JPH1090728A - 反射型液晶表示素子 - Google Patents

反射型液晶表示素子

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JPH1090728A
JPH1090728A JP8241951A JP24195196A JPH1090728A JP H1090728 A JPH1090728 A JP H1090728A JP 8241951 A JP8241951 A JP 8241951A JP 24195196 A JP24195196 A JP 24195196A JP H1090728 A JPH1090728 A JP H1090728A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品位で表示可能な液晶表示素子を提供す
る。 【解決手段】 液晶表示素子100は、透明板55の上
に、透明電極14と、特定色の表示を行うための液晶−
高分子複合膜20を積層し、さらにその上に、透明電極
13と透明板50とを積層してなり、さらに、液晶表示
素子100に電圧を印加するための電源80を備えてい
る。複合膜20は、高分子体21中にコレステリック液
晶22が分散されてなるものである。コレステリック液
晶22中には、コレステリック液晶の選択反射波長とは
異なる波長域の光を吸収する色素が添加されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射した光を液晶
により反射することにより表示を行う反射型液晶表示素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、様々な方式の液晶表示デバイ
スが提案されている。例えば、画素毎に薄膜トランジス
タを配置してなるTFT液晶が実用化されている。しか
しながら、TFT液晶は、高精細表示が可能である反
面、精密で複雑な製造工程が必要であり、しかも歩留り
が悪くコスト高になるという欠点がある。
【0003】そこで、作製が比較的容易な、液晶を高分
子材料中に分散してなる液晶−高分子複合膜を用いた高
分子分散型液晶表示デバイスが注目されている。例え
ば、USP3,578,844には、液晶材料としてコ
レステリック液晶を用い、この液晶を高分子体中に分散
してなる液晶−高分子複合膜を有する液晶表示デバイス
が開示されている。なお、本明細書においては、反射型
液晶表示素子の表示を行う面に対向する側を観察側とい
う。
【0004】上記高分子分散型液晶表示デバイスに含ま
れるコレステリック液晶の2つの状態は、電圧を印加し
ない状態において安定なメモリー性を有したものであ
る。このため、TFT液晶などのアクティブ素子を用い
た複雑な回路を使用せずとも、単純なマトリクス駆動だ
けで高精細表示が可能となる。
【0005】このような高分子分散型液晶表示デバイス
として、例えば、USP5,200,845や特表平6
−507505には、コレステリック相の選択反射によ
る着色透明状態と散乱状態とでカラー表示を行う液晶表
示デバイスが開示されている。これは、カイラルネマテ
ィック液晶が、低電圧パルス印加によりヘリカル軸がラ
ンダムなフォーカル・コニック状態になり光を透過する
状態と、高電圧パルス印加によりヘリカル軸が揃ったプ
レーナ配列による選択反射状態となるのを利用して、反
射型表示を行うものである。また、LIQUID CR
YSTALS,1992,Vol.12,No.1,4
9−58には、選択反射波長がそれぞれ赤色光、緑色
光、青色光に相当する液晶表示デバイスを積層し、各表
示デバイスごとに単純マトリクス駆動することによって
赤、緑、青の混色の反射表示光が得られるようにしたも
のが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でに提案されている反射型液晶表示デバイスでは、十分
に高品位の表示を行うことができなかった。特に、本発
明者らの検討によると、液晶の選択反射波長が長くなる
ほど、透明状態での透明度、および、選択反射状態での
表示色の鮮明度が悪化して、表示の品位が損なわれると
いう問題のあることが判明した。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、高品位の表示を行うことができる反射型
液晶表示素子を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1発明の反射型液晶表示素子は、可視領域に
ある特定波長のスペクトル光を選択的に反射可能なコレ
ステリック液晶と、該コレステリック液晶の選択反射波
長とは異なる波長域のスペクトル光を吸収する色素とを
含んでなることを特徴とする。
【0009】また、本願第2発明の反射型液晶表示素子
は、支持基体上に、可視領域にある特定波長のスペクト
ル光を選択的に反射可能なコレステリック液晶を含む複
数の表示層と、複数の透明基体とを順次交互に積層して
なり、所定の表示層に含まれるコレステリック液晶の選
択反射波長とは異なる波長域のスペクトル光を吸収する
色素を、該所定の表示層あるいは該所定の表示層よりも
観察側にある少なくとも一つの層に含むことを特徴とす
る。
【0010】さらに、本願第3発明の反射型液晶表示素
子は、コレステリック液晶により可視領域にある特定波
長のスペクトル光を選択的に反射して表示を行う液晶表
示素子において、前記コレステリック液晶の選択反射波
長とは異なる波長域のスペクトル光を吸収する材料より
