JP2005531636A - 1,8−ナフトイレン−1’,2’−ベンゾイミダゾールスルホネートをベースとする異方性フィルム及びリオトロピック液晶系並びにこれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールのスルホ誘導体をベースとする光学異方性フィルムが提供される。これらの化合物は、従来技術よりも明らかに薄いフィルムにより優れた光学特性を示す安定なリオトロピック液晶系を形成する。前記リオトロピック液晶系は広範な商業利用に用いるために支持体上に堆積してもよい。

Description

関連出願
この出願は2002年6月28日に出願された、ロシア特許出願第2002117253号の優先権を主張し、その出願の開示が参考として本明細書にそのまま含まれる。
発明の分野
本発明は一般に有機化学の分野、更に詳しくは複素環化合物のスルホ誘導体(スルホネート)の合成、及びこれらの化合物をベースとする光学異方性フィルムに関する。
発明の背景
最新技術の進歩は新素材をつくり、それらをベースとする所望の性質を有する光学要素を開発することに基づいている。特に、最新ディスプレイの設計に必要な要素は所定の適用に最適の特性の組み合わせを有する光学異方性フィルムである。
幾つかのポリマー材料が光学異方性フィルムの製造に使用し得る。これらのフィルムの異方性光学特性は一軸延伸及び有機又は無機(ヨウ素)の化合物による変性から生じる。ポリビニルアルコール(PVA)が“液晶:適用及び使用”, B. Bahadur編集, World Scientific, Singapore (1990), 1巻, 101-103頁に記載されているようにベースポリマーとして普通に使用される。しかしながら、PVAをベースとするフィルムの低い熱安定性がそれらの適用可能性を制限する。改良された特性を有する光学異方性フィルムの合成のための新規な方法がこれらの理由のために必要とされる。
有機二色性染料が優れた光学特性及び加工特性を示す光学異方性フィルムの合成に使用し得る。このような化合物をベースとするフィルムは支持体表面への液晶水性染料溶液の塗布、続いて溶媒、例えば、水の蒸発により得られる。異方性は米国特許第2,553,961号に記載されているような、支持体表面の予備の機械的配向、又はフィルム材料が液晶状態にある間にそれに加えられる、外部の配向作用、例えば、機械的作用、電磁気作用等によりフィルムに付与し得る。このアプローチはPCT特許公開WO 94/28073に大いに詳しく説明されている。
染料溶液の液晶特性が或る時期にわたって知られていたが、これらの系の広範な研究は最近始まったにすぎない。新しい研究努力が“クロモニック”液晶系を形成するこれらの染料の幾つかの能力により刺激された。クロモニック系の特有の特徴は染料分子がカラム(これらは中間相の構造要素である)の形態を有する超分子複合体に詰め込まれることである。これらのカラム中の染料分子の高度に規則的な構造は強力に二色性配向フィルムを形成するためのこれらの中間相の使用を可能にする。
有機染料を含む、種々のクロモニック系における分子構造、状態図、及び分子凝集のメカニズムが既に総説されていた(即ち、Lydon, J. Chromonics著“液晶ハンドブック”(Wiley-VCH, Weinheim, 1998), 2B巻, 981-1007頁)。クロモニック中間相を形成する染料分子の特別な特徴はこれらの染料を水溶性にする周辺の基の存在である。全てのクロモニック中間相の主要構造単位は積み重ねられた分子のカラムである。有機染料のクロモニック中間相は可溶性であり、特別な構造を有し、かつ特別な状態図及び光学的性質により特徴づけられる。
リオトロピック液晶(LLC)系を形成することができる二色性染料を使用することにより、高度の光学異方性を有するフィルムを得ることが可能である。このようなフィルムはクロモニック超分子複合体の光吸収の特異性に関連する、E型偏光子の性質を示す。これらのフィルムは吸収のないスペクトル領域でリターダー(移相デバイス)として挙動する。これらの異方性フィルムの移相特性は支持体への液晶溶液の塗布の方向及び垂直方向で測定された屈折率の差であるそれらの複屈折に関係している。LLC系のこれらの性質がこれらの材料における増大する関心を説明する。新しい方法がこのような有機染料をベースとするフィルムを得ようと開発下にある。最近の進歩はフィルム塗布条件の最適化及び新しいLLC組成物の同定の両方を含んでいた。特に、光学異方性フィルムの合成のための新しいLLC化合物はフィルムの特性を改良するように変性剤、安定剤、界面活性剤、及びその他の添加剤を既知の組成物に導入することにより得られてもよい。これらの方法の更に詳細な説明がロシア特許RU 2047643及び公開されたPCT特許出願WO 99/31535に示されている。
近年、種々の波長に関する選択性を特徴とする光学異方性フィルムに対する需要が増大してきた。赤外(IR)から紫外(UV)までの、広いスペクトル領域にわたって変化し得る最大吸収を有するフィルムに対する要求のために、必要とされる性質を有するLLC相及びフィルムを形成することができる広い分類の化合物に対する強い要望がある。この状況において、増大された関心は液晶ディスプレイ及び通信回線に適用し得る複屈折フィルム(リターダー)材料に向けられていた。これらのトピックに関する追加のバックグラウンド情報がYeh, P.著“層状媒体における光学波”, (John Wiley & Sons, New York, 1998)、並びにYeh, P.及びGu, C.著“液晶ディスプレイにおける光学”, (John Wiley & Sons, New York, 1999)に入手し得る。超薄い複屈折フィルムは有機染料をベースとする液晶系の光学異方性層を形成することにより得られる。この方法がP. Lazarev及びM. Paukshto著“薄い結晶フィルム遅延剤”(2000), 材料及び成分に関する第7回国際ディスプレイワークショップ(日本、神戸、11月29日-12月1日)の会報, 1159-1160頁に記載されており、この場合、バット・レッド14染料のジスルホン酸エステルをベースとする薄い光学異方性結晶性フィルムが得られた。フィルムは下記の構造式を有するナフタレンカルボン酸ジベンゾイミダゾールのシス異性体及びトランス異性体の混合物を含んでいた。
