JP2005538377A - 膜ベースアッセイ - Google Patents

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Abstract

バイオセンサとともに使用するために適切な表面検出器アレイデバイスを使用する膜ベースアッセイが、開示される。このデバイスは、1つ以上の二重層障壁領域によって隔てられた複数の別個の二重層適合性表面領域を規定する表面を有する基材から形成される。この二重層適合性表面領域は、水性フィルムによって隔てられた、支持された流体二重層を保有する。この重層は、選択されたレセプターまたは生体分子を含み得る。バルク水相が、この基材表面上の二重層を覆う。アレイが、天然の膜物質をネイティブの流体二重層構成で提示するように操作され得る。これによって、膜成分を標的としその膜成分に影響を与える薬物の高スループット開発が可能になる。この膜ベースアッセイは、流体二重層の1つ以上の物理的特性の結合誘導性変化をモニタリングすることによって、結合事象を検出する。

Description

(関連出願の援用)
本願は、2002年9月11日に出願した米国特許仮出願番号60/410,173に対する優先権を主張する。この米国特許仮出願は、その全体が参考として本明細書中で援用される。
(発明の分野)
本発明は、一般的には、流体二重層を使用する膜ベースアッセイに関する。
(連邦政府により支援された研究に関する陳述)
適用されない。
(発明の背景)
過去数年間にわたって、多数の高スループットスクリーニング方法が、所望される活性について数千個〜数十万個(数百万個ではないにしても)もの化合物のスクリーニングを容易にするために開発された。そのような方法は、代表的には、レセプターに対する潜在的に有効な化合物の結合を検出することに基づく。これらの結合アッセイは、その所望される活性を有し得る化合物の母集団を制約するには有効である一方で、それらの結合アッセイは、代表的には、この活性をいくらかでも詳細に評価するためには十分に適切であるわけではない。
潜在的に活性な化合物の生物学的活性は、代表的には、熟練した技術者または科学者によってかなりの時間が投入される必要がある、あまり効率的でないがより有益な「二次スクリーニング」またはアッセイを使用して、代表的には評価される。内在性(integral)膜タンパク質(例えば、レセプターまたはイオンチャネル)に影響を与える候補化合物を評価するために、1つの化合物当たりの時間量は、そのアッセイが電気生理学的活性に対する影響を含む場合には、数時間または数日間であり得る。脂質二重層特性に影響を与える候補化合物の評価もまた、時間がかかり得る。
従って、さらなる詳細な分析を行うことが正当である少数の化合物を同定するために、膜タンパク質、他の脂質二重層関連内在性(integral)成分(二重層自体の脂質を含む)の活性に影響を与える、より効率的な「二次スクリーニング」の必要性が存在する。
(発明の簡略な要旨)
一局面において、本発明は、試験因子と、脂質二重層および脂質二重層関連内在性成分との間の相互作用をアッセイするための方法を提供する。この方法は、上記二重層およびその結合型内在性成分と、試験因子を含む大量の水相とを接触する工程、および上記脂質二重層の物理的特性を評価する工程を包含する。好ましい実施形態において、上記脂質二重層区域(expanse)は、表面検出器アレイデバイスの部分を含む。
好ましい実施形態において、上記物理的特性は、膜の流動性、アシル鎖移動度、膜の完全性、膜の外観、膜の連続性、膜の厚み、膜の屈曲率、および膜張力からなる群より選択される。
他の好ましい実施形態において、上記デバイス上に存在する脂質二重層区域は、標識を含む。特定の実施形態において、上記標識は、発蛍光団、電子スピン共鳴標識、放射性標識、半導体ナノ粒子標識、および金属ナノ粒子標識からなる群より選択される。
別の好ましい実施形態において、上記物理的特性は、膜の流動性であり、これは、光退色後蛍光回復法(FRAP)、蛍光異方性、蛍光相関分光法(FCS)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、蛍光共鳴エネルギー移動顕微鏡検査法(FRET顕微鏡検査法)、電気泳動、および電気的分子間力(electrical molecular force)顕微鏡検査法からなる群より選択される方法を使用して評価され得る。
なお他の好ましい実施形態において、上記物理的特性は、膜の完全性である。好ましい実施形態において、膜の完全性は、膜抵抗(もしくはその逆数である膜コンダクタンス)、膜インピーダンス、膜電流、および膜電位からなる群より選択されるパラメーターをモニタリングすることによって評価されるか、または光退色後蛍光回復法(FRAP)、蛍光異方性、蛍光相関分光法(FCS)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、FRET顕微鏡検査法、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、蛍光顕微鏡検査法、電気泳動、電気的分子間力顕微鏡検査法、屈折干渉(reflection interference contrast)顕微鏡検査法、原子間力顕微鏡検査法(AFM)、他の任意の型の走査型プローブ顕微鏡検査法(例えば、水平力顕微鏡検査法/摩擦力顕微鏡検査法、および化学力(chemical force)顕微鏡検査法)、ならびに膜の外観の定量的画像分析からなる群より選択される方法を使用して評価される。
なお他の好ましい実施形態において、上記物理的特性は、膜の連続性である。好ましい実施形態において、膜の連続性は、光退色後蛍光回復法(FRAP)、蛍光異方性、蛍光相関分光法(FCS)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、蛍光共鳴エネルギー移動顕微鏡検査法(FRET顕微鏡検査法)、電気泳動、および電気的分子間力顕微鏡検査法からなる群より選択される方法を使用して評価される。
上記試験因子は、脂質二重層またはその成分との相互作用を試験することが望まれる、任意の物質であり得る。例示的な試験因子としては、低分子、ポリペプチド、抗体、および生体分子が挙げられる。上記試験因子は、上記大量の水相中にて提示される、細胞表面、小胞(vesicle)、擬似(phantom)細胞、細胞−小胞(vesicle)、リポソーム(Sackmann,Science,Vol.271,1996,p43〜48)、巨大小胞(giant vesicle)(WongおよびGroves,JACS 123(49)12414〜5)、脂質で覆われたガラスビーズ、および/またはそれらのいずれかの成分が挙げられる。一変化形において、第2の試験因子が、上記試験因子と上記脂質二重層との間の相互作用に対するその第2の試験因子の影響を試験するために使用され得る。例えば、低分子または抗体が、試験因子と、上記脂質二重層の成分との間の相互作用に対するその影響を試験するために、上記の大量の水相に添加され得る。
特に好ましい実施形態において、試験される因子は、膜構造に選択的に干渉してその膜構造を選択的に破壊する(例えば、微生物特異的膜標的をオルソログヒト膜標的に優先して選択的に標的化とすることによる)抗微生物化合物としての有用性について、試験され得る。そのような因子は、化合物ライブラリー(生物学的物質(例えば、ポリエン、カチオン性ペプチド、およびリポペプチド)のコンビナトリアルライブラリーを含む)を、表面検出器アレイデバイスを使用してスクリーニングすることによって同定され得る。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
(I.定義)
すべての用語は、いかに具体的に定義されない限りは、当業者によって理解される通りのその用語の通常の意味を有することが意図される。特許請求される質量および体積は、本発明の実施に適合する、記載した量の変動を包含することが意図される。そのような変動は、記載した量の、例えば、約±10〜20%内であることが企図される。この節に含まれる具体的定義と、当業者によって理解されるような通常の意味との間に矛盾がある場合は、以下に提供される定義が、支配するべきである。
用語「水性」とは、脂質に対して有害ではない、水ベースの液体媒体を指す。
「レセプター」とは、リガンド分子と特異的に相互作用可能な高分子である。細胞において、レセプターは、代表的には、脂質二重層膜(例えば、細胞外膜、ゴルジ体膜、または核膜)に関連している。脂質区域(例えば、支持された二重層)にインビトロで組み込むためのレセプターは、細胞から精製されても、組換え発現されても、または小さいレセプターの場合には化学合成されてもよい。
「リガンド」とは、レセプターに特異的に結合可能な分子である。そのレセプターへのリガンド結合は、代表的には、高い結合親和性(すなわち、K>10)によって特徴付けられ、そしてそのレセプターの機能の変化(例えば、そのレセプターに結合しているかまたはそのレセプターの一部である、イオンチャネルの開口)として、またはそのレセプターのすぐ近くの環境の変化(例えば、表面プラズモン共鳴による結合の検出)としての、いずれかで検出され得る。脂質区域(例えば、支持された二重層)に組み込むためのリガンドは、細胞から精製されても、組換え発現されても、または小さいレセプターの場合には化学合成されてもよい。
結合は、その結合が、レセプターに対するリガンドの「非特異的」付着から生じるのではなく、レセプター上の結合部位とリガンドとの間の分子相互作用から生じる場合に、「特異的」である。そのリガンドが可逆的様式でレセプターに結合する場合に、結合の特異性は、標識リガンドを、公知の方法に従って過剰な非標識リガンドと競合させることによって、確認され得る。非特異的相互作用は、そのリガンドまたはレセプターのいずれかについての結合部位を有さない過剰なタンパク質(例えば、BSA)を含めることによって、最小にされ得る。
「流体膜」とは、ネイティブまたはネイティブ様の二重層構造(すなわち、その二重層の内部に疎水性テール基を有し、かつその二重層の外部に親水性ヘッド基を有する、対向する薄片(leaflet)で組織形成されている二重層)を有する膜である。当業者は、いくつかの「流体膜」(すなわち、高い割合の飽和脂質および/またはステロールを有する流体膜)は、認知可能な流動性を有さないかもしれないが、それにも関わらず、本発明の目的のための「流体膜」であると見なされることを、認識する。
「脂質二重層小胞」とは、本発明の表面検出器アレイデバイスの二重層適合性表面領域に融合されて「流体膜」を形成することが可能な小胞である。「脂質二重層小胞」は、必要に応じて、脂質成分に加えて、他の膜成分(例えば、タンパク質、糖タンパク質、糖脂質など)を含み得る。
「留められた(pinned)脂質二重層小胞」とは、吸収されているが破裂も外力付与(forced)もされていない小胞を指す。この小胞は、表面に留められているが、その閉じた球状構造を維持する。
「試験因子と組成物との間の相互作用をアッセイすること」とは、その試験因子がその背汚物と相互作用するか否かを決定することを意味する。「試験因子と組成物との間の相互作用をアッセイすること」は、当業者に現在公知であるかまたは後に開発された任意の方法を使用して組成物に対する試験因子の相互作用を検出することによって行われ得、これは、結合アッセイ(例えば、直接的結合および置換アッセイ、電気生理学的アッセイ、代謝アッセイなど)を包含することが意図される。
「脂質二重層関連成分」とは、脂質二重層区域を構成する任意の成分(例えば、脂質、糖脂質、ステロール、脂質結合分子(この結合は、例えば、脂質へと直接結合によってか、または脂質結合成分の結合パートナーへの結合により、直接的であるかまたは間接的である)、脂肪酸、タンパク質(内在性膜タンパク質および外在性タンパク質または膜結合型タンパク質の両方)、核酸などを含む)を指す。
「標的膜成分」とは、試験因子に特異的に結合する「脂質二重層関連成分」を指す。
「バックグラウンド膜成分」とは、標的膜成分以外の「脂質二重層関連成分」を指す。
「膜貫通レセプター」とは、細胞膜中に存在する場合に、その膜の細胞外側で生じる結合事象を細胞内シグナルへと伝達する、内在性膜タンパク質である。
「T温度」とは、脂質または至質混合物のゲル−液体結晶遷移温度を指す。
