JP2005535631A - プリン誘導体の合成 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ピリミジン化合物から、高度に置換されたプリン化合物を製造する方法を提供する。さらに、本発明の方法は、プリン化合物のライブラリーの製造を可能とする。特に、本発明は、R1、R2、R3、R4、およびR5が本明細書中に記載したとおりである、式(I)の置換プリン化合物の製造方法をクレームしている。

Description

本発明は、高度に置換されたプリン化合物を製造する方法およびプリン化合物のコンビナトリアルライブラリーに関する。
プリン化合物は、広範な薬理学的活性を有している。例えば、多くのプリン化合物はキナーゼ阻害剤である。したがって、プリン化合物を合成する多くの溶液法および固相法が近年進歩している。
プリン化合物を合成する従来法は、一般に、予め作製されたプリン環系中の脱離基を所望の求核剤で置換することあるいは適切な置換ピリミジン環系からプリン環系を製造することを含んでいる。しかしながら、現在利用可能な方法はいずれも、高度に置換されたプリン化合物、例えば、各々の位置で置換基を変えることが可能な、2位、6位、8位、および9位に置換基を有するプリンの合成を提供するものではない。
ピリミジン化合物からのプリンの合成は、しばしば、ピリミジン環系中に存在するニトロ基の還元を必要とする。残念ながら、現在公知の還元方法は、単に部分的な還元をもたらすのみであり、確実な再現性がなく、あるいは除去困難な望ましくない無機塩が混入した生成物を生成する。J. Comb. Chem., 2000, 2, 249-253参照。
したがって、高度に置換されたプリン化合物の合成方法が必要とされている。また、実質的に無機塩を含まない、固体支持体に結合したアミノピリミジン化合物を提供する、固体支持体に結合したピリミジン化合物上のピリミジン環上のニトロ置換基を選択的に還元する方法も必要とされている。
本発明は、プリン化合物のコンビナトリアルライブラリー、ならびに置換プリンおよびプリン化合物のライブラリーを製造する方法を提供する。特に、本発明は、ピリミジン化合物からのプリン化合物の製造方法を提供する。
本発明の一つの態様は、式:
Figure 2005535631
[式中、
1は、固体支持体、水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;
2は、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であり;
3は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であり;
4は、水素、アルキル、アリール、または−NR67(ここで、R6とR7の各々は、独立に、水素、アルキル、アリール、またはシクロアルキルである)であり;そして
5は、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、チオアルキル、チオアリール、または−NR89(ここで、R8とR9の各々は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であるか、あるいはR8とR9はそれらが結合している窒素原子と一緒にヘテロ環を形成する)である]
の置換プリン化合物の製造方法であって、
(a)式:
Figure 2005535631
の5−ニトロピリミジン化合物を還元剤と接触させて、式:
Figure 2005535631
の4,5,6−トリアミノピリミジンを製造し、そして
(b)4,5,6−トリアミノピリミジンを環化剤と接触させることによりプリン環を形成して、置換プリンを製造する、
ことを含む方法を提供する。
好ましくは、本発明の方法は、固体支持体に結合したプリン化合物、すなわち、R1が固体支持体であるものを製造することを含む。同じく好ましくは、本発明の方法は、R2が窒素保護基であるものについて行われる。固体支持体に結合したピリミジン上のニトロ基を還元する最も慣用の方法は、固体支持体からのピリミジンの切断あるいは生成物への無機塩の混入あるいは不完全な還元を招く。対照的に、本発明は、固体支持体から有意な量のピリミジンを切断することなく、固体支持体に結合したニトロ置換ピリミジン化合物を還元する方法を提供する。このように、実質的に全ての固体支持体に結合したピリミジン環は、ニトロ基還元プロセスの間、固体支持体に結合されたままである。
また、本発明の還元生成物は、実質的に無機塩を含んでいない。
好ましくは、ニトロ基還元剤は、
(a)CrX2(ここで、各々のXは独立にハライドである)および
(b)1,1’−ジアルキル−4,4’−ビピリジニウムジハライドとチオスルファート化合物の混合物よりなる群から選択される。本明細書中で使用される「チオスルファート化合物」とは、化合物M2 +23 2-(式中、Mはアルカリ金属カチオンである)を意味する。
一つの実施態様においては、ニトロ還元工程はプロトン性溶媒の存在を含む。
他の実施態様においては、固体支持体に結合したプリンを固体支持体から切断して、R1が水素であるプリン化合物が製造される。R1基を、当業者に公知の任意の慣用の方法、例えば、アルキル化、アシル化等により、さらに修飾することができる。
好ましくは、環化剤は、オルトエステル、アシル無水物、アシルハライド、イソチオシアナートと脱水剤の混合物、イソシアナートと脱水剤の混合物、またはアルデヒドと酸化剤の混合物である。
一つの実施態様において、5−ニトロピリミジン化合物は、
(a)式:
Figure 2005535631
の4,6−ジハロ−5−ニトロ−2−チオエーテルピリミジンを、式:Z1Hの第一のアミン化合物と接触させて、式:
Figure 2005535631
の6−アミノピリミジンを製造し、
(b)6−アミノピリミジンを、式:Z2Hの第二のアミン化合物と接触させて、式:
Figure 2005535631
の4,6−ジアミノピリミジンを製造し、
(c)4,6−ジアミノピリミジンを、酸化剤と接触させて、式:
Figure 2005535631
の2−スルホニルピリミジンを製造し、そして
(d)2−スルホニルピリミジンを、式:R5−Mの求核試薬と接触させて、5−ニトロピリミジン化合物を製造する
(式中、
1およびZ2の一方は−NR12であり、他方は−NHR3であり;
1,R2,R3およびR5は本明細書で定義されたものであり;
10は、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;
5−Mは、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属チオアルコキシド、有機クプラート、有機リチウムおよびグリニャール試薬よりなる群から選択される求核試薬であるか、あるいはR5−Mは、HNR89であり、各々のXは独立にハライドである)
ことを含む工程により製造される。
本発明の他の態様は、式:
Figure 2005535631
の置換プリン化合物の製造方法であって、
(a)式:
Figure 2005535631
の4,6−ジハロ−5−ニトロ−2−チオエーテルピリミジンを、式:Z1Hの第一のアミン化合物と接触させて、式:
Figure 2005535631
の6−アミノピリミジンを製造し、
(b)6−アミノピリミジンを、式:Z2Hの第二のアミン化合物と接触させて、式:
Figure 2005535631
の4,6−ジアミノピリミジンを製造し、
(c)4,6−ジアミノピリミジンを、酸化剤と接触させて、式:
Figure 2005535631
(式中、Z1およびZ2の一方は−NR12であり、他方は−NHR3である)
の2−スルホニルピリミジンを製造し、
(d)2−スルホニルピリミジンを、式:R5−Mの求核試薬と接触させて、式:
Figure 2005535631
の5−ニトロピリミジンを製造し、
(e)5−ニトロピリミジンを還元剤と接触させて、式:
Figure 2005535631
の4,5,6−トリアミノピリミジンを製造し、そして
(f)4,5,6−トリアミノピリミジンを、環化剤と接触させて、置換プリンを製造する、
(式中、R1、R2、R3、R5、およびMは、本明細書中で定義したものである)
ことを含む方法を提供する。
本発明の方法は、特に、置換プリン化合物のコンビナトリアルライブラリーを製造する上で有用である。そのような化合物のライブラリーは、例えばR1が固体支持体である、固体支持体上で製造することができる。また、好ましくは、本発明の方法は、R1が固体支持体であり、置換プリンのライブラリーが固体支持体に結合した置換プリンのライブラリーである場合に行われる。コンビナトリアルライブラリーにおける各々のプリン化合物は空間的に分離されたものであるか、あるいはライブラリーは異なるプリン化合物の混合物を含むことができる。
一つの実施態様において、コンビナトリアルライブラリーは複数の粒子(すなわち、固体支持体)上に形成され、各々の粒子が同一の置換基のプリン分子の表面コーティングを有する。
他の実施態様において、プリン化合物を固体支持体から切断して、フリー、すなわち、固体支持体に結合されていない置換プリン化合物のライブラリーを製造する。
