JP2005532247A - プラズマ補助堆積法を用いて合成石英ガラスからプリフォームを製造するための方法及び装置 - Google Patents

プラズマ補助堆積法を用いて合成石英ガラスからプリフォームを製造するための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

マルチノズル堆積バーナーにガラス出発材料とキャリヤーガスとを含有している水素不含の媒体流が供給され、ガラス出発材料が堆積バーナーを用いてプラズマ帯域中へ導入され、前記プラズマ帯域中でSiO粒子の形成下に酸化され、SiO粒子が堆積面上に堆積され、その際に直接ガラス化されることによる、プラズマ補助堆積法を用いる合成石英ガラスからなるプリフォームの製造方法が公知である。それから出発して堆積効率を高めるために、本発明によれば媒体流が堆積バーナー(1)を用いてプラズマ帯域(4)の方向へ集束されることが提案される。前記方法の実施に適しており、プラズマ帯域に媒体流を供給するための媒体ノズルが設けられているマルチノズルプラズマバーナーは、媒体ノズル(7)がプラズマ帯域(4)の方向へ集束するように構成されていることにより特徴付けられる。集束は媒体ノズル(7)のテーパー(6)を用いて行われる。

Description

本発明は、マルチノズル堆積バーナーにガラス出発材料とキャリヤーガスとを含有する媒体流が供給され、ガラス出発材料が堆積バーナーを用いてプラズマ帯域中へ導入され、前記帯域中でSiO粒子の形成下に酸化され、SiO粒子が堆積面上に堆積され、その際に直接ガラス化されることによる、プラズマ補助(plasmaunterstuetztem)堆積法を用いて合成石英ガラスからプリフォームを製造する方法に関する。
さらに本発明は、プラズマ帯域を発生させるための励起源と、プラズマ帯域に媒体流を供給するための媒体ノズルが設けられており、中心軸を有するマルチノズル堆積バーナーとを含む装置に関する。
商業的使用のための光伝導ファイバープリフォームを製造するために、気相からSiO粒子を堆積する方法はOVD(Outside Vapor Deposition)、MCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)及びVAD(Vapor Axial Deposition)の名称のもとで公知である。通例、SiO粒子の製造は堆積バーナーの酸水素炎中でのケイ素含有ガラス出発物質の火炎加水分解により行われる。しかしまた、ケイ素含有ガラス出発物質をプラズマの補助下に酸化させ、こうして発生したSiO粒子を引き続いて担体上に堆積させることも公知である。
光ファイバー用のプリフォームのためのフッ素ドープされた石英ガラスからクラッドガラスを製造するためのプラズマ補助OVD法はJP-A 61151031に記載されている。マルチノズル酸水素バーナーを用いてケイ素含有出発物質をSiO粒子の形成下に加水分解し、引き続いて発生したSiO粒子を、高周波プラズマバーナーを用いて発生されるプラズマ火炎に供給することが提案される。高温に基づいて回転している担体上に堆積される粒子は直ちにガラス化され、それによりそれとは別に易揮発性ドーパントであるフッ素はガラス層中に結合される(この方法は以下に“直接ガラス化”とも呼ばれる)。
光ファイバー用のプリフォームを製造するための類似の方法はUS-A 5,154,745に記載されている。該明細書では、まず最初により高い屈折率を有する石英ガラスからプリフォームコアを製造し、この上に引き続いてフッ素ドープされた石英ガラスからクラッドガラスを堆積させることが提案されており、その際に堆積はプラズマバーナーの使用下及び堆積されたフッ素含有SiO粒子の直接のガラス化下に行われる。
冒頭に挙げられた種類の方法及び装置はDE-A 25 36 457から公知である。該明細書にはフッ素ドープのためにジフルオロメタンが添加される水素不含ケイ素化合物の酸化による合成石英ガラスの製造方法が記載されている。ケイ素化合物はガラス質塊状物として耐熱性の担体上に堆積され、その際にガス流は誘導結合されたプラズマバーナーを通過される。