Figure 2005531636
この技術を使用して、フィルム中の結晶軸方向を支持体上への塗布及び結晶化の経過中に調節することが可能である。5×7.5cmの寸法を有するガラス板の上に得られた、フィルムは、均一な組成及び高い結晶規則性を有し、かつ28に等しい二色性比Kdを特徴としていた。このようなフィルムは偏光子及びリターダーとして使用し得る。
図1が示すように、バット・レッド14染料をベースとする配向フィルムは常光線及び異常光線に関する屈折率の大きな差:I=550〜700nmに関してno−ne=0.6〜0.8を特徴とするように、高度の光学異方性を示す。リターダーとしてのこれらのフィルムの使用は、染料が光を吸収しない緑色のスペクトル領域に制限される。
可視領域で透明である薄い複屈折フィルムはまた下記の構造式を有する化合物である二ナトリウムクロモグリケート(DSCG)をベースとしてもよい。
Figure 2005531636
この化合物の配向フィルムの光学異方性の程度は大きくない。屈折率の差は約0.1〜0.13の量である。しかしながら、DSCG層の厚さは広い制限内で変化し得るので、この比較的低い値でさえも所望の移相を得ることが可能である。DSCGフィルムの主な欠点はそれらの一時的な不安定性であり、これは徐々の再結晶及び光学異方性の程度の減少により顕在化される。
水溶性有機染料をベースとする種々の組成物がまたPCT公開WO 94/28073及びWO 99/31535に示されているような上記技術に従って光学異方性フィルムを得るのに使用し得る。しかしながら、これらの材料の共通の欠点は可視スペクトル領域における高い吸収である。この性質は透明な複屈折フィルムの合成のためのこれらの染料の使用をかなり制限する。
発明の要約
本発明の一実施態様において、一般構造式
Figure 2005531636
の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体が提供される。化合物中、nは1〜4の範囲の整数であり、mは0〜4の範囲の整数であり、zは0〜6の範囲の整数であり、かつm、n、及びzの値は式m+z+n≦10を満足する。X及びYはCH3、C25、OCH3、OC25、Cl、Br、OH、及びNH2からなる群から個々に選ばれる。Mは対イオンであり、かつjは前記1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の単一分子中の異なる対イオン(M)の数である。
本発明の更なる実施態様において、構造式が構造I〜VIII(式中、X及びYはCH3、C25、OCH3、OC25、Cl、Br、OH、又はNH2からなる群から個々に選ばれる)からなる群から選ばれる、1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体が提供される。
Figure 2005531636
Figure 2005531636
Figure 2005531636






Figure 2005531636
本発明の付加的な実施態様において、LLCが先の実施態様の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体から形成される、リオトロピック液晶系が提供される。
本発明の更に別の実施態様において、光学異方性フィルムが提供される。このフィルムは先の実施態様の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体を単独で含む。
本発明の更なる実施態様において、光学異方性フィルムの形成方法が提供される。この方法において、本明細書に記載された実施態様の一つの液晶系が支持体に堆積される。配向力が適用され、フィルムが乾燥される。
本発明の他の目的及び利点は、本発明の詳細な説明及び特許請求の範囲、並びに添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
発明の詳細な説明
本発明は、1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体(スルホネート)群に属する新規化学化合物及びその合成方法を提供する。これらの化合物は安定なLLC相を形成することができ、光学的に異方性の、少なくとも部分的に結晶性のフィルムの形成で用いる材料として大いに役立つであろう。
本発明は、電磁スペクトルの可視領域において光を吸収しない、又はわずかに吸収する化合物の分類を増やすことを目的とする。本発明の化合物は、高い安定性を有する安定なLLC相を形成することができる。これらの材料は、高い光学特性を有し、かつ、従来のフィルムの多くの欠点を克服する、光学的に異方性の、少なくとも部分的に結晶性のフィルムを獲得するために使用してもよい。
