JP2006000332A - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 液保持性の吸収体を備え、腹側部Aの両側縁部と背側部Bの両側縁部とが機械的面ファスナー等により脱着可能に接合されて、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型の使い捨ておむつ1であり、股間幅の最小値L1と、該股間幅が最小となる部位に位置する、前記各レッグ開口部の開口縁部82上の点Pから、該開口縁部28の腹側部A側の端点Qまでのおむつ縦方向の距離L2との比(L1/L2)が1.7〜2.2である。
【選択図】 図4
Description
このため、寝返りができない又は掴まり立ちのできないような低月齢児に着用させること、特に寝かせた状態で履かせることは考慮されていなかった。したがって、低月齢児に好適に用いることのできるパンツ型おむつは未だ提供されていなかった。
本発明の使い捨ておむつは、低月齢児用に限られるものではないが、特に低月齢児に適しており、しかも寝た状態の新生児にも容易にはかせることができるという利点がある。
本発明の一実施形態としての使い捨ておむつ1は、図1に示すように、パンツ型のおむつである。おむつ1は、図2及び図3に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3及び両シート2,3間に介在された液保持性の吸収体4を有する吸収性本体10と、該吸収性本体10の外側(非肌当接面側)に位置して該吸収性本体10を接合固定している外装体5とを具備し、着用時に着用者の腹側に配される腹側部Aと背側に配される背側部Bとその間に位置する股下部Cと有している。そして、腹側部Aの両側縁部と背側部Bの両側縁部とが、機械的面ファスナーによって、引き剥がし可能に接合されている。その接合により、おむつ1に、一対のサイドシール部50,50、ウエスト開口部7及び一対のレッグ開口部8,8が形成されている。
一対のサイドギャザー90,90は、腹側部A及び背側部Bにおける胴回り部D1,D2それぞれに、それぞれ胴回り部Dの周方向に向けて、複数本の弾性部材91を伸長状態で固定して形成されている。これらの弾性部材91は、少なくとも吸収体4の両側縁よりも幅方向外方の部位に伸長状態で配設固定されており且つ吸収体4と重なる部位の少なくとも幅方向中央部には弾性伸縮性が発現される状態では配設されていない。弾性部材91は、おむつの幅方向に2つに分割された状態で配置されている。
以上の各弾性部材71,81,91は何れも外装体5を構成する外層シート51と内層シート52との間に挟持固定されている。
ここで、展開且つ伸長状態とは、サイドシール部を引き剥がして、おむつを展開状態とし、その展開状態のおむつを、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
尚、股間幅Lが、おむつ長手方向の所定の長さに亘って最小値を示す場合には、最も長手方向中央に近い部位を股間幅が最小となる部位とする。ただ、この場合には、最小値を示す部位がおむつ長手方向中央から、端部方向に向かっておむつ全長の1/10以内にあることが好ましい。
機械的面ファスナーのメス型シートは、例えば、基材シート(樹脂、紙、不織布製シート等)に、合成繊維等を多数のループ部が形成されるように固定して形成したもの等を用いることができるが、通常の不織布などの繊維シートをメス型シートとして用いることもできる。
メス型シートとして不織布を用いる場合の不織布としては、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ヒートロール不織布、ケミカルボンド不織布等を用いることができるが、特に、嵩高で繊維の自由度の高い不織布であるエアスルー不織布を用いることが好ましい。また、不織布を構成する繊維としては、短繊維ステープルファイバー、長繊維フィラメント等を用いることができる。また、芯鞘型やサイド・バイ・サイド型の複合繊維等を用いることもできる。繊維の構成材料としては、各種の熱可塑性樹脂を用いることができる。
芯成分と鞘成分との具体的な組み合わせとしては、芯成分としてポリプロピレン(PP)を用い、鞘成分として低融点PPを用いる組み合わせ、芯成分としてポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、鞘成分として低融点PETを用いた組み合わせ等が挙げられる。
図5(a)に示すように、一方のレッグ開口部8に一方の手を挿入し、その手で片方の足をつかんで、図5(b)に示すように、その足をレッグ開口部から引きだす。そして、図5(c)に示すように、もう片方の足も同様にして他方のレッグ開口部から引き出す。両足が通ったら、図5(d)に示すように、着用者のウエストまでおむつを引き上げる。このようにして、仰向けに寝た状態の新生児等に、おむつ1を容易に装着することができる。
