JP2005529310A - 振動型センサ - Google Patents

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Abstract

少なくとも一つの、流体を導く、測定管(1)を備えるセンサであって、前記測定管は、始端と終端を備え、少なくとも時々は振動する。前記測定管(1)は、始端につながる第1の管セグメント(11)と、終端につながる第2の管セグメント(12)を介して、流体が前記測定管(1)を通って流れるように接続されたパイプラインに連絡されている。測定管(1)は、支持体(2)によって振動可能に保持されている。そして、その支持体は、第1の管セグメント(11)に第1の遷移部分(21)によって固定され、また、第2の管セグメント(12)に第2の遷移部分(22)によって固定される。とくに流体中において、質量流量依存のコリオリの力、かつ/または、粘性依存の摩擦力を生じさせるために、測定管(1)は、動作中に、二つの管セグメント(11、12)を仮想的に接続する振動軸(S)について機械的な振動を行う。測定管(1)をねじれることなく保持するため、二つの遷移部分のうちの少なくとも一つはストップ部(3)を備える。このストップ部は、その関係する管セグメント(11、12)にそれぞれ接触している第1のストップエッジ(31)を備え、これは少なくとも部分的に振動軸(S)の方向に伸びている。熱による膨張が起こる場合さえも、溶接または半田付けを行うことなしに、ストップ部(3)によって、支持体(2)と測定管(1)との互いのねじれがほとんど防止される。

Description

本発明は、振動型センサに関する。更に詳しくは、そのような振動型センサ、特にコリオリの原理に基づいた質量流量センサにおいて、測定管を保持するための支持体による測定管の固定に関する。
原理上は、インライン型の(in-line)センサは、パイプラインにおける流体の測定に用いられる。この測定には、直線の測定管または、任意に曲げられたか、あるいはコイル状にまかれた測定管が使われる。そしてその場合、U字型のものが好ましい管の形である。本出願人は、米国特許4,127,028と4,524,610と4,768,384と4,793,191と4,823,614と5,253,533と5,610,342と6,006,609と未公開のヨーロッパ特許01 112 546.5において、流体中で質量流量依存のコリオリの力、及び/または、粘性依存の摩擦力を生じさせる振動型センサについて開示している。このセンサは、
- 始端と終端があり、少なくとも時々は振動する、流体を導く測定管を少なくとも一つ備え、
-- 前記測定管は、前記始端へ導く第1の管セグメント及び終端へ導く第2の管セグメントを経由して、流体が前記測定管を通って流れるように接続されたパイプラインと連絡しており、
-- 前記測定管は、動作中に、前記二つの管セグメントを仮想的に接続する振動軸について機械的振動を行い、
- 第1の遷移部分によって前記第1の管セグメントに、および第2の遷移部分によって前記第2の管セグメントに固定された、前記測定管をその振動を許容しつつ保持するための支持体を備える。
特に、質量流量の測定に用いられるコリオリ質量流量センサの場合に、二つのタイプの測定管、すなわち直線のものまたはループ状のもののどちらかを使用する場合、対称性のために二本の測定管が使用される。これら二つの管は、静止時には、二つの平行面内において互いに平行に延び、流体も測定管に沿って同様に平行に流れることになる。二つの例のうちの一つである、直線の管が二本平行に並んだものは米国特許4,768,384と4,793,191と5,610,342に開示されており、もう一つは、完全に同一に二本の測定管がU字型ループ状に平行に並んだものは米国特許4,127,028に開示されている。
最近では、前述のコリオリの原理を用いた二本管の質量流量センサに加えて、更なるセンサが業界に定着した。すなわち、それは一本だけの直線または曲がった測定管を用いるものである。そのようなセンサは、例えば米国特許4,524,610と4,823,614と5,253,533と6,006,609と未公開ヨーロッパ特許01 112 546.5に開示されている。
