JP2006002733A - 圧縮機 - Google Patents

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秀尚 田中
Koji Hamaoka
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Abstract

【課題】インバータ制御により、回転数を可変できる圧縮機において、駆動回路および圧縮機の低コスト化を実現する。
【解決手段】永久磁石を持たない回転子5と銅巻線、鉄板からなる固定子4とにより構成されるリラクタンスモータ(SRモータ)6と、リラクタンスモータ6によって駆動される圧縮要素7と、冷媒が封入されリラクタンスモータ6と圧縮要素7とを収容する密閉容器1とからなり、駆動回転数を任意に可変出来るものであり、圧縮機のモータ6の回転子は永久磁石を持たず、鉄のみで構成されるシンプルな構造であるため、モータ6自身の材料費と、製造コストを低減でき、低価格なインバータ圧縮機を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に冷蔵庫やエアコンに用いられるインバータ駆動の電動圧縮機に関するものである。
近年、地球環境保護意識の高まりから、家電製品の消費電力量の低減は重要な課題である。このような中で、家庭用冷凍冷蔵庫においては、モータ回転子に永久磁石を有したブラシレスDCモータを使用し、インバータ制御を行って、圧縮機の回転を商用電源周波数より低速で駆動することで、消費電力量を低減するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、永久磁石を有した高価なブラシレスDCモータに代わり、安価なスイッチトリラクタンスモータをブラシレスモータとして応用するものもある(例えば特許文献2参照)。
図6は特許文献1に記載された、従来の圧縮機に使用されているモータ固定子の上面図、図7は従来の圧縮機に使用されているモータ回転子の上面図、図8は従来の圧縮機の駆動制御装置の回路図である。
図6から図8において、固定子201は、コア202に形成されたティース203に巻線204が直接的に巻回されている集中巻き型の固定子を形成する。回転子205は、鉄心206に板状の永久磁石207が埋め込まれているIPM型の回転子を形成する。圧縮機208には、固定子201と回転子205からなるモータ209にシャフト(図示せず)を介して圧縮機構210を動作させている。
商用電源211を整流する整流回路212は、倍電圧整流方式を採用しており、AC100Vを入力として、DC280Vを出力としている。インバータ213は、スイッチ素子を3相ブリッジ接続した構成であり、整流回路212の直流出力を3相の任意電圧、任意周波数の出力に変換し、モータ209に電力を供給する。また各相に対して各々120°の通電を行うことで、矩形波の交番電流が供給される。
逆起電圧検出回路214は、モータ209の固定子巻線に発生する逆起電圧から、回転子の回転相対位置を検出し、ドライブ回路215は、インバータ213のスイッチ素子をオン/オフさせる。
転流回路216は、モータ209が定常運転しているときに、逆起電圧検出回路214の出力により、インバータ213のどの素子をオンさせるか決定する。PWM制御回路217は、インバータ213のスイッチ素子の上側アームまたは下側アームのスイッチ素子をチョッピングし、PWM(パルス幅変調)制御を行う。パルス幅のデューティ(パルス周期中のオン時間の割合)を増減させることで出力電圧を上昇・下降させることが出来る。
以上のように構成された圧縮機制御装置について、次に動作について説明する。
モータ209が停止状態から起動させる時には、逆起電圧が発生しないため、逆起電圧検出回路による回転子位置の検出は不可能である。従ってインバータ213から強制的に低周波数、低デューティの出力を出し、同期運転により強制的に回転子を回転させる(一般的に低周波同期駆動と呼ばれる)。
同期運転により、ある程度速度が上昇すると、モータ209の固定子巻線に逆起電圧が発生し、逆起電圧検出回路214からの位置検出信号を転流回路216で加工し、ドライブ回路215に与えることにより、通常の運転(位置検出によるフィードバック制御)を行うこととなる。