このために使用される装置は、互いに同心に配置され、階段状の3本の石英ガラス管を有する誘導結合されたプラズマバーナーを含み、前記石英ガラス管の中では外管が最も長い管であり、かつ内管が最も短い管である。
プラズマ補助SiO堆積法は水素不含雰囲気下に行われることができ、それによりプリフォームの石英ガラス中へのヒドロキシル基の導入は大幅に回避される。それにより、直接ガラス化の際にさらなる後処理なしで(いわゆる“すす法”とは異なり)ヒドロキシルの乏しい石英ガラス体が得られ、前記石英ガラス体は光ファイバー用のプリフォームのコア近くの領域の製造にも適している。しかしながら堆積効率は公知のプラズマ堆積法の場合に一般的に僅かであり、故にこの方法の堆積効率を改善するという絶え間ない需要が存在する。
その点ではプラズマ補助SiO堆積法の際に堆積効率を高めるという課題が本発明の基礎をなしている。
JP-A 61151031から公知の、回転している石英ガラスロッド上にSiO粒子をプラズマ補助堆積するための装置は、高周波プラズマバーナーの長軸の周りを回転可能なコアガラスロッドの表面の範囲内でプラズマ火炎を発生させる高周波プラズマバーナーと、SiO粒子が火炎加水分解により形成され、かつプラズマ火炎に供給されるマルチノズル火炎加水分解バーナーとからなるので、コアガラスロッド上へのフッ素ドープされた石英ガラス層の堆積が達成される。プラズマバーナーと一緒の火炎加水分解バーナーの使用により確かに堆積速度の改善が達成される。しかしながら酸水素バーナーの使用及びその際に進行する加水分解反応のために、堆積される層がこうして製造されたプリフォームの使用可能性を限定する多量のヒドロキシル基を有するという欠点を必然的に受け入れなければならない。
故に、堆積面上へのSiO粒子のプラズマ補助堆積の際に、このために火炎加水分解バーナーが使用されることなく、改善された堆積速度が可能になる装置を記載するという課題も本発明の基礎をなしている。
方法に関しては前記課題は冒頭に記載された種類の方法から出発して本発明によれば、媒体流が堆積バーナーを用いてプラズマ帯域の方向へ集束されることにより解決される。
媒体流は少なくとも1つの酸化可能なガラス出発材料とこのためのキャリヤーガスとを含有する。一方ではキャリヤーガスはガラス出発材料が例えば蒸気状の形で存在する場合に、ガラス出発材料の輸送に利用される。そのうえプラズマ火炎は堆積バーナーから噴出するキャリヤーガスにより堆積バーナーに対して所定の距離で保持され、こうして堆積バーナーの範囲内のプラズマ帯域からのフラッシュオーバーが回避される。媒体流を用いて、ガラス出発材料の酸化に必要な酸素−又はその一部−もプラズマ帯域中へ導入されることができる。プラズマ帯域中でプラズマは点火され、かつガラス出発材料は酸素との反応によりSiO粒子へ酸化される。
媒体流が水素不含であるので、水素不含プラズマが発生されることができ、こうしてプラズマ帯域中での酸素との反応によるヒドロキシル基の形成は回避されることができるので、形成されるSiO粒子は本質的にはヒドロキシル基不含である。例えば空気進入により引き起こされる、プラズマ帯域中の水の存在は、この際にできるだけ回避されるべきである。
堆積効率の改善に関して冒頭に説明された公知方法の本質的なさらなる展開は、媒体流がプラズマ帯域中へ単純に導入されるのではなくて、むしろプラズマ帯域の方向へ集束されることにある。それというのも意外にも、プラズマ帯域の方向への媒体流の集束により、プラズマ帯域の位置及び大きさの維持を軽減するより安定なガス誘導が達成され、かつキャリヤーガス量が−集束されない手法と比較して−明らかに減少されることができることが示されたからである。
キャリヤーガス流はプラズマ帯域と堆積バーナーのバーナーマウスとの間の距離の調節に寄与する。十分強いキャリヤーガス流は、バーナーマウスの方向へのプラズマ火炎の移動を回避し、それによりフラッシュオーバー並びにバーナーマウスの範囲内のSiO粒子の堆積及び過剰の熱負荷を防止する。本発明はこれらの機能の維持下にキャリヤーガス流の減少を可能にする。
