JP2005535284A - 免疫反応の変化を生じるプロテアーゼ、ならびにその製造および利用方法 - Google Patents

免疫反応の変化を生じるプロテアーゼ、ならびにその製造および利用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、親の蛋白質と比較して免疫原性反応の低下を示す新規な蛋白質変異体を提供する。さらに、本発明は、新規変異体をコードするDNA分子、新規変異体をコードするDNAを含む宿主細胞、および蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法を提供する。さらに、本発明は、野生型蛋白質より免疫原性の低いこれらの蛋白質を含む種々の組成物を提供する。

Description

本発明は、親の蛋白質と比較して免疫原性反応の低下を示す新規な蛋白質変異体を提供する。さらに、本発明は、新規変異体をコードするDNA分子、新規変異体をコードするDNAを含む宿主細胞、および蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法を提供する。さらに、本発明は、野生型蛋白質より免疫原性の低いこれらの蛋白質を含む種々の組成物を提供する。
工業用、医薬用および商業用に用いられる蛋白質は、ますます普及し、重要なものになっている。しかしながら、その結果、多くの人々がこうした蛋白質に対して感作したため、これら蛋白質に対するアレルギー反応が広範に認められるようになった。例えば、一部のプロテアーゼは、特定の人々の過敏症と関連している。その結果、産業上(例えば、洗濯洗剤、化粧品、織物加工等において)プロテアーゼが有用であり、また、改良(例えば、通常の洗濯条件下で汚れをより効果的に除去できる)プロテアーゼを提供する分野で広範な研究が行われてきたにもかかわらず、産業界のプロテアーゼ利用は問題をはらんでいる。
こうした問題を改善するために、これまで多くの努力が払われてきた。プロテアーゼの使用が免疫原性となる可能性を低減させるために探求された方法としては、空中浮遊プロテアーゼを運ぶ塵埃粒子および/またはエアロゾルの作業場濃度を制御してできるだけ低くすることにより接触の可能性を減らすような製造工程の改良、実際には生成物のプロテアーゼ顆粒から生じる塵埃またはエアロゾルの量を減らすような顆粒化工程の改良、ならびに最終生成物中の、アレルゲン性となる可能性のある混入物質のレベルを低下させるような回収工程の改良が挙げられる。しかしながら、プロテアーゼ自体のアレルゲン性を低下させようとする努力は、かなり不成功に終わっている。一方において、過敏症の個体で免疫グロブリン(IgE)により認識されるプロテアーゼのエピトープをマスクしたり(PCT公開第WO92/10755号参照)、問題のプロテアーゼにポリマーもしくはペプチド/蛋白質を結合させて抗原決定基の性質を拡大または変化させようとする努力もなされてきた。
適応免疫反応が過度もしくは不適切な形で起こる場合、その反応に遭遇した個体は過敏性であると言われている。過敏性反応は、通常は有益である免疫反応が不適切に作用する結果であり、時には炎症反応および組織傷害を生じることがある。過敏性はさまざまな抗原によって誘発され、こうした抗原に対する個体間の反応も大きく異なる。過敏性反応は、普通は、個体が抗原に初めて接触したときには起こらない。むしろ、この反応はその後の抗原への接触時に起こる。あるタイプの過敏症は、例えば、IgE反応が自然環境の無害な(即ち、非病原性)抗原(例えば、花粉、チリダニ、動物のふけ)を標的とする場合に生じる。その結果、IgEにより感作されたマスト細胞によって薬理学的メディエータが遊離されると、喘息、鼻炎、枯草熱などの症状を伴う急性炎症反応が生じる。
残念ながら、IgE部位の修飾を目的とした方法は、概して、初期感作反応の原因を未然に防ぐことに成功していない。従って、このような方法では、その後の過敏性反応の重篤性が無力化もしくは低減される場合もあるとはいえ、現実に感作される人数は減少していない。例えば、ある人が特定の抗原に対し過敏性であることが分かった場合、そのような事態に対処する一般的な方法は、この過敏症の人に対し、以後その抗原に接触しないようにさせることである。実際のところ、他の方策をとれば、この過敏症の人の健康および/または生命にとって危険であるかも知れない。従って、過敏性の個体に対して特異的な蛋白質の危険性を少なくすることも重要であるが、産業上の目的としては、まず第一に蛋白質の過敏性反応誘発能を低減させるか、なくすことの方がずっと有益である。
一部の研究により、ある蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法、および一部の個体でアレルギー反応を引き起こすエピトープを同定する方法が提供されているが、このエピトープを同定するのに用いられるアッセイ法は、一般に、以前にその抗原に接触したことのある個体の血清中IgEおよびIgGを測定するものである。しかしながら、一旦Ig反応が開始されると、すでに感作が起こってしまっている。従って、免疫反応の低下を生じる蛋白質を作製する必要があるばかりでなく、免疫反応の増強を生じる蛋白質を同定する必要がある。
本発明は、親の蛋白質と比較して免疫原性反応の低下を示す新規蛋白質変異体を提供する。さらに、本発明は、新規変異体をコードするDNA分子、新規の変異体をコードするDNAを含む宿主細胞、および蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法を提供する。さらに、本発明は、野生型蛋白質より免疫原性の低いこれらの蛋白質を含む種々の組成物を提供する。
本発明は、一般的なプロテアーゼの用途(例えば、洗剤、固形もしくは液状石鹸用途における縮充防止用の布地処理組成物、食器洗い用組成物、コンタクトレンズ清浄液および/またはその他の光学用製品、ペプチド加水分解、廃棄物処理、化粧用組成物、スキンケア)において有用な機能を有するプロテアーゼ変異体を提供する。さらに、本発明は、蛋白質産生用の融合-開裂酵素として用いられるプロテアーゼ変異体を提供する。特に好ましい実施態様として、このプロテアーゼ変異体は、アレルゲン性となる可能性が少ないため、天然のプロテアーゼよりも安全に使用できる。
また、本発明は、少なくとも1種のT細胞エピトープについて、このエピトープに対するT細胞の認識能を低下、好ましくは中和(即ち、除去)するように、修飾を加えたプロテアーゼを提供する。一部の実施態様として、本発明は、アレルゲン性の少ないプロテアーゼであって、このプロテアーゼが、T細胞エピトープ内の位置にあることが分かっているアミノ酸残基の置換もしくは削除を含む修飾を有するプロテアーゼを提供する。一部の好ましい実施態様として、本発明は、T細胞により認識されると、ベースライン・レベルよりも強いT細胞増殖の増強をもたらすプロテアーゼのエピトープを同定する手段を提供する。一部の特に好ましい実施態様として、この同定したT細胞エピトープを修飾することにより、本発明の手段を用いてこの修飾エピトープを含むペプチドを解析したときにT細胞増殖のレベルが非修飾エピトープに比し低下するようにする。また、一部の実施態様では、このエピトープ修飾により、ベースラインT細胞増殖の3倍を超えるT細胞増殖が生じるが、別の実施態様では、このエピトープ修飾により、ベースラインT細胞増殖の3分の1未満のレベルのT細胞増殖が生じる。他の実施態様では、このエピトープ修飾により、ベースラインT細胞増殖の2分の1未満のレベルのT細胞増殖が生じる。さらに別の実施態様では、このエピトープ修飾により、ベースラインT細胞増殖より低いか、ほぼ同等のレベルのT細胞増殖が生じる。
一部の実施態様として、本発明は、エピトープを修飾する手段を提供する。一部の実施態様として、このエピトープの修飾は以下のようにして行われる:(a)この対象とする蛋白質に対するヒトのホモログ(例えば、ヒト・ズブチリシン、またはフリンもしくはケキシン類などの別のヒト・プロテアーゼ由来ズブチリシン様分子)(例えば、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Meth. Enzymol.)、244:p175(1994年);ロブロークほか(Roebroek et al.)エンボ・ジャーナル(EMBO J.)、5:p2197−2202(1986年);トムキンソンほか(Tomkinson et al.)、バイオケミストリー(Biochem.)、30:p168−174(1991年);カイファーほか(Keifer et al.)DNAセルラール・バイオロジー(DNA Cell. Biol.)、10:p757−769(1991年))からの類似配列により、エピトープのアミノ酸配列を置換する;(b)この対象蛋白質に対する非ヒトのホモログからの類似配列であって、対象蛋白質よりもT細胞の認識により生じるアレルゲン性反応が少ない類似配列により、エピトープのアミノ酸配列を置換する;(c)このエピトープの主要三次構造の特性とかなり似てはいるが対象蛋白質よりもT細胞の認識により生じるアレルゲン性反応が少ない配列により、エピトープのアミノ酸配列を置換する;(d)対象蛋白質よりもT細胞の認識により生じるアレルゲン性反応が少ない任意の配列により、置換する;または(e)対象蛋白質よりもT細胞の認識により生じるアレルゲン性反応が少ない各エピトープに類似の配列を元々有する相同性の蛋白質により、対象蛋白質を置換する。
本発明の一実施態様として、BPN’におけるバシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、および195番目残基の1個以上を含む同定エピトープ領域に対応する位置に、少なくとも1個のアミノ酸置換を有するプロテアーゼ変異体であって、この置換が、上記残基を同種の非野生型アミノ酸(例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよび/またはバリン)に変更することを含むプロテアーゼ変異体を提供する。
本発明の他の実施態様として、アレルゲン性の少ない蛋白質の作製方法を提供する。一部の好ましい実施態様として、前駆体蛋白質をコードするDNAを修飾して突然変異体蛋白質を作製し、この修飾DNAが本発明のこの突然変異体蛋白質をコードするようにする。
本発明のさらに他の実施態様として、この突然変異体蛋白質をコードするDNA配列、およびこのようなDNA配列を含有する発現ベクター、ならびにこのようなベクターを用いて形質転換した宿主細胞を提供する。一部の特に好ましい実施態様では、この宿主細胞は、このDNAを発現して本発明の突然変異体蛋白質を細胞内あるいは細胞外で産生することができる。
また、本発明は、上記前駆体蛋白質の有用性が広く知られている任意の配合または製法においても有用な突然変異体蛋白質を提供する。例えば、この蛋白質がプロテアーゼである実施態様として、このアレルゲン性の少ないプロテアーゼは、洗浄剤(例えば、洗濯洗剤および硬質表面用クレンザー)の成分として、皮革製品作製の補助剤として、羊毛および/または絹等の布地の縮充低減処理において、パーソナルケア製品、化粧品および/またはフェイシャルクリームの成分として、ならびに動物(例えば、家畜およびペット)用飼料の栄養価を改善する成分として使用するのに適している。同様に、蛋白質がアミラーゼである実施態様として、アレルゲン性の少ないアミラーゼは、食器洗い用および/または洗濯用洗剤の成分として澱粉の液状化に、また、布地の糊抜きその他のアミラーゼに適した用途に用いられる。
一部の好ましい実施態様として、本発明は、個体の最初の感作の原因となるエピトープを含むペプチドの同定を容易にする方法を提供する。更に好ましい実施態様として、このような「感作」T細胞エピトープを無力化すると、このエピトープを含む抗原を扱ったり、触れたりする者に対して、最初の感作が起こらず、その後の抗原への接触時にアレルギー反応に特有のIg抗体産生が阻止されるので、安全性が高まる。
一部の特に好ましい実施態様として、本発明は、使用しても、接触した個体に対し、感作の危険性がかなり少ない蛋白質(例えば、酵素)を提供する。従って、一部の好ましい実施態様として、本発明の蛋白質は、化粧品(例えば、ローション、フェイシャルクリームなど)、洗剤(例えば、洗濯用および食器洗い用洗剤)、硬質表面清浄用組成物、および予備洗い用組成物あるいはその他、ヒトの接触が必要な副産物である酵素等の蛋白質の用途において、より安全に使用できる。
本発明は、少なくとも1種のT細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの変異体であって、当該変異体は改変T細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体はヒトにおいて当該プロテアーゼに基づく免疫原性反応の変化を示し、この対象プロテアーゼのT細胞エピトープの改変が、バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、および195番目残基に対応する残基において1個以上のアミノ酸置換を有する変異体を提供する。一部の好ましい実施態様として、当該変異体により生じる免疫原性反応は、対象プロテアーゼによる免疫原性反応よりも弱いが、別の実施態様として、当該変異体により生じる免疫原性反応は、対象プロテアーゼによる免疫原性反応よりも強い。一部の実施態様として、当該変異体により生じる免疫原性反応は、生体内(in vivo)においてアレルゲン性が少ないことを特徴とする。一部の好ましい実施態様として、当該変異体により生じる免疫原性反応は、生体外(in vitro)においてアレルゲン性が少ないことを特徴とする。一部の実施態様として、本発明は、これらの変異体をコードする核酸を提供する。別の実施態様として、本発明は、本発明の変異体をコードする核酸を含む宿主細胞を提供する。
さらに、本発明は、清浄用組成物、パーソナルケア製品(例えば、シャンプーおよびボディローション)、ならびにその他の、当該変異体の少なくとも1種を含む組成物を提供する。一部の実施態様として、本発明は、T細胞エピトープを有する対象プロテアーゼの少なくとも1種の変異体を含有するスキンケア用組成物であって、当該変異体は改変T細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体と対象プロテアーゼは互いに異なる免疫原性反応をヒトにおいて生じ、この対象プロテアーゼのT細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、および195番目残基に対応する残基からなる群から選ばれる1個以上のアミノ酸置換を含むスキンケア用組成物を提供する。一部の実施態様として、上記スキンケア用組成物は、さらに、化粧品用として許容可能な担体を含有する。他の実施態様として、当該担体は、水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングリコール、分子量約200から約600のポリエチレングリコール、分子量約425から約2025のポリプロピレングリコール、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる親水性希釈剤を含む。別の実施態様として、当該スキンケア用組成物は、さらに、スキンケア・アクティブ(active)を含有する。一部の好ましい実施態様として、当該スキンケア・アクティブは、ビタミンB3成分、パンテノール、ビタミンE、酢酸ビタミンE、レチノール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、ビタミンC、テオブロミン、アルファ−ヒドロキシ酸、ファルネソール、フィトラントリオール、サリチル酸、パルミチルペンタペプチド−3、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる。一部の実施態様として、当該ビタミンB3成分はナイアシンアミドである。一部の別の実施態様として、当該スキンケア用組成物は、さらに、グリセリンを含有する。
さらに、本発明は、T細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの変異体であって、当該変異体は改変T細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体と対象プロテアーゼは互いに異なる免疫原性反応をヒトにおいて生じ、この対象プロテアーゼのT細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、および195番目残基に対応する残基においてアミノ酸置換を含む変異体を約0.00001重量%乃至約1重量%、保湿剤を約0.01重量%乃至約20重量%、スキンケア・アクティブを約0.1重量%乃至約20重量%、界面活性剤を約0.05重量%乃至約15重量%、およびシリコーンを約0.1重量%乃至約20重量%を含有するスキンケア用組成物を提供する。
さらに、本発明は、T細胞エピトープを有する対象プロテアーゼの少なくとも1種の変異体を含有する清浄用組成物であって、当該変異体は改変T細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体と対象プロテアーゼは互いに異なる免疫原性反応をヒトにおいて生じ、この対象プロテアーゼのT細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、および195番目残基に対応する残基において1個以上のアミノ酸置換を含む清浄用組成物を提供する。
本発明は、親の蛋白質と比較して免疫原性反応の低下を示す新規蛋白質変異体を提供する。さらに、本発明は、新規変異体をコードするDNA分子、新規の変異体をコードするDNAを含む宿主細胞、および蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法を提供する。さらに、本発明は、野生型蛋白質より免疫原性の低いこれらの蛋白質を含む種々の組成物を提供する。
免疫反応およびアレルゲン性
獲得免疫反応を含む二つの主な系統がある。第一の系統は、B細胞および形質細胞による抗体産生を伴う(即ち、体液性または抗体媒介性免疫)が、第二の系統は、T細胞の反応、および種々のサイトカインその他の免疫メディエータの賦活化を伴う(即ち、細胞性免疫)。これら二つの系統は、相互に関係し、生得的免疫系と共同して機能する。
蛋白質に対して抗体が形成されるには、その蛋白質由来のペプチドセグメントが専門的(活性化された)抗原提示細胞(APC)の表面に提示されることで始まる一連の事象が必要とされる。このペプチドは、APC表面の特異的蛋白質、即ち、主要組織適合性複合体(MHC)(ヒトではこのMHCは「ヒトリンパ球抗原」(HLA)系と呼ばれる)中の蛋白質と結合する。この結合したペプチドは、T細胞と相互作用することができる。具体的には、このT細胞は、その表面に発現されるCD4蛋白質によって識別されるサブタイプである(即ち、それはCD4T細胞である)。上記相互作用が順調に行われると、この特異的CD4T細胞は成長、分裂(即ち、増殖)して、B細胞と相互作用できるようになる。この相互作用が順調に行われると、B細胞は増殖して形質細胞に成長し、これが元の抗原を特異的に標的とする抗体を産生する拠点となる。従って、抗体の最終的な産生は、単一のペプチド配列(即ち、エピトープ)に対して特異的なCD4T細胞の最初の賦活化に依存している。本明細書に開示した組成物および方法を用いれば、標的蛋白質内のどのペプチドが特異的CD4T細胞の賦活化を開始させることができるかを予測することが可能になる。
T細胞とB細胞は共に、所与の蛋白質またはペプチドに存在する免疫原性エピトープにより賦活化されるが、これらの細胞によって実際に認識されるエピトープは、通常同一ではない。事実、T細胞を賦活化するエピトープは、同じ蛋白質またはペプチドを認識するB細胞が後に認識するエピトープと同じでないことが多い(即ち、蛋白質およびペプチドは一般に複数のエピトープを有している)。従って、過敏性に関して、T細胞と抗原の間の特異的抗原性相互作用は免疫反応開始の重要な要素であるが、この相互作用の細目(即ち、認識されるエピトープ)は、IgE抗体が媒介するその後の完璧なアレルギー反応の発症には関係しないことが多い。
蛋白質のアレルゲン性を低下させる手段としては種々のものが報告されている。例えば、PCT公開第WO96/40791号では、ポリアルキレンオキシドを出発原料とする、アレルゲン性の少ないポリアルキレンオキシド−プロテアーゼ複合体の製造方法が開示されている。また、PCT公開第WO97/30148号では、高分子担体1分子に2分子以上のポリペプチドを共有結合させたものを含む低アレルゲン性のポリペプチド複合体が開示されている。さらに、PCT公開第WO96/17929号では、1乃至30個の高分子(polymolecule)を親のポリペプチドに結合させる工程を含む低アレルゲン性ポリペプチドの製造方法が開示されている。
PCT公開第WO92/10755号では、動物において免疫反応の低下を示す蛋白質変異体の製造方法が開示されている。この公報では、対象とする蛋白質の一連のプロテアーゼおよびこれらの変異体を用いてラットの免疫化が行われた。次いで、このラットの血清を用いて、対象蛋白質およびその変異体に対する血清中ポリクロナール抗体の反応性が測定された。これらの結果から、試料中の抗体が当該蛋白質およびその変異体に対し比較的ある程度反応性を有するかどうかを明らかにすることが可能であり、それによって蛋白質内のどの変化がIgの結合能を無力化もしくは低下させると想定できるのかを解析することができた。ラットを用いたこのテストの結果から、ズブチリシンの309個の残基のうち、127、128、129、130、131、151、136、151、152、153、154、161、162、163、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、186、193、194、195、196、197、247、251、261番目に対応する残基のどれを変更してもこの酵素の潜在的な免疫原性に変化をもたらすとの結論に達したのである。
PCT公開第WO94/10191号では、親の単量体蛋白質のオリゴマー形を含む低アレルゲン性蛋白質であって、このオリゴマーが実質的にその活性を保持した低アレメゲン性蛋白質が開示されている。PCT公開第WO99/49056号および第WO01/07578号では、限定されたエピトープ領域内にアミノ酸置換を有する複数のズブチリシン変異体が開示されている。しかしながら、開示された変異体が多数にのぼるため、当業者にとっては、パーソナルケアおよび/またはその他の用途に用いるのに適した低免疫原性の最適なプロテアーゼ・プロダクトを特定することに関し、問題となるものである。
定義
本発明についての理解を容易にするために、以下の定義を設ける。
本明細書で用いている「抗原提示細胞」(「APC」)とは、抗原を細胞表面に提示して、この抗原がT細胞表面の受容体により認識されるようにしている免疫系の細胞を意味する。抗原提示細胞としては、樹状細胞、嵌合細胞、賦活化B細胞およびマクロファージが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いている「Tリンパ球」および「T細胞」という用語は、T前駆細胞(T細胞受容体遺伝子を再構成しなかったThy1陽性細胞を含む)から成熟T細胞(即ち、CD4またはCD8のシングルポジティブで表面TCR陽性細胞)までのTリンパ球系統内のあらゆる細胞を包含する。
「Bリンパ球」および「B細胞」という用語は、プレB細胞(Ig重鎖遺伝子を再構成し始めたB220細胞)などのB前駆細胞から成熟B細胞および形質細胞までのB細胞系統内のあらゆる細胞を包含する。
本明細書では、「CD4T細胞」および「CD4T細胞」とは、ヘルパーT細胞を意味し、「CD8T細胞」および「CD8T細胞」とは、細胞傷害性T細胞を意味する。
本明細書で用いている「T細胞増殖」とは、抗原の存在または非存在下にT細胞を抗原提示細胞と共にインキュベートしている間に産生されるT細胞の数を意味する。
本明細書で用いている「ベースラインT細胞増殖」とは、ペプチドもしくは蛋白質抗原の非存在下に抗原提示細胞の作用を受けて反応した個体で通常みられる程度のT細胞増殖を意味する。本明細書では、ベースラインT細胞増殖レベルは、抗原の非存在下に抗原提示細胞に反応したT細胞の増殖として各個体の1サンプル毎の形で求める。
本明細書で用いている「T細胞エピトープ」とは、ペプチドもしくは蛋白質に対してその抗原(即ち、免疫原)を含むペプチド部分に対する免疫原性反応が開始されるに際し、T細胞受容体により認識されるこのペプチドもしくは蛋白質の特徴を意味する。本発明はいかなる特定のメカニズムにも限定されるものではないが、一般的には、T細胞によるT細胞エピトープの認識は、抗原提示細胞上に発現されるクラスIもしくはクラスIIMHC(即ち、HLA)分子に結合した抗原のペプチド断片をT細胞が認識するメカニズムを介するものであると、考えられている(例えば、メラー(Moeller)、イムノロジカル・レビュー(Immunol. Rev.)、98:p187(1987年))。
本明細書で用いている「改変(altered)T細胞エピトープ」とは、対象とする前駆体ペプチドもしくはペプチドと異なるエピトープアミノ酸配列であって、この対象の変異体ペプチドがヒトまたは他の動物で異なる免疫原性反応を生じるようなエピトープアミノ酸配列を意味する。免疫原性反応の変化には、免疫原性反応全体の増強または低下などのアレルゲン性の変化が含まれると考えられる。一部の実施態様として、改変T細胞エピトープは、同定したエピトープ内の残基から選ばれるアミノ酸の置換および/または欠損を含む。別の実施態様として、改変T細胞エピトープは、エピトープ内における1個以上の残基の付加を含む。
本明細書で用いている「免疫原性反応の変化」とは、免疫原性反応の増強または低下を意味する。蛋白質(例えば、プロテアーゼ)およびペプチドは、これらが引き起こすT細胞反応が親の(例えば、前駆体)蛋白質もしくはペプチド(例えば、対象とするプロテアーゼ)により引き起こされる反応よりも強い場合、「免疫原性反応の増強」を示す。この反応増強の最終的な結果が、この変異体蛋白質もしくはペプチドを標的とする抗体反応の増強である。蛋白質およびペプチドは、これらが引き起こすT細胞反応が親の(例えば、前駆体)蛋白質もしくはペプチドにより引き起こされる反応よりも弱い場合、「免疫原性反応の低下」を示す。この反応低下の最終的な結果が、この変異体蛋白質もしくはペプチドを標的とする抗体反応の低下である。一部の実施態様として、この親の蛋白質は、野性型蛋白質もしくはペプチドである。
本明細書で用いている「サンプル」という用語は、最も広い意味で用いられている。しかしながら、好ましい実施態様としては、この用語は、解析、同定および/または修飾されることになる「ペプチド蛋白質」(例えば、プロテアーゼ)を含む試料(例えば、アリコート)に関して用いる。従って、多くの場合、この用語は、対象とする蛋白質もしくはペプチドを含む材料に関して用いる。
本明細書で用いている「対象とするプロテアーゼ」とは、解析、同定および/または修飾されることになるプロテアーゼを意味する。一部の好ましい実施態様として、この用語は、アッセイにおいて、B・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)から得られるプロテアーゼ「BPN」の場合と同じ免疫原性反応を示すプロテアーゼに関して用いる。他の実施態様として、この用語は、免疫原性反応を変化させることが望まれるプロテアーゼに関して用いる。本明細書で用いている「アッセイにおいて、B・アミロリケファシエンスから得られるプロテアーゼ「BPN」の場合と同じ免疫原性反応」という語句は、本明細書で説明し、種々の生体内(in vivo)および/または生体外(in vitro)でテストしたように、対象とするプロテアーゼがB・アミロリケファシエンスBPN’プロテアーゼと同じエピトープ領域の1つ以上と反応することを意味する。
本明細書で用いている「プロテアーゼ」とは、天然のプロテアーゼ、および組み換えプロテアーゼを意味する。プロテアーゼは、一般に、蛋白質またはペプチドのペプチド結合を開裂させるように作用するカルボニルヒドロラーゼである。天然のプロテアーゼとしては、α−アミノアシルペプチドヒドロラーゼ、ペプチジルアミノ酸ヒドロラーゼ、アシルアミノヒドロラーゼ、セリンカルボキシペプチダーゼ、メタロカルボキシペプチダーゼ、チオールプロテイナーゼ、カルボキシプロテイナーゼ、メタロプロテイナーゼなどの例が挙げられるが、これらに限定されるものではない。セリン、メタロ、チオールおよび酸プロテアーゼ、ならびにエンドおよびエキソ−プロテアーゼも含まれる。
本明細書で用いている「ズブチリシン」とは、天然のズブチリシンまたは組み換えズブチリシンを意味する。ズブチリシンは、概して蛋白質またはペプチドのペプチド結合を開裂させるように作用する細菌性または真菌性プロテアーゼである。
「組み換え」、「組み換えズブチリシン」および「組み換えプロテアーゼ」とは、ズブチリシンまたはプロテアーゼをコードするDNA配列に対し、その天然のアミノ酸配列中に1個以上のアミノ酸の置換、欠損もしくは挿入をコードする変異(もしくは突然変異)DNA配列を生じるように修飾を加えたズブチリシンまたはプロテアーゼを意味する。このような修飾を加えるための方法で、本発明で開示した方法と組み合わせることができる好適な方法としては、米国特許第4,760,025号(米国再発行特許第34,606号)、米国特許第5,204,015号および米国特許第5,185,258号に開示されているものを挙げることができ、これらは全て引用により本明細書に組み込まれている。
「非ヒト・ズブチリシン」およびこれをコードするDNA配列は、多くの原核および真核生物から得られる。原核生物の好適な例としては、グラム陰性菌(例えば、大腸菌および緑膿菌)、ならびにグラム陽性菌(例えば、球菌および桿菌)が挙げられる。ズブチリシンおよびその遺伝子を得ることができる真核生物の例としては、酵母およびコウジカビ(Aspergillus sp.)などの真菌類(fungi)が挙げられる。
本明細書で用いている「ヒト・ズブチリシン」とは、ズブチリシン・タイプの触媒作用を有するヒト由来の蛋白質(例えば、ケキシン・ファミリーのヒト由来プロテアーゼ)を意味する。さらに、本明細書で開示した、非ヒト(例えば、マウスおよびウサギ)由来のものを含む蛋白質の誘導体またはホモログであって、ペプチド結合の加水分解能などの当該ペプチドの本質的な活性を保持し、本出願等で別途説明したような免疫原性反応の低下を示す誘導体またはホモログは、対象とするプロテアーゼに対し、少なくとも50%、少なくとも65%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、場合によっては95%、97%または99%もの相同性を有する。このホモログの本質的な活性には、ヒトにおいて異なる免疫原性反応を生じる能力が含まれる。一実施態様として、図4aに、対象とするプロテアーゼが示されている。
本明細書で用いているアミノ酸の位置番号とは、図1に示した完全なバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシン配列に付与したものを言う。但し、本発明は、この特定のズブチリシンの突然変異に限定されるものではない。従って、本発明は、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシン内の同定された特定の残基に「相当」し、バシラス・アミロリケファシエンスの同定された残基に対応するペプチドと同じ免疫原性反応を示す位置のアミノ酸残基を含む前駆体プロテアーゼを包含する。
本明細書で用いている「に対応する」とは、蛋白質またはペプチド内に列挙された位置にある各残基、あるいは蛋白質またはペプチド内に列挙された各残基と類似、相同もしくは同等の残基のことを意味する。一部の実施態様として、この用語は、B・アミロリケファシエンスのBPN’プロテアーゼ内に列挙された残基に関して用いる。
本明細書で用いている「誘導体」という用語は、前駆体蛋白質(例えば、未改変(native)プロテアーゼ)に対し、C末端とN末端のうちの一方もしくは両方に1個以上のアミノ酸を付加し、またはそのアミノ酸配列内の1つ、もしくは異なるいくつかの部位で1個以上のアミノ酸を置換し、またはこの蛋白質の一端もしくは両端またはそのアミノ酸配列内の1個所以上の部位において1個以上のアミノ酸を欠損させ、あるいはそのアミノ酸配列内の1個所以上の部位において1個以上のアミノ酸を挿入することによって得られる蛋白質(例えば、プロテアーゼ)のことを意味する。プロテアーゼ誘導体は、その未改変蛋白質をコードするDNA配列を修飾し、得られたDNA配列を適当な宿主細胞中に形質転換し、ようにその修飾されたDNA配列を発現させて誘導体プロテアーゼを形成することにより調製することが好ましい。
本明細書で用いている「類似配列」という用語は、対象とする蛋白質と同様な機能、三次構造、および/または保存残基を有する蛋白質内の配列のことを意味する。特に好ましい実施態様として、当該類似配列は、エピトープもしくはその近傍の配列を含む。例えば、アルファヘリックス構造またはベータシート構造を含むエピトープ領域では、当該類似配列内の置換アミノ酸は同じ特異的構造を維持していることが好ましい。
