JP2005532446A - オキサニリド構造単位を含んでなる耐候性ポリカーボネート、方法、及びそれから製造される物品 - Google Patents

オキサニリド構造単位を含んでなる耐候性ポリカーボネート、方法、及びそれから製造される物品 Download PDF

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Abstract

一実施形態では本発明は、1種以上の二価フェノール、カーボネート前駆体、並びにオキサニリド含有化合物、オキサメート含有化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上から導かれる構造単位を含んでなるポリカーボネートである。別の実施形態では本発明は、1種以上の二価フェノールと、オキサニリド含有化合物、オキサメート含有化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上とから導かれる構造単位を含むポリカーボネートの製造方法であって、1種以上の二価フェノール、カーボネート前駆体、並びにオキサニリド含有化合物、オキサメート含有化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上を反応条件下で接触させる段階を含んでなる方法である。さらに別の実施形態では本発明は、オキサニリド構造単位を含むポリカーボネートを含んでなる物品である。さらに別の実施形態では本発明は、対称又は非対称オキサニリド含有二価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する1種以上の芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階を含んでなる方法である。さらに別の実施形態では本発明は、オキサメート含有一価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階を含んでなる方法である。

Description

本発明は、耐候性を有するポリカーボネートポリマーに関する。さらに具体的には、本発明はオキサニリド構造単位を含んでなるポリカーボネートポリマー、その製造方法、及びそれから製造される物品に関する。
ポリカーボネートは、一つには高い衝撃強さを始めとする優れた物理的性質を有するため、広く使用されている種類のポリマーである。しかし、気象現象に暴露された際の変化に対するポリカーボネートの抵抗性(一般に「耐候性」と呼ばれる)は理想的でない。特に、ポリカーボネートは黄変を生じ易く、それがポリマーの透明性及び魅力を損なうので、長期色安定性が問題となる。ポリカーボネートの黄変は主として紫外線の作用で引き起こされ、かかる黄変がしばしば「光黄変」と呼ばれるのはこのような理由による。屋外暴露に付随する光黄変及びその他の有害な現象を抑制するため、数多くの手段が使用され提唱されてきた。これらの多くは、ポリカーボネート組成物中に紫外線吸収化合物(UVA)を混入するものである。大抵の場合、UVAは低分子量化合物であり、衝撃強さ及び熱変形温度に反映されるような高温特性のようなポリマーの物理的性質の低下を回避するため、通例は約1重量%以下の比較的低いレベルで使用しなければならない。低分子量UVAの添加を必要とせずに効果的な耐候性を有するカーボネート組成物に対する古くからのニーズが存在している。
典型的なUVAの例は、Clariant CorporationからSANDUVOR VSUの商品名で入手でき、下記の式(I)を有するオキサニリド含有化合物である。
Figure 2005532446
同一譲受人に譲渡された米国特許第5847196号には、芳香族ヒドロキシ官能基を含む一官能性及び二官能性オキサニリドの合成法が開示されている。しかし、そこに教示された方法で製造されたオキサニリドは、それ自体が高度に着色している。また、かかるオキサニリドから導くことのできるポリカーボネートはそこに教示されていない。芳香族ヒドロキシ官能基を含むオキサニリドの製造方法であって、実質的に無色透明なポリカーボネートを製造するために使用できるほとんど又は全く色のないオキサニリドを製造する方法に対するニーズが存在している。
米国特許第5847196号明細書
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、実質的に無色であると共に優れた耐候性を示す、オキサニリド構造単位を含んでなるポリカーボネートを発見した。かくして、一実施形態では本発明は、1種以上の二価フェノール、カーボネート前駆体、並びにオキサニリド含有化合物、オキサメート含有化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上から導かれる構造単位を含んでなるポリカーボネートである。別の実施形態では本発明は、1種以上の二価フェノールと、オキサニリド含有化合物、オキサメート含有化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上とから導かれる構造単位を含むポリカーボネートの製造方法であって、1種以上の二価フェノール、カーボネート前駆体、並びにオキサニリド含有化合物、オキサメート含有化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上を反応条件下で接触させる段階を含んでなる方法である。さらに別の実施形態では本発明は、オキサニリド構造単位を含むポリカーボネートを含んでなる物品である。さらに別の実施形態では本発明は、対称又は非対称オキサニリド含有二価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する1種以上の芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階を含んでなる方法である。さらに別の実施形態では本発明は、オキサニリド含有一価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階を含んでなる方法である。本発明のその他様々な特徴、態様及び利点は、以下の説明及び特許請求の範囲を参照することでさらに明らかとなろう。
図面の簡単な説明
図1は、化合物(V)のビス(フェニルカーボネート)誘導体及び化合物(VIII)のモノフェニルカーボネート誘導体に関する紫外スペクトルを示す。
図2は、ビスフェノールAポリカーボネートのプラークと、ビスフェノールA及びオキサニリド構造単位を含んでなるポリカーボネートの被覆層を有するビスフェノールAポリカーボネートからなるプラークとを比較しながら、紫外線暴露時の黄色度の変化(ΔYI)を示す。
図3は、ビスフェノールAポリカーボネートのプラークと、ビスフェノールA及びオキサニリド構造単位を含んでなるポリカーボネートの被覆層を有するビスフェノールAポリカーボネートからなるプラークとを比較しながら、紫外線暴露時の色の変化(ΔE)を示す。
本発明の様々な実施形態でのオキサニリド含有化合物は、下記式(II)のオキサニリド含有二価フェノールを包含する。
Figure 2005532446
式中、D及びDは各々独立に二価芳香族基である。様々な実施形態で、D及びDは独立に下記式(III)の構造を有する。
Figure 2005532446
式中、Aはフェニレン、ビフェニレン、ナフチレンなどの芳香族基を表す。Eは、特に限定されないが、メチレン、エチレン、エチリデン、プロピレン、プロピリデン、イソプロピリデン、ブチレン、ブチリデン、イソブチリデン、アミレン、アミリデン、イソアミリデンを含むアルキレン又はアルキリデン基であり得る。Eがアルキレン又はアルキリデン基である場合、それは、芳香族結合、第三アミノ結合、エーテル結合、カルボニル結合、含ケイ素結合、(特に限定されないが、スルフィド、スルホキシド、スルホンを含む)含硫黄結合、又は(特に限定されないが、ホスフィニル、ホスホニルを含む)含リン結合のような、アルキレン又はアルキリデンと異なる部分で連結された2以上のアルキレン又はアルキリデン基からなっていてもよい。さらにEは、特に限定されないが、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン、メチルシクロヘキシリデン、2−[2.2.1]−ビシクロヘプチリデン、ネオペンチリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、アダマンチリデンを含む脂環式基、スルフィドやスルホキシドやスルホンのような含硫黄結合、ホスフィニルやホスホニルのような含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基、又はシランやシロキシのような含ケイ素結合であり得る。Rは、水素、或いはアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基を表す。様々な実施形態で、Rの一価炭化水素基は、ハロゲン置換、具体的には例えばジクロロアルキリデンのようにフルオロ又はクロロ置換されていてもよい。Yは、特に限定されないがハロゲン(フッ素、臭素、塩素、ヨウ素)を含む無機原子、特に限定されないがニトロを含む無機基、特に限定されないがアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基を含む有機基、或いはOR(式中、Rはアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基である。)のようなオキシ基であり得る。Yは、ポリカーボネートを製造するために使用する反応体及び反応条件に対して不活性であり、これらの影響を受けないものでありさえすればよい。文字「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
本発明に関しては、アルキル基は通例は1〜約18の炭素原子を含むものであり、枝分れアルキル基及び直鎖アルキル基を包含する。これらのアルキル基の若干の非限定的実例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第三ブチル、ペンチル、ネオペンチル及びヘキシルがある。シクロアルキル基は、通例は3〜約12の炭素原子を含むものである。これらのシクロアルキル基の若干の非限定的実例には、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチルがある。アリール基は、通例は6〜12の炭素原子を含むものである。これらのアリール基の若干の非限定的実例には、フェニル、ビフェニル、ナフチルがある。典型的なアラルキル基及びアルカリール基は、7〜約24の炭素原子を含むものである。これらは、特に限定されないが、ベンジル、エチルフェニル、フェニルブチル、フェニルプロピル、プロピルフェニル及びフェニルエチルを含む。