なるフィルタ層を設け、該フィルタ層を介して前記コレ
ステリック液晶に外部光が入射するようにしたことを特
徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図を用いて説明する。なお、以下の説明においては、簡
単のため同様の働きをする部材には同じ符号を付し、詳
しい説明を省略する。
【0012】<第1実施形態>図1は本発明の一実施形
態を示す液晶表示素子100の断面図である。図1に示
すように、液晶表示素子100は、透明板55、透明電
極14、高分子体21中に液晶22が分散されてなる液
晶−高分子複合膜20、透明電極13、および、透明板
50を順に積層してなる。
【0013】透明電極13、14は電源80に接続され
ており、電源80により透明電極13、14間に電圧が
印加される。この印加電圧に応答して、後述するよう
に、液晶−高分子複合膜20は、可視光を透過する透明
状態から特定の波長の可視光を選択的に反射する選択反
射状態へ、あるいは逆に、選択反射状態から透明状態へ
と切り替わる。したがって、複合膜20を選択反射状態
とし、図1の上方から液晶表示素子100に向けて自然
光等の白色光を照射すると、複合膜20が特定波長の可
視光を反射し、これが特定色の表示として観察される。
【0014】一方、液晶表示素子100においては、高
分子体21、液晶22、観察側の透明電極13、およ
び、観察側の透明板50の少なくとも一つに、液晶22
の選択反射波長域とは異なる波長域のスペクトル光を吸
収する色素が添加されている。上記色素の添加により、
液晶22の選択反射によって行われる色表示の色の濁り
や液晶22が透明状態の場合の透明度の低下につながる
光成分が色素によって吸収され、表示の品位が向上す
る。なお、液晶表示素子100の上記各構成要素の中の
複数のものが色素を含有していてもよく、例えば、高分
子体21および液晶22の両方の要素が色素を含有して
いてもよい。
【0015】液晶表示素子100に添加する色素として
は、液晶22の選択反射波長域とは異なる波長域のスペ
クトル光を吸収する分光特性を有する従来公知の各種の
色素を用いることが可能であるが、特に、液晶22の選
択反射波長とは異なる波長域に光吸収極大を有するもの
が好ましい。また、後述するように、表示品位を低下さ
せる光成分は、主として短波長側に存在するものと考え
られることから、液晶22の選択反射波長よりも短波長
側の波長域の光を吸収する色素を使用することがより好
ましい。例えば、液晶22が赤色の選択反射を行うもの
である場合は赤色の色素を使用することが好ましく、液
晶22が緑色の選択反射を行うものである場合は黄色の
色素や緑色の色素を使用することが好ましい。なお、液
晶の選択反射波長域において若干の光吸収を行う色素で
あっても、液晶22の選択反射波長域とは異なる波長域
のスペクトル光を十分に吸収し得るものであれば同様に
使用可能である。
【0016】液晶表示素子100に添加する色素の具体
例としては、例えば、樹脂染色用色素、液晶表示用二色
性色素等の各種の染料が挙げられる。樹脂染色用色素の
具体例としては、SPR RED1(三井東圧染料社
製)が挙げられる。また、液晶表示用二色性色素の具体
例としては、SI−426、M−483(いずれも三井
東圧染料社製)が挙げられる。これらの色素の中から、
液晶22の選択反射波長とは異なる波長域のスペクトル
光を吸収するもの適宜を選んで使用すればよい。
【0017】色素の添加量は、液晶の表示のための切り
換え動作特性を著しく低下させず、また、後述するよう
に重合により高分子体を形成する場合、その重合反応を
阻害しない範囲であれば特に制限はないが、使用する液
晶の重量に対して少なくとも0.1重量%以上添加する
ことが好ましい。また、多くとも5重量%程度とするこ
とが望ましく、0.5重量%程度あれば充分である。
【0018】色素を使用する代わりに、例えば、色素を
添加せずとも本来的に着色状態にある樹脂等を、高分子
体21、透明電極13、および透明板50として用いて
もよい。ただし、色素を添加する形態の方が、効果の度
合いを色素の添加量で調整できるという利点がある。
【0019】本発明者らの検討によると、詳しい理由に
ついては不明であるが、液晶の選択反射波長よりも長い
波長の光は液晶−高分子複合膜を透過しやすく、逆に液
晶の選択反射波長よりも短い波長の光は、短波長になる
ほど液晶−高分子複合膜内部で散乱しやすいことが判明
している。このため、特に、赤色等の長波長側の可視光
を選択反射する液晶−高分子複合膜を用いた場合に、表
示色の鮮明度および透明状態での透明度を有効に向上さ
せることができる。なお、緑色表示、青色表示を行う液
晶表示素子の場合、色素添加によって選択反射状態の表
示色の鮮明度を向上させる効果は、赤色表示の場合より
も小さいが、透明状態の透明度の向上という点では、赤
色表示の場合と同等の効果がある。
【0020】透明板50、55としては、無色透明のガ
ラス板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルス
ルホン、ポリカーボネート等の高分子フィルムなどを用
いることができる。なお、本実施形態においては、透明
板50、55に透明電極13、14を積層したものを用
いているが、これに限らず、透明板自体が導電性を有す
るものであってもよい。
【0021】符号60は所望により観察側から見て最下
層に設ける光吸収体を示している。光吸収体60を設け
