品属性情報とメールアドレスとを含む識別コードを予め物品のIDタグに登録しておき、探査機と接続されたサーバ装置が、ユーザの通信端末から物品検索依頼と共に送られてくる上記識別コードに対応する物品を探査機により探査し、得られた探査結果を上記識別コードに含まれるメールアドレス宛に返信するシステムである。この特許文献1のシステムによれば、第三者による他人の物品の捜索を防ぐことによって紛失者のプライバシー保護を図りつつ、紛失物を検索することができる。
また、上記のようなIDタグを利用した技術として、例えば、後述の特許文献2 に記載されたものがある。この技術は、無線でタグ情報を提供するIDタグを物品に取り付け、携帯端末が、周辺のIDタグからタグ情報を取得し、このタグ情報に基づいて、IDタグの問い合わせをタグ管理サーバに行う。そして、タグ管理サーバは、この問い合わせに該当するタグ管理情報を携帯端末に提供する。これにより、携帯端末のユーザは、IDタグを読み取った物品の製造元を知ることができる。
特開2002−215848号公報 特開2003−157477号公報
上述した特許文献1および2に記載の手法によれば、物品にIDタグを貼付することにより、当該物品の探索時に第三者による拾得を回避すること、あるいはユーザが当該物品についての情報を把握することが可能となる。しかしながら、これらの手法は、所持品の遺失を未然に防止する、すなわち忘れ物・落し物の発生や、スリ・置き引きなどによる盗難そのものを防止することは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、物品所有者の不注意により物品の紛失や携行忘れが発生すること、あるいはスリや置き引き等による盗難に遭うことを防止し得る所持品遺失防止方法およびシステムを提供することを目的とする。
本発明に係る所持品遺失防止方法は、無線タグとの交信を行う無線通信機構が、ユーザの所持品に付加され且つ識別情報を有する無線タグから該識別情報を取得し、該取得した識別情報を記録し、該記録後、前記無線タグへ識別情報の問い合わせを行い、該問い合わせに対する前記無線タグからの応答の有無を判定し、該判定により前記無線タグからの応答がないことを検知したとき、その旨をユーザに報知するという方法である。
本発明に係る所持品遺失防止システムは、ユーザの所持品に付加され且つ識別情報を有する無線タグと、該無線タグとの交信を行う無線通信機構とを備え、前記無線通信機構は、前記無線タグから識別情報を取得し該取得した識別情報を記録するID記録部と、前記無線タグへ識別情報の問い合わせを行い該問い合わせに対する前記無線タグからの応答の有無を判定する応答判定部と、該応答判定部により前記無線タグからの応答がないことが検知されたとき、その旨をユーザに報知する報知部とを有する。
本発明によれば、無線通信機構が、所持品に付加された無線タグからの応答がないことをユーザに報知することから、ユーザは、例えば、所持品を落としたとき、あるいは持ち去られそうになったとき、その旨を直ちに認識することができる。これにより、所持品が遺失することを防止できる。
[実施例]
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。図1に、本発明に係る所持品遺失防止システムの実施例の構成を示す。実施例のシステム101は、ユーザの所持品である定期券入れ10a、運転免許証ケース10b、鍵のキーホルダー10c、および後述のダミーカード10dのそれぞれに貼付された無線タグであるRFID(Radio Frequency Identification)タグ100と、各RFIDタグ100との交信を行う無線通信機構であるRFIDリーダ200とを備える。本実施例のRFIDリーダ200は、図1に示すように、ユーザの所持品である財布10eに取り付けられている。
図2に、RFIDタグ100およびRFIDリーダ200のブロック図を示す。定期券入れ10aや運転免許証ケース10b等に貼付されるRFIDタグ100は、それぞれ同一の構成を成し、図2に示すように、動作制御を行う制御部11と、当該RFIDタグ100の識別情報であるIDが格納されている記憶部12と、RFIDリーダ200との間でアンテナ14を介して所定周波数の無線通信を行う送受信部13とを有する。記憶部12には、予めユニークなIDが書き込まれている。
また、財布10eに取り付けられたRFIDリーダ200は、動作制御を行う制御部21と、各RFIDタグ100のIDを記録するための記憶部22と、アンテナ24を介して各RFIDタグ100と交信する送受信部23と、所定の警告音を鳴動させる警報部25と、後述の監視モードをセットまたは解除するためのSETボタン26およびOFFボタン27と、RFIDリーダ200に電力を供給する電源部28とを有する。警報部25は、図1に示す例では、音響出力手段であるスピーカーとして示されているが、これに加え、警報としての光を発する照明機構や、メッセージを表示する表示機構を警報部25として設けてもよい。
制御部21は、その機能的な構成として、図2に示すように、送受信部23によりRFIDタグ100からIDを取得し、そのIDを記憶部22へ記録する機能を果たすID記録部21aと、RFIDタグ100に対し定期的にIDの問い合わせを行い、その応答の有無を判定する応答判定部21bと、該応答判定部21bによりIDの応答が無いと判定されたとき警報部25を作動させる報知部21cとを有する。