DCモータは、印加電圧を変化させることで回転数を制御する事が可能であり、PWM制御回路217からのデューティを大きくすると、回転数が上昇し、逆にデューティを小さくすると、回転数が低下することになる。
また、逆起電圧検出回路216の位置検出信号出力は、回転子の回転と完全に同期していることから、この信号により回転数を検出し、デューティを調節することで、モータの回転数制御が可能となる。
図9は、特許文献2に記載された従来のスイッチトリラクタンスモータ(以下SRモータ)の回路図である。
図9において、SRモータ100は6個の突極を持つ固定子101と、4個の突極を持つ回転子102とからなる。固定子101の相対する2つの突極部分に各々固定子巻線103A,103B,103Cが巻かれている。各々の固定子巻線103A,103B,103Cは独立しているため、SRモータ100からの電力引き出し線は合計6本となっている。スイッチ素子104は、直流電源(図示せず)の正電源と固定子巻線103Aの端子間に接続され、スイッチ素子105は、直流電源の負電源と固定子巻線103Aのもう一方の端子間に接続されている。
また、スイッチ素子106は、直流電源の正電源と固定子巻線103Bとの端子間に接続され、スイッチ素子107は、直流電源の負電源と固定子巻線103Bのもう一方の端子間に接続されている。また、スイッチ素子108は、直流電源の正電源と固定子巻線103Cの端子間に接続され、スイッチ素子109は、直流電源の負電源と固定子巻線103Cのもう一方の端子間に接続されている。
また、モータの磁気回路からのエネルギーを回収するためにダイオード110〜115を設けている。各スイッチ素子104,106,108と固定子巻線103A,103B,103Cの間に、直流電源の負電源側をアノードとしてダイオード110,111,112が各々接続されている。
また、各スイッチ素子105,107,109固定子巻線103A,103B,103Cの間に、直流電源の正電源側をカソードとしてダイオード113,114,115が各々接続されている。
次にこのように構成された従来のSRモータについて、その動作を説明する。
回転子102が、図9に示した位置にある時、スイッチ素子104と105をオンにすると、巻線103Aが励磁される。すると磁束が通りやすくなるように、即ち固定子101の突極部と回転子102の突極部が向かい合う方向を向くように、リラクタンストルクを発生させる。即ち回転子102は反時計回りに回転することになる。
両者の突極が完全に向かい合う前に、スイッチ素子104,105をオフすることにより、固定子巻線103Aに蓄えられたエネルギーは、ダイオード110,113を介して電源側に回収される。
この動作を、回転子102の突極部の位置に応じて、順次固定子巻線103B,103Cの励磁を繰り返すことにより、回転子は回転を続けることになる。
特開平3−55478号公報 特開2001−186693号公報
しかしながら、特許文献1に示す上記従来の構成では、圧縮機モータの回転子には永久磁石が必要であり、モータ材料費と、マグネット埋め込み工数が増加し、モータコストが上がるため、低価格な圧縮機を提供することは困難という課題を有していた。
さらにモータを駆動するインバータ回路も3相のフルブリッジ構成であり、6石のスイッチ素子及び各々のスイッチ素子を駆動するためのドライブ回路が必要であり、回路の大型化と、高価なインバータ回路が必要であった。
また、特許文献2に示す上記従来のSRモータの構成では、スイッチ素子が6個、ダイオードが6個必要であり駆動回路が大型化してしまう課題と、高価な駆動回路が必要という課題があった。
さらにモータからの引き出し線が6本必要であり、3相ブラシレスDCモータに比べて多くの引き出し線が必要で、特に圧縮機の様な密閉容器から多くの線を引き出す事は非常に困難であり、圧縮機の大型化や工数増加といった課題を有している。さらに、トルク発生方向が回転子の半径方向であることから、回転子および固定子に発生する歪みにより圧縮機の振動及び騒音が増大してしまうという課題を有していた。
これらの課題のうち、スイッチ素子およびダイオードの個数、引き出し線の本数削減には、2相巻線構成とする方法が一般的であるが、この場合トルクリプルが増大し、振動および騒音がさらに大きくなる課題を有している。
