JP2005536700A - シールベローズを備えたボールジョイント - Google Patents

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Abstract

本発明は、ボールジョイント(1)、例えば車両のシャーシ支承体用のボールジョイントであって、ボール(2)と、該ボール(2)から延びているジャーナル(3)と、ボールを受容するハウジング(4)と、該ハウジングとジャーナル(3)との間に延在しているシールベローズ(5)とが設けられていて、該シールベローズ(5)が、ハウジング側の開口(6)とジャーナル側の開口(7)とを有しており、さらにシールベローズ(5)がジャーナル側の開口(7)に、シールのための環状のシールリップ(8)を有している形式のものに関する。このような形式のボールジョイントにおいて、本発明の構成では、シールベローズ(5)を案内する第1のガイドリング(9)が、ジャーナル(3)に配置されている。このように構成されていると、ガイド機能とシール機能とを特に有利に機能上分離することができる。

Description

本発明は、ボールジョイント、特に車両のシャーシ支承体のボールジョイントであって、ボールと、該ボールから延びているジャーナルと、ボールを受容するハウジングと、該ハウジングとジャーナルとの間に延在しているシールベローズとが設けられていて、該シールベローズが、ハウジング側の開口とジャーナル側の開口とを有しており、さらにシールベローズがジャーナル側の開口に、シールのための環状のシールリップを有している形式のものに関する。
このような形式のボールジョイントは、ドイツ連邦共和国特許第19843063号明細書に基づいて公知である。シールベローズを備えた別のボールジョイントは、ドイツ連邦共和国特許第3618565号明細書に基づいて公知である。
このような形式のボールジョイントにおける一般的な問題は、ジャーナルとボールを受容するハウジングとの間におけるジョイント運動時にも、ボールジョイントを塵埃及び汚染に対して十分にシールすることである。この問題を解決するために、従来技術では、特に上記2つの刊行物において多くの提案がなされている。
本発明の課題は、請求項1の上位概念部に記載された形式のボールジョイントを改良して、シールベローズがボールジョイントをジョイント運動時においても確実にシールできるようにすることである。
この課題は、請求項1記載のように構成することによって解決される。
本発明によるボールジョイントは、シールベローズを案内する第1のガイドリングが、ジャーナルに配置されていることによって、特徴付けられている。
本発明のように、ジョイント運動時におけるシールベローズのガイド装置とシールリップを用いたシール装置とを分離することによって、著しく改善されたシール装置が得られる。シールベローズのガイド装置とシール装置との機能を分けることによって、シールベローズの運動によって生じる負荷はシール領域にもはやまったく又は、極めて僅かな値でしか導入されない。これによってシール作用が著しく高められる。さらに本発明のように機能を分けることによって、シール装置をボールジョイントの角度変位から切り離して検査できるという利点が得られる。これにより、シール系をモジュールとして使用することができるので、シール系の機能確実性が高められる。さらに、従来は個々のシール系に対して実施する必要のあった極めてコストのかかる検査を、節減することが可能である。
さらに本発明のように案内装置とシール装置とを切り離すことは、シールベローズの圧着圧を全周にわたって減じるための前提条件である。それというのは、外部から作用する負荷をもはやシール系において補償する必要がないからである。本発明によるシール装置は従って、従来技術における比較可能なシール装置に比べて摩擦が少なく、その結果本発明では、シールベローズの周面に僅かな負荷しか導入されず、これによって同様に機能確実性が高められる。
本発明の別の有利な構成は請求項2以下に記載されている。
本発明の有利な構成では、シールリップが第1のガイドリングに直接接触している。第1のガイドリングはジャーナルに、例えばプレスによって、堅固に配置されているので、第1のガイドリングに接触しているシールリップによるシールが可能になる。この場合有利にはシールベローズは第2のガイドリングを有していて、この第2のガイドリングは、シールベローズを案内するための第2のガイドリング、つまりジョイント運動時にもジャーナルにシールベローズを固着させるための第2のガイドリングと、共働する。第1のガイドリング及び第2のガイドリングは、この場合シールベローズのガイド装置を成していて、シールリップがボールジョイントの如何なる運動時にも第1のガイドリングにシール作用をもって接触していることを、保証する。本発明の別の有利な構成では、第1のガイドリングが、シャフト(ジャーナル)に配置されていてシールリップが接触している第1の軸方向区分と、シールベローズを案内する第2の軸方向区分とを有している。このような構成において、第1のガイドリングの第2の軸方向区分が、第2のガイドリングの溝に係合していると、有利である。これによって特に、シャフトにおけるシールベローズの半径方向案内が保証される。なお付言すれば、軸方向及び半径方向という概念は、ボールジョイントの通常円筒形のジャーナルに対するもの、より正確に言えばジャーナルの長手方向軸線に対しての表現である。つまり「軸方向」という特徴は、ジャーナルの長手方向軸線に対して平行な方向を意味し、「半径方向」という特徴は、それに対して垂直な方向、つまりジャーナルの長手方向軸線に対して半径方向に延びている方向を意味している。
本発明のさらに別の有利な構成では、シールベローズが補強リングを有していて、該補強リングに第2のガイドリングが支持されている。この補強リングは有利にはL字形に形成されていて、第2のガイドリングを支持する軸方向脚と、ジャーナルに向かって延びている半径方向脚とを有している。このような補強リングによって、シールベローズのハウジング側の部分は補強されかつ硬化され、これにより一方では、第1のガイドリングにおけるシールリップの密なつまりシール作用を伴う接触が可能になり、かつ他方では第1のガイドリングと第2のガイドリングとの効果的な係合が可能になる。
