JP2005535752A - 塞栓術 - Google Patents

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Abstract

塞栓粒子、ならびに該粒子の使用方法および製造方法について述べる。

Description

本発明は、塞栓術に関する。
(関連出願への相互参照)
本願は、「塞栓術」と題した2002年8月9日出願の米国特許出願第10/215,594号、ならびに「薬剤送達粒子」と題した2003年7月8日出願の米国特許出願第10/615,276号(いずれも参照により本願に援用する)の一部継続出願であり、米国特許法第120条のもとで優先権を主張する。
(背景技術)
治療的血管閉塞術(塞栓術)は、病的な状態をそのままの位置(in situ)で予防または治療するために用いられている。種々の医学的応用において血管を閉塞させるために、塞栓粒子を含む組成物が使用される。カテーテルを介した塞栓粒子の送達は、塞栓粒子の大きさの均一性、密度、および圧縮性に左右される。
本発明の目的は、塞栓術を提供することである。
一態様では、本発明は粒径約500μm以下のポリマー粒子を特徴とする。該粒子は、第1の細孔密度を有する内部領域と、第2の細孔密度を有する表面領域とを有する。第1の密度は第2の密度とは異なっている。
別の態様では、本発明は粒径約500μm以下のポリマー粒子を特徴とする。該粒子は、第1の平均細孔径を有する内部領域と、第2の平均細孔径を有する表面領域とを有する。第1の平均細孔径は第2の平均細孔径とは異なっている。
さらなる態様では、本発明は、複数の粒子を担持流体中に含む組成物を特徴とする。複数の粒子のうち少なくとも一部は、粒径が約500μm以下である。粒径約500μm以下の粒子のうち少なくとも一部は、第1の細孔密度を有する内部領域と、第2の細孔密度を有する表面領域とを有する。第1の密度は第2の密度とは異なっている。
一態様では、本発明は、複数の粒子を担持流体中に含む組成物を特徴とする。複数の粒子のうち少なくとも一部は、粒径が約500μm以下である。粒径約500μm以下の粒子のうち少なくとも一部は、第1の平均細孔径を有する内部領域と、第2の平均細孔径を有する表面領域とを有する。第1の平均細孔径は第2の平均細孔径とは異なっている。
別の態様では、本発明は、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する溶液を、口径約200μm以下(例えば、約100μm以下、約10μm以上)のオリフィスを通過させて、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する液滴を形成する工程を含む方法を特徴とする。この方法は、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する液滴から、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する粒子を形成する工程も含む。
さらなる態様では、本発明は、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する溶液を、少なくとも約50℃(例えば、約65℃以上、約75℃以上、約85℃以上、約95℃以上
、約105℃以上、約115℃以上、約121℃)の温度に加熱する工程を含む方法を特徴とする。この方法は、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する溶液から、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する粒子を形成する工程も含む。
一態様では、本発明は、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する溶液を、周波数約0.1KHz以上(例えば、約0.8KHz以上、約1.5KHz以上)で振動させているオリフィスを通過させて、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する液滴を形成する工程を含む方法を特徴とする。この方法は、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する液滴から、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する粒子を形成する工程も含む。
別の態様では、本発明は、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する液滴を形成する工程と、液滴をゲル化剤と接触させて、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する粒子を形成する工程とを含む方法を特徴とする。ゲル化剤の温度は室温よりも高い(例えば、約30℃以上の温度)。
さらなる態様では、本発明は、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する液滴を形成する工程と、液滴をゲル化剤と接触させて、基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する粒子を形成する工程とを含む方法を特徴とする。ゲル化剤は容器に入っており、前記方法は、ゲル化剤に気体を吹き込む工程、ゲル化剤を含有するミストを液滴の供給源と容器との間に配する工程、ゲル化剤を含有する混合物に界面活性剤を含める工程、およびゲル化剤を攪拌する工程のうち少なくともいずれかをさらに含む。
一態様では、本発明は、治療上有効な量の、複数の粒子を担持流体中に含む組成物を、対象者に投与する工程を含む方法を特徴とする。複数の粒子のうち少なくとも一部は、粒径が約500μm以下である。粒径約500μm以下の粒子のうち少なくとも一部は、第1の細孔密度を有する内部領域と、第2の細孔密度を有する表面領域とを有する。第1の密度は第2の密度とは異なっている。
別の態様では、本発明は、治療上有効な量の、複数の粒子を担持流体中に含む組成物を、対象者に投与する工程を含む方法を特徴とする。複数の粒子のうち少なくとも一部は、粒径が約500μm以下である。粒径約500μm以下の粒子のうち少なくとも一部は、第1の平均細孔径を有する内部領域と、第2の平均細孔径を有する表面領域とを有する。第1の平均細孔径は第2の平均細孔径とは異なっている。
実施形態には、以下のうち1または複数が含まれてもよい。
第1の密度が第2の密度より大きくてもよい。
第1の平均細孔径が第2の平均細孔径より大きくてもよい。
粒子の粒径は約10μm以上でもよい。粒子の粒径は約100μm以上および約300μm以下のうち少なくともいずれかでよい。粒子の粒径は約300μm以上でもよい。
粒子は、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、置換セルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスチレン、多糖、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリメチルメタクリル酸、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、およびポリ(ラクティック‐コ‐グリコリック)酸から選択される少なくとも1種のポリマーを含みうる。
粒子は、実質的に生体吸収性の材料で少なくとも部分的に被覆されていてもよい。
粒子の密度は、約1.1g/cm〜約1.4g/cmでありうる。
粒子の真球度は約0.9以上でありうる。
約50%まで圧縮した後、粒子の真球度は約0.9以上である。
粒子は、約2.5重量%以下の多糖(例えばアルギン酸)を含みうる。アルギン酸のグルロン酸含量は約60%以上でありうる。
粒子はDMSOに実質的に不溶でもよい。
粒子は動物由来の化合物を実質的に含まない。
担持流体は、生理食塩水、造影剤、またはその両方を含みうる。