そのため、例えば上述した好ましい装着方法によりおむつを装着する場合に、レッグ開口部に手を挿入して赤ちゃんの足をつかんだ後、その手で赤ちゃんの足をレッグ開口部から引き出す動作を極めて円滑に行うことができる。
また、レッグ開口部の形状が、レッグ開口部を、赤ちゃん、特に新生児の脚に良好にフィットさせるのに特に適したものとなっているため、弾性部材81によりレッグ開口部に強力な収縮力を付与しなくても、脚周りに充分なフィット性が得られる。そのため、赤ちゃんの脚周りを過度に圧迫することを防止することができる。
一般的には、サイドシール部50を接合させたままの形態のままで、所謂パンツ型おむつの形態のままで、伸縮可能なウエスト開口部を伸ばすことで、排尿や大便の排泄物の有無を親が確認することができる。
更に、本実施形態のおむつ1は、股下等に少量の排泄物があるようなウエスト開口部を伸ばすだけでは視認し難い場合でも、着用中におむつを外さずに、左右のサイドシール部50の一方のみ、あるいは一方のサイドシール部の一部のみを開放した後に、再度接合することができるため、着用中に、排尿や排便の有無を確認し、排尿等が無ければ再接合して利用することも可能である。
本発明の使い捨ておむつは、左右のサイドシール部が接合されている状態で装着するもの(あるいは装着可能なもの)である点で、従来のいわゆるテープ止めおむつ(展開型のおむつ)とは異なるものである。
尚、このような効果は、少なくとも一対の立体ガードが存在すれば奏される。即ち第1立体ガード及び第2立体ガードの何れか一方のみが存在するような場合にも奏される。
〔レッグギャザーの伸長荷重の測定方法〕
おむつからレッグ部弾性部材が配されている部位を必要な程度の幅で切り出し、テンシロン引張り試験機を用いておむつ縦方向に対応する方向に伸長させる。本実施形態ではオリエンテック社製のRTA−100(株)を使用した。ここで「必要な程度の幅」とは、当該部位の伸長荷重を測定するのに必要な最小限度の幅を言い、必要以上の幅を要しない(例えば、吸収体まで含むような幅で切り出すことは要しない)ことを意味する。
初期チャック間距離は縦方向の自然長(弾性部材を伸長させない自然状態における略直線状にした長さ、以下、初期長ともいう)から50mmを減じた長さとし、サンプルの両端部をそれぞれチャックに挟む。次いで、クロスヘッド移動速度300mm/minの条件でサンプルを最大伸長の長さ(弾性部材を伸張状態で固定している部材(ギャザー部分)の、弾性部材又は/及び固定している部材が破断するまでの最大長さ、この弾性部材がチャックに固定されない状態での該部材の自然長長さ、この部材自体が殆ど伸びない場合では弾性部材を伸張状態で固定している部分を伸ばした最大長さ)−10mmのところまで伸長させる。そして、最大伸長長さ−10mmの長さにおける引張荷重を、レッグギャザーの伸長荷重とする。
例えば表面シート2としては、親水性且つ液透過性の不織布や、開孔フィルムを用いることができる。裏面シート3としては、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート材等を用いることができる。吸収体4としてはフラッフパルプと高吸収性ポリマーの粒子との混合積繊物をティッシュペーパや不織布等(以下、包装材という)でくるんだもの等を用いることができる。立体ガードを構成するシートとしては、撥水性の不織布が好ましく用いられる。外層シート51及び内層シート52としては、各種製法による不織布が好ましく用いられる。
レッグギャザー形成用の前記弾性部材81としては、平ゴム状のものが好ましく、胴回り部弾性部材90は糸ゴム状のものが好ましく、ウエスト部弾性部材71は平ゴム状のものを用いることが好ましい。
〔曲げ剛性の測定方法〕
測定にはテンシロン試験機〔(株)オリエンテック社製のRTC−1150A〕を用い、JIS規格K7171法(プラスチック−曲げ特性の試験方法)に準拠して測定を行う(R1=5.0±0.1mm、R2=5.0±0.2mm)。
試験片を、エッジスパン間Lが50mmである支持台の両エッジ間に渡すように置き、試験片に僅かに接するように圧子先端部を配置する。ロードセル5kg(レンジ200cN)、速度30mm/minの条件で、圧子を降下させ、荷重−たわみ曲線を得る。得られた曲げ応力の最大値を曲げ剛性値(cN/50mm)とする。
試験片は、吸収性物品からフィルムを含まない包装材込みの吸収体を取り出し、その長手方向及び幅方向の中央部から、おむつ長手方向に50mm、幅方向に80mmの長方形状に切り出す。曲げ剛性値の単位中の50mmは試験片の短辺の長さであり、試験時の圧子でたわませた試験片の幅である。試験片は、その長辺を、一方のエッジから他方のエッジに亘る方向に一致させて、両エッジ間に架け渡す。おむつ幅方向の曲げ剛性を測定する場合は、おむつ長手方向80mm、幅方向50mmの試験片を切り出す。
