JP2006003392A - 散乱反射型表示体 - Google Patents

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典之 苔口
Satoru Ikesu
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、メモリー性のある散乱反射型表示体において、色ずれを生じない広い視野角を与え、かつ黒色表示において黒の締まりが十分に視認できる散乱反射型表示体を提供する。
【解決手段】 少なくとも基体、バインダー、バインダー中に分散された散乱型液晶組成物及び該液晶組成物中に包含された着色微粒子とから構成され、該散乱型液晶組成物が光透過状態時には該着色微粒子が視認可能な状態となり、散乱型液晶が光散乱状態時には該着色微粒子が視認できない状態となる2状態を利用して表示を行うことを特徴とする散乱反射型表示体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶組成物と液晶組成物中に着色微粒子を含む散乱反射型表示体に関する。
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会は益々増大している。
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また新たに有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられているが、特に電子情報がドキュメント情報である場合、比較的長時間にわたって閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難い。一般に、発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間にわたって閲覧すると消費電力が嵩む等が知られている。
これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しない(メモリー性)反射型ディスプレイが知られている。反射型ディスプレイのうち、液晶組成物を油滴状にしてバインダー中に分散保持させる方式は、高分子分散型液晶または散乱型液晶と呼ばれ、様々な方式が知られている。(例えば、特許文献1〜3参照。)
本発明者は、上記各特許文献に開示されている技術を詳細に検討した結果、確かに液晶の光散乱状態と光透過状態とを利用して像表示は行えるものの、従来技術では、液晶の光散乱体と、液晶が光透過状態時に作用する光吸収体との空間的距離が離れていることに由来する、斜め方向から見たときに色ずれが生じるという視野角の問題や、黒色表示において黒の締まりが十分でない等の課題があることとが判明した。加えて、これらの課題及び本発明で規定する構成に関しては、一切の言及や示唆がなされていない。
特開2001−51260号公報 特開2001−13490号公報 特開平5−273576号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、メモリー性のある散乱反射型表示体において、色ずれを生じない広い視野角を有し、かつ黒色表示において黒の締まりが十分に視認できる散乱反射型表示体を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
少なくとも基体と、着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物及びバインダーを含有する液晶層とを有し、該散乱型液晶組成物が光透過状態と光散乱状態の少なくとも2つの状態となることを特徴とする散乱反射型表示体。
(請求項2)
前記液晶層を挟んで対向電極を有し、前記散乱型液晶組成物が該対向電極の電界の強度により光透過状態と光散乱状態となることを特徴とする請求項1に記載の散乱反射型表示体。
(請求項3)
前記着色微粒子が、黒色、白色、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブルー色、グリーン色及びレッド色から選ばれる少なくとも1色であることを特徴とする請求項1または2に記載の散乱反射型表示体。
(請求項4)
更に、カラーフィルター層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の散乱反射型表示体。
(請求項5)
前記液晶層が、カラーパターンに区切られていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の散乱反射型表示体。
(請求項6)
前記散乱型液晶組成物が、コレステリック相を示す液晶組成物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の散乱反射型表示体。
(請求項7)
前記コレステリック相を示す液晶組成物がカイラルネマチック液晶組成物であり、該カイラルネマチック液晶組成物が右旋性のカイラルネマチック液晶組成物及び左旋性のカイラルネマチック液晶組成物とを含むことを特徴とする請求項6に記載の散乱反射型表示体。
(請求項8)
前記着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物が、少なくともイエロー色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物、マゼンタ色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物及びシアン色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物であり、該散乱型液晶組成物が前記液晶層中にランダムに配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の散乱反射型表示体。
