JP2006000456A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 適切な断面に基づいたIMT測定を行うことができると共に、複数の方向から頸動脈を撮影する必要のない超音波診断装置を提供する。
【解決手段】 頸部に沿って頸動脈の短軸方向断面を連続的に撮影し、得られた複数の超音波画像を基に、頸動脈の3次元データを作成する。該3次元データを基に作成した頸動脈の3次元イメージ25をモニタ上に表示し、該3次元イメージ25を用いてIMT値の測定に適切な断面を指定する。測定に用いる断面が決定されると、上記3次元データを基に、指定された断面に相当する断層画像28が作成され、該断層画像28に基づいてIMT値が測定される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、超音波診断装置に関し、特に頸動脈エコーを利用した内膜中膜複合体厚計測機能を有する超音波診断装置に関する。
動脈硬化は狭心症・心筋梗塞等の心疾患や脳梗塞等の原因となるため、その対策が重要な課題となっている。動脈硬化が進行するとそれに比例して、外膜・中膜・内膜の3層から成る動脈の血管壁のうち、内膜および中膜が肥厚することが知られており、動脈硬化の診断は、通常、頸動脈血管の内膜中膜複合体厚(Intima-Media Thickness、以下、IMTと表記する)を測定することにより行われる。ここで、頸動脈を測定対象とするのは、他の部位と比較して頸動脈のIMT値が動脈硬化の初期の段階から大きくなることにより動脈硬化の発見が容易であるため、および頸動脈の皮膚からの深さが2〜3cmと浅いことにより測定が容易なためである。
従来、IMT値の測定は、頸動脈を超音波診断装置によって撮影し、画面に表示された画像上または紙に印刷された画像上にノギスを当てることによって行われていたが、近年では、特許文献1に記載のような、画像データの輝度値を基にコンピュータアルゴリズムによってIMT値を測定する機能を備えた超音波診断装置が開発され、測定の簡便化・迅速化が実現されている。
このようなIMT測定機能を備えた超音波診断装置では、図5に示すように頸動脈51の長軸方向断面の超音波断層画像52を撮影し、測定領域指定枠(テンプレート)53によってIMT測定の対象とする領域を指定して、該テンプレート53内の画素の輝度に基づき解析を行う。このとき、高次多項式によるカーブフィッティング等により内膜の内壁および外膜の内壁が高精度に検出され、両者間の距離を計測することによってIMTの値が求められる。
特許2889568号公報([0031],図6)
正確なIMT測定を行うためには、上記長軸方向断面の超音波断層画像52が図6(a)に示すように、頸動脈51の中心軸54を通る断面Aで撮影されたものであることが望ましいが、従来の超音波診断装置では、測定に用いる超音波画像52が本当に頸動脈51の中心軸54を通る断面で撮影されたものであるかどうかを確認することができない。そのため、断面A'のように中心軸を通らない面で撮影された画像に基づいてIMT測定が行われることがあり、この場合、中心軸54を通る正しい断面Aの超音波画像を用いた場合に比べて、IMT値が大きめに計測されてしまう。
また、IMT測定の際には通常、頸部の左右に1本ずつある頸動脈の双方に対して、それぞれ2方向(側方および前方)から超音波画像を撮影し、それぞれについてIMT値を測定する。このため、撮影に手間が掛かると共に、図6(b)に示すように、撮影方向が本来撮影したい方向からずれ、目的の断面Bや断面Cでなく、誤った断面B'や断面C'を撮影してしまい、得られるIMT値に誤差が生じる可能性があった。
更に、血管が蛇行している部分では、高次多項式によるカーブフィッティングが困難であり、自動化によるIMT計測を行うことが難しかった。
本発明が解決しようとする課題は、適切な断面に基づいたIMT測定を行うことができると共に、複数の方向から頸動脈を撮影する必要のない超音波診断装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る超音波診断装置は、頸動脈エコー画像を基に頸動脈管壁の内膜中膜複合体厚を計測する機能を有する超音波診断装置において、a)連続的に撮影された複数の超音波画像から頸動脈の3次元データを作成する3次元データ作成手段と、b)上記3次元データに基づいて測定に適切な断面を測定者に指定させるための測定断面指定手段と、c)上記測定断面指定手段で指定された断面に対応する断層画像を上記3次元データに基づいて作成する断層画像作成手段と、d)上記断層画像を基に頸動脈管壁の内膜中膜複合体厚を計測する計測手段とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る超音波診断装置の別の態様としては、上記測定断面指定手段の代わりに、頸動脈の3次元データに基づいて測定に適切な断面を自動的に指定する断面自動指定手段を設けたものとしてもよい。