本発明のさらに他の態様は、ライブラリー中の各々のプリンが、式:
Figure 2005535631
(式中、R1、R2、R3、およびR5は、本明細書中で定義したものである)
のものである、プリンのコンビナトリアルライブラリーを提供する。
本発明のさらに他の態様は、固体支持体に共有結合しているピリミジン環上のニトロ置換基を還元する方法であって、そのピリミジン環は、場合により1、2、または3個の独立の水素ではない置換基で置換されており、その方法は、
(a)固体支持体に結合したピリミジン化合物を、二ハロゲン化クロムと接触させることによりニトロ官能基をアミノ官能基に還元して、固体支持体に結合したアミノピリミジン化合物を含む反応混合物を製造し、そして
(b)固体支持体に結合したアミノピリミジン化合物を反応混合物から除去する、ことを含み、
反応混合物から除去される固体支持体に結合したアミノピリミジン化合物が実質的に無機塩を含まないものである方法を提供する。
一つの実施態様においては、ニトロ基還元工程(a)の間、固体支持体に結合したピリミジン環の実質的にすべてが、固体支持体に共有結合したままである。
好ましくは、ニトロ基を還元する反応混合物がプロトン性溶媒を含む。
他の実施態様において、二ハロゲン化クロムは二塩化クロムである。
I.定義
特に明記しない限り、下記の用語は、以下の意味を有する。
「2,6,8,9−置換プリン」は、本発明の方法を用いて製造されるプリン化合物を意味する。この方法の各工程において使用される特定の試薬によっては、プリン環上の置換基は水素でありうる。水素は、従来からの意味における「置換基」とは考えられないが、本発明は「水素」を置換基として含むものである。
「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を含む、非分枝鎖のまたは分枝鎖の、飽和の、一価の炭化水素残基を意味する。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む、直鎖または分枝鎖の炭化水素残基を意味する。本明細書で使用される「C1-10アルキル」は、1〜10個の炭素からなるアルキルを意味する。アルキル基は、場合により、ハロゲン、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロキシ、アミノ、チオ、アルコキシ、カルボキシ、オキソまたはシクロアルキル等の、1個以上の置換基で置換されうる。2個以上の置換基がアルキル基に結合している場合は、これらの置換基は同一または異なっていてもよい。アルキル基に沿って、場合により、1個以上の酸素、イオウ、置換もしくは非置換の窒素原子を挿入してもよい。アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルまたはペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「アルコキシ」は、基−ORa(式中、Raは、本明細書中で定義したアルキル基である)を意味する。
「アルケニル」は、アルケニル基が結合している点が炭素−炭素二重結合の炭素原子の一つを介してであると理解して、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する、2〜10個の炭素原子を含む、非分枝鎖のまたは分枝鎖の、一価の炭化水素残基を意味する。アルケニル基は、場合により、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロキシ、アミノ、チオ、アルコキシ、カルボキシ、オキソまたはシクロアルキル等の、1個以上の置換基で置換されうる。アルケニル基に沿って、場合により、1個以上の酸素、イオウ、置換もしくは非置換の窒素原子を挿入しうる。本明細書で使用される「C2-10アルケニル」は、2〜10個の炭素からなるアルケニルを意味する。アルケニル基の例として、ビニル、1−プロペニル、1−プロペニルまたは1−ブテニルが挙げられる。
「アルキニル」は、アルキニル基が結合している点が炭素−炭素三重結合の炭素原子の一つを介してであると理解して、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する、2〜10個の炭素原子を含む、非分枝鎖のまたは分枝鎖の、一価の炭化水素残基を意味する。アルケニル基は、場合により、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロキシ、アミノ、チオ、アルコキシ、カルボキシ、オキソまたはシクロアルキル等の、1個以上の置換基で置換されうる。アルキニル基に沿って、場合により、1個以上の酸素、イオウ、置換もしくは非置換の窒素原子を挿入しうる。本明細書で使用される「C2-10アルキニル」は、2〜10個の炭素からなるアルキニルを意味する。アルキニル基の例として、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、または1−ペンチニルが挙げられる。
「アシルハライド」は、試薬RC(=O)X(式中、Rはアルキルまたはアリール基であり、Xは本明細書で定義されたようなハロゲンである)を意味する。アシルハライドの例として、塩化アセチル、臭化アセチル、塩化プロピオニル、塩化イソブチロイル、および塩化ベンゾイルが挙げられる。
「アシル無水物」は、試薬[RC(=O)]2O(式中、Rは本明細書で定義されたようなアルキルまたはアリール基である)を意味する。酸無水物の例として、無水酢酸、無水プロピオン酸クロリド、および2−メトキシ酢酸無水物が挙げられる。
「オルトエステル」は、試薬RaC(ORb3[式中、Raは水素、アルキルまたはアリール基であり、Rbはアルキル基である(ここで、アルキルは本明細書で定義されたとおりである)]を意味する。オルトエステルの例として、オルトギ酸トリエチルおよびオルト酢酸トリメチルが挙げられる。
「アリール」は、5〜14個の炭素原子を含み、1個の単一の環または少なくとも1個の環が性質上芳香族である、1個以上の縮合環よりなる一価の芳香族炭素環基を意味し、それは、別に明記しない限り、場合により、1個以上の、好ましくは1または2個の、ヒドロキシ、チオ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アミノ、チオ、シクロアルキル、アルコキシ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノから選択される置換基で置換されうる。あるいは、アリール環の2個の隣り合う原子は、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシ基で置換されていてもよい。アリール基の例として、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インダニル、アントラキノリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「アリールオキシ」は、基−ORb(式中、Rbは本明細書で定義されたようなアリール基である)を意味する。アリールオキシ基の例として、場合により置換されたフェノキシおよび場合により置換された1−または2−ナフチルオキシが挙げられる。
本明細書で使用される「アミノ」、[アルキルアミノ」および「ジアルキルアミノ」は、それぞれ−NH2、−NHR1および−NHR12を意味し、R1およびR2は独立に、アルキル、シクロアルキル、もしくはアリールであるか、またはR2は以下に定義されるような窒素保護である。
「プリンのコンビナトリアルライブラリー」は、複数のプリン化合物、一般的には少なくとも20個の異なるプリン化合物を含むライブラリーを意味する。コンビナトリアルライブラリーは、当業者に公知のすべての慣用なコンビナトリアルな合成方法、例えば、パラレル合成法、スプリット−プール合成法、およびこれらの組合せにより調製することができる。したがって、用語「プリンのコンビナトリアルライブラリー」は、プリン化合物の混合物を含むライブラリーおよび各々の異なるプリン化合物が空間的に分離されている、例えば、別々の容器に入れられた、複数の異なるプリン化合物を意味する。
「環化剤」は、ジアミノピリミジン化合物からプリン環部分を形成する試薬を意味する。好ましくは、環化剤は、オルトエステル、アシル無水物、アシルハライド、イソチオシアナートと脱水剤の混合物、イソシアナートと脱水剤の混合物、またはアルデヒドと酸化剤の混合物である。
「シクロアルキル」は、単環性および二環性非芳香族炭素環基等の炭素環ならびに単環性および二環性非芳香族へテロ環基等のヘテロ環を包含する、3〜8個の炭素原子を含む脂環式炭化水素を意味する。シクロアルキル基は、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロキシ、アミノ、チオ、アルコキシ、カルボキシ、オキソ、シクロアルキル等の、1個以上の置換基で置換されうる。本明細書で使用される「C3-7シクロアルキル」は、炭素環中3〜7個の炭素からなるシクロアルキルを意味する。典型的なシクロアルキル基として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