上記式(III)で表されるように2以上のY置換基が存在する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。2以上のR置換基が存在する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。式(III)中の「s」が0であり、「u」が0でない場合、芳香環はアルキリデン又は他の橋かけ基の介在なしに直接結合される。芳香族残基A上のヒドロキシル基及びYの位置はオルト位、メタ位又はパラ位に変化し得ると共に、芳香族残基の2以上の環内炭素原子がY及びヒドロキシル基で置換される場合、これらの基は隣接関係、非対称関係又は対称関係にあり得る。
一実施形態では、式(II)のD及びDは同一であり、化合物は対称オキサニリド含有二価フェノールである。別の実施形態では、式(II)のD及びDは異なっており、化合物は非対称オキサニリド含有二価フェノールである。特定の実施形態では、式(II)のオキサニリド含有二価フェノールは下記式(IV)のものを包含する。
Figure 2005532446
式中、Rは、特に限定されないが、メチレン、エチレン、エチリデン、プロピレン、プロピリデン、イソプロピリデン、ブチレン、ブチリデン、イソブチリデン、アミレン、アミリデン、イソアミリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン、メチルシクロヘキシリデン、2−[2.2.1]−ビシクロヘプチリデン、ネオペンチリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、アダマンチリデン、ジクロロアルキリデンを含むアルキレン、アルキリデン又は脂環式基であり、Rはハロゲン、ブロモ、クロロ、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキル又はOR(式中、Rはアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基である。)であり、「x」は0から芳香環上の置換可能な部位の数までの整数を表す。存在する場合、任意のR置換基はヘテロ原子−芳香環結合に対してオルト位又はメタ位であり得る。別の特定の実施形態では、式(IV)中のRはイソプロピリデンであり、「x」は0であり、この化合物はN,N’−ビス[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]−エタンジアミド(本明細書中では式(V)ともいう)である。
本発明の様々な実施形態でのオキサニリド含有化合物は、下記式(VI)のオキサニリド含有一価フェノールも包含する。
Figure 2005532446
式中、D及びDは各々独立に二価芳香族基であり、Rは水素、或いはアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基、特に限定されないがハロゲン(フッ素、臭素、塩素、ヨウ素)を含む無機原子、特に限定されないがニトロを含む無機基、或いはOR(式中、Rはアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基である。)のようなオキシ基である。Rは、ポリカーボネートを製造するために使用する反応体及び反応条件に対して不活性であり、これらの影響を受けないものでありさえすればよい。様々な実施形態で、D及びDは独立に下記式(III)の構造を有する。
Figure 2005532446
式中、A、Y、E、R、m、p、t、s及びuは上述した通りの定義及び範囲を有する。
特定の実施形態では、式(VI)のオキサニリド含有一価フェノールは下記式(VII)のものを包含する。
Figure 2005532446
式中、Rは、特に限定されないが、メチレン、エチレン、エチリデン、プロピレン、プロピリデン、イソプロピリデン、ブチレン、ブチリデン、イソブチリデン、アミレン、アミリデン、イソアミリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン、メチルシクロヘキシリデン、2−[2.2.1]−ビシクロヘプチリデン、ネオペンチリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、アダマンチリデン、ジクロロアルキリデンを含むアルキレン、アルキリデン又は脂環式基であり、R及びRは各々独立にハロゲン、ブロモ、クロロ、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキル又はOR(式中、Rはアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基である。)であり、「x」及び「j」は0から芳香環上の置換可能な部位の数までの整数を表す。存在する場合、任意のR置換基はヘテロ原子−芳香環結合に対してオルト位又はメタ位であり得ると共に、任意のR置換基はヘテロ原子−芳香環結合に対してオルト位、メタ位又はパラ位であり得る。別の特定の実施形態では、式(VII)中のRはイソプロピリデンであり、「j」は0であり、「x」は1であり、Rはヘテロ原子−芳香環結合に対してオルト位のOCHCHであり、この化合物は以後は場合によって式(VIII)又はN−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルフェニル]−N’−1−[2−エトキシフェニル)−エタンジアミドといわれる。
様々な実施形態で、本発明は下記式(IX)のオキサメート含有一価フェノールも包含する。
Figure 2005532446
式中、Dは上述した通りの定義及び範囲を有する二価芳香族基であり、Rはアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基であり、これは特に限定されないがハロゲン、クロロ、フルオロ、ニトロ、カルボキシ、トリハロアセチル及びトリフルオロアセチルを含む電子求引基で任意に置換し得る。Rの実例には、特に限定されないが、フェニル、メチルサリチル、2−クロロフェニル、2−ニトロフェニル、2−トリフルオロアセチル、2−フルオロフェニル、エチル、ブチル、クロロエチル及びトリフルオロエチルがある。特定の実施形態では、Dは化合物2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンから導かれた残基であり、Rはエチル、ブチル又はトリフルオロエチルである。
本発明のオキサニリド含有化合物の製造方法は、当技術分野で公知の方法を包含する。一実施形態では、1種以上の芳香族アミンを反応条件下で二官能性シュウ酸誘導体と接触させる。式(II)のオキサニリド含有二価フェノールを製造するために適した芳香族アミンは、特に限定されないが、HN−D−OH及びHN−D−OH(式中、D及びDは上述した定義及び範囲を有する。)の構造を有するものを包含する。式(VI)のオキサニリド含有一価フェノールを製造するために適した芳香族アミンは、特に限定されないが、HN−D−R及びHN−D−OH(式中、D、D及びRは上述した定義及び範囲を有する。)の構造を有するものを包含する。
芳香族アミンの代表例には、特に限定されないが、アニリン、フェネチジン、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール及び2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンがある。好適な二官能性シュウ酸誘導体には、特に限定されないが、シュウ酸、塩化オキサリル、シュウ酸ジエステル及びシュウ酸モノエステル−一酸塩化物がある。特定の実施形態では、好適な二官能性シュウ酸誘導体には、特に限定されないが、ジエチルオキサレートやジブチルオキサレートのようなシュウ酸ジアリールエステル及びジアルキルエステル、並びにエチルオキサリルクロリドのようなシュウ酸モノアルキルエステル−一酸塩化物がある。二官能性シュウ酸誘導体と反応する際の芳香族アミンの反応速度を高めるためには、ルイス酸のような触媒が当技術分野で知られており、オキサニリド含有化合物を製造するためのいかなる反応中にも触媒が任意に存在し得る。
一実施形態では、ただ1種の芳香族アミン2当量を1以上の段階で二官能性シュウ酸誘導体と反応させることで、対称オキサニリド含有化合物を得ることができる。別の実施形態では、2種の芳香族アミン各1当量を別々の段階で二官能性シュウ酸誘導体と反応させることで、非対称オキサニリド含有化合物を得ることができる。別の実施形態では、芳香族アミン1当量を二官能性シュウ酸誘導体と反応させることで、非対称オキサメート含有化合物を得ることができる。特定の実施形態では、ただ1種の芳香族アミン2当量を1以上の段階で二官能性シュウ酸誘導体と反応させることで、対称オキサニリド含有二価フェノールが得られる。別の特定の実施形態では、2種の芳香族アミン各1当量を別々の段階で二官能性シュウ酸誘導体と反応させることで、非対称オキサニリド含有二価フェノール又はオキサニリド含有一価フェノール(例えば、1種の芳香族アミンだけがヒドロキシ基を有する場合)が得られる。別の特定の実施形態では、芳香族アミン1当量を二官能性シュウ酸誘導体と反応させることで、オキサメート含有一価フェノールが得られる。