「膜の屈曲率」とは、屈曲に関する膜の剛性を測定する物理的パラメーターを指す。
「膜張力」とは、膜における張力(すなわち、距離当たりの力)を測定する物理的パラメーターを指す。膜張力はまた、伸長に関する膜の剛性を測定するパラメーターによって特徴付けられ得る。
「膜の完全性」とは、一般的には、その膜の全体的構造が無傷である程度を指す。膜の完全性は、膜インピーダンス、膜抵抗(またはその逆数である膜コンダクタンス)、膜電流、および膜電位からなる群より選択されるパラメーターをモニタリングすることによってアッセイされ得るか、または光退色後蛍光回復法(FRAP)、蛍光異方性、蛍光相関分光法(FCS)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、蛍光共鳴エネルギー移動顕微鏡検査法、電気泳動、電気的分子間力顕微鏡検査法、屈折干渉顕微鏡検査法、原子間力顕微鏡検査法(AFM)、他の走査型プローブ顕微鏡検査法(例えば、水平力顕微鏡検査法/摩擦力顕微鏡検査法)、および化学力顕微鏡検査法、および膜の外観の定量的画像分析からなる群より選択される方法を使用して評価され得る。十分に完全な膜のサインとしては、(例えば、FRAPにより測定した場合)1ミクロン/秒の範囲の拡散係数での脂質の長距離水平方向流動性が挙げられる。すべての膜が拡散係数の正確な測定を可能にするために十分な流動性を有するわけではないので、時には、膜の完全性を評価するためには他のアッセイを使用する必要があり得る。AFMおよび他の形態の走査型プローブ顕微鏡が、完全性の尺度として使用され得る膜の表面位相についての詳細を明らかにするために使用され得る。完全な膜は、平坦であり、そして大きな隙間も突起も有さない。FRET顕微鏡検査法(WongおよびGroves,2001)もまた、膜位相を特徴付けるために使用され得る。
「膜の連続性」とは、膜二重層が、脂質が自由に拡散する連続的二次元シートを形成する程度を指す。膜中に多数の欠損があると、その流体膜の連続性および結合性を中断する障害物を生じる。分子は、その膜の周囲を拡散するためにはこれらの欠損の周囲を通り抜けなければならない。膜の連続性を中断する欠損が存在することは、重要な生理学的結果を有し得る。同様に、これらの欠損は、分子移動度に影響を与える。膜の連続性は、膜インピーダンス、膜抵抗(またはその逆数である膜コンダクタンス)、膜電流、および膜電位からなる群より選択されるパラメーターをモニタリングすることによって評価され得るか、または光退色後蛍光回復法(FRAP)、蛍光異方性、電気泳動、および屈折干渉顕微鏡検査法からなる群より選択される方法を使用して評価され得る。
「レセプタータンパク質ファミリーのメンバー」とは、生物内または生物間で構造および/もしくは機能が関連している、2種以上のタンパク質を指す。タンパク質が「レセプタータンパク質ファミリーのメンバー」であるか否かを決定することは、当業者に公知のコンピューターアルゴリズム(例えば、一次構造アライメント、二次構造アライメント、三次構造アライメント、または四次構造アライメント)を使用して行われ得る。代表的なアルゴリズム(例えば、BLASTおよびVAST)は、Computational Biology Branch,National Center for Biotechnology Information,National Institute of Health,8600 Rockville Pike,Bethesda,MD 20894 USAから入手され得、そしてこのNational Center for Biotechnology Informationのウェブサイトwww.ncbi.nlm.nih.govから直接実行され得る。
「電気的分子間力(electrical molecular force)顕微鏡検査法」とは、例えば、GrovesおよびBoxter,2002に記載されるような、脂質膜成分の電気泳動移動度および電場誘導性濃度勾配の特徴付けのために顕微鏡を使用することを指す。
用語「抗体」とは、本明細書中で使用される場合、ポリクローナル調製物およびモノクローナル調製物の両方から得られる抗体、ならびにハイブリッド(キメラ)抗体分子(例えば、Winterら(1991)Nature 349:293〜299;および米国特許第4,816,567号を参照のこと);F(ab’)フラグメントおよびF(ab)フラグメント;Fv分子(非共有結合ヘテロダイマー)(例えば、Inbarら(1972)Proc Natl Acad Sci USA 69:2659〜2662;およびEhrlichら(1980)Biochem 19:4091〜4096);単鎖Fv分子(sFv)(例えば、Hunstonら(1988)Proc Natl Acad Sci USA 85:5879〜5883を参照のこと);ダイマー抗体フラグメント構築物およびトリマー抗体フラグメント構築物;ミニボディ(minobody)(例えば、Packら(1992)Biochem 31:1579〜1584;Cumberら(1992)J Immunology 149B:120〜126);ヒト化抗体分子(例えば、Riechmannら(1988)Nature 332:323〜327;Verhoeyanら(1988)Science 239:1534〜1536;および英国特許公開番号GB2,276,169(1994年9月21日公開));ならびにこのような分子から得られる任意の機能性フラグメントが挙げられ、このようなフラグメントは、親抗体分子の特異的結合特性を保持する。
本明細書中で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」とは、均質な抗体集団を有する抗体組成物を指す。この用語は、その抗体の種に関しても供給源に関しても限定されず、その抗体が生成される様式によって限定されることも意図されない。従って、この用語は、マウスハイブリドーマから得られる抗体、およびヒト免疫グロブリン鎖遺伝子もしくはその一部を発現するマウスから作製したヒトハイブリドーマまたはマウスハイブリドーマを使用して得られるヒトモノクローナル抗体を包含する。例えば、Coteら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,1985,p.77を参照のこと。
(II.表面検出器アレイデバイス)
図1は、本発明に従う表面検出器アレイデバイス(SDAD)20の一部の透視図である。このデバイスは、基材22(例えば、酸化ケイ素または溶融シリカウェーハ)から製造される。この機材の寸法は、代表的には、1側面当たり約0.1cm〜約10cmの間であり、厚みが約0.01mm〜約1cmの間である。
この基材の表面は、1つ以上の二重層障壁領域26によって隔てられた複数の別個の二重層適合性表面領域24を含む。この二重層障壁領域26は、上記物質22とは異なる物質28から好ましくは形成されて、二重層適合性表面領域24を形成する。
脂質二重層区域30は、上記二重層適合性表面領域24の各々に保有される。各二重層適合性表面領域24と対応する脂質二重層区域30との間に介在するのは、厚みが約5Åと15Åとの間(代表的には、約10Å)である水性フィルム32である。いくつかの構成において、1ミクロンまでの分離が、達成され得る(本明細書中に参考として援用される、WongおよびGroves,2001を参照のこと)。上記基材表面および脂質区域を覆うのは、バルク水相34である。
上記二重層障壁領域は、上記二重層適合性表面24に対して、窪んでいても、平らであっても、または(図1における26で示されるように)隆起していてもよい。隆起した障壁を有する実施形態において、その障壁の高さは、10Å〜数マイクロメートル以上の範囲であり得る。この障壁の幅は、代表的には、約100nmと約250nmとの間である。好ましくは、この幅は、約1μmと100μmとの間である。
本発明を支持して実施される実験の結果によると、上記脂質障壁領域は、単に近接する脂質二重層領域の機械的分離または物理的分離によって機能しない。むしろ、この実験は、表面が二重層障壁領域として作用するのを可能にする特徴は、その表面を構成する物質に対して内因性の化学的特性/静電的特性であることを示す。そのような化学的特性/静電的特性としては、疎水性、誘電透過性、伝導性、および表面電荷密度が挙げられる。
同様に、選択された表面の「二重層適合性」の程度は、その表面の形状ではなく、その表面の内因的物質特性の関数である。膜と表面との間の相互作用は、静電力および水和力、ならびに長距離ファンデルワールス力からの誘因性寄与を包含する。適切な二重層適合性表面において、エネルギー最小値が、対応する厚みの水性フィルムにより支持された表面から隔てられている、支持された表面から約5Åと15Åとの間(代表的には約10Å)だけ離れた二重層膜を捕捉する。二重層適合性表面は、代表的には、疎水性である。二重層適合性表面および二重層障壁領域として使用するための物質の選択および試験に関する詳細は、本明細書中に参考として援用される米国特許第6,228,326号に提供される。
脂質二重層障壁のために適切になる特性を有する例示的な物質としては、特定のポリマー(例えば、フォトレジスト)および種々の金属(例えば、金)および鉱物(例えば、酸化アルミニウム)が挙げられる。フォトレジストの利点は、それがフォトマスクを用いて比較的容易にパターン形成され、かつ非伝導性であることである。酸化アルミニウムは、非伝導性かつ再利用可能であるという利点を有し、ほとんどの清浄手順に耐える。
二重層適合性表面のために適切になる特性を有する例示的物質としては、種々のガラス、酸化シリコン(酸化ケイ素(SiO)を含む)、MgF、CaF、雲母、および種々のポリマーフィルム(例えば、薄いポリアクリルアミドフィルムまたはデキストランフィルム)(例えば、Elenderら,1996;Khuenerら、1994(これらは、両方とも本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。両方の型のポリマーフィルムは、ポリマーフィルムと支持される二重層膜との間に水性フィルムを提供するように水和される、適切な二重層適合性表面を形成する。
「二重層適合性」である基材表面を生成するために、この表面は、代表的には、表面の不純物(埃、油など)を除去するために清浄化および/または処理される。適切な処理は、本発明のデバイスを作製または構築することに関して以下に考察される。
支持される二重層自体は、自己集合型の二次元流体系であり、代表的には、小胞を形成する液体分子の2つ対向する薄片(leaflet)からなる。しかし、この支持される二重層は、以下に記載されるように、任意の適切な膜形成両親媒性物質(タンパク質および非脂質が挙げられる)から構築され得る。
ほとんどの小胞形成脂質は、(i)脂肪酸鎖でエステル化されたグリセロールのヒドロキシル基と(ii)荷電部分または極性部分(例えば、リン酸エステル基)とを有する、長鎖カルボン酸(例えば、グリコシド)である。この小胞形成脂質は、好ましくは、2つの炭化水素鎖(代表的には、アシル鎖)と極性ヘッド基とを有する、脂質である。リン酸基またはリン脂質を有する長鎖カルボン酸は、本発明とともに使用するために特に十分に適切である。種々の合成小胞形成脂質および天然に存在する小胞形成脂質(リン脂質(例えば、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルグリセロール(PG)およびスフィンゴミエリン)を含む)が、存在し、上記2つの炭化水素鎖は、代表的には、長さが約14〜22炭素原子であり、種々の不飽和度を有する。アシル鎖が種々の飽和度を有する上記脂質およびリン脂質は、商業的に入手され得るか、または公開された方法に従って調製され得る。他の適切な脂質としては、糖脂質およびステロール(例えば、コレステロール)が挙げられる。
本発明において使用するために好ましいジアシル鎖脂質としては、ジアシルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン(PE)およびホスファチジルグリセロール(PG)が挙げられる。これらの脂質は、小胞形成脂質、主要リポソーム成分として使用するため、および以下に記載される誘導体化脂質において使用するために、好ましい。これらのリン脂質および他のリン脂質はすべて、リン脂質の専門供給業者(例えば、Avanti Polar Lipids,Inc.,Alabaster,Alabama)から、ならびに一般的化学供給業者(例えば、Sigma Chemical Co.(St.Louis,MO))から、入手可能である。
