JP2006001980A - 樹脂の製造方法、樹脂微粒子の製造方法、樹脂微粒子、樹脂微粒子からなる画像形成粒子、現像剤、画像形成方法、画像形成粒子入り容器、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

樹脂の製造方法、樹脂微粒子の製造方法、樹脂微粒子、樹脂微粒子からなる画像形成粒子、現像剤、画像形成方法、画像形成粒子入り容器、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】 熱を受けた際の臭気発生が改善された、各種用途に用いられる樹脂及び樹脂微粒子の、効率的で環境への負荷の少ない製造方法、該樹脂微粒子からなり高画質の画像を形成し得る画像形成粒子、該画像形成粒子を含有する現像剤、該現像剤を用いる画像形成方法、画像形成粒子入り容器、該画像形成粒子を装填した画像形成装置、及び該装置に着脱可能なプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 少なくとも連鎖移動剤を含有するラジカル重合性単量体を重合させることにより得られる樹脂に、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて接触させ、該樹脂から連鎖移動剤を除去する連鎖移動剤除去工程を少なくとも含むことを特徴とする樹脂の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、臭気の少ない樹脂若しくは樹脂微粒子、それらを原料とする製品に関する。具体的には、成形加工性、生産性、成形品外観、剛性、表面硬さ、及び耐熱性のバランスに優れ、臭気の少ない食品包装容器等の用途に最適な新規樹脂及びそのシート、また、デイスプレー・フイルム視聴用の後方投影スクリーン・磁気記録媒体・液晶表示用スペーサ・各種照明器具などの光拡散剤、カラムの充填剤あるいは診断薬用の担体・ドラッグデリバリーシステムおよびバイオリアクターなどに用いられる重合体微粒子を製造する際の種粒子(単分散微粒子)、また、電子写真法・静電記録法・静電印刷法等に用いられる画像形成粒子の用途に最適な、重合体微粒子およびその画像形成粒子、及びその効率的な製造方法、並びに、該画像形成粒子を用いた現像剤、該現像剤を用いた画像形成方法、画像形成粒子入り容器、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
スチレン系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂、またこれらの共重合体は、透明性、剛性、成形性等に優れ、更に安価であることから家庭用品、玩具、OA機器のハウジング材、食品包装容器等の利用、また、重合体微粒子として、デイスプレー・フイルム視聴用の後方投影スクリーン・磁気記録媒体・液晶表示用スペーサ・各種照明器具などの光拡散剤やカラムの充填剤あるいは診断薬用の担体・ドラッグデリバリーシステムおよびバイオリアクターなどに用いられるを製造する際の種粒子(単分散微粒子)等への利用や、電子写真の画像形成粒子母体や外添剤への利用など、幅広い用途で使われている。
これら樹脂に用途に適した粘性・弾性を与えるため、滑剤や可塑剤の添加により、樹脂の溶融粘度を低くする方法がある。しかし、樹脂に滑剤や可塑剤を添加すると、得られる樹脂の特性や加工性に問題が生じる恐れがある。例えば、食品包装用シートを製造する際、シート製造時にシート表面に滑剤、可塑剤がブリードアウトし、シート表面やロールを汚染する為、シート外観が劣り、ロール掃除の頻度も多くなる。また、シートを成形する時、金型汚染や汚染物の成形品への転写が起こり、金型掃除の頻度が多く、成形品の外観も劣る為、生産性が損なわれる。射出成形時においても同様で、射出成形金型を汚染し、汚染物が成形品へ付着したりし、金型掃除の頻度が多く、また成形品の外観も劣る為、生産性が損なわれる。
このため、連鎖移動剤を用いて樹脂の分子量を制御し、用途に適した粘性・弾性を樹脂に与える方法がある。連鎖移動剤を添加する量は、滑剤や可塑剤を添加する場合と比べて非常に少ない。このため、連鎖移動剤を用いて得られる樹脂は、樹脂の特性や加工性への悪影響なく、用途に適した粘性・弾性が付与される。しかし、好適な連鎖移動剤として用いられるメルカプタン系、特にドデシルメルカプタンは、特有の臭気を有しており、加熱をされると、残存する連鎖移動剤が揮発し、臭気が発生する問題を有している。特に、食品包装容器やシートを電子レンジなどで加熱される時や、電子写真の熱定着などで、樹脂に残存する連鎖移動剤が揮発する影響は深刻である。食品包装容器やシートで発生する臭気は、食用に関わることなので、電子写真の熱定着時の臭気より更に低い濃度での臭気が問題となる。
この問題の対策として、スチレン単量体、メタクリル酸エステル単量体、連鎖移動剤の量を規定し、重合反応時の温度を制御する樹脂製造方法(特許文献1及び2参照)や、α−メチルスチレンダイマーを連鎖移動剤に用い重合する単分散微粒子の製造方法(特許文献3参照)、電子写真用画像形成粒子の製造方法では、特異な分子構造を有する連鎖移動剤を用いる方法(特許文献4〜8参照)や、洗浄工程時に添加物を加えて洗浄を行う方法(特許文献9〜15参照)や、消臭剤を添加する方法(特許文献16及び17参照)などがあるが、悪臭を生じる化合物を除去するには不十分で、問題を十分に解消し得る技術は未だ提供されていないのが現状である。
特開2001−026619号公報、 特開2001−031046号公報 特開平11−292907号公報 特開2001−281931号公報、 特開2002−040711号公報 特開2002−091067号公報 特開2002−091070号公報 特開2003−330226号公報 特開2002−131981号公報 特開2002−131982号公報 特開2002−131983号公報 特開2002−131985号公報 特開2002−139863号公報 特開2003−098744号公報 特開2003−149861号公報 特開2002−108015号公報 特開2003−098745号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて、少なくとも連鎖移動剤を含有するラジカル重合性単量体を重合させることにより得られる樹脂から連鎖移動剤を除去する連鎖移動剤除去工程を少なくとも含むことを特徴とする樹脂の製造方法により、悪臭に起因する連鎖移動剤を効率的に除去し、透明性、剛性、成形性等に優れた樹脂や樹脂微粒子、及びその効率的、かつ環境への負荷が小さい製造方法、前記樹脂微粒子を用いた画像形成粒子、更に前記画像形成粒子を用い、高画質化が可能な現像剤、該現像剤を用いる画像形成方法、画像形成粒子入り容器、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
即ち、少なくとも連鎖移動剤を含有するラジカル重合性単量体を重合させることにより得られる樹脂を、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用い一定時間接触処理することによって、該樹脂特性を劣化させることなく、前記樹脂に存在する連鎖移動剤を選択的に、かつ効率よく除去することができるという知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明の上記課題は、下記(1)〜(28)により達成される。
(1)「少なくとも連鎖移動剤を含有するラジカル重合性単量体を重合させることにより得られる樹脂に、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて接触させ、該樹脂から連鎖移動剤を除去する連鎖移動剤除去工程を少なくとも含むことを特徴とする樹脂の製造方法。」
(2)「前記重合性単量体が一種または二種以上のビニル単量体であることを特徴とする前記(1)に記載の樹脂の製造方法。」
(3)「前記重合性単量体として少なくともスチレンおよびアクリル酸誘導体もしくはメタクリル酸誘導体を使用することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の樹脂の製造方法。」
(4)「前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、樹脂を溶解させることなく、連鎖移動剤を溶解可能であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の樹脂の製造方法。」
(5)「前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、単体及び混合物のいずれかであることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の樹脂の製造方法。」
(6)「前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、少なくとも二酸化炭素を含むことを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の樹脂の製造方法。」
(7)「前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、有機溶媒を含むことを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の樹脂の製造方法。」
(8)「前記連鎖移動剤が溶解した超臨界流体及び亜臨界流体から連鎖移動剤を回収する工程が、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに溶解されている連鎖移動剤を析出させることにより行われることを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の樹脂の製造方法。」
(9)「少なくとも連鎖移動剤を含有するラジカル重合性単量体を重合させることにより得られる樹脂微粒子に、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて接触させ、該樹脂微粒子から連鎖移動剤を除去する連鎖移動剤除去工程を少なくとも含むことを特徴とする樹脂微粒子の製造方法。」
(10)「前記樹脂微粒子のメディアン径とモード径との比が1.10以下であることを特徴とする前記(9)に記載の樹脂微粒子の製造方法。」
(11)「重合開始剤が溶解している水系媒体中に、少なくとも、該水系媒体中に溶解したラジカル性重合性単量体及び該水系媒体中に溶解した連鎖移動剤を供給して重合し、重合粒子を形成することを特徴とする前記(9)又は(10)に記載の樹脂微粒子の製造方法。」
(12)「有機系媒体中に、該有機系媒体中には溶解するが、生成する重合体は該有機系媒体中には不溶性もしくは難溶性のラジカル性重合性単量体を加えて重合し重合粒子を形成する工程において、該工程中に連鎖移動剤を少なくとも1回以上添加することを特徴とする前記(9)又は(10)に記載の樹脂微粒子の製造方法。」
(13)「少なくとも、重合性単量体、重合開始剤を含有する重合性混合物を、懸濁安定剤を含有する水性分散媒系中に投入し、撹拌して重合することにより重合粒子を形成する工程において、該工程中に連鎖移動剤を少なくとも1回以上添加することを特徴とする前記(9)又は(10)に記載の樹脂微粒子の製造方法。」
(14)「前記(11)乃至(13)のいずれかに記載の製造方法で得られる樹脂微粒子を種粒子として、水性若しくは有機溶媒中に分散した溶液中において重合を行うシード重合の工程を、少なくとも1回以上行うことを特徴とする樹脂微粒子の製造方法。」
(15)「前記樹脂微粒子は、画像形成粒子製造時に用いられることを特徴とする前記(9)乃至(14)のいずれかに記載の樹脂微粒子の製造方法。」
(16)「前記樹脂微粒子は、画像形成粒子粒子の一部若しくは全体となることを特徴とする前記(9)乃至(15)のいずれかに記載の樹脂微粒子の製造方法。」
(17)「前記(9)乃至(16)のいずれかに記載の樹脂微粒子の製造方法により製造されることを特徴とする樹脂微粒子。」
(18)「前記(17)に記載の前記樹脂微粒子を用いて製造されることを特徴とする画像形成粒子。」
(19)「前記(18)に記載の画像形成粒子を含むことを特徴とする現像剤。
(20)「前記(19)に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
(21)「前記(18)に記載の画像形成粒子を容器中に収容してなることを特徴とする画像形成粒子入り容器。
(22)「潜像を担持する像担持体と、該像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された潜像に画像形成粒子を供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録紙に転写する転写手段と、該記録紙に転写された可視像を定着する定着手段と、転写後の該像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、該画像形成粒子として、前記(18)に記載の画像形成粒子を装填したことを特徴とする画像形成装置。
(23)「前記像担持体がアモルファスシリコン感光体であることを特徴とする前記(22)に記載の画像形成装置。」
(24)「発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、前記フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着することを特徴とする前記(22)に記載の画像形成装置。
(25)「前記像担持体上の潜像を現像する際に、交互電界を印加することを特徴とする前記(22)に記載の画像形成装置。
(26)「前記像担持体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも現像手段を含む一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は画像形成粒子を保持し、該画像形成粒子は、前記(18)に記載の静電荷現像用の画像形成粒子であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(27)「前記(22)乃至(25)のいずれかに記載の画像形成装置に装着することを特徴とする前記(26)に記載のプロセスカートリッジ。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は、以下の特徴、作用効果を有するものである。即ち、
前記(1)により、前記樹脂に存在する連鎖移動剤は、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体の少なくともいずれかにより除去される。その結果、樹脂が熱を受けた際に発生する臭気を改善することができる。
前記(2)により、透明性、剛性、成形性等に優れ、熱を受けた際に発生する臭気を改善された樹脂を得ることができる。
前記(3)により、透明性、剛性、成形性等に優れ、熱を受けた際に発生する臭気を改善され、且つ安価な樹脂を得ることができる。
前記(4)により、樹脂の特性や加工性への悪影響なく、熱を受けた際に発生する臭気を改善された樹脂を得ることができる。
前記(5)及び(6)により、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、単体及び混合物のいずれか、好ましくは少なくとも臨界温度の低い二酸化炭素を含むものを用いたことから、処理後の樹脂の前記超臨界流体及び前記亜臨界流体除去工程を略することができ、取扱い性にも優れる。
前記(7)により、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、前記有機溶媒を含むことから、前記樹脂の連鎖移動剤の除去が、より効率的に行われる。
前記(8)により、前記除去が連鎖移動剤の析出により行われることから、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体からの連鎖移動剤の取り出しが容易になり、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体の再利用が容易になる。
前記(9)により、前記樹脂から樹脂微粒子を造粒する工程を省くことができ、各種重合法により造粒された樹脂微粒子を、特性や加工性への悪影響を与えることなく、熱を受けた際に発生する臭気を改善することができる。
前記(10)により、前記樹脂微粒子のメディアン径とモード径の比が1.10以下である樹脂微子の製造することができる。
前記(11)〜(14)により、粒子径の揃った樹脂微粒子が得られる樹脂微粒子の製造方法であり、前記製造方法では前記連鎖移動剤を除去することが容易でないが、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いることで、特性や加工性への悪影響を与えることなく、熱を受けた際に発生する臭気を改善された樹脂微粒子を得ることができる。
前記(15)及び(16)により、樹脂微粒子が画像形成粒子に残存した場合でも、熱定着時の臭気を改善することができる。
前記(17)及び(18)により、樹脂微粒子が熱定着された時に発生する臭気を改善することができる。
前記(19)により、現像剤が前記本発明の画像形成粒子を含むことから、該現像剤を用いて電子写真法により画像形成を行うと、熱定着時に発生する臭気が改善され、低温定着性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