前記比(L1/L2)を1.5とした以外は、実施例1と同様にしておむつを製造した(L1=160mm,L2=107mm)。
前記比(L1/L2)を2.3mmとした以外は、実施例1と同様にしておむつを製造した(L1=160mm,L2=107mm)
各使い捨ておむつについて、1)新生児に対する装着の容易性、及び2)尿の股モレ防止性能をそれぞれ下記の方法で評価した。結果を表2に示した。
1)装着の容易性(足の通し易さの評価)
〔評価方法〕
各おむつを、上述した装着方法により、新生児モデル(静置様態では脚がくの字に曲がっているもの)に装着し、寝かせた状態でレッグ開口部に足を通す際の通し易さについて評価した。
(評価基準)
足を通す際に、通し易ければ○、通しにくければ×とした。
通し易いというのは、両足とも通し易く、特に片足を通した後に他方の足を通す際にスムーズに通せる事を意味する。通しにくいというのは、両足とも通しにくいが特に片足を通した後に他方の足を通す際に通しにくい事を意味する。
〔評価方法〕
低月齢モデル(股間部からの人工尿の注入が可能であり、形態的に低月齢児の腰部を模してあるモデル)におむつを装着し、下記方法で股モレ値を測定した。
股モレ値測定においては、先ずおむつを上記の低月齢モデルに装着し、先ず90°横向きにセットし、そのまま45°背中側へ倒す。チューブを介して人工尿を5g/秒の速度で30g注入し、注入後漏れていないかどうかを目視にてチェックした。漏れが生じていないものについては、更に40gの人工尿を同様にして注入し、このような操作を漏れるまで繰り返した。そして、尿の漏れが観察された時点における人工尿の合計注入量を股モレ値とした。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
50 サイドシール部
53 機械的面ファスナーのオス型シート
6A,6B 立体ガード
7 ウエスト開口部
70 ウエストギャザー
8 レッグ開口部
80 レッグギャザー
82 開口縁部
90 サイドギャザー
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
P 股間幅が最小となる部位に位置するウエスト開口部の開口縁部上の点
Q ウエスト開口部の開口縁部の腹側部側の端点
Claims (9)
- 液保持性の吸収体を備え、腹側部、股下部及び背側部を有し、腹側部の両側縁部と背側部の両側縁部とが接合されて、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型の使い捨ておむつであって、
前記腹側部の両側縁部と前記背側部の両側縁部とが、それぞれ脱着可能な接合手段によって接合されており、
股間幅の最小値L1と、該股間幅が最小となる部位に位置する、前記各レッグ開口部の開口縁部上の点Pから、該開口縁部の腹側部側の端点Qまでのおむつ縦方向の距離L2との比(L1/L2)が1.7〜2.2である、使い捨ておむつ。 - 前記接合手段が、機械的面ファスナーである請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 前記股間幅の最小値L1と、前記点Pから、前記端点Qを通るおむつ縦方向の仮想直線Laまでの距離L3との比(L1/L3)が2.0〜2.5である請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
- 前記点Pと前記端点Qとを結ぶ仮想直線Lbと、前記レッグ開口部の開口縁部とで囲まれた領域の面積をS1、該点Pを通るおむつ縦方向の仮想直線Lcと、該仮想直線Lcに直交し前記端点Qを通るおむつ幅方向の仮想直線Ldと、前記仮想直線Lbとで囲まれた領域の面積をS2としたときの前記両領域の面積比(S1/S2)が0.45〜0.55である請求項1〜3の何れか記載の使い捨ておむつ。
- 前記レッグ開口部には、その開口縁部に沿ってレッグギャザーが形成されており、該レッグギャザーが形成された部位は、最大伸長長さから10mm差し引いた長さまで伸長させたときの引張荷重が100〜250cNである請求項1〜4の何れか記載の使い捨ておむつ。
- 前記レッグ開口部には、その開口縁部に沿ってレッグギャザーが形成されており、おむつ縦方向の両側に、おむつ縦方向に沿って少なくとも一対の立体ガードが形成されている請求項1〜5の何れか記載の使い捨ておむつ。
- 股上の長さが220mm以下である請求項1〜6の何れか記載の使い捨ておむつ。
- 前記腹側部の両側縁部と前記背側部の両側縁部とは、前記背側部の両側縁部を前記腹側部の非肌当接面側に重ねた状態で接合されている請求項1〜7の何れか記載の使い捨ておむつ。
- 前記背側部側に、機械的面ファスナーのオス型シートが設けられている請求項2〜8の何れか記載の使い捨ておむつ。
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