本明細書で用いている「ホモログ」とは、対象とする蛋白質(例えば、プロテアーゼ)と同様な触媒作用、構造、抗原性反応/または免疫原性反応を有する蛋白質(即ち、プロテアーゼ)のことを意味する。ホモログと対象蛋白質(例えば、プロテアーゼ)とは、必ずしも進化的に無関係というものではない。従って、この用語は、異なる種から得られる機能的に同じ蛋白質(例えば、プロテアーゼ)を含むと考えられる。好ましい実施態様としては、対象蛋白質(例えば、プロテアーゼ)内のエピトープをホモログからの類似のセグメントで置換すれば、この変化による混乱を少なくすることができるので、対象蛋白質(即ち、プロテアーゼ)と同様な三次および/または一次構造を有するホモログを指定することが望ましい。従って、多くの場合、相同性の高い蛋白質(例えば、プロテアーゼ)は、(例えば、他のプロテアーゼにおける)エピトープの置換の最も好ましい供給源となる。あるいは、所与の蛋白質に対するヒトの類似体に関心を向けることも有利である。例えば、細菌性ズブチリシン内のエピトープをヒト由来ズブチリシン類似体(即ち、ヒト・ズブチリシン)の配列で置換すると、この細菌性蛋白質に対するヒトの免疫原性反応は低下すると考えられる。
本明細書で(例えば、2種の核酸もしくはポリペプチドについての文脈で)用いている「実質的に同一の」とういう語句は、本明細書で説明したような免疫原性反応の変化を示し、配列の同一性に関して、標準的なパラメータを用いこの判定を行うのに適したプログラム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL)を使用して基準配列と比較した場合、少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは95%、さらにより好ましくは97%の配列同一性を有する配列を含むポリヌクレオチドもしくはポリペプチドのことを意味する。2種のポリペプチドが実質的に同一であることの1つの指標は、第1のポリペプチドが第2のポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。通常、控えめなアミノ酸置換により異なるポリペプチドは、免疫学的に交差反応性である。従って、例えば、あるポリペプチドがもう1つのポリペプチドと、控えめな置換によってのみ異なる場合、この2つのポリペプチドは、実質的に同一である。さらに、2種の核酸が実質的に同一であることの指標は、この2つの分子が厳しい条件(たとえば、中等度乃至高度の厳しさ)下で互いとハイブリッド形成することである。2種のポリペプチドが実質的に同一であることの別の指標は、この2つの分子が、明確なアッセイにおいて免疫原性反応に同じ変化を示すことである。
本明細書で用いている「ハイブリッド形成」とは、核酸の1本鎖が相補性の核酸1本鎖と塩基対を介して結合する過程のことを意味する。従って、厳密に言えば、標的配列が試験配列に対して相補性に、またはその逆の形で結合できることを意味する。「ハイブリッド形成の条件」は、通常、ハイブリッド形成を測定する条件の「厳しさ」の程度によって分類される。厳しさの程度は、例えば、核酸結合複合体もしくはプローブの融解温度(Tm)に準拠することができる。例えば、「最高の厳しさ」は、通常約Tm−5℃(即ち、当該プローブのTmより5°低い温度)で、「高度の厳しさ」は、通常Tmより約5乃至10°低い温度で、「中等度の厳しさ」は通常当該プローブのTmより約10乃至20°低い温度で、「軽度の厳しさ」は、通常Tmより約20乃至25°低い温度で行われる。あるいは、または、さらに、一部の実施態様として、ハイブリッド形成の条件は、ハイブリッド形成および/または1回以上の厳格洗浄における塩もしくはイオン強度条件に準拠している。例えば、6xSSC=極めて軽度の厳しさ;3xSSC=軽度乃至中等度の厳しさ;1xSSC=中等度の厳しさ;および0.5xSSC=高度の厳しさ。機能的には、最高の厳しさの条件は、ハイブリッド形成プローブと厳密な同一性もしくはほぼ厳密な同一性を有する核酸配列を特定するのに用いられ、高度の厳しさの条件は、当該プローブと約80%以上の配列同一性を有する核酸配列を特定するのに用いられる。高度の選択性を必要とする用途に対しては、通常、ハイブリッド形成に比較的厳しい条件が用いられる(例えば、比較的低い塩および/または高温の条件が用いられる)。
本発明は、開示した特定の菌種から得られるものと同等の、免疫原性の変化したプロテアーゼを包含する。「同等」であるとは、当該プロテアーゼが、中等度乃至高度の厳しさの条件下で、図1に示した配列のうちの任意の配列を有するポリヌクレオチドとハイブリッド形成することができるポリヌクレオチドによってコードされ、ヒトT細胞に対する免疫原性反応の変化をなお維持していることを意味している。また、「同等」であるとは、当該プロテアーゼが、エピトープ配列およびこのエピトープを有する変異体プロテアーゼ(例えば、アミノ酸配列が修飾されている)に対し、少なくとも55%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有することを意味する。
本明細書で用いている「ハイブリッドプロテアーゼ」および「融合プロテアーゼ」という用語は、少なくとも2つの異なる、または「親の」蛋白質から改変した蛋白質のことを意味する。好ましい実施態様としては、これらの親蛋白質は互いのホモログである。例えば、一部の実施態様として、好ましいハイブリッドプロテアーゼもしくは融合蛋白質は、蛋白質のN末端およびこの蛋白質のホモログのC末端を含む。一部の好ましい実施態様として、この2つの末端は、完全長の活性蛋白質に対応するように結合される。別の好ましい実施態様として、これらのホモログは、実質的な類似性を共有するが、同一のT細胞エピトープは有しない。従って、一実施態様として、本発明は、C末端に1つ以上のT細胞エピトープを有するがC末端が効力の低いT細胞エピトープを有するホモログのC末端で置換されているか、C末端にT細胞エピトープを殆どまたは全く有しない対象プロテアーゼを提供する。従って、ホモログ間でT細胞エピトープを特定することができることにより、異なる免疫原性反応を生じる種々の変異体を形成することができることは、当業者によって了承されよう。さらに、内部部分、および2つ以上のホモログを用いて本発明の変異体を作製することができることも了承されよう。
一部の一実施態様として、本発明は、確立されている蛋白工学技術を用いて構築されるプロテアーゼハイブリッドを提供する。本明細書で説明したように、一実施態様として、蛋白質の高アレルゲン性アミノ酸配列が低アレルゲン性ホモログからの対応配列で置換されるようにして、ハイブリッドを構築した。この場合、プロテアーゼの最初の122個のアミノ酸は「GG36」と呼ばれるズブチリシンから得、残るアミノ酸配列は「BPN」と呼ばれるズブチリシンから得た。
本発明の変異体は、成熟型の蛋白質変異体、ならびにこのような蛋白質変異体のプロ型およびプレプロ型を含む。プレプロ型は、蛋白質変異体の発現、分泌および成熟化を容易にするので、好ましい構築体である。
本明細書で用いている「プロシーケンス」とは、成熟型蛋白質のN末端部分に結合したアミノ酸配列であって、これを除去するとこの蛋白質の「成熟」型を生じるアミノ酸配列のことを意味する。多くの蛋白質分解酵素は、翻訳による酵素前駆体産物として自然界に存在し、翻訳後のプロセッシングが行われないと、この形で発現される。プロテアーゼ変異体のような蛋白質変異体を産生するための好ましいプロシーケンスは、バシラス・アミロリケファシエンスのズブチリシンの推定プロシーケンスである。但し、本発明では、他のプロシーケンスも用いられる。
本明細書で用いている「シグナル配列」および「プレシーケンス」とは、蛋白質のN末端部分、即ち、蛋白質の成熟型もしくはプロ型の分泌に関与することができる蛋白質のN末端部分に結合しているアミノ酸の任意の配列のことを意味する。このシグナル配列の定義は、機能上のものであり、自然状態で蛋白質分泌の遂行に関与する、蛋白質遺伝子のN末端部分によりコードされた全てのアミノ酸配列を含むものである。本発明は、本明細書に開示した蛋白質変異体の分泌をもたらすこのような配列を利用する。一実施態様として、シグナル配列は、枯草菌ズブチリシンのシグナル配列の最初の7個のアミノ酸残基をバシラス・レンツス(ATCC21536)由来ズブチリシンのシグナル配列の残部に融合させたもの含む。
本明細書で用いている「プレプロ型」の蛋白質変異体は、この蛋白質のアミノ末端に作動可能なように結合しているプロシーケンス、およびこのプロシーケンスのアミノ末端に作動可能なように結合している「プレ」、即ち「シグナル」配列を有する成熟型の蛋白質からなる。
本明細書で用いている「発現ベクター」とは、適切な宿主でDNAの発現をもたらすことのできる適切な制御配列に動作可能なように結合しているDNA配列を含むDNA構築体のことを意味する。このような制御配列としては、転写をもたらすプロモータ、この転写を制御する任意のオペレータ配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、および転写と翻訳の終結を制御する配列が挙げられる。ベクターは、プラスミド、ファージ粒子、あるいは単にゲノムに挿入できる断片であってもよい。ベクターは、一旦適切な宿主中に形質転換されると、宿主ゲノムとは無関係に、複製し、機能することができ、場合によっては、ゲノム自体の中に組み込まれることがある。プラスミドは現在最も広く用いられているタイプのベクターであるので、本明細書では、「プラスミド」と「ベクター」を区別なく用いることがある。しかしながら、本発明は、同等の機能を果たし、当該分野で知られていたり、知られるようになるような他のタイプの発現ベクターをも含むものである。
本明細書で用いている「宿主細胞」は、概して原核もしくは真核宿主であり、好ましくは当該分野で知られている方法(米国特許第4,760,025号(再発行特許第34,606号)参照)により操作してこれらが酵素学的に活性なエンドプロテアーゼを分泌できるようにしたものである。蛋白質発現用の好ましい宿主細胞は、酵素学的に活性な中性蛋白質およびアルカリ・プロテアーゼ(ズブチリシン)を欠損しているバシラス菌株BG2036である。菌株BG2036の構築については、米国特許第5,264,366号に詳細が開示されており、この特許は引用により本明細書に組み込まれている。蛋白質発現用のその他の宿主細胞としては、枯草菌I168(米国特許第4,760,025号(再発行特許第34,606号)および米国特許第5,264,366号にも開示されており、これらの開示内容は引用により本明細書に組み込まれている)、ならびにB・リケニホルミス菌、B・レンツス菌その他のバシラス種に属するものを含む適切なあらゆるバシラス菌株が挙げられる。
宿主細胞は、当該分野で知られている組み換えDNA技術を用いて構築したベクターで形質転換または形質移入する。形質転換された宿主細胞は、蛋白質変異体をコードするベクターを複製するか、目的とする蛋白質変異体を発現することができる。プレ型もしくはプレプロ型の蛋白質変異体をコードするベクターの場合、このような変異体は、発現されると、通常宿主細胞から宿主細胞メジウム中に分泌される。
「作動可能なように結合した」という用語は、2つのDNA領域の間の関係に関して用いた場合、単に、これらが互いに機能上関連があることを意味している。例えば、プレシーケンスは、これがシグナル配列として機能する場合、作動可能なようにペプチドに結合して、このシグナル配列の開裂をほぼ確実に伴う成熟型の蛋白質の分泌に関与する。プロモータは、これがコーディング配列の転写を制御する場合、作動可能なようにその配列に結合する。また、リボソーム結合部位は、これが翻訳を可能にする位置にある場合、作動可能なようにコーディング配列に結合する。
天然の前駆体蛋白質をコードする遺伝子は、当業者に知られている一般的な方法によって得ることができる。通常、この方法は、対象蛋白質の領域をコードしている推定配列を有する標識プローブを合成し、当該蛋白質を発現する生物からのゲノムライブラリーを作製し、上記プローブにハイブリッド形成させることによりこの対象遺伝子のライブラリーをスクリーニングすることを含む。次いで、ハイブリッド形成ポジティブなクローンの遺伝子地図を作製し、配列を決定する。
本明細書で用いている「生体内(in vivo)におけるアレルゲン性の低下」とは、生体内において(例えば、生きている動物の使用を必要とする)、少なくとも部分的に生じる、アッセイにより測定した免疫原性反応が減少することを意味する。例示的な「生体内(in vivo)」アッセイとしてはマウスモデルを用いた免疫原性反応の変化についての測定が挙げられる。
本明細書で用いている「生体外(in vitro)におけるアレルゲン性の低下」とは、生体外(即ち、生きている動物の使用を必要としない)の人工的な環境において生じる、アッセイにより測定した免疫原性反応が減少することを意味する。例示的な「生体外(in vitro)」アッセイとしては、対象ペプチドに対するヒト末梢血単核細胞の増殖反応をテストすることが挙げられる。
本明細書で用いている「パーソナルケア用品」とは、毛髪、皮膚、頭皮、歯の洗浄に用いられる製品を意味し、例えば、シャンプー、ボディローション、シャワー用ジェル、局所用モイスチャー、練り歯磨き、および/またはその他の局所用クレンザーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に好ましい一部の実施態様として、これらの製品はヒトによって利用されるが、その他の実施態様として、これらの製品はヒト以外の動物に対して(例えば、獣医学用の用途において)用いられる。
本明細書で用いている「スキンケア用組成物」とは、皮膚の清浄および/または保湿のための局所用の用途に用いられる製品を意味する。このような組成物としては、保湿性ボディソープ、シャワー用ジェル、ボディローション、保湿性フェイシャルクリーム、化粧落とし、およびローションが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いている「清浄用組成物」とは、布地、食器、コンタクトレンズその他の固体基材などの基材、毛髪(シャンプー)、皮膚(石鹸およびクリーム)、歯(洗口剤、練り歯磨き)などから不要物を除去するのに用いることができる組成物である。
本明細書で用いている「清浄用組成物原料」という用語は、目的とする特定のタイプの清浄用組成物、およびその形の製品用に選ばれるあらゆる液状、固体状もしくは気体状原料のことを意味し、これらの原料はその組成物に用いられるプロテアーゼ酵素とも混在可能なものである。清浄用組成物原料の具体的な選択は、清浄するべき表面、品目または布地、および使用時(例えば、洗濯洗剤としての使用による)の清浄条件にとっての望ましい組成物の形態を考慮することによって容易に行うことができる。
本明細書で用いている「硬質表面清浄用組成物」という用語は、床、壁、浴室タイルなどの硬質表面を清浄するための洗剤組成物のことを意味する。このような組成物は、どんな形態にも形成することができ、例えば、固形物、液状体、乳濁液などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いている「食器洗い用組成物」とは、食器洗浄用のあらゆる形態の組成物のことを意味し、例えば、顆粒状および液状の形態が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いている「布地洗浄用組成物」とは、布地洗浄用のあらゆる形態の洗剤組成物のことを意味し、例えば、顆粒状、液状および固形状の形態が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書で用いている「布地」とは、あらゆる繊維材料のことを意味する。
本明細書で用いている「混在できる」という用語は、清浄用組成物が、普通の使用状態で要望通りの効果を示さない程度にまでにはプロテアーゼ酵素の蛋白質分解活性を低下させないことを意味する。具体的な清浄用組成物材料は下記に詳細を例示する。
本明細書で用いている「プロテアーゼ酵素の有効量」とは、特定の用途(例えば、パーソナルケア用品、清浄用組成物など)において必要な酵素活性を得るのに要する、前述のプロテアーゼ酵素の量のことを意味する。このような有効量は、当業者によって容易に確かめることができ、使用される特定の酵素変異体、その清浄用途、その清浄用組成物の具体的な組成、および必要な組成物は液状のものか乾燥したもの(例えば、顆粒状、棒状)かなど、多くの要因に基づくものである。
本明細書で用いている「非布地洗浄用組成物」は、硬質表面清浄用組成物、食器洗い用組成物、口腔内清浄用組成物、入れ歯洗浄用組成物、およびパーソナルクレンジング用組成物を包含する。
本明細書で用いている「口腔内清浄用組成物」とは、歯磨剤、練り歯磨き、ジェル状歯磨き、粉歯磨き、うがい薬、マウススプレー、マウスジェル、チューインガム、薬用キャンディ、香粉、錠剤、バイオジェル、予防用ペースト、歯治療用溶液などのことを意味する。
本明細書で用いている「医薬用として許容可能な」とは、この用語が表す薬物、医薬品および/または不活性成分が、妥当なベネフィット/リスク比に見合って、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激性、アレルギー性などもなく、ヒトその他の動物の組織と接触して用いられるのに適していることを意味する。
発明の詳細な説明
本発明は、親の蛋白質と比較して免疫原性反応の低下を示す新規蛋白質変異体を提供する。さらに、本発明は、新規変異体をコードするDNA分子、新規の変異体をコードするDNAを含む宿主細胞、および蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法を提供する。さらに、本発明は、野生型蛋白質より免疫原性の低いこれらの蛋白質を含む種々の組成物を提供する。
特に好ましい一部の実施態様として、本発明は、対象とする前駆体プロテアーゼもしくはプロテアーゼに比し、免疫原性反応および潜在的アレルゲン性の変化を示す変異体蛋白質を提供する。従って、本発明は、未改変(native)もしくは前駆体蛋白質よりも使用するのに安全な変異体蛋白質を提供する。特に好ましい実施態様として、この変異体蛋白質は、プロテアーゼである。本明細書で具体的に説明した突然変異体の他に、本発明は、当業者に知られている突然変異体との組合せて用いることにより、蛋白質の熱安定性を変え、基質特異性を変え、活性を改良し(例えば、親和性および/または結合活性を改良し)、機能を改良し、比活性を増大させ、および/またはpH(例えば、アルカリ性)安定性を変えることができる。一部の実施態様として、本発明は、1種以上のB細胞および/またはT細胞エピトープに変化を示す変異体蛋白質を提供する。
好ましい実施態様として、動物を本発明のプロテアーゼ変異体に接触させると、この動物をその前駆体プロテアーゼに接触させた場合に比し、免疫原性反応が変化する。特に好ましい一部の実施態様として、この変異体は、改変されたT細胞エピトープを含み、その結果、この対象変異体プロテアーゼはヒトにおいて異なる免疫原性反応を生じる。免疫原性反応の変化には、免疫原性反応の増強または低減などのアレルゲン性の変化が含まれると考えられる。一部の実施態様として、T細胞エピトープの改変は、このエピトープ(即ち、改変される「対象エピトープ」)内のアミノ酸残基から選ばれるアミノ酸の少なくとも1つの置換および/または削除を含む。好ましい実施態様として、本発明の変異体プロテアーゼは、免疫原性反応の低下を生じるがその他の活性は前駆体プロテアーゼと同等である変異体、および免疫原性反応を生じない部位特異的突然変異体(site mutation variants)、ならびにハイブリッドプロテアーゼ変異体を含む。
さらに、本発明は、プロテアーゼの免疫原性反応を変化(例えば、増強もしくは低下)させる方法であって、前駆体プロテアーゼを入手し、この前駆体プロテアーゼを修飾して前駆体プロテアーゼの変異体もしくは誘導体を得る工程を含み、この変異体が当該前駆体プロテアーゼの少なくとも1種のT細胞エピトープを有する方法を提供する。さらに、一部の実施態様として、この変異体は、上記前駆体プロテアーゼにより賦活化される免疫原性反応に比し、免疫原性反応の変化を示すものとして特徴づけられる。
本発明の特に好ましい実施態様として、ズブチリシンプロテアーゼのT細胞エピトープを改変する。このようなズブチリシンT細胞エピトープとしては、B・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの25から39番目の残基に対応する1つのエピトープ、B・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの88から102番目の残基に対応する1つのエピトープ、B・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの154から168番目残基に相当する1つのエピトープ、B・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの160から174番目の残基に対応する1つのエピトープ、B・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの163から177番目の残基に対応する1つのエピトープ、およびB・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの181から195番目残基に対応するさらにもう1つのエピトープが挙げられる。さらに、この方法は、このような免疫学的反応を増強もしくは低減させる残基を決定することを含むことができる。この残基は、本明細書で開示したペプチドスクリーニング手法によって決定することができる。一実施態様として、免疫原性反応の変化を示す変異体プロテアーゼは、BPN’などの改変ズブチリシンを含むB・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、および/または195番目残基に対応する1つ以上のアミノ酸置換を含む。一実施態様として、このプロテアーゼ変異体は、B・アミロリケファシエンス・ズブチリシンのN25A、N25R、N25D、N25C、N25E、N25Q、N25G、N25H、N251、N25L、N25K、N25M、N25F、N25P、N25S、N25T、N25W、N25Y、N25V、V26A、V26R、V26N、V26D、V26C、V26E、V26Q、V26G、V26H、V26I、V26L、V26K、V26M、V26F、V26P、V26S、V26T、V26W、V26Y、K27A、K27R、K27N、K27D、K27C、K27E、K27Q、K27G、K27H、K27I、K27L、K27M、K27F、K27P、K27S、K27T、K27W、K27Y、K27V、V28A、V28R、V28N、V28D、V28C、V28E、V28Q、V28G、V28H、V28I、V28L、V28K、V28M、V28F、V28P、V28S、V28T、V28W、V28Y、A29R、A29N、A29D、A29C、A29E、A29Q、A29G、A29H、A29I、A29L、A29K、A29M、A29F、A29P、A29S、A29T、A29W、A29Y、A29V、V30A、V30R、V30N、V30D、V30C、V30E、V30Q、V30G、V30H、V30I、V30L、V30K、V30M、V30F、V30P、V30S、V30T、V30W、V30Y、I31A、I31R、I31N、I31D、I31C、I31E、I31Q、I31G、I31H、I31L、I31K、I31M、I31F、I31P、I31S、I31T、I31W、I31Y、I31V、D32A、D32R、D32N、D32C、D32E、D32Q、D32G、D32H、D32I、D32L、D32K、D32M、D32F、D32P、D32S、D32T、D32W、D32Y、D32V、S33A、S33R、S33N、S33D、S33C、S33E、S33Q、S33G、S33H、S33I、S33L、S33K、S33M、S33F、S33P、S33T、S33W、S33Y、S33V、G34A、G34R、G34N、G34D、G34C、G34E、G34Q、G34H、G34I、G34L、G34K、G34M、G34F、G34P、G34S、G34T、G34W、G34Y、G34V、I35A、I35R、I35N、I35D、I35C、I35E、I35Q、I35G、I35H、I35L、I35K、I35M、I35F、I35P、I35S、I35T、I35W、I35Y、I35V、D36A、D36R、D36N、D36C、D36E、D36Q、D36G、D36H、D36I、D36L、D36K、D36M、D36F、D36P、D36S、D36T、D36W、D36Y、D36V、S37A、S37R、S37N、S37D、S37C、S37E、S37Q、S37G、S37H、S37I、S37L、S37K、S37M、S37F、S37P、S37T、S37W、S37Y、S37V、S38A、S38R、S38N、S38D、S38C、S38E、S38Q、S38G、S38H、S38I、S38L、S38K、S38M、S38F、S38P、S38T、S38W、S38Y、S38V、H39A、H39R、H39N、H39D、H39C、H39E、H39Q、H39G、H39I、H39L、H39K、H39M、H39F、H39P、H39S、H39T、H39W、H39Y、H39V、A88R、A88N、A88D、A88C、A88E、A88Q、A88G、A88H、A88I、A88L、A88K、A88M、A88F、A88P、A88S、A88T、A88W、A88Y、A88V、S89A、S89R、S89N、S89D、S89C、S89E、S89Q、S89G、S89H、S89I、S89L、S89K、S89M、S89F、S89P、S89T、S89W、S89Y、S89V、L90A、L90R、L90N、L90D、L90C、L90E、L90Q、L90G、L90H、L90I、L90K、L90M、L90F、L90P、L90S、L90T、L90W、L90Y、L90V、Y91A、Y91R、Y91N、Y91D、Y91C、Y91E、Y91Q、Y91G、Y91H、Y91I、Y91L、Y91K、Y91M、Y91F、Y91P、Y91S、Y91T、Y91W、Y91V、A92R、A92N、A92D、A92C、A92E、A92Q、A92G、A92H、A92I、A92L、A92K、A92M、A92F、A92P、A92S、A92T、A92W、A92Y、A92V、V93A、V93R、V93N、V93D、V93C、V93E、V93Q、V93G、V93H、V93I、V93L、V93K、V93M、V93F、V93P、V93S、V93T、V93W、V93Y、K94A、K94R、K94N、K94D、K94C、K94E、K94Q、K94G、K94H、K94I、K94L、K94M、K94F、K94P、K94S、K94T、K94W、K94Y、K94V、V95A、V95R、V95N、V95D、V95C、V95E、V95Q、V95G、V95H、V95I、V95L、V95K、V95M、V95F、V95P、V95S、V95T、V95W、V95Y、L96A、L96R、L96N、L96D、L96C、L96E、L96Q、L96G、L96H、L96I、L96K、L96M、L96F、L96P、L96S、L96T、L96W、L96Y、L96V、G97A、G97R、G97N、G97D、G97C、G97E、G97Q、G97H、G97I、G97L、G97K、G97M、G97F、G97P、G97S、G97T、G97W、G97Y、G97V、A98R、A98N、A98D、A98C、A98E、A98Q、A98G、A98H、A98I、A98L、A98K、A98M、A98F、A98P、A98S、A98T、A98W、A98Y、A98V、D99A、D99R、D99N、D99C、D99E、D99Q、D99G、D99H、D99I、D99L、D99K、D99M、D99F、D99P、D99S、D99T、D99W、D99Y、D99V、G100A、G100R、G100N、G100D、G100C、G100E、G100Q、G100H、G100I、G100L、G100K、G100M、G100F、G100P、G100S、G100T、G100W、G100Y、G100V、S101A、S101R、S101N、S101D、S101C、S101E、S101Q、S101G、S101H、S101I、S101L、S101K、S101M、S101F、S101P、S101T、S101W、S101Y、S101V、G102A、G102R、G102N、G102D、G102C、G102E、G102Q、G102H、G102I、G102L、G102K、G102M、G102F、G102P、G102S、G102T、G102W、G102Y、G102V、G154A、G154R、G154N、G154D、G154C、G154E、G154Q、G154H、G154I、G154L、G154K、G154M、G154F、G154P、G154S、G154T、G154W、G154Y、G154V、N155A、N155R、N155D、N155C、N155E、N155Q、N155G、N155H、N155I、N155L、N155K、N155M、N155F、N155P、N155S、N155T、N155W、N155Y、N155V、E156A、E156R、E156N、E156D、E156C、E156Q、E156G、E156H、E156I、E156L、E156K、E156M、E156F、E156P、E156S、E156T、E156W、E156Y、E156V、G157A、G157R、G157N、G157D、G157C、G157E、G157Q、G157H、G157I、G157L、G157K、G157M、G157F、G157P、G157S、G157T、G157W、G157Y、G157V、T158A、T158R、T158N、T158D、T158C、T158E、T158Q、T158G、T158H、T158I、T158L、T158K、T158M、T158F、T158P、T158S、T158W、T158Y、T158V、S159A、S159R、S159N、S159D、S159C、S159E、S159Q、S159G、S159H、S159I、S159L、S159K、S159M、S159F、S159P、S159T、S159W、S159Y、S159V、G160A、G160R、G160N、G160D、G160C、G160E、G160Q、G160H、G160I、G160L、G160K、G160M、G160F、G160P、G160S、G160T、G160W、G160Y、G160V、S161A、S161R、S161N、S161D、S161C、S161E、S161Q、S161G、S161H、S161I、S161L、S161K、S161M、S161F、S161P、S161T、S161W、S161Y、S161V、S162A、S162R、S162N、S162D、S162C、S162E、S162Q、S162G、S162H、S162I、S162L、S162K、S162M、S162F、S162P、S162T、S162W、S162Y、S162V、S163A、S163R、S163N、S163D、S163C、S163E、S163Q、S163G、S163H、S163I、S163L、S163K、S163M、S163F、S163P、S163T、S163W、S163Y、S163V、T164A、T164R、T164N、T164D、T164C、T164E、T164Q、T164G、T164H、T164I、T164L、T164K、T164M、T164F、T164P、T164S、T1
64W、T164Y、T164V、V165A、V165R、V165N、V165D、V165C、V165E、V165Q、V165G、V165H、V165I、V165L、V165K、V165M、V165F、V165P、V165S、V165T、V165W、V165Y、G166A、G166R、G166N、G166D、G166C、G166E、G166Q、G166H、G166I、G166L、G166K、G166M、G166F、G166P、G166S、G166T、G166W、G166Y、G166V、Y167A、Y167R、Y167N、Y167D、Y167C、Y167E、Y167Q、Y167G、Y167H、Y167I、Y167L、Y167K、Y167M、Y167F、Y167P、Y167S、Y167T、Y167W、Y167V、P168A、P168R、P168N、P168D、P168C、P168E、P168Q、P168G、P168H、P168I、P168L、P168K、P168M、P168F、P168S、P168T、P168W、P168Y、P168V、G169A、G169R、G169N、G169D、G169C、G169E、G169Q、G169H、G169I、G169L、G169K、G169M、G169F、G169P、G169S、G169T、G169W、G169Y、G169V、K170A、K170R、K170N、K170D、K170C、K170E、K170Q、K170G、K170H、K170I、K170L、K170M、K170F、K170P、K170S、K170T、K170W、K170Y、K170V、Y171A、Y171R、Y171N、Y171D、Y171C、Y171E、Y171Q、Y171G、Y171H、Y171I、Y171L、Y171K、Y171M、Y171F、Y171P、Y171S、Y171T、Y171W、Y171V、P172A、P172R、P172N、P172D、P172C、P172E、P172Q、P172G、P172H、P172I、P172L、P172K、P172M、P172F、P172S、P172T、P172W、P172Y、P172V、S173A、S173R、S173N、S173D、S173C、S173E、S173Q、S173G、S173H、S173I、S173L、S173K、
