JP2006058614A - 表示媒体 - Google Patents

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Tomoko Takeyama
朋子 竹山
Satoru Ikesu
悟 池洲
Kiyoshi Endo
喜芳 遠藤
Yusuke Kawahara
雄介 川原
Hiroyuki Nabeta
博之 鍋田
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、視認性(コントラスト)に優れ、ピンホール等の製造欠陥のない表示媒体を提供する。
【解決手段】 少なくとも一つの基体上に、バインダー、該バインダー中に分散された液晶組成物を含む構成層を有する表示媒体であって、該液晶組成物が転相法により該バインダー中に分散されていることを特徴とする表示媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基体上にバインダーとバインダー中に分散された液晶組成物を含む表示媒体に関する。
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会は益々増大している。
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また新たに有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられているが、特に電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたって該閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難く、一般的に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む、等が知られている。
これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しない(メモリー性)反射型ディスプレイが知られているが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低く白表示に難があり、また構成部材が多く製法が簡便でない。ポリマー分散型液晶は高い電圧が必要であり、また有機物同士の屈折率差を利用しているためコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は電圧が高いことと、メモリー性を向上させるために複雑なTFT回路が必要である等の課題がある。電気泳動法による表示素子は、10V以上の高い電圧が必要であり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念点がある。エレクトロクロミック表示素子は、3V以下の低電圧駆動が可能であるが、黒色またはカラー色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン、レッド等)の色品質が十分でなく、メモリー性を確保するため表示セルに蒸着膜等の複雑な膜構成が必要などの懸念点がある。
これらの欠点を解消する表示方式として、バインダー中に液晶を分散した素子を用いることが知られている。高分子中にコレステリック液晶を分散したり、コレステリックの微小液滴を含んだり、あるいはコレステリック液晶を高分子殻によりカプセル化して含有することで、コントラストや反射率の良好な表示素子を得ようとしたり、バインダーとしてゼラチンを用いることで、製造を容易にし、コストを低減しようとすることが開示されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
しかしながら、これらの各特許文献に開示されている分散方法では、液晶粒子の粒径分布の幅が広く、微小粒子の存在により、画像のコントラストが劣化するという問題が明らかになった。また、粒径の大きな粒子の存在により、ピンホール故障が発生するという問題も明らかになった。
特開平7−287214号公報 特開平9−218421号公報 特開2000−98326号公報 特開2003−302625号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、視認性(コントラスト)に優れ、ピンホール等の製造欠陥のない表示媒体を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
少なくとも一つの基体上に、バインダー、該バインダー中に分散された液晶組成物を含む構成層を有する表示媒体であって、該液晶組成物が転相法により該バインダー中に分散されていることを特徴とする表示媒体。
(請求項2)
少なくとも一つの基体上に、バインダー、該バインダー中に分散された液晶組成物を含む構成層を有する表示媒体であって、該液晶組成物が膜乳化法により該バインダー中に分散されていることを特徴とする表示媒体。
(請求項3)
前記液晶組成物が、コレステリック相を有するカイラルネマチック液晶組成物であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示媒体。
(請求項4)
前記カイラルネマチック液晶組成物が、青色光、緑色光、赤色光及び黄色光から選ばれる少なくとも1種の光を選択反射する複数の液晶組成物を含むことを特徴とする請求項3に記載の表示媒体。
(請求項5)
前記カイラルネマチック液晶組成物が、右旋性または左旋性の選択反射を与える液晶組成物を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の表示媒体。
(請求項6)
同一構成層内に複数種の液晶組成物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示媒体。
(請求項7)
前記分散された液晶組成物を含有する構成層を複数層有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示媒体。
(請求項8)
前記バインダーが、ゼラチンまたはポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示媒体。
(請求項9)
前記分散された液晶組成物が、マイクロカプセル壁により被覆されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示媒体。
(請求項10)
前記マイクロカプセル壁が、少なくともゼラチンを含む材料で構成されていることを特徴とする請求項9に記載の表示媒体。
(請求項11)
1対の電極間に、前記バインダー及びバインダー中に分散された液晶組成物を配置したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示媒体。
(請求項12)
遮光層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示媒体。
(請求項13)
前記遮光層が、1対の電極間に設けられたことを特徴とする請求項12に記載の表示媒体。
(請求項14)
前記1対の電極の少なくとも1つが、インクジェット法により形成されたことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の表示媒体。
(請求項15)
前記インクジェット法が、ノズル径30μm以下の静電誘導方式であることを特徴とする請求項14に記載の表示媒体。
本発明によれば、視認性(コントラスト)に優れ、ピンホール等の製造欠陥のない表示媒体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくと1つの基体上に、バインダーとバインダー中に転相法または膜乳化法により分散して調製された液晶微粒子を含む構成層を有する表示媒体により、視認性、色再現性に優れ、かつピンホール等の製造欠陥のない表示媒体を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