「シクロアルコキシ」は、基−ORC(式中、RCは本明細書で定義されたようなシクロアルキル基である)を意味する。シクロアルコキシ基の例として、シクロプロピルオキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキソキシ、およびシクロヘプトキシが挙げられる。
「異なるプリン化合物」は、プリン環内に、異なる置換基、異なる置換パターン、またはこれらの組合せを有するプリン化合物を意味する。そこで、同一の置換基群を有するがプリン環内でこれらの置換基が異なる位置のプリン、すなわち、位置異性体は、異なる化合物を構成する。さらに、同一の置換基を有するが置換基内で異なる立体化学を有するプリン、すなわち立体異性体もまた、異なる化合物を構成する。
「ハライド」は、F、Cl、Br、およびIを包含する、ハロゲンを意味する。
「ヘテロシクリル」は、ヘテロシクリルの結合点がヘテロ原子を介してであると理解して、1〜2個の環原子がN、O、またはS(O)n(ここで、nは0〜2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、残余の環原子はCである、3〜8個の環原子の非芳香族環基を意味し、ここで、1または2個のC原子は場合によりカルボニル基で置換しうる。ヘテロシクリル環は、場合により、独立に、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロキシ、アミノ、チオ、アルコキシ、カルボキシ、オキソ、シクロアルキル等から選択される、1、2、または3個の置換基で置換されうる。より具体的には、用語ヘテロシクロとしては、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノおよびチオモルホリノ、チオモルホリノ−1−オキシド、チオモルホリノ−1、1−ジオキシド等が挙げられるが、これらに限定されない。
「脱離基」は、合成有機化学においてそれに関して慣用的な意味を有し、すなわち、求核剤で置換されうる原子または基であり、ハロ(クロロ、ブロモ、およびヨードなど)、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルカンスルホニルオキシ、アレンスルホニルオキシ、アルキルカルボニルオキシ(例えば、アセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、アリールオキシ(例えば、2,4−ジニトロフェノキシ)、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ等が挙げられる。
「窒素保護基」は、アルキル基以外の、分子中の窒素原子に結合すると、窒素原子の反応性をマスクする、減少させる、あるいは妨げる基を意味する。窒素保護基の例は、その全体が参照として本明細書に取り込まれる、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons, New York, 1999およびHarrison and Harrison et al., Compendium of Synthetic Organic Methods, Vols. 1-8 (John Wiley and Sons, 1971-1996)に見出すことができる。代表的な窒素原子保護基として、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、トリチル、置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、ニトロ−ベラトリルオキシカルボニル(NVOC)、場合により置換されたベンジル、およびアリル基等が挙げられる。
本発明のコンビナトリアル合成を行う材料は、互換的に、固体支持体、ビーズ、および樹脂と呼ばれる。これらの用語は、
a)ビーズ、ペレット、ディスク、ファイバー、ゲル、表面、または粒子、例えばセルロースビーズ、有孔ガラスビーズ、シリカゲル、ジビニルベンゼンで場合により架橋されたおよびポリエチレングリコールで場合によりグラフトされたおよびアミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、またはハロ基で場合により官能化されたポリスチレンビーズ、グラフト化されたコポリビーズ、ポリアクリルアミドビーズ、ラテックスビーズ、N,N’−ビスアクリロイルエチレンジアミンで場合により架橋されたジメチルアクリルアミドビーズ、疎水性ポリマーでコーティングされたガラス粒子など、すなわち剛体のもしくは半剛体の表面を有する材料;
b)可溶性支持体、例えば低分子量非架橋ポリスチレン;および
c)これらの誘導された形態
を包含することを意図している。
例示的な樹脂および固体支持体を以下に示す。
「固体支持体に結合した化合物」とは、化合物が固体支持体に共有結合していることを意味する。
「無機塩を実質的に含まない」とは、無機塩が所望の生成物の約10モル%以下、好ましくは約5モル%以下、より好ましくは約1モル%以下、最も好ましくは約0.1モル%以下の量で存在することを意味する。「無機塩」とは、還元工程において試薬として存在する無機化合物に由来する無機化合物類を意味する。
「アルキルチオ」または「チオアルキル基」とは、アルキル基が上で定義されたようである−S−アルキル基、例えば、それらの異性体を含む、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、n−ブチルチオ、ヘキシルチオを意味する。本明細書で使用される「低級アルキルチオ」または「低級チオアルキル」は、先に定義した「低級アルキル」基を持つアルキルチオ基を意味する。本明細書で使用される「C1-10アルキルチオ」は、アルキルがC1-10である−S−アルキルを意味する。
「チオアリール」または「アリールチオ」とは、Reが本明細書で定義されたアリールである、式−SReの基を意味する。アリールチオ基の例として、場合により置換されたフェニルチオおよび場合により置換された1−または2−ナフチルチオが挙げられる。
本明細書で使用されるように、化学反応に関連する用語「処理する」、「接触させる」または「反応させる」とは、適切な条件下に2種以上の試薬を添加または混合して指示されたおよび/または所望の生成物を製造することを意味する。指示されたおよび/または所望の生成物を製造する反応は、最初に添加した二つの試薬の組合せから直接的に得られるとは限らず、すなわち、最終的には指示されたおよび/または所望の生成物の生成を導く、混合物中で製造される1種以上の中間体が存在してもよい。
本明細書で使用されるように、用語「還元剤」とは、本発明において、置換ピリミジン中のニトロ基をアミノ基に選択的に還元しうる試薬を意味する。典型的な還元剤として、Sn、FeまたはZn等の金属、CrCl2、1,1’−ジアルキル−4,4’−ビピリジニウムハライドおよびチオ硫酸アルカリ金属、触媒的水素化があげられる(J. March, Advanced Organic Chemistry, John Wiley & Sons, 1992, pp. 1216-17)。
本明細書で使用されるように、用語「酸化剤」とは、8,9−ジヒドロ−7H−プリンを対応するプリンに酸化しうる試薬を意味する。適切な酸化剤の例として、分子状酸素およびジクロロ−ジシアノ−ヒドロキノンが挙げられる。
本明細書で使用されるように、用語「脱水剤」とは、二つの反応体から水の脱離を促進することにより、二つの反応体の間の縮合反応を触媒することができる試薬を意味する。典型的な脱水剤、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドが一般に、アミドまたはエステル生成を促進するために使用され、代表的な脱水剤は、LaRockによってまとめられている(R. C. LaRock Compresensive Organic Transformations, Wiley-VCH, New York, 1999, pp. 1941-49および 1932-41)。
本明細書で使用されるように、用語プロトン性溶媒とは、−OH基を持つ溶媒を意味する。プロトン性溶媒の例として、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるように、ある変数に関して、用語「上で定義したもの」および「本明細書中で定義したもの」は、存在する場合には、好ましい、より好ましい、および最も好ましい定義と共に、変数の広い定義を参照として引用する。
II.イントロダクション
別に明記しない限り、以下の番号付けシステムを、プリン環上の位置を表すために使用する。
Figure 2005535631
一つの態様において、本発明は、高度に置換されたプリン化合物の合成に関する本発明者らによる発見に基づくものである。特に、本発明者らは、プリン化合物の2位、6位、8位および9位に所望の置換基を導入することを可能とする選択的な反応条件を発見した。そのように、本発明の方法は、特に、高度に置換されたプリン化合物および/またはプリン化合物のコンビナトリアルライブラリーの合成に有用である。
III.プリン化合物の合成