本発明の一実施態様において、偏光フィルム及び位相差(リターダー)フィルムとして使用できる、わずかに吸収する(わずかに着色した)フィルムが提供される。化合物の合成方法及びフィルムの作製方法も開示される。アロイレンベンズイミダゾール類のいくつかの化合物、すなわち1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール類は、ナフタレンテトラカルボン酸ベンゾイミダソール又はペリレンテトラカルボン酸ベンゾイミダソールのπ電子共役系ほど広がっていないπ電子共役系を有する。このため、本発明の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール類はUV及び近可視スペクトル領域で吸収しない。特に、非置換1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールは、λ=380nmで最大吸収を示す。
本発明の他の実施態様は、濃度、温度、及びpH値の広い範囲で高い安定性を有するLLC相を形成することができる新規有機化合物の合成方法を提供する。これらの方法は、フィルム形成方法を容易にし、標準的設備が層の塗布に使用できるようにし、さらに再現可能なパラメータをもつフィルムの作製を容易にする。
本発明のさらに別の態様では、新規有機化合物が提供される。これらの化合物は、最適な親水性-疎水性バランスによって特徴付けられる溶液を形成してもよく、前記バランスはそのような系において形成される超分子複合体のサイズ及び形状、並びにこれら複合体の分子の整列の度合いによい影響を与える。この特徴は、これらの化合物に基づくLLC相の安定性を高めることに加えて、検討される化合物の必要な溶解性を与える。また、これは、フィルムのパラメータの再現性を改善し、種々の生成段階で最適な技術的状況を選択し、維持するための条件が減少するため、作製技術を単純化する。1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の分子がその面の配向の均質性及び外部配向因子によって決定される方向に関連した電子遷移の双極子モーメント(これらの面にある)を高めることを特徴とするため、これらの化合物に基づくフィルムの光学特性はさらに高められる。
1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体は本発明の水溶性化合物であり、異方性フィルムの作製で使用される、すでに開示された材料に対して新たな改善を提供する。開示された本発明の化合物は下記構造式によって一般に表される。
Figure 2005531636
(式中、nは1〜4の整数であり、mは0〜4の整数であり、zは0〜6の整数であり、m+z+n≦10であり、X及びYは、それぞれ別個にCH3、C25、OCH3、OC25、Cl、Br、OH、又はNH2からなる群より選ばれ、Mは対イオンであり、jは前記染料分子中の対イオンの数であり、対イオンが複数の分子の間で共有される場合、分数であってもよい(n>1について、異なる対イオンを含むことができる)。)
一般式Dによって示される化合物は、例えばスルホン酸基及び他の置換基の数及び位置の異なる、多くの構造を含む。下記構造I〜VIIIは、本発明の一般式Dの1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の典型的な、より具体的な態様である。これらの例は、決して本発明の範囲を制限することを意図しない。









Figure 2005531636
Figure 2005531636
Figure 2005531636










Figure 2005531636
構造I〜VIIIについて、X及びYは、それぞれ別個にCH3、C25、OCH3、OC25、Cl、Br、OH、又はNH2からなる群より選ばれ、Mは対イオンであり、jは前記染料分子中の対イオンの数であり、対イオンが複数の分子の間で共有される場合、分数であってもよい(スルホン酸基の数は1よりも大きく(n>1)、異なる対イオンを含むことができる)。
化合物I〜VIII及び本発明の他の化合物は、個々に、及び本発明の他の化合物、他の二色性染料、及び種々の無色の(又は可視領域においてわずかに吸収する)有機化合物を含む他の物質と混合して、安定なLLC相を形成することができる。溶媒除去後、これらのLLC相は、異方性の、少なくとも部分的に結晶性の、高い光学特性を有するフィルムを形成できる。構造I及びIIにおいて、対イオンMは系列H+、NH4 +、K+、Li+、Na+、Cs+、Ca2+、Sr2+、Mg2+、Ba2+、Co2+、Mn2+、Zn2+、Cu2+、Pb2+、Fe2+、Ni2+、Al3+、Ce3+、La3+など、及び前記陽イオンの組み合わせから選択される1つ以上の陽イオンを含む。
本発明のナフトイレンベンゾイミダゾールスルホ誘導体は、水溶液中で近UV領域(380nm付近)に最大光吸収を示す。置換基、例えばエチル、メチル、塩素、及び臭素の導入は、吸収バンドを有意にシフトさせないが、アミノ及びヒドロキシ基の導入は、吸収バンドの広がりをもたらし、スペクトルの特性を変える。本発明の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール分子のスルホン酸基の数並びに置換基の数及び特性を変えることによって、液晶溶液で形成される凝集体の親水性-疎水性バランスを制御し、溶液の粘度を変えることが可能である。しかしながら、本発明の好ましい態様は、また前述のパラメータ及び置換基の他の組み合わせにより実現することができる。
本発明の他の好ましい結果は、本明細書に開示された構造式の1つ以上に相当する化学化合物、これらの化合物に基づくリオトロピック液晶系、及び関連する光学異方性フィルムを用いることによって得ることができる。
