JP2006002144A - 接着剤及びモータに対する永久磁石の固定方法並びに永久磁石式モータ - Google Patents
接着剤及びモータに対する永久磁石の固定方法並びに永久磁石式モータ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】熱伝導性及び充填性がいずれも高く、永久磁石の冷却性を大幅に高めることが可能な接着剤及びモータに対する永久磁石の固定方法を提供する。
【解決手段】モータ1の永久磁石5を固定するのに用いる接着剤6であって、メソゲン基を含むポリマー7の100重量部に対して、メソゲン基及び重合性基を分子中に含むモノマー8を50〜500重量部含み、ポリマー7及びモノマー8を溶解する溶剤を10〜100重量部を含ませた。モータ1の磁石用孔3aに永久磁石5を固定するに際して、まず、永久磁石5の表面に上記接着剤6を塗布し、この接着剤6に含まれる溶剤を揮発させて永久磁石5の表面に液晶コーティング層を形成し、この永久磁石5をモータ1の磁石用孔3aに挿入した後、液晶コーティング層を加熱処理して接着力を生じさせることによって、モータ1の磁石用孔3aに永久磁石5を固定する。
【選択図】 図2
【解決手段】モータ1の永久磁石5を固定するのに用いる接着剤6であって、メソゲン基を含むポリマー7の100重量部に対して、メソゲン基及び重合性基を分子中に含むモノマー8を50〜500重量部含み、ポリマー7及びモノマー8を溶解する溶剤を10〜100重量部を含ませた。モータ1の磁石用孔3aに永久磁石5を固定するに際して、まず、永久磁石5の表面に上記接着剤6を塗布し、この接着剤6に含まれる溶剤を揮発させて永久磁石5の表面に液晶コーティング層を形成し、この永久磁石5をモータ1の磁石用孔3aに挿入した後、液晶コーティング層を加熱処理して接着力を生じさせることによって、モータ1の磁石用孔3aに永久磁石5を固定する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、永久磁石式モータに係り、特に、永久磁石を固定するのに好適な接着剤及び永久磁石の固定方法に関するものである。
永久磁石式モータは、その出力が増すと、ステータに巻いたコイルの電流が増して発熱したり、永久磁石内の過電流によって発熱したりするが、この永久磁石の発熱に伴う温度上昇は、永久磁石の磁力が減じてしまうといった事態を招く恐れがあるため、モータの出力性能の維持ないし向上を実現し得る冷却技術の構築が望まれている。
「機械工学便覧」社団法人 日本機械学会 発行 昭和63年5月15日 A8−46〜A8−56
ところが、従来の永久磁石式モータにおいて、永久磁石を固定するのに用いる接着剤は、熱伝導率が低いこと、充填性が悪いこと、といった欠点を有しており、磁石固定部と永久磁石との間の接着層が、発熱した永久磁石の断熱層として作用してしまうことから、永久磁石の冷却の妨げとなっている。
そこで、熱伝導性フィラーを充填して、接着剤の熱伝導性及び充填性を高める試みがなされているが、熱伝導性フィラーを多く充填した場合には、接着剤の粘性が上昇して充填時に空気を巻き込んでしまい、一方、熱伝導性フィラーの充填量を少なく抑えた場合には、満足し得る熱伝導性を得ることができず、結果として、いずれの場合も、永久磁石の冷却性を高めることができないという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、熱伝導性及び充填性がいずれも高く、永久磁石の冷却性を大幅に高めることが可能な接着剤を提供することを目的としている。
本発明は、モータの永久磁石を固定するのに用いる接着剤であって、メソゲン基を含むポリマー100重量部に対して、メソゲン基及び重合性基を分子中に含むモノマーを50〜500重量部含み、上記ポリマー及びモノマーを溶解する溶剤10〜100重量部を含む構成としたことを特徴としており、この接着剤の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
また、本発明のモータに対する永久磁石の固定方法は、モータの磁石固定部に永久磁石を固定するに際して、まず、永久磁石の表面に請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤を塗布し、この接着剤に含まれる溶剤を揮発させて上記永久磁石の表面に液晶コーティング層を形成し、この液晶コーティング層を有する永久磁石をモータの磁石固定部に位置させた後、上記液晶コーティング層を加熱処理して永久磁石及びモータの磁石固定部間に接着力を生じさせることによって、モータの磁石固定部に永久磁石を固定する構成としている。