本発明の方法は、プリン化合物の溶液相および固相での合成に適用可能である。一つの態様では、本発明の方法は、適切に置換されたピリミジン化合物を適切に置換された環化化合物と反応させることによる、プリン化合物、好ましくは高度に置換されたプリン化合物を製造することを含む。特に、本発明の方法は、プリン環系に各々の置換基を導入することを可能にし、したがって、高度に置換されたプリン化合物を容易に製造することができる。
一つの特定の実施態様において、本発明は、式:
Figure 2005535631
[式中、
1は、固体支持体、水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;
2は、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であり;
3は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であり;
4は、水素、アルキル、アリール、または−NR67(ここで、R6とR7の各々は、独立に、水素、アルキル、アリール、またはシクロアルキルである)であり;そして
5は、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、チオアルキル、チオアリール、または−NR89(ここで、R8とR9の各々は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であるか、あるいはR8とR9はそれらが結合している窒素原子と一緒にヘテロ環を形成する)である]
のプリン化合物を製造する方法を提供する。
好ましくは、R1は固体支持体である。
好ましくは、R4は水素またはアルキルである。
好ましくは、R5は−NR89(ここで、R8とR9は本明細書中で定義したものである)である。
好ましくは、R6とR7の各々は、独立に、水素またはアルキルである。
さらに他の実施態様において、R3は水素、アルキル、またはシクロアルキルである。
さらにまた、好ましい基または上記の特定の実施態様の組合せは、他の好ましいまたは特定の実施態様を形成する。例えば、特に好ましい実施態様の一つの群において、R1は固体支持体であり、R3は水素またはアルキルであり、R4は水素またはアルキルであり、そしてR5は−NR89である。
一つの特定の態様において、本発明は、式:
Figure 2005535631
(式中、R1、R2、R3、およびR5は、本明細書中で定義したものである)
の4,5,6−トリアミノピリミジン化合物を環化化合物と反応させて式Iの化合物のプリン環系を製造することによる、式Iのプリン化合物を製造する方法を提供する。環化剤の例として、アルデヒド、オルトエステル、活性化されたカルボン酸、イソシアナート、およびイソチオシアナートが挙げられる。活性化されたカルボニル化合物の例として、アシルハライド、無水物、および当業者に公知の他の活性化されたカルボニル化合物が挙げられる。
下記のスキームIに示されているように、式Iのプリンの2位、6位および9位の置換基は、ピリミジン化合物に由来し、一方、8位の置換基は、環化化合物に由来する。
Figure 2005535631
このように、イソシアナートまたはイソチオシアナートを環化剤として用いた場合には、得られる8位の置換基はアミノ基、すなわち−NHR9である。活性化されたカルボン酸、オルトエステル、アミド、またはアルデヒドを環化剤として用いた場合には、得られる8位の置換基はスキーム1に示されるように、R4である。
ある場合には、脱水剤または酸化剤の存在は、プリン環系の生成を促進し、あるいはそれに必要とされる。典型的には、酸化剤は、芳香環系の合成において従来公知の温和な酸化剤である。酸化剤の例として、DDQ等のキノンおよび空気が挙げられる。イソチオシアナートが環化剤として使用される場合は、典型的にはカルボジイミド、好ましくはジイソプロピルカルボジイミドが、脱水剤として使用される。そして、アルデヒドが環化化合物として使用される場合には、キノン、好ましくはDDQが酸化剤として使用される。
オルトエステルが環化剤として使用される場合は、ある反応条件が、5位のアミノ基が−C(=O)−R4基で置換されている、非環状中間体の生成をもたらすことが見出されている。反応温度を上げおよび/または反応時間を延ばすことにより、非環状中間体をプリン化合物に変換することができる。あるいは、非環状中間体を脱水条件に、例えば、DCCまたはPOCl3に暴露すると、同じく、プリン環の生成を導く。
当然のことながら、R1が水素でありそしてR2がR3と異なる基である場合には、潜在的に、二つの異なるプリンが生成されうる。2個の位置異性プリンの生成を避けるために、本発明の方法は、好ましくは、6位のアミノ基(すなわち、R1が水素である、−NR12)の反応性が好ましくはピリミジン環の4位のアミノ基(すなわち、−NHR3)の反応性よりも低い、式IIのピリミジンを用いることを含む。そのような反応性における差は、アミノ基の窒素原子上に異なる置換基を有することにより達成することができる。典型的には、6位のアミノ基、すなわち、−NR12は、三級アミンであり、そして4位のアミノ基、すなわち、−NHR3は、二級または一級アミンである。プリン環系は対称性であるため、−NR12基で置換された位置は、任意的に、6位と表され、そして−NHR3基で置換された位置は、任意的に、4位と表される。
式IIのピリミジンの合成
上記のスキームIに示されているように、プリン環上の4個の置換基のうち3個は、式IIのピリミジン上の置換基に由来する。そこで、本発明の他の態様は、式IIの4,5,6−トリアミノピリミジン化合物を製造する方法を提供する。一つの特定の実施態様において、式IIの4,5,6−トリアミノピリミジン化合物は、式:
Figure 2005535631
(式中、R1、R2、R3、およびR5は、本明細書中で定義したものである)
の対応する5−ニトロ−4,6−ジアミノピリミジンから製造される。この方法は、一般に、ニトロ基の選択的還元を含む。式IIIの5−ニトロ−4,6−ジアミノピリミジンを固体支持体に結合させた場合、多くの慣用のニトロ基還元条件では、固体支持体からのピリミジン部位の切断が生じる。他の慣用の還元剤では、ばらばらな結果や、望ましくない無機塩が混入した生成物が得られる。例えば、Di Lucreziaら、 J. Comb. Chem., 2000, 2, 249-253参照。
本発明者らは、固体支持体に結合したピリミジンのニトロ基を、二ハロゲン化クロム化合物、すなわち、CrX2(ここで、Xはハライドである)を使用すると、アミノ基にきれいに還元できることを発見した。特に好ましい二ハロゲン化クロム化合物は、二塩化クロムである。固体支持体に結合したピリミジンのニトロ基を二ハロゲン化クロム化合物で還元することにより、無機塩を実質的に含まない固体支持体に結合したアミノピリミジンが製造されることが見出された。さらに、還元剤として二ハロゲン化クロムを用いると、実質的にすべてのピリミジン環が固体支持体に結合したままとなる。典型的には、ピリミジン環の少なくとも約75%が、還元工程後も、固体支持体に結合したままである。好ましくは、ピリミジン環の少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約99%が、還元工程後も、固体支持体に結合したままである。
いくつかの場合には、式IIIの固体支持体に結合したニトロピリミジン化合物の還元は、プロトン性溶媒の存在により促進される。好適なプロトン性溶媒として、水ならびにアルコール、例えば、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールが挙げられる。
式IIIのニトロピリミジン中のニトロ基を還元する典型的な条件として、不活性な有機溶媒の混合物中の式IIIの固体支持体に結合したニトロピリミジンを含む反応混合物に還元剤を添加することが挙げられる。上記のように、いくつかの場合において、反応混合物は、ニトロ基の還元を促進することが知られているプロトン性溶媒を含むことが好ましい。そこで、ニトロ基の還元は、一般に、DMF、ジクロロメタン、またはTHF等の、比較的不活性な有機溶媒および、水またはアルコール等のプロトン性溶媒を含む溶媒混合物を用いて達成される。
理論的には、ニトロ基の還元は、6化学量論的当量(すなわち、一官能当量)の還元剤を必要とする。しかしながら、一般的には、相対的に速く還元されるようにするために、および/または収率を増大させるために、過剰量の還元剤が添加される。典型的には、約10化学量論的当量〜約16化学量論的当量の還元剤が使用される。
あるいは、マンガン(Mn)およびTMS−Clまたは他の好適なプロトン代替物を添加することにより、触媒量の塩化クロムを使用することができる。特に、固体Mnをこの実施態様において使用することができ、これにより、生成物単離プロセスが容易になる。
他の好適な還元剤として、ジクロロメタン/水混合物中の、好ましくはTHF/水混合物中のハロゲン化アンモニウムと鉄の混合物、およびハロゲン化四級ピリジニウム(例えば、二臭化1,1’−ジオクチル−4,4’−ビピリジニウム)とチオ硫酸金属(例えば、Na223)との混合物が挙げられる。
式IIIのニトロピリミジンの合成