本発明によれば、メモリー性のある散乱反射型表示体において、色ずれを生じない広い視野角を与え、かつ黒色表示において黒の締まりが十分に視認できる散乱反射型表示体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも基体と、着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物及びバインダーを含有する液晶層とを有し、該散乱型液晶組成物が光透過状態と光散乱状態の少なくとも2つの状態となる散乱反射型表示体により、メモリー性を有し、色ずれを生じない広い視野角を与え、かつ黒色表示において黒の締まりが十分に視認できる散乱反射型表示体を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
更に、上記構成に加え、下記のいずれか1項に記載の好ましい実施態様をとることにより、本発明の目的効果をより一層発揮できることを見出したものである。
a)請求項1で規定する構成に加え、液晶層を挟んで対向電極を有し、前記散乱型液晶組成物が該対向電極の電界の強度により光透過状態と光散乱状態となること、
b)着色微粒子が、黒色、白色、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブルー色、グリーン色及びレッド色から選ばれる少なくとも1色であること、
c)更に、カラーフィルター層を有すること、
d)液晶層が、カラーパターンに区切られていること、
e)散乱型液晶組成物が、コレステリック相を示す液晶組成物を含むこと
f)レステリック相を示す液晶組成物がカイラルネマチック液晶組成物であり、該カイラルネマチック液晶組成物が右旋性のカイラルネマチック液晶組成物及び左旋性のカイラルネマチック液晶組成物とを含むこと、
g)着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物が、少なくともイエロー色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物、マゼンタ色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物及びシアン色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物であり、該散乱型液晶組成物が前記液晶層中にランダムに配置されていること。
以下、本発明の散乱反射型表示体の詳細について説明する。
本発明の散乱反射型表示体では、上述のごとく、少なくとも基体と、着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物及びバインダーを含有する液晶層とを有し、該散乱型液晶組成物が光透過状態と光散乱状態の少なくとも2つの状態となり、光透過状態時には該着色微粒子が視認可能な状態となり、散乱型液晶が光散乱状態時には該着色微粒子が視認できない状態となる2状態を利用して表示を行うことを特徴とする。
図1は、従来型の白黒表示用の散乱反射型表示体に一例を示す断面図であり、図2は従来型のカラーフィルター層を有するカラー表示用の散乱反射型表示体に一例を示す断面図である。
図1、図2で示す従来型の散乱反射型表示体では、バインダー2中に散乱型液晶3が粒子状態で分散されて液晶層Aを構成し、対向電極である第1電極4、第2電極5の電場走査により、この散乱型液晶3は、光散乱状態と光透過状態を繰り返す。散乱型液晶3を含むバインダー構成層から見て観察面とは反対側に黒色着色層9が配置されている。この黒色着色層9は、散乱型液晶3が光透過状態の時に、透過してきた光を吸収する作用を有し、この際に観察者は黒色を視認する役割を果たし、図1は黒色着色層9を第1電極4を含む基体1の下部設けた一例であり、図2は第1電極4と基体1の間に設けた一例である。上記いずれの構成においても、白黒表示やカラー表示は可能であるが、散乱型液晶3を含む液晶層Aと黒色着色層9とは、隣接または間に電極等の他の構成層を介して存在しており、光散乱部位と光吸収部位の空間的距離が離れていることに起因して、色ずれや黒の締まりが得られない等の視認画質の問題が生じる。
これに対し、本発明で規定する構成は、光散乱部位と光吸収部位が物理的に接近しており、この空間的距離短いことによる視覚的効果を利用して前記課題を解決するものである。
はじめに、本発明の散乱反射型表示体の各構成要素について説明する。
〔基体〕
本発明で用いることのできる基体としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
〔バインダー〕
本発明の散乱反射型表示体のバインダーとしては、親水性バインダーが好ましく用いられる。その例としては、リサーチディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されているバインダー及び特開昭64−13546号公報の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げられる。