さらに、本発明のモータにおいて、永久磁石が上記接着剤を用いて固定してある構成としている。
本発明の接着剤において、メソゲン基とは、液晶性を発現する官能基を示す。具体的には、表1に示すように、ビフェニル,ターフェニル,フェニルベンゾエート,アゾベンゼン,スチルべンやその誘導体などが挙げられる。
通常、メソゲン基を含むモノマーは常温で固体であり、その取り扱いは困難であるが、接着剤中に溶剤を含むことから液状となり、永久磁石が減磁してしまう恐れのある温度まで加熱溶融させることなく塗布することができる。
ここで、好ましい溶剤としては、キシレン,トルエン,メチルエチルケトン等が挙げられるが、揮発性及び上記ポリマーや上記モノマーの溶解性を示す溶剤であれば、この限りではない。そして、メソゲン基を含むポリマーを含むことから、溶剤を揮発させた後に成膜が可能である。
本発明の接着剤によれば、上記した構成としているので、熱伝導を促進させることができ、したがって、永久磁石の冷却性能の大幅な向上を実現することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
本発明の接着剤において、モノマーの重合性基及び液晶ポリマーの主鎖骨格は、エポキシ基,アクリル酸基,メタクリル酸基のうちの少なくとも1種の重合性基を含んでいる構成を採用することができ、この場合には、熱による重合が可能である。特にエポキシ基を用いた場合には、重合後の硬化物は熱的にも機械的にも安定し、磁石や磁石固定部をはじめとして様々な物に対して良好な接着力を得ることができる。
また、本発明の接着剤において、モノマー及びポリマーよりも熱伝導率の高いフィラーを有している構成としてもよく、このような構成を採用することで、磁石固定部と永久磁石との間の接着層の熱伝導効率を高めることが可能となる。
さらに、本発明の接着剤において、フィラーの体積抵抗率を1010Ωcm以上とした構成とすることもでき、この場合には、接着剤層に渦電流発生に伴う発熱が起こらない。ここで、絶縁性フィラーとして、絶縁性及び熱伝導性の観点から、例えば、アルミナ,シリカ,酸化マグネシウム,酸化ベリリウム,窒化アルミ,窒化ホウ素,窒化けい素,炭化けい素,ダイヤモンド等を使用することができる。
この際、永久磁石の表面に請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤を塗布し、この接着剤に含まれる溶剤を揮発させることで、上記永久磁石の表面に液晶コーティング層を形成することができる、すなわち、接着剤の塗布及び溶剤の揮発という平易な手段で液晶コーティング層を形成することができる。
一般に、永久磁石とロータとの固定のために、永久磁石を所定位置にセットした後に接着剤を注入する手法も採用されるが、本発明の成膜方法では、永久磁石の表面にあらかじめ液晶コーティング層をコーティングしているため、上記接着剤の注入工程が不要なものとなる。加えて、接着剤の塗布量や濃度を変えることで、液晶コーティング層の厚みのコントロールが可能である。
一方、本発明のモータに対する永久磁石の固定方法において、上記したように、液晶コーティング層を有する永久磁石をモータの磁石固定部に位置させた後、上記液晶コーティング層を加熱処理させると、モノマーが熱重合性であることから、加熱処理により重合して永久磁石及びモータの磁石固定部間に接着力が生じることとなる。
また、本発明のモータに対する永久磁石の固定方法において、永久磁石に磁力を与える熱処理の段階で液晶コーティング層を加熱処理して、これにより生じる接着力でモータの磁石固定部に永久磁石を固定する構成としてもよく、このように、接着剤が硬化する前に磁場を印加することで、接着剤中のメソゲン基の分子鎖を磁場方向に配向させることができ、磁場を印加しながら熱処理すれば、メソゲン基を上記のように配向した状態で固定化して、この配向状態を使用中も維持することが可能になる。
ここで、メソゲン基は、その分子鎖の軸方向の熱伝導率が高いことから、磁場方向、すなわち、ロータの径方向の熱伝導性が向上する。したがって、磁石の熱伝導方向と接着剤の熱伝導方向とが一致することから、磁石で発した熱をロータへ効率良く伝達可能となり、加えて、磁石に磁力を与える工程で印加する磁場を利用できるので、分子鎖の配向のための磁場印加工程を別個に設ける必要がなくなる。
さらに、本発明のモータに対する永久磁石の固定方法において、接着剤の熱処理温度を永久磁石の磁力が減じる温度よりも低く設定することができ、このような構成を採用することで、永久磁石の磁力が減じるのを回避することが可能である。