た場合、液晶−高分子複合膜20による選択反射光以外
の波長の光が光吸収体60によって吸収され、コレステ
リック液晶が可視光領域の選択反射を示さないときには
黒色表示を行うことが可能となる。このような光吸収体
としては、例えば、黒色フィルムを用いることができ
る。また、表示素子の、観察側から見て最下面に黒色イ
ンク等の黒色塗料を塗布して、光吸収体としてもよい。
【0022】液晶表示素子100を構成する一対の透明
電極13、14は、それぞれ、微細な間隔を保って平行
に並べられた複数の帯状電極よりなり、その帯状電極の
並ぶ向きが互いに直角方向となるように対向させてあ
る。これら上下の帯状電極に順に通電が行われて、液晶
−高分子複合膜20に対してマトリクス状に順に電圧印
加がなされ表示が行われる(マトリクス駆動)。このよ
うなマトリクス駆動により、液晶表示素子100により
画像表示を行うことが可能である。
【0023】液晶表示素子100の着色状態を切り換え
るために電源80により透明電極13、14間に印加す
る電圧としては、パルス状の電圧を用いることが好まし
い。
【0024】液晶表示素子100に含まれる液晶−高分
子複合膜20としては、例えば、液晶と光硬化性樹脂材
料との混合物に紫外線等の光を照射して樹脂を硬化さ
せ、液晶と樹脂とを相分離することによって得られる液
晶−樹脂複合体を使用することができる。
【0025】液晶表示素子100に含まれる液晶−高分
子複合膜20に使用する液晶22としては、コレステリ
ック液晶を用いる。コレステリック液晶は、液晶分子長
軸が平行に配列した層状構造を有しており、各層内にお
いては、隣接する分子の長軸が少しずつずれた螺旋構造
を有している。
【0026】コレステリック液晶としては、特に、室温
でコレステリック相を示すものが好ましい。
【0027】また、コレステリック液晶としては、ネマ
ティック液晶にカイラルドーパントを添加することによ
って得られるカイラルネマティック液晶を用いることが
できる。
【0028】ネマティック液晶は、棒状の液晶分子が平
行に配列しているが、層状構造は有していない。ネマテ
ィック液晶としては、シアノビフェニル系、トラン系、
ピリミジン系などの正の誘電異方性を有するものが好ま
しい。具体的には、MN1000XX(チッソ社製)、
ZLI−1565、BL−006(いずれもメルク社
製)などが挙げられる。
【0029】カイラルドーパントは、ネマティック液晶
に添加された場合にネマティク液晶の分子をねじる作用
を有する添加剤である。カイラルドーパントをネマティ
ック液晶に添加することにより、所定のピッチを有した
液晶分子の螺旋構造が生じ、これによりコレステリック
相が生じる。
【0030】カイラルネマティック液晶は、添加するカ
イラルドーパントの量を変えることにより、カイラルネ
マティック液晶の螺旋構造のピッチを変化させることが
でき、これにより液晶の選択反射波長を制御することが
できるという利点がある。なお、一般的には、液晶分子
の螺旋構造のピッチを表す用語として、液晶分子の螺旋
構造に沿って液晶分子が360゜回転したときの分子間
の距離で定義されるヘリカルピッチを用いる。
【0031】カイラルドーパントとしては、不斉炭素を
有する化合物であって、液晶分子に旋光性を誘起するも
のを使用できる。例えば、コレステリック環を有するコ
レステリック液晶、カイラルネマティック液晶、液晶性
は示さないがネマティク液晶の分子をねじる作用を有す
る有機化合物等が使用できる。また、市販のカイラルド
ーパントとして、メルク社製のS811、S1011、
CB15、CE2等が代表的なものとして挙げられる。
【0032】なお、ネマティック液晶に添加するカイラ
ルドーパントとして、複数種のカイラルドーパントを混
合して使用してもよい。複数種のカイラルドーパントの
使用は、液晶の相転移温度を高くする、温度変化に伴う
選択反射波長の変化を軽減する、複合膜の透明状態にお
ける透明度を向上させる、液晶表示素子の透明状態と選
択反射状態との表示切り替えを速くするなどの点で有効
である。
【0033】このような液晶および高分子体からなる液
晶−高分子複合膜は、可視光を透過する透明状態と特定
波長の可視光を選択的に反射する選択反射状態とを、あ
るいは、可視光を散乱する光散乱状態と可視光を透過す
る透明状態とを電圧印加に応答して切り換え可能とする
ことができ、また、電圧無印加時にも各状態を保つこと
ができる。
【0034】上記カイラルネマティック液晶を用いた液
晶−高分子複合膜の場合、高低2種類のパルス電圧を印
加することにより、液晶分子の配列状態をプレーナ配列
とフォーカル・コニック配列との間で切り換えることが
できる。これにより、液晶−高分子複合膜を用いた液晶
表示素子を透明状態と選択反射状態との間で切り換える
ことができる。
【0035】カイラルネマティック液晶を用いた液晶−
高分子複合膜において、ネマティック液晶に添加するカ
イラルドーパントの量を調整し、カイラルネマティック
液晶のヘリカルピッチを、選択反射波長が、例えば、そ
れぞれ赤色光、緑色光、青色光となるように調整するこ
とにより、プレーナ配列の場合にそれぞれ赤色、緑色、
青色に着色した選択反射状態となり、フォーカル・コニ
ック配列の場合に無色透明の透明状態となる液晶−高分
子複合膜が得られる。こうして得た液晶−高分子複合膜
を透明電極間に挟持することにより、カラーの液晶表示
素子が得られる。
【0036】なお、ヘリカルピッチp(nm)と選択反
射波長λ(nm)との関係は、下記[I]式で表され
る。