前記(20)により、熱定着時に発生する臭気が改善され、低温定着性に優れ、高画質の画像を形成することができる。
前記(21)により、容器に前記本発明の画像形成粒子が収容されてなるので、該画像形成粒子入り容器に収容された画像形成粒子を用いて電子写真法により画像形成を行うと、熱定着時に発生する臭気が改善され、低温定着性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
前記(22)により、画像形成装置は、前記本発明の画像形成粒子を用いているので、該画像形成粒子を使用する画像形成装置を用いて電子写真法により画像形成を行うと、熱定着時に発生する臭気が改善され、低温定着性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
前記(23)により、前記像担持体がアモルファスシリコン感光体であることから、該アモルファスシリコン感光体は、耐久性に優れ、また、前記本発明の画像形成粒子を用いるので、熱定着時に発生する臭気が改善され、低温定着性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
前記(24)により、前記画像形成装置は、ファーストコピー(1枚目のコピー時間)の時間を短縮することができ、また、前記本発明の画像形成粒子を用いるので、熱定着時に発生する臭気が改善され、低温定着性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
前記(25)により、前記像担持体上の潜像を現像する際に、交互電界を印加することから、鮮鋭な現像を行うことができ、また、前記本発明の画像形成粒子を用いるので、熱定着時に発生する臭気が改善され、低温定着性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
前記(26)により、前記プロセスカートリッジにおいては、画像形成装置に着脱可能であり、利便性に優れ、また、前記本発明の画像形成粒子を用いるので、熱定着時に発生する臭気が改善され、低温定着性に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
前記(27)により、上記(22)〜(25)のいずれかに記載の画像形成装置に上記(26)のプロセスカートリッジを用いることから、前記画像形成装置で得られる(22)〜(25)に挙げられる利点を損なうことなく、前記プロセスカートリッジにおいて、画像形成装置に着脱可能であり、利便性に優れ、また、前記本発明の画像形成粒子を用いるので、熱定着時に発生する臭気が改善され高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかにより連鎖移動剤を除去することにより、熱を受けた際の臭気発生を改善することができる、樹脂若しくは樹脂微粒子及びその効率的、かつ環境への負荷が小さい製造方法を提供することができ、更に、前記樹脂微粒子を用いた画像形成粒子、更に前記画像形成粒子を用いた高画質化が可能な現像剤、該現像剤を用いる画像形成方法、画像形成粒子入り容器、画像形成粒子を装填した画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
(樹脂及びその製造方法)
本発明の画像形成粒子等を構成する樹脂は、本発明の樹脂の製造方法により得られる。本発明の樹脂の製造方法は、連鎖移動剤除去工程を少なくとも含み、必要に応じて、適宜選択したその他の工程を含むものである。
ここでいう樹脂は、少なくとも、ラジカル重合性単量体、重合開始剤、連鎖移動剤の存在下で、ラジカル重合することによって得られる重合体を含む、単体若しくは混合物を指す。故に、重合体そのもの、混合物を含む重合体、重合体が金属や無機化合物や有機化合物に被覆・偏在・付着している、などの形態のものも含まれる。
以下、本発明の樹脂の製造方法、及びそれにより得られる樹脂を詳細に説明する。
−重合性単量体−
本発明における、重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体または多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
単官能性重合性単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類などが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス{4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル}プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス{4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル}プロパン、2,2’−ビス{4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル}プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルエーテル等が挙げられる。
上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンおよび(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等)を、単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することが望ましい。
−重合開始剤−
本発明において、重合性単量体に混合される重合開始剤は、重合性単量体を重合させる目的で添加される。
本発明に好ましく用いることができる重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物系重合開始剤;過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などの無機過酸化物、4価のセリウム塩などの酸化性金属塩などの酸化性物質と2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩等の還元性金属塩;アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミン等の炭素数1〜6程度のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1〜6程度)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1〜6程度)などの還元性物質との組み合わせからなるレドックス系開始剤を挙げることができる。
開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的には、重合性単量体重量に対し0.1〜20%、好ましくは0.5〜5%が望ましい。
−連鎖移動剤−
本発明において、重合性単量体を重合させる連鎖移動剤は、重合性単量体が重合することによって得られる重合体の重合度を調整するを目的で添加される。
前記連鎖移動剤としては、例えば、下記一般式(i)および一般式(ii)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006001980
〔式中、Rは、置換基を有してもよい炭素数が1〜10の炭化水素基であり、Rは、置換基を有してもよい炭素数が2〜20の炭化水素基を示す。また、RおよびRは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。〕
Figure 2006001980
〔式中、Rは、置換基を有してもよい炭素数が1〜20の炭化水素基を示す。〕
上記一般式(i)で示される特定の化合物としては、例えばチオグリコール酸エステル類、3−メルカプトプロピオン酸エステル類を好ましいものとして挙げることができる。具体的にはチオグリコール酸エステル類として、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸n−ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、トリメチロールプロパンのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステル、ソルビトールのチオグリコール酸エステルなどを挙げることができる。3−メルカプトプロピオン酸エステル類としては、3−メルカプトプロピオン酸エチルエステル、3−メルカプトプロピオン酸オクチルエステル、3−メルカプトプロピオン酸デシルエステル、3−メルカプトプロピオン酸ドデシルエステル、3−メルカプトプロピオン酸ペンタエリスリトールテトラキスエステル、エチレングリコールの3−メルカプトプロピオン酸エステル、ネオペンチルグリコールの3−メルカプトプロピオン酸エステル、トリメチロールプロパンの3−メルカプトプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールの3−メルカプトプロピオン酸エステル、ソルビトールの3−メルカプトプロピオン酸エステルなどを挙げることができる。
また、上記一般式(ii)で示される特定の化合物としては、例えばn−オクチルメルカプタン、2−エチルヘキシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、sec−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどを挙げることができる。
その他の連鎖移動剤としては、ジイソプロピルザントゲンジスルフィドなどのジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化炭素、二臭化酢酸エチル、三臭化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼン、二臭化エタン、二塩化エタンなどのハロゲン化炭化水素、ジアゾチオエーテル、ベンゼン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの炭化水素などを挙げることができる。
連鎖移動剤の添加量(使用量)は、重合体に対して0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜5質量%である。これにより、重合体の分子量を確実に調整することができる。
−架橋剤−
重合性単量体の重合に際して、次のような架橋剤を存在させて重合を行ない、画像形成粒子中に架橋重合体を生成させてもよい。
前記架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル酸アリル等、一般の架橋剤を適宜用いることができる。
−樹脂の製造方法−
本発明において、樹脂の全体若しくは部分である、重合体の製造方法について述べる。
本発明の重合体(樹脂)は、ラジカル重合性単量体のラジカル重合反応によって製造したものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等で、好ましくは懸濁重合等がある。本発明の樹脂は樹脂微粒子として得ることもできる。樹脂微粒子については、後で詳細を記す。
本発明の樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤、顔料、顔料分散剤、染料、染色助剤、退色防止剤、発泡剤、発泡核剤、無機フィラー、帯電制御剤、帯電防止剤、摺動剤、細孔形成剤、医薬組成物、酵素、補酵素、抗体、結合タンパク質、レクチン、ホルモン受容体等、公知の添加剤を含有することもできる。更に、本発明の樹脂は、GP−PSやHI−PS、MS樹脂、MBS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、PE、PP、PPO等公知の樹脂と組み合わせて使用することもできる。
重合体に公知添加剤や公知樹脂を含有させる手段として、重合反応時に含有させたい公知添加剤や公知樹脂を分散させて取り込ませる方法や、得られた重合体に公知添加剤や公知樹脂を加えて混合する方法、またはその組み合わせる方法などがある。
得られた重合体に公知添加剤や公知樹脂を加えて混合する方法として、得られた重合体と、公知添加剤や公知樹脂を混練する方法、好ましくは得られた重合体と、公知添加剤や公知樹脂を混合後混練する方法があり、必要に応じて混練後、粉砕工程や成形工程、分級工程を加えることも可能である。
例えば、得られた重合体と、公知添加剤や公知樹脂をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、日本製鋼所社製TEX型2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等の熱混練機を用いて構成材料を良く混練し、場合によって各種射出機などでペレット状やシート状に成形し、冷却することで、樹脂に、公知添加剤や公知樹脂を含有させることができる。必要に応じて、樹脂をハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級することもできる。
<連鎖移動剤除去工程>
前記連鎖移動剤除去工程は、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて、前記樹脂の連鎖移動剤を除去する工程である。
−超臨界流体及び亜臨界流体−
前記超臨界流体としては、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体である限り、特に制限はなく、樹脂を溶解せず、かつ連鎖移動剤を溶解させるものが好ましく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。また、前記亜臨界流体としては、前記臨界点近傍の温度・圧力領域において高圧液体として存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
これらの流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、クロロトリフロロメタン、ジメチルエーテルなどが好適に挙げられる。これらの中でも、臨界温度が常温に近く、取扱い性に優れる点で、二酸化炭素が特に好ましい。臨界温度が30〜40℃と常温に近い超臨界流体、例えば超臨界二酸化炭素や超臨界一酸化炭素は、25〜100℃の温度、及び5〜50MPaの圧力で使用するのが望ましい。25℃未満の温度や5MPa未満の圧力では、二酸化炭素や亜酸化窒素は超臨界状態になりにくいからである。また、100℃を超える温度では、樹脂に用いる重合体の種類によってはガスが発生し、あるいは重合体を重合性単量体等に不用意に分解するおそれがある。さらに、50MPaを超える圧力では、流体ポンプ等を具備する装置の運転に支障を生ずるおそれがあるからである。ちなみに、二酸化炭素は、臨界温度31℃、臨界圧力7.53MPaで、一酸化炭素は、臨界温度37℃、臨界圧力7.26MPaである。
また前記超臨界流体として挙げられる各種材料は、超臨界状態の温度よりわずかに低い温度或いは超臨界状態の圧力よりわずかに低い圧力の亜臨界流体としても好適に使用することができる。即ち、亜臨界二酸化炭素を始めとする亜臨界流体を樹脂に接触させても、該樹脂の連鎖移動剤を抽出,除去することが可能である。超臨界流体では、樹脂の組成や形状などを不用意に変化させてしまう場合、超臨界流体の代わりに亜臨界流体を用いることが好ましい場合もある。
前記超臨界流体として挙げられる各種材料は、前記亜臨界流体としても好適に使用することができる。
前記超臨界流体及び前記亜臨界流体は、1種単独で単体として使用してもよいし、2種以上を併用して混合物として使用してもよい。
前記超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記臨界温度としては、−273〜400℃が好ましく、0〜200℃が特に好ましい。また、このとき、前記臨界圧力は、超臨界流体を形成する圧力であれば特に制限はないが、好ましくは1MPa以上、更に好ましくは7.2MPa以上が望ましい。
前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、他の流体を併用することもできる。該他の流体としては、除去される低軟化点物質(連鎖移動剤)との親和性が高いものが好ましく、前記画像形成粒子がコアシェル構造を有する場合には、シェルを構成する物質を溶解しないものが好ましい。具体的には、一酸化窒素,エタン、プロパン、エチレンなどが好適に挙げられる。
前記他の流体と、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体の少なくともいずれかと、の混合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
更に、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、有機溶媒を添加することもできる。該有機溶媒の添加により、後述する連鎖移動剤の除去がより容易に行われる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、アンモニア、メラミン、尿素、チオジエチレングリコールなどが挙げられる。具体的には、重合性単量体の溶解度が高い、クロロホルムなどの除去助剤が特に好ましい。該クロロホルムの添加により、前記連鎖移動剤の除去効果が増大する。
−連鎖移動剤の除去−
