JP2005538763A - 通常視覚認知を助成する装置および方法 - Google Patents

通常視覚認知を助成する装置および方法 Download PDF

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Abstract

主体の早期視覚運動認知の問題を扱うための装置、方法およびコンピュータプログラム製品であって、該方法が:光覚性エネルギーパラメータおよび/または光覚性知覚属性を制御することによって、主体の過渡視覚刺激に対する大細胞系活動において前注意キューイングを始動するかあるいは反応性を高めるステップと;(2)該光覚性エネルギーパラメータおよび該光覚性知覚属性に基づいて光事象よりなる光場を生じさせるステップで、該光場が該主体の知覚視野で単純オプティカルフローに変換されるステップと;を備える装置、方法およびコンピュータプログラム製品を提供する。光覚性エネルギーパラメータは、例えば、波長、振幅、光強度、位相、偏光、コヒーレンス、色相、明度、および彩度を含む光アレイのエネルギー特性よりなる。

Description

本発明は、広義には、何らかの人間の動作における視覚認知とバリスティック生体運動行動との間の相反相互作用の可能性を増進しかつまたは高める必要性に取り組む技術に関するものである。より詳しくは、本発明で可能な多くの態様の中で、いくつかの態様は、学習障害一般、特に読書障害を含む人間の視覚に関わる人間の多くの疾患の治療にとって有用である。
知覚は、現実と認識との間の橋渡しをするプロセスである。生物活動には不可解な橋が埋め込まれており、それでも、その橋は自覚意識の中で各個に経験される。個人の発育・成長において、知覚はきわめて重要である。物質界を直接体験し、社会および言葉を学習する中で、すべての人々は知覚の所産に依拠する。一般に、人生初期に知覚力が欠けている程度に従い、人によってこれらの体験や学習のタスク(特に感覚運動活動および何らかの読み書きの学習)は、先に延ばしたり、あるいは全く行わないようにしなければならなかったりする。したがって、知覚というタスク(知覚されるものは何か)についての厳密な分析、そしてそのタスクをやり遂げるために情報を利用できるようにする環境が伴う方途に関して、知覚についての明確な理解を得ることはきわめて重要である。
一般に学習障害、特に読書障害は、若年期における視覚認知運動過程の達成不足または達成不全についての潜在的な論理的目標である。「発達上の読書障害」は、早期視覚認知運動欠陥が個人の機能的能力をそれぞれ生物レベル、知覚レベルおよび認知レベルで阻害して来た明確な障害候補の一例である。
本発明は、刺激アレイからの関係情報の早期知覚抽出により主体における全体的視覚運動統合を始動することによって通常の視覚認知を容易にするための装置、方法およびコンピュータプログラム製品に関するものである。本発明の中心原理、および一般に学習障害、そして特に発育上の読書障害を引き起こすおそれがある欠陥を改めるための鍵は、本発明の方法および装置と基本的な関係がある。本発明は、いくつかの人間の動作における視覚認知と切迫性(imminent)バリスティック生体運動活動を始動する可能性との間にある相互関係をいくつかの理由によって強化することができる。これらの理由としては、下記の理由が挙げられる:(1)単純オプティカルフロー(simple optical flow)場(例えば、並進運動)よりなる視覚的な固有の動的環境を発生し、生成し、その結果、視覚徴候を表示することによって早期視覚認知の直接達成が助成され、かつ知覚者における、視覚刺激アレイからの情報の前注意的・自動的捕捉(主として視覚背側路のみならず腹側路への大細胞系網膜皮質および網膜皮質下入力を介して)が可能になる;(2)主体の可到達空間で起こる早期視覚認知過程と切迫性生体運動活動との間の相反相互作用を強化することによって生体における物理的に分散した身体部位の切迫性バリスティック動作を始動する潜在能力を発揮させる;(3)主体において、全体的知覚運動統合を促進することにより、主体における視覚認知運動過程間の動的釣り合いが達成される。
通常視覚認知は、生体における運動の準定常状態(ある時、種々の身体部位が取る)と運動の切迫性バリスティック動作状態(別のある時、身体部位が取る)との可変比を微細に調整することによる動的平衡を包括する。通常視覚認知の正常な発達は、あらゆる達成レベルで、すなわち、可到達自己中心空間における切迫性バリスティック動作を暗黙的に始動することから、微細な運動協調を達成する、また眼球をして特定の視覚情景(他者中心空間における)に視線を定めさせかつ目標の情報処理を可能にする注意機構を展開することまで、自己の運動行動を誘導し、矯正する内在的自動能力を主体に与える。
本発明は、刺激アレイで伝達される運動学的属性からの時空情報の直接抽出および黙視的抽出を促進しようとするものである。同様に、本発明は、主体の可到達空間における切迫性バリスティック行動と早期知覚を能動的に融合させることによって、知覚者が、可到達空間における自己の切迫性運動行動を効果的に誘導するよう、周囲から労作なしに、黙示的にまた直接的に情報を抽出する自己中心空間における正常な早期知覚の発達を助成しようとするものである。
本発明の広義の範囲および態様は、上に述べたように、またこの後さらに説明するように、相互に関連したいくつかの分野の多くの知見との整合性を有する。本発明の一つの目的は、刺激アレイからの視覚による早期感覚認知による情報の直接抽出を助成することによって、読書障害のある主体の読書時の運動の円滑性を始動する手段および方法を提供することにある。
本発明のもう一つの特徴(上記情報に基づく)は、大細胞系の反応性に影響を及ぼさんとすることにある。大細胞系ニューロン発火を特定の時間間隔で始動すると、大細胞系の全体的可塑性に、その神経網を過渡刺激からの情報の知覚者による直接捕捉を助成するよう保持することができるような影響が生じる。言い換えると、本発明は、知覚者に特定の時間間隔における過渡刺激に対する増強された早期認知視力を発達させ、これによって知覚者が、その潜在注意機能をタイミング感覚事象および運動事象に関する情報を直接抽出するべく展開するべく自動的かつ労作なしに適応するようにせんとするものである。一般に、刺激アレイから抽出される情報は視覚事象のタイミング、特に、視覚目標の運動(運動検知)と関連する。
本発明の開示技術および特徴のもう一つの態様は、知覚者をして前注意機構を暗黙的に手に入れることができるようにする基本的基準を満たす感覚的視覚目標の時空アレイを知覚者に知覚的に提供せんとするものである。
さらに、もう一つの範囲における本発明の開示技術および特徴は、健常者人口においても、病的人口においても同様に人間の日常生活における幅広い所要の通常視覚認知能力を助成するための情報・教育・娯楽機器(例えば、コンピュータソフトウェアゲームなど)および動的視覚環境ディスプレイ(例えば、コンピュータ、テレビ、映画フィルム、標識など)を開発せんとするものである。
さらに、一部については上にほんの簡単に説明した多くの関連分野における研究によって、本願発明者等は、固有の可変性動的視覚環境の技術的構築およびそれに主体を頻繁にさらすことについての差し迫った必要があるという仮説を立てることに確固たる根拠を得ている。このような特別な動的視覚環境においては、主体は、当面、暗黙的に顕著な刺激への方向付けを始動する(前注意的にキューイングする)ように、自己の早期視覚認知過程を運動学的徴候に自動的に投入する確率がより高くなる。このような特別な動的視覚環境は、主体において、時空目標の運動学的属性の黙視的抽出を労作なしに助成する。本願発明者等は、このような特別な動的視覚環境は、生体における腹側と背側の神経視路間で増強された機能的相乗作用を始動するものと確信するものである。
本発明の開示技術は、このような固有の可変性動的視覚環境の技術的構築は、主体が読書における社会的識字能力要求を満たすように、通常視覚認知を正常な発達軌道に収斂させるための道を開くものであるということを明らかにする。
(発明の詳細な説明)
添付図面は、本願に組み込まれ、本願明細書の一部をなすものであり、本発明の実施例を図解されており、本発明の原理を説明する上に役立つと共に、当業者が本発明を実施できるようにする上において役立つものである。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明するが、図中同じ参照番号は、一般に、同じあるいは機能的に類似した要素を指示する。また、図中、一般に、各参照番号の左端伸の数字(最初の数字または最初の2つの数字)は、その参照番号が使用されている図面の図番を示す。
1. 発明序説
知覚は、現実と認識との間の橋渡しをするプロセスである。生物活動には不可解な橋が埋め込まれており、それでも、その橋は自覚意識の中で各個に経験される。個人の発育・成長において、知覚はきわめて重要である。物質界を直接体験し、社会および言葉を学習する中で、すべての人々は知覚の所産に依拠する。一般に、人生初期に知覚力が欠けている程度に従い、人によってこれらの体験や学習のタスク(特に感覚運動活動および何らかの読み書きの学習)は、先に延ばしたり、あるいは全く行わないようにしなければならなかったりする。したがって、知覚というタスク(知覚されるものは何か)についての厳密な分析、そしてそのタスクをやり遂げるために情報を利用できるようにする環境が伴う方途に関して、知覚についての明確な理解を得ることはきわめて重要である。
ギブソン,ジェイ.ジェイ.(Gibson,J.J.(1966),「The senses considered as perceptual systems.」 Boston:Houghton Mifflin & Gibson,JJ.(1979).「The ecological approach to visual perception.」Boston:Houghton Mifflin)は、視覚を取り巻くこれらの問題の中心的重要性を指摘した。ギブソンは、誘導行動における視覚の重要性を強調し、かつ視覚は時間の次元と切り離すことはできないということを強調した。ギブソンは、環境がエネルギーと相互に作用して情報をもたらす仕方について研究し、その結果、視覚認知における中核的主張をなすに至り、その仕事を「生態光学」と呼んだ。この「生態」という用語は、知覚する生体に関するレベルの事実を意味する。時空環境についてのあらゆる事実が(生存する)生物に関わるわけではない。
知覚は、一般に、感覚受容体におけるエネルギー相互作用で始まる。エネルギーは物質構造および時間事象の物質界と物体および時間事象が表される知覚世界とを結びつける。しかしながら、ギブソンが指摘したように、この世界に何が存在するかを認知することは、エネルギーと物体との相互作用が時間および空間を横切ってパターンを作り出すために可能である。実際、知覚は単に限局刺激に対する応答であるばかりでなく、時間および空間におけるパターンにも従属する。そこで、ギブソンは、視覚を世界の内部表象に対するすべての要求を過剰にする情報豊富な刺激−オプティックフロー−の面から分析した。ギブソンは、さらに眼球に進入する光の全パターンを光アレイと称し、また、しばしば観察者自身の動作の結果として情報豊富であるコンテンツの変換をオプティックフローと称した。故に、生態学的観察の大前提は、知覚する生態にエネルギーのみならず、情報が充満しているということである。
周囲エネルギーは、その物体、表面、および事象との相互作用によって構成される。物理的配置によるエネルギーのパターニングの属性は、環境をエネルギーの光アレイにおける構造の直接(知覚)検知によって情報豊富なものにする(Gibson,J.J.(1996).「The senses considered as perceptual systems.」,Boston:Houghton Mifflin)。ギブソンは、さらに、(生物学的)知覚系は、エネルギー自体の特性(光の強度や波長のような)よりも周囲エネルギーにおける構造を検出するのに適している。簡単に言うと、生物学的視覚認知系は、周囲エネルギーから時空パターンを入力として取り込み、物体(客体)および事象の有意で有用な行動および記述(表象)を出力として生じさせる特殊な構造であり得る。
さらに、複合知覚系は、もっぱら移動性の生物に属する。何らかの生物の生態は、まさに知覚のために利用可能な情報により調整されるのと同様に、その行動能力によって調整される。知覚と行動は非常に劇的に絡み合っているので、どちらか一方の進化は他方なしに起こるとは想像しがたい。ギブソンによれば、人間と動物の行動は、「知覚−行動ループ(perception−action loops)」によって説明することもできる(Gibson, J.J.(1966),「The senses considered as perceptual systems.」,Boston: Houghton Mifflin)。この場合、生物の(固有の)生理活動が活性知覚系に対する知覚調節を始動して、情報の抽出を助成し、これが運動行動を誘導し、さらに情報を探す際に使用される(Gibson, J.J. (1979),「The ecological approach to visual perception」,Boston: Houghton Mifflin; Mace, W.M.(1974),「Ecologically stimulating cognitive psychology: Gibsonian perspectives」In W.B. Weimer & D. S. Palermo (Eds.),「Cognition and the symbolic process」(pp. 137−164). Hillsdale, NJ: Erlbaum; Turvey, M. T., Shaw, R.E., Reed, E.S., & Mace, W. M.(1981).「Ecological laws of perceiving and acting:In reply to Fodor and Pylyshyn.」,Cognition, 9, 237−304)。
生物で起きるこのような無意識の能動的知覚調節の一例は、固有受容性情報、前庭情報および視覚情報によって生成することができる姿勢の安定性に関する情報によって与えられる。環境における我々の方向付けおよび行動の大半は、我々が視覚を通して受け取る情報に依存する。ギブソン,ジェイ.ジェイ.(Gibson,JJ.(1966)「The senses considered as perceptual systems」,Boston: Houghton Mifflin)は、「視覚運動覚(visual kinesthesis)」という言葉を作り出して、視覚によって演じられるきわめて重要な役割に注意を引きつける。それ故、姿勢は、主として視覚情報に基づいて、1秒あるいは2秒で毎に自覚認識なしでそれなりに矯正される。オプティックフローはそれだけで、移動する観察者に対して進行方向のような自己の移動の重要な性質をもたらす。
同意時に、生態学的アプローチへの鍵となる見解は、「Berkeley’s Essay Towards a New Theory of Vision」(Berkeley, G. (1709/1910). London: Dutton)と関わりがある。バークリーは、客体の単眼の網膜への投影は本来曖昧であるということを指摘した。実際、世界中の様々な大きさと形状の無数の客体が同じ網膜像を生じ得る。視覚パターンが曖昧ならば、曖昧さをなくするためにはいくつかの非視覚情報が必要である。バークリーは、非視覚情報は、遠近調節と収束の眼球運動キューによって得られるということを示唆した。いずれの場合にも、タスクを完遂するのに必要な筋肉の収縮は目標までの物理的距離と相関関係があり、筋肉の感覚が奥行きのキュー(手がかり)を与えてくれるものと思われる。
曖昧さに関するバークリーの分析は、情報が次の(a)および(b)の形で得られると考えられる場合にのみ技術的には正しい:(a)瞬間像−光情報が規定の時間間隔の間不変に保たれる(時間的に固定される);(b)情報が単眼にのみ投影される。しかしながら、人間の知覚はこのようには働かない。ギブソンは、知覚者が得られる最良の情報は、拡張され、時間的な構造を得た情報であると主張した。ピンホールを通して単眼で見ると、三次元光景は写真か写真とほとんど変わらない高精細画と見分けがつかないことがある。環境が静止していると仮定して、知覚者が歩きながら風景または写真を見ると、光変化(オプティカルフロー)のパターンは光景における三次元構造について紛らわしくない情報をもたらし、これには射影幾何学の法則によって決まる光学変換と実際の光景との間の関係が伴う。あらゆるレベルの観察者の自発運動によってあるいは客体運動によって与えられる運動学的情報は、通常知覚にとって必須である。最も重要なことには、バークリーによって考察された瞬間像(時間的に固定された光像)は、生物の知覚系への(時間構造および/または空間構造を欠く)変性性入力である可能性がある(Gibson,J.J.(1966),「The senses considered as perceptual systems」,Boston: Houghton Mifflin & Gibson, J.J. (1979),「The ecological approach to visual perception」,Boston: Houghton Mifflin;Johansson,G.(1970),「On theories for visual space perception:A letter to Gibson」,Scandinavian Journal of Psychology, 11 (2), 67−74)。
生態学的視覚認知に関する上記の主張は、個人の発達における視覚認知力の成熟に割り当てられた枢要な役割を理解するのに特に効果的である。特に、ギブソンは、知覚に時間次元を組み入れたため、知覚はすべて基本的に運動知覚になる。
ピアジェの構成主義の知覚説によると(Piaget,J.1952.「The origins of intelligence in children」 New York:International Universities Press & Piaget,J.1954.「The construction of reality in the child.」New York: Basic Books & Piaget,J.1976.「The psychology of intelligence. [Translated from French by Malcolm Piercy and D.E.Berlyne].Totowa,NJ:Littlefield,Adams.)、またさらに、ギブソニアンの生態学的知覚説によると、感覚運動活動および視覚認知は、どちらも全く同一のプロセスの両極端である。従って、感覚運動活動と識字能力が共通の運命にさらされるということは、何も驚くべきことではない。視覚認知に影響を及ぼす発達障害は、必然的に主体が環境から運動学的属性を直接抽出する能力を低下させる。さらに、生物学的レベルの視覚認知障害は、やはり過渡刺激の大細胞系検知に影響があり、その結果として、空間構造および移動をマッピングする能力が低下し、ひいては、これが特に主体の可到達空間におけるガイド付きの騒々しい感覚運動活動となって現れることになる。もし運動の円滑性が多くのレベルで危険にさらされるならば、トップダウンのプロセスおよび資源は、それらの機能的能力を表象の認知情報処理の遂行から遠ざかる方向にそれさせることになろう。このようにして、主体が客体の寸法、色および形状のような環境中の時空的特徴を弁別し類別する能力に影響が及ぶ。
要するに、早期に顕著な視覚認知障害は、主体が環境における時空構造の中で因果関係についての経験上の連想(記憶)を行う能力を阻害し、あるいは遅らせることがあり、したがって主体が居住環境について言語や思考を介して自由に主観的に推論する能力を抑制することにもつながる。このような状況の下では、主体の認知学習行動の可能性は、到底成就するとは思われないタスクとして浮かび上がる。
一般に学習障害、特に読書障害は、若年期における視覚認知運動過程の達成不足または達成不全についての潜在的な論理的目標である。そこで、本願発明者等は、本願で、「発達上の読書障害」を、早期視覚認知運動欠陥が個人の機能的能力をそれぞれ生物学的レベル、知覚レベルおよび認知レベルで阻害して来た明確な障害候補の一例として紹介し、詳細に論じるものである。本願におけるこの発達上の読書障害についての議論はもっぱら例示説明のためのものであり、本発明に対して限定的な意味を有するものではない。
一般に学習障害、特に発達上の読書障害は、互いに部分的に重なり合ういくつかの科学的な領域の交差路上にある。発達上の読書障害は、多くの別個の研究分野を一つの全統合的な、すなわちいくつかの専門分野を結集した創造的な研究課題として融合させるテーマであるである。本願では、発達上の読書障害の中の関連技術の説明に沿って、神経生理学、視覚処理と認知、認知心理学、生態心理学および生理学的運動制御のようないくつかの研究分野を包含する科学的根拠を明らかにする。これらの関連技術は、一見したとこでは非常に多様化されているが、最終的には、共通の連係された生物学的背景に収斂されることになり、このような背景では早期知覚運動過程が、発達上の読書障害の因果関係に関する生物学的仮説を強固なものにする上において決定的な役割を果たす。
「dyslexia(読書障害)」という言葉は、「言葉または言語についての困難」を意味する、ギリシア語に端を発する。発達上の読書障害は従来に次のように定義される:
「通常の教室経験があるにもかかわらず、自己の知的能力に見合った読み、書きおよび綴り字の言語能力に到達しない児童障害」。
この定義は、すべての失読症患者が共通に抱えるものを特徴的に表現してという点において有用である。しかし、これは一部始終を物語るということではない。失読症の子供は、右と左を区別する、靴ひもを結ぶ、時間を伝えることを学ぶ、指示に従うこと、数学、物事をまとめる力、記憶および聴覚処理(例えば、「live」、「lithe」および「life」の様な単語における/v/、/th/および/f/のような紛らわしい発音)というように、他の多くの分野の問題がある。要するに、2名の失読症患者は同様ではなく。各々の失読症患者がそれぞれ独自の弱点と強みをワンセットとして持っている。人口の3乃至10パーセントがこのような障害に罹っている。
1990年代の始め頃に、読書障害における国際的な研究者間の支配的な見方は、読書障害を音韻障害説として定義する観点によるものであった。ブラッドリーとブライアント、およびフリスとスノウリングによる独創的な研究は、子供の読書障害を言語野における脳異常に起因する中核欠陥と見なした。この欠陥は、子供においては、話し言葉の個々の発音の聞き取りにおいて、より大きな学童期の障害に形を変えるものであった。結果的に、この困難は、韻のような音韻素性の認識不足の故に、子供が読むことを学ぶのをより困難にする。音韻認識は、書記素の規則を音素転換規則として構築する際の土台と考えられる。
読書障害は、非常に多くの形で現れ得、また様々に異なる原因に起因し得るという事実によって、研究者間に不一致が生じたのみならず、いくつかの定義が生み出されることになった。このような定義の中で、本願発明者等は、読書障害を次のように定義する定義(Augur, J. (1993) 「Guidelines for teachers, parents and learners in Snowling」, M. (Ed) (1993) 「Children’s Written Language Difficulties, Assessment, and Management,」 London: Routledge 1)について考察する:
「算数、短期記憶、順序付け、聴覚認知および/または視覚認知および運動技能に困難を伴うことがある読み、綴り字および書き言葉の中の少なくとも1つにおける特有の学習困難。これは、書き言葉(アルファベット記法、記数法および記譜法)の習得および使用に特に関係がある。さらに、口頭言語にもある程度影響が見られることもしばしばある。」
複雑な全体的構図の意味を理解するために、フリス(Frith U 1997. 「Brain, mind and behavior in dyslexia.」 In C Hulme, M Snowling (eds) Dyslexia: Biology, Cognnition and Intervention. London: Whurr)は、読書障害の現象について議論することができる次の3つの異なるレベルに注意を喚起するモデルを提案した:生物学的レベル、認知レベルおよび行動レベル。生物学的レベルは、次のような根本的な脳メカニズムを究明することを試みる:大脳皮質における言語野の崩壊、大細胞系経路異常、小脳異常など。認知レベルは、次のような認知心理基づいた理論的モデルの面から解釈を提案することを試みる:ワーキングメモリ縮小、音韻処理不足、自動処理不全、遅速中枢処理など。行動レベルは、次のような徴候の面から解釈を探すことを試みる:読み能力不足、韻および書き能力に関する困難。このモデルによれば、何らかの生物学的異常があることが考えられる(遺伝学的に確認される場合もある)。
これらのすべてのレベルで、環境の影響が効いており、それによって最終結果が修正される;このことは出産前の子宮中の環境にも当てはまる。要するに、いずれか1つのレベルの解釈が他のレベルの解釈より本来的に優れているということではない;完全な解釈というものは、これらの3つのレベルをすべて含むものになると考えられる。
フリスのモデルは、読書障害の分野を、症候群自体を定義するという面だけでなく、その将来行われ得る研究の有効範囲においても、統合的な因果論的アプローチを考察するまでに拡大した。大細胞系欠陥の面(Stein J, Walsh V 1997 「To see but not to read; the magnocellular theory of dyslexia」Trends in Neurosciences 21: 590−612)、および小脳欠陥の面(Fawcett AJ, Nicolson RI, Dean P 1996 「Impaired performance of children with dyslexia on a range of cerebellar tasks.」 Annals of Dyslexia 46: 259−83)の両面によった新しい理論がされている。両方の理論共、生物学的レベルで因果関係の説明を与えており、いくつかの点で共通の傾向に収斂する並列メカニズムについて説明していると解釈することができる。また、両方の理論とも、上に簡単に触れたように、読書障害に関連する問題は単なる音韻障害説より広範にわたる様々な障害を反映したものであるということを示唆している。
大細胞系視覚欠陥は、読書障害を持つ読み手は視覚欠陥を患っているという仮説につながり(Lovegrove, W.J., Martin, F., and Slaghuis, W. 1986. 「A theoretical and experimental case for visual deficit in specific reading difficulty.」 Cog. Neuropsychol. 3:225−267; Lovegrove, W.J., Garzia, R.P. and Nicholson, S.B. (1990) 「Experimental evidence for a transient system deficit in specific reading disability.」 Journal of American Optometrists Association, 61, 137−146; Skottum, B. C. (2000). 「The magnocellular deficit theory of dyslexia: the evidence from contrast sensitivity.」 Vision Research, 40, 111−127; Wright, B. A., Bowen, R. W., & Zecker, S. G. (2000). 「Nonlinguistic perceptual deficits associated with reading and language disorders.」 Current Opinion in Neurobiology, 10 482−486)、また純粋に視覚的な可変要素を操作することによって、読書障害の程度を定義しさらに変更するような関係を明らかにしようと試みられている(O’Brien, B.A., Mansfield, J.S., & Legge, G.E. (2000). 「The effect of contrast on reading speed in dyslexia.」Vision Research, 40, 1921−1935)。
広義の文脈において、大細胞系欠陥は、読み能力の問題はタイミング感覚事象および運動事象を担う脳における大きなニューロンの系(大細胞)の聴覚および/または視覚の異常発達によって引き起こされる感覚処理障害の結果であるという仮説を裏付ける。
視覚系では、視覚路は、(1)網膜から視床における視神経、視神経交差および外側膝状体核(LGN)を経由して一次視覚皮質に至る「網膜鳥距(retinocalcarine)」および(2)上丘(SC)および視床枕(P)を経由して連想皮質に至る「中脳蓋」経路を含む2つの主要経路を有する。
さらに、網膜の神経節細胞の約10%、視覚事象の形ではなくタイミングの信号を出すはるかに大きい大細胞系のM細胞である。過渡視覚処理が、主として、末梢および中枢の両方の視覚系に迅速な一時性動態を持つM細胞によってもたらされるということは幅広く受け入れられようになった。(Merigan, W.H and Maunsell, J.H.R. (1993) 「How parallel are the primate visual pathways?」 Annu. Rev. Neurosci. 16, 369−402)。
猿の視覚皮質領野の実験で、移動刺激この大細胞過渡系に対して最も選択性があるということが明白に実証された。(Newsome, W.T. and Pare, E.B. (1988) 「A selective impairment of motion processing following lesions of the middle temporal visual area (MT)」. J. Neurosci. 8, 2201−2211)。また、読書障害患者における視覚的運動感度が確かに低下することも明らかにされ(Cornelissen, P. et al. (1995) 「contrast sensitivity and coherent motion detection measured at photopic luminance levels in dyslexics and controls.」 Vis Res. 35, 1483−1494)、また、したがって、個体の運動感度の低下の程度はその個体自体の視力障害と相関関係がある(Witton, C. et al. (1998) 「Sensitivity to dynamic auditory and visual stimuli predicts nonword reading ability in both dyslexic and normal readers.」 Curr. Biol. 8, 791−797)。
発達上の読書障害患者は、大部分ではないにしてもその多数が視覚大細胞系の発達が軽度に、さらには強く損傷しているという考え方はしっかり定着している。リヴィングストン(Livingstone)およびガラバーダ(Galaburda)は、死後の読書障害の脳では、外側膝状体核(LNG)の大細胞系層中のニューロンが対照の脳中のニューロンより小さくかつより大きく崩壊しているということを強く説得力のある証拠で実証した(Livingstone, M.S et al. (1991) 「Physiological and anatomical evidence for a magnocellular defect in developmental dyslexia.」 Proc. Natl. Acad.Sci. U. S. A. 88, 7943−7947)。従って、M細胞は視覚運動の検知にとって重要である(Enroth−Cugell C, Robson JG (1966). 「The contrast sensitivity of retinal ganglion cells in the cat.」 J. Physiol 187: 517−52; Shapley, R., and Perry, V. H. 1986. 「Cat and monkey retinal ganglion cells and their visual functional roles.」 Trends Neurosci. 9:229− 235; Merigan, W.H and Maunsell, J.H.R. (1993) 「How parallel are the primate visual pathways?」 Annu. Rev. Neurosci, 16, 369−402)。
対照的に、視覚系における小細胞系のP細胞はその大多数(約90%)が、寸法でより小さく、客体の微細な細部および色を知らせる網膜神経節細胞からで構成される。大細胞は相当大きい樹枝状領野を持ち、従ってそれらの受容領域の大きさは、小細胞系細胞の約500倍である。また、大細胞は、刺激の始まりと衰微を素早く知らせることができるように、迅速な細胞膜動態を呈する。大細胞の稠密有鞘軸索は、小細胞系細胞よりおよそ20ミリ秒速く信号を大脳皮質に伝える(Bullier, J., & Nowak, L. G.(1995). 「Parallel versus serial processing; new vistas on the distributed organization of the visual system.」 Current Opinion in Neurobiology, 5(4), 497−503)。信号は、視床の視覚中継核(LGN)の大細胞系層へ投影され(project)、そこからさらに後頭葉の鳥距溝中の一次視覚皮質の層IV−5へ投影される。
網膜鳥距経路では、一次視覚皮質および他の視覚皮質領野中の小細胞系および大細胞系経路の混在にもかかわらず、視覚処理の2つの主要出力経路が突き止められている(Ungeleider, L.G., & Mishkin, M. (1982). 「Two cortical visual systems.」 In D.J. Ingle, M. A. Goodale, & R.J.W. Mansfield (Eds.), 「Analysis of visual behavior」 (pp. 549−586). Cambridge, MA: MIT Press)。両方出力経路は、視覚皮質領野から発するが、その一方は背側から皮質の後頭頂領野へ、他方は腹側からの下側頭皮質に腹部へ通る。
背側経路は刺激のパターンにおける移動および奥行きの諸様相を分析し、また、これらの信号は、視覚事象のタイミングおよび視覚目標の運動のタイミングに関する情報を提供するので、背側系は、眼球および手足の運動の両方の誘導にとって重要である。(Milner, A.D., & Goodale, M. A. (1995). 「The visual brain in action.」Oxford, England UK: Oxford University Press)。同様に、背側投影は、運動構造(眼球前野および上丘を含む)に結合され、また橋核を介して小脳に非常に大きな入力を供給する(Stein JF, Glickstein M (1992). 「The role of the cerebellum in the visual guidance of movement.」 Physiological reviews 72: 967−1018)。
網膜鳥距経路の背側経路は、その主要入力(全入力ではないにせよ)を大細胞系体細胞から受け取る(Merigan, W.H and Maunsell, J.H.R. (1993) 「How parallel are the primate visual pathways?」Annu. Rev. Neurosci. 16, 369−402)。腹側経路は空間の詳細および色を抽出し、小細胞系網膜鳥距経路からその主要入力を受け取るように見えるが、かなりの大細胞系入力をも受け取る。一方では、背側系は、情報の長期記憶装置を持たず、当面の運動行動の実行を可能にする非常に短期の記憶装置しか持ないように見える。他方では、腹側系は、記憶された表象を利用して、客体および事象を認識し識別するための記憶ベースシステムである。従って、客体の場所を認知する機能は背側経路に属し、他方腹側経路は客体のアイデンティティ(視覚がどこにそして何次元にあるか)を確認するものとされた(Goldtein, E.B. (1999). 「Sensation and perception (5th ed.).」 Pacific Grove, CA: Brooks/Cole)。
