JP2006003084A - 微量質量測定装置 - Google Patents

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玄樹 加藤
Masataka Araogi
正隆 新荻
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Abstract

【課題】 水晶等の圧電振動子をセンサとして用いた微量質量測定装置において、試料溶液の流れる流路に、該圧電振動子より生じる液相中を伝播する振動(縦波)を拡散するための簡素な反射拡散構造を有する微量質量測定装置を提供すること。
【解決手段】 試料溶液を流す流路と、該流路内に設置した水晶等の圧電振動子からなるセンサとを備え、該センサより生じる液相中を伝播する振動(縦波)を拡散する構造とするために、前記流路は前記試料溶液の流れを曲げる屈曲部を有し、前記センサは該屈曲部内に設置する微量質量測定装置とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水晶等の圧電材料を用いた振動子の電極表面を液相中に晒し、それに特異的に吸着する酵素、抗体、たんぱく質、ホルモンなどの化学物質を測定するQCM(Quartz Crystal Microbalance)型バイオセンサを用いて微量の質量変化を測定する微量質量測定装置に関し、特に前記QCM型バイオセンサから液相中に生じる縦波を流路内で反射および拡散させる反射拡散構造に関する。
圧電材料に水晶を用いたものはQCM(Quartz Crystal Microbarance)と呼ばれ、ATカットの水晶板の両面に金属薄膜電極を形成した構造をもつ。この金属薄膜電極対に発振回路を接続し電圧を印加すると水晶板の厚さに反比例した周波数で発振する。この金属薄膜電極上に物質が付加されると振動子全体の固有周波数が変化する。この周波数変化を利用し金属薄膜電極上に付着した物質の質量を検出しようとするものである。
QCMでは、測定に必要なのは厚み滑り振動が主な振動モードであるが、実際には振動子からは縦方向の振動も発生している。液相中における測定においては、この振動により発生した縦波が、試料溶液の流れる流路の天井面や側壁などの界面で反射するため、共振周波数が特に界面の高さに依存することが報告されている(Anal.Chem.Vol67,No4.,1995,P685−693、Anal.Chem.Vol67,No18.,1995,P3324−3335)。これらの報告によれば、共振周波数に与える影響はおよそ1kHzである。 ここで、振動子より液相中に生じた縦波が共振周波数に影響を与えないように、縦波を反射拡散させる従来の構造としては、例えば、特開2003−240695号公報による「微量質量測定装置における反射拡散構造」がある。
以下、特開2003−240695号公報による「微量質量測定装置における反射拡散構造」について、図7を参照して説明する。
図7(a)は従来の微量質量測定装置における反射拡散構造を上方から見た平面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A’線における断面図である。11はATカットの水晶基板、12、13は電極、14は流路形成基板、15は試料溶液が流れる流路、16は反射拡散構造、17、18は電極への配線である。試料溶液を流路15に流しながら、所定の発振回路より配線17、18を通して電極12、13に電流を供給すると、電極12、13に挟まれた部分が共振周波数にて振動する。このとき、電極13から生じた縦波が、その直上の流路15の天井に形成した反射拡散構造16により反射拡散する。反射拡散構造16は、例えば正四角錐とすれば、主に検出用電極13直上に向かう縦波の反射波は四方へ拡散され検出用電極13へ戻らず、縦波の影響を軽減する。
特開2003−240695号公報 Anal.Chem.Vol67,No4.,1995,P685−693 Anal.Chem.Vol67,No18.,1995,P3324−3335
