JP2005530624A - 工作機械のハンドグリップ - Google Patents

Abstract

本発明は、グリップエレメント（１２）を備えた工作機械（１０）、特に手持ち案内式の工作機械のハンドグリップであって、グリップエレメント（１２）が少なくとも１つのロックエレメント（１４，１６）によって当該ハンドグリップ（１８）に固定可能である形式のものから出発する。
当該ハンドグリップ（１８）にグリップエレメント（１２）がロックされた状態で、ロックエレメント（１４，１６）が手段（２０）を介して操作されて、ロック解除位置へもたらされるようになっていることが提案される。

Description

背景技術
本発明は、請求項１の上位概念部に記載の形式の工作機械のハンドグリップに関する。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９９１８１１８号明細書に基づき公知の工作機械では、ハンドグリップがグリップエレメントを有している。このグリップエレメントは剛性的なベースボディと、このベースボディに覆い被さる、軟質コンポーネントから成る被覆体とを有している。たとえばゴムから形成されていてよい軟質コンポーネントは、剛性的なベースボディに射出被着されている。ハンドグリップにおけるグリップエレメントの固定は、ハンドグリップに設けられた切欠き内に形状接続的に、つまり係合に基づいた嵌合により差し込まれる差込みエレメントと、ハウジングにスナップインされるロックエレメントとを介して行われる。

発明の利点
本発明は、グリップエレメントを備えた工作機械、特に手持ち案内式の工作機械のハンドグリップであって、グリップエレメントが少なくとも１つのロックエレメントによって当該ハンドグリップに固定可能である形式のものから出発する。

本発明によれば、当該ハンドグリップにグリップエレメントがロックされた状態で、ロックエレメントが所定の手段を介して操作されて、ロック解除位置へもたらされるようになっていることが提案される。ハンドグリップに固定されたグリップエレメントは、破壊なしにハンドグリップから迅速にかつ簡単に解離され得る。さらに、たとえばねじ回しを用いた持上げによってハンドグリップからグリップエレメントを解離する際に工作機械のハウジングが損傷されてしまうことや、ロックエレメントが損傷されてしまうことを回避することができるので有利である。

ロックエレメントの損傷が回避されることに基づき、グリップエレメントを交換しかつ再び使用することができるので有利である。したがって、工作機械の使用に応じて、たとえば種々異なる減衰特性を有するグリップエレメントを使用することができる。

ロックエレメントがスナップエレメント（Rastelement）として形成されており、グリップエレメントが当該ハンドグリップにスナップ式に固定可能であることにより、構造的に単純なロックエレメントを達成することができる。紛失する可能性のある付加的な構成部分、たとえばねじ等が回避され得るので有利である。ロックエレメントは、弾性変形可能なスナップエレメント、ばねエレメントに抗して運動可能なスナップエレメントまたは当業者にとって好都合と思われている別のスナップエレメントにより形成されていてよい。スナップエレメントが弾性的に変形可能であると、スナップエレメントはハンドグリップまたはグリップエレメントと一体に形成され、射出成形法または当業者にとって好都合と思われている別の方法でハンドグリップまたはグリップエレメントに一体成形され得る。コスト、特に生産コストおよび組立てコストならびに組立て手間を減少させることができる。

本発明のさらに別の有利な構成では、前記手段が開口により形成されていることが提案される。ロックエレメントは構造的に単純に、たとえば工作機械のハウジングに配置されていてよく、そして工作機械の開口を通じて操作され得る。ロックエレメントはこの場合、工作機械の作動時または搬送時に損傷から保護され得るので有利であり、そしてロックエレメントの機能が保証され得る。前記開口はロックエレメントのために特別に設けられていてよい。しかし、既に手持ち式工作機械に設けられている既存の開口を前記手段として使用することもできる。したがって、ロックエレメントを操作するための付加的な開口を設けることを回避することができるので有利である。

前記開口が、工作機械の作動中に閉鎖エレメントによって閉鎖されていると特に有利である。ロックエレメントは摩耗片、たとえば穿孔ダスト、研削ダスト等による汚れに対して特に簡単に保護され、そしてロックエレメントの機能が保証され得る。閉鎖エレメントは別個の構成部分、たとえば接着テープ、別個のラグ等または工作機械、特に手持ち式工作機械の既存の構成部分によって形成されていてよい。