S173M、S173F、S173P、S173T、S173W、S173Y、S173V、V174A、V174R、V174N、V174D、V174C、V174E、V174Q、V174G、V174H、V174I、V174L、V174K、V174M、V174F、V174P、V174S、V174T、V174W、V174Y、I175A、I175R、I175N、I175D、I175C、I175E、I175Q、I175G、I175H、I175L、I175K、I175M、I175F、I175P、I175S、I175T、I175W、I175Y、I175V、A176R、A176N、A176D、A176C、A176E、A176Q、A176G、A176H、A176I、A176L、A176K、A176M、A176F、A176P、A176S、A176T、A176W、A176Y、A176V、V177A、V177R、V177N、V177D、V177C、V177E、V177Q、V177G、V177H、V177I、V177L、V177K、V177M、V177F、V177P、V177S、V177T、V177W、V177Y、D181A、D181R、D181N、D181C、D181E、D181Q、D181G、D181H、D181I、D181L、D181K、D181M、D181F、D181P、D181S、D181T、D181W、D181Y、D181V、S182A、S182R、S182N、S182D、S182C、S182E、S182Q、S182G、S182H、S182I、S182L、S182K、S182M、S182F、S182P、S182T、S182W、S182Y、S182V、S183A、S183R、S183N、S183D、S183C、S183E、S183Q、S183G、S183H、S183I、S183L、S183K、S183M、S183F、S183P、S183T、S183W、S183Y、S183V、N184A、N184R、N184D、N184C、N184E、N184Q、N184G、N184H、N184I、N184L、N184K、N184M、N184F、N184P、N184S、N184T、N184W、N184Y、N184V、Q185A、Q185R、Q185N、Q185D、Q185C、Q185E、Q185G、Q185
H、Q185I、Q185L、Q185K、Q185M、Q185F、Q185P、Q185S、Q185T、Q185W、Q185Y、Q185V、R186A、R186N、R186D、R186C、R186E、R186Q、R186G、R186H、R186I、R186L、R186K、R186M、R186F、R186P、R186S、R186T、R186W、R186Y、R186V、A187R、A187N、A187D、A187C、A187E、A187Q、A187G、A187H、A187I、A187L、A187K、A187M、A187F、A187P、A187S、A187T、A187W、A187Y、A187V、S188A、S188R、S188N、S188D、S188C、S188E、S188Q、S188G、S188H、S188I、S188L、S188K、S188M、S188F、S188P、S188T、S188W、S188Y、S188V、F189A、F189R、F189N、F189D、F189C、F189E、F189Q、F189G、F189H、F189I、F189L、F189K、F189M、F189P、F189S、F189T、F189W、F189Y、F189V、S190A、S190R、S190N、S190D、S190C、S190E、S190Q、S190G、S190H、S190I、S190L、S190K、S190M、S190F、S190P、S190T、S190W、S190Y、S190V、Q191A、Q191R、Q191N、Q191D、Q191C、Q191E、Q191G、Q191H、Q191I、Q191L、Q191K、Q191M、Q191F、Q191P、Q191S、Q191T、Q191W、Q191Y、Q191V、Y192A、Y192R、Y192N、Y192D、Y192C、Y192E、Y192Q、Y192G、Y192H、Y192I、Y192L、Y192K、Y192M、Y192F、Y192P、Y192S、Y192T、Y192W、Y192V、G193A、G193R、G193N、G193D、G193C、G193E、G193Q、G193H、G193I、G193L、G193K、G193M、G193F、G193P、G193S、G193T、G193W、G193Y、G193V、P194A、P194R、P194N、P1
94D、P194C、P194E、P194Q、P194G、P194H、P194I、P194L、P194K、P194M、P194F、P194S、P194T、P194W、P194Y、P194V、E195A、E195R、E195N、E195D、E195C、E195Q、E195G、E195H、E195I、E195L、E195K、E195M、E195F、E195P、E195S、E195T、E195W、E195Y、および/またはE195Vからなる残基に対応するアミノ酸置換であって、この置換が少なくとも1つのエピトープ内に位置する1つ以上のアミノ酸置換を含む。別の実施態様として、少なくとも2つのアミノ酸置換が上記残基から選ばれ、これらの置換は異なるエピトープ内にある。その結果得られる変異体は、その前駆体プロテアーゼに比し、免疫原性反応の変化を示す。
一実施態様として、免疫原性反応の変化(免疫原性反応の増強もしくは免疫原性反応の低減)を示すプロテアーゼは、対象とするプロテアーゼから誘導される。一部の実施態様では、この対象とするプロテアーゼは野性型プロテアーゼであるが、その他の実施態様では、これは突然変異体、複合変異体(conjugated variant)、または対象エピトープ内にアミノ酸置換を有するハイブリッド変異体である。一部の実施態様として、この変異体は、個体もしくは集団において感作を引き起こすことができる。別の実施態様として、このエピトープは、エピトープおよび/または非エピトープを同定するために設計されたアッセイを用いて同定される。一部の好ましい実施態様として、この方法は、分化した樹状細胞を、未処置(naive)のヒトCD4+および/またはCD8+T細胞と、および対象とするペプチドと混合することを含む。より詳細には、対象とする免疫原性反応の低いペプチドであって、以下のステップ:(a)単一の血液供給源から樹脂状細胞の溶液および未処置CD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を得、(b)樹脂状細胞の分化を促進し、(c)分化樹脂状細胞および未処置(naive)CD4+および/またはCD8+T細胞の溶液を対象ペプチドと混合し、(d)ステップ(c)におけるT細胞の増殖を測定することを含めて、T細胞エピトープを識別できるペプチドを提供する。
本発明の一部の好ましい実施態様として、対象プロテアーゼの全体もしくは一部に対応する一連のペプチドオリゴマーを作製する。例えば、一部の特に好ましい実施態様として、当該蛋白質の適切な部分もしくは全体をカバーするペプチドライブラリーを作製する。一実施態様として、これらのペプチドを作製する方法は、このペプチドライブラリーに重複部分を導入することにある。一部の実施態様として、これは、第1のペプチドが対象蛋白質の1から15番目のアミノ酸配列に相当し、第2のペプチドが対象蛋白質の4から18番目のアミノ酸配列に相当し、第3のペプチドが対象蛋白質の7から21番目のアミノ酸配列に相当し、第4のペプチドが対象蛋白質の10から24番目のアミノ酸配列に相当するなどのようにして最終的に分子全体に対応する代表的なペプチド群を創出するものである。但し、本発明は、特定のペプチドのサイズもしくは重複に限定されるものではない。従って、他の長さおよび重複のペプチド(例えば、アミノ酸12個)も本発明に用いることができると考えられる。
本明細書に開示したアッセイ法により各ペプチドを個々に解析することによって、T細胞により認識されるエピトープの位置を正確に特定する手段を提供する。前記の例では、特定の1つのペプチドがその隣のペプチドよりも強い反応を示せば、エピトープのアンカー領域を3個のアミノ酸以内に特定することが容易になる。これらのエピトープの位置を決定した後に、ペプチドがその親蛋白質と異なるT細胞反応を生じるまで各エピトープ内のアミノ酸を変える手段を提供する。さらに、本発明は、T細胞エピトープが所望の低い作用強度を有し天然型での使用に適した蛋白質を同定する手段を提供する。
次に、一部の実施態様として、決定もしくは同定したエピトープを修飾して、対象蛋白質の潜在的な免疫原性を変化(例えば、増強もしくは低減)させる。一実施態様として、修飾される前のエピトープは、試料中のベースラインT細胞増殖より約3倍高いレベルのT細胞増殖を生じるが、修飾されると、このエピトープのT細胞増殖レベルは、試料中のベースライン増殖に比し、約3分の1未満、好ましくは約2分の1未満、最も好ましくはより低い、もしくはほぼ同等となる。別の実施態様として、修飾される前のエピトープは、試料中のベースラインT細胞増殖より約3分の1未満のレベルのT細胞増殖を生じるが、修飾されると、このエピトープのT細胞増殖レベルは、試料中のベースライン増殖に比し、約3倍超、好ましくは約2倍超、最も好ましくはより高い、もしくはほぼ同等となる。
エピトープの修飾には、種々の手段を用いることができる。例えば、エピトープのアミノ酸配列は、対象蛋白質のヒト・ホモログからの類似配列で置換することができる;エピトープのアミノ酸配列は、対象蛋白質の非ヒト・ホモログからの類似配列で置換することができ、この類似配列は、対象蛋白質よりも、T細胞エピトープの認識により生じる免疫原性(例えば、アレルゲン性)反応が弱い;エピトープのアミノ酸配列は、主要な三次構造の特性がエピトープとかなり類似しているが対象蛋白質よりもT細胞エピトープの認識により生じる免疫原性(例えば、アレルゲン性)反応が弱い配列で置換することができる;および/または、エピトープのアミノ酸配列は、対象蛋白質よりもT細胞エピトープの認識により生じる免疫原性(例えば、アレルゲン性)反応が弱い任意の配列で置換することができる。
エピトープの修飾が、所望する結果に応じて他の方法で実施できることについては、当業者であれば容易に理解できることは言うまでもないことであろう。例えば、自己抗原に対する自己免疫反応を変化させることを目的とする場合、炎症その他の反応の変化を低減させたり引き起こしたりするアミノ酸を用いてエピトープのアミノ酸配列を置換することが考えられる。
本発明は、免疫原性反応を調節することが所望されるあらゆる蛋白質に適用される。特に好ましい実施態様として、本発明は、プロテアーゼに対する免疫原性反応を調節する手段を提供する。さらに、本発明のプロテアーゼが、必ずしも未改変(native)の蛋白質およびペプチドであるとは限らないことは、当業者であれば容易に理解できるであろう。事実、本発明の一実施態様として、免疫原性反応の変化を示すシャッフル(shuffled)遺伝子が考えられる(ステマー(Stemmer)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、91:p10747(1994年);パッテンほか(Patten et al.)、カレント・オプ・バイオテクノロジー(Curr. Op. Biotechnol.)、8:p724(1997年);クックナー、アーノルド(Kuchner and Arnold)、トレンズ・イン・バイオテクノロジー(Trends Biotechnol.)、15:p523(1997年);ムーアほか(Moor et al.)、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)、272:p336(1997年);ザオほか(Zhao et al.)、ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnol.)、16:p258(1998年);ギバーほか(Giver et al.)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、95:p12809(1998年);ハラヤマ(Harayama)、トレンズ・イン・バイオテクノロジー(Trends Biotechnol.)、16:p76(1998年);リンほか(Lin et al.)、バイオテクノロジー・プログレス(Biotechnol. Pro.)、15:p467(1999年);サン(Sun)、ジャーナル・コンピュータ・バイオロジー(J. Comput. Biol.)、6:p77(1999年)参照)。従って、本発明は、蛋白質(例えば、プロテアーゼ)を改変してこの蛋白質に対する免疫原性反応を調節する手段を提供する。
本発明によるプロテアーゼは単離または精製することが望ましい。精製もしくは単離するとは、プロテアーゼを、自然界でこれが結合している天然成分の一部または全部からこれを分離することによりその自然の状態から変質させることを意味する。このような単離もしくは精製は、当該分野で知られている適切な手段(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性分離、透析、プロテアーゼ処理、硫酸アンモニウム沈殿その他の蛋白質塩沈殿、遠心、サイズ排除クロマトグラフィー、ろ過、精密ろ過、ゲル電気泳動、または傾斜分離(separation on a gradient)を用いて遂行できる。これらの方法によって、細胞全体、細胞砕片、不純物、外来性蛋白質、または最終組成物において不要な酵素が除去される。さらに、その後、このプロテアーゼ含有組成物に、その他の利点となる成分(例えば、活性化剤、抗阻害剤、好ましいイオン、pH調節化合物、またはセルラーゼなどの他の酵素)を加えることができる。
本発明は、上述のプロテアーゼの他に、免疫原性反応の変化、例えば、免疫原性反応の増強もしくは低下を示す変異体プロテアーゼを含む。蛋白質(例えば、プロテアーゼ)は、これによるT細胞反応が親(前駆体)蛋白質によるものより強い場合、免疫原性反応の増強を示す。この反応の増強により生じる最終的な結果は、変異体蛋白質を標的とする抗体の増加である。蛋白質は、これによるT細胞反応が親蛋白質によるものより弱い場合、免疫原性反応の低下を示す。この反応の低下により生じる最終的な結果は、変異体蛋白質を標的とする抗体の欠乏である。
変異体蛋白質の免疫原性反応の低下を確認するのに有用な例示的アッセイ法としては、遺伝子導入マウスモデルなどの生体内(in vivo)アッセイ(例えば、HLA−DR3/DQ2マウスT細胞反応)、ならびに生体外(in vitro)アッセイ(例えば、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)およびプロテアーゼ1(P1はBPN’−Y217Lプロテアーゼである)とその変異体を用いる方法)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。免疫原性反応の低下を確認するのに有用な生体内(in vivo)アッセイ法としては、遺伝子導入のマウス、ラット(タウログほか(Taurog et al.)、イムノロジカル・レビュー(Immunol. Rev.)、169:p209−223(1999年)、ウサギ、ブタその他の好適な動物種の使用が挙げられるが、これらに限定されるものではない。対象修飾蛋白質および変異体を生体内(in vivo)でテストし、免疫原性反応の低下を明らかにするための遺伝子導入マウスモデルは、HLA−DR3/DQ2マウスモデルである。この遺伝子導入マウスは、一般的なヒト集団によくみられるハプロタイプ(HLA−DR3/DQ2)を発現する。この動物は、二次免役器官のB細胞およびマクロファージ上にHLA−DR3を発現する。さらに、この動物では、ヒトT細胞と類似の方法で賦活化T細胞上のHLA−DR発現が上方制御される。この動物では、HLA−DQ2はHLA−DRよりも低いレベルで発現される(即ち、ヒトにおけるHLA分子の発現パターンと一致している)。本発明の開発中に実施した実験では、対象プロテアーゼエピトープは、細胞表面結合解析により、HLA−DQ2に結合することが明らかになった。
このマウスモデルと文献に記載されている他のHLA遺伝子導入マウスモデルとの間には相違があることは注目される。本発明者が用いるHLAマウスは、ヒトでみられるのと類似の仕方でHLA−DRおよびHLA−DQを発現する(即ち、HLA−DQの発現はかなり少なく、B細胞のLPS媒介性賦活化によって上方制御することができない)。これは、単一HLA導入遺伝子を高レベルで発現するよう選択された他の遺伝子導入動物と際だって対照的である。さらに、本発明の開発中に用いたマウスは、ヒトDQに相当する内因性I−Aabヘテロダイマー(グラスビーほか(Grusby et al.)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、90:p3913−3917(1993年)参照)を発現しないマウスI−Ab欠損マウスとかけ合わせた。このマウスは、HLA−DRアルファ鎖と対を形成できる分子であるマウスMHCクラスII I−Eベータ鎖をなお発現して、抗原提示細胞上に高レベルで発現されやすい混合性ダイマーを作る。他のHLA遺伝子導入マウスも報告されており、同様にして用いて、上記クラスIIハロタイプに対するに対する潜在的な免役反応の評価を行うことができた(ハーマンほか(Herman et al.)、ジャーナル・オブ・イムノロジー(J. Immunol.)、163:p6275−6282(1999年);ソンダーストラップほか(Sonderstrup et al.)、イムノロジカル・レビュー(Immunol. Rev.)、172:p335−343(1999年);およびタネジャ、デイビッド(Taneja and David)、イムノロジカル・レビュー(Immunol. Rev.)、169:p67−79(1999年))。
野性型プロテアーゼを修飾して、天然のアミノ酸配列を含む蛋白質により刺激される免疫原性反応を変化させることの他に、本発明は、さらに突然変異させた蛋白質(例えば、機能的活性を変化させるよう改変したプロテアーゼ)の免疫原性反応を低下させることを含む。多くの場合、所望の特性をもたらす(例えば、活性を増大させ、温度安定性を高め、アルカリ安定性および/または酸化安定性を高める)ようにプロテアーゼを突然変異させると、突然変異プロテアーゼ中に新たなエピトープが1つ以上組み込まれる。新たなT細胞エピトープの存在が明らかになり、この突然変異蛋白質の免疫原性反応を変化させる置換アミノ酸が決定されると、このような突然変異プロテアーゼは、免疫原性反応の変化を示す。
本発明は、いかなる特定の蛋白質あるいはプロテアーゼにも限定されるものではないが、本発明をはっきり理解できるようにするために、本明細書における説明は、プロテアーゼの修飾に焦点を当てている。特に、本説明は、ズブチリシンと呼ばれるセリンプロテアーゼに焦点を当てている。一連の天然ズブチリシンは、さまざまな微生物種によって産生され、多くの場合分泌されることが知られている。この系列のメンバーのアミノ酸配列は、完全には相同的でないが、この系列のズブチリシンは、同一または同様なタイプの蛋白質分解活性を示す。このクラスのセリンプロテアーゼは、これをキモトリプシン関連クラスのセリンプロテアーゼと区別させる触媒性三連構造を規定する共通のアミノ酸配列を共有している。ズブチリシンおよびキモトリプシン関連セリンプロテアーゼは共に、アスパルテート、ヒスチジンおよびセリンを含む触媒性三連構造を有している。ズブチリシンでは、アミノ末端からカルボキシ末端まで読み取られるこれらのアミノ酸の相対順序は、アスパルテート−ヒスチジン−セリンである。しかしながら、キモトリプシン関連プロテアーゼでは、その相対順序は、ヒスチジン−アスパルテート−セリンである。従って、本明細書に用いている「ズブチリシン」というのは、ズブチリシン関連プロテアーゼの触媒性三連構造を有するセリンプロテアーゼのことを意味する。例として、図3に含まれているズブチリシンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一般に、また、本発明のために、プロテアーゼのアミノ酸に付ける番号は、図1の成熟バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシン配列に付与した番号に対応する。
前駆体プロテアーゼの残基(アミノ酸)がバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシン内の特定の残基もしくはその残基の一部と相同である(即ち、一次もしくは三次構造が位置的に正しく一致している)か、類似している(即ち、化学的に結合、反応または相互作用する機能的能力が同じか同様である)場合、この前駆体プロテアーゼの残基は、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの残基と同等である。
一次構造の相同性を立証するためには、前駆体プロテアーゼのアミノ酸配列を、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの一次構造、および特に、配列が分かっているズブチリシンにおいて不変であることが知られている一連の残基と直接比較する。この保存された残基について、配列を維持する(即ち、任意の欠失および挿入による保存残基の排除を避ける)ために必要な挿入および欠失を考慮し、位置合わせを行うと、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの一次配列の特定のアミノ酸と同等な残基が明らかになる。保存残基の配列は、好ましくは、このような残基の100%を保存していなければならない。但し、本発明は、保存残基の90%超、75%超および50%超の配列を伴う実施態様をも包含する。というのは、前駆体プロテアーゼが本明細書で説明したような免疫原性反応の低下を示すという条件で、これらも同等な残基を明らかにするのに十分であるからである。特に好ましい実施態様として、Asp32/His64/Ser221の触媒性三連構造の保存は維持する。本発明における全てのアミノ酸の略語および1文字符号は、ジーンバンク(GeneBank)およびパテントイン(PatentIn)によって用いられているような標準的な符号である。
従って、保存残基は、免疫原性反応が同じであるか変化を示す他のズブチリシンにおいてバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの対応する同等のアミノ酸残基を明らかにするのに用いられる。これらのズブチリシンのいくつかについてそのアミノ酸配列をバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの配列に合わすことにより、保存残基の相同性が最大となる。
相同性配列は、「配列比較アルゴリズム」を用いることによっても明らかにすることができる。比較のための配列の最適な位置合わせは、例えば、スミス(Smith)とウォーターマン(Waterman)のローカル・ホモロジー・アルゴリズム(local homology algorithm)(スミス(Smith)、ウォーターマン(Waterman)、アドバンシズ・イン・アプライド・マセマティックス(Adv. Appl. Math.)、2:p482(1981年))、ニードルマン(Needleman)とブンシュ(Wunsch)のホモロジー・アラインメント・アルゴリズム(homology alignment algorithm)(ニードルマン(Needleman)、ブンシュ(Wunsch)、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)、48:p443(1970年))、ピアソン(Pearson)とリップマン(Lipman)のサーチ・フォ・シミラリティ・メソッド(search for similarity method)(ピアソン(Pearson)、リップマン(Lipman)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、85:p2444(1988年))、これらアルゴリズムの実施のコンピュータ化(例えば、ウィスコンシン・ジェネティックス・ソフトウェア・パッケージ(Wisconsin Genetics Software Package)、ジェネティックス・コンピュータ・グループ(Genetics Computer Group)、マジソン(Madison)、WI)のGAP、BESTFIT、およびTFASTA)、または目視検査によって実施することができる。
配列類似性を決定するのに適したアルゴリズムの例は、BLASTアルゴリズムである(アルシュルほか(Altschul et al.)、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)、215:p403−410(1990年)参照)。BLAST解析を遂行するためのソフトウェアは、ナショナル・センター・フォ・バイオテクノロジー・インフォメーション(National Center for Biotechnology Information)から公的に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース中の同じ長さのワードに合わせた時、ポジティブ評価の閾値スコア「T」にマッチするか満足させるクエリー配列中の長さ「W」のショートワードを特定することにより、高得点配列対(HSPs)を先ず特定するものである。これらの最初の近傍ワードのヒットは、これらを含むより長いHSPsを見いだすための出発点として機能する。このワードヒットは、累積的位置合わせスコアが増加しうる範囲では、比較されている2つの配列のそれぞれに沿って両方向に拡張される。このワードヒットの拡張が停止するのは、累積的位置合わせスコアが最大到達値から量「X」だけ低下した場合、この累積的スコアがゼロ以下になった場合、あるいは、いずれかの配列の末端に達した場合である。BLASTアルゴリズムのパラメータ「W」、「T」および「X」は、位置合わせの感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W)11、BLOSUM62得点マトリックス(ヘニコフ(Henikoff)、ヘニコフ(Henikoff)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、89:p10915(1989年)参照)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M’5、N’−4、および両ストランドの比較を用いる。
次いで、BLASTアルゴリズムは、2つの配列の類似性について統計解析を実行する(例えば、カーリン(Karlin)、アルトシュル(Altschul)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、90:p5873−5787(1993)参照)。BLASTアルゴリズムにより得られる類似性の1つの目安は、合計確率(sum probability)の最小値(P(N))であり、これが、2つのヌクレオチドもしくはアミノ酸配列間の一致が偶然起こる確率の判定の指標となる。例えば、テストアミノ酸配列とプロテアーゼのような蛋白質のアミノ酸配列との比較における合計確率の最小値が約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、アミノ酸配列は、プロテアーゼのような蛋白質と同様と考えられる。
一部の実施態様として、「同等の残基」は、前駆体蛋白質の、X線結晶学的に決定した三次構造のレベルで相同性を測定することにより明らかにされる。同等の残基は、当該プロテアーゼおよびバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンのような前駆体蛋白質の特定のアミノ酸残基の2個以上の主鎖原子の原子座標(N対N、CA対CA、C対CおよびO対O)が位置合わせ後に0.13nm、好ましくは0.1nm以内であるものと定義される。位置合わせは、当該プロテアーゼのような蛋白質のバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンに対する非水素蛋白質原子の原子座標について最大の重複を生じるように最良のモデルが配向、配置された後に、達成される。この最良のモデルは、利用できる最高の解像度において回折実験データの最低のRファクターが得られる結晶学的なモデルである。
バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの特定の残基と機能的に同等である同等な残基とは、この前駆体プロテアーゼのアミノ酸であって、これらのアミノ酸が、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの特定の残基に限定されこれに起因する仕方で、蛋白構造、基質結合もしくは触媒作用を変化させ、修飾し、または導くような高次構造をとることができる、前駆体プロテアーゼのアミノ酸と定義される。さらに、これらは、所与の残基の主鎖原子は相同の位置を占めることに基づく同等の基準を満たさないこともあるが、この残基の少なくとも2個の側鎖原子の原子座標がバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの対応する側鎖原子の0.13nmにあるという範囲の位置を占める前駆体蛋白質、例えば、(X線結晶学的に三次構造が得られている)プロテアーゼの残基である。バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの三次元構造の座標は、EPO公開第0251446号(引用により本明細書に組み込まれている米国特許第5,182,204号に対応)に記載されており、前述のようにして、三次構造のレベルで同等の残基を決定するのに用いることができる。
また、本発明は、前駆体アミノ酸配列(例えば、「野性型」もしくは「未改変」蛋白質)と比較してアミノ酸配列の変化を有する蛋白質(例えば、プロテアーゼ)誘導体および/またはそのペプチド断片を包含する。好ましい実施態様として、この誘導体蛋白質は、その前駆体蛋白質の特徴的な性質を保持しているが、ある特定の側面でさらに特性が変化している。例えば、一部の実施態様として、プロテアーゼ誘導体は、pH最適条件が拡大し、温度および/または酸化安定性が増大するが、基質に対する特徴的な活性は保持している。同様に、本発明によるその他の誘導体は、カルシウム結合能を大きく低下または増大させるようにカルシウム結合ドメインを付加、除去あるいは修飾したものを含む。同様に、触媒的蛋白分解性ドメインを、プロテアーゼと共に作用するように、付加、除去あるいは修飾することができる。一部の実施態様として、プロテアーゼ誘導体をコードするDNA断片であって、その発現されたプロテアーゼ誘導体が機能的活性を保持しているDNA断片から誘導体を得ることも意図している。前駆体DNA配列のこのような修飾の好適な方法としては、本明細書に開示した方法、および当業者に知られている方法(例えば、ヨーロッパ特許第0328299号および国際公開第WO89/06279号参照)が挙げられる。一部の実施態様では置換、挿入もしくは削除のために特定した残基の一部は保存残基であるが、その他の実施態様では、そうではない。
好ましい実施態様として、修飾は、前駆体酵素のアミノ酸をコードしている「前駆体DNA配列」に対して行うことが好ましいが、この前駆体蛋白質を操作することによっても行うことができる。前駆体DNA配列の例としては、BPN’、BPN’−Y217L、BPN’−Y217L、N76D、I122A、BPN’−I122Aが挙げられるが、これらに限定されるものではない。保存されていない残基の場合、1種以上のアミノ酸の置換は、天然に存在する配列に相当しないアミノ酸配列を有する変異体を生じる置換に限定される。保存された残基の場合、このような置換は、天然の配列をもたらさないはずである。さらに、本発明により提供される誘導体は、プロテアーゼの特性を変化させる化学的修飾を含む。
一部の好ましい実施態様として、蛋白質遺伝子は、適切な発現プラスミド中に結合させる。次いで、このクローン化した蛋白質遺伝子を用いて宿主細胞を形質転換または形質移入し、蛋白質遺伝子を発現する。上記プラスミドは、これがプラスミド複製に必要なよく知られたエレメントを含有しているという意味で宿主内で複製することができ、あるいは宿主染色体中に組み込まれるように設計することができる。この必要なエレメントは、効率的な遺伝子発現のために備えられている(例えば、目的の遺伝子に作動可能なように結合したプロモータ)。一部の実施態様として、この必要なエレメントは、認識される(即ち、その宿主細胞により転写される)場合上記遺伝子自体の同種プロモータとして、また、外来性か蛋白質遺伝子の内在性転写ターミネータ領域からの転写ターミネータ(真核宿主細胞のポリアデニル化領域)として与えられる。一部の実施態様として、抗生物質含有メジウムで増殖させてプラスミド感染宿主細胞の連続的な培養維持を可能にする抗生物質抵抗性遺伝子のような選択遺伝子も含まれる。