生化学物質を固定化し、それに特異的に吸着する酵素、抗体、たんぱく質、ホルモンなどの化学物質をQCM測定する場合には、ng(ナノグラム)レベル以下の質量変化を読み取ることが必要である。この質量変化に対応する共振周波数変化は、基本周波数にもよるがおよそ数十から数百Hzとなる。したがって、縦波から受ける共振周波数への影響があると質量変化を正確に読み取ることができず大きな問題となる。
従来の微量質量測定装置における反射拡散構造では、流路の天井に複雑な反射拡散構造を形成する必要があるため、特に数百μmから数十μmオーダーの微細な流路(マイクロ流路)において、高い加工精度が要求され高価となる問題があった。また、流路の天井に形成した反射拡散構造によって、検出用電極直上に向かう縦波の反射波は四方へ拡散されるが、検出用電極へ戻ってきてしまう反射波があるため、縦波の影響を完全に無視できないという問題があった。
本発明は、以上の問題点に鑑みなされたもので、流路の天井に複雑な反射拡散構造を必要としない簡素な構造を有し、かつ、縦波から受ける共振周波数への影響がない構造を有する微量質量測定装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、本発明の微量質量測定装置は以下のような反射拡散構造を有する構成とした。
本発明の微量質量測定装置を一言で説明するならば、試料溶液を流す流路と、該流路内に設置した圧電振動子からなるセンサとを備え、該センサより生じる液相中を伝播する振動(縦波)を反射させて拡散する構造とするために、前記流路は前記試料溶液の流れを曲げる屈曲部を有し、前記センサは該屈曲部内に設置する構造とした。
具体的には、本願発明によれば、縦波から受ける共振周波数への影響がない構造とするために、前記屈曲部は前記試料溶液の流れを曲げるL字形状からなり、前記センサは前記屈曲部内の外周側の側面に設置する構造とした。
また、本願発明によれば、縦波から受ける共振周波数への影響がない構造とするために、前記屈曲部は前記試料溶液の流れを曲げるクランク形状からなり、前記センサは前記試料溶液が前記屈曲部に流入する流れ方向に垂直な該屈曲部内の側面に設置する構造とした。
また、本願発明によれば、縦波から受ける共振周波数への影響がない構造とするために、前記屈曲部は前記試料溶液の流れを曲げるU字形状からなり、前記センサは前記屈曲部の外周側の側面に設置する構造とした。
本発明の微量質量測定装置は、以上の構成とすることによって、微量質量測定装置における反射拡散構造の簡素化ができ、かつ、縦波から受ける共振周波数への影響をなくすことが可能となる。
前記背景技術の微量質量測定装置における反射拡散構造には、流路の天井に複雑な反射拡散構造を形成する必要があるため、特に数百μmから数十μmオーダーの微細な流路(マイクロ流路)において、高い加工精度が要求され高価であった。また、流路の天井に形成した反射拡散構造によって、検出用電極直上に向かう縦波の反射波は四方へ拡散されるが、検出用電極へ戻ってきてしまう反射波があるため、縦波の影響を完全に無視できなかった。
本発明の微量質量測定装置では、流路の天井に複雑な反射拡散構造を必要とせず、簡便な反射拡散構造で圧電振動子の電極より生じる縦波により影響を受ける共振周波数の変動による誤差成分をなくすことができる。
よって、本発明では微量質量測定装置における反射拡散構造の作製を低コスト化することが可能となる。すなわち、本発明はQCMセンサを組み込んだディスポーザブルバイオチップなどへ応用展開することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、本発明の趣旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
図1および図2は本発明の第1の実施例の微量質量測定装置を示した図であり、図1は微量質量測定装置における反射拡散構造を上方から見た平面図を示し、図2は図1の微量質量測定装置における反射拡散構造の斜視図(透視図)を示している。101はセンサとして用いるATカットの水晶基板、102、103は電極、104は流路形成基板、105は試料溶液が流れるL字形状流路、106は支持基板、107は水晶基板101を設置する空隙部である。