再度スキーム1を参照すると、プリン環系の2位、6位、および9位の置換基は、ピリミジン環系の対応する置換基により決定される。第二の環系は、ピリミジン環の4位および5位のアミノ基から形成されるので、式IIIのニトロピリミジンの4位および5位の置換基は、アミン置換基でなければならない。しかしながら、2位および6位の置換基は、非アミン置換基でありうる。
広範な原料および合成方針を、式IIIのニトロピリミジンを製造するために使用することができるが、下記の式IVの四置換ピリミジンは特に有用である。
Figure 2005535631
[式中、各々のXは、独立に、ハライドであり、そして
Yは、−SOn10(ここで、nは0、1、または2であり、R10はアルキル、シクロアルキル、またはアリールである)である]。
好ましくは、各々のXは、独立に、クロリド、フルオリド、またはブロミドであり、より好ましくは、各々のXは、独立に、クロリドまたはフルオリドであり、最も好ましくは、Xはクロリドである。
好ましくは、R10はアルキル、より好ましくはメチルまたはエチルである。
式IVの四置換ピリミジンは、その全体が参照として本明細書に組み入れられる、J. Chem. Soc., 1965, 3770中でBrownとJacobsenにより、またAust. J. Chem., 1990, 43, 55-62中でHarndenとHurstにより開示された方法に従って得ることができる。
ピリミジンのC−2対称性の故に、式IVのピリミジンの4位および6位は、互いに置き換え可能である。そこで、式IVのピリミジンの4位および6位の置換基を付加する順序は、本発明の方法を実施するうえで、重大なことではない。しかしながら、便宜のために、固相合成法を使用する場合には、第一の置換反応は、式IVのピリミジンを固体支持体に共有結合するために用いられる、末端求核剤を有する固相、例えば、二級アミノ基と共に行われる。この方法においては、引き続く生成物の精製と単離は、単に、樹脂を適切な溶媒で洗浄して、未反応の試薬および/または望ましくない可溶性の反応副生物を全て除去することにより、簡便に行うことができる。次いで、第二の求核性化合物、例えば、一級アミノ基を含む二級アミノ化合物を添加して、式V:
Figure 2005535631
(式中、R1、R2、R3、およびYは、本明細書中で定義したものである)
のニトロピリミジンが得られる。
溶液相合成においては、本発明者により、約1当量の第一のアミン化合物を式IIIのニトロピリジンに添加すると、一置換生成物がほぼ単独で得られること、すなわち、一置換および二置換生成物の統計的な混合物の生成は認められないことが発見された。いかなる理論にも縛られるものではないが、ニトロピリミジン環の反応性は、一つのハライド基がアミノ基で置換されることによって有意に減少することが考えられる。一アミノ置換ニトロピリミジン化合物の非統計的な混合物がほぼ排他的に生成する原因は、この反応性の減少にあると考えられる。
この反応性の差を利用することにより、単一の反応混合物において、ピリミジン環の4位および6位の両者の置換基を付加することができる。そのような実施態様においては、約1当量の第一のアミン化合物を式IIIのニトロピリミジン化合物に室温で加えて、一置換ニトロピリミジン化合物を製造する。反応が実質的に完了した後、第二のアミン化合物を同じ反応混合物に加えて、式Vの4,6−ジアミノ置換ピリミジン化合物を得る。典型的には、第二のアミン化合物は過剰に加え、必要に応じて、反応を例えば少なくとも約50℃に加熱する。
式Vのニトロピリミジンが得られると、所望により、2位の置換基を付加することができる。例えば、脱離基Yがチオエーテルである場合には、式Vのニトロピリミジンをチオエーテル酸化剤と反応させることにより、スルホニル基に酸化される。脱離基Yを置換するために使用される第三の求核化合物の求核性に応じて、この酸化工程が必要なときと必要でないときがある。しかしながら、一般に、チオエーテルの酸化は、より良好な脱離基であるスルホニル基を与える。
スルホニルピリミジン化合物を、次いで、求核剤、すなわち、R5−Mと反応させて、式:
Figure 2005535631
の2,4,6−三置換−5−ニトロピリミジンを製造する。
種々の求核剤が、式Vのニトロピリミジン中のスルホニル基を置換し、そして式Vのニトロピリミジンとの置換反応を受けることができる。本明細書中で使用される「求核剤」は、それらに限定されるものではないが、アルコキシド、シクロアルコキシド、アリールオキシド、チオアルコキシド、チオアリールオキシド、エノレート(例えば、R5Mは、R5XMであり、そしてR5はアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニルであり、XはOまたはSであり、そしてM+はアルカリ金属である)、マロネート(例えば、R5Mは、MCH(CO2Et)2であり、そしてM+はアルカリ金属である)、アミン(例えば、R5MはNR89Hである)、または有機金属化合物を包含するものである。有機金属化合物としては、それらに限定されるものではないが、有機クプラート化合物[例えば、(R5xCu(ここで、R5は当業者に公知の慣用の基、例えばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、およびアリールであり、xは1または2である)]、有機リチウム化合物[例えば、R5−Li(ここで、R5は当業者に公知の慣用の基、例えばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、およびアリールである)]、グリニャール試薬[例えば、R5−MgX(ここで、R5は当業者に公知の慣用の基、例えばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、およびアリールであり、そしてXはハライドである)]、ならびに当業者に公知の他の好適な求核剤が挙げられる。本明細書中で使用される「アルカリ金属」は、IA族の元素を意味する。
本発明の方法を、特定の反応体および反応条件に関して上で説明したが、本発明は本明細書中で与えられたこれらの反応体および反応条件に限定されるものではない。プリン環系で所望の特定の置換基に応じて、そして望ましくない反応を最小にするためにおよび/または各々の反応について所望の収率を増大させるために、試薬と反応条件を変えることができる。
本明細書中に記載された化合物のいくつかは、1つ以上の不斉中心を含みうるものであり、したがって、絶対的な立体化学の用語で、(R)または(S)としてあるいはオレフィン置換基を含むプリンに関する(E)または(Z)として定義される、エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体、および他の立体異性体を生じうる。本発明の範囲は、そのようなすべての可能な異性体ならびにそれらのラセミ体および光学的に純粋な形態を包含する。光学活性な(R)および(S)異性体は、キラルなシントンもしくはキラルな試薬を用いて製造しうるか、あるいは慣用の技術を用いて分割することができる。本明細書中に記載された化合物がオレフィン性二重結合あるいは他の幾何学的な非対称中心を含む場合には、別に明記されない限り、EおよびZ幾何異性体の双方を包含する。同様に、すべての互変異性形態を包含するものである。
IV.コンビナトリアルライブラリー
上記のように、本発明は、ピリミジン化合物からの高度に置換されたプリンを製造する方法を提供する。そのような合成方法は、単一のプリン化合物およびプリンのコンビナトリアルライブラリーを製造する上で有用である。また、本発明の方法は、プリン環系の段階的な溶液相または固相合成を可能とする。プリン環上に広範な置換基を構築する能力は、事実上、任意の望ましい程度の複雑性を有するライブラリーの構築を可能にする。ライブラリーの可能な複雑性は、さらに、立体化学的なバリエーションにより増大される。
他の態様において、本発明は、式:
Figure 2005535631
(式中、R1、R2、R3、およびR5は、本明細書中で定義したものである)
のプリンのコンビナトリアルライブラリーを提供する。
本発明の好ましい実施態様において、コンビナトリアルライブラリーについて、R1は固体支持体である。
本発明のコンビナトリアルライブラリーにおける各々の化合物は、プリン環系の2位、6位、8位、および9位に種々の置換基を有するプリン構造を含む。置換基は、上記の方法において使用される試薬によって決定される。いくつかの置換基は、保護された形態であることができ、それはさらなる操作や誘導体化を可能にする。
プリン環上の種々の置換基は、この種類の化合物で達成しうる、構造的な多様性に貢献し、ひいては、所望の生物学的活性を有するプリン化合物の選択を容易にする。
コンビナトリアルライブラリーにおけるプリン化合物は、上記の方法を用いて、好ましくは固相合成方法を用いて、構築される。上記のように、本発明の方法は、異なるプリン環位置への種々の置換基の選択的な導入を可能にする。したがって、プリン化合物のライブラリーは、プリン環上に置換基を導入するための工程のうちのいずれかの間に、適切な試薬の混合物を使用することにより、容易に調製することができる。得られる置換基は、続くすべての合成条件およびすべての必要な保護または脱保護工程に対して安定であると共に、使用条件下で安定である必要がある。