以上の構成により、本発明の超音波診断装置では頸動脈の3次元データに基づいて測定に用いる断面を指定することができるため、適切な断層画像に基づいてIMT測定を行うことが可能となる。また、従来のように複数の方向から頸動脈を撮影する必要が無く、撮影に掛かる手間を低減することができる。
また、血管が蛇行している場合でも、血管の中心軸と直交する短軸方向断面を指定することにより高精度なIMT測定を行うことが可能となる。
以下、本発明の一実施例である超音波診断装置を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
[実施例]
図1は本実施例の超音波診断装置の要部の構成を示すブロック図である。超音波プローブ11は、被検者の頸部表面の所定の位置に当接し、発信超音波を被検者の体内に送波すると共に、被検者の体内で反射された超音波を受波して電気信号に変換する。超音波送受信部12は超音波プローブ11による超音波の送受波を制御するものであり、超音波信号処理部13は、超音波プローブ11から出力される電気信号を画像データに変換し、整相加算、ゲイン調整、対数圧縮等の所定のデータ処理を行う。表示処理部14は、上記超音波信号処理部13や後述の3次元データ作成部17および断層画像作成部19などで生成された画像データに基づき、モニタ15に超音波画像や3次元イメージなどを表示させるための処理を行う。
画像メモリ16は上記超音波信号処理部13によって生成された画像データを記憶するものであり、3次元データ作成部17は、画像メモリ16に蓄積された複数の超音波画像を基に頸動脈の3次元データを作成するものである。断面位置指定部18は、作成された3次元データに基づいてIMT測定に適切な断面を指定するものであり、断層画像作成部19は指定された断面に相当する断層画像を上記3次元データに基づいて作成する。IMT値測定部20は、作成された断層画像内でIMT測定の対象とする領域を設定すると共に、設定した測定対象領域内のIMT値を測定するための所定の処理を行う。上記各部は制御部21によって制御され、該制御部21にはマウス等のポインティングデバイスやキーボード等から成る入力部22によって測定者からの指示が入力される。
以下、本実施例の超音波診断装置の動作について説明する。
図2は本実施例の超音波診断装置における3次元データの取得方法を示す概念図である。まず、測定者はプローブ11を被検者の頸部の所定の位置に当接させ、頸部に沿ってプローブ11を移動させながら超音波画像の撮影を行う。この間、一定時間毎に頸動脈の短軸方向の断層画像が描出され、画像メモリ16内に血管に沿った連続画像のセット23が記憶される。なお、このときプローブ11は測定者が手で動かしてもよく、何らかの移動手段を用いて自動的に動かすようにしてもよい。
撮影完了後、測定者が入力部22で所定の操作を行うと、3次元データ作成部17により上記連続画像のセット23を基に頸動脈の3次元データ24が作成され、更に該3次元データ24を基に頸動脈の3次元イメージ25が作成されてモニタ15に表示される。
続いて測定者が所定の操作を行うことにより、図3(a)に示すように、モニタ上に表現された3次元空間内に上記頸動脈の3次元イメージ25に加えて、測定断面指定用の平面(断面指定プレーン)26が表示される。測定者はマウス等を操作することにより、断面指定プレーン26が頸動脈の中心軸27を通り且つ目的の角度で頸動脈を縦断するように、該断面指定プレーン26を適宜回転・移動させる。また、頸動脈の3次元イメージ25および断面指定プレーン26は両者の位置関係を保ったままモニタ上で回転させることもでき、様々なアングルから確認することで断面指定プレーン26が適切な断面位置を指定しているかどうかを確かめることができる。適切な断面が指定されたと測定者が判断したら、所定の操作により該断面指定プレーン26によって指定された断面を測定用の断面として決定する。
なお、図3(a)では頸動脈の長軸方向断面を測定用断面として指定する例を示したが、図4(a)のように頸動脈が蛇行しており、上記のような血管の中心軸を通る長軸方向断面を指定することが困難な場合には、頸動脈の短軸方向断面を測定用の断面として指定する。この場合も、頸動脈の3次元イメージ25上で断面の位置および角度を確かめながら指定することができるため、血管の中心軸27に直交する短軸方向断面を取り出してIMT測定に供することができ、精度の高いIMT測定を行うことができる。
