JP2005527474A - 前立腺特異的膜抗原に特異的な結合剤を用いて、皮膚障害を治療するかまたは防止するための方法および組成物 - Google Patents

前立腺特異的膜抗原に特異的な結合剤を用いて、皮膚障害を治療するかまたは防止するための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

表皮又は真皮障害、例えば乾癬を治療し、予防し、又は診断するための方法及び組成物を開示する。本発明の方法及び組成物は、ヒト前立腺特異的膜抗原(PSMA)の細胞外ドメインに特異的な、例えば抗体のような結合剤を用いる。

Description

(関連出願)
本出願は、米国仮出願第60/324,100号、2001年9月20日出願、および第60/362,612号、2002年3月8日出願に優先権を請求し、これらの内容は本明細書に援用される。
(発明の分野)
本発明は、皮膚障害、例えば乾癬を治療するかまたは防止するための、前立腺特異的膜抗原(PSMA)に特異的な結合剤の使用に関する。
(発明の背景)
皮膚は、外胚葉起源の上皮層である表皮、および中胚葉起源の結合組織層の真皮で構成される。一般的には、Fitzpatrick (1999) Dermatology in General Medicine, 第5版, McGraw Hillを参照されたい。真皮および表皮の結合部は、大部分不規則であり、そして乳頭として知られる真皮の突起が、皮膚小稜として知られる表皮の膨出と互いにかみ合う。
表皮は、角化している表皮細胞である、角化細胞が主に住み着く、層別化された角化上皮で主に構成される。同文献を参照されたい。表皮はまた、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞、および他の細胞遊走体などのいくつかの他の細胞集団も宿する。真皮の外側から、表皮は、基底層(胚芽層)、有棘層、顆粒層、淡明層および角質層として知られる角化細胞の5層からなる。
真皮は、表皮を支持し、そしてこれを皮下組織または皮下として知られる下の層に結合する、結合組織で構成される。同文献を参照されたい。真皮は、血管およびリンパ管の豊富なネットワークを有する。真皮は、多様なレベルで、皮膚表面に平行して配置され、そして垂直なコミュニケーション血管によって連結される血管ネットワークを含有する。真皮は、かなり不明瞭な境界を持つ2つの層:最も外側の乳頭層およびより深い網状層を含有する。乳頭層は、疎性結合組織細胞、線維芽細胞および他の結合組織細胞と共に、肥満細胞およびマクロファージを含む、いくつかの異なる細胞種で構成される。溢出した白血球もまた、乳頭層に検出される。網状層は乳頭層よりも厚く、そして不規則で密な結合組織(主にI型コラーゲン)で構成される。
皮膚の多くの病的反応は、表皮および真皮構成要素の組み合わせを伴う。同文献を参照されたい。しかし、しばしば、1つの構成要素が他の構成要素より支配的に既定の病的反応に関与しており、したがって特定の臨床的診断につながる。同文献を参照されたい。例えば、過形成性表皮は、乾癬性斑に特徴的である。表在性の皮膚層を伴う病的反応の例には、水疱性皮膚炎(湿疹)、接触性皮膚炎、乾癬、界面皮膚炎、多形性紅疹、紅斑性狼瘡、扁平苔癬および疱疹状皮膚炎が含まれる。真皮を伴う病的反応の例には、急性熱性好中球性皮膚病(スウィート症候群)、持久性隆起性紅斑、皮膚性好酸球疾患、肉芽腫、悪性萎縮性丘疹症、皮膚腫瘍、皮膚偽性腫瘍、皮膚過形成、皮膚血管異常、カポジ肉腫、皮膚萎縮症および皮膚の萎縮性障害が含まれる。
乾癬、湿疹、および扁平苔癬などの皮膚障害は、米国人口の1〜2%に影響を及ぼすことが知られ、150,000〜260,000の新規症例が毎年発生する(“Research Needs in 11 Major Areas in Dermatology” I. Psoriasis. J. Invest. Dermatol. 73:402−13, 1979)。上述の皮膚疾患に対する現在知られる療法は、限定されている。乾癬、扁平苔癬、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、UV損傷、壊疽性膿皮症、白斑、眼の瘢痕性類天疱瘡、円形脱毛症、アレルギー性および刺激性接触性皮膚炎および皮膚浸潤性T細胞リンパ腫の治療には、一般的に、ステロイド類またはサイクロスポリンAが用いられる。さらに、これらの皮膚異常のいくつかに対する多様な治療には、レチノイド類、PUVA、ナイトロジェンマスタード、インターフェロン、化学療法、メトトレキセート、光療法(例えばUV光およびPUVA)、抗生物質および抗ヒスタミン剤が含まれる。同文献を参照されたい。UV光療法である、UVA療法およびUVB療法はどちらも、皮膚を320〜400nm(UVA照射)および290〜320nm(UVB照射)の間のUV照射に曝露する。PUVA療法は、光化学療法の1つの型であり、ソラレンまたはソラレンに基づく化合物を、皮膚の罹患領域に反復局所適用し、その後、UVA照射にその領域を曝露することを伴う、光化学療法の一形態である。増殖性皮膚疾患、特に乾癬および菌状息肉症を治療するのに用いる別の方法は、光線力学療法(PDT)である。
これらの療法に対する副作用が知られる。最も一般的に起こる、サイクロスポリンAの難点には、免疫抑制、並びに腎毒性および神経毒性のための毒性が含まれる。ステロイドは、クッシング症候群の誘導を含む、周知の副作用を有する。特定の他の前述の療法の副作用には、皮膚癌、骨髄毒性および体質上の毒性、靭帯石灰化、肝線維症および他の障害が含まれる。光療法に関しては、これらの種類の療法を用いた皮膚疾患治療が長引くと、紅斑、掻痒症、皮膚癌、および皮膚の慢性光誘導損傷を含む、深刻な急性および慢性の副作用が生じる可能性がある(Sternら (1979) N.E. J. of Med. 300:809−812)。
したがって、皮膚障害を防止し、そして治療するための改善された療法様式に対する必要性が存在する。
(発明の概要)
本発明は、ヒト前立腺特異的膜抗原(rostate pecific embrane ntigen)(PSMA)の細胞外ドメインに対する抗体を被験者(対象:
subject)に投与すると、乾癬病変の重症度が減少したという発見に、部分的に基づく。病変の重症度の減少は、抗PSMA抗体を単独で、または細胞傷害性部分にコンジュゲート化して投与した後に検出された。PSMAタンパク質発現の増進が、対照患者に比較して、乾癬患者の基底角化細胞および基底層のすぐ上の角化細胞と共に、血管細胞で検出された。したがって、本発明は、PSMA、例えばPSMAの細胞外領域に特異的な結合剤、例えば抗体またはその抗原結合断片を用いて、表皮または真皮障害を治療するかまたは防止するための方法および組成物を提供する。
本発明はまた、細胞、例えば皮膚中の細胞(例えば異常なPSMA発現表皮細胞または真皮細胞)、または非悪性、非前立腺、過剰増殖性細胞を処理する、例えば除去するかまたは殺す方法も特徴とする。本発明の方法には、該細胞、または近接細胞、例えば該細胞に近接する血管内皮細胞を、該細胞を処理する、例えば除去するかまたは殺すのに十分な量の、PSMAに特異的に結合する結合剤、例えば抗体またはその抗原結合断片と接触させることが含まれる。本発明の方法は、被験者に、PSMA結合剤、例えば抗PSMA抗体またはその抗原結合断片を、こうした障害を治療するかまたは防止するのに有効な量で投与することによって、障害、例えば皮膚障害(例えば乾癬)または非悪性、非前立腺過剰増殖性障害を、例えば治療するかまたは防止するのに使用可能である。
本方法を、例えばin vitroまたはex vivoで、培養中の細胞に対して用いることが可能である。例えば、表皮細胞または真皮細胞(例えば皮膚内皮細胞または角化細胞、例えば基底角化細胞および基底層のすぐ上の角化細胞)を培地中、in vitroで培養することが可能であり、そして接触工程は、培地にPSMA結合剤を添加することによって達成可能である。in vivo(例えば療法的または予防的)プロトコルの一部として、被験者に存在する細胞(例えば真皮細胞または表皮細胞)に、例えば表皮層に存在する細胞(例えば基底角化細胞および基底層のすぐ上の角化細胞)または真皮層に存在する細胞(例えば皮膚血管系)に対して、該方法を行うことが可能である。in vivo態様では、接触工程は被験者において達成され、そして接触工程には、結合剤が該細胞、または該細胞に近接する血管内皮細胞、両方に結合するのを可能にするのに有効な条件下で、被験者に結合剤を投与して、そして該細胞を処理する、例えば殺すかまたは除去することが含まれる。
本発明の方法を用いて、皮膚障害、例えば真皮、表皮、皮下障害または真皮−表皮結合部の障害を治療するかまたは防止することが可能である。皮膚障害は:過剰増殖性皮膚障害(例えば悪性または良性過剰増殖性皮膚障害)、アレルギー性または感覚過敏性炎症性皮膚障害、慢性炎症性障害、自己免疫障害、例えばリウマチ学的障害、または改変された反応性の皮膚障害の1以上であることが可能である。
本発明の方法を用いて治療するかまたは防止することが可能な皮膚障害の例には、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚炎(湿疹)、例えば剥脱性皮膚炎またはアトピー性皮膚炎、毛孔性紅色粃糠疹、バラ色粃糠疹(pityriasis rosacea)、類乾癬、苔癬状粃糠疹、扁平苔癬、光沢苔癬、魚鱗癬様皮膚病、角皮症、皮膚病、円形脱毛症、壊疽性膿皮症、白斑、類天疱瘡(例えば眼の瘢痕性類天疱瘡または水疱性類天疱瘡)、蕁麻疹および汗孔角化症(prokeratosis)が含まれる。好ましくは、障害は、皮膚炎、例えばアトピー性皮膚炎またはアレルギー性皮膚炎、あるいは乾癬である。最も好ましくは、障害は乾癬である。
他の態様において、皮膚障害は、表皮または真皮の炎症性障害または腫瘍性障害である。例えば、皮膚障害は表皮前癌性病変または癌性病変である。
他の態様において、皮膚障害は、改変された反応性の皮膚障害、または自己免疫障害、例えばリウマチ学的障害の皮膚発症である。他の態様において、皮膚障害は、刺激剤、例えば薬剤、感染性因子、食物、または環境刺激剤に反応して生じる。1つの態様において、刺激剤は、ツタウルシ(poison ivy)である。例えば、障害は、アレルギー性または刺激性接触皮膚炎であることが可能である。
好ましい態様において、本発明の方法および組成物で用いる結合剤は、高い親和性および特異性で、PSMA、好ましくはヒトPSMAと相互作用し、例えばPSMAに結合する。例えば、結合剤は、少なくとも10−1、好ましくは10−1〜1010−1の間、または約10−1の親和性定数でヒトPSMAに結合する。好ましくは、結合剤は、PSMAの細胞外ドメイン、そして最も好ましくはヒトPSMAの細胞外ドメイン(例えばヒトPSMAのアミノ酸44〜750)に結合する。
結合剤は、抗体(例えば単一特異性抗体、または組換え抗体または修飾抗体)またはその抗原結合断片、小分子、またはPSMAリガンドであることが可能である。好ましくは、修飾抗体は、J591、J415、J533またはE99抗体由来の1以上の相補性決定領域(CDR)を有するものである。