米国特許第5847196号に教示された条件下で芳香族アミンをジアルキルオキサレートを反応させて対称オキサニリド含有二価フェノールを合成すれば、実質的に無色透明のポリカーボネートを製造する際に使用するのに適さない暗色の化合物が得られる。それとは対照的に、本発明者らは意外にも、芳香族アミンと、(特に限定されないが、フェニル、メチルサリチル、2−クロロフェニル、2−ニトロフェニル、2−トリフルオロアセチルフェニル、2−フルオロフェニルを含む)アリール基或いは(特に限定されないが、フルオロ又はクロロを含む)電子求引基で置換されたアルキル基を有するオキサレートジエステルとの反応を低い温度で実施できると共に、実質的に無色透明のポリカーボネートを製造するために使用できる色がほとんど又は全くない対称及び非対称二価オキサニリド含有フェノール及び一価オキサニリド含有フェノールが得られることを発見した。本発明はいかなる動作理論にも依存しないが、オキサニリド含有フェノールの合成に際して低い温度を使用することは、着色を減少させる一要因になり得ると考えられる。かくして、一実施形態では本発明は、対称オキサニリド含有二価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階を含んでなる方法である。別の実施形態では本発明は、非対称オキサニリド含有二価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階、次いでオキサメート中間体を、前記第一の芳香族アミンと異なる、ヒドロキシ基を有する第二の芳香族アミンと接触させる段階を含んでなる方法である。さらに別の実施形態では本発明は、オキサニリド含有一価フェノールの製造方法であって、芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階、次いでオキサメート中間体を、前記第一の芳香族アミンと異なる第二の芳香族アミンと接触させる段階を含んでなり、ただ1種の芳香族アミンだけがヒドロキシ基を有する方法である。さらに別の実施形態では本発明は、オキサメート含有一価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階を含んでなる方法である。
一実施形態では、芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させるための反応温度は、約30〜約150℃の範囲内にあり、別の実施形態では約30〜約100℃の範囲内にあり、さらに別の実施形態では約30〜約75℃の範囲内にある。芳香族アミンをオキサメート中間体と接触させる際にも、これらと同じ温度範囲が適用される。例示的なジアリールオキサレートには、特に限定されないが、ジフェニルオキサレート、ビス(2−クロロフェニル)オキサレート、ビス(2−ニトロフェニル)オキサレート及びビス(2−フルオロフェニル)オキサレートがある。各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有する例示的なジアルキルオキサレートには、特に限定されないが、ビス(トリフルオロエチル)オキサレート及びビス(クロロエチル)オキサレートがある。
別の実施形態では、本発明はオキサニリド含有構造単位を含んでなるポリカーボネートからなる。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートは、1種以上のオキサニリド含有化合物、1種以上の二価フェノール、及びカーボネート前駆体から導かれる構造単位を含んでなる。オキサニリド構造単位を含むポリカーボネートは、任意の公知方法で製造できる。代表的な方法には、特に限定されないが、溶液法、界面法、溶融法、エステル交換法、固相法及び再分配法並びにこれらの組合せがある。一実施形態では、オキサニリド構造単位を含むポリカーボネートは、1以上のオキサニリド部分を含む1種以上の化合物を、1種以上の二価フェノール及びカーボネート前駆体と反応条件下で接触させることで製造できる。
ポリカーボネートを製造するための好適な二価フェノールは、下記式(X)で表されるものを包含する。
(X) HO−D−OH
式中、Dは二価芳香族基である。様々な実施形態で、Dは下記式(III)の構造を有する。
Figure 2005532446
式中、A、Y、E、R、m、p、t、s及びuは上述した通りの定義及び範囲を有する。
式(X)の二価フェノールの若干の非限定的実例には、米国特許第4217438号に名称或いは式(一般式又は特定式)で開示されたジヒドロキシ置換芳香族炭化水素が包含される。本発明の様々な実施形態では、二価フェノールには、6−ヒドロキシ−1−(4’−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、(一般にビスフェノールAとして知られる)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ヒドロキノン、レソルシノール、C1−3アルキル置換レソルシノールがある。
好適な二価フェノールは、下記式(XI)(この化合物は3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オールである。)及び下記式(XII)(この化合物は1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オールである。)で表されるようなインダン構造単位を含むものも包含する。
Figure 2005532446
Figure 2005532446
Figure 2005532446
Figure 2005532446
好適な二価フェノールは、下記式(XIII)で表されるようなスピロビインダン構造単位を含むものも包含する。
Figure 2005532446
式中、各R20は一価炭化水素基及びハロゲン基からなる群から独立に選択され、各R21、R22、R23及びR24は独立にC1−6アルキルであり、各R25及びR26は独立にH又はC1−6アルキルであり、各nは0〜3の値を有する正の整数から独立に選択される。R20で表される一価炭化水素基は、既に上記に定義したように、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びアルカリール基を包含する。様々な実施形態で、R20で表されるハロゲン基はフッ素、塩素及び臭素である。
式(XIII)の二価フェノール化合物で、2以上のR20置換基が存在する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香核残基上のヒドロキシル基及びR20の相対位置は、オルト位又はメタ位に変化し得る。各ヒドロキシ基の位置は、独立に各芳香環上の任意の非置換部位であり得る。一実施形態では、各ヒドロキシ基は独立に各芳香環の5位又は6位及び5’位又は6’位にある。別の実施形態では、各ヒドロキシ基は各芳香環の6位及び6’位にある。
様々な実施形態で、各R20は塩素、臭素、及び炭素原子数1〜約5の低級アルキル基から独立に選択され、各R21、R22、R23及びR24は独立にC1−6アルキルであり、各R25及びR26は独立にH又はC1−6アルキルであり、各nは独立に0〜3である。若干の実施形態では、各R20は塩素及び炭素原子数1〜約3の低級アルキル基から独立に選択され、各R21、R22、R23及びR24は独立にC1−2アルキルであり、各R25及びR26は独立にH又はC1−2アルキルであり、各nは独立に0〜2である。別の実施形態では、各R21、R22、R23及びR24はメチルであり、各R25及びR26はHであり、各nは0である。
一実施形態では、本発明で使用するのに適したポリカーボネートを生成するためのスピロ二価フェノールは、(時には「SBI」として知られる)6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダンである。この場合、式(XIII)中のnは0であり、ポリマー分子の残部との結合は芳香環上の特定の位置にある。
様々な実施形態で、ポリカーボネートを製造するためのカーボネート前駆体は、1種以上のハロゲン化カルボニル、カーボネートエステル又はハロホルメートを包含する。本発明で使用できるハロゲン化カルボニルは、塩化カルボニル、臭化カルボニル及びこれらの混合物である。本発明で使用できる典型的なカーボネートエステルには、特に限定されないが、ジフェニルカーボネート、ジ(ハロフェニル)カーボネート、ジ(クロロフェニル)カーボネート、ジ(ブロモフェニル)カーボネート、ジ(トリクロロフェニル)カーボネート、ジ(トリブロモフェニル)カーボネート、ジ(アルキルフェニル)カーボネート、ジ(トリル)カーボネート、ジ(ナフチル)カーボネート、ジ(クロロナフチル)カーボネート、フェニルトリルカーボネート、クロロフェニルクロロナフチルカーボネート、ジ(メチルサリチル)カーボネート及びこれらの混合物を含むジアリールカーボネートがある。本発明で使用するのに適したハロホルメートには、特に限定されないが、ヒドロキノン、ビスフェノールA、6−ヒドロキシ−1−(4’−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサンなどのビスハロホルメートを含む二価フェノールのビスハロホルメート、ヒドロキノン、ビスフェノールA、6−ヒドロキシ−1−(4’−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサンなどからなるオリゴマーのようなビスクロロホルメート末端停止ポリカーボネートオリゴマー、並びに特に限定されないが、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール及びポリエチレングリコールのビスハロホルメートを含むグリコール類のビスハロホルメートがある。ハロホルメートの混合物も使用できる。特定の実施形態では、(ホスゲンとしても知られる)塩化カルボニルが使用される。
一実施形態では、本発明のポリカーボネートは、ポリカーボネート鎖中に分布したオキサニリド構造単位を含む。特定の実施形態では、ポリカーボネート合成反応の成分は、1以上のオキサニリド部分を含む1種以上の二価フェノール及びオキサニリド部分を含まない1種以上の二価フェノールを含み、後者は例えば式(X)、(XI)、(XII)及び(XIII)で記述される。様々な実施形態では、オキサニリド構造単位を含むポリカーボネートを製造するための成分には、上述のような1種の二価フェノールとオキサニリド含有二価フェノールとの組合せ、又は2種以上の二価フェノールの混合物とオキサニリド含有二価フェノールとの組合せがある。特定の実施形態では、オキサニリド含有二価フェノールと共に式(X)の二価フェノールが単独で使用されるが、これは式(III)のDがビス(4−フェニル)イソプロピリデンである2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA又は「BPA」)である。別の実施形態では、オキサニリド含有二価フェノールと共に使用される2種以上の二価フェノールを含む特定の混合物は、ビスフェノールA及び1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサンを含む混合物、並びにビスフェノールA及び6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダンを含む混合物である。