大細胞系は、眼球運動を制御するために不可欠であり、読み過程の間における目標固視の安定した制御を確実ならしめる。大細胞系/過渡神経回路は、読み過程のみならず「内言語」においても決定的な役割を果たす脳構造である小脳に向けて密に突出している。さらに、大細胞系経路は、運動情報の処理に高度に関与する。(Logothetis, N.K. (1994). 「Physiological studies of motion inputs.」 In A.T. Smith (Ed.), 「Visual detection of motion」 (pp.177−216). London: Academic Press)。従って、運動分析の大部分は、主として中側頭(MT)および内側上側頭(MST)の領野における背側系で実行される(Logothetis, N.K. (1994), 「Physiological studies of motion inputs.」 In A.T. Smith (Ed.), 「Visual detection of motion」(pp.177−216). London: Academic Press)。マカークにおいては、背側系入力は空間分析または運動分析を扱う領野からなされ、また網膜の周縁域の表象からなされる。腹側系入力は、網膜(窩)のより中央の表象からの形および色の分析を扱う領野(V4)からなされる。(Baizer, J.S., Ungerleider, L.G., & Desimone, R. (1991). 「Organization of visual inputs to the inferior temporal and posterior parietal cortex in macaques.」Journal of Neuroscience, 11(1), 168−190)。
大細胞系仮説と小脳仮説のとの間にある共通の傾向に注意を振り向けると、この文脈における読書困難は、共通の遺伝制御下にあってタイミング感覚および運動事象を担う全身的大細胞系の発達障害の結果であると言っても過言ではなかろう。このように、我々は、読書障害患者においては小脳を含む広範な機能の集合が損傷されるものと考えるべきである。本願発明者等が小脳に重点を置くことは、この構造が脳全体にわたるすべての大細胞系からの大量投影の受容体であるため、特に重要である。より具体的には、大細胞系視覚ルートが橋核を介して「そこで」小脳につながっている背側構造の最大の出力である(Stein JF, Glickstein M (1992) 「The role of the cerebellum in the visual guidance of movement.」 Physiological reviews 72: 967−1018)。したがって、我々は、小脳自体を本質的に大細胞系の構造であると見なすことができる。
小脳が認知能力に関与するという見方は比較的新しく、運動野として小脳に帰される従来の役割とは対照的な立場に立つ。小脳は、複合運動、多関節運動および視覚運動協調または学習された自動運動が要求される運動を制御することに優先的に関与している。(Stein JF, Glickstein M (1992) 「The role of the cerebellum in the visual guidance of movement.」 Physiological reviews 72: 967−1018; Thach W.T., H.P. Goodkin and J.G. Keating, (1992). 「The cerebellum and the adaptive coordination of movement.」 Ann Rev Neurosci 15: 403−442)。しかしながら、人間の小脳は、極めて進化し、ブローカの言語野を含む前頭皮質中の領野と結合されるようになっている。
小脳は、運動系か認知系かに関わらず、あらゆる能力の自動化に決定的なまで関与するという見方が提案されている。現在では、言語における小脳の重要性を示す圧倒的な証拠があり(Ackermann H, Hertrich I (2000). 「The contribution of the cerebellum to speech processing.」Journal of Neurolinguistics, 13(2−3): 95−116)、これには小脳の読書への固有の関与が含まれる(Fulbright RK, Jenner AR, Mencl WE, Pugh KR, Shaywitz BA, Shaywitz SE, Frost SJ, Skudlarski P, Constable RT, Lacadie CM, Marchione KE, Gore JC (1999). 「The cerebellum’s role in reading: a functional MR imaging study.」 American Journal of Neuroradiology 20: 1925−30)。
ニコルソンおよびファーセット(Nicolson RI, Fawcett AJ (1990) 「Automaticity: a new framework for dyslexia research?」 Cognition 35(2): 159−82)は、読書障害患者は自動能を獲得するのに苦労する、すなわち、学習した技能が自動性になるまでに対照よりも多くの訓練を必要とすることを示す証拠を蓄積することによって、潜在的な小脳の機能障害の可能性に関してはじめて示唆を与えた。実際、フォーセット他は(Fawcett AJ, Nicolson RI, Dean P (1996) 「Impaired performance of children with dyslexia on a range of cerebellar tasks.」Annals of Dyslexia 46: 259−83)は、失読症患者は平衡性および筋緊張を含む小脳機能の古典的テストで正常者よりも成績が悪かったといいうことを明らかにした。
ニコルソン他によって行なわれた研究において(Nicolson RI, Fawcett AJ, Dean P (1995) 「Time−estimation deficits in developmental dyslexia− evidence for a cerebellar involvement.」 Proceedings of the Royal Society of London Series B−Biological Sciences 259: 43−7)、小脳が機能することの指標であると考えられる読書障害の主体における時間推定タスクの欠陥に関して、証拠が提出された。一般に、小脳への損傷は、熟練した運動、瞬目調整、および(時間における)持続期間弁別のような認知タスクの生成を含む正確なタイミングを要する一連のタスクの遂行を阻害する。
正確なタイミングが要求されるようなタスクは、事象タイミング、すなわち時間目標が明示的に表わされる心的表象の一形式を必然的に伴うということが仮定されている(Ivry, R.B., Spencer, R.M., Zelaznik, H.N., and Diedrichsen, J, (in press−2002).「The cerebellum and event timing.」To appear in S.M. Highstein and W.T. Thach (Eds.), 「New Directions in Cerebellar Research,」 Annala of the New York Academy of Sciences)。このアプローチの強調は、それらの専門のオペレーションが要求される場合は常に、補充されて、情報の表象および変換の点から精神作業について記述することだった。さらに、反復の一連の個別運動の時間的制御は明示的な時間的表象を要求する。心理学的には、この表象は、特定の事象がいつ生じるべきであるか、あるいは生じたかを指定する。タイミングは、タスク目標の表象の明示的な部分として残る。例えば、指軽打(フィンガータッピング)においては、小脳はいつ次の反応が生じるべきかを信号で知らせる。
さらに、同様の文脈で、事象−タイミング仮説は、タイミングと予測の関係に関する現在の思考傾向の評価にも関連しそうに思われる。いつ次のフィンガータッピングが起こるべきか、あるいはいつエアパフ感じられるかを表わすことは、予測の一形式である。小脳機能の基本的性質はその予測装置としての動作にあるということが提議されている。感覚運動の制御では、この概念は、内部順モデルの形式によって捉えられる(Wolpert, D.M., Ghahramani, Z., & Jordan, M.I. (1995). 「An internal model for sensorimotor integration.」Science, 269, 1880−1882; Wolpert, D.M., Miall, R.C., & Kawato, M. (1998). 「Internal models in the cerebellum.」Trends in Cognitive Science, 2, 313−321; Block R.A., & Zakay D. (1996). 「Models of psychological time revisited.」In H. Helfrich (ed.), 「Time and Mind.」 Bern: Hogrefe and Huber Publishers, (pp. 171−195)。例えば、小脳は、最終結果が目標と一致するかどうかを確かめるための可能な解を実地に試験する内部シミュレーションを支援することによって、問題解決に寄与するかもしれない。
予測は、ともかくもタイミング的に同時遍在的であり、また、小脳を認知に結びつける機能ドメインにおける研究によって、小脳がリアルタイム予測が要求される状況で重大な役割を果たすということの実質的証拠が提案された。要するに、小脳は、様々なタスクで使用することができ、熟練した運動行動の非常に重要なコンポーネントであるかもしれない内部タイミングシステムを操作する(Lundy−Ekman, L., Ivry, R., Keele, S. and Woollacott, M. (1991) 「Timing and force control deficits in clumsy children」, Journal of Cognitive Neuroscience, 3, 367−376)。
小脳の音韻過程における役割はどうか?小脳の虚弱が構音問題に結びつくことが示唆され、また、構音専門知識は音素論的に自覚する過程に役立つ;すると、この部位の欠陥は、読書のような正確な音韻コーディングが要求されるタスクの欠陥に形を変えることが考えられる。例えば、両側性の小脳変性症を持つ患者は、純粋な時間キューを伴う言語コントラストを区別することができない。(Ackermann, H, Graeber, S, Hertrich, I, & Daum, I.. (1997).「Categorical speech perception in cerebellar disorders.」Brain & Language, 60, 323−331)。
例えば、「BIDDEN」と「BITTEN」のような単語は、もっぱら、時間キュー、すなわち閉鎖時の沈黙期間に基づいて区別することができる。最近の機能的映像法研究で、このような音は、同様の単語コントラストがスペクトルキューの分析を必要とする言語知覚状態と比較して、小脳および左下全頭回だけで活性化の増大をもたらすことが分かった。(Mathiak, K. et al. (in press). fMRI of Cerebellar Speech Perception. Journal of Cognitive Nueroscience)。したがって、特殊なタスクであると考えられる言語知覚さえ、空間分散型プロセッサの集団を使うように思われる。おそらく、これらのプロセッサは、タイミングのような特殊な演算が要求される場合に呼び出される。
熟練した読み取り/書込みが補助技能(単語デコーディングのような)が自動的になることを必要する場合、読書障害の主体の読み書き能力がさらに阻害されるということになる。現在では、PET走査を使用した運動学習に関する研究の結果、小脳関与の具体的な直接証拠が入手可能である。(Nicolson, R.I., Fawcett, A.J., Berry, E.L. and Dean, P. 1997 「Dyslexia: direct evidence of cerebellar impairment.」Poster at Orton Dyslexia Society International Conference, Minneapolis, MN, November)。この研究は、読書障害の成人においては、小脳の活性化レベルが対照と比較して著しく低下することを示している。
これまでは、大細胞系組織と小脳組織および症候群の因果関係におけるこれらの密接な相関関係を強く強調しつつ、生物学的レベルで一見信頼できそうな神経疾患として発達上の読書障害を議論して来た。しかしながら、は、ほとんどの学習障害に有害な影響を及ぼす。情報の感覚処理障害は、発達上の読書障害の次のレベルの因果関係、すなわち感覚認知においてに特に有害である。
本願発明者等は、文字を認識するべく視覚認知を遂行するために、また、主に読書を行うべく、さらには可到達空間で様々な切迫性生体運動(例えば視覚運動)行為を行うべく運動行動を誘導するために、読書障害を持つ主体が、異なる感覚情報の経路を単一の自立性のある時空知覚に統合する能力に、本願で具体的に言及する。知覚に関する議論をさらに続ける前に、知覚について広義に定義しなければならない。「知覚とは、行動に対する知覚刺激の意識的・無意識の影響を包含する行為である。」知覚に関するこのような広義の定義は、両方の視覚路の知覚活動、すなわち腹側経路と背側経路の知覚活動を単一の組に含める必要に由来する。
過渡チャンネルにおける低水準視覚処理障害(大細胞系における感度低下)は、明度弁別、運動、奥行き、および多くの視覚統合タスクにおけるに知覚のような視覚タスクに影響する用に思われる(Lovegrove, W.J., Bowling, A., Badcock, D., & Blackwood, M.(1980).「Specific reading disability: differences in contrast sensitivity as a function of spatial frequency.」Science, 210, 439−440)。さらに、過渡チャンネルにおける障害は、視覚空間における客体の定位(例えば視覚注意の方向)(Lennie, P. (1993). 「Roles of M and P pathways.」In R. Shapley, D. Man−kit Lam, 「Contrast sensitivity, proceedings of the retina research foundation symposia, Vol.5.」 The MIT Press, Cambridge (Massachusetts), 201−213; Steinman, B. A., Steinman, S. B., & Garzia, R. P. (1996). 「Reading with an M neurone: how defective magnocellular pathway interferes with normal reading.」In R. Garzia, Vision and reading. New York: GB Putnam’s Sons)、眼球運動の制御(Eden, G. F., Stein, J. F., Wood, H. M., & Wood, F.B. (1994). 「Differences in eye movements and reading problems in dyslexia and normal children.」 Vision Research, 34, 1345−1358)、および様々な種類の視覚運動到達行動に影響を及ぼすものと考えられる。過渡チャンネルは、視覚情景の最初の全体的分析を遂行するために、時間的優先権を持つと考えられる。
さらに、実験の知見によると、一貫運動の知覚についての高い閾値を立証する明らかな証拠提示され、あるいは、読書障害の主体における一貫運動弁別感度の顕著な低下が見られた(Cornelissen, P,, Richardson, A., Mason, A., Fowler, S., & Stein, J. (1995). 「Contrast sensitivity and coherent motion detection measured at photopic luminance levels in dyslexics and controls.」 Vision Research, 35, 1483−1494)。読書障害の主体は可視残光の持続期間がより長いということが報告されている。このことは、読書障害患者におけるより長い可視残光期間が、視覚刺激をより長い時間正しい位置に固定し、かつ運動系対する視覚刺激の不動性を示す信号を出す役割を果たすかもしれないということを意味する。その1つの結果は時間分解能の低下である(Slaghuis, W. L., Twell, A. J., & Kingston, K. R. (1996). 「Visual and language processing disorders are concurrent in dyslexia and continue into adulthood.」Cortex, 32, 413−438)。
ラブグルーブ(Lovegrove W. (1993). 「Do dyslexics have a visual deficit?」In: Wright S. and Groner R. 「Facets of dyslexia and its remediation」 (pp.33−49) Amsterdam: North−Holland))は、読書障害における音韻処理および視覚処理欠陥の両方が共通の原因過程を反映している可能性があると主張した。彼は、2つ異常の感覚の種類で急速に与えられる刺激を処理する能力の差(Tallal, P. (1985). 「Auditory temporal perception, phonics and reading disabilities in children」.Brain and Language, 9, 182−198) および過渡系を使う高速時間処理間と音韻コーディングとの関係(Lovegrove W. and Williams M. (1993).「Visual temporal processing deficits in specific learning disability」. In: Willows D., Kruk R. and Corcos E. (Eds.)「Visual processes in reading and reading disabilities」, (pp. 311−330) Hillsdale, NJ: Lawrence Erlbaum)を立証する証拠は、読書障害中の一般的な知覚のタイミング問題を反映するかもしれないということを提案した。
しかも、一般に感覚認知、特に視覚認知の障害が如何に読書障害の主体の心の中における時空知覚の自己組織を歪めるか、あるいはこれに影響を及ぼすか。あるいは、別の言い回しで、読書障害は、(a)遺伝的な生物学的要因による正味の情報処理欠陥;および(b)環境から生じる感覚情報の全体的直接抽出を達成する際の早期視覚認知欠陥 (感覚情報を調和の取れた時空知覚設定まとめるのに主体が持つ無意識の自動能力として現れる)を含め、存在論的並列因果関係モデルによく適合することも考えられる。
確かに、発達についての証拠は、読書障害への複数の並列因果関係的アプローチが要求される。したがって、小脳中あるいは大細胞系における神経欠陥は、時には、刺激アレイから感覚情報を直接抽出する機能を担う黙示および前注意機構をそこから奪うことによって、一般に早期感覚認知、特に早期視覚認知を阻害することになる。このように、早期知覚欠陥は、発達上の読書障害における「第二中核欠陥」と考えるべきである。
ここで、前に議論した読書障害における生物学的レベルの第一中核欠陥はさておき、読書障害を引き起こす原因である並列の一応信頼できそうな第二中核欠陥として、主に背側視覚路に、また腹側の機能的視覚系にも影響を及ぼす大細胞系発達異常を中心として早期知覚欠陥に注意目を向けるべきであろう。このような第二中核欠陥は、一般に緊密に早期知覚過程の性質、そして特におよび生態学的知覚過程の役割を我々に詳しく考察させる。
さらに、知覚がモジュール統合型アプローチであると考えられる場合、背側視覚路によって主として引き起こされる早期感覚認知の欠陥は生態学的見解とよく対応する(Gibson, J.J. (1966). 「The senses considered as perceptual systems」. Boston: Houghton Mifflin; Gibson, J.J. (1979). 「The ecological approach to visual perception」. Boston: Houghton Mifflin; Gibson, E.J. (1969). 「Principles of perceptual learning and development」. New York: Appleton−Century−Crofts; Gibson, E.J. (1984).「Perceptual development from an ecological approach」.In M. Lamb, A. Brown, & B. Rogoff (Ed.),「Advances in developmental psychology」 (Vol.3, pp 243−285). Hillsdale, NJ: Erlbaum; Johansson, G. (1970). 「On theories for visual space perception: A letter to Gibson」. Scandinavian Journal of Psychology, 11(2), 67−74; Shepard, R. N. (1984).「Ecological constrains on internal representation: Resonant kinematics of perceiving, imagining, thinking, and dreaming」. Psychological Review, 91(4), 417−447).)。生態学的説明は、早期知覚欠陥を、発達上の読書障害の因果関係であるとして大細胞系および小脳の欠陥に重点を置いた生物学的仮説に強く結びつけることによって、早期感覚認知に新たな光を当てた。生態学的説明は、周囲からの情報の視覚的直接抽出は、もし光アレイ部分足し合わせるとすればその合計より非常に多くの情報を含む特別な視覚構成を結果として生じると仮定する。従って、知覚は、いったん構築されると、個々の単一の知覚表象に分解することができない、すなわち、直接的能動的知覚行為はその時空的に単離されたどの情報成分にも変えることはできない。
さらに、生態学的説明は、早期感覚認知はある種の特別な「感覚与件」を有し、その感覚与件では、情報は知覚者によって否認知性の前注意的(自動的)・黙視的な形で知覚的全体として自己組織される順に周囲エネルギーから主として背側視覚経路によって(また相当な大細胞系入力により腹側経路によって)取り込まれるか、抽出されるということを認めている。生態学的理論は、基本的に、知覚生体はエネルギーのみならず情報も充満していると見なす。重要なことには、生体は情報の追跡に能動的に関与すると考えられる。ギブソンによれば、これらの相互作用は普遍的性格のものであり、結果として、周囲エネルギーにおけるパターンと環境の構造との間に詳細な対応関係が生じる。このように、知覚者と環境とは相互関係にある、すなわち両者は全体を形成する。生態学的アプローチは、周囲の情報は十分であって、曖昧ではなく、したがって、有意情報の抽出を可能にするためには「精神過程」は必要ではないと主張する。生態学的アプローチは、単段のプロセス(それは直接・即時である)として知覚を見る。
さらに、個々の単一受容体(神経系における)での活動ではなくではなく、あるいは複数の場所における活動の単純合計でもなく、情報抽出のための統合系として、知覚する生体に重点を置いて考察する。受容体および個々の神経繊維は、有用な情報を抽出するようその回路類が構成されているより大きい装置の部品である。要するに、生体の感覚運動行動は、生体が能動的に情報を抽出することを可能にし、一方、この情報は進行中の行動を誘導する(Gibson, JJ. (1966).「The senses considered as perceptual systems」. Boston: Houghton Mifflin)。この見方では、早期知覚発達は世界との有意な接触で始まる。
ギブソンは、早期知覚過程は、エネルギー自体の特性(光の強度や波長のような)ではなく、周囲エネルギーにおける構造を検知し抽出するのに適合しており、また、早期知覚過程は、入って来る刺激から、労作なしに、自動的に、かつ能動的に的に高位情報を抽出するということを強く強調した。また、ギブソンは、情報、すなわち、感覚刺激アレイ中の部分(情報のビットや単離情報片ではなく)間の関係に関する弁別的特徴およびパターンから自己発現する関係情報のアレイに既に書き込まれている構造として高位情報を説明した。
さらに、この早い発展的な過程の情報の知覚抽出は、情報抽出の節約の表れとして、単に変更に関して一定のままである関係の捜索で生体が不変系(刺激配列からの)を抽出することを意味して、物質界の持続する規則性を開発するために来た。ギブソンによってさらに説明されているように、情報は人々や客体が移動するのに伴って、時間・空間にわたって拡張される。すなわち、刺激は時間・空間において静的ではなく、また凍結されない。このように、人間の知覚者に利用可能な最良の情報は時間的に拡張され、また、知覚系はそのような情報を利用するように構成されているギブソンは、ヨハンセン(Johansson, G. (1950)「Configurations in event perception」. Uppsala, Sweden: Almkvist and Wiksell)のように、知覚は事象を認知すること、すなわち光アレイ中の時間・空間にわたる変化を認知することよりなるということに注意を促している。
刺激は多くのレベルの情報を伝える。ピンホールを通して単眼で見ると、三次元光景は写真か写真とほとんど変わらない高精細画と見分けがつかないことがある。しかしながら、観察者が移動しながら(例えば、歩きながら)光景または写真を見る場合、時間を横切っての光学変換は劇的に異なる。運動は、移動する客体の三次元形状に関する、また観察者自身のそれらの客体が密集する環境内の運動に関する潜在的に強力な情報をもたらす。特に、環境内の客体の運動は、静止している観察者の網膜上の光分布の時空変化を生じさせる。同様に、観察者自身の静止環境を通しての運動は観察者の網膜像を変化させる。このような時空変化は、その起源に関わらず「オプティックフロー」と呼ばれ、視覚情報の重要な供給源を構成する。例えば、オプティックフローは、観察者の運動の速度、方向および経路に関する情報を提供する。また、オプティックフローは、環境の三次元構造に関する情報も提供することができる(Koenderink, J.J. (1986) 「Optic flow」. Vision Research, 26, 161−180)。
環境が静止していると仮定すると、光変化(オプティカルフロー)のパターンは光景における三次元空間構造についての紛らわしくない情報をもたらし、これには射影幾何学の法則によって決まる光学変換と実際の光景との間の関係が伴う。観察者あるいは客体運動から与えられるこの運動学的情報(オプティカルフロー)は、早期視覚認知において生体により抽出される基礎的時空情報であることはよく知られている。
実験設定においては、運動は形状の有力な指定子である。この有力さは、異なる方角に動くドットのクラスタによって英数字が定義されるディスプレイを作り出したD.リーガン(Regan, D. (1989) 「Orientation discrimination for objects defined by relative motion and objects defined by luminance contrast」.,29, 1389−1400)による研究で実証されている。人々は、これらの共通のドット運動ベクトルによって定義された図を容易に見られ、優れた精度でその図の形状について判断することができる。これは「運動形式知覚」と呼ばれる、この能力は相当大きな量のランダム運動ノイズがあっても保存される。
さらに、生物学的運動の視覚認知は、運動から客体情報を抽出する視覚の能力に関するもう一つの説得力のある例を提供する。通常の生物学的運動は身体の変形を伴うので、生物学的運動は「軟質運動」に分類される。活動に使用される生体の知覚は、運動信号の時間・空間にわたる全体的統合を必要とする。その結果、このようなアニメーション・シーケンスの知覚は、文字通りに運動情報の生成である(無作為点の実体図における客体の知覚は両眼視差情報の生成であると言うのと同じ意味で)。
また、オプティックフローは、表面の三次元空間構造によって伝えられる運動情報で構成される「運動の奥行き」と称されるものに変わる。静止している二次元の客体を一見しても、ほとんど明白でない奥行き情報しか得られない。しかし、客体が動き始めると、その投影(投象)は客体の奥行きおよび空間構造の明瞭な印象を生成することができる。ワラッハおよびオコンネル(Wallach, H., & O’ Connell, D.N. (1953) 「The kinetic depth effect」. Journal of experimental Psychology, 45, 205−217)は、この現象について早い頃に「運動の奥行き結果」というタイトルでレポートを提出した。今日では、この現象について記述するのに「運動からの構造(structure−from−motion)」という用語が認められており、この用語の意味には、運動からの奥行きの出現だけでなく、表面および他の客体関連特性の生成も包含される。
ここまで、脳の大細胞系および小脳系から生起する欠陥における発達上の読書障害に対する生物学的因果関係に関して論じた。さらに、読書障害の主体の視覚感覚認知の早期自己組織における並列欠陥を呼びかける証拠を提案した。どちらのレベルの因果関係も、少なくとも次の(a)、(b)および/または(c)の形で現われる神経生理学的障害を示唆する:(a)運動制御の欠如;(b)運動行動の誘導欠如;(c)刺激アレイからの関係情報抽出欠如による早期視覚感覚認知不足。しかし、両説の最新の概念拡張によって、知覚と行動を単一ドメインに融合させる補足的見解が要求されている。
ギブソン自身のことばによると、「我々は動くために知覚しなければならないが、我々はまた、知覚するために動かなければならない」。知覚と行動は非常に密接な相互依存関係にあって、どちらか一方の進化を他方がまだ適切な進化状態にない状態で想像するのは困難である。さらに、任意の生体の生態は、それが知覚のために利用可能な情報によって条件付けられるのとちょうど同じように、その行動能力によって条件付けられる。
人間および動物の行動は、一般に、知覚−行動ループによって説明することができよう(Gibson, JJ. (1966) 「The senses considered as perceptual systems」. Boston: Houghton Mifflin)。活性知覚系の調整は、情報の抽出を促進し、その情報は行動を誘導し、また、さらに情報を求める際に使用される(Gibson, JJ. (1979). 「The ecological approach to visual perception」. Boston: Houghton Mifflin; Mace, W.M. (1974).「Ecologically stimulating cognitive psychology:Gibsonian perspectives」. In W.B. Weimer & D. S. Palermo (Eds.),「Cognition and the symbolic process」 (pp. 137−164). Hillsdale, NJ: Erlbaum; Turvey, M. T., Shaw, R.E., Reed, E.S., & Mace, W. M. (1981). 「Ecological laws of perceiving and acting: In reply to Fodor and Pylyshyn」. Cognition, 9, 237−304)。
現在、知覚−行動ループ、およびそれらの特に発達上の読書障害における視覚認知の背側経路の大細胞系欠陥との有意な関連の文脈の中で、ミルナーおよびグッデール(Milner, A.D., & Goodale, M. A. (1995) 「The visual brain in action」. Oxford, England UK: Oxford University Press)による2つの別個の視覚経路が担う機能についての最新の修正見解が利用可能である。今回は、視覚情報を処理するための背側系および腹側系の経路は、「行動」および「知覚」の観点から考え直されている。
腹側視覚経路の機能は、基本的にはUngerleiderおよびMishkin(Ungeleider, L.G., & Mishkin, M. (1982) 「Two cortical visual systems」. In D.I. Ingle, M. A. Goodale, & R.J.W. Mansfield (Eds.), 「Analysis of visual behaviour」(pp. 549−586). Cambridge, MA: MIT Press)の機能とほとんど同じままであるが、今回の修正の主たる新味は、背側経路に帰されるものとした機能である。背側視覚路は、客体の場所をマッピングするのではなく、運動行動の視覚的制御および誘導に関与する。ミルナーとグッデールによれば、2つの経路間の主な差異は、両方の経路が視覚情報を処理する形態に基づくのではなく、それらの経路が利用可能な視覚情報によって行う変換の種類にある。一方では、腹側経路は、視覚情報を空間の「外心的」(他者中心)マッピングに変換し、それが視覚世界に関わる形で客体の認知を可能にする。他方では、背側経路は、利用可能な視覚情報を空間の「自己中心」マッピングに変換し、行為者が客体を掴むか他の形により身体で操作することを可能にする。
ミルナーおよびグッデール(Milner, A.D., & Goodale, M. A. (1995) 「The visual brain in action」. Oxford, England UK: Oxford University Press)は、外部の客体および文脈的情報の表象および自覚意識は腹側経路における処理の結果であると主張した。これとは対照的に、我々の行動の制御は、我々の自覚意識なしに暗黙に動作する背側経路によるものとされている。
これによって、現在、文脈を誤解することからしばしば発生する幻覚の影響が、なぜ視覚神経路で見られる分化にとって決定的に重要であると考えることができるかという理由がより明らかになっている。多くの研究が、知覚タスクと運動タスクにおける幻覚の影響を比較することによって、背側経路と腹側経路における情報処理の比較を行った。腹側系によって処理されると仮定される認知タスクでは、幻覚は、測定された変数(例えば、寸法、位置幻覚など)への影響を明らかに示す。背側系によって処理されると仮定される運動タスクでは、影響が見られないことはしばしばある。このように、我々は、眼球をだますことはできるかもしれないが、指はだませない!
運動知覚からの時空の関係情報の抽出は、外因性影響(刺激属性によって表わされた)と内因性影響(予想、注意、記憶および学習を含む)との間の相乗協調から生まれる。それ故に、外因性影響が行動知覚ループの循環的因果律で何の役割を果たすかを理解することは決定的なまでに重要である。視覚運動知覚問題の中心となるのは、次の問題である:認知機構が、正常な、さらには秀でた認知処理に備えつつ、早期視覚感覚認知によって自動的に取り込まれた情報からのどのようにして利益を得るか?
