JP2006003016A - 流動床焼却炉およびこの運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流動層における熱回収を連続的、効率的に行え、かつ流動床焼却炉の弾力的な運転ができる。
【解決手段】 流動媒体が流動する流動層4内に設けられ、被焼却物を焼却する燃焼室10と熱を回収する熱回収室12とに区画する仕切り7と、この仕切り7の下、燃焼室10および熱回収室12の三つの領域毎に流動媒体を流動させる空気34を吹き出す空気吹出装置16とを備え、燃焼室10と熱回収室12とは仕切り7の下で連通し、仕切り7の下に設けられる空気吹出装置は、空気34の吹き出しを調節可能にする。また、仕切りの下端8高さに略等しい位置に流動層の圧力を検出する圧力測定器25a、25bを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、都市ごみ、RDF、産業廃棄物などを焼却し、それにより発生する廃熱を回収しエネルギーとして利用する流動床焼却炉およびこの流動床焼却炉の運転方法に関する。
以下に、従来技術に係る流動床焼却炉の例を図6〜9に基いて説明するが、図6〜9において、同等の構造、作用部分には同じ符号を付けて示す。
図6は、従来技術に係る流動床焼却炉の一例を示す系統図である。図7は、図6の流動床部分の拡大図である。この流動床焼却炉113aは、特許文献1に開示されたもので、都市ごみなどの被焼却物127を投入口114から投入して焼却し廃熱回収を行う場合、焼却排ガスによりボイラ101で蒸気130を発生させ、この蒸気130を流動層115に設置した伝熱管119により過熱した後、タービン111に供給し発電を行うものである。流動床焼却炉113aで発生した約950℃の排ガス128は、後流のボイラ101に導かれる。流動層115は、押込送風機(FDF)109により押し込まれる空気110により流動化され、流動媒体は矢印132、133の向きに循環する。
ボイラ101で約200〜250℃に冷却された排ガス129は、後流のガス冷却器104で水スプレーされ、約160℃まで減温される。その後バグフィルター105によりダストやHCl、SOxなどの有害ガスが取り除かれ、誘引送風機(IDF)106を経て煙突108より放出される。他方、ボイラ101で発生した蒸気130は、流動層115に設置した熱回収室117の伝熱管119で加熱され高温高圧化し、過熱蒸気131としてタービン111に供給され発電に利用される。
しかし、熱回収室の伝熱管119において蒸気を高温化する場合、HClなどの腐食性ガスにより高温腐食が発生する。一般に都市ごみなどの焼却炉において、焼却の際に発生する燃焼排ガス中に伝熱管を配置し熱回収する場合、伝熱管の高温腐食を回避するためには蒸気温度を400℃以下にする必要があり、この温度が実用的には限度である。これに対して、図6、7の焼却炉113aは、流動層内を仕切り121で仕切り、伝熱管119を設置しない燃焼室116と伝熱管119を設置した熱回収室117とに分割し、被焼却物を燃焼室116で焼却し被焼却物に含まれる塩素分を揮発させる。燃焼室116で燃焼により加熱された高温の流動媒体を仕切りの下から熱回収室117に循環させ、熱回収室117を塩素分など腐食性ガスが含まれない雰囲気にする。塩素分を含まない熱回収室117に設置した伝熱管119は、ボイラで生成された蒸気を過熱するが、高温腐食は防止される。
図8は、従来技術に係る流動床焼却炉の別の例を示す説明図である。焼却炉113bにおいても、図6、7の流動床焼却炉113aと同様に、熱回収室117に伝熱管119を設置し蒸気を過熱しているが、流動媒体の循環方向は燃焼室116から仕切り121の上端を越えて熱回収室117に移動し、仕切り121の下から燃焼室116に移動する。