本発明のポリカーボネートを製造するための反応条件には、特に限定されないが、溶液法、界面法、溶融法、エステル交換法、固相法及び再分配法並びにこれらの組合せがある。溶液法は、トリエチルアミン又はピリジンのような塩基を化学量論的量で含み得る。界面法を使用する場合には、様々な相間移動触媒の添加が任意である。好適な相間移動触媒には、特に限定されないが、トリエチルアミンのような第三アミン、臭化テトラブチルアンモニウムのようなアンモニウム塩、又は塩化ヘキサエチルグアニジニウムがある。
一実施形態では、上述のようなポリカーボネートは溶融法又はエステル交換法で製造される。この方法はホスゲン又は溶媒の使用を必要とせず、最終ポリマー中での環状及び線状低分子量オリゴマーのような低分子量夾雑物の生成を最小限に抑える。通例、モノマーはカーボネート源(例えば、ジアリールカーボネート)及び少量の触媒(例えば、アルカリ金属水酸化物又は水酸化アンモニウム)と混合され、反応混合物上方のヘッドスペースの圧力を周囲圧力から約1トルまで低下させながら温度を一連の段階で上昇させるプロトコルに従って真空下で加熱される。かかる段階の時間及び温度は、発泡などによる材料の機械的損失を回避するようなものである。フェノール及び過剰のジフェニルカーボネートを塔頂から除去することで、重合プロセスを完了させることができる。次いで、生成物の高分子ポリマーを溶融物として単離することができ、ペレット化に先立ってこの溶融物を安定剤や離型剤のような他の添加剤と配合することができる。好適なカーボネート源、触媒及び反応条件は、例えば、米国特許第5880248号及びKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第19巻、585〜600頁(これらの開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に見出すことができる。
様々な実施形態で、本発明のポリカーボネートはポリスチレン標準に対しゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して約5000〜約100000の範囲内の重量平均分子量を有し、別の実施形態では約10000〜約65000の範囲内の重量平均分子量を有し、さらに別の実施形態では約18000〜約55000の範囲内の重量平均分子量を有する。別の実施形態では、本発明のポリカーボネートはポリスチレン標準に対しゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して約40000〜約55000の範囲内の重量平均分子量を有する。
オキサニリド含有二価フェノールから導かれるポリカーボネート構造単位の量は、ポリカーボネート樹脂の予想最終用途に従って変化し得る。様々な実施形態で、オキサニリド含有二価フェノールから導かれるポリカーボネート構造単位の量は、オキサニリド含有二価フェノール及びオキサニリド部分を含まない二価フェノールの両方から導かれる構造単位を含めた)二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約0.1〜約80モル%の範囲内にあり、別の実施形態では約0.5〜約50モル%の範囲内にあり、別の実施形態では約1〜約30モル%の範囲内にあり、別の実施形態では約1〜約20モル%の範囲内にあり、さらに別の実施形態では約1〜約10モル%の範囲内にあり得る。オキサニリド含有二価フェノールから導かれる構造単位のこれらの量は、ポリカーボネートがオキサニリド部分を含まないただ1種の二価フェノールから導かれる構造単位を含むか、或いはオキサニリド部分を含まない2種以上の二価フェノールの混合物から導かれる構造単位を含むかにかかわりなく適用できる。
ポリカーボネートを製造するための任意の方法で、所望ならば、例えば反応体とカーボネート前駆体との接触前又は接触中に、(連鎖停止剤又はチェーンストッパーとしても知られる)分子量調整剤をフェノール系反応体に添加できる。連鎖停止剤の存在下で製造されたポリカーボネートは、前記連鎖停止剤から導かれる構造単位を含んでいる。有用な連鎖停止剤には、特に限定されないが、フェノール、クロマンI、p−tert−ブチルフェノール、イソオクチルフェノール、イソノニルフェノール、p−クミルフェノールなどの一価フェノールがある。様々な実施形態で、連鎖停止剤から導かれる構造単位は、二価フェノールから導かれる構造単位の量を基準にして約0.1〜約10モル%の範囲内のレベルで存在し、別の実施形態では約1〜約10モル%の範囲内のレベルで存在し、別の実施形態では約4〜約10モル%の範囲内のレベルで存在し、さらに別の実施形態では約4〜約7モル%の範囲内のレベルで存在する。1種以上の連鎖停止剤を適用するための技術は当技術分野で公知であり、ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するための任意の関連方法で使用できる。
一実施形態では、本発明のポリカーボネートは、ポリカーボネート鎖上の1以上の端点に結合した1以上のオキサニリド構造単位又はオキサメート構造単位を含んでいる。特定の実施形態では、ポリカーボネート鎖上の1以上の端点に結合したオキサニリド構造単位は、オキサニリド含有二価フェノールから導くことができる。別の実施形態では、ポリカーボネート鎖上の1以上の端点に結合したオキサニリド構造単位又はオキサメート構造単位は、オキサニリド含有一価フェノール又はオキサメート含有一価フェノールから導くことができる。後者の実施形態では、ポリカーボネート合成反応の成分は、1以上のオキサニリド部分を含む1種以上の一価フェノールを連鎖停止剤として含むか、又は1以上のオキサメート部分を含む1種以上の一価フェノールを連鎖停止剤として含み得る。オキサニリド含有一価フェノールとオキサメート含有一価フェノールの混合物も、連鎖停止剤として使用できる。
1以上のオキサニリド部分又は1以上のオキサメート部分を含む一価フェノールには、それぞれ式(VI)のもの及び式(IX)のものがある。前記オキサニリド含有一価フェノール又はオキサメート含有一価フェノール或いはこれらの混合物は、ポリカーボネート合成反応に添加される連鎖停止剤の量の全部又は少なくとも一部を構成し得ると共に、後には生成物のポリカーボネート中に構造単位として存在し得る。一実施形態では、ポリカーボネート合成反応に添加される実質的に全部の連鎖停止剤がオキサニリド部分又はオキサメート部分或いはこれらの混合物を含む。様々な実施形態で、オキサニリド含有一価フェノール又はオキサメート含有一価フェノール(或いはこれらの混合物)から導かれるポリカーボネート構造単位の量は、(オキサニリド含有及びオキサメート含有一価フェノールの両方、並びにオキサニリド部分又はオキサメート部分を含まない任意の一価フェノールから導かれるものを含めた)一価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして0〜約100モル%の範囲内にあり、別の実施形態では約1〜約100モル%の範囲内にあり、別の実施形態では約1〜約90モル%の範囲内にあり、別の実施形態では約10〜約80モル%の範囲内にあり、別の実施形態では約20〜約70モル%の範囲内にあり、さらに別の実施形態では約30〜約60モル%の範囲内にあり得る。
ポリカーボネート鎖の全部又は少なくとも一部は、1以上の端点に結合した1以上のオキサニリド又はオキサメート構造単位(或いは両方の構造単位を含む混合物)を有し得る。一実施形態では、実質的に全部のポリカーボネート鎖が鎖上の二つの端点に結合した1以上のオキサニリド又はオキサメート構造単位を有する。別の実施形態では、ポリカーボネート合成反応中に枝分れ剤が含まれると共に、実質的に全部のポリカーボネート鎖が端点に結合した1以上のオキサニリド又はオキサメート構造単位を有する。当業者には、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、1以上のオキサニリド又はオキサメート構造単位が結合した鎖端の数の変化及び鎖端の種類の変化(例えば、直鎖又は枝分れ)が起こり得ることが認められよう。
さらに別の実施形態では、本発明のポリカーボネートは、ポリカーボネート鎖中に分布したオキサニリド構造単位及びポリカーボネート鎖上の1以上の端点に結合した1以上のオキサニリド又はオキサメート構造単位を含んでいる。特定の実施形態では、ポリカーボネート合成反応の成分は、1以上のオキサニリド部分を含む1種以上の二価フェノール及び1以上のオキサニリド又はオキサメート部分を含む1種以上の一価フェノールを含んでいる。例示的なオキサニリド含有二価フェノール及びオキサニリド又はオキサメート含有一価フェノールには、上述のものがある。存在する二価フェノールの全量に対するオキサニリド含有二価フェノールの量、及び存在する一価フェノールの全量に対するオキサニリド又はオキサメート含有二価フェノールの量は、上述の範囲内にある。
オキサニリド構造単位(又はオキサメート構造単位)を含むポリカーボネートを含んでなる物品は、本発明のもう一つの実施形態である。様々な実施形態で、物品は、オキサニリド構造単位(又はオキサメート構造単位)を含むポリカーボネートを、例えば、通常のUV遮断剤のような当技術分野で公知のポリカーボネート添加剤と混合したものから実質的になり得る。別の実施形態では、本発明の物品は、通例は互いに接触しながら重なり合った2以上の層を含んでなる多層物品である。様々な実施形態で、多層物品は、1種以上の熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、セルロース系材料、ガラス、セラミック又は金属からなる基板層と、その上に位置する被覆層とを含んでいて、前記被覆層はオキサニリド含有ポリカーボネートからなっている。任意には、多層物品はさらに、任意の基板層とオキサニリド含有ポリカーボネートからなる任意の被覆層との間に中間層(例えば、接着中間層又は結合層)を含み得る。本発明の多層物品には、特に限定されないが、基板層とオキサニリド含有ポリカーボネートからなる被覆層とを含んでなるもの、基板層の片面上に前記カーボネートからなる被覆層を有する基板層からなるもの、並びに基板層とオキサニリド含有ポリカーボネートからなる1以上の被覆層とを含むと共に、基板層と被覆層との間に1以上の中間層を有するものがある。所望ならば、例えば耐摩耗性又は耐引っかき性を付与するため、オキサニリド含有ポリカーボネートからなる被覆層上に表面層を含めることもできる。一実施形態では、基板層、オキサニリド含有ポリカーボネートからなる被覆層、及び任意の中間層又は表面層は互いに接触しながら重なり合っている。任意の実施形態では、オキサニリド又はオキサメート含有ポリカーボネート層は、通常のUV遮断剤、熱安定剤、流れ促進剤、潤滑剤、染料、顔料などのような、ポリカーボネートと共に使用するための当技術分野で公知の添加剤を含み得る。