すべての上記1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体は、安定なLLC相を形成することができる。本発明の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体は、光学等方性又は異方性フィルムを製造するために、好ましくは使用される。本発明の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体は、また少なくとも部分的に結晶性のフィルムの作製で有利に適用できる。本明細書に記載される1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体は、また偏光及び/又は複屈折フィルムとしての用途を有する。
本発明の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体は、光学等方性又は異方性の、偏光及び/又は複屈折フィルムの組成の一部になる。本発明の光学等方性又は異方性フィルムの材料は、式I〜VIIIの少なくとも1つを含む少なくとも2つの化合物(少なくとも2つの異なる置換基を含む)を含む。
さらに別の実施態様において、本発明は、上記一般構造D、又はより詳細には構造I〜VIIIのいずれかの単独の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体又はこれらの化合物の混合物を含む。
さらに別の実施態様において、本発明の液晶系は、水と、任意の割合で水混和性である、又は制限された水混和性によって特徴付けられる有機溶媒との混合物をベースとする。この実施態様において、液晶系における1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の濃度は、個々に、又は混合物として、約3〜30質量%である。あるいは、前記濃度は約7〜15質量%である。この実施態様の液晶系は、さらに約5質量%までの界面活性剤及び/又は可塑剤を含む。この液晶系において、1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の濃度は、所望の特性に応じて、以下の範囲内であってもよい:
・ 約0〜99質量%の範囲の質量濃度、又は約50〜99%の質量濃度範囲を有する構造I及びIIのモノスルホ誘導体、
・ 約0〜99質量%の範囲の質量濃度、又は約50〜99%の質量濃度範囲を有する構造III及びIVのジスルホ誘導体、
・ 約0〜30質量%の範囲の質量濃度、又は約10〜20%の質量濃度範囲を有する構造VI及びVIIのトリスルホ誘導体、
・ 約0〜20質量%の範囲の質量濃度、又は約5〜10%の質量濃度範囲を有する構造VIIIのテトラスルホ誘導体。
前記液晶系は、さらに少なくとも1つの水溶性有機染料又はLLC相の形成に寄与できる無色の有機化合物を含んでもよい。あるいは、前記液晶系は、さらに構造I〜VIIIの少なくとも2つの化合物及び/又は少なくとも2つの異なる置換基を有するI〜VIIIの少なくとも1つの構造の少なくとも2つの化合物を含んでもよい。
本発明の他の実施態様において、単独の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体又は前記化合物の混合物を含む光学異方性フィルムが提供される。この光学異方性フィルムは、さらに異なる有機染料又はいくつかの無色の化合物を含んでもよい。1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体とともに混合液晶系を形成できる具体的な有機染料又は無色の化合物としては、これに限定されないが以下のものが挙げられる。
ジナトリウムクロモグリケート:
Figure 2005531636
フェナントロフェナジンのスルホ誘導体:
Figure 2005531636
ナフタレンテトラカルボン酸ジベンゾイミダゾールのスルホ誘導体:
Figure 2005531636
ペリレンテトラカルボン酸ジベンゾイミダゾールのスルホ誘導体:
Figure 2005531636
及び
インダンスロンスルホ誘導体:
Figure 2005531636
前記化合物の多くは市販されている。与えられたLLC系用の特定の添加剤の選択は、本明細書の教示に基づくルーチン実験及び異方性フィルムの所望の光学特性、液晶系のレオロジー特性などによって、当業者が決定することができる。前記化合物は、その導入が液晶系の破綻をもたらさないように選択されるべきである。光学偏光技術は、本発明のLLCで用いるための適切性を決定する選択された添加剤の効果をモニターするために使用してもよい。
本発明の光学異方性フィルムは、支持体上に液晶系を堆積することによって得てもよく、さらに配向作用を加え、乾燥してもよい。この実施態様において、異方性フィルムは少なくとも部分的に結晶性である。フィルム材料は、構造I〜VIIIの少なくとも2つの化合物、及び/又は少なくとも2つの異なる置換基を有する、構造I〜VIIIの1つを有する少なくとも2つの化合物を含む。
構造D、より詳細には構造I〜VIIIで示される一般構造式を有する本発明の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体は、種々の方法(公知及び新規)によって合成してもよい。以下で示される一般式Xを有する本発明のスルホ誘導体は、1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール、又はスルホン酸若しくは下記スキームに従う異なる温度間隔で種々の濃度の発煙硫酸によるその誘導体IXのスルホン化の結果形成される。
Figure 2005531636
(式中、n=1、2、3、4;m=0、1、2、3、4;及びz=0、1、2、3、4であり、m+z+n≦10;及びX及びYはそれぞれ別個にCH3、C25、OCH3、OC25、Cl、Br、OH及びNH2からなる群より選ばれる。)