媒体流中のキャリヤーガス量の減少は幾つかの観点で有利に作用する。一方では同じ量で媒体流中のガラス出発材料濃度が高められ、かつプラズマ帯域上に集束されるので、ガラス出発材料がプラズマ上であまり通り過ぎず、それにより転化が改善される。他方ではキャリヤーガス流に付随しているプラズマ火炎の冷却は低下される。プラズマ火炎のより高い−集束されない手法と比較して−温度は同様にガラス出発材料の転化率の改善、ひいては堆積速度の増大に寄与する。
プラズマ帯域の方向への集束は媒体流の適しているガス誘導により達成される。このためにはプラズマ帯域中へ媒体流を供給するための媒体ノズルを有する集束する堆積バーナーが使用され、前記媒体ノズルはノズル開口部の下方でプラズマ帯域の方向へ傾斜した内壁を有するか、又はプラズマ帯域の方向へテーパーしている。媒体流の焦点はその都度プラズマ帯域の内部にか又は堆積バーナーとプラズマ帯域との間の範囲内に存在する。
媒体流が堆積バーナーのプラズマ帯域の方向へテーパーしている媒体ノズルを用いてプラズマ帯域上に集束されることによる変法が特に単純に構成されている。媒体ノズルは堆積バーナーのミドルノズルであってよいか、又はプラズマ帯域の方向へテーパーしているアニュラーギャップ形のノズルであってよいか、又は中心軸の周りに分配され、プラズマ帯域の方向へテーパーしている複数の個々のノズルであってよい。媒体ノズルのテーパーはノズル開口部の下方の範囲内で始まり、かつ上記で説明されたように、プラズマ帯域の範囲内での媒体流の集束を引き起こす。
媒体流が、媒体ノズルから出る際に媒体流よりも少ない流量を有する酸素含有の作業ガス流により包み込まれる場合に、特に好都合であることが判明している。作業ガス流は熱いプラズマに対する遮へい及びバーナーマウスの冷却に利用され、かつ同時に酸素含有の作業ガス流を通してSiO粒子の形成に必要な酸素の少なくとも一部が供給される。媒体流よりも少ない流量を有する酸素含有の作業ガス流が堆積バーナーから出ることにより、媒体流への影響が大幅に回避されるので、プラズマ帯域へのその集束は得られたままである。
作業ガス流のこの作用は、作業ガス流が、ディフューザーとして構成されている堆積バーナーの第一の作業ガスノズルから乱流で出る場合にさらに改善される。ガス流の乱れはこの際に少なくとも作業ガスノズルから出た後の範囲内で十分高い流量により達成される。乱流で出てくる作業ガス流により、プラズマ帯域に集束される媒体流が、層流でありかつ同様に集束される作業ガス流である場合よりもあまり影響を受けないことが保証される。乱れの調節の軽減のために作業ガスノズルはディフューザーとして構成されており、ディフューザーは流体工学においてこのために一般的に公知の構造原理に基づいていてよい。それにより媒体流に影響を与えないか又は殆ど影響を与えない乱流の作業ガス流が発生されることが本質的である。このためには例えば作業ガスノズルの開口部断面がノズル開口部の下方の範囲からノズル開口部まで拡張されていてよい。拡張により作業ガスノズルから出ている作業ガス流の乱れ度は拡大される。
作業ガス流が作業ガスノズルから出る際に、作業ガスノズルを同軸に包囲しているアニュラーギャップノズルから出る少なくとも1つの酸素含有の分離ガス流れにより包み込まれる一手法が好ましい。分離ガス流はまず第一に熱いプラズマからのバーナーマウスの冷却及び遮へいに利用される。このためには分離ガス流は作業ガス流よりも高い流量を有する。そのうえ分離ガス流によりプラズマ帯域中で必要とされる酸素の一部が供給される。作業ガス流及び分離ガス流は互いに独立して調節されることができるので、その点ではプラズマ帯域の大きさ及び位置がある範囲内でフレキシブルに予め決定されることができる。
好ましくはプラズマ帯域は高周波励起を用いて、媒体流と作業ガス流とからなる混合物が導入されるバーナー管の中で発生される。この手法により、媒体流及び作業ガスが既にプラズマ帯域の前にある程度混合されるので、プラズマ帯域の中で酸素含有の作業ガスとガラス出発材料との間の有効な反応が行われ、かつ未反応のガラス出発材料がプラズマ帯域の外にあまり達しないことが保証される。