一部の実施態様として、当該遺伝子はB・アミロリケファシエンスからの天然(即ち、未改変)遺伝子である。あるいは、天然または突然変異前駆体蛋白質をコードする合成遺伝子を作製することもできる。このようなアプローチでは、前駆体蛋白質のDNAおよび/またはアミノ酸配列を決定する。次いで、複数の重複する合成一本鎖DNA断片を合成し、これらをハイブリッド形成および結合させると、前駆体蛋白質をコードする合成DNAが得られる。合成遺伝子構築の例は、米国特許第5,204,015号の実施例3に記載されており、この特許の開示内容は引用により本明細書に組み込まれている。
天然または合成前駆体蛋白質遺伝子が一旦クローン化されると、この前駆体蛋白質の合成以外にこの遺伝子の利用を広げるためのいくつかの修飾が行われる。このような修飾としては、米国特許第4,760,025号(再発行特許第34,606号)およびヨーロッパ公開特許第0251446号に記載されているような組み換え蛋白質の作製、ならびに本明細書に開示した蛋白質変異体の作製が挙げられる。
蛋白質変異体の作製は、任意の好適な方法を用いて行うことを意図している。例えば、多種多様な異なる突然変異誘発技法が当業者によく知られている。また、突然変異誘発用キットは、多くの分子生物学用品市販業者から入手可能である。さらに、限定したアミノ酸における特異的置換(部位特異的)、遺伝子の局在部位における特異的もしくはランダム突然変異誘発(領域特異的)、または遺伝子全体にわたるランダム突然変異誘発(飽和突然変異誘発)を行う方法も利用可能である。PCRを用いた一本鎖もしくは二本鎖DNAの部位特異的突然変異誘発、カセット突然変異誘発、遺伝子合成、誤りがちな(error−prone)PCR、および化学的飽和突然変異誘発は全て所望の蛋白質変異体を作製するのに用いることができる技術である。変異体を作製した後、所望の性質(例えば、免疫原性反応の変化もしくは低下、温度もしくはアルカリ安定性の増大)についてこれをスクリーニングすることができる。
本発明の一態様において、その目的は、前駆体蛋白質との比較で潜在的な免疫原性反応の変化を示す変異体蛋白質を獲得することである。本発明は、蛋白質により生じる免疫原性反応を低下させるのに有用であるが、本明細書に記載した突然変異法を当該分野で知られている突然変異法と併用することにより、前駆体との比較で、温度安定性の変化および/または基質特異性の変化、活性の改変、比活性の改善あるいはアルカリ安定性の変化がもたらされる。
従って、本発明は、B・アミロリケファシエンスの25番目から39番目の残基を含むT細胞エピトープのT細胞増殖誘発能を変化させることを対象としている。本発明の実施態様は、B・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、および195番目残基位置のうちの1つ位置において、少なくとも1種の修飾(例えば、置換および/または削除)を行うことを含む。別の実施態様として、本発明は、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、および39番目残基位置のうちの2つ以上個所における修飾を提供する。さらに別の実施態様として、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、および39番目残基位置から選ばれる2乃至10個所の位置において、修飾を行う。さらにまた別の実施態様は、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、および39番目残基位置から選ばれる2乃至5個所の位置における修飾を含む。さらに、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンのアミノ酸残基25番目から39番目、88番目から102番目、154番目から177番目、および181番目から195番目に相当する領域におけるここで開示した突然変異法との組合せにおいて、本発明は、必要に応じて、残基位置76において、および/または必要に応じてバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの残基位置3、31、40、41、50、103、104、159、232、236、245、248、252、107、111、122、147、218、206、および/または217番目に相当する位置からなる群から選ばれる1個所以上の置換とも組み合わせて、突然変異(例えば、置換)させることを意図している。
さらに、本発明は、置換残基の組合せを提供する。この組合せとしては、例えば、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの残基位置:25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、および195番目に相当する少なくとも2残基、少なくとも3残基、少なくとも4残基、少なくとも5残基、少なくとも2乃至5残基、および少なくとも2乃至10残基の組合せが挙げられ、必要に応じて、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの残基位置:3、31、40、41、50、103、104、159、232、236、245、248、252、107、111、122、147、218、206、および/または217番目に相当する位置からなる群から選ばれる1個所以上の置換と組み合わせる。このような突然変異は、この酵素の全般的な安定性および/または蛋白質分解活性を調節するためばかりでなく、本発明の変異体蛋白質の潜在的アレルゲン性を低減させるのに用いられる。
より詳細には、この特定の置換は、22種のアミノ酸全て、例えば、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンのアミノ酸残基アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、および/またはバリン(但し、これらに限定されるものではない)のうちの少なくとも1種の修飾(例えば、置換)(例えば、N25A、N25R、N25D、N25C、N25E、N25Q、N25G、N25H、N251、N25L、N25K、N25M、N25F、N25P、N25S、N25T、N25W、N25Y、N25V、V26A、V26R、V26N、V26D、V26C、V26E、V26Q、V26G、V26H、V26I、V26L、V26K、V26M、V26F、V26P、V26S、V26T、V26W、V26Y、K27A、K27R、K27N、K27D、K27C、K27E、K27Q、K27G、K27H、K27I、K27L、K27M、K27F、K27P、K27S、K27T、K27W、K27Y、K27V、V28A、V28R、V28N、V28D、V28C、V28E、V28Q、V28G、V28H、V28I、V28L、V28K、V28M、V28F、V28P、V28S、V28T、V28W、V28Y、A29R、A29N、A29D、A29C、A29E、A29Q、A29G、A29H、A29I、A29L、A29K、A29M、A29F、A29P、A29S、A29T、A29W、A29Y、A29V、V30A、V30R、V30N、V30D、V30C、V30E、V30Q、V30G、V30H、V30I、V30L、V30K、V30M、V30F、V30P、V30S、V30T、V30W、V30Y、I31A、I31R、I31N、I31D、I31C、I31E、I31Q、I31G、I31H、I31L、I31K、I31M、I31F、I31P、I31S、I31T、I31W、I31Y、I31V、D32A、D32R、D32N、D32C、D32E、D32Q、D32G、D32H、D32I、D32L、D32K、D32M、D32F、D32P、D32S、D32T、D32W、D32Y、D32V、S33A、S33R、S33N、S33D、S33C、S33E、S33Q、S33G、S33H、S33I、S33L、S33K、S33M、S33F、S33P、S33T、S33W、S33Y、S33V、G34A、G34R、G34N、G34D、G34C、G34E、G34Q、G34H、G34I、G34L、G34K、G34M、G34F、G34P、G34S、G34T、G34W、G34Y、G34V、I35A、I35R、I35N、I35D、I35C、I35E、I35Q、I35G、I35H、I35L、I35K、I35M、I35F、I35P、I35S、I35T、I35W、I35Y、I35V、D36A、D36R、D36N、D36C、D36E、D36Q、D36G、D36H、D36I、D36L、D36K、D36M、D36F、D36P、D36S、D36T、D36W、D36Y、D36V、S37A、S37R、S37N、S37D、S37C、S37E、S37Q、S37G、S37H、S37I、S37L、S37K、S37M、S37F、S37P、S37T、S37W、S37Y、S37V、S38A、S38R、S38N、S38D、S38C、S38E、S38Q、S38G、S38H、S38I、S38L、S38K、S38M、S38F、S38P、S38T、S38W、S38Y、S38V、H39A、H39R、H39N、H39D、H39C、H39E、H39Q、H39G、H39I、H39L、H39K、H39M、H39F、H39P、H39S、H39T、H39W、H39Y、H39V、A88R、A88N、A88D、A88C、A88E、A88Q、A88G、A88H、A88I、A88L、A88K、A88M、A88F、A88P、A88S、A88T、A88W、A88Y、A88V、S89A、S89R、S89N、S89D、S89C、S89E、S89Q、S89G、S89H、S89I、S89L、S89K、S89M、S89F、S89P、S89T、S89W、S89Y、S89V、L90A、L90R、L90N、L90D、L90C、L90E、L90Q、L90G、L90H、L90I、L90K、L90M、L90F、L90P、L90S、L90T、L90W、L90Y、L90V、Y91A、Y91R、Y91N、Y91D、Y91C、Y91E、Y91Q、Y91G、Y91H、Y91I、Y91L、Y91K、Y91M、Y91F、Y91P、Y91S、Y91T、Y91W、Y91V、A92R、A92N、A92D、A92C、A92E、A92Q、A92G、A92H、A92I、A92L、A92K、A92M、A92F、A92P、A92S、A92T、A92W、A92Y、A92V、V93A、V93R、V93N、V93D、V93C、V93E、V93Q、V93G、V93H、V93I、V93L、V93K、V93M、V93F、V93P、V93S、V93T、V93W、V93Y、K94A、K94R、K94N、K94D、K94C、K94E、K94Q、K94G、K94H、K94I、K94L、K94M、K94F、K94P、K94S、K94T、K94W、K94Y、K94V、V95A、V95R、V95N、V95D、V95C、V95E、V95Q、V95G、V95H、V95I、V95L、V95K、V95M、V95F、V95P、V95S、V95T、V95W、V95Y、L96A、L96R、L96N、L96D、L96C、L96E、L96Q、L96G、L96H、L96I、L96K、L96M、L96F、L96P、L96S、L96T、L96W、L96Y、L96V、G97A、G97R、G97N、G97D、G97C、G97E、G97Q、G97H、G97I、G97L、G97K、G97M、G97F、G97P、G97S、G97T、G97W、G97Y、G97V、A98R、A98N、A98D、A98C、A98E、A98Q、A98G、A98H、A98I、A98L、A98K、A98M、A98F、A98P、A98S、A98T、A98W、A98Y、A98V、D99A、D99R、D99N、D99C、D99E、D99Q、D99G、D99H、D99I、D99L、D99K、D99M、D99F、D99P、D99S、D99T、D99W、D99Y、D99V、G100A、G100R、G100N、G100D、G100C、G100E、G100Q、G100H、G100I、G100L、G100K、G100M、G100F、G100P、G100S、G100T、G100W、G100Y、G100V、S101A、S101R、S101N、S101D、S101C、S101E、S101Q、S101G、S101H、S101I、S101L、S101K、S101M、S101F、S101P、S101T、S101W、S101Y、S101V、G102A、G102R、G102N、G102D、G102C、G102E、G102Q、G102H、G102I、G102L、G102K、G102M、G102F、G102P、G102S、G102T、G102W、G102Y、G102V、G154A、G154R、G154N、G154D、G154C、G154E、G154Q、G154H、G154I、G154L、G154K、G154M、G154F、G154P、G154S、G154T、G154W、G154Y、G154V、N155A、N155R、N155D、N155C、N155E、N155Q、N155G、N155H、N155I、N155L、N155K、N155M、N155F、N155P、N155S、N155T、N155W、N155Y、N155V、E156A、E156R、E156N、E156D、E156C、E156Q、E156G、E156H、E156I、E156L、E156K、E156M、E156F、E156P、E156S、E156T、E156W、E156Y、E156V、G157A、G157R、G157N、G157D、G157C、G157E、G157Q、G157H、G157I、G157L、G157K、G157M、G157F、G157P、G157S、G157T、G157W、G157Y、G157V、T158A、T158R、T158N、T158D、T158C、T158E、T158Q、T158G、T158H、T158I、T158L、T158K、T158M、T158F、T158P、T158S、T158W、T158Y、T158V、S159A、S159R、S159N、S159D、S159C、S159E、S159Q、S159G、S159H、S159I、S159L、S159K、S159M、S159F、S159P、S159T、S159W、S159Y、S159V、G160A、G160R、G160N、G160D、G160C、G160E、G160Q、G160H、G160I、G160L、G160K、G160M、G160F、G160P、G160S、G160T、G160W、G160Y、G160V、S161A、S161R、S161N、S161D、S161C、S161E、S161Q、
S161G、S161H、S161I、S161L、S161K、S161M、S161F、S161P、S161T、S161W、S161Y、S161V、S162A、S162R、S162N、S162D、S162C、S162E、S162Q、S162G、S162H、S162I、S162L、S162K、S162M、S162F、S162P、S162T、S162W、S162Y、S162V、S163A、S163R、S163N、S163D、S163C、S163E、S163Q、S163G、S163H、S163I、S163L、S163K、S163M、S163F、S163P、S163T、S163W、S163Y、S163V、T164A、T164R、T164N、T164D、T164C、T164E、T164Q、T164G、T164H、T164I、T164L、T164K、T164M、T164F、T164P、T164S、T164W、T164Y、T164V、V165A、V165R、V165N、V165D、V165C、V165E、V165Q、V165G、V165H、V165I、V165L、V165K、V165M、V165F、V165P、V165S、V165T、V165W、V165Y、G166A、G166R、G166N、G166D、G166C、G166E、G166Q、G166H、G166I、G166L、G166K、G166M、G166F、G166P、G166S、G166T、G166W、G166Y、G166V、Y167A、Y167R、Y167N、Y167D、Y167C、Y167E、Y167Q、Y167G、Y167H、Y167I、Y167L、Y167K、Y167M、Y167F、Y167P、Y167S、Y167T、Y167W、Y167V、P168A、P168R、P168N、P168D、P168C、P168E、P168Q、P168G、P168H、P168I、P168L、P168K、P168M、P168F、P168S、P168T、P168W、P168Y、P168V、G169A、G169R、G169N、G169D、G169C、G169E、G169Q、G169H、G169I、G169L、G169K、G169M、G169F、G169P、G169S、G169T、G169W、G169Y、G169V、K170A、K170R、K170
N、K170D、K170C、K170E、K170Q、K170G、K170H、K170I、K170L、K170M、K170F、K170P、K170S、K170T、K170W、K170Y、K170V、Y171A、Y171R、Y171N、Y171D、Y171C、Y171E、Y171Q、Y171G、Y171H、Y171I、Y171L、Y171K、Y171M、Y171F、Y171P、Y171S、Y171T、Y171W、Y171V、P172A、P172R、P172N、P172D、P172C、P172E、P172Q、P172G、P172H、P172I、P172L、P172K、P172M、P172F、P172S、P172T、P172W、P172Y、P172V、S173A、S173R、S173N、S173D、S173C、S173E、S173Q、S173G、S173H、S173I、S173L、S173K、S173M、S173F、S173P、S173T、S173W、S173Y、S173V、V174A、V174R、V174N、V174D、V174C、V174E、V174Q、V174G、V174H、V174I、V174L、V174K、V174M、V174F、V174P、V174S、V174T、V174W、V174Y、I175A、I175R、I175N、I175D、I175C、I175E、I175Q、I175G、I175H、I175L、I175K、I175M、I175F、I175P、I175S、I175T、I175W、I175Y、I175V、A176R、A176N、A176D、A176C、A176E、A176Q、A176G、A176H、A176I、A176L、A176K、A176M、A176F、A176P、A176S、A176T、A176W、A176Y、A176V、V177A、V177R、V177N、V177D、V177C、V177E、V177Q、V177G、V177H、V177I、V177L、V177K、V177M、V177F、V177P、V177S、V177T、V177W、V177Y、D181A、D181R、D181N、D181C、D181E、D181Q、D181G、D181H、D181I、D181L、D181K、D181M、D181F、D181P、D181S、D181T、D181W、D1
81Y、D181V、S182A、S182R、S182N、S182D、S182C、S182E、S182Q、S182G、S182H、S182I、S182L、S182K、S182M、S182F、S182P、S182T、S182W、S182Y、S182V、S183A、S183R、S183N、S183D、S183C、S183E、S183Q、S183G、S183H、S183I、S183L、S183K、S183M、S183F、S183P、S183T、S183W、S183Y、S183V、N184A、N184R、N184D、N184C、N184E、N184Q、N184G、N184H、N184I、N184L、N184K、N184M、N184F、N184P、N184S、N184T、N184W、N184Y、N184V、Q185A、Q185R、Q185N、Q185D、Q185C、Q185E、Q185G、Q185H、Q185I、Q185L、Q185K、Q185M、Q185F、Q185P、Q185S、Q185T、Q185W、Q185Y、Q185V、R186A、R186N、R186D、R186C、R186E、R186Q、R186G、R186H、R186I、R186L、R186K、R186M、R186F、R186P、R186S、R186T、R186W、R186Y、R186V、A187R、A187N、A187D、A187C、A187E、A187Q、A187G、A187H、A187I、A187L、A187K、A187M、A187F、A187P、A187S、A187T、A187W、A187Y、A187V、S188A、S188R、S188N、S188D、S188C、S188E、S188Q、S188G、S188H、S188I、S188L、S188K、S188M、S188F、S188P、S188T、S188W、S188Y、S188V、F189A、F189R、F189N、F189D、F189C、F189E、F189Q、F189G、F189H、F189I、F189L、F189K、F189M、F189P、F189S、F189T、F189W、F189Y、F189V、S190A、S190R、S190N、S190D、S190C、S190E、S190Q、S190G、S190H、S190I、S190L、S190K、S190M、
S190F、S190P、S190T、S190W、S190Y、S190V、Q191A、Q191R、Q191N、Q191D、Q191C、Q191E、Q191G、Q191H、Q191I、Q191L、Q191K、Q191M、Q191F、Q191P、Q191S、Q191T、Q191W、Q191Y、Q191V、Y192A、Y192R、Y192N、Y192D、Y192C、Y192E、Y192Q、Y192G、Y192H、Y192I、Y192L、Y192K、Y192M、Y192F、Y192P、Y192S、Y192T、Y192W、Y192V、G193A、G193R、G193N、G193D、G193C、G193E、G193Q、G193H、G193I、G193L、G193K、G193M、G193F、G193P、G193S、G193T、G193W、G193Y、G193V、P194A、P194R、P194N、P194D、P194C、P194E、P194Q、P194G、P194H、P194I、P194L、P194K、P194M、P194F、P194S、P194T、P194W、P194Y、P194V、E195A、E195R、E195N、E195D、E195C、E195Q、E195G、E195H、E195I、E195L、E195K、E195M、E195F、E195P、E195S、E195T、E195W、E195Y、および/またはE195V)を含む。本発明の他の実施態様は、上述の置換された残基の種々の組合せを提供する。別の実施態様として、本発明は、単独またはこのズブチリシンの他の修飾との組合せで存在することができる更なる置換N76D、I122Aおよび/またはY217Lを提供する。
前記変異体蛋白質で得られたスクリーニング結果に基づき、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの上記に列挙した突然変異の少なくとも一部は、これら酵素の蛋白質分解作用、性能および/または安定性、ならびにこのような変異体酵素の清浄もしくは洗浄性能およびその他の用途に重要であると考えられる。
上述の点突然変異の他に、2種の相同性蛋白質を融合してもT細胞エピトープを除去することができる。以下に例示するように、T細胞エピトープが存在する部分の領域は、T細胞エピトープを持たない相同性蛋白質の同じ領域で置換することができる。一実施態様として、B・レンツスのプロテアーゼとそのB・アミロリケファシエンス相同体を用いて融合蛋白質を作製すると、得られる蛋白質は親のB・レンツス・プロテアーゼに存在するT細胞エピトープを有しない。所望の活性が維持される限り、エピトープのみから蛋白質の大部分に至るまでどんな長さの配列も親蛋白質に融合することができる。しかしながら、元のレベルの活性が維持される必要はない。得られる蛋白質のアレルゲン性が低いので、親蛋白質よりハイブリッド蛋白質を多く用いることにより同じ活性レベルを得ることが可能な場合があるからである。
変異体プロテアーゼの活性は、プロテアーゼと市販の種々の基質との相互作用を調べることによって、測定し、対象プロテアーゼとの比較を行うことができる。このような基質としては、カゼイン、ケラチン、エラスチンおよびコラーゲンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。実際には、プロテアーゼ活性は、当該分野で知られているどんな適切な方法によっても測定することができる。プロテアーゼ活性を測定するための例示的なアッセイ法としては、サクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−パラ−ニトロアニリド(SAAPFpNA)(引用)アッセイ、および2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(TNBS)アッセイが挙げられるが、これらに限定されるものではない。SAAPFpNAアッセイでは、プロテアーゼによりペプチド、パラ−ニトロアニリン間の結合が開裂され、405nmで吸収を示す目に見える黄色が生じる。TNBS呈色反応法では、このアッセイにより、基質のアミノ基含有ポリペプチドへの酵素的加水分解を測定する。このアミノ基は、TNBSと反応して黄色の複合体を形成する。従って、反応による色が濃くなればなるほど、測定される活性は高い。この黄色は、当該分野で知られている種々のアナライザーもしくはスペクトロメータにより測定することができる。
変異体蛋白質の他の特性も当業者に知られている方法によって測定することができる。例示的な特性としては、熱安定性、アルカリ安定性、および種々の基質もしくは緩衝溶液またはプロダクト組成物における特定プロテアーゼの安定性が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に開示した酵素安定性アッセイ法と組み合わせると、酵素活性を維持しながらアルカリまたは温度安定性の増加あるいは低減を示した、ランダム突然変異により得られる突然変異体を同定することができる。
アルカリ安定性は、既知の方法あるいは本明細書に記載した方法により測定することができる。アルカリ安定性の実質的な変化は、前駆体カルボニルヒドロラーゼと比較した場合の突然変異体酵素活性の半減期が、少なくとも約5%以上増大または減少(多くの実施態様では増大であることが好ましい)することによって証明される。ズブチリシンの場合、アルカリ安定性は、変化するpHにおけるズブチリシン酵素活性の関数として求めることができる。
温度安定性も、既知の方法あるいは本明細書に記載した方法により測定することができる。温度安定性の実質的な変化は、前駆体カルボニルヒドロラーゼと比較して、比較的高温および中性pHにさらした場合の突然変異体の触媒作用の半減期が、少なくとも約5%以上増大または減少(多くの実施態様では増大であることが好ましい)することによって証明される。ズブチリシンの場合、温度安定性は、温度の上昇およびpHの変化によるズブチリシンの自己蛋白分解性劣化により測定する。
本発明の蛋白質変異体の多くは、種々の界面活性剤組成物を作るのに役立つ。いくつかの既知の化合物は、本発明の蛋白質突然変異体を含む組成物に有用な好適な界面活性剤である。このようなものとして、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、陰イオンまたは両性イオン性界面活性剤が挙げられる(例えば、米国特許第4,404,128号および米国特許第4,261,868号参照)。好適な界面活性剤組成物には米国特許第5,204,015号の実施例7(引用により本明細書に組み込み済み)に開示されたものがある。清浄用組成物として用いられるこれらの種々の組成物については当業者によく知られている。通常の清浄用組成物の他に、本発明の蛋白質変異体が、未改変または野性型蛋白質が使用されるどの用途にも用いられることは、容易に理解されよう。従って、この変異体は、例えば、固形もしくは液体石鹸用途、食器洗い用組成物、表面清浄用途、コンタクトレンズ清浄溶液もしくは製品、ペプチド加水分解、廃棄物処理、繊維製品用途において、また、蛋白質産生の融合−開裂酵素などとして用いることができる。実際には、本発明の変異体は、どの特定の用途にも限定されるものではない。例えば、本発明の変異体は、アレルゲン性の低減の他に、(その前駆体と比べ)洗剤組成物の性能向上を示すこともできる。本明細書に用いられている、洗剤における性能の向上とは、標準的な洗濯サイクルの後の日常的な評価によって明らかにされるように、酵素の作用を受けやすい汚れ(例えば、草や血液)の洗浄を向上させること定義される。
本発明の蛋白質、特にプロテアーゼは、約0.01乃至約5重量%(好ましくは0.1重量%乃至0.5重量%)の濃度でpH6.5乃至12.0を有する既知の粉末状および液状洗剤中に配合することができる。一部の実施態様として、さらに、こうした洗剤清浄用組成物は、ビルダーおよび安定化剤ばかりでなく、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、エンドグルコシダーゼなどの他の酵素を含む。
従来の清浄用組成物に本発明の蛋白質、特にプロテアーゼを添加しても用途になんら特別な制約を生じない。言い換えれば、洗剤に都合のよいどんな温度およびpHも、そのpHが上記の範囲内であり、その温度がこの開示した蛋白質の改変温度より低い限りは、本発明の組成物にも都合がよい。さらに、本発明の蛋白質は、洗剤を用いない清浄用組成物において、再び単独あるいはビルダーおよび安定化剤の共に用いることができる。
一実施態様として、本発明は、本発明の変異体蛋白質を含む、繊維製品処理用の組成物を提供する。この組成物は、例えば、絹もしくは羊毛を処理するのに用いることができる(例えば、RD216,034、ヨーロッパ特許第134,267号、米国特許第4,533,359号、ヨーロッパ特許第344,259号参照)。この変異体は、当該分野でよく知られている方法により蛋白質分解活性をスクリーニングすることができる。好ましいプロテアーゼ変異体は、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの76、79および/または122番目残基に対応する位置に複数の置換を含む。
本発明の蛋白質は、前駆体DNAによりコードされた未処置(naive)蛋白質と比較して免疫原性反応が改良されている。一部の実施態様として、この蛋白質(例えば、プロテアーゼ)は、アレルゲン性の低下を示す。本発明のプロテアーゼの用途が主にこの蛋白質の免疫学的性質に基づいて決定されることは、当業者によって容易に理解されよう。例えば、免疫原性反応の低下を示すプロテアーゼは、清浄用組成物に用いることができる。蛋白質性の汚れの除去を必要としている種々の表面を清浄するのに有用な組成物に、本明細書に開示した、有効量の一種以上のプロテアーゼ変異体が用いられる。このような清浄用組成物としては、硬質表面清浄用洗剤組成物、繊維製品清浄用洗剤組成物、食器洗い用組成物、口腔内清浄用組成物および入れ歯清浄用組成物が挙げられる。
本明細書に開示した、有効量の一種以上のプロテアーゼ変異体は、爪および毛髪などのケラチン物質に塗布される組成物にも含有させることができる。このような組成物としては、ヘアスプレー組成物、ヘアシャンプーおよび/またはコンディショニング組成物、発毛調節のために塗布される組成物、脂漏症、皮膚炎および/またはふけ治療のために毛髪および頭皮に塗布される組成物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書に開示した、有効量の一種以上のプロテアーゼ変異体は、皮膚もしくは毛髪への局所塗布に適した組成物に用いられる。この組成物は、クリーム、ローション、ジェルなどの形態をとることができ、水性組成物として形成することができ、あるいは水性連続相中に1つ以上の油相を有するエマルジョンとして形成することができる。
スキンケア・アクティブ
一実施態様として、本発明により提供される組成物は、約0.1重量%乃至約20重量%、好ましくは約1重量%乃至約10重量%、より好ましくは約2重量%乃至約8重量%のレベルでスキンケア・アクティブを含む。本明細書の用途に好適なスキンケア・アクティブの限定されない例としては、ビタミンB成分、パンテノール、ビタミンE、酢酸ビタミンE、レチノール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、ビタミンC、テオブロミン、α−ヒドロキシ酸、ファルネソール、フィタントリオール、サリチル酸、パルミチルペプタペプチド−3、およびこれらの混合物が挙げられる。
B3化合物
本発明に用いている「ビタミンB化合物」とは、式:

Figure 2005535284

を有する化合物、およびその誘導体、ならびにこれらのうちの任意の化合物の塩を意味する。但し、Rは−CONH(即ち、ナイアシンアミド)、−COOH(即ち、ニコチン酸)または−CHOH(即ち、ニコチニルアルコール)である。上記ビタミンB化合物の誘導体の例としては、ニコチン酸の非血管拡張性エステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシドおよびナイアシンアミドN−オキシドが挙げられる。
ニコチン酸の好適なエステルとしては、C−C22、好ましくはC−C16、より好ましくはC−Cアルコールのニコチン酸エステルが挙げられる。この場合のアルコールは、直鎖状または分枝鎖状、環式または非環式、飽和型または不飽和型(芳香族を含む)、および置換型または非置換型であることが好適である。エステルは、好ましくは非血管拡張性のものである。本明細書に用いている「非血管拡張性」とは、このエステルが、対象組成物として皮膚に塗布された後、一般には目に見える紅班反応を生じない(即ち、一般集団の大部分では、このような化合物は、肉眼では見えない血管拡張を生じる可能性はあるが、目に見える紅班反応まではまず生じない)ことを意味する。ニコチン酸の非血管拡張性エステルとしては、ニコチン酸トコフェロールおよびヘキサニコチン酸イノシトールが挙げられるが、ニコチン酸トコフェロールが好ましい。ビタミンB化合物についてのさらに完全な説明は、国際公開第WO98/22085号に記載されている。好ましいビタミンB化合物は、ナイアシンアミドおよびニコチン酸トコフェロールである。
レチノイド類
別の好適なスキンケア・アクティブはレチノイドである。本明細書に用いている「レチノイド」は、ビタミンAもしくは皮膚においてビタミンAの生物活性を有するレチノール様化合物の天然および/または合成アナログの全て、ならびにこれらの化合物の幾何異性体および立体異性体を含む。レチノイドを本明細書の組成物に含ませる場合、この組成物は、通常、レチノイドを0.005%もしくは約0.005%乃至2%もしくは約2%、より好ましくは0.01%乃至約2%含む。レチノールは、0.01%もしくは約0.01%乃至0.15%もしくは約0.15%の量で用いることが望ましく、レチノールエステルは、約0.01%乃至約2%(例えば、約1%)の量で用いることが望ましい。
このレチノイドは、好ましくは、レチノール、レチノールエステル(例えば、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニルなどのレチノールのC−C22アルキルエステル)、レチナール、および/またはレチノイン酸(オールトランスレチノイン酸および/または13−シス−レチノイン酸を含む)、より好ましくはレチノイン酸以外のレチノイドである。これらの化合物は、当該分野でよく知られており、いくつかの供給元から市販されている(例えば、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)(セントルイス(ST. Louis)、MO)、およびベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)(インディアナポリス(Indianapolis)、IN))。好ましいレチノイド類としては、レチノール、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、レチナール、レチノイン酸およびこれらの組合せが挙げられる。より好ましいチノイド類としては、レチノール、レチノイックプロピオネート、レチノイン酸およびパルミチン酸レチニルが挙げられる。このレチノイドは、実質的に純粋な物質として、もしくは天然(例えば、植物)源からの適切な物理的および/または化学的単離により得られる抽出物として、含ませることができる。
担体
さらに、本発明の組成物は、必須の物質および必要に応じて他の物質が加えられてこれらが適切な濃度で皮膚もしくは毛髪に送達されることを可能にする、皮膚および/または毛髪への局所塗布に適した、皮膚用として許容可能な有効かつ安全量の担体中に用いられる。従って、この担体を必須成分の希釈剤、分散剤、溶剤などとして機能させることにより、必須成分を適当な濃度で選ばれた標的にむらなく確実に塗布することができる。
本発明において利用される担体のタイプは、組成物に要求される製品形態のタイプによって決まる。本発明は特定形態の担体に限定されるものではないが、最も一般的にはこの担体は固形、半固形もしくは液状である。好適な担体は、クリーム、ローション、ジェル、スティック、軟膏、パスタおよびムースのような液状または半固形のものである。担体は、好ましくはローション、クリームまたはジェルの形をとり、より好ましくは、粒子が沈殿しないように十分な濃度もしくは降伏点を有するものである。担体自体は不活性であってもよく、あるいはそれ自体で皮膚科学的な利点を持っていてもよい。この担体は、皮膚および/または毛髪に直接塗布することができ、あるいは、織られた、もしくは不織のワイプまたは布を介して塗布することもできる。また、これはパッチ、マスク、またはラップの形をとることもできる。また、これは、エアロゾルあるいはスプレーにして皮膚および/または毛髪に塗布することもできる。また、この担体は、本明細書に記載した必須成分と物理的および化学的に適合したものでなければならないし、本発明の組成物に伴う安定性、有効性その他の使用上の利点を過度に損なってはならない。
担体は、皮膚用として許容可能な親水性の希釈剤を含むことが好ましい。好適な親水性希釈剤には、水、C−C一価アルコールならびに低分子量グリコールおよびポリオールなどの有機親水性希釈剤があり、この有機希釈剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、MW200乃至600のもの)、ポリプロピレングリコール(例えば、MW425乃至2025のもの)、グリセロール、ブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトールエステル、1,2,6−ヘキサメトリオール、エタノール、イソプロパノール、ソルビトールエステル、エトキシル化エーテル、プロポキシ化エーテルおよびこれらの組合せが挙げられる。希釈剤は液体であることが好ましい。水は、好ましい希釈剤である。組成物は、上記希釈剤を少なくとも20%含むことが好ましい。
また、好適な担体は、親水相、特に水相、および疎水相(例えば、脂質、油その他の油状物質)を有するエマルジョンを含むことができる。当業者にはよく知られているように、親水相を疎水相に、またはその逆に分散すると、組成物の成分に応じてそれぞれ親水性または疎水性分散および連続相が形成される。エマルジョン技法では、よく知られている「分散相」という用語は、この相が、連続相に懸濁されこれに取り囲まれている小粒子もしくは小滴として存在することを意味する。また、この分散相は、内相または不連続相とも呼ばれる。エマルジョンは、(例えば、三相その他の多相エマルジョンの形の)水中油エマルジョン、あるいはシリコーン中水エマルジョンなどの油中水エマルジョンであるか、これを含むことができる。水中油エマルジョンは、通常、分散疎水相を約1%乃至約60%(好ましくは約1%乃至約30%)、連続親水相を約1%乃至約99%(好ましくは約40%乃至約90%)含み、油中水エマルジョンは、通常、分散親水相を約1%乃至約98%(好ましくは約40%乃至約90%)、連続疎水相を約1%乃至約50%(好ましくは約1%乃至約30%)を含む。
保湿剤
一部の実施態様として、本発明の組成物は、好ましくは約0.01%乃至約20%、より好ましくは約0.1%乃至約15%、特に約0.5%乃至約10%の濃度で存在する保湿剤を含む。好適な保湿剤としては、多価アルコール、尿素、DもしくはDLパンテノール、パントテン酸カルシウム、ローヤルゼリー、パンテチン、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガム酸、ピリドキシン、パントイルラクトースビタミンB複合体、ヘキサン−1,2,6−トリオール、グアニジンもしくはその誘導体、およびこれらの混合物から選ばれる化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いる好適な多価アルコールには、ポリアルキレングリコール、およびより好ましくはアルキレンポリオールとその誘導体があり、これらのものとしては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとこれらの誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、エリスリトール、スレイトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、グルシトール、マンニトール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール(例えば、1,3−ブチレングリコール)、ヘキサントリオール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール)、トリメチロイルプロパン、ネオペンチルグリコール、グリセリン、エトキシル化グリセリン、プロパン−1,3−ジオール、プロポキシ化グリセリン、およびこれらの混合物が挙げられる。上記多価アルコールのうちのどのアルコキシ化誘導体も本明細書における使用に好適である。本発明の好ましい多価アルコールは、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリンおよびプロポキシ化グリセリン、およびこれらの混合物から選ばれる。
本明細書において有用な好適保湿剤は、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム(NaPCA)、グアニジン;グリコール酸およびグリコール酸塩(例えば、アンモニウムおよび四級アルキルアンモニウム);乳酸および乳酸塩(例えば、アンモニウムおよび四級アルキルアンモニウム);種々の形態のうちの任意のアロエ(例えば、アロエジエル);ヒアルロン酸とその誘導体(例えば、ヒアルロン酸ナトリウムなどの塩誘導体);モノエタノールアミンラクトアミド;モノエタノールアミンアセトアミド;尿素;パンテノールとその誘導体;およびこれらの混合物である。
保湿剤の少なくとも一部(組成物の約5重量%まで)は、粒子状疎水性架橋型アクリレートもしくはメタクリレートコポリマーとの混合物の形で加えることができる。このコポリマーは、それ自体、好ましくは約0.1%乃至約10%の量で存在し、水性または分散相に加えることができるものである。このコポリマーは、有効な加湿の利点を与えるのに役立つと共に光沢を低下させ油を制御するのに特に有用であり、本明細書に引用により組み込まれている国際公開第WO96/03964号にさらに詳細に記載されている。
皮膚軟化剤
一部の実施態様として、本発明の水中油エマルジョンの具体例は、皮膚用として許容可能な皮膚軟化剤を約1%乃至約20%、好ましくは約1.5%乃至約15%、より好ましくは約0.1%乃至約8%、さらにより好ましくは約0.5%乃至約5%含む。皮膚軟化剤は、皮膚を潤し、滑らかさと柔軟性を増し、乾燥を防止もしくは軽減し、および/または皮膚を保護する傾向がある。皮膚軟化剤は、通常、水に非混和性で油状もしくはろう状の物質であり、高分子量の皮膚軟化剤は、局所用組成物に粘着性の性質を与える。多種多様の好適な皮膚軟化剤が知られており、これらは本発明において用いることができる。例えば、サガリン(Sagarin)、コスメティック・サイエンス・アンド・テクノロジー(Cosmetics, Science and Technology)第2版、第1巻、p32−43(1972年)、には皮膚軟化剤としての使用に適した物質の多数の例が挙げられている。さらに、出願中の国際公開WO00/24372号に開示された皮膚軟化剤は全て、本発明における使用に適するものと考えられるが、好ましい例の詳細を以下の通り記載した:
i)ドデカン、スクワレン、コレステロール、水素化ポリイソブチレン、イソヘキサデカン、イソエイコサン、イソオクタヘキサコンタン、イソヘキサペンタコンタヘクタン、およびC−C40分枝状炭化水素であるC−C40イソパラフィンなどの、炭素数約7乃至40の直鎖または分枝鎖炭化水素。本発明に用いられる好適な分枝鎖炭化水素は、イソペンタコンタオクタン、ペトロラタム、およびこれらの混合物から選ばれる。パーメチル(Permethyl)(登録商標)の商標名でプレスパース社(Presperse Inc.)、サウスプレーンフィールド(South Plainfield)、N.J.、から市販されている分枝鎖脂肪族炭化水素は、本発明における使用に好適である。
ii)C−C30カルボン酸、C12乃至C15アルキル安息香酸およびC−C30ジカルボン酸のC−C30アルコールエステル、例えば、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソステアリル、オクタン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、オクタン酸ミリスチル、ペラルゴン酸オクチル、イソノナン酸オクチル、ミリスチン酸ミリスチル、ネオペンタン酸ミリスチル、オクタン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、プロピオン酸ミリスチル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸メチル、ベヘン酸ベヘニル、マレイン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、およびジリノール酸ジイソプロピル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
iii)糖およびその関連物質のC−C30モノ−およびポリ−エステル。これらのエステルは、糖もしくはポリオール部分および1つ以上のカルボン酸部分から誘導される。構成酸および糖に応じて、これらのエステルは、室温で液体または固体の形態をとることができる。例として、テトラオレイン酸グルコース、オレイン酸のガラクトーステトラエステル、テトラオレイン酸ソルビトール、テトラオレイン酸スクロース、ペンタオレイン酸スクロース、ヘキサオレイン酸スクロース、ヘプタオレイン酸スクロース、オクタオレイン酸スクロース、カルボン酸エステル部分が1:2のモル比でパルミトレイン酸エステルおよびアラキジン酸エステルであるソルビトールヘキサエステル、ならびにエステル化カルボン酸部分が1:3:4のモル比でラウリン酸、リノール酸およびベヘン酸であるスクロースのオクタエステルが挙げられる。その他の物質としては、スクロースの綿実油もしくは大豆油脂肪酸エステルが挙げられる。このような物質のその他の例については、引用により本明細書に組み込まれている国際公開第WO96/16636号に記載されている。特に好ましい物質は、INCI名ポリ綿実脂肪酸スクロースとして知られている。
iv)植物油および水素化植物油。植物油および水素化植物油の例としては、ベニバナ油、ココナッツ油、綿実油、メンハーデン油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、大豆油、菜種油、アマニ油、糠油、松根油、ゴマ油、ひまわり油、これらの部分的および完全水素化油、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
v)可溶性もしくはコロイド状可溶性保湿剤。例としては、ヒアルロン酸、ならびにセラネーゼ・スーパーアブソーバント・マテリアルズ(Celanese Superabsorbent Materials)社、ポートスミス(Portsmith)、VAから市販されており、米国特許第4,076,663号に開示されているサンウェット(Sanwet)(登録商標)IM−1000、IM−1500およびIM−2500等のでんぷんグラフトポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。
本発明に用いる好ましい皮膚軟化剤は、イソヘキサデカン、イソオクタコンタン、ペトロラタム、イソノナン酸イソノニル、オクタン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、オクタン酸ミリスチル、イソノナン酸オクチル、ミリスチン酸ミリスチル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸イソプロピル、C12乃至C15アルキル安息香酸、およびこれらの混合物である。本発明に用いる特に好ましい皮膚軟化剤は、イソヘキサデカン、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸イソプロピル、ペトロラタム、またはこれらの混合物である。
乳化剤/界面活性剤
一部の実施態様として、本発明の組成物は、一般に分散を促進し、連続水性相内に分散相を浮遊させる乳化剤および/または界面活性剤を含む。また、界面活性剤は、これが皮膚清浄用である場合、有用なものとなることができる。以後便宜のため、乳化剤を「界面活性剤」という用語の中に含める。従って、「界面活性剤」とは、乳化剤として用いられようと、皮膚清浄などの他の界面活性剤目的で用いられようと、表面活性剤のことを意味する。既知もしくは従来の界面活性剤も、組成物の必須成分と化学的、物理的に適合し、所望の特性をもたらすという条件で、本発明の組成物において用いることができる。好適な界面活性剤としては、非シリコーン由来の物質とその混合物が挙げられる。出願中の国際公開第WO00/24372号に記載されている界面活性剤は全て、本発明における使用に適したものと考えられる。
一部の実施態様として、本発明の組成物は、界面活性剤の単体または混合物を約0.05%乃至約15%含む。厳密には、選ばれる界面活性剤または界面活性剤混合物は、組成物および存在する他の成分のpHによって決まるであろう。
本発明に有用な非イオン性界面活性剤の中には、長鎖アルコール(例えば、C8−30アルコール)と糖もしくはでんぷんポリマー(即ち、配糖体)との縮合生成物と広く定義できるものがある。これらの物質は、一般式RCO(X)OHを有する。但し、RはC10−30アルキル基、Xは−OCHCH−(即ち、エチレングリコールもしくはエチレンオキサイドから得られる)または−OCHCHCH−(即ち、プロビレングリコールもしくはプロピレンオキサイドから得られる)、およびnは約6乃至約200の整数である。その他の非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキサイドと2モルの脂肪酸との縮合生成物(即ち、脂肪酸のアルキレンオキサイドエステル)である。これらの物質は、一般式RCO(X)OORを有する。但し、RはC10−30アルキル基、Xは−OCHCH−(即ち、エチレングリコールもしくはエチレンオキサイドから得られる)または−OCHCHCH−(即ち、プロビレングリコールもしくはプロピレンオキサイドから得られる)、およびnは約6乃至約100の整数である。本発明において使用される乳化剤は、最も好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステルとスクロース脂肪酸エステルの混合物をベースとする脂肪酸エステルのブレンド、特にステアリン酸ソルビトンとヤシ脂肪酸スクロースのブレンドである。これは、アーラトン(Arlatone)2121の商標名でICIから市販されている。さらに好適な例としては、セテアリールアルコール類の混合物、セピック(Seppic)からモンタノフ(Montanov)68の商標名で市販されているものおよびヘンケル(Henkel)から市販されているエマルゲイド(Emulgade)PL68/50のようなセテアリールグリコシドが挙げられる。
あるいは、またはさらに、一部の実施態様として、本発明に有用な親水性界面活性剤は、当該分野で知られているような多種多様な陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性および両性界面活性剤(例えば、米国特許第5,011,681号、米国特許第4,421,769号および米国特許第3,755,560号参照)の全てを含む。また、多種多様な陰イオン性界面活性剤が、本発明の組成物に用いられる(例えば、米国特許第3,929,678号参照)。陰イオン性界面活性剤の例としては、イセチオン酸アルコイル(例えば、C12−C30)、硫酸アルキルおよびアルキルエーテルとその塩、リン酸アルキルおよびアルキルエーテルとその塩、アルキルメチルタウレート(例えば、C12−C30)、および脂肪酸の石鹸(例えば、ナトリウムもしくはカリウム塩などのアルカリ金属塩)が挙げられる。
また、両性および両性イオン性界面活性剤も本発明の組成物に用いられる。本発明の組成物に用いることができる両性および両性イオン性界面活性剤の例には、脂肪族二級および三級アミンの誘導体であって、脂肪族基が直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、この脂肪族置換基の1つが約8個乃至約22個の炭素原子(好ましくはC−C18)を含み、かつ1つが陰イオン性水可溶性基(例えば、カルボキシ、スルホン酸、硫酸、リン酸、もしくはホスホン酸)を含む誘導体として大雑把に記載されているものがある。例としては、アルキルイミノアセテート、イミノジアルカノエートおよびアミノアルカノエート、イミダゾリニウムおよびアンモニウム誘導体が挙げられる。その他の好適な両性および両性イオン性界面活性剤としては、ベタイン、スルテイン、ヒドロキシスルテイン、分枝および非分枝アルカノイルサルコシネート、およびこれらの混合物が挙げられる。
一部の実施態様として、本発明のエマルジョンは、さらにシリコーン含有乳化剤もしくは界面活性剤を含む。本発明では多種多様なシリコーン乳化剤が用いられる。通常、これらのシリコーン乳化剤は、当業者にシリコーン界面活性剤としても知られている、有機的に修飾されたオルガノポリシロキサンである。有用なシリコーン乳化剤としては、ジメチコンコポリオール類が挙げられる。これらの物質は、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、これらの鎖の組合せ、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの両者から得られる部分を含有するポリエーテル鎖のようなポリエーテル側鎖を含むよう修飾されたポリジメチルシロキサンである。その他の例としては、アルキル修飾ジメチコンコポリオール(即ち、C−C30ペンダント側鎖を含む化合物)が挙げられる。さらに別の有用なジメチコンコポリオールとしては、種々の陽イオン性、陰イオン性、両性、および両イオン性ペンダント部分を含む物質が挙げられる。
高分子増粘剤
一部の実施態様として、本発明の組成物は、少なくとも1種の高分子増粘剤を含む。本発明に有用な高分子増粘剤は、好ましくは20,000超、より好ましくは50,000超、特に100,000超の数平均分子量を有する。一部の実施態様として、本発明の組成物は、高分子増粘剤の構成物を約0.01%乃至約10%、好ましくは約0.1%乃至約8%、最も好ましくは約0.5%乃至約5%、またはこれらの組合せを含む。
本発明に用いる好ましい高分子増粘剤としては、非イオン性増粘剤および陰イオン性増粘剤、またはこれらの混合物が挙げられる。好適な非イオン性増粘剤としては、ポリアクリルアミドポリマー、架橋ポリ(N−ビニルピロリドン)、多糖、天然もしくは合成ガム、ポリビニルピロリドン、およびポリビニルアルコールが挙げられる。好適な陰イオン性増粘剤としては、アクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、およびアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸の架橋コポリマーが挙げられる。本発明で使用する特に好ましい増粘剤は、セピック社(Seppic Corporation)からセピゲル(Sepigel)305の商標名で市販されている、ポリアクリルアミドなどの非イオン性ポリアクリルアミドポリマー、イソパラフィンおよびラウレス−7、ならびにカルボポル(CARBOPOL)(登録商標)の商標名でビー・エフ・グッドリッチ社から市販されているアクリル酸/エチルアクリレートコポリマーおよびカルボキシビニルポリマー、あるいはこれらの混合物が挙げられる。一部の実施態様として、好適なカルボポル(CARBOPOL)(登録商標)樹脂は、疎水性に修飾されている。その他の好適な樹脂類は、国際公開第WO98/22085号に記載されている。また、これらの樹脂の混合物も本発明に使用できると考えられる。
シリコーン油
一部の実施態様として、本発明の組成物は、少なくとも1つのシリコーン油相を含む。概して、シリコーン油相は、組成物の約0.1%乃至約20%、好ましくは約0.5%乃至約10%、より好ましくは約0.5%乃至約5%を構成する。シリコーン油相は、1種以上のシリコーン成分を含むことが好ましい。
一部の実施態様として、シリコーン成分は、直鎖、分枝および環式シリコーンなどの流体である。本発明に有用な好適なシリコーン流体としては、ポリアルキルシロキサン流体、ポリアリールシロキサン流体、環式および直鎖ポリアルキルシロキサン、ポリアルコキシ化シリコーン、アミノおよび四級アンモニウム修飾シリコーン、ポリアルキルアリールシロキサンあるいはポリエーテルシロキサンコポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。これらのシリコーン流体は揮発性または不揮発性である。概して、シリコーン流体の重量平均分子量は、約200,000未満である。好適なシリコーン流体の分子量は、約100,000以下、好ましくは約50,000以下、最も好ましくは約10.000以下である。シリコーン流体は、重量平均分子量が約100乃至約50,000、好ましくは約200乃至約40,000であるシリコーン流体から選ばれるのが望ましい。通常、シリコーン流体の粘度は、25℃で約0.65乃至約600,000mm.s−1、好ましくは約0.65乃至約10,000mm.s−1である。粘度の測定は、ダウ・コーニング・コーポレート・テスト・メソッド(Dow Corning Corporate Test Method)CTM0004の説明にあるようなガラス毛管粘度計によって測定することができる。本発明で用いられる好適なポリジメチルシロキサンとしては、ジェネラル・エレクトリック社(General Electric Company)からSFおよびビスカジル(Viscasil)(登録商標)シリーズとして、また、ダウ・コーニング社(Dow Corning)からダウ・コーニング(Dow Corning)200シリーズとして入手可能なものが挙げられる。25℃で約0.65乃至30,000mm.s−1の粘度を有する、実質的に不揮発性のポリアルキルアリールシロキサン(例えば、ポリメチルフェニルシロキサン)も有用である。このシロキサンは、例えば、ジェネラル・エレクトリック社(General Electric Company)からSF1075メチルフェニル流体として、あるいはダウ・コーニング社(Dow Corning)から556コスメィック・グレード・フルーイド(CosmeticGrade Fluid)として入手可能である。本発明における使用に好適なポリジメチルシロキサンは、約3個乃至約7個の(CHSiO部分を含む環構造を有するものである。
また、シリコーンガムも本発明に対して用いられる。本明細書の「シリコーンガム」という用語は、重量平均分子量が約200,000超、好ましくは約200,000乃至約4,000,000である高分子量シリコーンのことを意味する。本発明は、不揮発性ポリアルキルおよびポリアリールシロキサンガムを包含する。好ましい実施態様として、シリコーン油相は、シリコーンガムまたはシリコーンガムを含むシリコーンの混合物を含有する。通常、シリコーンガムの粘度は、25℃で約1,000,000mm.s−1超である。シリコーンガムとしては、当該分野で知られているジメチコン(米国特許第4,152,416号参照)、ならびにジェネラル・エレクトリック・シリコーン・ラバー・プロダクト・データ・シーツ(General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets)SE30、SE33、SE54およびSE76に記載されているシリコーンガムが挙げられる。シリコーンガムの具体例としては、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニル)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。本発明における使用する好適なシリコーンガムは、ジメチコノール、ジメチコンコポリオール、ジメチコン、およびこれらの混合物から選ばれる、分子量約200,000乃至約4,000,000のシリコーンガムである。
本明細書のシリコーン相は、シリコーンガムを含み、このガムがシリコーンガム−流体ブレンドの一部として組成物中に取り込まれていることが望ましい。シリコーンガムがシリコーンガム−流体ブレンドの一部として取り込まれる場合、シリコーンガムは、シリコーンガム−流体ブレンドの約5重量%乃至約40重量%、特に約10重量%乃至20重量%を占めることが好ましい。本明細書の好適なシリコーンガム−流体ブレンドは:
(i)ジメチコノール、フルオロシリコーンおよびジメチコンならびにこれらの混合物から選ばれる分子量約200,000乃至約4,000,000のシリコーン;および
(ii)シリコーン流体である担体であって、粘度が約0.65mm.s−1乃至約100mm.s−1である担体
を主成分とする混合物であって、i)のii)に対する比率が約10:90乃至約20:80であり、このシリコーンをベースとする成分の最終粘度が約100mm.s−1乃至約100,000mm.s−1、好ましくは500mm.s−1乃至約10,000mm.s−1である混合物である。
本明細書のシリコーン油相に用いるのに好適な別のシリコーン成分は、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーであり、必要に応じて流体担体中に分散させる。概して、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーは、その担体(存在する場合)と共に、組成物の0.1%乃至約20%、好ましくは約0.5%乃至約10%、より好ましくは約0.5%乃至約5%を占める。このようなポリマーは、架橋剤により架橋されたポリオルガノシロキサンポリマーを含む。好適な架橋剤としては、国際公開第WO98/22085号に記載されているものが挙げられる。本発明において使用する好適なポリオルガノシロキサンポリマーとしては、メチルビニルジメチコン、メチルビニルジフェニルジメチコン、およびメチルビニルフェニルメチルジフェニルジメチコンが挙げられる。
本明細書のシリコーン油相に用いるのに好適な別のクラスのシリコーン成分としては、少なくとも1つのポリジオルガノシロキサン・セグメントおよび少なくとも1つのポリオキシアルキレン・セグメントを含むポリジオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレンコポリマーが挙げられる。好適なポリジオルガノシロキサン・セグメントおよびそのコポリマーとしては、国際公開第WO98/22085号に記載されているものが挙げられる。好適なポリジオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレンコポリマーは、ワッカー−ケミー社(Wacker−Chemie GmbH)、ミュンヘン(Munich)からベルジル(Belsil)(登録商標)の商標名で、また、ティーエイチ・ゴールドシュミット社(Th. Goldschmidt Ltd.)、英国からアビル(Abil)(登録商標)の商標名で、例えば、ベルジル(Belsil)(登録商標)6031およびアビル(Abil)(登録商標)B88183として市販されている。本発明において使用する特に好適なコポリマー流動体ブレンドとしては、ジメチコン/ジメチコンコポリマーのCTFA名称を有するダウ・コーニング(Dow Corning)DC3225Cが挙げられる。
日焼け止め剤
さらに別の実施態様として、本発明は、有機日焼け止め剤を含む組成物を提供する。一部の実施態様として、好適な日焼け止め剤は、UVA吸収性および/またはUVB吸収性を有する。有機日焼け止め剤有効成分の量は、厳密には、組成物についての所望の日焼け防止指数(即ち、「SPF値」)および所望のUV保護レベルによって異なる。本発明の組成物は、少なくとも10、好ましくは少なくとも15のSPF値を有することが好ましい。SPF値は、紅班を予防する日焼け止め剤の光保護指標として広く用いられている。SPF値は、同一個体において、保護されていない皮膚に最低限の紅班を生じるのに必要な紫外線エネルギーに対する保護されている皮膚に最低限の紅班を生じるのに必要な紫外線エネルギーの比率と定義される(フェデラル・レジスター(Fed. Reg.)43、166号、p38206−38269、1978年8月25日)。通常、日焼け止め剤の使用量は、約2%乃至約20%、より一般的には約4%乃至約14%である。好適な日焼け止め剤としては、ウェニンガー(Wenninger)、マキューエン(McEwen)編、CTFAインターナショナル・コスメティック・イングレディエント・ディクショナリー・アンド・ハンドブック(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第7版、第2巻、p1672(ザ・コスメティック・トイレタリー・アンド・フラグランス・アソシエーション社(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc.)、ワシントン(Washington)DC、1997年))に記載されているものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
一部の実施態様として、本発明の組成物は、波長約320nm乃至約400nmの紫外線を吸収するUVA吸収型日焼け止め剤有効成分を含む。好適なUVA吸収型日焼け止め剤有効成分は、ジベンゾイルメタン誘導体、アントラニル酸メチルおよび1−N−アセチルアントラニル酸ホモメチルなどのアントラニル酸誘導体、ならびにこれらの混合物から選ばれる。ジベンゾイルメタン日焼け止め剤有効成分の例は、米国特許第4,387,089号、およびレーベ(Lowe)、シャース(Shaath)編、サンスクリーンズ:ディベロップメント・エバリュエーション・アンド・レギュラトリー・アスペクツ(Sunscreens:Development, Evaluation, and Regulatory Aspects)、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc)(1990年)に記載されている。UVA吸収型日焼け止め剤有効成分は、単独、または組成物中に含ませることのできる他のUV保護有効成分との組合せで、広域スペクトルのUVA保護を与える量で含ませることが好ましい。
好適な日焼け止め剤成分は、ジベンゾイルメタン日焼け止め剤有効成分およびその誘導体である。これら例として、メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイル−メタン、4,4’−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベン−ゾイルメタン、2−メチル−5−イソプロピル−4’メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイ−メタン、2,6−ジメチル−4’−tert−4’−ブチル−メトキシジベンゾイルメタン、およびこれらの混合物から選ばれるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適なジベンゾイル日焼け止め剤有効成分としては、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、およびこれらの混合物から選ばれるものが挙げられる。好適な日焼け止め剤有効成分は、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンである。