【0037】λ=n×p [I] ただし、nは平均屈折率を表しており、n1を液晶分子
の長軸方向に光を入射した場合の屈折率とし、n2を液
晶分子の長軸方向に対して垂直な方向に光を入射した場
合の屈折率とした場合、n2=(n1 2+n2 2)/2で表
される。
【0038】液晶表示素子100を作製するには、例え
ば、液晶と光硬化性樹脂材料との混合物を1対の透明基
体間に挟持した上で、紫外線等の光を照射することによ
り混合物中の光硬化性樹脂材料を硬化させ液晶と樹脂と
を相分離する方法を採用することができる。この際、上
記混合物とともにスペーサを透明基体間に挟持させると
液晶−高分子複合膜の厚さの制御が容易となる。
【0039】光硬化性樹脂材料としては、光硬化性モノ
マーもしくはオリゴマーと光重合開始剤とを混合した混
合液等を使用することができ、例えば、各種アクリル系
単官能および多官能樹脂材料等を使用できる。具体的に
は、アダマンタンアクリレート、BF−530(大八化
学社製)、TPA−320(日本化薬社製)などを使用
することができる。
【0040】このような光硬化性モノマーもしくはオリ
ゴマーと光重合開始剤とを混合した混合液を使用する場
合、この混合液と液晶とを混合した上で、紫外線を照射
することにより上記樹脂材料を光硬化させ、液晶と樹脂
とを相分離する光重合相分離法を採用することができ
る。光重合開始剤としては、例えば、紫外線照射によ
り、光硬化性樹脂材料のラジカル重合等の重合反応を誘
起する材料、具体的には、DAROCUR1173、I
RGACUR184(いずれもチバガイギー社製)等を
使用することができる。
【0041】<第2実施形態>図2は、本発明の他の実
施形態である液晶表示素子200の断面図である。図2
に示すように、液晶表示素子200は、色素を添加しな
い以外は図1に示したものと同様の構成の液晶表示素子
の表面に、液晶22の選択反射波長とは異なる波長域の
光を吸収する性質を有する着色フィルタ70を設けたも
のである。
【0042】本実施形態のように、液晶−高分子複合膜
20、透明電極13、14、透明板50、55などの構
成要素に色素を添加する代わりに、着色フィルタ層、す
なわち、色ガラスフィルタや着色樹脂フィルム(カラー
フィルム)などの板状部材やシート部材等を液晶表示素
子の観察側に配することにより、上述したのと同様の効
果を得ることが可能である。フィルタ70は無色透明物
質に色素を添加したものであってもよいし、色素を添加
せずとも本来的に着色状態にある材料よりなるものや、
上記色素と同様の働きをする特定の物質の薄膜等であっ
てもよい。
【0043】もちろん、液晶−高分子複合膜20、透明
電極13、14、透明板50、55などに色素を添加し
た上で、さらに着色フィルタ70を設けるようにしても
よい。また、観察側の透明板50自体を着色フィルタ7
0に置き換えてもよい。
【0044】<第3実施形態>図3は、本発明のさらに
他の実施形態である液晶表示素子300の断面図であ
る。図3に示すように、液晶表示素子300は、赤色の
選択反射により赤色表示を行う赤色表示層301の上
に、緑色の選択反射により緑色表示を行う緑色表示層3
02を積層したものである。
【0045】赤色表示層301は、第1実施形態で説明
したのと同様の構成であり、緑色表示層302は、液晶
−高分子複合膜30として、緑色の選択反射を行う液晶
を用いた以外は第1実施形態と同様の構成である。緑色
表示層402は、上述したように、例えば、ネマティッ
ク液晶に添加するカイラルドーパントの量を調整し、カ
イラルネマティック液晶のヘリカルピッチを、選択反射
波長が緑色光となるように調整することにより得られ
る。なお、液晶表示素子300における色素添加につい
ては後で詳しく説明する。
【0046】液晶表示素子300においては、緑色表示
層302を透明状態とし、赤色表示層301を選択反射
状態とすることにより、赤色表示を行うことができる。
また、緑色表示層302を選択反射状態とすることによ
り、緑色表示を行うことができる。緑色表示層302お
よび赤色表示層301を同時に選択反射状態にすると、
緑と赤との混色すなわち黄色の表示となる。また、両者
を同時にマトリクス駆動することにより、赤と緑のマト
リクスによる疑似的な中間色表現を行うことも可能であ
る。
【0047】液晶表示素子300において、例えば、赤
色表示層301に、第1実施形態で説明したのと同様
に、液晶22の選択反射波長域とは異なる波長域のスペ
クトル光を吸収する色素が含有されていると、赤色表示
の品位を向上させることができる。ただし、本実施形態
のように液晶表示素層を積層する場合は、上層が下層の
光反射にできるだけ影響を及ぼさないようにすることが
好ましい。すなわち、上層に含有される色素の光吸収波
長が、下層の表示層の選択反射波長と重ならないように
することが好ましい。
【0048】そこで、液晶表示素子300においては、
例えば以下のように色素を添加することができる。
【0049】(1)赤色表示層301の液晶−高分子複
合膜20に、液晶22の選択反射波長とは異なる波長域
の光を吸収する色素(例えば赤色染料)を添加し、緑色
表示層302の液晶−高分子複合膜30には色素を添加
しないようにすると、緑色表示層302の緑色表示品位
を損なうことなく、赤色表示層301の赤色表示の鮮明
度および透明状態での透明度を増すことができる。
【0050】(2)赤色表示層301の液晶−高分子複
合膜20には色素を添加せず、緑色表示層302の液晶
−高分子複合膜30に青色吸収色素(例えば黄色染料)