特に好ましい構築方法は、式IVの四置換ピリミジンを樹脂とまず反応させて、ピリミジン環構造を固体支持体に共有結合させる、固相合成である。この方法においては、樹脂に結合した求核剤、例えば、アミノ基の多様性に応じて、6位に種々の置換基を有する広範な固体支持体に結合したピリミジンを容易に調製することができる。この固体支持体に結合したピリミジンは、次いで、本明細書中に記載した方法に従ってさらに合成が進められ、高度に置換されたプリン化合物のライブラリーを製造する。したがって、数百の異なるプリンを本発明の方法を用いて容易に調製することができる。
本発明で使用される種類のコンビナトリアルライブラリーは、プリン環上の置換基を形成する均質なまたは混合物の試薬を段階的に添加する、種々の溶液相または固相法により形成することができる。プリン環の各々の位置における置換基が独立に付加されるため、本発明の方法は、公知の置換パターンのプリンのライブラリーを調製するために用いることができる。
固相粒子ライブラリー
化合物のライブラリーを調製するために用いうる多数の固相法がある。例えば、各々の工程の間に所望の置換基の混ざりを単純に加えることができ、これにより単一のバッチで合成が行われる。この単一バッチ法は、置換基の混ざりを任意の所与のプリン環の位置に一反応で導入することを可能にする。しかしながら、試薬の混合物が異なる反応性の化合物を含んでいる場合には、得られる生成物は、必ずしも、望んだような、すべての構造的に多様なプリン化合物を含むとは限らない。
別法として、異なる反応性の試薬に伴う問題を回避するスプリット−プール法を用いることができる。スプリット−プール法においては、プリンライブラリーを形成するピリミジンを含有する固体支持体、すなわちビーズは、交互に、混合されそして分離され、選択された数の置換基の一つが、各々の工程で、分離されたビーズの各々の基に付加される。この方法において、得られるライブラリー中の各々のビーズは、ただ一つのプリン種を含んでおり、同定すると、単一のビーズが所望のプリンを含有するようになる。
固相合成で一般に用いられる、任意の慣用のサイズのビーズ(例えば、樹脂または粒子)を本発明で使用することができる。ビーズは、例えば、樹脂上に存在するアルデヒド官能基の還元的アミノ化により、リンカーまたはリンカー官能基で誘導体化される。あるいは、ビーズはまた、その先端または自由末端に隣接するアルデヒド官能基を含むリンカーに共有結合しうる。当業者に公知の任意の慣用のビーズを修飾または誘導体化して、本発明の方法に有用なものとしうる。例えば、アルデヒド基を含む樹脂を、還元的アミノ化により官能化することができる。アミノ基を含む樹脂は、そのまま用いることができ、あるいは、アミノ基が一級アミノ基である場合には、それを二級アミノ基に変換することができるし、またはモノ保護化することもできる。その表面近傍にヒドロキシル基またはハライド基を含む樹脂は、修飾して、その表面にアミノまたはアルデヒド官能基を与えることができる。
固体支持体として使用することができる樹脂の例として、それらに限定されるものではないが、ArgoGel(登録商標)樹脂、例えばArgoGel(登録商標)-MB-CHO樹脂、ArgoGel(登録商標)-Cl樹脂、ArgoGel(登録商標)-NH2樹脂、ArgoGel(登録商標)-OH樹脂、ArgoGel(登録商標)-Rink-NH-Fmoc樹脂;ArgoPore(登録商標)樹脂;Merrifield(登録商標)樹脂;および、アミン、ヒドロキシル、またはカルボニル基でその表面を被覆した他の高度に架橋されたマクロポーラスポリスチレン樹脂および市販のポリスチレン樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、直接使用でき、あるいは修飾して、好適なテザーに結合するためのあるいはさらなる官能化のための好適な部位を設けることができる。
リンカーまたはテザーは、鎖の各々の原子が独立に、C、N、O、S、およびSiよりなる群から選択される、1〜約100、好ましくは1〜約50、より好ましくは1〜約30原子の任意の鎖であってよい。例えば、リンカーは、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールであってよい。
リンカーおよび/またはテザーは、選択的に切断可能で、プリンまたはピリミジン環系に種々の置換基を結合するために用いられる条件で安定であり、かつ末端および/または置換基に対する脱保護条件に安定である必要がある。固相分析が活性を決定するために使用されるいくつかの場合には、リンカーは、また、対象となる結合を評価するために使用される条件に安定である必要がある。リンカーは、また、単純な条件下で容易にかつ選択的に切断可能である必要がある。
その表面に多フェムトモル〜数ミリモルの官能性部位を含む樹脂は、プリンの固相コンビナトリアルライブラリーを製造するために使用することができる。樹脂の一部を、場合により、好適な標識化合物、例えば染料、放射性または蛍光性基と反応させて、プリン環上に存在する置換基の同定を容易にすることができる。あるいは、標識を、ライブラリーの合成の間に、粒子マトリックス内に取り込むことができる。コンビナトリアルライブラリー内で化学構造を同定するための標識の使用は、この分野で周知である。例えば、その全体が参照として本明細書中に取り込まれる、Stillら、Complex Combinatorial Chemical Libraries Encoded with Tags、WO94/08051参照。
典型的なスプリット−プール法においては、ライブラリー中のプリン種の粒子の少なくとも数倍を含む粒子を調製し、そして同量の区分に分割する。区分の数は、典型的には、ライブラリー中のプリンのその特定の位置について調製される異なる置換基の数と同じである。粒子の各区分を、次いで、異なる試薬、例えば、求核剤または環化化合物と反応させる。反応後、粒子のすべての区分を合わせて、十分に混合し、そして洗浄する。
上記の反応プロセスの各々は、粒子を別々の区分に分割することにより行われる。得られた粒子は、各々の反応工程の後、プリン環が形成されて粒子に共有結合したプリンの完全なライブラリーが得られるまで、洗浄され、そして再度一緒にされる。
プリン化合物のライブラリーを製造するために、パラレル合成を使用することもできる。パラレル合成においては、種々の試薬を用いる同様の反応が、各々の反応容器、例えば、96ウェルの反応装置の各々のウェル中で、別々に行われる。この方法においては、空間的に分離されたプリン化合物のライブラリーを同時に合成することができる。各々の反応ウェルは公知の試薬を含むため、各々の得られる空間的に分離されたプリン化合物のライブラリーの構造は、デコンヴォルーションプロセスを必要とすることなく、容易に決定することができる。さらに、各々のプリン化合物の構造は、その物性、例えば、NMR、IR、UV、MS、融点、沸点、X線結晶学等によって決定することができる。
V.用途
本発明のライブラリーは、選択的キナーゼ阻害剤の発見を含む、生物学的分析のアレー全体にわたる評価による新規なリード構造発見用のスクリーニングツールとして有用である。ライブラリーは、したがって、医薬発見用ツール、すなわち、種々の生物学的ターゲットに対してライブラリーをスクリーニングすることによる新規なリード化合物を発見するための手段、および、関連化合物の大きなファミリー内で構造活性相関(SAR)を展開するための手段である。ライブラリーは、固体支持体に結合したリガンドで試験することができるか、あるいはプリンは、評価の前に、固体支持体から切断することができる。評価の前にプリンが分離される場合は、その固体支持体に対するその関係は、例えば、標準的96ウェルプレートのグリッド内の位置により、あるいは細胞叢上の活性の位置により、維持されうる。化合物が固体支持体に結合して試験されようがあるいはそれから分離して試験されようが、生物活性に関連する固体支持体につけたタグは、次いで解読されて、活性化合物の構造上のまたは合成上の履歴が明らかになる。例えば、Ohlmeyerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1993, 90, 10922-10926およびStillら、PCT公報WO94/08051参照。あるいは、構造は、デコンヴォルーションにより、あるいはそれらの物理的特性、例えば、NMR、IR、UVスペクトル、マススペクトル、X線結晶学等により決定することができる。所与のスクリーニングでいずれの化合物も活性ではないことが見出されたとしても、そのような活性の欠如は、しばしば、有用なSAR情報を提供する。
本発明のさらなる目的、効果、および新規な特徴は、限定を意図するものではない、その以下の実施例を精査することにより、当業者に明白になるであろう。
実施例1
この実施例は、本発明の手順を用いる、オロモウシンの合成方法を例証するものである。
Figure 2005535631