前記連鎖移動剤の除去は、前記樹脂に存在する前記連鎖移動剤に対して行われる。なお、前記除去を行う部位や処理の度合を変更するには、例えば、温度、圧力、超臨界流体等の種類などを適宜変更することにより行うことができる。
前記除去の方法としては、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体の少なくともいずれかを、前記樹脂に接触させる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記超臨界流体及び前記亜臨界流体の少なくともいずれかを、前記樹脂に接触させる操作としては、超臨界流体及び亜臨界流体が流通するが樹脂は排出されない容器に樹脂を充填し、その容器に超臨界流体及び亜臨界流体を流通させる操作や、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体の流体媒体と樹脂を閉鎖系にて充填し、これを加温加圧することで流体媒体を超臨界状態及び亜臨界状態にする操作、等がある。
また、処理される前記樹脂の形状も、例えば、(微)粒子状、粉状、顆粒状、ペレット状、球状、板状、シート状、棒状、円柱状、多角柱状、不定形状等、適宜選択することができ、除去処理の均一性確保及び工程上の取り扱いやすさから、好ましくは、(微)粒子状、ペレット状が望ましい。
前記除去に用いられる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記樹脂に除去処理を施すための耐圧容器と、前記超臨界流体を供給する加圧ポンプと、前記樹脂から除去した連鎖移動剤を含むガスを連鎖移動剤と溶媒とに分離する減圧バルブとを有する分離槽と、を備えた装置が好適に挙げられる。
該装置を用いた処理方法としては、まず、前記耐圧容器に前記樹脂を仕込み、該耐圧容器内に、加圧ポンプにより前記超臨界流体を供給し、前記樹脂に前記超臨界流体を接触させて、前記連鎖移動剤を除去し、該連鎖移動剤を含む超臨界流体を排出する。そして、前記超臨界流体を、常温及び常圧下に戻すと、該超臨界流体が気体となるため、溶媒の除去が不要となる。また、このとき、前記分離槽において、前記減圧バルブにより減圧し、前記連鎖移動剤と、前記超臨界流体とを分離し、該超臨界流体を再利用してもよい。
前記除去を行う温度としては、使用する前記超臨界流体又は前記亜臨界流体の臨界温度以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該臨界温度の上限としては、前記樹脂を形成する物質の融点以下であるのが好ましく、前記樹脂同士の癒着などの凝集が生じない温度であるのがより好ましい。また前記臨界温度の下限としては、前記超臨界流体に添加することができる前記他の流体が気体として存在することができる温度が好ましい。
以上の工程により、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて前記樹脂の連鎖移動剤を除去する。
(樹脂微粒子及びその製造方法)
前記樹脂を樹脂微粒子として得ることもできる。前記樹脂微粒子の製造法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、粉砕樹脂微粒子、重合法による樹脂微粒子、マイクロカプセル化法(スプレードライ法、コアセルベーション法等)によって得られる樹脂微粒子などが挙げられる。その中でも、液体溶媒中での重合法、特に、重合開始剤が溶解している水系媒体中に、少なくとも、前記水系媒体中に溶解したラジカル性重合性単量体が供給され、重合粒子を形成方法(以下、乳化重合法)、少なくとも、重合性単量体、重合開始剤を含有する重合性混合物を、懸濁安定剤を含有する水性分散媒系中に投入し、撹拌することで重合粒子を形成する方法(以下、懸濁重合法)、親水性有機液体に該親水性有機液体に溶解する高分子分散剤を加え、これに該親水性有機液体には溶解するが、生成する重合体は該親水性有機液体には膨潤されるがほとんど溶解しないラジカル性重合性単量体を加えて重合することにより重合粒子を形成する方法(以下、分散重合法)、によって得られた樹脂微粒子が好ましい。また必要に応じて、得られた樹脂微粒子を種粒子として、水性若しくは有機溶媒中に分散この種粒子存在下にて重合を行う、シード重合の工程を施すこともできる。
メディアン径とは、個数分布の累積が50%である粒子径であり、モード径とは、個数分布で最も頻度の高い粒子径である。前記樹脂微粒子におけるメディアン径とモード径の比が1に近い程単分散であるということができ、粒子間のばらつきが少なく、一定の機能を発揮できると考えられる。好ましくは前記樹脂微粒子のメディアン径とモード径の比は1.10以下であり、更に好ましくは1.05以下であることが望ましい。メディアン径とモード径の測定は、島津製作所(株)製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000を用いて行なった。
前記樹脂微粒子には、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤、顔料、顔料分散剤、染料、染色助剤、退色防止剤、発泡剤、発泡核剤、無機フィラー、帯電制御剤、帯電防止剤、摺動剤、細孔形成剤、医薬組成物、酵素、補酵素、抗体、結合タンパク質、レクチン、ホルモン受容体等、公知の添加剤を含有することもできる。更に、本発明の樹脂は、GP−PSやHI−PS、MS樹脂、MBS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、PE、PP、PPO等公知の樹脂と組み合わせて使用することもできる。
得られた樹脂微粒子の用途に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デイスプレー・フイルム視聴用の後方投影スクリーン・磁気記録媒体・液晶表示用スペーサ・各種照明器具などの光拡散剤、カラムの充填剤あるいは診断薬用の担体・ドラッグデリバリーシステムおよびバイオリアクターなどに用いられる重合体微粒子を製造する際の種粒子(単分散微粒子)、また、電子写真法・静電記録法・静電印刷法等に用いられる画像形成粒子の用途に最適な重合体微粒子、としても用いることができる。樹脂微粒子は、そのまま用いることも可能であるし、必要に応じて、添加物と混合して表面を修飾する処理、更に、添加物を固定化する処理、超臨界流体及び亜臨界流体存在下で添加剤を浸漬・抽出・被覆等の処理を加えることもできる。
次に、乳化重合法、懸濁重合法、及び分散重合法について説明する。
以下、乳化重合法について説明をする。
乳化重合法により得られる樹脂微粒子は、重合開始剤が溶解している水系媒体中に、少なくとも、前記水系媒体中に溶解したラジカル性重合性単量体が供給され、重合粒子を形成することで得られる。なお、本発明でいうところの水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、米国特許第4247434号公報、米国特許第4339337号公報、米国特許第4358388号公報、米国特許第5496897号公報、米国特許第4336173号公報、Journal of Applied PolymerScience Vol.51 1−11(1994年)、に示す方法を挙げることができる。この中には、後述するシード重合と組み合わせて、所望の粒径の樹脂微粒子を作成する方法も含まれる。
−界面活性剤−
本発明において、乳化を促進させる目的で界面活性剤を用いることができる。
重合性単量体の重量に対して0.001〜0.1重量%の範囲内の界面活性剤を使用することが好ましい。使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムなど)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
また、水に可溶〜易溶性のモノマーを用いた場合、水中で乳化重合を同時に起こし、生成した懸濁重合物を小さな乳化重合粒子で汚染するため、水溶性の重合禁止剤、例えば金属塩等を加えることにより、水相での乳化重合を防ぐこともよい。又、連続相(分散媒)の粘度を増加させて粒子の合一を防ぐために、水にグリセリン、グリコール等の多価アルコールを添加する事もよい。又、易溶性モノマーの水への溶解度減少のために、NaCl、KCl、NaSOなどの塩類を用いることも可能である。
続いて、以下、懸濁重合法について説明をする。
懸濁重合法で得られる樹脂微粒子は、少なくとも、重合性単量体、重合開始剤を含有する重合性混合物を、懸濁安定剤を含有する水性分散媒系中に投入し、撹拌することで重合粒子を形成することで製造することができる。この方法は、公知の懸濁重合法により製造された樹脂微粒子に該当する。
−分散安定剤−
重合性単量体組成物を水性分散媒中に良好に分散させるための分散安定剤を用いてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
例えば、無機化合物の分散安定剤では、コバルト、鉄、ニケッル、アルミニウム、銅、スズ、鉛、マグネシウム等の金属又はその合金(特に1μ以下が好ましい)、また、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、等の酸化物の無機化合物微粉体、カーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、クロームイエロー、フタロシアニンブルー、ローズベンガル等の顔料、染料類などが挙げられる。
有機系化合物の分散安定剤としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸等の酸類、あるいは水酸基を含有するアクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子、またはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、または、上記親水性モノマーとスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のベンゼン核を有するもの又はその誘導体又はアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体との共重合体、更に、架橋性モノマー、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼン等との共重合体が挙げられる。
また、樹脂微粒子を分散安定剤として用いることも可能である。
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、微細な球状の樹脂樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
また、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子の体積平均粒径は、乳化性を確保できる樹脂微粒子粒径であれば特に制限はなく、好ましくは、1nm〜1μm、更に好ましくは、10nm〜500nmである。
分散安定剤は重合性単量体100質量部に対して0.2〜10.0質量部を使用することが好ましい。
これら分散安定剤は市販のものをそのまま用いても良いが分散安定剤として上記無機化合物を用いる場合、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中撹拌下にて無機化合物を生成させることもできる。例えばリン酸三カルシウムの場合、撹拌下の水中にリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を投入混合することで懸濁重合法に好適な分散剤を得ることができる。
−界面活性剤−
また、前記無機分散剤の微細な分散のために、重合性単量体の重量に対して0.001〜0.1重量%の範囲内の界面活性剤を使用することもよい。この界面活性剤は上記分散安定化剤の所期の作用を促進するためのものである。使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記イオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムなど)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
また、水に易溶性のモノマーを用いた場合、水中で乳化重合を同時に起こし、生成した懸濁重合物を小さな乳化重合粒子で汚染するため、水溶性の重合禁止剤、例えば金属塩等を加えることにより、水相での乳化重合を防ぐこともよい。又、連続相(分散媒)の粘度を増加させて粒子の合一を防ぐために、水にグリセリン、グリコール等の多価アルコールを添加する事もよい。又、易溶性モノマーの水への溶解度減少のために、NaCl、KCl、NaSOなどの塩類を用いることも可能である。本発明において、これらは、主に乳化時の乳化剤として使用されるが、他の工程又は使用目的で使用してもかまわない。
続いて、以下、分散重合法について説明をする。
分散重合法で得られる樹脂微粒子は、有機系媒体中に、前記有機系媒体中には溶解するが、生成する重合体は前記有機系媒体中には不溶性もしくは難溶性のラジカル性重合性単量体、及び重合開始剤を加えて重合粒子を形成することにより、製造することができる。
この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、“分散系における重合の動力学(Kinetics of Polymerization in Dispersed Systems)”(Levy他)Impac Macro(1982年)第76頁に記されている、スチレンとメチルメタクリレートの分散重合、“一般法によるミクロンサイズ領域での単分散ポリマー球(Monodisperse Polymeric Spheres in the Micron Size Range by a Single Step Process)“The British Polymer Journal(1982年12月)第131〜136頁は、一段法によるミクロンサイズ領域での単分散ポリスチレン球製造、“高分子電解質の安定化ラテックス第1部、調製(Polyelectrolyte Stabilized Latices Part1,Prepartion”(Corner)Elsvier Scientific Publishing Compary、(1981)、第119〜129頁に記されている、特定の高分子電解質の安定化ラテックス、特に、ポリアクリル酸等の高分子電解質を含んだアルコール/水混合液中でスチレンを重合することにより調製したポリスチレンラテックス分散液、“ポリマーオリゴマー粒子による水性分散液中における低分子量化合物の吸収(Absorption of Low Molecular Weight Compounds in Aquesns Dispersions by Polmer-Oligomer Particles)”2a,Makromol Chem.180、(1979)、第737〜744頁に記されている、吸収能力の増大に伴なうポリマー粒子生成のための二段膨潤法などの方法を挙げることができるが、公知の懸濁重合法により製造された樹脂微粒子に該当する。
−有機系媒体−
本発明の有機系媒体には、ヘキサンやシクロヘキサンなどの無極性溶媒を用いることもできるが、好ましくは、親水性有機液体であることが望ましい。親水性有機溶媒であると、無極性溶媒を用いたときと比べて、粒子径の大きい樹脂微粒子が精度よく得られるからである。
前記親水性有機液体としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類等が挙げられる。これらの有機液体は一種もしくは二種以上の混合物を用いることができる。
なお、アルコール類、及びエーテルアルコール類と併用することで、有機液体の生成重合体粒子に対して溶解性を持たせない条件下で種々SP値を変化させ、重合条件を変えて種粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制することが可能な有機液体を併用することができる。これらの併用する有機液体としては、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、ギ酸ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の硫黄、窒素含有有機化合物類、その他水も含まれる。
上記親水性有機液体を主体とした溶媒にSO 2−、NO 、PO 3−、Cl、Na、K、Mg2+、Ca2+、その他の無機質イオンが存在した状態で重合を行っても良い。
また、重合性単量体組成物を水性分散媒中に良好に分散させるために、必要に応じて、前記分散安定剤及び前記界面活性剤を添加してもよい。
重合条件は重合粒子の目標の平均粒子径、目標の粒子径分布に合わせて、前記有機系媒体中の前記分散安定剤、前記界面活性剤及び重合性単量体の濃度及び配合比が決定される。一般に重合粒子の平均粒子径を小さくしようとするならば、前記分散安定剤及び前記界面活性剤の濃度を高く、また平均粒子径を大きくしようとするならば、前記分散安定剤及び前記界面活性剤の濃度が低く設定される。一方、粒子径分布を非常に鋭くしようとするならば重合性単量体濃度を低く、また、比較的広い分布でも良い場合は、重合性単量体濃度は高く設定される。
一般的に、前記分散安定剤の使用量が、重合性単量体重量の1/50倍(2%)以上となる場合は平均粒子径±25%内の粒子径を持つ粒子が重量で90%以上の分布を持つものを得ることが難しい。また、前記分散安定剤の使用量は、目的とする重合粒子形成用の重合性単量体の種類によって異なるが、前記親水性有機液体に対し0.1重量%〜10重量%が好ましく、1重量%〜5重量%がさらに好ましい。前記分散安定剤の濃度が低い場合には生成する重合体粒子は比較的大径のものが得られ、濃度の高い場合には小粒子が得られるが、10重量%を越えて用いても小径化への効果は少ない。