複数の粒子の平均粒径は、約500μm以下および約10μm以上の少なくともいずれかでありうる。複数の粒子の平均粒径は、約100μm以上および約300μm以下の少なくともいずれかでありうる。複数の粒子の平均粒径は、約300μm以上でもよい。
方法は、オリフィスを通過させる前に少なくとも約50℃の温度に溶液を加熱する工程を含んでもよい。
方法は、ノズルのオリフィスに溶液を通過させながら、同オリフィスを少なくとも約0.1KHzの周波数で振動させる工程を含んでもよい。
方法は、液滴をゲル化剤と接触させてゲル化前駆物質をゲル化させ、基剤ポリマーとゲル化したゲル化前駆物質とを含有する粒子を形成する工程を含んでもよい。
方法は、ゲル化したゲル化前駆物質のうち少なくとも一部を粒子から取り除く工程をさらに含んでもよい。
組成物は、皮内注射により投与されうる。
組成物は、カテーテルにより投与されうる。
組成物は、複数の粒子の平均粒径よりも腔径が小さい管腔を用いて対象者へと導入可能である。
組成物は、がんの状態を治療するために使用されてもよい。がんの状態とは、例えば、卵巣がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、消化管がん、乳がん、前立腺がん、および肺がんのうち少なくともいずれかでありうる。がんの状態を治療することは、複数の粒子のうち少なくとも一部を用いて、がんの状態の部位に栄養物を供給する管腔を少なくとも部分的に閉塞させることを含みうる。
方法は、複数の粒子のうち少なくとも一部を用いて、対象者内の管腔を少なくとも部分的に閉塞させる工程を含みうる。
本発明の実施形態は、以下の有利な点のうち1以上を備えうる。塞栓組成物を送達することにより、ある種の障害または生理学的状態を調整することが可能である。塞栓組成物は、例えば、筋腫(fibroid )、腫瘍(例えば、血管増生に富む(hypervascular )腫瘍)、内出血、および動静脈奇形(AVM)のうち少なくともいずれかの治療において使用することができる。筋腫の例としては、子宮壁内部、子宮の外側、子宮腔の内側、子宮を支持する子宮広間膜層の間、他の臓器に結合して、あるいはキノコ様の茎状(mushroom‐like stalk)に増殖する子宮筋腫が挙げられる。内出血には、消化管の出血、血尿、腎臓の出血、静脈瘤の出血が挙げられる。AVMは、例えば、血圧の高い動脈から低い静脈へと血液が短絡する、血管の異常な集積である。この血管の異常な集積の結果、血管が迂回している領域が低酸素症および低栄養状態となりうる。
塞栓組成物中の球状の塞栓粒子を、例えば、粒子の粒径、孔隙率の勾配、圧縮性、真球度、および密度を変えることにより、特定の用途に合わせて用意することができる。球状の塞栓粒子がほぼ均一な粒径を有する実施形態であれば、粒子は、例えば、注入投与用の
カテーテルの口径をちょうど通り抜けて、部分的または完全にカテーテルの管腔を塞いでしまうことなく、標的部位に達することができる。球状の塞栓粒子の平均粒径は約1200μm以下(例えば、約100μm〜約500μm)である。球状の塞栓粒子の粒径の均一性は±15%であるため、血管の円筒状の管腔内で粒子が均等に積み重なって血管腔を完全に閉塞させることができる。密度が約1.1g/cm〜約1.4g/cmの塞栓粒子を含有する懸濁液を、塞栓粒子の濃度を調整して作製し、懸濁液が急速に沈積してしまうことなく医師が容易に送達できるようにすることが可能である。塞栓粒子の真球度および均一性を制御することにより、例えば粒子表面の相互作用により生じる凝集を減少させることができる。さらに、事実上、塞栓粒子は比較的不活性である。
特徴および有利な点は、発明を実施するための最良の形態、図面、および特許請求の範囲において認められる。
(組成物)
図1Aおよび1Bを参照すると、塞栓粒子111と担持流体とを含む塞栓組成物が、カテーテル150などの器具を介して血管内へ注入されている。カテーテル150は、プランジャ160を備えたシリンジ本体110に接続されている。カテーテル150は、例えば、患者の大腿動脈120の中へ挿入される。カテーテル150は、例えば、筋腫140へと通じている子宮動脈130を閉塞させるために、塞栓組成物を送達する。筋腫140は、女性患者の子宮内に位置している。塞栓組成物は最初にシリンジ110に装填される。次いで、シリンジ110のプランジャ160が押し込まれ、塞栓組成物がカテーテル150を介して子宮動脈130の管腔165の中へと送達される。
特に図1B(図1Aの1B部分の拡大図)を参照すると、子宮動脈130は、筋腫140に栄養を供給する、より細い子宮の血管170(例えば直径約2mm以下)に細分化されている。塞栓組成物中の塞栓粒子111は、子宮動脈130の管腔を部分的または完全に満たし、筋腫140に栄養を供給する子宮動脈130の管腔を部分的または完全に閉塞させる。
一般に、該粒子は、水に難溶の高分子量ポリマーなどのポリマーで実質的に形成される。そのようなポリマーの例は、アセタール化された高分子量ポリビニルアルコール(PVA)である。塞栓粒子は、ほぼ純粋な分子鎖内1,3‐アセタール化PVAで、コラーゲンなどの動物由来の残基を実質的に含まないものでよい。実施形態においては、粒子は、微量(例えば、約2.5重量%以下、約1重量%以下、約0.2重量%以下)のゲル化材料(例えば、アルギン酸などの多糖)を含む。
図2Aは、塞栓粒子がほぼ均一な球形および粒径を有する実施形態を示す。図2Bは、塞栓粒子が、無秩序に分布する比較的小さな孔を備えた、明確な球形の外表面を有している実施形態を示す。この外表面はほぼ滑らかで、クレバス様のフィーチャなどの比較的大きなフィーチャを含む表面形態を備えているようである。図2C〜2Eは、圧縮性その他の特性を塞栓組成物にもたらす細孔が粒子本体に画成されている塞栓粒子の断面の、走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。粒子の中心近くの細孔は比較的大きく、粒子の表面近くの細孔は比較的小さい。
塞栓粒子の表面近くの小さい細孔のある領域は、比較的堅く圧縮性に乏しいため、せん断力や摩耗に対する耐性が高まっている。さらに、細孔の大きさが可変的であるという特徴から、圧縮率が対称的になるとともに、圧縮性という特徴が生じうると考えられる。その結果、粒子は、静止状態の最大粒径から、より小さな圧縮状態の第1の粒径へと比較的容易に圧縮可能である。ただしさらに小さい粒径へと圧縮するためには実質的により大き
な力が必要である。理論に縛られることは望ましくないが、圧縮性が可変的であるという特徴は、細孔が大きい中心部には細孔の間に比較的脆弱で崩壊しやすい壁構造が存在し、細孔が比較的小さく数がより多い粒子表面近くには細孔の間により堅い壁構造が存在することによるのかもしれないと考えられる。さらに、細孔の大きさが可変的であるという特徴により、圧縮後の弾性回復が強化されうると考えられる。同様に、細孔の構造が、塞栓粒子の密度ならびに担持流体または体液の取り込み率に影響を及ぼしうると考えられる。
一部の実施形態では、塞栓粒子の非圧縮状態の断面積よりも小さな(例えば、約50%以下)の断面積を有する管腔を備えたカテーテルを介して塞栓粒子を送達することができる。そのような実施形態では、体内に送達するために塞栓粒子を圧縮してカテーテルを通過させる。典型的には、シリンジのプランジャを押し下げて担持流体にかかる圧力を高めることにより、間接的に圧縮力を加える。一般に、塞栓粒子は比較的容易に圧縮されて、カテーテルを介して体内に送達するのに十分な粒径になる。比較的頑堅で剛性の表面領域は、塞栓粒子が、送達の際に、シリンジ表面、硬質プラスチック製もしくは金属製の栓表面、およびカテーテル管腔壁(例えば、テフロン(登録商標)製)などの硬い面と接触する時の摩耗に耐えることができる。一度体内に入ると、塞栓粒子は本来の粒径および形状をほぼ取り戻し、担体および体液の流れの中を効率よく運搬される。閉塞地点では、粒子は同閉塞部において凝集するにつれて再度圧縮状態になることができる。閉塞粒子は、比較的密集度の高い閉塞塊を形成することができる。体内における圧縮は、一般に、管腔内を流れる体液により生じる力によって決まる。一部の実施形態では、粒子の圧縮特性により圧縮が制限されてもよく、所与の直径を閉塞させるために必要な塞栓粒子の数を減らすことができる。