を添加すると、赤色表示層302の赤色表示品位を損な
うことなく、緑色表示層302の緑色表示の鮮明度およ
び透明状態での透明度を増すことができる。
【0051】(3)赤色表示層301の液晶−高分子複
合膜20に液晶22の選択反射波長とは異なる波長域の
光を吸収する色素(例えば赤色染料)を添加するととも
に、緑色表示層302の液晶−高分子複合膜20に青色
吸収色素(例えば黄色染料)を添加することにより、赤
色表示層および緑色表示層の表示品位を向上させること
ができる。
【0052】なお、本実施形態において、色素を添加す
る位置などは実施形態1で述べたのと同様に適宜選択す
ることができ、また、実施形態2で述べたように色素を
添加する代わりに着色フィルタを用いる形態を採用して
もよい。
【0053】<第4実施形態>図4は、本発明のその他
の実施形態である液晶表示素子400の断面図である。
図4に示すように、赤色の選択反射を行う赤色表示層4
01の上に、緑色の選択反射を行う緑色表示層402を
積層し、さらにその上に、青色の選択反射を行う青色反
射層403を積層したものである。
【0054】赤色表示層401および緑色表示層402
は、第3実施形態で説明したのと同様の構成であり、青
色表示層403は、液晶−高分子複合膜40として、青
色の選択反射を行うものを用いた以外は第1実施形態と
同様の構成である。色素の添加については後述する。
【0055】青色表示層403および緑色表示層402
を透明状態とし、赤色表示層401を選択反射状態とす
ることにより、赤色表示を行うことができる。また、青
色表示層403を透明状態とし、緑色表示層402を選
択反射状態とすることにより、緑色表示を行うことがで
きる。さらに、青色表示層403を選択反射状態とする
ことにより、青色表示を行うことができる。
【0056】液晶表示素子400には、上記第1実施形
態と同様に液晶22の選択反射波長とは異なる波長域の
光を吸収する色素(例えば赤色染料)を添加することに
より、表示の鮮明度を増すことができる。なお、実施形
態3で説明したように、液晶表示素子を積層する場合
は、できるだけ上層が下層の光反射に影響を及ぼさない
ようにすることが好ましい。そのため、液晶表示素子4
00においては、例えば、赤色表示層の複合膜に赤色色
素添加、緑色表示層に青色吸収色素(例えば、黄色色
素)添加、青色表示層には色素無添加とすればよい。
【0057】なお、実施形態3、4においては、異なる
色の表示を行う液晶表示層を2層あるいは3層積み重ね
た例について説明したが、その積層順、積層数、色の種
類などは上記実施形態のもの限られず、種々変更可能で
ある。例えば、観察側から順に、赤→緑→青、緑→赤→
青、青→青→緑→赤、青→赤の各層を積層するようにし
てもかまわない。要するに、添加された色素が観察側か
ら見て下側の表示層の色表示をできるだけ妨げないよう
にしておれば、液晶表示層の積層順、積層数、および色
の種類、あるいは、添加する色素の種類等は問わない。
【0058】また、同じ色の液晶反射層を積層してもよ
く、例えば、右旋光性のコレステリック液晶を用いた赤
色液晶表示層と左旋光性のコレステリック液晶を用いた
赤色表示層とを積層し、上層のみに色素を添加すること
により、表示の明るさを増すことが可能となる。
【0059】<第5実施形態>図5は、本発明のその他
の実施形態である液晶表示素子500の断面図である。
図5に示すように、液晶表示素子500は、透明板55
上に、液晶−高分子複合膜10、および、透明板50を
順次積層してなる。なお、上記各実施形態と同様に、液
晶表示素子下面に光吸収体60を設けてもよい。液晶表
示素子500は、上記各実施形態のものとは異なり、電
極層を有していないが、その製造方法は上記第1実施形
態で説明したものと同様である。液晶表示素子500
は、その上方および下方に設けられる外部電極により電
界を印加し、この電界に応じて、透明状態と選択反射状
態とが切り換えられる。
【0060】液晶表示素子500を例えばシート状に形
成すると、以下に示すような電圧印加手段を用いること
により、記録および消去自在な記録媒体として使用する
ことができる。
【0061】図6は、液晶表示素子500に電圧を印加
するための構成の一実施形態を示す図である。図6に示
すように、この実施形態においては、搬送ローラ90、
91により所定の速度で搬送される液晶表示素子500
に対して、電極アレイ81により、画像情報に応じて電
界が印加され、液晶表示素子500上に画像表示が行わ
れる。
【0062】図7は、液晶表示素子500に電圧を印加
するための他の構成を示す図である。図7に示すよう
に、接地された電極板83上に液晶表示素子500を積
置し、ペン型の電極82により、液晶表示素子500に
電界を印加する。例えば、操作者が電極82を持って液
晶表示素子500上に画像を書き込むことができる。
【0063】<その他の実施形態>上記各実施形態にお
いては、コレステリック液晶が分散されるマトリクス材
として樹脂を用いる例について説明したが、必ずしも樹
脂は必要ではなく、例えば、2枚の透明基体の間に直接
コレステリック液晶を挟持することも可能である。
【0064】また、上記各実施形態においては、コレス
テリック液晶をマトリクス樹脂中に分散させてなる複合
膜の上下面に透明基体を設けた例について説明したが、
必ずしもこの透明基体は必要ではなく、例えば、複合膜
中の樹脂量を増やすなどして液晶をドロプレットの形態
で樹脂内部に分散させることにより、透明基体を用いな
