JP2006001011A - 2軸延伸積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術品よりも酸素透過度がさらに小さく、貫孔強度、耐ピンホール性、及びシール適性にも優れる2軸延伸積層フィルムを提供すること。
【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物からなるガスバリヤー層の両面に接着性樹脂からなる接着層を介して融点が157〜170℃のポリプロピレンと非晶性エチレン−1−ブテン共重合体及び/又は結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体とが特定比でもってブレンドした組成物からなる表裏層が積層された少なくとも5層からなる2軸延伸積層フィルムとする。
【選択図】なし。
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【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物からなるガスバリヤー層の両面に接着性樹脂からなる接着層を介して融点が157〜170℃のポリプロピレンと非晶性エチレン−1−ブテン共重合体及び/又は結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体とが特定比でもってブレンドした組成物からなる表裏層が積層された少なくとも5層からなる2軸延伸積層フィルムとする。
【選択図】なし。
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Description
本発明は2軸延伸積層フィルムに関し、より詳しくは、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物からなるガスバリヤー層の両面に接着性樹脂からなる接着層を介して融点が157〜170℃のポリプロピレンと非晶性エチレン−1−ブテン共重合体及び/又は結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とエチレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体との組成物からなる表裏層が積層された少なくとも5層からなる2軸延伸積層フィルムに関する。
エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(以下、EVOHという。)からなるフィルム、特に2軸延伸EVOHフィルムは酸素透過度が小さく、保香性にも優れているが、吸湿するとこれらの特性が大幅に低下するという欠点がある。又、耐衝撃性に欠けるという欠点もある。
これらの欠点を解消するために、防湿性に優れ耐衝撃性にも優れるポリプロピレン層を積層することが考えられるが、この積層フィルムを高倍率で2軸延伸しようとすると、フィルムの破断、EVOH層の白化、フィブリル化、網状化等が発生し、良好な2軸延伸フィルムを得ることができない。
これらの欠点を解消するために、防湿性に優れ耐衝撃性にも優れるポリプロピレン層を積層することが考えられるが、この積層フィルムを高倍率で2軸延伸しようとすると、フィルムの破断、EVOH層の白化、フィブリル化、網状化等が発生し、良好な2軸延伸フィルムを得ることができない。
そこで良好な2軸延伸フィルムを得るための提案が種々なされている。その1つは、高エチレン含有量のEVOHを使用するものである(例えば、特許文献1参照)。
また、高エチレン含有量及び/又は低ケン化度のEVOHを低エチレン含有量高ケン化度のEVOHに混合して延伸性の改良を図るものもある(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
また、低融点のEVOHを高融点のEVOHに混合して延伸性の改良を図るものもある(例えば、特許文献4参照)。
また、ポリプロピレン層として高立体規則性、高結晶性のポリプロピレンを使用し、EVOH層として低融点のEVOHと高融点のEVOHとの混合物を使用して延伸性の改良を図るものもある(例えば、特許文献5参照)。
また、EVOH層は1軸延伸ではあるが、ポリプロピレン/炭化水素系樹脂含有ポリプロピレン層/ポリプロピレン層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層の構成とし、防湿性に優れる炭化水素系樹脂含有ポリプロピレン層を設けることによって酸素透過度を小さくするというものもある(例えば、特許文献6参照)。
また、高エチレン含有量及び/又は低ケン化度のEVOHを低エチレン含有量高ケン化度のEVOHに混合して延伸性の改良を図るものもある(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
また、低融点のEVOHを高融点のEVOHに混合して延伸性の改良を図るものもある(例えば、特許文献4参照)。
また、ポリプロピレン層として高立体規則性、高結晶性のポリプロピレンを使用し、EVOH層として低融点のEVOHと高融点のEVOHとの混合物を使用して延伸性の改良を図るものもある(例えば、特許文献5参照)。
また、EVOH層は1軸延伸ではあるが、ポリプロピレン/炭化水素系樹脂含有ポリプロピレン層/ポリプロピレン層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層の構成とし、防湿性に優れる炭化水素系樹脂含有ポリプロピレン層を設けることによって酸素透過度を小さくするというものもある(例えば、特許文献6参照)。
しかしながら、前記の各提案は効果の点で未だ不十分であり、結局のところエチレン含有量の多いEVOHを使用せざるを得ないものであるので、得られた2軸延伸フィルムの酸素透過度が大きいという欠点を有す。