また、本発明に好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水性でも疎水性でもよいが、本発明においては、液晶組成物と相溶しない範囲で疎水性透明バインダーを使用することもできる。疎水性透明バインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。疎水性バインダーの中でも、特に、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステルが好ましく用いられる。
これらバインダーは2種以上を併用して用いてもよく、バインダーの塗布量は1m2あたり100g以下が好ましく、特に20g以下にするのが適当である。
本発明において、バインダーとしてゼラチン等の親水性を用いる場合、好ましい硬膜剤の例としては、米国特許第4,678,739号第41欄、同第4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、同61−249054号、同61−245153号、特開平4−218044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(例えば、ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(例えば、N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(例えば、ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(例えば、特開昭62−234157号などに記載の化合物)が挙げられる。これらの硬膜剤の中で、ビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独又は併用して使用することが好ましい。これらの硬膜剤は、親水性バインダー1gあたり0.001〜1g、好ましくは0.005〜0.5gの範囲で用いられる。
本発明に係るバインダーは、特に対向電極を用いる場合、散乱型液晶含有層の膜強度を確保する為に重要であり、バインダーと共に膜厚を一定化するため、樹脂柱構造物やスペーサー粒子を用いることも可能であるが、工程の簡略化からそれらは特に使用しないことが好ましい。また、ゼラチンは加熱溶解、塗布、冷却セット、乾燥の各工程で、均一な膜厚を有する構成層が得られる好ましいバインダーであるが、ゼラチンの他の例としては、例えば、ポリビニルアルコール類においてもカラギナンやゲランガム等の増粘多糖類を併用して用いることにより、前記ゼラチン同様の工程をとることか可能であり、この場合も均一な膜厚を有する構成層が得られる。
その他、本発明で用いられるバインダーとしては、ポリウレタン樹脂類やポリアクリル樹脂類やシリコーン樹脂類等の水性溶媒分散物、光硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
〔散乱型液晶〕
本発明に係る散乱型液晶組成物としては、コレステリック相を示す液晶組成物を含むことが好ましい。
カイラルネマチック液晶はコレステリック相を示す液晶の代表的なもので、ネマチック液晶に所定量のカイラル材を添加することによって得られる。このカイラルネマチック液晶は、一般的に、棒状の液晶分子がねじれた配列をなし、コレステリック相を示している。この液晶に光が入射すると、ヘリカル軸に対して平行な方向から光が入射した場合、λ=npで示される波長の光を選択反射する(プレーナ状態)。ここで、λは波長、nは液晶分子の平均屈折率、pは液晶分子が360°ねじれている距離である。一方、ヘリカル軸に対して垂直な方向から光が入射した場合、光は反射することなく透過する(フォーカルコニック状態)。この選択反射及び透過を利用して表示が行われる。
メモリー性を有する反射型液晶表示体の動作モードとしては、テクニカルペーパーSID国際シンポジューム要約(SID International Symposium Digestof Technical Paper)第29巻、897頁に開示されている。この動作モードは、カイラルネマチック液晶の配向状態をプレーナ状態(光の選択反射状態)及びフォーカルコニック状態(光の透過状態)のいずれかに切り換えて表示を行う方式である。プレーナ状態及びフォーカルコニック状態は、それぞれ安定な状態であるため、一旦液晶をいずれかの状態にセットすれば、外力が加わらない限り、半永久的にその状態を維持する。即ち、画像を一旦表示すれば電源を切っても表示された画像がそのまま維持されるメモリ性を備えた反射型液晶表示素子として有用である。
上記文献に記載されている反射型液晶表示素子は、それぞれ電極を備えた一対の基板間にカイラルネマチック液晶を挟持した構成であり、電極によって基板に対して垂直方向に電界を作用させ、その電界の強度及び/又は印加時間を制御することにより、液晶を所定の状態(プレーナ状態及びフォーカルコニック状態)に変化させる。
液晶にそのねじれを解くための閾値電圧以上の電圧を充分な時間印加すると、液晶は全てホメオトロピック状態(液晶分子の長軸方向が基板に対して垂直な状態)になる。この状態は、メモリ性がないために電界を消去すると、液晶はねじれた配列になる。ホメオトロピック状態から、電界を急激に消去した場合はプレーナ状態になり、電界を徐々に消去した場合はフォーカルコニック状態になる。
また、フォーカルコニック状態の液晶に、そのねじれを解くための閾値電圧以上のパルス電圧(一部の液晶がホメオトロピック状態になるパルス幅の電圧)を印加した場合、ホメオトロピック状態になった液晶は、パルス電圧の印加終了後にプレーナ状態になる。パルス電圧の幅及び/又は電圧の高さを制御することにより、プレーナ状態となる液晶の割合を調整(中間調を表示)することができる。