さらに、2相巻線構成ではモータが逆回転する可能性を有しており、圧縮機の場合、逆転保護装置や、逆転検出装置を負荷する必要があり、コストアップが避けられない。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、低価格・低振動・低騒音を実現するインバータ圧縮機と、これを駆動する小型・低価格なインバータ回路を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機は、永久磁石を持たない回転子と銅巻線、鉄板からなる固定子とにより構成されるリラクタンスモータと、前記リラクタンスモータによって駆動される圧縮要素と、冷媒が封入され前記リラクタンスモータと前記圧縮要素とを収容する前記密閉容器とからなり、駆動回転数を任意に可変出来る構成となっている。
これにより、回転子は鉄のみで構成されるシンプルな構造であるため、モータ自身の材料費と、製造コストを低減できる様になる。
また、前記リラクタンスモータを、回転子に自然数の3倍の数の第1突極部を有し、固定子に自然数の4倍の数の第2突極部を有し、前記第2突極部に2相の巻線が巻かれ、隣り合うお互い別相の前記巻線が巻かれた前記第2突極部同士は近接し、隣り合うお互い同相の前記巻線が巻かれた第2突極部同士は離れるように前記第2突極部の先端にティースが設けられたスイッチトリラクタンスモータとしたのである。
これにより2相のスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)で有りながらモータの騒音および振動を大幅に低減することが可能となる。
また、回転子の第1突極部の回転方向に補助突極部を設けることにより、モータの逆転を防止できる。
さらに固定子外周部の隣り合う別相の巻線が巻かれたスロット部に磁気障壁を設けることにより、固定子の漏れ磁束が減少し、トルクを発生させる磁束量が増加する結果、モータ効率が向上する。
また、回転子の回転位置を検出する回転位置検出手段と、回転位置検出手段によって検出された回転位置に応じて巻線の通電を行う少なくとも2つのスイッチ素子とを備えることにより、スイッチ素子数の削減が可能となり駆動回路の小型・低コスト化が実現できる。
また、起動時スイッチ素子を一定時間強制的に通電し、通電完了後の他のスイッチ素子から起動を開始する制御回路を備えることで、起動時に固定子を所定の位置に固定することが可能となり、確実な起動を実現することができる。
本発明の圧縮機は、回転子に永久磁石を持たないリラクタンスモータとして、新たな構成の2相スイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)を使用し、2相モータの課題であったモータの逆転を排除したことで、圧縮機の材料コストの低減出来ると共に、圧縮機の駆動回路も低コストで構成でき、逆転保護機能、逆転検出回路等を付加する必要が無いため、低価格なインバータ制御の冷凍システムを提供できる。
さらに本発明による圧縮機のSRモータは、従来のSRモータにおける課題であった振動および騒音を大幅に低減できることから、低振動・低騒音の圧縮機が実現できる。
また、漏れ磁束の低減によりトルクを発生するための有効磁束量を増大出来る結果、モータ効率向上による圧縮機COPを向上することが可能となるため、冷蔵庫あるいはエアコンの消費電力量を低減することが実現できる。
また、起動時に固定子を確実に所定位置に固定することにより、確実な起動が実現できるようになり、起動不良による冷却不良を回避することが出来る。
請求項1に記載の圧縮機の発明は、永久磁石を持たない回転子と銅巻線、鉄板からなる固定子とにより構成されるリラクタンスモータと、前記リラクタンスモータによって駆動される圧縮要素と、冷媒が封入され前記リラクタンスモータと前記圧縮要素とを収容する密閉容器とからなり、駆動回転数を任意に可変出来るものであり、圧縮機のモータの回転子は永久磁石を持たず、鉄のみで構成されるシンプルな構造であるため、モータ自身の材料費と、製造コストを低減できる結果、圧縮機の構成部品のなかで大きなコストを占めるモータ自体の価格を抑えることが出来るので、低価格なインバータ圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