JP2005531614A - ワクチン組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ナイセリアの、好ましくは髄膜炎菌性の疾患の有効な予防または治療のためのワクチン組成物に関する。本発明のワクチンは、使用する国で流行する血清亜型を有する髄膜炎菌株由来の同種の殺菌活性を有する少なくとも1つの小胞、および使用する国で流行する血清亜型を有する必要のない髄膜炎菌株由来の異種の殺菌活性を有する少なくとも1つの小胞を含む多価髄膜炎菌小胞組成物を含む。

Description

本発明は、ナイセリアワクチン組成物、それらの生産および医薬におけるそのような組成物の使用の分野に関する。より特定的には、新規の多価の髄膜炎菌性外膜ベシクル(または小胞)ワクチン、およびそのようなワクチンをより効果的に与えるための有利な方法の分野に関する。
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)(meningococcus)は、グラム陰性細菌であり、しばしばヒト上気道より単離される。それは、菌血症および髄膜炎等の侵襲性細菌性疾患を引き起こすことがある。髄膜炎菌性疾患の発症率は、地理的、季節的および年毎での差異を示す(Schwartz, B., Moore, P.S., Broome, C.V.; Clin. Microbiol. Rev. 2(Supplement), S18-S24, 1989)。温帯の国における多くの疾患は、血清型B株が原因となり、発症率は総人口の1〜10/100,000/年から変動し、それより高い値に達する場合もある(Kaczmarski, E.B. (1997), Commun. Dis. Rep. Rev. 7: R55-9, 1995、Scholten, R.J.P.M., Bijlmer, H.A., Poolman, J.T.ら Clin. Infect. Dis. 16:237-246, 1993、Cruz, C., Pavez, G., Aguilar, E.,ら Epidemiol. Infect. 105:119-126, 1990)。2つのハイリスク群(幼児および十代)における年齢特異的な発症率は、より高レベルに達する。
血清型A髄膜炎菌により支配される流行病のほとんどは中央アフリカで発生し、1000/100,000/年のレベルにまで達する場合もある(Schwartz, B., Moore, P.S., Broome, C.V.; Clin. Microbiol. Rev. 2(Supplement), S18-S24, 1989)。全体として、髄膜炎菌性疾患のほとんど全ての場合、血清型A、B、C、W-135およびY髄膜炎菌によって引き起こされる。四価のA、C、W-135、Y莢膜多糖体ワクチンが利用可能である(Armand, J., Arminjon, F., Mynard, M.C., Lafaix, C. J. Biol. Stand. 10:335-339, 1982)。
多糖体ワクチンは現在、それらを担体タンパク質に化学的にコンジュゲートする方法により改良されている(Lieberman, J.M., Chiu, S.S., Wong, V.K.,ら JAMA 275:1499-1503, 1996)。血清型Bワクチンが使用できないのは、B莢膜多糖体が非免疫原性であるためであり、恐らくそれが宿主構成成分と構造的な類似性を共有するためである(Wyle, F.A., Artenstein, M.S., Brandt, M.L.ら J. Infect. Dis. 126:514-522, 1972、Finne, J.M., Leinonen, M., Makela, P.M. Lancet ii.:355-357, 1983)。
従って、何年にも渡り、髄膜炎菌外膜ベシクル(または小胞)に基づいたワクチンの開発に焦点をおいた努力がされてきた(de Moraes, J.C., Perkins, B., Camargo, M.C.ら Lancet 340:1074-1078, 1992、Bjune, G., Hoiby, E.A. Gronnesby, J.K.ら 338:1093-1096, 1991)。そのようなワクチンは、宿主に投与された場合に感染防御免疫応答を誘発することのできる、適切な折り畳み構造におけるいくつかの完全な外膜タンパク質を含むという利点を有する。さらに、ナイセリア株(髄膜炎菌血清型B-menBを含む)は、工業的規模での生産を許容するのに十分な量の外膜小胞を排出する。あるいはまた、小胞は、ワクチンからいくつかの内毒素(リポ多糖またはLPS、リポオリゴ多糖またはLOSとも呼ばれる)を除去するという利点を有する、細菌細胞の界面活性剤抽出(EP 11243)を含む既知の方法により調製され得る。
野生型のmenB株由来のそのような多成分性外膜タンパク質ワクチンは、高年齢の子供(4歳より上)および青年の57%〜85%に有効性を示し、ラテンアメリカにおいて登録されるようになってきた。これらの有効性治験のほとんどは、界面活性剤抽出法によって作製したmenB OMV(外膜ベシクル)によって実施された。
PorA、PorB、Rmp、Opc、Opa、FrpB等の多くの細菌外膜構成成分は、これらのワクチン中に存在し、観察される感染防御に対するこれらの構成成分の寄与は、依然としてさらなる明確化が必要である。TbpB、NspA等の他の細胞外膜構成成分が、感染防御免疫の誘導と潜在的に関連することが(動物またはヒト抗体を用いて)明確化されてきている(Martin, D., Cadieux, N., Hamel, J., Brodeux, B. R., J. Exp. Med. 185:1173-1183, 1997、Lissolo, L., Maitre-Wilmotte, C., Dumas, p.ら, Inf. Immun. 63:884-890, 1995)。感染防御免疫のメカニズムは、抗体介在殺菌活性およびオプソノファゴサイトーシス(opsonophagocytosis)を含むであろう。
髄膜炎菌感染の頻度は、過去数十年、多くのヨーロッパの国々において増加してきている。これは、社会的活動の場(例えば、水泳プール、劇場等)の増加による伝染の増加に起因してきた。いくつかの標準的な抗生物質に対して感受性が低い、または耐性の髄膜炎菌株を単離することは、もはや珍しいことではない。
本発明は、ナイセリアの、好ましくは髄膜炎菌性の疾患を効果的に予防または治療するためのワクチン組成物に関する。本発明のワクチンは、使用する国において流行している血清亜型(PorA免疫型)を有する髄膜炎菌株由来の、同種の殺菌活性を有する少なくとも1つの小胞、および使用する国において流行している血清亜型を有することを必要としない髄膜炎菌株由来の、異種の殺菌活性を有する少なくとも1つの小胞を含む、多価の髄膜炎菌性小胞組成物を含む。
発明の詳細
本明細書中に記載される出版物および特許または特許出願の中に開示される、対象の問題ならびに情報は、参照により本明細書中に組み込まれる。本明細書中で使用される「含む」という言葉は、本発明の範囲内にとどまっている限り全ての場合において、「から成る」という用語と置換され得ると解釈すべきである。
本発明者らは、現在利用可能な髄膜炎菌性小胞ワクチン((小胞が由来する株と)同種の株に対して十分な血清殺菌活性(SBA)だけを提供し、異種性株に対して十分ではないSBAを提供する)の問題に対する解決法を発見してきた。通常、当技術分野における小胞は、特定の国または地域で流行する株由来のものである。同種の感染防御は当然であるが、感染防御されない異種性株が急速に流行を広げる危険性は、特に幼少の子供において高い。