更に、上記の本発明で規定する構成に加えて、液晶組成物としてコレステリック相を有するカイラルネマチック液晶組成物を用いること、カイラルネマチック液晶組成物が、青色光、緑色光、赤色光及び黄色光から選ばれる少なくとも1種の光を選択反射する複数の液晶組成物であること、カイラルネマチック液晶組成物が、右旋性または左旋性の選択反射を与える液晶組成物であること、同一構成層内に複数種の液晶組成物を含む構成とすること、分散された液晶組成物を含有する構成層を複数層設けること、バインダーとしてゼラチンまたはポリビニルアルコールを用いること、分散された液晶組成物がマイクロカプセル壁により被覆され、マイクロカプセル壁が少なくともゼラチンを含む材料で構成されていること、1対の電極間にバインダー及びバインダー中に分散された液晶組成物を配置した構成とすること、遮光層を有し、この遮光層を1対の電極間に設けること、あるいは電極の少なくとも1つをインクジェット法により形成することにより、本発明の上記目的効果がより一層発揮できることを見出したものである。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の表示媒体は、少なくとも一つの基体上に、バインダーとバインダー中に分散された液晶組成物を含む構成層を有することを特徴とする。
〔基体〕
本発明で用いることのできる基体としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基体や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
〔バインダー〕
本発明の散乱反射型である表示媒体のバインダーとしては、親水性バインダーが好ましく用いられる。その例としては、リサーチディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されているバインダー及び特開昭64−13546号公報の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げられる。
また、本発明に好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水性でも疎水性でもよいが、本発明においては、液晶組成物と相溶しない範囲で疎水性透明バインダーを使用することもできる。疎水性透明バインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。疎水性バインダーの中でも、特に、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステルが好ましく用いられる。
本発明の表示媒体で用いるバインダーとしては、本発明の目的効果を十分に発揮させる観点から、ゼラチンまたはポリビニルアルコールであることが好ましい。
これらバインダーは2種以上を併用して用いてもよく、バインダーの塗布量は1m2あたり100g以下が好ましく、特に20g以下にするのが適当である。
本発明において、バインダーとしてゼラチン等の親水性を用いる場合、好ましい硬膜剤の例としては、米国特許第4,678,739号第41欄、同第4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、同61−249054号、同61−245153号、特開平4−218044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(例えば、ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(例えば、N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(例えば、ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(例えば、特開昭62−234157号などに記載の化合物)が挙げられる。これらの硬膜剤の中で、ビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独又は併用して使用することが好ましい。これらの硬膜剤は、親水性バインダー1gあたり0.001〜1g、好ましくは0.005〜0.5gの範囲で用いられる。
本発明に係るバインダーは、特に対向電極を用いる場合、散乱型液晶含有層の膜強度を確保する為に重要であり、バインダーと共に膜厚を一定化するため、樹脂柱構造物やスペーサー粒子を用いることも可能であるが、工程の簡略化からそれらは特に使用しないことが好ましい。また、ゼラチンは加熱溶解、塗布、冷却セット、乾燥の各工程で、均一な膜厚を有する構成層が得られる好ましいバインダーであるが、ゼラチンの他の例としては、例えば、ポリビニルアルコール類においてもカラギナンやゲランガム等の増粘多糖類を併用して用いることにより、前記ゼラチン同様の工程をとることか可能であり、この場合も均一な膜厚を有する構成層が得られる。
その他、本発明で用いられるバインダーとしては、ポリウレタン樹脂類やポリアクリル樹脂類やシリコーン樹脂類等の水性溶媒分散物、光硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
〔液晶組成物〕
本発明に係る液晶組成物としては、コレステリック相を有するカイラルネマチック液晶組成物であることが好ましい。
カイラルネマチック液晶はコレステリック相を示す液晶の代表的なもので、ネマチック液晶に所定量のカイラル材を添加することによって得られる。このカイラルネマチック液晶は、一般的に、棒状の液晶分子がねじれた配列をなし、コレステリック相を示している。この液晶に光が入射すると、ヘリカル軸に対して平行な方向から光が入射した場合、λ=npで示される波長の光を選択反射する(プレーナ状態)。ここで、λは波長、nは液晶分子の平均屈折率、pは液晶分子が360°ねじれている距離である。一方、ヘリカル軸に対して垂直な方向から光が入射した場合、光は反射することなく透過する(フォーカルコニック状態)。この選択反射及び透過を利用して表示が行われる。
メモリー性を有する反射型液晶表示体の動作モードとしては、テクニカルペーパーSID国際シンポジューム要約(SID International Symposium Digestof Technical Paper)第29巻、897頁に開示されている。この動作モードは、カイラルネマチック液晶の配向状態をプレーナ状態(光の選択反射状態)及びフォーカルコニック状態(光の透過状態)のいずれかに切り換えて表示を行う方式である。プレーナ状態及びフォーカルコニック状態は、それぞれ安定な状態であるため、一旦液晶をいずれかの状態にセットすれば、外力が加わらない限り、半永久的にその状態を維持する。即ち、画像を一旦表示すれば電源を切っても表示された画像がそのまま維持されるメモリ性を備えた反射型液晶表示素子として有用である。
上記文献に記載されている反射型液晶表示素子は、それぞれ電極を備えた一対の基板間にカイラルネマチック液晶を挟持した構成であり、電極によって基板に対して垂直方向に電界を作用させ、その電界の強度及び/又は印加時間を制御することにより、液晶を所定の状態(プレーナ状態及びフォーカルコニック状態)に変化させる。
液晶にそのねじれを解くための閾値電圧以上の電圧を充分な時間印加すると、液晶は全てホメオトロピック状態(液晶分子の長軸方向が基板に対して垂直な状態)になる。この状態は、メモリ性がないために電界を消去すると、液晶はねじれた配列になる。ホメオトロピック状態から、電界を急激に消去した場合はプレーナ状態になり、電界を徐々に消去した場合はフォーカルコニック状態になる。
また、フォーカルコニック状態の液晶に、そのねじれを解くための閾値電圧以上のパルス電圧(一部の液晶がホメオトロピック状態になるパルス幅の電圧)を印加した場合、ホメオトロピック状態になった液晶は、パルス電圧の印加終了後にプレーナ状態になる。パルス電圧の幅及び/又は電圧の高さを制御することにより、プレーナ状態となる液晶の割合を調整(中間調を表示)することができる。
カイラルネマティック液晶を用いた液晶−高分子複合膜において、ネマティック液晶に添加するカイラルドーパントの量を調整し、カイラルネマティック液晶のヘリカルピッチを、選択反射波長が、例えば、それぞれ赤色光、緑色光、青色光となるように調整することにより、プレーナ配列の場合にそれぞれ赤色、緑色、青色に着色した選択反射状態となり、フォーカル・コニック配列の場合に無色透明の光透過状態となる液晶−高分子複合膜が得られる。こうして得た液晶−高分子複合膜を透明電極間に挟持することにより、カラーの液晶表示デバイスが得られる。