媒体流が四塩化ケイ素(SiCl)及びキャリヤーガスとして窒素を含有することが特に有用であることが分かっている。
本発明による方法は特にフッ素ドープされた石英ガラスの製造に適している。このためにはフッ素含有成分を含有するガラス出発材料が使用される。
装置に関しては、前記課題は冒頭に記載された種類の装置から出発して、本発明によれば媒体ノズルがプラズマ帯域の方向へ集束するように構成されていることによって解決される。
媒体ノズルのこの構成により、媒体流が堆積バーナーから出る際にプラズマ帯域の方向へ集束されることが保証される。プラズマ帯域の方向への媒体流の集束により、より安定なガス誘導が達成され、このことはプラズマ帯域の位置及び大きさの維持を軽減し、かつ−集束されない手法と比較して−キャリヤーガス量の減少を、それによりプラズマ火炎が堆積バーナーの方向へ移動し、かつその際にフラッシュオーバー及び媒体ノズルのSiO堆積又は過剰の熱負荷が引き起こされることなく、可能にする。
媒体流中のキャリヤーガス量の減少の利点に関しては、本発明による方法についての前記の説明が指摘される。プラズマ帯域の方向へ集束する媒体ノズルはノズル開口部の下方でプラズマ帯域の方向へ傾斜した内壁を有するか、又はこの媒体ノズルはノズル開口部の下方の範囲内でプラズマ帯域の方向へテーパーしている。
単純な取扱い及び製造のために特に、媒体ノズルがテーパー範囲内でプラズマ帯域の方向へテーパーしている、最後に挙げられた態様が好ましい。媒体ノズルは堆積バーナーのミドルノズルであってよいか、又はプラズマ帯域の方向へテーパーしているアニュラーギャップ形のノズルであってよいか、又は中心軸の周りに分配され、プラズマ帯域の方向へテーパーしている複数の個々のノズルであってよい。媒体ノズルのテーパーはノズル開口部の下方の範囲内で始まり、かつ上記で説明されたように、プラズマ帯域の範囲内で媒体流の集束を引き起こす。
この際にテーパー範囲が少なくとも5mm、好ましくは少なくとも8mmの長さを有する場合に特に好都合であることが判明している。この長さのテーパー範囲により十分な集束するガス誘導が保証される。
本発明による装置の好ましい一態様の場合に媒体ノズルは4.5mm〜6.5mmの範囲内、好ましくは5.0mm〜6.0mmの範囲内の直径を有するノズル開口部を有する。この際に媒体ノズルは堆積バーナーの中心のミドルノズルとして構成されている。
記載された範囲内のノズル開口部を用いて最適な集束及び堆積速度の最適化が達成されることが示された。
本発明による装置の好ましい一態様において、媒体ノズルは中心のミドルノズルとして構成されており、かつディフューザーとして構成されかつ拡張範囲内でプラズマ帯域の方向へ連続的に拡張しているアニュラーギャップ形の作業ガスノズルにより同軸に包囲されている。
ミドルノズルを包囲している作業ガスノズルにより、媒体ガス流の集束にできるだけ僅かな影響を及ぼす作業ガス流が導入される。このためには作業ガスノズルは、拡張範囲内でプラズマ帯域の方向へ連続的に拡張されているディフューザーとして構成されている。拡張により作業ガスノズルがディフューザーとして作用するので、作業ガスノズルから出てくる作業ガス流の乱れ度はノズル開口部の範囲内で増大する。それにより、さらに内側で出てくる集束される媒体ガス流が、方向を持った作業ガス流である場合よりもあまり影響を受けないことが達成される。
拡張範囲が少なくとも5mm、好ましくは少なくとも8mmの長さを有する場合に有用であることが分かっている。記載された長さのディフューザーにより、十分な乱れ度が作業ガス流れの範囲内で達成される。
さらに、媒体ノズルが、中心軸に垂直に延在している第一のノズル平面中に延在しているノズル開口部を有する場合及び作業ガスノズルが、中心軸に垂直に延在している第二のノズル平面中に延在しているノズル開口部を有する場合に、有利であることが判明しており、その際に−流動方向で見て−第一のノズル平面は5mm〜35mm、好ましくは13mm〜23mmの長さだけ第二のノズル平面の前に配置されている。