好ましい態様において、結合剤は、抗PSMA単一特異性抗体(例えばモノクローナル抗体)またはその抗原結合断片である。抗PSMA抗体(例えば組換え抗体または修飾抗体)は、全長であることが可能であり(例えばIgG(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA(例えばIgA1、IgA2)、IgD、およびIgE、但し好ましくはIgG)、または抗原結合断片のみを含むことが可能である(例えばFab、F(ab’)またはscFv断片、あるいは1以上のCDR)。抗体、またはその抗原結合断片は、2つの重鎖免疫グロブリンおよび2つの軽鎖免疫グロブリンを含むことが可能であるし、または一本鎖抗体であることが可能である。抗体は、場合によって、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロンまたはミュー定常部遺伝子から選択される定常部を含むことが可能である。好ましい抗PSMA抗体には、実質的にヒト抗体に由来する重鎖および軽鎖の定常部、例えばヒトIgG1定常部またはその一部が含まれる。いくつかの態様において、抗PSMA抗体はヒト抗体である。
抗体(またはその断片)は、ネズミ抗体またはヒト抗体であることが可能である。使用可能な好ましいネズミモノクローナル抗体の例には、それぞれ、ATCC寄託番号HB−12101、HB−12109、HB−12127、およびHB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される、E99、J415、J533およびJ591抗体が含まれる。また本発明の範囲内に含まれるのは、PSMAに対する、本明細書に開示する抗PSMA抗体のエピトープと重複するエピトープに結合するか、または該抗体の結合を競合的に阻害する抗体、またはその抗原結合断片、例えばPSMAに対するモノクローナル抗体E99、J415、J533またはJ591のエピトープと重複するエピトープに結合するか、または該抗体の結合を競合的に阻害する抗体を用いた方法および組成物である。いかなる組み合わせの抗PSMA抗体も使用可能であり、例えばPSMAの異なる領域に結合する2以上の抗体、例えばPSMAの細胞外ドメイン上の2つの異なるエピトープに結合する抗体が使用可能である。
いくつかの態様において、結合剤は、本明細書に記載する抗体、例えばJ591、E99、J415、およびJ533抗体のエピトープのすべてまたは一部に結合する抗PSMA抗体である。抗PSMA抗体は、ヒトPSMAに対する、本明細書に記載する抗体、例えばJ591、E99、J415、およびJ533抗体の結合を阻害可能であり、例えば競合的に阻害可能である。抗PSMA抗体は、エピトープ、例えばコンホメーション性エピトープまたは直鎖エピトープに結合可能であり、このエピトープは結合されると、本明細書に記載する抗体、J591、E99、J415、およびJ533抗体の結合を妨げる。該エピトープは、J591,E99,J415、またはJ533抗体に認識されるエピトープに、空間的に近接しているかまたは機能的に関連していることが可能であり、例えば直鎖配列またはコンホメーション性空間において、重複するエピトープまたは隣接するエピトープであることが可能である。
1つの態様において、抗PSMA抗体は、ヒトPSMAのほぼアミノ酸120〜500、好ましくは130〜450、より好ましくは134〜437、または153〜347の領域内に完全にまたは部分的に位置するエピトープに結合する。好ましくは、該エピトープには、少なくとも1つのグリコシル化部位、例えば少なくとも1つのN連結グリコシル化部位(例えばヒトPSMAのほぼアミノ酸190〜200、好ましくはほぼアミノ酸195に位置するN連結グリコシル化部位)が含まれる。
他の態様において、抗体(またはその断片)は、例えばキメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫(deimmunized)抗体、またはin vitro生成抗体から選択される、組換えまたは修飾抗PSMA抗体である。本明細書に論じるように、修飾抗体は、CDR移植抗体、ヒト化抗体、脱免疫抗体、またはより一般的には、非ヒト抗体、例えばネズミJ591、J415、J533またはE99抗体由来のCDR、およびヒトにおいて、より免疫原性でない、例えばネズミCDRが天然に存在するネズミフレームワークより抗原性でないとして選択されるフレームワークを有する抗体であることが可能である。1つの態様において、修飾抗体は、脱免疫抗PSMA抗体、例えばE99、J415、J533またはJ591の脱免疫型(例えば、それぞれ、ATCC寄託番号HB−12101、HB−12109、HB−12127、およびHB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の脱免疫型)である。好ましくは、該抗体は、J591またはJ415の脱免疫型(本明細書において、それぞれ、「deJ591」または「deJ415」と称される)である。最も好ましくは、抗体はJ591の脱免疫型である。
結合剤、例えば抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片は、本明細書において、単独で使用可能であり、例えば、非誘導体型または非コンジュゲート化型で、被験者に投与可能であるし、またはin vitroで使用可能である。例えば、抗PSMA抗体の非コンジュゲート化型は、補体仲介細胞溶解および/またはエフェクター細胞仲介殺細胞など、抗体に依存する殺細胞機構によって、PSMA発現細胞を除去するかまたは殺すことが可能である。好ましくは、抗PSMA抗体は、PSMAを発現する細胞(例えば真皮細胞または表皮細胞)の細胞表面に、そして特に、生存細胞の細胞表面に結合する。
いくつかの態様において、結合剤、例えば抗PSMA抗体またはその断片はまた、PSMAと共に内部移行し、これが抗体にコンジュゲート化された分子実体の細胞内搬送を可能にする。結合剤、例えば抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を誘導体化するか、または別の分子実体、典型的には標識もしくは療法剤(例えば細胞傷害性剤または細胞分裂抑制性剤)に連結することが可能である。分子実体は、例えば別のペプチド、タンパク質、非ペプチド化学的化合物、同位体などであることが可能である。抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、例えば化学的カップリング、遺伝子融合、非共有会合、または別の方式で、1以上の他の分子実体に、機能可能であるように連結することが可能である。例えば、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、蛍光標識、生物学的活性酵素標識、放射性同位体(例えば放射性イオン)、核磁気共鳴活性標識、発光標識、または発色団などの標識にカップリングすることが可能である。他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、療法剤、例えば細胞傷害性部分、例えば療法薬剤、放射性同位体、植物、真菌、もしくは細菌起源の分子、または生物学的タンパク質(例えばタンパク質毒素)、あるいはそれらの混合物にカップリングすることが可能である。療法剤は、本明細書に記載するような、短距離高エネルギーα放射体を含む、短距離放射能放射体などの細胞内薬剤または他の剤であることが可能である。いくつかの好ましい態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、細菌起源の分子、例えばメイタンシノイド(例えばメイタンシノールまたはDM1メイタンシノイド、図15を参照されたい)にカップリングすることが可能である。放射性同位体は、α、β、またはγ放射体、あるいはβおよびγ放射体であることが可能である。療法剤として有用な放射性同位体には、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、およびロジウム(188Rh)が含まれる。例えば診断剤で使用するための、標識として有用な放射性同位体には、ヨウ素(131Iまたは125I)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、炭素(14C)、およびトリチウム(H)、または上に列挙される療法的同位体の1つが含まれる。また抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、別の抗体に連結して、例えば二特異性または多特異性抗体を形成することが可能である。
被験者は、哺乳動物、例えば霊長類、好ましくはより高次の霊長類、例えばヒト(例えば本明細書に記載する障害、例えば皮膚障害を有するかまたはそのリスクがある患者)であることが可能である。1つの態様において、被験者は、表皮異常または真皮異常を有する患者(例えば穏やかな、中程度のまたは重度の型の乾癬を患う患者)である。
PSMA結合剤、例えば本明細書に記載するようなPSMA結合剤を、被験者に全身投与(例えば静脈内投与、筋内投与、例えば注入装置を用いた注入によって投与、皮下投与、経皮投与、または吸入によって投与)することが可能である。PSMA結合剤が小分子である態様では、経口投与が可能である。他の態様において、罹患領域、例えば乾癬病変にPSMA結合剤を局部的(例えば、局所)投与する。
本発明の方法は:乾癬病変のサイズ、発赤、炎症、刺激などの減少;被験者の症状の減少、例えば掻痒の減少;増殖中の細胞、例えば角化細胞の数の減少、または臨床的結果の改善に関連するあらゆるパラメーターいずれかの1以上の、例えば減少に関して、被験者を監視する工程をさらに含むことが可能である。被験者を、以下の期間:治療開始前;治療中;または治療の1以上の要素が投与された後の1以上に、監視することが可能である。監視を用いて、同一のPSMA結合剤でのさらなる治療、またはさらなる剤でのさらなる治療の必要性を、評価することが可能である。一般的に、上述のパラメーターの1以上の減少は、被験者の状態が改善していることの指標となる。
本発明の方法は、被験者由来の核酸またはタンパク質を解析する、例えば被験者の遺伝子型を解析する工程をさらに含むことが可能である。1つの態様において、ヒトPSMAおよび/またはヒトPSMAシグナル伝達の上流または下流構成要素(単数または複数)、例えばヒトPSMAの細胞外または細胞内活性化因子または阻害剤をコードする核酸を解析する。該解析を用いて、例えば代替治療間、例えば特定の投薬量、搬送様式、搬送時間、補助療法の包含、例えば第二の剤と併用した投与の適切性を評価するか、または選択し、あるいは一般的に、被験者のありうる薬剤応答表現型または遺伝子型を決定することが可能である。核酸またはタンパク質は、治療のいかなる段階でも解析可能であるが、好ましくはPSMA結合剤の投与前に解析して、それによってPSMA結合剤の、被験者の予防的または療法的治療に適した投薬量(単数または複数)および治療措置(単数または複数)(例えば治療あたりの量または治療頻度)を決定することが可能である。
本発明の方法および組成物は、他の療法様式と併用可能である。したがって、本発明の方法には、被験者に、PSMA結合剤、例えば本明細書に記載するようなPSMA結合剤を、細胞傷害性剤と併用して、前記障害を治療するかまたは防止するのに有効な量で投与することが含まれる。結合剤および細胞傷害性剤は、同時にまたは連続して投与可能である。
PSMA結合剤と併用投与可能な、典型的な細胞傷害性剤には、代謝拮抗剤、アルキル化剤、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、シス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン、アントラサイクリン類、および有糸分裂阻害剤が含まれる。