更に、米国特許4,823,614には、測定管の各端は、始端及び終端のそれぞれ適合する穴に挿入され、遷移部分は溶接、半田付けまたは蝋付けで固定されることが開示されている。図面を参照。その代わりに、遷移部分は外部支持体で固定される。
前記米国特許5,610,342では、前記溶接、半田付けまたは蝋付けをする間に、測定管から遷移部分の固定箇所に熱が供給され、冷える時には応力腐食割れを引き起こす可能性がある機械的応力がかかるため、特に流体を計測する場合に、これらの熱や応力は測定管の材質に多かれ少なかれ影響を与えると述べている。コリオリ質量流量センサの測定管におけるこの応力腐食割れの危険をできるだけ完全に取り除くための遷移部分における測定管の固定方法の改良について米国特許5,610,342では開示している。すなわち、測定管の各端は、遷移部分のそれぞれ対応する始端および終端の穴に挿入されるが、熱は与えずに、各端に配置されたころがり工具(rolling tool)により上記穴の壁に圧着される。この方法に適したころがり工具は例えば米国特許4,090,382に開示されている。尚、この特許はボイラまたは熱交換器の管を固定することに関する。
しかしながら、この方法によって製造されたセンサを調査してみると、前述の遷移部分とその各々内に保持された測定管の膨張運動が一般に異なるため、温度変動が生じると、遷移部分による測定管の保持力が臨界値以下に低下してしまうことがわかった。特に、そのような保持力の低下は、熱い洗浄液を用いて定期的に行われる管の洗浄時のような温度衝撃の場合に起こりうる。言い換えると、これは、遷移部分と測定管は、熱膨張のおかげで、ころがり工具によってもたらされた機械的接触を失うことを意味し、これにより、支持体が測定管に対して前記振動軸の周りにねじれる可能性がある。そのような支持体のねじれをもはや確実に避けられない場合、特に動作中に振動軸に対してねじれ振動をする測定管のセンサにおいては、測定装置全体の置換は実際に避けられない。
上述の現在の技術の欠点から、本発明の目的は、前述のセンサを改善することにある。
すなわち、測定管をころがり工具を用いて圧着させることによる利益を得る一方で、熱による膨張における場合でさえも、支持体と測定管が互いにねじれることを概ね避けることである。
目的を達成するために、本発明は、流体中で、質量流量依存のコリオリ力、および/または粘性による摩擦力を生じる振動型センサは以下を特徴とする。すなわち、
- 始端と終端があり、少なくとも時々は振動する、流体を導く測定管を少なくとも一つ備え、
-- 前記測定管は、前記始端へ通じる第1の管セグメント及び前記終端へ通じる第2の管セグメントを経由して、流体が前記測定管を通って流れるように接続されたパイプラインと連絡しており、
-- 前記測定管は、動作中に、前記二つの管セグメントを仮想的に接続する振動軸について機械的振動を行い、
- 第1の遷移部分によって前記第1の管セグメントに、および第2の遷移部分によって前記第2の管セグメントに固定された、前記測定管をその振動を許容しつつ保持するための支持体を備え、
-- 前記二つの遷移部分のうちの少なくとも一つは、それに関係する管セグメントと部分的に接触し、少なくとも部分的に前記振動軸方向に伸びる第1のストップエッジを有するストップ部(3)を備える。
本発明のセンサの第1の好適な発展形態において、前記ストップ部は、それに関係する管セグメントに部分的に接触し、少なくとも部分的に前記振動軸方向に伸びる第2のストップエッジを有している。
本発明のセンサの第2の好適な発展形態において、前記ストップ部は、それに関係する管セグメントの材料によって少なくとも部分的に満たされた溝として形成される。
以下、本発明及びその好都合な発展形態について、図面に基づき一層詳細に説明する。
本発明における、例えばコリオリ質量流量センサなどの振動型センサの重要な部分を図1に示す。センサ全体に必要な残りの部分は、上述の背景技術のところで記載した文献により明らかであるので、ここでは省略する。