例えば、特許文献2の実施例のEVOH層の厚さは約2μmで、フィルムの酸素透過度は10〜30cc/m2・day・atm(20℃×65%RH)である。
また、特許文献3の実施例では、EVOH層の厚さが5μmであるフィルムの酸素透過度は3.0cc/m2・day・atm(20℃×50%RH)、EVOH層の厚さが4μmであるフィルムの酸素透過度は3.7〜4.1cc/m2・day・atm(20℃×50%RH)、EVOH層の厚さが3μmであるフィルムの酸素透過度は4.7cc/m2・day・atm(20℃×50%RH)である(測定時の湿度が50%RHと低いことに注意。湿度が低いと酸素透過度は小さくなる)。
また、特許文献4の同時共押出成形の実施例では、EVOH層の厚さを20μmに換算したときのフィルムの酸素透過度は1.5〜2.9cc/m2・day・atm(20℃×85%RH)である。
また、特許文献5の同時共押出成形の実施例では、EVOH層の厚さを20μmに換算したときのフィルムの酸素透過度は7〜25cc/m2・day・atm(20℃×85%RH)である。
また、特許文献6の実施例では、EVOH層の厚さが3μmであるフィルムの酸素透過度は9.4cc/m2・day・atm(20℃×80%RH)、EVOH層の厚さが4μmであるフィルムの酸素透過度は9.0cc/m2・day・atm(20℃×80%RH)、EVOH層の厚さが5μmであるフィルムの酸素透過度は6.5cc/m2・day・atm(20℃×80%RH)である。
なお、特許文献1の実施例の延伸後の積層フィルム厚さは計算上0.37〜0.63μmであり、とても製造することのできない薄さである。又、実施例で使用したEVOHがどのようなものであるかの記載もない。しかしながら、発明の詳細な説明にはエチレン含有量が少なくとも45モル%のEVOHが好ましいとある。そこで45モル%のEVOHを使用して製造可能な通常の厚さのフィルムを製造したとすれば、EVOHの内容、延伸条件等から、その酸素透過度は特許文献4とほぼ同様の値になると推測される。
例えば、特許文献2の実施例のEVOH層の厚さは約2μmで、フィルムの酸素透過度は10〜30cc/m2・day・atm(20℃×65%RH)である。
また、特許文献3の実施例では、EVOH層の厚さが5μmであるフィルムの酸素透過度は3.0cc/m2・day・atm(20℃×50%RH)、EVOH層の厚さが4μmであるフィルムの酸素透過度は3.7〜4.1cc/m2・day・atm(20℃×50%RH)、EVOH層の厚さが3μmであるフィルムの酸素透過度は4.7cc/m2・day・atm(20℃×50%RH)である(測定時の湿度が50%RHと低いことに注意。湿度が低いと酸素透過度は小さくなる)。
また、特許文献4の同時共押出成形の実施例では、EVOH層の厚さを20μmに換算したときのフィルムの酸素透過度は1.5〜2.9cc/m2・day・atm(20℃×85%RH)である。
また、特許文献5の同時共押出成形の実施例では、EVOH層の厚さを20μmに換算したときのフィルムの酸素透過度は7〜25cc/m2・day・atm(20℃×85%RH)である。
また、特許文献6の実施例では、EVOH層の厚さが3μmであるフィルムの酸素透過度は9.4cc/m2・day・atm(20℃×80%RH)、EVOH層の厚さが4μmであるフィルムの酸素透過度は9.0cc/m2・day・atm(20℃×80%RH)、EVOH層の厚さが5μmであるフィルムの酸素透過度は6.5cc/m2・day・atm(20℃×80%RH)である。
なお、特許文献1の実施例の延伸後の積層フィルム厚さは計算上0.37〜0.63μmであり、とても製造することのできない薄さである。又、実施例で使用したEVOHがどのようなものであるかの記載もない。しかしながら、発明の詳細な説明にはエチレン含有量が少なくとも45モル%のEVOHが好ましいとある。そこで45モル%のEVOHを使用して製造可能な通常の厚さのフィルムを製造したとすれば、EVOHの内容、延伸条件等から、その酸素透過度は特許文献4とほぼ同様の値になると推測される。
本発明の課題は、従来技術品よりも酸素透過度がさらに小さく、貫孔強度、耐ピンホール性、及びシール適性にも優れる2軸延伸積層フィルムを提供することにある。
また本発明は、2軸延伸積層フィルムにヒートシール性を付与することを課題とする。
さらに本発明は、2軸延伸積層フィルムを用いた包装体を提供することを課題とする。
また本発明は、2軸延伸積層フィルムにヒートシール性を付与することを課題とする。
さらに本発明は、2軸延伸積層フィルムを用いた包装体を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するため本発明は、下記(1)又は(2)のいずれかの組成物からなる表裏層(A)と接着性樹脂からなる接着層(B)とエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物からなるガスバリヤー層(C)とが(A)/(B)/(C)/(B)/(A)の順に積層された少なくとも5層からなる2軸延伸積層フィルムであることを特徴とする。
(1)融点が157〜170℃のポリプロピレン98〜85質量%と非晶性エチレン−1−ブテン共重合体2〜15質量%と、両者の合計100質量部に対し任意成分として結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体0〜60質量部との組成物。
(2)融点が157〜170℃のポリプロピレン80〜35質量%と結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体20〜65質量%と、両者の合計100質量部に対し任意成分として非晶性エチレン−1−ブテン共重合体0〜15質量%との組成物。