一部の実施形態では、対象者に送達される粒子のうち、大多数(例えば、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上)の粒子の粒径が約1500μm以下(例えば、約1200μm以下、約900μm以下、約700μm以下、約500μm以下、約300μm以下)および/または約10μm以上(例えば、約100μm以上、約300μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約700μm以上、約900μm以上)である。
ある種の実施形態では、対象者に送達される粒子の平均粒径は、約1500μm以下(例えば、約1200μm以下、約900μm以下、約700μm以下、約500μm以下、約300μm以下)および/または約10μm以上(例えば、約100μm以上、約300μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約700μm以上、約900μm以上)である。対象者に送達される粒子の平均粒径範囲の例としては、約100μm〜約300μm、約300μm〜約500μm、約500μm〜約700μm、および約900μm〜約1200μmが挙げられる。一般に、粒子集団の平均粒径は個々の粒子の粒径範囲のおよそ中央であり、分散は約20%以下(例えば、約15%以下、約10%以下)である。
一部の実施形態では、対象者に送達される粒子の平均粒径は、治療すべき特定の病態によって変わりうる。一例として、肝臓の腫瘍を治療するために粒子を使用する実施形態では、対象者に送達される粒子の平均粒径は約500μm以下(例えば、約100μm〜約300μm、約300μm〜約500μm)でありうる。別例として、子宮筋腫を治療するために粒子を使用する実施形態では、対象者に送達される粒子の平均粒径は約1200μm以下(例えば、約500μm〜約700μm、約700μm〜約900μm、約900μm〜約1200μm)でありうる。
図2Cに示すように、一部の実施形態では、粒子が、中心領域C(粒子の中心c’から半径約r/3まで)、本体領域B(約r/3から約2r/3まで)、および表面領域S(
約2r/3からrまで)を含むとみなすことができる。これらの領域は、各領域内の細孔の相対的な大きさ、各領域内の細孔の密度(単位体積あたりの細孔の数)、および/または各領域内の材料の密度(単位体積あたりの粒子材料の密度)によって特徴付けることができる。
一般に、粒子の領域Cにおける細孔の平均孔径は、該粒子の領域Sにおける平均孔径よりも大きい。一部の実施形態では、粒子の領域Cにおける細孔の平均孔径は、該粒子の領域Bにおける平均孔径よりも大きく、かつ/または粒子の領域Bにおける細孔の平均孔径は、該粒子の領域Sにおける平均孔径よりも大きい。一部の実施形態では、領域Cにおける細孔の平均孔径は、約20μm以上(例えば、約30μm以上、約20μm〜約35μm)である。ある種の実施形態では、領域Bにおける細孔の平均孔径は、約18μm以下(例えば、約15μm以下、約18μm〜約2μm)である。一部の実施形態では、領域Sにおける細孔の平均孔径は、約1μm以下(例えば、約0.1μm〜約0.01μm)である。ある種の実施形態では、領域Bにおける細孔の平均孔径は、粒子の領域Cにおける細孔の平均孔径の約50%〜約70%であり、かつ/または、領域Sにおける細孔の平均孔径は、領域Bにおける細孔の平均孔径の約10%以下(例えば、約2%以下)である。一部の実施形態では、粒子の表面および/または表面領域Sには約1μmより大きい(例えば、約10μmより大きい)孔径を有する細孔がほとんど無い。ある種の実施形態では、0.8r〜r(例えば、0.9r〜r)の領域における細孔の平均孔径は、約1μm以下(例えば、約0.5μm以下、約0.1μm以下)である。一部の実施形態では、粒子の中心から0.9rまで(例えば、粒子の中心から0.8rまで)の領域は孔径約10μm以上の細孔を有し、かつ/または平均孔径が約2μm〜約35μmである。ある種の実施形態では、0.8r〜r(例えば、0.9r〜r)の領域における細孔の平均孔径は、中心から0.9rまでの領域における細孔の平均孔径の約5%以下(例えば、約1%以下、約0.3%以下)である。一部の実施形態では、粒子内で最大の細孔は、粒子の直径の約1%以上(例えば、約5%以上、約10%以上)の範囲の孔径を有しうる。粒子内の細孔の孔径は、図2Cの断面図を参照することにより測定可能である。不規則な形状(非球形)の細孔については、見える範囲で最大の断面を用いる。図2Cでは、生理食塩水を吸収した状態の湿った粒子を液体窒素中で凍結させて切片としたものについてSEMを撮影した。図2Bは、切片を作製する前に撮影したものである。図2D〜2Eでは、粒子を凍結乾燥させてから切片を作製してSEM分析した。
一般に、粒子の領域Cにおける細孔密度は、該粒子の領域Sにおける細孔密度よりも大きい。一部の実施形態では、粒子の領域Cにおける細孔密度は、該粒子の領域Bにおける細孔密度よりも大きく、かつ/または粒子の領域Bにおける細孔密度は、該粒子の領域Sにおける細孔密度よりも大きい。
概して、粒子の領域Cにおける材料の密度は、該粒子の領域Sにおける材料の密度よりも小さい。一部の実施形態では、粒子の領域Cにおける材料の密度は、該粒子の領域Bにおける材料の密度よりも小さく、かつ/または粒子の領域Bにおける材料の密度は、該粒子の領域Sにおける材料の密度よりも小さい。
概して、粒子の密度(例えば単位体積あたりの材料のグラム数で測定した場合)は、該粒子が担持流体(例えば、生理食塩水、造影剤、またはそれらの混合物などの医薬として許容可能な担体等)の中で容易に懸濁可能で、送達される間懸濁状態を維持しうるような密度である。一部の実施形態では、粒子の密度は約1.1g/cm〜約1.4g/cmである。一例として、生理食塩水と造影剤の溶液に懸濁するためには、密度は約1.2g/cm〜約1.3g/cmであればよい。
ある種の実施形態では、カテーテル内における圧縮後(例えば、粒子の断面積の約50
%以上に圧縮した後)の粒子の真球度は、約0.9以上(例えば、約0.95以上、約0.97以上)である。粒子は、例えば手動で圧縮することも、ほぼ平らにすることも可能であるが、元の粒径の約50%以下まで湿らせることが可能なので、流体に曝されるとすぐに約0.9以上(例えば、約0.95以上、約0.97以上)の真球度に回復する。
(製造)
図3Aは、塞栓粒子の生産システムの一実施形態を示している。このシステムは、流量調節機300、液滴作製機310、ゲル化容器320、反応容器330、ゲル溶解チャンバ340、およびフィルタ350を含んでいる。図3Bに示すように、流量調節機300はポリマー溶液を粘度調節機305へと送り、溶液は粘度調節機305により加熱されて粘度が低下してから液滴作製機310へと送られる。溶液は液滴作製機310のノズル内のオリフィスを通過し、同溶液の液滴が形成される。次に液滴はゲル化容器320の中へと送られ、該容器内で液滴はゲル形成により安定化される。ゲル化し安定化された液滴はゲル化容器320から反応容器330へと運搬され、反応容器330内では、ゲル化し安定化された液滴中のポリマーが反応して前駆物質の粒子が形成される。前駆物質の粒子はゲル溶解チャンバ340へと運搬され、ゲル溶解チャンバ340ではゲルが溶解される。次いで粒子は破片を除去するためにフィルタ350でろ過され、塞栓粒子を含む塞栓組成物として滅菌され梱包される。
一般に、基剤ポリマーおよびゲル化前駆物質を水に溶解して混合する。
基剤ポリマーの例としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、置換セルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスチレン、多糖、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリメチルメタクリル酸、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリ(ラクティック‐コ‐グリコリック)酸(例えば、ポリ(d‐ラクティック‐コ‐グリコリック)酸)、およびコポリマーまたはこれらの混合物が挙げられる。好適なポリマーはポリビニルアルコール(PVA)である。特に、ポリビニルアルコールは通常約80%〜約99%が加水分解されている。基剤ポリマーの平均分子量は、例えば、約9000〜約186,000(例えば、約85,000〜約146,000、約89,000〜約98,000)の範囲内にありうる。