一般式Xを有するスルホネートは、また相当する誘導体XIの加水分解によって得てもよく、若しくはD. Tocksteinova, J. Slosar, J. Urbanek, and J. Churachek, Microchim. Acta 11, 193 (1979)に記載されるクロロスルホン酸、又はクロロスルホン酸と種々の濃度の発煙硫酸との混合物による化合物XIのスルホン化の結果として形成してもよい。1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール又はその誘導体のスルホン化は、スルホン化剤の溶剤中で、又は有機溶剤中で行ってもよい。さらに、1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体Xは、無水ナフタル酸又はその誘導体XIIのオルト-フェニレンジアミン又はその誘導体XIIIとの縮合によって合成できる。ただし、初期化合物の少なくとも1つが1つ又は複数のスルホン酸基を含むことを条件とする。
Figure 2005531636
(式中、m=0、1、2、3、4;及びz=0、1、2、3、4であり、m+z≦7;及びX及びYはそれぞれ別個にCH3、C25、OCH3、OC25、Cl、Br、OH及びNH2からなる群より選ばれる。)
1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体は、また溶液からの分別沈殿を介してその混合物を分離することによって得てもよい。
1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の混合物は、例えば以下の異性化によって得ることもできる。
Figure 2005531636
本発明の化合物又はその混合物を水に溶解する場合、その分子は積み重ねたコインと同様のまとまった非等軸(棒状)凝集体を形成する。前記溶液中の各凝集体は電気二重層を有するミセルを示し、溶液全体は高く分散した(コロイド状)親液性系を示す。溶液濃度(すなわち、ミセル濃度)が増加すると、非等軸凝集体は自発的な秩序化(セルフオーダリング)を示し、ネマチックリオトロピック相の形成をもたらす。結果として、前記系は液晶性となる。前記溶液は、典型的には1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の特定のタイプ及び比に依存して、約3〜50質量%の濃度で液晶系となる。液晶状態は、通常の方法、例えば偏光顕微鏡によって容易に確かめられる。
本発明の単独のナフタル酸ベンゾイミダゾールスルホ誘導体、すなわち構造D、より詳細には構造I〜VIII、又は前記化合物の混合物に基づく液晶系(溶液)は、支持体表面に塗布し、すでに記載された方法、例えばPCT出願WO 94/28073及びWO 00/25155に開示される方法によって配向できる。例えば、配向はせん断応力若しくは重力場又は電磁場を適用することによって達成してもよい。支持体への濡れ性を高めるため、及び液晶系のレオロジー特性を最適化するため、前記溶液は、例えば水溶性ポリマーのような可塑剤、及び/又は陰イオン性又は非イオン性界面活性剤を添加することによって変性してもよい。前記系は、また低分子量水溶性添加剤を含んでもよい。すべての添加剤は、望ましくは液晶溶液の配向を妨げないように選択される。配向されたフィルムからの溶媒のその後の除去は、約0.2〜1.2μmの厚さの光学異方性多結晶フィルムの形成をもたらす。可視スペクトル領域(約380〜900nm)において、配向の方向とそれに垂直な方向で測定された屈折率の差は、約0.1〜0.8である。前記値は、約200μmよりも厚いフィルムでのみすでに知られているリターダーで達成される。開示された発明に従う複屈折フィルムの効率は従来から開示されているフィルムよりも100〜200倍以上も高い。
したがって、本発明の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体は、LLC相を形成でき、高い光学特性を有するわずかに着色した(可視領域でわずかに吸収する)異方性フィルムの獲得を保障する。
図1〜3は、本発明のいくつかの利点を示す。図1はナフトイレンベンゾイミダゾールスルホ誘導体のフィルムについて、異方性の程度のスペクトル依存性を示す。図2は(a)1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-3,6'-ジスルホン酸及び(b)1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-6'-アミノ-3-スルホン酸の電子吸収スペクトルを示す。図3は、1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-6'-スルホン酸のフィルムについて、(a)屈折率及び(b)吸収係数対波長のプロットを示す。
実施例
本発明の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の合成は、以下の実施例によって説明される。これらの実施例は、詳細な説明のみを目的とするものであって、決して本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。
実施例1
1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールのスルホン化を経る1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-6'-スルホン酸の合成を以下の通り行った。5.0gの1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールと30mlの10%発煙硫酸の混合物を1.5時間撹拌した。次いで、前記反応物を水で希釈して70%スルホン酸水溶液を得た。沈殿をろ過し、SO4 2-イオンがなくなるまで塩酸で洗浄し、100℃で乾燥した。1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-6'-スルホン酸の収量は5.7g(88%)であった。