作業ガスノズルの開口部及び媒体ノズルの開口部はこの際に互いに距離を有する。この距離がバーナーマウス上へのSiO粒子の堆積に影響を及ぼすことが示された。挙げられた範囲内の第一のノズル平面の前配置により、早すぎる粒子形成、ひいてはノズル縁上の堆積が防止される。
媒体ノズルが石英ガラス管により形成されることが有用であることが分かっている。石英ガラス管は高い化学的安定性及び熱安定性に傑出している。そのうえプラズマ帯域中への不純物の供給は大幅に回避される。これに関連して媒体ノズルがプラズマ帯域を包囲する石英ガラスからなるバーナー管へ合流することが好都合であることも判明している。
本発明による装置の特に好ましい一実施態様において、媒体ノズルを形成する中心の内管と、内管を同軸に包囲しており、プラズマ帯域に酸素を供給するためのアニュラーギャップノズル又は円形ノズルを形成する少なくとも2つの外管とが設けられている。堆積バーナーのノズルはその際に互いに同軸に配置された複数の管により形成され、その際にノズル開口部は異なる高さであってよい。故にこれらはアニュラーギャップとしてか、又は−内側の全てのノズルより突出している外管の場合に−内側のノズルより突出しているそれらの範囲内で円形に構成されている。最後のノズルは以下に“アニュラーギャップノズル”とも呼ばれる。そのような堆積バーナーは構造上単純に構成されており、かつ費用がかからずに製造可能である。以下に本発明は実施例及び図面に基づいてより詳細に説明される。図面には個別的に略示的な描写で示される。
図1に示されている装置は、ドープされていない石英ガラスからなるコア及びフッ素ドープされた石英ガラスからなるクラッドを有する、光ファイバー用のプリフォームの製造に使用される。
前記装置は、全体として参照数字1が割り当てられているプラズマバーナーと、内部で高周波コイル3を用いてプラズマ4が点火される石英ガラスからなるバーナー管2とからなる。
プラズマバーナー1は、プラズマ4にガラス出発材料(フッ素ドープのためのSiCl及びSF)及び窒素の形のキャリヤーガスが供給される、石英ガラスからなる内管5を含む。プラズマ4の方向を向いた内管5の開口部は、プラズマ4の方向へテーパーしている媒体ノズル7を形成する円すい6を有する。媒体ノズル7の焦点8は、プラズマバーナー1の長軸9上でプラズマ4の下方すれすれにある。その円筒形の範囲内で内管5の直径は約10mmであり、媒体ノズル7の開口部−直径は5.2mmであり、かつ矢印10により示された円すい6の長さは約10mmである。
内管5は、特殊鋼からなる2つの管11;12により同軸に包囲されている。内側の特殊鋼−管11と内管5との間のアニュラーギャップ13中へ酸素の形の作業ガスが導入される。アニュラーギャップ13は、プラズマ4の方向を向いた上部ノズル開口部の範囲内でディフューザー14の形成下に拡張される。この拡張は内管5の円すい形のテーパーによりもたらされるので、拡張及び円すい6の長さは同一である(矢印10)。内側の特殊鋼−管11のノズル開口部(ディフューザー14)と媒体ノズル7との間の距離“A”は23mmである。その円筒形の部分内でアニュラーギャップ13のギャップ幅は約6mmである。
内側の管11と外側の管12との間のアニュラーギャップ16中へ酸素の形の分離ガスが導入される。分離ガスはまず第一に熱いプラズマに対するプラズマバーナー1の冷却及び遮へいに利用される。アニュラーギャップ16のギャップ幅は約3mmである。プラズマの方向を向いたアニュラーギャップ16の開口部はプラズマ4の方向へ開いた外部ノズル17を形成し、その際に外側の管12は約13mmだけ内側の管11よりプラズマ4の方向へ突出している。
バーナー管2の内側はパッキンリング18により示唆されているように、外部雰囲気に対して密閉されている。本発明による装置の選択的な一実施態様において、バーナー管2と外側の管12との間のアニュラーギャップ19中へ酸素の形の付加的な作業ガスが導入される。