流路形成基板104はポリジメチルシロキサン(PDMS)で作製し、支持基板106はガラスで作製する。流路形成基板104はL字形状流路105と空隙部107とが支持基板106とシールして形成される。L字形状流路105はL字形に試料溶液の流れを曲げる屈曲した部分を有する流路であり、特定の流れの方向は持たないが、便宜上、L字形状流路105の出入口を入口Inおよび出口Outと呼ぶ。空隙部107は水晶基板101をL字形状流路105の屈曲した部分の外周側の側面に設置するための空間である。水晶基板101は、接着剤を用いて位置を合わせて空隙部107に接着し、かつ、水晶基板101の電極103側の面へ試料溶液が漏れないように水晶基板101の端部を接着剤で封止する。なお、流路形成基板104はシリコン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PPP)などの熱可塑性樹脂、または、ガラスで作製してもよい。
試料溶液をL字形状流路105に流しながら、所定の発振回路より配線を通して電極102、103に電流を供給すると、電極102、103に挟まれた部分が共振周波数にて振動する。このとき、図1の矢印に示されるように、検出用電極103から生じた縦波がL字形状流路105により反射拡散され、縦波の反射波はL字形状流路105の入口Inおよび出口Outへ拡散され検出用電極103へ戻らず、縦波の影響を無視できる。
また、従来の反射拡散構造では、水晶基板を流路の底面に設置するため、試料溶液の流れの方向と水晶基板の面とが平行になり、検出用電極上で試料溶液を効率よく反応させることができなかった。本実施例では、水晶基板101をL字形状流路105の屈曲した部分の外周側の側面に設置することによって、試料溶液の流れを水晶基板101の面で受けるため、検出用電極103上で試料溶液を効率よく反応させることができる。
ここで、試料溶液の流れから受ける共振周波数への影響について説明する。マイクロ流路において試料溶液の流れは層流であるので、試料溶液の流れから受ける共振周波数への影響は無視できる。乱流の場合であっても流速が遅ければ、この影響はほとんど無視できる。また、ポンプを使用して試料溶液を流路に流す際に試料溶液の流れが脈動性を有する場合、脈動流によって共振周波数は周期的に影響を受けるが、この共振周波数の信号を脈動の周期に合わせてフィルタ処理すれば、この影響は軽減できる。さらに、試料溶液の流れから受ける共振周波数への影響を完全に排除するために、共振周波数を測定している間だけ試料溶液の流れを止めてもよい。
本実施例の反射拡散構造において、縦波の影響の評価を行なった結果について説明する。水晶基板101は27MHzの基本共振周波数を持つ水晶振動子を使用した。水晶基板101には、500μmφの金電極102、103および配線を100Åの厚さで蒸着して形成した。流路形成基板104はPDMSで作製し、流路形成基板104の高さは2mmとした。支持基板106はガラスで作製し、支持基板106の高さは1mmとした。L字形状流路105は幅500μm、深さ1mm、空隙部107は幅500μm、深さ1mmとして形成した。水晶基板101は空隙部107に接着してL字形状流路105の屈曲した部分の外周側の側面に設置した。このとき、入口Inより純水をL字形状流路105に流しながら、所定の発振回路より配線を通して電極102、103に電流を供給すると、電極102、103に挟まれた部分が共振周波数にて振動し、検出用電極103より生じる縦波により影響を受ける共振周波数の変動はなかった。
以上、本実施形態によれば、圧電振動子からなるセンサの電極より生じる縦波により影響を受ける共振周波数の変動による誤差成分をなくすことができ、かつ、流路の天井に複雑な反射拡散構造を必要としない簡素な構造とすることができる。よって、本実施例では微量質量測定装置における反射拡散構造を低コスト化することが可能となる。さらに、圧電振動子として用いる水晶基板をL字形状流路の屈曲した部分の外周側の側面に設置することによって、検出用電極上で試料溶液を効率よく反応させることが可能となる。