更に、上記で得られた樹脂微粒子を種粒子として、前記水性媒体若しくは前記有機系媒体中に分散した溶液中において、前記重合性単量体、前記重合開始剤、存在下にて重合を行うことも可能である(シード重合)。
シード重合を行う際に、乳化性をよくする目的で、前記分散安定剤及び前記界面活性剤を用いてもよい。
シード重合法において、種粒子の粒子径が、ある狭い範囲内にあれば得られる樹脂粒子の粒子径もよく揃ったものとなる。すなわち、予め粒径の揃ったシード粒子を用いて重合を行うことにより、用途に応じた所望とする粒径の樹脂粒子を、例えば0.3〜0.5mm、0.5〜0.7mm、0.7〜1.2mm、1.2〜1.5mm、1.5〜2.5mmのように狭い範囲に区分して、しかも区分毎にほぼ100%の収率で得ることができる。
種粒子は、必要に応じて、一旦風篩若しくは分級し、粒径が平均粒径の±20%の範囲になるように調整することで、得られた粒子を使用することができる。
種粒子の使用量は、重合終了時の重合体全量(種粒子も含む)に対して、10〜75重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜50重量%である。種粒子の使用量が10重量%未満では重合性単量体を供給する際に、樹脂微粒子の重合率を適正範囲に制御することが困難となり、得られる粒子が高分子量化したり、微粉末が多量に発生し、その結果製造効率が低下したりする等工業的に不利となる。逆に75重量%を越えると優れた成形性が得難くなる。
シード重合法において、前記重合開始剤は、直接水性懸濁液中に添加すると、種粒子に均一に吸収されにくくなるので、水性媒体に懸濁又は乳化させた状態で添加するか、あるいは少量の重合性単量体に溶解し、無機系懸濁安定剤とアニオン界面活性剤とを加え水性懸濁液として添加することが望ましい。 なお、重合開始剤を種粒子の表層に限らず、できるだけ内部にも拡散させることが、反応上あるいは品質上重要である。重合開始剤を種粒子の内部にまで拡散して含有させることにより、粒子表層部と粒子内部とでほぼ均等な反応が行われ、均一性な重量平均分子量の樹脂粒子が得られる。重合開始剤を種粒子の内部まで拡散させるためには、適量の前記重合性単量体を種粒子に吸収させ、種粒子を適度に軟化させておくことが有効である。種粒子を適度に軟化させることにより、重合開始剤を含有する重合性単量体の吸収が促進され重合開始剤の吸収が促進できる。その結果、微粉末の生成が抑制できる。重合開始前に添加される重合性単量体総量の割合が種粒子と加えた重合性単量体との総量の合計に対して25重量%未満では、種粒子が十分に軟化されず、重合開始剤を含む重合性単量体懸濁液の種粒子内への吸収速度が遅くなり、重合開始剤の吸収が遅れる。この場合、種粒子表層に重合開始剤を含有する重合性単量体が過度に多く付着することになり、重合開始剤が種粒子内に吸収される前に粒子表面への付着と水性懸濁液への離脱を繰り返し、微粉末の発生が増加してくる。また、種粒子の軟化が不足した場合、品質的にも得られる樹脂粒子内の重量平均分子量分布や生成される樹脂微粒子表面の均一性を欠くことになる。よって、重合開始剤を使用する観点からも重合性単量体の添加量は25重量%以上が好ましい。
本発明におけるシード重合法において、可塑剤、発泡セル造核剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤等、発泡性樹脂粒子を製造する際に用いられる添加剤を、必要に応じて適宜使用してもよい。
本発明では、種粒子の径が大きくなると重合開始剤の吸収効率及び内部拡散が小さくなり、分子量が高くなる傾向を示し、また重合終了後の樹脂粒子に対して種粒子の使用量が少ないと、重合性単量体供給時の重合率の制御が難しくなり反応時間も延長し、分子量調節が困難となりやすい。樹脂粒子の重量平均分子量を、普通の成形に適合する範囲に調整するには、重合開始剤を効率よく働かせることが重要であり、無駄な分解を防ぎ重合工程全域でラジカル発生するような重合開始剤の分配、重合温度プログラム、単量体供給速度、重合時の重合率調整等の制御をすることが好ましい。
重合開始剤の分配、重合温度プログラム及び単量体供給速度は相互に関係しており、これらのバランスがとれていれば、重合率が低下し過ぎることによる重合時間の延長を防ぎ、微粉末が多量に生成することを防ぎ、重合開始剤の効率の低下を防ぐことができる。重合性単量体の重合に要する重合開始剤の全量を重合開始前に添加した場合、重合開始剤の効率を高めるために、重合性単量体を比較的低い温度から供給し始め、重合開始剤のラジカルが適度に発生するように温度勾配をつけて加熱しながら連続的又は断続的に供給することが望ましい。重合性単量体の供給が終了した時点では、比較的温度が高くなっており、残存する重合開始剤は適度に消費されており、樹脂粒子の分子量を適度に調節することもできる。
続いて、液体溶媒中での重合法の製造方法について説明する。
単量体組成物を水性分散媒中で造粒するに際しては、例えば通常の撹拌機やT.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)などの高剪断力を有する撹拌機や超音波分散機等の分散手段により分散させ、重合性組成物分散液とする。攪拌機の撹拌翼はパドル型よりもタービン型のものが好ましい。または、ラスポーラスガラスなどの多孔質体を用い、連続相中に分散相を圧入することにより重合性組成物分散液を得ることもできる。剪断力による分散の場合、モノマー組成物が30μm以下の粒径を有する様に、撹拌速度、時間を調整することが好ましい。より具体的には、回転数はタービンの週速が10〜30m/secとなるように用いるのがよく、造粒時間は特に限定はないが、5〜60分であるのが好ましい。モノマー組成物と分散媒との比率は、モノマー組成物100重量部に対して、分散媒200〜3,000重量部を用いるのがよい。重合の際には窒素ガス、アルゴンガス等の不活性気体にて反応容器内の空気中酸素を充分に追い出す必要がある。もし、酸素パージが不充分であると微粒子が発生し易い。
造粒した重合性組成物を更に重合することにより、本発明に用いる樹脂微粒子が好適に得られる。この重合の際には、重合反応は進行するが、分散安定剤の作用により分散の状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度に撹拌を行なえばよい。重合温度は、40℃以上(更には60〜90℃)の温度に設定して重合を行なうことが好ましい。重合時間は重合が完結するように設定すればよく、具体的には2〜48時間が好ましい。必要に応じて、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止させたり、また重合開始剤を順次添加し、重合速度を速めることができる。
重合により得られた粒子は、分散剤を取り除くために必要に応じて、酸もしくはアルカリ、又はその他の方法により処理(あるいは処理することなく洗浄等により分散剤を取り除き)を行うこともある。
(連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子を用いた画像形成粒子)
前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子を用いて、画像形成粒子を製造することもできる。前記連鎖移動剤除去済の微粒子の目的としては、紙等の記録媒体への接着を目的とする接着性基材、着色剤、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、などこれら1つ若しくは複数の機能を示すものや、乳化安定剤などが挙げられる。画像形成粒子を製造する用いられている限りは、前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子が最終的に画像形成粒子粒子に存在しているか否かは問わない。例えば、乳化安定剤のように、画像形成粒子造粒時に使用され、後工程にて除去されることで、画像形成粒子粒子としては樹脂微粒子が残存しないものも、本発明に含まれる。
前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子に含有可能な成分は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙等の記録媒体への接着を目的とする接着性基材、着色剤、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、など、これら1つ若しくは複数の機能を示すものが挙げられる。また必要に応じて前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子に、着色剤、離型剤、無機微粒子、樹脂微粒子、帯電制御剤、高分子重合体粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などの添加物、と混合して表面に分散する処理、更に、添加物を固定化する処理、また、前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子を、添加剤含有の溶解液液又は分散液、或いは超臨界流体及び亜臨界流体存在下で、添加剤を浸漬・被覆等の処理を加えることもできる。
前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子を用いて製造される画像形成粒子に、含有若しくは表面に分散、固定化、浸漬・被覆、等される前記成分についての詳細を説明する。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL 、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記画像形成粒子における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、画像形成粒子の着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、画像形成粒子中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及び画像形成粒子の電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、などが挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高剪断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、などが好適に挙げられる。前記ワックス類としては、例えば、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオレフィンワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。前記合成炭化水素ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックスが挙げられる。前記天然ワックス類としては、例えば、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックスなどが挙げられる。前記石油ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。前記高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸などが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある他、定着機への紙の巻き付きなどが発生することがある。
前記離型剤の前記画像形成粒子における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、画像形成粒子100重量部に対して0〜40質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましい。前記含有量が、40質量部を超えると、低温定着性の阻害や画質の劣化(光沢度が高すぎる)を生ずることがある。
−無機微粒子−
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記画像形成粒子における含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
なお、前記無機微粒子は、前記画像形成粒子の外添剤として好適に使用することができる。詳細は後述する。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、などが挙げられる。これらの中でも、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属塩の金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、ストロンチウム、ホウ素、ケイ素、ニッケル、鉄、クロム、ジルコニウムなどが挙げられる。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記画像形成粒子の各成分と共に前記有機溶媒に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいは画像形成粒子製造後に画像形成粒子表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記画像形成粒子における含有量としては、結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、画像形成粒子の帯電特性の悪化が見られることがあり、10質量部を超えると、画像形成粒子の帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
−高分子重合粒子−
前記高分子重合粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、分散重合等によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合樹脂、熱硬化性樹脂、などで形成された粒子が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記画像形成粒子に添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
前記磁性材料は、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物等が挙げられる。
これらの磁性体は平均粒径が2μm以下が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5μm程度のものがよい。上記磁性体の画像形成粒子中への含有量は、重合性単量体100質量部に対して約20〜200質量部が好ましく、特に好ましくは重合性単量体100質量部に対して40〜150質量部がよい。
また、上記磁性体の800kA/m印加時の磁気特性が、保磁力(Hc)1.6〜24kA/m、飽和磁化(σs)50〜200Am2/kg、残留磁化(σr)2〜20Am2/kgのものが好ましい。
また、これらの磁性体の画像形成粒子中での分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられるが、中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としてはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
(連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子を用いた画像形成粒子の製造方法)
上記方法にて得られた前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子を用いて、画像形成粒子を製造する方法を示す。
前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子に既に、少なくとも、紙等の記録媒体への接着を目的とする接着性基材、着色剤を含む場合は、前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子自体を画像形成粒子として用いることもできるが、必要に応じて、紙等の記録媒体への接着を目的とする接着性基材、着色剤、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、など、これら1つ若しくは複数の機能を示すものを付加させることで、画像形成粒子とすることもできる。
前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子を用いた画像形成粒子を製造する方法の具体例を示す。
−乳化凝集法−