いようにすることも可能である。
【0065】
【実験例】以下、具体的な実験例を挙げて本発明をより
詳しく説明する。
【0066】<実験例1>室温でネマティック相を示す
トラン系フッ素含有ネマティック液晶MN1000XX
(チッソ社製、Δn=0.219、TNI=69.9℃)
76重量部に対して、カイラル剤として、コレステリッ
ク液晶CN(メルク社製)16重量部およびカイラルド
ーパントS811(メルク社製)8重量部を添加して、
選択反射波長が680nmのカイラルネマティック液晶
を調製した。なお、Δnは、水銀ランプのd線(波長:
589nm)を用いて測定した屈折率を表し、TNIは、
昇温過程において液晶相から等方相に変化する温度、す
なわち、相転移温度を表す。
【0067】次に、メタクリレート樹脂であるアダマン
タンメタクリレート76重量部、アクリレート樹脂BF
−530(大八化学社製)20重量部、および、アクリ
レート樹脂TPA−320(日本化薬社製)4重量部を
混合したものに、3重量部の光重合開始剤DAROCU
R1173(チバガイギー社製)を添加して光硬化性樹
脂材料を調製した。
【0068】上記カイラルネマティック液晶と上記光硬
化性樹脂材料とを85:15の重量比で混合したものに
対して、液晶表示用二色性色素SI−426(三井東圧
染料社製)をカイラルネマティック液晶に対して、0.
1重量%添加する。
【0069】図8は上記色素の分光特性を示す図であ
る。図8に示すように、この色素は500nm付近に吸
収極大を有した赤色染料であり、500nmよりも短い
波長の可視光を高い割合で吸収する。逆に、600nm
よりも長い波長の可視光はほとんど吸収しない。
【0070】こうして得られた混合物を、表面に透明導
電性膜が設けられた2枚のガラス基板間に導電性膜を内
側にして10μmのスペーサを介して挟持させた上で、
15mW/cm2 の紫外線を室温で3分間照射して硬化
させることにより、相分離させて図1に示す構成の液晶
表示素子を作製した。
【0071】こうして作製した液晶表示素子の導電性膜
間に150Vのパルス電圧(±5ms)を印加したとこ
ろ赤色の選択反射を示した。このとき、視感反射率Y:
7.78、色度座標:x=0.420、y=0.31
9、刺激純度は28.2%であった(基準光:x=0.
306、y=0.317)。さらに、この状態で今度は
70Vのパルス電圧(±5ms)を印加すると、液晶表
示素子は透明状態(視感反射率Y:0.60、色度座
標:x=0.210、y=0.156)を示した。図9
は色度図であり、○印が本実験例の液晶表示素子の選択
反射状態での色度座標である。
【0072】なお、刺激純度とは、基準となる照明光の
色度点(図9の×印)と、色度座標のスペクトル軌跡上
の主波長の色度点との間の距離と、照明光の色度点と液
晶表示素子サンプルの色度点との距離の比を表したもの
である。すなわち、おなじ明るさの液晶表示素子であれ
ば、液晶表示素子の色度点が照明光の色度点からより離
れた方が色の純度は高い(表示品位が高い)と言える。
【0073】視感反射率および色度座標の測定は、分光
測色計CM−1000(ミノルタ社製)を用いて行っ
た。また、刺激純度は液晶表示素子サンプルの色度座標
と基準光の色度座標とから算出した。
【0074】<実験例2>色素の添加量をカイラルネマ
ティック液晶に対して0.3重量%とした以外は、実験
例1と同様の手順で図1に示した構成の液晶表示素子を
作製した。得られた液晶表示素子の導電性膜間に150
Vのパルス電圧(±5ms)を印加したところ赤色の選
択反射を示した。このとき、視感反射率Y:6.30、
色度座標:x=0.525、y=0.341、刺激純度
は64.6%であった(基準光:x=0.306、y=
0.317)。さらに、この状態で今度は70Vのパル
ス電圧(±5ms)を印加すると、液晶表示素子は透明
状態(視感反射率Y:0.53、色度座標:x=0.2
53、y=0.201)を示した。図9の△印が本実験
例の液晶表示素子の選択反射状態での色度座標である。
【0075】<実験例3>色素の添加量をカイラルネマ
ティック液晶に対して0.5重量%とした以外は、実験
例1と同様の手順で図1に示す構成の液晶表示素子を作
製した。得られた液晶表示素子の導電性膜間に150V
のパルス電圧(±5ms)を印加したところ赤色の選択
反射を示した。このとき、視感反射率Y:6.06、色
度座標:x=0.567、y=0.345、刺激純度は
76.6%であった(基準光:x=0.306、y=
0.317)。さらに、この状態で今度は70Vのパル
ス電圧(±5ms)を印加すると、液晶表示素子は透明
状態(視感反射率Y:0.43、色度座標:x=0.2
49、y=0.195)を示した。図9の□印が本実験
例の液晶表示素子の選択反射状態での色度座標である。
【0076】図10に上記液晶表示素子の、選択反射状
態および透明状態における分光反射特性を示す。実線が
選択反射状態の分光特性、破線が透明状態の分光特性で
ある。なお、分光反射特性は分光測色計CM−1000
(ミノルタ社製)を用いて行った。
【0077】図10から明らかなように、透明状態で
は、400〜700nmの全域にわたって反射率が小さ
く、透明度の高い状態を実現できるものであった。ま
た、選択反射状態においては、650nm付近に高い反
射ピークを有し、しかも600nmより短い波長領域で
は反射率が小さく、鮮明な赤色表示を実現できるもので
あった。
【0078】<実験例4>色素を添加しない以外は実験
例1と同様の手順で図1に示す構成の液晶表示素子を作