の圧縮機の発明は、請求項1に記載の発明におけるリラクタンスモータが、回転子に自然数の3倍の数の第1突極部を有し、固定子に自然数の4倍の数の第2突極部を有し、前記第2突極部に2相の巻線が巻かれ、隣り合うお互い別相の前記巻線が巻かれた前記第2突極部同士は近接し、隣り合うお互い同相の前記巻線が巻かれた第2突極部同士は離れるように前記第2突極部の先端にティースが設けられたスイッチトリラクタンスモータであるものであり、2相モータで有りながらモータの騒音および振動を大幅に低減することが可能となり、低振動・低騒音の圧縮機を提供することができる。
請求項3に記載の圧縮機の発明は、請求項2に記載の発明における回転子の第1突極部の回転方向に補助突極部を設けたものであり、モータの逆転を防止できるようになり、圧縮機の逆転防止機能や逆転検出回路等を付加する必要が無く、低コストな冷却システムを構成することが可能となる。
請求項4に記載の圧縮機の発明は、請求項2または3に記載の発明における固定子の外周部の隣り合うお互いの別相の巻線が巻かれたスロット部に磁気障壁を設けたものであり、固定子の漏れ磁束が減少し、トルクを発生させることが出来る磁束量が増加し、モータ効率が向上する結果、圧縮機のCOPを上げることができ高効率な冷却システムを提供することができる。これにより冷蔵庫やエアコンの消費電力量を低減する事ができる。
請求項5に記載の圧縮機の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載の発明に加えて、回転子の回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記回転位置検出手段によって検出された回転位置に応じて前記巻線の通電を行う少なくとも2つのスイッチ素子とを備えたものであり、スイッチ素子の削減が可能となり駆動回路の小型・低コスト化が実現できる結果、低価格なインバータ冷却システムを提供することが可能となる。
請求項6に記載の圧縮機の発明は、請求項2から5のいずれか一項に記載の発明に加えて、巻線の通電を行う少なくても2つのスイッチ素子と、起動時前記スイッチ素子を一定時間強制的に通電し、通電完了後の他のスイッチ素子から起動をスタートするようにした制御回路とを備えたものであり、起動時に固定子を所定の位置に固定することが可能となり、確実な起動を実現出来ることから、圧縮機の起動不良による、冷蔵庫あるいはエアコンの冷却不良を防止することができる。
請求項7に記載の圧縮機の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明における圧縮要素が、圧縮室を形成するシリンダと、前記圧縮室内に往復自在に挿入されたピストンと、主軸部および偏芯軸部を備えたクランクシャフトと、前記ピストンと前記編芯軸を連結する連結手段とを備えたものであり、レシプロ型の機構において請求項1から請求項6に記載の発明と同様の効果を得ることができる。さらにレシプロ型の圧縮機では、構造上モータによる騒音および振動が圧縮機外部にでにくいため、騒音及び振動はより小さくすることが出来る。
請求項8に記載の圧縮機の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明における冷媒がR600aであるものであり、商用電源周波数以上の高速駆動が可能となるため、冷凍能力が低い冷媒においても圧縮機のピストンが小さくでき、圧縮機の振動を小さく出来る。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態による圧縮機の断面図、図2は同実施の形態による圧縮機のスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)の断面図である。
図1において、密閉容器1内にはオイル2を貯溜するとともにR600aの冷媒3が封入され、固定子4と回転子5からなるスイッチトリラクタンスモータ6及びこれによって駆動される圧縮要素7がスプリング等により弾性的に支持されており、モータによる騒音および振動が圧縮機外部に漏れにくい構成となっている。