ゲル化前駆物質としては、例えば、アルギン酸、アルギン酸塩、キサンタンガム、天然ゴム、寒天、アガロース、キトサン、カラギーナン、フコイダン、フルセララン、ラミナラン、イバラノリ類(hypnea)、キリンサイ類(eucheume)、アラビアゴム、ガティガム、カラヤガム、トラガカントガム、ヒアルロン酸、イナゴマメガム、アラビノガラクタン、ペクチン、アミロペクチン、その他の水溶性多糖、ならびにその他のイオン架橋可能なポリマーが挙げられる。特別なゲル化前駆物質はアルギン酸ナトリウムである。好適なアルギン酸ナトリウムは、グルロン酸含量が高い、植物茎由来のアルギン酸(例えば、約50%以上、約60%以上のグルロン酸)で粘度が低い(例えば、20℃で約20センチポアズ〜約80センチポアズ)ものであり、該アルギン酸は伸張性の高い頑堅なゲルを生じる。
一部の実施形態では、基剤ポリマー(例えば、高分子量PVAなどのPVA)を加熱(例えば、約70℃以上、約121℃)により水に溶解させることができると同時に、ゲル化前駆物質(例えば、アルギン酸)を室温で溶解させることができる。基剤ポリマー(例えば、PVA)とゲル化前駆物質(例えば、アルギン酸)とを、例えば、少なくとも約50℃(例えば、約65℃以上、約75℃以上、約85℃以上、約95℃以上、約105℃以上、約115℃以上、約121℃)に加熱した容器内で一緒に混合することにより、基剤ポリマーを溶解することも可能である。一部の実施形態では、混合物をオートクレーブ
内で加熱することができる。別例として、基剤ポリマー(例えば、PVA)を水中に置いて加熱してもよい。続いてゲル化前駆物質(例えば、アルギン酸)を室温で添加して、アルギン酸が高温に曝されるのを避けることができる。例えば、マイクロ波を当てて加熱することも可能である。
ある種の実施形態、例えば基剤ポリマーがPVAでゲル化前駆物質がアルギン酸である場合、混合物は約6.5重量%〜約8.5重量%(例えば、約8重量%、約7重量%)が基剤ポリマーで約1.5重量%〜約2.5重量%(例えば、約1.75重量%、約2重量%)がゲル化前駆物質でありうる。
一部の実施形態では、基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物は、シリンジポンプ(例えば米国マサチューセッツ州ホリストン所在のハーバード・アパラタス社(Harvard Apparatus )のモデルPHD4400)などの高圧ポンプ装置へ導入した後、液滴作製機310へと送られる。別例として、または追加として、基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物が液滴作製機310へ送られる速度を制御するために、該混合物に圧力(例えば、約0.5バール〜約1.6バール)を加える圧力制御装置(圧力ヘッド)を液滴作製機310に含めてもよい。
圧力は、例えば、ノズルのオリフィスの大きさおよび/もしくは基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物の所望の粘度、ならびに/または所望の粒径に基づいて選択可能である。概して、ある混合物について、ノズルのオリフィスを縮小するにつれて圧力は上昇する。一般に、ある混合物について、該混合物の所望の粘度が低下するにつれて温度が上昇する。一例として、ノズルのオリフィスが口径約100μmで、基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物の粘度が約60センチポアズ〜約100センチポアズである実施形態において、圧力は約1.55バールとなりうる。別の例として、ノズルのオリフィスが口径約200μmで、基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物の粘度が約60センチポアズ〜約100センチポアズである実施形態では、圧力は約0.55バールとなりうる。
図3Bを参照すると、粘度調節機305は、ポンプと液滴作製機310との間を流通する配管の周囲に所定温度の水を循環させる熱交換器である。基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物は粘度調節機305へと流れ込み、粘度調節機305において加熱されて混合物の粘度が所望のレベルまで低下するようになっている。別例として、または追加として、基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物の入っている容器を加熱した流体槽(例えば加熱した水槽)内に置いて基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物を加熱してもよい。一部の実施形態(例えば、システムに粘度調節機305が含まれない場合)では、流量調節機300および/または液滴作製機310を温度制御チャンバ(例えば、オーブン、熱テープの覆い(heat tape wrap))内に置いて基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物を加熱してもよい。
基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物を液滴作製機310へ送る前に加熱する温度は、例えば、混合物の所望の粘度および/またはノズルのオリフィスの大きさに基づいて選択可能である。概して、ある混合物について、混合物の所望の粘度が低いほど、混合物が加熱される温度は高くなる。一般に、ある混合物について、ノズルの直径が小さいほど、混合物が加熱される温度は高くなる。一例として、ノズルの直径が約150μm〜約300μmで混合物の所望の粘度が約90センチポアズ〜約200センチポアズである実施形態では、混合物を約60℃〜約70℃(例えば、約65℃)の温度に加熱すればよい。別の例として、ノズルの直径が約100μm〜約200μmで混合物の所望の粘度が約60センチポアズ〜約100センチポアズである実施形態では、混合物を約70℃〜約80℃(例えば、約75℃)の温度に加熱すればよい。
液滴作製機310は、基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物の流れをノズルのオリフィスに押し込んで通過させることによって、所定の直径を有するほぼ球形の液滴を作製する。混合物のジェット流を分断して混合物の液滴とするために、ノズルに周期的な変動を与える。例えば、静電気的または圧電性の要因により発生させた振動作用を与えて、ジェット流を分断して液滴とすることが可能である。液滴の大きさは、例えば、ノズルのオリフィスの口径、基剤ポリマー/ゲル化前駆物質の流速、ノズルの振幅、およびノズルの振動数を制御することにより調節することが可能である。概して、他のパラメータを一定に保ちながらノズルのオリフィスの口径を大きくすると大きな液滴が形成され、また流速を上げても大きな液滴が得られる。一般に、他のパラメータを一定に保ちながらノズルの振幅の大きくすると大きな液滴が得られ、またノズルの振動数を小さくしても大きな液滴が得られる。概して、ノズルのオリフィスの口径は約500μm以下(例えば、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下)および/または約50μm以上でよい。液滴作製機を通る流速は通常約1ml/分〜約12ml/分である。一般に、使用されるノズルの振動数は約0.1KHz以上(例えば、約0.8KHz以上、約1.5KHz以上、約1.75KHz以上、約1.85KHz以上、約2.5KHz以上、約0.1KHz〜約0.8KHz)でよい。概して、ノズルの振幅はジェット流の幅よりも大きい。液滴作製機のノズルの振幅は様々に設定可能であり、作業者がノズルの振幅を調節できるようになっている。一部の実施形態では、ノズルの振幅は最大設定値の約80%〜約100%に設定される。