図3のフローチャートに沿って、システム101の動作手順を説明する。ここでは、ユーザが、その日の持ち物として図1に示す物品を携行すると仮定する。ユーザは、これらの物品を携行するにあたり、定期券入れ10a、運転免許証ケース10b、キーホルダー10cおよびダミーカード10dのそれぞれにRFIDタグ100を貼付する。RFIDタグ100を貼付する場所は、交信電波への影響を考慮して金属部材を避けることが望ましいが、金属部材に貼付する場合は、メタル対応のRFIDタグを使用する、あるいは非磁性の金属部材にRFIDタグ100を貼付する。
ユーザは、RFIDタグ100を貼付した上記の品々を、財布10eのRFIDリーダ200の読み取り範囲内に並べて、該RFIDリーダ200のSETボタン26を押す(ステップS101)。RFIDリーダ200は、一連の情報を連続的に読み取る、いわゆる一括読み込み機能を利用して、読み取り範囲内の全てのRFIDタグ100にIDの問合せを実施する(ステップS102)。
問い合わせを受けた各物品のRFIDタグ100は、それぞれのIDをRFIDリーダ200に送信する(ステップS103)。RFIDリーダ200は、受信したRFIDタグ100の個々のIDを全て記憶部22に記録し(ステップS104)、警報部25から短音を発する(ステップS105)。これを以って、RFIDリーダ200に対する各所持品の登録が完了し、以下に説明する監視モードへと移行する。
上記の物品を携行するユーザが、交通機関などを使用して移動しているときの動作を説明する。RFIDリーダ200は、各RFIDタグ100に対し定期的にIDの問い合わせを実施し(ステップS106)、この問い合わせを受信したRFIDタグ100は、その都度、それぞれの記憶部12に格納されているIDをRFIDリーダ200に送信する(ステップS107)。
RFIDリーダ200は、IDの問い合わせを実施するごとに、各RFIDタグ100から送られるIDと、上記ステップS104にて記録部22に登録したIDとを照合し、全てのRFIDタグ100からIDを受信したか否かを確認する(ステップS108)。この処理により、本日持ち出した全ての物品が読み取り範囲内にあるかどうか、すなわち所持品の遺失の有無を監視する。その結果、RFIDリーダ200からの問い合わせに対し全てのRFIDタグ100からIDの応答があった場合、全ての持ち物が読み取り範囲内に存在しているとの判断の元に、ステップS106に戻り、上記の問い合わせを繰り返す。
また、IDの問い合わせに対し、いずれかのRFIDタグ100からIDの応答が無いことが判ると、そのIDに対応するRFIDタグ100を貼付されている持ち物が、RFIDリーダ200の読み取り可能距離以上に離れた場所に存在していると判断し(ステップS108)、RFIDリーダ200は、警報部25により断続的に警報を発する(ステップS109)。この警報は、所在を確認できない物品がある旨をユーザに報知するためのものであり、例えば、音声や電子音などの警告音と、光あるいは文字の表示との組み合わせ等を用いる。これにより、ユーザは、所持品を置き忘れる、あるいは不用意に落としたとき、その旨を速やかに認識することができ、結果、当該所持品が遺失物となることを回避することができる。
その後、ユーザがRFIDリーダ200のOFFボタン27を押下することにより、警報が停止する(ステップS110)。なお、上記ステップS106〜S109の監視モードを途中で解除する際も、OFFボタン27を押下する。
ここで、図1に示すダミーカード10dの利用方法について説明する。ユーザは、外出時、RFIDリーダ200が取り付けられた財布10eを含む所持品とは別の場所にダミーカード10dを収納する。これは例えば、ダミーカード10dを他の物品と同じカバンに入れず、衣服のポケットなどに収納することを指す。ダミーカード10dを他の物品と別個に携行することにより、たとえRFIDリーダ200付きの財布10eを含む他の所持品をカバンごと奪われる、あるいは置き忘れたとしても、ユーザがダミーカード10dの着用を継続していれば、カバンの中のRFIDリーダ200が、ダミーカード10dとの交信が途絶えたと判断し、上述したような警報を発する。これにより、所持品の遺失を防止することができる。
なお、ダミーカード10dは、図1に示す例ではカード状の態様をなすものであるが、ユーザが定期券入れ10a等の他の物品と別個に携行可能な態様であれば、カード状の物品に限らず他の形状のものを採用することができ、また、他の物品にダミーカード10dの役割を与えることもできる。
本実施例のシステム101は、所持品を落としたり、置き忘れたりすることを防止する他に、スリなどの窃盗に対する防犯も可能である。これは例えば、窃盗犯がRFIDリーダ200付きの財布10eを盗んで本人から離脱しようとすると、これを検知したRFIDリーダ200が警告音を鳴動させることから、直ちにスリが発覚するという仕組みである。
本実施例では、RFIDリーダ200の取り付け場所として、ユーザの外出時に携行される可能性が高い財布10eを採用したが、これに限らず、例えば、手帳や御守り等、日常の外出時に携行する他の物品にRFIDリーダ200を取り付けることができる。また、いずれの物品にも取り付けることなく、RFIDリーダ200を単体で運用してもよい。