図3および図4は本発明の第2の実施例の微量質量測定装置を示した図であり、図3は微量質量測定装置における反射拡散構造を上方から見た平面図を示し、図4は図3の微量質量測定装置における反射拡散構造の斜視図(透視図)を示している。201はセンサとして用いるATカットの水晶基板、202、203は電極、204は流路形成基板、205は試料溶液が流れるクランク形状流路、206は支持基板、207は水晶基板201を設置する空隙部である。
流路形成基板204はPDMSで作製し、支持基板206はガラスで作製する。流路形成基板204はクランク形状流路205と空隙部207とが支持基板206とシールして形成される。クランク形状流路205はクランク形に試料溶液の流れを曲げる屈曲した部分を有する流路であり、クランク形状流路205の出入口を入口Inおよび出口Outと呼ぶ。空隙部207は水晶基板201を試料溶液がクランク形状流路205の屈曲した部分に流入する流れ方向に垂直なクランク形状流路205の屈曲した部分の側面に設置するための空間である。水晶基板201は、接着剤を用いて位置を合わせて空隙部207に接着し、かつ、水晶基板201の電極203側の面へ試料溶液が漏れないように水晶基板201の端部を接着剤で封止する。なお、流路形成基板104はシリコン樹脂、PETやPPPなどの熱可塑性樹脂、または、ガラスで作製してもよい。
試料溶液をクランク形状流路205に流しながら、所定の発振回路より配線を通して電極202、203に電流を供給すると、電極202、203に挟まれた部分が共振周波数にて振動する。このとき、図3の矢印に示されるように、検出用電極203から生じた縦波がクランク形状流路205により反射拡散され、縦波の反射波はクランク形状流路205の入口Inおよび出口Outへ拡散され検出用電極203へ戻らず、縦波の影響を無視できる。
また、従来の反射拡散構造では、水晶基板を流路の底面に設置するため、試料溶液の流れの方向と水晶基板の面とが平行になり、検出用電極上で試料溶液を効率よく反応させることができなかった。本実施例では、水晶基板201を試料溶液がクランク形状流路205の屈曲した部分に流入する流れ方向に垂直なクランク形状流路205の屈曲した部分の側面に設置することによって、試料溶液の流れを水晶基板201の面で受けるため、検出用電極203上で試料溶液を効率よく反応させることができる。
ここで、試料溶液の流れから受ける共振周波数への影響について説明する。マイクロ流路において試料溶液の流れは層流であるので、試料溶液の流れから受ける共振周波数への影響は無視できる。乱流の場合であっても流速が遅ければ、この影響はほとんど無視できる。また、ポンプを使用して試料溶液を流路に流す際に試料溶液の流れが脈動性を有する場合、脈動流によって共振周波数は周期的に影響を受けるが、この共振周波数の信号を脈動の周期に合わせてフィルタ処理すれば、この影響は軽減できる。さらに、試料溶液の流れから受ける共振周波数への影響を完全に排除するために、共振周波数を測定している間だけ試料溶液の流れを止めてもよい。
本実施例の反射拡散構造において、縦波の影響の評価を行なった結果について説明する。水晶基板201は27MHzの基本共振周波数を持つ水晶振動子を使用した。水晶基板201には、500μmφの金電極202、203および配線を100Åの厚さで蒸着して形成した。流路形成基板204はPDMSで作製し、流路形成基板204の高さは2mmとした。支持基板206はガラスで作製し、支持基板206の高さは1mmとした。クランク形状流路205は幅500μm、深さ1mm、空隙部207は幅500μm、深さ1mmとして形成した。水晶基板201は空隙部207に接着して、試料溶液がクランク形状流路205の屈曲した部分に流入する流れ方向に垂直なクランク形状流路205の屈曲した部分の側面に設置した。このとき、入口Inより純水をクランク形状流路105に流しながら、所定の発振回路より配線を通して電極202、203に電流を供給すると、電極202、203に挟まれた部分が共振周波数にて振動し、検出用電極203より生じる縦波により影響を受ける共振周波数の変動はなかった。
以上、本実施形態によれば、圧電振動子からなるセンサの電極より生じる縦波により影響を受ける共振周波数の変動による誤差成分をなくすことができ、かつ、流路の天井に複雑な反射拡散構造を必要としない簡素な構造とすることができる。よって、本実施例では微量質量測定装置における反射拡散構造を低コスト化することが可能となる。さらに、圧電振動子として用いる水晶基板を試料溶液がクランク形状流路の屈曲した部分に流入する流れ方向に垂直なクランク形状流路の屈曲した部分の側面に設置することによって、検出用電極上で試料溶液を効率よく反応させることが可能となる。