圧縮要素7は、回転子5が固定された主軸部8及び偏芯軸部9から構成されたクランクシャフト10と、クランクシャフト10の主軸部8を軸支すると共に圧縮室11を有するシリンダ12と、圧縮室11内で往復運動するピストン13と、偏芯軸部9とピストン13を連結する連結手段14とを備え、レシプロ型の圧縮機構を構成している。
図2において、回転子5は、ほぼ等間隔で6つの突極部15(第1突極部)を有する。即ち6個の山を持つ歯車形状をしている。また、各々の山と谷は、ほぼ等間隔でならんでいる。また回転子5には、リラクタンスのアンバランスを発生させるために、補助突極部15Aを6つの突極部15の回転方向に設けている。図2の場合、回転子5の回転方向は反時計回りである。
固定子4には8個の突極部16(第2突極部)を有している。各突極部には各々ティース17を持ち、ティース17は突極部16の片側のみにあり、ティース17がある側の突極部16は同様にティースを有するようにしているので、お互いの突極部16は隣接することになる。
一方、突極部16のティース17の無い側の突極部16はティース17が無いため、お互いの突極部は離れることになる。即ち、この構造は交互に突極部16があるのではなく、ほぼ等間隔で2つ連続して存在し、その後一つ分の突極間隔とほぼ同間隔で何もない区間が存在する事になる。
A相の巻線18、B相の巻線19は固定子4の8カ所の突極部16に集中巻きで巻かれている。また互いに隣り合い近接している突極部には別の相の巻線が巻かれ、一方の隣り合い離れている突極部16には同じ相の巻線が巻かれている。
磁気障壁20は、固定子4の円周上で隣り合うお互いの別相の巻線が巻かれたスロットの部分に設けられている。ここでは単に穴をあけることによって空気層による磁気障壁を実現している。
以上の様に構成されたスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)について、その動作を図2により説明する。
図2においてA相の巻線18が励磁されているとする。この時磁路は、磁路21に示す経路となる。今、回転子5は磁路に対してもっとも磁束が通りやすい位置にあり、巻線インダクタンスは最大となっている。
次にA相の巻線18の励磁を停止し、その磁気エネルギーが完全に無くなった状態で、次にB相の巻線19を励磁する。A相の場合同様に隣り合い、しかも離れた突極部16に磁路が発生する。
しかし、図示された位置での磁路は不完全なので、磁路を形成する方向にリラクタンストルクが発生する。この時、回転子5に設けられた補助突極部15Aによる磁路のアンバランスを是正するために、回転子5は反時計方向に回転することになる。
この動作を繰り返すことにより、回転子5は回転を続けることとなり、回転子5の回転運動を、クランクシャフト10、偏芯軸部9により往復運度に変換され、連結されたピストン13の往復運動により、シリンダ12内への冷媒の吸入、および圧縮、吐出といった動作を行う。
尚、実際には励磁を切っても蓄積されたエネルギーがすぐには放出されないため、図示された位置まで励磁されることはなく、その前に励磁を遮断することになる。
本モータでのトルクは、6カ所の内4カ所の突極部で発生しているため、発生する力が分散される結果、固定子及び回転子の歪みを小さくすることが出来、振動及び騒音が低減する。また突極部16の利用効率が高いことからモータ効率が向上することから、圧縮機のCOPが上がり、冷蔵庫やエアコンの消費電力の低減が実現する。
各相の巻線の励磁によって発生する磁路は隣り合い、しかも離れた突極部16に発生するので、固定子4の外周上に設けた磁気障壁20の部分には磁路は存在せず、磁気障壁20によって磁束の漏洩を防止できるので、磁束を有効に活用出来る。
次に、本SRモータを搭載した圧縮機の駆動回路について説明する。図3は本発明の実施の形態1における圧縮機の駆動回路である。
図3において、A相巻線18、B相巻線19は、図2に示す各相4本の巻線を直列に接続している。直流電源22はモータ駆動用の電源であり、商用電源を入力として、整流および平滑回路により得られる。
本実施の形態において、第1スイッチ素子23および第2スイッチ素子24、第3スイッチ素子25には、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いている。