また、カイラルドーパントの添加量を調整して、カイラルネマティック液晶のヘリカルピッチを、選択反射波長が赤外光となるように調整すると、プレーナ配列で無色透明の光透過状態、フォーカル・コニック配列では等方散乱により白く見える光散乱状態を示す液晶−バインダー複合膜が得られる。こうして得られた液晶−バインダー複合膜を透明電極間に挟持することにより、白色表示デバイスが得られる。
なお、ヘリカルピッチp(nm)と選択反射波長λ(nm)との関係は、下式(1)で表される。
式(1)
λ=n×p
式中、nは平均屈折率を表し、n2=(n12+n221/2である。n1は液晶分子の長軸方向に光を入射した場合の屈折率を表し、n2は液晶分子の長軸方向に対して垂直な方向に光を入射した場合の屈折率を表す。
白色表示デバイスあるいは各色のカラー表示デバイスを作製するには、例えば、液晶とバインダーとの混合物を1対の透明電極間に挟持した上で、硬膜剤等で硬化させ液晶とバインダーとを相分離する方法を採用することができる。この際、上記混合物とともにスペーサを透明電極間に挟持させると液晶−バインダー複合膜の厚さの制御が容易となる。
ネマティック液晶に添加するカイラルドーパントとして、複数種のカイラルドーパントを混合して使用してもよい。複数種のカイラルドーパントの使用は、液晶の相転移温度を高くしたり、複合膜の透明状態における透明度を向上させたり、特にカラー表示デバイスの透明状態と選択反射状態との表示切り替えを速くしたりするのに有効である。
特定色のカラー表示媒体として、右旋性のカイラルネマチック液晶と左旋性のカイラルネマチック液晶とを混在させることで、反射率を増大させ、さらに良好なカラー表示を行うことができる。このとき、右旋性のカイラルネマチック液晶と左旋性のカイラルネマチック液晶とは、その選択反射波長が同じであることがより効果が高い。特に、青色、緑色、赤色の反射を持つ液晶材料を組み合わせてカラー表示する際には、緑色に比べて比視感度が低い青色及び赤色の反射率を右旋性のカイラルネマチック液晶と左旋性のカイラルネマチック液晶とを混在させることにより増大させると、3色のバランスが整い、視認性のよいカラー表示媒体が得られる。
白色表示デバイスに用いる液晶−バインダー複合膜に、スメティック液晶を添加してもよい。スメティック液晶を添加することにより、液晶−バインダー複合膜の透明度が向上し、無色透明状態と白色状態との間のコントラストを高めることができる。
なお、各色の表示デバイスに用いる液晶−バインダー複合膜の膜厚には特に制限はないが、白色表示デバイスに用いる液晶−バインダー複合膜の膜厚をカラー表示デバイスに用いる液晶−バインダー複合膜の膜厚よりも大きくしておくことが望ましい。
コレステリック相を示す液晶組成物の具体的化合物としては、米国特許5,695,682号に記載の化合物を挙げることができる。
その他の本発明に用いられる散乱型液晶組成物として、4−置換安息香酸4′−置換フェニルエステル、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4′−置換ビフェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4′−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4′−置換フェニルエステル、4−置換ビフェニル4′−置換シクロヘキサン、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4′−置換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4′−置換シクロヘキシルエステル、4−置換4″−置換ターフェニル、4−置換4′−置換ビフェニル、4−置換フェニル−4′−置換シクロヘキサン等、さらに特開2001−51260号公報、特開平8−43846号公報、特開平7−4950号公報、特開2000−147476号公報、特開平8−160470号公報、特開平10−54996号公報、特開2002−221709号公報、特開2001−92383号公報、特開2003−131234号公報、特開2004−77754号公報、特開2004−2771号公報等に記載の液晶組成物や、ポリマーネットワーク液晶(PNLC)、ポリマー分散液晶(PDLC)と称される液晶組成物等を挙げることができる。
〔液晶組成物の分散〕
(転相法による分散)
本発明に係る液晶組成物を含む分散液は、転相法により液晶組成物をバインダー中に分散させることで得られることを一つの特徴とする。
転相法による分散は、油相である液晶組成物中に水相であるバインダー水溶液を添加、撹拌しながら油中水滴型分散物を形成し、更に過剰の水溶液を添加、撹拌して、転相させることにより、水中油滴型分散物を形成する分散方法である。
液晶組成物には、実質的にはその他の添加剤を加えないことが好ましいが、分散を容易に進行させ、所望の分散粒径を得るためには、液晶組成物に対し1.0質量%までの補助溶媒を含ませることができる。
分散に好ましい温度は概ね50〜90℃の範囲であり、液晶組成物の物性や分散性が変化しない範囲で適宜温度を設定する。
水相溶液には、分散助剤と水溶性バインダーの両者を含んでいてもよい。水相溶液は分散に好ましい温度50〜90℃に維持しておく。
分散には、撹拌機が備え付けられている容器(分散釜)を用いることが特に好ましく、撹拌機の回転周速としては1〜30m/secが好ましく、更に好ましくは3〜10m/secである。
図1は、本発明に係る液晶組成物の分散で適用される転相法による分散工程の一例を示すフロー図である。
図1において、分散装置100は、撹拌機101を具備している分散容器102によって構成される。分散容器102には、転相検出器(不図示)を設けることができる。
本発明に係る転相法を用いた分散においては、先ず、液晶組成物である油相溶液を調製した油相調製釜103より油相溶液添加配管104より分散容器102に添加する。油相溶液は、分散容器102の中で調製してもよい。次に、撹拌機101を回転させながら、添加制御弁105を開き、水相調製釜106より分散助剤や水溶性バインダー等を含む水相溶液を水相溶液添加配管107より添加し、油中水滴型分散物を形成する。さらに、水相溶液を添加し続けると分散容器102内で転相が起こり水中油滴型分散物108が形成される。添加制御弁105を閉じることにより水相溶液の添加を一時的に止めることができる。
また、転相が起こったところで、撹拌を続けながら、添加制御弁105を閉じ、水相溶液の添加を1分以上、好ましくは5分以上止め、次いで、添加制御弁105を開き水相溶液の添加を開始し、水中油滴型分散物108を形成することができる。このようにすることにより、所望の粒径の、安定性のよい水中油滴型分散物を得ることができる。
本発明においては、水中油滴型分散物には、安定化、粘度調整、濃度調整等のために、更に他の水相溶液を添加してもよい。この場合、添加する水相溶液は、分散助剤または水溶性バインダーを含んでいてもよく、また、これらを含まない、いわゆる水であってもよい。
バインダー水溶液に用いる分散助剤及び水溶性バインダーの種類、量、及び添加時期、添加速度を適切に選ぶことで、あるいは、分散機の操作条件(回転速度、攪拌翼の形状等)を適宜変更することで、分散粒径を制御することが一般的には行われている。
油相である液晶組成物と水相であるバインダー水溶液との粘度比を調整することで、さらに安定な分散物を得ることができる。液晶組成物の粘度を水相溶液の粘度の2倍以上とした時、特にその効果が高い。更に、バインダー水溶液を添加、撹拌しながら転相させたところで、バインダー水溶液の添加を中断させて撹拌分散した後、更に、バインダー水溶液を添加、撹拌しながら水中油滴型分散物を調製することも好ましい。
転相が起こったかどうかの検出は、分散物の粘度、または、電導度を測定することにより行うことができる。分散物の粘度が最大になったところ、または、電導度の変化が大きくなったところで転相が起こっている。本発明者の検討では、粘度で転相を検出した場合と電導度で転相を検出した場合とで、転相までの液晶組成物へのバインダー水溶液添加量は、ほぼ同一量であった。
粘度の測定には、振動式粘度計等を用いることができ、電導度の測定には、電極開放型電導度測定器等を用いることができる。粘度測定器及び電導度測定器は分散容器に設置してもよい。