図9は、従来技術に係る流動床焼却炉のさらに別の例を示す説明図である。焼却炉113cにおいても、上記流動床焼却炉113bと同様に、熱回収室117に伝熱管119を設置し蒸気を過熱しているが、流動媒体の循環方向は燃焼室116から仕切り121の上端を越えて熱回収室117に移動し、仕切り121の下から燃焼室116に移動する。なお、符号125は層上伝熱管である。
特開平8−5039号公報
図6、7に示した流動床焼却炉113aは、熱回収室117の静止層高117aを燃焼室116の静止層高116aに比べ低く設定し、熱回収室117上方の空塔部断面積を小さくして流動媒体の循環流を輸送層に達するようにガス速度を上げることで流動媒体を循環させており、炉構造により循環流を発生させているが、循環流は炉の構造、形状に依存しておりスケールアップに限界がある。このため流動層内に大きな伝熱面積を設置することができない。さらに、炉構造、形状や流動媒体により循環量が決定されるため、焼却炉の起動、停止時や被焼却物により流動媒体循環量を変化させる必要があっても制御することができない。
また、仕切りの下には矢印134のように流動媒体を抜き出す抜出口123があり、燃焼室116と熱回収室117をつなぐ通路は流動媒体を流動させる構造になっていないため、流動媒体を抜き出さない場合、仕切り121の下の流動媒体は流動化せず、燃焼室116と熱回収室117とをつなぐ通路を塞いでしまうので、いくら熱回収室117の流動媒体を輸送層により燃焼室116側に移動させたとしても循環流は起こらない。流動媒体を抜き出した場合でも仕切り121下端付近の流動媒体の流動化は活発ではないため、仕切り121下の通路は流動媒体が流れにくい。また流動媒体の流れは抜出口123にも向かうため大きな循環流は得られない。
また、図8、9に示した流動床焼却炉113b、113cは、流動媒体を燃焼室116から熱回収室117に仕切り121の上端を越えて移動させているため、燃焼室116に投入した被焼却物、特にRDFなど比重の軽いものは流動媒体に同伴して熱回収室117側に混入し、それに伴い熱回収室117で腐食性ガスが発生し伝熱管119の高温腐食を引き起こす。さらに被焼却物やそれに含まれる不燃物が伝熱管119の間や周りに絡まり、流動媒体の循環流や流動化を妨げ連続運転を不可能にする。
本発明の課題は、流動層における熱回収を連続的、効率的に行え、かつ流動床焼却炉の弾力的な運転をできるようにすることにある。
上記課題を達成するため、本発明の流動床焼却炉は、流動媒体が流動する流動層内に設けられ、焼却されるべき被焼却物を焼却する燃焼室と熱を回収する熱回収室とに区画する仕切手段と、該仕切手段の下、前記燃焼室および前記熱回収室の各領域毎に前記流動媒体を流動させる流体を吹き出す流体吹出手段とを備え、前記燃焼室と前記熱回収室とは前記仕切手段の下で連通して構成する。
燃焼室と熱回収室は、互いに流動媒体が流動する流動層内で仕切手段によって仕切られて区画され、かつ仕切手段の下で連通するように形成される。そして、仕切手段の下領域、燃焼室の領域および熱回収室の領域毎に流体吹出手段を備えるので、各領域毎に流動媒体を流動させる流体を吹き出させることができる。ここで、熱回収室の流体吹き出し条件、たとえば流体吹き出し流量を燃焼室の吹き出し流量よりも大きくしておけば、流動媒体は、熱回収室の上部から仕切手段の上端を越えて燃焼室の側に移動し、燃焼室の下部から仕切手段の下を通過して熱回収室に移動し、流動媒体の循環流を発生させることができる。