ArgoGel-MB-CHO(0.40mmol/g置換)(2.0g、0.80mmol)を、ジクロロエタン(DCE)20mL中に懸濁させ、ベンジルアミン(0.26g、2.40mmol)を加えた。反応物を密封し、1時間、回転機の上に置いた。DCE5mLに懸濁させたトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.51g、2.4mmol)を一度に反応物に加え、反応物を室温でさらに24時間、回転機上に置いた。その後、樹脂1をろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂1(2.0g、0.80mmol)をテトラヒドロフラン25mLに懸濁させ、ジイソプロピルエチルアミン(0.31g、2.40mmol)、次いで4,6−ジクロロ−2−メチルメルカプト−5−ニトロピリミジン(0.58g、2.40mmol)を加えた。反応物を密封し、室温で3時間、回転機の上に置いた。その後、得られた樹脂2をろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂2(2.0g、0.80mmol)をn−BuOH20mLに懸濁させ、メチルアミン(メタノール中2.0M、4.0mL、8.0mmol)を加えた。反応物を密封し、室温で4時間、回転機の上に置いた。その後、得られた樹脂3をろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂3(2.0g、0.8mmol)をメタノール:ジクロロメタン:水の20:10:1溶液25mLに懸濁させた。重炭酸ナトリウム(0.35g、4.0mmol)、次いでOXONE(登録商標)(1.23g、2.0mmol)を加えた。反応物を密封し、そして、しばしば通気しながら、15分間、手で震盪した。次いで、定期的に通気しながら、反応物を室温で24時間、回転機の上に置いた。その後、得られた樹脂4をろ過し、そして、3部の水、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂4(2.0g、0.8mmol)をTHF25mLに懸濁させ、そしてDIEA(1.03g、8.0mmol)およびTBDPSで保護したエタノールアミン(0.8g、2.4mmol)を順次加えた。反応物を室温で24時間、回転機の上に置いた。その後、得られた樹脂5をろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂5(2.0g、0.8mmol)をDMF:メタノールの20:1混合物に懸濁させ、そして無水塩化クロム(1.0g、8.0mmol)を加えた。反応物を密封し、室温で4時間、回転機の上に置いた。DMF:メタノール溶液を樹脂から排出させ、そして樹脂を1部のDMFで簡単に洗浄した。次いで、樹脂をDMF20mLと無水オルトギ酸トリメチル5mLに再懸濁した。メタンスルホン酸(4滴)を懸濁液に加え、反応容器を密封して、80℃で24時間震盪した。その後、得られた樹脂6を室温に冷却し、ろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂6(2.0g、0.8mmol)をTHF20mLに懸濁させ、THF中の1.0M TBAF溶液(8.0mL、8.0mmol)を加えた。樹脂を、室温で2時間、回転機の上に置いた。その後、得られた樹脂7をろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂7(2.0g、0.8mmol)を95%水性トリフルオロ酢酸20mLに懸濁させた。反応容器を密封し、室温で3時間、回転機の上に置いた。得られた樹脂をろ過し、そして、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および3部の水で順次洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮し、水30mLで希釈した。粗生成物を凍結しそして48時間凍結乾燥して、オロモウシンをふわふわの白色粉末として得た。得られた粗生成物8を、ジクロロメタン中で24時間、PS−トリサミン樹脂と共に攪拌し、ろ過し、濃縮し、そしてLC−MSで分析した。
オロモウシンの分析値
粗生成物:純度89%
フラッシュカラムクロマトグラフィー(80:10:1のEtOAc:MeOH:TEA)で精製。
収量:182mg、LC−MS分析での純度:92%
EtOAc−MeOH−ヘキサンから、純度100%に再結晶可能。
Figure 2005535631
実施例2
この実施例は、固相上でのプリン化合物のライブラリーの合成方法を例証する。
Figure 2005535631
ArgoGel-MB-CHO(0.40mmol/g置換)(2.0g、0.80mmol)を、ジクロロエタン(DCE)30mL中に懸濁させ、アミンR1−NH2(2.4mmol)を加えた。反応容器を密封し、1時間、回転機の上に置いた。DCE5mLに懸濁させたトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.52g、2.4mmol)を一度に反応物に加え、反応物を室温でさらに24時間、回転機上に置いた。その後、樹脂1をろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂1(2.0g、0.8mmol)をテトラヒドロフラン30mLに懸濁させ、ジイソプロピルアミン(0.31g、2.4mmol)、次いで4,6−ジクロロ−2−メチルメルカプト−5−ニトロピリミジン(0.58g、2.4mmol)を加えた。反応容器を密封し、室温で3時間、回転機の上に置いた。その後、得られた樹脂2をろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂2(2.0g、0.8mmol)をTHF30mLに懸濁させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.31g、2.4mmol)、次いでアミンR2−NH2(2.4mmol)を加えた。反応容器を密封し、室温で4時間、回転機の上に置いた。その後、得られた樹脂3をろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂3(2.0g、0.8mmol)をメタノール:ジクロロメタン:水の20:10:1溶液30mLに懸濁させた。重炭酸ナトリウム(0.34g、4.0mmol)、次いでOXONE(登録商標)(1.23g、2.0mmol)を加えた。反応容器を密封し、そして、しばしば通気しながら、15分間、手で震盪した。次いで、定期的に通気しながら、反応物を室温で24時間、回転機の上に置いた。その後、得られた樹脂4をろ過し、そして、3部の水、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂4を7つの同量の区分(0.28g、0.12mmol)に分割し、各々の樹脂について、以下の操作を行った。樹脂4(0.28g、0.12mmol)をTHF10mLに懸濁させ、そしてDIEA(0.05g、0.36mmol)、次いでR3−NH2(0.36mmol)を加えた。反応混合物を、室温で24時間、回転機の上に置いた。その後、得られた樹脂5をろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂5(0.28g、0.12mmol)をDMF:メタノールの20:1混合物に懸濁させ、そして無水塩化クロム(0.15g、1.2mmol)を加えた。反応容器を密封し、室温で4時間、回転機の上に置いた。DMF:メタノール溶液を除去し、そして樹脂を1部のDMFで簡単に洗浄した。次いで、樹脂を2:1のDMF:無水オルトエステル(R4=Hに対しては、オルトギ酸トリメチル、R4=メチルに対しては、オルト酢酸トリメチル)に再懸濁した。1滴のメタンスルホン酸を加え、反応容器を密封して、80℃で24時間震盪した。その後、得られた樹脂6を室温に冷却し、ろ過し、そして、3部のメタノール、3部のジクロロメタン、3部のメタノール、および2部のジエチルエーテルで順次洗浄した。
樹脂6(0.28g、0.12mmol)を95%水性トリフルオロ酢酸5mLに懸濁させた。反応容器を密封し、室温で3時間、回転機の上に置いた。得られた樹脂をろ過し、そして、6部のジクロロメタンで洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物7をLC−MSで分析した(表A参照)。
ライブラリーメンバー:
Figure 2005535631
Figure 2005535631
本発明の上記の議論は、例証と説明の目的でなされたものである。上記は、本明細書中に開示された形態や態様に本発明を限定することを意図するものではない。本発明の記載は、1以上の実施態様およびある種の変形および改変を含んでいるが、当業者が本開示を理解した後になすような、その他の変形や改変は本発明の範囲である。クレームされているものに代替的、互換的、および/または均等な構造体、機能体、範囲または工程は、そのような代替的、互換的、および/または均等な構造体、機能体、範囲または工程が本明細書に開示されているかいないかにかかわらず、それらを包含して、許容される範囲の代替的実施態様を包含する権利を取得することを意図しており、いかなる特許可能な主題事項をも公に捧げることを意図するものではない。