カイラルネマティック液晶を用いた液晶−高分子複合膜において、ネマティック液晶に添加するカイラルドーパントの量を調整し、カイラルネマティック液晶のヘリカルピッチを、選択反射波長が、例えば、それぞれ赤色光、緑色光、青色光となるように調整することにより、プレーナ配列の場合にそれぞれ赤色、緑色、青色に着色した選択反射状態となり、フォーカル・コニック配列の場合に無色透明の光透過状態となる液晶−高分子複合膜が得られる。こうして得た液晶−高分子複合膜を透明電極間に挟持することにより、カラーの液晶表示デバイスが得られる。
また、カイラルドーパントの添加量を調整して、カイラルネマティック液晶のヘリカルピッチを、選択反射波長が赤外光となるように調整すると、プレーナ配列で無色透明の光透過状態、フォーカル・コニック配列では等方散乱により白く見える光散乱状態を示す液晶−バインダー複合膜が得られる。こうして得られた液晶−バインダー複合膜を透明電極間に挟持することにより、白色表示デバイスが得られる。
なお、ヘリカルピッチp(nm)と選択反射波長λ(nm)との関係は、下式(1)で表される。
式(1)
λ=n×p
式中、nは平均屈折率を表し、n2=(n12+n221/2である。n1は液晶分子の長軸方向に光を入射した場合の屈折率を表し、n2は液晶分子の長軸方向に対して垂直な方向に光を入射した場合の屈折率を表す。
白色表示デバイスあるいは各色のカラー表示デバイスを作製するには、例えば、液晶とバインダーとの混合物を1対の透明電極間に挟持した上で、硬膜剤等で硬化させ液晶とバインダーとを相分離する方法を採用することができる。この際、上記混合物とともにスペーサを透明電極間に挟持させると液晶−バインダー複合膜の厚さの制御が容易となる。
ネマティック液晶に添加するカイラルドーパントとして、複数種のカイラルドーパントを混合して使用してもよい。複数種のカイラルドーパントの使用は、液晶の相転移温度を高くしたり、複合膜の透明状態における透明度を向上させたり、特にカラー表示デバイスの透明状態と選択反射状態との表示切り替えを速くしたりするのに有効である。
特定色のカラー表示デバイスとして、左旋性のカイラルネマティック液晶を用いた複合膜を有する第1の表示デバイスと、前記左旋性のカイラルネマティック液晶と同じ波長の光を選択反射しかつ右旋性のカイラルネマティック液晶を使用した複合膜を有する第2の表示デバイスとを積層したものを用いてもよい。こうすることによって反射率を増大させ、さらに良好なカラー表示を行うことができる。特に、緑色に比べて比視感度が低い青色および赤色を強く表示すると全体のカラーバランスが向上するため、青色表示デバイスあるいは赤色表示デバイスにおいてこのような複層構成が有効である。
白色表示デバイスに用いる液晶−バインダー複合膜に、スメティック液晶を添加してもよい。スメティック液晶を添加することにより、液晶−バインダー複合膜の透明度が向上し、無色透明状態と白色状態との間のコントラストを高めることができる。
なお、各色の表示デバイスに用いる液晶−バインダー複合膜の膜厚には特に制限はないが、白色表示デバイスに用いる液晶−バインダー複合膜の膜厚をカラー表示デバイスに用いる液晶−バインダー複合膜の膜厚よりも大きくしておくことが望ましい。
コレステリック相を示す液晶組成物の具体的化合物としては、米国特許5,695,682号に記載の化合物を挙げることができる。
その他の本発明に用いられる散乱型液晶組成物として、4−置換安息香酸4′−置換フェニルエステル、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4′−置換ビフェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4′−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4′−置換フェニルエステル、4−置換ビフェニル4′−置換シクロヘキサン、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4′−置換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4′−置換シクロヘキシルエステル、4−置換4″−置換ターフェニル、4−置換4′−置換ビフェニル、4−置換フェニル−4′−置換シクロヘキサン等、さらに特開2001−51260号公報、特開平8−43846号公報、特開平7−4950号公報、特開2000−147476号公報、特開平8−160470号公報、特開平10−54996号公報、特開2002−221709号公報、特開2001−92383号公報、特開2003−131234号公報、特開2004−77754号公報、特開2004−2771号公報等に記載の液晶組成物や、ポリマーネットワーク液晶(PNLC)、ポリマー分散液晶(PDLC)と称される液晶組成物等を挙げることができる。
〔着色微粒子〕
本発明に係る散乱型液晶組成物に包含される着色微粒子としては、無機粒子、有機粒子、また単一の化学組成である必要はなくこれらの混合粒子であってもよい。また着色は白色、黒色、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブルー色、グリーン色、レッド色等の各色であってよい。
白色粒子としては、例えば、無機化合物として、二酸化チタン(例えば、アナターゼ型、およびルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス等が挙げられ、有機化合物としてポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、これらは単体または複合混合、あるいは粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