前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する方法で画像形成粒子を製造することができる。凝集または融着の際に画像形成粒子の構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して凝集または融着させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などの画像形成粒子構成成分を分散した上で乳化重合する方法などがあげられる。ここで凝集または融着とは樹脂粒子および着色剤粒子が複数個会合することを示す。なお、本発明でいうところの水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明の画像形成粒子を形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子の粒径は、目的とする非球状粒子の粒径以下であれば任意のものを用いることが可能であるが、一般的に用いられる微粒重合粒子の粒径としては0.01〜10μmの範囲のものが好ましい。
前記凝集剤は、特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは組み合わせて使用してもよい。
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学17、601(1960)日本高分子学会編」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
前記凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対して無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明においては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。特に、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%が好ましい。
なお、形状を均一化させるためには、着色粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ましいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが好ましい。この理由としては、極性基が存在している重合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発揮するために、形状の均一化が特に図られやすいものと考えられる。。
乳化凝集法における微粒重合粒子の会合に際しては、通常の撹拌機やT.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)などの高剪断力を有する撹拌機により微粒重合粒子を分散させ、着色剤、離型剤及び凝集剤を添加することで、会合粒子を形成する。会合粒子の粒径を調整すべく、系内の温度、pH、攪拌機回転数等を調整する必要がある。造粒時間は特に限定はないが、5〜60分であるのが好ましい。
−添加剤固定化処理−
本発明においては、前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子に、紙等の記録媒体への接着を目的とする接着性基材、着色剤、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料等の添加剤を、強固につけることにより、画像形成粒子の画質、耐久性、信頼性を向上させることもできる。
前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子に前記添加剤を固定化する方法として、前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子表面に前記添加剤を付着させ、加熱処理または、機械的エネルギーを加える方法がある。
機械的エネルギーを与える方法としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させ、樹脂微粒子同士または樹脂微粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。ここに用いる具体的な装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)などの通常の粉砕の場合よりも粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイション−システム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム・KOSMOS(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
また、本発明においては、前記添加剤に液体中で付着させるために乾燥後に前記のような装置で固定化処理を行っても良いが、乾燥工程中で固定化処理を行うこともできる。例えば、通常のスプレイドライヤーの他に、媒体流動乾燥装置MSD(奈良機械製作所製)、流動層乾燥装置スラリードライヤー(大河原製作所社製)などを用いて、乾燥と固定化を同時に行うことができる。
(画像形成粒子特性)
前記画像形成粒子は、前記連鎖移動剤除去済の樹脂微粒子を用いて作られた画像形成粒子である。その結果、本来画像形成粒子に残存するはずの連鎖移動剤が除去されているため、連鎖移動剤に起因する、熱定着時の臭気を改善されるので好ましい。
また、このようにして得られた画像形成粒子は、画像形成粒子から連鎖移動剤の除去されており、乾燥処理、洗浄処理などが不要である。また、連鎖移動剤除去工程後は超臨界流体の入った反応容器を減圧することにより、二酸化炭素等を脱気するだけで、処理が完了する。このため、極めて短時間で効率的に画像形成粒子を製造することができ、廃液の処理等も不必要となり、環境への負荷が低減される。
前記画像形成粒子は以下のような、体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)、分子量、ガラス転移温度、針入度、低温定着性、熱特性、画像濃度、平均円形度、などを有していることが好ましい。
−体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)−
本発明において、画像形成粒子の体積平均粒径(Dv)は少なくとも0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは2〜8μmである。個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.25以下が好ましく、より好ましくは1.05〜1.20である。このような乾式画像形成粒子により、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れ、更に二成分現像剤においては、長期にわたる画像形成粒子の収支が行われても、現像剤中の画像形成粒子粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。また、一成分現像剤として用いた場合においても、画像形成粒子の収支が行われても、画像形成粒子の粒子径の変動が少なくなると共に、現像ローラーへの画像形成粒子のフィルミングや、画像形成粒子を薄層化する為のブレード等の部材への画像形成粒子の融着がなく、現像装置の長期の使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
一般的には、画像形成粒子の粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面に画像形成粒子が融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラーへの画像形成粒子のフィルミングや、画像形成粒子を薄層化する為のブレード等の部材への画像形成粒子の融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は微粉の含有率が本発明の前記範囲より多い画像形成粒子においても同様である。
逆に、画像形成粒子の粒子径が本発明の前記範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中の画像形成粒子の収支が行われた場合に画像形成粒子の粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径(Dv/Dn)が1.25よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径(Dv/Dn)が1.05より小さい場合には、画像形成粒子の挙動の安定化、帯電量の均一化の面から好ましい面もあるが、画像形成粒子を十分に帯電することが出来なかったり、クリーニング性を悪化させる場合がある。
前記体積平均粒径、及び、前記体積平均粒子径と個数平均粒子径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、例えば、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」」を用いて測定することができる。
−分子量−
前記画像形成粒子の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,000以上が好ましく、2,000〜10,000,000がより好ましく、3,000〜1,000,000が特に好ましい。
前記重量平均分子量が、1,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−ガラス転移温度−
前記画像形成粒子の接着性基材のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましい。前記ガラス転移温度(Tg)が、30℃未満であると、画像形成粒子の耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
−針入度−
前記針入度としては、例えば、針入度試験(JIS K2235−1991)で測定した針入度が、15mm以上であることが好ましく、20〜30mmがより好ましい。 前記針入度が、15mm未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。 前記針入度は、JIS K2235−1991に従って測定することができ、具体的には、50mlのガラス容器に画像形成粒子を充填し、50℃の恒温槽に20時間放置する。この画像形成粒子を室温まで冷却し、針入度試験を行うことにより針入度を測定することができる。
なお、前記針入度の値が大きい程、前記耐熱保存性が優れることを示している。
−低温定着性−
前記低温定着性としては、定着温度低下とオフセット未発生とを両立させる観点からは、定着下限温度が低くなるほど好ましく、また、オフセット未発生温度が高くなるほど好ましく、定着温度低下とオフセット未発生とを両立させ得る温度領域としては、前記定着下限温度が150℃未満であり、前記オフセット未発生温度が200℃以上である。なお、前記定着下限温度は、例えば、画像形成装置を用い、転写紙をセットし、複写テストを行い、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度を定着下限温度としたものである。前記オフセット未発生温度は、例えば、画像形成装置を用いて、転写紙をセットし、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各単色、及び中間色としてレッド、ブルー、及びグリーンのベタ画像を各単色で現像されるように調整し、定着ベルトの温度が可変となるように調整して、オフセットの発生しない温度を測定することによって求めることができる。
−熱特性−
前記熱特性は、フローテスター特性とも言われ、例えば、軟化温度(Ts)、流出開始温度(Tfb)、1/2法軟化点(T1/2)などとして評価される。これらの熱特性は、適宜選択した方法により測定することができ、例えば、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。
前記軟化温度(Ts)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50℃以上が好ましく、80〜120℃がより好ましい。前記軟化温度(Ts)が、50℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記流出開始温度(Tfb)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60℃以上が好ましく、70〜150℃がより好ましい。前記流出開始温度(Tfb)が、60℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記1/2法軟化点(T1/2)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60℃以上が好ましく、80〜170℃がより好ましい。前記1/2法軟化点(T1/2)が、60℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
−画像濃度−
前記画像濃度は、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定した濃度値が、1.90以上が好ましく、2.00以上がより好ましく、2.10以上が特に好ましい。前記画像濃度が、1.90未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
前記画像濃度は、例えば、imagio Neo 450(株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>;株式会社リコー製)に現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cmのベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の6箇所の画像濃度を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定しその平均値を算出することにより、測定することができる。
−平均円形度−
前記平均円形度は、前記画像形成粒子の形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.900〜1.000が好ましく、0.950〜0.990がより好ましい。なお、前記平均円形度が0.94未満の粒子が15%以下であるのが好ましい。前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがありことがある。
前記平均円形度は、例えば、画像形成粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)等を用いて計測することができる。
以下の工程により、前記画像形成粒子が形成される。
(外添剤混合)
前記画像形成粒子に、流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、画像形成粒子の0.01〜5.0重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
また、外添剤として用いた無機微粒子が、有機溶媒中に添加した無機微粒子と同種のものであると更に好ましい。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにクリーニング性向上剤を添加してもよい。前記クリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
画像形成粒子と外添剤との混合を行なう混合機は、軸部を気体による封止が可能で、装備されている攪拌翼が高速で回転が可能で、容器全体を冷却あるいは加熱が可能である装置であれば特に限定されない。このような点を満たす混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)等が挙げられる。封止気体としては、特に限定はないが、通常、ヘリウムやアルゴン等の希ガス、窒素、乾燥空気等を使用することができる。
本発明の画像形成粒子の製造方法では、混合機の単位内容積に対する、混合する着色粒子の量比を、0.05〜0.4kg/lとすると好ましく、0.1〜0.3kg/lとすると更に好ましい。この量が少ないと生産性が低くなり、逆に多いと着色粒子及び/又は画像形成粒子が混合機外に排出され画像形成粒子の収率が低下することがある。また、本発明の画像形成粒子の製造方法では、着色粒子と混合する外添剤の添加量は特に限定されないが、着色粒子100重量部に対して、通常0.1〜6重量部、好ましくは、0.3〜5重量部、更に好ましくは0.5〜3重量部である。
外添剤混合後に、粗粒、機械的な発熱による融着粗粒、ファンデルワールス力による再凝集体などを除去する目的で、得られた画像形成粒子を篩に通すこともできる。例えば、目開き100〜250μmの篩いを通す工程などが行われている。篩を有する装置として、例えば、多段ジャイロシフターがあり、振動方法としては機械的振動や超音波振動などがある。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の画像形成粒子を少なくとも含有し、キャリアなどの適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、キャリアを含む二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の画像形成粒子としての前記画像形成粒子を用いた前記一成分現像剤の場合、画像形成粒子の収支が行われても、画像形成粒子の粒子径の変動が少なく、現像ローラへの画像形成粒子のフィルミングや、画像形成粒子を薄層化する為のブレード等の部材への画像形成粒子の融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記画像形成粒子を用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたる画像形成粒子の収支が行われても、現像剤中の画像形成粒子の粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