本発明者らは、特定の多価小胞ワクチン組成物(すなわち、少なくとも2つの異なる小胞を含む組成物)が、ナイセリア(特に髄膜炎菌)の同種および異種性株に対して十分なSBAを有する宿主を提供できることを発見してきた。そのようなワクチンは、ある国の個人に感染する全て/ほとんどの髄膜炎菌株由来の多くの異なる小胞で作製された高価な小胞ワクチンよりむしろ有利であり、本発明のワクチンはワクチン中の小胞の数を最小限することによって優れた妥協策を提供し、同時になお、流行株に対して、および流行株からの症例が減少した場合に、これらの株の突然変異体または新しい血清型B株の移入に対して、優れた特異性および一般的な感染防御を提供する。
従って、1つの態様において、本発明は、使用する国において流行している血清亜型(PorA免疫型)を有する髄膜炎菌株由来の、同種の殺菌活性を有する少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7つ)の小胞調製物、および使用する国において流行している血清亜型を有することを必要としない髄膜炎菌株由来の、異種の殺菌活性を有する少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7つ)の小胞調製物を含む、多価髄膜炎菌性小胞を提供する。
「使用する国において流行している血清亜型を有する髄膜炎菌株」とは、小胞が、その国(または地域または大陸)において髄膜炎菌性疾患を引き起こす全ての血清亜型の株の中において割合的に最も流行している(またはおそらく2番目もしくは3番目もしくは4番目に流行している-特に、同種の殺菌活性を有する2つもしくは3つもしくは4つの小胞調製物がワクチン中に組み込まれている場合)血清亜型を有する髄膜炎菌株(すなわち、ある国、地域または大陸において、研究に基づいた髄膜炎菌性疾患の活性調査中に単離される株)由来であることを意味する。好ましくはそのような小胞の血清亜型は、その国(もしくは地域もしくは大陸)において髄膜炎菌性疾患を引き起こす全ての血清亜型の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50または60%以上を構成する。
同種の殺菌活性を有する1つの小胞調製物が構成成分中に含まれる場合、それはその国(もしくは地域もしくは大陸)において最も流行している血清亜型を有する株由来であることが好ましく、2つまたは3つまたは4つが含まれる場合は、使用する株が2つまたは3つまたは4つの(それぞれ)最も流行している血清亜型をカバーすることが好ましい。
「使用する国において流行している血清亜型を有することを必要としない髄膜炎菌株」とは、小胞が、その国(または地域または大陸)において髄膜炎菌性疾患を引き起こす全ての血清亜型の株の中において割合的に最も(または2番目、3番目、4番目、5番目もしくは6番目)流行している血清亜型由来ではない髄膜炎菌株(すなわち、ある国、地域または大陸において、実験室に基づいた髄膜炎菌性疾患の孤発性症例の活性調査中に単離される株)由来であり得る(しかし必ずしもそうではない)ことを意味し、そのような小胞の血清亜型は、その国(もしくは地域もしくは大陸)において髄膜炎菌性疾患を引き起こす全ての血清亜型の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50または60%以下を構成することが好ましい。
「髄膜炎菌株由来の」とは、界面活性剤非存在下での単離、またはその単離において界面活性剤(デオキシコール酸等)を含む工程といった、あらゆる既知の方法を用いて髄膜炎菌株より単離される小胞を意味する。
「同種の殺菌活性」または「異種の殺菌活性」を有する小胞調製物とは、宿主に投与した場合に、同種もしくは異種の髄膜炎菌株それぞれに対する十分な血清殺菌活性(SBA)を誘発する小胞調製物を意味する。
SBAは、髄膜炎菌性ワクチンの有効性を評価するために、最も一般的な適した免疫学的マーカーである(Perkinsら J Infect Dis. 1998, 177:683-691)。十分なSBAはあらゆる既知の方法によって確認することができる。好ましくは、血液サンプルは初回のワクチン接種の前、2回目のワクチン接種の2ヵ月後および3回目のワクチン接種の1ヵ月後に採取される(1年間に3回のワクチン接種は、典型的なヒト第一次ワクチン接種計画であり、例えば、0、2および4ヵ月または0、1および6ヵ月に投与される)。そのようなヒト第一次ワクチン接種計画は、1歳以下の幼児(例えば、Hibワクチン接種と同時に実施される)において実施することができ、または2〜4歳児もしくは青年にもそのような第一次ワクチン接種計画でSBAを試験するためにワクチン接種をしてもよい。適用可能ならば、さらなる血液サンプルは、第一次ワクチン接種後6〜12ヵ月後、および追加免疫投与の1ヵ月後に採取され得る。
SBAは、(2〜4歳のヒトまたは青年において、しかし好ましくは生後1年以内の幼児において)(第一次ワクチン接種計画の)3回目のワクチン投与の1ヵ月後である場合、同種の殺菌活性を有する小胞調製物にとって十分であり、小胞が由来する髄膜炎菌の株に対するSBA(抗体希釈物)力価において(ワクチン接種前の力価と比較して)4倍増加する被験体の割合は、被験体の30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上および最も好ましくは60%以上である。
当然、由来する髄膜炎菌株に対する十分なSBAを誘発できる場合、異種の殺菌活性を有する小胞調製物もまた、同種の殺菌活性を有する小胞調製物を構成し得る。
SBAは、(2〜4歳のヒトまたは青年において、しかし好ましくは生後1年以内の幼児において)(第一次ワクチン接種計画の)3回目のワクチン投与の1ヵ月後である場合、異種の殺菌活性を有する小胞調製物にとって十分であり、髄膜炎菌の3種の異種性株に対するSBA(抗体希釈物)力価において(ワクチン接種前の力価と比較して)4倍増加した被験体の割合は、被験体の20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上および最も好ましくは40%以上である。そのような試験は、異種の殺菌活性を有する小胞調製物が種々の髄膜炎菌株に対する交差殺菌性(cross-bactericidal)抗体を誘導し得るか否かの優れた指標である。3種の異種性株は好ましくは、互いに、および好ましくは異種の殺菌活性を有する小胞調製物が作製される株と、異なる電気泳動タイプ(ET)-複合体または多座配列分類(MLST)様式(Maidenら PNAS USA 1998, 95:3140-5参照)を有するべきである。当業者は、髄膜炎菌間、特に深刻な疾患苦の原因になっていると認識され、および/または認識されたMenB高病原性系統を示す、髄膜炎菌B型株間で観察される遺伝的多様性を反映する、異なるET-複合体を有する3種の株を容易に決定することができるであろう(Maidenら 前述)。例えば、使用され得る3種の株は以下のものである:A-4クラスターに属するBZ10(B:2b:P1.2)ET-37複合体に属するB16B6(B:2a:P1.2)およびET-5複合体に属するH44/76(B:15:P1.7,16)または同じET/クラスターに属するあらゆる他の株。そのような株は、異種の殺菌活性を有する小胞調製物を試験するために使用してもよく、例えば、ET-5複合体に属する髄膜炎菌株CU385(B:4:P1.15)から作製してもよい。使用され得る別のサンプル株(例えば、上記の3種の試験株のいずれかの代わり)は、系統3流行クローン(例えばNZ124(B:4:P1.7,4))由来である。B16B6と互換的に使用され得る別のET-37株は、NGP165(B:2a:P1.2)である。