第1および第2スイッチ素子のエミッタは、直流電源22の負端子に接続され、コレクタはそれぞれA相巻線18、B相巻線19の一端に接続している。また、第3スイッチ素子25のコレクタは、直流電源22の正端子に接続され、エミッタはA相巻線18およびB相巻線19の他端に接続している。
モータの磁気回路からのエネルギーを回収するためのダイオードは3個有しており、ダイオード26は第1スイッチ素子23のコレクタと直流電源22の正端子に接続され、ダイオード27は第2スイッチ素子24のコレクタと直流電源22の正端子に接続されている。またダイオード28は第3スイッチ素子25のエミッタと直流電源22の負端子に接続されている。
回転位置検出手段(回転位置検出回路)29には、一般的にはエンコーダやホールセンサ等が用いられるが、圧縮機では、密閉された容器内にモータが格納されており、モータは高温冷媒および高温オイルにさらされるため、モータに流れる電流から回転子5の相対位置を推定する事で検出している。
制御回路30では回転位置検出手段29により推定した回転子5の位置情報をもとに巻線を励磁する信号を作り出し、その信号に応じて第1、第2、第3スイッチ素子のオン・オフを制御するものである。
以上の様に構成された駆動回路について、その動作を図3と図4により説明する。
図4は本発明の実施の形態1の駆動回路の動作を示すタイミングチャートと、モータ回転中の駆動回路の動作波形を示している。
図4の(a)はA相巻線18とB相巻線19のインダクタンス変化であり、A相巻線を実線、B相巻線を波線で示している。固定子4の突極部16と回転子5の突極15が相対したとき、インダクタンスは最大となり、インダクタンス最小部では回転子5の補助突極部15Aによるアンバランスが発生する。
図4の(b)は回転位置検出手段29からの位置信号で、図4の(c),(d),(e)は、それぞれ第1、第2、第3スイッチ素子のゲート信号波形、図4の(f),(g)は、それぞれA相巻線、B相巻線に流れる電流波形を示している。
回転子5の回転に伴い、図4の(b)に示す様に、回転位置検出回路29からの位置信号は変化する。ここでは回転子5の突極部15と固定子4の突極部16が相対する位置で位置信号が変化するようにしている。
尚、図1に示している構造のモータの場合、回転位置検出手段からの出力信号が12回変化した時点が機械的な1回転となる。
A相巻線18のインダクタンスが正の傾きで変化しているとき、A相巻線18を励磁すると正方向の回転トルクが発生する。従って回転位置検出手段29からの位置信号が‘L’レベルから‘H’レベルに変化する正方向エッジを検出した後に、A相巻線18を励磁するために、第1スイッチ素子23をオンして電流を流す。
また、回転数を調整するために第1スイッチ素子はPWM(パルス幅変調)制御することによりその電流を図4の(f)に示すように制御を行う。
また、第1スイッチ素子23をオフにしても、A相巻線18のインダクタンスにより電流はすぐに遮断出来ない。このようにA相巻線18のインダクタンスが負の傾きで変化しているとき、A相巻線18が励磁すると負方向の回転トルクが発生し、回転子の回転に対してブレーキがかかるため、モータ効率が低下してしまう。
従って、回転位置検出手段29からの位置信号が負方向エッジを検出するまでにA相巻線の励磁を停止させるために、所定時間前に第1スイッチ素子23をオフさせ、負トルクが発生するまでに電流を遮断または、殆ど影響ないレベルにまで減少させる。
ここで第3スイッチ素子25を第1スイッチ素子23と同期させてオンにし、同期させてオフにすることにより、次のような動作を行う。ただし、第3スイッチ素子25は、図4の(e)に示すようにPWM制御は行わない。
電流が流れている状態で、第1スイッチ素子23と第3スイッチ素子25を同時にオフにすると、A相巻線18のエネルギーは、ダイオード26とダイオード28とを介して、エネルギーを直流電源22に回収することにより、電流が減少する率を増加させ時間を短くすることができる。
第2スイッチ素子24は、B相巻線19のインダクタンスの変化に従って、第1スイッチ素子23と同様な状態で動作させることによって回転を継続させる。
第3スイッチ素子25は、第2スイッチ素子24がオンしているタイミングで同期してオンとする。すなわち、第3スイッチ素子25は、第1スイッチ素子23がオン、または第2スイッチ素子24がオンする時にPWM制御を入れないでオンさせる。