−キャリア−
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、画像形成粒子が穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、画像形成粒子の飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
本発明の現像剤は、前記画像形成粒子を含有しているので、画像形成時において、臭気の発生を抑えることができ、低温定着性及び離型性に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明の画像形成粒子入り容器、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
(画像形成粒子入り容器)
本発明の画像形成粒子入り容器は、本発明のトナーとしての画像形成粒子または該画像形成粒子を含む前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、画像形成粒子入り容器本体とキャップとを有してなるものなどが好適に挙げられる。前記画像形成粒子入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物である画像形成粒子が排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
(画像形成粒子カートリッジ)
また、本発明の画像形成粒子入り容器は、該容器自体を画像形成装置に着脱自在の形状として、それに画像形成粒子を収納して、画像形成粒子カートリッジとすることもできる。
前記画像形成粒子入り容器及び画像形成粒子カートリッジ本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂などが好適に挙げられる。
本発明の画像形成粒子入り容器及び画像形成粒子カートリッジは、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けて画像形成粒子の補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、帯電手段と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段と、更に必要に応じて適宜選択したクリーニング手段等のその他の手段のうち、少なくとも現像手段を含む手段を一体に支持したものである。前記現像手段としては、本発明のトナーとしての画像形成粒子または前記現像剤を収容する現像剤収納容器と、該現像剤収納容器内に収容された画像形成粒子または現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させる画像形成粒子層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、このような画像形成装置を用いて行なう。図1〜4に本発明の画像形成装置の例の概略図を示す。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備えている。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記画像形成粒子または前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記画像形成粒子または前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。前記現像手段は、例えば、本発明の前記画像形成粒子または前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記画像形成粒子または現像剤を収容し、前記静電潜像に前記画像形成粒子または該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記画像形成粒子入り容器、画像形成粒子カートリッジを備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記画像形成粒子または前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記画像形成粒子と前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該画像形成粒子が帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記画像形成粒子の一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該画像形成粒子により現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該画像形成粒子による可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記画像形成粒子を含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれる画像形成粒子は、本発明の前記画像形成粒子である。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であり、中間転写体を用いる場合と、用いない場合があるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記画像形成粒子として二色以上、好ましくはフルカラー画像形成粒子を用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体) を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の画像形成粒子に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の画像形成粒子に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
−除電工程及び除電手段−
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印
加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−クリーニング工程及びクリーニング手段−
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真画像形成粒子を除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真画像形成粒子を除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
−リサイクル工程及びリサイクル手段−
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用(カラー)画像形成粒子を前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
−制御工程及び制御手段−
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置(例えば、図1〜4に示される画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図1を参照しながら説明する。
図1に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」という)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に現像像(画像形成粒子像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上の画像形成粒子像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
図1に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40から画像形成粒子を供給して現像して可視像(画像形成粒子像)を形成する。該可視像(画像形成粒子像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存画像形成粒子は、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図2を参照しながら説明する。図2に示す画像形成装置100は、図1に示す画像形成装置100における現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図1に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図2においては、図1におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図3を参照しながら説明する。図3に示すタンデム画像形成装置120は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置120は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留画像形成粒子を除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置120においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像形成粒子画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図3の一部拡大概略図である図4に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器59と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図4中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラー画像形成粒子(ブラック画像形成粒子、イエロー画像形成粒子、マゼンタ画像形成粒子及びシアン画像形成粒子)を用いて現像して各カラー画像形成粒子による画像形成粒子像を形成する現像器61と、該画像形成粒子像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、図3における支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留画像形成粒子は、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明の画像形成装置では、本発明の前記画像形成粒子を用いるので、熱定着時の臭気がなく、高画質の画像が効率よく得られる。
図5に、前記本発明のプロセスカートリッジを装着した画像形成装置の概略図を具体的に示す。
本発明の画像形成粒子または現像剤を保持した現像手段を有するプロセスカ−トリッジを装着した画像形成装置は、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段により画像形成粒子現像され、現像された画像形成粒子像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリ−ニング手段によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
本発明のプロセスカートリッジは、前記本発明の画像形成粒子または現像剤が保持されているため、それによる前記作用効果を有するとともに、画像形成装置に装着可能としたので、作像手段の保守、交換性を良好にする画像形成装置が提供できる。
<アモルファスシリコン感光体について>
本発明に用いられる電子写真用感光体としては、前記したようにアモルファスシリコン感光体が好ましい。該感光体は、例えば、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有するアモルファスシリコン感光体(以下、「a−Si系感光体」と称する。)を用いることが好ましい。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして用いられる。
<層構成について>
図6に、該アモルファスシリコン感光体の層構成を示す。該層構成は例えば以下のようなものである。
図6は、層構成を説明するための模式的構成図である。図6(a)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上にa−Si:Hからなり光導電性を有する光導電層502が設けられている。図6(b)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上に、a−Si:Hからなり光導電性を有する光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503とから構成されている。図6(c)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上に、a−Si:Hからなり光導電性を有する光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層504とから構成されている。図6(d)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上に、光導電層502が設けられている。該光導電層502はa−Si:Hからなる電荷発生層505ならびに電荷輸送層506とからなり、その上にアモルファスシリコン系表面層503が設けられている。
<支持体について>
感光体の支持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状、無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感光体を形成し得るように適宜決定するが、画像形成装置用感光体としての可撓性が要求される場合には、支持体としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上である。
<注入防止層について>
本発明に用いることが出来るアモルファスシリコン感光体には必要に応じて導電性支持体と光導電層との間に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層を設けるのがいっそう効果的である(図6(c))。すなわち、電荷注入阻止層は感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能が発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとするのが望ましい。
<光導電層について>
光導電層は必要に応じて下引き層上に形成され、光導電層502の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは1〜100μm、より好ましくは20〜50μm、最適には23〜45μmとするのが望ましい。
<電荷輸送層について>
電荷輸送層は、光導電層を機能分離した場合の電荷を輸送する機能を主として奏する層である。この電荷輸送層は、その構成要素として少なくともシリコン原子と炭素原子と弗素原子とを含み、必要であれば水素原子、酸素原子を含むa−SiC(H、F、O)からなり、所望の光導電特性、特に電荷保持特性,電荷発生特性および電荷輸送特性を有する。本発明においては酸素原子を含有することが特に好ましい。
電荷輸送層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果などの点から適宜所望にしたがって決定され、電荷輸送層については、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μm、最適には20〜30μmとするのが望ましい。
<電荷発生層について>
電荷発生層は、光導電層を機能分離した場合の電荷を発生する機能を主として奏する層である。この電荷発生層は、構成要素として少なくともシリコン原子を含み、実質的に炭素原子を含まず、必要であれば水素原子を含むa−Si:Hから成り、所望の光導電特性、特に電荷発生特性,電荷輸送特性を有する。
電荷発生層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜10μm、最適には1〜5μmとする。
<表面層について>
本発明に用いることが出来るアモルファスシリコン感光体には必要に応じて、上述のようにして支持体上に形成された光導電層の上に、更に表面層を設けることが出来、アモルファスシリコン系の表面層を形成することが好ましい。この表面層は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。