上記水性フィルムおよびバルク水相は、任意の適切な水溶液(例えば、緩衝化生理食塩水(例えば、PBS))であり得る。上記のバルク溶液は、例えば、異なる組成を有する溶液を用いるフロースルー洗浄によって、容易に(当然、すべての時点で支持される二重層が浸漬されたままであるように注意を払って)変化され得る。
上記のように、図1は、上記デバイスの二重層適合性表面を形成する物質のウェーハから微小製造された支持されたグリッドを示す。しかし、デバイスはまた、上記デバイスの二重層障壁表面領域を形成する物質のウェーハから微小製造され得る。このようなデバイスの一実施形態は、図3に示される。ここで、本発明のデバイスの構造部分50は、二重層障壁物質52(例えば、酸化アルミニウム)が、二重層適合性物質からなる領域(例えば、領域54)を含むように微小製造することによって、生成される。ここで、各領域は、複数の別個の二重層適合性表面領域のうちの1つ(例えば、領域56)に対応する。一実施形態において、この領域54は、導電性であり、そして例えば、二重層表面の膜電位、容量性トランジェント(capacitative transient)または膜電流の変化を記録するために使用され得る。導電性二重層適合性物質の例は、酸化ケイ素またはポリマー物質の薄膜でコートされて表面二重層適合性にされた金属(例えば、金)である。酸化ケイ素の薄膜は、導体ではないが、容量性(capacitative)電流を有効に通過し得る。別の適切な基材は、その電導性および直接的膜配置を支持する能力が理由で、酸化インジウムスズ(ITO)である(SackmannおよびTanaka,2000;Hillebrandtら、1999;Salafsky,GrovesおよびBoxer,1996(参考として援用される))。
あるいは、またはさらに、二重層適合性表面を有する電極が、標準的ドープ(例えば、ホウ素ドープ)ケイ素ウェーハから生成され得る。酸化ケイ素層が、二重層適合性表面を提供するようにこのようなウェーハ基材上に形成され得、その下に、半導体(ドープケイ素)電極が存在する。この半導体電極は、当然、種々の他の要素のいずれか(例えば、望ましい場合は、基材自体中または別個のチップ中の半導体要素)と連絡して、その電極に対応する二重層膜のパッチからの情報の処理が促進または増強され得る。
多数の種々のデバイスが、本発明に従って作製されている。それには、以下が挙げられる:(i)2500個の同一の200μm平方の囲い(corral)または領域の1cmアレイを含むデバイス、(ii)10,000個の同一の100μm平方の領域の1cmアレイを含むデバイス、(iii)2μm幅のフォトレジスト障壁によって隔てられた、約37,000個の同一の50μm平方の領域の1cmアレイを含むデバイス、および(iv)1μm幅のフォトレジスト障壁によって隔てられた、約280万個の同一の5μm平方の囲いまたは領域の1cmアレイを含むデバイス。
本発明の例示的な実施形態としては、その二重層脂質区域が異なる生体分子(例えば、レセプタータンパク質分子、リガンドタンパク質分子、他のタンパク質分子、脂質、糖脂質(リポ多糖類およびスフィンゴ脂質)、脂肪酸(例えば、ミコール酸)またはステロール(例えば、エルゴステロールおよびコレステロール))を含む。そのようなデバイスは、米国特許第6,228,326号および米国特許出願番号10/200,682(2002年7月22日出願(代理人整理番号23604−7001)(この両方は、本明細書中に参考として援用される)により完全に記載され、二重層適合性表面にプロテオリポソームを融合することによって、以下に記載されるように生成される。
二重層膜中にレセプターまたはイオンチャネルを組み込むことに加えて、この二重層は、望ましい特性を有する表面を生成するように、多数の基または化合物のいずれかを用いて誘導体化され得る。例えば、このリポソームは、表面脂質成分に付着することによって、脂質表面に結合したリガンドを含み得る。一般的には、そのようなリガンドは、小胞形成脂質の極性ヘッド基に結合される。そのような結合を達成する例示的な方法は、米国特許第6,228,326号に記載される。
(III.独立的にアドレス可能な脂質二重層領域を含む表面検出器アレイデバイスの構築)
本発明において使用される表面検出器デバイスは、例えば、米国特許第6,228,326号の実施例1に記載されるように、微小製造技術と脂質小胞技術との組み合わせを使用して簡便に作製され得る。
本発明において使用される表面検出器アレイデバイスは、代表的には、1つ以上の二重層障壁領域によって隔てられた複数の別個の二重層適合性表面領域を有する基材表面を生じるように基材をパターン形成することによって、製造される。望ましいパターンで基材に薄い金属コーティングを適用するために利用可能な多数の異なる技術のいずれかを使用して、電極は上記デバイスへと製造され得る。例示的な技術は、例えば、Krutenat,1986、ならびにWolfおよびTauber,1986(これらは両方とも、本明細書中で参考として援用される)に概説される。パターン形成された支持されたグリッドが作製された後、その支持されたグリッドは、清浄化および/または処理されて、そうしなければその表面に近接する脂質二重層の形成を阻害し得る、基材表面上に存在するあらゆる不純物も混入物も剥がされるかまたは腐食される。この洗浄/腐食/処理工程の後、そのグリッドは、チャンバ中に配置され、選択された脂質から形成されそして選択されるタンパク質または他の生体分子を(必要に応じて)含む、小胞またはリポソームの懸濁物が、各二重層適合性表面領域と接触される。この懸濁物中の小胞は、一般には、支持される二重層膜を形成するように1分間以内、二重層適合性表面領域と誘導される(Xiaら、1996;Grovesら、1996(その両方が、本明細書中に参考として援用される))。表面検出器を製造し使用する詳細な方法は、米国特許第6,228,326号および米国特許出願番号10/200,682(2002年7月22日出願(代理人整理番号23604−7001)(この両方は、本明細書中に参考として援用される)により完全に記載される。
(IV.結合検出)
脂質二重層膜およびその関連内在性成分への結合事象は、種々の形式の二重層膜(支持された脂質二重層、黒色脂質膜、非対称脂質二重層および対象脂質二重層、脂質二重層小胞、膜でコートされたマイクロビーズおよび膜でコートされた小胞、留められた脂質二重層小胞、ならびに脂質二重層でコートされたキャピラリー壁を含む)を使用して、検出され得る。本発明に従って、結合事象が、脂質二重層の1つ以上の物理的特性に対するその影響を介して検出される。これらの特性としては、例として、膜の流動性、アシル鎖移動度、膜の完全性、膜の外観、膜の連続性、膜の厚み、膜の屈曲率、および膜張力が挙げられるが、これらに限定されない。
結合事象は、画像化技術を使用して検出され得、その技術のうちのいくつかは、膜または膜間連成分に付着されているかまたはそれらの中に組み込まれている、標識(発蛍光団、電子スピン共鳴標識、放射性標識、半導体ナノ粒子標識、または金属ナノ粒子標識)の使用に依拠する。例えば、Tatonら、2001;Huら、2001(参考として援用される)を参照のこと。第2の膜と、第1の膜との相互作用によっても、膜の構造および機構の詳細が明らかになり得る。WongおよびGroves,2001(参考として援用される)を参照のこと。いくつかの実施形態において、膜標的成分(例えば、標的脂質または他の膜成分)が標識され得、一方、他の実施形態において、バックグラウンド脂質膜または他の膜成分が標識され得る。この後者の実施形態において、標的への因子の結合は、バックグラウンド脂質または他の膜成分の挙動に対する結合の影響をモニタリングすることによって、間接的に読み取られる。この間接的な読取りは、可能である。なぜなr、標的成分に対する結合の影響は、バックグラウンド脂質または他の膜成分に伝達されるからである。例えば、標的成分の流動性の結合誘導性変化(例えば、下記のようにコレラ毒素がガングリオシドGM1に結合した場合に観察されるような)は、そのガングリオシドの近傍にある脂質分子の流動性に影響を与え得る。バックグラウンド脂質分子が標識される場合、その挙動の変化は、GM1に対するコレラ毒素の結合をモニタリングするために使用され得る。
膜結合事象は、例としては、例えば、光退色後蛍光回復法(FRAP)(例えば、本明細書中に参考として援用されるTammおよびKalb、1993に記載される)、蛍光異方性(例えば、本明細書中に参考として援用される、Lackowicz,1999)、蛍光相関分光法(FCS)(例えば、本明細書中に参考として援用される、Hessら、2002に記載される)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)(例えば、本明細書中に参考として援用される、Clegg,1996に記載される)、蛍光共鳴エネルギー移動顕微鏡検査法(FRET顕微鏡検査法)、電気泳動、および電気的分子間力顕微鏡検査法(例えば、本明細書中に参考として援用される、GrovesおよびBoxer,2002に記載される)による、膜の流動性の測定(しかし、これに限定されない)を使用して、検出され得る。
アシル鎖移動度は、例えば、電子スピン標識脂質(例えば、本明細書中に参考として援用される、YinおよびHyde,1989に記載される)を使用してか、またはFTIR(例えば、本明細書中に参考として援用される、Griffithsら、1986に記載される)、和周波発生分光法、または表面屈折分光法(例えば、本明細書中に参考として援用される、Kimら、2002に記載される)によって、評価され得る。
膜の完全性は、例えば、膜インピーダンスもしくは膜抵抗(またはその逆数である膜コンダクタンス)(例えば、本明細書中に参考として援用される、SackmannおよびTanaka,2000、Hillebrandtら、1999、またはSalafsky,GrovesおよびBoxer,1996に記載される)、膜電流(例えば、本明細書中に参考として援用される、SackmannおよびTanaka,2000、Hillebrandtら、1999、またはSalafsky,GrovesおよびBoxer、1996に記載される)、膜キャパシタンスもしくは容量性(capacitative)電流(例えば、本明細書中に参考として援用される、SackmannおよびTanaka,2000またはCornellら、1997に記載される)、ならびに膜電位(例えば、本明細書中に参考として援用される、SackmannおよびTanaka,2000に記載される)からなる群より選択されるパラメーターを測定することによってか、あるいは光退色後蛍光回復法(FRAP)(例えば、本明細書中に参考として援用されるTammおよびKalb、1993に記載される)、蛍光異方性(例えば、本明細書中に参考として援用される、Lackowicz,Principles of Fluorescence Spectroscopy,Kluwer Academic/Pleum,New York,1999)、蛍光相関分光法(FCS)(例えば、本明細書中に参考として援用される、Hessら、2002に記載される)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)(例えば、本明細書中に参考として援用される、Clegg,1996に記載される)、FRET顕微鏡検査法(例えば、WongおよびGroves,2001に記載される)、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)(例えば、本明細書中に参考として援用される、Griffithsら、1986に記載される)、蛍光顕微鏡検査法、電気泳動、電気的分子間力顕微鏡検査法(例えば、本明細書中に参考として援用される、GrovesおよびBoxer,2002に記載される)、屈折干渉(reflection intereference contrast)顕微鏡検査法(例えば、本明細書中に参考として援用される、Hillnerら、1995に記載される)、原子力顕微鏡検査法(AFM)(例えば、本明細書中に参考として援用される、Binnigら、1986に記載される)、他の任意の型の走査型プローブ顕微鏡検査法(例えば、水平力顕微鏡検査法/摩擦力顕微鏡検査法(例えば、本明細書中に参考として援用される、Corcheroら、1992に記載される)、化学力顕微鏡検査法(例えば、本明細書中に参考として援用される、Frisbieら、1994に記載される)からなる群より選択される方法を使用して、そして膜の外観の定量的画像分析によって、評価され得る。