今、被焼却物が燃焼室に投入されるように被焼却物の投入口を設ければ、被焼却物は燃焼室に投入され、ここで焼却される。被焼却物が焼却されるときに発生する腐食性ガスは、燃焼室からその上方に揮散し、熱回収室に侵入することはほとんどなくなる。したがって、熱回収室に設けられる伝熱管は、上記腐食性ガスによって腐食される恐れは大巾に低減ないしほとんどなくなる。
さらに、前記仕切手段の下に設けられる流体吹出手段は、前記流体の吹き出しを調節可能にしてなることである。仕切手段の下に設けられる流体吹出手段の流体の吹き出しを調節することにより、仕切手段の下を流動化させ、燃焼室から熱回収室に流動媒体を流れるようにできる。
そして、前記仕切手段の下端高さに略等しい位置に前記流動層の圧力を検出する圧力検出手段を設けてなることである。この場合、圧力検出手段を燃焼室と熱回収室の各々に設け、この両室の圧力差を測定することができるようにする。燃焼室の圧力が熱回収室の圧力よりも高くなるように調節することが容易になり、これにより、流動媒体の循環流を先にあげた循環流にすることができ、良好に制御することが可能になる。
本発明の流動床焼却炉は、流動媒体を燃焼室から仕切りの下を通過させて熱回収室に移動させ、仕切りの上を越えて移動させることにより、熱回収室の伝熱管の腐食される恐れを大巾に低減ないしほとんどなくし、熱回収室の伝熱管による焼却炉の運転停止などを回避し、かつ蒸気を高温高圧化するものであり、熱回収の高効率化を可能とするものである。また、流動床焼却炉の運転を連続的、効率的に行い、かつ燃焼室、仕切りの下、熱回収室各領域の流体の吹き出しを各々調節することにより流動床焼却炉の弾力的な運転をできるようにするものである。
また、上記課題を達成するため、本発明の流動床焼却炉の運転方法は、上記いずれかの流動床焼却炉を使用し、前記流動媒体を前記燃焼室から前記熱回収室に前記仕切手段の下を通過して移動させ、前記熱回収室から前記燃焼室に前記仕切手段の上を越えて移動させることを特徴とする。
流動媒体を燃焼室から熱回収室に仕切手段の下を通過して移動させ、熱回収室から燃焼室に仕切手段の上を越えて移動させることにより、先に流動床焼却炉の作用と同様に、被焼却物を燃焼室に投入するように形成すれば、被焼却物は燃焼室で焼却され、伝熱管を腐食させる腐食性ガスは燃焼室の上方に揮散し、熱回収室に侵入することがほとんどなくなる。したがって、熱回収室に設けられる伝熱管は、上記腐食性ガスによって腐食される恐れが大巾に低減ないしほとんどなくなり、熱回収室の伝熱管による流動床焼却炉の運転停止などが回避され、流動床焼却炉の運転を連続的、効率的に行える。さらに、燃焼室、仕切りの下、熱回収室各領域の流体の吹き出しを各々調節することにより流動床焼却炉の弾力的な運転ができる。
本発明の流動床焼却炉または流動床焼却炉の運転方法によれば、流動層における熱回収を連続的、効率的に行え、かつ流動床焼却炉の弾力的な運転ができる。
以下、本発明に係る流動床焼却炉およびこの運転方法の実施形態を図面に基いて説明する。なお、図1〜5において、同一又は同等部分には同一符号を付けて示す。
図1は、本発明に係る流動床焼却炉の一実施形態を示す一部省略断面図である。本実施形態の流動床焼却炉1は、都市ごみ、RDF、産業廃棄物などの被焼却物35を焼却し、それにより発生する廃熱を回収しエネルギーとして利用するものである。すなわち、流動床焼却炉1は、廃熱ボイラ29の下に設けられ流動媒体が流動する流動層4が内部に形成される焼却炉の本体3において流動層4内に設けられ、焼却されるべき被焼却物35を焼却する燃焼室10と熱を回収する熱回収室12とに区画する仕切手段としての仕切り7と、流動媒体を流動させる流体としての空気34を吹き出す流体吹出手段である空気吹出装置16とを備える。焼却炉の本体3の上方には、後述の燃焼室10に被焼却物35が直接投入される投入口27が設けられる。空気吹出装置16は、空気34を吹き込む散気管18と、散気管18に空気34を供給する分岐管19と、散気管18から吹き出される空気を調節するダンパー20とを有する。空気34は、図示していない押込送風機(FDF)から供給される。