[他の実施例]
上記説明した実施例では、所持品の置き忘れなどが発生したとき、RFIDリーダ200が警報を発することにより、物品の遺失を防止するものであったが、本発明は、以下に説明する構成により、特に、スリによる盗難防止を高めることができる。具体的には、図4に示すように、ユーザの所持品に貼付すべきRFIDタグ100Aに、制御部11により制御される警報部15を設ける。この警報部15は、図2に沿って上記説明したRFIDリーダ200の警報部25と同様に、警告音を出力する音響出力手段、あるいは光や文字によるメッセージを発する機構である。
RFIDタグ100Aの制御部11は、RFIDリーダ200からのIDの問い合わせの有無を監視し、所定期間、この問い合わせが無いとき、当該物品がRFIDリーダ200の通信範囲から外れたと判断し、警報部25により警報を発する。このRFIDタグ100Aを用いることにより、例えば、電車内などで定期券入れ10aがスリに遭ったとき、ユーザの手元にある財布10eのRFIDリーダ200が警報を発すると同時に、窃盗犯が持ち去った定期券入れ10aも警報を発する。よって、犯人の特定および盗難に遭った所持品の回収を迅速に行うことができる。
なお、RFIDタグ100Aに警報部15を設けるにあたっては、電池を付加し、この電池により、警報部15を含むRFIDタグ100A全体の稼動電力を供給する方法、あるいは、警報部15の稼動に電池を用いる一方で、交信には電磁誘導の起電力を用いる方法、さらには、コンデンサや蓄電池を付加して電磁誘導時の余剰電力を蓄電し、これを警報部15の稼動電力に充てるという方法のいずれでもよい。
また、上記説明したRFIDタグ100Aを携帯電話機のような携帯通信端末に設けてもよい。この場合、携帯通信端末の制御機構にRFIDタグ100Aを電気的に接続することにより、携帯通信端末がRFIDタグ100Aの通信状況を管理し、また、携帯通信端末のスピーカーおよびディスプレイを警報部15として用いる。そして、RFIDタグ100AがRFIDリーダ200との通信を断たれたとき、携帯通信端末から警報を発し、ユーザは、該端末の操作キーにより、警報のON/OFF操作を行う。この方法によれば、携帯通信端末のハードウェア構成を利用してRFIDタグ100Aを運用することができる。
本発明に係る所持品遺失防止システムの実施例の構成図である。 実施例の構成要素のブロック図である。 実施例の動作手順を示すシーケンス図である。 他の実施例の構成要素のブロック図である。
符号の説明
101 システム
100 RFIDタグ
200 RFIDリーダ
10a:定期券入れ、10b:運転免許証ケース、10c:キーホルダー、10d:ダミーカード、10e:財布
11:制御部、12:記憶部、13:送受信部、14:アンテナ、15:警報部
21:制御部、22:記憶部、23:送受信部、24:アンテナ、25:警報部、26:SETボタン、27:OFFボタン、28:電源部
21a:ID記録部、21b:応答判定部、21c:報知部

Claims (7)

  1. 無線タグとの交信を行う無線通信機構が、ユーザの所持品に付加され且つ識別情報を有する無線タグから該識別情報を取得し、該取得した識別情報を記録し、該記録後、前記無線タグへ識別情報の問い合わせを行い、該問い合わせに対する前記無線タグからの応答の有無を判定し、該判定により前記無線タグからの応答がないことを検知したとき、その旨をユーザに報知することを特徴とする所持品遺失防止方法。
  2. 前記無線通信機構が、ユーザへの前記報知を警告音の鳴動により行うことを特徴とする請求項1記載の所持品遺失防止方法。
  3. 前記無線タグが、前記無線通信機構からの前記問い合わせの有無を判定し、該判定により前記問い合わせがないことを検知したとき、警告音を鳴動させることを特徴とする請求項1又2記載の所持品遺失防止方法。
  4. ユーザの所持品に付加され且つ識別情報を有する無線タグと、該無線タグとの交信を行う無線通信機構とを備え、
    前記無線通信機構は、
    前記無線タグから識別情報を取得し該取得した識別情報を記録するID記録部と、前記無線タグへ識別情報の問い合わせを行い該問い合わせに対する前記無線タグからの応答の有無を判定する応答判定部と、該応答判定部により前記無線タグからの応答がないことが検知されたとき、その旨をユーザに報知する報知部とを有することを特徴とする所持品遺失システム。
  5. 前記無線通信機構は、前記報知部がユーザへの前記報知を警告音の鳴動により行うための音響出力手段を有することを特徴とする請求項4記載の所持品遺失システム。
  6. 前記無線タグは、前記無線通信機構からの前記問い合わせの有無を判定し該判定により前記問い合わせがないことを検知したとき警報を発動する制御部と、該制御部により前記警報を警告音の鳴動により行うための音響出力手段とを有することを特徴とする請求項4又は5記載の所持品遺失システム。
  7. 前記所持品が携帯電話端末であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の所持品遺失システム。
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