前記閉鎖エレメントが、工作機械のエネルギ供給ユニットであると有利である。したがって、閉鎖エレメントは工作機械の既存の構成部分によって形成されており、そして工作機械の作動中に前記開口が常時閉鎖されていることが保証され得る。エネルギ供給ユニットが工作機械の作動状態において、エネルギ供給部を少なくとも部分的に収容する開口を閉鎖するように形成されていると、この開口をロックエレメントを操作するための手段として利用することができる。したがって、好都合な手段が達成可能となり、この手段を介してロックエレメントは簡単かつ簡便に操作可能となる。さらに、ロックエレメントを操作し、ひいてはグリップエレメントをハンドグリップから解離させるためには、閉鎖エレメントとして形成されたエネルギ供給ユニットがハンドグリップから取り外されなければならない。こうして、エネルギ供給ユニットが取り外された状態では工作機械を作動させることができないので、作業安全性が高められる。なぜならば、ロックエレメントを操作する際に工作機械を誤って始動させてしまうことを有効に回避することができるからである。このことは特に、グリップエレメントがハンドグリップに組み付けられた状態でグリップエレメントが、工作機械のハウジングに設けられた開口、特にサービス開口を遮蔽する場合に有利である。開口が遮蔽されていない状態では、工作機械は始動し得ない。

本発明のさらに別の有利な構成では、ロック解除エレメントが提案される。このロック解除エレメントを用いて、ロックエレメントは操作可能となる。操作者によってロック解除エレメントを介してロックエレメントをロック解除位置へ簡単にもたらすことができる。これにより、操作者のための大きな簡便性を達成することができる。ロック解除エレメントはハウジングの外面に取り付けられていて、かつ／または工作機械のハウジングに配置されていてよい。ロック解除エレメントはこの場合、たとえばグリップエレメントの一部、ハウジングに設けられたプッシュボタン、ロックエレメントを形状接続的に確保するロッドを形成しているか、または当業者にとって好都合と思われる別の形に形成されていてよい。

ロック解除エレメントが別個の工具であると、構造的に単純でかつ頑丈なロックエレメントを達成することができる。このロックエレメントは廉価に製造可能となる。ロックエレメントは別個の工具、たとえば特にねじ回し、ペン等のような、操作者に常時提供されているような工具を介してロック解除位置へ変位可能である。

ロックエレメントが操作範囲を有していて、この操作範囲を介してロックエレメントが操作可能であると特に有利である。ロックエレメントをロック解除するために、操作者はこの操作範囲を介してロック解除工具をロックエレメントに形状接続的に（係合に基づいた嵌合により）かつ／または摩擦接続的に当て付けて、このロックエレメントをロック解除位置へ運動させることができる。

図面
本発明の別の利点は以下の図面の説明から明らかとなる。図面には、本発明の１実施例が示されている。図面、明細書および特許請求の範囲は、多数の特徴を組み合わされた形で包含している。当業者であれば、これらの特徴を有利には個別に扱うこともできるし、これらの特徴をまとめて好都合な別の組合せを達成することもできる。

図１は、グリップエレメントを備えたバッテリ作動式のアングルグラインダの一部を示す概略図であり、
図２は、ロックエレメントを備えた、ハンドグリップに組み付けられたグリップエレメントの一部を、ロックされた状態で示す拡大図である。

実施例の説明
図１には、工作機械としてバッテリ作動式のアングルグラインダ１０の一部が示されている。このアングルグラインダ１０はハウジング２４を備えており、このハウジング２４はプラスチックから製作された２つの半割シャル２６，２８を有している。ハウジング２４の第１の端部はアングルグラインダ１０の金属から製作された変速機ハウジング（図示しない）に結合可能であり、第２の端部はバッテリパックにより形成されたエネルギ供給ユニット（図示しない）のための収容範囲５４を有している。エネルギ供給ユニットのための収容範囲５４はハウジング２４に設けられた開口２０を有している。この手持ち式工作機械もしくはアングルグラインダ１０を作動させるためには、エネルギ供給ユニットが開口２０内に押し込まれて、この開口２０内に固定される。このときに、エネルギ供給ユニットに設けられたスナップエレメントは、アングルグラインダ１０のハウジング２４に一体成形されている対応する切欠き４８，５０内に係合する。アングルグラインダ１０の作動中、開口２０はエネルギ供給ユニットによって閉鎖されており、したがってエネルギ供給ユニットは開口２０のための閉鎖エレメントを形成している。アングルグラインダ１０のハウジング２４は、グリップエレメント１２を備えたハンドグリップ１８を有している。グリップエレメント１２は剛性的なベースボディ３０を有しており、このベースボディ３０には、熱可塑性のエラストマ（TPＥ）から成る軟質コンポーネントが直接に射出被着されている。グリップエレメント１２もしくはベースボディ３０は組付け位置において、ハウジング２４に向けられた側に複数のロックエレメント１４，１６，３２と１つの差込みエレメント３４とを有している。これらのロックエレメント１４，１６，３２と差込みエレメント３４は射出成形法でベースボディ３０に一体成形されている。ロックエレメント１４，１６，３２はハウジング２４の長手方向延在方向５２に対して直角に延びており、差込みエレメント３４はハウジング２４の長手方向延在方向５２に対して平行な方向で変速機ハウジングへ向かって延びている。