液晶組成物の粘度は、用いる液晶組成物の種類、混合比及び温度で変化する。従って、液晶組成物の粘度にあわせて水相バインダー溶液の粘度を調整する。水相バインダー溶液の粘度は、水溶性バインダー及び分散助剤の添加量及び温度等で容易に調整できる。なお、ここでいう粘度とは、分散時の温度で測定される粘度であり、ブルックフィールド社製の粘度計(RVDV−I)で測定した値である。
添加する水相溶液の組成は、転相前後で同じであってもよく、また、異なっていてもよい。また、転相させるまでに、複数の組成の異なる水相溶液を順次添加してもよい。また、転相後においても同様に、複数の組成の異なる水相溶液を順次添加してもよい。
(膜乳化法による分散)
次に、膜乳化法による分散方法について説明する。
本発明においては、液晶組成物を含む油相溶液を、細孔を有するミクロ多孔膜を通して連続相となる水相バインダー液中に押し出して液滴を形成させることで、液晶分散物を得ることができる。また、予め、液晶組成物と水相バインダーとを予備分散しておき、この予備分散液を多孔膜に通すことにより、液晶組成分散物を得てもよい。
多孔質膜を用いた膜乳化法としては、例えば、特公平8−2416号公報に詳しい記載がある。また、このような多孔質膜としては、例えば、特公昭62−25616号公報に開示されているCaO−B23−SiO2−Al23系多孔質ガラス、特開昭61−40841号公報に開示されているCaO−B23−SiO2−Al23−Na2O系多孔質ガラスおよびCaO−B23−SiO2−Al23−Na2O−MgO系多孔質ガラスや、特開平6−219726号公報、特開平5−58617号公報、特開平10−165791号公報に開示されているゾル−ゲル法による多孔質膜が挙げられる。
液晶組成物を、予め平均粒径が、細孔の細孔径の1〜1000倍となるように予備分散する。これにより、ミクロ多孔膜に通すとき、微妙なせん断応力の変化に対して定常的にミクロ多孔膜を通過することができ、液晶組成物分散液のスムーズな細分化が起こり均一な粒径分布の分散化物が得られる。
予備分散された液晶組成物分散液が細孔径より小さい粒径であると、ミクロ多孔膜を通過させるのに多大な圧力が必要となり分散できなくなってしまい、液晶組成物がミクロ多孔膜の多孔の出口近辺に付着するという欠点が起きてしまう。また、予備分散された液晶組成分散物が細孔径の1000倍より大きいと、せん断応力に対する流動特性の変化率が大きく、従って、微妙なせん断応力の変化に対応させて定常的にミクロ多孔膜を通過することが困難となってしまう。
予備分散された液晶組成物分散液における液晶組成物と水相の質量比は水中油滴型の分散物になっていれば特に限定されないが、1:1〜0.05:1の範囲が好ましい。
予備分散の手段としては、公知の分散方法を用いることができる。例えば、ホモミキサー、圧力式ホモジナイザー等を用いることができる。
また、予備分散にあたり、水相に、先に述べた分散助剤、水溶性バインダーを添加しておくことが好ましい。
本発明に用いるミクロ多孔膜とは、多数の細孔を有する構造体を意味するが、均一な細孔を有する多孔膜が好ましい。孔は、どういう形状を有していてもかまわないが、細孔径が1〜10μmであることが好ましい。細孔径が1μm以下であれば液晶組成物粒子が小さくなりすぎ、コントラスト低下を起こす。細孔径が10μm以上であれば液晶組成物粒子が大きくなり、ピンホール故障などの欠陥を引き起こす。
具体的には、多孔質ガラス膜、親水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製多孔膜、セルロースアセテート製多孔膜、ニトロセルロース製多孔膜、ウレタン製多孔膜、ポリカーボネート製多孔膜、ポリエステル製多孔膜等が挙げられる。上記の各種多孔膜は、表面処理をすることで疎水性にすることも、また、親水性にすることもできる。ここで親水性、疎水性とは膜表面と油相溶液との接触角θによって区別され、接触角θが90度より大きいときが親水性で、90度以下のときが疎水性である。本発明では、親水性の表面を有する多孔膜を用いるのが好ましい。
これら多孔膜は平板状としても管状としても用いることができ、どのような形状であっても問題なく使用することができる。
予備分散された液晶組成物分散液をミクロ多孔膜を通して水相液に押し出すには、例えば、ポンプを用いたり、窒素、空気等を使用したり、静水圧、流速の差を利用する方法を用いることができる。その際の圧力差は、予備分散物、ミクロ多孔膜の細孔径、水相液の種類等により最適に選択される。
図2は、本発明に係る液晶組成物の分散で適用できる膜乳化法による分散工程の一例を示すフロー図である。
図2のa)は、本発明に係る膜乳化法に適用できるミクロ多孔膜を用いた分散方法を実施するために用いられる分散装置の一例を説明するためのフロー図であり、図2のb)は、本発明に係る膜乳化法に適用できるミクロ多孔膜を用いた分散方法を実施するために用いられる分散装置の他の一例を説明するためのフロー図である。
図2のa)は、ミクロ多孔膜を二重管に装着した分散装置、図2のb)はミクロ多孔膜を水相液が入っている容器内に直接浸漬している分散装置である。
図2のa)、b)において、110はミクロ多孔膜、111はミクロ多孔膜110を内側に有する二重管、112は流量計、113は水相液容器、114は予備分散容器、115は水相液用配管、116は予備分散液用配管、117はポンプを示す。
図2のa)において、二重管111はその内側にミクロ多孔膜110を有しており、連続相となる分散助剤や水溶性バインダー等を含む水相液は水相液容器113からポンプ117を備えた水相液用配管115を経て二重管111の内側に備えられたミクロ多孔膜110の内側に入り、更に水相液容器113へと循環している。また、水相液用配管115の途中には流量計112を有しており、水相液用配管115を通る水相液の流量が測定できるようになっている。
予備分散容器114には予備分散された液晶組成物を含む分散物が入っており、ポンプ117により配管予備分散液用配管116を経て二重管111内のミクロ多孔膜110の外側から内側ヘ圧入される。圧入された予備分散物はミクロ多孔膜110の細孔を通して水相液に押し出され、予備分散物の油滴径が更に細分化され、微細かつ分布の揃った水中油滴型分散物が得られる。
図2のb)では、水相液容器113内に連続相となる水相液が入れられており、水相液にはミクロ多孔膜110が直接浸漬している。
予備分散容器114には予備分散された液晶組成物を含む分散物が入っており、ポンプ117により予備分散液用配管116を経て二重管内のミクロ多孔膜110の内側ヘ圧入される。圧入された予備分散物はミクロ多孔膜110の細孔を通して水相液に押し出され、予備分散物の油滴径が更に細分化され、微細かつ分布の揃った水中油滴型分散物が得られる。
図2のa)、b)において、水相液容器113、予備分散容器114には撹拌機を設けることもできる。また、予備分散容器114内の予備分散物を配管116に送り出すには、ポンプ117に代え、窒素、空気等による加圧、重力等の圧力差を用いることもできる。また、二重管111、水相液容器113、予備分散容器114、予備分散液用配管116等には、圧力計、流量計等の計量装置を付けることができる。
(液晶組成物の粒径)
本発明に係る転相法、あるいは膜乳化法により調製された液晶分散液の特徴は、液晶の分散粒径の分布が揃っていることである。分布が揃っているとは、平均粒径と最大粒径、最小粒径の幅が狭いことである。
バインダー中に液晶組成物を分散した場合、粒径分布はほぼ正規分布をとるとみなすことができる。この粒径分布を正規分布とみなした時の標準偏差σが平均粒径の10%程度であれば、本発明の目的に十分合った分散物となる。
液晶分散物を分散したバインダー液は、基体上にワイヤーバー、コーター塗布、カーテン塗布などの通常知られる方法で塗布され、乾燥されて液晶組成物分散液の含有層が得られる。この時、乾燥前の膜厚(ウェット膜厚)と、乾燥後の膜厚(ドライ膜厚)では、ドライ膜厚の方が小さくなる。この乾燥工程で膜厚が下がるのに伴い、液晶分散物はその形状が球状から扁平なものに変化する。最終的に得られる液晶分散物の扁平率は、好ましくは4:1から6:1である。
液晶組成物分散物が扁平になることで、液晶組成物が液晶組成物分散液含有層中に均一に分布される。均一に発色している液晶組成物分散液の占める面積が全体の80%以上となることが好ましい。
この様な状況から、本発明に係る液晶分散物として用いられるのに好ましい液晶分散液滴の平均粒径は、液晶の発色に十分で、かつウェット膜厚以下であることが望まれる。