PSMA結合剤と併用投与可能な細胞傷害性剤の他の例には、光線療法(PUVAまたはUV照射、例えばUVAまたはUVB照射)、メトトレキセート、レチノイド、マクロライド系抗生物質、サイクロスポリン、エトレチナート、非ステロイド性抗炎症薬剤(NSAID)、金塩、およびスルファサラジン(sulfasalizine)が含まれる。
さらに他の態様において、該方法は、免疫調節剤、例えばインターロイキン−2(IL−2)またはインターフェロン(IFN)と併用可能である。
1つの態様において、PSMA結合剤は、ステロイド(例えばグルココルチコイドまたはレチノイド)、ビタミン(例えばビタミンD)、タール、角質溶解剤およびアントラリンからなる群より選択される局所適用剤と、併用投与可能である。
他の態様において、PSMA結合剤は、全身性グルココルチコイド、スルホン、アミノキノリン、細胞傷害性剤、代謝拮抗剤、レチノイド、抗ヒスタミン剤、免疫抑制薬剤、免疫調節薬剤、およびサリドマイドからなる群より選択される全身性剤と併用投与可能である。
局所剤および/または全身性剤のいかなる併用および順序も使用可能である。PSMA結合剤、並びに局所剤および/または全身性剤を、活発な障害の期間中に、あるいは寛解またはより活発でない疾患の期間中に、投与することが可能である。PSMA結合剤、並びに局所剤および/または全身性剤は、治療前、治療と同時、治療後、または障害の寛解中に、投与可能である。
別の側面において、本発明は、障害、例えば皮膚障害を治療する、局所使用のための組成物を特徴とする。該組成物には、PSMAに特異的に結合する結合剤、例えば本明細書に記載するような結合剤、および該結合剤の有効性を増進する剤(または第二の剤)、例えばキャリアーまたは剤が含まれる。好ましくは、第二の剤は、被験者の皮膚への結合剤の浸透性を増加させる。他の態様において、第二の剤は、障害、例えば皮膚障害を減少させ、改良し、または防止する。第二の剤の例には、限定されるわけではないが、ステロイド、ビタミン、タール、角質溶解剤およびアントラリンが含まれる。
本発明はまた、PSMAに特異的に結合する結合剤、例えば本明細書に記載するような結合剤、および皮膚障害を減少させ、改良し、または防止する剤(または第二の剤)を含む、全身性投与のための組成物も特徴とする。本発明の組成物中に使用可能な第二の剤の例には、限定されるわけではないが、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、細胞傷害性剤、代謝拮抗剤または免疫調節剤が含まれる。例えば、第二の剤は、全身性グルココルチコイド、スルホン、アミノキノリン、レチノイド、およびサリドマイドであることが可能である。
本発明の組成物には、薬剤的に許容しうるキャリアー、賦形剤または安定化剤がさらに含まれることが可能である。
別の側面において、本発明は、単独で使用するか、または局所剤および/または全身性剤、例えば本明細書に記載するような第二の剤と併用する、PSMA結合剤、例えば本明細書に記載するようなPSMA結合剤を、PSMA結合剤またはこうした剤の組み合わせをどのように使用するかに関する説明書と共に含むキットを特徴とする。
別の側面において、本発明は、in vitroで、試料(例えば血漿、組織生検、例えば乾癬病変などの生物学的試料)におけるPSMA核酸、例えばmRNAもしくはcDNA、またはPSMAタンパク質の存在を検出する方法を特徴とする。本方法を用いて、本明細書に記載する障害、例えば皮膚障害(例えば乾癬)を評価する、例えば該障害を診断するかまたは病期決定することが可能である。該方法には:(i)試料(および場合によって、参照、例えば対照試料)を、PSMA核酸に特異的な剤、例えばプローブもしくはプライマー、またはPSMA結合剤と、該剤およびPSMA核酸、例えばmRNAもしくはcDNAまたはタンパク質の相互作用が生じるのを可能にする条件下で接触させ;そして(ii)該剤、および試料(および場合によって、参照、例えば対照試料)の間の複合体の形成を検出することが含まれる。複合体の形成は、PSMA核酸またはタンパク質の存在の指標となり、そして本明細書に記載する治療の適切性または該治療に対する必要性の指標となることが可能である。例えば、対照試料に比較した、試料中の複合体形成の統計的に有意な変化は、試料中のPSMAの存在の指標となる。1つの態様において、PSMA結合剤は、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片、例えば本明細書に記載するような抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片である。他の態様において、剤は、PSMA核酸に特異的にハイブリダイズする核酸である。
さらに別の側面において、本発明は、in vivoで(例えば被験者においてin vivoイメージングで)PSMAの存在を検出する方法を提供する。該方法を用いて、被験者、例えば哺乳動物、例えば霊長類、例えばヒトの、本明細書に記載する障害、例えば皮膚障害を評価する、例えば該障害を診断するかまたは病期決定することが可能である。該方法には:(i)被験者(および場合によって、参照、例えば対照被験者)に、PSMA結合剤を、該結合剤およびPSMAタンパク質の相互作用が生じるのを可能にする条件下で投与し;そして(ii)PSMA結合剤およびPSMA間の複合体の形成を検出することが含まれ、参照、例えば対照被験者または被験者のベースラインに比較した、被験者における複合体形成の統計的に有意な変化は、PSMA存在の指標となる。
他の態様において、本明細書に記載するような障害、例えば皮膚障害(例えば乾癬)を診断するかまたは病期決定する方法を提供する。該方法には:(i)皮膚障害を有するかまたは該障害を有するリスクがある被験者を同定し;(ii)障害に罹患した組織または細胞の試料を得て;(iii)前記試料または対照試料と、PSMA核酸に特異的な、標識した剤、例えばプローブもしくはプライマー、または標識したPSMA結合剤を、結合剤およびPSMA核酸、例えばcDNA、mRNA、またはPSMAタンパク質の相互作用が生じるのを可能にする条件下で接触させ;そして(iv)複合体の形成を検出することが含まれる。対照試料に比較した、標識した剤間の複合体形成の統計的に有意な増加は、皮膚障害の指標となるかまたは障害の病期の指標となる。
好ましくは、剤、例えばPSMA結合剤、例えば抗PSMA抗体またはその断片は、検出可能な物質で、直接または間接的に標識されていて、結合している結合剤または結合していない結合剤の検出を容易にする。適切な検出可能物質には、多様な生物学的活性酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、常磁性(例えば核磁気共鳴活性)物質、および放射性物質が含まれる。いくつかの態様において、修飾抗PSMA抗体またはその断片を放射性イオン、例えばインジウム(111In)、ヨウ素(131Iまたは125I)、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、イオウ(35S)、炭素(14C)、トリチウム(H)、ロジウム(188Rh)、テクネチウム(99mTc)、プラセオジム、またはリン(32P)とカップリングする。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求項から、より明らかになるであろう。
(発明の詳細な説明)
本発明は、前立腺特異的膜抗原(PSMA)の細胞外ドメインに対する抗体を、単独で、または細胞傷害性部分にコンジュゲート化して被験者に投与すると、乾癬病変の重症度が減少したという発見に、部分的に基づく(実施例1〜2、および図14A〜14B)。ヒト被験者由来の乾癬病変の表皮上、過剰増殖する基底角化細胞および基底層のすぐ上の角化細胞、真皮内皮細胞と共に、血管細胞上に、PSMAタンパク質の発現が検出された(実施例3、並びに図1および図15)。染色の強度は、より分化した細胞に比較して、より分化していない細胞により多く局在しているようである。PSMA結合剤を用いて、in vitroまたはin vivoで、PSMA発現細胞を処理する、例えば除去するかまたは殺す方法が本発明に含まれる。したがって、1つの側面において、本発明は、PSMAに特異的な結合剤、例えば抗体またはその抗原結合断片を用いて、皮膚障害、例えば表皮障害または真皮障害を治療するかまたは防止するための方法および組成物を提供する。
本発明をより容易に理解可能にするため、まず特定の用語を定義する。詳細な説明を通じて、さらなる定義を示す。
本明細書において、「PSMA」または「前立腺特異的膜抗原」タンパク質は、哺乳動物PSMA、好ましくはヒトPSMAタンパク質を指す。ヒトPSMAには、その内容が本明細書に援用される、Israeliら (1993) Cancer Res. 53:227−230;Suら (1995) Cancer Res. 55:1441−1443;US 5,538,866、US 5,935,818、およびWO 97/35616に開示されるPSMA cDNAの2つの選択的スプライシングmRNA変異体(それぞれ約2,653ヌクレオチドおよび約2,387ヌクレオチドを含有する)にコードされる2つのタンパク質産物、PSMAおよびPSM’が含まれる。PSMAの長い転写物は、トランスフェリン受容体と配列同一性を有し、そしてNAALADアーゼ活性を有する、II型膜貫通受容体として性質決定される、約100〜120kDa分子量のタンパク質産物をコードする(Carterら (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:749−753)。したがって、用語「ヒトPSMA」は、Israeliら (1993) Cancer Res. 53:227−230;Suら (1995) Cancer Res. 55:1441−1443;US 5,538,866、US 5,935,818、およびWO 97/35616に示されるようなアミノ酸配列を有するかまたは該アミノ酸配列に相同である(例えば少なくとも約85%、90%、95%同一である)か;あるいは(a)天然存在(自然発生)ヒトPSMA核酸配列(例えばIsraeliら (1993) Cancer Res. 53:227−230またはUS 5,538,866);(b)天然存在ヒトPSMA配列に縮重した核酸配列;(c)天然存在ヒトPSMA核酸配列に相同な(例えば少なくとも約85%、90%、95%同一の)核酸配列;または(d)ストリンジェントな条件下、例えば非常にストリンジェントな条件下で、前述の核酸配列の1つにハイブリダイズする核酸配列にコードされる、少なくとも2つのタンパク質産物、ヒトPSMAおよびPSM’を指す。