また、ガスバリヤー層(C)が、180℃を越え190℃以下の融点を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物30〜70質量%と160〜180℃の融点を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物70〜30質量%とのブレンド物からなる2軸延伸積層フィルムであることを特徴とする。
また、ガスバリヤー層(C)の厚さを3μmに換算したときの酸素透過度が2〜4cc/m2・day・atm(20℃×65%RH)の2軸延伸積層フィルムであることを特徴とする。
また、表裏層(A)の少なくとも片面上に易ヒートシール性樹脂からなるシール層(D)がさらに設けられた2軸延伸積層フィルムであることを特徴とする。
さらに、前記の2軸延伸積層フィルムを用いた包装体であることを特徴とする。
(1)融点が157〜170℃のポリプロピレン98〜85質量%と非晶性エチレン−1−ブテン共重合体2〜15質量%と、両者の合計100質量部に対し任意成分として結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体0〜60質量部との組成物。
(2)融点が157〜170℃のポリプロピレン80〜35質量%と結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体20〜65質量%と、両者の合計100質量部に対し任意成分として非晶性エチレン−1−ブテン共重合体0〜15質量%との組成物。
また、ガスバリヤー層(C)が、180℃を越え190℃以下の融点を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物30〜70質量%と160〜180℃の融点を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物70〜30質量%とのブレンド物からなる2軸延伸積層フィルムであることを特徴とする。
また、ガスバリヤー層(C)の厚さを3μmに換算したときの酸素透過度が2〜4cc/m2・day・atm(20℃×65%RH)の2軸延伸積層フィルムであることを特徴とする。
また、表裏層(A)の少なくとも片面上に易ヒートシール性樹脂からなるシール層(D)がさらに設けられた2軸延伸積層フィルムであることを特徴とする。
さらに、前記の2軸延伸積層フィルムを用いた包装体であることを特徴とする。
本発明によれば、従来技術品よりも酸素透過度がさらに小さい2軸延伸積層フィルムが得られる。
さらには、貫孔強度、耐ピンホール性、及びシール適性にも優れる2軸延伸積層フィルムが得られる。
さらには、貫孔強度、耐ピンホール性、及びシール適性にも優れる2軸延伸積層フィルムが得られる。
本発明者らは前記の従来技術に係る欠点に鑑み鋭意研究の結果、表裏層(A)と接着性樹脂からなる接着層(B)とEVOHからなるガスバリヤー層(C)とが(A)/(B)/(C)/(B)/(A)の順に積層された少なくとも5層からなる積層フィルムにおいて、表裏層(A)として特定の融点を有するポリプロピレンと非晶性エチレン−1−ブテン共重合体及び/又は結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体とを特定比でもってブレンドした組成物からなる表裏層(A)とすると、高倍率で2軸延伸しても、フィルムの破断やEVOH層の白化、フィブリル化、網状化等が発生しない、即ち、透明性がよく、酸素透過度が小さく、さらには、貫孔強度、耐ピンホール性、及びシール適性にも優れる従来技術品よりも遥かに優れた2軸延伸積層フィルムが得られることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明の表裏層(A)に使用するポリプロピレンとしてはプロピレン単独重合体、プロピレンを主成分とするエチレン、1−ブテン等のα−オレフィンとの共重合体が挙げられるが、融点が157〜170℃のものでなければならない。
融点が157℃未満では、耐ピンホール性やシール適性に劣る傾向にある。一方、融点が170℃を越えると2軸延伸性に劣る傾向にある。
なお、MFR(230℃、21.18N)は好ましくは0.5〜15g/10分、より好ましくは1〜10g/10分である。
融点が157℃未満では、耐ピンホール性やシール適性に劣る傾向にある。一方、融点が170℃を越えると2軸延伸性に劣る傾向にある。
なお、MFR(230℃、21.18N)は好ましくは0.5〜15g/10分、より好ましくは1〜10g/10分である。
本発明における非晶性エチレン−1−ブテン共重合体とは、1−ブテン含有量が好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上92質量%以下のものであり、且つ、示差走査熱量計(DSC)で測定したとき結晶融解ピーク及び結晶化ピークを有しない共重合体のことである。
極限粘度[η]としては、70℃、キシレン溶媒で0.3(dl/g)以上、好ましくは0.5(dl/g)以上、より好ましくは0.7(dl/g)以上1.1(dl/g)以下のものである。
詳しくは特開平10−158442号公報に開示されているので、ここでは更なる説明は割愛する。
極限粘度[η]としては、70℃、キシレン溶媒で0.3(dl/g)以上、好ましくは0.5(dl/g)以上、より好ましくは0.7(dl/g)以上1.1(dl/g)以下のものである。
詳しくは特開平10−158442号公報に開示されているので、ここでは更なる説明は割愛する。
表裏層(A)を形成する組成物としては、ポリプロピレン98〜85質量%と非晶性エチレン−1−ブテン共重合体2〜15質量%とからなる組成物であることが好ましい。より好ましくは、ポリプロピレン97〜87質量%と非晶性エチレン−1−ブテン共重合体3〜13質量%とからなる組成物である
ポリプロピレンが98質量%を超え、非晶性エチレン−1−ブテン共重合体が2質量%未満の場合には、積層フィルムを高倍率で2軸延伸すると、フィルムの破断やEVOH層の白化、フィブリル化、網状化等が発生し、良好な2軸延伸積層フィルムを得ることが難しくなる傾向にある。