科学文献によって、運動刺激に関する直接情報抽出における情報が早期視覚認知によってどのように取り込まれるか、またその後認知資源によりどのように扱われるかに関して多くの手掛かりが提供される。注意は、例えば、特定タスクに関連する刺激または刺激特性の優先処理を促進し、タスクに無関係の刺激特性の処理を抑制する(Raymond, J.E. 2000 「Attentional modulation of visual motion perception」. Trends in Cognitive Science, 4, 42−50).霊長類の頭頂葉における草分け的な神経生理学の実験で、ニューロンは、視覚路における早期段階で、網膜に降り注ぐ光のパターンに対して、刺激の行動的意味に関係なく紋切り型に応答することが明らかにされている。しかしながら、Wurtz(Wurtz R, Goldberg M, Robinson D. 1982 「Brain mechanisms of visual attention」. Sci Amer 246:124−135)の臨床研究は、注意は、大脳皮質の「低」レベルから「高」レベルまで、視覚情報の流れの「レギュレータ」の役割を果たし、最重要情報だけを確実にその系の最も高い処理レベルに達しさせることを視差した。要するに、最も価値のある処理段階が、視野に現われる最有意刺激のための行動にだけ割り当てられる。従って、注意は、観察者のタスクおよび目標に従って、すべての動く刺激の行動インパクトを調整する。
さらに、注意は、空間内の1つの場所から別の場所へ注意を移す神経回路を脳が利用するために、複数の客体を追跡するようなタスクにおいて非常に大きい影響を及ぼす。Culham等(Culham, J.C., Brandt, S.A., Cavanagh, P., Kanwisher, N.G., Dale, A. M., & Tootell, R.B. (1998) 「Cortical fMRI activation produced by attentive tracking of moving targets」. Journal of Neurophysiology, 80, 2657−2670)によって行われたfMRI研究で、複数の独立に移動する客体の注意追跡は、眼球運動の場所間の注意の移動を担うことが知られている頭頂および前頭領域、領野MTおよび関連領域を含む領野のネットワークによって実現されるということが明らかになった。これらは、運動情報を処理するための中枢領域である。
さらに、注意機構による刺激属性の選択性または優先処理は、運動方向に関する不確かさによって著しく影響を受け、これによって検出性能が阻害される。運動の方向に関する曖昧さは、基本的に、あたかも観察者が刺激方向に関する事前の知識を所有するかのように理解されるべきである。このように、不確かさは、閾値が高くなったり、あるいは反応時間が長くなることを指標として示される運動の検知可能性が小さくなったりする。
十分推定されるように、運動方向に関する事前の情報は、その運動方向に特に反応するMTニューロンの信号一時的に立ち上げる(Treue, S., & Maunsell, J.H.R. (1999) 「Effects of attention on the processing of motion in macaque middle temporal and medial superior temporal visual cortical areas」. Journal of Neuroscience, 19, 7591−7602; Treue, S., & Trujillo, J. C. (1999) 「Featured−based attention influences motion processing gain in macaque visual cortex」. Nature, 339, 575−579))。やはり運動方向について、パステルナークは、猿の視覚運動の方向を記憶することにおける視覚領野MTの役割を研究した(Bisley, J.W., & Pasternak, T. (2000) 「The multiple roles of visual cortical areas MT/MST in remembering the direction of visual motion」. Cerebral Cortex, 10, 1053−1065 and Bisley, J.W., Zaksas, D., & Pasternak, T. (2001) 「Microstimulation of cortical area MT affects performance on a visual working memory task」. Journal of Neurophysiology, 85, 187−196)。パステルナークの研究結果は、MTが視覚運動の方向に関する情報の短期保持および/または検索に関与するという考え方の方向を示している。最も広義の意味では、視覚的記憶は行動のための重要なガイドである。我々は、過去の視覚事象の記憶によって、我々の行動が適時な形で遂行される状況に向けての適切な応答を準備することができる。
特に、適切な行動の視覚的な運動準備は、今経験しているなんらかの運動が実際には以前に体験したものだったというある程度の弁別を必要する。確かに、チャムおよびチアン(Chun, M. M., & Jiang, Y. (1999)「Top−down attentional guidance based on implicit learning of visual covariation」. Psychological Science, 10, 360−365)は、特定の複合運動シークェンスに繰り返しさらされたことは暗黙レベルのまま残る、すなわち、運動シークェンスはある種の潜在記憶装置に登録されていることを示した。この発見は、主体が刺激から運動学的不変量を取り込んで、何らかの形でコード化することができ、そして、主体は、これを、繰り返されるそれらの特徴を明示的に認識することなく行うことができるという考え方を裏付けるものである。
視覚認知に影響する認識の機能に関する概観をやり終えるために言及する価値があるもう一つの認知資源は、予想である。我々は、世界をあるがままには見ない。代わりに、我々の通常知覚は様々な形で歪められる。寸法、形状、距離、色空間および他の知覚表象に関する人々の報告は、文脈と期待値によって高度の影響を受ける。予想は、部分的に通常知覚を決定し、認知科学においては、文脈に高度に依存するトップ−ボトム過程であると考えられる。要するに、予想は我々の過去の経験の副産物で、我々の感覚を介して我々に届く通常の知覚情報に対する内因性フィルタの役割をする。
本願では示した関連技術を要約すると、本願発明者等は、「発達上の読書障害」と呼ばれる神経疾患に関して並列型の生物学的視覚認知複合因果関係仮説を実証する科学的根拠を提議した。さらに、本願発明者等は、小脳と視覚大細胞系のような、症候群にマイナス方向に寄与すると思われる一見信頼できそうな生体系を再吟味した。さらに、本願発明者等は、次の(a)および(b)の原因となる並列メカニズムを突き止めた:(a)視覚情報処理欠陥;および(b)早期の全体的感覚認知欠陥。全体として、我々は、次の(a)乃至(d)の欠如に形を変える小脳欠陥に沿って発達上の読書障害の取り組みに役立つ科学的根拠を注意深く概説した:(a)運動制御;(b)運動誘導行動;(c) 有効な運動制御のタイミング;および(d)リアルタイム(切迫性)運動の自律形成のためのフィードフォワード運動計画で行われる認知予測。特に、小脳欠陥は、眼球の動眼制御(固視)および手−眼球運動間の微細運動調整を共に損ない、ひいては手書き、手の握り方および指開動作をも損なう生体中の主要筋の運動制御を妨げる。
本願発明者等は、内因性のトップーボトム過程が、時間・空間の属性に関する我々の口頭報告の形で現れるような視覚認知にどのように影響を及ぼすかについて簡単に論じた。このような知覚歪みが、最近、知覚過程一般の根底にある既存の二分法を露出させる形で、精神物理学の研究所で見つかった。その一方には、我々の行動を導き、その結果、全体としての世界(他者中心空間)との関連でそれらの行動に関する我々の口頭報告を導く知覚表象がある。他方では、我々の自己中心空間との関連においてのみ我々の最も切迫した運動行動を誘導する知覚表象がある。最も重要なことには、我々が運動欠陥は早期視覚認知欠陥の反対応(contra fit)である、すなわち行動と知覚は不可分であるということを広範にわたって示してきたことは、比較的新しい種類の知覚過程の照明下にある。
最終的には、本願発明者等は、発達上の読書障害の根底にある仮説の両方の代案、すなわち大細胞系欠陥仮説および小脳欠陥仮説はいずれも、同様で互いに高度の相関関係にある因果論的生物学的背景に収斂されるということを強く強調した。この相関関係に基づく因果論的生物学的背景によって、失読症患者は視覚系の過渡刺激に対する感度が正常者より低いことが実証されている。言いかえれば、読書障害の子供は「時間的処理」一般に対してより低い感度を示し、また、これらの子供は、確かに、彼らの毎日の生活における時間の矢の知覚内在化に必要な情報の抽出と知覚的に格闘する。
2. 理論の概説
一実施態様においては、本発明の装置および方法は、主体の眼球に達した瞬間知覚の単純オプティカルフロー場に変わる光場(optical field)を発生させ、生成するために使用される。このような知覚の単純オプティカルフロー場は、情報の暗黙的直接抽出のために、光学の刺激アレイから主体の早期(視覚)知覚を介して運動学的関係情報を伝達する。好ましくは、本発明の装置は、様々な次元の前注意特徴を特定的に包含する視覚的な固有の可変環境を構築することによって、視覚刺激アレイから得られる早期知覚(単純オプティカルフロー場)からの関係情報の暗黙的直接抽出を促進するよう、生理学的・力学的活動センサモジュール、光事象(optical event)刺激モジュール、光場刺激出力モジュールおよびゲーム/エンターテインメントプログラム・モジュールよりなる。
本発明はまた、発生し生成された単純オプティカルフロー場の早期知覚運動学的属性を生理学的・力学的活動と時間相関付け、動揺させる方法を提供する。本発明の実施例では、このような時間相関および動揺の結果として、主体は症状の改善を体験する。発明の1つの目的は、読書障害の読書時の症状を改善するために運動の円滑性を改善することにある。
例示説明のため、本願においては、早期視覚認知段階で発生し、生成された単純オプティカルフロー場の知覚運動学的属性を目標器官および/または生理学的・力学系中における生理学的・力学的活動と時変方式と相関づけるものとして、本発明を説明する。より広義には、本発明は、単純オプティカルフロー場によって発生し、生成された知覚運動学的属性と生理学的・力学的活動とを時間を変数の一例とする何らかの可変方式で相関づけようとするものである。ここで留意しなければならないのは、本発明は、時間だけが関与するこの実施例に限定されるものではなく、他の何らかの種類の相関を使用することも可能であるということである。
本発明の装置および方法は、従来技術においては開示も、示唆もなされていない多次元取り組み方を採用することによって、一般には通常視覚認知を促進し、より詳しくは、視覚認知一般の欠陥、特に発達上の読書障害における症候を改善しようとするものである、すなわち:
(a)生成され構成された速度ベクトルの運動学的自由度が単一次元または平面内の運動学的軌道のみをたどるように束縛されるよう、固有の可変性動的視覚環境を発生させ、生成する(例えば、単純な運動変換−いくつかの形式の平面運動)。それ故、生成される知覚運動学的属性は、知覚の単純オプティカルフロー場を満足するよう限定されることになる。主体に複合オプティカルフロー場を伝える次のような運動学的軌道は許されない:放射軌道(拡張/収縮)、円形軌道、放射−回転軌道(らせん運動)、放射−円形軌道、および複合フロー場を生成する可能性があるいくつかの形式の平面運動軌道。
(b)主体における潜在意識の能力、複数の自己中心ソースに関する情報をマッピングし変換する能力、可到達空間内で切迫性運動行動を首尾よく誘導する能力を強化し、また、視覚の通常知覚によって他者中心空間(環境全体)の正常な弁別能力発達(口頭、認知および感覚運動)を促進する;
(c)単純オプティックフロー場によって発生し、生成された知覚運動学的属性から関係情報の取り込みを暗黙に労作なしに促進することによって、事象タイミング(逐次運動−時間離散性における)の明示的表象の時間的処理弁別が可能になるようにする。このようにして、主体は逐次運動(例えばフィンガータッピングなど)における持続時間を予測できるようになる;
(d)下記(i)乃至(iv)によって、固有の可変性動的視覚環境への潜在注意の方向付けを最大化する:
(i)複数の前注意次元を1つの固有の可変性動的視覚環境に密集させ、埋め込むことによって、注意散逸性特徴への注意関与を小さくする;
(ii)早期視覚認知資源を最適化することによって顕著な(新しい)刺激の高速取り込みを可能にするために;
(iii)すべての視覚情景から通常知覚を介しての情報のより効率的な処理を可能にするべく、早期視覚認知資源を最適化する;
(iv)固有の可変性動的視覚環境における知覚運動学的属性の時空分布の疑似ランダム化によって、視覚情景への注意展開を最小化し、これによって主体による視覚情景からの連合学習が強く制限されるようにする。
2001年11月から2002年3月にかけてノッティンガム大学により、一般に視覚認知の欠陥、また特に発達上の読書障害における視覚認知欠陥の改善に関連した形における本発明の原型を含む管理下実験臨床試験が実施された。この臨床研究の終了後、その臨床研究の結果として、2つの文献が2002年にノッティンガム大学によって提供された。「ノッティンガム読書障害研究の梗概(Synopsis of the Nottingham Dyslexia Study)」および「ALSに関するノッティンガム読書障害研究:投資家のための報告書(Nottingham Dyslexia Study for ALS: Report for Investors)」というタイトルのこれら2つの文献はいずれも、その内容を参照によって本願に援用する。
2.1. 用語の定義
この項では、本願で使用する用語の定義を行う。このような用語の定義をここでまとめて記載するのはこの明細書を読む際の便宜のためであるが、これらの用語はさらに本願の他の箇所でも説明する。本発明に適用可能な限りにおける下記の定義の部分的変更および/または定義の拡張は、関連技術分野の当業者にとって少なくとも本願の記載内容に基づいて自明であろう。
以下の説明においては、この節でも本発明の理論的概説を続ける形で、用語の定義を本発明との関連において論じる。
「行動」とは、本願においては、メッセージを明示的にまたは暗黙的に他の知覚者に伝達する協調的動作の集合を言う。好ましくは、行動とは意図的なものであり、したがって意思伝達行為であると考えるべきである。特に、知覚された動作の集合は、知覚者が言葉でまとめることができるばかりでなく、言葉で表現することができるものである。正常な認知発達は、主として、変化する選択的注意要求(attentional demands)に到る刻々の(次々の行動)を全体的に遅らせるかまたは抑止する主体の能力に依拠する。それ故、他者中心空間の通常の知覚経験は意味報告(semantic report)に圧縮可能であり、したがって(大半が)意識的なものである。したがって、他者中心空間における行動の制御および計画は、ある程度、期待、短期記憶、注意、意図および学習を含む強い内因性影響要因によってゆがめられる。
「他者中心空間」は、しばしば絶対空間知覚と呼ばれ、本願においては、客体の相互に対する相対位置を含む客体の特徴(例えば、寸法、形状、色など)に関する詳細な情報をもたらす空間知覚を言う。他者中心知覚は、自己中心知覚と対照的に、海馬のような種々異なる大脳領野を活性化する(オ′キーフェ,ジェイ.およびネーデル,エル. 1978年 「O’Keefe, J. and Nadel, L. 1978 「The hippocampus as a cognitive map」. Clarendon Press, Oxford; Muller, R.U. Bostock, E.M., Taube, J.S., and Kubie, J.L 1994 「On the directional firing properties of hippocampal place cells」. Journal of Neuroscience, 4: 7235−7251)。特に、知覚者が環境中で動くとき、他者中心空間に向かう実行行動は、封入体の幾何学的特性との関連で知覚者の相対位置をコード化する細胞、および身体、特に頭の動作をコード化する細胞によって誘導される(Taube, J.S., Muller, R.U., and Ranck, J.B. 1990 「Head direction cells recorded from the postsubiculum in freely moving rats. Description and qualitative analysis.」Journal of Neurosciences, 10: 420−435; Taube, J.S. 1995 「Head direction cells recorded in the anterior thalamic nuclei in freely moving rats」. Journal of Neuroscience, 15: 70−86)。したがって、絶対空間における客体、位置の認識と、空間位置を思い出し、口頭報告を生成することについては、視覚腹側路が関与する。
「小脳」は、中脳の後、脳橋の上に位置する大きな脳塊で、第IVth脳室の蓋を形成する。小脳は、ほとんどの脊椎動物において、3層の十分の皮質を有する。哺乳動物では、この皮質およびその下側にある路系は、葉状構造、小葉および葉に大規模にいっしょに混ぜ込まれ、ネズノミの葉形状と類似していることから活樹として知られている。これらの路の軸索塊には、数対の小脳核が深く埋め込まれている。人間では、小脳は、脳重量の10〜15パーセント、脳表面積の40パーセント、そして脳のニューロンの50パーセントをそれぞれ占めている。小脳は、独立した手足の運動の制御および特に熟練された素早い運動に関与する。この領野への損傷は、一般に運動または動作障害につながり、特に、緩慢で調整の取れていない動作に結びつく。小脳の損傷は下記の症候につながり得る:1)運動動作の失調(協同運動不能症)、2)距離および停止時点の判断不能(測定障害)、3)迅速な交互運動遂行不能(拮抗運動反復障害)、4)動作震動(意図振戦)、5)よろめき歩行、過大歩幅歩行(wide−based walking)(運動失調歩行)、6)転倒傾向(7)筋弱力(低張)、8)不明瞭言語(麻痺性構音障害)および9)眼球運動異常(眼振)。特に、小脳は伝統的に運動野と見なされている。しかしながら、最近では、小脳は認知過程にも関与する脳領野として登場してきた。すなわち、この脳領野は、運動系か認知系かに関わらず、すべての技能の自動化に決定的に関与する。好ましいことに、小脳は、複合運動、多関節運動および視覚運動協調が要求される運動、およびまたは学習された自動運動の制御に優先的に関与するということが提議されているが(Stein JF, Glickstein M (1992) 「The role of the cerebellum in the visual guidance of movement」. Physiological reviews 72: 967−1018; Thach, W.T. Goodkin H.P. and Keating J.G. 1992 「The cerebellum and the adaptive coordination of movement」. Ann Rev Neurosci 15: 403−442)、小脳の主要な機能的役割のうちの1つは運動タイミングの制御である(Ivry, RB, Keele, SW & Diener, HC. 1988 「Dissociation of the lateral and medial cerebellum in movement timing and movement execution」. Experimental Brain Research, 73, 167−180)。確固とした知見によって、小脳が時間的処理に、またクロノメーター計数が必要な暗黙のメンタル計数と同様にも関与することが明らかにされた(Decety, J., Sjoholm, H., Ryding, E., Stenberg, G., & Ingvar, D. (1990).「The cerebellum participates in cognitive activity: Tomographic measurements of regional cerebral blood flow」. Brain Research, 535, 313−317; Ryding, E., Decety, J., Sjoeholm, H., Stenberg, G. & Ingvar, D. H. (1993). 「Motor imagery activates the cerebellum regionally. A SPECT rCBF study with 99mTc−HMPAO」. Cognitive Brain Research, 1, 94−99)。特に、最近の神経画像研究によって、主体が試験時間を標準時間間隔と比較することにより時間差を推定した時(Jueptner, M., Rijntjes, M., Weiller, C, Faiss, J. H., and et al., 1995 「Localization of a cerebellar timing process using PET」, Neurology 45 (8), 1540−1545)、また主体が次第に複雑になるリズムを再生した時(Penhune, V.B., Zatorre, R.J., & Evans, A.E. (1998). 「Cerebellar contributions to motor timing: A PET study of auditory and visual rhythm reproduction」. Journal of Cognitive Neuroscience, 10(6): 752−765)、両側の小脳の前葉が活性化されるということを立証する証拠が得られ、小脳の運動タイミングおよび知覚のタイミングへの関与がそれぞれ明らかになった。小脳の悪化が学習障害にどのように影響するかという関連の中で、小脳欠陥は、構音流暢性の問題として現れ、その後1つの間接的影響として、意識資源をより多く消費し、それに続く感覚フィードバックを処理するためにはよりすくない資源しか残されないという示唆されている。さらに、構音速度の低下は「ワーキングメモリ」の効率を低下させ、そのことが音韻ループに反映されル結果、言語獲得障害につながる。さらに、貧弱な構音表象は、言語の語頭子音群、韻および音素構造への感度を損なう結果を招くこともある。さらに、貧弱な構音表象は、言語の語頭子音群、韻および音素構造への感度を損なう結果を招くこともある。
「背側」とは、本願においては、上側または背の、あるいは上側または背に関するということを意味する(Oxford Dictionary,1999)。
「読書障害」とは、生物学的レベル、認識レベルおよび行動レベルの欠陥を特徴とする神経発達障害を意味する。読書障害は、読み能力、綴り字能力および書き言葉の1つ以上における学習障害に関係し、これに算数、短期記憶、順序付け、聴覚認知および/または視覚認知および運動技能における困難が伴うことがある。読書障害は、特に文字言語(書き言葉)(アルファベット、数字および音符)の習得および使用に関係する。さらに、口頭言語(話し言葉)もある程度影響が生じることがしばしばある。読書障害に苦しんでいる人は、一般人口の約5パーセントを占める。しかしながら、読書障害と他の学習障害との共存症に苦しんでいる人は一般人口の20パーセントを占める。
「ECG」は、心電図事象の表示である。図23を参照。ECGモニタは、ビジュアル表示(例えばディジタル)でも印刷表示でも得ることができる。
「自己中心空間」とは、本願においては、知覚者の身体に関する(を中心とした)空間の感覚運動知覚を意味する。脳は、身体に関して(を基準として)客体の位置を算出しなければならず、その結果、眼球、身体および/または手の動きには影響されない。特に、空間認識中時の細胞記録は頭頂葉、前前頭皮質および上丘のようないくつかの皮質領野および皮質下領野におけるニューロン活動を示している。これらの空間選択性細胞は、網膜座標、頭心座標または体心座標によってコード化された視覚事象に応答する(Andersen, R. A., Snyder, L.H., LI, C. S., and Stricanne, B.1993「Coordinate transformations in the representations of spatial information. Current Opinion in Neurobiology, 3: 171−176; Andersen, R. A. 1995 Coordinate transformations and motor planning in the posterior parietal cortex. In M.S. Gazzaniga (Ed.), The Cognitive Neurosciences. Cambridge, Mass.: The MIT Press, pp 519−548; Galletti, C, Padovani, A., Pantano, P., and Pizzamiglio, L. 1993 Unilateral neglect restricted to visual imagery. Nature, 364: 235−237)。従って、背側視覚路は、自己中心空間知覚および運動のオンライン視覚制御専用である、すなわち知覚者の可到達空間において切迫性バリスティック動作を知覚的に誘導する
「事象タイミング」とは、本願においては、「事象タイミング」熟練した運動および知覚運動持続期間弁別の発生を含め正確なタイミングが要求される一連の運動に対する作業を意味する。好ましくは、事象タイミングは精神作業であり、時間目標(情報)が明示的に表わされる表象の一形式である。心理学的には、このような表象は、特定の事象がいつ生じるべきであるか、あるいは、いつ生じたか明示する。特に、事象タイミングは、連続的に、あるいは分割して行なわれる逐次反復運動を言う。また、時報タイミングは、空期間の持続時間を判断する心的表象が、その間隔が明示的に表わされ、かつ最終的に内面化された標準間隔の表象と比較されることを必要とするという含意がある。さらに、小脳は、この明示的な形の時間的持続期間の表象を与える特化された神経のプラットホームであると仮定する。
「心拍周期」は、心臓の左心室から動脈樹へ血液の駆出に関して言う。心拍周期の収縮期あるいは初位相では、心臓収縮は起こり、動脈血が左心室から大動脈へ駆出され、これによって、大動脈およびその主要な動脈樹枝は血流量の需要増加に対応するべく、膨張する。この後には、心拡張期が続いて心拍周期を完了する。より正確には、心室壁が拡張して、前の機械的収縮期に排出されたのとほぼ同じ量の血液を受け戻す。
「下側頭皮質」(ITC)は、一般に視覚認識に関与する脳領野を指す。特に、顔面および色の認識に関与する。下側頭皮質は細胞よりなり、これらの細胞は、網膜上の大きさあるいは位置に関わらず、特定の性質を持つ複雑な刺激特徴(形状)に優先的に応答する。視覚系のこの部分は、我々が見ているものを識別するよう、すなわち個々の客体、顔面および人を認識するよう我々に命じる。情報のITC神経生理学的経路は、情報をV2へ、その後V4へ送るVIの小細胞系−インターブロブ系から始まる。V4は、好ましくは、網膜の地形図を有するが、主として形状および色を扱う。V4は、形状の認識に関与するITCに情報を送る。ITCでは、一部の細胞は、特に顔面によって活性化されるのに対し(その一部の細胞は、顔の正面図に最もよく反応し、他の一部は側面図に最もよく反応する)、他の一部の細胞は特に様相や手の表現によって活性化される。
「本来的に変化性の生理活動」とは、広義に、自律・自動制御下にあり、かつ固有の変動性を特徴とするすべての周期性理事象を意味する。確かに、生理活動の1つの特性は固有の時間的変動性、すなわち経時発生頻度が変動することにある。一般に、生理活動は、交感神経系および副交感神経系の神経生理学的制御機構間の動的な平衡によって統制される。さらに好ましくは、生理活動という用語は、本願においては、呼吸周期、心拍周期、血圧波、パルス波、ホルモンサイクルおよび脳波活動の中の少なくとも1つを指す。本願においては、本発明は生理学的・力学的活動を使用するように例示説明してあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
「周期」は、発生した1回の生理活動がその間で完了する期間である。例えば、心臓の1サイクルは、1回の心臓収縮と拡張(あるいは心拍動)、すなわち機械的収縮と機械的拡張を言う。1呼吸周期は1吸気と(1)呼気からなる。脳波の1周期は、皮質電気活動における1波(例えばアルファ波、ベータ波などの)あるいは他の周期過程である。
視覚皮質への主要入力は「外側膝状体核」LGNから行われる。網膜神経節細胞からの軸索は視索として視神経交差を越えて続き、LGNと呼ばれる脳皮質下構造で、視床中にシナプス結合を形成する。LGNは6層から構成されており、反対側の眼球からの神経繊維は層1、4および6へ投影され、同側の眼球からの繊維は層2、3および5へ投影される。層1および2中の細胞体は、層3−6中の細胞体より大きい;前者は大細胞系層、後者は小細胞系層と呼ばれる。大細胞系細胞受容野は小細胞系細胞受容野より2〜3倍大きく、また、大細胞系細胞は感度がより高く、移動刺激によく応答するのに対して、小細胞系細胞は明瞭度、分解能がより高く、色刺激によく応答する。LGN細胞からの軸索は、脳の後部に位置する視覚皮質へ投影される。要するに、LGNは、V1とも呼ばれる一次視覚皮質(線条皮質)に投影される。好ましくは、細胞はすべてV1の層IVに投影される;しかしながら、大細胞系層からの細胞は、V1中の層IVの中のより行高位のサブディヴィジョンに投影される。要するに、視索中に互いに混じり合っている大小の細胞は、LGN中の別個の部位へ投影される。LGNは下記のような機能が可能であると考えるべきである:a)コントラストに関する情報を強化する;b)情報(例えば、起源、色、運動、形状に関する目)を組織化する;c)覚醒(網様体賦活系による)により処理するレベルを調整する;より高い領野(V1)からのフィードバックを受け取る。
「中側頭領野」(MT)/V5は、本願においては、背側視覚路中の皮質領野を指し、この領野は視覚運動変換、すなわち運動知覚を扱う。領野MTは、カラムとして組織される大きな受容野を持つ強い運動方向感応性ニューロンを特徴とする。軸索は、カラムに沿って、好ましい方向の運動に応答する。しかしながら、好ましい方向は、カラムに沿って系統的に変わる。一般に、この領野は、運動の分析および立体深さに関わり、特に小さな移動客体あるいは大きな客体の移動縁端に感度を示す。V1の中の層4bおよびV2中の太い線条から入力を受け取る。領野MTはMTSへ投影される。個の領野は、特に動いている表面に対する知覚に使用されるとき、運動知覚に直接的役割を果たす。MTニューロンの密集は、客体における様々な縁端からの運動の直角成分を統合し、客体運動の真の方向をコード化することが明らかにされた。さらに、運動系の非常に興味をそそられる知覚属性は、純粋に運動信号からの客体の三次元形状を表わす能力である。MTニューロンの活動は、運動からの構造型ディスプレイにおける表面の奥行きからの命令を分離することができることが明らかにされた。さらに、MTニューロンは、異なる方向の別の運動が存在する場合、それらの好ましい方向の運動刺激に応答するのを強く抑制される(Snowden, R. J., Treue, S., Erickson, R. G., & Andersen, R. A. 1991「The response of area MT an V1 neurons to transparent motion」. The Journal of Neuroscience, 11, 2768−2785; Qian, N., Andersen, R. A. & Adelson, E.H. 1994 「Transparent motion perception as detection of unbalanced motion signals. I. Psychophysics」. The Journal of Neuroscience, 14, 7357−7366)。このようなニューロン抑圧は、運動知覚からノイズ除去し、したがってノイズを少なくするのに重要な役割を果たす。MTSと共に脳幹中の背部側部の橋核へ投影される。
「内側上側頭の背側領野」(MSTd)とは、本願においては、複雑な視覚運動パターンを処理する背側視覚路中の皮質領野を意味する。この領野の細胞は、観察者の運動時に生成される拡張、収縮、平面並進、回転およびらせん運動の刺激に選択的に応答するより大きな受容野を有する(Saito, H. et al. 1986「Integration of direction motion signals of image motion in the superior temporal sulcus of the macaque monkey」 J. Neurosci. 6, 145−157; Duffy, C. J., and Wurtz, R. H. 1991a. 「Sensitivity of MST neurons to optic flow stimuli. I. A continuum of response selectivity to large−field stimuli」. J. Neurophysiol. 65, 1329−1345; Graziano, M.S.A., Andersen, R.A., and Snowden, RJ. 1994 「Tunning of MST neurons to spiral motions」. J. Neurosci. 14, 54−67)。この種の刺激はオプティックフローと呼ばれ、観察者が世界を通してナビゲーションする(Gibson, J. J. 1950. 「The perception of a visual world」. New York: Appleton−Century−Crofts)、すなわち自己運動するのに利用することができる。より大きな受容野を持つMST細胞は、MT細胞によって検知される多くの局所運動で構成されたさらに大きな運動パターンでも見ることができる。このようなグローバルな(大域)運動パターンは、光景の全体的なオプティックフローを反映することが可能であり、局所運動の速度(向きおよび速さの両方)を各々表わす矢のアレイによって表わすことができる。我々が、歩きながらまたは運転しながら、眼球運動をせずに前に進むと、オプティカルフロー場は放射状拡張の状態になる、すなわち見るものが拡大するように見える。拡張の焦点中心は、我々が向かっている方向または我々の自己運動の方向を示す。MSTd領野では、多くのニューロンが拡張刺激に対して選択性を持つ。我々は、環境中を並進移動するとき、眼球または頭の動きと共に視線を滑らかに転じることがよくある。これらの視線運動は、観察者の並進に層状運動を加えるので、網膜上の運動を複雑にする。要するに、MSTdの背側部分は、頭と身体の動きによって引き起こされる広視野自己運動の分析にMSTが適しているという見方を裏付けるものである。MTと共に脳幹中の背部側部の橋核へ投影される。
「マイクロサッカード」は、本願においては、眼運動系に絶えず生じる振幅角約5分の非常に小さい運動として定義される。マイクロサッカードが、震動として知られている眼球の高周波振動の背景中で生じる。これらの2種類の運動は、おそらく、眼球の位置を制御するのに役立つ神経および筋肉に自然に本来固有に伴う不安定性またはノイズを反映したものである。この後者の理由から、故視は、あたかも眼球が準定常状態を達成しようといているかのように考えるとよりよくわかるはずである。
「運動」は、本願においては、知覚者が自身の可到達空間内で実行する切迫性リアルタイム行動として定義される。特に、自己中心空間内の刺激属性の早期知覚は、知覚者中に切迫性行動を引き起こさせる。好ましくは、刺激属性は、運動として暗黙に無意識にコード化される。行動知覚ループという特定の文脈の中では、「自己中心空間内の運動」はそれ自体意思伝達行為ではない。言い換えると、自己中心空間内の運動の実行者は決して、暗黙的にも明示的にも自身の運動の実行を介して他の知覚者/観察者に(何らかの種類の)メッセージを伝えようという意図を持ってはいない。自己中心空間内の運動は、いったん進行状態になると、意識的に中止したり、遅らせたり、あるいは制止したりすることはできない。