まっすぐな、第1の管セグメント11は、図1には部分的に示している、振動する測定管1の始端のほうに通じている。そして、第1の管セグメント11は、第1の遷移部分21の穴21Aによって支えられる。一方で、まっすぐな、第2の管セグメント12は、測定管1の終端のほうに通じており、第2の遷移部分22の穴22Aに挿入されている。遷移部分21、22は、横方向に配置された少なくとも一つの支持板23とともに支持体2を形成し、この支持体2は少なくとも一つの測定管1を振動可能なように保持する。この支持体2は、例えば箱型でもシリンダ状でもよく、とくに測定管1をすっぽり包むものである。
動作中、測定管1は、例えばフランジ接続またはねじ接続により、計測されるべき液体やガスなどの流体を運ぶパイプラインの途中に挿入されることで、その計測されるべき流体は測定管1を介して流れる。
流体を特徴付ける、例えば質量流量に関係するコリオリ力または、粘性に関係する摩擦力などの反作用力を生じさせるために、二つの管セグメント11、12を仮想的に接続する振動軸Sについてのねじれ振動を二つの管要素11、12に少なくとも協同者として行わせることで、測定管1を少なくとも時々振動させる。測定管1の振動を記録するためと、振動に対応する振動信号を生成するために、当業者に知られた方法(不図示)で振動センサを測定管1の近辺に設置可能である。
管セグメント11、12および測定管1に対して支持体がねじれるのを防ぐために、特に、広範な温度変動にさらされるセンサのために、遷移部分21、22の少なくとも一つ、ここでは例えば遷移部分21が、ストップ部3を備えている。もちろん、もう一つの遷移部分22もそのようなストップ部を、特にストップ部3とは別に備えてもよい。
ストップ部3は、図2に示すように少なくとも一つのストップエッジ31を備え、これはそれに関係する管セグメント11の一部に接触し、少なくとも部分的に振動軸S方向に伸びている。ストップエッジ31は、それに関係する穴21Aに形成される。図2に示した例では、ストップエッジ31は、穴21Aを実質完全に横断しているが、例えば穴21よりも短くのびていてもかまわない。
本発明の好ましい実施形態においては、ストップ部3は第2のストップエッジ32を備える。このストップエッジ32は、図3に示されるようにストップ部3がそれに関係する管セグメント11の壁材によって少なくとも部分的に満たされた溝の形状となるように、穴21A内に形成かつ配置されるのが都合よい。
しかし、ストップエッジ32は、例えば、ストップ部3が管セグメント11の壁材によって少なくとも部分的に囲まれた突出部の形状となるように、形成かつ配置されることも可能である。
そのようなセンサに使用される、例えばチタニウム、ステンレス鋼、またはジルコニウム製の測定管において、その壁の厚さが0.5mmから2mmのものでは、溝の幅が0.5mmから2mmの場合は溝の深さが例えば約0.2mmで十分であることがわかった。
ストップ部3は、望ましくは、ブローチによって既成の穴21A内に切削される。もちろん、例えば金属面の平削り(milling)や打ち抜き加工(stamping)のような、当業者に知られた他の金属加工プロセスが用いられてもよい。
図4には、測定管1と支持体3の間の機械的な結合を生じるために、管セグメント11を遷移部分21に挿入し、管セグメント12を遷移部分22に挿入することを示している。遷移部分21中の管セグメント11の位置決めに続いて、図4に概略的に示すように、ころがり工具6が少なくとも部分的に管セグメント11の内腔中に配置される。ころがり工具6は、挿入方向の前方端にケージ61を備え、このケージ61は、その円柱状の表面に分布されてその対応する開口内に設置されたローラ62を有している。
ころがり工具6の回転中にローラ62が移動する中心円(center circle)の半径は、挿入方向へ移動可能なプランジャ63によって調節することができる。ころがり工具6を管セグメント11の内腔中に挿入するはじめの半径にくらべて、この半径をだんだん増加させることによって、この工具は穴21Aの内壁に部分的に押し付けられるようになる。
管セグメント11は、このように熱が導入されることなく、対応する穴21Aの内壁に対して押しつけられる。これにより、これらの位置、とりわけストップ部のところで、管セグメント11の材料はわずかに変形し、管セグメント11と遷移部分21との間の機械的結合が非常に強固になる。ころがり工具6によって生じる押圧力と、ストップ部の形状とサイズが、この手順においておたがいに適合されることにより、十分な量の管セグメント材料がストップ部3の領域内に満たされる。この場合の結合についても、図3を参照。