一方、ポリプロピレンが85質量%未満、非晶性エチレン−1−ブテン共重合体が15質量%を越える場合には、フィルム表面の滑性やシール適性が悪くなる傾向にある。
なお、非晶性エチレン−1−ブテン共重合体に代えて、バナジウム触媒で作られたエチレン−プロピレンゴムやエチレン−1−ブテンゴム、或いは、プロピレンを重合したときに得られるポリプロピレンが示差走査熱量計(DSC)で測定したときに結晶化ピークや結晶融解ピークを有するような触媒で作られたエチレン−1−ブテン共重合体では、本発明に係る非晶性エチレン−1−ブテン共重合体の効果は期待できない。
何故なら、本発明に係る非晶性エチレン−1−ブテン共重合体はポリプロピレンとの相溶性が非常によく、且つ非晶性であるゆえ、少量の配合量で前記のような効果を発揮するが、前記したその他のものでは延伸性の改善のためには多量配合しなくてはならず、従って貫孔強度や耐ピンホール性、シール適性に劣った2軸延伸積層フィルムしか得られないからである。
ポリプロピレンが98質量%を超え、非晶性エチレン−1−ブテン共重合体が2質量%未満の場合には、積層フィルムを高倍率で2軸延伸すると、フィルムの破断やEVOH層の白化、フィブリル化、網状化等が発生し、良好な2軸延伸積層フィルムを得ることが難しくなる傾向にある。
一方、ポリプロピレンが85質量%未満、非晶性エチレン−1−ブテン共重合体が15質量%を越える場合には、フィルム表面の滑性やシール適性が悪くなる傾向にある。
なお、非晶性エチレン−1−ブテン共重合体に代えて、バナジウム触媒で作られたエチレン−プロピレンゴムやエチレン−1−ブテンゴム、或いは、プロピレンを重合したときに得られるポリプロピレンが示差走査熱量計(DSC)で測定したときに結晶化ピークや結晶融解ピークを有するような触媒で作られたエチレン−1−ブテン共重合体では、本発明に係る非晶性エチレン−1−ブテン共重合体の効果は期待できない。
何故なら、本発明に係る非晶性エチレン−1−ブテン共重合体はポリプロピレンとの相溶性が非常によく、且つ非晶性であるゆえ、少量の配合量で前記のような効果を発揮するが、前記したその他のものでは延伸性の改善のためには多量配合しなくてはならず、従って貫孔強度や耐ピンホール性、シール適性に劣った2軸延伸積層フィルムしか得られないからである。
前記のポリプロピレンと非晶性エチレン−1−ブテン共重合体とからなる組成物には、さらに任意成分として後記するブロック共重合体を配合してもよい。
その量は、組成物の合計を100質量部としたときブロック共重合体は0〜60質量部である。組成物中の非晶性エチレン−1−ブテン共重合体の量が多い場合には、ブロック共重合体はこの範囲の内の少ない方を、逆に組成物中の非晶性エチレン−1−ブテン共重合体の量が少ない場合には、ブロック共重合体はこの範囲の内の多いほうを任意に選択するのがより好ましい。
なお、表裏層(A)の表層と裏層とは、前記した組成の範囲内であれば互いに違ったものであってもよいが、同じ組成であることがより好ましい。
その量は、組成物の合計を100質量部としたときブロック共重合体は0〜60質量部である。組成物中の非晶性エチレン−1−ブテン共重合体の量が多い場合には、ブロック共重合体はこの範囲の内の少ない方を、逆に組成物中の非晶性エチレン−1−ブテン共重合体の量が少ない場合には、ブロック共重合体はこの範囲の内の多いほうを任意に選択するのがより好ましい。
なお、表裏層(A)の表層と裏層とは、前記した組成の範囲内であれば互いに違ったものであってもよいが、同じ組成であることがより好ましい。
本発明に係るブロック共重合体とは、結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体である。
結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)は、結晶性であれば、プロピレン単独重合体でもよく、プロピレンと少量のエチレン、1−ブテン等のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)は、好ましくはプロピレン90〜20モル%とα−オレフィン10〜80モル%、より好ましくはプロピレン90〜40モル%とα−オレフィン10〜60モル%とのランダム共重合体である。α−オレフィンとしては、好ましくはエチレン及び/又は1−ブテンが挙げられる。より好ましくはエチレンである。
ブロック共重合体の軟化点は、好ましくは70〜90℃である。
また、ブロック共重合体のMFR(230℃、21.18N)は、好ましくは1〜6g/10分である。
結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)は、結晶性であれば、プロピレン単独重合体でもよく、プロピレンと少量のエチレン、1−ブテン等のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)は、好ましくはプロピレン90〜20モル%とα−オレフィン10〜80モル%、より好ましくはプロピレン90〜40モル%とα−オレフィン10〜60モル%とのランダム共重合体である。α−オレフィンとしては、好ましくはエチレン及び/又は1−ブテンが挙げられる。より好ましくはエチレンである。
ブロック共重合体の軟化点は、好ましくは70〜90℃である。
また、ブロック共重合体のMFR(230℃、21.18N)は、好ましくは1〜6g/10分である。
表裏層(A)を形成する組成物としては、融点が157〜170℃のポリプロピレン80〜35質量%とブロック共重合体20〜65質量%とからなる組成物であってもよい。より好ましくは、ポリプロピレン70〜40質量%とブロック共重合体30〜60質量%とからなる組成物である。