図2は、図1の下部拡大図である。上記のように、流動床焼却炉1は、焼却炉の本体3の内部に形成される流動層4内に配置される仕切手段としての仕切り7を有し、この仕切り7によって仕切られ区画される燃焼室10および熱回収室12が形成される。燃焼室10および熱回収室12は、この仕切り7の下で連通する。熱回収室12は、廃熱ボイラ29で生成される蒸気を過熱する伝熱管13を有し、配管14より廃熱ボイラから蒸気が供給され、伝熱管13で過熱蒸気となり配管15よりタービンに供給される。
空気吹出装置16は、燃焼室10の領域に設けられる空気吹出装置16aと、仕切り7の下の領域に設けられる空気吹出装置16bと、熱回収室12の領域に設けられる空気吹出装置16cとに分割されて設けられ、各空気吹出装置16からの吹き出し空気量は独立して調節することが可能に形成される。空気吹出装置16aは、空気を吹き出す散気管18a〜18cと、散気管18a〜18cに空気を分岐し供給する分岐管19a〜19cと、各分岐管19a〜19cに空気34の吹き出しを調節可能にするダンパー20a〜20cとを有する。空気吹出装置16bと空気吹出装置16cについても、それぞれ散気管18d、18e、18f、分岐管19d、19e、19f、ダンパー20d、20e、20fを有する。ここで、散気管18a〜18fからの空気吹き出し調節は、空気流量を調節することであるが、空気吹き出し圧力を調節することができるようにすることもできる。また、仕切り7は、空気吹出装置16bの散気管18dの直上に設けられる。
また、流動床焼却炉1は、仕切り7の下端8高さに略等しい位置に流動層4の圧力を検出する圧力検出手段としての燃焼室側圧力測定器25aおよび熱回収室側圧力測定器25bが設けられる。そして、両室の圧力差を測定することにより循環流のモニタリングが可能である。
以上の構造を有する本実施形態の流動床焼却炉は、次のように作用する。すなわち、図2において、燃焼室10および熱回収室12は、互いに流動媒体が流動する流動層4内で仕切り7によって仕切られて区画され、かつ仕切り7の下で連通するように設けられる。そして、仕切り7の下領域、燃焼室10の領域および熱回収室12の領域毎に空気吹出装置16a〜16cを備えるので、各領域毎に流動媒体を流動させる空気34の吹き出し条件を調整し吹き出させることができる。ここで、たとえば熱回収室12の空気吹き出し量を燃焼室10の空気吹き出し量よりも大きくしておけば、流動媒体は、熱回収室12の上部から仕切り7の上端9を越えて、矢印38で示すように、燃焼室10の側に移動し、燃焼室10の下部から仕切り7の下を、矢印39で示すように、通過して熱回収室12に移動し、流動媒体の循環流れを発生させることができる。
今、図1に示すように、被焼却物35を燃焼室10に投入するように投入口27を設ければ、被焼却物35は燃焼室10に投入、焼却され、先に記したように、流動媒体は循環する。したがって、燃焼室10に投入される被焼却物35はRDFのように比重が軽い物でも仕切り上端9から熱回収室12へ混入しない。腐食性ガスは燃焼室10から、矢印40で示すように、その上方に揮散し熱回収室12に侵入することがほとんどなくなるので、熱回収室12に設けられる伝熱管13は、上記腐食性ガスによって腐食される恐れが大幅に低減ないしほとんどなくなる。