一部の実施形態では、液滴作製機310は、液滴が液滴作製機310からゲル化容器320まで移動する時、液滴間の相互反発力により液滴の凝集が防止されるように、液滴を形成した後に帯電させることができる。帯電工程は、例えば、静電気帯電装置(ノズルの下流に配置した帯電リング(charged ring)など)を用いて実施することができる。
市販の静電液滴作製機の一例は、NISCO Encapsulation unit VAR D モデル(スイス国チューリヒ所在のニスコ・エンジニアリング(NISCO Engineering ))である。市販の液滴作製機の別の例は、Inotech Encapsulation unit IE50R/NS (スイス国ドッチコン(Dottikon)所在のイノテック・アーゲー(Inotech AG))である。
基剤ポリマーとゲル化前駆物質との混合物の液滴をゲル化容器320に回収する。ゲル化容器320と液滴作製機310のノズルのオリフィスとの距離は、一般に基剤ポリマー/ゲル化前駆物質混合物のジェット流がゲル化容器320に到達する前に実質的に分断されて個々の液滴になるように選択される。一部の実施形態では、ノズルのオリフィスからゲル化容器320に入った混合物までの距離は、約12.7cm(5インチ)〜約15.2cm(6インチ)である。
ゲル化容器320に入った混合物には、ゲル化前駆物質と反応して安定なゲルを形成することにより液滴を安定化するゲル化剤が含まれている。好適なゲル化剤としては、例えば、ゲル化剤とイオン架橋しうる二価陽イオン(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、または遷移金属塩など)が挙げられる。無機塩、例えば、カルシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、またはマグネシウム塩をゲル化剤として使用することができる。実施形態、特にアルギン酸のゲル化前駆物質を用いる実施形態では、好適なゲル化剤は塩化カルシウムである。カルシウム陽イオンはゲル化前駆物質中のカルボキシル基に親和性を有する。陽イオンがゲル化前駆物質中のカルボキシル基と錯体を形成する結果、ゲル化前駆物質のマトリクス中の基剤ポリマーが被殻化される。
理論に縛られることは望まないが、一部の実施形態では(例えば、粒径約500μm以下の粒子を形成する場合)、ゲル化容器320に入った混合物の表面張力を低くすることが望ましいと考えられる。これは、例えば、ゲル化容器320内の混合物を加熱(例えば
、約30℃またはそれ以上の温度など、室温よりも高い温度に)すること、ゲル化容器320に入った混合物に気体(例えば、空気、窒素、アルゴン、クリプトン、ヘリウム、ネオン)を吹き込むこと、ゲル化容器320に入った混合物を(例えば、マグネティック・スターラーにより)攪拌すること、ゲル化剤を含む混合物中に界面活性剤を含めること、および、(例えば、粒子のテール形成を低減するため、かつ/または粒子の真球度を高めるために)ゲル化容器320に入った混合物の上方でゲル化剤を含むミストを形成すること、のうち少なくともいずれかにより達成可能である。
図4は、ゲル化した粒子の写真を示している。明らかに、ゲル化工程において粒子内の細孔構造が形成されている。ゲル化剤の濃度は粒子内の細孔形成に影響を及ぼすので、粒子内の孔隙率の勾配を調節することができる。ゲル化作用のないイオン(例えば、ナトリウムイオン)をゲル化溶液に添加することにより、孔隙率の勾配を低減し、その結果粒子全体にわたって比較的均一な中間的孔隙率とすることができる。実施形態では、ゲル化剤は、例えば、脱イオン水中に約0.01重量%〜約10重量%(例えば約1重量%〜約5重量%、約2重量%)である。実施形態では、ゲル化剤と細孔構造とを含む粒子を、塞栓組成物に含めて使用することができる。
液滴を安定化した後、固体状の液滴からゲル化溶液を静かに除いてもよいし、篩にかけてゲル化溶液から固体状の液滴を取り出してもよい。次いで固体状の液滴を反応容器330に移すと、反応容器330内で固体状の液滴中の基剤ポリマーが反応して(例えば架橋して)前駆物質の粒子が形成される。
反応容器330には、基剤ポリマーと化学的に反応してポリマー鎖間および/またはポリマー鎖内に架橋を形成させる薬剤が入っている。該薬剤は粒子の表面から固体状の液滴内へと勾配をなして拡散するが、この勾配により、固体状の液滴の本体および中心よりも表面近くにより多くの架橋が形成されると考えられる。反応は固体状の液滴の表面において最大であり、堅固で摩耗に耐性のある外装が提供される。例えばポリビニルアルコールについては、容器330に、ポリビニルアルコールをアセタール化するための1種以上のアルデヒド(ホルムアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒド、アテレフタルアルデヒド(aterephthalaldehyde )、スクシンアルデヒド、およびグルタルアルデヒドなど)を含める。容器330には、例えば、強酸(硫酸、塩酸、硝酸など)および弱酸(酢酸、ギ酸、リン酸など)などの酸も含まれる。実施形態では、反応は主に1,3‐アセタール化、すなわち
Figure 2005535752
である。
この鎖内のアセタール化反応は、鎖間に架橋が形成される可能性が比較的低い状態で実施可能であり、このことは、ジョン ジー.プリチャード(John G. Pritchard )ら、「
ポリ(ビニルアルコール)の基本的な特性および用途(Poly(Vinyl Alcohol) Basic Properties and Uses )(ポリマーモノグラフ(Polymer Monograph )第4巻)」(93〜97頁参照)、ゴードン・アンド・ブリーチ・サイエンス・パブリシャーズ社(Gordon and
Breach, Science Publishers Ltd.)、1997年(参照により本願に援用する)に記載されている。反応は無秩序に進行するので、ポリマー鎖上の一部のOH基は隣接する基と反応せずに未反応のままになることもある。
使用するアルデヒドおよび酸の量を調整しながら、反応時間および反応温度でアセタール化の度合いを調節可能である。実施形態においては、反応時間は約5分〜約1時間(例えば、約10分〜約40分、約20分)である。反応温度は、例えば、約25℃〜約150℃(例えば、約75℃〜約130℃、約65℃)である。反応容器330を、軌道回転式ミキサーを取り付けた水槽内に置いてもよい。架橋された前駆物質の粒子を中和し、残留している酸溶液をすべて除去するために、粒子を脱イオン水で数回洗浄する。
前駆物質の粒子をゲル溶解チャンバ340へ移し、該チャンバでゲル化前駆物質を(例えば、イオン交換反応により)除去する。実施形態では、ヘキサメタリン酸ナトリウム(イーエムサイエンス(EM Science))の溶液を用いたイオン交換によりアルギン酸ナトリウムを除去する。溶液には、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、その他の酸、およびリン酸塩が含まれうる。ヘキサメタリン酸ナトリウムの濃度は、例えば、脱イオン水中に約1重量%〜約20重量%(例えば、約1重量%〜約10重量%、約5重量%)でありうる。残留しているゲル化前駆物質(例えば、アルギン酸ナトリウム)は、アッセイ(例えば、マンヌロン酸およびグルロン酸残基を含むアルギン酸中のウロン酸を検出するアッセイなど)により測定可能である。適切なアッセイには、硫酸に溶解したテトラホウ酸で粒子をすすいでアルギン酸を抽出する工程、抽出物をメタヒドロキシジフェニル比色試薬と合わせる工程、ならびにUV/VIS分光法により濃度を決定する工程が含まれる。試験は、ノルウェイ国オスロ所在のエフエムシーバイオポリマー(FMC Biopolymer)などのアルギン酸の供給業者によっても実施可能である。残留アルギン酸は、すすぐ前には例えば約20重量%〜約35重量%の範囲で存在し、約23℃の水中で30分間すすいだ後の粒子では約0.01重量%〜約0.5重量%の範囲(例えば、約0.1重量%〜約0.3重量%、約0.18重量%)になりうる。