ポリプロピレンが80質量%を超え、ブロック共重合体が20質量%未満の場合には、積層フィルムを高倍率で2軸延伸すると、フィルムの破断やEVOH層の白化、フィブリル化、網状化等が発生し、良好な2軸延伸積層フィルムを得ることが難しくなる傾向にある。
一方、ポリプロピレンが35質量%未満、ブロック共重合体が65質量%を越える場合には、フィルム表面の滑性やシール適性が悪くなる傾向にある。
なお、本発明に係るブロック共重合体に代えて他のブロック共重合体、例えば、ポリプロピレンブロックとポリエチレンブロックとからなるブロック共重合体やSEBSのようなブロック共重合体では、本発明に係るブロック共重合体の効果は期待できない。
何故なら、他のブロック共重合体では透明性、酸素透過度、貫孔強度、耐ピンホール性、及びシール適性の全てを満足する2軸延伸積層フィルムが得られないからである。
ポリプロピレンが80質量%を超え、ブロック共重合体が20質量%未満の場合には、積層フィルムを高倍率で2軸延伸すると、フィルムの破断やEVOH層の白化、フィブリル化、網状化等が発生し、良好な2軸延伸積層フィルムを得ることが難しくなる傾向にある。
一方、ポリプロピレンが35質量%未満、ブロック共重合体が65質量%を越える場合には、フィルム表面の滑性やシール適性が悪くなる傾向にある。
なお、本発明に係るブロック共重合体に代えて他のブロック共重合体、例えば、ポリプロピレンブロックとポリエチレンブロックとからなるブロック共重合体やSEBSのようなブロック共重合体では、本発明に係るブロック共重合体の効果は期待できない。
何故なら、他のブロック共重合体では透明性、酸素透過度、貫孔強度、耐ピンホール性、及びシール適性の全てを満足する2軸延伸積層フィルムが得られないからである。
前記のポリプロピレンとブロック共重合体とからなる組成物には、さらに任意成分として非晶性エチレン−1−ブテン共重合体を配合してもよい。
その量は、組成物の合計を100質量部としたとき非晶性エチレン−1−ブテン共重合体は0〜15質量部、より好ましくは0〜12質量部である。組成物中のブロック共重合体の量が多い場合には、非晶性エチレン−1−ブテン共重合体はこの範囲の内の少ない方を、逆に組成物中のブロック共重合体の量が少ない場合には、非晶性エチレン−1−ブテン共重合体はこの範囲の内の多い方を任意に選択するのがより好ましい。
なお、表裏層(A)の表層と裏層とは、前記した組成の範囲内であれば互いに違ったものであってもよいが、同じ組成であることがより好ましい。
その量は、組成物の合計を100質量部としたとき非晶性エチレン−1−ブテン共重合体は0〜15質量部、より好ましくは0〜12質量部である。組成物中のブロック共重合体の量が多い場合には、非晶性エチレン−1−ブテン共重合体はこの範囲の内の少ない方を、逆に組成物中のブロック共重合体の量が少ない場合には、非晶性エチレン−1−ブテン共重合体はこの範囲の内の多い方を任意に選択するのがより好ましい。
なお、表裏層(A)の表層と裏層とは、前記した組成の範囲内であれば互いに違ったものであってもよいが、同じ組成であることがより好ましい。
本発明に係るEVOH(エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物)とは、エチレン含有量が好ましくは30〜40モル%、より好ましくは32〜40モル%、更に好ましくは34〜40モル%で、ケン化度が好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上のものである。
2種類以上のEVOHをブレンドして使用する場合には、エチレン含有量の平均値とケン化度とが前記の範囲に入っていることが望ましい。
エチレン含有量が30モル%未満で且つケン化度が98%以上のEVOHの場合、酸素透過度においてはより好ましいが、積層フィルムを高倍率で2軸延伸しようとすると、フィルムの破断、EVOH層の白化、フィブリル化、網状化等が発生し、良好な2軸延伸フィルムを得ることができない。
一方、エチレン含有量が40モル%を超え且つケン化度が98%以上のEVOHの場合、酸素透過度が大きくなり好ましくない傾向にある。また、ケン化度が98%未満のEVOHの場合は酸素透過度がさらに大きくなり好ましくない傾向にある。
MFR(210℃、21.18N)としては、好ましくは1〜50g/10分、より好ましくは2〜30g/10分である。
なお、EVOHとしては、例えばエチレン以外のオレフィン類や(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等共重合可能な他の単量体を少量共重合させたものであってもよく、又、ウレタン化、アセタール化等後変性させたものであってもよい。
2種類以上のEVOHをブレンドして使用する場合には、エチレン含有量の平均値とケン化度とが前記の範囲に入っていることが望ましい。
エチレン含有量が30モル%未満で且つケン化度が98%以上のEVOHの場合、酸素透過度においてはより好ましいが、積層フィルムを高倍率で2軸延伸しようとすると、フィルムの破断、EVOH層の白化、フィブリル化、網状化等が発生し、良好な2軸延伸フィルムを得ることができない。
一方、エチレン含有量が40モル%を超え且つケン化度が98%以上のEVOHの場合、酸素透過度が大きくなり好ましくない傾向にある。また、ケン化度が98%未満のEVOHの場合は酸素透過度がさらに大きくなり好ましくない傾向にある。
MFR(210℃、21.18N)としては、好ましくは1〜50g/10分、より好ましくは2〜30g/10分である。
なお、EVOHとしては、例えばエチレン以外のオレフィン類や(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等共重合可能な他の単量体を少量共重合させたものであってもよく、又、ウレタン化、アセタール化等後変性させたものであってもよい。