SBA活性を測定するための工程は、当技術分野において知られている。例えば、使用され得る方法はWO 99/09176の実施例10Cに記載される。一般的な用語において、試験される株の培養物は対数増殖期で増殖される(好ましくは、イオン欠乏条件下-増殖培地にEDTA等のイオンキレート剤を添加することによる)。これを、約20000 CFU/mlに調整した作業用細胞懸濁液を得るために、BSAを含む培地中(0.3%BSAを含むハンクス培地等)に懸濁してもよい。一連の反応混合物は、一連の試験される血清の2倍希釈物(好ましくは56℃で30分間熱不活性化されたもの)(例えば、50μl/ウェル体積で)および試験される20000 CFU/mlの髄膜炎菌株懸濁液(例えば、25μl/ウェル体積で)の混合により作製することができる。反応バイアルをインキュベートし(例えば37℃で15分間)、振とう(例えば210 rpmで)するべきである。最終反応混合物(例えば体積100μlで)はさらに補体源(最終体積25%の予備試験済み仔ウサギ血清等)を含み、上記のように(例えば37℃で60分間)インキュベートする。ヒトSBA血清学のために、仔ウサギ補体よりむしろヒト血清が通常、補体源として使用され、使用するバッファーはPBS MgCl2 0.5mM CaCl2 0.9mM グルコース0.1% pH7.4である。滅菌ポリスチレンU底96穴マイクロタイタープレートをこのアッセイに使用できる。マルチチャネルピペットを用いて、各ウェルから一部(例えば10μl)を取ることができ、ミューラー-ヒルトン寒天培地(好ましくは、1%イソビタレックス(Isovitalex)および1%熱不活性化ウマ血清を含む)上に滴下され、(例えば、5%CO2中18時間37℃で)インキュベートしてもよい。好ましくは、個々のコロニーは、一部分当たり80 CFU以下であり得る。以下の3つの試験サンプルが対照として使用され得る:バッファー+細菌+補体、バッファー+細菌+不活性化補体、血清+細菌+不活性化補体。SBA力価は、回帰計算によって、50%の細胞死滅に相当する希釈物の測定をもたらすデータを処理するプログラムを用いて、直接算出され得る。
本発明のさらなる態様において、本発明者らは本発明の異種の殺菌活性を有する小胞調製物が、免疫優性である外膜タンパク質(OMP)を欠損していることにより、正常な野生型小胞調製物と比較して交差殺菌性特性を成し得ることを発見してきた。
従って、本発明はまた、本発明の多価の髄膜炎菌性小胞を提供し、ここで、異種の殺菌活性を有する小胞は、比較のための(comparator)株(例えば野生型MC58、しかし好ましくは野生型株H44/76)由来の小胞と比較して免疫優性である外膜タンパク質を欠損しており、同種の殺菌活性を有する小胞は、同じ比較のための株由来の小胞と比較して上記の免疫優性である外膜タンパク質を同程度(または好ましくは全く)欠損していない。
当業者は、免疫優勢であるものを容易に理解するであろうが、しかし本発明の免疫優性であるOMPが高い免疫原性、(好ましくは表面露出性ループ配列中の)表面露出性エピトープを有すること、および髄膜炎菌表面上での発現性が高いOMPの上位10の中の1つ(重量または細胞当たりの分子数のどちらかによる)であることが好ましい。通常、これらのOMPは高い免疫原性であるが、しかし株によってそれらのループ構造のアミノ酸配列はかなり変化する。そのようなOMPの例示は以下に記載する。
「欠損した」とは、本発明の異種の殺菌活性を有する小胞調製物の表面における本発明の免疫優性OMPが、比較のための株から作製した小胞より少ないことを意味する。特に、異種の殺菌活性を有する小胞調製物は、比較のための株から調製された同量の小胞(全タンパク質によって測定したもので、通常約10μgのタンパク質)と比較すると、免疫優性OMPの量は98、95、90、80、70、60、50、40、30、20、10または5%未満であるべきである。これは例えば、SDS-PAGEゲルにおけるOMPバンド濃度測定によって評価することができ、例えば、実施例4に記載される。最も好ましくは、本発明の異種の殺菌活性を有する小胞調製物は、免疫優性OMPを有さないべきである。上記はまた、この記載が比較のための株に関連する小胞調製物株の表面における免疫優性OMPのレベルを比較する点において「欠損」の定義である。小胞または株もまた、随意に免疫優性OMPを欠損し得るのは、OMPを小胞/株の外膜の表面に露出しないように操作する場合、あるいはOMPが同レベルで発現するがしかし1つ以上の表面露出性ループを、より異種の殺菌活性であるような株から産生する小胞を得るために、置換、変異もしくは欠失によって変化が少ないようまたは免疫優性が劣るよう操作する場合である。
好ましくは、髄膜炎菌株源由来の異種の殺菌活性を有する小胞調製物を生じる工程は、比較のための株から小胞を生じるために用いられるものと同じである(好ましくは、Frederiksenら NIPH Annals. 1991, 14:67-80に記載の方法)。しかし、これは特に異種の殺菌活性を有する小胞調製物が免疫優性OMPを欠損している理由が、小胞を産生した方法による場合のケースでは必要ない。そのようなケースにおいて、比較のための株の小胞産生のための標準的な製法は、Frederiksenら(NIPH Annals. 1991, 14:67-80)またはBjuneら(NIPH Annals. 1991 14:81-93)に記載される方法である。
異種の殺菌活性を有する小胞は、免疫優性外膜タンパク質を天然で欠損した野生型髄膜炎菌株由来、または免疫優性外膜タンパク質を欠損させた髄膜炎菌株由来であり得る。
特に、異種の殺菌活性を有する小胞は、遺伝子操作により、産出する株のOMPを欠損させたり、または操作される株が由来する野生型株と比較してOMPが少ないもしくはないものを産生することで、免疫優性外膜タンパク質を欠損させることができる。
「少ないまたはない」とは、特に、操作された株が由来する野生型株と比較して、株がその表面で発現する免疫優性OMPの量が98、95、90、80、70、60、50、40、30、20、10または5%未満であることを意味する。最も好ましくは、操作される株がいかなる免疫優性OMPも発現しない。OMPを株の外膜の表面に露出しないように操作する場合、あるいは随意に、OMPが同レベルで発現するがしかし1つ以上の表面露出性ループを、より異種の殺菌活性であるような株から産生する小胞を得るために、置換、変異もしくは欠失によって変化が少ないようまたは免疫優性が劣るよう操作する場合、株はまた免疫優性OMPが少ないまたはないものであり得る。
本発明の免疫優性OMPをコードする遺伝子は、既知の技術によって上記の方法で操作され得る。特に、髄膜炎菌株は遺伝子のプロモーターまたはコード領域のどちらかを遺伝子的に改変され得、株は上記免疫優性外膜タンパク質が少ないまたはないものを産出する。これを成し得る詳細な方法はWO 01/09350に記載される。例えば、トランスポゾン(もしくは他の配列)を挿入することで、該遺伝子のコード領域またはプロモーター領域を破壊してもよく、あるいは点変異または欠失は同じ結果を成し得る。プロモーターもしくはコード領域は完全にまたは一部を欠失され得ることで、免疫優性の劣る遺伝子産物を得る(例えば、表面露出性ループに提示される免疫原性エピトープの置換、変異または欠失による)。組換え現象はOMPにおける配列を欠失、挿入または変異させるために用いることができ、それらに、強いプロモーターの弱い(もしくはない)プロモーターへの置換といった、免疫優性の低減化を与える。フレームシフト変異もまた、コード領域内に挿入され得る。