本発明に係る液晶分散物の粒径は、液晶組成物を分散したバインダー液を、例えば、光子相関法ゼータサイザー1000HS(malvern社製)、HELOS(JEOL社製)、Microtrac HRA(日機装社製)、SALD−1100(島津製作所社製)、コールターカウンター(コールター社製)等の粒径測定装置を用いて測定して求めることができる。
〔マイクロカプセル〕
本発明に係る分散された液晶組成物では、マイクロカプセル壁により被覆されていることが好ましく、またマイクロカプセル壁が、少なくともゼラチンを含む材料で構成されていることが好ましい。
マイクロカプセルの作製には、従来から用いられているin−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等により調製することが可能であり、その際、マイクロカプセルの壁材としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、アミノ樹脂、ポリアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等が挙げられる。
バインダーの1つとしてゼラチンを用いる場合、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、寒天、ポリビニルベンゼンスルホン酸、無水マレイン酸共重合体、その他界面活性剤との疎水性相互作用によるコアセルベートでき、コアセルベート後は、ホルムアルデヒドや、前記のゼラチン硬膜剤を用いてゼラチン硬化反応を行わせることにより、コアセルベートしたゼラチン複合膜を硬化でき、マイクロカプセル壁の強度を向上させることができる。
ゼラチンを用いたコアセルベーション法によるマイクロカプセルの作成は、液晶組成物への化学的な影響が少なく好ましい。
また界面重合法は、ポリアミン、多価フェノール等と多塩基酸ハライド、ポリイソシアネート等を水相と油相界面で重合してマイクロカプセル壁を形成することができる。
また、in−situ重合方法としては、尿素−メラミン等に用いられるアミド樹脂、フェノール樹脂の単独またはその共重合体をホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドで架橋してマイクロカプセルを形成させることができる。
マイクロカプセル壁には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、アクリル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ジエン樹脂、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、アラミド、ポリイミド、ポリ−p−フェニレン、ポリ−p−キシレン、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリヒダントイン、ポリパラバン酸、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサジアゾール、ポリキノキサリン等を共存させることにより、マイクロカプセル壁強度を向上させることができる。マイクロカプセル化した際の粒径も、前述の液晶組成物分散液の粒径測定に準じて求めることができる。
本発明に係るマイクロカプセルは、溶液系で調製した後、乾燥して分級することができる。分級の方法としては、スプレードライヤ、ロータリー乾燥機、バンド乾燥機等が挙げられる。
次いで、本発明の表示媒体の構成について説明する。
〔透明電極〕
本発明においては、対向電極の少なくとも一部に透明電極を用いることができる。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば、特に制限はなく、例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、酸化錫(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、マグネシウム、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等やこれらの混合物を用いることができる。混合物は、例えば、50nm厚程度のITO層と50nm程度の銀の層とが積層構造になっていてもよい。
また、ポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリアセチレン系、ポリパラフェニレン系、ポリセレノフェニレン系等高分子化合物、またはその混合物の導電性高分子を透明電極として用いることができる。
また、350℃〜800℃で焼成済みのITO微粉末を、溶媒や高分子材料を含む溶液に分散した液を基体に塗布して溶媒を揮発または高分子を硬化させることにより透明電極を作製することも可能である。この場合、塗布後の固化温度は、40℃以上、200℃以下が好ましい。ITOの微粉末は、例えば、塩化錫水溶液と塩化インジウム水溶液を混合し、アンモニア等を添加してpHが9に保ちながら共沈反応を起こさせ、得られた水酸化物の沈殿を分別、洗浄して、500℃で2時間焼成して作製することが可能である。塩化錫と塩化インジウムの混合比率を変更することにより任意の混合割合の微粉末を形成することができる。微粉末の形状は、粒状、針状、板状、フレーク状のいづれであってもよく、針状と粒状等を混合して用いてもよい。
また、キシロール中に有機インジウムと有機錫を97:3の質量比で約10%配合された塗布液を基体上に塗布し、100℃以上、150℃以下で、溶媒の揮発及び焼成を行って固化する方法も好ましく用いることができる。
上記の塗布液には、電極の機械強度向上を目的として、ブロックドイソシアネートを含むポリウレタン樹脂を形成しうる化合物種やエポキシ樹脂を形成しうる化合物種等の高分子化合物を混合させてもよい。
透明電極の表面抵抗値としては、500Ω/□以下が好ましく、特に300Ω/□以下が好ましい。また、膜厚は、0.2μm以上、50μm以下が好ましい。
〔電極の製法〕
透明電極、金属電極を形成するには、公知の方法を用いることができる。例えば、基板上にスパッタリング法等でマスク蒸着するか、全面形成した後に、フォトリソグラフィー法でパターニングしてもよい。また、電解メッキや無電解メッキ、印刷法や、インクジェット法によっても電極形成が可能である。
インクジェット方式を用いて基板上にモノマー重合能を有する触媒層を含む電極パターンを形成した後に、該触媒により重合されて重合後に導電性高分子層になりうるモノマー成分を付与して、モノマー成分を重合し、さらに、該導電性高分子層の上に銀等の金属メッキを行うことにより金属電極パターンを形成することもでき、フォトレジストやマスクパターンを使用することがないので、工程を大幅に簡略化できる。
電極材料を塗布にて形成する場合は、ディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の公知の方法を用いることができる。
〔静電インクジェット法〕
本発明の表示媒体においては、少なくとも1種の電極が、帯電した液体を吐出する内部直径が30μm以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いて形成されることが好ましい。
さらに前記ノズル内の溶液が当該ノズル先端部から凸状に盛り上がった状態を形成する凸状メニスカス形成手段を設けた吐出装置を用いて形成されることが好ましい。
また、前記凸状メニスカス形成手段を駆動する駆動電圧の印加及び吐出電圧印加手段による吐出電圧の印加を制御する動作制御手段を備え、この動作制御手段は、前記吐出電圧印加手段による吐出電圧の印加を行わせつつ液滴の吐出に際して前記凸状メニスカス形成手段の駆動電圧の印加を行わせる第一の吐出制御部を有する液体吐出装置を用いることも好ましい。
また、前記凸状メニスカス形成手段の駆動及び吐出電圧印加手段による電圧印加を制御する動作制御手段を備え、この動作制御手段は、前記凸状メニスカス形成手段による溶液の盛り上げ動作と前記吐出電圧の印加とを同期させて行う第二の吐出制御部を有することを特徴とする液体吐出装置を用いること、前記動作制御手段は、前記溶液の盛り上げ動作及び咋出電圧の印加の後に前記ノズル先端部の液面を内側に引き込ませる動作制御を行う液面安定化制御部を有する液体吐出装置を用いることも好ましい形態である。