本発明の組成物を含んで製造できる代表的な多層物品には、航空機、自動車、トラック、軍用乗物(自動車、航空機及び水上輸送乗物を含む)及びオートバイの外部及び内部部材(パネル、クォーターパネル、ロッカーパネル、装備品、フェンダー、ドア、デッキの蓋、トランクの蓋、フード、ボンネット、屋根、バンパー、フェーシア、グリル、ミラーハウジング、支柱のアップリケ、被覆材、車体のサイドモール、ホイールカバー、ハブキャップ、ドアハンドル、スポイラー、窓枠、前照灯ベゼル、前照灯、尾灯、尾灯ハウジング、尾灯ベゼル、ナンバープレートの囲い、ルーフラック及び歩み板を含む)、屋外乗物や装置用の囲い、ハウジング、パネル及び部品、電気装置や電気通信装置用の囲い、屋外用家具、ボート及び船舶用設備(装備品、囲い及びハウジングを含む)、船外発動機ハウジング、測深機ハウジング、個人用船舶、ジェットスキー、プール、温泉、ホットタブ、階段、階段の覆い、建築及び建設用途(窓ガラス、屋根、窓、床、装飾用の窓装備品又は処理材を含む)、写真や絵画やポスターや類似の展示品用の処理ガラスカバー、光学レンズ、眼科レンズ、補正用眼科レンズ、インプラント用眼科レンズ、壁パネル及びドア、保護グラフィック、屋外用及び屋内用看板、自動金銭出納機(ATM)用の囲い、ハウジング、パネル及び部品、芝生用や園芸用トラクター、芝刈り機、及び芝生用や園芸用道具を始めとする道具用の囲い、ハウジング、パネル及び部品、窓及びドア装備品、スポーツ設備及び玩具、スノーモービル用の囲い、ハウジング、パネル及び部品、レクリエーション用乗物のパネル及び部材、遊園地の設備、プラスチック−木材の組合せから製造された物品、ゴルフコースマーカー、ユーティリティピットカバー、コンピューターハウジング、デスクトップコンピューターハウジング、ポータブルコンピューターハウジング、ラップトップコンピューターハウジング、パームヘルドコンピューターハウジング、モニターハウジング、プリンターハウジング、キーボード、ファックス装置ハウジング、コピー機ハウジング、電話機ハウジング、携帯電話ハウジング、ラジオ送信機ハウジング、ラジオ受信機ハウジング、照明器具、照明装置、ネットワークインターフェース装置ハウジング、変圧器ハウジング、空気調和機ハウジング、公共輸送機関用の被覆材又は座席、列車、地下鉄又はバス用の被覆材又は座席、メーターハウジング、アンテナハウジング、衛星放送アンテナ用被覆材、被覆ヘルメット及び個人用保護装置、被覆合成繊維織物又は天然繊維織物、被覆写真フィルム及び写真プリント、被覆塗装物品、被覆染色物品、被覆蛍光物品、被覆発泡物品並びに類似の用途がある。本発明はさらに、特に限定されないが、成形、絵付成形、ペイント炉内焼付け、ラミネーション及び/又は熱成形のような、前記物品上への追加の加工作業も想定している。
さらに多大の努力を払わなくても、本明細書中の説明を使用すれば、当業者は本発明を十二分に活用し得るものと考えられる。以下の実施例は、特許請求の範囲に記載した本発明を実施するに当たり、当業者に追加の指針を提供するために示されている。一部の例は特許請求の範囲に記載した本発明の様々な実施形態を例示するものであり、他の例は比較のためのものである。ここに示した実施例は、本願の教示に役立つ作業を代表するものにすぎない。したがって、これらの実施例は特許請求の範囲で定義された本発明を決して限定するものではない。
特記しない限り、溶媒及び試薬は水素化カルシウム上で還流することで乾燥した。ガラス転移温度(Tg)は、空気中において20℃/分の加熱速度で示差走査熱量測定(DSC)を行うことで測定した。分子量は、ポリスチレン標準に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。
実施例1
Figure 2005532446
化合物(XII)の化合物:新たに蒸留したo−フェネチジン(2.61ミリリットル[ml]、20ミリモル[mmol])を乾燥ジクロロメタン(50ml)に溶解した冷たい(0℃の)溶液に、乾燥ジエチルアミン(4.2ml、30mmol)を添加し、次いでエチルオキサリルクロリド(2.25ml、20.4mmol)を約10分かけて滴下した。反応混合物を放置して室温まで温め、1時間撹拌した。ヘキサン/酢酸エチルを用いた薄層クロマトグラフィー分析(TLC)は、出発原料の完全な転化を示した。反応混合物を1N塩酸で2回洗い、2回水洗し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下で溶媒を除去したところ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で純度が99%を超えるオキサメート(化合物(XII))が淡黄色の結晶として得られた(GC−MS:m/e 237.2(M))。
実施例2
Figure 2005532446
化合物(VI)(Ar=2,2−(4,4’−フェニレン)プロピル、化合物(VIII)としても知られる)の合成:オキサメート(化合物(XII))(2.415g、10.18mmol)及び2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン(2.545g、11.2mmol)の混合物をo−ジクロロベンゼン(10ml)に懸濁し、脱気し、20時間加熱還流した。TLCはオキサメートの完全な転化を示した。粗反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンに溶解し、シリカゲルのプラグで濾過した。生成物をヘキサン/ジクロロメタンから再結晶し、シリカゲルで再び濾過したところ、所望のオキサニリドが白色の微細結晶として得られた。
実施例3
化合物(VI)(Ar=4−フェニレン)の合成:25mlフラスコに、オキサメート(化合物(XII))(4.65g、19.6mmol)、精製p−アミノフェノール(3g、27.5mmol)、o−ジクロロベンゼン(12ml)及びN,N−ジメチルアセトアミド(2ml)を添加した。フラスコの内容物を窒素の流れで脱気し、次いで150℃に10時間加熱した。TLCはオキサメートの完全な転化を示した。反応混合物を減圧下で濃縮した。過剰のp−アミノフェノールを酢酸エチルでトリチュレートして除去し、残った褐色粉末を酢酸エチル/メタノールから再結晶することで、粗生成物を淡褐色粉末として得た。
実施例4
ビス(トリフルオロエチル)オキサレートの合成:機械撹拌機、均圧添加漏斗及び還流冷却器を備えた乾燥フラスコに、乾燥ジエチルエーテル(250ml)、トリフルオロエタノール(69.2ml、0.95モル)及び乾燥ピリジン(114ml、1.41モル)を添加した。冷たい(0℃の)混合物に、塩化オキサリル(41ml、0.47モル)を滴下した。次に、フラスコの内容物を室温で30分間撹拌し、濃厚なスラリーを濾過し、ジエチルエーテルで洗った。濾液を冷たい1N塩酸で2回洗い、次いで水洗し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、次いで分別蒸留した。約20mlのトリフルオロエタノール及び中間の前留分を回収した後、159〜161℃及び常圧で留出する主留分を集めることで、ビス(トリフルオロエチル)オキサレートを湿った空気中で発煙する無色液体として得た(GC−MS m/e 254.2)。GC純度は99.9+%であった。
実施例5
オキサニリド含有一価フェノールの合成:任意にはテトラヒドロフラン又は酢酸エチルのような溶媒中で、アミノフェノールを過剰のビス(トリフルオロエチル)オキサレートと混合する。分析結果がアミノフェノール出発原料の実質的に完全な消失を示すまで、混合物を例えば71.5℃のエチレングリコール浴中で加熱する。過剰のオキサレートを混合物から留去し、一価フェノールを通常の手段で単離して精製する。
実施例6
対称オキサニリド含有二価フェノールの合成のための一般手順:50mlフラスコに、アミノフェノール(50mmol)、ビス(トリフルオロエチル)オキソサレート(6.355g、25mmol)、及びテトラヒドロフラン又は酢酸エチル(12ml)を添加した。窒素を用いて混合物を脱気し、71.5℃のエチレングリコール浴中で約5〜10時間加熱した。2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンの場合、生成物を酢酸エチル/イソプロパノールからの再結晶で精製することで、適切な核磁気共鳴(NMR)スペクトルを有する白色針状結晶を得た。HPLC分析は、生成物の純度が約99%であることを示した。
比較例6
米国特許第5847196号の手順を用いて、シエチルオキサレート及び2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンから対称オキサニリド含有二価フェノールを製造した。暗色の生成物が得られた。TLCは、生成物の不純物が再結晶で完全には除去されなかったことを示した。
実施例7
非対称オキサニリド含有二価フェノールの合成のための一般手順:任意にはテトラヒドロフラン又は酢酸エチルのような溶媒中で、第一のアミノフェノールを過剰のビス(トリフルオロエチル)オキサレートと混合する。分析結果がアミノフェノール出発原料の実質的に完全な消失を示すまで、混合物を例えば71.5℃のエチレングリコール浴中で加熱する。過剰のオキサレートを混合物から留去する。任意にはテトラヒドロフラン又は酢酸エチルのような溶媒中で、一価フェノール生成物を第二のアミノフェノールと混合し、分析結果がアミノフェノールの実質的に完全な消失を示すまで、混合物を例えば71.5℃のエチレングリコール浴中で加熱する。二価フェノール生成物を通常の手段で単離して精製する。
実施例8
フェニルクロロホルメート封鎖オキサニリドの合成のための一般手順:乾燥した5mlフラスコに、オキサニリド含有一価又は二価フェノール(0.172mmol)、4/1(vol/vol)ジクロロメタン/THF(1.5ml、乾燥)及びピリジン(二官能性オキサニリドに対しては30マイクロリットル、2.1当量[eq.]、乾燥、又は一官能性オキサニリドに対しては16マイクロリットル、1.05eq.、乾燥)を添加した。次いで、フェニルクロロホルメート(二官能性オキサニリドに対しては46マイクロリットル、2.1eq.、又は一官能性オキサニリドに対しては23マイクロリットル、1.05eq.)を添加し、混合物が無色になって出発原料が消失(TLC)するまで室温で撹拌した。シリカゲルのプラグで濾過し、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶することで、生成物を回収した。