サンプル分析による以下のデータを示す:
1H NMRスペクトル(Bruker AC-300)DMSO(δ、ppm):7.78(シングレット、2H)、7.95(マルチプレット、2H)、8.39(ダブレット、1H)、8.55(ダブレット、1H)、8.78(マルチプレット、3H)。
・ 質量分析(VISION 2000、負の反射モード):実測値、m/z=347.8;計算値、350.35。
・ IRスペクトル(FSM-1201フーリエ変換スペクトロメータ)KRS-5ウインドウ上薄膜(η、cm-1):653、1070、1234(SO3H);731.2(C=O)。
・ 電子吸収スペクトル(Ocean PC 2000スペクトロフォトメータ)水溶液(λmax、nm):380。
・ 元素分析測定値(%):C 61.61、61.60;H 2.67、2.76;N 7.97、8.12;S 9.32、9.41;C181024S。計算値:C 61.71;H 2.88;N 8.00;O 18.27;S 9.15。
実施例2
1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールのスルホン化を経る1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-3,6'-ジスルホン酸の合成を以下の通り行った。3.0gの1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールと32mlの20%発煙硫酸の混合物を50〜55℃で4時間撹拌した。次いで、前記反応物を水で希釈して52%スルホン酸水溶液を得た。沈殿をろ過し、SO4 2-イオンがなくなるまで塩酸で洗浄し、100℃で乾燥した。1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-3,6'-ジスルホン酸の収量は4.3g(90%)であった。
1H NMRスペクトル(Bruker AC-300)DMSO(δ、ppm):7.82(シングレット、2H)、7.97(マルチプレット、1H)、8.64(ダブレット、2H)、8.78(ダブレット、2H)、9.03(シングレット、1H);
サンプル分析による以下のデータを示す:
・ 質量分析(VISION 2000、負の反射モード):実測値、m/z=428.8;計算値、430.41。
・ 赤外線(IR)スペクトル(FSM-1201フーリエ変換スペクトロメータ)KRS-5ウインドウ上薄膜(η、cm-1):ピークは653、1070、1234(SO3H)、1731.2(C=O)cm-1に位置した。
・ 水溶液中の電子吸収スペクトル(Ocean PC 2000スペクトロフォトメータ)はλmax=380nmを有した。
・ 元素分析測定値(%):C 50.11、50.08;H 2.05、2.24;N 6.46、6.62;S 14.50、14.63;C1810272。計算値:C 50.23;H 2.34;N 6.51;O 26.02;S 14.90。
実施例3
1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールのスルホン化を経る1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-3,6,6'-トリスルホン酸の合成を以下の通り行った。1.5gの1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールと10mlの20%発煙硫酸の混合物を115〜120℃で14時間撹拌し、氷上で冷却した。次いで、前記反応物(氷上に保持した)を10mlの17〜20℃の水で希釈し、混合物を24時間放置した。沈殿をろ過し、塩酸で洗浄し、100℃で一定重量に乾燥した。1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-3,6,6'-ジスルホン酸の収量は1.1g(40%)であった。
サンプル分析による以下のデータを示す:
1H NMRスペクトル(Bruker AC-300)DMSO(δ、ppm):7.82(シングレット、2H)、8.62(シングレット、1H)、8.77(ダブレット、2H)、8.90(シングレット、1H)、9.00(シングレット、1H);
・ 質量分析(VISION 2000、負の反射モード):実測値、m/z=506.1;計算値、510.48。
・ IRスペクトル(FSM-1201フーリエ変換スペクトロメータ)KRS-5ウインドウ上薄膜(η、cm-1):653、1070、1234(SO3H)、1731.2(C=O)。
・ 水溶液中の電子吸収スペクトル(Ocean PC 2000スペクトロフォトメータ)はλmax=380nmを測定した。
・ 元素分析測定値(%):C 42.15、42.46;H 2.13、2.06;N 5.22、5.37;S 19.01、19.16;C18102103。計算値:C 42.35;H 1.97;N 5.49;O 31.34;S 18.84。
実施例4
オルト-フェニレンジアミンと3-スルホナフタル酸無水物の縮合を経た1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-6'-スルホン酸の合成。