粒子をフィルタ350でろ過し、残留している破片を除く。約100μm〜約300μmの粒子は、約710μmの篩にかけてから約300μmの篩にかければよい。次いで約20μmの篩で粒子を回収することができる。約300μm〜約500μmの粒子は、約710μmの篩にかけてから約500μmの篩にかければよい。次いで約100μmの篩で粒子を回収することができる。約500μm〜約700μmの粒子は、約1000μmの篩にかけてから約710μmの篩にかけ、次いで約300μmの篩にかければよい。次に粒子を受皿に回収することができる。約700μm〜約900μmの粒子は、1000μmの篩にかけてから500μmの篩にかければよい。次に粒子を受皿に回収することができる。約900μm〜約1200μmの粒子は、1180μmの篩にかけてから710μmの篩にかければよい。次に粒子を受皿に回収することができる。
次に粒子を梱包する。通常、約1ml〜約5mlの粒子を約5ml〜約10mlの生理食塩水中に梱包する。次いで、通常はろ過済み粒子を電子ビーム照射などの低温の技法で滅菌する。実施形態では、電子ビーム照射は粒子を薬学的に滅菌する(例えば、バイオバーデンを低減する)ために使用しうる。電子ビームによる滅菌においては、磁場および電場を用いて電子ビームを加速させ、集中させてエネルギービームとする。生じたエネルギービームを電磁石で走査して、加速された電子の「カーテン」が生じていることを読み取ることができる。加速された電子ビームは粒子の集合体を貫通し、細菌やカビを破壊して粒子を滅菌しバイオバーデンを低減する。電子ビームによる滅菌は、米国オハイオ州リマ
所在のチタン・スキャン(Titan Scan)などの滅菌業者によっても実施可能である。
塞栓組成物は、例えば、筋腫、腫瘍、内出血、AVM、血管増生に富む腫瘍の治療、動脈瘤嚢の充填材、エンドリーク封止材、動脈封止材、穿刺封止材、および卵管など他の管腔の閉塞処置に使用することができる。筋腫としては、子宮壁内部(壁内型)、子宮の外側(漿膜下型)、子宮腔の内側(粘膜下型)、子宮を支持する子宮広間膜層の間(広間膜内型)、他の臓器に結合して(寄生型)、あるいはキノコ様の茎状(有茎型)に増殖する子宮筋腫が挙げられる。内出血には、消化管の出血、血尿、腎臓の出血、および静脈瘤の出血が挙げられる。AVMは、例えば脳において、血圧の高い動脈から低い静脈へと血液が短絡する結果、血管が迂回している領域が低酸素症および低栄養状態となる、血管の異常な集積などである。
塞栓組成物の用量の規模は、治療しようとする病状の性質、位置、重篤度、ならびに投与経路によって変わりうる。病状、疾患または障害の治療にあたっている医師が塞栓組成物の有効量を決定することができる。塞栓組成物の有効量とは、症候の軽減または患者の延命をもたらすのに十分な量を意味する。塞栓組成物は、医薬として許容可能な組成物として、例えば患者に静脈内投与、皮下投与、経皮投与、気管内投与、筋肉内投与、粘膜内投与、皮内投与、関節内投与、経口投与、または非経口投与される用量など治療上許容可能な任意の用量で患者に投与することができる。
一部の実施形態では、ある状態を予防的に処置するために、粒子を含む組成物を用いることができる。
粒子を含む組成物を、医師が簡単に送達できるように調整した濃度に調製することができる。生理食塩水に懸濁させた粒子懸濁物を、時間を経ても安定性を維持するように(例えば、沈殿しないように)調製することができる。粒子懸濁物は、例えば、約1分〜約20分(例えば、約1分〜約10分、約2分〜約7分、約3分〜約6分)の間安定でありうる。生理食塩水に対する粒子の重量比を調整することによって、粒子濃度を決定することができる。粒子の重量比が小さすぎると、血管に注入される液体が多すぎて、粒子が逸れて側方の血管に入り込んでしまう可能性がある。一部の実施形態では、生理食塩水は約0.01重量%〜約15重量%の粒子を含みうる。組成物は、粒子の混合物、例えば上述の細孔特性を有する粒子、他の細孔特性を有する粒子、および細孔を持たない粒子のうち少なくともいずれかを含みうる。
特定の実施形態について述べてきたが、本発明はそのように限定されるものではない。
一例として、ゲル化剤(例えば、アルギン酸)を除去せずに粒子を塞栓用の用途に使用することができる。そのような粒子は、例えば上述のように、ただし架橋後に粒子からアルギン酸を除去せずに調製することができる。
別の例として、ほぼ球状の粒子が好ましい一方で、球状でない粒子も製造可能であり、例えば液滴形成の条件を制御することにより形成される。一部の実施形態では、粒子を後処理することにより(例えば、切断またはダイスカットして他の形状にすることにより)非球状の粒子を形成することができる。
さらに、一部の実施形態では粒子に1種以上の治療剤(例えば、薬物)を含めることができる。治療剤は、粒子内および粒子上のうち少なくともいずれかに存在しうる。治療剤としては、負に帯電したもの、正に帯電したもの、両性(amphoteric)のもの、または中性のものが挙げられる。治療剤は、例えば、生理学的状況を処理する生物学的に活性な物質;薬学的に活性な化合物;遺伝子治療:担体ベクターを備えた、または備えていない核酸;オリゴヌクレオチド;遺伝子/ベクター系;キメラDNA;コンパクト化剤(例えば、DNAコンパクト化剤);ウイルス:ポリマー;ヒアルロン酸;タンパク質(例えば、
リボザイムなどの酵素);細胞(ヒト由来、動物源由来、または遺伝子工学的に得た細胞);幹細胞;免疫に関与する種;非ステロイド系抗炎症薬;経口避妊薬;プロゲスチン;ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト;化学療法剤;および放射活性を有する種(例えば、放射性同位体、放射活性を有する分子)でありうる。限定するものではないが治療剤の例としては、抗血栓剤;抗酸化剤;血管形成および抗血管形成作用を有する薬剤および因子;抗増殖剤(例えば、平滑筋細胞の増殖を阻害しうる薬剤);抗炎症剤;カルシウム流入阻害剤;抗新生物/抗増殖/抗分裂剤(例えば、パクリタキセル、ドキソルビシン、シスプラチン);抗微生物剤;麻酔剤;抗凝血剤;血管細胞増殖促進剤;血管細胞増殖阻害剤;コレステロール低下剤;血管拡張剤;内在性の血管活性機構を妨げる薬剤;および細胞死から保護するサバイバル遺伝子が挙げられる。治療剤については、同時係属出願であり「薬剤送達粒子(Agent Delivery Particle )」と題した2003年7月8日出願の米国特許出願第10/615,276号(参照により本願に援用される)に記載されている。
さらに、一部の実施形態では(例えば、基剤ポリマーがポリビニルアルコールでゲル化前駆物質がアルギン酸である場合)、粒子をゲル化剤と接触させた後であって架橋する前に、粒子を物理的に変形させて特定の形状および/または大きさにすることができる。例えば、粒子を型に入れて成形し、圧縮し、打ち抜きし、および/または他の粒子とともに凝集させてもよい。成形後、基剤ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール)を架橋させ、その後任意選択でゲル化前駆物質(例えば、アルギン酸)を十分に除去すればよい。粒子の成形については、例えば、同時係属出願であり「化学的に架橋された所望の形状および粒径を有する粒子の形成(Forming a Chemically Cross-Linked Particle of a Desired Shape and Diameter)」と題した2003年3月28日出願の米国特許出願第10/402,068号(参照により本願に援用される)に記載されている。