「PSMA結合剤」は、PSMA、好ましくはヒトPSMAと相互作用する(例えば結合する)剤である。好ましくは、PSMA結合剤は、PSMAの細胞外ドメイン、例えばヒトPSMAのほぼアミノ酸44〜750(アミノ酸残基は、US 5,538,866に開示されるヒトPSMA配列に対応する)に位置するヒトPSMAの細胞外ドメインと相互作用し、例えば結合する。好ましくは、相互作用、例えば結合は、高い親和性、例えば少なくとも10−1、好ましくは10−1〜1010−1の間、または約10−1の親和性定数、および特異性で生じる。好ましくは、PSMA結合剤は、細胞、例えばPSMA発現細胞(例えば皮膚細胞、例えば真皮細胞または表皮細胞)を処理し、例えば除去するかまたは殺す。PSMA結合剤が細胞を処理する、例えば除去するかまたは殺す機構は、本発明の実施に重要でない。1つの態様において、PSMA結合剤は、該細胞および/または該細胞に近接する血管内皮細胞において発現されるPSMAに結合し、そしてPSMAと共に内部移行することが可能である。これらの態様において、結合剤を用いて、第二の部分、例えば細胞傷害性剤を該細胞にターゲッティングすることが可能である。他の態様において、PSMA結合剤は、PSMAの細胞外ドメインへの結合に際して、該細胞および/または該細胞に近接する血管細胞の、宿主が仲介する殺傷、例えば補体またはADCCが仲介する殺傷を仲介可能である。該細胞は、PSMA結合剤が該細胞(例えば真皮細胞または表皮細胞)または該細胞に近接する血管内皮細胞に直接結合することによって、該結合剤に直接殺されることが可能である。あるいは、PSMA結合剤は、近接する細胞への血流が減少し、それによって該細胞が殺されるかまたは除去されるように、PSMA結合剤が結合する血管内皮細胞を処理して、例えば殺すかまたは除去して、あるいは別の方式で、該血管内皮細胞の特性を変化させることが可能である。PSMA結合剤の例には、抗PSMA抗体(例えば単一特異性抗体、モノクローナル(例えばヒトまたはげっ歯類)抗体、組換え抗体または修飾抗体、例えばキメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体、脱免疫抗体、in vitro生成抗体;小分子またはペプチド擬似体(peptidomimetics)が含まれる。
「抗PSMA抗体」は、PSMA、好ましくはヒトPSMAタンパク質と相互作用する(例えば結合する)抗体である。好ましくは、抗PSMA抗体は、PSMAの細胞外ドメイン、例えばヒトPSMAのほぼアミノ酸44〜750(アミノ酸残基は、US 5,538,866に開示されるヒトPSMA配列に対応する)に位置するヒトPSMAの細胞外ドメインと相互作用し、例えば結合する。1つの態様において、抗PSMA抗体は、本明細書に記載する抗体、例えばJ591、E99、J415、およびJ533のエピトープのすべてまたは一部と結合する。抗PSMA抗体は、ヒトPSMAに対する、本明細書に記載する抗体、例えばJ591、E99、J415、およびJ533の結合を阻害する、例えば競合的に阻害することが可能である。抗PSMA抗体は、エピトープ、例えばコンホメーション性または直鎖エピトープに結合することが可能であり、これらのエピトープは結合されると、本明細書に記載する抗体、J591、E99、J415、およびJ533の結合を妨げる。該エピトープは、J591、E99、J415、またはJ533抗体に認識されるエピトープに対して、空間的にごく近接していることが可能であるし、または機能的に関連することが可能であり、例えば、直鎖配列中で、またはコンホメーション的に重複するエピトープまたは隣接するエピトープであることが可能である。1つの態様において、抗PSMA抗体は、ヒトPSMAのほぼアミノ酸120〜500、好ましくは130〜450、より好ましくは134〜437、または153〜347の領域内に完全にまたは部分的に位置するエピトープに結合する(アミノ酸残基は、US 5,538,866に開示されるヒトPSMA配列に対応する)。好ましくは、該エピトープには、少なくとも1つのグリコシル化部位、例えば少なくとも1つのN連結グリコシル化部位(例えばヒトPSMAのほぼアミノ酸190〜200、好ましくはほぼアミノ酸195に位置するN連結グリコシル化部位)(アミノ酸残基は、US 5,538,866に開示されるヒトPSMA配列に対応する)が含まれる。
好ましい態様において、相互作用、例えば結合は、高い親和性(例えば少なくとも10−1、好ましくは10−1〜1010−1の間、または約10−1の親和性定数)および特異性で生じる。好ましくは、抗PSMA抗体は、細胞、例えばPSMA発現細胞(例えば皮膚細胞、例えば真皮細胞または表皮細胞)を処理し、例えば除去するかまたは殺す。抗PSMA抗体が細胞を処理する、例えば除去するかまたは殺す機構は、本発明の実施に重要でない。1つの態様において、抗PSMA抗体は、該細胞および/または該細胞に近接する血管内皮細胞において発現されるPSMAに結合し、そしてPSMAと共に内部移行することが可能である。これらの態様において、抗PSMA抗体を用いて、第二の部分、例えば細胞傷害性剤または標識剤を該細胞にターゲッティングすることが可能である。他の態様において、抗PSMA抗体は、PSMAの細胞外ドメインへの結合に際して、該細胞および/または該細胞に近接する血管細胞の、宿主が仲介する殺傷、例えば補体またはADCCが仲介する殺傷を仲介可能である。該細胞は、抗PSMA抗体が該細胞または該細胞に近接する血管内皮細胞に直接結合することによって、該抗体に直接殺されることが可能である。あるいは、抗PSMA抗体は、近接する細胞への血流が減少し、それによって該細胞が殺されるかまたは除去されるように、抗PSMA抗体が結合する血管内皮細胞を処理して、例えば殺すかまたは除去して、あるいは別の方式で、該血管内皮細胞の特性を変化させることが可能である。抗PSMA抗体の例には、例えば単一特異性抗体、モノクローナル(例えばヒト)抗体、組換え抗体または修飾抗体、例えばキメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体、脱免疫抗体、およびin vitro生成抗PSMA抗体が含まれる。
本明細書において、用語「処理する」または「処理」は、被験者、例えば患者へのPSMA結合剤の適用または投与、あるいは被験者、例えば患者由来の、患者に戻される、単離組織または細胞への適用または投与と定義される。該結合剤は、単独で、または第二の剤と併用して投与可能である。被験者は、障害(例えば本明細書に記載するような障害)、障害の症状または障害に対する素因を有する患者であることが可能である。治療(treatment)は、障害、障害の症状または障害に対する素因を治癒(cure)、回復(heal)、軽減(alleviate)、免荷(relieve)、改変(alter)、修復(remedy)、改良(ameliorate)、改善(improve)するかまたはこれらに影響を及ぼす(affect)ことでありうる。理論に縛られることを望むのではなく、治療は、in vitroまたはin vivoで、細胞の阻害、除去、または殺傷を引き起こすか、あるいは別の方式で、細胞、例えば異常な細胞が、障害、例えば本明細書に記載するような障害(例えば皮膚障害、例えば乾癬)を仲介する能力を減少させると考えられる。
本明細書において、障害を治療するのに有効なPSMA結合剤、例えば抗PSMA抗体の量、または「療法的有効量」は、被験者への単回用量または多数回用量投与に際して、細胞、例えば皮膚細胞(例えばPSMA発現皮膚細胞、またはそれに近接する血管細胞)を治療するのに有効な、あるいはこうした治療の非存在下で期待されるものを超えて、本明細書に記載するような障害を持つ被験者の治癒、軽減、免荷または改善を延長するのに有効な、該剤の量を指す。本明細書において、病変の「増殖を阻害する」は、その増殖を遅延するか、中断するか、抑止するかまたは停止することを指し、そして必ずしも、増殖または病変の完全な除去を示さない。
本明細書において、障害を防止するのに有効なPSMA結合剤、例えば抗PSMA抗体の量、または該剤の「予防的有効量」は、被験者への単回用量または多数回用量投与に際して、障害、例えば本明細書に記載するような皮膚障害の開始または再発の発生を防止するかまたは遅延させるのに有効な、あるいはその症状を治療するのに有効な、結合剤、例えば抗PSMA抗体、例えば本明細書に記載するような抗PSMA抗体の量を指す。
用語「誘導する」、「阻害する」、「増強する」、「上昇させる」、「増加させる」、「減少させる」または例えば2つの状態間の定量的な相違を示す同様のものは、2つの状態間の相違、例えば統計的に有意な相違を指す。例えば、「PSMAを発現する過剰増殖細胞の増殖を阻害するのに有効な量」は、細胞の増殖率が、未処理細胞とは異なる、例えば統計的に有意に異なるであろうことを意味する。
本明細書において、「特異的結合」は、結合剤、好ましくは抗体が:(1)PSMA、例えばヒトPSMAタンパク質に、少なくとも1x10−1の親和性で結合する特性、および(2)PSMA、例えばヒトPSMAタンパク質に、PSMA以外の非特異的抗原(例えばBSA、カゼイン)に結合する親和性より、少なくとも2倍、50倍、100倍、1000倍、またはそれより高い親和性で優先的に結合する特性を指す。
本明細書において、用語「抗体」は、少なくとも1つ、そして好ましくは2つの重(H)鎖可変部(本明細書においてVHという形に省略する)、および少なくとも1つ、そして好ましくは2つの軽(L)鎖可変部(本明細書においてVLという形に省略する)を含んでなるタンパク質を指す。VH領域およびVL領域は、「フレームワーク領域」(FR)と称される、より保存された領域が点在する、「相補性決定領域」(「CDR」)と称される超可変部にさらに細分することが可能である。フレームワーク領域およびCDRの範囲は正確に定義されている(本明細書に援用される、Kabat, E.A.ら (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242、およびChothia, C.ら (1987) J. Mol. Biol. 196:901−917を参照されたい)。好ましくは、各VHおよびVLは、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で、アミノ末端からカルボキシ末端に配置される、3つのCDRおよび4つのFRで構成される。
抗体のVH鎖またはVL鎖には、重鎖または軽鎖の定常部のすべてまたは一部がさらに含まれることが可能である。1つの態様において、抗体は、2つの重鎖免疫グロブリンおよび2つの軽鎖免疫グロブリンの4量体であり、ここで重鎖および軽鎖の免疫グロブリンは、例えばジスルフィド結合によって、相互連結されている。重鎖定常部は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3で構成される。軽鎖定常部は、1つのドメイン、CLで構成される。重鎖および軽鎖の可変部は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常部は、典型的には、免疫系の多様な細胞(例えばエフェクター細胞)および古典的補体系の第一の構成要素(Clq)を含む、宿主組織または因子への抗体の結合を仲介する。用語「抗体」には、IgA、IgG、IgE、IgD、IgM型(と共にそのサブタイプ)の損なわれていない(intact)免疫グロブリンが含まれ、該免疫グロブリンの軽鎖は、カッパ型またはラムダ型のものであることが可能である。