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1に一部が断面図で示されている本発明によるボールジョイント1は、ボール2(一部だけを図示)とジャーナル3(一部だけを図示)と、ボールを受容するハウジング4(同じく一部だけを図示)とを有している。ボール2、ジャーナル3及びハウジング4の構造は、ボールジョイントにおける汎用の構造に相当している。本発明によるボールジョイント1は、特に車両のシャーシ支承体のボールジョイントとして適しているが、しかしながら他の領域においても使用することができる。
ジャーナル3とハウジング4との間にはシールベローズ5が延在しており、このシールベローズ5はハウジング側の開口6とジャーナル側の開口7とを有している。明瞭にするために述べておくと、図1に部分断面図で示されている部分は、ジャーナル3の長手方向軸線を中心にして回転対称的である。ジャーナル3は通常円筒形であり、かつシールベローズ5は例えば円板状にジャーナル3の周りに延在していて、部分的にハウジング4の周りにも延在している。ハウジング4におけるシールベローズ5の固定は、通常の形式で緊締リング又はこれに類したものを用いて行われる。シールベローズ5の中央領域、つまりハウジング側の開口6とジャーナル側の開口7との間において、シールベローズ5は外方に向かって膨らんでおり、その結果ジョイントの運動時にもシール機能を保証するのに十分な材料が存在している。
シールベローズ5のジャーナル側の開口7の領域には、第1のガイドリング9がジャーナル3に、例えばプレス嵌めによって取り付けられており、従って第1のガイドリング9はジャーナル3に堅固にかつシール作用をもって固定されている。この第1のガイドリング9は第1の軸方向区分10を有していて、この第1の軸方向区分10はジャーナル3に対するシール作用を有する堅固な結合部を形成している。第1のガイドリング9はさらに半径方向区分12を有していて、この半径方向区分12はジャーナル3から離れる方向に延びていて、第2の軸方向区分11に移行しており、この第2の軸方向区分11は、ハウジング側の開口6に向かって延びている。
シールベローズ5はそのジャーナル側の開口7のところでシールリップ8において終わっており、このシールリップ8は第1のガイドリング9の第1の軸方向区分10にシール作用をもって接触している。シールベローズ5のジャーナル側の領域にはさらに、L字形の補強リング17が設けられており、この補強リング17は、軸方向脚18と半径方向脚19とを有している。この半径方向脚19はジャーナルに向かって延びていて、軸方向脚18は半径方向脚19の、ジャーナル3とは反対の側において、ハウジング4に向かって延びている。補強リング17はシールベローズ5のジャーナル側の領域を補強及び硬化している。半径方向脚19がシールリップ8に向かってかつ該シールリップ8の直ぐ近くまで延びているので、第1のガイドリング9の軸方向区分10におけるシールリップ8のシール作用を有する確実な接触が、保証される。
補強リング17の軸方向脚18の内側(ジャーナル3に向けられた側)には、第2のガイドリング13が、例えばプレス嵌めによって設けられていて、従って第2のガイドリング13は補強リング17に静的にかつ堅固に固定されている。第2のガイドリング13は軸方向区分14を有しており、この軸方向区分14は、補強リング17の軸方向脚18に対する結合部を形成している。下方に(ハウジング4に)向かって、軸方向区分14には溝15が接続しており、この溝15はジャーナル3に向かって半径方向区分16において終わっている。溝15には第1のガイドリング9の第2の軸方向区分11が係合している。補強リング17の半径方向脚19、もしくはシールベローズ5の、シールリップ8において終わっている部分と、第2のガイドリング13の半径方向区分16との間の中間室は、第1のガイドリング9の半径方向区分12が僅かな遊びをもって軸方向において案内されているように、寸法設定されている。これによってシールベローズ5は軸方向において案内される。シールベローズ5の半径方向における案内は、第1のガイドリング9の軸方向区分11と第2のガイドリング13の溝15との共働によって生ぜしめられる。溝15の幅はちょうど、軸方向区分11が該溝15内において僅かな遊びをもって保持されるように、寸法設定されており、その結果十分な半径方向案内が保証される。ジャーナル3に対するシールベローズ5の半径方向及び軸方向の案内は、従って、第1のガイドリング9と第2のガイドリング13との共働によって生ぜしめられる。このようなジオメトリによってさらに、シールリップ8は如何なるジョイント位置においても、かつボールジョイントの如何なる運動時にも常に確実にシール作用をもって、第1のガイドリング9の第1の軸方向区分10に接触することができ、これによってボールジョイントのシールが達成されている。第1のガイドリング9、第2のガイドリング13及び補強リング17は、例えば適宜な金属又はプラスチックから製造することができる。第1のガイドリング9と第2のガイドリング13との間の中間室は、グリスによって満たされていることができ、このようになっていると、摩擦を減じること及びより良好なシール作用を得ることができる。付加的に、第1のガイドリング9とシールベローズ5の上側部分との間の中間室もまた、グリスによって満たされていることができる。
図1から分かるように、第1のガイドリング9の第1の軸方向区分10の上端部は、別の部分20に支持されている。この部分20は例えばシャーシ支承体ではレバーアイ20であり、このレバーアイ20はジャーナル3の円錐形区分に設けられていて、例えば該円錐形区分にねじ結合されている。そして最終組立て時に例えば第1のガイドリング9は、ジャーナル3の円錐形区分に差し嵌められ、次いで最終組立て中に初めて、レバーアイ20の装着及びねじ結合によって、ジョイントジャーナル3と間隙なしにかつシール作用をもって最終状態位置へと移動させられ、これによって、シールリップ8と第2のガイドリング13とを備えたシールベローズ5の上部領域は、第1のガイドリング9を介して確実にジャーナルに固定される。
本発明によるボールジョイントの一部を示す断面図である。
符号の説明
1 ボールジョイント、 2 ボール、 3 ジャーナル、 4 ハウジング、 5 シールベローズ、 6 ハウジング側の開口、 7 ジャーナル側の開口、 8 シールリップ、 9 第1のガイドリング、 10 第1の軸方向区分、 11 第2の軸方向区分、 12 半径方向区分、 13 第2のガイドリング、 14 軸方向区分、 15 溝、 16 半径方向区分、 17 補強リング、 18 軸方向脚、 19 半径方向脚、 20 レバーアイ