「オプティカルフロー」とは、一般に、一連の知覚像に関連した運動の場のことを言う。特に、オプティカルフローは、しばしば、観察者自身の運動の結果として眼球に入射する光のパターン全体(光アレイ)およびその変換を意味する。(Gibson, JJ. (1979).「The ecological approach to visual perception」. Boston: Houghton Mifflin; Horn, B. K. P. and Schunck, B. G. (1981). 「Determining optical flow」. Artificial Intelligence, 17:185−203)。見る人が環境に対して相対的に移動する場合、網膜に投影される視像はそれに応じて変化し、放射状運動、円形運動、並進運動および垂直運動を含むいくつかの基本要素に分解することができる。網膜の小さな領域内、短い持続時間の間においては、この運動は二次元並進運動で近似される。このような各領域と対応する速度ベクトルの場を「オプティックフロー」と称する。好ましくは、オプティックフローは、時間軸に対する刺激のパターンの変換を意味する、すなわち、光の空間パターンの固有変動はオプティックフロー場内でコード化される。それ故に、オプティカルフローは、時間次元を知覚に導入し、その結果、知覚はすべて運動知覚になる。さらに、知覚を「運動知覚」の点から定義するのを裏付ける形で、J.J.ギブソンは、眼球とカメラを同等視すること、その結果として視覚を静態像の処理という面から分析することを認めなかった。J.J.ギブソンは、視覚は、世界の内部表象に対するすべての要求は無駄であると言えるほど情報豊富な刺激をもたらすと主張した。従って、オプティックフローは、知覚の不可欠な部分で、方位(Bradley, D.C., Maxwell, M., Andersen, R.A., Banks, M.S., and Shenoy, K.V. 1996.「Neural mechanisms of heading perception in primate visual cortex.」 Science 273, 1544−1547; Lee, D.N. (1976). 「A theory of visual control of braking based on information about time−to−collision」. Perception, 5, 437 − 457; Royden, C. S., Crowell, J.A., and Banks, M.K.S. 1994. 「Estimating heading during eye movements」. Vision Res. 34, 3197−3214)、自己運動(Freeman, T.C.A., & Banks, M.S. (1998). 「Perceived Head−centric Speed is Affected by Both Extra−retinal and Retinal Errors」. Vision Research, 38, 941 − 945; Gibson, J.J. (1979). 「The ecological approach to visual perception」. Boston: Houghton Mifflin; Krapp, H.G., & Hengstenberg, R. (1996).「Estimation of self−motion by optic flow processing in single visual interneurons」. Nature, 384, 463 − 466)、奥行き(Cornilleau−Peres, V., & Gielen, C.C.A.M. (1996).「Interactions between self−motion and depth perception in the processing of optic flow」. Trends in the neurosciences, 19, 196 − 202; Rogers, B.J., & Graham, M. (1982).「Similarities between motion parallax and stereopsis in human depth perception」. Vision Research. 22. 261 − 270)および時間衝突(Lee, D.N. (1976). 「A theory of visual control of braking based on information about time−to−collision」. Perception. 5. 437 − 457; Tresilian, J.R. (1997).「Correcting some misconceptions of time−to−collision: a critical note」. Perception, 26. 229 − 236; Wang, Y, & Frost, BJ. (1992). 「Time to collision is signalled by neurons in the nucleus rotundus of pigeons」. Nature, 356, 236 − 238)に関する情報が書き込まれている。過去20年間にわたって、運動からの形状/形の認識に特別な注意が払われてきた。生理学的研究は、マカーク猿において、運動弁別を引き起こす神経回路は線条皮質を介して中側頭運動領野(MT/V5)へ通っていること認めた。脳領野MT/V5においては、これは視野の異なる領域の像の速度の表象であるという仮説が立てられ(Albright, T.D., Desimone, R., and Gross, C.G 1984. 「Columnar organization of derectionally selective cells in virual area MT of the macaque.」J.Neurophysiol, 51, 16−31)、さらに、この領野のニューロンは高度に方向選択性である。この運動表象は、ニューロンが空間視覚の大域的環境のオプティックフローに応答することが明らかになっている内側上側頭の背側領野(MSTd)でさらに処理された(Tanaka, K. K., Hikosaka, H., Saito, M., Yukie, F., and Iwai, E. 1986. 「Analysis of local and wide−field movements in the superior temporal visual areas of the macaque monkey」. J. Neurosci. 6, 134−144; Duffy, C. J., and Wurtz, R. H. 1991a. 「Sensitivity of MST neurons to optic flow stimuli. I. A continuum of response selectivity to large−field stimuli」. J. Neurophysiol. 65, 1329−1345; Duffy, C. J., and Wurtz, R. H. 1991b. 「Sensitivity of MST neurons to optic flow stimuli. II. Mechanisms of response selectivity revealed by small−field stimuli」. J. Neurophysiol. 15, 1346−1359).MSTを越えて、運動信号は頭頂葉皮質に伝わる(Siegel,R.M., and Read H.L. 1997.「Analysis of optic flow in the monkey parietal area」7a. Cortex 7: 327−346)、ここで、オプティックフロー信号はさら処理され、眼球位置情報と結合される。上記の神経生理学の知見は、複合フロー軌道に沿って局所運動信号を統合する人間における同様の神経のユニットの存在を実証する研究からから勢いを得ることになった(Regan, D. & Beverley, K. I. 1979.「Visually guided locomotion: Psychophysical evidence for a neural mechanism sensitive to flow patterns」. Science 205, 311−313; Morrone, M. C, Burr, D. C. & Vaina, L. 1995.「Two stages of visual processing for radial and circular motion」. Nature 376, 507−509)。さらに、人間において、オプティックフロー(放射状と円形)の「主要方向」に沿った選択性に関する新しい証拠が出てきている。
「関係情報のピックアップ/抽出」とは、本願においては、刺激アレイから、すなわち環境構造の直接抽出に重点を置いて、関係および/または相関(統計学的有意性あるいは不変性の)を暗黙に抽出するための大方の生体の自然の能力を意味する。好ましいことに、統計の確率論は、我々は各事象発生の尤度を求めることにより、知覚環境中で規則的に生じる事象に関して学習する(無意識に)者と仮定する(Aslin, R. N., Saffian, J.R., & Newport, EX. 1998. 「Computational of conditional probability statistics by 8−month−old infants」. Psychological Science, 9, 321−324)。特に、我々の感覚世界は、統計的に言って、非常に予測可能な場所である。早期知覚がこの統計構造によく適合しているということは、何ら驚くには当たらないであろう。さらに、環境中の事象は、疑似規則的なパターンに従う傾向がある。例えば、感覚認知では、知覚空間の隣接領域は高度の相関を有する;視覚ドメインでは視覚情景中の縁端を検知するのに適した性質。人間の言語では、音節が同時発生する周波数をピックアップすることは、ちょうど語同時発生の統計について学習することが構文的構造を求める上において役立つように思われるように、単境界の発見に役立つことが考えられる。
「知覚視覚認識」とは、本願においては、主体に60〜80ミリ秒間生じる暗黙の自動的知覚感覚認識を意味する。しかしながら、この知覚認識は、他者中心空間における客体の詳細な特性を弁別するためには不十分である。
「知覚」は、その広義の意味において、行動に対する感覚刺激の意識的・無意識的影響を包含する。特に、本願では、視覚認知はモジュール統合型プロセスとして定義され、これは次の2つの機能的段階に分割される:
・段階−1)知覚が文字通り「環境内で行為すること」を意味する、すなわち知覚することが、知覚者の脳に局在化された受動的黙想的精神過程であるというより、知覚者の可到達空間内の物理的力の直接の切迫した展開を必要とする早期知覚過程。また、知覚者の可到達空間内で起こる早期知覚運動ループは、あたかも「行動」と区別不可能であるかのように見なすべきである。好ましくは、早期視覚認知は、自己の可到達空間から感覚刺激光アレイからの関係情報(エネルギー属性ではない))を暗黙に抽出する知覚者の能動的参加を要求する無意識の行為を意味する。好ましくは、本願において、視覚認知という用語は、内因性あるいは外因性影響が行動に暗黙に無意識的にのみ影響を及ぼす早期視覚認知と呼ばれる視覚認知の早期段階を指す。
・段階−2)本願で、通常視覚認知は、意図、注意、記憶および学習を含む内因性の要因の明示的影響下における意識的な知覚過程を意味する。特に、一般に知覚、そして特に視覚認知は、処理速度、記憶容量、そして最近では脳内の神経回路(神経網)にわたって分布する機能的・構造的整合性に高度に依存する整合性、一貫性のある枠組に感覚刺激情報を構成する役割を担うプロセスを言う。好ましくは、通常知覚とは視覚認知を意味し、特に、環境中の大空間、すなわち他者中心空間において客体の形状、色および寸法の弁別、外示および類別を行うべく視覚情報を処理するのに腹側神経路に割り当てられる役割を言う。
「光覚性知覚属性(photic perceptual attributes)」とは、本願においては、周囲光が物理的に生体系と相互作用をするために取るエネルギーパラメータ(波長、振幅、分布)以外の視覚認知情報特性を意味する。このような視覚認知の情報の属性は、大部分、生物学的生息環境の内部から発生する固有の時空動揺に関係し、この生物学的生息環境は、光場中にあるエネルギー時空情報を光場の時空情報パターニングが内在的に動揺するよう、また主体の可到達空間中の多くの物理的に分散した身体部位の中の切迫性バリスティック動作を直接引き起こすことができるようなエネルギーの大きさとなるように変換する。光覚性知覚情報属性の例として次のようなものがある:a)主体の臟側空間に生じる固有の可変性生理学的・力学的活動への周囲光刺激の同期化;2)視覚徴候の時空動揺;3)単純(基礎)相関(潜在注意を引き起こす視覚情景中のディストラクタと目標との単純相違のような)に基づく視覚徴候関係。光覚性知覚情報属性は、生体系と周囲エネルギーの間(すなわち環境に)生じる能動的かつ双方向の相互作用を直接反映する。光覚性知覚情報属性は、主体の自己中心空間を占有する。したがって、これらの光覚性知覚情報属性は、主体が可到達空間中で切迫性運動行動を誘導するために随持つ、自己中心空間をマッピングする情報の機能的能力の不可欠の部分であると考えるべきである。光覚性知覚情報属性は集中状の関連情報である、すなわち他の知覚者に(口頭報告によって)伝達不可能真実の個人的経験を生成する。
「生理学的指標」は、本願においては、一定の刺激パターニングに関連した脳の活動を追跡し記録するために開発された神経画像装置について使用される。神経画像技術、陽電子放射断層撮影法(PET走査法)および核磁気共鳴映像法(MRI)は、一連の位置からの小さな信号を脳のモデルに変換するコンピュータ断層撮影法に依拠したものである。何らかの放射性物質が投与され、血流に吸収されると、その時最も活性な脳領野が最も高い放射性を示し、それをPET走査で検出することができる。このように、ある特定の認知タスクに関連して高められた神経活性を持つ部位はより大きな血流を受け取り、したがって、検出器とってより強い信号を発生する。機能的MRI(fMRI)測定は、対照といろいろな実験条件で測定されたMRIの差に関係があり、知覚研究より役立つ。実験条件下で活性な細胞はより多くの酸素を消費し、それによって検出し、画像化することができる。fMRIの空間分解能は、PET走査法の空間分解能より優れている。これらのどちらの方法も、酸素または栄養の消費量の変化を脳活動と相関づける。
「後頭頂皮質」(PPC)とは、運動の空間面に関与する脳領野を意味し(Ungeleider, L.G., & Mishkin, M. (1982).「Two cortical visual systems.」 In D.J. Ingle, M. A. Goodale, & R.J.W. Mansfield (Eds.), 「Analysis of visual behavior」 (pp. 549−586). Cambridge, MA: MIT Press)、奥行きを統合し、視覚的に誘導される行動を調整する。PPCは、霊長類視覚皮質における視覚処理の主要経路の1つの終点である。頭頂葉皮質の経路は、外線条皮質の背側領野に位置し、視覚処理の空間面に関与する。PPCは、視覚運動情報の統合を担う脳領野である。PPCでは、信号は、視覚入力、触覚入力、聴覚入力、前庭入力および自己受容入力のような異なる様相を形成し、これらを組み合わせて、身体運動を計画し制御するために使用することができる空間の感覚運動の表象が生成される。PPC領野7aは、皮質領野MTおよびMSTを越えるオプティックフローのさらなる分析に関与し、運動の新しい表象をもたらす。領野7aは、(空間の自己中心マッピングから)個人外空間の空間表象の構築のために運動を利用し、視覚注意に関与する。言い換えると、PPCは、網膜座標から頭心・体心座標に視覚情報を変換する領野である。さらに、PPCの多くの領野のニューロンは、オプティックフロー刺激に応答することが知られている(領野7a)。オプティックフローが制御および立案自己運動に関する視覚情報の本質的なソースであることが知られているので‥‥また移動の間に障害を回避することさらに、ヒトのPPC損傷は、下記症候の原因になる:a)空間内で客体に対して手を誘導することが困難(視覚失調);b)客体に視線を固定し続けることができない;c)場面を走査することができな;d)空間で客体を定位することができない;e)一度に2つ以上の客体を認知することができない(同時認知不能症)。
「前注意」とは、本願においては、複合形が処理されない視覚認知の作業モードを言う。通常、200ミリ秒以下で大きな多重要素ディスプレイ上で行なうことができる視覚タスクは前注意タスクであると考えられる。前注意は、労作も凝視もなしに、並列に行われ、少数の顕著な局所的特徴の差が時間軸(離散時間)に対して全視野にわたり検知される。探索時間が、ディストラクタの数と無関係に、比較的一定で、ある選択された閾値以下である場合、その探索は前注意型であると言われる。視覚認知の分野における多くの研究によって、ディスプレイにおけるこの視覚情報のパラレル探索は低水準視覚系の重要な機能的特性であることが示唆されている。
「自己受容系」とは、本願においては、身体中の複数の場所に物理的に分布した例えば筋肉、腱および関節中にその受容体を持つ身体感覚情報系を意味する。それらの受容体は、筋肉の収縮と伸長、および骨間の関節の曲げと伸ばし、引っ張りと圧縮によって感覚情報を生成する。この情報は、絶えず脳に送られて、我々のすべての身体部分がどこにあるか、またそれらの身体部位が何をしているかを、我々がそれらの身体を見る必要なしに、追跡することができるようになっている。自己受容性感覚は、身体についての心の認識であると説明することができる。これによって、我々が自己受容性情報の適切な統合を反映する心理学的意味での自己認識をその上に置くことができる物理的な意味の「自己」が成就される。自己受容性入力は、前庭や触覚の刺激のような他種類の刺激を統合するのに役立ち、また行動の構成を支援する。自己受容性感覚は運動の制御に重要な役割を果たし、また行動が閉ループ制御下にある場合、フィードバック情報の重要な供給源となる。このような閉ループには次の2種類がある:a)注意型閉ループ − 脳によって受け取られた視覚的自己受容性情報および応答が、200ミリ秒より長い期間で修正される、b)無意識型閉ループ − 自己受容性情報を脊髄と反射神経によって応答を修正するために使用することができる。一般に、閉ループ再帰型制御修正は、待ち時間が30〜50ミリ秒と短く注意を必要としない(運動系は、小さ過ぎて意識的に検知することができない変化に応答することができる)。長ループの反射は、それ自体で、待ち時間50〜80ミリ秒の筋肉伸長に応答する。
人間の視覚は、毎秒約3回の割合で行われて眼球の高明瞭度を持つ窩領域を視覚情景中の関心対象の目標に指向させるサッカード眼球運動をなす能力に大きく依存する。人々が文章を読むとき、それらの人々の固視の長さは通常60〜500ミリ秒で、平均で約250ミリ秒である。サッカードはバリスティック動作であること、すなわち最終場所が運動を行なうに先立って計算され、運動の軌道は入来する視覚信号によって中断されないということが知られている。サッカードは、平均7〜9文字のサイズである。しかしながら、サッカードがいろいろ異なり、1文字の長さしかないものもあれば、ほぼ文自体と同じ長さのものもある。読み手は、通常極めて長い内容語に視線を定める傾向があり、非常に短いことが多い機能語は飛ばし読みする傾向がある。読み手が任意の固視時に識別することができる文字数は視覚スパンと呼ばれ、読み手が固視時に少なくとも部分的に処理する文字数は知覚スパンと呼ばれる。知覚スパンは、固視点に関して非対称であり、読み手が文章を読み進める方向に向けて拡張される。読み手は自分が固視している文章を処理するだけでなく、自分が読んでいる方向に文章を前処理する。さらに、読み手は、処理困難に遭遇すると、より多くまたより長く固視を行うと共に、誤分析した文を修正するために逆方向にサッカードを行なって、読み直す。
「エネルギー光量子の集合(Set of Energetic Optical Quanta)」とは、本願においては、可視光スペクトル領域を含めて、紫外域から赤外域にわたる電磁放射スペクトルにおける任意の周波数帯内の波長の数多くのMフォトンよりなる集合を意味する。このような集合は、時間間隔Δt内の特定の(統計的に情報安定な)光子構成を有する。また、この集合は、その周波数領域に既に含まれている任意の周波数帯内の任意の波長を持つ任意の数のN光子部分集合よりなる。
「単純オプティカルフロー場(Simple optical flow fields)」とは、本願においては、このような単純オプティックフロー場に生成され、構成される速度ベクトルの運動学的自由度が、一次元または二次元平面と平行な運動学的軌道でのみ移動するよう束縛されるように、低次元の(一次元乃至二次元の)知覚の固有の可変性の動的視覚環境を生成する場を意味する。単純オプティカルフロー場は、視覚的相違および視覚運動の透明性に強く反応する。好ましくは、単純オプティカルフロー場は、領野MTで最適な形でニューロン発火を引き起こすようにする。それ故に、生成される知覚運動学的属性は単純オプティカルフロー場を満たすように制限される。単純オプティカルフロー場は前庭入力を減少させるので、眼球位置決め補正のために必要な情報の中枢処理がより少なくて済み、自己運動および/または客体運動のために必要な情報の複合変換が避けられる。主体に複合オプティカルフロー場を伝える次のような運動学的軌道は許されない:放射軌道(拡張/収縮)、円形軌道、放射−回転軌道(らせん運動)、放射−円形軌道、および複合大域フロー場を生成する可能性があるいくつかの形式の平面運動軌道。
「上丘」(SC)は、本願においては、視床枕中核に情報を伝える補足的視覚路を意味する。SCは、脳幹の背側表面に位置する脳構造である。情報は、SC中で皮質下処理した後、視床の視床枕中核に伝達される。視覚情報は、視床枕中核から視覚皮質の二次領域(MT/V5)へ伝達されてさらに処理される。SCおよび一次視覚皮質のどちらからの入力も、MT/V5ニューロンの運動感度に寄与する。SCは、刺激に向かう頭および眼球の運動を調節する視覚情報、体性情報、および聴覚情報を調整する。DCの深葉中では多様相の感覚統合が行われることを示唆する有力な証拠がある。無意識の視覚入力は、網膜から小丘へ直接伝達され、したがって、ナビゲーション処理にこの神経組織を関与させる。網膜からの情報に加えて、SCは聴覚情報、頭位置に関する前庭情報、および一次視覚皮質によって既に処理された視覚情報を受け取る。このような情報の混合は、新しいまたは関心対象の視覚目標に対する見当識で行われる頭および身体の運動を制御するように、SCによって統合される。それ故に、SCは、新しい感覚刺激に向けて指向された見当識応答を制御する役割を担う。SCからの出力は、行動を方向付ける役割を担う運動中枢へ送られる。行動の方向付けは、通常、運動に対する即座の迅速な生体応答(反射神経)である。さらに、SCは、2種類の眼球運動、すなわち移動する視覚目標に向けて行われる急速眼球運動(サッカード呼ばれる)、および視覚刺激の追跡のために用いられる緩徐運動(追跡眼球運動と呼ばれる)の制御に関与する。SCは、通常視覚反射中枢と説明されるが、聴覚中枢および体性感覚中枢からも入力受け取るので、もっぱら視覚機能のみに関係するものではない。むしろ、SCは、頭および眼球をあらゆる知覚刺激に指向させることを支援する役割を果たす。
「前庭系」とは、本願において、内耳にその受容体を持ちすべての平面内の頭の動きを感知する感覚系を言う。我々が前庭系の全体にわたって得る感覚入力は、我々が重力に関してどこにいるか(それは、転倒しないようにするために姿勢調節を行う必要があるか)、あるいはまだ移動中であるか、どれくらいの速度で移動しているか(速度変化に関する情報−速度を上げるのかさげるのか)、またどの方向に移動しているかを我々に正確に知らせる。前庭系は意識を入れないが、筋緊張に対するその影響を通して、前庭系は運動調整の達成および姿勢にとって不可欠である。前庭系は、眼球を動かす筋肉を制御するのに主要な役割を果たし、これによって、歩行やランニングのような通常の活動中に生じる頭位置の変化の有無に関わらず、眼球は空間内で安定状態に保たれる。前庭眼球反射(VOR)は、頭の動きの如何に関わらず鮮明な視覚が維持されるように作用する重要な機構である(例えば、頭が左を向くと、この反射は逆に眼球を移動させ、あるいはこの逆の関係の作用をする)。前庭系が正しく機能しないと、脳は、もはや正確ではなく脳に情報が歪んでいるまたは平衡が損なわれていると知覚させる神経インパルスを受け取る。これに応答して、脳は眼球を前後に動かさせ、その動きが見当識喪失、眩暈あるいはめまいの感覚を生じさせる。
「臟側空間」とは、自律神経系(また臟側系としても知られている)を言い、これは身体内で自律的に自動的に(意識的思考なしに)起こる身体機能を制御する神経系の区分である。特に、臟側空間は、感覚の通常知覚の吟味に対しては開いていない、すなわちその時空的居住環境はすべての種類(意図的か意図的でないかに関わらず)の感覚観察に対して閉じられている。しかしながら、主体の空間の自己中心マッピングは、可到達空間で切迫性バリスティック動作を無意識に引き起こしつつ、すなわち、能動的に早期知覚−運動行動ループに関与しつつ、臟側空間の一部の機能面(機械的機能)をある程度利用することができる。主体における反射系フィードバックループによる自己受容系情報は、臟側空間に暗黙の無意識の(感覚)境界を与えるのに大いに役立つ。自律神経系または臟側系は、平滑筋および腺(不随意制御)に信号を送る;この系には、互いに反対方向に作用する次の2つの分系がある:1)副交感神経系の神経は、ストレスがほとんどない間、身体活動を遅くするよう作用する。2)交感神経系の神経は、ストレス、興奮または危険があるとき全体的身体活動を高めさせる。関与する身体の系/応答としては、次ようなの例がある:呼吸、心拍数、血圧、血管緊張、消化吸収、反芻、嘔吐、頻尿、排便、勃起、射精、睡眠、覚醒、体温、食欲など。 臟側空間は、機能的には、非常時(戦争や飛行)に伴う「ホメオスタシス」の維持および内臓機能の変化に関与する。注:自律神経系は、中央神経系および末梢神経系の両方にある、また、遠心性(運動)要素と求心性(知覚)要素がある。しかしながら、従来の定義では、これは完全に運動系であることが示唆されている。内臓制御の感覚要素は、しばしば「一般内臓求心系」(GVA)と称される。自律神経系は、一般内臓遠心神経系と呼ばれることがある。自律神経系は主として次の部位にある中枢によって制御される:1)視床下部:主制御中枢2)脊髄:胸節および仙骨文節3)脳幹:特殊制御機能(呼吸中枢、血管運動神経中枢など)この神経系は、機能的および解剖学的に2つの分系に分けられる:これらの分系は両方共、視床下部(脳塊の約4%に相当し、脳幹を制御する)によって制御される。視床下部は情報を網様体(脳幹)に指向させ、網様体は交感神経系または副交感神経に運動命令を転送する。この神経系は、多くの点で体性神経系に類似している:胸髄および仙髄中の「下位運動ニューロン」上の脊髄およびシナプスの白質中の脳に由来する「上部の運動ニューロン」がある。
「視覚路」とは、本願においては、視覚系の発達の基礎となる神経生物学的根拠を意味する。視覚系の神経生理学的機能モデル化は、2つの視覚系、すなわち下等哺乳動物における網膜投影(retinal projections)の主要な目標である系統発生的により古い網膜中脳蓋系、および高等哺乳動物、特に霊長類における網膜情報の主要な目標であるより新しい膝側線条系の神経生理学的マッピングで始まる。主要な膝側線条経路は、網膜から視床中のLGNを経由して一次視覚皮質(VI)へ至る長い経路で、そこらか機能的に別個の2本の視覚経路分かれる。これに対して、脳皮質下の網膜中脳蓋経路は、情報を脳幹中の上丘(SC)に転送し、また視床枕を介して視覚的な連想の機能野へ転送する。さらに、膝側線条系は網膜のコーンリッチ領野から情報を受け取り、網膜中脳蓋系は、SCを介して網膜周縁域に見られるロッドリッチ領野から情報を受け取る。網膜の窩域にコーン(錐体)が集まっていることは、一次視覚皮質中の経路でさらに行われる特徴検出にとって必要な最大の視力をもたらす。周辺域の経路は、明瞭度は低いが、運動に特に敏感である。ゼキ(Zeki S. M. 1974. 「Functional organization of a visual area in the posterior bank of the superior temporal sulcus of the rhesus monkey.」 J Psysiol 236: 549−573; Zeki S. M. 1978. 「Functional specialization in the visual cortex of rhesus monkey.」 Nature 274, 423−428; Zeki S. M. 1983a 「Colour coding in the cerebral cortex: the reaction of cells in monkey visual cortex to wavelength and colours.」 Neuroscience, 9, 741−765; Zeki S. M. 1983b 「Colour coding in the cerebral cortex: The response of wavelength−selective and colour coded cells in monkey visual cortex to changes in wavelength composition.」 Neuroscience, 9, 767−781)を草分けとするマカークにおける皮質処理の主な分系を立証する証拠の蓄積が進んだ結果、ニューロンよりなる明確な外線条脳領野が、運動情報のための選択領野(V5、またMTとも言う)および特定色応答領野(V4)のような特定の視覚属性に応答するということが実証された。視覚情報を処理するためのこれらの明確に異なる皮質領野は、2つの幅広い機能的に異なる処理経路を形成することが明らかになり、その背側経路および腹側経路がUngerliderとMishkinによって提案された(Ungeleider, L.G., & Mishkin, M. (1982). 「Two cortical visual systems.」 In DJ. Ingle, M. A. Goodale, & R.J.W. Mansfield (Eds.), 「Analysis of visual behavior」(pp. 549−586). Cambridge, MA: MIT Press)。この場合、背側経路(V5を含む)は、空間アレイ内の客体を定位するための(どこにあるかの)情報をPPCへ送り、腹側経路(V4を含む)は、形、色および顔面認識のような客体の「何であるかの」様相に関するITCのための情報を処理した。視覚経路は、網膜から異なる種類の視覚情報を異なる神経繊維を介して転送する。小細胞系の(P)神経繊維は、色および高コントラストの白黒詳細情報を転送する。大細胞系の(M)神経繊維は、運動情報および低コントラストの白黒情報を黒転送する。これらの神経系は、網膜とLGNとで形態学的に明確に異なる。特に、大細胞系経路は、運動知覚、および背側経路における空間配置に関連した立体視のいくつかの面を支援する。小細胞系は、腹側経路における形状および色の分析に必要な高い明瞭度と波長選択性を示す。GlicksteinおよびMay(Glickstein, M & May, J.G 1982. 「Visual control of movement: the circuits which link visual to motor areas of the brain with special references to the visual input to the pons and the cerebellum.」 In contribution to sensory physiology, vol. 7 (ed. W. D. Neff), pp 103−145. New York: Academic Press)は、再考察の中で、上記2つの系の機能に関して異なる結論を下した。彼らは、いくつかの背側視覚領野は非常に大量のニューロン投影をSCおよび脳橋中の運動核に送るが、腹側視覚領野はいずれもこれをしないと報告している。一方、これらの脳幹の目標構造は、小脳に視覚情報を供給する(橋核を介してSCに)。彼らは、蓄積された行動学、解剖学および生理学的証拠はすべて、頭頂葉視覚領野が「運動の視覚誘導」特に関係することを示していると結論を下した。より最近の証拠によれば、背側系の領野は、脳幹中の感覚運動野だけでなく、前頭葉中の特定の前運動領野にも投影され、これらの各領野は、サッカード眼球運動、腕到達動作および手掴み動作のような異なる行動ドメインに関係していると報告されている。(Cavada C. & Goldman−Rakic, P. S. 1989. 「Posterior parietal cortex in rhesus monkey. II, Evidence for segregated cortico−cortical networks linking sensory and limbic areas with the frontal lobe.」 J. Comp. Neurol. 287, 422−455; Boussaoud, D., Di Pellegrino, G. & Wise, S. P. 1996.「Frontal lobe mechanisms subserving vision−for−action versus vision−for−perception.」 Behav. Brain Res. 72, 1−15; Wise, S. P., Boussaoud, D., Johnson, P. B. & Camimiti, R. 1997. 「Premotor and parietal cortex: corticocortical connectivity and combinatorical computataions.」A. Rev. Neurosci. 20, 25−42)。これとは対照的に、ITCは扁桃との強い相互関係を有する。扁桃は、視覚刺激を報酬と、また社会的キューおよび感情キューと関連づけることを学習する過程に関与している(Kling, A. & Brothers, L. 1992「The amygdala and social behavior. In the amygdala: neurobiological aspects of emotion, memory, and mental dysfunction」 (ed. J. Aggleton), pp. 353−377. New York: Wiley−Liss; Brothers, L. & Ring, B. 1993. 「Mesial temporal neurons in the macaque monkey with responses selective for aspects of social stimuli.」 Behav. Brain Res. 57, 53−61)。このように、背側系は運動関連系に直接かつ迅速にアクセスするが、腹側系は、連合学習に視覚経路を与えるよう思われ、そのために、行動に対してより柔軟でより長期の視覚的影響を及ぼすことができる。存在論的発達では、特定の経路の単純な早期欠陥であっても複雑な結果をつながり得る。例えば、大細胞系経路と関係する運動処理欠陥は、発達上の読書障害患者について仮定されたものであり(Livingstone, M.S et al. (1991) 「Physiological and anatomical evidence for a magnocellular defect in developmental dyslexia.」 Proc. Natl. Acad.Sci. U. S. A. 88, 7943−7947), 高くなった運動整合性閾値(Cornelissen, P. et al. (1995). 「Contrast sensitivity and coherent motion detection measured at photopic luminance levels in dyslexics and controls.」 Vis Res. 35, 1483−1494; Witton, C. et al. (1998). 「Sensitivity to dynamic auditory and visual stimuli predicts nonword reading ability in both dyslexic and normal readers.」 Curr. Biol. 8, 791−797)、機能的脳撮像法によって領野V5の運動応答が明らかにされた(Eden, G. F., vanMeter, J. W., Rumsey, J., Maisog, J. M., Woods, R. P., and Zeffiro, T. A. 1996b. 「Abnormal processing of visual motion in dyslexia revealed by functional brain imaging.」Nature 382: 66−69)。
本発明は、任意の視覚情景を固有の可変性単純オプティカルフロー場によって伝達される知覚の運動学的属性内に埋め込まれる前注意特徴に構成する方法および装置に関するものである。このような構成は、客体の詳細に関する情報の最初の記憶(短期記憶)および弁別に先立って、視覚情景における運動知覚からの関係視覚(感覚)情報の前意識的捕捉をより有力な視覚腹側路によって最大化するために必要である。固有の可変性単純オプティカルフロー場から得られる知覚の運動学的属性からの関係情報の前注意抽出は、線端(ターミネータ)、明度(陰影)、閉合、色、傾斜、湾曲、寸法などの全体差(推測)を含む基本的特徴を捕捉する全視野上で一度に行われるという非常に大きな長所がある。
本願においては、多次元の前注意特徴を伴う上記の早期視覚認知タスクからの関係情報の直接および黙視の抽出は、同時に固有の可変性単純オプティカルフロー場の他の知覚運動学的属性を介在させて、ビジュアルディスプレイに全く注意を集中することなく迅速に(30乃至250ミリ秒で)、苦もなく行われるものと仮定する。
さらに、本発明の開示技術は、視覚認知機構を次のような2つの基本的なモジュール段階に区分けしようとするものである:(1)知覚が自己中心空間(可到達空間)で切迫性バリスティック動作を引き起こす、またこの逆の事象が起こる早期視覚認知段階;(2)主として常知覚が集中的注意の展開を導き(trough)、固有の可変性オプティックフロー場から前注意キューイング(pre−attentive cuing)および知覚運動学的形状を介して抽出された直接情報を元の客体として再構成し、次いで、客体の(腹側路を介しての)識別および識別された客体の類別(より高い認知機能)を行い、そしてそれらの客体を意味のある枠組にまとめる、すなわち客体およびその他者中心空間における関係場所の認識を行う後期視覚認知段階。
さらに、一方では、上記前者のステップは、本来的に可変性の単純オプティカルフロー場内に埋め込まれた前注意知覚属性の多次元情報アレイを利用することによって、主体が視覚情景からの関係情報の直接および黙視の抽出を前注意的に(自動的に)達成できるようにするとともに、以後における客体の注意の展開を効果的に誘導する。これに対して、後期視覚認知段階は、視覚情景を逐次探索し(集中的注意)、したがって視覚情報を注意機構の容量によって課される制限内で処理し、保存する。
上記の段階「1」に合わせて、また主体における前注意キューイングの潜在的可能性をさらに高める(同時に注意機構の容量限界から主体を保護する)ために、本願発明者等は、主体に伝達される固有の可変性単純オプティカルフロー場における知覚属性の時空分布を疑似ランダム化した。それ故、結果的に得られる視覚認知構造は、主体の注意機構(覚醒性、および集中的注意)が意図的にビジュアルディスプレイの多数の領域で逐次探索を初期化するように利用されることを阻止する。視覚認知の運動学的刺激属性のリアルタイム疑似ランダム化は、主体が(意識的に)次の(a)および/または(b)の間の因果関係を明確にしようとする際、注意機構が顕在認知表象にアクセスすることを拒む:a)実際に画面表示に表示されているもの;a)実際に何が画面表示に表示されているか、それは何か?(客体(他者中心空間の視覚情景中の)を弁別し、類別するために、目前の視覚情景との顕在的連関を明確にするべく長期記憶に保存された情報が取り出される)。どちらの問いも、連合学習過程に認知的に関与することによって目前の視覚情景を首尾よくデコードしようという知覚者の意図的努力を反映している。
これらの視覚認知の機能モジュールは両方とも神経学的におよび背側路および腹側路によって補助され、本願発明者等は、これらのモジュールを通常視覚認知において同時に存在し、共働的に相互作用をするものと考える。注意は、視覚処理の空間的アスペクトおよび時間的アスペクトの両方に影響を及ぼすので、本発明の開示技術によれば、主体における前注意キューイングを介しての関係情報の黙視的抽出にリアルタイムで影響を及ぼす固有の時間的可変調節は、特に前注意キューイング(目標)が固有の可変性単純オプティカルフロー場によって伝達される運動学的形状を描写するとき、情報処理を加速するのに十分である。したがって、より効率的な情報の処理によって、他者中心空間における客体とその関係メトリック(metric)間の弁別および類別をより迅速にすることが可能である。そのために、単語認知のための情報の処理が、次に出る刺激の潜在的妨害効果が起こる前に、より速く行われるという効果が得られる。