さらに、図2に示すように、仕切り7の下に設けられる空気吹出装置16bの空気量を調節することにより、仕切り7の下を燃焼室10から熱回収室12に流動媒体が流れるように流動化させることができる。そして、燃焼室側圧力測定器25aと熱回収室側圧力測定器25bにより、各圧力とを測定し、燃焼室10の圧力が熱回収室12の圧力よりも高くなるように調節することができ、流動媒体の循環流を良好に制御することができる。
流動床焼却炉1は、流動媒体を燃焼室10から仕切り7の下を介して熱回収室12に移動させ、仕切り7の上を越えて移動させることにより、熱回収室12の伝熱管13を腐食させる恐れが大巾に低減ないしほとんどなくなり、熱回収室の伝熱管13による焼却炉の運転停止が回避され、焼却炉の運転を連続的、効率的に行え、かつ燃焼室10、仕切り7の下、熱回収室12各領域の空気の吹き出しを各々調節することにより流動床焼却炉1の弾力的な運転ができる。
図3は、仕切り下の空気量比をパラメーターとする熱回収室単位面積当り空気量/燃焼室単位面積当り空気量と流動媒体循環量との関係曲線図である。横軸は熱回収室12に供給される単位面積当りの空気量を燃焼室10に供給される単位面積当りの空気量で割った比をとっており、縦軸は流動媒体の循環量をとっている。パラメーターとして、仕切り下の空気量比をとり、曲線36は仕切り下の空気量比=6の場合、曲線37は仕切り下の空気量比=2の場合を表わしている。この図に示すように、熱回収室12の単位面積当り空気量(熱回収室12の空塔速度)と燃焼室10の単位面積当りの空気量(燃焼室10の空塔速度)の比を1.2程度以上とすることで流動媒体の循環流が発生する。また、仕切り7直下からの供給空気量が多いほど循環量が多いことが分かる。
図4は、本流動床焼却炉の作用を示し、仕切り下の散気管に空気を供給しない場合の説明図である。仕切り7直下の散気管18dから空気を供給しない場合、散気管18d上の斜線で示す部分24の流動媒体が流動しないため、仕切り下端8と散気管18dの間の空間が塞がれ流動媒体の移動ができなくなる。
図5は、本流動床焼却炉の作用を示し、仕切り下の散気管に空気を供給する場合の説明図である。散気管18dからの供給空気を多くして仕切り下端8と散気管18dの間の空間の流動化を活発にするほど流動媒体が移動し易くなり、循環流が大きくなる。逆に散気管18dからの供給空気量を少なくすると、流動媒体の動きが抑制され循環流が小さくなる。
図2に示すように、各散気管18の供給空気量を調節する際、散気管18e、18fの供給空気量を多く設定して熱回収室12の空塔速度を大きくし、散気管18a〜18cの供給空気量を少なく設定して燃焼室10の空塔速度を小さくする。これにより、二つの室に圧力差が生じ、熱回収室12の流動媒体が燃焼室10へ仕切り上端9からオーバーフローさせ、かつ熱回収室12下部に流動媒体が押し込まれるような流れをつくり、熱回収室12の流動媒体が下から上に流れるような循環流を生成させる。
都市ごみなど被焼却物は、投入口27(図1)より燃焼室10に投入されるため、被焼却物は熱回収室12に混入せず、燃焼室10で焼却される。被焼却物は燃焼室10で650〜900℃で焼却される。被焼却物に含まれる塩化ビニルなどの塩素分は、350℃以上で完全に熱分解するので、燃焼室10で被焼却物が焼却される間に塩素分は揮散し、燃焼ガスに同伴して流動層上方に抜ける。HClなどの腐食性ガスは流動媒体の循環流の中に同伴することはなく、熱回収室12は塩素分を含まない雰囲気を形成し、伝熱管13でボイラ蒸気を500℃程度に過熱する場合でも塩素分は腐食に影響しない程度に低減でき、伝熱管13の塩素分による高温腐食は発生しない。
また、媒体循環量は散気管18dの供給空気量により調節可能なため、被焼却物や流動媒体の性状が変化した場合においても最適な循環量を設定でき、被焼却物に含まれる塩素分など腐食成分の濃度や燃焼室10で塩素分が揮散する時間に対応する循環量を設定できる。焼却炉の設計に関しても炉形状によらず循環量の調節が可能であるので炉の大きさや仕切り下端と散気管との間の寸法などを大きな自由度をもって設計できる。