また、頸動脈の3次元データに基づいて測定断面を指定する方法は、上記の方法に限らずいかなる方法を用いてもよい。例えば、上記のように3次元イメージ25をモニタ15に表示するのではなく、3次元データを基に複数方向の断層画像(例えば互いに直交する任意の3断面の断層画像)を作成してモニタ上に並べて表示し、頸動脈と断面指定プレーンの位置関係を複数の角度から確認しながら断面の指定を行うようにしてもよい。また、診断用断面を測定者が指定するのではなく、3次元データに基づいて断面位置指定部が頸動脈の中心軸や頸動脈の方向などを検出し、適切な断面を自動的に指定するようにしてもよい。
以上のようにして測定用の断面が決定されると、上述の3次元データを基に断層画像作成部19で該測定用断面に対応した断層画像28が作成されモニタ15に表示される(図3(b),図4(b))。
測定者が所定の操作を行うとIMT値測定部20により該断層画像28内にテンプレートが表示される。測定者はマウスなどを操作して該テンプレートの位置や大きさを変更し、IMT測定の対象となる領域を指定する。所定の操作によりテンプレートの大きさおよび位置が決定されると、IMT値測定部20により該テンプレート内の画像データに基づいて血管壁の外膜の内壁および内膜の内壁位置が検出され、両者の距離を求めることによりIMT値が測定される。なお、以上のテンプレートの設定およびIMT値の測定は既存のIMT値測定用ソフトなどによって行うことができる。
以上の測定用断面の指定およびIMT測定を繰り返すことにより、1つの3次元データから頸動脈の側方および前方の2種類の断層画像を作成し、それぞれのIMT値を測定する。このように1回の超音波撮影によって得られた3次元データを基に複数の断面でのIMT測定を行うことができるため、従来のように頸動脈の前方と側方の2回に分けて撮影を行う必要が無い。
なお、このように1つの3次元データから複数の断面を指定し、それぞれに対してIMT測定を行う場合は、1つの断面でのIMT測定が完了した後に再び頸動脈の3次元イメージを呼び出して次に測定する断面の指定を行うようにしてもよいが、複数断面の指定および各断面でのIMT測定が自動的に行われるようにしてもよい。
本発明の実施例に係る超音波診断装置の要部の構成を示すブロック図。 同実施例の超音波診断装置における3次元データの取得方法を示す概念図。 (a)同実施例の超音波診断装置において測定用断面を指定する際の画面表示を示す図。(b)指定された測定用断面に対応する断層画像を表示した際の画面表示を示す図。 (a)頸動脈が蛇行している場合の測定用断面指定時の画面表示を示す図(b)指定された測定用断面に対応する断層画像を表示した際の画面表示を示す図。 従来の超音波診断装置におけるIMT測定時の画面表示を示す図。 従来の超音波診断装置における(a)撮影面の位置を示す頸動脈の短軸方向断面図、および(b)撮影面の角度を示す頸動脈の短軸方向断面図。
符号の説明
11…超音波プローブ
12…超音波送受信部
13…超音波信号処理部
14…表示処理部
15…モニタ
16…画像メモリ
17…3次元データ作成部
18…断面位置指定部
19…断層画像作成部
20…IMT値測定部
21…制御部
22…入力部
23…連続画像のセット
24…3次元データ
25…3次元イメージ
26…断面指定プレーン
27、54…中心軸
28…断層画像
29、51…頸動脈
52…超音波断層画像
53…テンプレート

Claims (2)

  1. 頸動脈エコー画像を基に頸動脈管壁の内膜中膜複合体厚を計測する機能を有する超音波診断装置において、
    a)連続的に撮影された複数の超音波画像から頸動脈の3次元データを作成する3次元データ作成手段と、
    b)上記3次元データに基づいて測定に適切な断面を測定者に指定させるための測定断面指定手段と、
    c)上記測定断面指定手段で指定された断面に対応する断層画像を上記3次元データに基づいて作成する断層画像作成手段と、
    d)上記断層画像を基に頸動脈管壁の内膜中膜複合体厚を計測する計測手段と、
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 頸動脈エコー画像を基に頸動脈管壁の内膜中膜複合体厚を計測する機能を有する超音波診断装置において、
    a)連続的に撮影された複数の超音波画像から頸動脈の3次元データを作成する3次元データ作成手段と、
    b)上記3次元データに基づいて測定に適切な断面を自動的に指定する断面自動指定手段と、
    c)上記断面自動指定手段で指定された断面に対応する断層画像を上記3次元データに基づいて作成する断層画像作成手段と、
    d)上記断層画像を基に頸動脈管壁の内膜中膜複合体厚を計測する計測手段と、
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
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