本発明は、固有の可変性単純オプティカルフロー場を介して知覚者に直接に苦もなく伝達される固有の可変性の動的視覚環境のみならず、そのような固有の可変性単純オプティカルフロー場内に埋め込まれた前注意特徴によっても与えられるたくさんの長所を利用する。その結果、固有の可変性単純オプティカルフロー場は、早期視覚認知を介して潜在注意により捕捉されることを潜在的に可能にして、目標(キュー)情報が直接抽出される速度を高める(雑音を伴う環境−ディストラクタ中の信号を強めることによって)効果をもたらすか、あるいは知覚者が雑音源からタスクに無関係な情報を除外できるようにすることによって全体的視覚情報処理を促進する効果をもたらすように構成される(Carrasco, M. & McElree, B. (2001). 「Covert attention speeds the accrual of visual information.」 Proceedings of the National Academy of Sciences, 98, 5341−5436)。
本発明の開示技術のさらに他の特徴は、空間の視覚表象に焦点を置いたものである。最近の研究(「the induced Roelof’s Effect」, Bridgeman, B., Kirch, M., & Sperling, A. (1981). 「Segregation of cognitive and motor aspects of visual function using induced motion.」 Perception and psychophysics, 29, 336−342)は、視覚空間の2つの異なる表象の存在を示唆している:もっぱら類別、外示を可能にする意識弁別のための認知表象、およびもっぱら可到達客体の無意識の自己中心位置同定のための感覚運動表象。自己中心空間における感覚運動表象は純然たる手段目標に対する行動を反映するのに対し、認知表象は意思伝達目標に対する行動を反映する。さらに、認知系は、未来の行動を制御するのに用いられる情報を記憶するが、自己中心空間における感覚運動系は行動をリアルタイムで制御する。
さらには、この関連技術分野においては、空間の感覚運動表象は一次視覚皮質に端を発する特定の解剖学的経路を通して伝達されると仮定されている:すなわち、後頭頂領野につながる背側路および下側頭皮質につながる腹側路である。本発明の一実施態様の装置および方法においては、前注意特徴を介在させることにより促進される関係情報の黙視的抽出を本来的に可変性の単純オプティカルフロー場と一体に結合する。本発明は、知覚者の自己中心空間における黙視的意識の可能性を効果的に強化する。主体(自身の)可到達空間に向けてのこのように強化された黙視的視力は、主として背側路に投影される視覚的過渡刺激を介して伝達される。この故に、主体が(その)可到達空間における切迫性バリスティック動作を介して関係情報を抽出するより大きな可能性を持つ結果として、空間の感覚運動マッピングのより強い黙視的表象が得られる。
本発明の開示技術は、空間の知覚感覚運動マッピングは、好ましくは「空間の動的マッピング」であること、すなわち自己中心空間の黙視的情報表象は単一の凍結された時間間隔に対する知覚を介しては圧縮可能ではないが、一連の知覚の時間事象に対する知覚を介して圧縮可能であるということを示唆する。さらに、空間の知覚感覚運動マッピングは、可到達空間で発生する早期知覚運動行為と、任意の種類の認知表象、すなわち「時間離散性」の明示的表象のまさしく最初の勃発の心的生成との間を発達的に橋渡しし、インタフェースを取る。特に、このようなタイムスパンについての認知表象は、複合運動行動の制御および調整に唯一関与するとこれまで考えられてきた脳構造としての小脳によってプランニングされリハーサルされる。時間離散性は、可到達空間における切迫性逐次バリスティック動作の時間事象の持続時間を表す時間の空間(temporal space)のまさしく最初の明示的心的マッピングについていう。
言い換えると、自己中心空間の発達的に正常な感覚運動マッピングは、時間離散性の明示的早期知覚内面化の可能性に依存し、これを反映する。これとは対照的に、主として腹側路における神経路を介する視覚情報の処理によって得られる空間の認知マッピングは、客体の理想的な静的表象を実現し、そこから静的に認識された客体間の関係メトリックとして他者中心三次元空間が出現する。さらに、空間の認知マッピングは、客体間の因果関係を明示的に同定することにも依存する。言い換えると、空間の認知マッピングは、現在が原因として過去につながれているとして、時間の矢の明示的通常知覚内面化、すなわち時間の流れを主観的に認識することに強く依存する。
本発明の開示技術によれば、本発明で提供する装置および方法を使用することによって著しい効果を達成される。これらの効果は、空間の暗黙的感覚運動マッピングの自動的達成が正常な認知発達を確保する上において非常に効果的に寄与するということを意味する。これには次のような理由がある:1)自己中心空間の黙視的意識によって、生体は任意の各瞬間に、異なる情報源(前庭、固有受容性および主として(視覚)オプティックフロー情報の)を単一の大情報源に自動的に統合できるより大きな能力を持つ。それ故、頭部の動作の変化がなく(前庭入力の欠如)かつ/または固有受容性情報と腹側情報との間に不一致がない場合(錯視の報告)、自己中心空間についての強固な非認知性意識を持つ生体は、時空情報の欠如または不足があれば、それをより速く補うことができ、したがって、その認知回路系(トップ−ボットム過程)内部で生じる内因性歪みに影響されにくい。2)短期記憶、注意および学習を含む認知資源は、自己中心知覚感覚運動空間の不完全なマッピングを改善する、つまり補うことにはそれほど関わらない(このようなマッピングのロスは可到達空間における流暢動作の無意識の実行を妨害する。
一般に、認知資源の解放は感覚刺激の情報処理に明確に影響を及ぼす。さらに、情報の加速処理は、腹側神経路による視覚刺激の弁別および類別より迅速にする(目標信号強化)。最後に、もう一つ重要なのは、知覚者は自己の知覚視野で発生する歪みおよび/または誤差(目の錯覚)の影響をそれほど受けなくて済むので、通常視覚認知のプロセスそのものがより迅速な情報処理から得るところは非常に大きいであろうということである。この故に、情報処理の加速は、環境雑音源(ディストラクタ)に対する注意感度の低下によっても影響される。
また、本発明の開示技術は、抑制関す過程が認知資源に対して及ぼす発達的影響にも重点的に取り組むものである。最近の研究(Howe, M.L. & Pasnak, R. (Eds.) 1993. 「Emerging themes in cognitive development Vol.I」: Foundations NY: Spring−Verlag)によれば、抑制過程が行動の処理効率他のアスペクトの改善にも寄与するということが指摘されている。抑制の正常な制御と展開は次のような効果をもたらすことが証明されている:a)子供の加齢に伴う反射応答または優位応答をよりよく抑える(Diamond, [A. (1990). 「Developmental time course in human infants and infant monkeys, and the neural bases of inhibitory, control in reaching. In A. Diamond (Ed.), The development and neural bases of higher cognitive functions」 (pp. 637−676). New York: New York Academy of Sciences; Diamond, A., Cruttenden, L., & Nederman, D. 1994. AB with multiple wells:「I. Why are multiple wells sometimes easier than two wells? II. Memory or memory + inhibition.」 Developmental Psychology, 30, 192−205);b)選択的注意タスクにおける雑音感度が低下する(「decrease sensitivity to noise in selective attention tasks」 (Ridderinkhof, K. R., & van der Molen, M. W. (1995). 「A psychophysiological analysis of developmental differences in the ability to resist interference.」 Child Development, 1995; 66: 1040−1056; Burack, J. A, & Enns, J. T., Eds. (1997).「Attention, development, and psychopathology: A merging of disciplines.」 New York: Guildford Publications); c)記憶タスクにおけるディストラクタ感度が低下する(Bjorklund, D. F., & Harnishfeger, K. K. (1990). 「The resources construct in cognitive development: Diverse sources of evidence and a model of inefficient inhibition.」 Developmental Review, 10, 48−71);d)以前は正しく、現在は正しくない解を抑制する。
本発明の方法および装置は、徴候が、固有の可変性の動的視覚環境の部分として、固有の可変性単純オプティカルフロー場とぴったり合わさる前注意(特徴)要素を補間するように表示するための手段を提供する。本発明の方法および装置は、視覚刺激アレイから関係情報を非知覚的にかつ暗黙的に抽出しようとするものである。それ故、知覚者は、効率的な早期知覚運動ループを自己中心空間の強固な意識により反映された形で能動的に遂行する。このような知覚運動ループという目標の能動的遂行は、知覚者が、相当大きい程度、時間事象の明示的表象を心的に生成することができる場合にのみ達成可能である。一般に、視覚刺激アレイからの時間離散性のマッピングの明示的生成は、多様な内因性要因が関係し、かつ、主として知覚者が目前の刺激の性質に関して能動的に生成する「期待」および「予測」が関係する。期待および/または予測に反すると、方向付けが起こる(Sokolov, E.N.ソコロフ,イー.エヌ.(1963年)「知覚と条件反射」 オックスフォード:ペルガモン)。これには、現行行動の抑制、および刺激源に向けての覚醒(注意)に関わり、関係情報の早期視覚認知抽出が促進され、その後関連する情報の処理および適切な応答の選択が促進される。簡単に言うと、方向付けの主たる機能は、生体が新しい/逸脱性の刺激に効果的に対応できるよう調えることである。
動作の突然の抑止(中断)は、本来ならば十分に予測されかつまたは期待された可到達空間(自己中心空間)における切迫性バリスティック動作の時間系列の方向付けに対して起こり、これは、(主体による)方向付けが、一般的には力学的・生理学的活動と同期化され、特に心配段階と同期化されると、早期知覚過程を強化するということが証明されている。言い換えると、時間離散性についての心的に明示的な認知マッピングが適切に浮かび上がる一方、生体は、非知覚的に、(視覚の)逐次刺激アレイにおける新しい/逸脱性の刺激に対して方向付けられる。さらに、この生理的タイミング効果の大きさは、間遠な(可変性刺激)の場合が頻繁な(一定の)刺激の場合よりも大きく、刺激の持つ意味の重要性を示唆している(Steinhauer et al., 1992)。さらに、グラハムおよびクリフトンによる画期的論文(Graham, F.K., & Clifton, R. K. 1966. 「Heart−rate change as a component of the orienting response.」 Phschological bulletin, 65, 305−320)は、レイシー等(Lacey, J. L, Ragan, J., Lacey, B.C., & Moss, H. A. (1963). 「The visceral level: Situational determinants and behavioral correlates of autonomic patterns. In P. H. Knapp (Ed.), Expression of Emotions in Man.」 New York: Internaional Universities Press)により提案された取り込み(抽出)/拒絶(処理)仮説を介しての心拍数(HR)への方向付けについて説明している。この仮説は、(早期視覚)認知行為による感覚(視覚)情報の抽出(取り込み)は、HRの減速によって助長され、他方、感覚情報(拒絶)の処理は、HRの加速を介して(視覚)常知覚により助長される。
本発明の開示技術は、固有の可変性感覚(視覚)逐次刺激源からの新しい刺激に向けて効果的に方向付けられる早期視覚認知行為は、まず、(他者中心空間における)心的認知行動プランの間に強固な多重結合を惹起し、(自己中心可到達空間における)切迫性バリスティック動作および(臟側空間における)自律性効果器を起動するということを強く示唆する。言い換えると、本発明の装置および方法は、主体の可到達空間における切迫性バリスティック運動動作を始動し、誘導する形で、自己中心空間についての種々の情報源を早期視覚認知行為を介して統合し、変換しようとするものであり、その際知覚者は、可到達空間におけるまさにその実行された切迫性逐次バリスティック動作の間の持続時間の顕在認知表象を心的に達成する。
したがって、本発明は、自己中心空間に関する多様な情報源を1つの大情報源にまとめようとするものであることは明らかである。このような大統一は、知覚者が単一の強固な感覚運動空間(自己中心空間)の強力な早期知覚表象を行って、後期優勢となる視覚臟側系が認知資源を自己中心空間の不完全発達の早期知覚視覚認識により生じる情報の欠落ギャップを補うために投入することがないようにするために必要である。このように、自己中心空間は絶えず減退させられる。
また、自己中心情報の統合は、結果として、認知資源の節約になり、その分が視覚腹側路における情報のより速い処理のために利用されることになる。経済的な情報処理は、迅速で偏りの少ない(less unbiased)認知空間の運動表象につながり、その結果他者中心空間における客体の認識および類別は即時的に行われるようになる(ワーキングメモリの容量の範囲内で)。
一実施態様における本発明の開示技術は、一般に、小脳に局限される特殊な機能によって一部支持される早期視覚認知運動ループ過程を始動することによって時間の発達的知覚内面化を促進する。もっとも最初におけるオントロジー発達は、切迫性逐次バリスティック動作を実行するための内部テンポが小脳における特殊な機能によってリハーサルされ、提供される場合、早期知覚運動ループを介する「時間離散性」の知覚内面化の形を取る。続いて、時間の矢の知覚内面化は、明示的常感覚認知を介して標準時間を認知的に表象することで終了する。特に、本願発明者等は、視覚認知を次の2つの大きな段階からなるモジュール統合型のプロセスであるという技術的思想を概念として確立した:1)知覚者が、早期視覚認知ループ行為に能動的に関与し、固有の可変性単純オプティカルフロー場から黙示的に抽出された関係情報を直接獲得する。黙視的に抽出された情報は、時間離散性の明示的心的マッピングに苦もなく変換され、他方(知覚者は)小脳の特定の領野によって計画され、リハーサルされた可到達空間で切迫性逐次バリスティック動作を実行する。2)知覚者が、通常視覚認知を介して、自己の認知資源を、客体を構成し、続いてそれらの客体を三次元空間で類別するために投入する。知覚者は、このような認知構成を三次元空間に構成された他の客体間の因果関係を確かめることによって行う。その結果構成される(他者中心空間の)メトリックは、知覚者が、全体として時間の経過の意味を正常に明示的に表象できた場合にのみそれ自体で安定を達成する;すなわち、過去の事象の結果として現在の事象を結合する時間の矢の常知覚内面化を達成する。
「時間」の通常知覚内面化は、明示的表象、すなわち通常視覚認知が心的認知空間で三次元客体の現在の処理された状態をその上で組み立てることができる心的認知テンプレートを生成する。このような通常視覚認知マッピングは、寸法、色、および形状を含む客体特徴の詳細の認知処理を可能にする。要するに、正常な通常知覚の発達は、時間の矢の明示的な心的表象、すなわち現在から過去への時間の流れの明示的な心的表象を達成する知覚者の認知能力に大きく依存する。
本願発明者等は、読書障害を生物レベルの因果関係に結びつけるいくつかの仮説に重点を置いて研究を行った。また、本願発明者等は、大細胞系欠陥および/または軽度の小脳障害および/または早期視覚認知欠陥(第2中核欠陥)の非常に有力な証拠を明らかにしたが、これらの欠陥は、本発明の開示技術によれば、ほとんどすべて、読書障害のみならず学習困難も患っている子供における空間、すなわち自己中心空間の黙視的知覚運動表象の減退を引き起こすものとして生理−知覚/認知上潜在的に疑われる原因である。
一般に、本願発明者等は、このような脆弱な空間の早期知覚運動表象は、必然的に、子供における自己中心空間の弱い黙視的意識になり、そのような早期知覚運動欠陥は、新たに発達した認知方略によって成人期に非常に軽度にしか補うことができないと考える。
最後に、本願発明者等は、時間離散性の心的表象を明示的に生成することができない欠陥の原因として、小脳欠陥によって確認される早期視覚認知運動欠陥(特に若年期における)が原因であるという仮説を立て、立証した。このような早期視覚認知運動欠陥は、知覚者が自己の可到達空間で滑らかなバリスティック動作を実行する可能性を妨げる。さらに、読書障害は、幼年期の正常な発達を阻害する生物学的欠陥および/または知覚欠陥であるが、子供が読み書き能力障害に遭遇してはじめて(6〜8才で)定量的に判断されるだけである。読書障害は、個の達成を徐々に阻害し、自信を失わせ、また、その結果、成人期には否定的な行動上の影響をもたらす。
また、本発明の開示技術においては、読書障害を、通常視覚認知を拘束して認知空間(他者中心空間)の常識的表象を把握させないようにする原因、したがって、主体が他者中心空間で客体を正しく認識する能力を損なう原因であると見なしている。
本願発明者等は、読み書き能力は、認知能力(感覚刺激の弁別および類別を含む)に依存するものであり、これによって劇的に左右され、歪められるものと推断することにほとんど疑いを持たない。それ故、必然的に読書に影響が生じるが、このことは読書発育上の読書障害における症状として最も広く報告されている。
3.発明の概要
3.1 主体の臟側空間/自己中心空間/他者中心空間
図1は、すべての人間に本来備わっている3つの空間類型を示し、これには、臟側空間102、自己中心空間104(早期視覚認知に関連する)および他者中心空間106(通常視覚認知に関連する)の3つの類型がある。他者中心空間106は、他者中心空間104の最外境界を包囲するか、あるいはこれと部分的に重なる。このような自己中心空間104と他者中心空間106との重なりを可到達空間108と称する。臟側空間102と自己中心空間104と他者中心空間106の重なりを眼球運動系110と称する。次に、これらの臟側空間102、自己中心空間104、他者中心空間106、可到達空間108および眼球運動系110についてそれぞれより詳しく説明する。
3.1.1. 臟側空間
臟側空間102は、周期に固有の時間的変動を持つ主体内の生理活動を伴うドメインである。このような臟側空間102内の生理活動には、ホルモン周期活動、呼吸周期活動、心拍周期活動、大部分の神経活動などが含まれるが、これらに限定されるものではない。臟側空間102内の生理活動に共通するもう一つの特質は、活動の自律性・自動性であって、主体に代わる注意または認識参加が全くなしに活動が起こるということである。実際、ある種では生理活動は自動的に起こる。本発明は、主として、臟側空間102における生理学的・力学的活動に関し、これらの活動としては、心臓、肺、瞬目および消化器系の力学的活動があるが、これらに限定されるものではない。
3.1.2 自己中心空間
自己中心空間104は、主体の身体のいくつかの体心情報(例えば、固有受容性情報、前庭情報および視覚情報)の源を統合し、変換することによって、切迫性運動行動を誘導する内在能力を反映する。自己中心空間104では、「物体」の早期視覚認知された運動学的軌道は、知覚者と直接一対一の放射状位置関係にあるように見える
上に述べたように、自己中心空間104は主体における早期視覚認知と関連がある。自己中心空間104での早期視覚認知マッピングは、知覚者においては(直接)「切迫性行動」に変わる。したがって、早期視覚認知された物体の運動学的軌道は、それ自体、固有の詳細な状態は持たない。この故に、自己中心空間104における物体の早期視覚認知された運動学的軌道は、客体(対象物)として視覚的に弁別したり、あるいは言葉で類別したりすることはできない。言い換えると、知覚者は、自ら非常に早期視覚認知された運動学的動作の無意識の能動的実行者たる以外、自己中心空間104にある物体の早期視覚認知された運動学的軌道の間に言葉による関係を確立することはできない。こうして、自己中心空間104の早期視覚認知マッピングは、知覚者中にバリスティック動作活動を引き起こす。したがって、本願における自己中心空間104とは、知覚者の可到達空間108内の空間の能動的知覚感覚運動マッピングを意味する。
主体における網膜皮質および網膜皮質下の背側路の大細胞系ニューロン細胞は、過渡刺激から運動知覚についての関係情報を抽出して、知覚者の可到達空間108における運動行動を誘導する。自己中心空間104における動作を、本願では、知覚者の可到達空間108で起こるバリスティック動作または切迫性動作と称する。可到達空間108は、身体部位、主に主体の身体の上部の身体部位(例えば、指、手首、手、腕、頭、目、首など)によって主として実現され、実行される複雑な多次元の動的潜在性バリスティック動作が密集しているように見えることがある。
自己中心空間104内の刺激属性の早期視覚認知は、知覚者中に切迫行動を引き起こし、これらはやはり自動性で、早期知覚運動ループを伴う。自己中心空間104における動作は、いったん起こると、意識して止め、遅らせあるいは抑制することができず、さらに、自己中心空間104で行われる動作は、通常、他のいかなる観察者によっても、あたかも何らかのメッセージを伝えるかのようには知覚されることがないことを特徴とし、言い換えると、自己中心空間104でのバリスティック感覚運動活動は意思伝達行為ではないということである。
自己中心空間104の早期視覚認知は、知覚者中に、切迫性バリスティック動作活動を引き起こし、その後、可到達空間108における早期視覚認知された物体との非随意的で無意識のフィードフォワード相互作用で、様々な身体部位により行われる力学的性質の別個のあるいは複合したバリスティック動作を引き起こす。
主体によって実行される切迫性動作の実現は、常に、はるかに大きい潜在性の複雑な運動学的軌道の部分集合、すなわち自己中心空間104である。これらの身体部位の主なものとしては、上肢、首、眼球運動系110(図1)の部位がある。
3.1.2 他者中心空間
他者中心空間106は、全体としての空間の認識(心的)マッピングを意味し、通常視覚認知と関連がある。ここで、他者中心空間106で行われる運動行動(例えば、会話、身ぶり、腕および/または指による指示など)は、メッセージを他の観察者に伝達し、したがって、知覚的には意思伝達行為であると考えられる。意思伝達行為は、主体が抑制することができる行為または動作、すなわち、主体が遅らせあるいは全面的に中止することができる動作である。通常視覚認知は全他者中心空間106で起こり、ここでは行動の明示的な意図または意味(および/または無意識の意図)を取り込み、組織する。それ故、主体によって行われる逐次動作は、弁別可能ないくつかの主体行動の集合に分けられた後、さらに言葉で類別される。
他者中心空間106では、主体の視覚皮質領野の腹側神経路にある小細胞系細胞が、一つの客体のもう一つの客体に対する相対位置を含め、客体の特徴(例えば、色、寸法、形状など)に関する詳細な情報を処理する。人間では、他者中心空間106における客体認識は、その相対座標と共に記憶に登録され、後でその分析結果について言葉で知らせるためにアクセスして利用される。他者中心空間106における視覚客体認識とその類別は、人間においては、意図、期待、注意および学習を含む(ただし、これらに限定されない)内因性影響要因によって強くゆがめられる。
3.2 光アレイと主体との相互作用
本発明の装置および方法に関与する光量子は、人間に知覚される可視光スペクトル領域内のみならず、可視光スペクトルの赤外・紫外スペクトル領域にも及ぶものとする。単色光アレイ204を形成する一般的な事例を図2に示す。この単色光アレイ204を形成する一般的な事例を説明するのは、図3に示す光場を実現する方法についての理解を図るためである。
図2において、3つのエネルギー光量子の集合(SEOQ)202は、平面または面208のスリット206から出る際光アレイ204を構成する。光アレイ204は媒体M中を光速で移動するので、(情報的には)ある特定の時間間隔Δtの間のみ一定である、またはある明確な情報同定性を有するものと考えられる。光源レベルおよび/または媒体Mで変化(例えば、擾乱)が起こると、SEOQ202に変化が生じる(おそらく、ある位置で生じるが、それ以外のスリット206のP1側および/またはP2側の位置では生じない)。また、図2には、スリット206沿いの3つのSEOQ202のフォトン(光子)の全体的方向dおよび特定の空間分布が示されており、これによって光アレイ204はある時間間隔Δtの間情報的に同じに保たれる。図2に示す3つのSEOQ平面投影図は、もっぱら例示のためのものであり、本発明における光アレイの空間構成を限定するためのものではない。
図3は、複数の単色光アレイ(204a、204b、204cおよび204d)が面302から出て来る状態を示す。本願においては、この複数の単色光アレイが光場(OF)304を形成するものと見なす。上に述べたように、ある時間間隔Δtの間のみ光場304はある特定の情報同定性を持つ。光場304は、人間の主体の網膜に衝突するまではその主体が知覚することは不可能で、網膜に衝突した瞬間、光像(OI)になる。時間感覚Δtが十分長ければ、光場304および光像は情報的に一定に保たれていると見なされる。
SEOQ202、光アレイ204、光場304および光像は、自然に人間知覚の領域外で生じ、人間の主体に知覚的に影響を及ぼすことはない。また、光場304は、3つのSEOQ202を面で反射させる光源によって作り出すこともできれば、コンピュータのディスプレイの画面表示によって作り出すこともできる。図3に示すような光場304は、単に例示説明のためのものであり、本発明に対して限定的な意味を有するものではない。
図4は、人間の知覚者の目が光場304(図3)からの光路を途中で遮っている様子を示す。この場合、ほとんどすぐに(光速の故)明確な光像402が知覚者の網膜上に投影され、時間間隔Δtだけ網膜上に残る。
光源が知覚者の身体との関係で静止している極端な場合で、知覚者がわざとそのすべての身体部位をなんとか動かないようにしているとしても、臟側空間102(人体)における不随意系の固有の力学的影響を回避することは不可能で、その力学的影響によって、少なくとも眼球運動系110、首および腰のうちの少なくとも1つまたは2つ以上の部分が光場304を作り出している光源に対して相対的に複雑な目および網膜の動きないしは運動を生じさせることになる。その結果、投影された光場304の光像402は絶えず動揺する、すなわち、網膜面上で動き続ける。この本来不可避の網膜面上における光像402の非定常状態(非静止状態)は、たとえ光像402の光源が静止しており、人間の知覚者が最大限動くことを控えているとしても、オプティカルフロー(OF)を生じさせる。
このように作り出されるオプティカルフローは複数の光アレイ204を特徴として持ち、これらの光アレイは、複合あるいは絶対(グローバル・)オプティカルフロー場を形成するよう、3次元空間で可能なすべての方向に動く。周囲光アレイ204は、(たとえ臟側空間102における不随意系に固有の不可避の力学的影響の故に絶えず動揺するとしても)光像402が、なおかつ主体の可到達空間108における切迫性バリスティック動作を引き起こす可能性を阻止する方向に偏るような性質を有する。複合オプティカルフロー場は、切迫性バリスティック行動時の身体において相当長い期間(例えば、数秒間)、運動の準定常状態を助成する方向に作用する(例えば、平均して毎秒のほぼ90%の時間目を動かないようする眼球運動系110におけるような場合)。このことは、偶然そうなるということではなく、自己中心視覚空間認知と他者中心視覚空間認知との間の目下の微妙な動的釣り合いが反映された結果である。眼球運動系110の場合、両目ともそのほとんどの時間が準定常状態(準静止状態)として費やされ、その結果、注意機構の展開にとって、他者中心空間の安定な認識表象を達成するために、通常知覚を介して主に小細胞系による視覚情景からの視覚情報の処理を確実ならしめるのに十分な時間が得られることになる。
しかしながら、明らかに網膜面の大部分は大細胞系と関連がある。したがって、苦もなく最大かつ有効な3次元空間の検知が可能なこの基底の複合オプティカルフロー場は、(1)主体が自発運動状態にあって主体が静止しているか、あるいは(2)主体が休止していて環境中の客体が主体に近づくか、主体から離れる方向に動くときに、大細胞系反応性を始動する光覚性関連動揺を網膜に生じさせる。これとは対照的に、網膜面の最小部分、すなわち中心窩は、光像402からの情報を処理するために、眼球運動系110の準定常状態を必要とする。中心窩は小細胞系と関連を有する。次に、網膜の相対的に大きい周縁域に比べ相対的に小さい中心窩域について図6を参照しつつ説明する。
上に述べたように、光像402は、物理的性質の像で、写真カメラで得られる種類のものである。人間の知覚者の目と物理的に接触するときにおける光像402の固有の動的性質によって、人間の視覚認知現象の源になる新しい種類の光像402が生まれ、これを本願では生物光像(BOI)と称する。次に、エネルギー光事象および早期知覚光事象について説明する。
3.3 エネルギー光事象(EOE)と早期知覚光事象(EPOE)
図5は、本発明の高水準概要を示すフローチャートである。この概要フローチャートは、本発明で光像402(図4)を発生させるステップ502、および本発明で人間の主体の視覚による通常知覚(通常視覚認知)に所望の方向の作用を及ぼすためのステップ504よりなる。また、本発明は、主体または知覚者中のプロセスに様々なレベルで作用を及ぼすことによって、光像402を介して主体に全体的知覚運動統合を起こさせようとするものである
図2乃至4を参照して上に説明したように、ステップ502はエネルギー光量子(SEOQ)202の集合を調節して光アレイ204を生じさせるステップを含む。複数の光アレイ204が光場304を形成する。光場304が主体の網膜に衝突するとすぐに、光場304は光像402になる。上に述べたように、SEOQ202、光アレイ204、光場304および光像402は、自然に人間知覚の領域外で生じると考えられ、人間の主体の通常視覚認知に所望の方向の作用を及ぼすために用いられる。
ステップ504では、本発明は、主体または知覚者中のプロセスに様々なレベルで(光像402を介して)作用を及ぼすことによって、通常視覚認知512で所望の変化を誘発するよう主体に全体的知覚運動統合を起こさせるようになっている。ここで、その様々なレベルには、眼球レベル506、運動知覚レベル508および統制知覚レベル510がある。次に、これらの各レベルについて簡単に紹介し、より詳しく説明する。
眼球レベル506では、光像402は、ステップ506aで、主体の少なくとも眼球運動系にバリスティック動作を生じさせる。ステップ506bでは、人間の知覚者の目と物理的に接触するときにおける光像402の固有の動的性質によって生じるこれらのバリスティック動作が、新しい種類の光像402が生まれさせ、これを本願では生物光像(BOI)と称する。人間の知覚現象が生まれる源はこの生物光像である。ここで、主体内の網膜細胞の反応性がオプティカルフロー効果および光パラメータの変動によって生じる。次に、眼球レベル506について、図6を参照しつつさらに詳細に説明する。
運動知覚レベル508では、エネルギー光事象(EOE)は250ミリ秒以上で起こると考えられ、また他者中心空間106(図1)の一部を仲介すると考えられる。EOEは、主体の後期通常知覚に関連し、主体の疑似眼球固定を必要とする。本発明は、ステップ508bで、EOEを用いて主体における随意身体部位活動を行いやすくする。ステップ508cの早期知覚光事象(EPOE)は、200ミリ秒以内で起こると考えられ、また、また自己中心空間104(図1)の一部を仲介すると考えられる。EPOEは、主体の早期視覚認知に関連し、主体にバリスティック動作を引き起こす。本発明は、ステップ508bで、EPOEを用いて主体に不随意身体部位動作を引き起こす。
統制知覚レベル510では、EOEおよびEPOEを運動知覚レベル508にある主体に与えることによって、主体に自己中心空間104と他者中心空間106との間の視覚認知マッピング空間における動的バランスが確立される。次に、眼球レベル506について、図6を参照しつつさらに詳細に説明する。
3.3.1. 眼球レベル
ここで、眼球レベル506について、図6を参照しつつさらに詳細に説明する。図6は、光場304(図3)からの単色光アレイ204(図2)の一例およびこの単色光アレイが主体の目(眼球)602との間でどのように相互作用をするかを図解したものである。目602は、主体の知覚視野の物理的位置を表す。主体の知覚視野は、早期知覚視野と通常知覚視野とに枝分かれする。目602は、網膜604、虹彩608、水晶体610、瞳孔612および角膜614を含む多くの部分で構成されている。網膜604は、周縁域605および中心窩606で構成されている。網膜周縁域605は、神経生理学的に自己中心空間104(図1)と密接に関連し、他方網膜中心窩606は、神経生理学的に他者中心空間106(図1)とより密接に関連する。
網膜604は、錐体および桿体(杆体)と呼ばれる感光受容体で覆われている。桿体は網膜周縁域605に集中しているのに対し、錐体は網膜中心窩606に集中している。桿体は、主として暗視のためおよび動作を視覚的に認知するために用いられる;桿体は幅広い光スペクトルにわたって感性を示す;桿体は色を識別することができない;桿体は光強度またはグレースケールの明暗に対して感性を示す;桿体は主体の周辺において脅威となるような動作を検知する。桿体は、機能的には、自己中心空間104および主体の早期知覚視野により集中している。錐体は、色を視覚で感知し、網膜中心窩606に合焦された客体の像の明瞭度を高くするために用いられる。錐体は、機能的にはより他者中心空間106および主体の通常知覚視野に集中している。
また、物理的位置および機能的に網膜周縁域605に集中しているのは大細胞系細胞である。大細胞系細胞は運動に対して非常に敏感である。それ故に、大細胞系細胞は主体の早期視覚運動認知(early visual−sensory motor perception)を可能にする。早期視覚運動認知は、物体が知覚者に対して相対的にどこにあるかについての直接情報、すなわち自己中心空間早期知覚をもたらすが、物体が何に見えるかについての情報は与えない。視覚運動情報抽出は、大細胞系細胞の固有の受容野特質のために脳の網膜皮質および網膜皮質下の背側神経路で行われる。
図6に示す3つのSEOQ202(図2)は、最終的に到達する網膜域によって異なる種類の視覚現象を生じさせる。これらのニューロンの反応は、主として、網膜604の表面上に非常に不均一に分布する大きく異なる2種類の神経系細胞(大細胞系細胞および小細胞系細胞)と関連がある。
物理光像と異なり、また上に説明したように、眼球レベル506で作り出される生物光像は、人体における多くの生物学的構造および固有の可変機能の関与によって得られる固有の動的性格の光像である。そして、最も重要なことに、ステップ508cおよび508a(図5)でそれぞれ簡単に説明したようなオーダーが異なる2種類の知覚の発生について理解するには、2種類の異なる時間ドメインについて考察するべきである(<200ミリ秒の時間ドメインおよび>250ミリ秒の時間ドメイン)。これら2種類の異なる時間ドメイン間の動的相互作用は、主体の身体に全体的知覚運動統合を生じさせる。このような知覚運動統合は、主体に、空間の通常視覚認知の正常達成を可能にし、また言葉で知らせることによるこのような空間の視覚表象の弁別、類別および分析を可能にする。
図6に示す単色光アレイ204は、同じ時間間隔Δt内で3つのSEOQ202が起こる図2より得た一例である。この光アレイ204が網膜604の表面上に投影されるのに要する時間は、光速の故に、このΔtの時間間隔に比べて無視することができる程度である。このように、図6は、光場304の1成分のみの網膜投影を図解したもので、単色光アレイ204の投影境界を模式的に示す。光場304が知覚者の頭に対して静止状態に保たれていても、投影境界q1およびq2の位置は、例えば、図6に示すように網膜周縁域の点q’1およびq’2まで絶えず動揺する。前に説明したように、この現象は、眼球運動系110における動揺を含め、身体中のバリスティック動作のような臟側空間102における様々な固有の力学的動揺の結果として生じる。
生物光像は、主体を発生源とする固有の時空動揺を特徴として持つ。時空動揺は、外部の物理光像の網膜投影における速度ベクトルと考えることができる。サッカード(バリスティック眼球運動動作)が自然に行われているとき、時空動揺は各25〜30ミリ秒で起こる。
正常な早期視覚認知の根源は、網膜604の周縁域605におけるこれらの速度ベクトルの存在にあること考えられる。この自然のメカニズムによって、大細胞系反応性の常習的な始動プロセスが可能になる。一定の光覚性パラメータの過渡変化が前注意キューイングおよび/または大細胞系反応性を始動するということは知られている。
本発明の主たる目的の一つは、固有の可変の動的視覚環境を作り出し、発生させる技術を提供することにある。このような独特の視覚環境は、複合オプティカルフロー場を単純オプティカルフロー場に束縛することができるような速度ベクトルよりなる。このような単純オプティカルフロー場では、主体は、自己から離れるかあるいは自己に近づくのではなく、あたかも自己の側を通り過ぎる(例えば、並進・層状運動)かのように思われる運動知覚を視覚的に経験する。このような単純オプティカルフロー場においては、眼球運動系110は時々さかんに知覚視覚徴候(目標およびディストラクタ)を追いかけ(追跡し)、そのために、目は視覚情景に沿って絶えず円滑な追跡状態を保ち続ける。
本発明のもう一つの目的は、上記の固有の時空動揺を利用することによって前注意キューイングおよび/または大細胞系反応性を始動する技術を提供することにある。本発明は、図7および8を参照して以下に説明するように、自然にかつ本来の形で自己中心空間におけるバリスティック動作を引き起こす際の身体の非効率をあたかも補償するような大きさで、上記のような時空動揺を発生させ、引き起こそうとするものである。次に、運動知覚レベル508についてより詳細に説明する。