ガスバリヤー層(C)を形成するEVOHとして、180℃を越え190℃以下の融点を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物30〜70質量%と160〜180℃の融点を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物70〜30質量%とのブレンド物とすると、積層フィルムの延伸性とガスバリヤー性とのバランスからより好ましいものとなる。
本発明の接着性樹脂とは、前記の表裏層(A)とガスバリヤー層(C)とを接着するものであれば特に限定するものではなく、例えば、酸変性ポリオレフィンが例示できる。好ましいのものとして無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。より好ましいものとしてプロピレン単独重合体又はエチレン含有量が1質量%未満のプロピレン−エチレンランダム共重合体の無水マレイン酸変性物が挙げられ、融点が160℃以上のプロピレン単独重合体の無水マレイン酸変性物が特に好ましいものとして挙げられる。
MFR(230℃、21.18N)は好ましくは0.5〜10g/10分、より好ましくは1〜5g/10分である。
MFR(230℃、21.18N)は好ましくは0.5〜10g/10分、より好ましくは1〜5g/10分である。
本発明の2軸延伸積層フィルムの各層の好ましい厚さは以下の通りである。
即ち、表裏層(A)の厚さは5〜15μm、接着層(B)の厚さは1〜5μm、ガスバリヤー層(C)の厚さは1〜10μmである。表裏層(A)の表層と裏層とは、前記した厚さの範囲内であれば互いに違ったものであってもよいが、同じ厚さであることがより好ましい。
そして、(A)/(B)/(C)/(B)/(A)の順に積層された5層からなる2軸延伸積層フィルムの厚さは好ましくは15〜50μmである。
なお、各層には本発明の特性を損なわない範囲で、安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等の公知の添加剤やその他の樹脂を合目的的に添加してもよい。
即ち、表裏層(A)の厚さは5〜15μm、接着層(B)の厚さは1〜5μm、ガスバリヤー層(C)の厚さは1〜10μmである。表裏層(A)の表層と裏層とは、前記した厚さの範囲内であれば互いに違ったものであってもよいが、同じ厚さであることがより好ましい。
そして、(A)/(B)/(C)/(B)/(A)の順に積層された5層からなる2軸延伸積層フィルムの厚さは好ましくは15〜50μmである。
なお、各層には本発明の特性を損なわない範囲で、安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等の公知の添加剤やその他の樹脂を合目的的に添加してもよい。
次に2軸延伸積層フィルムの好ましい製造方法について説明する。先ず5層の積層シートを作成する。その方法としては公知の如何なる方法を用いてもよいが、共押出によるのが簡便でより好ましい。次いで、このシートを縦方向に好ましくは80〜150℃で3〜4倍ロール延伸し、横方向に好ましくは110〜170℃で7〜12倍テンター延伸し、160〜180℃で熱固定し、必要ならフィルム表面にコロナ放電処理を施して、巻き取る。
次いで、エージング後、所望の幅にスリットして、所期のフィルムが得られる。
なお、前記は逐次2軸延伸についてのものであるが、フラット状又はチューブ状のシートを同時2軸延伸してフィルムを得てもよい。
次いで、エージング後、所望の幅にスリットして、所期のフィルムが得られる。
なお、前記は逐次2軸延伸についてのものであるが、フラット状又はチューブ状のシートを同時2軸延伸してフィルムを得てもよい。
かくして得られた2軸延伸積層フィルムの酸素透過度は、ガスバリヤー層(C)の厚さを3μmに換算したとき、好ましくは2〜4cc/m2・day・atm(20℃×65%RH)、より好ましくは2〜3cc/m2・day・atm(20℃×65%RH)である。
そして、フィルムのヘーズ値は4%以下と透明性に優れたものである。
そして、フィルムのヘーズ値は4%以下と透明性に優れたものである。
本発明のフィルムは、表裏層(A)の少なくとも片面上に易ヒートシール性樹脂からなるシール層(D)がさらに設けられた2軸延伸積層フィルムとしてもよい。
このような構成にすると、ヒートシールにより合掌シール袋や三方シール袋のような包装用袋を作成することができる。また、自動機用としても使用できる。さらには、易ヒートシール性樹脂を適宜選定することによって、各種容器の蓋材としても使用可能となる。そして、中味商品が入った包装体を得ることができる。
易ヒートシール性樹脂としては、特に限定するものではなく、例えば、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリブタジエン、及びそれらのブレンド物が例示できる。
シール層(D)を設ける方法は公知の如何なる方法によってもよい。例えば、ドライラミ、押出しラミ、サンドラミ、コーティング等の方法が例示できる。
また、表裏層(A)とシール層(D)との間に印刷層を設けてもよい。
このような構成にすると、ヒートシールにより合掌シール袋や三方シール袋のような包装用袋を作成することができる。また、自動機用としても使用できる。さらには、易ヒートシール性樹脂を適宜選定することによって、各種容器の蓋材としても使用可能となる。そして、中味商品が入った包装体を得ることができる。
易ヒートシール性樹脂としては、特に限定するものではなく、例えば、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリブタジエン、及びそれらのブレンド物が例示できる。
シール層(D)を設ける方法は公知の如何なる方法によってもよい。例えば、ドライラミ、押出しラミ、サンドラミ、コーティング等の方法が例示できる。
また、表裏層(A)とシール層(D)との間に印刷層を設けてもよい。
次に代表的な実施例を比較例と共に挙げて説明する。