いずれもフェニルクロロホルメートで封鎖されたオキサニリド含有一価フェノール(化合物(VIII))及びオキサニリド含有二価フェノール(化合物(V))の紫外(UV)スペクトルを図1に示す。これらのスペクトルは、スペクトルの可視域へのテーリングがないこと、ポリカーボネート劣化の最大の原因となるUVスペクトル部分を良好にカバーしていること、及び吸光係数が極めて大きいことを示している。
実施例9
ポリカーボネート(A):オキサニリド含有一価フェノール(化合物(VIII))を5モル%でポリカーボネート中に組み込んだ。250mlのホスゲン化反応器に、BPA(3.424g、15mmol)、オキサニリド(VIII)(314ミリグラム[mg]、5モル%、9.2wt%)、ジクロロメタン(50ml)、水(40ml)及びトリエチルアミン(45マイクロリットル、2モル%)を添加した。次いで、ホスゲン(1.8g、1.2eq.)を0.25g/分の速度で添加し、ポリマー溶液を以下のように処理した。水性層と有機層を分離し、有機相を希塩酸で2回洗い、2回水洗し、次いで熱水中に沈殿させたところ、無色透明のポリマー(Mw 35000、Mw/Mn 2.3、Tg 148℃)が得られた。
実施例10
ポリカーボネート(B):本発明の方法で製造したオキサニリド含有二価フェノール(化合物(V))を20モル%でポリカーボネート中に組み込んだ。250mlのホスゲン化反応器に、BPA(2.740g、12mmol)、オキサニリド(V)(1.526g、3mmol、35.8wt%)、ジクロロメタン(70ml)、水(40ml)、p−クミルフェノール(110mg、3.5モル%)及びトリエチルアミン(45マイクロリットル、2モル%)を添加した。次いで、ホスゲン(1.8g、1.2eq.)を0.25g/分で添加し、ポリマー溶液を通常通りに処理し、次いで熱水中に沈殿させたところ、無色透明のポリマー(Mw 42000、Mw/Mn 2.3、Tg 153℃)が得られた。
比較例10
ポリカーボネート(D):比較例6の方法で製造したオキサニリド含有二価フェノール(化合物(V))を、ポリカーボネートBの製造方法を用いて20モル%でポリカーボネート中に組み込む。暗色のポリマーが得られる。
実施例11
ポリカーボネート(C):本発明の方法で製造したオキサニリド含有二価フェノール(化合物(V))を50モル%でポリカーボネート中に組み込んだ。250mlのホスゲン化反応器に、BPA(1.141g、5mmol)、オキサニリド(V)(2.543g、5mmol、69wt%)、ジクロロメタン(70ml)、水(40ml)、p−クミルフェノール(74mg、3.5モル%)及びトリエチルアミン(45マイクロリットル、2モル%)を添加した。次いで、ホスゲン(1.2g、1.2eq.)を0.25g/分で添加し、ポリマー溶液を通常通りに処理し、次いで熱水中に沈殿させたところ、無色透明のポリマー(Mw 42000、Mw/Mn 2.3、Tg 155℃)が得られた。
ビスフェノールAポリカーボネートからなる基板を用いて、オキサニリド構造単位を末端基として含むポリカーボネート(A)或いはポリカーボネート鎖中に分布したオキサニリド構造単位を含むポリカーボネート(B)又は(C)の被覆層を含んでなる多層物品を製造した。詳しくは、2wt%の二酸化チタンを含むビスフェノールAポリカーボネート基板のプラークを、圧縮成形によってオキサニリド含有ポリカーボネートA、B又はCの厚さ約30ミルの層で被覆した。ホウケイ酸ガラス内部及び外部フィルターを備えたAtlas Ci35aキセノンアークウェザロメーター内において、340ナノメートル(nm)で0.77ワット/平方メートル(W/m)の放射度で物品に促進耐候試験を施した。温度は、ブラックパネル温度が70℃、乾球温度が45℃、湿球温度降下が10℃であった。サイクルは、光照射160分、暗闇5分、及び暗闇での散水15分であった。MacBeth ColorEye 7000A比色計上で試料の色を評価し、結果をΔE(ΔE=(ΔL+Δa+Δb0.5)として報告した。色は反射率モードで測定した。光沢(60°)はByk Gardner Micro Trigloss光沢計上で測定した。黄色度(YI)はASTM D1925に従って測定した。
ビスフェノールAポリカーボネートのプラークと、ビスフェノールA及びオキサニリド構造単位を含んでなるポリカーボネート(ポリカーボネートA、B及びC)の被覆層を有するビスフェノールAポリカーボネートからなるプラークとを比較しながら、図2は紫外線暴露時の黄色度の変化(ΔYI)を示しており、図3は紫外線暴露時の色の変化(ΔE)を示している。結果は、2000時間の連続暴露後、オキサニリド含有ポリカーボネートからなる3組のプラークのすべてがビスフェノールAポリカーボネート対照プラークよりはるかに少ない黄変及び色ずれを示すことを表している。(オキサニリド構造単位を末端基として含む)ポリカーボネートAからなるプラークが、オキサニリド部分が限られた添加量でしか存在しないにもかかわらず、ポリカーボネート基板の良好なUV安定化を示すことは重要である。
以上、典型的な実施形態について本発明を例示し説明してきたが、本発明の技術的思想から決して逸脱せずに様々な修正及び置換を行うことができるので、本発明は示した細目に限定されることはない。したがって、当業者ならば、日常的実験以上のものを用いなくても、ここに開示した本発明のさらなる修正例及び同等例を想起できよう。かかる修正例及び同等例のすべてが、特許請求の範囲で定義される本発明の技術的思想及び技術的範囲に包含されるものと考えられる。本明細書中で引用したすべての米国特許の開示内容は、援用によって本明細書の内容の一部をなす。
化合物(V)のビス(フェニルカーボネート)誘導体及び化合物(VIII)のモノフェニルカーボネート誘導体に関する紫外スペクトルを示す。 ビスフェノールAポリカーボネートのプラークと、ビスフェノールA及びオキサニリド構造単位を含んでなるポリカーボネートの被覆層を有するビスフェノールAポリカーボネートからなるプラークとを比較しながら、紫外線暴露時の黄色度の変化(ΔYI)を示す。 ビスフェノールAポリカーボネートのプラークと、ビスフェノールA及びオキサニリド構造単位を含んでなるポリカーボネートの被覆層を有するビスフェノールAポリカーボネートからなるプラークとを比較しながら、紫外線暴露時の色の変化(ΔE)を示す。

Claims (93)

  1. 1種以上の二価フェノール、カーボネート前駆体、並びにオキサニリド含有化合物、オキサメート含有化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上から導かれる構造単位を含んでなるポリカーボネート。
  2. 二価フェノールがHO−D−OHの構造を有しており、式中のDは下記式(III)の構造を有する二価芳香族基である、請求項1記載のポリカーボネート。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  3. 二価フェノールが、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オール及び6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダンからなる群から選択される1種以上である、請求項1記載のポリカーボネート。
  4. オキサニリド含有化合物がオキサニリド含有二価フェノールである、請求項1記載のポリカーボネート。
  5. オキサニリド含有二価フェノールが下記式(II)の構造を有する、請求項4記載のポリカーボネート。
    Figure 2005532446
    式中、D及びDは各々独立に下記式(III)の構造を有する二価芳香族基である。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  6. D及びDが相異なる、請求項5記載のポリカーボネート。
  7. D及びDが同一である、請求項5記載のポリカーボネート。
  8. オキサニリド含有二価フェノールがN,N’−ビス[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]−エタンジアミドである、請求項7記載のポリカーボネート。
  9. オキサニリド含有二価フェノールから導かれる構造単位の量が、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約0.1〜約80モル%の範囲内にある、請求項4記載のポリカーボネート。
  10. オキサニリド含有二価フェノールから導かれる構造単位の量が、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約0.5〜約50モル%の範囲内にある、請求項4記載のポリカーボネート。
  11. オキサニリド含有二価フェノールから導かれる構造単位の量が、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約1〜約30モル%の範囲内にある、請求項4記載のポリカーボネート。
  12. オキサニリド含有二価フェノールから導かれる構造単位の量が、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約1〜約20モル%の範囲内にある、請求項4記載のポリカーボネート。
  13. オキサニリド含有化合物がオキサニリド含有一価フェノールである、請求項1記載のポリカーボネート。
  14. オキサニリド含有一価フェノールが下記式(VI)の構造を有する、請求項13記載のポリカーボネート。
    Figure 2005532446
    式中、D及びDは各々独立に下記式(III)の構造を有する二価芳香族基であり、Rは水素、一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択される。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  15. オキサニリド含有一価フェノールがN−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルフェニル]−N’−1−[2−エトキシフェニル)−エタンジアミドである、請求項14記載のポリカーボネート。
  16. オキサニリド含有一価フェノールから導かれる構造単位が、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約0.1〜約10モル%の範囲内のレベルで存在している、請求項13記載のポリカーボネート。