3.3.2. 運動知覚ループレベル
生物光像によって2つのオーダーの視覚認知、すなわち(1)約200ミリ秒以内で起こる早期視覚運動認知(EPOE)および;(2)約250ミリ秒以上で起こる後期通常視覚認知(EOE)が発生する。本発明は、光アレイ204にエネルギー光量子の集合(SEOQ)202を発生させ、かつ光アレイにこれらのSEOQ202の変化を発生させる手段および方法を提供するものであり、本願これらのSEOQ202およびその変化をすべて光事象として定義する。本発明においては、光場304は、主体中に自己中心の切迫性バリスティック運動動作を引き起こすために、早期知覚光事象(EPOE)を密集させることによって、過渡刺激に向けての前注意キューイングおよび大細胞系反応性を促進する。(これは図5のステップ508cに示す。)また、光場304は、エネルギー光事象(EOE)を含み、これによって他者中心空間および小細胞系活動の通常視覚認知が容易になる。(これは図5のステップ508aに示す。)次に、ステップ508bの拮抗動作の相互作用について説明する。
固有の光場304の時空構造は、ある予測不可能な期間、所望の生物学的閾値を飛び越し、光場304を生物光像に変換するのに十分なオーダーの可変性が欠けていることがある。網膜周縁域605に必要な過渡時間分解能(急速な時間的変化)をもたらし得るのは生物光像である。その結果、基底の大細胞系反応性および主体の可到達空間108(図1)で切迫性バリスティック動作を引き起こす(早期視覚運動認知を介して)可能性が損なわれることにもなる。この故に、通常視覚認知の自然な達成を確実ならしめようとする場合、自己中心空間104における切迫性バリスティック動作(元来網膜604で光像402を動揺させる)を引き起こす可能性と、眼球602を他者中心空間106(中心窩の小さな領野)に焦点を逢わせるのに十分な時間だけ(身体部位の(意図的な)制約された動作によって)準定常状態に保持することとの動的釣り合いが不可欠であるかもしれない。
正常な主体においては、この拮抗型の動作/行動間の微妙な釣り合いは、毎秒平均3回のバリスティック・サッカードの無意識の非随意的実行によって達成されている。眼球602の各バリスティック動作は約30ミリ秒持続する。サッカード間では、眼球602は、準安定固定状態に保たれて、像の焦点を中心窩上にしっかり固定する。このようにして、約300ミリ秒の準安定時間間隔により、中心窩606での小細胞系活動が可能となり、そのすぐ後に約30ミリ秒のバリスティック運動期間が続いて、網膜周縁域605における正常な基本的大細胞系反応性を支える。
にもかかわらず、人間におけるこの自然な視覚認知運動の生物学的釣り合いは、多くの変動要因の影響に対して非常に敏感である。あるタスクで、主体のより高い注意の集中が要求される場合は、眼球602の準安定固定状態を例えば500ミリ秒まで延びることがあり、その場合、サッカードは毎秒最大2回しか可能でなくなり、必然的に早期感覚運動認知が妨げられ得る状況になる。他の極端な場合として、主体が切迫的に毎秒平均4回以上サッカードを行う状況が起こり得る。この場合、概して、最大200ミリ秒持続する多くの故視期間を持つことになる。この特別な場合、集中した注意を展開して視覚情景を逐次探索し、中心窩606に到達する知覚的に選択された情報を処理できるだけの十分な時間はない。一般に、読書障害の人々が読書のタスクに直面した場合のように、当面の視覚タスクが平均して長い時間の眼球固定を擁する場合、通常視覚認知は達成するのが非常に困難である。
本発明では、ステップ510における主体の空間活動(図5)の自己中心マッピングと他者中心マッピング関係との間のこの関係は動的釣り合いにあると見なし、この関係が前に説明した2つのオーダーの視覚認知と共に通常視覚認知512の実際の条件を規定する。通常視覚認知512は、それ自体、当面の視覚タスク、上記の2つのオーダーの視覚認知に影響を及ぼす要素、さらにまた自己中心活動と他者中心活動との間の動的釣り合い従って動揺せざるを得ない。本発明の目標は、主体における確定した自己中心/他者中心間の動的釣り合いを、光場304における早期知覚光事象およびエネルギー光事象を制御することによって転移させることであり、次にこれについて図7および8を参照しつつ説明する。
図7のステップ702では、光アレイ(light array)の光覚性エネルギーパラメータ(photic energy parameters)および光覚性早期知覚属性を制御することによって、前注意キューイングを始動し、かつまたは主体における視覚的過渡刺激に対する大細胞系反応性の感度を高める。次に、制御を光場304に渡す。
ステップ704においては、光場304が、主体の網膜と物理的接触をした瞬間に主体の知覚視野に変換されるように、光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性早期知覚属性に基づいて調節される。知覚視野は、主体の早期および通常知覚視野を含む。図7のフローチャートの操作はここで終了する
図8は、図7とは異なる形で、本発明において、光アレイ204の光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性早期知覚属性を制御することにより、前注意キューイングを始動し、かつまたは主体における視覚的過渡刺激に対する大細胞系反応性の感度を高める方法を図解したものである。この図に示すように、本発明においては、(ステップ502で生成され、上に図5を参照しつつ説明した)光像402中の光覚性エネルギーパラメータ804および光覚性知覚属性806を制御することによって、早期知覚光事象およびエネルギー光事象の制御された生成行う。この制御された生成808は、主体または知覚者中のプロセスに様々なレベルで作用を及ぼすことによって、(ステップ504で生成され、また上に図5を参照しつつ説明した)光像402を介して主体の身体に全体的知覚運動統合を起こさせようとするものである。次に、本発明のシステムアーキテクチャについて説明する。
4.システムアーキテクチャの概要
図9は、本発明の一例のシステム環境を示すブロック図である。図9には、生理学的・力学的活動センサモジュール902(以下センサモジュール902とする)、光事象刺激モジュール904(以下光事象モジュール904とする)、光場刺激出力モジュール906(以下光場出力906とも称する)、ゲーム/エンターテインメント・プログラムモジュール908(以下ゲーム908とする)が示されている。
高水準的には、センサモジュール902は主体910の生理学的・力学的活動監視し、監視している特定の生理学的・力学的活動に関する信号を受け取る。センサモジュール902は、好ましくはリアルタイムで(ただし、本発明はリアルタイム処理に限定されるものではない)、その生理学的・力学的活動信号を処理して、光事象モジュール904により用いられる必要情報を導出する。光事象モジュール904はこの情報をセンサモジュール902から受け取り、主体910において前注意キューイングを始動しかつまたは大細胞系反応性の感度を高める主体910のためのプログラムを割り出す。光事象モジュール904は、光場出力906によって生成され、出力される光アレイ204の空間および時間の両方の動揺を決定する光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性早期知覚属性の制御を行う。また、光事象モジュール904は、主体910用のプログラムを変えることが可能なゲーム908から情報を受け取る。このように、光事象モジュール904によって決定される制御またはプログラムに基づいて、光場出力906およびゲーム908は、主体910において前注意キューイングを始動しかつまたは大細胞系反応性の感度を高める。次に、これらの各モジュールについてより詳細に説明する。
4.1 生理学的・力学的活動センサモジュール
上に述べたように、センサモジュール902は、主体910の生理学的・力学的活動を監視する。センサモジュール902は、好ましくはリアルタイムで、生理学的・力学的活動信号を処理して、光事象モジュール904により用いられる必要情報を導出する。図10において、センサモジュール902は1つまたは2つ以上の生理学的・力学的センサ1002および信号調整モジュール1004よりなる。以下、これらの生理学的・力学的センサおよび信号調整モジュールについてさらに詳細に説明する。
4.1.1. 生理学的・力学的センサ
上記1つまたは2つ以上の生理学的・力学的センサ1002は、監視している生理学的・力学的活動に関連する信号を検知し、変換し、あるいは導出するために用いられる。生理学的・力学的センサ1002は、現在当技術分野で使用されているセンサを1つまたは2つ以上用いて構成することができ、そのようなセンサとしては、動脈拍動および/または静脈拍動を検出するため、および/または血圧を測定するため、および/またはECG(心電図)を観測するため、および/または呼吸活動による周期性の機械的胸部運動を検出するために使用されるレオグラフィ(reography)、ドップラー技術および/またはフォトプレチスモグラフィ機器で用いられるものがあるが、これらに限定されるものではない。生理学的・力学的センサ1002には、上記の例のものが含まれ、また広義には、現行のあるいは将来開発され得る他のセンサで、心臓および/または肺臓および/または眼球の不随意生理学的・力学的活動、あるいは身体による任意の他の不随意駆動される周期性および/または逐次性の生理学的・力学的運動を表す信号を直接間接に検出できるセンサも含まれる。生理学的・力学的センサ1002によって検出される生理学的・力学的活動は、次に説明する信号調整モジュール1004に送られる。
4.1.2. 信号調整モジュール
信号調整モジュール1004は、監視している生理学的・力学的活動から生じる、あるいは導出される信号を、好ましくはリアルタイムで調整し、処理する。信号調整モジュール1004は、関連技術におけるいくつかの公知のステップ、例えば増幅、フィルタリング、多重化、アナログ信号からデジタル信号への、あるいはその逆の変換、プロトコル変換などのステップを実行する(ただし、これらのステップに限定されるものではない)。デジタル信号は、次いで、直接またはワイヤレス手段によって光事象モジュール904に送られる。この特定の実施例においては、信号調整モジュール1004は物理的に光事象モジュール904の内部に設けることが可能である。ここで、センサモジュール902の処理は、リアルタイムで行われるものとして説明したが、一部の実施例では、この処理は必ずしもリアルタイムでは行われない。次に、光事象モジュール904について、図11を参照しつつ説明する。
4.2. 光事象モジュール
光事象モジュール904は、センサモジュール902から情報を受け取り、主体910において前注意キューイングを始動しかつまたは大細胞系反応性の感度を高める主体910のためのプログラムを割り出す。光事象モジュール904は、光場出力906によって生成され、出力される光アレイ204の空間および時間の両方の動揺を決定する光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性早期知覚属性の制御を行う。また、光事象モジュール904は、主体910用のプログラムを変えることが可能なゲーム908から情報を受け取る。このように、光事象モジュール904によって決定される制御またはプログラムに基づいて、光場出力906およびゲーム908は前注意キューイングを始動し、かつまたは主体910における大細胞系反応性の感度を高める。
図11は、光事象モジュール904の一実施例を示す。この実施例において、光事象モジュール904は、光事象エンジン1112、および前注意キューイングを惹起する光学的特徴のライブラリ1102、視覚大細胞系の反応性を高めるためのオプションのライブラリ1104、光事象の基底状態(GS)刺激および/またはそれらの刺激パラメータの変化のための変動要素(VC)のライブラリ1106、主体910の位置に対する光事象の速度ベクトルの相対位置の変化に関する制御パラメータのライブラリ1108、および光事象の基底状態刺激パラメータおよびそれらの変化と主体910の身体における周期性および/または逐次性の不随意駆動される力学的運動との時間相関および(それらの)動揺のライブラリ1110、を含む種々のオプションライブラリで構成されている。次に、これらの各ライブラリについて高水準の説明を行い、その詳細については後ほど本発明の一実施例により図25を参照して説明する。
4.2.1. 前注意キューイングを惹起する光学的特徴のライブラリ
図14は、ライブラリ1102および主体に前注意キューイングを惹起する光学的特徴の例を示す。限定された一群の光学的特徴が前注意的に(主体が注意を集中する必要なく)捕捉され、それ故、特定の視覚情景の情報の直接抽出が早期視覚認知を介して行われ、これが主体の自己中心空間マッピングの情報源となる。主体がある知覚上の光学的特徴に対して前注意的に方向付けするためには、主体は、多くのディストラクタの中から、それらのディストラクタの数にかかわらず一定時間内に(<200ミリ秒)、知覚的に目標を選び出すことができなければならない。ここで、目標とディストラクタとの間の知覚的関係は簡単でなければならない。それ故、前注意方向付けは、(目標の明示的情報処理を必要とする視覚情景の直列視覚情報探索を伴う通常視覚認知と対比して)目標の黙示情報および直接情報の抽出を可能にする視覚情景の並列知覚特徴探索を伴う。
前注意的に処理することができる光学的特徴の例を図14のライブラリ1102に示す。さらに、これらの光学的特徴の一部の挿絵を図19に示す。図19に図解した種々の光学的特徴は、各々1つの知覚目標と共にそれらの各目標に付随するいくつかの知覚ディストラクタを示す。図14および19に示す光学的特徴は大部分が自明のものである。図14である程度説明が必要な光学的特徴は、光強度1422、立体深さ1430、三次元キュー1432および明化方向1434などであろう。光強度1422はコントラストである。これは、知覚ディストラクタを表す視覚的にグレーの背景と知覚目標を表す視覚的に白い点を用いて図解される。立体深さ1430は多様な知覚ディストラクタを伴い、それらの各知覚ディストラクタは、互いに深さが同じである2つの客体および互いに深さが異なる2つの客体を示す知覚目標を示す。三次元深さキュー1432は三次元形状を有し、ここで、知覚目標はすべての知覚ディストラクタと異なる三次元形状を持つ。明化方向1434は、知覚目標で客体の表面知覚ディストラクタの場合とは異なる仕方で強調することを意味する。次に、ライブラリ1104について説明する
4.2.2. 視覚大細胞系の反応性を高めるためのライブラリ
図15は、視覚的過渡刺激に対する視覚大細胞系の反応性を高めるためのオプション例のライブラリ1104を図解したものである。これらのオプションの1つ1502は、周辺視野1502における刺激検出に関わる。ライブラリ1104の実施例については、後ほど図24を参照して説明する。
ライブラリ1104におけるもう一つのオプション1504は、主体がゲーム/エンターテインメント・プログラムモジュール908(図9)で光事象が起こる表示された視野の(中心窩の)中心領域に向けて自己の集中的注意を周期的に行使する知覚運動活動を選択することに関わる。
ライブラリ1104におけるオプション1506は、白黒視野セクタの交番配置を用いる操作に関わる。ここで、白黒セクタの交番周波数は各白黒セクタ交番周期当たりの角度に相当する。これについて、図20によりさらに説明する。大細胞系細胞は、低い周波数角度の白黒色交番にさらされたときも最も効率的に反応する。これは、図20に挿絵2002として示されている。挿絵2002は、低い周波数角度の白黒色交番を示したものである。一方、挿絵2004は、高い周波数角度の白黒色交番を示し、これは小細胞系細胞の反応性を始動する。
ライブラリ1104におけるもう一つのオプション1508は、過渡刺激のデューティサイクルの時間的変動に関わる。本発明において、過渡刺激のデューティサイクルは、刺激パラメータ(その周期の活部分)および刺激変化の間の時間間隔(その周期の休止部分)における時間的変動の持続時間が短いことを特徴とする。このことは、図21により詳しく図解されている。挿絵2102は、刺激2108(その周期の活部分)およびその後の時間間隔2110(その周期の休止部分)を示している。挿絵2104は、刺激2108が大きくなる際のその時間的変動(刺激の持続時間が長くなる)を示し、他方挿絵2106は刺激2108の変動により刺激間の時間間隔2110が長くなる場合を示している。
4.2.3. 光事象の基底状態(Gs)刺激および/または刺激パラメータの変化のための変動要素(VC)のライブラリ
図16は、ライブラリ1106と光事象の基底状態(Gs)刺激および/または刺激パラメータの変化のための変動要素(VC)のオプション例を示す。このオプションの例には、次のものがある:持続時間1602;グラフィックディスプレイ(例えば、形状、幅、長さ、寸法など)1604;色1606;光強度1608;ある光事象における持続時間、グラフィックディスプレイ、色および/または光強度の変化数1610;ある光事象における変化数の変化の大きさ1612;ある光事象における変化数での変化および/またはある光事象における変化数の変化の大きさにおける変化の順序1614。次に、ライブラリ1108について説明する。
4.2.4. 主体の位置に対する光事象の速度ベクトルの知覚的相対位置の変化に関する制御パラメータのライブラリ
図17は、ライブラリ1108および主体910の位置に対する光事象の速度ベクトルの知覚相対位置の変化に関する制御パラメータのオプション例を図解したものである。このオプション例には、運動の知覚方向1702、運動の知覚見当識1704、運動の知覚的大きさ1706、視野で光事象が出現する知覚空間座標1708、および視野で光事象が見えなくなる知覚空間座標1710がある。次に、ライブラリ1110について説明する。
4.2.5. 光事象の基底状態刺激パラメータおよびその変化と主体の身体における周期性および/または逐次性の不随意駆動される力学的運動との時間相関およびその動揺のライブラリ
図18は、ライブラリ1110、および光事象の基底状態刺激パラメータ、それらの動揺およびそれらの変化と主体910の身体における周期性および/または逐次性の不随意駆動される力学的運動との時間相関の例を図解したものである。このオプション例には、身体における力学的運動の選択された周期的および/または逐次的発生毎の基底状態光事象の数1802、身体における周期および/または逐次性力学的運動の基準点とライブラリ1106の定義に基づく各基底状態光事象刺激および/またはその変化の始点との間の時間遅延およびそれらの動揺を扱うオプション1804がある。次に、光事象エンジン1112について説明する。
4.2.6. 光事象エンジン
光事象エンジン1112(図11)は、以下に説明するようにライブラリ1102〜1110から入力を得る。本発明の一実施例により以下に詳細に説明するように、光事象エンジン1112内のアドミニストレータおよび/またはエキスパートシステムが、特定の主体のプログラムに対して構成設定するべきいろいろな変動オプションを決定する。
光事象エンジン1112は、広義には、プログラマブルマシンであると考えるべきである。光事象エンジン1112は、高速データ処理を行うことができる。したがって、光事象エンジン1112は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ROM、PROMまたは他のファームウェアに命令を実装した専用プログラムマシン、ハードワイヤード方式で命令を実装した専用プログラムマシン、あるいはコンピュータプログラムを有する汎用コンピュータを用いて構成ことが可能である。このコンピュータプログラムは、エンターテインメントプログラム、双方向型ゲームプログラムあるいは情報通信プログラムを含め多くの形態が可能であるが、これらに限定されるものではない。
実際、光事象エンジン1112は、次に図40を参照して説明するコンピュータシステムを1つまたは2つ以上使用して実施することも可能である。図40において、コンピュータシステム4000は、プロセッサ4004のような1つまたは2つ以上のプロセッサを有する。プロセッサ4004は、通信バス4006に接続されている。種々のソフトウェアの実施例をこの例のコンピュータシステムとの関連で説明する。この説明を読むならば、当業者にとって、他のコンピュータシステムおよび/またはコンピュータアーキテクチャを使用して本発明を実施する方法は自明となろう。
また、コンピュータシステム4000は、好ましくはランダムアクセスメモリ(RAM)型の主メモリ4008を有し、さらに補助メモリ(補助記憶装置)4010を備えることができる。補助メモリ4010としては、例えば、ハードディスク装置4012および/またはフロッピー(登録商標)ディスク装置、磁気テープ装置、光ディスク装置などのリムーバブル記憶装置駆動機構4014を使用することができる。リムーバブル記憶装置駆動機構4014は、リムーバブル記憶装置に対して周知の方法で書き込みおよび/または読み出しを行う。リムーバブル記憶装置4018は、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、光ディスクなどであり、これらに対してリムーバブル記憶装置駆動機構4014により書き込みおよび読み出しが行われる。リムーバブル記憶装置4018が、コンピュータソフトウェアおよび/またはデータが記憶されたコンピュータ利用可能な記憶媒体を含むことは理解されよう。
別の実施例においては、補助メモリ4010は、コンピュータプログラムまたは他の命令をコンピュータシステム4000にロードすることが可能な他の同様の手段を用いることが可能である。このような手段としては、例えば、リムーバブル記憶装置4022およびインタフェース4020を含めることができる。このようなリムーバブル記憶装置の例としては、(ビデオゲーム装置、ビデオカムコーダなどで見られるような)プログラムカートリッジとカートリッジインタフェース、(EPROMやPROMのような)リムーバブル・メモリチップと付属ソケット、およびソフトウェアおよびデータをリムーバブル記憶装置4018からコンピュータシステム4000へ転送できるようにする他のリムーバブル記憶装置4022およびインタフェース4020を含めることができる。
また、コンピュータシステム4000は、通信インタフェース4024を具備することができる。通信インタフェース4024は、コンピュータシステム4000と外部機器との間におけるソフトウェアおよびデータの転送を可能にする。通信インタフェース4024の例としては、モデム、(イーサネット(登録商標)・カードのような)ネットワークインタフェース、通信ポート、PCMCIAスロットおよびカードなどがある。通信インタフェース4024を介して転送されるソフトウェアおよびデータは、電子信号、電磁気信号、光信号、または通信インタフェース4024が受信することができるその他の信号を含む信号4026の形で転送される。これらの信号4026は、チャンネルまたはパス4028を介して通信インタフェース4024に供給される。チャンネル4028は、信号4026を搬送し、電線、ケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RF(無線)リンクおよびその他の通信チャンネルを使用して実施することができる。
本願明細書において、「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ利用可能媒体」と言う用語は、リムーバブル記憶装置4018,ハードディスクドライブ4012に装入したハードディスク、および信号4026のような媒体を総称する意味で使用する。これらのコンピュータプログラム製品は、ソフトウェアをコンピュータシステム4000に供給するための手段である。
コンピュータプログラム(コンピュータ制御論理とも呼ばれる)は、主メモリ4008および/または補助メモリ4010に記憶される。また、コンピュータプログラムは通信インタフェース4024を介して外部から受信することもできる。このようなコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム4000に本願で説明する本発明の種々の特徴的機能を遂行させることができる。特に、これらのコンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ4004に本発明の種々の特徴的機能を遂行させることができる。したがって、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム4000のコントローラを表すものである
ソフトウェアを用いて実施する本発明の一実施例においては、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品中に保存しておき、リムーバブル記憶装置駆動機構4014、ハードディスクドライブ4012あるいは通信インタフェース4024を用いてコンピュータシステム4000にロードすることが可能である。制御論理(ソフトウェア)は、プロセッサ4004によって実行されると、プロセッサ4004に本願で説明する種々の機能を遂行させる。
もう一つの実施例においては、本発明は、主として、例えば特定用途向け集積回路((ASIC)のようなハードウェアコンポーネントを用いてハードウェアの形で実施される。ハードウェアの状態機械を本願で説明する諸機能を遂行させるような形で実施することは、当業者にとっては自明であろう。次に、光場刺激出力モジュール906について説明する。
4.3. 光場刺激出力モジュール
図12には光場刺激出力モジュール906が図解されており、このモジュールは主体910のためのプログラムを定義する光事象刺激モジュール904から入力を受け取る。そして、光場刺激出力モジュール906はそのプログラムを生成し、出力する。光場刺激出力モジュール906によって生成され、出力されたこのプログラムは、ゲーム/エンターテインメント・モジュール908からの入力によって修正することができる。
図12に示すように、光場刺激出力モジュール906はモジュール1202、モジュール1204およびモジュール1206で構成することができる。モジュール1202は、前注意特徴についての情報を含む視覚感覚刺激(刺激の物理的属性)を生成し、主体910に与える。モジュール1204は、視覚感覚刺激を生成し、主体910に与えて、主体910における大細胞系細胞の反応性を高める。モジュール1206は、光事象刺激モジュール904による空間、時間およびその他の刺激パラメータに従って視覚感覚刺激を生成し、供給する。光場刺激出力モジュール906の具体的な実施例については、後ほど詳細に説明する。
4.4. ゲーム/エンターテインメントプログラム・モジュール
ゲーム/エンターテインメントプログラム908は光事象刺激モジュール904から入力を受け取って、出力を光場刺激出力モジュール906および主体910に供給する。ゲーム/エンターテインメントプログラム・モジュール908の具体的な実施例については、後ほど詳細に説明する。
5. 発明の実施例
図22は、例えば読書障害の主体の症状を改善するなど、このような症状に取り組むために利用することができる本発明の一実施例を図解したものである。図9を参照して前に説明したように、(生理学的・力学的センサ1002および信号調整モジュール1004よりなる)センサモジュール902は、主体910の生理学的・力学的活動を監視し、監視している生理学的・力学的活動に関する信号を受け取る。センサモジュール902は、好ましくはリアルタイムで、その生理学的・力学的活動信号を処理して、光事象モジュール904により用いられる必要情報を導出する。光事象モジュール904は、この情報をセンサモジュール902から受け取り、または主体910において前注意キューイングを始動しかつまたは大細胞系反応性の感度を高めることを目指す主体910のためのプログラムを割り出す。光事象モジュール904は、光場出力906によって生成され、出力される光アレイ204の空間および時間の両方の動揺を決定する光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性早期知覚属性の制御を行う。また、光事象モジュール904は、主体910用のプログラムを変えることが可能なゲーム908から情報を受け取る。
本発明のこの実施例においては、ゲーム908は、主体910が、自己の通常視覚認知をある視覚情景を探索する(あるいはこれに注意を集中させる)ために周期的に行使し、これによって主体の注意機構の容量によって課される限界内で視覚情報処理し、保存できるようにする周期型のゲームとして実施される。このように、光事象モジュール904によって決定される制御またはプログラムに基づいて、光場出力906およびゲーム908は前注意キューイングを始動し、かつまたは主体における大細胞系反応性の感度を高める。
この実施例においては、生理学的・力学的センサ1002は、主体910の心拍周期を監視することができるECG(心電図)機械であると仮定する。
また、光事象モジュール904は、光場出力906を介して主体910に伝達される動的環境を作り出すものと仮定する。この動的環境は、コンピュータ画面に表示され、主体の眼球に到達した瞬間、前注意特徴が埋め込まれる視覚的に固有の可変性単純オプティカルフロー場を表す。この動的環境は、基底状態、および光場出力906によって生成され表示される視野刺激を制御する図25〜27に定義されているような18の異なる変動要素(VC)によって定義される。このようにして、光場出力906は、VCを用いて(光事象モジュール904により)アドミニストレータによって定義される特定の光覚性場時空構成設定表示を生成するコンピュータ画面表示に表示される光場を生成する。また、この実施例においては、ゲームモジュール908は(場合によっては)、特定の期間コンピュータ画面表示の中心部を占有する。この実施例の光場出力906の画面表示およびゲームモジュール908を図24に示す。入力機器モジュール2202はマウスであり、主体910が生体運動的にゲーム908に参加できるようにする。
光場出力906の一実施例およびゲームモジュール908を図24に示す。この後詳細に説明するように、この実施例においては、1つの基底状態事象を、光場出力906の画面表示上で視覚的直線形を持つ光事象アイコンの生成として定義する。光事象アイコンの例を図24に示す。次に、本発明のこの実施例における各モジュールについて詳細に説明する。
5.1. 生理学的・力学的センサ
生理学的・力学的センサ1002は、主体910の心拍の機械的周期を監視することができるECG機械を含む。生理学的・力学的センサ1002は、主体910の身体上に配置される(例えば、主体910は1つまたは2つ以上のECG電極を内蔵する心臓胸部ストラップを着用することができる)。心臓の力学的周期活動に対応する信号はワイヤレス手段によって光事象モジュール904に送られる。この手段によって、光事象のあらかじめ選択された基底状態刺激パラメータは、刺激パラメータの変化と共に、主体910の心拍周期の力学的周期運動の選択された基準点に(可変的に動揺する仕方で)同期化することができる。この実施例においては、生成された視覚刺激は、心収縮周期の早期部分(機械的収縮)、または心収縮周期の後期部分(機械的拡張)、あるいは(本発明により決定されるところに従い)その任意の部分と自由に相関づけることができる。非侵襲的に(例えば、頸動脈、鎖骨下動脈または橈骨動脈の動脈圧力波を)監視することによって、主体の心拍周期の収縮期および拡張期を直接示すことができる。これは、圧電センサを用いて非侵襲的に行うこともできる。また、フォトプレチスモグラフィ・トランスデューサ法によって、主体の脈拍を直接得ることにより、機械的心拍周期の収縮期および拡張期を監視することもできる。
ECGは、機械的収縮および機械的拡張という呼び方で知られている心収縮周期の早期部分および後期部分を直接示すものではない。にもかかわらず、これらの早期および後期部分を、主体の性別および平均心拍数のみに従属する関数(数学関数)として本発明のいくつかの実施例にとり十分な近似でもって得ることができる。下記の関数は、大きな標本群のデータから得たものである。心臓機能の特徴を示す主なECG電気事象を図23に示す。QRS群は心室脱分極を示し、P波は心房の脱分極を、T波は心室の再分極を示している。前駆出期(PEP)は、ECGのQ点からECGのS点以後数10ミリ秒まで正常に伸びている。PEPの終端は心室の機械的収縮(MS)の始点を示し、MSはほぼT波の終点で終わる。心室の機械的拡張はMSが終わる点で始まり、P波の後の次のQ点で終わる。心室周期または心拍周期の3つの主部分周期を定義する表現を、性別(MまたはF)および平均心拍数(mHR)の関数として下表に示す。
表: 心周期の部分周期の長さ(ミリ秒)−心拍数(HR;拍/分)の関数
Figure 2005538763
男121名、女90名よりデータ取得、データ出所:ワイスラー他、「ヒトにおける心室機能評価のための臨床技術」、米国心臓病学会誌(Amer J.Cardiol)第23巻、577ペ―ジ、1969年:「ワイスラー他、ヒトの心不全における収縮期の時間間隔」、サーキュレーション(Circulation)第37巻、149ページ、1968年。
5.2 光事象刺激モジュール
光事象モジュール904は、センサモジュール902から情報を受け取り、主体910において前注意キューイングを始動しかつまたは大細胞系反応性の感度を高める主体910のためのプログラム910を割り出す(アドミニストレータによる構成設定に従って)。光事象モジュール904は、光場出力906によって生成され、出力される光アレイ204(図2)の空間および時間の両方の動揺を決定する光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性早期知覚属性の制御を行う。この実施例においては、光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性早期知覚属性は、基底状態および18の異なる変動要素(VC)によって定義されて、光覚性場構造を生成する。光事象は、この実施例では、基底状態として、また基底状態光事象の速度ベクトルおよび/またはそれらの事象の光覚性特性(例えば、色、厚み、寸法、明度、方向、見当識など)の何らかの変化として定義される。
この実施例においては、一つの基底状態事象は、前注意キューイング属性に従って選択される視覚的直線形および白の定義済みRGB色を有するアイコンの生成として定義される。ここでは、1心周期当たり1つの基底状態光事象(または光事象アイコンあるいは光事象の光覚性刺激)だけが主体910の知覚視覚光場に入る。光場出力906におけるコンピュータ画面表示の背景色はRGB(61,17,90)によって定義される。基底状態に対する動揺/変動は、図25乃至27に示すような18の異なるVCによってあたえられるが、これについては後ほど詳細に説明する。所望の目的に従って異なる光覚性場構造を生成するために、アドミニストレータには、18のVCの構成設定を制御するユーザインタフェースが与えられる。例えば、1つの光覚性場構造について、5、10、15あるいはそれ以上のVCを用いることが可能である。図13は、次に説明するように、このVCを構成設定するためにアドミニストレータまたはオペレータによって行われる一連のステップを図解したものである。
図13のステップ1302で、オペレータは、ライブラリ1102における前注意キューイングを引き出すための光学的特徴を選択するとともに、そのような選択関するランダム性および周期性の所望の動揺を選択する。次に、制御はステップ1304に移る。
ステップ1304では、オペレータは、ライブラリ1104における視覚大細胞系の反応性を高めるためのオプションから選択を行うとともに、そのような選択に関するランダム性および周期性の所望の動揺を選択する。次に、制御はステップ1306に移る。
ステップ1306では、オペレータは、ライブラリ1106における光事象の基底状態刺激および/またはそれらの刺激パラメータの変化のための変動要素から選択を行うとともに、そのような選択についてのランダム性および周期性の所望の動揺を選択する。次に、制御はステップ1308に移る。
ステップ1308では、オペレータは、ライブラリ1108における主体の位置に対する光事象の速度ベクトルの相対位置の変化に関する制御パラメータから選択を行うとともに、そのような選択についてのランダム性および周期性の所望の動揺を選択する。次に、制御はステップ1310に移る。
ステップ1310では、オペレータは、ライブラリ1110における光事象の基底状態刺激パラメータおよびそれらの変化と主体の身体における周期性および/または逐次性の不随意駆動される力学的運動との時間相関から選択を行うとともに、そのような選択についてのランダム性および周期性の所望の動揺を選択する。図13のフローチャートの操作はここで終了する。次に、18の異なるVCについて図26および27を参照しつつ説明する。
図26は、主体910の光場出力906のコンピュータ画面表示に知覚的に入り、そこを横切って移動する光事象アイコンのエネルギーパラメータおよび光覚性早期知覚属性を共に時間的に動揺させるために本発明のこの実施例で使用する時間的変動の状態(VC)を図解したものである。図27は、光事象アイコンの光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性早期知覚属性を共に空間的に動揺させるために本発明の実施例で使用する空間VCを図解したものである。ここで、光場出力906は複数の光事象アイコンによって生成されるということは理解されよう。しかし、ここでは、説明を簡略にするため、また図解のため、VCの説明は、単一の光事象アイコンにおける変化に基づいて行う。
ここで重要なのは、本発明は、光事象アイコンの光覚性早期知覚属性および光覚性エネルギーパラメータの両方について、その動揺における最大変動を許容すべくVCの階層を増やすことが可能であるということである。これらの階層は、特定の主体910のためのプログラムを定義するために、アドミニストレータがVCを階層化することによって選択される。VC2501〜2518の階層化の一例を、図41の階層ツリーに図解して示す。この階層構造は、本発明のランダム性/周期性の特徴的機能によって組み換えられ、従って動揺させられる。本発明のこのランダム性/周期性の特徴的機能は、以下に図29を参照して説明するユーザインタフェースを介してアドミニストレータに提供される。本発明の理解を助けるため、まず1つのVCについて説明し、その後、そのVCの詳細を用いてランダム性/周期性の特徴がどのように機能するかを説明する。
まず、図26を参照して、VC2501を説明する。VC2501は、光場出力906の画面表示上における基底状態光事象アイコンの発生および/またはその視覚的変化について3つのオプションが可能である。上に説明したように、1心周期当たり1つの基底状態アイコンが主体910の視覚光場に知覚的に入る。それ故、これらの3つのオプションについて、図28を参照しつつ図解説明する。ここで、光事象アイコンは、主体910の心拍周期の機械的収縮期2802、機械的拡張期2804、または機械的収縮期2802と機械的拡張期2804の両方の間に画面表示を横切って移動する際、知覚的に画面表示に入り、かつまたは変化することができる。アドミニストレータは、例えば、主体910の各心拍周期の機械的拡張期オプションの間に、光場出力906の画面表示上を移動する際、1つの光事象アイコンが知覚的に見えるようにし、かつまたは変化するよう決定することが可能である。このオプションを、本願では、100%と称する。あるいは、アドミニストレータは、次に図29を参照して説明するように、光場出力906の画面表示上における光事象アイコン発生の変動を本発明のランダム性/周期性機能によって大きくするよう決定することができる。