2.3gの3-スルホナフタル酸無水物と1.4gのオルト-フェニレンジアミンの混合物を50mlの酢酸中で8時間沸騰させ、15℃に冷却した。沈殿をろ過し、15℃に冷却された酢酸で洗浄し、乾燥して異性体の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-3-スルホン酸と1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-6'-スルホン酸の混合物を2.3g得た。
同様の手順を、種々の置換基を含む他の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体を得るために使用できる。
実施例5
液晶組成物の合成、光学異方性フィルムの適用、及び前記フィルムの光学特性の判定を以下の通り行った。12gの1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-6'-スルホン酸を65.0gの脱イオン水中20℃で撹拌して調製した溶液を5.3mlの25%アンモニア水に加え、完全に溶解するまで混合物を撹拌した。この溶液に、10gの1%スルホノール(sulfonol)溶液を加え、混合物を十分に撹拌して92gの13%液晶溶液を得た。Meyer rodを用いて25mm/sの速度で、この溶液をガラスプレート上に塗布した。20℃の温度及び65%の相対湿度で処理を行い、その後フィルムを同じ条件で乾燥した。
フィルムの光学特性は、フィルム塗布の方向に沿った、及び垂直な方向に偏光した光ビームを用いて400〜800nmの波長でサンプルの遷移スペクトルを測定することによって調べた(Cary 500スペクトロフォトメータ)。測定は、また偏光面に垂直な方向に対して30°の角度で行った。これらの測定の結果を用いて、フィルム塗布の方向に沿った、及び横切る方向の屈折率(n0、ne)及び吸収係数(k0、ke)を計算した。計算方法は、他に記載されている(P. Lazarev, N. Ovchinnikova, and M. Paukshto, Submicron Film Retardation Coating, SID'01 DIGEST (San Jose, California, June 2001), Vol. XXXII, p. 571)。1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-6'-スルホン酸のフィルムについて計算結果を図3に示す。このフィルムは光学異方性であり、図3aに示すようによい移相特性を示し、図3bに示すように380〜450nmの波長領域で高い偏光特性を有し、500nmを超える全可視領域で非常に小さい吸収を示す。
リオトロピック液晶系及び相当するフィルムを上述のすべての他の化合物について得た。これらのフィルムの光学特性も高く、開示された発明の技術的成果をサポートする。
本発明の特定の実施態様及び実施例の上記記載は、詳細に説明することを目的として示され、本発明は、前記実施例を確認することによって説明されているが、これによって限定することを構成しない。それらは網羅的であること又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図せず、明らかに、多くの修正、実施態様、及び変更が上記技術に照らして可能である。本発明の範囲は、本明細書、特許請求の範囲に開示された一般的な範囲及びその均等物を包含する。
本発明のナフトイレンベンゾイミダゾールスルホ誘導体のフィルムに関する異方性の程度のスペクトル依存性をプロットするチャートである。 本発明の(a)1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-3,6'-ジスルホン酸及び(b)1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-6'-アミノ-3-スルホン酸の電子吸収スペクトルをプロットするチャートである。 本発明の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾール-6'-スルホン酸のフィルムに関する(a)屈折率及び(b)吸収係数vs波長をプロットするチャートである。

Claims (30)

  1. 下記一般構造式の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体。
    Figure 2005531636
    (式中、nは1〜4の整数であり、0〜4の整数であり、zは0〜6の整数であり、m、n及びzの値は式m+z+n≦10を満たし、
    X及びYは、それぞれ別個にCH3、C25、OCH3、OC25、Cl、Br、OH及びNH2からなる群より選ばれ、
    Mは対イオンであり、jは前記1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の1分子中の異なる対イオン(M)の数である。)
  2. 前記構造式が下記構造I〜VIIIからなる群より選ばれる、請求項1記載の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体。
    Figure 2005531636
    Figure 2005531636
    Figure 2005531636
    Figure 2005531636
    (式中、X及びYは、それぞれ別個にCH3、C25、OCH3、OC25、Cl、Br、OH及びNH2からなる群より選ばれる。)
  3. 前記対イオン(M)が複数の分子の間で共有され、対イオンの前記数(j)が分数である、請求項1又は2記載の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体。