膜の連続性を、以下によって評価し得る:膜インピーダンス、膜抵抗(またはその逆数である膜コンダクタンス(例えば、SackmannおよびTanaka,2000、Hillebrandtら,1999、またはSalafsky,GrovesおよびBoxer,1996(各々本明細書中に参考として援用される)に記載される))、膜電流(例えば、SackmannおよびTanaka,2000、Hillebrandtら,1999、またはSalafsky,GrovesおよびBoxer,1996)に記載される)、膜電位(例えば、SackmannおよびTanaka,2000に記載される)ならびに膜の流動性(前出に記載される)からなる群より選択されるパラメーターをモニターすること、あるいは光退色後の蛍光回復法(FRAP)(例えば、TammおよびKalb,1993(本明細書中に参考として援用される)に記載される)、蛍光異方性(例えば、Lackowicz,Principles of Fluorescence Spectroscopy,Kluwer Academic/Plenum,New York,1999(本明細書中に参考として援用される)に記載される)、蛍光相関分光法(FCS)(例えば、Hessら,2002(本明細書中に参考として援用される)に記載される)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)(例えば、Clegg,1996(本明細書中に参考として援用される)に記載される)、FRET顕微鏡検査法(例えば、WongおよびGroves,2001に記載される)、電気泳動、および電気的分子間力顕微鏡検査法(例えば、GrovesおよびBoxer,2002(本明細書中に参考として援用される)に記載される)からなる群より選択される方法を使用すること。
膜の外観を、例えば、屈折干渉顕微鏡検査法(例えば、Hillnerら,1995(本明細書中に参考として援用される)に記載される)、電気的分子間力顕微鏡検査法(例えば、GrovesおよびBoxer,2002(本明細書中に参考として援用される)に記載される)、原子間力顕微鏡(AFM)検査法(例えば、Binnigら,1986(本明細書中に参考として援用される)に記載される)、または任意の他の型の走査型プローブ顕微鏡検査法(例えば、水平力顕微鏡検査法/摩擦力顕微鏡検査法(例えば、Colcheroら,1992(本明細書中に参考として援用される)に記載される)および化学力顕微鏡検査法(例えば、Frisbieら,1994(本明細書中に参考として援用される)に記載される))を使用して評価し得る。膜の外観は、外観とは、スナップ写真と同様の膜の静電的評価をいうので、静電的な評価が行われた後に膜の完全性も連続性も保証されないという点で、例えば、膜の完全性または膜の連続性とは異なる。
膜の厚みは、例えば、膜キャパシタンス(例えば、SackmannおよびTanaka,2000,またはCornellら,1997(本明細書中に参考として援用される)に記載される)の測定を通じて、または原子間力顕微鏡検査法(AFM)(例えば、Binnigら,1986(本明細書中に参考として援用される)に記載される)を使用することによって、評価され得る。
膜の屈曲率は、例えば、LipowskyおよびSackmann,1995(本明細書中に参考として援用される)によって教示される技術を使用して評価され得る。
膜張力は、例えば、LipowskyおよびSackmann,1995(本明細書中に参考として援用される)により教示される技術を使用して、評価され得る。
画像化または他の方法で種々の形式の脂質二重層膜構造(支持された脂質二重層、黒色脂質膜(black lipid membrane)、非対称性および対称性の脂質二重層、脂質二重層小胞、留められた脂質二重層小胞、および脂質二重層で覆われたキャピラリー壁が挙げられる)の性質を決定するために、本発明とともに使用される技術の多くは、外因性標識の使用なしで行われ得る。これらの技術は、いくつか挙げると、屈折干渉顕微鏡、電気的分子間力顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)または任意の他の型の走査型プローブ顕微鏡(例えば、水平力顕微鏡または化学力顕微鏡)、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、微小熱量分析、質量分析法(MS)による膜組成の測定、表面プラズモン共鳴、膜の屈曲率の測定、膜張力およびその関連した定数の測定の技術が挙げられる。このような技術は、当業者に周知であり、例えば、Safran,1994;Hessら,2002;ならびにLipowskyおよびSackmann,1995に記載される。
電気的測定は、膜結合事象および膜破壊事象を検出するために、種々の形式の脂質二重層膜構造(支持された脂質二重層、黒色脂質膜、非対称性および対称性の脂質二重層)に対して行われ得る。膜インピーダンス、膜抵抗、またはその逆数である膜コンダクタンス(例えば、SackmannおよびTanaka,2000;Hillebrandtら,1999;ならびにSalafsky,Groves,およびBoxer,1996(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)の他に、二重層の他の2つのパラメーターが、潜在的膜活性薬物または潜在的膜活性因子の作用(すなわち、膜キャパシタンス)(例えば、SackmannおよびTanaka,2000;ならびにCornellら,1997(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)および内膜電位差(例えば、SackmannおよびTanaka,2000,ならびにCornellら,1997(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)に関するさらなる情報を得るために使用され得る。膜キャパシタンスを決定することにより、二重層の領域、厚みおよび組成に対する情報が得られる。固有の膜電位は、表面電位および内膜電位から構成される。膜コンダクタンスおよび膜キャパシタンスにおける変化、ならびに内膜電位は、その脂質成分または関連する成分もしくは固有の成分を含む脂質二重層膜構造への結合と、その結果生じる、1以上のイオン性種に対するその二重層の透過性の変化を示す。これらの電気的測定は、多孔性基材および酸化インジウムスズ(ITO)のような導電性膜支持基材を使用して、支持された膜上で行われ得る。
以下の実施例は、本発明を例示するが、本発明を制限することは決して意図しない。
(材料および方法)
別段示されなければ、化学物質は、Sigma(St.Louis,MO)またはUnited States Biochemical(Cleveland,OH)から購入した。
(A.緩衝液)
(標準緩衝液)
10mM Tris
100mM NaCl(pH8.0)。
(リン酸緩衝化生理食塩水(PBS))
10×ストック溶液,1リットル:
80g NaCl
2g KCl
11.5g NaHPO・7H
2g KHPO
(PBSの作業溶液(pH7.3))
137mM NaCl
2.7MM KCl
4.3mM NaHPO・7H
1.4mM KHPO
(B.脂質および標識)
卵由来のL−αホスファチジルコリン(卵PC)を、Avanti Polar Lipids(Alabaster,AL)から購入した。蛍光プローブN(テキサスレッドスルホニル)−1,2−ジヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(トリエチルアンモニウム塩)(テキサスレットDHPE)を、Molecular Probes (Eugene,OR)から購入した。
(C.リン脂質小胞の調製)
小さな単膜リポソーム(SUV)を、卵L−αホスファチジルコリン(Avanti)を使用して、Barenholzら,1977(参考として援用される)に概説されたプロトコルに従うことによって調製した。このホスファチジルコリンを、HPLC等級のクロロホルム(Sigma Aldrich)中で、1モル% テキサスレッドDHPEと混合し、真空デシケーター中で一晩乾燥させた。その乾燥させた脂質を、Sibataフィルタユニットを使用して、Rainin Nylon−66 0.45 Elmフィルタを通して濾過した標準緩衝液中に、約6mg/mlになるように懸濁した。その懸濁液を、3分間氷上でArを流しながら、1分間の冷却期間を空けて、Branson超音波発生器で透明になるまで超音波処理した(Martin,1990(参考として援用される))。
次いで、サンプルを、100,000×gで30分間遠心分離して、超音波発生器チップから剥がれたTi粒子を除去し、上清を、166,000×gで4時間遠心分離して、SUVを得た。そのSUVを、NまたはAr下で遮光して4℃にて保存し、3週間以内に使用した。これらのサンプル中の脂質濃度を、小胞中のプローブ濃度は、調製時に1モル%であると仮定して、590nmでのテキサスレッドプローブの吸光度(ε=100,000M−1cm−1;Haugland,1992)から決定した。収率(最初の脂質1mgあたりのSUV脂質mg)を、この濃度から計算すると、Barenholzら,1977に報告されるものと等しい。
(D.膜電気泳動)
電気泳動研究について、そのPBS中の支持された膜を、1mMの総イオン強度になるまで希釈した。これを、緩衝液下で別のカバーガラスとともにサンドイッチ状に組み立てた。電気泳動セルは、Teflonトラフの溶液充填ウェル中の2つの0.01インチ直径のパラジウムワイヤ電極からなった。そのカバーガラスサンドイッチを、2つの電極ウェルの間に橋を架けるように配置した。電気的接続を、カバーガラスサンドイッチにおける溶液を通じて達成した。60V/cmまでの電場を、標準電源を用いて印加した。電流を、Keithleyピコアンメーター(Cleveland,OH)でモニターし、代表的には、15V/cmで単一の18mm平方カバーガラスサンドイッチについて約3μAであった。これは、9×10−5Wの総電力消費に対応し、ごくわずかな量のジュール熱を生成するにすぎないはずである。
(実施例1−表面検出器デバイスにおける膜電気泳動)
200μm平方の囲いを有する表面検出器デバイスを、1モル%の蛍光標識脂質、テキサスレッドDHPE(Molecular Probes,Eugene,OR)を添加したL−α−ホスファチジルコリン(PC)分子を使用して、上記のように、および米国特許第6,228,326号の実施例1に記載されるように調製した。
簡潔には、膜を、ウェーハ支持体グリッドのパターン化された表面と、上記のように調製した、主に1モル%の蛍光標識脂質、テキサスレッドDHPEを添加した分子からなる約25nm直径の単膜リポソームを含む懸濁液とを接触させることによって形成した。過剰な小胞を、常にバルク水溶液下で膜を維持しながら、洗い流した。
二重層適合性表面領域上の支持された二重層の流動性を、荷電した膜成分の電気泳動的再分布により実証した。上記のD.材料および方法の節において記載される技術を用いて、電気泳動を行った。15V/cmの電場を脂質二重層膜の平面に対して平行に印加した。電場を印加すると、荷電した分子(標識DHPE)は、二重層の平面において運ばれたのに対して、中性のPC分子(膜のバルクを形成する)は、電場によって影響を受けなかった。約25分間の電場の印加によって、負電荷の蛍光プローブの定常状態の電場誘導性濃度プロフィールを生じた(GrovesおよびBoxer,1995(参考として援用される))。
電場誘導性濃度勾配の定量的説明は、図2に示され、この図は、2つの200μm微小作製囲いにおける蛍光プローブ脂質(テキサスレッドDHPE)の定常状態濃度勾配のビデオマイクログラフから計算された蛍光強度の定量的追跡を示す。この実験における濃度勾配を、実験プロフィールに採用した。蛍光強度追跡が計算される画像を、蛍光強度の線形画像化のために調節した低光量ビデオカメラで撮影した。