本明細書において、用語「免疫グロブリン」は、免疫グロブリン遺伝子に実質的にコードされる、1以上のポリペプチドからなるタンパク質を指す。認識されるヒト免疫グロブリン遺伝子には、カッパ、ラムダ、アルファ(IgA1およびIgA2)、ガンマ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、デルタ、イプシロンおよびミュー定常部遺伝子と共に、無数の免疫グロブリン可変部遺伝子が含まれる。全長免疫グロブリン「軽鎖」(約25kDまたは214アミノ酸)は、NH2末端の可変部遺伝子(約110アミノ酸)およびCOOH末端のカッパまたはラムダの定常部遺伝子にコードされる。全長免疫グロブリン「重鎖」(約50kDまたは446アミノ酸)は、同様に、可変部遺伝子(約116アミノ酸)および他の前述の定常部遺伝子の1つ、例えばガンマ(約330アミノ酸をコードする)にコードされる。用語「免疫グロブリン」には:非ヒト供給源由来、例えば非ヒト抗体由来、例えばマウス免疫グロブリンまたは別の非ヒト免疫グロブリン由来、コンセンサス配列由来、あるいはファージディスプレーまたは多様性を生成する他の方法いずれかに生成される配列由来のCDRを有し;そして非ヒトフレームワークより、ヒトにおいて、より抗原性でない、例えば非ヒト免疫グロブリン由来のCDRの場合、該非ヒトCDRを得た非ヒトフレームワークより抗原性でないフレームワークを有する、免疫グロブリンが含まれる。免疫グロブリンのフレームワークは、ヒトフレームワーク、ヒトにおいて抗原性を減少させるよう修飾したヒト化非ヒトフレームワーク、例えばマウスフレームワーク、または合成フレームワーク、例えばコンセンサス配列であることが可能である。これらは、本明細書において、ときに、修飾免疫グロブリンと称される。修飾抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1、2、3または4の修飾免疫グロブリン鎖、例えば少なくとも1または2の修飾免疫グロブリン軽鎖および/または少なくとも1または2の修飾重鎖が含まれる。1つの態様において、修飾抗体は、2つの修飾重鎖免疫グロブリンおよび2つの修飾軽鎖免疫グロブリンの4量体である。
本明細書において、「アイソタイプ」は、重鎖定常部遺伝子にコードされる抗体の種類(例えばIgMまたはIgG1)を指す。
用語、抗体の「抗原結合断片」(または単に「抗体部分」または「断片」)は、本明細書において、PSMA(例えばヒトPSMA)に特異的に結合する抗体部分、例えば1以上の免疫グロブリン鎖が全長でないが、PSMA(例えばヒトPSMAタンパク質)に特異的に結合する分子を指す。用語、抗体の「抗原結合断片」内に含まれる結合断片の例には(i)Fab断片、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)断片、ヒンジ領域でのジスルフィド架橋によって連結される2つのFab断片を含んでなる二価断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一のアームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardら, (1989) Nature 341:544−546);および(vi)特異的に結合するのに十分なフレームワークを有する、単離相補性決定領域(CDR)、例えば可変部の抗原結合部分が含まれる。軽鎖可変部の抗原結合部分および重鎖可変部の抗原結合部分、例えばFv断片の2つのドメイン、VLおよびVHを、組換え法を用いて、単一タンパク質鎖として作成可能にする合成リンカーによって、連結することが可能であり、ここで、VLおよびVH領域は対形成して、一価分子を形成する(一本鎖Fv(scFv)として知られる;例えばBirdら (1988) Science 242:423−426;およびHustonら (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−5883を参照されたい)。こうした一本鎖抗体もまた、用語、抗体の「抗原結合断片」内に含まれると意図される。当業者に知られる慣用的技術を用いて、これらの抗体断片を得て、そして損なわれていない抗体と同一の方式で、有用性に関して、該断片をスクリーニングする。
用語「単一特異性抗体」は、特定の標的、例えばエピトープに単一の結合特異性および親和性を示す抗体を指す。この用語には、「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」が含まれ、これらは、本明細書において、単一の分子組成の抗体またはその断片の調製物を指す。
用語「組換え」抗体は、本明細書において、例えば、宿主細胞にトランスフェクションされた組換え発現ベクターを用いて発現される抗体、組換えコンビナトリアル抗体ライブラリーから単離される抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子に関してトランスジェニックである動物(例えばマウス)から単離される抗体、あるいはヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライシングすることを伴う、他の手段いずれかによって調製されるか、発現されるか、生成されるか、または単離される抗体のような、組換え手段によって、調製されるか、発現されるか、生成されるか、または単離される抗体を指す。こうした組換え抗体には、ヒト化抗体、CDR移植抗体、キメラ抗体、脱免疫抗体、in vitro生成(例えばファージディスプレーによる)抗体が含まれ、そして場合によって、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する定常部が含まれることが可能である。
本明細書において、用語「実質的に同一」(または「実質的に相同」)は、第一および第二のアミノ酸またはヌクレオチド配列が、類似の活性を有するように、第二のアミノ酸またはヌクレオチド配列に対して、十分な数の同一または同等の(例えば類似の側鎖を持つ、例えば保存的アミノ酸置換)アミノ酸残基またはヌクレオチドを含有する、第一のアミノ酸またはヌクレオチド配列を指す。抗体の場合、第二の抗体は、第一の抗体と同一の特異性を有し、そして第一の抗体の少なくとも50%の親和性を有する。
2つの配列間の「相同性」の計算は、以下のように行うことが可能である。最適比較目的で、配列を並列させる(例えば最適並列のため、第一および第二のアミノ酸または核酸配列の一方または両方にギャップを導入可能であり、そして比較目的のため、非相同配列を無視することが可能である)。好ましい態様において、比較目的のために並列される参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、そしてさらにより好ましくは少なくとも70%、80%、90%、100%である。その後、対応するアミノ酸位またはヌクレオチド位でのアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第一の配列の位が、第二の配列において対応する位と同一のアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められている場合、該分子はその位で同一である(本明細書において、アミノ酸または核酸「同一性」は、アミノ酸または核酸「相同性」と同等である)。2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適な並列のために導入する必要がある、ギャップの数および各ギャップの長さを考慮した、配列によって共有される同一の位の数の関数である。
配列の比較および2つの配列間の相同性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを用いて達成可能である。好ましい態様において、2つのアミノ酸配列間の相同性パーセントは、Blossum62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれか、並びに16、14、12、10、8、6、または4のギャップ荷重および1、2、3、4、5、または6の長さ荷重を用いて、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムに取り込まれている、NeedlemanおよびWunsch (1970), J. Mol. Biol. 48:444−453のアルゴリズムを用いて決定される。さらに別の好ましい態様において、2つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントは、NWSgapdna.CMPマトリックス、並びに40、50、60、70、または80のギャップ荷重、および1、2、3、4、5、または6の長さ加重を用いて、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを用いて決定される。パラメーターの特に好ましい組(および分子が本発明の相同性限界内にあるかどうか決定するのに、どのパラメーターを適用すべきか、実施者がはっきりと知らない場合に使用すべきもの)は、12のギャップペナルティおよび4のギャップ伸長ペナルティ、および5のフレームシフトギャップペナルティを伴うBlossum62スコアリングマトリックスである。
本明細書において、用語「低ストリンジェンシー、中程度のストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、または非常に高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする」は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を記載する。ハイブリダイゼーション反応を行う手引きは、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y.(1989), 6.3.1−6.3.6に見出すことが可能であり、該文献は本明細書に援用される。水性および非水性法がこの参考文献に記載され、そしてどちらも使用可能である。本明細書で称する特異的ハイブリダイゼーション条件は以下のとおりである:1)約45℃の6x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中、その後、少なくとも50℃の0.2xSSC、0.1%SDS中の2回の洗浄(洗浄温度は、低ストリンジェンシー条件では、55℃に増加させることが可能である)の低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件;2)約45℃の6xSSC中、その後、60℃の0.2xSSC、0.1%SDS中の1回以上の洗浄の中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件;3)約45℃の6xSSC中、その後、65℃の0.2xSSC、0.1%SDS中の1回以上の洗浄の高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件;および好ましくは4)非常に高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、約65℃の0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDS、その後、65℃の0.2xSSC、1%SDS中の1回以上の洗浄である。非常に高いストリンジェンシーの条件(4)が好ましい条件であり、そして別に明記されない限り、使用すべき条件である。
本発明の結合剤ポリペプチドが、ポリペプチド機能に実質的な影響を持たない、さらなる保存的アミノ酸置換または非本質的アミノ酸置換を有することが可能であると理解される。特定の置換が許容されうるかどうか、すなわち結合活性などの望ましい生物学的特性に不都合に影響を及ぼさないかどうかは、Bowie, JUら (1990) Science 247:1306−1310に記載されるように決定可能である。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基と交換されるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当該技術分野において定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えばリジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖を有するアミノ酸(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。