Claims (24)

  1. 式:
    Figure 2005535631

    [式中、
    1は、固体支持体、水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;
    2は、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であり;
    3は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であり;
    4は、水素、アルキル、アリール、または−NR67(ここで、R6とR7の各々は、独立に、水素、アルキル、アリール、またはシクロアルキルである)であり;そして
    5は、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、チオアルキル、チオアリール、または−NR89(ここで、R8とR9の各々は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であるか、あるいはR8とR9はそれらが結合している窒素原子と一緒にヘテロ環を形成する)である]
    の置換プリン化合物の製造方法であって、
    (a)式:
    Figure 2005535631

    の5−ニトロピリミジン化合物を還元剤と接触させて、式:
    Figure 2005535631

    の4,5,6−トリアミノピリミジンを製造し、そして
    (b)4,5,6−トリアミノピリミジンを環化剤と接触させることによりプリン環を形成して、置換プリンを製造する、
    ことを含む方法。
  2. 1が固体支持体である、請求項1の方法。
  3. 2が窒素保護基である、請求項2の方法。
  4. 還元剤が、
    (a)CrX2(ここで、各々のXは、独立にハライドである)および
    (b)1,1’−ジアルキル−4,4’−ビピリジニウムジハライドとチオスルファート化合物の混合物
    よりなる群から選択されるものである、請求項2の方法。
  5. ニトロ還元工程(a)が、プロトン性溶媒の存在を含む、請求項4の方法。
  6. 工程(a)で製造された4,5,6−トリアミノピリミジンが、実質的に無機塩を含まないものである、請求項4の方法。
  7. 前記ニトロ基還元工程(a)の間、固体支持体に結合したピリミジン環の実質的にすべてが、固体支持体に結合したままである、請求項4の方法。
  8. 置換プリンを固体支持体から切断して、R1が水素であるプリン化合物を製造することをさらに含む、請求項2の方法。
  9. 環化剤が、オルトエステル、アシル無水物、アシルハライド、イソチオシアナートと脱水剤の混合物、イソシアナートと脱水剤の混合物、またはアルデヒドと酸化剤の混合物である、請求項1の方法。
  10. 4が水素またはアルキルである、請求項1の方法。
  11. 5−ニトロピリミジン化合物が、
    (a)式:
    Figure 2005535631

    の4,6−ジハロ−5−ニトロ−2−チオエーテルピリミジンを、式:Z1Hの第一のアミン化合物と接触させて、式:
    Figure 2005535631

    の6−アミノピリミジンを製造し、
    (b)6−アミノピリミジンを、式:Z2Hの第二のアミン化合物と接触させて、式:
    Figure 2005535631

    の4,6−ジアミノピリミジンを製造し、
    (c)4,6−ジアミノピリミジンを、酸化剤と接触させて、式:
    Figure 2005535631

    の2−スルホニルピリミジンを製造し、そして
    (d)2−スルホニルピリミジンを、式:R5−Mの求核試薬と接触させて、5−ニトロピリミジン化合物を製造する
    (式中、
    1およびZ2の一方は、−NR12であり、他方は−NHR3であり;
    1,R2,R3およびR5は、請求項1で定義されたものであり;
    10は、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;
    5−Mは、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属チオアルコキシド、有機クプラート、有機リチウムおよびグリニャール試薬よりなる群から選択される求核試薬であるか、あるいはR5−Mは、HNR89であり、各々のXは独立にハライドである)
    ことを含む工程により製造される、請求項1の方法。
  12. 式:
    Figure 2005535631

    の置換プリンの製造方法であって、
    (a)式:
    Figure 2005535631

    の4,6−ジハロ−5−ニトロ−2−チオエーテルピリミジンを、式:Z1Hの第一のアミン化合物と接触させて、式:
    Figure 2005535631

    の6−アミノピリミジンを製造し、
    (b)6−アミノピリミジンを、式:Z2Hの第二のアミン化合物と接触させて、式:
    Figure 2005535631

    の4,6−ジアミノピリミジンを製造し、
    (c)4,6−ジアミノピリミジンを、酸化剤と接触させて、式:
    Figure 2005535631

    (式中、Z1およびZ2の一方は、−NR12であり、他方は−NHR3である)
    の2−スルホニルピリミジンを製造し、
    (d)2−スルホニルピリミジンを、式:R5−Mの求核試薬と接触させて、式:
    Figure 2005535631

    の5−ニトロピリミジンを製造し、
    (e)5−ニトロピリミジンを、還元剤と接触させて、式:
    Figure 2005535631

    の4,5,6−トリアミノピリミジンを製造し、そして
    (f)4,5,6−トリアミノピリミジンを、環化剤と接触させて、置換プリンのライブラリーを製造することを含む方法
    [式中、
    1は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、または固体支持体であり;
    2は、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;
    3は、水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;
    4は、水素、アルキル、アリール、または−NR67(ここで、R6とR7の各々は、独立に、水素、アルキル、アリール、またはシクロアルキルである)であり;そして
    5は、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、チオアルキル、チオアリール、または−NR89(ここで、R8とR9の各々は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であるか、もしくはR8とR9はそれらが結合している窒素原子と一緒にヘテロ環を形成する)であり;
    5−Mは、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属チオアルコキシド、有機クプラート、有機リチウムおよびグリニャール試薬よりなる群から選択される求核試薬であるか、あるいはR5−Mは、HNR89である]。
  13. 置換プリン化合物のコンビナトリアルライブラリーを製造するために使用される、請求項12の方法。
  14. 1が固体支持体であり、置換プリンのライブラリーが固体支持体に結合した置換プリンのライブラリーである、請求項13の方法。
  15. コンビナトリアルライブラリーにおける各々のプリン化合物が空間的に分離されたものである、請求項14の方法。
  16. コンビナトリアルライブラリーが複数の粒子上に形成され、各々の粒子が同一の置換基のプリン分子の表面コーティングを有する、請求項14の方法。
  17. 固体支持体に結合した置換プリンを固体支持体から切断して、固体支持体に結合されていない置換プリンのライブラリーを製造することをさらに含む、請求項14の方法。
  18. ライブラリー中の各々のプリンが、式:
    Figure 2005535631

    [式中、
    1は、固体支持体、水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;
    2は、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であり;
    3は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、または窒素保護基であり;
    4は、水素、アルキル、アリール、または−NR67(ここで、R6とR7の各々は、独立に、水素、アルキル、アリール、またはシクロアルキルである)であり;そして
    5は、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、チオアルキル、チオアリール、または−NR89(ここで、R8とR9の各々は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、もしくは窒素保護基であるか、またはR8とR9はそれらが結合している窒素原子と一緒にヘテロ環を形成する)である]
    のものである、プリンのコンビナトリアルライブラリー。
  19. 1が固体支持体である、請求項18のコンビナトリアルライブラリー。
  20. 4が水素以外である、請求項18のコンビナトリアルライブラリー。
  21. 固体支持体に共有結合しているピリミジン環上のニトロ置換基の還元方法であって、そのピリミジン環は、場合により、1、2、または3個の独立の水素ではない置換基で置換されており、その方法は
    (a)固体支持体に結合したピリミジン化合物を、二ハロゲン化クロムと接触させることによりニトロ官能基をアミノ官能基に還元して、固体支持体に結合したアミノピリミジン化合物を含む反応混合物を製造し、そして
    (b)固体支持体に結合したアミノピリミジン化合物を反応混合物から除去する、
    ことを含み、
    反応混合物から除去される固体支持体に結合したアミノピリミジン化合物が実質的に無機塩を含まないものである、方法。
  22. 前記ニトロ還元工程(a)の間、固体支持体に結合したピリミジン環の実質的にすべてが、固体支持体に共有結合したままである、請求項21の方法。
  23. 反応混合物がさらにプロトン性溶媒を含む、請求項21の方法。
  24. 二ハロゲン化クロムが二塩化クロムである、請求項21の方法。
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