理論的に拘束されるのは望まないが、同種の殺菌活性を有する小胞が、本発明の免疫優性(しかし可変性の)OMPに対して生じる殺菌性抗体によって、使用する国において流行する株に対して有効であるので、同種の殺菌活性を有する小胞を有するそのような小胞の混合はワクチンとして有効であるが、しかし、本発明の免疫優性OMPが、小胞表面に提示する(より低レベルで提示される)より保存された抗原の有効性を免疫学的に遮蔽し得るため、上記の不都合のために、同種の殺菌活性を有する小胞は十分な異種の殺菌活性を持たない。本発明の異種の殺菌活性を有する小胞は、この遮蔽をある程度除去されるので、小胞において低レベルで提示される保存されたOMPは、宿主の免疫系により影響を及ぼすことができ、従って十分な異種性の殺菌活性を有する交差殺菌性抗体を宿主内に誘発し得る。両タイプの小胞の混合は、特定の国または地域で使用するための最適なワクチンの中に調剤され得る調製物を提供する。
好ましくは、異種の殺菌活性を有する小胞は、免疫優性OMPが欠損して(または低減もしくはなくなるように操作されて)おり、それは以下の抗原のうちの1つ以上である:PorA、PorB、OpC、OpAまたはPilC。好ましくは、小胞はPorAを欠損して(または低減もしくはなくなるように操作されて)いる。
本発明の異種の殺菌活性を有する好ましい小胞調製物で、本来的にPorAを欠損するものは、髄膜炎菌株CU-385(B:4:P1.19,15)から単離される、好ましくはEP 301992-Bに記載される方法により単離される小胞調製物である。この株または小胞において、PorAは、比較のための株または小胞(例えばH44/76)と比較して欠損している。この株由来の小胞調製物(あるいは、CU-385またはCU-385小胞と比較して、同じまたはより低いPorAレベル(例えば、PorAが全タンパク質の25、22、20、15、10もしくは5%未満)を有する類似の株由来の小胞)は、H44/76小胞と比較して正常なレベル(同じまたはそれ以上、例えば、PorAが全タンパク質の28、30、35または40%以上)のPorAを有し、同種の殺菌活性を有する小胞調製物と併用することが非常に適していることが発見されている。従って、そのような小胞の混合(特にCU-385を含むもの)は本発明の好ましい小胞混合である。好ましくは、PorA量は最終小胞調製物において評価される。
さらにまた、本発明の異種の殺菌活性を有する小胞は、交差殺菌性(十分なSBA)特性においてさらに改良され得る。これは、上記小胞の表面の特定のOMPの量を増大することにより成され得る。
従って、本明細書の上記記載の本発明の異種の殺菌活性を有する小胞は、好ましくは、(株に遺伝子の余分なコピーを付加することによって、もしくは現存する遺伝子の上流により強いプロモーターを挿入することによってのどちらか、またはWO 01/09350に記載のあらゆる他の方法のいずれかによって)発現が上方制御された1つ以上の下記の遺伝子を有する操作された髄膜炎菌株由来である:NspA(WO 96/29412)、Hsf様またはその末端切断型(WO 99/31132およびWO 01/55182、NhhAとしても知られる)、Hap(PCT/EP99/02766)、OMP85(WO 00/23595)、PilQ(PCT/EP99/03603)、PldA(PCT/EP99/06718)、FrpB(WO 96/31618)、TbpA(WO92/03467、US5912336、WO93/06861およびEP586266)、TbpB(WO93/06861およびEP586266)、NadA(ComanducciらJ. Exp. Med. 2002 195; 1445-1454)、FrpAおよび/またはFrpC(WO 92/01460; Thompsonら(1993) J. Bacteriol. 175:811-818、Thompsonら(1993) Infect. Immun.. 61:2906-2911)、LbpA、LbpB(PCT/EP98/05117)、FhaB(WO98/02547、配列番号38(ヌクレオチド3083〜9025))、HasR(PCT/EP99/05989)、lipo02(PCT/EP99/08315)、Tbp2(WO 99/57280)、MltA(WO 99/57280)、TspA(WO 00/03003)、TspB(WO 00/03003)ならびにctrA(PCT/EP00/00135)。
「上方制御された発現」は、非修飾(すなわち、天然に存在する)小胞または株に関連した、対象の抗原の発現を増強するためのあらゆる手段を指す。「上方制御」の量は、対象の特定の抗原によって変化するが、しかし、小胞の膜の完全性を破壊するであろう量は超えないであろうことが理解される。抗原の上方制御は、その非修飾化小胞または株より少なくとも10%高い発現を指す。好ましくは、それは少なくとも50%高い。より好ましくは、それは少なくとも100%(2、3、5または10倍)高い。
本発明の多価小胞調製物の特性を有し得る、先行分野の多価小胞調製物(またはそのような調製物を含むワクチン)は請求項に記載されない;例えばWO 01/09350に開示されるあらゆる特定の多価小胞調製物(以下の全てのmenB株由来の小胞より構成される混合等:H44/76、M97/252078、BZ10、NGP165およびCU385またはCU385由来の小胞と他の4株のうちの1種以上由来の1種以上の小胞調製物より構成される混合)も、WO 02/09643に開示されるあらゆる特定の多価小胞調製物(以下の全ての髄膜炎菌株由来の小胞より構成される混合等:MenC RM1090、MenB BZ198、MenA Z1092もしくはこれら3株のあらゆる組み合わせ由来の小胞調製物の組み合わせより構成される混合)も、WO 01/91788に開示されるあらゆる特定の多価小胞調製物も請求項に記載されない。
ワクチン製剤
本発明の好ましい実施形態は、製薬上許容され得る賦形剤もまた含み得る、ナイセリア性(好ましくは髄膜炎菌性)疾患の治療または予防のためのワクチンにおける本発明の多価小胞組成物の製剤である。
上述のあらゆる株由来の小胞調製物の製造は、(他に記載がなければ)当業者に公知の任意の方法によって成され得る。好ましくは、EP 301992、US 5,597,572、EP 11243もしくはUS 4,271,147、Frederiksonら(NIPH Annals(1991), 14:67-80)、Zollingerら(J. Clin. Invest. (1979), 63:836-848)、Saundersら(Infect. Immun. (1999), 67:113-119)、Drabickら(Vaccine(2000), 18:160-172)またはWO 01/09350(実施例8)に開示される方法を用いる。一般的に、OMVは界面活性剤(好ましくはデオキシコール酸)とともに抽出され、核酸は随意に酵素的に除去される。精製は超遠心分離の後に、随意にサイズ排除クロマトグラフィーを行うことによって成される。本発明の2種以上の異なる小胞を1つの容器に混合され得ることで、本発明の多価調製物が形成される(しかし、本発明の異なる小胞が、宿主に同じ時間(医者の同じ訪問時)に投与される別々の容器中の別々の組成物である場合も、調製物は多価であると考えられる)。OMV調製物は通常0.2μmフィルターを通した濾過により滅菌し、好ましくは、小胞調製物を安定化することで知られるショ糖溶液中(例えば3%)に保存する。