本発明では、白色粒子としては二酸化チタンが好ましく用いられ、結晶系はアナターゼ型、ルチル型のどちらでも良い。また、無機酸化物(例えば、Al23、AlO(OH)、SiO2等)で表面処理した二酸化チタン、これらの表面処理に加えて、トリメチロールエタン、トリエタノールアミン酢酸塩、トリメチルシクロシラン等の有機物処理を施した二酸化チタンを用いることができる。
黒色粒子としては、カーボンブラック、非磁性酸化鉄、黒鉛等やこれらの混合物が挙げられる。非磁性酸化鉄は、α−Fe23や、タングステン、モリブデン、マンガン、クロム等をドーピングして黒色化してもよい。好ましいカーボンブラックは、10〜60nmの平均一次粒径を有し、pHが6以上、揮発成分が2%以下、ジブチルフタレート吸油量が10〜200ml/100g、かさ密度が700g/L以下である。
着色粒子は、顔料と高分子樹脂とを併せた複合粒子や染料を高分子樹脂に浸漬または媒染させた複合粒子であってもよい。
顔料着色成分としては、アミノアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、チオインジゴ、ジオキサジン、イソインドリノン、キノフタロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、ベンズイミダゾロン、金属錯体等の縮合多環系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、スルホン化銅フタロシアニンレーキ等の銅フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸アニリド系等のアゾレーキ顔料や不溶性アゾ顔料や縮合アゾ顔料、酸性または塩基性染料のレーキ顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料等の有機系顔料が挙げられる。無機系顔料としては、亜鉛華、二酸化チタン、べんがら、酸化クロム、コバルトブルー、鉄黒、アルミナホワイト、黄色酸化鉄、硫化亜鉛、朱、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、紺青、黄鉛、ジンククロメート、モリブデンレッド、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、含水ケイ酸塩、群青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛粉等が挙げられる。
顔料を高分子樹脂と複合させた粒子としては、特開2002−311646号、同2003−15352号、同2002−236386号、同2002−214913号、同2001−281928号、同2001−249497号等の各公報に記載の粒子を挙げることができる。
染料着色成分としては公知の染料を用いることができ、具体的には欧州特許第549,489A号記載の染料や、特開平7−152129号のExF2〜6の染料、特開平3−251840号公報308ページに記載のAI−1〜11の染料、特開平6−3770号公報明細書記載の染料、特開平1−280750号公報の2ページ左下欄に記載の一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物、同公報3ページ左下欄〜5ページ左下欄に挙げられた例示化合物(1)〜(45)、特開平1−150132号に記載の化合物、森賀、吉田「染料と薬品」9、84頁(化成品工業協会)、「新版染料便覧」242頁(丸善、1970)、R.Garner「Reports on the Progress of Appl.Chem」56、199頁(1971)、「染料と薬品」19、230頁(化成品工業協会、1974)、「色材」62、288頁(1989)、「染料工業」32、208等に記載の化合物、RD第176巻Item/17643(1978年12月)の25〜26頁、RD第184巻Item/18431(1979年8月)に記載の化合物、RD第187巻Item/18716(1979年11月)の649〜650頁、RD第308巻Item/308119(1989年12月)の1003頁に記載されている化合物を挙げることができる。これらの染料の単体または混合物を用いて高分子樹脂を媒染させることによりブルー色、グリーン色、レッド色の着色粒子を得ることができる。
染料を媒染させる高分子樹脂としては、例えば、米国特許第4,500,626号の第58〜59欄や、特開昭61−88256号の32〜41頁、特開昭62−244043号、特開昭62−244036号等に記載の化合物を挙げることができる。
イエロー色粒子の好ましい例として、例えば、C.I.(カラーインデックス)ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー79、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー128等、C.I.番号のY−3、Y−167、Y−97、Y−74、Y−12、Y−14、Y−17、Y−55、Y−83、Y−154、Y−95、Y−193、Y−83、Y−34、Y−128、Y−93、Y−110、Y−139、Y−199、Y−147、Y−109、Y−13、Y−151、Y−154で示される化合物を挙げることができる。