電場誘導性濃度勾配は、完全に可逆的であり、消散するためには、15V/cmで形成する時間とほぼ同量の時間がかかる。このプロフィールは、膜に対しても、二重層障壁領域に対しても、障壁に対しても何ら明らかな影響なく、反復して電場の極性を逆にすることによって切り替えられ得る。上記の電場誘導性濃度プロフィールは、分子サイズ、クラスター形成、非理想的混合、およびリガンド結合を研究するために使用され得る。
(実施例2−膜標的のスクリーニング)
この実験の目的は、コレラ毒素Bサブユニットの蛍光標識糖脂質(ガングリオシドGM1)への特異的結合を利用することによって、薬物発見のための表面検出器アレイデバイス、すなわち、「MembraneChipTM」の利用可能性を示すことである。任意の他の膜会合成分または完全成分(例えば、他の糖脂質、脂肪酸、およびステロール)もまた、MembraneChipsTM上に膜標的として提示され得る。
コレラ毒素は、AB5配置で2つの異なる型のサブユニットを含む膜標的化ヘキサマーである。この毒素は、Vibrio cholerae(1年に100万人を超える死亡者を計上する病原体)により分泌される。そのAサブユニットは、Gタンパク質シグナル伝達を混乱させる一方で、非毒性Bサブユニットは、細胞表面への結合を担う。各Bサブユニットは、ガングリオシドGM1が、そのヘッド領域に提示する五糖鎖に特異的に結合する。GM1は、腸粘膜細胞の膜において見られる天然に存在する糖質リッチスフィンゴ脂質である。このようにして、コレラ毒素は、ヒト腸細胞へ侵入して、潜在的に致死性の下痢を引き起こす。
コレラ毒素サブユニットB(Alexa Fluor 594)を、Molecular Probes(Eugene,OR)から購入し、500μgの凍結乾燥粉末として受け取った。2.0mg/mlのストック溶液を作製し、10μlに等分して、遮光ボックスの中で−20℃の冷凍庫に入れて保存した。
このGM1(ヒツジ脳由来)を、65:25:4のクロロホルム:メタノール:水の混合物中で、Avanti Polar Lipids(Alabaster,AL)から購入した。2つのアンプルは、各々2.5mgで各0.5mlを含んでいた(5mg/ml濃度)。卵由来のL−α−ホスファチジルコリン(卵PC)を、Avanti Polar Lipids(Alabaster,AL)から購入した。蛍光プローブN(テキサスレッドスルホニル)−1,2−ジヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(トリエチルアンモニウム塩)(テキサスレッドDHPE)を、Molecular Probes(Eugene,OR)から購入した。
小胞調製を、上記に概説した方法に従って行った。蛍光標識コレラ毒素を含む種々の量のガングリオシドを試験して、コレラ毒素結合アッセイのために膜に含まれるべきGM1のパーセンテージを決定した。1モル%が、許容可能な濃度であることを、蛍光顕微鏡によって決定した。この結果は、MembraneChipTM表面検出器デバイス上で確認した。実施例2(前出)および図4を参照のこと。拡散溶液を、12.5μlの小胞調製物を12.5μlのPBS緩衝液に添加することによって生成した。
表面検出器デバイス(すなわち、MembraneChipTM)を、米国特許第10/200,682号(2002年7月22日出願)(代理人整理番号23604−7001)の実施例6に記載される自動化方法に従って構築した。500ミクロン外形(すなわち、囲い)を有する4×4のアレイにおいて、1つの囲いを除いて、全て、99モル% 卵ホスファチジルコリンと1モル% NBD−ホスファチジルグリセロールを含む溶液を、アレイ状にした。最後の囲い(左上角から数えて第三列、第3行)を、98モル%の卵ホスファチジルコリン、1モル%のNBD−ホスファチジルグリセロールおよび1モル%の非標識GM1をアレイ状にした。適切なFITCフィルタセット(Nikon Instruments,Inc.,96106807B−2A,Melville,N.Y)を装備した蛍光顕微鏡(Nikon Instruments,Inc.,Nikon Eclipse E400,Melville,N.Y)下で観察すると、そのチップは、均一に緑色をしていた(データは示さず)。
コレラ毒素は、ガングリオシドGM1に特異的に結合する。このMembraneChipTMは、この特異的相互作用を検出できた。このMembraneChipTMを、1mlの2μg/ml テキサスレッド標識コレラ毒素(Molecular Probes,Eugene,OR)とともに、リン酸緩衝化生理食塩水中、室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、そのMembraneChipTMを、そのコレラ毒素含有溶液を除去することによって洗浄し、室温のリン酸緩衝化生理食塩水1mlを、添加した。洗浄工程をさらに4回繰り返した。1モル%のGM1を含む囲いのみが、コレラ毒素を結合した。蛍光顕微鏡で画像化すると、このGM1を含む囲い40は、赤色に見える(濃灰色で示される)一方で、GM1を欠く他の囲いは、コレラ毒素を全く結合せず、緑色のままであった(薄灰色で示される)。これらの結果は、図4に示され、コレラ毒素のGM1への特異的結合が、そのMembraneChipTM表面検出器デバイスを使用して検出され得ることを例示する。
(実施例3−膜の流動性における変化による結合の検出)
結合アッセイ(例えば、コレラ毒素について上に記載されるアッセイ)は、しばしば、結合検出を容易にするために標識リガンドの使用を要する。標識リガンドの使用は、スクリーニングプロセスにおいてさらなる妨げを作り出し得るか、それらの使用に要するアッセイの費用を増大させ得るか、または特異的標識およびその結合点に依存して、リガンド結合特性を変化させ得る。ここでは、本発明者らは、結合相互作用をアッセイするための膜の流動性の測定の使用を記載する。本発明者らは、GM1を示す膜へのコレラ毒素結合が、膜内のガングリオシドの側方移動を減少させることを示す。
(材料および方法)
Alexa Fluor 594で標識したコレラ毒素Bサブユニットを、Molecular Probes(Eugene,OR)から購入し、500μgの凍結乾燥Bサブユニットとして受け取った。0.25mlの水を添加して、2.0mg/ml溶液を作り、10μlアリコートに等分して、遮光ボックスの中で−20℃の冷凍庫に入れて保存した。
非標識コレラ毒素Bサブユニットを、Sigma(St.Louis,MO)から購入し、0.25mlの水を、添加して、500μgの凍結乾燥粉末に添加して、2.0mg/mlのストック溶液を作った。10μlのアリコートを作り、遮光ボックスの中で−20℃の冷凍庫に入れて保存した。
M1(ヒツジ脳由来)を、65:25:4のクロロホルム:メタノール:水の混合物中で、Avanti Polar Lipids(Alabaster,AL)から購入した。2つのアンプルは、各々2.5mgで各0.5mlを含んでいた(5mg/ml濃度)。BODIPY FL C5−ガングリオシドGM1を、Molecular Probes(Eugene,OR)から購入した。卵由来のL−α−ホスファチジルコリン(卵PC)を、Avanti Polar Lipids(Alabaster,AL)から購入した。蛍光プローブN(テキサスレッドスルホニル)−1,2−ジヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(トリエチルアンモニウム塩)(テキサスレッドDHPE)を、Molecular Probes(Eugene,OR)から購入した。
小胞調製を、上記に概説した方法に従って行った。蛍光標識コレラ毒素を含む種々の量のガングリオシドを試験して、コレラ毒素結合アッセイのために膜に含まれるべきGM1のパーセンテージを決定した。1モル%が、許容可能な濃度であることを、蛍光顕微鏡によって決定した。この結果は、MembraneChipTM表面検出器デバイス上で確認した。実施例2(前出)および図4を参照のこと。
拡散溶液を、12.5μlの小胞調製物を12.5μlのPBS緩衝液に添加することによって生成し、膜チップを、12mm直径円形カバーグラス(1.5mm厚)上に生成した。7つの異なるサンプルを生成し、12ウェルプレートの別個のウェル中の水の中に入れた(成分パーセンテージは、モル%として示す):
1.99% 卵PCおよび1% NBD−PG(プローブしていない)
2.98% 卵PC、1% NBD−PG、および1%GM1(プローブしていない)
3.98% 卵PC、1% NBD−PG、および1% GM1(標識コレラ毒素でプローブした)
4.98% 卵PC、1% NBD−PG、および1% GM1(非標識コレラ毒素でプローブした)
5.99% 卵PCおよび1% BODIPY−標識GM1(プローブしていない)
6.99% 卵PCおよび1% BODIPY−標識GM1(標識コレラ毒素でプローブした)
7.99% 卵PCおよび1% BODIPY−標識GM1(非標識コレラ毒素でプローブした)。
ウェル中の過剰な水を吸引除去した後、各々を、PBSで1回洗浄し、次いで、1mlのPBS(前出のサンプル1、2および5)または998μlのPBS/2μlのコレラ毒素の溶液(標識[サンプル3および6]または非標識[サンプル4および7]、上記のサンプル説明に応じて)のいずれか中でインキュベートした。プレートを、アルミニウム箔で覆い、1時間にわたって振盪機に載せた。その後、各ウェルを、1回の洗浄あたり1mlのPBSで6回洗浄した。
各サンプルを、水に入れながら12ウェルプレートから除去し、アップライト蛍光顕微鏡(Nikon Instruments,Inc.,Nikon Eclipse E400,Melville,N.Y)で観察している間に凹部を付けたスライドに移した。この操作の間中、および以下に記載のデータ獲得の間に、サンプルを、バルク水相で覆った。ImagePro Plus(Version 4.5.0.19,Media Cybernetics,Inc,Silver Spring,MD)およびCoolSnap(Version 1.1,Roper Scientific,Inc.,Tucson,AZ)ソフトウェアを使用して、画像を獲得した。試験を各サンプルに対して行って、光退色後の蛍光回復(FRAP)を決定した。
約100ミクロン直径のスポットを、開口部絞りを通じて向けられた100W水銀アークランプ(Ushio Inc.,USH−102DH,Tokyo,Japan)で60秒照明することによって光退色させた。この直後に、画像化される蛍光標識に適したFITCフィルタセットを使用して、20×対物レンズを通じて写真撮影した。最初の写真を撮った後に、5分間の暗い「回復期」を設けた。最後の写真を、この「回復期」の直後に撮影し、最初の写真と比較して、光退色後の蛍光回復の程度を決定した。
(結果)
プローブしていないサンプル(すなわち、サンプル1、2および5)は全て、光退色後の蛍光の劇的な回復を示した。以下の図5Aおよび5Bに関する議論を参照のこと。サンプル番号3(標識コレラ毒素とインキュベートした)は、テキサスレッドフィルタ(Chroma,30014808TXRD,Brattleboro,VT)(このフィルタは、GM1を結合したコレラ毒素を可視化する)の下よりも、FITCフィルタの下でわずかに大きな回復率を示した(NBD−PG脂質を観察)。データは示さない。標識コレラ毒素とインキュベートした両方のサンプル(すなわち、サンプル3および6)において、FITCフィルタを付けて撮った写真を、赤い色調であり、そのコレラ毒素の赤い蛍光の結果が、顕微鏡で使用されるロングパスフィルタを通って伝わる。データは示さない。
BODIPY標識GM1を含むサンプル(すなわち、サンプル5、6および7)において、流動性は、コレラ毒素を膜に結合する前には高く、標識コレラ毒素または非標識コレラ毒素のいずれかとインキュベートした後には、かなり低下した。図5Aおよび5Bは、「マイナスコレラ毒素」コントロールからの結果を示す。この結果は、BODIPY標識GM1膜成分の流動性を示す。図5Aは、光退色直後のサンプル5の写真を示す。退色したBODIPY標識GM1の領域が明らかである。図5Bは、5分間の回復期後の同じサンプルを示す。その退色した発蛍光団の、元来の退色した領域の蛍光回復を生じる広範にわたる拡散に留意すること。