そして、本発明のモータでは、永久磁石を上記接着剤を用いて固定するように成すことで、発熱した永久磁石の熱伝導性を高めて温度の上昇を少なく抑え得ることとなり、その結果、出力の向上が図られることとなる。
このような永久磁石式モータとして、永久磁石の近傍に磁歪素子を配置したロータの磁気特性を回転に応じて変化させるモータが知られている。上記ロータは、その回転による応力によって透磁率が変化する磁歪素子の特性を利用したもので、磁石などに作用する遠心力で磁歪素子に応力を印加して、ロータ特性を可変とするものである。このような磁歪素子を備えた永久磁石式モータにも先の接着剤を適用することができる。
この場合、接着剤は、比較的硬度の高いものであることから、永久磁石に作用した応力が確実に磁歪素子に印加され、高回転側で磁束の透過を確実に抑制し得ることとなる。したがって、モータの誘起電圧は抑制され、弱めの界磁制御に用いるエネルギが抑制されて、高効率化に貢献し得ることとなる。
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
図1及び図2は本発明の一実施例を示している。
図1及び図2は本発明の一実施例を示している。
図1に示すように、この永久磁石式モータ1は、ステータコア2と、ロータ3と、シャフト4を備えており、ロータ3に設けた軸方向に貫通する磁石用孔(モータの磁石固定部)3aには、永久磁石5が接着剤6を介して固定してある。
上記接着剤6は、メソゲン基を含むポリマー7と、メソゲン基及び重合性基を含むモノマー8と、これらのポリマー7及びモノマー8を溶解する溶剤とで主として構成してあって、ポリマー100重量部に対してモノマーを50〜500重量部含み、上記溶剤10〜100重量部を含むものとしてある。そして、この実施例では絶縁フィラー9が配合してあり、モノマー8は重合性基としてエポキシ基を有している。
上記ロータ3の磁石用孔3aに永久磁石5を固定するに際しては、まず、永久磁石5の表面に上記接着剤6を塗布し、この接着剤6に含まれる溶剤を揮発させて永久磁石5の表面に液晶コーティング層を形成し、この液晶コーティング層を有する永久磁石5をロータ3の磁石用孔3aに挿入した後、永久磁石5に磁力を与える熱処理の段階で液晶コーティング層を加熱処理して、これにより生じる接着力でロータ3の磁石用孔3aに永久磁石5を固定するようにしている。
この場合、接着剤6を熱硬化させる前に磁場を印加することにより、メソゲン基を一方向に規則的に配向させている、すなわち、メソゲン基の延在方向を熱伝導方向に略一致させている。
上記接着剤6のモノマー8はその配向方向の熱伝導性が良いので、発熱した永久磁石の5の熱をロータ3に効率良く伝達可能であり、また、モノマー8は、エポキシ基を重合性基としていることから、熱的にも機械的にも安定した接着性が得られる。なお、図2では、絶縁フィラー9の粒子径が均一な場合を示しているが、絶縁フィラー9の粒子径が互いに異なっていても何ら支障はない。
[実施例2]
図3は本発明の他の実施例を示しており、この実施例では、磁場を印加せずに接着剤26を熱硬化させるようにしていて、他の構成は先の実施例と同じである。
図3は本発明の他の実施例を示しており、この実施例では、磁場を印加せずに接着剤26を熱硬化させるようにしていて、他の構成は先の実施例と同じである。
上記したように、磁場を印加せずに接着剤26を熱硬化させているので、図3に示すように、メソゲン基を含んだモノマー8を一方向に規則的に配向させているとは言えないが、メソゲン基を含んだモノマー8は、磁場を印加しなくても自己配向する特性を有していることから、上記接着剤26は、メソゲン基を含まないモノマー、ポリマーからなる接着剤と比較して熱伝導性に優れている。
[実施例3]
図4は本発明のさらに他の実施例を示しており、この実施例では、接着剤36が導電性のフィラー39を配合している場合を示していて、他の構成は実施例1と同じである。
図4は本発明のさらに他の実施例を示しており、この実施例では、接着剤36が導電性のフィラー39を配合している場合を示していて、他の構成は実施例1と同じである。
この実施例において、接着剤36のフィラー39が導電性を有していることから、この接着剤36の層に渦電流発生に伴う発熱が生じる可能性がないとは言えないものの、上記接着剤36も、メソゲン基を含まないモノマー、ポリマーからなる接着剤と比較して熱伝導性に優れている。
[実施例4]