マゼンタ色粒子の好ましい例として、例えば、アシッドレッド52、C.I.Projet Mazenta、C.I.ピグメントレッド122、C.I.番号のR−48:1、R−53:1、R−49:1、R−48:3、R−48:2、R−57:1、R−63:1、R−58:4、O−16、R−112、R−3、R−170、R−5、R−146、R−81、V−19、R−122、R−257、R−254、R−202、R−211、R−213、R−268、R−177、R−17、R−23、R−31で示される化合物を挙げることができる。
シアン色粒子の好ましい例として、例えば、C.I.アシッドブルー9、C.I.ダイレクトブルー199、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.番号のB−15、B−15:1〜4、B−27で示される化合物を挙げることができる。
〔電極〕
本発明の散乱反射型表示体においては、対向電極の少なくとも1種が金属電極であることが好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等の公知の金属種を用いることができる。金属電極は、電解質中の銀の酸化還元電位に近い仕事関数を有する金属が好ましく、中でも銀または銀含有率80%以上の銀電極が、銀の還元状態維持の為に有利であり、また電極汚れ防止にも優れる。電極の作製方法は、蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、CVD法等の既存の方法を用いることができる。
また、本発明の散乱反射型表示体は、対向電極の少なくとも1種が透明電極であることが好ましい。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1〜20μmであるのが一般的である。
次いで、本発明の散乱反射型表示体の実施形態について、図を用いて説明する。
図3は、本発明の散乱反射型表示体の基本構成の一例を示す断面図である。
図3は、本発明に係る着色微粒子である黒色微粒子Bを包含する散乱型液晶3の一例を示し、黒色微粒子Bを散乱型液晶3で埋包し、更にこの散乱型液晶3を溶媒を含むバインダー2中に分散して液晶層Aを形成し、散乱型液晶3を含むバインダー2を基体1上に塗布して溶媒を乾燥して液晶層Aを形成して散乱反射型表示体を作製した例である。
基体1としては、透明樹脂フィルムであることが好ましく、例えば、厚みが80μm〜300μm程度のポリエステルフィルムを用いることができる。ポリエステルフィルムの表面は、例えば、溶媒が水系である場合には、プラズマ処理等により濡れ性向上のための親水性処理を施すことができる。黒色微粒子Bは、表面をシランカップリング剤処理したカーボンブラックを用いることができる。散乱型液晶3は、白色反射を与えるコレステリック液晶を用いることができる。白色反射を与えるコレステリック液晶は、青色反射、緑色反射、赤色反射、黄色反射等の各色を混合して分散物を作成してもよいし、各色の散乱型液晶分散物をバインダー中に混合してもよいし、各色の分散物を内包する液晶組成物であってもよい。また、4−置換安息香酸4′−置換フェニルエステル、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン等の散乱型液晶を白色反射を与える液晶として用いることができる。
図3に記載の散乱反射型表示体では、電極を液晶表示体に含まない構成であるが、この場合はイオンフローや、平行電極を表示体に接触させる等の外部書き込み装置から該散乱型液晶に電界を付与することにより表示状態を切り替えることができる。図3は、黒色微粒子Bと白色散乱を与える散乱型液晶3との構成例で白黒表示が可能だが、後述の例で示すように、着色微粒子の色と、散乱型液晶の反射光波長を調整することにより、任意の色を表示することが可能である。
本発明の散乱反射型表示体においては、液晶層を挟んで対向電極を有し、散乱型液晶組成物が該対向電極の電界の強度により光透過状態と光散乱状態となることが好ましい。
図4は、図3に記載の構成に一対の対向電極を付加した散乱反射型表示体の一例を示す断面図である。
図4に記載の散乱反射型表示体において、基体1と液晶層Aとの間に第1の電極層4を設け、また対向する位置に第2の電極層5を設け、更にその上面を透明の基材6で被覆した構成である。
この時、電極層の少なくとも1つ、好ましくは視認側に位置している第2の電極層は透明電極であることが好ましく、例えば、錫をドープした酸化インジウム(ITO)を備えたポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート等の透明樹脂基体を用いることができる。この場合、表示部の大きさに合わせて、電極層をパターンニングすることにより、セグメント表示やマトリックス表示が可能である。
本発明の散乱反射型表示体においては、カラーフィルター層を有することが好ましい。
図5は、図4に記載の構成に、カラーフィルター層を付加した散乱反射型表示体の一例を示す断面図である。
図5に記載の散乱反射型表示体は、図4で示した構成に、例えば、青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の3色からなるカラーパターンを有するカラーフィルター層7を設けた例である。散乱型液晶3と黒色微粒子Bとで白黒状態を表示することにより、カラーフィルター層7を介してカラー表示を行うことができる。カラーフィルター層の構成としては、上記B、G、Rの構成の他、例えば、イエロー色(Y)、マゼンタ色(M)、シアン色(C)のカラーパターンで構成されたものでもよい。上記構成において、対向電極は、第1の電極4と、第2の電極としてパターン電極8で構成されている。