図5Cおよび5Dは、サンプル7(これは、非標識コレラ毒素でプローブした)で得た結果を示す。光をあてた後、退色したBODIPY標識GM1の十分に規定された領域が明らかである。図5C。この退色した領域は、5分間の回復期の後でも十分に規定されたままである。図5D。
(考察)
この実験は、本発明の支持された脂質二重層が、そのリガンドを直接観察しなくても、リガンド結合を検出するために使用され得ることを示す。その膜の物理的特性に対する分子結合の効果を試験することによって、発蛍光団結合体化リガンドに依らなくても、膜−分子相互作用についての十分に特徴付けられた推論をすることが可能である。
特に、上記のサンプル5および7を比較すると、蛍光回復における差異は明らかである。回復は、標識膜性分の側方流動性(lateral fluidity)の直接的な結果であるので、その結果は、そのGM1分子が、コレラ毒素に結合した場合に移動性を失うことを示す。サンプル3(これは、赤色よりも緑色フィルタの下でより大きな蛍光回復が見られたことを示す)は、結合していない膜成分(NBD−PGのような)が、比較的流動性であるままであり得るが、GM1の側方流動性が、コレラ毒素結合の後に消失することを示唆する。当然のことながら、蛍光異方性(例えば、Lackowicz,Principles of Fluorescence Spectroscopy,Kluwer Academic/Plenum:New York(1999)(参考として援用される)を参照のこと)、および蛍光相関分光光度法(FCS)(例えば、Hessら,2002を参照のこと)のような標準的な技術も使用して、膜の流動性またはアシル鎖移動性の変化についての情報を獲得し得る。化合物のライブラリーをスクリーニングして、コレラ毒素のGM1への結合を妨害する薬剤を同定し得る。化合物のライブラリーとしては、例えば、コンビナトリアル低分子ライブラリー、コンビナトリアル生物学的ライブラリー(例えば、コンビナトリアルペプチドライブラリーまたはコンビナトリアル核酸ライブラリー)、または本発明の方法を使用して利用され得る化合物の任意の他の型のランダムもしくは非ランダム群が挙げられ得る。このような化合物は、GM1側方流動性におけるコレラ毒素誘導性変化をブロックまたは減少させ、抗生物質開発のリード化合物として働き得る。あるいは、コンビナトリアルライブラリー(例えば、ポリエン、リポペプチド、またはカチオン性ペプチドを含む)は、微生物特異的膜成分のアレイに対してスクリーニングされて、抗生物質開発のためのリード化合物が同定され得る。
(実施例4−膜の流動性におけるリガンド結合誘導性変化の電気泳動的検出)
実施例3において詳細に記載されるように、コレラ毒素サブユニットBの結合は、ガングリオシドGM1の流動性の減少によって検出され得る。実施例3において、流動性変化(リガンド結合の指標である)を、光退色後の蛍光回復(FRAP)によって測定した。電気泳動は、荷電した成分を含む膜における流動性を測定するための代替方法である。このように、電気泳動的移動度の変化は、1以上の膜性分へのリガンド結合をモニターするために使用され得る。
電場が流動膜に印加される場合、荷電した成分は、力を受ける。力の成分は、膜の平面内に向けられ、その成分は、図2に例示され、図6において図示されるように(そしてGroves J.T.,およびBoxer S.G.,2002(参考として援用される)においても総説されている)、膜平面内をそれらの等電点まで移動する。
その移動は、膜の流動性を示し、例えば、膜の平面内に存在する電場の成分に沿って向けられた濃度プロフィールとして観察され得る。この濃度プロフィールは、標識脂質(前出の実施例1に記載され、図2に示される)を使用して容易に検出される。
同じまたは異なる発蛍光団で標識された流動膜標的の表面検出器アレイデバイスは、図6Aに示される。このアレイは、同一の脂質成分を含み得るか、または代わりに異なる囲い(corral)が異なる脂質成分を含み得る。少なくとも1つの成分が、アレイを覆うバルク溶液のpHにて実効電荷を有する。これらのアレイの1以上が、膜電気泳動に適したウェルの底に置かれ得る。
図7は、この目的に適合されたウェルを例示する。そのウェルは、マルチウェルプレートアセンブリ内に1つのウェルを含み得る。このウェルは、一対の電極703および704とともに、壁701、および底表面702(流体を一緒に含む)を含む。一実施形態において、電極703および704は、そのウェルの境界内に非絶縁ワイヤを備える。表面検出器アレイデバイスは、そのウェル内に入れられ、ウェルの外側の電極703および704の一部が、電源に接続される。ウェル内の流体は、電極703およびと704の非絶縁部分の間に電流を流すための導電性種(すなわち、イオン)を含む。表面検出器デバイスは、電極703と704との間に流れる電場Eを遮断し、その結果、任意の荷電した膜性分が、電荷q、および電場Eに比例した力を受ける。この力は、その荷電した成分を動かすかまたは電気泳動させる。
代替の実施形態において、電極703および704は、表面検出器デバイスに電極リードを電気的に接触させるように適合される。この表面検出器デバイス内の電極は、好ましくは、囲いを横切って流れる電場Eを設定するように向けられる。これは、リードが囲いの反対側に向けられた導体と電気的に接触していることによって都合良く達成される。電極を備える表面検出器デバイスの製造は、前出の第III節に記載される。表面検出器デバイスの電極703および704とリードとの間の接続は、その電極703または704のうちの一方に端を発する経路を通る電流の大部分または全てが、その表面検出器デバイスの上側表面を横断して進み、電極703または704の他方を通って戻るように、操作され得る。電極703と704との間の直接的経路に沿った電流短絡を最小にすることによって、電流が生み出され、ジュール熱が最小に維持され、電場が最適に向けられて、囲い内に含まれる支持された二重層を電気泳動し得る。
この構成は、例えば、絶縁ワイヤを備える電極703および704を有することによって、ならびに電極703および704に対する絶縁を貫通するかまたは遮断することにより電極と電気的に接触し得る検出器の底にリードを有することによって操作され得る。電流短絡を、電極703、704と関連づけられたリードアセンブリとウェル内に位置した流体との間に液密シールを形成する可撓性O−リングまたはガスケット内にリードを配置することによってさらに最小にし得る。
表面検出器アレイデバイスは、電場Eに、および応じて膜電気泳動内の荷電成分に曝される。荷電した成分が、例えば、発蛍光団または他の色素で標識されると、電気泳動は、その標識の濃度勾配として検出され得る。図6B。他の実施形態において、その荷電した成分は、非標識であり、その移動は、荷電していない標識成分の動きを(例えば、粘性抗力によって)誘導する。
1つの有利な実験設定において、膜電気泳動のために構成されたアレイは、異なる囲いにおいて別個の膜組成物を含む。各囲いは、電気泳動膜の流動性測定を腰囲にするために、荷電しかつ標識された膜成分を含む。このアレイは、化合物ライブラリー(例えば、コンビナトリアル低分子ライブラリー、コンビナトリアル生物学的ライブラリー(例えば、コンビナトリアルペプチドライブラリーまたはコンビナトリアル核酸ライブラリー)または本発明の方法を使用して利用され得る化合物の任意の他の型のランダム群もしくは非ランダム群)に曝され、ここでその化合物は、好ましくは、標識されていない。図6C。ライブラリー化合物は、アレイ内の膜標的に結合する。そのアレイは、電場Eに供される。ライブラリー化合物の膜標的への結合は、膜の流動性を変化させる。この結合は、通常の標識膜性分の電気泳動誘導性濃度勾配における変化として検出される。図6D(囲い60が緑で強調されている)。表面検出器アレイデバイスの画像は、例えば、捕捉蛍光画像を使用して入手され得、ソフトウェア駆動分析は、結合事象を検出するために使用され得る。低スループット実施形態に関して、その結合事象は、蛍光顕微鏡によって、MembraneChipTMの直接的な観察によって視覚的に検出され得る。
(実施例5−抗生物質開発の膜ベースのアッセイ)
抗生物質処置に耐性の細菌株は、急激に重篤度が増加しているという全身の健康の懸念を生じる。例えば、フルオロキノロンに耐性のGonorrheaの増殖は、国家の最も重要な抗淋菌兵器(arsenal)の半分の喪失という結果になった。淋菌のいくつかの形態はまた、セファロスポリン薬物に対する中間の耐性を樹立している。これらの多剤耐性株は、東アジアにおける抗生物質の乱用から生じ、ハワイおよびカリフォルニアにおいて既に出現している。
細菌標的抗生物質での問題の1つは、表1に示されるように、少数の主要なクラスの薬物しか存在しないことである:
(表1.細菌を標的化する抗生物質のクラスおよびその作用機構)
Figure 2005538377
フルオロキノロンのうちのいずれか1種に耐性になる細菌は、通常、そのクラス全体に対しても耐性になる。抗生物質耐性は、過剰な処方、処置の全課程完了の失敗、および農業用途における遍在によって悪化する。不適切に使用されると、抗生物質は集団に害を与えると同時に、個体に対してわずかな利益しか与えない。
歴史的には、大部分の抗生物質が、微生物の生化学的経路を標的とするように設計されていた。それらの経路は、酵素阻害アッセイが十分に開発されており、データを得るための定量的モデルが存在するので、インビトロで研究するのが容易である。インタクトな微生物において経路を標的とすることは、細胞壁があるために困難である。薬化学者であるGordon Amidonは、「細胞膜がその標的に達した後に潜在的な薬物を得ることは、大変な挑戦であり、我々はしばしば失敗している」と述べている。Science 296:838(2002)。
さらにいっそう重要なことには、抗生物質で経路(ペプチドグリカンまたはタンパク質合成;DNA複製)を阻害するそのストラテジーが、細胞を常に殺傷するわけではない。代わりに、微生物の増殖が、遅くなるに過ぎず、耐性になる機会が水平方向の進化によって生じてしまう可能性がある。近くの細菌細胞の中での遺伝子交換のプロセスは、形質導入、形質転換、および接合により生じる。当然のことながら、耐性遺伝子はまた、垂直方向の進化によって、細菌子孫へと伝えられる。進化の2つのモデルが一緒になると、細菌は恐るべき敵になる。
生命を脅かす感染を引き起こし得る微生物は、それらの生存および病原性に極めて重要な多くの膜構造を有するが、にも拘わらず、ヒト宿主から逃れている。そのMembraneChipTM表面検出器アレイデバイスは、理想的には、それらのネイティブな膜(脂質二重層)中で微生物特異的膜標的のアレイを提示することに適している。これらの膜標的の多くは、既存の治療剤によって標的とされている生合成経路の最終産物であるので、既に、薬学的に実証されている。例えば、ミコール酸およびエルゴステロールは、既存の薬物療法の作用機構に基づいて、薬学的に実証された膜標的であるとみなされ得る。マイコバクテリアは、長鎖脂肪酸であるミコール酸をそれらの細胞壁中に有するというそれらの特徴により命名され、このミコール酸は、これらの生物の生存に必須であるが、ヒトの膜には存在しない。イソニアジドは、Mycobacterium tuberculosisに対する最も重要な抗生物質である。ピリドキシンのこの合成アナログは、ミコール酸合成を担う酵素を阻害することによって、そのアセンブリを混乱させると考えられている。真菌に特有であるがヒトには存在しない別の不可欠な膜性分は、エルゴステロールである。より最近の合成薬物(例えば、フルコナゾール、ケトコナゾール)の抗真菌活性は、そのエルゴステロールの生合成の阻害にある。
グラム陰性細菌は、それらの細胞壁に特異的なリポ多糖(エンドトキシンとよばれる)を有する。哺乳動物細胞は、それらの膜に、エンドトキシンと構造が類似しているが、正確には同じでない特定の糖脂質を有する。エンドトキシン(標的)および哺乳動物糖脂質(抗標的)を含む膜が、好ましくは、隣接するアレイ要素において、アレイ内に示されると、その標的を優先的に結合し、抗標的には結合しない薬物の最適化が可能になる。標的特異性は、多くの有効な薬物が重大な安全性の問題を有するので、抗生物質薬物発見にとって重要である。膜を標的化することの1つの重要な利点は、膜治療剤が、すぐに作用し、微生物細胞膜に交差しないことである。膜の標的化はまた、別の重要な利益を有する。ペプチドグリカンおよび/またはタンパク質合成および/またはDNA複製を阻害することによる細胞増殖の停止を引き止めることは、近くの細菌細胞の中での遺伝子交換を介して水平方向の進化を可能にする。対照的に、即座に膜が接触して細胞を殺傷すると、耐性株の発生が、遙かに困難になる。