本発明の多価小胞調製物を構成する小胞は、遺伝的に多様な株由来であることに注意すべきである(すなわち、本発明の調製物を産生するために使用する全ての小胞産生株の比較は、得られるあらゆる株のゲノムの翻訳領域の3%以上に、使用する他の株のゲノムの翻訳領域の各々と遺伝子的な差異があることを示す)。しかし最も好ましくは、本発明の多価小胞調製物は完全に髄膜炎菌B株由来である。
ワクチン調製物は一般的にVaccine Design(「The subunit and adjuvant approach」(Powell M.F.およびNewman M.J.編)(1995)Plenum Press New York)に記載される。
本発明の多価小胞組成物は、本発明のワクチン製剤の補助をし得る。適切なアジュバントは、水酸化アルミニウムゲル、ミョウバンまたはリン酸アルミニウム等のアルミニウム塩(好ましくは水酸化アルミニウム)を含むが、カルシウムの塩(特に炭酸カルシウム)、鉄または亜鉛であってもよく、あるいはアシル化チロシンの不溶性懸濁液もしくはアシル化糖、陽イオン的もしくは陰イオン的に誘導体化した多糖またはポリホスファゼンであってもよい。
使用され得る適切なTh1アジュバント系は、モノホスホリルリピドA、特に3-de-O-アシル化モノホスホリルリピドA(または他のLPSの無毒性誘導体)、およびモノホスホリルリピドA、好ましくは3-de-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)(または無毒性LPS誘導体)をアルミニウム塩とともに混合したものを含む。増強したシステムは、モノホスホリルリピドAおよびサポニン誘導体の混合物、特にWO 94/00153に記載されるQS21(もしくは他のサポニン)および3D-MPL(もしくは無毒性LPS誘導体)の混合物、またはWO96/33739に記載されるQS21(もしくはサポニン)がコレステロールにより失活した反応性の低い組成物を含む。特に、QS21、3D-MPLおよびトコフェロールを油/水エマルジョン中に含む強力なアジュバント製剤はWO95/17210に記載されており、好ましい製剤である。
本ワクチンはサポニン、好ましくはQS21を含み得る。これはまた油/水エマルジョンおよびトコフェロールも含み得る。オリゴヌクレオチドを含む非メチル化CpG(WO 96/02555)もまたTH1反応の好ましい誘導物質であり、本発明における使用に適している。
本発明のワクチン調製物は、感染に対して感受性である哺乳動物を保護するまたは治療するために使用してもよく、それは全身または経口経路を経由した上記ワクチンの投与による。これらの投与は、筋肉内、腹腔内、皮内もしくは皮下経路を介した、または口腔/食事性、呼吸性、尿生殖器経路への粘膜投与を介した注入を含み得る。従って、本発明の1つの態様は、ナイセリア(好ましくは髄膜炎菌)細菌によって引き起こされる疾患に対してヒト宿主を免疫化する方法であり、この方法は、免疫保護性である用量の本発明の多価小胞調製物を宿主に投与することを包含する
各々のワクチン用量における小胞の量は、典型的なワクチンにおける深刻で有害な副作用のない免疫保護性反応を誘導する量が選択される。そのような量は、使用する特異的免疫原およびそれがどのように提示されるかによって変化するであろう。一般的に、各々の用量は各々の小胞を(タンパク質換算で)1〜100μg、好ましくは5〜50μgおよび最も典型的には5〜25μgの範囲内で含むことが予想される。従って、本発明の二価の小胞ワクチンに対する各々の用量は、典型的には2×25μgの小胞を含み得る。
特定のワクチンにおける各々の小胞の最適な量は、被験体における適切な免疫応答の観察を含む標準的な研究によって確認することができる。初回(第一次)ワクチン接種の後(典型的には3回の投与を、好ましくは生後1年以内もしくは青年期の間の1年以内に、例えば0、2および4ヵ月もしくは0、1および6ヵ月で)、被験体に1回または数回の追加免疫による免疫化を(初めの第一次投与に続いて1年後に)適切に間隔を空けて受けさせてもよい。本発明のワクチンは、生後1年以内の赤ん坊、2〜4歳児または青年を免疫化するために使用され得る。生後1年以内の赤ん坊における十分な異種の殺菌活性の誘発において、特に有利である。
ゴーストまたは死菌全細胞ワクチン
本発明者らは、多価小胞調製物およびワクチンへの上記の改良が、容易に(同一の利点を有する)ゴーストまたは死菌全細胞調製物およびワクチンにまで及び得ることを認識する。本発明の多価小胞調製物を作製するために使用する髄膜炎菌株はまた、多価ゴーストおよび死菌全細胞調製物を作製するためにも使用することができる。グラム陰性株からゴースト調製物(無傷の外被を有する空の細胞)を作製する方法は、当技術分野において公知である(例えばWO 92/01791を参照)。ワクチンに使用する不活性化細胞調製物を作製するための死菌全細胞の方法もまた公知である。「小胞調製物」および「小胞ワクチン」という用語と同様に本文書中に記載される工程は、従って、本発明の目的のために、各々「ゴースト調製物」および「ゴーストワクチン」ならびに「死菌全細胞調製物」および「死菌全細胞ワクチン」という用語に適用する。
本発明の好ましいワクチン組成物
上記記載の本発明の好ましいワクチンで、ニュージーランドまたはヨーロッパ(好ましくはヨーロッパ連合)におけるワクチン接種計画で使用されるのに特に適しているものは、本発明の多価小胞組成物を含み、ここで同種の殺菌活性を有する小胞は、血清亜型P1.4を有する髄膜炎菌株由来である。
上記記載の本発明の好ましいワクチンで、アメリカ合衆国におけるワクチン接種計画で使用されるのに特に適しているものは、本発明の多価小胞組成物を含み、ここで同種の殺菌活性を有する小胞は、血清亜型P1.7,16を有する髄膜炎菌株由来であり、および随意に、同種の殺菌活性を有するさらなる小胞は、以下にリストされるものより選択される血清亜型を有する1種以上(2、3または4種全て)の髄膜炎菌株由来のものを含む:P1.7,1、P1.5,2、P1.22a,14およびP1.14。
上記記載の本発明の好ましいワクチンで、ノルウェーにおけるワクチン接種計画で使用されるのに特に適しているものは、本発明の多価小胞組成物を含み、ここで同種の殺菌活性を有する小胞は、血清亜型P1.16を有する髄膜炎菌株由来である。
上記のワクチン全てに対して、ワクチンが含む異種の殺菌活性を有する小胞は、好ましくはCU-385株(または類似の株もしくは小胞調製物で、本明細書に記載するように、CU-385もしくはCU-385小胞と同等またはより少ないPorAを各々有するもの)由来である。上記のように、さらに好ましいのは、同種の殺菌活性を有する上記にリストされた小胞またはそれが由来する株が、H44/76小胞または株と同等またはより多いPorAを各々有することである。好ましくは、PorA量は最終小胞調製物中で評価される。
ワクチン混合物
本発明のさらなる態様は、一定の疾患状態に対して使用するのに有利な他の抗原を有する、本発明の多価小胞調製物またはワクチンを含むワクチン混合である。小胞が他の抗原とともに調剤するのに特に適しているのは、有利なことに、共に混合される抗原へのアジュバント効果を有するためであることが知られている。
1つの好ましい混合において、本発明の多価髄膜炎菌小胞調製物またはワクチンは、以下の:A、C、YまたはWの髄膜炎菌莢膜多糖体のうち1〜3つまたは好ましくは4つ全てとともに調剤され、そのままかまたはT細胞エピトープを含む担体(好ましくは、破傷風毒素、ジフテリア毒素もしくはCRM197等のタンパク質担体)にコンジュゲートしてもよい。「多糖」という用語は、サイズの不均一なもしくはサイズの揃った多糖類またはサイズの揃った少糖類を含むことを意図する。好ましくは、少なくともCおよびYはヨーロッパワクチン中に含まれ、少なくともCは合衆国ワクチン中に含まれ、そして少なくともAおよびCはアフリカ、南アメリカまたは赤道付近の国に対するワクチン中に含まれる。そのようなワクチンは、世界的髄膜炎菌性ワクチンとして使用するのに有利であり得る。