図5および図6は本発明の第3の実施例の微量質量測定装置を示した図であり、図5は微量質量測定装置における反射拡散構造を上方から見た平面図を示し、図6は図5の微量質量測定装置における反射拡散構造の斜視図(透視図)を示している。301はセンサとして用いるATカットの水晶基板、302、303は電極、304は流路形成基板、305は試料溶液が流れるU字形状流路、306は支持基板、307は水晶基板301を設置する空隙部である。
流路形成基板304はPDMSで作製し、支持基板306はガラスで作製する。流路形成基板304はU字形状流路305と空隙部307とが支持基板306とシールして形成される。U字形状流路305はU字形に試料溶液の流れを曲げる屈曲した部分を有する流路であり、特定の流れの方向は持たないが、便宜上、U字形状流路305の出入口を入口Inおよび出口Outと呼ぶ。空隙部307は水晶基板301をU字形状流路305の屈曲した部分の外周側の側面に設置するための空間である。水晶基板301は、接着剤を用いて位置を合わせて空隙部307に接着し、かつ、水晶基板301の電極303側の面へ試料溶液が漏れないように水晶基板301の端部を接着剤で封止する。なお、流路形成基板304はシリコン樹脂、PETやPPPなどの熱可塑性樹脂、または、ガラスで作製してもよい。
試料溶液をU字形状流路305に流しながら、所定の発振回路より配線を通して電極302、303に電流を供給すると、電極302、303に挟まれた部分が共振周波数にて振動する。このとき、図5の矢印に示されるように、検出用電極303から生じた縦波がU字形状流路305により反射拡散され、縦波の反射波はU字形状流路305の入口Inおよび出口Outへ拡散され検出用電極303へ戻らず、縦波の影響を無視できる。
また、従来の反射拡散構造では、水晶基板を流路の底面に設置するため、試料溶液の流れの方向と水晶基板の面とが平行になり、検出用電極上で試料溶液を効率よく反応させることができなかった。本実施例では、水晶基板301をU字形状流路305の屈曲した部分の外周側の側面に設置することによって、試料溶液の流れを水晶基板301の面で受けるため、検出用電極303上で試料溶液を効率よく反応させることができる。
ここで、試料溶液の流れから受ける共振周波数への影響について説明する。マイクロ流路において試料溶液の流れは層流であるので、試料溶液の流れから受ける共振周波数への影響は無視できる。乱流の場合であっても流速が遅ければ、この影響はほとんど無視できる。また、ポンプを使用して試料溶液を流路に流す際に試料溶液の流れが脈動性を有する場合、脈動流によって共振周波数は周期的に影響を受けるが、この共振周波数の信号を脈動の周期に合わせてフィルタ処理すれば、この影響は軽減できる。さらに、試料溶液の流れから受ける共振周波数への影響を完全に排除するために、共振周波数を測定している間だけ試料溶液の流れを止めてもよい。
本実施例の反射拡散構造において、縦波の影響の評価を行なった結果について説明する。水晶基板301は27MHzの基本共振周波数を持つ水晶振動子を使用した。水晶基板301には、500μmφの金電極302、303および配線を100Åの厚さで蒸着して形成した。流路形成基板304はPDMSで作製し、流路形成基板304の高さは2mmとした。支持基板306はガラスで作製し、支持基板306の高さは1mmとした。U字形状流路305は幅500μm、深さ1mm、空隙部307は幅500μm、深さ1mmとして形成した。水晶基板301は空隙部307に接着してU字形状流路305の屈曲した部分の外周側の側面に設置した。このとき、入口Inより純水をU字形状流路305に流しながら、所定の発振回路より配線を通して電極302、303に電流を供給すると、電極302、303に挟まれた部分が共振周波数にて振動し、検出用電極303より生じる縦波により影響を受ける共振周波数の変動はなかった。