敗血症は、難治性の低血圧症および多臓器不全により特徴づけられる破局的な症候群である敗血性ショックをもたらし得る感染に対する全身応答である。米国において、一年に50万人の患者が罹患しており、死亡率は40%に及ぶ。敗血症および敗血性ショックに対する立証された薬学的治療が存在しない。
敗血症は、全てのグラム陰性細菌の細胞壁に存在する複合型リポ多糖(LPS)であるエンドトキシンによって引き起こされる。基本的なエンドトキシンは、2つの異なる領域からなる:疎水性多糖(これは、O特異的側鎖および内側コア領域および外側コア領域を含む)、および親水性のリピドA成分。リピドAは、複数の細菌ファミリーにわたって高度に保存されている。
エンドトキシンは、2つの方法によって血液に侵入し得る:1)外因性のグラム陰性細菌による局所的感染または全身感染を通じて、および2)特に全身傷害後の腸膜からの内因性グラム陰性細菌の転移による。循環性のエンドトキシンは、免疫系および組織細胞に由来する反応を刺激して、極度の炎症性宿主応答を誘導し、結果的には、「敗血症」として公知の臨床的な症候群を生じる。
表面検出器アレイデバイス、すなわち上記のMembraneChipTMは、細菌膜標的(例えば、エンドトキシン)を選択的に結合するが、ヒトオルソログには結合しない薬剤をスクリーニングするために使用される。これらの薬剤は、抗生物質として使用され得るか、または抗生物質開発のためのリード化合物として使用され得る。高度に複雑なアッセイは、表面検出器アレイデバイス(すなわち、MembraneChipTM)を、標準的マルチウェルプレートのウェルの底に入れることによって行われ得る。種々の化合物(すなわち、試験薬剤)または種々の化合物群が各ウェルに入れられて、試験薬剤と、標的組成物との間の相互作用がアッセイされ得る。好ましい実施形態において、種々の細菌に由来する種々のエンドトキシン形態(すなわち、標的)は、選択的標的化を確実にするために、1種以上の哺乳動物供給源に由来するコントロール膜サンプル(抗標的)とともに、囲い内のアレイ要素として提示される。
表面検出器アレイデバイス、すなわちMembraneChipTMは、原子間力顕微鏡(AFM)または走査型プローブ顕微鏡(例えば、水平力顕微鏡、および化学力顕微鏡)の任意の他の型による走査と適合する。いくつかの顕微鏡に関して、そのステージアセンブリに対するわずかな改変が、そのデバイスを適応させるために必要とされ得る。最も重要なことには、顕微鏡は、表面検出器アレイデバイスの表面がバルク流体で覆われたままでなければならないので、流体と接触したサンプルの使用に適応していなければならない。このような顕微鏡は、当業者に公知であり、例えば、Gambleの米国特許第5,949,070号(本明細書中に参考として援用される)に記載される。脂質二重層膜構造の視覚化により、生物学的プロセス(例えば、膜標的の分布、膜標的の薬物に対する結合特性、膜の外見、膜の連続性、膜の完全性、膜の厚み、膜結合モジュール、および膜の張力)のよりよい理解が得られる。原子間力顕微鏡(AFM)または他の型の走査型プローブ顕微鏡(例えば、水平力顕微鏡または化学力顕微鏡)は、超低力(例えば、レセプター−リガンド相互作用(例えば、Florinら,1994(参考として援用される)を参照のこと)または単一の分子レベルの抗体−抗原相互作用(例えば、Schwesingerら,2000(参考として援用される)を参照のこと))を検出するために既に利用されている。原子間力顕微鏡(AFM)または他の型の走査型プローブ顕微鏡(例えば、水平力顕微鏡、または化学力顕微鏡)は、従って、膜成分に対する薬剤の結合および/または薬剤結合から生じる膜破壊を検出するために本発明の方法の実施において使用され得る。
(材料および方法)
天然に存在するエンドトキシンは、グラム陰性細菌の細胞壁中の複合型リポ多糖(LPS)である。異なる天然に存在する凍結乾燥LPS(例えば、野生型LPS、ラフ型変異LPS、およびディープラフ型変異(deep rough mutant)LPS)は、Thomas GutsmannおよびUlrich Seydel(Borstel Institute)から個人的にもらった。異なる凍結乾燥LPSは、はじめに、65:25:4のクロロホルム:メタノール:脱イオン水に溶解した。次いで、これらを、クロロホルム混合物中に溶解した異なる組成の脂質(例えば、ホスファチジルコリン、ホスホエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、コレステロール、スフィンゴミエリンなどが挙げられる)と合わせて、均質な混合物にする。溶媒を、ロータリエバポレーター(Buchi Rotary Evaporators,C Assembly)によって、脂質混合物からエバポレートする。残った脂質ケーキを、一晩かけて4℃の脱イオン水で水和して、マルチラメラ小胞を形成する。マルチラメラ小胞を、脱イオン水に再懸濁し、次いで、T温度に対して押し出して、小さな単膜リポソームを形成する。
次いで、これらの小胞を、膜アレイヤーを使用することによって、標準的ウェルプレートの底にあるMembraneChipTMの上にアレイ状にする。この手順は、米国特許出願第10/200,682号(2002年7月22日)(代理人整理番号23604−7001)において詳細に記載される。得られたMembraneChipTMは、コンビナトリアルペプチドライブラリーまたは他の化学ライブラリーをスクリーニングするために使用される。
化合物ライブラリーは、直接的結合アッセイ方法または置換結合アッセイ方法(例えば、米国特許出願第10/200,682号(2002年7月22日)(代理人整理番号23604−7001)において概説される)または膜の流動性ベースのアッセイ(例えば、前出演出の実施例3および4に記載される)を使用して、微生物膜成分を選択的に結合する薬剤を同定するためにスクリーニングされる。流動性ベースのアッセイおよび置換アッセイについては、ライブラリー(これは、好ましくは、自己アセンブリして微生物膜を破壊する低分子、ポリエン、リポペプチド、およびカチオン性ペプチドを含む)、は、非標識薬剤を含み得る。微生物膜成分に選択的に結合するが、哺乳動物膜成分には結合しない薬剤は、抗生物質活性について試験され得るリード化合物を含み、必要であれば、製薬化学分野において標準的な技術を使用して、活性、薬物動態、および副作用プロフィールを精密にするために最適化され得る。
さらに、生物学的ライブラリーは、意図した標的に結合する薬剤を同定するのみならず、膜を破壊する薬物もまた同定するためにスクリーニングされ得る。膜破壊薬剤は、電圧差および電気容量差を測定することによって同定され得る(例えば、SackmannおよびTanaka,2000;Cornellら,1997(参考として援用される)を参照のこと)。
(実施例6−膜流動アッセイ)
リガンド(コレラ毒素)の移動性、その膜標的(ガングリオシドGM1)、および流動膜表面に対する多価結合の間に関与しないバックグラウンド脂質を試験した。実験を、支持された膜マイクロアレイを使用して行った。支持された膜を、自発的な吸着および単膜リポソームの清浄なシリカ表面(クロムグリッドでフォトリソグラフィーによりパターン化した)への融合によってアセンブリした。クロムは、個々の膜囲いを分離する表面障壁を作る。
Cartesian MicroSysTM Model 4100−2SQでのロボットによる直接分配法を使用して、予めパターン化した500×500μm囲いに小胞懸濁液の液滴40nlを被覆した。小胞融合が、被覆の数秒内に起こり、各囲いを連続的に満たした流体支持された膜を形成した(図8A)。膜の流動性を、蛍光プローブ脂質(NBD−PG)の光退色後の蛍光回復(FRAP)によりモニターした。流体膜は、代表的には1〜5μm/sの範囲である拡散係数を示し、検出可能な固定した画分はなかった。
CTBのGM1を含有する支持された膜への結合は、蛍光標識CTB(Alexa Fluor(登録商標)594結合体)を使用して容易に観察された。CTB濃度範囲に対する定量研究により、既知の値と一致して、13.2nMの平均KDが明らかになる(実施例7を参照のこと)。CTB結合の前には、膜が完全に流動性であるのに対して、流動性は、後に大きく弱められる。FRAP実験は、囲いの中心において小さな(100μm直径)領域を照らすために、顕微鏡開口部を最小にすることによって行った。励起光は、60sでこの領域内の蛍光プローブを実質的に光退色させる。10分後に、光退色したパターンを、再び画像化し、拡散性の混合速度を定性化した。標識CTB、標識GM1、および標識脂質(NBD−PG)に対する実験の結果を、図8Bにまとめる。
標識CTBの観察は、支持された膜に結合した場合、比較的固定されていることを示す。CTBの大きなサイズおよび多価結合は、おそらくこの減少した移動性に寄与する。実験の対応するセット(標識GM1(BODIPY FL C5)および非標識CTBを利用する)を行って、CTB結合の間のGM1の移動度を特徴づけた。CTBに曝す前、標識GM1は、側方への拡散を示すものの、おそらくわずかな凝集の結果として、他の脂質と比較していくらか減少していた(図8B)。CTB結合の後、標識GM1の拡散速度の実質的な減少(ここでは、CTBと複合体化している)を観察した。
これらの実験の最も興味深い特徴により、脂質プローブ(NBD−PG)の移動度がCTB−GM1結合の間にモニターされる場合に明らかになる。この脂質が結合相互作用に関与していないという事実にも拘わらず、その移動度は、顕著に影響を受けている。DMPC/GM1(98.75/0.25モル%)膜中の1モル%のNBD−PGに対するFRAP実験により、CTB結合と関連して移動度の強烈な減少が明らかになる(これらの実験において使用されるGM1標的濃度は、表面プラズモン共鳴システムを使用して分析可能な動態学的データに必要とされる最小値として報告された5モル% GM1の20分の1未満である(Kuziemkoら,Biochemistry 1996,35,6375−6384))。FRAP実験からのデータを、図8Bに示し、このシステムの模式図を、図9に示す。同様の実験(飽和DMPCの代わりに、卵PC(約50%の不飽和脂肪酸を含むPCの天然の混合物)を使用して行った)は、CTB−GM1結合と関連したNBD−PG移動度の減少は示さなかった(図8B)。卵PC膜におけるCTB−GM1結合からのNBD−PG移動度が無関係であることにより、NBD−PGが、CTBともGM1とも固有の相互作用を有さないことが確認される。卵PCとDMPC膜との間の重用な差異は、DMPCのゲル−流体転移温度(23℃)である。この温度は、卵PCの温度よりも遙かに高い。ゲル−流体転移に近いことは、DMPCシステムにおいて観察された移動度の効果に起因し得る。
(実施例7−チップに対する結合親和性)
漸増濃度のGM1(0%、0.01%、0.05%、0.15%、0.25%、0.5%、1%、2%)と卵PC中の1% NBD−PGを有する小胞を、Cartesian MicroSysTM Model 4100−2SQを用いてロボットにより分配した。直接分配法を使用して、8つの小胞懸濁液の各々を、予めパターン化した250×250μm囲いに、連続して被覆した(10nl)。小胞融合は、被覆の数秒内で起こり、各囲いを連続的に満たす流体支持された膜を形成した。膜の流動性を、蛍光プローブ脂質(NBD−PG)の光退色後の蛍光回復(FRAP)によりモニターした。8つの同一のチップを、コレラ毒素Bの8つの漸増濃度(0nM、5nM、10nM、20nM、30nM、50nM、100nM、300nM)に曝した。1つの部位結合に適合する曲線(Y=Bmax*X/(Kd+X),(Prism 3.0,GraphPad Software Inc.,San Diego,CA)は、3回の独立して行った実験から、0.25% GM1において13.2nMの平均結合定数を得た。