この様な静電インクジェットを用いて電極パターンを作製することにより、オンデマンド製に優れ、廃棄材料が少なく、寸法精度に優れた電極を得ることができ有利である。
〔遮光層〕
本発明の表示媒体には遮光層を設けることができる。遮光は、例えば、金属反射板、散乱板、着色塗料を基体中に塗布する、顔料や染料等の着色物を含むバインダー構成層を設ける等のいかなる方法でもよい。本発明においては、この遮光層を一対の対向する電極間に設けることが好ましく、この場合、液晶層に近い隣接層に、例えば、カーボンブラック等を分散させた層を設けることにより、より光吸収効率を上げた良好な黒表示が行える。また、透明電極付き樹脂基板を対向電極に用いる場合は、基板の液晶層とは反対側の表面に着色体を設けることができる。遮光する光の色は、黒表示の場合は黒色、また、液晶の反射色を補填するフィルター色であってもよい。
〔表示媒体駆動法〕
本発明の表示媒体においては、上記説明した対向電極の駆動操作が単純マトリックス駆動であることが好ましい。
本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で互いのラインが垂直方向に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことを言う。単純マトリックス駆動を用いることにより、回路構成や駆動ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある。なお、本発明の表示媒体を駆動するには、例えば、特開2003−5222号、同2003−228045号、同2003−228045号、同2002−14323号、同2003−29301号、同2002−287135号の各公報に記載の駆動回路、駆動波形を適用することができる。
本発明の表示媒体は、アクティブマトリックス駆動を用いてもよい。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、諧調やメモリー機能などのメリットがある。
次いで、本発明の表示媒体の具体的な構成例を、図を用いて説明するが、本発明ではこれら例示した構成に限定されるものではない。
本発明の表示媒体においては、1対の電極間に、バインダー及びバインダー中に分散された液晶組成物を配置した構成をとることが好ましい。
図3は、分散された液晶化合物を含む構成層を複数有するカラーの表示媒体の構成の一例を示す断面図である。
図3のa)は、基体A上に、一対の電極として、第1の電極1と第2の電極6を有しており、このうち下部の観察方向に位置する第2の電極6は透明電極であることが好ましい。
対向した位置にある第1の電極1と第2の電極6間には、3層の構成層5を有し、それぞれの構成層には、それぞれ独立して、バインダー中に分散された赤色光反射液晶組成物2、緑色光反射液晶組成物3、青色光反射液晶組成物4を含有している。これらの各色光反射液晶組成物は、ネマティック液晶に添加するカイラルドーパントの量や第1の電極1と第2の電極6間に印可する閾値電圧量を適宜調整することによりカラー表示を行うことができる。また、更に各色光反射液晶組成物の不正吸収を取り除き、最適な色再現を実現するため、図3のb)に示すように、各構成層間に色補正のためのフィルター層7を設けることも好ましい。また、緑色、青色、赤色の構成層5の配置は、各液晶組成物の分光特性により適宜選択することができる。
本発明の表示媒体においては、同一構成層内に複数種の液晶組成物を含むことが好ましい態様の1つである。
図4は、単一の構成層に3色の光反射液晶組成物を含む表示媒体の構成の一例を示す断面図である。
図4のa)において、一つの電極である第1の電極1と第2の電極6間に、1層の構成層5を有し、この構成層5中に、バインダー中に分散された赤色光反射液晶組成物2、緑色光反射液晶組成物3、青色光反射液晶組成物4を含む構成である。
また、図4のb)は、各色光反射液晶組成物を含む構成層5と第1の電極1間に、黒色の遮光層8を設けた形態であり、この構成をとることで、より光吸収効率を上げた良好な黒表示が行える。また、図4のc)では、両面に基体Aを配置し、観察面から離れた位置にある第2の電極6と基体A間に黒色の遮光層8を設けた形態である。
図5は、2対以上の電極から構成され、液晶化合物を含む構成層を複数有するカラーの表示媒体の構成の一例を示す断面図である。
図5のa)では、図5のa)の構成に対し、緑色光反射液晶組成物3を含む構成層と青色光反射液晶組成物2を含む構成層間に新たな電極を設けた形態の一例であり、図5のb)は、それぞれの構成層を一対の電極で挟んだ構成の表示媒体の一例である。この時電極6、9、10はいずれも透明電極である。
上記説明した図3〜図5で示した表示媒体の構成は、白黒表示も可能であるが、主としてカラー表示用として適用することが好ましい。
図6は、白黒表示用の表示媒体の構成の一例を示す構成図である。
図6のa)において、一つの電極である第1の電極1と第2の電極6間に、2層の構成層5を有し、1層中には青色光反射液晶組成物4を含み、他の構成層5中には青色光反射液晶組成物4とは補色の関係にある黄色光反射液晶組成物11を含み、白及び黒を表示させる方法である。また、第1の電極1と構成層5間に、黒色の遮光層8を設けた形態であり、この構成をとることで、より光吸収効率を上げた良好な黒表示が行える。図6のa)では、青色光反射液晶組成物4と黄色光反射液晶組成物11による黒表示の一例を示したが、例えば、緑色光反射液晶組成物とマゼンタ色光反射液晶組成物の組み合わせ、あるいは赤色光反射液晶組成物とシアン色光反射液晶組成物の組み合わせであっても良い。
図6のb)は、青色光反射液晶組成物4と黄色光反射液晶組成物11とを、単一層中に同時に存在させた形態である。
本発明の表示媒体においては、カイラルネマチック液晶組成物が、右旋性または左旋性の選択反射を与える液晶組成物を含むことが好ましい。
図7は、右旋性または左旋性の選択反射を与える液晶組成物を含む白黒表示媒体の構成の一例を示す断面図である。
図7のa)は、それぞれ独立した構成層中に、左旋性の液晶組成物12、あるいは右旋性の液晶組成物13を含む一例であり、図7のb)は、単一構成層中に左旋性の液晶組成物12及び右旋性の液晶組成物13を含む一例であり、いずれも白黒表示用として適用することができる形態の1つである。
図8は、右旋性または左旋性の選択反射を与える液晶組成物を含むカラー表示媒体の構成の一例を示す断面図である。
図8のa)では、基体A上に、一対の電極として、第1の電極1と第2の電極6を有し、対向した位置にある第1の電極1と第2の電極6間に、3層の構成層5を有し、それぞれの構成層には、それぞれ独立して、バインダー中に分散された左旋性の赤色光反射性液晶組成物14と右旋性の赤色光反射性液晶組成物15とを含む赤色反射層16、バインダー中に分散された左旋性の緑色光反射性液晶組成物17と右旋性の緑色光反射性液晶組成物18から構成される緑色反射層19、及びバインダー中に分散された左旋性の青色光反射性液晶組成物20と右旋性の青色光反射性液晶組成物21から構成される青色反射層22から構成される。図8のb)は、バインダー中に分散されたそれぞれの左旋性の各色液晶組成物と右旋性の各色液晶組成物とが独立した構成層中に含有されている一例を示す。
〔本発明の表示媒体の適用分野〕
本発明の表示媒体は、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェーカード、運転免許証、病院の診察カード、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子書籍端末、ドキュメントビュアー、案内板や掲示板等のサイン用途等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《液晶組成物の調製》
〔液晶組成物1の調製〕
60.0質量%の正の誘電率異方性を示すネマチック液晶BL012(メルク社製)と、20.0質量%の右旋性のカイラル剤CB15(メルク社製)と、20.0質量%の右旋性のカイラル剤CE2(メルク社製)とを十分に混合して、右旋性の緑色反射性の液晶組成物1を作製した。
〔液晶組成物2の調製〕
正の誘電率異方性を示すネマチック液晶BL012(メルク社製)77.0質量%と右旋光性のカイラル剤CNL−611R(旭電化工業製)23.0質量%を十分に混合し、右旋性の緑色反射性の液晶組成物2を調製した。
〔液晶組成物3の調製〕