さらに、一部の実施形態では、組織の体積を増大させる処置(tissue bulking)に粒子を用いることができる。一例として、体内の通路に隣接する組織の中へ粒子を配置(例えば、注入)することができる。粒子により通路が狭められることによって、組織の体積が増大し、該組織により一層容易に通路を収縮させることが可能となる。数多くの別の方法によって、例えば、経皮的に、腹腔鏡により、かつ/またはカテーテルを用いて組織内に粒子を配置してもよい。ある種の実施形態では、組織内に空洞を形成して該空洞内に粒子を配置することもできる。粒子を用いた組織の体積を増大させる処置は、例えば、内因性括約筋不全(ISD)、膀胱尿管逆流現象、胃食道逆流症(GERD)、および/または声帯麻痺(例えば、麻痺による発声障害の場合に声門の能力を回復するため)を治療するために使用可能である。一部の実施形態では、粒子を用いた組織の体積を増大させる処置を、尿失禁および/または便失禁を治療するために使用可能である。粒子を、移植材料として、または軟組織の欠損を埋めるか平坦にするかのうち少なくともいずれかのための充填材として、例えば再建のための適用または美容のための適用(例えば、手術)のために使用することができる。軟組織の欠損への適用の例には、口唇裂、瘢痕(例えば、水痘により陥没した瘢痕または座瘡瘢痕)、脂肪吸引術によるくぼみ、しわ(例えば、眉間の縦じわ)、および薄い唇の軟組織増大が挙げられる。組織の体積を増大させる処置については、例えば、同時係属出願であり「組織の処置(Tissue Treatment)」と題した2002年8月30日出願の米国特許出願第10/231,664号(参照により本願に援用される)に記載されている。
以降の実施例は例示的なものであり、限定的なものではない。
粒子を次のように調製した。
8重量%のポリビニルアルコール(99+%加水分解型、平均M89,000〜12
0,000(アルドリッチ(Aldrich ))および2重量%のアルギン酸ナトリウム(PRONOVA(商標)UPLVG(米国ニュージャージー州プリンストン所在のエフエムシーバイオポリマー(FMC BioPolymer))を脱イオン水に溶解した水溶液を調製した。この溶液を約121℃に加熱した。同溶液の粘度は室温で約310センチポアズ、65℃で約160センチポアズであった。モデルPHD4400シリンジポンプ(米国マサチューセッツ州ホリストン所在のハーバード・アパラタス社)を用いて、前記混合物をN ISCO Encapsulation unit VAR D モデルの液滴作製機(スイス国チューリヒ所在のニスコ・エン
ジニアリング)の中へ供給した。液滴作製機により作製された液滴を、脱イオン水に溶解した2重量%塩化カルシウムの入ったゲル化容器へと誘導し、スターラーバーで攪拌した。液滴からポリビニルアルコールが塩化カルシウム溶液へと大量に漏れ出さないように、約3分以内に塩化カルシウム溶液を静かに取り除いた。液滴を、4重量%のホルムアルデヒド(メタノール中37重量%)および20重量%の濃硫酸(95〜98%)の溶液が入った反応容器に添加した。反応溶液を65℃で20分間攪拌した。前駆物質の粒子を脱イオン水ですすいで(3×300ml)残存している酸溶液を除去した。アルギン酸ナトリウムは、前駆物質の粒子を、脱イオン水に溶解した5重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム溶液中に0.5時間浸漬することにより、十分除去された。残存しているリン酸塩およびアルギン酸塩を除去するために、前記溶液を、脱イオン水ですすぎ落とした。粒子を上述のように篩にかけてろ過し、生理食塩水(米国薬局方(USP)0.9%NaCl)中に含めて照射滅菌により滅菌した。
粒子は、表Iに記載のノズルの直径、ノズルの振動数および流速(最大値の約80%の振幅)で製造した。
Figure 2005535752
懸濁性は、5mlの生理食塩水に溶解した2mlの粒子溶液を造影剤(Omnipaque(商標)300、英国バッキンガムシャー州所在のナイコメッド(Nycomed )社)と混合し、約50%の粒子が懸濁状態になる(すなわち、約10ml容で直径約25mmの容器の底に沈んだり最上部に浮いたりしない)時間を観察することにより、室温で測定した。懸濁性は、粒子が使用時に懸濁状態を維持するであろう長さについての実用上の尺度を提供する。
粒子が造影剤溶液中で懸濁状態を維持する時間についても測定を実施した。粒子は、約2〜約3分間懸濁状態を維持した。
Omnipaque(商標)300は、イオヘキソール、すなわちN.N.‐ビス(2,3‐ジヒドロキシプロピル)‐T‐[N‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)‐アセトアミド]‐2,4,6‐トリヨード‐イソフタルアミドの水溶液である。Omnipaque(商標)300は、1mlあたり300mgの有機ヨウ素に相当する647mgのイオヘキソールを含有している。Omnipaque(商標)300の比重は37℃で1.
349であり、絶対粘度は20℃で11.8センチポアズである。
粒子の大きさの均一性および真球度は、ベックマン・コールターRapidVUE(登録商標)画像解析装置バージョン2.06(米国フロリダ州マイアミ所在のベックマン・コールター(Beckman Coulter ))を用いて測定した。簡単に述べると、RapidVUE(登録商標)で連続階調(グレイスケール)方式の画像を取り込み、サンプリングと量子化の処理工程を経てデジタル方式に変換する。該システムのソフトウェアは、画像中の繊維状、円柱形、または球形の粒子を特定して測定する。真球度の演算処理およびその他の統計学的定義は添付資料A(RapidVUE操作手引書のある頁)に示されている。
図5を参照すると、粒径約700μm〜約900μmの粒子について、粒子の大きさの均一性が示されている。x軸は粒径であり、y軸はそれぞれの粒子の大きさにおいて体積を正規化した粒子の比率(%)である。検出された粒子の総体積を演算処理し、それぞれの粒径における粒子の体積を総体積で割った。塞栓粒子の粒径分布の分散は約±15%未満であった。
粒子を次のように調製した。
7.06重量%のポリビニルアルコール(99+%加水分解型、平均M89,000〜120,000(アルドリッチ)および1.76重量%のアルギン酸ナトリウム(PRONOVA(商標)UPLVG(米国ニュージャージー州プリンストン所在のエフエムシーバイオポリマー)の水溶液を調製した。この溶液を約121℃に加熱した。同溶液の粘度は室温で約140センチポアズ、65℃で約70センチポアズであった。圧力容器を用いて、前記混合物を液滴作製機(Inotech Encapsulation unit IE50R/NS 、イノテック・バイオシステムズ・インターナショナル社(Inotech Biosystems International, Inc.))に供給した。液滴作製機により作製された液滴を、脱イオン水に溶解した2重量%塩化カルシウムの入ったゲル化容器へと誘導し、スターラーバーで攪拌した。液滴からポリビニルアルコールが塩化カルシウム溶液へと大量に漏れ出さないように、約3分以内に液滴を回収した。液滴を、4重量%のホルムアルデヒド(メタノール中37重量%)および20重量%の濃硫酸(95〜98%)の溶液が入った反応容器に添加した。反応溶液を65℃で20分間攪拌した。前駆物質の粒子を脱イオン水ですすいで(3×300ml)残存している酸溶液を除去した。アルギン酸ナトリウムは、前駆物質の粒子を、脱イオン水に溶解した5重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム溶液中に0.5時間浸漬することにより、十分除去された。残存しているリン酸塩およびアルギン酸塩を除去するために、前記溶液を脱イオン水ですすぎ落とした。粒子を篩にかけてろ過し、生理食塩水(米国薬局方(USP)0.9%NaCl)中に含めて照射滅菌により滅菌した。
粒子は、表IIに記載のノズルの直径、ノズルの振動数および圧力(最大値の約80%の振幅)で製造した。
Figure 2005535752
懸濁性は、実施例1に記載の通りに測定した。
粒子が造影剤溶液中で懸濁状態を維持する時間についても測定を実施した。粒子は、造影剤溶液中で約20分間懸濁状態を維持した。
図6は、粒径約300μm〜約500μmの粒子について、粒子の大きさの均一性を示している(実施例1における考察を参照されたい)。塞栓粒子の粒径分布の分散は約±15%未満であった。