開口２０の範囲では、各１つの半割シャル２６，２８に、ハンドグリップ１８の、収容範囲５４寄りの部分においてロックエレメント１４，１６に対応するエレメント３６が一体成形されている。

グリップエレメント１２がハンドグリップ１８に組み付けられている状態では、スナップエレメントにより形成されたロックエレメント１４，１６はロックされた状態にあり、この場合、ロックエレメント１４，１６のスナップ係止面４０，４２は対応するエレメント３６のスナップ係止面３８に背後から形状接続的に、つまり嵌合により、係合している。グリップエレメント１２はハンドグリップ１８にスナップ式にロックされて固定されている。ロックエレメント１４，１６をロック解除位置へもたらすためには、ロックエレメント１４，１６が開口２０を介して操作可能となる。ロックエレメント１４，１６を操作するためには、エネルギ供給ユニットが取り外されて、開口２０が露出されている。ロックエレメント１４，１６はこのとき、ロックエレメント１４，１６に設けられた操作面４４，４６を介して操作者によって別個のロック解除エレメント２２を用いて操作可能となり、こうしてロックエレメント１４，１６をロック解除位置へもたらすことが可能となる。ロック解除エレメント２２はこの場合、ねじ回しにより形成されていると有利である。

グリップエレメントを備えたバッテリ作動式のアングルグラインダの一部を示す概略図である。

ロックエレメントを備えた、ハンドグリップに組み付けられたグリップエレメントの一部を、ロックされた状態で示す拡大図である。

符号の説明

１０ 工作機械
１２ グリップエレメント
１４ ロックエレメント
１６ ロックエレメント
１８ ハンドグリップ
２０ 手段
２２ ロック解除エレメント
２４ ハウジング
２６ 半割シェル
２８ 半割シャル
３０ ベースボディ
３２ ロックエレメント
３４ 差込みエレメント
３６ エレメント
３８ スナップ係止面
４０ スナップ係止面
４２ スナップ係止面
４４ 操作面
４６ 操作面
４８ 切欠き
５０ 切欠き
５２ 長手方向延在方向
５４ 収容範囲

Claims (9)

1. グリップエレメント（１２）を備えた工作機械（１０）、特に手持ち案内式の工作機械のハンドグリップであって、グリップエレメント（１２）が少なくとも１つのロックエレメント（１４，１６）によって当該ハンドグリップ（１８）に固定可能である形式のものにおいて、当該ハンドグリップ（１８）にグリップエレメント（１２）がロックされた状態で、ロックエレメント（１４，１６）が手段（２０）を介して操作されて、ロック解除位置へもたらされるようになっていることを特徴とする、工作機械のハンドグリップ。
2. ロックエレメント（１４，１６）がスナップエレメントとして形成されており、グリップエレメント（１２）が当該ハンドグリップ（１８）にスナップ式に固定可能である、請求項１記載のハンドグリップ。
3. 前記手段（２０）が開口により形成されている、請求項１または２記載のハンドグリップ。
4. 前記開口（２０）が、工作機械（１０）の作動中に閉鎖エレメントによって閉鎖されている、請求項３記載のハンドグリップ。
5. 前記閉鎖エレメントが、工作機械（１０）のエネルギ供給ユニットである、請求項４記載のハンドグリップ。
6. ロックエレメント（１４，１６）がロック解除エレメント（２２）を用いて操作可能である、請求項１から５までのいずれか１項記載のハンドグリップ。
7. 前記ロック解除エレメント（２２）が別個の工具である、請求項６記載のハンドグリップ。
8. 請求項１から７までのいずれか１項記載のハンドグリップに用いられるグリップエレメント。
9. 請求項１から７までのいずれか１項記載のハンドグリップを備えた工作機械。

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