本実施の形態1では、スイッチ素子を3個使用しているが、第3スイッチ素子25は、巻線の励磁をオフさせた時の電流の傾きを大きくするものであるので、インダクタンスの値などにより変わるので、削減することも可能である。この時同時にダイオード28も削減できることになる。
次に起動時の動作について図5を用いて説明する。図5は本発明の実施の形態1の駆動回路の起動時の動作を示すフローチャートである。
STEP1で停止状態から運転信号が入力される。前回停止した時に回転子5は、どの位置で止まっているか確定できないため、まず回転子5の位置を所定位置まで移動させる。そのためにSTEP2でA相巻線18に一定時間通電することにより、回転子5の突極部15と固定子4の突極部16とが相対する位置に回転子5を持ってくる。
ここで通電のレベル(例えばPWM制御のデューティ)は回転子5を移動させるのに十分なレベルであり、一定時間は移動後回転子5の回転振動が十分に収まる時間をいう。
次に回転子5が所定位置迄移動後、STEP3でB相巻線19への通電をスタートする。すると補助突極部15Aによるインダクタンスのアンバランスにより、所定方向(本実施の形態1においては反時計まわり方向)に回転がスタートする。STEP2で所定位置に回転子5は移動しているので、回転方向は回転子5の補助突極部15Aにより決定され、逆転することなく正常に回転行動に移ることができる。
次にSTEP4で回転位置検出回路29からの位置信号による転流に切り替え、回転を継続させる。STEP5で印加電圧を上昇(PWM制御のデューティ幅を上昇)させ、回転数を増加させていく。
目標とする回転数まで到達すると、STEP6で印加電圧の上昇を停止させ、STEP7で回転数制御に入る。ここでは回転数を見ながら印加電圧の微調整を行う。
以上説明した通り、本発明の実施の形態1において、6個の突極部15を持つ回転子5と、固定子4と、固定子4に設けられた8個の突極部16と、突極部16に巻かれた2相の巻線18,19と、隣り合うお互い別相の巻線18,19が巻かれた突極部16は近接し、隣り合うお互い同相の巻線18,19が巻かれた突極部16は離れるように設けたティース17とからなるSRモータ構造としたものであり、2相巻線でありながらリタクタンスの変化は連続的となり、トルクリップルが小さくなると共にトルク発生方向が4方向となり、分散することができるため、モータの騒音および振動が非常に小さくなる結果、圧縮機の騒音および振動を低減できる。
本実施の形態において、圧縮機はレシプロ型であるため、モータによる騒音及び振動は圧縮機の外部に伝わりにくい構成となっているため、冷蔵庫やエアコン等の低騒音化および低振動化には大きな効果が得られる。
また、回転子5の突極部15の回転方向側に設けた補助突極部15Aを設けることにより、補助突極部15Aによりリラクタンスにアンバランスを生じさせることができ、逆転が無くなり、逆回転に対する配慮が不要となるため、逆転保護機能、逆転検出回路等を付加する必要が無く、このモータを搭載した圧縮機の採用により、低価格なインバータ制御の冷凍システムを提供できる
固定子4の外周部の隣り合うお互いの別相の巻線18,19が巻かれたスロット部に設けた磁気障壁20を備えることにより、片相を励磁した場合、他相への磁気漏洩を防ぐことで、モータ効率を向上出来る為、圧縮機COP向上による冷蔵庫あるいはエアコンの消費電力量を低減することが可能になる。
回転子5の回転位置を検出する回転位置検出手段29と、回転位置に応じて巻線の通電を行う2つのスイッチ素子23,24とを備えることにより、少なくとも2つのスイッチ素子23,24で回転させることができるので、駆動回路が小型化になり、しかも工数が大幅に削減できコストも大幅に削減できる。しかも、モータからの引き出し線は3本であり、従来の3相モータを使用した圧縮機と同等であり、圧縮機の大型化が防止できる。
起動時スイッチ素子を一定時間強制的に通電し、通電完了後の他のスイッチ素子から起動をスタートするようにした制御回路とを備えたスイッチトリラクタンスモータとすることにより、起動時に所定位置まで回転子を回転させ、常に安定した起動をすることができるため、起動不良による冷蔵庫およびエアコンの冷却不良を防止することが可能である。