正の誘電率異方性を示すネマチック液晶BL012(メルク社製)77.0質量%と、左旋光性のカイラル剤CNL−617L(旭電化工業製)23.0質量%とを十分に混合し、左旋性の緑色反射性の液晶組成物3を調製した。
〔液晶組成物4の調製〕
正の誘電率異方性を示すネマチック液晶E44(メルク社製)とBL011(メルク社製)をそれぞれ44.25質量%、19.25質量%と、右旋光性のカイラル剤CB15(メルク社製)36.5質量%とを十分に混合して、右旋製の黄色反射性の液晶組成物4を得た。
〔液晶組成物5の調製〕
正の誘電率異方性を有するネマチック液晶E44(メルク社製)とBL011(メルク社製)をそれぞれ35.35質量%、15.15質量%と、右旋光性のカイラル剤CB15(メルク社製)49.5質量%とを十分に混合して、右旋製の青色反射性の液晶組成物5を得た。
〔液晶組成物6の調製〕
正の誘電率異方性を示すネマチック液晶BL012(メルク社製)69.0質量%、右旋光性のカイラル剤CB15(メルク社製)と右旋光性のカイラル剤CE2(メルク社製)15.5質量%、15.5質量%とを混合し、右旋性の赤色反射性の液晶組成物6を得た。
《液晶組成物分散液の調製》
上記調製した液晶組成物に対し、以下に記載の方法に従って、液晶組成物分散液を得た。用いた液晶組成物と得られた液晶組成物分散液の平均粒径を表1に示す。
〔転相法による液晶組成物分散液の調製:液晶組成物分散液1a〜1d〕
図1に記載の分散フローから構成される分散装置を用い、45℃に保持した前記調製した液晶組成物1に、45℃での粘度が液晶組成物1の粘度の約1/3となるように濃度を調整したゼラチン水溶液を添加し、撹拌、転相させて、撹拌機の周速と攪拌時間とを適宜調整して、表1に記載の平均粒径である各液晶組成物分散液を調製した。最終的には、ゼラチン:液晶化合物1の比が1:1.4となるようにゼラチン水溶液を添加した。
〔膜乳化による液晶組成物分散液の調製:液晶組成物分散液2a〜2d〕
45℃に保温した5%ゼラチン水溶液に、分散助剤(SU−1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を1.2%加え、45℃に保温した液晶組成物を添加、撹拌しながら予備分散を行った。
次いで、図2に示す分散フローから構成される分散装置の予備分散容器114に、5%ゼラチン水溶液に分散助剤(SU−1)を1.2%加えた水相溶液を水相液容器113に投入して45℃に保った。
ポンプ117を駆動し、水相液容器113より水相液をミクロ多孔膜110の内部に供給した。その後、ポンプ117を駆動し、予備分散容器114内の予備分散物を、二重管111のミクロ多孔膜110の外側から圧力差をかけて圧入し、各液晶化合物分散液を得た。なお、ミクロ多孔膜の細孔径と圧力差を適宜調整して、表1に記載の平均粒径である各液晶組成物分散液を調製した。
〔転相法+マイクロカプセル化による液晶組成物分散液の調製:液晶組成物分散液3a〜11〕
写真用ゼラチンをイオン交換水に対して4質量%、アラビヤガムを水に対して1質量%添加し、室温で攪拌した後に30分放置してゼラチンとアラビヤガムを十分に膨潤させた後、42℃に温度を上げて溶解させた。この溶液に、界面活性剤としてアルカノールXC(トリイソプロピルナフタレンスルホン酸)10質量%を含むイソプロピルアルコールを水に対して12%添加した。
次いで、図1に示す分散フローから構成される分散装置を用い、42℃に保った各液晶組成物(表1に記載)に、上記ゼラチン溶液を添加し、攪拌、転相させ、液晶組成物分散液を得た。
得られた液晶組成物分散液のpHを4.05に調整して30分攪拌を続け、その後、液晶組成物分散液の温度を8℃に低下させて、さらに30分攪拌を続けた。この液晶組成物分散液に、硬膜剤VS−1をゼラチン1gに対して15mg添加して5分間攪拌し、その後、溶液のpHを9.0に上昇させ、さらに20分攪拌を続けた。次に、この液晶組成物分散液の温度を30℃に上げて20分攪拌を続け、最終的に液晶組成物を含むマイクロカプセル分散液を得た。
VS−1:H2C=CHSO2CH2CH(OH)CH2SO2CH=CH2
〔膜乳化法+マイクロカプセル化による液晶組成物分散液の調製:液晶組成物分散液12〜14〕
写真用ゼラチンをイオン交換水に対して4質量%、アラビヤガムを水に対して1質量%添加し、室温で攪拌した後に30分放置してゼラチンとアラビヤガムを十分に膨潤させた後、42℃に温度を上げて溶解させた。この溶液に、界面活性剤としてアルカノールXC(トリイソプロピルナフタレンスルホン酸)10質量%を含むイソフプロピルアルコールを水に対して12%添加して、ゼラチン溶液を調製した。
図2に示す分散装置の予備分散容器114に、液晶組成物(表1に記載)を水相液容器113に、上記ゼラチン溶液を投入し45℃に保った。次いで、ポンプ117を駆動し、水相液容器113よりゼラチン溶液をミクロ多孔膜110の内部に供給した。その後、ポンプ117を駆動し、予備分散容器114内の液晶組成物を、二重管111のミクロ多孔膜110の外側から圧力差をかけて圧入し、各液晶組成物分散液を得た。
得られた液晶組成物分散液のpHを、4.05に調整して30分攪拌を続け、その後、液晶組成物分散液の温度を8℃に低下させ、さらに30分攪拌を続けた。この液晶組成物分散液に硬膜剤VS−1(前出)をゼラチン1gに対して15mg添加して5分間攪拌し、その後、溶液のpHを9.0に上昇させ、さらに20分攪拌を続けた。次に、この液晶組成物分散液の温度を30℃に上げて20分攪拌を続け、最終的に液晶組成物を含む各マイクロカプセル分散液を得た。
〔通常分散法による液晶組成物分散液の調製:液晶組成物分散液15a〜23〕
各液晶組成物(表1に記載)を42℃に保温し、42℃に保温した5%ゼラチン水溶液に、ゼラチン:各液晶化合物の比が1:1.4となるように添加し、ウルトラタラックスT8(IKA社製)を用いて、攪拌時の周速及び攪拌時間を適宜調整して、表1に記載の平均粒径となるようにして、表1に記載の各液晶組成物分散液を調製した。
なお、表1に記載の*1〜*7の詳細は、以下の通りである。
*1:液晶組成物分散液4と液晶組成物分散液5との当量混合液
*2:液晶組成物分散液7aと液晶組成物分散液8aとの等量混合分散液
*3:液晶組成物分散液7bと液晶組成物分散液8bとの等量混合分散液
*4:液晶組成物分散液3dと液晶組成物分散液9bと液晶組成物分散液10との等量混合分散液
*5:液晶組成物分散液16と液晶組成物分散液17aとの等量混合分散液
*6:液晶組成物分散液18と液晶組成物分散液19aとの等量混合分散液
*7:液晶組成物分散液15bと液晶組成物分散液19bと液晶組成物分散液20との等量混合分散液
《液晶組成物分散液の特性評価》
〔平均粒径及び標準偏差の測定〕
上記調製した各液晶組成物分散液について、Microtrac HRA(日機装社製)を用いて平均粒径及び粒径分布を測定して標準偏差を求め、得られた結果を表1に示す。
Figure 2006058614
表1に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する方法に従って分散を行って調製した液晶組成物分散液は、液晶組成物の粒径分布が狭く、分散均一性に優れていることが分かる。
実施例2
《表示媒体の作製》
(透明電極1の作製)
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート上に、公知のスパッタンリン法でITO(インジウム錫酸化物)膜を全面に形成した後、フォトリソグラフ法を用いて電極間隔50μm、電極幅2mmピッチの電極パターンを有する透明電極1を作製した。
(表示媒体の作製1)
透明電極1上に、42℃に加温した表2に記載の各液晶組成物分散液を塗布し、塗布直後に試料を10℃の環境下に放置して液晶層塗布液をゼリー状に固化した後、ゼリー状形状を保ったまま水を乾燥させた。乾燥後の各液晶組成物分散液含有層の膜厚を、マイクロメーターを用いて測定した。
次いで、各液晶組成物分散液含有層上に5質量%のゼラチン水溶液を塗布して、水分をを乾燥させた。更にゼラチン層上に、カーボンブラックを20質量%含むゼラチン水溶液(ゼラチン濃度は5質量%)を塗布し、水分を乾燥させてカーボンブラック層を形成した。次いで、カーボンブラック層上に、銀ペーストインク(東洋紡社製 DW−250H−5)を用いて、電極間隔50μm、電極幅2mmピッチで、透明電極1の電極パターンと直交する電極パターンをスクリーン印刷法にて形成して、表示媒体7、14を除く各表示媒体を得た。