酸素透過度(ガスバリヤー性)の測定は以下の方法によった。即ち、MODERN CONTROL社製OX−TRAN 200型を使用し、ASTM D 3985に準拠して測定した。
貫孔強度の測定は以下の方法によった。即ち、針の規格が1mmφ、先端Rが0.5mm、突き刺し速度50mm/分で、JIS P−8116に準拠して測定した。
耐ピンホール性の評価は以下の方法によった。即ち、理学工業社製ゲルボフレックステスターを使用し、5℃、440度捻りで2000回の屈曲試験で発生した300cm2当りのピンホール個数の平均値(n=5)が、0個のものは○、2〜4個のものは△、5個以上のものは×とした。
シール適性の評価は以下の方法によった。即ち、横ピロー包装機を使用し、ヒートシールバー温度190℃、圧力0.5MPaで40ショット/分の速度で製袋したときに、安定して製袋できたものは○、フィルムがシールバーにやや粘着気味でシールバーとの離れが不安定なものは△、シールバーとの離れが悪く機械が自動的に停止したものは×とした。
(実施例1)
エチレン含有量が0.5質量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体
(三井化学株式会社製F112ZB、融点:160℃、MFR(230℃、21.18N):2.5g/10分)95質量%とポリプロピレンを15質量%含む非晶性エチレン−1−ブテン共重合体(住友化学工業株式会社製タフセレンT3512、MFR(230℃、21.18N):3g/10分、ポリプロピレンの融点:162℃)5質量%との組成物からなる表裏層(A)と、プロピレン単独重合体の無水マレイン酸変性物(三井化学株式会社製QF500、融点:165℃、MFR(230℃、21.18N):3g/10分)からなる接着層(B)と、EVOH(1)(エチレン含有量:32モル%、ケン化度:99%以上、融点:183℃、MFR(210℃、21.18N):3.2g/10分 )50質量%とEVOH(2)(エチレン含有量:44モル%、ケン化度:99%以上、融点:165℃、MFR(210℃、21.18N):4.4g/10分)50質量%とからなるガスバリヤー層(C)とが(A)/(B)/(C)/(B)/(A)の順に積層するようにして、温度220℃のTダイから3種5層のシートを共押出し、13℃の冷却ロールで引き取った。
次いでこのシートを、135℃で縦方向に3.4倍ロール延伸し、155℃で予熱し、155℃で横方向に10倍テンター延伸し、170℃で熱固定し、フィルムの片面を処理強度1200J/m2でコロナ放電処理を施して、巻き取った。次いで、40℃で24時間エージングした後、所定の幅にスリットして所期の2軸延伸積層フィルムを得た。各層の厚さは6.5μm/2μm/3μm/2μm/6.5μmで、フィルムのトータルの厚さは20μmであった。
このフィルムの酸素透過度、貫孔強度、及び耐ピンホール性を表2に示す。
エチレン含有量が0.5質量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体
(三井化学株式会社製F112ZB、融点:160℃、MFR(230℃、21.18N):2.5g/10分)95質量%とポリプロピレンを15質量%含む非晶性エチレン−1−ブテン共重合体(住友化学工業株式会社製タフセレンT3512、MFR(230℃、21.18N):3g/10分、ポリプロピレンの融点:162℃)5質量%との組成物からなる表裏層(A)と、プロピレン単独重合体の無水マレイン酸変性物(三井化学株式会社製QF500、融点:165℃、MFR(230℃、21.18N):3g/10分)からなる接着層(B)と、EVOH(1)(エチレン含有量:32モル%、ケン化度:99%以上、融点:183℃、MFR(210℃、21.18N):3.2g/10分 )50質量%とEVOH(2)(エチレン含有量:44モル%、ケン化度:99%以上、融点:165℃、MFR(210℃、21.18N):4.4g/10分)50質量%とからなるガスバリヤー層(C)とが(A)/(B)/(C)/(B)/(A)の順に積層するようにして、温度220℃のTダイから3種5層のシートを共押出し、13℃の冷却ロールで引き取った。
次いでこのシートを、135℃で縦方向に3.4倍ロール延伸し、155℃で予熱し、155℃で横方向に10倍テンター延伸し、170℃で熱固定し、フィルムの片面を処理強度1200J/m2でコロナ放電処理を施して、巻き取った。次いで、40℃で24時間エージングした後、所定の幅にスリットして所期の2軸延伸積層フィルムを得た。各層の厚さは6.5μm/2μm/3μm/2μm/6.5μmで、フィルムのトータルの厚さは20μmであった。
このフィルムの酸素透過度、貫孔強度、及び耐ピンホール性を表2に示す。
かくして得た2軸延伸積層フィルムと厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ株式会社製TUX−FCD)とを、コロナ放電処理面同士が合わさるようにしてドライラミネータ−を使用して速度100m/分でラミネートし、38℃で48時間エージングして所期のラミネートフィルムを得た。
なお、この際使用した接着剤は大日本インキ工業株式会社製ディックドライX401と同SP−60と酢酸エチルとを1:1:1の質量比で混合したものであり、接着剤の塗布厚は乾燥後で2μmであった。
かくして得たラミネートフィルムのシール適性を前記した条件のもとで評価した。結果を表2に示す。
なお、この際使用した接着剤は大日本インキ工業株式会社製ディックドライX401と同SP−60と酢酸エチルとを1:1:1の質量比で混合したものであり、接着剤の塗布厚は乾燥後で2μmであった。
かくして得たラミネートフィルムのシール適性を前記した条件のもとで評価した。結果を表2に示す。
(実施例2)
表裏層(A)の組成物を、F112ZBを90質量%、タフセレンT3512を10質量%とした以外実施例1と同様にして、2軸延伸積層フィルム及びラミネートフィルムを得た。