「非本質的」アミノ酸残基は、生物学的活性を無効にすることなく、またはより好ましくは該活性を実質的に改変することなく、結合剤、例えば抗体の野生型配列から改変可能な残基であり、一方、「本質的」アミノ酸残基は、このような変化を生じる。
抗PSMA抗体
多くの種類の抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片が本発明の方法で有用である。抗体は、IgG(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA1、IgA2、IgD、またはIgEを含む、多様なアイソタイプであることが可能である。好ましくは、抗体は、IgGアイソタイプである。抗体分子は全長であることが可能である(例えばIgG1またはIgG4抗体)し、または抗原結合断片のみを含むことが可能である(例えばFab、F(ab’)、Fvまたは一本鎖Fv断片)。これらには、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫抗体と共に、前述のものの抗原結合断片が含まれる。
以下により詳細に記載するように、当該技術分野に認識される方法を用いて、あらかじめ決定した抗原に対する抗体(好ましくは、異なる生物、例えばげっ歯類、ヒツジ、ヒト由来のモノクローナル抗体)を産生可能である。ひとたび抗体を得たら、可変部を配列決定することが可能である。CDRおよびフレームワーク残基の位置を決定することが可能である(本明細書に援用される、Kabat, E.A.ら (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242、およびChothia, C.ら (1987) J. Mol. Biol. 196:901−917を参照されたい)。軽鎖および重鎖の可変部は、場合によって、対応する定常部に連結することが可能である。軽鎖および重鎖の免疫グロブリンを生成し、そして適切な宿主細胞で同時発現させることが可能である。
モノクローナル抗PSMA抗体を本発明の方法で使用することが可能である。好ましくは、モノクローナル抗体は、PSMAの細胞外ドメイン(すなわち細胞外に位置するPSMAエピトープ)に結合する。ヒトPSMAに対する好ましいネズミモノクローナル抗体の例には、限定されるわけではないが、それぞれ、ATCC寄託番号HB−12101、HB−12109、HB−12127、およびHB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される、E99、J415、J533およびJ591が含まれ、これらはすべてUS 6,107,090およびUS 6,136,311に開示され、該特許の内容は、明確に本明細書に援用される。最も好ましくは、ネズミモノクローナル抗体は、HB−12126に産生されるJ591である。
PSMAに対するさらなるモノクローナル抗体は、当該技術分野に知られる技術を用いて生成可能である。モノクローナル抗体は、慣用的なモノクローナル抗体方法論、例えばKohlerおよびMilstein, Nature 256:495 (1975)の標準的体細胞ハイブリダイゼーション技術を含む、多様な技術によって、産生可能である。一般的には、Harlow, E.およびLane, D. (1988) Antibodies:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバーを参照されたい。原則として、体細胞ハイブリダイゼーション法が好ましいが、モノクローナル抗体を産生するための他の技術、例えばBリンパ球のウイルス性形質転換または発癌性トランスフォーメーションを使用可能である。ハイブリドーマを調製するのに好ましい動物系は、ネズミの系である。マウスにおけるハイブリドーマ産生は、よく確立された方法である。免疫プロトコル、および融合のため免疫脾臓細胞を単離する技術が当該技術分野に知られる。融合パートナー(例えばネズミ骨髄腫細胞)および融合法もまた知られる。
本発明の目的のために有用な免疫原には、PSMA(例えばヒトPSMA)を所持する細胞(例えば乾癬被験者由来の真皮細胞または表皮細胞、あるいは前立腺腫瘍細胞株、例えばLNCap細胞);単離または精製PSMA、例えばヒトPSMAタンパク質、例えば生化学的に単離したPSMA、またはその一部、例えばPSMAの細胞外ドメインが含まれる。PSMAに対する抗体を生成する技術がUS 6,107,090、US 6,136,311に記載され、該特許すべての内容は、明確に本明細書に援用される。
ヒトタンパク質に対して向けられるヒトモノクローナル抗体(mAb)は、マウス系でなくヒト免疫グロブリン遺伝子を持つトランスジェニックマウスを用いて生成可能である。目的の抗原で免疫した、これらのトランスジェニックマウス由来の脾臓細胞を用いて、ヒトタンパク質由来のエピトープに特異的親和性を持つヒトmAbを分泌するハイブリドーマを産生する(例えばWoodら、国際特許出願WO 91/00906、Kucherlapatiら、PCT公告WO 91/10741;Lonbergら、国際特許出願WO 92/03918;Kayら、国際特許出願92/03917;Lonberg, N.ら 1994 Nature 368:856−859;Green, L.L.ら 1994 Nature Genet. 7:13−21;Morrison, S.L.ら 1994 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851−6855;Bruggemanら 1993 Year Immunol 7:33−40;Tuaillonら 1993 PNAS 90:3720−3724;Bruggemanら 1991 Eur J Immunol 21:1323−1326を参照されたい)。
本発明で有用な抗PSMA抗体またはその断片はまた、望ましい抗体の免疫グロブリン軽鎖および重鎖をコードするDNAで形質転換した宿主細胞に産生される組換え抗体であることも可能である。組換え抗体は、既知の遺伝子操作技術によって産生可能である。例えば、組換え抗体は、本発明が有用な抗体を産生するハイブリドーマ細胞由来の望ましい抗体の免疫グロブリン軽鎖および重鎖をコードするヌクレオチド配列、例えばcDNAまたはゲノムDNA配列をクローニングすることによって、産生可能である。その後、両方の遺伝子が、それ自体の転写および翻訳発現調節配列に、機能可能であるように連結されるように、これらのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現ベクターに挿入する。発現ベクターおよび発現調節配列は、用いる発現宿主細胞に適合するように選択する。典型的には、両方の遺伝子を同一発現ベクターに挿入する。原核または真核宿主細胞が使用可能である。
真核細胞は、原核細胞より、適切にフォールディングされ、そして免疫学的に活性である抗体を組み立て、そして分泌する可能性がより高いため、真核宿主細胞における発現が好ましい。しかし、不適切なフォールディングのために不活性である産生抗体はいずれも、周知の方法(KimおよびBaldwin, “Specific Intermediates in the Folding Reactions of Small Proteins and the Mechanism of Protein Folding”, Ann. Rev. Biochem. 51, pp.459−89(1982))にしたがって再生可能である可能性がある。本発明によればやはり抗体相同体である、軽鎖二量体または重鎖二量体などの、損なわれていない抗体の一部を、宿主細胞が産生することが可能である。
上記方法に対する変動が本発明で有用であることが理解されるであろう。例えば、抗体の軽鎖または重鎖いずれか(しかし両方ではない)をコードするDNAで宿主細胞を形質転換することが望ましい可能性がある。また、組換えDNA技術を用いて、PSMA結合に必要でない、軽鎖および重鎖いずれかまたは両方をコードするDNAのいくつかまたはすべてを除去することも可能であり、例えば特定のアミノ酸を欠失させることによって、定常部を修飾することが可能である。こうした一部切除(truncated)DNA分子から発現される分子が、本発明の方法において有用である。さらに、1つの重鎖および1つの軽鎖が抗PSMA抗体であり、そして他の重鎖および軽鎖が、PSMA以外の抗原、またはPSMAの別のエピトープに特異的である、二官能性抗体を産生可能である。
当該技術分野に知られる組換えDNA技術によって、キメラ免疫グロブリン鎖を含むキメラ抗体を産生可能である。例えば、ネズミ(または他の種)モノクローナル抗体分子のFc定常部をコードする遺伝子を制限酵素で消化して、ネズミFcをコードする領域を除去して、そしてヒトFc定常部をコードする遺伝子の同等の部分で置換する(Robinsonら、国際特許出願PCT/US86/02269;Akiraら、欧州特許出願184,187;Taniguchi, M.、欧州特許出願171,496;Morrisonら、欧州特許出願173,494;Neubergerら、国際特許出願WO 86/01533;Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許出願125,023;Betterら(1988 Science 240:1041−1043);Liuら(1987) PNAS 84:3439−3443;Liuら, 1987, J. Immunol. 139:3521−3526;Sunら (1987) PNAS 84:214−218;Nishimuraら, 1987, Canc. Res. 47:999−1005;Woodら (1985) Nature 314:446−449;およびShawら, 1988, J. Natl Cancer Inst. 80:1553−1559を参照されたい)。
当該技術分野に知られる方法によって、抗体または免疫グロブリン鎖をヒト化することが可能である。ひとたびネズミ抗体を得たら、可変部を配列決定することが可能である。CDRおよびフレームワーク残基の位置を決定することが可能である(本明細書に援用される、Kabat, E.A.ら (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242、およびChothia, C.ら (1987) J. Mol. Biol. 196:901−917を参照されたい)。軽鎖および重鎖の可変部は、場合によって、対応する定常部に連結することが可能である。
当該技術分野に認識される技術を用いて、ネズミ抗PSMA抗体を配列決定することが可能である。例えば、10%ウシ胎児血清を補ったRPMI1640培地中で、培養中、ネズミ抗体J533、J415およびE99を発現するハイブリドーマを増殖させた。分泌される抗体のアイソタイプは、それぞれ、IgG1κ、IgG1κ、およびIgG3κと確認された。これらのモノクローナル抗体は、J591同様、前立腺特異的膜抗原の外部ドメインに結合する。J591、J533およびE99は、同一エピトープを認識し、一方、J415は独立のエピトープを認識する。10ハイブリドーマ細胞から、各モノクローナル抗体の総RNAを調製した。逆転写酵素、並びにマウスκ定常部プライマーおよびマウスIgG定常部プライマーを用いて、VおよびV cDNAを調製した。多様なマウスシグナル配列プライマー(Vでは6、そしてVでは7)を用いたPCRによって、第一鎖cDNAを増幅した。増幅DNAをゲル精製し、そしてベクターpT7Blueにクローニングした。PCRによって、正しい挿入物に関して、得たVおよびVクローンをスクリーニングし、そしてジデオキシ鎖終結法によって、選択したクローンのDNA配列を決定した(表1を参照されたい)。