(表示媒体の作製2:表示媒体7、14の作製)
表示媒体7および14については、次の手順で液晶組成物分散液含有層を複数層有する表示媒体を得た。
透明電極1上に、40℃に加温した第一の液晶組成物分散液(表示媒体7:液晶組成物分散液12、表示媒体14:液晶組成物分散液15b)を塗布し、塗布直後に試料を10℃の環境下に放置して液晶組成物分散液含有層をゼリー状に固化し、ゼリー状を保持したまま水を乾燥させた。次いで各液晶組成物分散液含有層のドライ膜厚をマイクロメーターで測定した。
次に、乾燥後の液晶組成物分散液含有層上に、平均粒径20nmの銀コロイド粒子を含む溶液を、吐出先端ノズル径15μmの静電インクジェット装置を用いて、電極パターンを形成した。
次いで、電極パターンの上に第二の液晶組成物分散液(表示媒体7:液晶組成物分散液13、表示媒体14:液晶組成物分散液19b)を第一の層と同様の方法で塗布、乾燥し、そのドライ膜厚をマイクロメーターで測定した。次いで、第二の層上に、上記と同様にして、静電インクジェット装置により電極パターンを形成した。
更に、この電極パターン層上に第三の液晶組成物分散液(表示媒体7:液晶組成物分散液14、表示媒体14:液晶組成物分散液20)を第一の層と同様の方法で塗布、乾燥し、そのドライ膜厚を測定した。次いで、第三の層上に、上記と同様にして、静電インクジェット装置により電極パターンを形成して、表示媒体7、14を作製した。
なお、表2に記載の*A、*Bは、以下の構成を表示する。
*A:第一の層:液晶組成物分散液12/第二の層:液晶組成物分散液13/第三の層:液晶組成物分散液14
*B:第一の層:液晶組成物分散液15b/第二の層:液晶組成物分散液19b/第三の層:液晶組成物分散液20
《表示媒体の評価》
上記作製した各表示媒体について、下記の各評価を行った。
〔塗布故障耐性1の評価〕
上記作製した各表示媒体の100×100μmの領域について、光学顕微鏡を用いてピンホール欠陥発生数を計測し、下記の基準に従って塗布故障耐性1の評価を行った。
◎:ピンホールの発生数が1個以下である
○:ピンホールの発生数が、2個または3個である
△:ピンホールの発生数が、4個または5個である
×:ピンホールの発生数が、6個以上である
〔塗布故障耐性2の評価〕
上記作製した各表示媒体作製において、各液晶組成物分散液含有層上にゼラチン層及びカーボンブラック層を形成した時に、ゼラチン層、カーボンブラック層上を光学顕微鏡で観察して、粗大な液晶組成物に起因する引っ掻き状故障の有無を確認した。
〔コントラストの評価〕
得られた各表示媒体に対し、50Hz、250msec期間の交流電圧を、液晶組成物含有層の膜厚1μm当たり8Vを見当に印加し、プレナー相とフォーカルコニック相の相転移を確認した。得られた最適電圧を印加することにより、プレナー相の反射率YPとフォーカルコニック相の反射率YFとを測定し、プレナー相とフォーカルコニック相のY値の比率(YP/YF)を求め、これをコントラストの尺度とした。数値が大きいほど、コントラスト比が高く好ましいことを表す。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2006058614
表2に記載の結果より明らかなように、本発明の液晶組成物分散液を用いて作製した表示媒体は、比較例に対し、粗大分散物に起因するピンホール故障あるいは引っ掻き状故障の発生がなく、かつ高いコントラスト比が得られることが分かる。
本発明に係る液晶組成物の分散で適用される転相法による分散工程の一例を示すフロー図である。 本発明に係る液晶組成物の分散で適用できる膜乳化法による分散工程の一例を示すフロー図である。 分散された液晶化合物を含む構成層を複数有するカラーの表示媒体の構成の一例を示す断面図である。 単一の構成層に3色の光反射液晶組成物を含む表示媒体の構成の一例を示す断面図である。 2対以上の電極から構成され、液晶化合物を含む構成層を複数有するカラーの表示媒体の構成の一例を示す断面図である。 白黒表示用の表示媒体の構成の一例を示す構成図である。 右旋性または左旋性の選択反射を与える液晶組成物を含む白黒表示媒体の構成の一例を示す断面図である。 右旋性または左旋性の選択反射を与える液晶組成物を含むカラー表示媒体の構成の一例を示す断面図である。
符号の説明
100 分散装置
101 撹拌機
102 分散容器
103 油相調製釜
104 油相溶液添加配管
105 添加制御弁
106 水相調製釜
107 水相溶液添加配管
108 水中油滴型分散物
110 ミクロ多孔膜
111 二重管
112 流量計
113 水相液容器
114 予備分散容器
115 水相液用配管
116 予備分散液用配管
117 ポンプ
A 基体
1 第1の電極
2 赤色光反射液晶組成物
3 緑色光反射液晶組成物
4 青色光反射液晶組成物
5 構成層
6 第2の電極(透明電極)
7 フィルター層
8 黒色の遮光層
9、10 透明電極
11 黄色光反射液晶組成物
12 左旋性の液晶組成物
13 右旋性の液晶組成物
14 左旋性の赤色光反射性液晶組成物
15 右旋性の赤色光反射性液晶組成物
16 赤色反射層
17 左旋性の緑色光反射性液晶組成物
18 右旋性の緑色光反射性液晶組成物
19 緑色反射層
20 左旋性の青色光反射性液晶組成物
21 右旋性の青色光反射性液晶組成物
22 青色反射層

Claims (15)

  1. 少なくとも一つの基体上に、バインダー、該バインダー中に分散された液晶組成物を含む構成層を有する表示媒体であって、該液晶組成物が転相法により該バインダー中に分散されていることを特徴とする表示媒体。
  2. 少なくとも一つの基体上に、バインダー、該バインダー中に分散された液晶組成物を含む構成層を有する表示媒体であって、該液晶組成物が膜乳化法により該バインダー中に分散されていることを特徴とする表示媒体。
  3. 前記液晶組成物が、コレステリック相を有するカイラルネマチック液晶組成物であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示媒体。
  4. 前記カイラルネマチック液晶組成物が、青色光、緑色光、赤色光及び黄色光から選ばれる少なくとも1種の光を選択反射する複数の液晶組成物を含むことを特徴とする請求項3に記載の表示媒体。
  5. 前記カイラルネマチック液晶組成物が、右旋性または左旋性の選択反射を与える液晶組成物を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の表示媒体。
  6. 同一構成層内に複数種の液晶組成物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示媒体。
  7. 前記分散された液晶組成物を含有する構成層を複数層有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示媒体。
  8. 前記バインダーが、ゼラチンまたはポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示媒体。
  9. 前記分散された液晶組成物が、マイクロカプセル壁により被覆されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示媒体。
  10. 前記マイクロカプセル壁が、少なくともゼラチンを含む材料で構成されていることを特徴とする請求項9に記載の表示媒体。
  11. 1対の電極間に、前記バインダー及びバインダー中に分散された液晶組成物を配置したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示媒体。
  12. 遮光層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示媒体。
  13. 前記遮光層が、1対の電極間に設けられたことを特徴とする請求項12に記載の表示媒体。
  14. 前記1対の電極の少なくとも1つが、インクジェット法により形成されたことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の表示媒体。
  15. 前記インクジェット法が、ノズル径30μm以下の静電誘導方式であることを特徴とする請求項14に記載の表示媒体。
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