  17. オキサニリド含有一価フェノールから導かれる構造単位が、連鎖停止剤から導かれる構造単位の全量を基準にして約1〜約100モル%の範囲内にある、請求項13記載のポリカーボネート。
  18. オキサニリド含有一価フェノールから導かれる構造単位が、連鎖停止剤から導かれる構造単位の全量を基準にして100モル%のレベルで存在している、請求項17記載のポリカーボネート。
  19. オキサメート含有化合物が下記式(IX)の構造を有する一価フェノールである、請求項13記載のポリカーボネート。
    Figure 2005532446
    式中、Dは下記式(III)の構造を有する二価芳香族基であり、Rは任意に電子求引基で置換された一価炭化水素基である。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  20. オキサメート含有一価フェノールが、Dが2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンから導かれる残基であり、Rがトリフルオロエチルである式(IX)の化合物である、請求項19記載のポリカーボネート。
  21. オキサニリド含有二価フェノールと、オキサニリド含有一価フェノール又はオキサメート含有一価フェノール或いはその両方とから導かれる構造単位を含む、請求項1記載のポリカーボネート。
  22. カーボネート前駆体が、ホスゲン、ジアリールカーボネート及びジフェニルカーボネートからなる群から選択される、請求項1記載のポリカーボネート。
  23. ビスフェノールA、N,N’−ビス[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]−エタンジアミド及びカーボネート前駆体から導かれる構造単位を含んでなるポリカーボネート。
  24. N,N’−ビス[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]−エタンジアミドから導かれる構造単位を、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約20〜約50モル%の範囲内の量で含む、請求項23記載のポリカーボネート。
  25. ビスフェノールA、N−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルフェニル]−N’−1−[2−エトキシフェニル)−エタンジアミド及びカーボネート前駆体から導かれる構造単位を含んでなるポリカーボネート。
  26. N−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルフェニル]−N’−1−[2−エトキシフェニル)−エタンジアミドから導かれる構造単位を、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約1〜約10モル%の範囲内の量で含む、請求項25記載のポリカーボネート。
  27. 請求項1記載のポリカーボネートを含んでなる物品。
  28. 請求項4記載のポリカーボネートを含んでなる物品。
  29. 請求項8記載のポリカーボネートを含んでなる物品。
  30. 請求項13記載のポリカーボネートを含んでなる物品。
  31. 請求項15記載のポリカーボネートを含んでなる物品。
  32. 請求項19記載のポリカーボネートを含んでなる物品。
  33. 請求項21記載のポリカーボネートを含んでなる物品。
  34. 請求項23記載のポリカーボネートを含んでなる物品。
  35. 請求項25記載のポリカーボネートを含んでなる物品。
  36. 1種以上の二価フェノールと、オキサニリド含有化合物、オキサメート含有化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上とから導かれる構造単位を含むポリカーボネートの製造方法であって、1種以上の二価フェノール、カーボネート前駆体、並びにオキサニリド含有化合物、オキサメート含有化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上を反応条件下で接触させる段階を含んでなる方法。
  37. 二価フェノールがHO−D−OHの構造を有しており、式中のDは下記式(III)の構造を有する二価芳香族基である、請求項36記載の方法。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  38. 二価フェノールが、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オール及び6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダンからなる群から選択される1種以上である、請求項37記載の方法。
  39. オキサニリド含有化合物がオキサニリド含有二価フェノールである、請求項36記載の方法。
  40. オキサニリド含有二価フェノールが下記式(II)の構造を有する、請求項39記載の方法。
    Figure 2005532446
    式中、D及びDは各々独立に下記式(III)の構造を有する二価芳香族基である。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  41. D及びDが相異なる、請求項40記載の方法。
  42. D及びDが同一である、請求項40記載の方法。
  43. オキサニリド含有二価フェノールがN,N’−ビス[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]−エタンジアミドである、請求項42記載の方法。
  44. オキサニリド含有二価フェノールから導かれる構造単位の量が、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約0.1〜約80モル%の範囲内にある、請求項39記載の方法。
  45. オキサニリド含有二価フェノールから導かれる構造単位の量が、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約0.5〜約50モル%の範囲内にある、請求項39記載の方法。
  46. オキサニリド含有二価フェノールから導かれる構造単位の量が、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約1〜約30モル%の範囲内にある、請求項39記載の方法。
  47. オキサニリド含有二価フェノールから導かれる構造単位の量が、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約1〜約20モル%の範囲内にある、請求項39記載の方法。
  48. オキサニリド含有化合物がオキサニリド含有一価フェノールである、請求項36記載の方法。
  49. オキサニリド含有一価フェノールが下記式(VI)の構造を有する、請求項48記載の方法。
    Figure 2005532446
    式中、D及びDは各々独立に下記式(III)の構造を有する二価芳香族基であり、Rは水素、一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択される。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  50. オキサニリド含有一価フェノールがN−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルフェニル]−N’−1−[2−エトキシフェニル)−エタンジアミドである、請求項49記載の方法。
  51. オキサニリド含有一価フェノールから導かれる構造単位が、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約0.1〜約10モル%の範囲内のレベルで存在している、請求項48記載の方法。
  52. オキサニリド含有一価フェノールから導かれる構造単位が、連鎖停止剤から導かれる構造単位の全量を基準にして約1〜約100モル%の範囲内にある、請求項48記載の方法。
  53. オキサニリド含有一価フェノールから導かれる構造単位の量が、連鎖停止剤から導かれる構造単位の全量を基準にして100モル%である、請求項48記載の方法。
  54. オキサメート含有化合物が下記式(IX)の構造を有する一価フェノールである、請求項36記載の方法。
    Figure 2005532446
    式中、Dは下記式(III)の構造を有する二価芳香族基であり、Rは任意に電子求引基で置換された一価炭化水素基である。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  55. オキサメート含有一価フェノールが、Dが2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンから導かれる残基であり、Rがトリフルオロエチルである式(IX)の化合物である、請求項54記載の方法。
  56. オキサニリド含有二価フェノールと、オキサニリド含有一価フェノール又はオキサメート含有一価フェノール或いはその両方とから導かれる構造単位を含む、請求項36記載の方法。
  57. カーボネート前駆体が、ホスゲン、ジアリールカーボネート及びジフェニルカーボネートからなる群から選択される、請求項36記載の方法。
  58. 反応条件下で接触させる段階が、溶液法、界面法、溶融法、エステル交換法、固相法及び再分配法並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項36記載の方法。
  59. オキサニリド構造単位を含むポリカーボネートの製造方法であって、ビスフェノールA、N,N’−ビス[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]−エタンジアミド及びカーボネート前駆体を反応条件下で接触させる段階を含んでなる方法。
  60. ポリカーボネートが、N,N’−ビス[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]−エタンジアミドから導かれる構造単位を、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約20〜約50モル%の範囲内の量で含む、請求項59記載の方法。
  61. 反応条件下で接触させる段階が、溶液法、界面法、溶融法、エステル交換法、固相法及び再分配法並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項59記載の方法。