Claims (7)

  1. ボールジョイント(1)であって、ボール(2)と、該ボール(2)から延びているジャーナル(3)と、ボールを受容するハウジング(4)と、該ハウジングとジャーナル(3)との間に延在しているシールベローズ(5)とが設けられていて、該シールベローズ(5)が、ハウジング側の開口(6)とジャーナル側の開口(7)とを有しており、さらにシールベローズ(5)がジャーナル側の開口(7)に、シールのための環状のシールリップ(8)を有している形式のものにおいて、
    シールベローズ(5)を案内する第1のガイドリング(9)が、ジャーナル(3)に配置されていることを特徴とする、シールベローズを備えたボールジョイント。
  2. シールリップ(8)が第1のガイドリング(9)に接触している、請求項1記載のボールジョイント。
  3. シールベローズ(5)が、該シールベローズ(5)を案内する第1のガイドリング(9)と共働する第2のガイドリング(13)を有している、請求項2記載のボールジョイント。
  4. 第1のガイドリング(9)が、ジャーナル(3)に配置されていてシールリップ(8)が接触している第1の軸方向区分(10)と、シールベローズ(5)を案内する第2の軸方向区分(11)とを有している、請求項3記載のボールジョイント。
  5. 第1のガイドリング(9)の第2の軸方向区分(11)が、第2のガイドリング(13)の溝(15)に係合している、請求項4記載のボールジョイント。
  6. シールベローズ(5)が補強リング(17)を有していて、該補強リング(17)に第2のガイドリング(13)が支持されている、請求項3から5までいずれか1項記載のボールジョイント。
  7. 補強リング(17)がL字形に形成されていて、第2のガイドリング(13)を支持する軸方向脚(18)と、ジャーナル(3)に向かって延びている半径方向脚(19)とを有している、請求項6記載のボールジョイント。
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