本発明における表面層の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとするのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性低下がみられる。
アモルファスシリコン系感光体は、表面硬度が高く、半導体レーザ(770〜800nm)などの長波長光に高い感度を示し、しかも繰返し使用による劣化もほとんど認められないことから、高速複写機やレーザービームプリンタ(LBP)などの電子写真用感光体として好ましく用いられる。
本発明の画像形成における前記現像手段によって画像形成粒子を現像する際の電界は、好ましくは交互電界である。
図7に交互電界を印加する現像手段を備えた画像形成装置の概略図を示す。
図7に示す現像器1において、現像時、現像スリーブ2には、電源3により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤の画像形成粒子とキャリアが激しく振動し、画像形成粒子が現像スリーブ2およびキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体ドラム4に飛翔し、感光体ドラムの潜像に対応して付着する。
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は、0.5〜5KVが好ましく、周波数は1〜10KHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、上記したように背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶり画像形成粒子の付着を防止する上で好ましい。
振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中で画像形成粒子が感光体に向かおうとする時間の割合である。このようにすることにより、画像形成粒子が感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるので、画像形成粒子の運動がさらに活発化し、画像形成粒子が潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感の改善や解像力を向上させることができる。また画像形成粒子とは逆極性の電荷を有するキャリアが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
このように、前記現像装置によって像担持体上の潜像を現像する時に、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧を印加することにより、ざらつきのない高精細な画像が得られる。
本発明の画像形成における定着工程は、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、前記フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着する定着装置で行なうことが好ましい。
該定着装置は、図8に示すように、定着フィルムを回転させて定着する、いわゆるサーフ定着装置である。以下詳説する。
定着フィルムはエンドレスベルト状耐熱フィルムであり、該フィルムの支持回転体である駆動ローラと、従動ローラと、この両ローラ間の下方に設けたヒータ支持体に保持させて固定支持させて配設した加熱体と、に懸回張設してある。
従動ローラは定着フィルムのテンションローラを兼ね、定着フィルムは駆動ローラの図中時計回転方向の回転駆動によって、時計回転方向に向かって回転駆動される。この回転駆動速度は、加圧ローラと定着フィルムが接する定着ニップ領域Lにおいて転写材と定着フィルムの速度が等しくなる速度に調節される。
ここで、加圧ローラはシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性層を有するローラであり、反時計周りに回転しつつ、前記定着ニップ領域Lに対して総圧4〜10kgの当接圧をもって圧接させてある。
また定着フィルムは、耐熱性、離型性、耐久性に優れたものが好ましく、総厚100μm以下、好ましくは40μm以下の薄肉のものを使用する。例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等の耐熱樹脂の単層フィルム、或いは複合層フィルム、例えば20μm厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものや、フッ素ゴム、シリコンゴム等の弾性層を施したものである。
図8において本実施形態の加熱体は平面基板および定着ヒータから構成されており、平面基板は、アルミナ等の高熱伝導度且つ高電気抵抗率を有する材料からなっており、定着フィルムと接触する表面には抵抗発熱体で構成した定着ヒータを長手方向に設置してある。かかる定着ヒータは、例えばAg/Pd、TaN等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により線状もしくは帯状に塗工したものである。また、前記定着ヒータの両端部には、図示しない電極が形成され、この電極間に通電することで抵抗発熱体が発熱する。さらに、前記基板の定着ヒータが具備させてある面と逆の面にはサーミスタによって構成した定着温度センサが設けられている。
定着温度センサによって検出された基板の温度情報は図示しない制御手段に送られ、かかる制御手段により定着ヒータに供給される電力量が制御され、加熱体は所定の温度に制御される。
該定着装置を用いることにより、効率が良く立ち上がり時間を短縮可能な定着を実現できる画像形成装置が得られる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
−樹脂の製造−
製造例1
8L内容積のオートクレーブ(株式会社東洋高圧製)に、イオン交換水100重量部とポリビニルアルコール0.10重量部を添加し攪拌した。次にスチレン77重量部、メチルメタクリレート21重量部、メタクリル酸2重量部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.10部、t−ドデシルメルカプタン0.05重量部を仕込み、90℃に昇温して10時間重合とした。なお、95℃で12時間重合を行った時の転化率は97%であった。更に130℃で6時間保持し、重合を完結させた。重合して得れられたビーズを洗浄、脱水、乾燥した後、押出機を用いてペレット形状の樹脂[樹脂1]を得た。
−連鎖移動剤除去工程−
製造例2−1
ペレット形状の樹脂[樹脂1]を、耐圧容器内に入れ、超臨界流体として二酸化炭素を選択し、下記の条件にて処理を行った。
常温、0.10MPa(1気圧)にて、+2〜3℃/min.、+0.2MPa/min.で加温加圧し、40℃、7.09MPa(70気圧)とした。ここで、流量を5.0L/min.(標準状態換算値)とし、+2〜3℃/min.、+10MPa/min.で加温加圧し、80℃、40.52MPa(400気圧)、の超臨界状態とした。流量を5.0L/min.(標準状態換算値)を保ったまま6時間処理を行なった。その後、流量を1.0〜3.0L/min.(標準状態換算値)にして、−2〜3℃/min.、−3〜5MPa/min.で冷却減圧し、常温、0.10MPa(1気圧)まで戻して、[連鎖移動剤除去工程済樹脂1]を得た。
−成形工程−
実施例1
[連鎖移動剤除去工程済樹脂1]を、1軸混練機にて混練した後、2軸延伸機により、厚さ0.5mmのシートを得た。その2軸延伸シートを用い[食品包装容器1](170mm長×120mm幅×60mm高さ)を真空圧空成形法により得た。
比較例1
[樹脂1]を、1軸混練機にて混練した後、2軸延伸機により、厚さ0.5mmのシートを得た。その2軸延伸シートを用い[食品包装容器2](170mm長×120mm幅×60mm高さ)を真空圧空成形法により得た。
[食品包装容器1]と[食品包装容器2]では、延伸時のロールの汚染度及びシートの偏肉性、成形品の脆弱性や衝撃強度にはほとんど差がみられなかった。
しかし、[食品包装容器1]は臭気が感じられなかったのに対し、[食品包装容器2]は特有の臭気が感じられた。
また、[食品包装容器1] [食品包装容器2]それぞれに、炊飯し十分に放冷した白米50gを入れ、市販の電子レンジで2分加熱したところ、[食品包装容器2]に入れた白米には連鎖移動剤に起因する独特の臭気が感じられた。
−樹脂微粒子溶液の製造−
製造例3−1
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた3.0Lのセパラブルフラスコに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム7.0重量部をイオン交換水2400重量部に溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。一方、スチレン108重量部、n−ブチルアクリレート41重量部、メタクリル酸10重量部を、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。循環経路を有する機械式分散機により、セパラブルフラスコに入っている前記界面活性剤溶液(80℃)中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製した。この分散液に、過硫酸カリウム0.8重量部をイオン交換水200重量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて4時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行った、この溶液に、過硫酸カリウム7.8重量部をイオン交換水280重量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、十分攪拌した後、80℃で、スチレン380重量部、n−ブチルアクリレート137.5重量部、メタクリル酸36重量部、t−ドデシルメルカプタン14.5重量部からなる単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、60分にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行った後、40℃まで冷却し[樹脂微粒子溶液1]を得た。
製造例3−2
スチレン12重量部、帯電制御剤(保土ヶ谷化学社製、商品名:スピロンブラックTRH)1重量部を混合し、サンドミル(関西ペイント株式会社製)を用いて12時間分散させた後、スチレン90重量部、n−ブチルアクリレート27重量部、ジビニルベンゼン0.45重量部、t−ドデシルメルカプタン1.0重量部、を、高剪断力で混合可能なホモミキサー(特殊機化工社製、TK式)により、11000rpmの回転数で攪拌、混合して均一分散を行い、[コア用重合性単量体組成物(混合液)]を調製した。一方、メチルメタクリレート5重量部と、水100重量部と、を超音波乳化機(特殊機化社製、TKホモミキサー)を用いて微分散化処理を行い、[シェル用重合性単量体水分散液]を調製した。
また、イオン交換水500重量部に塩化マグネシウム35重量部を溶解して得られた水溶液に、イオン交換水50重量部に水酸化ナトリウム12重量部を溶解して得られた水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、[水性分散媒]を調製した。
[水性分散媒]に、[コア用重合性単量体組成物(混合液)]を投入し混合した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート4重量部を添加し、TK式ホモミキサーを用い、14000rpmの回転数で高剪断攪拌して、コア用重合性単量体組成物の液滴を造粒した。該造粒した単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した重合反応器にいれ、90℃にて重合反応を開始させ、重合転化率がほぼ100%に達したときに、[シェル用重合性単量体水分散液]及び1%過硫酸カリウム水溶液1重量部を添加し、5時間反応を継続した後、反応を停止して、コア・シェル型重合体粒子の水分散液を調製した。得られたコア・シェル型重合体粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸により系のpHを4以下にして酸洗浄(25℃、10分間)を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500質量部を加えて再スラリー化し、水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰返し、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で24時間乾燥を行い、[樹脂微粒子溶液2]を得た。
製造例3−3
恒温水槽中で回転する密閉可能な反応容器内にメタノール1840重量部、イオン交換水160重量部、ポリビニルピロリドン75重量部を入れ、容器を常温下にて約1時間撹拌し、[親水性有機液体]を得た。この時、ポリビニルピロリドンは完全に溶解しているのを確認した。一方、分散安定剤を溶解したメタノール溶液250部を恒温水槽中で回転する密閉可能な反応容器内に移し、スチレン53重量部、アクリル酸メチル43重量部、1,3−ブタンジオールジメタクリレート3.0重量部、t−ドデシルメルカプタン0.5重量部を加えた。容器を回転させることにより混合させながら、容器内にNガスを吹き込むことにより完全に空気を追い出し、容器を密閉した。60℃恒温水槽中で容器を毎分120回転にて1時間回転させた後に、容器内にNガスを吹き込みながら2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8重量部を添加し、容器を密閉、60℃恒温水槽中で容器を毎分120回転にて6時間回転させた。更に、容器内にNガスを吹き込みながら、メタノール8重量部、1,3−ブタンジオールジメタクリレート1.5重量部、t−ドデシルメルカプタン0.35重量部を添加し、容器を密閉、60℃恒温水槽中で容器を毎分120回転にて18時間回転させ、[樹脂微粒子溶液3]を得た。
製造例3−4
恒温水槽中で回転する密閉可能な反応容器内にメタノール2000重量部、ポリビニルピロリドン100重量部を入れ、容器を常温下にて約1時間撹拌し、[親水性有機液体]を得た。この時、ポリビニルピロリドンは完全に溶解しているのを確認した。一方、分散安定剤を溶解したメタノール溶液250部を恒温水槽中で回転する密閉可能な反応容器内に移し、スチレン53重量部、アクリル酸メチル43重量部、1,3−ブタンジオールジメタクリレート3.0重量部、t−ドデシルメルカプタン0.5重量部を加えた。容器を回転させることにより混合させながら、容器内にNガスを吹き込むことにより完全に空気を追い出し、容器を密閉した。60℃恒温水槽中で容器を毎分120回転にて1時間回転させた後に、容器内にNガスを吹き込みながら2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8重量部を添加し、容器を密閉、60℃恒温水槽中で容器を毎分120回転にて6時間回転させた。更に、容器内にNガスを吹き込みながら、メタノール8重量部、1,3−ブタンジオールジメタクリレート1.5重量部、t−ドデシルメルカプタン0.35重量部を添加し、容器を密閉、60℃恒温水槽中で容器を毎分120回転にて18時間回転させ、[樹脂微粒子溶液4]を得た。
−樹脂微粒子の製造−
製造例4−1
得られた[樹脂微粒子溶液1]を固形分と溶液に濾別し、固形分を脱水と水洗浄を数回繰返し、得られた固形分を、乾燥機にて45℃で24時間乾燥を行い[樹脂微粒子1]を得た。
製造例4−2
製造例4−1の[樹脂微粒子溶液1]を[樹脂微粒子溶液2]に変更した以外は、製造例4−1と同様に処理を行い、[樹脂微粒子2]を得た。
製造例4−3
製造例4−1の[樹脂微粒子溶液1]を[樹脂微粒子溶液3]に変更した以外は、製造例4−1と同様に処理を行い、[樹脂微粒子3]を得た。
製造例4−4
製造例4−1の[樹脂微粒子溶液1]を[樹脂微粒子溶液4]に変更した以外は、製造例4−1と同様に処理を行い、[樹脂微粒子4]を得た。
−連鎖移動剤除去工程−
製造例2−2
[樹脂微粒子1]を、耐圧容器内に入れ、超臨界流体として二酸化炭素を選択し、下記の条件にて処理を行った。
常温、0.10MPa(1気圧)にて、+2〜3℃/min.、+0.2MPa/min.で加温加圧し、40℃、7.09MPa(70気圧)とした。ここで、流量を5.0L/min.(標準状態換算値)とし、+2〜3℃/min.、+10MPa/min.で加温加圧し、70℃、45.59MPa(450気圧)、の超臨界状態とした。流量を5.0L/min.(標準状態換算値)を保ったまま6時間処理を行なった。その後、流量を1.0〜3.0L/min.(標準状態換算値)にして、−2〜3℃/min.、−3〜5MPa/min.で冷却減圧し、常温、0.10MPa(1気圧)まで戻して、[樹脂微粒子5]を得た。
製造例2−3
製造例2−2の[樹脂微粒子1]を[樹脂微粒子2]に変更した以外は、製造例2−3と同様に処理を行い、[樹脂微粒子6]を得た。
製造例2−4
製造例2−2の[樹脂微粒子1]を[樹脂微粒子3]に変更した以外は、製造例2−3と同様に処理を行い、[樹脂微粒子7]を得た。
製造例2−5
製造例2−2の[樹脂微粒子1]を[樹脂微粒子4]に変更した以外は、製造例2−3と同様に処理を行い、[樹脂微粒子8]を得た。
実施例2〜5及び比較例2〜5