  62. オキサニリド構造単位を含むポリカーボネートの製造方法であって、ビスフェノールA、N−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルフェニル]−N’−1−[2−エトキシフェニル)−エタンジアミド及びカーボネート前駆体を反応条件下で接触させる段階を含んでなる方法。
  63. ポリカーボネートが、N−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルフェニル]−N’−1−[2−エトキシフェニル)−エタンジアミドから導かれる構造単位を、二価フェノールから導かれる構造単位の全量を基準にして約1〜約10モル%の範囲内の量で含む、請求項62記載の方法。
  64. 反応条件下で接触させる段階が、溶液法、界面法、溶融法、エステル交換法、固相法及び再分配法並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項62記載の方法。
  65. 下記式(VI)の構造を有するオキサニリド含有一価フェノール。
    Figure 2005532446
    式中、D及びDは各々独立に下記式(III)の構造を有する二価芳香族基であり、Rは水素、一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択される。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  66. N−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルフェニル]−N’−1−[2−エトキシフェニル)−エタンジアミドである、請求項65記載のオキサニリド含有一価フェノール。
  67. 下記式(IX)の構造を有するオキサニリド含有一価フェノール。
    Figure 2005532446
    式中、Dは下記式(III)の構造を有する二価芳香族基であり、Rは電子求引基で置換された一価炭化水素基である。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  68. Dが2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンから導かれる残基であり、Rがトリフルオロエチルである式(IX)の化合物である、請求項67記載のオキサニリド含有一価フェノール。
  69. 下記式の構造を有するオキサニリド含有一価フェノール。
    Figure 2005532446
    式中、Rはアルキレン、アルキリデン又は脂環式基であり、R及びRは各々独立にハロゲン、ブロモ、クロロ、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキル又はOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)であり、「x」及び「j」は0から芳香環上の置換可能な部位の数までの整数を表す。
  70. N−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルフェニル]−N’−1−[2−エトキシフェニル)−エタンジアミドである、請求項69記載の一価フェノール。
  71. 対称オキサニリド含有二価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階を含んでなる方法。
  72. 電子求引基がフルオロ又はクロロである、請求項71記載の方法。
  73. オキサニリド含有二価フェノールが次式の構造を有する、請求項71記載の方法。
    Figure 2005532446
    式中、Dは下記式(III)の構造を有する二価芳香族基である。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  74. 接触温度が約30〜約100℃の範囲内にある、請求項71記載の方法。
  75. 対称オキサニリド含有二価フェノールの製造方法であって、約30〜約100℃の範囲内の温度で3−アミノフェノール、4−アミノフェノール及び2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンをビス(トリフルオロエチル)オキサレートと接触させる段階を含んでなる方法。
  76. 非対称オキサニリド含有二価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階、次いでオキサメート中間体を、前記第一の芳香族アミンと異なる、ヒドロキシ基を有する第二の芳香族アミンと接触させる段階を含んでなる方法。
  77. 電子求引基がフルオロ又はクロロである、請求項76記載の方法。
  78. オキサニリド含有二価フェノールが下記式(II)の構造を有する、請求項76記載の方法。
    Figure 2005532446
    式中、D及びDは各々独立に下記式(III)の構造を有する二価芳香族基である。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  79. 接触温度が約30〜約100℃の範囲内にある、請求項76記載の方法。
  80. 非対称オキサニリド含有二価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する芳香族アミンをビス(トリフルオロエチル)オキサレートと接触させる段階、次いでオキサメート中間体を、前記第一の芳香族アミンと異なる、ヒドロキシ基を有する第二の芳香族アミンと接触させる段階を含んでなり、芳香族アミンは3−アミノフェノール、4−アミノフェノール及び2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンからなる群から選択され、各段階での接触温度は約30〜約100℃の範囲内にある、方法。
  81. オキサニリド含有一価フェノールの製造方法であって、芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階、次いでオキサメート中間体を前記第一の芳香族アミンと異なる第二の芳香族アミンと接触させる段階を含んでなり、ただ1種の芳香族アミンだけがヒドロキシ基を有する、方法。
  82. 電子求引基がフルオロ又はクロロである、請求項81記載の方法。
  83. オキサニリド含有一価フェノールが下記式(VI)の構造を有する、請求項81記載の方法。
    Figure 2005532446
    式中、D及びDは各々独立に下記式(III)の構造を有する二価芳香族基であり、Rは水素、一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択される。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  84. 接触温度が約30〜約100℃の範囲内にある、請求項81記載の方法。
  85. オキサニリド含有一価フェノールの製造方法であって、芳香族アミンをビス(トリフルオロエチル)オキサレートと接触させる段階、次いでオキサメート中間体を前記第一の芳香族アミンと異なる第二の芳香族アミンと接触させる段階を含んでなり、ただ1種の芳香族アミンだけがヒドロキシ基を有し、芳香族アミンはアニリン、フェネチジン、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール及び2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンからなる群から選択され、各段階での接触温度は約30〜約100℃の範囲内にある、方法。
  86. オキサメート含有一価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する芳香族アミンを、ジアリールオキサレート又は各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートと接触させる段階を含んでなる方法。
  87. 電子求引基がフルオロ又はクロロである、請求項86記載の方法。
  88. オキサニリド含有一価フェノールが下記式(IX)の構造を有する、請求項86記載の方法。
    Figure 2005532446
    式中、Dは下記式(III)の構造を有する二価芳香族基であり、Rは電子求引基で置換された一価炭化水素基である。
    Figure 2005532446
    式中、Aは芳香族基であり、Eは1種以上のアルキレン、アルキリデン又は脂環式基、含硫黄結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三級窒素基或いは含ケイ素結合であり、Rは水素又は一価炭化水素基であり、Yは一価炭化水素基、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ及びOR(式中、Rは一価炭化水素基である。)からなる群から選択され、「m」は0からA上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「p」は0からE上の置換可能な部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
  89. 電子求引基がフルオロ又はクロロである、請求項88記載の方法。
  90. 接触温度が約30〜約100℃の範囲内にある、請求項86記載の方法。
  91. オキサメート含有一価フェノールの製造方法であって、ヒドロキシ基を有する芳香族アミンをビス(トリフルオロエチル)オキサレートと接触させる段階を含んでなり、芳香族アミンは3−アミノフェノール、4−アミノフェノール及び2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンからなる群から選択され、各段階での接触温度は約30〜約100℃の範囲内にある、方法。
  92. 各々が1以上の電子求引基で置換されたアルキル基を有するジアルキルオキサレートであって、電子求引基がクロロ及びフルオロからなる群から選択される1種以上である、ジアルキルオキサレート。
  93. ビス(トリフルオロエチル)オキサレートである、請求項92記載のジアルキルオキサレート。
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