本発明の散乱反射型表示体においては、着色微粒子が、黒色、白色、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブルー色、グリーン色及びレッド色から選ばれる少なくとも1色であることが好ましく、またバインダー及び各色微粒子を含む散乱型液晶組成物からなる液晶層が、カラーパターンに区切られていることが好ましい。
図6は、各色着色微粒子を含む散乱型液晶組成物から構成され、カラーパターンに区切られている散乱反射型表示体の一例を示す断面図である。
図6に記載の散乱反射型表示体では、図4で示した構成において、黒色微粒子Bに代えて、イエロー色微粒子Yを包含した散乱型液晶、マゼンタ色微粒子Mを包含した散乱型液晶、シアン色微粒子Cを包含した散乱型液晶とを含む液晶層を有し、これらの各着色微粒子をそれぞれ色毎に特定の領域に配置して、イエロー、マゼンタ及びシアンの各カラーパターン領域Cを形成させ、カラー表示を可能とした散乱反射型表示体である。
本発明の散乱反射型表示体においては、散乱型液晶組成物がコレステリック相を示す液晶組成物を含むことが好ましく、また、コレステリック相を示す液晶組成物がカイラルネマチック液晶組成物であり、該カイラルネマチック液晶組成物が右旋性のカイラルネマチック液晶組成物及び左旋性のカイラルネマチック液晶組成物とから構成されていることが好ましい。
図7は、散乱型液晶がコレステリック液晶(左手系)とコレステリック液晶(右手系)から構成されている散乱反射型表示体の一例を示す断面図である。
図7に記載の散乱反射型表示体は、図4で示した構成において、散乱型液晶を、前述の螺旋ピッチに方向が反対であるコレステリック液晶(左手系)とコレステリック液晶(右手系)に変更した一例であり、右手系と左手系を混合させることにより、選択反射の反射率を約1.2倍〜2倍に向上させ、コントラストを向上させることができ好ましい。
本発明の散乱反射型表示体においては、着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物が、少なくともイエロー色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物、マゼンタ色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物及びシアン色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物であり、該散乱型液晶組成物が前記液晶層中にランダムに配置されていることが好ましい。
図8は、各色微粒子を含む複数種の散乱型液晶組成物をランダムに配置した散乱反射型表示体の一例を示す断面図である。
図8に記載の散乱反射型表示体は、前記図5に記載の構成において、各色微粒子を含む散乱型液晶組成物をカラーパターンを形成せずに、イエロー色微粒子含有の散乱型液晶組成物、マゼンタ色微粒子含有の散乱型液晶組成物、シアン色微粒子含有の散乱型液晶組成物をランダムに配置させた例である。この際、各色微粒子含有の散乱型液晶組成物の異なる特性により、液晶が光学状態変化を起こす印加電圧、リセット電圧や、パルスパターンを液晶組成物を構成する添加剤種や添加量を変更することにより区別することにより、1層で各色カラー色の表示が可能となる。例えば、特開平10−177191号に記載の駆動方法を用いることができる。
以上説明した図3〜図8に記載の構成からなる各散乱反射型表示体について、各特性の評価を行った結果、前述の比較例である図1または図2に記載の構成からなる従来型の散乱反射型表示体に比較して、色ずれを生じない広い視野角を与え、かつ黒色表示において黒の締まりが十分に視認できる散乱反射型表示体であることを確認することができた。
〔散乱反射型表示体のその他の構成要素〕
本発明の散乱反射型表示体には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
シール剤は外に漏れないように封入するためのものであり封止剤とも呼ばれ、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エンーチオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
柱状構造物は、基板間の強い自己保持性(強度)を付与し、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。柱状構造物は散乱反射型表示体の表示領域に占める面積の割合が1〜40%であれば、散乱反射型表示体として実用上十分な強度が得られる。
一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設けられていてもよい。このスペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設けてもよいが、スペーサー及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に代えて、スペーサーのみをスペース保持部材として使用してもよい。スペーサーの直径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱状構造物を形成しない場合はスペーサーの直径がセルギャップの厚みに相当する。
〔スクリーン印刷〕
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、ポリビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニールピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