図5は本発明のさらに他の実施例を示しており、この実施例では、接着剤46が絶縁フィラー9を含まない場合を示していて、他の構成は実施例1と同じである。
図5は本発明のさらに他の実施例を示しており、この実施例では、接着剤46が絶縁フィラー9を含まない場合を示していて、他の構成は実施例1と同じである。
この実施例において、接着剤46を熱硬化させる前に磁場を印加することにより、メソゲン基を一方向に規則的に配向させている、すなわち、メソゲン基の延在方向を熱伝導方向に略一致させているので、発熱した永久磁石の5の熱をロータ3に効率良く伝達可能であり、また、上記接着剤46は、メソゲン基を含まないモノマー、ポリマーからなる接着剤と比較して熱伝導性に優れている。
[実施例5]
図6は本発明のさらに他の実施例を示しており、図6に示すように、この実施例における永久磁石式モータ1Aも、実施例1の永久磁石式モータ1と同様に、ステータコア(図示省略)と、ロータ3と、シャフト4を備えており、ロータ3に設けた軸方向に貫通する磁石用孔(モータの磁石固定部)3aには、永久磁石5及びこの永久磁石5の外向き面側に接触状態で位置する磁歪素子10が接着剤6を介して固定してある。
図6は本発明のさらに他の実施例を示しており、図6に示すように、この実施例における永久磁石式モータ1Aも、実施例1の永久磁石式モータ1と同様に、ステータコア(図示省略)と、ロータ3と、シャフト4を備えており、ロータ3に設けた軸方向に貫通する磁石用孔(モータの磁石固定部)3aには、永久磁石5及びこの永久磁石5の外向き面側に接触状態で位置する磁歪素子10が接着剤6を介して固定してある。
上記ロータ3の磁石用孔3aに永久磁石5及び磁歪素子10を固定するに際しては、まず、永久磁石5の外向き面に上記接着剤6を塗布して磁歪素子10を接着するのに続いて、永久磁石5及び磁歪素子10の磁石用孔3aとの接触面に上記接着剤6を塗布した後、この接着剤6に含まれる溶剤を揮発させて磁石用孔3aとの接触面に液晶コーティング層を形成し、この液晶コーティング層を有する永久磁石5及び磁歪素子10をロータ3の磁石用孔3aに挿入する。
次いで、永久磁石5に磁力を与える熱処理の段階で液晶コーティング層を加熱処理して、これにより生じる接着力でロータ3の磁石用孔3aに永久磁石5及び磁歪素子10を固定するようにしている。
この場合にも、接着剤6を熱硬化させる前に磁場を印加することにより、メソゲン基を一方向に規則的に配向させている、すなわち、メソゲン基の延在方向を熱伝導方向に略一致させている。
この実施例において、永久磁石5及び磁歪素子10を固定するのに実施例1における接着剤6を用いたが、上記実施例2〜4における接着剤26,36,46のいずれもを用いることができ、上記接着剤6,26,36,46のうちのいずれかの接着剤で永久磁石5及び磁歪素子10を固定すると、磁歪素子10に印加する応力が均一になると共に、熱伝導性に優れたものとなる。
[比較例1]
図7は比較例を示しており、この比較例の接着剤56は、メソゲン基を含まないポリマー57と、メソゲン基及び重合性基を含むモノマー58と、熱伝導性のフィラー59とから主として構成してある。
図7は比較例を示しており、この比較例の接着剤56は、メソゲン基を含まないポリマー57と、メソゲン基及び重合性基を含むモノマー58と、熱伝導性のフィラー59とから主として構成してある。
この比較例において、ポリマー57にメソゲン基を含まないことから、接着剤の熱伝導性能が低下し、その結果、上記した実施例1〜4の接着剤と比較して冷却性能が劣ってしまう。
[比較例2]
図8は他の比較例を示しており、この比較例の接着剤66は、メソゲン基を含むポリマー67と、メソゲン基を含まないモノマー68と、熱伝導性のフィラー69とから主として構成してある。
図8は他の比較例を示しており、この比較例の接着剤66は、メソゲン基を含むポリマー67と、メソゲン基を含まないモノマー68と、熱伝導性のフィラー69とから主として構成してある。
この比較例において、モノマー68にメソゲン基を含まないことから、接着剤の熱伝導性能が低下し、その結果、上記した実施例1〜4の接着剤と比較して冷却性能が劣ってしまう。
[比較例3]
図9はさらに他の比較例を示しており、この比較例の接着剤76は、メソゲン基を含むポリマー77と、熱伝導性のフィラー79とから主として構成してある。
図9はさらに他の比較例を示しており、この比較例の接着剤76は、メソゲン基を含むポリマー77と、熱伝導性のフィラー79とから主として構成してある。