日焼け止め剤有効成分4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンは、ブチルメトキシジベンゾイルメタンまたはアボベンゾン(Avobenzone)とも呼ばれており、ギボーダン・ローレ(インターナショナル)S.A.(Givaudan Roure(International)S.A.)(バーゼル(Basel)、スイス)からパーソル(PARSOL)(登録商標)1789の名称で、また、メルク社(Merck&Co.,Inc)(ホワイトハウス・ステーション(Whitehouse Station)、NJ)からユーソレックス(EUSOLEX)(登録商標)9020の名称で市販されている。日焼け止め剤4−イソプロピルジベンゾイルメタンは、イソプロピルジベンゾイルメタンとも呼ばれており、メルク社(Merck&Co.,Inc)からユーソレックス(EUSOLEX)(登録商標)8020の名称で市販されている。
別の実施態様として、本発明の組成物は、波長約290nm乃至約320nmの紫外線を吸収するUVB吸収型日焼け止め剤有効成分を含む。この組成物は、単独、または組成物中に含ませることのできる他のUV保護有効成分との組合せで、UVB保護を与えるのに安全かつ有効な量のUVB用日焼け止め剤有効化合物を含む。一部の実施態様として、この組成物は、UVB吸収型有機系日焼け止め剤を約0.1重量%乃至約16重量%、より好ましくは約0.1重量%乃至約12重量%、最も好ましくは約0.5重量%乃至約8重量%含む。
本発明における使用に好適なUVB用日焼け止め剤有効成分には種々のものがある。このような有機系日焼け止め剤有効成分の限定されない例としては、米国特許第5,087,372号、米国特許第5,073,371号、米国特許第5,073,372号、およびセガリンほか(Segarin et al.)、コスメティックス・サイエンス・アンド・テクノロジー(Cosmetics, Science and Technology)第VIII章、p189以降、に記載されているものが挙げられる。その他の有用な日焼け止め剤としては、米国特許第4,937,370号および米国特許第4,999,186号に記載されているものが挙げられる。好適なUVB用日焼け止め有効成分は、N,N−ジメチル−p−アミノ安息香酸2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,2−エチルヘキシル、p−アミノ安息香酸、オキシベンゾン、サリチル酸ホモメチル、サリチル酸オクチル、4,4’−メトキシ−−ブチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、3−ベンジリデンカンファー、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸(PBSA)、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメートおよびオクチル−p−メトキシシンナメートのようなシンナメートとその誘導体、サリチル酸TEA、オクチルジメチルPABA、カンファー誘導体、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの混合物から選ばれる。好適な有機系日焼け止め剤有効成分は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸(PBSA)、オクチル−p−メトキシシンナメート、およびこれらの混合物である。酸性日焼け止め剤の塩および酸中和タイプも本発明に有用である。
本発明の一部の実施態様として、さらに、組成物は、UVA用日焼け止め剤を安定化してUV照射による光分解を防止することによりそのUVA保護効果を維持するのに有用な薬剤を含む。こうした安定化作用を有するものとして広範囲の化合物が引用されている。これらの化合物は、UVA用日焼け止め剤および組成物を全体として補完するよう選ばれると考えられる。好適な安定化剤としては、米国特許第5,972,316号、第5,968,485号、第5,935,556号、第5,827,508号および国際公開第WO00/06110号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明に使用する安定化剤の好適な例としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−3,3−ビス(4−メトキシフェニル)アクリレート、およびこれらの混合物が挙げられる。最も好ましいものは2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートである。
一部の実施態様として、皮膚を改善するために本発明に有用な組成物の全て、特に水で洗い流されたりこすり落とされたりしにくい組成物にはある薬剤が加えられる。このような利点を与える好適な薬剤は、エチレンとアクリル酸のコポリマーである(米国特許第4,663,157号参照)。
有機系日焼け止め剤の他に、一部の実施態様として、本発明の組成物は、さらに、無機系の物理的日焼け止め剤を含む。好適な物理的日焼け止め剤の限定されない例は、CTFAインターナショナル・コスメティック・イングレディエント・ディクショナリー・アンド・ハンドブック(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第6版、1995年、p1026−28、p1103、およびセイヤーほか(Sayre et al.)ジャーナル・オブ・ソサエティ・オブ・コスメティックス・アンド・ケミストリー(J. Soc. Cosmet. Chem.)、41:p103−109(1990年)に記載されている。好ましい無機系物理的日焼け止め剤としては、酸化亜鉛および二酸化チタン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
物理的日焼け止め剤は、組成物が皮膚上で透明となる(即ち、非白化性)量、好ましくは約5%以下の量で使用される。二酸化チタンが使用される場合、これは、アナタース型、ルチル型もしくは無定形構造を有していてもよい。物理的日焼け止め剤粒子(例えば、二酸化チタンおよび酸化亜鉛)は、コーティングを施さなくてもよいし、種々の物質でコーティングしてもよい。このようなコーティング物質としては、アミノ酸、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物、カルボン酸とその塩、卵ステアリン酸とその塩、レシチンなどのリン脂質、有機シリコーン化合物、シリカおよびケイ酸のような無機シリコーン化合物、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい二酸化チタンは、タイカ(Tayca)(日本)から市販され、トリ−ケーインダストリーズ社(Tri−K Industries)(エマーソン(Emerson)、NJ)によりMTミクロ−イオン化シリーズ(MT micro−ionized series)(例えば、MT100SAS)として流通されている。一部の実施態様として、本発明の組成物は、無機日焼け止め剤を約0.1重量%乃至約10重量%、より好ましくは約0.1重量%乃至約4重量%、最も好ましくは約0.5重量%乃至約2.5重量%含む。
抗菌および抗かび活性成分
一部の実施態様として、本発明の組成物は、抗菌および/または抗かび活性成分を含む。本発明に有用な抗菌および抗かび活性成分の限定されない例としては、β−ラクタム系薬剤、キノリン系薬剤、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、2,2,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロバニリド、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、ドキシサイクリン、カプレオマイシン、クロルヘキシジン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クリンダマイシン、エタンブトール、ヘキサミジン、イセチオナート、メトロニダゾール、ペンタミジン、ゲンタマイシン、カナマイシン、リネオマイシン、メタサイクリン、メテナミン、ミノサイクリン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ミコナゾール、塩酸テトラサイクリン、エリスロマイシン、亜鉛エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ステアリン酸エリスロマイシン、硫酸アミカシン、塩酸ドキシサイクリン、硫酸カプレオマイシン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩酸クロルテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸クリンダマイシン、塩酸エタンブトール、塩酸メトロニダゾール、塩酸ペンタミジン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸カナマイシン、塩酸リネオマイシン、塩酸メタサイクリン、馬尿酸メテナミン、マンデル酸メテナミン、塩酸ミノサイクリン、硫酸ネオマイシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸パロモマイシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸ミコナゾール、塩酸アマンファジン、硫酸アマンファジン、オクトピロックス、パラクロロメタキシレノール、ナイスタチン、トルナフテート、クロトリマゾール、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、ピロクトンオラミン、硫化セレン、ケトコナゾール、トリクロカーボン、トリクロサン、ジンクピリチオン、イタコナゾール、アシアチン酸、ヒノキチオール、ミピロシン、塩酸クリナサイシン、過酸化ベンゾイル、過酸化ベンジル、ミノサイクリン、フェノキシイソプロパノール、およびこれらの混合物、ならびに、ヨーロッパ特許第0680745号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
その他の任意の成分
その他の一部の実施態様として、中和剤、香料および着色剤などの種々の任意の成分が本発明の組成物に用いられる。どんな追加成分もこの製品の皮膚に柔軟さ/滑らかさを与える利点を高めることが好ましい。さらに、このような成分のどれもがこの製品の美的性質を損なわないことが好ましい。従って、通常、本発明において有用な組成物に、コラーゲンおよびエラスチンなど、高濃度の蛋白質を含ませるのは好ましくない。
一部の実施態様として、本発明の組成物は、また、パンテノール保湿剤を約0.01%乃至約10%、好ましくは約0.1%乃至約5%含む。好ましい実施態様として、このパンテノール保湿剤は、D−パンテノール([R]−2,4−ジヒドロキシ−N−[3−ヒドロキシプロピル])−3,3−ジメチルブタミド)、DL−パンテノール、パントテン酸カルシウム、ローヤルゼリー、パンテチン、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガミン酸、ピリドキシンおよびパントイルラクトースから選ばれる。
本発明において酸性基含有親水性ゲル化剤の中和に用いるのに適した中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリス−緩衝剤およびトリエタノールアミンが挙げられる。
その他の任意の物質としては、以下のものが挙げられる:角質溶解剤;好ましくは約0.1%乃至約5%の濃度の水溶性または可溶性保存剤、例えば、ゲルマル(Germall)115、ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル、ロンザ社(Lonza)からグリダント・プラス(Glydant Plus)の商標名で入手可能なDMDMヒダントインヨードプロパニルブチルカーバネート、EDTA、ユーキシル(Euxyl)(登録商標)K400、ブロモポール(Bromopol)(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)およびフェノキシプロパノール;(好ましくは0.1%乃至約5%の濃度の)イルガサン(登録商標)およびフェノキシエタノールのような抗菌剤;可溶性もしくはコロイド可溶性保湿剤、例えば、ヒアルロン酸、およびセラネーゼ・スーパーアブソーベント・マテリアルズ社(Celanese Superabsorbent Materials)、ポートスミス、VAから入手可能であり、米国特許第4,076,663号に開示されているサンウェット(Sanwet)(登録商標)IM−1000、IM−1500およびIM−2500のようなでんぷんグラフトポリアクリル酸ナトリウム;ビタミン類、例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEおよびこれらの誘導体、およびこれらのビィルディングブロック、例えば、フィタントリオールおよびビタミンK、およびこれらのコンポーネント、例えば、脂肪族アルコールドデカトリオール;アルファおよびベータ・ヒドロキシ酸;アロエ;スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、コレステロール;皮膚美白剤;N−アセチルシステイン;着色剤;トリクロサンおよびトリクロロカーボンとも呼ばれるTCC/TCSのような抗菌剤;香料および香料可溶化剤が挙げられる。アルファ・ヒドロキシ酸の例としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸アンモニウムと併用のグリコール酸、アルファ・ヒドロキシエタン酸、アルファ・ヒドロキシオクタン酸、アルファ・ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリル酸、混性果実酸、トリ−アルファ・ヒドロキシ果実酸、トリプル果実酸、サトウキビ抽出物、アルファ・ヒドロキシおよびボタニカル、例えば、架橋脂肪酸アルファ・ニュートリウムに溶かした1−アルファ・ヒドロキシ酸およびグリコマー。アルファ・ヒドロキシ酸の好ましい例は、グリコール酸および乳酸である。アルファ・ヒドロキシ酸は、10%までの濃度で用いることが好ましい。
一部の実施態様として、本発明の組成物に安全かつ有効な量の抗炎症剤を、好ましくは組成物の約0.1%乃至約5%、より好ましくは約0.1%乃至約2%加える。抗炎症剤は、本発明の皮膚の外観に対する利点を高める(例えば、このような薬剤は、より一様で好ましい皮膚の張りまたは色をもたらす)。組成物中に用いる抗炎症剤の量は、厳密には、このような薬剤の効力には大きな幅があるので、特定の抗炎症剤によって決まるであろう。
別の実施態様として、本発明の組成物は、さらに抗酸化剤/ラジカル・スカベンジャーを含む。抗酸化剤/ラジカル・スカベンジャーは、角質層の落屑しくは組織変化を増大させることがある紫外線、および皮膚障害をもたらすことがあるその他の環境要因に対して保護するのに特に有用である。好適な量は、組成物の約0.1%乃至約10%、より好ましくは約1%乃至約5%である。抗酸化剤/ラジカル・スカベンジャーとしては、アスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩などの化合物が挙げられる。
本発明の実施態様として、キレート剤を含ませることは、過度の落屑もしくは皮膚組織変化の一因となる得る紫外線、および皮膚障害をもたらすことがあるその他の環境要因に対して保護するのに特に有用である。好適な量は、組成物の約0.01%乃至約1%、より好ましくは約0.05%乃至約0.5%である。本発明において有用なキレート剤の例としては、米国特許第5,487,884号に開示されているものがある。本発明の組成物に有用な好ましいキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、フリルジオキシム、およびこれらの誘導体が挙げられる。
さらに別の実施態様として、本発明の組成物は、また、美白剤を含む。使用時の組成物は、美白剤を約0.1%乃至約10%、より好ましくは約0.2%乃至約5%、さらに好ましくは約0.5%乃至約2%含む。好適な美白剤としては、コウジ酸、アルブチン、アスコルビン酸、およびこれらの誘導体(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム)など、当該分野で知られているものが挙げられる。さらに、本発明に使用する好適な美白剤として、国際公開第WO95/34280号および第WO95/23780号に開示されているものが挙げられ、これらは引用により本明細書に組み込まれている。
その他の任意の物質としては、好ましくは約0.1%乃至約5%の濃度の水溶性または可溶性保存剤、例えば、ゲルマル(Germall)115、ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル、からグリダント・プラス(Glydant Plus)(ロンザ社(Lonza))の商標名で入手可能なDMDMヒダントインヨードプロパニルブチルカーバネート、EDTA、ユーキシル(Euxyl)(登録商標)K400、ブロモポール(Bromopol)(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)およびフェノキシプロパノール、および(好ましくは0.1%乃至約5%の濃度の)イルガサン(登録商標)およびフェノキシエタノールのような抗菌剤が挙げられる。また、トリクロサンおよびトリクロロカーボンとも呼ばれるTCC/TCSのような抗菌剤も本発明の組成物に有用である。
本明細書のその他の任意の物質として、水に不溶性の場合、油相成分の全量に寄与し含まれる顔料が挙げられる。本発明の組成物に使用するのに適する顔料は、有機系および/または無機系であってもよい。つや消し仕上げ剤などの色や光沢の少ない物質、および美白剤も「顔料」という用語に含まれる。好ましくは、本発明の組成物は、屈折率が約1.3乃至約1.7の微粒子状物質であって、組成物中に分散されていて粒子径の中央値が約2乃至約30μmの微粒子状物質を含む。本発明に有用な微粒子は、比較的狭い分布を有する、つまり、微粒子の50%より多くがそれぞれの中央値の両側3μm内に入ることが好ましい。また、微粒子の50%より多く、好ましくは60%より多く、さらに好ましくは70%より多くがそれぞれの中央値の所定の径範囲に収まることが望ましい。好適な微粒子状物質としては、有機系もしくは有機ケイ素、好ましくは有機ケイ素ポリマーが挙げられる。好適な微粒子は、自由流動性の中実物質である。「中実」とは、粒微子が中空でないことを意味する。中空微粒子ではその中心にある空間が屈折率、従って、皮膚もしくは組成物に対する微粒子の視覚的効果に悪影響があり得るからである。好適な有機系微粒子物質としては、前記に参照文献を挙げたポリメチルシルセスキオキサン、ポリアミド、ポリテン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびポリ(塩化ビニリデン)でできているものが挙げられる。上記の物質のモノマーから得られるコポリマーも使用することができる。無機系の物質としては、シリカおよび窒化ホウ素が挙げられる。本発明に有用な微粒子物質の市販されている代表的な例は、粒子径の中央値が約4.5μmのトスパール(Tospearl)(登録商標)145、粒子径の中央値が約10μmのエチレン/アクリル酸コポリマーであるコボ社(Kobo)のEA−209(登録商標)、オルガソル(Orgasol)2002の商標名でエルフ・アトケム社(Elf Atochem)、フランスから入手可能なナイロン−12(Nylon−12)、およびこれらの混合物である。
さらに、顔料の好適な例として、二酸化チタン、コボ社(Kobo)の前分散二酸化チタン(例えば、コボ(Kobo)GWL75CAP)、酸化鉄、アシグルタメート酸化鉄、ウルトラマリンブルー、D&C色素、カルミン、およびこれらの混合物が挙げられる。組成物のタイプに応じ、顔料を混合して用いることが多いであろう。保湿、肌触り、皮膚の外観およびエマルジョン適合性の観点から本発明に使用するのに好適な顔料は、処理顔料である。顔料は、アミノ酸、シリコーン、レシチンおよびエステルオイルなどの化合物によって処理することができる。
本発明の組成物のpHは、約6.1乃至約10.0の範囲にあり、最終組成物のpHが必要に応じて酸性、塩基性もしくは緩衝塩の添加により調節することが好ましい。
組成物の調製
本発明の組成物は、当業者によりよく知られている標準的な方法によって調製される。一般に、水相および/または油相は、同様の相分配の物質を任意の順序で加えながら別々に調製する。最終生成物がエマルジョンである場合、次いで、この2つの相を激しく撹拌しながら混合する。高い揮発性を有する、または高温で加水分解を受けやすい、組成物の成分はどれも、工程の終わり近くに、妥当な場合には乳化の後に、静かに撹拌しながら加えることができる。
アレルゲン性の少ないプロテアーゼは、繊維製品の処理にも用いられる。「繊維製品の処理」は、布地、個々の毛糸、もしくは織ったり、フェルトにしたり、編んだりして繊維製品または衣類にすることができる繊維が、所望の特性をもたらすように処理する工程を含む。このような所望の特性についての例は、「ストーン−ウォッシング」、毛玉除去、から毛除去、サイズ除去、柔軟化、およびその他、当業者によく知られている処理である。
本発明の一実施態様として、本明細書で特定したエピトープは、免疫反応を発現させるために用いられる(例えば、このようなエピトープの一方または両方を有するプロテアーゼに対する抗体を惹起させることを目的とする場合)。このような抗体は、これらの領域、もしくはこれらに高度に相同性の領域の一方または両方を有する他のプロテアーゼをスクリーニングするのに用いられる。従って、本発明は、以下の配列の一方または両方を有するプロテアーゼを提供する:バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの(i)70番目から84番目までの残基および/または(ii)109番目から123番目までの残基。本発明を、単離した天然のエピトープ、組み換え蛋白質、もしくは特定のエピトープ領域を表す合成ペプチドを利用するイムノアッセイを用いて具体化することにより、これらの領域または高度に相同な領域を含む蛋白質に対する人の感作について評価することができる。
別の実施態様として、本明細書のエピトープ断片は、この断片を結合して表示することができるMHC分子を有する抗原提示細胞の方向に用いられる。エピトープ断片は、例えば、検出可能な標識(例えば、放射性標識)を含むことができる。次いで、標識した断片を対象細胞とインキュベートした後、標識断片を結合(または表示)している細胞を検出する。
本明細書において参照した全ての文献および特許は、全文引用により本明細書に組み込まれている。以下は、例証として示すが、特許請求の範囲を限定するものと捉えられるべきではない。
実験
以下の実施例は、本発明の特定の好ましい実施態様および態様を例示する役割を果たすものであり、本発明の範囲を限定するものと捉えられるべきではない。
以下の実験に関する開示においては、次の略語が適用される:eq(当量);M(モル濃度の);μM(マイクロモル濃度の);N(正常な);mol(モル);mmol(ミリモル); μmol(マイクロモル);nmol(ナノモル);g(グラム);mg(ミリグラム);kg(キログラム); μg(マイクログラム);L(リットル);ml(ミリリットル);μl(マイクロリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル); μm(マイクロメートル);nm(ナノメートル);℃(摂氏温度);h(時間);min(分);sec(秒);msec(ミリ秒);×g(重力倍数);Ci(キュリー);OD(光学濃度);ダルベッコ(Dulbecco’s)リン酸緩衝溶液(DPBS);HEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N−[2−エタンスルホン酸]);HBS(HEPES緩衝生理食塩液);SDS(ドデシル硫酸ナトリウム);トリス−HCl(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン−塩酸);クレノー(Klenow)(DNAポリメラーゼ大分子(Klenow)断片);rpm(毎分回転数);EGTA(エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)N,N,N’,N’−四酢酸);EDTA(エチレンジアミン四酢酸);ATCC(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)、ロックビル(Rockville)、MD);シーダー・レイン(Cedar Lane)(シーダー・レイン・ラボラトリーズ(Cedar Lane Laboratories)、オンタリオ(Ontario)、カナダ);ギブコ(Gibco)/BRL(ギブコ(Gibco)/BRL、グランドアイランド(Grand Island)、NY);シグマ(Sigma)(シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co.)、セントルイス(St. Louis)、MO);ファルマシア(Pharmacia)(ファルマシア・バイオテク社(Pharmacia Biotech)、ピスカタウェイ(Piscataway)、NJ);プロクター・アンド・ギャンブル(Procter&Gamble)(プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter&Gamble)、シンシナチ(Cincinnati)、OH);およびストラタジーン(Stratagene)(ストラタジーン社(Stratagene)、ラ・ホーヤ(LA Jolla)、CA)。
未処置ヒトT細胞を用いてペプチドT細胞エピトープを同定するためのアッセイ
B・レンツス(B. lentus)由来プロテアーゼおよびヒト・ズブチリシンの抗原性エピトープを決定するために、「未処置(naive)ヒト」(即ち、バシラス・レンツスに接触または感作を受けたことが知られていない人)からヒト新鮮末梢血液細胞を採取した。「未処置ヒト」とは、その個体が、過去にプロテアーゼに接触したとか、プロテアーゼに対する反応を生じたことが知られていないことを意味するものである。末梢血単核細胞(室温保存して24時間以上経っていないもの)を、使用のため以下のようにして調製した:1単位の全血からのバッフィーコート)標本の溶液約30mlをダルベッコのリン酸緩衝溶液(DPBS)で50mlに希釈し、2本のチューブに分割した。このサンプルの下層に室温用リンフォプレップ密度分離メジウム(ナイコムド(Nycomed)密度1.077)を入れた。これらのチューブは、600×gで30分間遠心した。2つの相の界面を採取し、プールしてDPBSで洗浄した。得られた溶液の細胞密度を血球計数器により測定した。生存度はトリパンブルー除去により測定した。
得られた溶液から、溶液中75ml培養フラスコ当たり10個の細胞密度を有する末梢血単核細胞試料の分化樹状培養細胞を以下の通り調製した:
(1)50mlの無血清AIM Vメジウム(ギブコ)に、1:100希釈ベータ−メルカプトエタノール(ギブコ)を補った。フラスコは、単球細胞がフラスコ壁に付着できるように、5%CO中37℃で2時間水平に置いておいた。
(2)単球細胞の樹状細胞への分化は以下のとおりであった:非付着細胞を除去し、得られた付着細胞(単球)を30mlのAIM V、800単位/mlのGM−CSF(エンドジェン社(Endogen))および500単位/mlのIL−4(エンドジェン社(Endogen))と合わせ;得られた混合液を5%CO中37℃の条件下で5日間培養した。5日後、サイトカインTNFa(エンドジェン社(Endogen))を0.2単位/mlとなるよう加え、次いで、サイトカインIL−1a(エンドジェン社(Endogen))を50単位/mlの最終濃度となるように加えた後、この混合液を5%CO中37℃で更に2日間インキュベートした。
(3)7日目に、マイトマイシンCを50マイクログラム/mlの濃度となるまで加えて、新規の分化樹状培養細胞の成長を停止させた。この溶液を5%CO中37℃で60分間インキュベートした。次いで、スクレーバーを用いフラスコの底から付着細胞を掻き落として樹状細胞を採取した。その後、付着細胞と非付着細胞を600Gで5分間遠心し、DPBSで洗浄してカウントした。
(4)調製した樹状細胞は、96穴丸底アレイに、AIM Vメジウムの全量100マイクロリットル中に1穴当たり2×104個となるように入れた。
樹状細胞を調製するのに用いた末梢血液細胞の凍結アリコートから、以下の変更を除き、使用説明書に従ってヒトCD4+セレクト・キット(Cellect Kit)( シーダー・レイン社(Cedar Lane))を用い、CD4+T細胞を調製した:アリコートは、セレクト(Cellect)カラム当たり約108個の細胞が適用されるように、解凍し、洗浄した;この細胞を4mlのDPBSおよびセレクト・キットからの1mlの細胞(Cell)試薬に再懸濁し、この溶液を室温に20分間維持した。得られた溶液を室温で600G、5分間遠心し、ペレットを2mlのDPBSに再懸濁してセレクトカラムに適用した。カラムからの溶出液は、2%ヒト血清のDPBS溶液中に採取した。得られたCD4+細胞溶液は、遠心し、AIM Vに再懸濁して、密度をカウントした。
CD4+T細胞溶液は、96穴ウェルプレートの効率的な操作を容易にするため、AIM Vメジウム中2×106個/mlのカウントとなるよう再懸濁した。
ペプチト抗原は、DMSO中の1M原液から、AIM Vメジウムで1:10の比率に希釈することにより調製する。この原液10マイクロリットルを、分化した樹状細胞を含む96穴ウェルプレートの各ウェルに入れる。さらに、各ウェルには、上記で調製した希釈CD4+T細胞溶液100マイクロリットルを加える。有用な対照としては、希釈DMSOブランク、および破傷風トキソイド陽性対照がある。
全量210マイクロリットルにおいて、各ウェルの最終濃度は以下の通りである:
2×10CD4+
2×10樹状細胞(10:1のR:S)
5μMペプチド
完全な酵素/ヒト細胞を用いたプロテアーゼ変異体のアレルゲン性低下の有無に関するテスト
生体外(in vitro)増殖のアッセイ
このアッセイは、対象とするペプチド(P1)およびその変異体に対するヒト末梢血単核細胞(PBMC)の生体外(in vitro)増殖反応をテストするのに有用である。一部の実施態様として、P1およびその酵素変異体をフッ化フェニルメチルスルホニル(「PMSF」)で処理して不活化する。ヒトPBMCを段階的に増加させた量の不活化P1と共に培養する。変異体をこうしてテストすることにより、変異体に対するPBMCの増殖反応を測定する。
P1に反応して増殖するということは、この分子全体がPBMC集団中の抗原提示細胞によりプロセッシングを受け、B細胞に提示されたことを示すものである。変異体に対する増殖反応が生じないということは、アミノ酸の修飾によってP1エピトープのプロセッシング、提示および/またはB細胞認識がどの段階で首尾よく阻止されたのかを示すものであろう。
ヒト・バッフィーコートの標品は、コミュニティの供給元(例えば、スタンフォード・ユニバーシティ・ブラッド・センター(Stanford University Blood Center)(パルロアルト(Palo Alto)、CA)から入手する。PBMCは、密度分離により単離し、DPBSで洗浄してカウントする。
P1とその変異体は、100%エタノールの100mMPMSF溶液を、ダルベッコ・リン酸緩衝生理食塩水(「DPBS」)に1:50希釈で溶かしたこれらの酵素の2mg/ml溶液に加えることによって、PMSFにより不活化する。次いで、この混合液を撹拌した後、室温で5分間放置する。その後、PMSFを再び1:50希釈で加え、さらに5分間放置してもよい。必要なら、PMSFを三度加えてさらに5分間放置してもよく、残存酵素活性は、当該分野で知られている比色用基質サクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−パラ−ニトロアニリドを用いてアッセイする。
PBMCを、RPMI1640(ペニシリン、ストレプトマイシンおよびグルタミンを含有)の5%ヒトAB血清溶液に2×10個細胞/mlの濃度で再懸濁する。細胞を24穴ウェルプレートにウェル当たり2ml入れ、酵素を添加する。各ドナーをP1でテストし、可能な限り多くの変異体をテストする(細胞数が限られている)。この研究の大部分を通して使用に適した酵素濃度は、例えば、1、5、10および20μg/mlである。また、この実験は、5、10、20および40μg/mlと酵素の用量範囲を拡大して行う。但し、整合性を図るため、本明細書に纏めたデータは、最高用量の20μg/mlに基づいたものである。培養物は、37℃、5%COで5日間インキュベートする。次いで、5日目に、培養物をピペットで取って再懸濁し、各ウェルからの100μlのレプリケートを96穴ウェルプレートへ移す。これらのウェルは、トリチウム標識チミジン(0.5μCi/ウェル)でパルスした後、37℃で6時間インキュベートする。次いで、プレートを集め、取り込まれたカウントを測定する。
P1に対する反応は、通常30乃至40個体でテストする。高用量で刺激指数(S.I.)が2.0以上の場合、結果は陽性(「イエス」)と判定する。S.I.が2.0未満でバックグラウンドより大きい場合、反応は「弱い」と見なす。次いで、テストした全てのドナーのうち、P1に対しS.I.が2.0以上の増殖反応を示したドナーの百分率を把握する。
免疫原性反応の低下を示す変異体では全て、レスポンダーの百分率は低くなるはずである。エピトープ領域の25−39、88−102、154−168、160−174、163−177および/または181−195番目残基の少なくとも1つから選ばれた特定のアミノ酸へのアミノ酸の変更を有する変異体は、免疫原性反応の変化を示すものと考えられる。数人のドナーが変異体のそれぞれに反応したとすれば、このことは、変異体が培養物中の抗原提示細胞によりプロセッシングされ、提示されるであろうことを示唆している。しかしながら、免疫原性の低い変異体が測定される場合、変異体に対する反応は、親プロテアーゼ(例えば、親分子P1)に対するものより低いであろう。
エピトープ内のアレルゲン性の変化した特定残基の決定
BPN’に対応するP1の種々のエピトープ配列、例えば、アミノ酸残基位置25−39番目の第1のエピトープ領域、88−102番目の第2のエピトープ領域、154−168番目の第3のエピトープ領域、160−174番目の第4のエピトープ領域、163−177番目の第5のエピトープ領域および/または181−195番目の第6のエピトープ領域に基づいたペプチド変異体について、コミュニティ・ドナーの20の血液サンプルから得られたサンプルを用いて、上述のようにテストする。一連のペプチドは、(例えば、適当な商業的供給元を利用して)構築する。ペプチド変異体のそれぞれについて、計画した変更の領域全体をカバーする3つのアミノ酸オフセット15−マーを構築することができる。これは、変異体を低アレルゲン性のプロテアーに組み入れる場合に別の3−マー「リーディング・フレーム」における新規のT細胞エピトープを確実にするために行われる。このセットの親ペプチドを質量により解析することで、完全な15−マーのパーセンテージ量を把握することができる。
ペプチド配列は、以下のとおりである:

Figure 2005535284

各領域にまたがる3−マーオフセットは、明確にするため、示していない。
ペプチド変異体をテストするのに血液サンプルを20検体用いる。ペプチドは、5μMでテストする。各コホートを調べて、特定のエピトープ領域(例えば、25−39、88−102、154−168、160−174、163−177および/または181−195番目残基)に対して反応するドナーの百分率を求める。免疫原性反応の変化を示す変異体は、殆ど反応を引き起こさないと考えられる。
エピトープ内のアレルゲン性の変化した特定残基の決定
各領域を表す、同じアミノ酸(例えば、グリシンもしくはアラニン)で置換した一連のペプチドについて、標準的なプライミング・アッセイ法でテストする(スティックラーほか(Stickler et al.)、ジャーナル・オブ・イムノテラピー(J. Immunother.)、23:p654−660(2000年)参照)。例えば、各ヘプチド・メンバーが各非アラニン野性型残基中に単一のアラニン置換残基を有するアラニン置換ペチド・サブセットを使用する。次いで、各ペプチドに対するノン−レスポンダーを明らかにすることができる。
何人かのコミュニティ・ドナー、例えば、20名をテストする。各個体の刺激指数を調べて刺激指数(「SI」)が3以上であるかどうか判定し、もしそうであればその特定の領域に対する未処置レスポンダーのパーセントは低いことと一致するはずである。アンカー残基についてさらにしっかりとした評価を行うために、対照ペプチドに対するSI反応が2以上の全ての個体についてのデータを纏めることもできる。このデータから、特定の位置における変更は、免疫原性を低下させるのに適していると確認できる。何故なら、ノン−レスポンダーはこの変更に対して全く反応を示さず、対照ペプチドに対するSIが2以上のレスポンダーでは全て、この変更したペプチドに対する増殖反応が低減するはずだからである。また、特定のペプチドにおけるアミノ酸の変更をBPN’配列の残基番号と関係づけてアレルゲン性/免疫原性の低下にとくに有益な置換を特定することもできる。さらに、この配列は、特定の置換もしくは欠失を有する野性型と規定することができる。例えば、ペプセット25−39のペプチド#2における置換は、NGKVAVIDSGIDSSH(配列番号10)のペプセットをもたらすはずである。
さらに、この反応データから、特定の位置の変更(例えば、26番目)が、レスポンダーの数および各のSI値により決まる免疫原性反応を増加させ、この変更ペプチドに対する増殖反応の増大を示すのに最もよいことが明らかとなろう。ペプチド#2におけるこのアミノ酸の変更をV26Aと呼び、その配列はNAKVAVIDSGIDSSHとなる。
生体内(in vivo)におけるアレルゲン性の低下
P1に対するHLA−DR3/DQ2マウスT細胞の反応
この実施例では、遺伝子導入マウスを用いた実験について述べる。HLA−DR3/DQ2導入遺伝子をMHCクラスIIIノックアウト(C2D)背景上で育種して、この研究に有用なマウスを作製した(コスグローブほか(Cosgrove et al.)、セル(Cell)66:p1051−66(1991年))。雄性および雌性マウス共、使用に適している。但し、1年令乃至6−8週令のマウスが有用である。マウスは全て、例えば、AALAC認定施設のアビロン・アニマル・ファシリティ(Aviron Animal Facility)(マウンテンビュー(Mountain View)、CA)で飼育および維持管理することができる。マウスをフローサイトメトリーにより評価して、高レベルのHLA−DR、また、2種の抗HLA−DQ抗体試薬を用い低レベルのHLA−DQを発現するかどうかを確認する。雌は、雄よりも概して高レベルのHLA分子を発現すると考えられている。完全フロイントアジュバント(CFA)用いた足蹠接種、CFAの腹腔内接種、ミョウバンに凝集させたP1の腹腔内接種などの好適な経路により、マウスを免役する。
HLA−DR3/DQ2マウスが完全P1酵素の特定のエピトープ領域をプロセッシングし提示していることを確認するために、P1免疫マウスにおいて脾細胞反応をエピトープ・マップする。雌性および雄性マウス共、通常、10μgのP1−ミョウバンを1、3および10日目の3度免疫する。次いで、15日目に脾臓を摘出する。次に、雌性マウスからの脾細胞をウェル当たり10個、50μg/mlのP1ペプチドと生体外(in vitro)で培養する。雄性マウス数匹(例えば、5匹)からの脾細胞をプールし、雌性マウス脾細胞の場合と同様にして、二つ組の培養をセットアップする。次いで、培養物は、0.5μCiのトリチウム標識チミジンを24時間後にパルスし、48時間後に採集する。二つ組培養物のカウントを平均し、バックグラウンド値を差し引く。各培養物のバックグラウンドカウントから、雌のミョウバン−HLA−Dr3/DQ2P1および雄のミョウバン−HLA−DR3/DQ2P1のものを±cpmとして求める。培養における20μg/mlのPMSF不活化P1に対する雌性マウスの反応をSIで求め、雄の脾細胞についても同様とした。他のレベルのPHA(例えば、10μg/ml)に対する反応もSI値として求め、細胞培養条件が適切であることを明らかにする。
両群のマウス(上記の雄および雌)は、免疫原性反応の低下を示すこれらのペプチド断片に対し、顕著な反応を示す(例えば、25−39、88−102、154−168、160−174、163−177および/または181−195番目残基のペプチド)。
低アレルゲ性安定プロテアーゼ変異体の構築
B細胞エピトープの位置を決定すると、確立された蛋白工学技術を用いてプロテアーゼ変異体を構築することができる。この変異体は、蛋白質の高度にアレルゲン性/免疫原性のアミノ酸配列を低アレルゲン性/免疫原性ホモログからの対応する配列で置換するようにして構築する。ここでは、B・アミロリケファシエンス・突然変異体ズブチリシン(P1)において種々の残基を置換する。プロテアーゼP1の作製については、米国再発行特許第34,606号、ヨーロッパ特許第130,756号および米国特許第5,441,882号に開示されている。変異体P1遺伝子およびクロラムフェニコール・マーカー遺伝子は、クロラムフェニコール選択によりコピー数を増幅する配列5’からapreE座までに対応する繰り返し配列を配置する。
プロテアーゼ変異体のP1(BPN’−Y217L)への導入は、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、および260番目残基から選ばれるアミノ酸を、この野性型残基がアラニンである場合を除き、ピーブルースクリプト(pBluescript)系ベクターを用いた部位特異的突然変異によりアラニンに変換することによって行う。
この結果得られるプラスミドでは、配列5’からapreE座までは、クロラムフェニコール濃度を増加させることにより遺伝子コピー数を増幅するクロラムフェニコール遺伝子の後ろに繰り返される。次いで、このプラスミドを、当該分野で知られている標準的な形質転換法によりバシラス産生株に形質転換する。この形質転換体をLBメジウム中、クロラムフェニコールの濃度を増加させていきながら成長させ、二次培養して、染色体上の特定プロテアーゼ変異体のコピー数を増幅させる。25μg/mlのクロラムフェニコールに対して特定プロテアー変異体産生株を増幅させた後、この特定プロテアーゼ変異体の形質転換体を1%のスキムミルクを含むLA+25μg/mlの溶液で平板培養し、プロテアーゼ活性の指標となるハロの有無をアッセイする。
低アレルゲン性プロテアーゼ安定化突然変異体(N76D、179A、I122A、N218S、Q206L、P40Q、D41A、H238Y)
この実施例において説明するように、部位特異的突然変異を用いて、安定性を向上させるような変異体を作製することができる。各プロテアーゼ変異体のP1への導入を、ピーブルースクリプト(pBluescript)系ベクターを用いた部位特異的突然変異によりそれぞれの残基を所望どおり置換する(例えば、N76をアスパラギン酸残基で、I79をアラニン残基で、I122をアラニン残基で、Q206をリジン残基で、N218をセリン残基で、P40をグルタミン残基で、D41をアラニン残基で、H238をチロシン残基で置換する)ことによって行い、それぞれの安定化されたプロテアーゼ変異体を作製する。各安定化プロテアーゼ変異体は、バシラス産生株中に形質転換して上述のようにして増幅させ、スキムミルクを含む平板上で平板培養して蛋白質分解活性の生成を観察する。
変異体ズブチリシンの突然変異体によるジメチルカゼイン(「DMC」)の加水分解
本明細書に説明した方法により単離、精製した突然変異体ズブチリシンについて、市販合成基質ジ−メチルカゼイン(シグマ(Sigma)C−9801)に対する加水分解能を解析する。5mg/mlのDMC基質溶液を適当な緩衝液を用いて調製する(5mg/mlDMC、0.005%(w/w)ツイーン(Tween)80(登録商標)(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸、シグマ(Sigma)P−1754))。適当なDMC基質緩衝液を調製する(例えば、pH5.5に対して50mM酢酸ナトリウム;pH6.5に対して50mMN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(「TES」);pH7.5に対して50mMピペラジン−N−N’−ビス−2−エタンスルホン酸(「PIPES」);pH8.5に対して50mMトリス)。テストを始めるに当たって、所望のpHの基質200μlをマイクロタイター・プレート(例えば、96穴ウェルプレート)のウェルに入れ、酵素添加前の30分間37℃でプレインキュベートする。2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸塩(「TNBS」)呈色反応法により、スペクトラ・マックス(Spectra Max)250分光光度計を用いて活性を測定する。このアッセイにより、遊離アミノ基を含むペプチドへのDMCの酵素的加水分解を測定する。これらのアミノ基は、2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸と反応して黄色の複合体を形成する。
従って、反応の色が濃くなるほど、測定される活性は高い。TNBS検出アッセイは、37℃で2時間インキュベーションした後の上清に対して行うことができる。TNBSの1mg/ml溶液は、100mlに加熱して溶かした2.4gNaOh、45.4g(Na・10HOを含む溶液で調製する。この溶液から、60μlを96穴マイクロタイター・プレートに分取する。次いで、上述のインキュベートした酵素溶液の10μlを各ウェルに添加し、室温で20分間混和する。次に、このウェルに20μlのNaHPO溶液(2000ml中70.4gのNaHPO・HOおよび1.2gのNaSO)を1分間混和して反応を止め、スペクトラ・マックス(Spectra Max)250分光光度計を用い405nmの吸収を測定する。また、ブランク(同じTNBS溶液であるがこの酵素を含んでいない)も調製してテストする。加水分解は、種々の酵素濃度(0、2.5、5、7.5、および10ppm)について、次の式によって評価する:
405吸収値(酵素溶液)−405吸収値(酵素不含)
既知の突然変異体からのプロテアーゼ(P1)に対するこれらの突然変異体のこのような基質の比較加水分解能は、このようにして測定できる。
変異体プロテアーゼによるコラーゲン、エラスチンおよびケラチンの加水分解
上記の方法により単離、精製した突然変異体ズブチリシンについて、市販の基質、例えば、ウシ・コラーゲン(シグマ(Sigma)C−9879)、ウシ・エラスチン(シグマ(Sigma)E−1625)、および/またはウシ・ケラチン(ICNバイオメディカル(ICN Biomedical)902111)に対する加水分解能を解析することができる。5mg/mlの基質溶液を(0.005%ツイーン(Tween)80(登録商標)を用いて)調製する。各基質は、当該分野で知られているように、適当なpH(例えば、pH5.5、6.5、7.5および8.5)で調製する。テストに際し、1.5mlの各基質を37℃の24穴コスター(Costar)プレートに移す。プレートは、酵素添加前の20分間37℃でプレインキュベートする。上述のように、TNBS検出アッセイは、37℃で2時間インキュベートした後の上清を用いて行う。
これらのアッセイは、既知の突然変異体からのプロテアーゼ(P1)に対するこれらの突然変異体のこのような基質の比較加水分解能を明らかにするのに用いられるものと考えられる。多くの場合、これらの突然変異酵素は、互いと、また野性型酵素と比較して、種々のpHおよび酵素濃度でコラーゲン、エラスチンおよびケラチン基質の有意な加水分解を示すのが通常と考えられる。
ピペラジン−N−N’−ビス−2−エタンスルホン酸(「PIPES」)緩衝液における蛋白質変異体の温度安定性
この実験では、PIPESにおける蛋白質(例えば、プロテアーゼ)変異体の温度安定性を測定する。通常、この測定は、型式ストラタジーン・ロボサイクラー(Stratagene Robocycler)のPCRサーモサイクラーを用いて行う。5.0ppm酵素(例えば、P1および対象とする突然変異体)の安定性について、各温度につきpH6.5において5時点(例えば、5、10、20、40、および60分)でテストする。例えば、PCRサーモサイクラー・グラディエントで42から56℃の範囲を2℃間隔、および42から56℃の範囲を1℃おきにサンプルをテストする。この実験では、50mMPIPES緩衝液を調製する(50mMPIPES、0.005%ツイーン(Tween)80(登録商標))。通常、pHは6.5に調節する。但し、酵素の温度安定性を測定する方法は当該分野で種々知られているので、本発明は、上記の特定の方法に限定されるものではない。
サンプルは、pH6.5および25℃で、標準的なサクシニル−ala−ala−pro−phe−パラ−ニトロアニリド(「SAAPFpNA」)アッセイ法(例えば、デルマー(Delmae)、アナリティカル・バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、94:p316−320(1979年);およびアクツテッター(Achtstetter)、アーク・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Arch. Biochem. Biophys.)、207:p445−54(1981年)参照)を用いてアッセイする。サンプルは、約300ミリOD/分に希釈する。温度安定性は、通常、次式:
H.L.=ln2/傾斜、但し傾斜とは、各温度についての速度対時間の曲線の傾斜である。
によって求められる酵素半減期(分)として表す。
以上の方法を用いることによって、突然変異体の安定性を対照のP1および/または野性型酵素に対して容易に比較することができる。
N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(「TES」)におけるプロテアーゼ変異体の温度安定性
この実験では、TESにおける変異体の温度安定性を測定する。実施例9で説明したようにして、5.0ppm酵素(例えば、P1および対象とする突然変異体)の安定性について、各温度につきpH6.5において5時点(例えば、5、10、20、40、および60分)でテストする。例えば、PCRサーモサイクラー・グラディエントで42から56℃の範囲を2℃間隔、および42から56℃の範囲を1℃おきにサンプルをテストする。TES緩衝液は、50mMTES(シグマ(Sigma)T1375)、0.005%ツイーン(Tween)80(登録商標)を混合して調製する。通常、pHは6.5に調節する。
変異体の温度安定性は、当該分野で知られているサクシニル−ala−ala−pro−phe−パラ−ニトロアニリド(「AAPFpNA」)を用い、シグマ(Sigma)no.S−7388(分子量624.6g/モル)のような試薬(例えば、デルマー(Delmar)、アナリティカル・バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、94:p316−320(1979年);およびアクツテッター(Achtstetter)、アーク・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Arch. Biochem. Biophys.)、207:p445−54(1981年)参照)を使用して測定され、pH6.5および温度25℃でテストされるような残存変異体の活性として求めることができる。反応で形成された(黄色の)p−ニトロアニリド(pNA)について、サンプルを約300mOD/分に希釈して、スペクトラマックス(SpectraMax)250分光光度計を用い、410nm:.ε=8,480M−1cm−1で分光光度法により測定する。温度安定性は、前述の通り、酵素半減期(分)として表す。以上のように、この実験は、変異体酵素試料の安定性を対照のP1および/または野性型酵素と比較する手段となる。
ボディソープ溶液その他のパーソナルケア用品におけるプロテアーゼ変異体の安定性
クローン酵素(実施例4で説明した)を用い、種々のプロテアーゼ変異体の安定性を以下のプロトコルにより測定した。
溶液安定性の測定方法
この実験では、P1および突然変異体を少なくとも2つの試験でテストし、最初の試験では45℃で30分間、2番目の試験では50℃で30分間テストする。このテストのために、市販のボディソープ(例えば、プロクター・ギャンブル(Procter&Gamble)からゼスト(ZEST)(登録商標)の商標で販売されているボディソープ)を脱イオン水と混合して50/50(w/w)ボディソープ溶液を調製する。このバッファー混合液のpHは約6.8である。
テストする酵素は希釈して、50w/w%ボディソープ:脱イオン水溶液の最終酵素濃度が、この酵素/ボディソープ溶液の10μlをSAAPFpNAアッセイエンドポイント法によりアッセイした時、0.5乃至1.0のOD405の変化を生ずるようにする。希釈量を確認したら、希釈混合液200μlを96穴マイクロタイター・プレートのウェルに入れる。このプレートを密封し、1つの試験では40℃の、2番目の試験では50℃の湯浴に入れる。プレートは、所望の時間(例えば、30もしくは45分間)の後に湯浴から取り出し、サンプル10μlを前記エンドポイント法によりアッセイする。残存活性のパーセントは、最初の活性で除した最終の活性を100倍して計算する。
一部の実験では、前記実施例のアッセイにより決定された特定残基を含む変異体は、残存酵素活性量の増大を示し、従って、P1より広い温度安定性を有している。例えば、50℃において、一部の変異化合物では残存パーセンテージ活性が増大するが、P1、もしくは安定化残基のない野性型変異体では残存パーセンテージ活性の低下が認められる。また、一部の実験において、全ての酵素で50℃でボディソープの存在下に高い安定性が認められるが、異なる安定性を有するP1−[エピトープ変異体]変異体では安定性はさらに高い。
実際のところ、免疫原性の少ない本発明のプロテアーゼが用いられる用途は非常に多い。洗剤その他の清浄用組成物の他に、免疫原性の少ないプロテアーゼはパーソナルケア用品にも使用される。以下の諸表は、テストに使用するのに適した種々の製品の組成を示したものである。これらの表において、「マイナー」という用語は、pH調整剤、保存剤、粘度調整剤、および香料を含む。また、これらの表では、量は、特に示さない限り、(メーカーが示す)おおよその重量パーセントを表すものであり、有効な数字を示すものではない。