製した。得られた液晶表示素子の導電性膜間に150V
のパルス電圧(±5ms)を印加したところ赤色の選択
反射を示した。このとき、視感反射率Y:8.02、色
度座標:x=0.411、y=0.315、刺激純度は
76.6%であった(基準光:x=0.306、y=
0.317)。さらに、この状態で今度は70Vのパル
ス電圧(±5ms)を印加すると、液晶表示素子は透明
状態(視感反射率Y:0.62、色度座標:x=0.2
16、y=0.170)を示した。図9の●印が、本実
験例の液晶表示素子の選択反射状態での色度座標であ
る。
【0079】本実験例の液晶表示素子は、色素を添加し
た実験例1〜3の液晶表示素子に比べて、選択反射状態
での刺激純度が低く、透明状態での視感反射率が高いも
のであり、表示品位に劣るものであった。
【0080】図11に上記液晶表示素子の、選択反射状
態および透明状態における分光反射特性を示す。色素を
添加した実験例3の液晶表示素子に比べて、選択反射波
長のピーク強度が低下し、また、透明時の視感反射率が
増大している。
【0081】<実験例5>色素を添加しない以外は実験
例1と同様の手順で作製した液晶表示素子の観察側の面
にカラーフィルタ(WRATTEN FILTER N
o.25;イーストマン・コダック社製)を貼り合わ
せ、図2に示す構成の液晶表示素子とした。なお、図1
2には上記カラーフィルタの分光特性を示した。
【0082】こうして得られた液晶表示素子の導電性膜
間に150Vのパルス電圧(±5ms)を印加したとこ
ろ赤色の選択反射を示した。このとき、視感反射率Y:
3.20、色度座標:x=0.652、y=0.31
0、刺激純度は90.0%であった(基準光:x=0.
306、y=0.317)。さらに、この状態で今度は
70Vのパルス電圧(±5ms)を印加すると、液晶表
示素子は透明状態(視感反射率Y:0.68、色度座
標:x=0.440、y=0.336)を示した。
【0083】図13に、上記液晶表示素子の選択反射状
態および透明状態における分光反射特性を示す。図13
に示すように、透明状態での反射率が400〜700n
mの全域にわたって極めて小さく、また、選択反射状態
では、600nmより小さい領域の反射がほとんどなく
高い表示品位を確保できることがわかった。
【0084】<実験例6>カラーフィルタを観察側とは
反対側の面に貼り付けた以外は、実験例5と同様の手順
により液晶表示素子を作製した。得られた液晶表示素子
の導電性膜間に150Vのパルス電圧(±5ms)を印
加したところ赤色の選択反射を示した。このとき、視感
反射率Y:8.10、色度座標:x=0.410、y=
0.315、刺激純度は約20%であった(基準光:x
=0.306、y=0.317)。さらに、この状態で
今度は70Vのパルス電圧(±5ms)を印加すると、
液晶表示素子は透明状態(視感反射率Y:0.65、色
度座標:x=0.210、y=0.170)を示した。
【0085】上記液晶表示素子の、選択反射状態および
透明状態における分光反射特性は実験例4のものとほぼ
同様のものであった。
【0086】<実験例7>実験例1と同様の手順で調製
したカイラルネマティック液晶に対して、実験例1で用
いたのと同様の赤色色素を0.5重量%添加した。そし
て、この色素の添加されたカイラルネマティック液晶
を、表面に透明導電性膜が設けられた2枚のガラス基板
間に導電性膜を内側にして10μmのスペーサを介して
挟持させることにより、液晶表示素子を作製した。
【0087】得られた液晶表示素子の導電性膜間に15
0Vのパルス電圧(±5ms)を印加したところ赤色の
選択反射を示した。このとき、視感反射率Y:5.6
4、色度座標:x=0.531、y=0.334、刺激
純度は64.1%であった(基準光:x=0.306、
y=0.317)。さらに、この状態で今度は70Vの
パルス電圧(±5ms)を印加すると、液晶表示素子は
透明状態(視感反射率Y:1.19、色度座標:x=
0.328、y=0.301)を示した。
【0088】<実験例8>色素を添加しない以外は実験
例7と同様にして液晶表示素子を作製した。得られた液
晶表示素子の導電性膜間に150Vのパルス電圧(±5
ms)を印加したところ赤色の選択反射を示した。この
とき、視感反射率Y:5.67、色度座標:x=0.5
31、y=0.334、刺激純度は64.2%であった
(基準光:x=0.306、y=0.317)。さら
に、この状態で今度は70Vのパルス電圧(±5ms)
を印加すると、液晶表示素子は透明状態(視感反射率
Y:1.6、色度座標:x=0.243、y=0.23
8)を示した。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、上記の通り構成することにより、透明状態での透明
度が高く、かつ、選択反射状態において鮮明な表示を行
うことのできる液晶表示素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である液晶表示素子の断面
図である。
【図2】本発明の他の実施形態である液晶表示素子の断
面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態である液晶表示素
子の断面図である。
【図4】本発明のその他の実施形態である液晶表示素子
の断面図である。
【図5】本発明のその他の実施形態である液晶表示素子
の断面図である。
【図6】液晶表示素子に表示を行わせるための構成の一
実施形態を示す模式図である。