J415に由来する重鎖および軽鎖の可変部のDNAおよびアミノ酸配列を得て、そして図8B(V)および9B(V)に示す(表1も参照されたい)。CDRの位置を示す。J415 Vは、マウス重鎖サブグループIIIC(Kabat EAら、前記)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したJ415 Vの配列を図8Cに示す。J415 Vは、マウス・カッパ鎖サブグループI(Kabat EAら、前記)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したJ415 Vの配列を図9Cに示す。
J533の重鎖および軽鎖の可変部をコードするDNAおよびアミノ酸配列を得て、そして図10A(V)および11A(V)に示す(表1もまた参照されたい)。CDRの位置を各図に示す。J533 Vは、マウス重鎖サブグループIIA(Kabat EAら, Sequences of proteins of Immunological Interest, US Department of Health and Human Services, 1991)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したJ533 Vの配列を図10Bに示す。J533 Vは、マウス・カッパ鎖サブグループIII(Kabat EAら、前記)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したJ533 Vの配列を図11Bに示す。
E99の重鎖および軽鎖の可変部のDNAおよびアミノ酸配列を得て、そして図12A(V)および13A(V)に示す(表1もまた参照されたい)。CDRの位置を示す。E99 Vは、マウス重鎖サブグループIB(Kabat EAら、前記)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したE99 Vの配列を図12Bに示す。E99 Vは、マウス・カッパ鎖サブグループI(Kabat EAら、前記)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したE99 Vの配列を図13Bに示す。
抗体J415、deJ415、J591、deJ591、J533およびE99の可変部をコードするアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を、以下の表1に提供する。
表1:抗体可変鎖配列
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ヒト化抗体分子またはCDR移植抗体分子または免疫グロブリンは、CDR移植またはCDR置換によって産生可能であり、ここで、免疫グロブリン鎖の1、2、またはすべてのCDRを交換可能である。例えば、そのすべての内容が明確に本明細書に援用される、米国特許5,225,539;Jonesら 1986 Nature 321:552−525;Verhoeyanら 1988 Science 239:1534;Beidlerら 1988 J. Immunol. 141:4053−4060;Winter、US 5,225,539を参照されたい。
Winterは、本発明のヒト化抗体を調製するのに使用可能なCDR移植法を記載しており(UK特許出願GB 2188638A、1987年3月26日出願;Winter、US 5,225,539)、この内容は、明確に本明細書に援用される。特定のヒト抗体のCDRすべてを、非ヒトCDRの少なくとも一部と交換することが可能であるし、またはCDRのいくつかのみを、非ヒトCDRと交換することが可能である。あらかじめ決定した抗原に対するヒト化抗体の結合に必要な数のCDRを交換する必要があるのみである。
抗原結合に直接関与しないFv可変部の配列を、ヒトFv可変部由来の同等の配列と交換することによって、ヒト化抗体を生成可能である。ヒト化抗体を生成するための一般的な方法が、Morrison, S.L., 1985, Science 229:1202−1207、Oiら, 1986, BioTechniques 4:214、並びにQueenら、US 5,585,089、US 5,693,761およびUS 5,693,762に提供され、これらのすべての内容が本明細書に援用される。これらの方法には、重鎖または軽鎖の少なくとも1つから、免疫グロブリンFv可変部のすべてまたは一部をコードする核酸配列を単離し、操作し、そして発現することが含まれる。こうした核酸の供給源は、当業者に周知であり、そして例えば、上述のように、あらかじめ決定した標的に対する抗体を産生するハイブリドーマから得ることが可能である。その後、ヒト化抗体またはその断片をコードする組換えDNAを、適切な発現ベクターにクローニングすることが可能である。
また、本発明の範囲内には、特定のアミノ酸が置換されるか、欠失されるか、または付加されているヒト化抗体がある。特に、好ましいヒト化抗体は、抗原への結合を改善するような、フレームワーク領域におけるアミノ酸置換を有する。例えば、ヒト化免疫グロブリン鎖の、選択される少数のアクセプターフレームワーク残基を、対応するドナーアミノ酸と交換することが可能である。置換の好ましい位置には、CDRに隣接するかまたはCDRと相互作用可能なアミノ酸残基が含まれる(例えばUS 5,585,089を参照されたい)。ドナーからアミノ酸を選択する規準が、US 5,585,089、例えばUS 5,585,089の12〜16欄に記載され、この内容は本明細書に援用される。アクセプターフレームワークは、成熟ヒト抗体フレームワーク配列またはコンセンサス配列であることが可能である。本明細書において、用語「コンセンサス配列」は、関連配列ファミリーにおいて、最も頻繁に存在するアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えばWinnaker, From Genes to Clones(Verlagsgesellschaft, ドイツ・ワインハイム 1987)を参照されたい)。タンパク質ファミリーにおいて、コンセンサス配列中の各位は、ファミリーにおいて、その位に最も頻繁に存在するアミノ酸によって占められる。2つのアミノ酸が、同等に頻繁に存在する場合、どちらがコンセンサス配列に含まれることも可能である。「コンセンサス・フレームワーク」は、コンセンサス免疫グロブリン配列におけるフレームワーク領域を指す。
抗体を含む、免疫グロブリン鎖をヒト化する他の技術が、Padlanら EP 519596 A1、1992年12月23日公開に記載される。
抗PSMA抗体、またはその抗原断片はまた、その内容が特に本明細書に援用される、WO 98/52976およびWO 00/34317に開示される方法によって、ヒトT細胞エピトープの特異的欠失または「脱免疫化」によっても修飾可能である。簡潔には、抗PSMA抗体のネズミ重鎖および軽鎖の可変部を、MHCクラスIIに結合するペプチドに関して解析可能であり;これらのペプチドは、潜在的なT細胞エピトープに相当する(WO 98/52976およびWO 00/34317に定義されるとおり)。潜在的なT細胞エピトープを検出するため、「ペプチドスレッディング」と称されるコンピュータモデリングアプローチが適用可能であり、そしてさらに、WO 98/52976およびWO 00/34317に記載されるように、ネズミVおよびV配列に存在するモチーフに関して、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベースを検索することが可能である。これらのモチーフは、18の主要なMHCクラスII DRアロタイプのいずれかに結合し、そしてしたがって、潜在的なT細胞エピトープを構成する。検出される潜在的なT細胞エピトープは、可変部において、少数のアミノ酸残基を置換することによって、または好ましくは単一アミノ酸置換によって、除去可能である。ありうる保存的置換を作成する限り、排他的にではないが、しばしば、ヒト生殖系列抗体配列中のこの位に一般的なアミノ酸を使用することが可能である。ヒト生殖系列配列は、Tomlinson, I.A.ら (1992) J. Mol. Biol. 227:776−798;Cook, G.P.ら (1995) Immunol. Today Vol.16(5):237−242;Chothia, D.ら (1992) J. Mol. Bio. 227:799−817に開示される。V BASEディレクトリは、ヒト免疫グロブリン可変部配列の包括的なディレクトリを提供する(Tomlinson, I.A.ら MRC Centre for Protein Engineering, 英国ケンブリッジによって編集)。ネズミのVおよびV遺伝子の突然変異誘発によって、抗PSMA抗体の脱免疫VおよびVを構築した後、突然変異誘発した可変配列を、場合によって、ヒト定常部、例えばヒトIgG1またはκ定常部に融合させることが可能である。
いくつかの場合、潜在的なT細胞エピトープには、抗体機能に重要であることが知られるかまたは重要であると予測される残基が含まれるであろう。例えば、潜在的なT細胞エピトープは、通常、CDRに偏る。さらに、潜在的なT細胞エピトープは、抗体構造および結合に重要なフレームワーク残基に存在することが可能である。これらの潜在的なエピトープを除去する変化は、いくつかの場合、例えば該変化を含む鎖および含まない鎖を作成して、そして試験することによる、さらなる吟味を必要とするであろう。可能な場合、CDRと重複する、潜在的なT細胞エピトープを、CDR外部の置換によって除去した。いくつかの場合、CDR内の改変が唯一のオプションであり、そしてしたがってこの置換を含む変異体および含まない変異体を試験すべきである。他の場合、潜在的なT細胞エピトープを除去するのに必要な置換は、抗体結合に重要である可能性があるフレームワーク内の残基位でのものである。これらの場合、この置換を含む変異体および含まない変異体を試験すべきである。したがって、いくつかの場合、脱免疫重鎖および軽鎖の可変部のいくつかの変異体を設計し、そして最適な脱免疫抗体を同定するため、多様な重鎖/軽鎖の組み合わせを試験した。その後、異なる変異体の結合親和性と、脱免疫の度合い、すなわち可変部に残る潜在的なT細胞エピトープの数を組み合わせて考慮することによって、最終脱免疫抗体を選択することが可能である。
発現のため、適切な宿主細胞、例えばNS0またはCHO細胞に組換え脱免疫抗体をトランスフェクションして、完全な組換え抗体を産生することが可能である。
1つの態様において、ネズミのVおよびV遺伝子の突然変異誘発によって、ネズミJ591領域の脱免疫VおよびVを構築した。ネズミJ591可変部配列を図2A〜2Bに示す。ネズミJ591重鎖および軽鎖の可変部における潜在的なエピトープ(ペプチドスレッディングプログラムを用いて同定)を、それぞれ、図3Aおよび3Bに示す。MHCクラスIIに結合すると予測される13量体ペプチドを下線で示し、CDRは図3Aの残基26〜35、50〜66、および99〜104、並びに図3Bの残基24〜34、50〜56、および89〜97に位置し、そして脱免疫重鎖および軽鎖の可変部において改変された残基はボックスに入れる。可能な場合、アミノ酸置換は、ヒト生殖系列重鎖および軽鎖の可変部に一般的に用いられるものである。ペプチドスレッディングソフトウェアを用いた、in silico解析に加えて、ネズミJ591配列に存在するモチーフに関して、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベースを検索した。