この比較例において、接着剤がポリマー77及びフィラー79だけで構成されていることから、表面活性が低く、その結果、上記した実施例1〜4の接着剤と比較して、永久磁石5とロータ3との間の接着力が劣ってしまい、品質の信頼性の点で問題があり、モータ1の使用環境によっては、クラックCが生じる可能性がある。
[比較例4]
図10はさらに他の比較例を示しており、この比較例の接着剤86は、メソゲン基を含むポリマー87と、メソゲン基及び重合性基を含むモノマー88とから主として構成してあり、ポリマー87が100重量部に対して、モノマー88を500重量部よりも多くしてある。
図10はさらに他の比較例を示しており、この比較例の接着剤86は、メソゲン基を含むポリマー87と、メソゲン基及び重合性基を含むモノマー88とから主として構成してあり、ポリマー87が100重量部に対して、モノマー88を500重量部よりも多くしてある。
この比較例において、接着剤のポリマー87分が少ないことから、溶剤の揮発後に成膜せずに、永久磁石5をロータ3の磁石用孔3aに挿入する際に、液晶コーティング層が剥離してしまう。その結果、上記した実施例1〜4の接着剤と比較して、永久磁石5とロータ3との間の接着力が劣ってしまい、品質の信頼性の点で問題がある。
上記した実施例において、ロータ3に4つの磁石用孔3aを形成して、これらの磁石用孔3aに永久磁石5をそれぞれ配置するようにしているが、永久磁石5の形状や個数はこれに限定されるものではなく、磁気設計に基づいて、適宜形状の永久磁石5を必要数配置することができる。
1 永久磁石式モータ
3 ロータ
3a 磁石用孔(モータの磁石固定部)
5 永久磁石
6,26,36,46 接着剤
7 メソゲン基を含むポリマー
8 メソゲン基及び重合性基を含むモノマー
9 絶縁フィラー
10 磁歪素子
39 導電性フィラー
3 ロータ
3a 磁石用孔(モータの磁石固定部)
5 永久磁石
6,26,36,46 接着剤
7 メソゲン基を含むポリマー
8 メソゲン基及び重合性基を含むモノマー
9 絶縁フィラー
10 磁歪素子
39 導電性フィラー
Claims (10)
- モータの永久磁石を固定するのに用いる接着剤であって、メソゲン基を含むポリマー100重量部に対して、メソゲン基及び重合性基を分子中に含むモノマーを50〜500重量部含み、上記ポリマー及びモノマーを溶解する溶剤10〜100重量部を含むことを特徴とする接着剤。
- モノマーの重合性基及び液晶ポリマーの主鎖骨格は、エポキシ基,アクリル酸基,メタクリル酸基のうちの少なくとも1種の重合性基を含んでいる請求項1に記載の接着剤。
- モノマー及びポリマーよりも熱伝導率の高いフィラーを有している請求項1又は2に記載の接着剤。
- フィラーの体積抵抗率を1010Ωcm以上とした請求項3に記載の接着剤。
- 永久磁石の表面に請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤を塗布し、この接着剤に含まれる溶剤を揮発させて上記永久磁石の表面に液晶コーティング層を形成することを特徴とする液晶コーティング層の成膜方法。
- モータの磁石固定部に永久磁石を固定するに際して、請求項5に記載の成膜方法によって永久磁石に液晶コーティング層を形成し、この液晶コーティング層を有する永久磁石をモータの磁石固定部に位置させた後、上記液晶コーティング層を加熱処理して永久磁石及びモータの磁石固定部間に接着力を生じさせることによって、モータの磁石固定部に永久磁石を固定することを特徴とするモータに対する永久磁石の固定方法。
- 永久磁石に磁力を与える熱処理の段階で液晶コーティング層を加熱処理して、これにより生じる接着力でモータの磁石固定部に永久磁石を固定する請求項6に記載のモータに対する永久磁石の固定方法。
- 接着剤の熱処理温度を永久磁石の磁力が減じる温度よりも低く設定する請求項6又は7に記載のモータに対する永久磁石の固定方法。
- 永久磁石が請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤を用いて固定してあることを特徴とする永久磁石式モータ。
- 永久磁石の近傍に磁歪素子を配置したロータを備えたモータであって、上記ロータの回転による応力を磁歪素子に印加することで透磁率を変化させてモータ出力特性を可変制御可能としたモータにおいて、上記永久磁石及び磁歪素子が請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤を用いて固定してあることを特徴とする永久磁石式モータ。
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