さらに好ましい実施形態において、本発明の多価小胞調製物あるいはワクチン(好ましくは、そのままかまたはコンジュゲートした髄膜炎菌莢膜多糖体A、C、YもしくはWのうち、1、2、3または4つ全てとともに調剤される)はコンジュゲートしたインフルエンザ菌(H. influenzae)b莢膜多糖、および/または1つ以上のそのままかもしくはコンジュゲートした肺炎球菌莢膜多糖体とともに調剤される。随意に、ワクチンはまた肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)感染に対して宿主を防御することのできる、1つ以上のタンパク質抗原を含み得る。そのようなワクチンは、世界的髄膜炎ワクチンとして有利に使用し得る。
肺炎球菌莢膜多糖抗原は、好ましくは血清型1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fおよび33Fより(最も好ましくは、血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fより)選択される。
好ましい肺炎球菌タンパク質抗原は、(少なくとも肺炎球菌の生活環の一部の間に、宿主の免疫系によって認識されることができる)肺炎球菌の外表面に露出しているような肺炎球菌タンパク質、または肺炎球菌によって分泌もしくは放出されるタンパク質である。最も好ましくは、タンパク質は毒素、アドヘシン、二成分シグナル伝達因子もしくは肺炎連鎖球菌のリポタンパク質、またはその切断物もしくは免疫学的機能等価物である。特に好ましいタンパク質は以下のものを含むが、これらの限定されない:ニューモリシン(好ましくは化学的処理もしくは突然変異により無毒化されたもの)(Mitchellら nucleic Acids Res. 1990 Jul 11; 18(13):4010 "Comparison of pneumolysin genes and proteins from Streptococcus pneumoniae types 1 and 2."、Mitchellら Biochem Biophys Acta 1989 Jan 23; 1007(1):67-72 "Expression of the pneumolysin gene in Escherichia coli rapid purification and biological propaties."、WO 96/05859(A. Cyanamid)、WO 90/06951(Patonら)、WO 99/03884(NAVA))、PspAおよびその膜貫通欠失体(US 5804193-Brilesら)、PspCおよびその膜貫通欠失体(WO 97/09994-Brilesら)、PsaAおよびその膜貫通欠失体(BerryおよびPaton, Infect Immun 1996 Dec;64(12):5255-62 "Sequence heterogeneity of PsaA, a 37-kilodalton putative adhesion essential for virulence of Streptococcus pneumoniae")、肺炎球菌性コリン結合タンパク質およびその膜貫通欠失体、CbpAおよびその膜貫通欠失体(WO 97/41151、WO 99/51266)、グリセルアルデヒド三リン酸デヒドロゲナーゼ(Infect. Immun. 1996 64:3544)、HSP70(WO 96/40928)、PcpA(Sanchez-Beatoら FEMS Microbiol Lett 1998, 164:207-14)、M様タンパク質(SB特許出願番号EP 083713)、およびアドヘシン18627(SB特許出願番号EP 0834568)。さらに好ましい肺炎球菌タンパク質抗原は、WO 98/18931に開示されるものであり、特にWO 98/18930およびPCT/US99/30390の中で選択されるものである。
本発明のさらに好ましい肺炎連鎖球菌タンパク質抗原は以下からなる群より選択される:ポリヒスチジン三連構造ファミリー(Pht、特にPhtA、PhtB、PhtDもしくはPhtE)、Lytファミリー(特にLytA、LytBもしくはLytC)、SpsA、Sp128、Sp130、Sp125、Sp101およびSp133またはその切断物もしくは免疫学的機能等価物。
本発明の目的に対して、「免疫学的機能等価物」は、本発明のタンパク質由来の少なくとも1つの感染防御エピトープを含むタンパク質のペプチドとして定義される。そのようなエピトープは、特徴的なことに表面露出性で高度に保存されており、宿主内での殺菌性抗体反応を誘発または毒性効果を防止することができる。好ましくは、機能的等価物は、本発明のタンパク質由来の少なくとも15および好ましくは30以上の近接するアミノ酸を有する。最も好ましくは、断片、タンパク質の欠失、その膜貫通欠失体等、(すなわちタンパク質の細胞外ドメインの使用)、融合体、化学的または遺伝的に無毒化した誘導体等は、実質的に天然のタンパク質と同じ免疫応答を引き起こすことが可能な条件で使用することができる。タンパク質配列内の有望なB細胞エピトープの位置は、2つの方法(二次元構造予測および抗原指数予測)を組み合わせて用いて、表面露出性かつ抗原性であるペプチドを同定することによって容易に決定され得る。二次元構造予測は、PSIPREDプログラム(David Jones, Brunel Bioinformatics Group, Dept. Biological Sciences, Brunel University, Uxbridge UB8 3PH, UKより)を用いて行うことができる。抗原指数はJamesonおよびWolfによって記載される方法(CABIOS 4:181-186(1988))に基づいて算出することができる。
本発明の肺炎連鎖球菌タンパク質は、好ましくは以下からなる群より選択される:ポリヒスチジン三連構造ファミリー(Pht)由来のタンパク質、Lytファミリー由来のタンパク質、コリン結合タンパク質、LPXTG(Xは任意のアミノ酸)モチーフを有するタンパク質、LXXC(Xは任意のアミノ酸)のタイプIIシグナル配列モチーフを有するタンパク質およびタイプIシグナル配列モチーフを有するタンパク質。これらの分類(またはモチーフ)における好ましい例示は、以下のタンパク質(またはその切断物もしくは免疫学的機能等価物)である。:
Pht(ポリヒスチジン三連構造)ファミリーは、タンパク質PhtA、PhtB、PhtDおよびPhtEを含む。該ファミリーは、脂質付加配列、プロリンに富んだ領域およびいくつかのヒスチジン三連構造によって分離される2つのドメインによって特徴付けられ、恐らく金属もしくはヌクレオシド結合または酵素活性、(3-5)コイルドコイル領域、保存されたN末端および多様なC末端に関与する。これは試験された肺炎球菌全ての株において見られる。同種のタンパク質はまた、他の連鎖球菌およびナイセリアにおいて発見されている。該ファミリーの好ましいメンバーは、PhtA、PhtBおよびPhtDを含む。より好ましくは、PhtAまたはPhtDを含む。しかし、Pht A、B、DおよびEという用語は、以下の引用中に開示される配列を有するタンパク質と同様に、言及するタンパク質と少なくとも90%が同一である配列相同性を有する天然の(および人工の)変異体を指すことが理解される。好ましくは、少なくとも95%が同一であり、最も好ましくは97%が同一である。