本発明は、具体的な方法および実施形態を参照して記載されてきたが、種々の改変が、本発明から逸脱することなく行われ得ることは明らかである。引用される全ての参考文献(学術刊行物、特許出願、および発行された特許を含む)は、全ての目的でその全体が本明細書中に参考として援用される。
(参考文献)
Figure 2005538377
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図1は、本発明の表面検出器アレイデバイス(SDAD)の部分を示す。 図2は、表面検出器アレイデバイスの2つの領域からの蛍光強度を示す。この2つの領域の各々は、荷電した蛍光レポーター脂質の電場誘導性濃度勾配を含む。 図3は、バイオセンサにおいて使用するために適切な本発明のデバイスの構造的部分を示す。 図4は、種々の微生物特異的膜標的およびヒトオルソログ抗標的(antitarget)を整列して生理学的に提示する能力を示すために本発明の表面検出器アレイデバイスを使用する、モデル薬物開発実験からの結果を示す。 図5A〜5Dは、FRAPにより脂質二重層の流動性をモニタリングすることによって、ガングリオシドGM1へのコレラ毒素の検出を示すために本発明の表面検出器アレイデバイスを使用する、実験の結果を示す。図5Aおよび5Bは、それぞれ、光退色後0分間および5分間における、コントロール囲い(corral)(コレラ毒素を除いたもの)を示す。図5Bにおける蛍光回復に留意されたい。図5Cおよび図5Dは、それぞれ、光退色後0分間および5分間における、非標識コレラ毒素とともにインキュベートした囲いを示す。退色領域が5Dにおいて残っていることに留意されたい。 図6A〜図6Dは、脂質二重層の流動性をモニターするために電気泳動を使用して膜標的に結合している非標識薬物を検出するために本発明の表面検出器アレイデバイスを使用する、モデル実験を模式化する。 図7は、本発明の表面検出器アレイデバイスを使用して電気泳動ベースアッセイを実行するために適切なウェルの平面図である。 図8Aは、非標識ガングリオシドGM1(0.25%モル)を含む一対の500×500μm膜囲いにおける代表的FRAP実験であり、バックグラウンド脂質は、DMPC(98.75%モル)およびNBD−PG(1%モル)からなる。実験は、表示したように、CTB(1.40×10−7M)に曝露する前および曝露した後に実施した。0分間での画像は、退色光に曝露した直後の退色スポットを示す。10分間後に撮影した画像により、拡散混合の程度が示される。図8Bは、表示するように、CTB結合した際の各成分の移動度変化を調査する一連のFRAP実験について、0分間および10分間の時点における退色スポットの蛍光強度の定量的追跡である。パラメーターΔFは、蛍光追跡前と蛍光追跡後の間の、線形積分して正規化した差を示す。値0は、拡散がないことを示し、値1は、完全な回復を示す。 図9は、脂質移動度ベース検出の模式図を示す。コレラ毒素(上面)を用いない場合、非標識ガングリオシドGM1(膜標的)および少量の標識脂質NDB−PGは、DMPC二重層内を自由に拡散する。非標識コレラ毒素Bサブユニットペンタマー(リガンド)は、ガングリオシドGM1に結合して、平面上表面に散在する構造体を形成する(下面)。これらの相互作用は、膜の全体的状態に影響を与え、それに対応して、上記標識脂質の移動度を変化させる。

Claims (41)

  1. 試験因子と脂質二重層関連成分との間の相互作用をアッセイするための方法であって、該方法は、
    表面検出器アレイデバイスを提供する工程であって、該デバイスは、
    1つ以上の二重層障壁領域によって隔てられた複数の別個の二重層適合性表面領域を規定する表面を有する基材であって、該二重層適合性表面領域および該脂質二重層障壁領域は、異なる物質から形成される、基材と、
    該複数の別個の二重層適合性表面領域の上に位置する複数の脂質二重層区域と、
    を有し、
    該脂質二重層区域は、該脂質二重層区域と該二重層適合性表面領域との間に共有結合が存在しない状態で該表面領域の上に位置し、そして該二重層適合性表面領域と該対応する脂質二重層区域との間に介在する水性フィルムによって、該脂質二重層区域および該二重層適合性表面領域から隔てられている、工程;
    該デバイスを、試験因子を含むバルク水相と接触させる工程;ならびに
    該脂質二重層区域のうちの1つ以上の物理的特性を評価する工程、
    を包含する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記複数の脂質二重層区域のうちの少なくとも1つは、タンパク質、核酸、糖脂質、リポ多糖類、ステロール、脂質結合型分子、または脂肪酸をさらに含む、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記複数の脂質二重層区域のうちの少なくとも1つは、細菌エンドトキシンを含む、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記複数の脂質二重層区域のうちの少なくとも1つは、標識を含む、方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、前記標識は、標的膜成分に付着している、方法。
  6. 請求項4に記載の方法であって、前記標識は、バックグラウンド膜成分に付着している、方法。
  7. 請求項4に記載の方法であって、前記標識は、発蛍光団、電子スピン共鳴標識、放射性標識、半導体ナノ粒子標識、および金属ナノ粒子標識からなる群より選択される、方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、前記物理的特性は、膜の流動性、アシル鎖移動度、膜の完全性、膜の外観、膜の連続性、膜の厚み、膜の屈曲率、および膜張力からなる群より選択される、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、前記物理的特性は、膜の流動性である、方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、前記膜の流動性は、光退色後蛍光回復法、蛍光異方性、蛍光相関分光法、蛍光共鳴エネルギー移動、蛍光共鳴エネルギー移動顕微鏡検査法、電気泳動、および電気的分子間力顕微鏡検査法からなる群より選択される方法を使用して評価される、方法。
  11. 請求項8に記載の方法であって、前記物理的特性は、アシル鎖移動度である、方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、前記アシル鎖移動度は、電子スピン標識脂質を使用して測定される、方法。
  13. 請求項11に記載の方法であって、前記アシル鎖移動度は、フーリエ変換赤外分光法、和周波発生分光法、および表面反射分光法からなる群より選択される技術を使用して測定される、方法。
  14. 請求項8に記載の方法であって、前記物理的特性は、膜の完全性である、方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、前記膜の完全性は、膜抵抗、膜インピーダンス、膜コンダクタンス、膜電流、膜キャパシタンス、および膜電位からなる群より選択されるパラメーターをモニタリングすることによって評価される、方法。
  16. 請求項14に記載の方法であって、前記膜の完全性は、光退色後蛍光回復法、蛍光異方性、蛍光相関分光法、蛍光共鳴エネルギー移動、蛍光共鳴エネルギー移動顕微鏡検査法、フーリエ変換赤外分光法、蛍光顕微鏡検査法、電気泳動、電気的分子間力顕微鏡検査法、屈折干渉顕微鏡検査法、原子間力顕微鏡検査法、水平力顕微鏡検査法/摩擦力顕微鏡検査法、化学力顕微鏡検査法、および膜の外観の定量的画像分析からなる群より選択される方法を使用して評価される、方法。
  17. 請求項8に記載の方法であって、前記物理的特性は、膜の外観である、方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、前記膜の外観は、屈折干渉顕微鏡検査法、原子間力顕微鏡検査法、水平力顕微鏡検査法/摩擦力顕微鏡検査法、化学力顕微鏡検査法、および電気的分子間力顕微鏡検査法からなる群より選択される方法を使用して評価される、方法。
  19. 請求項8に記載の方法であって、前記物理的特性は、膜の連続性である、方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、前記膜の連続性は、膜抵抗、膜インピーダンス、膜コンダクタンス、膜電流、膜電位、および膜の流動性からなる群より選択されるパラメーターをモニタリングすることによって評価される、方法。
  21. 請求項19に記載の方法であって、前記膜の連続性は、光退色後蛍光回復法、蛍光異方性、蛍光相関分光法、蛍光共鳴エネルギー移動、蛍光共鳴エネルギー移動顕微鏡検査法、電気泳動、および電気的分子間力顕微鏡検査法からなる群より選択される方法を使用して評価される、方法。
  22. 請求項8に記載の方法であって、前記物理的特性は、膜の厚みである、方法。
  23. 請求項22に記載の方法であって、前記膜の厚みは、原子間力顕微鏡検査法によって評価される、方法。
  24. 請求項8に記載の方法であって、前記物理的特性は、膜の屈曲率である、方法。
  25. 請求項8に記載の方法であって、前記物理的特性は、膜張力である、方法。
  26. 試験因子と脂質二重層関連成分との間の相互作用をアッセイするための方法であって、該方法は、
    脂質二重層区域を提供する工程;
    該脂質二重層区域を、試験因子を含むバルク水相と接触させる工程;および
    該脂質二重層区域の膜の流動性を評価する工程、
    を包含する、方法。
  27. 請求項26に記載の方法であって、前記脂質二重層区域は、タンパク質、核酸、糖脂質、リポ多糖類、ステロール、脂質結合型分子、または脂肪酸をさらに含む、方法。
  28. 請求項26に記載の方法であって、前記脂質二重層区域は、細菌エンドトキシンを含む、方法。
  29. 請求項28に記載の方法であって、前記脂質二重層区域は、標識を含む、方法。
  30. 請求項29に記載の方法であって、前記標識は、標的膜成分に付着している、方法。
  31. 請求項29に記載の方法であって、前記標識は、バックグラウンド膜成分に付着している、方法。
  32. 請求項29に記載の方法であって、前記標識は、発蛍光団、電子スピン共鳴標識、放射性標識、半導体ナノ粒子標識、および金属ナノ粒子標識からなる群より選択される、方法。
  33. 請求項26に記載の方法であって、前記膜の流動性は、光退色後蛍光回復法、蛍光異方性、蛍光相関分光法、蛍光共鳴エネルギー移動、蛍光共鳴エネルギー移動顕微鏡検査法、電気泳動、および電気的分子間力顕微鏡検査法からなる群より選択される方法を使用して評価される、方法。
  34. 請求項1に記載の方法であって、前記試験因子は、低分子である、方法。
  35. 請求項1に記載の方法であって、前記試験因子は、タンパク質である、方法。
  36. 請求項1に記載の方法であって、前記試験因子は、細胞表面、小胞、擬似細胞、細胞−小胞、リポソーム、巨大小胞、脂質で覆われたガラスビーズ、またはそれらのいずれかの成分を含む、方法。
  37. 請求項26に記載の方法であって、前記試験因子は、低分子である、方法。
  38. 請求項26に記載の方法であって、前記試験因子は、タンパク質である、方法。
  39. 請求項26に記載の方法であって、前記試験因子は、細胞表面、小胞、擬似細胞、細胞−小胞、リポソーム、巨大小胞、脂質で覆われたガラスビーズ、またはそれらのいずれかの成分を含む、方法。
  40. 請求項1に記載の方法であって、前記バルク水相は、第2の試験因子をさらに含み、該方法は、該第2の試験因子が前記試験因子と前記脂質二重層関連成分との相互作用に影響を与えるか否かを決定する工程をさらに包含する、方法。
  41. 請求項26に記載の方法であって、前記大量の水相は、第2の試験因子をさらに含み、該方法は、該第2の試験因子が前記試験因子と前記脂質二重層関連成分との相互作用に影響を与えるか否かを決定する工程をさらに包含する、方法。
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