図29は、本発明のアドミニストレータにVC2501と関連する形で提供される一例のユーザインタフェース2900を図解したものである。この場合、本発明によれば、アドミニストレータは、VC2501の変動量を決定することが可能である。例えば、アドミニストレータが、光事象アイコンを各心拍周期毎にその機械的収縮期オプションの間だけ光場出力906の画面表示上に表示させたい、かつまたはその画面表示上で変化させたい場合、アドミニストレータは、ブロック2904に100%と入力し、機械的収縮期ブロック2906にチェックを入れる。構成設定を決定したならば、アドミニストレータは確認ボタン2914を押す。変更ボタン2912は、アドミニストレータが構成設定を変更し、更新できるようにするために設けられている。
もう一つの例においては、3つのオプション(機械的収縮期、機械的拡張期、および機械的収縮期/機械的拡張期)の中の1つについて無作為に光事象アイコンを表示したい場合、アドミニストレータは、ブロック2902に100%と入力し、2906、2908および2910のすべてにチェックを入れる。この場合、本発明は、オプション、すなわち機械的収縮期、機械的拡張期または機械的収縮期/機械的拡張期の中の1つを無作為に選択して、主体910の各心拍周期の間、光場出力906の画面表示上に光事象アイコンおよび/またはその変化を表示させる。本発明のランダム性/周期性という機能的特徴のこの特定の構成設定の場合、また毎分60心拍周期を仮定した場合、これら3つのオプションが毎回無作為に選択される程度は不明であるが、本発明は、まさに、毎分60心拍周期に対して、機械的収縮期オプションが20回選択され、機械的拡張期オプションが20回選択され、そして機械的収縮期/機械的拡張期オプションが20回選択されることを保証する。このランダム性シャッフリングは、例えばブロック2902に80%、ブロック2904に20%と入力することによって周期性の何パーセントかと組み合わせることが可能である。すると、この場合、前の100%のランダム性の構成設定と比較して、選択されたオプションでより高い反復率が保証される。
本発明のこのランダム性/周期性という特徴的機能は、以下に図26および27を参照して説明するすべてのVCに適用される。次に、ライブラリ2502について説明する。
再度図26に戻って、VC2502は、VC2501より系統的に高位の独立した階層を定義し(図41参照)、それ故、光場出力906の画面表示上の光事象アイコンに別の変動レベルを可能にする。VC2501の場合、画面表示上の光事象アイコンの発生および/または変化は各心拍周期毎に起こる(刺激が各心拍周期毎に主体910に与えられる)が、VC2502は、アドミニストレータが系統的に高位の独立階層をVC2501に与えて、各心拍周期毎に画面表示上の光事象アイコンの発生および/またはその変化を無効にできるようにする(各心臓周期毎に刺激が主体910に与えられなくすることができる)。このように、アドミニストレータは、20心拍周期毎に1周期の間、あるいは20心拍周期毎に2周期の間というように光事象アイコンの発生を抑えることで、VC2501を無効にすることができる。次に説明するVC2504(図26)は、VC2501でアドミニストレータが機械的拡張期オプションを選択したとき、VC2501およびVC2502にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。
VC2504では、特定の心拍周期(VC2501で機械的拡張期オプションが選択され、VC2502がこの特定心拍周期の間刺激または光事象アイコンが発生するのを阻止しないと仮定して)に関して、機械的拡張期における3つの連続する光覚性光事象変化の総持続時間の4つのオプションが可能である。これらの4つのオプションについて、図30を参照しつつ図解説明する。図30において、光事象発生(すなわち、主体910に刺激が与えられる)の総持続時間3001は、さらに3つの連続する光覚性光事象変化に分割される。ここで留意しなければならないのは、本発明は、機械的収縮期における2つ以上の連続する光覚性光事象総持続時間変化の総持続時間について、異なるオプションの変動要素を使用することも可能であるということである。これらの連続する光覚性光事象変化を変化3002、変化3004および変化3006として図30に示す。
また、図30には、機械的拡張期における3つの連続する光覚性光事象変化の総持続時間4つのオプションがユーザインタフェース3008に図解されている。図示例のユーザインタフェース3008では、4つのオプションは、80ミリ秒、100ミリ秒、120ミリ秒および140ミリ秒である。図29を参照して説明したように、アドミニストレータは、これら4つのオプションが図25の光事象エンジン1112(図11)によって選択されるランダム性および周期性のパーセンテージを任意に決定することができる。次に説明するVC2503は、VC2501、VC2502およびVC2504にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。
VC2503は、VC2504において機械的拡張期に起こる光事象の間の3つの連続する光覚性変化の2つの振幅波形包絡線形状のオプションを提供する。これらの2つのオプション3102および3104について、図31を参照しつつ図解説明する。この場合も、本発明では、アドミニストレータがオプション3102(ユーザインタフェース3106に「A」で示す)、オプション3104(ユーザインタフェース3106に「B」で示す)、あるいは3102と3104の両方のオプションの中から選択することが可能なユーザインタフェース3106を提供する。そして、アドミニストレータは、上に図29を参照して説明したように、ランダム性および周期性のパーセンテージを指定する。次に説明するVC2518は、VC2501、VC2502、VC2504およびVC2503にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。
VC2518は、空間VC(図27)で、4種類の光事象アイコンの濃厚さ(画素数として定義される)の中から選択をすることができる。光事象アイコンの濃厚さは、VC2503における機械的拡張期に発生する光事象の間に、異なる3つの連続する光覚性変化の範囲内で変化し得る。アイコンの濃厚さの4つの異なるオプションの選択例として、図32のユーザインタフェース3202に画素濃度6、8、10および12が示されている。他のVCでも説明したように、本発明によれば、アドミニストレータは、アイコンの濃厚さの4つの異なるオプションに関するランダム性および周期性のパーセンテージを指定することができる。次に説明するVC2505(図26)は、VC2501でアドミニストレータが機械的収縮期オプションを選択したとき、VC2501およびVC2502にもう一つ別のレベルの系統的階層を提供する(図41参照)。
VC2505では、特定の心拍周期(VC2501で機械的収縮期オプションが選択され、VC2502がこの特定心拍周期の間刺激または光事象アイコンが発生するのを阻止しないと仮定して)に関して、機械的収縮期における光事象アイコン(刺激の持続期間)の4つのオプションが可能である。これらの4つのオプションについて、図33を参照しつつ図解説明する。図33において、光事象アイコン発生(すなわち、主体910に刺激が与えられる)の総持続時間3301が示されている。ここで留意しなければならないのは、VC2504と異なり、総持続時間3301はさらに3つの連続する光覚性光事象変化には分割されないということである。総持続時間のいくつかの値の例が一例のユーザインタフェース3302に示されている。図示例のユーザインタフェース3302では、4つのオプションは、60ミリ秒、61ミリ秒、65ミリ秒および70ミリ秒である。他のVCについて上に説明したように、アドミニストレータはVC2505でランダム性および周期性のパーセンテージを決定することができる。次に説明するVC2506は、VC2501でアドミニストレータが機械的収縮期オプションを選択したとき、VC2501、VC2502およびVC2505にもう一つ別のレベルの系統的階層を提供する(図41参照)。
VC2506は、VC2505において機械的収縮期に光事象アイコンの総持続時間3301が始まるまでの時間遅延の4つのオプションを提供する。この時間遅延3404は、図34に示すように、ECG波形における基準点3402を基準として測定される。時間遅延3404のいくつかの値の例が一例のユーザインタフェース3406に示されている。図示例のユーザインタフェース3406では、4つのオプションは、200ミリ秒、225ミリ秒、250ミリ秒および275ミリ秒である。 この場合も、アドミニストレータはVC2506でランダム性および周期性のパーセンテージを決定することができる。次に説明するVC2507は、(機械的収縮期ではなく)機械的拡張期における時間遅延のオプションを提供するという点以外は、VC2506と同様である(図41参照)。
VC2507は、VC2504において機械的拡張期に光事象アイコンの総持続時間3001(図30)が始まるまでの時間遅延の8つのオプションを提供する。この時間遅延3502は、図35に示すように、ECG波形における基準点3402を基準として測定される。時間遅延3502のいくつかの値の例が一例のユーザインタフェース3504に示されている。図示例のユーザインタフェース3504では、8つのオプションは、400ミリ秒、425ミリ秒、450ミリ秒および475ミリ秒、500ミリ秒、525ミリ秒、550ミリ秒、および575ミリ秒である。この場合も、アドミニストレータはVC2507でランダム性および周期性のパーセンテージを決定することができる。次に説明するVC2508は、VC2501、VC2502、およびVC2504にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。
VC2508は、VC2504において機械的拡張期に起こる光事象の間の3つの連続する光覚性変化の各々について7つ色オプションを提供する(図30)。これらの7つの色オプションは各々RGBの形で定義される。上に述べたように、アドミニストレータは所望のランダム性および周期性のパーセンテージを指定することができる。空間VC2511は、VC2501にもう一つ別のレベルの系統的階層を提供するが、次に、これについて残りの時間VC(VC2512、VC2513およびVC2514)の図解説明を助ける形で説明する(図41参照)。
VC2511は空間VCとして定義され(図27)、VC2501およびVC2502にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える。VC2511は、光事象アイコンが主体910の光場出力906の画面表示上に知覚的に出現することが可能な画面表示ゾーンの4つのオプションを提供する。光場出力906の一実施例を図36に示す。4つのオプションとしては、(点3602から点3604までの間に区画される)画面表示の左上ゾーン、(点3604から点3606までの間に区画される)画面表示の右上ゾーン、(点3606から点3608までの間に区画される)画面表示の右下ゾーンおよび(点3608から点3602までの間に区画される)画面表示の左下ゾーンがある。この場合も、本発明は、アドミニストレータにVC2511の所望のランダム性および周期性のパーセンテージを構成設定するためのユーザインタフェースを提供する。次に説明するVC2512は、VC2511にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。
VC2512には、VC2511で定義されたゾーンから光事象アイコンが知覚的に出現し続けられる4つの可能な期間がある。VC2511の場合同様、本発明は、アドミニストレータにVC2512の所望のランダム性および周期性のパーセンテージを構成設定するためのユーザインタフェースを提供する。次に説明するVC2513は、VC2511にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。
VC2513には、光事象アイコンがVC2511で定義されたゾーンから知覚的に出現したとき、そのアイコンがその間に光場出力906の画面表示を横切って移動しなければならない期間についての4つの可能な合計時間がある。ここで利用可能な期間についての合計時間は、主体910の経過心拍周期数として算出される。光事象アイコンが画面表示を横切って知覚的に移動する期間についての合計時間は、心拍周期数で例えば10周期、20周期、100周期である。この場合も、本発明は、アドミニストレータにVC2513の所望のランダム性および周期性のパーセンテージを構成設定するためのユーザインタフェースを提供する。次に説明するVC2514は、VC2511にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。
VC2514には、光事象アイコンが主体910のVC2511で定義されたゾーンから知覚的に出現したとき、そのアイコンがその間に光場出力906の画面表示を横切って移動する際の速度を変えることについて、3つの可能なオプションがある。速度オプションの例としては、アイコンが画面表示に出現した知覚的瞬間からアイコンが知覚的に画面表示を去るまでの間に、アイコン速度を増すオプション(加速)、アイコン速度を減じるオプションがある。移動距離およびアイコンがその距離を移動する間の心拍周期数は既知であるから、アイコンの初速およびその変化は光事象エンジン1112によって計算することができる。この場合も、本発明は、アドミニストレータにVC2514の所望のランダム性および周期性のパーセンテージを構成設定するためのユーザインタフェースを提供する。空間VC2511については既に上に説明したので、次に残りの空間VC(図27)について説明する。
次に説明するVC2515は、VC2511にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。VC2515は、VC2511によって与えられる4つの各オプションの画面表示ゾーンをさらに4つのサブゾーンに分割する。これらのサブゾーンを、(図36の点3602と点3604によって区画される)左上画面表示ゾーンのみについて図37に示す。この場合、左上画面表示ゾーンのサブゾーンのオプションには、点3602から点3702までの間、点3702から点3704までの間、点3704から点3706までの間、および点3706から点3604までの間にそれぞれ区画されるサブゾーンがある。図37には示していないが、VC2511との関連で説明した他のすべての画面表示ゾーンも同様にサブゾーンに分割される。これで、VC2515には、光事象アイコンがそこから主体910の光場出力906の画面表示上に知覚的に出現することが可能な合計16の場所/オプションが得られる。この場合も、本発明は、アドミニストレータにVC2515の所望のランダム性および周期性のパーセンテージを構成設定するためのユーザインタフェースを提供する。
VC2516は、VC2515にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。VC2516は、VC2515で区画された16の異なる各サブゾーンをさらに分割する。本発明によるこの分割の方法の一例を図38に示す。このばあい、(図37の点3602と点3702によって区画される)サブゾーンは、点3602と点3802、点3802と点3804によってそれぞれ区画されるサブゾーン、および以下同様に区画されるサブゾーンにさらに分割される。この場合も、VC2515との関連で説明した他のすべてのサブゾーンも、同様により小さいサブゾーンに分割される。これによって、VC2516には、光事象アイコンがそこから主体910の光場出力906の画面表示上に知覚的に出現することが可能な合計128の場所/オプションが得られる。この場合も、本発明は、アドミニストレータにVC2516の所望のランダム性および周期性のパーセンテージを構成設定するためのユーザインタフェースを提供する。次に説明するVC2517は、VC2516にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。
VC2517は、VC2516で区画された8つの各サブゾーン毎に、光事象アイコンが知覚的に出現したサブゾーンとそれぞれ反対側のサブゾーンに終わる、あるいは達する仕方について8つの異なるオプションがある。ここで、VC2517について、図39を参照しつつさらに詳細に説明する。点3602と点3702との間に区画されるサブゾーンとそれぞれ反対側のサブゾーンが、図39に点3606と点3902との間に区画されるサブゾーンとして示されている。例えば、VC2516に区画されるサブゾーン(例えば、点3806と点3808とによって区画されるゾーン)に知覚的に出現する光事象アイコンの場合、VC2517では、点3606から点3904までの間、点3904から点3906までの間、点3906から点3908までの間、点3908から点3910までの間にそれぞれ画定されるサブゾーンおよび以下同様に区画されるサブゾーンを含む8つの異なる知覚的終了サブゾーンがある。この場合も、本発明は、アドミニストレータにVC2517の所望のランダム性および周期性のパーセンテージを構成設定するためのユーザインタフェースを提供する。次に説明するVC2509は、VC2501、VC2502、VC2504およびVC2503にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。
VC2509は、光場出力906の画面表示の全幅の部分長さとして与えられる光事象アイコンの長さの選択を可能にする。光事象アイコンの長さは、VC2503における機械的拡張期に発生する光事象の間に、異なる3つの連続する光覚性変化の範囲内で可変である。アイコンの長さについての2つの異なるオプション選択例としては、画面表示の全幅の1/20および1/100がある。他のVCでも説明したように、本発明によれば、アドミニストレータは、アイコンの長さの4つの異なるオプションに関するランダム性および周期性のパーセンテージを指定することができる。次に説明するVC2510は、VC2501、VC2502、VC2504およびVC2503にもう一つ別のレベルの系統的階層を与える(図41参照)。
VC2510では、光事象アイコンの図形について「N」のオプションからの選択が可能であり、この場合、知覚的に別個の図形は、アイコンの形状を定義する線のターミネータの数および/または相対長さが異なっている。 これらのオプションは、VC2503における機械的拡張期に発生する光事象の間に、異なる3つの連続する光覚性変化の範囲内で可変である。本発明においては、アドミニストレータは、光事象アイコンの図形の2つ以上の異なるオプションに関するランダム性および周期性のパーセンテージを指定することが可能である。次に、光場刺激出力モジュール906について説明する。
5.3 光場刺激出力モジュール
本発明によって得られる動的環境は、基底状態、および光場出力906によって生成され表示される視野刺激を制御する18の異なる変動要素変動の成分(VC2501〜VC2518)によって定義される。このようにして、光場出力906は、例えば、コンピュータ画面表示に表示される光場を生成し、VC2501〜VC2518を用いて(光事象モジュール904により)アドミニストレータによって定義される特定の光覚性場時空構成設定を生成する。ゲーム用の中央ウィンドウは、周期に表示することが可能である。ゲームがある場合は、図24は、光場出力906の画面表示の実施例を示す。
図24に示すように、またVC2501〜VC2518に関連して上に説明したように、光場出力906は、制御された基底状態のコントラスト色の画面表示背景に対して、同じ方向および同じ見当識で次々に直線的に移動する少なくとも1つの連続した一次元光事象アイコンのアレイの形に構成設定された光覚性刺激の表示を生成し、主体910はこれを認知する。主体910の光場出力906の画面表示上の定義済み点におけるすべての潜在知覚的に出現する光事象アイコンの空間構成の目的は、特定の単純オプティカルフロー型の知覚現象を生成することである。上に説明したように、光事象アイコンの時間的・空間的分布は、(アドミニストレータによる構成設定に従って)光事象刺激モジュール904により制御される。ゲームは(ゲームモジュール908を介して)、光学的視野の中央、および別個の中央ウィンドウの内部に周期的に表示され、認知される。ゲームが表示されている間、光事象アイコン視野によって伝達される動的環境は、主体910に対して知覚的に表示され続ける。これによって、奥行きについての視覚的(他者中心の)錯覚が生じ、この錯覚は、中央ウィンドウが表示された時の視覚の動的環境があたかも第三次元で構成されているかの如く主体910の通常知覚によって内面化され、主体910を顕著な刺激に向けて方向付けるのを助ける(前注意キューイング)。光事象アイコン知覚視野によって生成される動的環境が主体910の網膜周縁域の活性化に役立つように、主体は、自己の中心視野をゲームモジュール908によってゲームの生体運動行為に意図的に投入し続ける(注意を集中し続ける)よう指示される。次に、ゲームモジュール908についてより詳細に説明する。
5.4. ゲーム/エンターテインメントプログラム・モジュール
また、この実施例においては、ゲームモジュール908は、図24に示すように、(場合によっては)コンピュータ画面表示の中心を占有することが視覚的に認知されるゲームを生成する。入力機器モジュール2202はマウスであり、主体910が生体運動的にゲームに参加できるようにする。図24に示すように、ゲームモジュール908は、中央ウィンドウの中心部に表示される数本の垂直に配向された線を生成する。これらの垂直に配向された線は、例えば、一定振幅または可変振幅の正弦曲線状に表示される。 垂直に配向された線は、ブロック内を上から下へ、あるいは下から上へ、制御された速度で移動する。これらの垂直に配向された線の離隔距離は、知覚的に出現する光事象アイコン用の画面表示における位置点間の離隔距離と任意に整数関係または分数関係となるように設定することができる。
好ましくは、本発明は、ゲームモジュール908で、黒、グレーおよび白を含め、主体910の大細胞系細胞の最も効率的な反応性を始動する色を使用する。また、ゲームモジュール910は、垂直に配向された線を横切る一水平方向に沿って右または左へ主体910によって生体運動的に動かすことができるアイコン、例えば自動車形状のアイコンを生成する。アイコン、例えば自動車の色は、主体910の小細胞系細胞の顕著な反応性を促進するために、赤や黄にすることもできる。主体910は、各ゲーム時に、垂直に配向された線の垂直方向移動に関わらず、アイコン、あるいは、例えば自動車を垂直に配向された線の中間の点のできるだけ近くに生体運動的に保つよう指示される。
本発明は、任意態様として、主体910に、生体運動的にアイコン、あるいは、例えば自動車を上記中間点にできるだけ近く維持する主体の能力を反映したゲーム終了時にもらえる報償得点を提供することが可能である。主体910は、その得点基づいて報償を受け取ることができる。
また、本発明では、ゲームモジュール908に固有の変動要素を設けることも可能である。このような変動要素には、次のようなものがある:光場刺激出力モジュール908の画面表示上のゲームモジュール908の位置を動揺させること;ゲームモジュール908の形状(例えば、長方形、正方形、マークなど)を動揺させること;ゲームモジュール908が光場刺激出力モジュール908の画面表示上に現れるタイミングを動揺させること;ゲームモジュール908の色、光強度、および/または彩度を動揺させる。また、ゲームモジュール910のもう一つの動揺として、テーマ(例えば、車の運転、飛行機の操縦、ボートの操縦など)を動揺させることも可能である。さらに、ゲームモジュール908のもう一つの動揺として、テーマ出現の順番を動揺させることも可能である。
6.テレビ、広告板の標識、乗物の風防ガラス、およびコンピュータソフトウェア・プログラムにおける本発明の実施例
本発明の他の実施例においては、光場刺激出力モジュール906をテレビ、広告板の標識、乗物の風防ガラス、およびコンピュータソフトウェア・プログラムなどに実装して(この場合、それらのテレビ、広告板の標識、乗物の風防ガラス、およびコンピュータソフトウェア・プログラムはゲーム/エンターテインメントプログラム/モジュール908の機能を果たす)、主体において視覚的過渡刺激に対する前注意キューイングを始動しかつまたは大細胞系反応性の感度を高めるよう構成する。光場刺激出力モジュール906をテレビに実装した本発明の一実施例光場刺激出力モジュールを図42に示す。
図42に示す一実施例において、光場刺激出力モジュール906は、上に説明したように機能する。テレビ4202は、ゲーム/エンターテインメントプログラム/モジュール908との関連で上に説明した機能を少なくとも一部具有することが可能である。例えば、テレビ番組を見ているとき、主体は、自己の通常視覚認知を視覚情景(すなわち、主体が現在見ているテレビ番組)上で探索を行う(あるいはこれに注意を集中させる)ために行使することによって、視覚情報を主体の注意機構の容量によって課される限界内で処理し、記憶する。このことは、主体が読もうとしている広告板の標識、主体が車を運転中に自己の注意を集中する風防ガラス、および主体が仕事をしているとき使うコンピュータソフトウェア・プログラム(例えば、ワープロソフト)についても言える。本発明は、主体が自己の通常知覚を視覚情景に注意を集中させるために行使することが必要な日常生活における多くの情況まで含めて適用可能であることは自明であろう。
7. 読書時における眼球の緩徐円滑性追跡運動および動揺に関する本発明の実施例
自己中心空間104(図1)のマッピングを満足するバリスティック眼球運動には2種類があり、それらは、サッカードおよび緩徐円滑性追跡運動を含め、SCおよび小脳によって制御される種類の運動である。一実施例において、本発明は、読書している主体の眼球の円滑性追跡運動を、主体によって読まれる記号(単語、文字、数字など)を主体が読む際に画面表示を横切って直線的に並進状にゆっくり移動するよう表示することによって助成する。また、本発明は、主体の眼球におけるサッカードを、画面表示上の記号を主体が読む際にその1つまたは2つ以上の記号の色、寸法、フォント、図形外観などを変えることにより時々動揺させることによって助長する。記号の直線並進運動(移動)および動揺は共に、上に説明した生理学的・力学的活動センサモジュール902(図9)を介して主体の生理学的・力学的活動により調整される。
8. 結語
以上、本発明のいくつかの実施例を説明したが、これらの実施例は例示説明のためのものであり、本発明に対して限定的な意味を有するものではない。この技術分野の当業者ならば、特許請求の範囲に記載する本発明の精神および範囲を逸脱することなく形式においても詳細構成においても本発明に種々の修正・変更をなすことが可能なことは理解されよう。故に、本発明の広さおよび範囲は上に説明した実施例によっては限定されず、特許請求の範囲の記載およびその等価技術によってのみ限定されるものである。本願明細書に引用した各文献は、参照によってそのすべてを本願に援用する。
図1は、本発明の一実施例における臟側空間、自己中心空間および他者中心空間を含め、すべての人間に本来備わっている3つの空間類型を示す。 図2は、本発明の一実施例における単色光アレイの構成の一般例を示す。 図3は、本発明の一実施例における表面を貫通して出現する複数の単色光アレイの例を示す。 図4は、人間の知覚者の目が、本発明の一実施例における光場からの光路を途中で遮っている様子を示す。 図5は、本発明の高水準概要を示すフローチャートを示す。 図6は、本発明の一実施例における眼球レベルを図解したものである。 図7は、本発明が、本発明の一実施例において主体に提供される光場における早期知覚光事象およびエネルギー光事象を制御することによって主体における自己中心/他者中心間の動的釣り合いを転移させる方法を図解した高水準フローチャートである。 図8は、本発明が、本発明の一実施例において、光アレイの光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性早期知覚属性を制御することにより、前注意キューイングを始動し、かつまたは主体における大細胞系反応性の感度を高める方法を図解したものである。 図9は、本発明の一実施例におけるシステム環境の一例を示すブロック図である。 図10は、本発明の一実施例における1つまたは2つ以上の生理学的・力学的センサおよび信号調整モジュールで構成されたセンサモジュールを図解したものである。 図11は、本発明の一実施例における光事象モジュールを図解したものである。 図12は、本発明の一実施例における3つのモジュールで構成された光場刺激出力モジュールを図解したものである。 図13は、本発明の一実施例における変動要素(VC)を構成設定するためにアドミニストレータまたはオペレータによって行われる一連のステップを図解したものである。 図14は、本発明の一実施例における前注意キューイングを惹起するための光学的特徴の例を図解したものである。 図15は、本発明の一実施例における視覚大細胞系の反応性を高めるためのオプションの例を図解したものである。 図16は、本発明の一実施例における光事象の基底状態(Gs)刺激および/または刺激パラメータの変化に関する変動要素(VC)のオプション例を図解したものである。 図17は、本発明の一実施例における主体の位置に対する光事象の速度ベクトルの知覚相対位置の変化に関する制御パラメータのオプション例を図解したものである。 図18は、本発明の一実施例における光事象の基底状態刺激パラメータ、それらの動揺およびそれらの変化と主体の身体における周期性および/または逐次性の不随意駆動される力学的運動との時間相関の例を図解したものである。 図19は、本発明の一実施例における各々いくつかのディストラクタと1つの目標を示す種々の光学的特徴を図解したものである。 図20は、本発明の一実施例における各白黒セクタ交番周期当たりの白黒セクタの交番等角度周波数を図解したものである。 図21は、本発明の一実施例における刺激パラメータおおよび/または刺激変化の間の時間間隔の持続期間が短い時間変動を特徴とする過渡刺激を図解したものである。 図22は、読書障害の主体の症状を改善するために使用することができる本発明の一実施例を図解したものである。 図23は、本発明の一実施例における心臓機能を特徴とする主なECG電気事象を図解したものである。 図24は、本発明の一実施例における光場刺激出力モジュールおよびゲーム/エンターテインメントプログラム・モジュールを図解したものである。 図25は、本発明の一実施例における変動要素(VC)を図解したものである。 図26は、本発明の一実施例における時間変動要素(VC)を図解したものである。 図27は、本発明の一実施例における空間変動要素(VC)を図解したものである。 図28は、本発明の一実施例における、心周期当たり1つの基底状態アイコンが知覚的に主体の視覚光場に入る変動要素を図解したものである。 図29は、本発明の一実施例における、変動要素のランダム性および周期性を調節するために本発明のアドミニストレータに提供されるユーザインタフェースの一例を図解したものである。 図30は、本発明の一実施例における、機械的拡張期の3つの連続する光覚性光事象変化の総持続時間について4つのオプションを可能にする変動要素を図解したものである。 図31は、本発明の一実施例における、機械的拡張期に生じる光事象の間の3つの連続する光覚性変化について2つの振幅波形オプションを可能にする変動要素を図解したものである。 図32は、本発明の一実施例における、4種類の光事象アイコンの濃厚さ(画素数として定義される)の選択を可能にする変動要素を図解したものである。 図33は、本発明の一実施例における、機械的収縮期の光事象アイコンの総持続時間(刺激の持続期間)について4つのオプションを可能にする変動要素を図解したものである。 図34は、本発明の一実施例における、機械的収縮期で光事象アイコンの総持続時間が始まるまでの時間遅延について4つのオプションを可能にする変動要素を図解したものである。 図35は、本発明の一実施例における、機械的拡張期で光事象アイコンの総持続時間が始まるまでの時間遅延について8つのオプションを可能にする変動要素を図解したものである。 図36は、本発明の一実施例における、光事象アイコンが光場出力の画面表示上に出現することが可能な画面表示ゾーンについて4つのオプションを可能にする変動要素を図解したものである。 図37は、本発明の一実施例における、可能な画面表示ゾーンの4つの各オプションをさらに4つのサブゾーンに分割する変動要素を図解したものである。 図38は、本発明の一実施例における、16のサブゾーンをさらに分割する変動要素を図解したものである。 図39は、本発明の一実施例における、光事象アイコンが知覚的に出現するサブゾーンとそれぞれ反対側のサブゾーンに知覚的に終わる、あるいは達する仕方について8つの異なるオプションを可能にする変動要素を図解したものである。 図40は、本発明一実施例における、光事象エンジンおよび他のモジュールを実施するため使用するコンピュータシステムを図解したものである。 図41は、本発明の一実施例における変動要素の階層ツリーの一例を図解したものである。 図42は、テレビと関連した形の本発明の一実施例を図解したものである。

Claims (209)

  1. 主体の早期視覚運動認知に取り組む方法であって:
    (1)光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性知覚属性を制御することによって、主体の過渡視覚刺激に対する大細胞系活動において前注意キューイングを始動するかあるいは反応性を高めるステップと;
    (2)該光覚性エネルギーパラメータおよび該光覚性知覚属性に基づいて光事象よりなる光場を生じさせるステップで、該光場が該主体の知覚視野で単純オプティカルフローに変換されるステップと;
    を包含する、方法。
  2. 前記ステップ(1)が:
    光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性知覚属性を制御することによって、主体の過渡視覚刺激に対する大細胞系活動において前注意キューイングを始動しかつ反応性を高めるステップ;を包含する、請求項1記載の方法。
  3. 前記光覚性エネルギーパラメータが、光アレイのエネルギー特性よりなる、請求項1記載の方法。
  4. 前記光アレイのエネルギー特性が、波長、振幅、光強度、位相、偏光、コヒーレンス、色相、明度、および彩度の中の少なくとも1つを包含する、請求項3記載の方法。
  5. 前記光アレイのエネルギー特性が、主体中に主体が遅延させるかまたは抑制することができる運動活動を引き起こす、請求項3記載の方法。
  6. 前記運動活動が意思伝達活動である、請求項5記載の方法。
  7. 前記運動活動が、主体による顔面運動、眼球運動、指差運動、および言葉による報告の中の1つ以上の運動を包含する、請求項6記載の方法。
  8. 前記光アレイのエネルギー特性が、該光アレイのエネルギー特性の中の少なくとも光強度が十分大きいとき、主体中に切迫性バリスティック動作を引き起こし得る、請求項5記載の方法。
  9. 前記光覚性知覚属性が、前記光事象の時空パターニングを含む、請求項1記載の方法。
  10. 前記時空パターニングが、前記主体により認知可能であり、かつ前記光事象の少なくとも運動、位置、方向、持続期間、および見当識の1つ以上の認知可能な変化を包含する、請求項9記載の方法。
  11. 前記運動が単純運動を包含する、請求項10記載の方法。
  12. 前記単純運動が、一次元運動または何らかの形の平面運動を包含する、請求項11記載の方法。
  13. 前記単純運動が、主体による自発運動を引き起こさない、あるいは主体に向かう、あるいは主体から遠ざかる客体運動の主体による通常弁別認知行為を引き起こさない、請求項11記載の方法。
  14. 前記単純運動が、主体における通常知覚によって情報を処理させない運動についての黙視的意識を包含する、請求項11記載の方法。
  15. 前記光事象の前記時空パターニングが、主体の身体部位に切迫性バリスティック動作を引き起こす、請求項9記載の方法。
  16. 前記切迫性バリスティック動作が、身体部位の力学的運動を包含する、請求項15記載の方法。
  17. 前記身体部位の力学的運動が、主体の全身にわたって知覚的に物理的に分散している、請求項16記載の方法。
  18. 前記身体部位の力学的運動が、主体の臟側空間にわたって物理的に分散した目標器官および筋肉の運動である、請求項16記載の方法。
  19. 前記身体部位の力学的運動が、主体の臟側空間にわたって物理的に分散した目標器官および筋肉の運動である、請求項16記載の方法。
  20. 前記身体部位の力学的運動が、リーチングのための1つ以上の腕動作、指開(finger aperture)運動、把持のための手の運動、方向付けのための眼球サッカード運動、円滑性眼球追跡運動、頭部運動、咀嚼運動、頸部運動および腰部運動を含む、請求項16記載の方法。
  21. 前記切迫性バリスティック動作が、主体の自己中心空間における1つ以上の身体部位の力学的運動である、請求項15記載の方法。
  22. 前記切迫性バリスティック動作が、主体の可到達空間における遅延させることができない、いったん開始されると中断することができない、非意思伝達性であって、前注意時間事象のタイムスパンで起こる遠近運動を包含する、請求項20記載の方法。
  23. 前記切迫性バリスティック動作が、全体で切迫性運動目標を達成するNの身体部位の逐次力学的運動を包含する、請求項15記載の方法。
  24. 前記ステップ(1)および(2)が:
    前記切迫性バリスティック動作を始動することによって、早期知覚により主体の自己中心空間に関する情報の抽出および統合を容易にするステップ;
    を包含する、請求項20記載の方法。
  25. 前記ステップ(1)および(2)が:
    前記切迫性バリスティック動作を始動することによって、早期知覚により主体の自己中心空間に関する情報の抽出および変換を容易にするステップ;
    を包含する、請求項20記載の方法。
  26. 前記ステップ(1)および(2)が:
    前記切迫性バリスティック動作を始動することによって、主体の大細胞系活動における過渡刺激反応性を高めるステップ;
    を包含する、請求項20記載の方法。
  27. 前記ステップ(1)および(2)が:
    前記切迫性バリスティック動作を始動することによって、主体の感覚運動行動を効果的に誘導するステップ;
    を包含する、請求項20記載の方法。
  28. 請求項1記載の方法であって、さらに:
    前記光覚性エネルギーパラメータおよび前記光覚性知覚属性の制御を調節することによって、主体の認知性意識なしに早期運動認知から情報を抽出するための大細胞系反応性を高める調節ステップ;