管セグメント11の塑性変形により、その壁の厚さが部分的に、わずかに縮小する。これによって、一方では、機械的な圧縮応力が管セグメント11の縦方向に発生する(以下、略して“軸応力”と呼ぶことにする)。管セグメント11がわずかに伸びるため、この圧縮応力が生じる。もう一方では、穴21A内において、機械的な圧縮応力が半径方向に生じる(以下、略して“半径応力”と呼ぶ)。この半径応力は、次のように生じると理解できる。圧力がかかっている間、管セグメント11に塑性変形が起こる一方で、遷移部分21には、管セグメント11の壁の厚さに比べて遷移部分の厚さが非常に厚いため、基本的には弾性変形のみがおこる。その結果として、圧力がかかることに続いて、遷移部分21は、管セグメント11の内腔にむかって半径方向の力を発する。
さて、原理的に半径応力により、有害な圧力腐食割れを実際に防止することができる。一方で、支持体に半田付または溶接された測定管を備えたセンサの場合、圧力腐食割れは絶えず存在する可能性がある。軸応力はこれをいくらか防ぐのに貢献する。少なくとも二本の測定管を備えるセンサの場合、圧力をかけることは特に測定管を動的に最適にバランスをとるのに役立つ可能性がある。これについては、米国特許5,610,342を参照。
本発明によれば、すでに米国特許5,610,342で述べられている方法による長所を維持したまま、測定管1を、溶接または半田付けすることなしに、つまり熱を加えることなく、支持体2に固定することができ、また、とても簡単な方法で、耐久性、とりわけ測定管1と支持体2の間の機械的結合の耐久性を相当に改善することができる。
図1は、本発明において、少なくとも一本の測定管を備える質量流量センサの実施例の本質的な部分を、透視的かつ概略的に部分断面で示したものである。 図2は、図1に示した、測定管をねじれることなく保持するためのストップ部として機能する溝の実施例を、透視的かつ概略的に部分断面で示したものである。 図3は、図2を正面から見た場合の溝を示したものである。 図4は、図1に示した質量流量センサの製造方法ステップを概略的に示したものである。

Claims (3)

  1. 特に流体中で質量流量依存のコリオリの力及び/または粘性依存の摩擦力を生じさせる振動型センサであって、
    始端と終端があり、少なくとも時々は振動する、流体を導く測定管(1)を少なくとも一つ備え、
    前記測定管は、前記始端へ通じる第1の管セグメント(11)及び終端へ通じる第2の管セグメント(12)を経由して、流体が前記測定管を通って流れるように接続されたパイプラインと連絡しており、
    前記測定管は、動作中に、前記二つのセグメント(11,12)を仮想的に接続する振動軸(S)について機械的振動を行い、
    第1の遷移部分(21)によって前記第1の管セグメント(11)に、および第2の遷移部分(22)によって前記第2の管セグメント(12)に固定された、前記測定管(1)をその振動を許容しつつ保持するための支持体(2)を備え、
    前記二つの遷移部分(21,22)のうちの少なくとも一つは、それに関係する管セグメント(11、12)と部分的に接触し、少なくとも部分的に前記振動軸(S)方向に伸びる第1のストップエッジ(31)を有するストップ部(3)を備える、
    ことを特徴とする振動型センサ。
  2. 請求項1記載の振動型センサであって、
    前記ストップ部(3)は、それに関係する管セグメント(11、12)にそれぞれ部分的に接触し、少なくとも部分的に前記振動軸方向に伸びる第2のストップエッジ(32)を有することを特徴とする振動型センサ。
  3. 請求項2記載の振動型センサであって、
    前記ストップ部(3)は、それに関係する管セグメント(11、12)の材料によって少なくとも部分的に満たされた溝として形成されることを特徴とする振動型センサ。
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