Phtタンパク質に関して、PhtAがWO 98/18930中に開示され、またSp36とも呼ばれる。上記のように、ポリヒスチジン三連構造ファミリー由来のタンパク質であり、LXXCのタイプIIシグナルモチーフを有する。
PhtDはWO 00/37105中に開示され、またSp036Dとも呼ばれる。上記のように、ポリヒスチジン三連構造ファミリー由来のタンパク質であり、タイプII LXXCシグナルモチーフを有する。
PhtBはWO 00/37105中に開示され、またSp036Bとも呼ばれる。PhtBファミリーの別のメンバーはC3-分解性ポリペプチドであり、WO 00/17370中に開示される。このタンパク質はまた、ポリヒスチジン三連構造ファミリー由来であり、タイプII LXXCシグナルモチーフを有する。好ましい免疫学的機能等価物は、WO 98/18930中に開示されるタンパク質Sp42である。PhtB切断物(約79kD)はWO99/15675中に開示され、これもまたPhtXファミリーのメンバーであると考えられる。
PhtEはWO00/30299中に開示され、BVH-3として呼ばれる。
SpsAはコリン結合タンパク質(Cbp)であり、WO 98/39450中に開示される。
Lytファミリーは、細胞溶解に関連した膜結合タンパク質である。そのN末端ドメインはコリン結合ドメインを含むが、Lytファミリーは以下に記載するコリン結合タンパク質(Cbp)ファミリーにみられる全ての特性を持たないため、本発明において、LytファミリーはCbpファミリーと異なると考えられる。Cbpファミリーとは対照的に、そのC末端ドメインはLytAタンパク質ファミリーの触媒ドメインを含む。ファミリーはLytA、BおよびCを含む。Lytファミリーに関して、LytAがRondaら, Eur J Biochem, 164:621-624(1987)中に開示される。LytBはWO 98/18930中に開示され、またSp46とも呼ばれる。LytCもまたWO 98/18930中に開示され、またSp91とも呼ばれる。そのファミリーの好ましいメンバーはLytCである。
別の好ましい実施形態は、Lytファミリー切断物であり、ここで「Lyt」は上記に定義され、「切断物」とはコリン結合領域の50%以上を欠くタンパク質を指す。好ましくは、そのようなタンパク質はコリン結合領域全体を欠損している。
Sp125は、細胞壁固着モチーフのLPXTG(Xは任意のアミノ酸)を有する肺炎球菌表面タンパク質の例示である。このモチーフを有する肺炎球菌表面タンパク質のこのクラス内のあらゆるタンパク質は、本発明の状況において有用であることが分かってきており、従って本発明のさらなるタンパク質であると考えられる。Sp125そのものは、WO 98/18930中に開示され、またZmpB(亜鉛メタロプロテイナーゼ)として知られる。
Sp101はWO 98/06734中に開示される(参照# y85993がある)。これはタイプIシグナル配列によって特徴付けられる。
Sp133はWO 98/06734中に開示される(参照# y85992がある)。これもまたタイプIシグナル配列によって特徴付けられる。
Sp128およびSp130はWO 00/76540中に開示される。
本発明で使用されるタンパク質は、好ましくは群PhtDおよびPhtAもしくはこれら両タンパク質の組み合わせ、またはそれらのどちらかもしくは両方とCbpAとの組み合わせから選択される。
本発明のさらなる態様
本発明のさらなる態様は以下を提供する:本発明の多価髄膜炎菌小胞組成物またはワクチンの製造方法であって、同種の殺菌活性を有する小胞と異種の殺菌活性を有する小胞とを混合するステップを含む方法、ナイセリアの、好ましくは髄膜炎菌性の疾患を予防または治療する方法であって、免疫学的に有効な量の本発明のワクチンをそれが必要な宿主(好ましくは、2〜4歳児または青年期のヒトおよび有利であるのは2(好ましくは1)歳未満の幼児)に投与する(通常、3回の投与の第一次免疫化計画で、好ましくは各々の免疫化は1〜2ヵ月離し、随意に追加免疫される)ステップを含む方法、ならびに、ナイセリアの、好ましくは髄膜炎菌性の疾患の予防または治療のための薬物の製造における、免疫学的に有効な量の本発明のワクチンの使用(特に、予防および治療は3回の投与の第一次免疫化計画(好ましくは各々の免疫化は1〜2ヵ月離し、随意に追加免疫される)を介し、ならびに/または疾患の予防もしくは治療はヒト-好ましくは2〜4歳児または青年期のヒトおよび有利であるのは2(好ましくは1)歳未満の幼児における)。
以下の実施例は標準的な技術を用いて実施され、別に詳細に記載されるものを除いて、それらは当業者に公知およびルーチンである。実施例は例証であり、本発明を制限するものではない。
実施例1:主要な免疫優性抗原PorAを欠損する髄膜炎菌血清型B株の構築。
これはWO 01/09350の実施例3に記載される。
実施例2:本発明の多価髄膜炎菌小胞ワクチンの利点
いくらかの効力試験が血清型B OMVワクチンにおいて実施されてきた。2つの特異的なOMVワクチンが、キューバおよびノルウェーにおける流行状態(ほとんどが単一血清亜型、すなわち各々4:P1.15および15:P1.16による)と戦うために開発されてきた。どちらの効力試験もプラセボ二重盲検法で十代において実施された。キューバにおいて、83%の効力(信頼限界:42%〜95%)が16ヵ月の追跡期間において示され(Sierra NIPH Annals 1991, 14:195-207)、一方ノルウェーにおいては57%の効力が29ヵ月の追跡期間において示された(より低い信頼限界:27%)(Bjuneら NIPH Annals 1991 14:81-93)。ノルウェーにおいて、効力は10ヵ月の追跡期間において86%であり、後半の3回目の投与は免疫原性を増強し、抗体持続性を改良することを示した(Rosenquist, Infect. Immun. 1995 63:4642-4652)。どちらの試験も最もタイプの類似した設定で実施されたため、交差防御についての結論は出すことはできなかった。
大接戦の試験において、および各々の株に対する交差殺菌活性を用いて、ノルウェーのワクチンと比較した場合、キューバのワクチンはより高レベルの交差殺菌活性を誘導するようにみられる(表1参照)。
Figure 2005531614
本発明者らは、殺菌活性を比較した場合に、ノルウェーのワクチンがより株特異的な反応を導くのに対し、キューバのワクチンはより交差殺菌活性を誘導することを決定してきた。さらに、本発明者らは、キューバの小胞ワクチンがそのような活性を有するのは、免疫優性OMP、特にPorAを欠損しているためであると考えている。PorAを欠損しているが、キューバのワクチンはまた同種の殺菌活性が十分にあることを示す。
本発明者らは、同種の殺菌活性を有する小胞(使用する国において流行している血清亜型を有する)および異種の殺菌活性を有する小胞を含む多価ワクチンが、地域的な流行性の流行株に対して感染防御をするために最適なワクチンを提供し、さらにまた、国家的集団免疫化キャンペーンの実行後、流行株の流行が減少した時に起こり得る、新しい血清型B株の出現の機会を低減させる異種の感染防御を提供する。
ヨーロッパおよび/またはニュージーランドに対する最適なワクチンは、2つの別々の小胞の混合に組み入れる:P1.4(流行株)およびP1.15(異種の殺菌活性を有する-例えば、市販のキューバVA-MENGOC-BC(商標)ワクチンを調製するために使用する株CU-385由来のOMV)。この混合は、同種のP1.4感染防御に加えてキューバP1.15株の異種の感染防御の維持をも提供することを目的とする。