以上、本実施形態によれば、圧電振動子からなるセンサの電極より生じる縦波により影響を受ける共振周波数の変動による誤差成分をなくすことができ、かつ、流路の天井に複雑な反射拡散構造を必要としない簡素な構造とすることができる。よって、本実施例では微量質量測定装置における反射拡散構造を低コスト化することが可能となる。さらに、圧電振動子として用いる水晶基板をU字形状流路の屈曲した部分の外周側の側面に設置することによって、検出用電極上で試料溶液を効率よく反応させることが可能となる。
本発明の実施例1の微量質量測定装置を示す説明図であり、微量質量測定装置における反射拡散構造を上方から見た平面図である。 本発明の実施例1の微量質量測定装置を示す説明図であり、微量質量測定装置における反射拡散構造の斜視図(透視図)である。 本発明の実施例2の微量質量測定装置を示す説明図であり、微量質量測定装置における反射拡散構造を上方から見た平面図である。 本発明の実施例2の微量質量測定装置を示す説明図であり、微量質量測定装置における反射拡散構造の斜視図(透視図)である。 本発明の実施例3の微量質量測定装置を示す説明図であり、微量質量測定装置における反射拡散構造を上方から見た平面図である。 本発明の実施例3の微量質量測定装置を示す説明図であり、微量質量測定装置における反射拡散構造の斜視図(透視図)である。 従来例の微量質量測定装置における反射拡散構造を示す説明図であり、(a)は反射拡散構造を上方から見た平面図、(b)は(a)のA−A’線における断面図である。
符号の説明
11 水晶基板
12 電極
13 電極(検出用電極)
14 流路形成基板
15 流路
16 反射拡散構造
17 配線
18 配線
101 水晶基板
102 電極
103 電極(検出用電極)
104 流路形成基板
105 L字形状流路
106 支持基板
107 空隙部
201 水晶基板
202 電極
203 電極(検出用電極)
204 流路形成基板
205 クランク形状流路
206 支持基板
207 空隙部
301 水晶基板
302 電極
303 電極(検出用電極)
304 流路形成基板
305 U形状流路
306 支持基板
307 空隙部

Claims (9)

  1. 試料溶液を流す流路と、該流路内に設置した圧電振動子からなるセンサとを備え、前記試料溶液中に含まれる化学物質が前記センサに付着する質量を測定する微量質量測定装置において、
    前記流路は前記試料溶液の流れを曲げる屈曲部を有し、前記センサは該屈曲部内に設置することを特徴とする微量質量測定装置。
  2. 前記屈曲部は前記試料溶液の流れを曲げるL字形状を有し、前記センサは前記屈曲部内の外周側の側面に設置することを特徴とする請求項1記載の微量質量測定装置。
  3. 前記屈曲部は前記試料溶液の流れを曲げるクランク形状を有し、前記センサは前記試料溶液が前記屈曲部に流入する流れ方向に垂直な該屈曲部内の側面に設置することを特徴とする請求項1記載の微量質量測定装置。
  4. 前記屈曲部は前記試料溶液の流れを曲げるU字形状を有し、前記センサは前記屈曲部内の外周側の側面に設置することを特徴とする請求項1記載の微量質量測定装置。
  5. 前記圧電振動子は、水晶振動子であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微量質量測定装置。
  6. 前記流路を形成する部材は、シリコン樹脂からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微量質量測定装置。
  7. 前記流路を形成する部材は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微量質量測定装置。
  8. 前記流路を形成する部材は、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微量質量測定装置。
  9. 前記流路を形成する部材は、ガラスからなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微量質量測定装置。
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