次に、本発明の流動床焼却炉の運転方法の一実施形態について、図2を利用して説明する。本流動床焼却炉の運転方法は、上記いずれかに記載の流動床焼却炉1を運転する方法で、流動媒体を燃焼室10から熱回収室12に仕切手段としての仕切り7の下を通過して移動させ、熱回収室12から燃焼室10に仕切り7の上を越えて移動させることである。
流動媒体を燃焼室10から熱回収室12に仕切り7の下を通過して移動させ、熱回収室12から燃焼室10に仕切り7の上を越えて移動させることにより、先に流動床焼却炉1の作用と同様に、被焼却物を燃焼室10に投入されるように形成すれば、被焼却物は燃焼室10で焼却され、伝熱管13を腐食させる腐食性ガスは燃焼室10から、その上方に揮散し、熱回収室12に侵入することがほとんどなくなる。したがって、熱回収室12に設けられる伝熱管13は、上記腐食性ガスによって腐食される恐れが大巾に低減ないしほとんどなくなり、熱回収室の伝熱管13による流動床焼却炉1の運転停止などが回避され、流動床焼却炉1の運転を連続的、効率的に行える。さらに、燃焼室10、仕切り7の下、熱回収室12各領域の空気の吹き出しを各々調節することにより流動床焼却炉1の弾力的な運転ができる。
本発明に係る流動床焼却炉の一実施形態を示す一部省略断面図である。 図1の下部拡大図である。 仕切り下の空気量比をパラメーターとする熱回収室単位面積当り空気量/燃焼室単位面積当り空気量と流動媒体循環量との関係曲線図である。 本流動床焼却炉の作用を示し、仕切り下の散気管に空気を供給しない場合の説明図である。 本流動床焼却炉の作用を示し、仕切り下の散気管に空気を供給する場合の説明図である。 従来技術に係る流動床焼却炉の一例を示す系統図である。 図6の流動床部分の拡大図である。 従来技術に係る流動床焼却炉の別の例を示す説明図である。 従来技術に係る流動床焼却炉のさらに別の例を示す説明図である。
符号の説明
1 流動床焼却炉
4 流動層
7 仕切り(仕切手段)
8 下端
10 燃焼室
12 熱回収室
16、16a〜16c 空気吹出装置(流体吹出手段)
25a、25b 圧力測定器(圧力検出手段)
34 空気(流体)

Claims (4)

  1. 流動媒体が流動する流動層内に設けられ、焼却されるべき被焼却物を焼却する燃焼室と熱を回収する熱回収室とに区画する仕切手段と、該仕切手段の下、前記燃焼室および前記熱回収室の各領域毎に前記流動媒体を流動させる流体を吹き出す流体吹出手段とを備え、前記燃焼室と前記熱回収室とは前記仕切手段の下で連通してなる流動床焼却炉。
  2. 請求項1において、前記仕切手段の下に設けられる流体吹出手段は、前記流体の吹き出しを調節可能にしてなる流動床焼却炉。
  3. 請求項1または2において、前記仕切手段の下端高さに略等しい位置に前記流動層の圧力を検出する圧力検出手段を設けてなる流動床焼却炉。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の流動床焼却炉の運転方法において、前記流動媒体を前記燃焼室から前記熱回収室に前記仕切手段の下を通過させて移動させ、前記熱回収室から前記燃焼室に前記仕切手段の上を越えて移動させる流動床焼却炉の運転方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017142030A (ja) * 2016-02-10 2017-08-17 三菱日立パワーシステムズ株式会社 流動床火炉

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