この2軸延伸積層フィルムの酸素透過度、貫孔強度、耐ピンホール性、及びラミネートフィルムのシール適性を表2に示す。
表裏層(A)の組成物を、F112ZBを90質量%、タフセレンT3512を10質量%とした以外実施例1と同様にして、2軸延伸積層フィルム及びラミネートフィルムを得た。
この2軸延伸積層フィルムの酸素透過度、貫孔強度、耐ピンホール性、及びラミネートフィルムのシール適性を表2に示す。
(実施例3)
表裏層(A)の組成物を、F112ZBを50質量%、プロピレンとエチレンとを構成成分とするブロック共重合体(日本ポリプロ株式会社製NF1702、MFR(230℃、21.18N):2.5g/10分)50質量%とした以外実施例1と同様にして、2軸延伸積層フィルム及びラミネートフィルムを得た。
この2軸延伸積層フィルムの酸素透過度、貫孔強度、耐ピンホール性、及びラミネートフィルムのシール適性を表2に示す。
表裏層(A)の組成物を、F112ZBを50質量%、プロピレンとエチレンとを構成成分とするブロック共重合体(日本ポリプロ株式会社製NF1702、MFR(230℃、21.18N):2.5g/10分)50質量%とした以外実施例1と同様にして、2軸延伸積層フィルム及びラミネートフィルムを得た。
この2軸延伸積層フィルムの酸素透過度、貫孔強度、耐ピンホール性、及びラミネートフィルムのシール適性を表2に示す。
(実施例4)
表裏層(A)の組成物を、F112ZBを50質量%、NF1702を45質量%、タフセレンT3512を5質量%とし、ガスバリヤー層(C)のEVOH(2)に代えてEVOH(3)(エチレン含有量:38モル%、ケン化度:99%以上、融点:174℃、MFR(210℃、21.18N):4.7g/10分)を使用した以外実施例1と同様にして、2軸延伸積層フィルム及びラミネートフィルムを得た。
この2軸延伸積層フィルムの酸素透過度、貫孔強度、耐ピンホール性、及びラミネートフィルムのシール適性を表2に示す。
表裏層(A)の組成物を、F112ZBを50質量%、NF1702を45質量%、タフセレンT3512を5質量%とし、ガスバリヤー層(C)のEVOH(2)に代えてEVOH(3)(エチレン含有量:38モル%、ケン化度:99%以上、融点:174℃、MFR(210℃、21.18N):4.7g/10分)を使用した以外実施例1と同様にして、2軸延伸積層フィルム及びラミネートフィルムを得た。
この2軸延伸積層フィルムの酸素透過度、貫孔強度、耐ピンホール性、及びラミネートフィルムのシール適性を表2に示す。
(比較例1〜6)
表裏層(A)及びガスバリヤー層(C)を表1に示す構成にした以外実施例1と同様にして、2軸延伸積層フィルム及びラミネートフィルムを得た。
この2軸延伸積層フィルムの酸素透過度、貫孔強度、耐ピンホール性、及びラミネートフィルムのシール適性を表2に示す(但し、比較例2はEVOH層が破断したため、各評価はしなかった。)。
表裏層(A)及びガスバリヤー層(C)を表1に示す構成にした以外実施例1と同様にして、2軸延伸積層フィルム及びラミネートフィルムを得た。
この2軸延伸積層フィルムの酸素透過度、貫孔強度、耐ピンホール性、及びラミネートフィルムのシール適性を表2に示す(但し、比較例2はEVOH層が破断したため、各評価はしなかった。)。
比較例1及び比較例4において酸素透過度が大きいのは、積層フィルムの延伸性が悪いためにガスバリヤー層(C)に微細なクラックが入ったからである。
Claims (5)
- 下記(1)又は(2)のいずれかの組成物からなる表裏層(A)と接着性樹脂からなる接着層(B)とエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物からなるガスバリヤー層(C)とが(A)/(B)/(C)/(B)/(A)の順に積層された少なくとも5層からなる2軸延伸積層フィルム。
(1)融点が157〜170℃のポリプロピレン98〜85質量%と非晶性エチレン−1−ブテン共重合体2〜15質量%と、両者の合計100質量部に対し任意成分として結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体0〜60質量部との組成物。
(2)融点が157〜170℃のポリプロピレン80〜35質量%と結晶性ポリプロピレン部分(ハードセグメント)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分(ソフトセグメント)とからなるブロック共重合体20〜65質量%と、両者の合計100質量部に対し任意成分として非晶性エチレン−1−ブテン共重合体0〜15質量部との組成物。 - ガスバリヤー層(C)が、180℃を越え190℃以下の融点を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物30〜70質量%と160〜180℃の融点を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物70〜30質量%とのブレンド物からなる請求項1に記載の2軸延伸積層フィルム。
- ガスバリヤー層(C)の厚さを3μmに換算したときの酸素透過度が2〜4cc/m2・day・atm(20℃×65%RH)である請求項1又は2に記載の2軸延伸積層フィルム。
- 表裏層(A)の少なくとも片面上に易ヒートシール性樹脂からなるシール層(D)がさらに設けられた請求項1〜3のいずれか1項に記載の2軸延伸積層フィルム。
- 請求項4に記載の2軸延伸積層フィルムを用いた包装体。
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JP2004176315A JP2006001011A (ja) | 2004-06-15 | 2004-06-15 | 2軸延伸積層フィルム |
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