Figure 2005535284

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清浄用組成物
上述の組成物の他に、本発明は、特定の特性を有する清浄用組成物創出する手段を提供する。実際には、本発明は、改変したプロテアーゼを含む種々の清浄用組成物を提供する。特に好ましい実施態様として、蛋白性の汚れの除去を必要とする種々の表面の清浄に有用な組成物に、有効量の上記プロテアーゼ酵素一種以上を含ませる。このような清浄用組成物としては、硬質表面清浄用の洗剤組成物、繊維製品清浄用の組成物、食器洗い用組成物、口腔清浄用組成物、および入れ歯清浄用組成物が挙げられる。これらの組成物は、対象とする特定の用途に適切ないかなる形態によっても提供されるものである。本発明の清浄用組成物は、1種以上のプロテアーゼ酵素を好ましくは約0.0001%乃至約10%、より好ましくは約0.001%乃至約1%、さらにより好ましくは約0.001%乃至約0.1%を含む。プロテアーゼ酵素が使用される種々の清浄用組成物のいくつかの例を以下でさらに詳しく説明する。本明細書で用いる全ての部、パーセンテージおよび比率は、特記しない限り、重量によるものである。
A.硬質表面食器および繊維製品用清浄組成物
本発明のプロテアーゼ酵素は、高い気泡性および/または十分な不溶性基質除去が望まれるどんな洗剤組成物においても使用される。従って、このプロテアーゼ酵素は、硬質表面クリーナー、食器洗い用組成物、布地洗濯用組成物などにおける配合を完全なものとするために、種々の従来成分と共に用いることができる。これらの組成物は、特定の用途に対し許容可能などんな形態(例えば、液体、顆粒、棒状物)による使用にも適している。さらに、これらの組成物は、界面活性剤を30重量%乃至60重量%も含有する市販の「濃縮」洗剤に用いるのにも適している。
一部の実施態様として、清浄用組成物は、種々の陰イオン性、非イオン性、両性イオン性等の界面活性剤を含有する。通常、このような界面活性剤は、組成物の約0.1%乃至約60%、好ましくは約1%乃至約35%のレベルで含まれる。好適な界面活性剤としては、従来のC11−C18アルキルベンゼンスルホン酸塩、式CH(CH(CHOSO)CHおよびCH(CH(CHOSO )CHCH(式中、xおよび(y+1)は少なくとも約7、好ましくは約9の整数であり、Mは水可溶化陽イオン、特にナトリウムである)のC10−C18二級(2,3)アルキル硫酸塩、C10−C18アルキルアルコキシ硫酸塩(特にEO1−7エトキシ硫酸塩)、C10−C18アルキルアルコキシカルボン酸塩(特にEO1−7エトキシカルボン酸塩)、C10−C18アルキルポリグリコシドとその対応硫酸化ポリグリコシド、C12−C18アルファ−スルホン化脂肪酸エステル、C12−C18アルキルおよびアルキルフェノールアルコキシラート(特にエトキシラートおよび混成エトキシ/プロポキシ)、C12−C18ベタインおよびスルホベタイン(「スルタイン」)、C10−C18アミンオキシド、C−C24サルコシン(特に、オレイルサルコシン)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記アルキルアルコキシ硫酸塩(AES)およびアルキルアルコキシカルボンサン塩(AEC)は、本発明において好ましい。さらにまた、このような界面活性剤を前述のアミンオキシドおよび/またはベタインもしくはスルタン界面活性剤と併用することも、配合者の希望にもよるが、好ましいものである。その他、従来からの有用な界面活性剤が当業者に知られており、例えば、C10−C18N−メチルグルカミド(米国特許第5,194,639号参照)のような界面活性剤が特に有用であるが、これらに限定されるものではない。
一部の実施態様として、本発明の組成物は、平均親水性親油性比が5乃至17、好ましくは6乃至14、より好ましくは7乃至12の範囲にある界面活性剤となるエチレンオキシドと疎水性部分との縮合物である非イオン性界面活性剤のクラスの一員を含む。この疎水性(親油性)部分は、性質上脂肪族性または芳香族性とすることができ、また、特定の疎水性基と縮合するポリエチレン基の長さは、親水性および親油性エレメント間に所望の程度のバランスを有する水溶性化合物をもたらすように、容易に調整することができる。特に好ましいものは、アルコール1分子当たり3乃至8モルのエチレンオキシドを含有するC−C15第一級アルコールエトキシラート(もしくは混成エトキシ/プロポキシ)、特に、アルコール1分子当たり6乃至8モルのエチレンオキシドを含有するC14−C15第一級アルコール、アルコール1分子当たり35モルのエチレンオキシドを含有するC12−C15第一級アルコール、およびこれらの混合物である。
清浄用洗剤組成物に有用な多種多様なその他の成分、例えば、他の活性成分、担体、向水性物質、加工助剤、色素もしくは顔料、液体組成物用溶媒なども、本発明の組成物に用いられる。気泡性をさらに高めるため、C10−C16アルコルアミドなどの泡立ち促進剤を通常約1%乃至約10%のレベルで組成物に混合することができる。C10−C14モノエタノールおよびジエタノールアミドは、このような泡立ち促進剤の典型的なクラスを例示するものである。上記のアミンオキシド、ベタインおよびスルタインのような高度に気泡性の補助界面活性剤をこの泡立ち促進剤と併用しても有利である。必要な場合、MgCl2、MgSOなどの可溶性マグネシウム塩を通常約0.1%乃至約2%のレベルで添加してさらに気泡性を高めることができる。
本明細書の液状洗剤組成物は、通常、担体としての水その他の溶媒を含有する。低分子量第一級もしくは第二級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、およびイソプロパノール)は好適である。一価アルコールは、界面活性剤を溶解させるのに好ましいが、約2乃至約6個の炭素原子および約2乃至約6個のヒドロキシ基を含有するようなポリオール(例えば、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、および1,2−プロパンジオール)も本発明のこの洗剤に用いられる。一部の実施態様として、この組成物は、このような担体を約90%、もしくは約10%乃至約50%含有する。
本明細書の洗剤組成物は、水洗浄作業で使用中に、洗浄水のpHが約6.8乃至約11.0となるように配合されることが好ましい。従って、通常、最終製品はこの範囲となるよう配合される。推奨使用量におけるpHの調節法としては、緩衝液、アルカリ、酸などが挙げられ、これらは当業者によく知られている。
本発明の硬質表面清浄用組成物および布地清浄用組成物を作製する場合、配合者は、種々のビルダーを約5重量%乃至約50重量%のレベルで使用することを望むことができる。代表的なビルダーとしては、1乃至10ミクロンのゼオライト、クエン酸およびオキシジコハク酸塩などのポリカルボン酸塩、層状ケイ酸塩、リン酸塩などが挙げられる。その他の通常のビルダーは当業者に知られており、これらも本発明の組成物に含ませるのに好適である。
同様に、配合者は、このような組成物に、その他の種々の酵素、例えば、セルラーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、ペルオキシダーゼ、およびプロテアーゼを、通常約0.001重量%乃至約1重量%のレベルで使用することを望むことができる。種々の洗剤用および布地手入れ用酵素が洗濯洗剤分野でよく知られており、これらも本発明の組成物に含ませるのに好適である。
過炭酸塩、過ホウ酸塩などの種々の漂白化合物も本発明の組成物に用いられる。これらの漂白化合物は、通常、約1重量%乃至約15重量%のレベルで含まれる。必要な場合、このような組成物は、当該分野でも知られている、テトラアセチルエチレンジアミン、ノナノイルオキシベンゼンなどの漂白増強剤を含むこともできる。このような化合物の使用量は、通常約1%乃至約10%の範囲である。
本発明の組成物には、種々のソイルリリース剤、特に陰イオン性オリゴエステル・タイプ、種々のキレート剤、特にアミノホスホン酸塩とエチレンジアミンジコハク酸塩、種々の分散剤、特にポリアクリル酸塩とポリアスパラギン酸塩、種々の光沢剤、特に陰イオン性光沢剤、ポリビニルピロリドンなどの種々の染料移行防止剤、種々の泡立ち抑制剤、特にシリコーンと第二級アルコール、種々の柔軟仕上げ剤、特にスメクタイト粘土とクレー・フロキュレーティング・ポリマー(clay flocculating polymer)(例えば、ポリ(オキシエチレン))などの全てが、最も普通には約1重量%乃至約35重量%の範囲のレベルで用いられる。
また、酵素安定化剤も、本発明の清浄用組成物に用いられる。このような酵素安定化剤としては、ポリエチレングリコール(好ましくは約1%乃至約10%)、ギ酸ナトリウム(好ましくは約0.1%乃至約1%)およびギ酸カルシウム(好ましくは約0.1%乃至約1%)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1.硬質表面洗浄用組成物
好ましい実施態様として、本発明の硬質表面洗浄用組成物は、有効量の1種以上のプロテアーゼ酵素、好ましくは約0.0001重量%乃至約10重量%、より好ましくは約0.001重量%乃至約5重量%、さらに好ましくは約0.001重量%乃至約1重量%の本組成物の活性プロテアーゼ酵素を含有する。この硬質表面洗浄用組成物は、1種以上のプロテアーゼ酵素を含有することの他に、通常、界面活性剤および水溶性金属イオン封鎖ビルダーを含む。但し、窓ふき用スプレーなどの特定の専用品では、ガラス表面に薄膜/むらが残る可能性があるので、界面活性剤は用いられないことがある。
界面活性剤成分は、これが本明細書の組成物に含まれる場合、組成物の0.1%程度を占めることができるが、通常は、この組成物は、界面活性剤を約0.25%乃至約10%、より好ましくは約1%乃至約5%含むことになろう。
通常、この組成物は、界面活性ビルダーを約0.5%乃至約50%、好ましくは約1%乃至約10%含むことになる。好ましくは、pHは約8乃至12の範囲にあるべきである。pH調整が必要な場合、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムもしくは塩酸を使用することができる。
一部の実施態様として、少なくとも1種の溶媒がこの組成物に含まれる。有用な溶媒としては、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル、および2,2,4−トリメチル−1,3ペンタンジオールおよび2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどのジオールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような溶媒は、使用時には通常、約0.5%乃至約15%、好ましくは約3%乃至約11%のレベルで含まれている。
組成物をそのままの濃度で表面に塗布した後、表面がすすがれない場合に、表面からの組成物の速やかな蒸発を容易にするため、本発明では、イソプロパノールもしくはエタノールなどの高度に揮発性の溶剤を用いることができる。通常、揮発性溶剤は、組成物中、約2%乃至約12%の濃度で用いる。
本発明の硬質表面洗浄用組成物の実施態様は、以下の限定されない実施例によって例示される。以下の実施例において、実施例の「プロテアーゼ#」を指称するものは、免疫原性反応の少ないプロテアーゼ変異体を0.10、0.20、0.10、0.05、0.03および0.02のパーセンテージで含む本発明の組成物において有用な変異体である。

Figure 2005535284

上記実施例の一部の実施態様として、本発明に有用なその他のプロテアーゼが代わりに用いられ、同様な結果が得られている。さらに、上記実施例の一部の実施態様として、上記組成物において、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、予想されたほぼ同様な結果が得られている。
次の表は、硬質表面を清浄しカビを除去するのに好適なサンプル組成を示すものである。製品組成物のpHは、通常約7である。

Figure 2005535284

実施例11および12では、本発明に有用なプロテアーゼ酵素の任意の組合せが代わりに用いられ、予想されたほぼ同様な結果が得られている。
2.食器洗い用組成物
本発明の更なる実施態様として、1種以上のプロテアーゼ酵素を含む食器洗い用組成物を提供する。本発明のこの食器洗い用組成物の実施態様を、以下に例示する。プロテアーゼは、0.5、0.4、0.1、0.05、0.03および0.02のパーセンテージで含ませる。これらの組成物では、製品のpHは7に調整する。

Figure 2005535284

上記実施例の一部の実施態様として、上記の組成物において、前記の本発明に有用なプロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。さらに、上記実施例の一部の実施態様として、上記の組成物において、特に本発明に有用なプロテアーゼ酵素の任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。

Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、予想されたほぼ同様な結果が得られている。
3.布地洗浄用組成物
さらに、本発明は、1種以上のプロテアーゼ酵素を含む布地洗浄用組成物を提供する。
a.顆粒状布地洗浄組成物
本発明の布地洗浄用顆粒状組成物は、有効量の1種以上のプロテアーゼ酵素、好ましくは約0.001重量%乃至約10重量%、より好ましくは約0.005重量%乃至約5重量%、さらに好ましくは約0.01重量%乃至約1重量%の本組成物の活性プロテアーゼ酵素を含む。1種以上のプロテアーゼ酵素の他に、通常、この布地洗浄用顆粒状組成物は、少なくとも1種の界面活性剤、1種以上のビルダー、および、ある場合には、漂白剤を含む。本発明の布地洗浄用顆粒状組成物の実施態様は、以下の実施例によって例示される。

Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。

Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。

Figure 2005535284

Figure 2005535284

更なる実施態様として、以下のようなコンパクトな布地洗浄用顆粒状組成物を提供する。成分は重量パーセントで示されている。組成物1:アルキルサルフェート(8.0)、アルキルエトキシサルフェート(2.0)、トリ−およびヘプタ−エトキシル化C25およびC45アルコール(6.0)、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド(2.5)、ゼオライト(17.0)、層状ケイ酸塩/クエン酸塩(16.0)、炭酸塩(7.0)、マレイン酸アクリル酸コポリマー(5.0)、ソイルリリースポリマー(0.4)、カルボキシメチルセルロース(0.4)、ポリ(4−ビニルピリジン)−N−オキシド(0.1)、ビニルイミダゾールとビニルピロリジンのコポリマー(0.1)、PGE−2000(0.2)、プロテアーゼ#(4%プリル(Prill))(0.5)、リパーゼ(0.2)、セルロース(0.2)、テトラセチルエチレンジアミン(6.0)、過炭酸塩(22.0)、エチレンジアミンジコハク酸(0.3)、泡立ち抑制剤(3.5)、二ナトリウム−4,4’−ビス(2−モルフォリノ−4−アニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホネート(0.25)、二ナトリウム−4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニル(0.05)、ならびに水、香料およびマイナーの組合せ(最高100まで)。
別の布地洗浄用顆粒状組成物では、次の成分を提供する。これらの成分は、重量パーセントで示す。組成物2:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(7.6)、C16−C18アルキル硫酸塩(1.3)、ヘプタエトキシル化C14−15アルコール(4.0)、ココ−アルキル−ジメチルヒドロキエチルアンモニウムクロリド(1.4)、分散剤(0.07)、シリコーン流体(0.8)、クエン酸三ナトリウム(5.0)、ゼオライト4A(15.0)、マレイン酸アクリル酸コポリマー(4.0)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(0.4)、過ホウ酸塩(15.0)、テトラアセチルエチレンジアミン(5.0)、スメクチック粘土(10.0)、ポリ(オキシエチレン)(MW300,000)(0.3)、プロテアーゼ#(4%プリル(Prill))(0.4)、リパーゼ(0.2)、アミラーゼ(0.3)、セルラーゼ(0.2)、ケイ酸ナトリウム(3.0)、炭酸ナトリウム(10.0)、カルボキシメチルセルロース(0.2)、光沢剤(0.2)、および水、香料およびマイナーの組合せ(最高100まで)。
さらに別の布地洗浄用顆粒状組成物では、次の成分を提供する。これらの成分は、重量パーセントで示す。組成物3: 直鎖アルキルベンゼン(6.92)、獣脂アルキル硫酸塩(2.05)、ヘプタエトキシル化C14−15アルコール(4.4)、トリエトキシル化C12−15アルキルエトキシ硫酸塩(0.16)、ゼオライト(20.2)、クエン酸塩(5.5)、炭酸塩(15.4)、ケイ酸塩(3.0)、マレイン酸アクリル酸コポリマー(4.0)、カルボキシメチルセルロース(0.31)、ソイルリリースポリマー(0.30)、プロテアーゼ#(4%プリル(Prill))(0.2)、リパーゼ(0.36)、セルラーゼ(0.13)、過ホウ酸塩四水和物(11.64)、過ホウ酸塩一水和物(8.7)、テトラアセチルエチレンジアミン(5.0)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(0.38)、硫酸マグネシウム(0.40)、光沢剤(0.19)、香料、シリコーンおよび泡立ち抑制剤の混合物(0.85)、ならびにマイナー(最高100まで)。
上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。
また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。
b.布地洗浄用液状組成物
本発明の布地洗浄用液状組成物は、有効量の1種以上のプロテアーゼ酵素、好ましくは約0.001重量%乃至約10重量%、より好ましくは約0.001重量%乃至約1重量%、最も好ましくは約0.001重量%乃至約0.1重量%の本組成物の活性プロテアーゼ酵素を含む。通常、このような布地洗浄用液状組成物は、さらに、陰イオン性界面活性剤、脂肪酸、水溶性界面活性ビルダーおよび水を含む。本発明の布地洗浄用液状組成物の実施態様は、以下の実施例によって例示される。

Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。


Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。
c.布地洗浄用固形組成物
汚れた布地を手洗いするのに適した本発明の布地洗浄用固形組成物は、有効量の1種以上のプロテアーゼ酵素、好ましくは約0.001重量%乃至約10重量%、より好ましくは約0.01重量%乃至約1重量%のこの成分を含む。本発明の布地洗浄用固形組成物の実施態様は、以下の実施例によって例示される。

Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。
d.その他の洗浄用組成物
前述の硬質表面清浄用、食器洗い用および布地洗浄用組成物の他に、不溶性基質の加水分解を目的とするその他の種々の清浄用組成物に1種以上のプロテアーゼ酵素を混合することができる。このようなその他の清浄用組成物としては、口腔清浄用組成物、入れ歯清浄用組成物、およびコンタクトレンズ清浄用組成物、ならびにその他のパーソナルケア用清浄組成物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1.口腔清浄用組成物
本発明のその他の実施態様として、歯もしくは入れ歯の蛋白性の汚れを除去するのに有用な組成物に、医薬用として許容可能な量の1種以上のプロテアーゼ酵素を含有させる。好ましくは、本発明の口腔清浄用組成物は、約0.0001重量%乃至約20重量%の1種以上のプロテアーゼ酵素、より好ましくは約0.001重量%乃至約10重量%、さらに好ましくは約0.01重量%乃至約5重量%のこの成分、および医薬用として許容可能な担体を含む。通常、この口腔清浄用組成物の口腔清浄成分である医薬用として許容可能な口腔清浄用担体成分は、概して、組成物の約50重量%乃至約99.99重量%、好ましくは約65重量%乃至約99.99重量%、より好ましくは約65重量%乃至約99重量%を占めることになる。
本発明の口腔清浄用組成物に含ませることができる医薬用として許容可能な担体および任意の成分については当業者によく知られている。口腔清浄用組成物に有用な多種多様な組成物のタイプ、担体成分および任意の成分については、米国特許第5,096,700号、米国特許第5,028,414号および米国特許第5,028,415号に開示されており、これらは全て引用により本明細書に組み込まれている。本発明の口腔清浄用組成物の実施態様は、以下の実施例によって例示される。

Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。

Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。

Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。

Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。
2.入れ歯清浄用組成物
さらに別の実施態様として、本発明は、1種以上のプロテアーゼ酵素を含む、口腔外で入れ歯を清浄するための種々の入れ歯清浄用組成物を提供する。このような入れ歯清浄用組成物は、有効量の1種以上のプロテアーゼ酵素、好ましくは約0.001重量%乃至約50重量%の1種以上のプロテアーゼ酵素、より好ましくは約0.001重量%乃至約35重量%、さらに好ましくは約0.01重量%乃至約20重量%のこの成分、および入れ歯清浄用担体を含む。発泡性錠剤などの種々の入れ歯清浄用組成物のタイプは、当該分野でよく知られており(例えば、本明細書にも引用により組み込まれている米国特許第5,055,305号参照)、概して、入れ歯の蛋白性汚れを除去するための1種以上のプロテアーゼ酵素を混合するのに適している。
本発明の入れ歯清浄用組成物の実施態様は、以下の実施例によって例示される。

Figure 2005535284

上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。
3.パーソナル用清浄組成物
本発明の更なる実施態様として、皮膚清浄用のパーソナル用清浄組成物は1種以上のプロテアーゼ酵素を含む。通常、このような組成物は、約0.001重量%乃至約5重量%のプロテアーゼ酵素、好ましくは約0.005重量%乃至約2重量%、最も好ましくは約0.01重量%乃至約0.8重量%のこの成分を含む。本明細書に記載したようなプロテアーゼ酵素を含ませることができる好適なパーソナル用清浄組成物としては、米国特許出願第08/121,623号および第08/121,624号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明では種々の組成物を企図しているが、石鹸成分を含む1つのパーソナル清浄用液状組成物には、(重量%で表して)石鹸(KもしくはNa)(15.00)、30%ラウリン酸塩、30%ミリスチン酸塩、25%パルミチン酸塩、15%ステアリン酸塩、脂肪酸(以上4.50)、ラウリルサルコシンナトリウム(6.00)、ラウレス3硫酸ナトリウム(0.66)、コカミドプロピルベタイン(1.33)、グリセリン(15.00)、プロピレングリコール(9.00)、ポリクオタニウム10(0.80)、ジステアリン酸エチレングリコール(EDTA)(1.50)、プロピルパラベン(0.10)、メチルパラベン(0.20)、プロテアーゼ#(0.10)、KOHもしくはNaOH(pH調整が必要な場合)、硫酸カルシウム(3)、酢酸(3)、および水(100までの残量)が含まれる。
別の実施態様として、本発明はパーソナル用清浄固形物を提供する。本発明では種々の組成物を企図しているが、石鹸成分を含む1つのパーソナル用清浄固形組成物には、(重量ココイルイセチオン酸ナトリウム(47.20)、セテアリール硫酸ナトリウム(9.14)、パラフィン(9.05)、石鹸ナトリウム(そのまま)(3.67)、イセチオン酸ナトリウム(5.51)、塩化ナトリウム(0.45)、二酸化チタン(0.40)、EDTA三ナトリウム(0.1)、エチドロン酸三ナトリウム(0.1)、香料(1.20)、NaSO(0.87)、プロテアーゼ#(0.10)、および水とマイナーの混合液(100までの残量)が含まれる。
上記組成物において、その中に、本発明に有用な低免疫原性プロテアーゼが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。また、上記組成物において、その中に、本明細書に列挙した本発明に有用なプロテアーゼの任意の組合せが代わりに用いられ、ほぼ同様な結果が得られている。
洗浄性能テスト
本発明の組成物に有用な変異体の洗浄性能は、当該分野で知られている適当な手段によって評価することができる。この実施例では、EMPA116(綿に付いた血液/ミルク/黒色顔料)布地材料見本(テストファブリックス社(Testfabrics,Inc.)、ミドルエセックス(Middlesex)、N.J.07030)からの汚れの除去を判定する好適な方法を説明する。硬度15gpgの水(Ca++:Mg++::3:1::w:w)1000ml、洗剤剤7g、および適量の酵素を含むモデル(Model)7243Sテルグ−O−トメータ(Terg−O−Tometer)(ユナイテッド・ステーツ・テスティング社(United States Testing Co.)、ホーボーケン(Hoboken)、N.J.)の各ポットに、端がギザギザの、3×41/2インチに切ったEMPA116材料見本を6枚入れる。洗剤の基剤は、wfk−テストゲウェーベ社(Testgewebe GmbH)(クレーフェルト(Krefeld)、ドイツ)のWFK1洗剤であり、以下の成分(最終組成物に対する%)を有する:ゼオライトA(25%)、硫酸ナトリウム(25%)、ソーダ灰(10%)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(8.8%)、エトキシル化アルコール(7−8EO)(4.5%)、石鹸ナトリウム(3%)、およびケイ酸ナトリウムSiO:NaO::3.3:1)(3%)。
この基剤洗剤に、以下の添加を行う(最終組成物に対する%):過ホウ酸ナトリウム一水和物(13%)、コポリマー(ソカラン(Sokalan)CP5)(4%)、TEAD(マイコンATCグリーン(Mykon ATC Green)(3%)、酵素(0.5%)、および漂白剤(チノパル (Tinopal) AMS−GX)(0.2%)。
過ホウ酸ナトリウム一水和物は、デグッサ社(Degussa Corporation)、リッジフィールド・パークなどの種々の市販元から入手することができる。ソカランCP5は、バスフ社(BASF Corporation)、パルシッパニイ(Parsippany)、N.J.から得られる。マイコンATCグリーン(TEAD、テトラアセチルエチレンジアミン)は、ウォリック・インタナショナル社(Warwick International,Limited)、英国から入手することができる。チノパルAMS−GXは、チバ−ガイギー社(Ciba−Geigy Corporation)、グリーンズバラ(Greensbolo)、N.C.から入手することができる。
1つの好適なテスト方法では、6枚のEMPA116材料見本を洗剤中、酵素と共に60℃で30分間洗い、1000mlの水で1回当たり5分間、2度すすぐ。添加酵素の最終濃度は、標準曲線に対しては0.05乃至1ppm、ルーチン分析に対しては0.25ppmとする。材料見本を乾燥、プレスした後、この材料見本からの反射率について、ミノルタ・クロマ・メータ(Minolta Chroma Meter)、モデルCR−200(ミノルタ社(Minolta Corporation)、ラムジー(Ramsey)、N.J.)のL*a*b*スケールのL値により測定を行う。一部の実施態様として、このテスト酵素の性能は、B・アミロリケファシエンス(BPN’)プロテアーゼの性能のパーセンテージとして記録し、B・アミロリケファシエンス(BPN’)プロテアーゼの量を同じ汚れ除去性能の100倍となるのに必要な変異体プロテアーゼの量で除することによって計算する。
液状洗剤組成物におけるプロテアーゼの安定性
この実施例は、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンとその変異体酵素について液状洗剤組成物における不活化に対するプロテアーゼの安定性を比較する手段を提供する。本発明に対しては他の方法も用いられるので、本発明は、この方法に限定されるものではない。
この方法では、試験用の洗剤組成物は、市販の洗濯用洗剤(例えば、タイド・ウルトラ・洗濯用液状洗剤(プロクター・ギャンブル(Proctor&Gamble)である。一部の実施態様として、使用状態のプロテアーゼを不活化するのに洗剤組成物の加熱処理を必要とする。これは、洗剤を96℃で4.5時間インキュベートすることにより達成される。次いで、20グラム/リットルの酵素レベルでの、B・アミロリケファシエンス・ズブチリシンとテストすべき変異体の濃縮試料を上記加熱処理洗剤に、室温で洗剤組成物中0.3グラム/リットルの最終酵素濃度になるまで加える。次に、このプロテアーゼを加えて加熱処理洗剤を50℃の湯浴中でインキュベートする。インキュベション・チューブから0、24、46、76および112時間間隔でアリコートを取り出した後、0.1Mトリス−HCl緩衝液に溶かした合成ペプチド基質suc−Ala−Ala−Pro−phe−p−ニトロアニリドのpH8.6、25℃の1.2mM溶液を含む1cmキュベットに加えることによって酵素活性をアッセイする。初期線形反応速度に続いて、分光光度計により、410nmでの反応生成物p−ニトロアニリンの吸光度を時間の関数としてモニターする。好ましい実施態様として、好適な変異体は、上記未改変B・アミロリケファシエンス酵素よりも不活化に対する安定性が有意に高いことが観察される。これらの酵素の、洗濯用洗剤組成物中の推定不活化半減期は、このような特定のテスト条件において求められる。
本発明の特定の実施態様について説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明を種々に変更、修正して実施し得ることは、当業者には明らかであろう。また、本発明の好ましい実施態様について説明したが、これらの開示された実施態様に対し種々の修正を加えることができること、およびこのような修正が本発明の範囲に含まれるものであることは、当業者には明瞭であろう。
B・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)ズブチリシン(BPN’)のDNA(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列、およびにこの遺伝子の部分制限酵素切断地図。 B・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)ズブチリシン(BPN’)のDNA(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列、およびにこの遺伝子の部分制限酵素切断地図。 B・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)ズブチリシン(BPN’)のDNA(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列、およびにこの遺伝子の部分制限酵素切断地図。 B・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)ズブチリシン(BPN’)のDNA(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列、およびにこの遺伝子の部分制限酵素切断地図。 B・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)ズブチリシン(BPN’)のDNA(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列、およびにこの遺伝子の部分制限酵素切断地図。 前駆体プロテアーゼP1(BPN’−Y217L)(配列番号3)のアミノ酸配列。 対象プロテアーゼ(P1)の抽出物に対する応答率を示すグラフ(n=100)。 対象プロテアーゼ(P1)に対する応答率を示すグラフ。

Claims (18)

  1. T細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの変異体であって、
    当該変異体は、改変T細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体は、ヒトにおいて当該プロテアーゼに基づく免疫原性反応の変化を示し、
    対象プロテアーゼの当該改変T細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、及び195番目残基に対応する残基の1つ以上のアミノ酸置換を含む、
    当該変異体。
  2. 変異体により生じる免疫原性反応が、前記対象プロテアーゼにより生じる免疫原性反応より弱い、請求項1に記載の変異体。
  3. 変異体により生じる免疫原性反応が、生体内(in vivo)におけるアレルゲン性の低下によって特徴付けられる、請求項2に記載の変異体。
  4. 変異体により生じる免疫原性反応が、生体外(in vitro)におけるアレルゲン性の低下によって特徴付けられる、請求項2に記載の変異体。
  5. 変異体により生じる免疫原性反応が、前記対象プロテアーゼにより生じる免疫原性反応より強い、請求項1に記載の変異体。
  6. 請求項1に記載の変異体をコードする核酸。
  7. 請求項6に記載の核酸を含む発現ベクター。
  8. 請求項7に記載の発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞。
  9. 清浄用組成物およびパーソナルケア製品よりなる群から選ばれる組成物であって、請求項1に記載の変異体を含む当該組成物。
  10. T細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの少なくとも1種の変異体を含有するスキンケア用組成物であって、
    当該変異体は、改変T細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体と対象プロテアーゼは、互いに異なる免疫原性反応をヒトにおいて生じ、
    対象プロテアーゼの当該T細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、及び195番目残基に対応する残基の1つ以上のアミノ酸置換を含む、
    当該スキンケア用組成物。
  11. 化粧品用として許容可能な担体をさらに含む、請求項10に記載のスキンケア用組成物。
  12. 前記担体が、水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングリコール、分子量約200乃至約600のポリエチレングリコール、分子量約425乃至約2025のポリプロピレングリコール、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる親水性希釈剤を含む、請求項11に記載のスキンケア用組成物。
  13. スキンケア・アクティブをさらに含む、請求項10に記載のスキンケア用組成物。
  14. 前記スキンケア・アクティブが、ビタミンB3成分、パンテノール、ビタミンE、酢酸ビタミンE、レチノール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、ビタミンC、テオブロミン、アルファ−ヒドロキシ酸、ファルネソール、フィトラントリオール、サリチル酸、パルミチルペンタペプチド−3およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる、請求項13に記載のスキンケア用組成物。
  15. 前記ビタミンB3成分がナイアシンアミドである、請求項14に記載のスキンケア用組成物。
  16. グリセリンをさらに含む、請求項10に記載のスキンケア用組成物。
  17. a)T細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの変異体であって、
    当該変異体は、改変T細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体と対象プロテアーゼは、互いに異なる免疫原性反応をヒトにおいて生じ、
    対象プロテアーゼの当該T細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、及び195番目残基に対応する残基の1つ以上のアミノ酸置換を含む、
    当該変異体を約0.00001重量%乃至約1重量%、
    b)保湿剤を約0.01重量%乃至約20重量%、
    c)スキンケア・アクティブを約0.1重量%乃至約20重量%、
    d)界面活性剤を約0.05重量%乃至約15重量%、および
    e)シリコーンを約0.1重量%乃至約20重量%
    含むスキンケア用組成物。
  18. T細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの少なくとも1種の変異体を含有する清浄用組成物であって、
    当該変異体は、改変T細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体と対象プロテアーゼは、互いに異なる免疫原性反応をヒトにおいて生じ、
    対象プロテアーゼの当該T細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、及び195番目残基に対応する残基の1つ以上のアミノ酸置換を含む、
    当該清浄用組成物。
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