[樹脂微粒子5]〜[樹脂微粒子8](実施例2〜5)、及び[樹脂微粒子1]〜[樹脂微粒子4](比較例2〜5)を、ホットプレート上に乗せ、100℃、140℃、180℃にてそれぞれ加熱し、この時の微粒子の形状と発生臭気の評価を行なった。
微粒子の形状は加熱している樹脂微粒子に分銅を乗せ、得られた樹脂微粒子を電子顕微鏡にて形状を観察した。微粒子の形状を、「変形なし、変形、溶融」でランク分けを行ない、観察した粒子(少なくとも100個以上)で最も割合の多いランクを評価結果とした。発生臭気は、両端が空いている内径6cm高さ30cmの円筒形容器を加熱している樹脂微粒子を囲むように置き、容器上部から上がってくる臭気を官能評価した。なお、臭気は連鎖移動剤由来の臭気を観測したもので、モノマー由来の臭気は含まれない。結果は表1に示す。
Figure 2006001980
−樹脂微粒子溶液の製造−
製造例3−5
スチレン83重量部、n−ブチルアクリレート31重量部、メタクリル酸8.8重量部からなる単量体混合液にカルナウバワックス64重量部を添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。一方、8L内容積のオートクレーブに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.8重量部をイオン交換水1600重量部に溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、攪拌しながら内温を90℃に昇温させた。そこに、過硫酸カリウム0.8重量部をイオン交換水200重量部に溶解させた開始剤溶液を添加し90℃に昇温して10時間重合として[樹脂微粒子溶液5]を調製した。
−着色剤分散液の製造−
製造例5−1
イオン交換水160重量部にn−ドデシル硫酸ナトリウム9.6重量部を入れ溶解させた溶液に、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25B)20重量部を攪拌下にて徐々に添加し、次いで、高剪断力で混合可能なホモミキサー(特殊機化工社製、TK式)を用いて分散処理することにより、[着色剤分散液1]を調製した。
−画像形成粒子の製造−
製造例6−1
[樹脂微粒子溶液5]835重量部、イオン交換水2159部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.2重量部の混合溶液に、[樹脂微粒子5]200重量部、[着色剤分散液1]200重量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた5Lの四つ口フラスコに入れ高剪断を加えて十分に分散した。
液温を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.5重量部をイオン交換水72重量部に溶解した水溶液を、30℃攪拌下にて10分間かけて添加した。5分間放置した後に昇温を開始し、この系を10分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が5.8〜6.2μmになった時点で、塩化ナトリウム115重量部をイオン交換水700重量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に、液温度90℃±2℃にて液温を保持しながら6時間攪拌することにより融着を継続させた。その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却した。得られた会合粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸により系のpHを4以下にして酸洗浄(25℃、10分間)を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500重量部を加えて再スラリー化し、水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰返し、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で24時間乾燥を行い、[画像形成粒子1]を得た。[画像形成粒子1]のDvは6.0μm、Dv/Dnは1.20であった。
製造例6−2
製造例6−1の[樹脂微粒子5]を、[樹脂微粒子6]に変更した以外は製造例6−1と同様に処理を行い、[画像形成粒子2]を得た。[画像形成粒子2]のDvは5.8μm、Dv/Dnは1.24であった。
製造例6−3
製造例6−1の[樹脂微粒子5]を、[樹脂微粒子7]に変更した以外は製造例6−1と同様に処理を行い、[画像形成粒子3]を得た。[画像形成粒子3]のDvは6.1μm、Dv/Dnは1.18であった。
−着色剤分散液の製造−
製造例5−2
オイルブラック860を30.0重量部をメタノール20重量部を加え加熱溶解後、冷却し1μmのミクロフィルターで濾別して、[着色剤分散液2]10重量部を調製した。
−着色樹脂粒子の製造−
製造例7−1
[樹脂微粒子8]12重量部に、メタノール50重量部、水50重量部、[着色剤分散液2]10重量部を加え、高剪断による分散を行った後、50℃で1時間撹拌し、その後分散液を室温まで冷却した。得られた固形分は、遠心沈降させ上澄みを除き、メタノール50重量部、水50重量部の混同溶媒に再分散する操作を3回行った。濾別後風乾し、40℃で6時間減圧乾燥することにより、[着色樹脂粒子1]を得た。
−帯電制御剤固定化工程を経ての画像形成粒子の製造−
製造例8−1
[着色樹脂粒子1]100重量部をスピロンブラックTHR(保土ケ谷化学製)0.5重量部をヘンシェルミキサー(三井三池化工製)で5分間撹拌した後、ハイブリダイゼーションNHS−1(奈良機械製作所製)にて回転数7000rpmで5分間処理して[画像形成粒子4]を得た。[画像形成粒子4]のDvは6.2μm、Dv/Dnは1.02であった。
−画像形成粒子の製造−
製造例6−4
製造例6−1の[樹脂微粒子5]を、[樹脂微粒子1]に変更した以外は製造例6−1と同様に処理を行い、[画像形成粒子5]を得た。[画像形成粒子5]のDvは6.0μm、Dv/Dnは1.20であった。
製造例6−5
製造例6−1の[樹脂微粒子5]を、[樹脂微粒子2]に変更した以外は製造例6−1と同様に処理を行い、[画像形成粒子6]を得た。[画像形成粒子6]のDvは5.8μm、Dv/Dnは1.24であった。
製造例6−6
製造例6−1の[樹脂微粒子5]を、[樹脂微粒子3]に変更した以外は製造例6−1と同様に処理を行い、[画像形成粒子7]を得た。[画像形成粒子7]のDvは6.1μm、Dv/Dnは1.18であった。
−着色樹脂粒子の製造−
製造例7−2
製造例7−1の[樹脂微粒子8] を、[樹脂微粒子4]に変更した以外は製造例7−1と同様に処理を行い、[着色樹脂粒子2]を得た。
−帯電制御剤固定化工程を経ての画像形成粒子の製造−
製造例8−2
製造例8−1の[着色樹脂粒子1]を、[着色樹脂粒子2]に変更した以外は製造例8−1と同様に処理を行い、[画像形成粒子8]を得た。[画像形成粒子8]のDvは6.2μm、Dv/Dnは1.02であった。
実施例6〜9及び比較例6〜9
[画像形成粒子1]〜[画像形成粒子4](実施例6〜9)、及び[画像形成粒子5]〜[画像形成粒子8](比較例6〜9)について、熱定着時の臭気を評価した。
まず、得られた画像形成粒子100重量部に、疎水化処理が施された平均粒子径12nmのシリカ(日本アエロジル社製、商品名「RX200」)0.8重量部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて表面処理を行い、常法により現像剤を作製し、各現像剤について、タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cmのベタ画像を形成した。該ベタ画像の形成は、前記複写紙20000枚に対して、繰り返し行った。得られたベタ画像を定着装置を用いて定着した。なお、定着ベルトの温度が可変となる様に調整を行なっており、前記複写紙オフセットの発生する温度から15℃低い温度で熱定着を行った。
床面積100m(10m×10m)、高さ2mの空気の流通のない密閉された室内で、熱定着を行い、その時に発生する臭気を20名の評価員により評価した。
臭気評価は次の通りである。
評価員が熱定着実施後の室内に入った時の臭気を以下のように評価してもらった。
臭いを感じない、臭いを感じる、臭いを強く感じる、臭いを非常に強く感じる、の4段階で評価した。
評価結果を表2に示す。
Figure 2006001980
本発明の画像形成方法を実施する画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成方法を実施する画像形成装置の他の例を示す概略図である。 本発明の画像形成方法を実施するための画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)の一例を示す概略図である。 図3に示す画像形成装置における一部拡大概略図である。 本発明のプロセスカートリッジを装着した画像形成装置の概略図である。 本発明の画像形成装置を構成するアモルファスシリコン感光体の層構成を示す図である。 本発明の交互電界を印加する現像手段を備えた画像形成装置の概略図である。 本発明のサーフ定着手段を備えた画像形成装置の概略図である。
符号の説明
(図1〜4)
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器(ユニット)
45Y イエロー用現像器(ユニット)
45M マゼンタ用現像器(ユニット)
45C シアン用現像器(ユニット)
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
59 帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
110 ベルト式定着装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
(図6)
500 アモルファスシリコン感光体
501 支持体
502 光導電層
503 アモルファスシリコン系表面層
504 アモルファスシリコン系電荷注入阻止層
505 電荷発生層
506 電荷輸送層
(図7)
1 現像器
2 現像スリーブ
3 電源
4 感光体ドラム

Claims (27)

  1. 少なくとも連鎖移動剤を含有するラジカル重合性単量体を重合させることにより得られる樹脂に、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて接触させ、該樹脂から連鎖移動剤を除去する連鎖移動剤除去工程を少なくとも含むことを特徴とする樹脂の製造方法。
  2. 前記重合性単量体が一種または二種以上のビニル単量体であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂の製造方法。
  3. 前記重合性単量体として少なくともスチレンおよびアクリル酸誘導体もしくはメタクリル酸誘導体を使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂の製造方法。
  4. 前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、樹脂を溶解させることなく、連鎖移動剤を溶解可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂の製造方法。
  5. 前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、単体及び混合物のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂の製造方法。
  6. 前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、少なくとも二酸化炭素を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂の製造方法。
  7. 前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、有機溶媒を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の樹脂の製造方法。
  8. 前記連鎖移動剤が溶解した超臨界流体及び亜臨界流体から連鎖移動剤を回収する工程が、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに溶解されている連鎖移動剤を析出させることにより行われることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の樹脂の製造方法。
  9. 少なくとも連鎖移動剤を含有するラジカル重合性単量体を重合させることにより得られる樹脂微粒子に、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて接触させ、該樹脂微粒子から連鎖移動剤を除去する連鎖移動剤除去工程を少なくとも含むことを特徴とする樹脂微粒子の製造方法。
  10. 前記樹脂微粒子のメディアン径とモード径との比が1.10以下であることを特徴とする請求項9に記載の樹脂微粒子の製造方法。
  11. 重合開始剤が溶解している水系媒体中に、少なくとも、該水系媒体中に溶解したラジカル性重合性単量体及び該水系媒体中に溶解した連鎖移動剤を供給して重合し、重合粒子を形成することを特徴とする請求項9又は10に記載の樹脂微粒子の製造方法。
  12. 有機系媒体中に、該有機系媒体中には溶解するが、生成する重合体は該有機系媒体中には不溶性もしくは難溶性のラジカル性重合性単量体を加えて重合し重合粒子を形成する工程において、該工程中に連鎖移動剤を少なくとも1回以上添加することを特徴とする請求項9又は10に記載の樹脂微粒子の製造方法。
  13. 少なくとも、重合性単量体、重合開始剤を含有する重合性混合物を、懸濁安定剤を含有する水性分散媒系中に投入し、撹拌して重合することにより重合粒子を形成する工程において、該工程中に連鎖移動剤を少なくとも1回以上添加することを特徴とする請求項9又は10に記載の樹脂微粒子の製造方法。
  14. 請求項11乃至13のいずれかに記載の製造方法で得られる樹脂微粒子を種粒子として、水性若しくは有機溶媒中に分散した溶液中において重合を行うシード重合の工程を、少なくとも1回以上行うことを特徴とする樹脂微粒子の製造方法。
  15. 前記樹脂微粒子は、画像形成粒子製造時に用いられることを特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の樹脂微粒子の製造方法。
  16. 前記樹脂微粒子は、画像形成粒子粒子の一部若しくは全体となることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載の樹脂微粒子の製造方法。
  17. 請求項9乃至16のいずれかに記載の樹脂微粒子の製造方法により製造されることを特徴とする樹脂微粒子。
  18. 請求項17に記載の前記樹脂微粒子を用いて製造されることを特徴とする画像形成粒子。
  19. 請求項18に記載の画像形成粒子を含むことを特徴とする現像剤。
  20. 請求項19に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
  21. 請求項18に記載の画像形成粒子を容器中に収容してなることを特徴とする画像形成粒子入り容器。
  22. 潜像を担持する像担持体と、該像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された潜像に画像形成粒子を供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録紙に転写する転写手段と、該記録紙に転写された可視像を定着する定着手段と、転写後の該像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、該画像形成粒子として、請求項18に記載の画像形成粒子を装填したことを特徴とする画像形成装置。
  23. 前記像担持体がアモルファスシリコン感光体であることを特徴とする請求項22に記載の画像形成装置。
  24. 発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、前記フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着することを特徴とする請求項22に記載の画像形成装置。
  25. 前記像担持体上の潜像を現像する際に、交互電界を印加することを特徴とする請求項22に記載の画像形成装置。
  26. 前記像担持体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも現像手段を含む一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は画像形成粒子を保持し、該画像形成粒子は、請求項18に記載の静電荷現像用の画像形成粒子であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  27. 請求項22乃至25のいずれかに記載の画像形成装置に装着することを特徴とする請求項26に記載のプロセスカートリッジ。


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