以上のようにして柱状構造物等を基板上に形成した後は、所望によりスペーサーを少なくとも一方の基板上に付与し、一対の基板を電極形成面を対向させて重ね合わせ、空セルを形成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱することにより、貼り合わせて、表示セルが得られる。散乱反射型表示体とするには、基板間に散乱型液晶組成物を真空注入法等によって注入すればよい。
〔散乱反射型表示体の駆動法〕
本発明の散乱反射型表示体においては、上記説明した一対の対向電極の駆動操作が単純マトリックス駆動であることが好ましい。
本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で互いのラインが垂直方向に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことを言う。単純マトリックス駆動を用いることにより、回路構成や駆動ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある。
本発明の散乱反射型表示体は、アクティブマトリックス駆動を用いてもよい。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、諧調やメモリー機能などのメリットがある。
(本発明の散乱反射型表示体の適用分野)
本発明の散乱反射型表示体は、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ディスプレイ、光変調シート、電子書籍端末、商品タグ、プライスタグ、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェーカード、運転免許証、病院の診察カード、健康保険証、住民基本台帳、パスポート等が挙げられる。
従来型の白黒表示用の散乱反射型表示体に一例を示す断面図である。 従来型のカラーフィルター層を有するカラー表示用の散乱反射型表示体に一例を示す断面図である。 本発明の散乱反射型表示体の基本構成の一例を示す断面図である。 図3に記載の構成に一対の対向電極を付加した本発明の散乱反射型表示体の一例を示す断面図である。 図4に記載の構成に、カラーフィルター層を付加した本発明の散乱反射型表示体の一例を示す断面図である。 各色着色微粒子を含む散乱型液晶組成物から構成され、カラーパターンに区切られている本発明の散乱反射型表示体の一例を示す断面図である。 散乱型液晶がコレステリック液晶(左手系)とコレステリック液晶(右手系)から構成されている本発明の散乱反射型表示体の一例を示す断面図である。 各色微粒子を含む複数種の散乱型液晶組成物をランダムに配置した本発明の散乱反射型表示体の一例を示す断面図である。
符号の説明
1、6 基体
2 バインダー
3 散乱型液晶
4 第1の電極
5 第2の電極
7 カラーフィルター層
8 パターン電極
9 黒色着色層
B 黒色微粒子
Y イエロー色微粒子
M マゼンタ色微粒子
C シアン色微粒子
A 液晶層
C カラーパターン領域

Claims (8)

  1. 少なくとも基体と、着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物及びバインダーを含有する液晶層とを有し、該散乱型液晶組成物が光透過状態と光散乱状態の少なくとも2つの状態となることを特徴とする散乱反射型表示体。
  2. 前記液晶層を挟んで対向電極を有し、前記散乱型液晶組成物が該対向電極の電界の強度により光透過状態と光散乱状態となることを特徴とする請求項1に記載の散乱反射型表示体。
  3. 前記着色微粒子が、黒色、白色、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブルー色、グリーン色及びレッド色から選ばれる少なくとも1色であることを特徴とする請求項1または2に記載の散乱反射型表示体。
  4. 更に、カラーフィルター層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の散乱反射型表示体。
  5. 前記液晶層が、カラーパターンに区切られていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の散乱反射型表示体。
  6. 前記散乱型液晶組成物が、コレステリック相を示す液晶組成物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の散乱反射型表示体。
  7. 前記コレステリック相を示す液晶組成物がカイラルネマチック液晶組成物であり、該カイラルネマチック液晶組成物が右旋性のカイラルネマチック液晶組成物及び左旋性のカイラルネマチック液晶組成物とを含むことを特徴とする請求項6に記載の散乱反射型表示体。
  8. 前記着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物が、少なくともイエロー色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物、マゼンタ色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物及びシアン色の着色微粒子を内包する散乱型液晶組成物であり、該散乱型液晶組成物が前記液晶層中にランダムに配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の散乱反射型表示体。
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