以下に、本発明による方法は図1に示された装置に基づいて例示的に記載される:
内管5にSiCl+SF 40g/min及び窒素7 l/minを供給する。それによりプラズマ4をバーナーマウス(外部ノズル17の縁部)から約20mmの距離で維持することができる。それに加えて、アニュラーギャップ13中へ作業ガス−酸素40 l/minを、アニュラーギャップ16中へ分離ガス−酸素70 l/minを導入する。
プラズマ4の範囲内でSiClはSiO粒子へ酸化され、これらの粒子はその長軸20の周りを回転しているコアガラスロッド21のシリンダージャケット面上に堆積し、その際に直接ガラス化される。シリンダージャケット面に沿ったプラズマバーナー1の周期的な逆転運動により光ファイバー用のプリフォームは層状に形成される。プリフォームのフッ素ドープされたクラッドガラス(フッ素5質量%を有する石英ガラス)の製造のために、SiClに付加的にSFがフッ素源として混合される。
水素不含のプラズマで作業することにより、本質的にヒドロキシル基不含であるプリフォームが得られる。プリフォームのフッ素ドープされたクラッド範囲中のOH含量は約4質量ppmである。また、本発明による方法の場合に、以下に比較例に基づいて記載された方法の場合よりも約100%高い、使用される原料の比較的高い堆積効率がもたらされることも本質的である。
この高い堆積効率は、プラズマ4の方向への媒体流の集束及びディフューザー14の流体工学的な作用により単独でもたらされる。このことを次の比較例が示す:
比較例
プリフォームの製造のためには図2に示された装置が使用される。この装置は図1による装置とは単にプラズマバーナー23が、より正確には唯一の、及び単独で内管25の構成が異なっている。
内管25の構成に関しては図1による装置との差異は、内管25がここではその全長に亘り10mmの内径で円筒形に形成されている点にある。故に内管25に接しているアニュラーギャップ23も図1による装置のアニュラーギャップ13のような外側に向かって円すい形に拡張している範囲を有していない。内管25のノズル開口部と内側の特殊鋼管11との間の距離Aは23mmである。
図2による装置を、上記で図1に基づいて記載されているのと同じようにして、プリフォームの製造に使用する。内管25にSiCl+SF 40g/minを供給する。しかしながらその際に、例1による方法とは異なり、プラズマ4をバーナーマウス(外部ノズル17の縁部)から約20mmの距離で維持するために窒素7 l/minではなくて、むしろ窒素20 l/minを内管25に供給しなければならないことを示している。比較的高い窒素供給のために、プラズマ4中及びバーナー管2の内部での使用されるSiClの強められた放散、そのうえプラズマ4の強められた冷却の結果となる。それに付随している材料損失及びエネルギー損失は、この手法の場合に比較的低い堆積効率を生じさせる。
光ファイバー用のプリフォームを製造する際に使用するための本発明による装置の一実施態様を示す側面図。
図1に対して一部変更された装置の一実施態様を示す側面図。
符号の説明
1 プラズマバーナー、 2 バーナー管、 3 高周波コイル、 4 プラズマ、 5 内管、 6 円すい、 7 媒体ノズル、 8 焦点、 9 長軸、 10 矢印、11,12 管、 13 アニュラーギャップ、 14 ディフューザー、 16 アニュラーギャップ、 17 外部ノズル、 18 パッキンリング、 19 アニュラーギャップ、 20 長軸、 21 コアガラスロッド、 23 プラズマバーナー、 25 内管、 A 距離

Claims (17)

  1. マルチノズル堆積バーナーにガラス出発材料とキャリヤーガスとを含有している水素不含の媒体流を供給し、ガラス出発材料を堆積バーナーを用いてプラズマ帯域中へ導入し、前記帯域中でSiO粒子の形成下に酸化させ、SiO粒子を堆積面上に堆積させ、その際に直接ガラス化することによる、プラズマ補助堆積法を用いる合成石英ガラスからなるプリフォームの製造方法において、