図7については、カテーテル圧縮試験を用いて、粒子の注入しやすさならびに(間接的に)圧縮性を調査した。試験装置には、供給用シリンジ610と、Tバルブ630に接続された注入用シリンジ620とを備えた。供給用シリンジ610は20ml容シリンジ、注入用シリンジ620は3ml容シリンジとした。Tバルブ630は第2のTバルブ640に直列に接続した。Tバルブ640はカテーテル650および圧力変換器660に接続した。注入用シリンジ620は、シリンジポンプ621(ハーバード・アパラタス社)に接続した。
粒子の送達しやすさを試験するために、生理食塩水および造影剤(50/50のOminipaque300)に含まれた塞栓組成物をシリンジ610および620に装填した。シリンジ610および620の中の塞栓組成物は、両シリンジ間で流体が混合して粒子が懸濁するようにTバルブをひねることにより、混合される。混合した後、シリンジ620の中の塞栓組成物を約10ml/分で流す。カテーテル650に生じた背圧を圧力変換器660によりミリボルト単位で測定し、カテーテル650の目詰まりを測定する。約1mlの粒子を10mlの溶液に混合した。
数種の異なるカテーテル(米国マサチューセッツ州ナティック所在のボストン・サイエンティフィックより入手可能)についての結果と粒子の大きさを表III に示す。基準圧は、担持流体のみを注入した時に観察された圧力とした。送達圧は、担持流体に含まれた粒子を送達する際に観察された圧力とした。平均は、3回の実施で観察された最大圧力の平均とした。
Figure 2005535752
明らかに、それぞれの粒径範囲の粒子が、最大粒径よりも腔径が小さい管腔を有するカテーテルに目詰まりを生じることなく首尾よく送達された。粒子の圧縮後の真球度は約0.9以上であった。
粒子を溶剤の溶液に室温で約0.5時間混合し、眼に見える溶解の痕跡について混合物を観察することにより、溶解性を試験した。粒子は、DMSO(ジメチルスルホキシド)、HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)、およびTHF(テトラヒドロフラン)に不溶であった。
示差走査熱量測定(DSC)により測定された粒子のガラス転移温度は以下の通りであった。
Figure 2005535752
図8および9は、それぞれ実施例1および2に従って調製した乾燥状態の粒子のATR法による赤外線スペクトルを示す。
その他の実施形態は特許請求の範囲に記載されている。
Figure 2005535752
塞栓粒子を含む塞栓組成物の血管内への注入を図解する概略図。 図1A中の領域1Bの拡大図。 水和した塞栓粒子の回収物の光学顕微鏡写真。 塞栓粒子表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真。 塞栓粒子の断面図。 塞栓粒子の断面図。 塞栓粒子の断面図。 塞栓組成物の製造を示す概略図。 図3A中の領域3Bの拡大図。 ゲルで安定化した液滴の写真。 塞栓粒子の大きさの均一性を示すグラフ。 塞栓粒子の大きさの均一性を示すグラフ。 注入圧試験用機器の概略図。 塞栓粒子の赤外線スペクトルを示す図。 塞栓粒子の赤外線スペクトルを示す図。

Claims (31)

  1. 粒径約500μm以下のポリマー粒子であって、第1の細孔密度を有する内部領域と、第2の細孔密度を有する表面領域とを有し、第1の密度は第2の密度とは異なっていることを特徴とするポリマー粒子。
  2. 第1の密度は第2の密度より大きいことを特徴とする請求項1に記載のポリマー粒子。
  3. 第1の平均細孔径を有する内部領域と、第2の平均細孔径を有する表面領域とを有し、第1の平均細孔径は第2の平均細孔径とは異なっていることを特徴とする請求項1に記載のポリマー粒子。
  4. 第1の平均細孔径は第2の平均細孔径より大きいことを特徴とする請求項3に記載のポリマー粒子。
  5. 粒径が約10μm以上である請求項1に記載のポリマー粒子。
  6. 粒径が約100μm以上である請求項1に記載のポリマー粒子。
  7. 粒径が約300μm以下である請求項6に記載のポリマー粒子。
  8. 粒径が約300μm以上である請求項1に記載のポリマー粒子。
  9. ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、置換セルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスチレン、多糖、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリメチルメタクリル酸、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、およびポリ(ラクティック‐コ‐グリコリック)酸からなる群から選択される少なくとも1種のポリマーを含んでなる、請求項1に記載のポリマー粒子。
  10. ポリビニルアルコールを含んでなる請求項1に記載のポリマー粒子。
  11. 実質的に生体吸収性の材料で少なくとも部分的に被覆されている請求項1に記載のポリマー粒子。
  12. 密度が約1.1g/cm〜約1.4g/cmである請求項1に記載のポリマー粒子。
  13. 真球度が約0.9以上である請求項1に記載のポリマー粒子。
  14. 約50%まで圧縮した後、真球度が約0.9以上である請求項1に記載のポリマー粒子。
  15. 約2.5重量%以下の多糖を含む請求項1に記載のポリマー粒子。
  16. 多糖はアルギン酸を含む請求項15に記載のポリマー粒子。
  17. アルギン酸のグルロン酸含量は約60%以上である請求項16に記載のポリマー粒子。
  18. DMSOに実質的に不溶である請求項1に記載のポリマー粒子。
  19. 動物由来の化合物を実質的に含まない請求項1に記載のポリマー粒子。
  20. 粒径約500μm以下のポリマー粒子であって、第1の平均細孔径を有する内部領域と、第2の平均細孔径を有する表面領域とを有し、第1の平均細孔径は第2の平均細孔径とは異なっていることを特徴とするポリマー粒子。
  21. 第1の平均細孔径は第2の平均細孔径より大きいことを特徴とする請求項20に記載のポリマー粒子。
  22. 複数の粒子であって、該複数の粒子のうち少なくとも一部は粒径が約500μm以下であり、粒径約500μm以下の粒子のうち少なくとも一部は、第1の細孔密度を有する内部領域と、第2の細孔密度を有する表面領域とを有し、第1の密度は第2の密度とは異なっていることを特徴とする粒子と、
    該複数の粒子を含む担持流体と
    からなる組成物。
  23. 担持流体は生理食塩水を含んでなる請求項22に記載の組成物。
  24. 担持流体は造影剤を含んでなる請求項22に記載の組成物。
  25. 複数の粒子の平均粒径は約500μm以下である請求項22に記載の組成物。
  26. 複数の粒子の平均粒径は約10μm以上である請求項22に記載の組成物。
  27. 複数の粒子の平均粒径は約100μm以上である請求項22に記載の組成物。
  28. 複数の粒子の平均粒径は約300μm以下である請求項27に記載の組成物。
  29. 複数の粒子の平均粒径は約300μm以上である請求項22に記載の組成物。
  30. 複数の粒子であって、該複数の粒子のうち少なくとも一部は粒径が約500μm以下であり、粒径約500μm以下の粒子のうち少なくとも一部は、第1の平均細孔径を有する内部領域と、第2の平均細孔径を有する表面領域とを有し、第1の平均細孔径は第2の平均細孔径とは異なっていることを特徴とする粒子と、
    該複数の粒子を含む担持流体と
    からなる組成物。
  31. 基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する液滴を形成する工程と、
    液滴をゲル化剤と接触させて基剤ポリマーとゲル化前駆物質とを含有する粒子を形成する工程と
    からなる方法であって、
    ゲル化剤に気体を吹き込む工程、ゲル化剤を含有する混合物に界面活性剤を含める工程、ゲル化剤を含有するミストを液滴の供給源と容器との間に配する工程、およびゲル化剤を攪拌する工程からなる群から選択される少なくともいずれかの工程をさらに含むことを特徴とする方法。
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