尚、実施の形態1における説明において、スイッチ素子23,24,25はIGBTとしたが、FET等別のスイッチ素子を用いても特に問題ない。
以上のように、本発明による圧縮機は、圧縮機と駆動回路を低価格で提供できるので、自動販売機、店舗用ショーケース、除湿器等の圧縮機を利用した機器等へも適用できる。
本発明の実施の形態1の圧縮機の断面図 本発明の実施の形態1の圧縮機に使用したスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)の断面図 本発明の実施の形態1の圧縮機の駆動回路を示す図 本発明の実施の形態1の駆動回路の動作を示すタイミングチャート 本発明の実施の形態1の駆動回路の起動時の動作を示すフローチャート 従来の圧縮機の固定子の上面図 従来の圧縮機の回転子の上面図 従来の圧縮機の駆動制御装置の回路図 従来のスイッチトリラクタンスモータの回路図
符号の説明
1 密閉容器
3 冷媒
4 固定子
5 回転子
6 スイッチトリラクタンスモータ
7 圧縮要素
8 主軸部
9 偏芯軸部
10 クランクシャフト
11 圧縮室
12 シリンダ
13 ピストン
14 連結手段
15 第1突極部
16 第2突極部
17 ティース
18,19 巻線
20 磁気障壁
23,24,25 スイッチ素子
29 回転位置検出手段
30 制御回路

Claims (8)

  1. 永久磁石を持たない回転子と銅巻線、鉄板からなる固定子とにより構成されるリラクタンスモータと、前記リラクタンスモータによって駆動される圧縮要素と、冷媒が封入され前記リラクタンスモータと前記圧縮要素とを収容する密閉容器とからなり、駆動回転数を任意に可変出来る圧縮機。
  2. リラクタンスモータは、回転子に自然数の3倍の数の第1突極部を有し、固定子に自然数の4倍の数の第2突極部を有し、前記第2突極部に2相の巻線が巻かれ、隣り合うお互い別相の前記巻線が巻かれた前記第2突極部同士は近接し、隣り合うお互い同相の前記巻線が巻かれた第2突極部同士は離れるように前記第2突極部の先端にティースが設けられたスイッチトリラクタンスモータである請求項1に記載の圧縮機。
  3. 回転子の第1突極部の回転方向に補助突極部を設けた請求項2に記載の圧縮機。
  4. 固定子の外周部の隣り合うお互いの別相の巻線が巻かれたスロット部に磁気障壁を設けた請求項2または3に記載の圧縮機。
  5. 回転子の回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記回転位置検出手段によって検出された回転位置に応じて前記巻線の通電を行う少なくとも2つのスイッチ素子とを備えた請求項2から4のいずれか一項に記載の圧縮機。
  6. 巻線の通電を行う少なくても2つのスイッチ素子と、起動時前記スイッチ素子を一定時間強制的に通電し、通電完了後の他のスイッチ素子から起動をスタートするようにした制御回路とを備えた請求項2から5のいずれか一項に記載の圧縮機。
  7. 圧縮要素は、圧縮室を形成するシリンダと、前記圧縮室内に往復自在に挿入されたピストンと、主軸部および偏芯軸部を備えたクランクシャフトと、前記ピストンと前記編芯軸を連結する連結手段とを備えた請求項1から6のいずれか一項に記載の圧縮機。
  8. 冷媒がR600aである請求項1から7に記載の圧縮機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014038202A1 (ja) * 2012-09-07 2014-03-13 三菱重工業株式会社 輸送機械用の電動圧縮機
JP2015133853A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 株式会社Ihi センサレスモータ装置
JP2017028940A (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 株式会社荏原製作所 スイッチドリラクタンスモータのセンサレス駆動装置、および該センサレス駆動装置を備えたモータ装置

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