実施例3:髄膜炎菌株CU-385(B:4P1.19,15)およびニュージーランド流行性髄膜炎菌株(B:4:P1.7b,4)由来の小胞を含む多価小胞ワクチン
上記の多価ワクチンが作製された(各々のヒトへの投与において、25μgの各々の小胞、水酸化アルミニウムで補助される)。
1価および2価小胞調製物は、小胞を共に混合することで何らかの免疫干渉が生じるか否かを調べるために試験された。
機能的な抗体を誘導するレベルは、マウスにおいてプールされた血清サンプルで実施した殺菌活性試験によって評価した。
短時間で、10 BALB/cマウス(6〜8週齢)の群に、吸着された1価または2価のバルクの10μgのタンパク質の等量を、0日および21日の2回注入した。血液サンプルは35日目に採取した。血清における殺菌活性の測定は、補体活性化による細菌溶解を誘導する抗体の特性に基づいた。血清を生きた髄膜炎菌B(CU-385およびP1.4ニュージーランド株が試験された)とともにインキュベートし、ウサギ補体の存在下で、血清サンプル中のコロニー形成単位(CFU)の数を測定した。殺菌活性力価は50%以上が死滅する最終的な血清希釈である。
結果に基づくと、2価ワクチンは免疫原性であり、機能的な抗体を誘導する。2つの単一バルクを混合した場合、免疫干渉の徴候はなかった。
実施例4:髄膜炎菌株の相対的なPorA発現レベル
株CU385、H44/76およびN150/88由来の外膜ベシクルサンプル(本質的にNIPH Annals 1991 14:67-80に記載されるように作製した)は、SDS-PAGEによりPorA発現レベルを比較した。サンプルは、Novex 4〜20%ゲル上で泳動した。図1において、10および20μg(ローリー定量)の材料をウェルごとに添加し、一方、図2では10μgの材料を各株について2連で添加した。クーマシーブルー染色の後、3つの株において3つの主要なバンドが検出された:PorA(約38KDa)、PorB(約36KDa)およびRMP(約33KDa)。10μgの材料を添加したレーンで検出されたバンドを、2つの異なる濃度計で調査した:Pharmacia Imagescanner densitometer(1D-Eliteソフトを使用)およびBiorad densitometer(MultiAnalistソフトを使用)。DO値を算出することで、各株に対するPorAの相対的な発現レベルを決定した。各レーンに対して、PorAレベルは検出された全タンパク質の%で表した。
結果(下記表2)は、PorAの発現の相対的レベルが、他の2つの株と比較してCU385においてより低いことを示す:PorAは、CU385小胞の全検出タンパク質の約20%のみを占め、一方、株N150/88およびH44/76の各々由来の小胞におけるタンパク質の約40および30%を測定した。
Figure 2005531614
図1は、SDS-PAGEによるPorA発現レベルを検出した結果である。 図2は、SDS-PAGEによるPorA発現レベルを検出した結果である。

Claims (19)

  1. 使用する国において流行している血清亜型を有する髄膜炎菌株由来の、同種の殺菌活性を有する少なくとも1つの小胞、および使用する国において流行している血清亜型を有することを必要としない髄膜炎菌株由来の、異種の殺菌活性を有する少なくとも1つの小胞を含む、多価髄膜炎菌小胞組成物。
  2. 異種の殺菌活性を有する小胞が野生型株H44/76由来の小胞と比較して免疫優性外膜タンパク質を欠損し、同種の殺菌活性を有する小胞が野生型株H44/76由来の小胞と比較して該免疫優性外膜タンパク質を欠損していない、請求項1記載の多価髄膜炎菌小胞組成物。
  3. 異種の殺菌活性を有する小胞が上記免疫優性外膜タンパク質を本来的に欠損した野生型髄膜炎菌株由来である、請求項2記載の多価髄膜炎菌小胞組成物。
  4. 異種の殺菌活性を有する小胞が、野生型株と比較して上記免疫優性外膜タンパク質の産生が少ないかまたは無い遺伝子操作された髄膜炎菌株由来である、請求項2記載の多価髄膜炎菌小胞組成物。
  5. 上記の遺伝子操作された髄膜炎菌株が、免疫優性外膜タンパク質をコードする遺伝子のプロモーターまたはコード領域のどちらかにおいて遺伝子的に改変されて、上記免疫優性外膜タンパク質の産生がより少なくなるかまたは無くなったものである、請求項4記載の多価髄膜炎菌小胞組成物。
  6. 免疫優性外膜タンパク質がPorAである、請求項2〜5のいずれか1項に記載の多価髄膜炎菌小胞組成物。
  7. 免疫優性外膜タンパク質がPorAであり、かつ異種の殺菌活性を有する小胞が髄膜炎菌株CU-385(B:4:P1.19,15)由来である、請求項2または3記載の多価髄膜炎菌小胞組成物。
  8. 株H44/76から作製された小胞と比較してPorAが欠損した小胞調製物、および株H44/76から作製される小胞と比較してPorAが欠損していない小胞調製物を含む、多価髄膜炎菌小胞組成物。
  9. PorAを欠損した小胞調製物が、全小胞タンパク質の22%未満のPorAを有する、請求項8記載の多価髄膜炎菌小胞組成物。
  10. PorAを欠損していない小胞調製物が、全小胞タンパク質の28%を超えるPorAを有する、請求項8または9記載の多価髄膜炎菌小胞組成物。
  11. PorAを欠損した小胞調製物が髄膜炎菌CU-385株由来である、請求項8〜10記載の多価髄膜炎菌小胞組成物。
  12. 請求項1〜11記載の多価髄膜炎菌小胞組成物、および製薬上許容され得る賦形剤を含む、ナイセリア性または髄膜炎菌性の疾患の治療のためのワクチン。
  13. 1つ以上のそのままかまたはコンジュゲートされた、以下の血清型A、C、YおよびWより選択される髄膜炎菌莢膜多糖体をさらに含む、請求項12記載のワクチン。
  14. 同種の殺菌活性を有する小胞またはporAを欠損していない小胞調製物が、P1.4の血清亜型を有する髄膜炎菌株由来である、ニュージーランドまたはヨーロッパでの使用に適した請求項12または13記載のワクチン。
  15. 同種の殺菌活性を有する小胞またはporAを欠損していない小胞調製物が、P1.7,16の血清亜型を有する髄膜炎菌株由来である、血清亜型P1.7,1、P1.5,2、P1.22a,14およびP1.14より選択される血清亜型を有する1つ以上の髄膜炎菌株由来の同種の殺菌活性を有するさらなる小胞を含む、アメリカ合衆国での使用に適した、請求項12または13記載のワクチン。
  16. 同種の殺菌活性を有する小胞またはporAを欠損していない小胞調製物が、P1.16の血清亜型を有する髄膜炎菌株由来である、ノルウェーでの使用に適した請求項12または13記載のワクチン。
  17. 同種の殺菌活性を有する小胞と異種の殺菌活性を有する小胞とを混合するステップ、もしくはPorAを欠損していない小胞調製物とPorAを欠損する小胞調製物とを混合するステップを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の多価髄膜炎菌小胞組成物、または請求項12〜16のいずれか1項に記載のワクチンを製造する方法。
  18. 免疫学的に有効な量の請求項12〜16のいずれか1項に記載のワクチンをそれが必要な宿主へ投与するステップを含む、ナイセリアののまたは髄膜炎菌性の疾患を予防または治療する方法。
  19. ナイセリア性のまたは髄膜炎菌性の疾患の予防または治療のための薬物の製造における、免疫学的に有効な量の請求項12〜16のいずれか1項に記載のワクチンの使用。
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