    媒体流を堆積バーナー(1)を用いてプラズマ帯域(4)の方向へ集束させることを特徴とする、プラズマ補助堆積法を用いる合成石英ガラスからなるプリフォームの製造方法。
  2. 媒体流を、堆積バーナー(1)の、プラズマ帯域(4)の方向へテーパーしている媒体ノズル(7)を用いて、プラズマ帯域(4)に集束させる、請求項1記載の方法。
  3. 媒体流を媒体ノズル(7)から出る際に酸素含有の作業ガス流により包み込む、請求項2記載の方法。
  4. 作業ガス流が、堆積バーナー(1)の、ディフューザーとして構成されている第一の作業ガスノズル(14)から乱流で出る、請求項3記載の方法。
  5. 作業ガス流を、作業ガスノズル(14)から出る際に、作業ガスノズル(14)を同軸に包囲しているアニュラーギャップノズル(17)から出る少なくとも1つの酸素含有の分離ガス流により包み込む、請求項3又は4記載の方法。
  6. プラズマ帯域(4)を、高周波励起(3)を用いてバーナー管(2)の内部に発生させ、前記バーナー管中へ媒体流と作業ガス流とからなる混合物を導入する、請求項3から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 媒体流が四塩化ケイ素(SiCl)及びキャリヤーガスとして窒素を含有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. ガラス出発材料がフッ素含有成分を含有する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. プラズマ帯域を発生させるための励起源と、プラズマ帯域に媒体流を供給するための媒体ノズルが設けられており、中心軸を有するマルチノズル堆積バーナーとを含む請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実施するための装置において、
    媒体ノズル(7)がプラズマ帯域(4)の方向へ集束するように構成されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実施するための装置。
  10. 媒体ノズル(7)がテーパー範囲(6)内でプラズマ帯域(4)の方向へテーパーしている、請求項9記載の装置。
  11. テーパー範囲(6)が少なくとも5mm、好ましくは少なくとも8mmの長さを有する、請求項10記載の装置。
  12. 媒体ノズル(7)が4.5mm〜6.5mmの範囲、好ましくは5.0mm〜6.0mmの範囲内の直径を有するノズル開口部を有する、請求項9から11までのいずれか1項記載の装置。
  13. 媒体ノズル(7)が、中心のミドルノズルとして構成されており、かつディフューザーとして構成されかつ拡張範囲内でプラズマ帯域(4)の方向へ連続的に拡張されるアニュラーギャップ形の作業ガスノズル(14)により同軸に包囲されている、請求項9から12までのいずれか1項記載の装置。
  14. 拡張範囲が少なくとも5mm、好ましくは少なくとも8mmの長さを有する、請求項13記載の装置。
  15. 媒体ノズル(7)が中心軸(9)に垂直に延在している第一のノズル平面中に延在しているノズル開口部を有し、かつ作業ガスノズル(14)が中心軸に垂直に延在している第二のノズル平面中に延在しているノズル開口部を有し、その際に−流動方向で見て−第一のノズル平面が5mm〜35mm、好ましくは13mm〜33mmの長さだけ第二のノズル平面の前に配置されている、請求項12から14までのいずれか1項記載の装置。
  16. 媒体ノズル(7)が石英ガラス管により形成されている、請求項9から15までのいずれか1項記載の装置。
  17. 媒体ノズル(7)が、中心のミドルノズルとして構成されており、かつプラズマ帯域(4)に酸素を供給するための少なくとも2つのアニュラーギャップノズル(14;17)により同軸に包囲されている、請求項9から16までのいずれか1項記載の装置。
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