  4. n>1であり、Mjが1つ以上の対イオンである、請求項3記載の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体。
  5. 前記1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体が安定なリオトロピック液晶系を形成する、請求項1又は2記載の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体。
  6. 請求項1又は2記載の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の少なくとも1つを含むリオトロピック液晶系。
  7. 1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体を単独で含む請求項6記載のリオトロピック液晶系。
  8. 前記1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の混合物を含む請求項7記載のリオトロピック液晶系。
  9. さらに、水と、任意の割合で水混和性である有機溶媒との混合物を含む請求項7記載のリオトロピック液晶系。
  10. さらに、水と、制限された水混和性によって特徴付けられる有機溶媒との混合物を含む請求項7記載のリオトロピック液晶系。
  11. 前記1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の濃度が約3〜40質量%である、請求項7記載のリオトロピック液晶系。
  12. 1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の濃度が約7〜15質量%である、請求項7記載のリオトロピック液晶系。
  13. さらに、約5質量%までの界面活性剤を含む請求項7記載のリオトロピック液晶系。
  14. さらに、約5質量%までの可塑剤を含む請求項7記載のリオトロピック液晶系。
  15. さらに、少なくとも1つの他の水溶性有機染料を含む請求項7記載のリオトロピック液晶系。
  16. さらに、少なくとも1つの前記少なくとも1つの1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体による前記液晶相の形成に関与できる第2有機化合物を含む、請求項7記載のリオトロピック液晶系。
  17. 構造Iから構造VIIIより選択される少なくとも1つの構造を有する少なくとも2つの化合物を含み、かつ、少なくとも2つの異なる置換基を有する請求項8記載のリオトロピック液晶系。
  18. 1つ以上の請求項2記載の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の混合物を含むリオトロピック液晶系であって、
    前記混合物中の各1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の濃度が前記混合物の1つ以上の所望の特性に依存し、かつ、前記混合物が、
    濃度が約0〜99質量%である、1つ以上の、構造I及びIIのモノスルホ誘導体、
    濃度が約0〜99質量%である、1つ以上の、構造III及びIVのジスルホ誘導体、
    濃度が約0〜30質量%である、1つ以上の、構造VI及びVIIのトリスルホ誘導体、及び
    濃度が約0〜20質量%である、1つ以上の、構造VIIIのテトラスルホ誘導体を含む、前記リオトロピック液晶系。
  19. 前記混合物が、
    濃度が約50〜99質量%である、1つ以上の、構造I及びIIのモノスルホ誘導体、
    濃度が約50〜99質量%である、1つ以上の、構造III及びIVのジスルホ誘導体、
    濃度が約10〜20質量%である、1つ以上の、構造VI及びVIIのトリスルホ誘導体、及び
    濃度が約5〜10質量%である、1つ以上の、構造VIIIのテトラスルホ誘導体を含む、請求項18記載のリオトロピック液晶系。
  20. 請求項1又は2記載の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体を単独で含む光学異方性フィルム。
  21. 2種以上の1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体を含む請求項20記載の光学異方性フィルム。
  22. 1,8-ナフトイレン-1',2'-ベンゾイミダゾールスルホ誘導体の混合物を含む請求項20記載の光学異方性フィルム。
  23. 前記フィルムがさらに少なくとも1つの他の有機化合物を含む、請求項20記載の光学異方性フィルム。
  24. 支持体上に請求項7記載の液晶系を堆積し、
    配向力を加え、及び
    乾燥することによって形成される光学異方性フィルム。
  25. 前記フィルムが少なくとも部分的に結晶性である、請求項24記載の光学異方性フィルム。
  26. 構造Iから構造VIIIより選ばれる少なくとも1つの構造を有する少なくとも2つの化合物を含み、かつ、少なくとも2つの異なる置換基を有する請求項20記載の光学異方性フィルム。
  27. 構造Iから構造VIIIの群より選ばれる少なくとも2つの化合物を含む請求項22記載の光学異方性フィルム。
  28. 前記フィルムがリターダーフィルムである、請求項21記載の光学異方性フィルム。
  29. 前記フィルムが偏光フィルムである、請求項21記載の光学異方性フィルム。
  30. 支持体上に請求項7記載の液晶系を堆積する工程、
    配向力を加える工程、及び
    乾燥する工程を含む光学異方性フィルムの形成方法。
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