【図7】液晶表示素子に表示を行わせるための構成の他
の実施形態を示す模式図である。
【図8】色素の分光特性を示す図である。
【図9】色度座標図である。
【図10】液晶表示素子の光反射特性を示す図である。
【図11】液晶表示素子の光反射特性を示す図である。
【図12】カラーフィルタの分光特性を示す図である。
【図13】液晶表示素子の光反射特性を示す図である。
【符号の説明】
13、14 透明電極 20 液晶−高分子複合膜 21 高分子体 22 液晶 50、55 透明板 60 光吸収体 80 電源 100 液晶表示素子

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視領域にある特定波長のスペクトル光
    を選択的に反射可能なコレステリック液晶と、該コレス
    テリック液晶の選択反射波長とは異なる波長域のスペク
    トル光を吸収する色素とを含んでなることを特徴とする
    反射型液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記色素は前記コレステリック液晶に含
    まれる請求項1の反射型液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記コレステリック液晶を挟持するとと
    もに、少なくとも観察側のものが透明である一対の基体
    をさらに備えた請求項1の反射型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記色素は観察側の透明基体に含まれる
    請求項3の反射型液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 さらに高分子体を有し、前記コレステリ
    ック液晶が該高分子体に分散されてなる請求項1の反射
    型液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 前記色素は前記高分子体に含まれる請求
    項5の反射型液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 前記色素は、前記コレステリック液晶の
    選択反射波長とは異なる波長域に吸収極大を有するもの
    である請求項1ないし請求項6の反射型液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 前記色素は、前記コレステリック液晶の
    選択反射波長よりも短い波長域に吸収極大を有するもの
    である請求項1ないし請求項6の反射型液晶表示素子。
  9. 【請求項9】 支持基体上に、可視領域にある特定波長
    のスペクトル光を選択的に反射可能なコレステリック液
    晶を含む複数の表示層と、複数の透明基体とを順次交互
    に積層してなり、所定の表示層に含まれるコレステリッ
    ク液晶の選択反射波長とは異なる波長域のスペクトル光
    を吸収する色素を、該所定の表示層あるいは該所定の表
    示層よりも観察側にある少なくとも一つの層に含むこと
    を特徴とする反射型液晶表示素子。
  10. 【請求項10】 前記色素は、前記所定の表示層よりも
    観察側にある少なくとも一つの透明基体に含まれる請求
    項9の反射型液晶表示素子。
  11. 【請求項11】 前記所定の表示層は観察側から数えて
    2番目以降にあり、前記色素は、前記所定の表示層より
    も観察側にある少なくとも一つの表示層に含まれる請求
    項9の反射型液晶表示素子。
  12. 【請求項12】 前記色素は、前記所定の表示層よりも
    観察側にある表示層、あるいは、該観察側の表示層より
    もさらに観察側にある少なくとも一つの層に含まれ、か
    つ、前記観察側の表示層に含まれるコレステリック液晶
    の選択反射波長とは異なる波長域のスペクトル光を吸収
    するものである請求項9の反射型液晶表示素子。
  13. 【請求項13】 前記複数の液晶表示層は、観察側のも
    のほど選択反射波長が短くなるように積層されている請
    求項9の反射型液晶表示素子。
  14. 【請求項14】 前記複数の液晶表示層は、観察側から
    順に、青色の選択反射を行う青色表示層、緑色の選択反
    射を行う緑色表示層、赤色の選択反射を行う赤色表示層
    を積層してなる請求項9の反射型液晶表示素子。
  15. 【請求項15】 コレステリック液晶により可視領域に
    ある特定波長のスペクトル光を選択的に反射して表示を
    行う液晶表示素子において、前記コレステリック液晶の
    選択反射波長とは異なる波長域のスペクトル光を吸収す
    る材料よりなるフィルタ層を設け、該フィルタ層を介し
    て前記コレステリック液晶に外部光が入射するようにし
    たことを特徴とする反射型液晶表示素子。
  16. 【請求項16】 前記コレステリック液晶を含む表示層
    を備え、該表示層よりも観察側に前記フィルタ層を配置
    してなる請求項15の反射型液晶表示素子。
  17. 【請求項17】 前記フィルタ層は、色ガラスフィル
    タ、着色樹脂フィルムよりなる群より選択される少なく
    とも一つの層で形成される請求項16の反射型液晶表示
    素子。
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