    を包含する、方法。
  29. 前記調節ステップが:
    前記光覚性エネルギーパラメータおよび前記光覚性知覚属性の前記光事象の生成における関与を調整する調整ステップ;
    を包含する、請求項27記載の方法。
  30. 前記調整ステップが:
    前記光覚性エネルギーパラメータおよび前記光覚性知覚属性の前記光事象の生成における関与を調整することによって、該光事象のエネルギー衝撃を制御するステップ;
    を包含する、請求項28記載の方法。
  31. 前記調整ステップが:
    前記光覚性エネルギーパラメータおよび前記光覚性知覚属性の前記光事象の生成における関与を調整することによって、該光事象の早期知覚時空間的影響を調節するステップ;
    を包含する、請求項29記載の方法。
  32. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を包含する、請求項1記載の方法。
  33. 請求項1記載の方法であって、さらに:
    主体からのフィードバックに基づいて前記光事象の時間相関を取る時間相関ステップ;
    を包含する、方法。
  34. 前記時間相関ステップが:
    前記光事象と主体の不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作との時間相関を取るステップ;
    を包含する、請求項32記載の方法。
  35. 前記不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作が、主体の心臓および肺臓の1つ以上における少なくとも1つの以上の周期運動;
    を包含する、請求項33記載の方法。
  36. 主体の前記不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作が、主体の瞬目;
    を包含する、請求項33記載の方法。
  37. 前記時間相関ステップが:
    (a)前記光事象の1つ以上の事象と主体の1つ以上の不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作との時間相関を取るステップ;
    を包含する、請求項32記載の方法。
  38. 前記ステップ(a)が:
    前記光事象の1つ以上の事象と主体の連続的に不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作との時間相関を取るステップ;
    を包含する、請求項36記載の方法。
  39. 前記ステップ(a)が:
    前記光事象の1つ以上の事象と主体の非連続的に不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作との時間相関を取るステップ;
    を包含する、請求項36記載の方法。
  40. 主体の前記不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作が、主体による逐次的指軽打;
    を包含する、請求項36記載の方法。
  41. 主体の前記不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作が、主体の歩行または腕・手振り;
    を包含する、請求項36記載の方法。
  42. 前記時間相関ステップが、前記光事象の初期化を伴う、請求項32記載の方法。
  43. 前記時間相関ステップが、前記光事象の持続期間にわたり、かつ前記光事象の早期認知行為時における情報の抽出が、切迫性逐次運動動作における持続時間に関するフィードフォワード予測の生成をもたらす、請求項32記載の方法。
  44. 請求項1記載の方法であって、さらに:
    前記光事象の動揺を発生させ、生成する発生・生成ステップ;
    を包含する、方法。
  45. 前記発生・生成ステップが:
    ランダム動揺を発生させ、生成するステップ;
    を包含する、請求項43記載の方法。
  46. 前記発生・生成ステップが:
    周期動揺を発生させ、生成するステップ;
    を包含する、請求項43記載の方法。
  47. 前記発生・生成ステップが:
    各々周期成分およびランダム成分を含む動揺を発生させ、生成するステップ;
    を包含する、請求項43記載の方法。
  48. 前記発生・生成ステップが:前記光事象の動揺を発生させ、生成することによって、過渡刺激のための大細胞系活動の反応性を高めるステップ;
    を包含する、請求項43記載の方法。
  49. 前記動揺が可変性である、請求項43記載の方法。
  50. 前記動揺が固有の可変性動揺である、請求項48記載の方法。
  51. 前記動揺が、近似的に固有の可変性動揺である、請求項48記載の方法。
  52. 前記発生・生成ステップが:
    主体の知覚視野の空間ドメインに光事象の動揺を発生させ、生成するステップ;
    を包含する、請求項43記載の方法。
  53. 前記発生・生成ステップが:
    前記光事象の時間動揺を発生させ、生成するステップ;
    を包含する、請求項43記載の方法。
  54. 前記発生・生成ステップが:
    前記光事象の時空動揺を発生させ、生成するステップ;
    を包含する、請求項43記載の方法。
  55. 前記発生・生成ステップが:
    前記光覚性エネルギーパラメータの1つ以上を制御することによって前記動揺を発生させ、生成するステップ;
    を包含する、請求項43記載の方法。
  56. 前記発生・生成ステップが:
    前記光覚性知覚属性の1つ以上を制御することによって前記動揺を発生させ、生成するステップ;
    を包含する、請求項43記載の方法。
  57. 前記発生・生成ステップが:
    前記光覚性エネルギーパラメータの1つ以上および前記光覚性知覚属性の1つ以上を制御することによって前記動揺を発生させ、生成するステップ;
    を包含する、請求項43記載の方法。
  58. 前記ステップ(2)が:
    持続期間が250ミリ秒より短い光事象を生成するステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  59. 前記ステップ(2)が:
    持続期間が200ミリ秒より短い光事象を生成するステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  60. 前記ステップ(2)が:
    前記主体における固有の可変性生理学的・力学的活動と共に主体の知覚視野内で光像の動揺を始動する複数の前記光事象を、複合オプティカルフローが生成されるように組織するステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  61. 前記光事象が、単純オプティカルフローが生成されるように束縛される、請求項59記載の方法。
  62. 前記単純オプティカルフローが、各々主体の知覚視野で動く1つ以上の光事象を含む1つ以上の知覚アレイを包含するに請求項60記載の方法。
  63. 同じ知覚アレイにおける光事象が、前記知覚視野への単一の入口点、および前記知覚視野からの単一の離脱点を含み、知覚的に同じ経路をたどる、請求項61記載の方法。
  64. 同じ知覚アレイにおける光事象は同じ知覚見当識を有する、請求項62記載の方法。
  65. 同じ知覚アレイにおける1つ以上の光事象が、前記知覚視野を横切って移動する際、知覚見当識が逆になる、請求項62記載の方法。
  66. 同じ知覚アレイにおける1つ以上の光事象が、200ミリ秒以下のタイムスパンで前記知覚視野を横切って移動する際、知覚見当識が逆になる、請求項62記載の方法。
  67. 前記単純オプティカルフローが:
    前記知覚視野に少なくとも部分的に表示されるnの知覚アレイと;
    それらの各知覚アレイで動くmの光事象と;
    を包含し、
    各知覚アレイの光事象が、所定の対の点を通じて知覚視野知覚的に出現し、離脱する;
    請求項60記載の方法。
  68. 請求項66記載の方法であって、さらに:
    前記単純オプティカルフローを前記知覚視野内の単純並進運動として維持しつつ、各知覚アレイについての前記n、mおよび前記対の点の少なくとも1つを変えるステップ;
    を包含する、方法。
  69. 前記単純運動が、一次元運動または何らかの形の平面運動を包含する、請求項67記載の方法。
  70. 前記光事象が基底状態および励起基底状態を包含し、各基底状態がデフォルト条件の光事象を包含し、前記ステップ(2)が:
    基底状態を変えることによって励起基底状態を生じさせるステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  71. 前記ステップ(2)が:
    前記基底状態の全体的図形外観を変えるステップ;
    を包含する、請求項69記載の方法。
  72. 前記ステップ(2)が:
    前記基底状態の寸法を変えるステップ;
    を包含する、請求項69記載の方法。
  73. 前記ステップ(2)が:
    前記基底状態の図形要素の寸法を変えるステップ;
    を包含する、請求項69記載の方法。
  74. 前記ステップ(2)が:
    前記基底状態の図形要素の数を変えるステップ;
    を包含する、請求項69記載の方法。
  75. 前記ステップ(2)が:
    (a)前記基底状態の全体的図形外観;
    (b)前記基底状態の寸法;
    (c)前記基底状態の図形要素の寸法;および
    (d)前記基底状態の図形要素の数;
    の1つ以上を変えるステップを包含する、請求項69記載の方法。
  76. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を包含し、前記ステップ(2)が:
    前記基底状態の図形要素のを選択する選択ステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  77. 前記選択ステップが:
    前記図形要素について、連合学習の可能性を小さくする徴候を選択するステップ;
    を包含する、請求項75記載の方法。
  78. 前記選択ステップが:
    前記図形要素について、前注意キューイングを始動する徴候を選択するステップ;
    を包含する、請求項75記載の方法。
  79. 前記選択ステップが:
    前記図形要素について、主体における切迫性バリスティック動作を始動する徴候を選択するステップ;
    を包含する、請求項75記載の方法。
  80. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を包含し、前記ステップ(2)が:
    主体の少なくとも一部の周期性または逐次性の生理学的・力学的動作と各々相関を有する1つ以上の基底状態を生じさせるステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  81. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を包含し、前記ステップ(2)が:
    該基底状態を変える変更ステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  82. 前記変更ステップが:
    前記基底状態の光覚性エネルギーパラメータを変えるステップ;
    を包含する、請求項80記載の方法。
  83. 前記光覚性エネルギーパラメータが、波長、振幅、光強度、位相、コヒーレンス、偏光、色相、明度、および彩度の中の少なくとも1つを包含する、請求項81記載の方法。
  84. 前記変更ステップが:
    前記基底状態の前記光覚性エネルギーパラメータの1つ以上についての変更率を選択するステップ;
    を包含する、請求項81記載の方法。
  85. 前記変更ステップが:
    前記基底状態の前記光覚性エネルギーパラメータの各々が変わる程度を選択するステップ;
    を包含する、請求項81記載の方法。
  86. 前記変更ステップが:
    前記基底状態の光覚性エネルギーパラメータおよび図形要素少なくとも1つを変えることによって、知覚的前注意キューイングの時間離散性についての主体における視覚探索意識を調節するステップ;
    を包含する、請求項81記載の方法。
  87. 前記時間離散性についての主体における視覚探索意識が、主体による意思伝達性の切迫性運動動作を始動する、請求項85記載の方法。
  88. 請求項81記載の方法であって、さらに:
    基底状態の図形要素の数を変えるステップ;
    を包含する、方法。
  89. 所定の光事象の基底状態の変更が250ミリ秒以上に及ばない請求項80記載の方法。
  90. 前記変更ステップが:
    (a)1以上の基底状態よりなる第1の集合を作り出すステップと;
    (b)1以上の励起基底状態よりなる第2の集合を作り出すステップと;
    を包含し、
    該ステップ(a)および(b)が、規定の順序に従って該第1の集合および第2の集合を作り出すよう作用する、請求項80記載の方法。
  91. 前記変更ステップが、さらに:
    (c)前記第1の集合または第2の集合とはそれぞれ異なる属性を有する1つ以上の基底状態または励起基底状態よりなる第3の集合を作り出すステップ;
    を包含し、
    該ステップ(a)、(b)および(c)が、前記規定の順序に従って該第1の集合、第2の集合および第3の集合を作り出すよう作用する、請求項89記載の方法。
  92. 前記変更ステップが、さらに:
    (c)前記規定の順序を複数の規定の順序より選択するステップ;
    を包含する、請求項89記載の方法。
  93. 前記ステップ(c)が数学関数に基づいて遂行される、請求項91記載の方法。
  94. 前記第1の集合および前記第2の集合の少なくとも1つが、1つ以上の固有の変動源より作り出される、請求項89記載の方法。
  95. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を包含し、前記ステップ(2)が:
    前記光事象が主体の知覚視野を横切って移動する際の該光事象の寸法を変えるステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  96. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を包含し、前記ステップ(2)が:
    前記光事象が主体の知覚視野を横切って移動する際の該光事象の光覚性エネルギーパラメータを変えるステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  97. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を包含し、前記ステップ(2)が:
    前記光事象が主体の知覚視野を横切って移動する際の該光事象の図形要素を変えるステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  98. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を包含し、前記ステップ(2)が:
    主体の知覚視野に入るとき種々異なる速度ベクトルを有する光事象を生じさせるステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  99. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を包含し、前記ステップ(2)が:
    前記光事象が主体の知覚視野を横切って移動する際の該光事象の速度ベクトルを変えるステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  100. 前記ステップ(2)が:
    1つ以上の徴候ディストラクタの1つ以上の図形要素をnサイクル毎に変える(ただし、nは変数を表す)ステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  101. 前記ステップ(2)が:
    1つ以上の徴候ディストラクタの1つ以上の図形要素をnサイクル毎に変える(ただし、nは変数を表す)ステップ;
    を包含する、請求項34記載の方法。
  102. 前記ステップ(2)が:
    1つ以上の徴候目標の1つ以上の図形要素をnサイクル毎に変える(ただし、nは変数を表す)ステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  103. 前記ステップ(2)が:
    1つ以上の徴候目標の1つ以上の図形要素をnサイクル毎に変える(ただし、nは変数を表す)ステップ;
    を包含する、請求項34記載の方法。
  104. 前記ステップ(2)が:
    階層的動揺を1つ以上の固有の可変源に近似させるステップ;
    を包含する、請求項1記載の方法。
  105. 前記光場が、寸法、形状、光強度、色、位置、彩度、表示時間およびテーマの中の少なくとも1つで動揺する、請求項3記載の方法。
  106. 主体の早期視覚運動認知に取り組むためのシステムであって:
    光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性知覚属性を制御することによって、主体の過渡視覚刺激に対する大細胞系活動において前注意キューイングを始動するかあるいは反応性を高める制御手段と;
    該光覚性エネルギーパラメータおよび該光覚性知覚属性に基づいて光事象よりなる光場を生じさせる生成手段で、該光場が該主体の知覚視野で単純オプティカルフローに変換される生成手段と;
    を備える、システム。
  107. 前記制御手段が:
    光覚性エネルギーパラメータおよび光覚性知覚属性を制御することによって、主体の過渡視覚刺激に向かう大細胞系活動において前注意キューイングを始動しかつ反応性を高める手段;
    を備える、請求項105記載のシステム。
  108. 前記光覚性エネルギーパラメータが、光アレイのエネルギー特性を備える、請求項105記載のシステム。
  109. 前記光アレイのエネルギー特性が、波長、振幅、光強度、位相、偏光、コヒーレンス、色相、明度、および彩度の中の少なくとも1つを含む、請求項107記載のシステム。
  110. 前記光アレイのエネルギー特性が、主体中に主体が遅延させるかまたは抑制することができる運動活動を生じさせる、請求項107記載のシステム。
  111. 前記運動活動が意思伝達活動である、請求項109記載のシステム。
  112. 前記運動活動が、主体による顔面運動、眼球運動、指差運動、および言葉による報告の中の1つ以上の運動を含む、請求項110記載のシステム。
  113. 前記光アレイのエネルギー特性が、該光アレイのエネルギー特性の中の少なくとも光強度が十分大きいとき、主体中に切迫性バリスティック動作を引き起こし得る、請求項109記載のシステム。
  114. 前記光覚性知覚属性が、前記光事象の時空パターニングを含む、請求項105記載のシステム。
  115. 前記時空パターニングが、前記主体により認知可能であり、かつ前記光事象の少なくとも運動、位置、方向、持続期間、および見当識の1つ以上の認知可能な変化を含む、請求項113記載のシステム。
  116. 前記運動が単純運動を含む、請求項114記載のシステム。
  117. 前記単純運動が、一次元運動または何らかの形の平面運動を含む、請求項115記載のシステム。
  118. 前記単純運動が、主体による自発運動を引き起こさない、あるいは主体に向かう、あるいは主体から遠ざかる客体運動の主体による通常弁別認知行為を引き起こさない、請求項115記載のシステム。
  119. 前記単純運動が、主体における通常知覚によって情報を処理させない運動についての黙視的意識を含む、請求項115記載のシステム。
  120. 前記光事象の前記時空パターニングが、主体の身体部位に切迫性バリスティック動作を引き起こす、請求項113記載のシステム。
  121. 前記切迫性バリスティック動作が、身体部位の力学的運動を含む、請求項119記載のシステム。
  122. 前記身体部位の力学的運動が、主体の全身にわたって知覚的に物理的に分散している、請求項120記載のシステム。
  123. 前記身体部位の力学的運動が、主体の臟側空間にわたって物理的に分散した目標器官および筋肉の運動である、請求項120記載のシステム。
  124. 前記身体部位の力学的運動が、リーチングのための1つ以上の腕動作、指開(finger aperture)運動、把持のための手の運動、方向付けのための眼球サッカード運動、円滑性眼球追跡運動、頭部運動、咀嚼運動、頸部運動および腰部運動を含む、請求項120記載のシステム。
  125. 前記切迫性バリスティック動作が、主体の自己中心空間における1つ以上の身体部位の力学的運動である、請求項119記載のシステム。
  126. 前記切迫性バリスティック動作が、主体の可到達空間における遅延させることができない、開始されると中断することができない、非意思伝達性であって、前注意時間事象のタイムスパンで起こる遠近運動を含む、請求項124記載のシステム。
  127. 前記切迫性バリスティック動作が、全体で切迫性運動目標を達成するNの身体部位の逐次力学的運動を含む、請求項119記載のシステム。
  128. 前記制御手段および生成手段が:
    前記切迫性バリスティック動作を始動することによって、早期知覚により主体の自己中心空間に関する情報の抽出および統合を容易にする手段;を備える、請求項124記載のシステム。
  129. 前記制御手段および生成手段が:
    前記切迫性バリスティック動作を始動することによって、早期知覚により主体の自己中心空間に関する情報の抽出および変換を容易にする手段;を備える、請求項124記載のシステム。
  130. 前記制御手段および生成手段が:
    前記切迫性バリスティック動作を始動することによって、主体の大細胞系活動における過渡刺激反応性を高める手段;を備える、請求項124記載のシステム。
  131. 前記制御手段および生成手段が:
    前記切迫性バリスティック動作を始動することによって、主体の感覚運動行動を効果的に誘導する手段;を備える、請求項124記載のシステム。
  132. 請求項105記載のシステムであって、さらに:
    前記光覚性エネルギーパラメータおよび前記光覚性知覚属性の制御を調節することによって、主体の認知性意識なしに早期運動認知から情報を抽出するための大細胞系反応性を高める調節手段;を備える、システム。
  133. 前記調節手段が:
    前記光覚性エネルギーパラメータおよび前記光覚性知覚属性の前記光事象の生成における関与を調整する調整手段;を備える、請求項131記載のシステム。
  134. 前記調整手段が:
    前記光覚性エネルギーパラメータおよび前記光覚性知覚属性の前記光事象の生成における関与を調整することによって、該光事象のエネルギー衝撃を制御する手段;を備える、請求項132記載のシステム。
  135. 前記調整手段が:
    前記光覚性エネルギーパラメータおよび前記光覚性知覚属性の前記光事象の生成における関与を調整することによって、該光事象の早期知覚時空間的影響を調節する手段;を備える、請求項133記載のシステム。
  136. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を含む、請求項105記載のシステム。
  137. 請求項105記載のシステムであって、さらに:
    主体からのフィードバックに基づいて前記光事象の時間相関を取る時間相関手段;を備える、システム。
  138. 前記時間相関手段が:前記光事象と主体の不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作との時間相関を取る手段;を備える、請求項136記載のシステム。
  139. 前記不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作が、主体の心臓および肺臓の1つ以上における少なくとも1つの以上の周期運動;を含む、請求項137記載のシステム。
  140. 主体の前記不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作が、主体の瞬目;を含む、請求項137記載のシステム。
  141. 前記時間相関手段が:
    前記光事象の1つ以上の事象と主体の1つ以上の不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作との時間相関を取る第2の時間相関手段;を備える、請求項136記載のシステム。
  142. 前記第2の時間相関手段が:
    前記光事象の1つ以上の事象と主体の連続的に不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作との時間相関を取る手段;を備える、請求項140記載のシステム。
  143. 前記第2の時間相関手段が:
    前記光事象の1つ以上の事象と主体の非連続的に不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作との時間相関を取る手段;を備える、請求項140記載のシステム。
  144. 主体の前記不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作が、主体による逐次的指軽打;を含む、請求項140記載のシステム。
  145. 主体の前記不随意駆動される周期性または逐次性の生理学的・力学的動作が、主体の歩行または腕・手振り;を含む、請求項140記載のシステム。
  146. 前記時間相関手段が、前記光事象の初期化を伴う請求項136記載のシステム。
  147. 前記時間相関手段が、前記光事象の持続期間にわたり、かつ前記光事象の早期認知行為時における情報の抽出が、切迫性逐次運動動作における持続時間に関するフィードフォワード予測の生成をもたらす請求項136記載のシステム。
  148. 請求項105記載のシステムであって、さらに:
    前記光事象に動揺を発生させ、生成する発生・生成手段;を備える、システム。
  149. 前記発生・生成手段が:
    ランダム動揺を発生させ、生成する手段;を備える、請求項147記載のシステム。
  150. 前記発生・生成手段が:
    周期動揺を発生させ、生成する手段;を備える、請求項147記載のシステム。
  151. 前記発生・生成手段が:
    各々周期成分およびランダム成分を含む動揺を発生させ、生成する手段;を備える、請求項147記載のシステム。
  152. 前記発生・生成手段が:
    前記光事象の動揺を発生させ、生成することによって、過渡刺激のための大細胞系活動の反応性を高める手段;を備える、請求項147記載のシステム。
  153. 前記動揺が可変性動揺である、請求項147記載のシステム。
  154. 前記動揺が固有の可変性動揺である、請求項152記載のシステム。
  155. 前記動揺が、近似的に固有の可変性動揺である、請求項152記載のシステム。
  156. 前記発生・生成手段が:
    主体の知覚視野の空間ドメインに光事象の動揺を発生させ、生成する手段を備える、請求項147記載のシステム。
  157. 前記発生・生成手段が:
    前記光事象に時間動揺を発生させ、生成する手段;を備える、請求項147記載のシステム。
  158. 前記発生・生成手段が:
    前記光事象に時空動揺を発生させ、生成する手段;を備える、請求項147記載のシステム。
  159. 前記発生・生成手段が:
    光覚性エネルギーパラメータの1つ以上を制御することによって該動揺を発生させ、生成する手段を備える、請求項147記載のシステム。
  160. 前記発生・生成手段が:前記光覚性知覚属性の1つ以上を制御することによって該動揺を発生させ、生成する手段;を備える、請求項147記載のシステム。
  161. 前記発生・生成手段が:
    前記光覚性エネルギーパラメータの1つ以上および前記光覚性知覚属性の1つ以上を制御することによって前記動揺を発生させ、生成する手段:を備える、請求項147記載のシステム。
  162. 前記生成手段が:
    持続期間が250ミリ秒より短い光事象を生成する手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  163. 前記生成手段が:
    持続期間が200ミリ秒より短い光事象を生成する手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  164. 前記生成手段が:
    前記主体における固有の可変性生理学的・力学的活動と共に主体の知覚視野内で光像の動揺を始動する複数の前記光事象を、複合オプティカルフローが生成されるように組織する手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  165. 前記光事象が、単純オプティカルフローが生成されるように束縛される、請求項163記載のシステム。
  166. 前記単純オプティカルフローが、各々主体の知覚視野で動く1つ以上の光事象を含む1つ以上の知覚アレイを含む、請求項164記載のシステム。
  167. 同じ知覚アレイにおける光事象が、前記知覚視野への単一の入口点、および前記知覚視野からの単一の離脱点を含み、知覚的に同じ経路をたどる、請求項165記載のシステム。
  168. 同じ知覚アレイにおける光事象は同じ知覚見当識を有する、請求項166記載のシステム。
  169. 同じ知覚アレイにおける1つ以上の光事象が、前記知覚視野を横切って移動する際、知覚見当識が逆になる、請求項166記載のシステム。
  170. 同じ知覚アレイにおける1つ以上の光事象が、200ミリ秒以下のタイムスパンで前記知覚視野を横切って移動する際、知覚見当識が逆になる、請求項166記載のシステム。
  171. 前記単純オプティカルフローが:
    前記知覚視野に少なくとも部分的に表示されるnの知覚アレイと;
    それらの各知覚アレイで動くmの光事象と;を含み、
    各知覚アレイの光事象が、所定の対の点を通じて知覚視野知覚的に出現し、離脱する、請求項164記載のシステム。
  172. 請求項170記載のシステムであって、さらに:
    前記単純オプティカルフローを前記知覚視野内の単純並進運動として維持しつつ、各知覚アレイについての前記n、mおよび前記対の点の少なくとも1つを変える手段;を備える、システム。
  173. 前記単純運動が、一次元運動または何らかの形の平面運動を含む、請求項171記載のシステム。
  174. 前記光事象が基底状態および励起基底状態を含み、各基底状態がデフォルト条件の光事象を含み、前記生成手段が:
    基底状態を変化させて励起基底状態を生じさせる手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  175. 前記生成手段が:
    前記基底状態の全体的図形外観を変える手段;を備える、請求項173記載のシステム。
  176. 前記生成手段が:
    前記基底状態の寸法を変える手段;を備える、請求項173記載のシステム。
  177. 前記生成手段が:
    前記基底状態の図形外観の寸法を変える手段;を備える、請求項173記載のシステム。
  178. 前記生成手段が:
    前記基底状態の図形外観の数を変える手段;を備える、請求項173記載のシステム。
  179. 前記生成手段が:
    (a)前記基底状態の全体的図形外観;
    (b)前記基底状態の寸法;
    (c)前記基底状態の図形要素の寸法;および
    (d)前記基底状態の図形要素の数;の1つ以上を変える手段を備える、請求項173記載のシステム。
  180. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を含み、前記生成手段が:
    前記基底状態の図形要素を選択する選択手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  181. 前記生成手段が:
    前記図形要素について、連合学習の可能性を小さくする徴候を選択する手段;を備える、請求項179記載のシステム。
  182. 前記選択手段が:
    前記図形要素について、前注意キューイングを始動する徴候を選択する手段;を備える、請求項179記載のシステム。
  183. 前記選択手段が:
    前記図形要素について、主体における切迫性バリスティック動作を始動する徴候を選択する手段;を備える、請求項179記載のシステム。
  184. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を含み、前記生成手段が:
    主体の少なくとも一部の周期性または逐次性の生理学的・力学的動作と各々相関を有する1つ以上の基底状態を生じさせる手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  185. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を含み、前記生成手段が:
    該基底状態を変える変更手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  186. 前記変更手段が:
    前記基底状態の光覚性エネルギーパラメータを変える手段;を備える、請求項184記載のシステム。
  187. 前記光覚性エネルギーパラメータが、波長、振幅、光強度、位相、コヒーレンス、偏光、色相、明度、および彩度の中の少なくとも1つを含む、請求項185記載のシステム。
  188. 前記変更手段が:
    前記基底状態の前記光覚性エネルギーパラメータの1つ以上についての変更率を選択する手段;を備える、請求項185記載のシステム。
  189. 前記変更手段が:
    前記基底状態の前記光覚性エネルギーパラメータの各々が変わる程度を選択する手段;を備える、請求項185記載のシステム。
  190. 前記変更手段が:
    前記基底状態の光覚性エネルギーパラメータおよび図形要素少なくとも1つを変えることによって、主体における知覚的前注意キューイングの時間離散性についての視覚探索意識を調節する手段;を備える、請求項185記載のシステム。
  191. 前記時間離散性についての主体における視覚探索意識が、主体による意思伝達性の切迫性運動動作を始動する、請求項189記載のシステム。
  192. 請求項185記載のシステムであって、さらに:
    基底状態の図形要素の数を変える手段;を備える、システム。
  193. 所定の光事象の基底状態の変更が250ミリ秒以上に及ばない請求項184記載のシステム。
  194. 前記変更手段が:
    1以上の基底状態を含む第1の集合を作り出す第1の手段と;
    1以上の励起基底状態を含む第2の集合を作り出す第2の手段と;を備え、
    該第1および第2の手段が、規定の順序に従って該第1の集合および第2の集合を作り出すよう作用する、請求項184記載のシステム。
  195. 前記変更手段が、さらに:
    前記第1の集合または第2の集合とはそれぞれ異なる属性を有する1つ以上の基底状態または励起基底状態を含む第3の集合を作り出す手段;を具有し、
    該第1、第2および第3の手段が、規定の順序に従って該第1の集合、第2の集合および第3の集合を作り出すよう作用する、請求項193記載のシステム。
  196. 前記変更手段が、さらに:
    前記規定の順序を複数の規定の順序より選択する手段;を備える、請求項193記載のシステム。
  197. 前記選択手段が数学関数に基づいて動作る、請求項195記載のシステム。
  198. 前記第1の集合および前記第2の集合の少なくとも1つが、1つ以上の固有の変動源より作り出される、請求項193記載のシステム。
  199. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を含み、前記生成手段が:
    前記光事象が主体の知覚視野を横切って移動する際の寸法を変える手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  200. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を含み、前記生成手段が:
    前記光事象が主体の知覚視野を横切って移動する際の該光事象の光覚性エネルギーパラメータを変える手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  201. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を含み、前記生成手段が:
    前記光事象が主体の知覚視野を横切って移動する際の該光事象の図形要素を変える手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  202. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を含み、前記生成手段が:
    主体の知覚視野に入るとき種々異なる速度ベクトルを有する光事象を生じさせる手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  203. 前記光事象が、基底状態および励起基底状態を含み、前記生成手段が:
    前記光事象が主体の知覚視野を横切って移動する際の該光事象の速度ベクトルを変える手段;具有する、請求項105記載のシステム。
  204. 前記生成手段が:
    1つ以上の徴候ディストラクタの1つ以上の図形要素をnサイクル毎に変える(ただし、nは整数を表す)手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  205. 前記生成手段が:
    1つ以上の徴候ディストラクタの1つ以上の図形要素をnサイクル毎に変える(ただし、nは整数を表す)手段;を備える、請求項138記載のシステム。
  206. 前記生成手段が:
    1つ以上の徴候目標の1つ以上の図形要素をnサイクル毎に変える(ただし、nは整数を表す)手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  207. 前記生成手段が:
    1つ以上の徴候目標の1つ以上の図形要素をnサイクル毎に変える(ただし、nは整数を表す)手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  208. 前記生成手段が:
    階層的動揺を1つ以上の固有の可変源に近似させる手段;を備える、請求項105記載のシステム。
  209. 前記光場が、寸法、形状、光強度、色、位置、彩度、表示時間およびテーマの中の少なくとも1つで動揺する、請求項107記載のシステム。
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