ネズミJ591重鎖可変部の以下の13量体(13量体の最初の直鎖残基番号によって標示)は、MHCクラスIIに結合すると予測され、これらは、2、10、16、30、32、35、43、46、58、62、70、81、84、91、および100であった(図3A)。ネズミJ591重鎖可変部において残基に行う変化の根底にある原理の説明を以下に示す(改変される残基が、Kabat番号付け系に基づいて同定されていることに注目されたい):
5Q(R)Vは、残基2の潜在的なエピトープを除去し;
11,12LV(R)VKは、残基10の潜在的なエピトープを除去し;
12V(R)Kもまた、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう変化し;
16,17TS(R)AT、および19R(R)Kは、残基16の潜在的なエピトープを除去し;
残基30のエピトープはCDR1に渡り、そしてしたがって改変せず;
40,41SH(R)APは、残基32および35の潜在的なエピトープを除去し;
44S(R)Gは、43のエピトープに関する結合スコアを減少させ、この13量体はCDR2に渡り;
残基46、58および62のエピトープはCDR2に渡り、そしてしたがって改変せず;
75,76SS(R)TDは、残基70の潜在的なエピトープを除去し;
82aR(R)S、83T(R)Rは、残基81および84の潜在的なエピトープを除去し;
87S(R)T、この変化は、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう作成され;
残基91のエピトープはCDR3に渡り、そしてしたがって改変せず;そして
108T(R)Lは、残基100の潜在的なエピトープを除去する。
MHCクラスII分子に結合すると予測される、ネズミJ591軽鎖可変部の次の13量体(13量体の最初の直鎖残基番号によって標示)は、1、8、17、27、30、31、35、45、47、56、60、71、73、81、94であった(図3B)。ネズミJ591軽鎖可変部において残基に行う変化の根底にある原理の説明を以下に示す(改変される残基が、Kabat番号付け系に基づいて同定されていることに注目されたい):
3V(R)Qは、残基1の潜在的なエピトープを除去し;
8−11HKFM(R)PSSLは、残基8(13)の潜在的なエピトープを除去し;
20−22SII(R)TLTは、残基17および20の潜在的なエピトープを除去し;
21I(R)Lもまた、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう変化し;
残基27のエピトープはCDR1に渡り、そしてしたがって改変せず;
42Q(R)Pは、残基31のエピトープに関する結合スコアを減少させ;
残基44および47のエピトープはCDR2に渡り、そしてしたがって改変せず;
58V(R)Iは、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう変化し;
60D(R)S、62T(R)Sは、残基56および60のエピトープを除去し;
76−78TNV(R)SSL、80S(R)P、83L(R)Fは、残基71、73、76、および81のエピトープを除去し;
87F(R)YIは、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう変化し;
100A(R)Pおよび103M(R)Kは、残基94のエピトープを除去し;そして
104L(R)Vおよび106L(R)Iは、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう変化する。
脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のアミノ酸およびヌクレオチド配列を、それぞれ、図3A〜3Bおよび5A〜5Bに示す(表1も参照されたい)。
ヒトIgG1またはκ定常部を付加して、そして複合遺伝子をNS0細胞にトランスフェクションして、完全な組換え抗PSMA抗体を産生した。これらの抗体は、元来のネズミ抗体と同程度に効率的にPSMA(LNCap細胞上)に結合し、そしてヒトにおいて、減少した免疫原性を有するか、またはまったく免疫原性を持たない。
脱免疫J415の設計は、脱免疫J591抗体の作成と類似であった。重鎖および軽鎖配列を、HB−12109と称するハイブリドーマからクローニングした。これらの配列を、対照抗体として使用するため、キメラ抗体としてクローニングし、配列決定し、そして発現させた。ネズミV領域配列をペプチドスレッディングに供して、18の異なるヒトMHCクラスIIアロタイプへの結合の解析を通じて、潜在的なT細胞エピトープを同定した。ネズミ配列に関するペプチドスレッディング解析の結果を表2に示す。
表2:ネズミJ415配列における潜在的なT細胞エピトープ
Figure 2005527474
およびVに関して、それぞれ、EまたはNのアミノ酸番号1から、SまたはKのアミノ酸番号107および116と番号付けされる、潜在的なエピトープの第一のアミノ酸。
一次脱免疫VおよびV配列を定義した(J415D1VH1、J415D1VK1)。一次脱免疫配列の生成が、最終脱免疫分子の結合に影響を及ぼす可能性がある、少数のアミノ酸置換を必要とするため、3つの他の変異体VSおよび7つの他のVSを設計した(図6および7を参照されたい)。一次脱免疫VおよびV領域のヌクレオチド配列を、それぞれ、図8Aおよび9Aに示す。J415のネズミおよび脱免疫V領域のアミノ酸配列の比較を、Vに関しては図6に、そしてVに関しては図7に示す。
ネズミJ415重鎖可変部において残基に行ういくつかの変化の根底にある原理の説明を以下に示す(改変される残基が、図6に示す直鎖番号付けにしたがって同定されていることに注目されたい):
20L(R)Iは、残基10および16の潜在的なエピトープを除去し;
87N(R)Sは、残基80および86の潜在的なエピトープを除去し;
94、95GI(R)AVは、残基86の潜在的なエピトープを除去し;そして
112L(R)Vは、残基104の潜在的なエピトープを除去する。
ネズミJ415の残基に対する変化
ネズミJ415軽鎖可変部において残基に行ういくつかの変化の根底にある原理の説明を以下に示す(改変される残基が、図7に示す直鎖番号付けにしたがって同定されていることに注目されたい):
13I Aは、残基5、11および13の潜在的なエピトープを除去し;
15V Aは、残基5、11および13の潜在的なエピトープを除去し;
19V−Mは、残基11、13および17の潜在的なエピトープを除去し;
41E−Tは、残基31の潜在的なエピトープを除去し;
63T−Sは、残基56および60の潜在的なエピトープを除去し;
68A−Gは、残基56および60の潜在的なエピトープを除去し;そして
80T−Aは、残基70、71、73、および76の潜在的なエピトープを除去する。
J415の脱免疫可変部を、重複PCR組換え法によって、構築した。クローニングしたネズミVおよびV遺伝子を、必要な脱免疫配列へのフレームワーク領域の突然変異誘発のためのテンプレートとして用いた。改変しようとする領域を含む、突然変異誘発プライマー対の組を合成した。ベクターVH−PCR1およびVK−PCR1(Riechmannら (1988) Nature 332:323−7)をテンプレートとして用いて、リーダーシグナルペプチド、リーダーイントロンおよびネズミ免疫グロブリンプロモーターを含む5’隣接配列、並びにスプライシング部位およびイントロン配列を含む3’隣接配列を導入した。生じた脱免疫V領域をpUC19にクローニングし、そして各脱免疫VおよびVに関して、全DNA配列が正しいことを確認した。
脱免疫重鎖および軽鎖V領域遺伝子を、HindIII〜BamHI断片としてpUC19から切除し、この断片には、ネズミ重鎖免疫グロブリンプロモーター、リーダーシグナルペプチド、リーダーイントロン、VまたはV配列およびスプライシング部位が含まれる。これらを、それぞれヒトIgG1またはκ定常部、および哺乳動物細胞における選択のためのマーカーを含む発現ベクター、pSVgptおよびpSVhygに移した。発現ベクターにおいて、脱免疫VおよびVに関して、DNA配列が正しいことを確認した。
NS0(動物細胞培養欧州コレクション、英国ポートンから得た、非免疫グロブリン産生マウス骨髄腫(ECACC番号85110505))細胞への発現ベクターpSVgptJ415VHHuIgG1およびpSVhygJ415VKHuCKのトランスフェクションのため、それぞれ、3μgおよび6μgのプラスミドDNAを調製し、そしてその後、トランスフェクション効率を改善するため、Pvu1で直線化した。その後、遠心分離によって採取し、そして0.4cmジーンパルサーキュベットにおいて、0.5mlの非選択ダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)(Life Technologies Inc.)に再懸濁した半集密(semi−confluent)フラスコのNS0細胞と、エタノール沈殿させたDNAを混合した。細胞およびDNAを氷上で5分間冷却した後、170V、960μFのパルスを適用した。キュベットをさらに20分間氷上に戻し、その後、20mlの非選択DMEMを含有する75cmフラスコに移して、24時間回復させた。その後、細胞を採取し、そして選択DMEMに再懸濁し、そして4x96ウェルプレートに、200μl/ウェルで蒔いた。
NS0細胞株を培養し、選択し、そして拡大するため、37℃、5%COおよび10%FBSで、細胞を増殖させる。NS0細胞の日常的な培養用の非選択培地を調製するための培地は、USA起源の10%ウシ胎児血清(Life Technologies、ウシ胎児血清、カタログ番号:16000)、抗生物質/抗真菌剤溶液(Life Technologies、カタログ番号:15240)、ゲンタマイシン(Life Technologies、カタログ番号:15710)、ピルビン酸ナトリウム(Life Technologies、カタログ番号:11360−039)を補ったダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)(Life Technologies、カタログ番号:31965−023)である。抗体産生のため、NS0細胞を飽和まで増殖させる際、キサンチンおよびミコフェノール酸を添加せず、そしてFBSを5%に減少させる。
NS0トランスフェクトーマ(transfectoma)の培養用の選択培地を調製するための培地は、USA起源の10%ウシ胎児血清(Life Technologies、ウシ胎児血清、カタログ番号:16000)、抗生物質/抗真菌剤溶液(Life Technologies、カタログ番号:15240)、ゲンタマイシン(Life Technologies、カタログ番号:15710)、ピルビン酸ナトリウム(Life Technologies、カタログ番号:11360−039)、250μg/mlキサンチン(Sigmaカタログ番号:X−3627、0.5M NaOH中、25mg/mlでストックを作成)、および0.8μg/mlミコフェノール酸(Sigmaカタログ番号:M−3536、100%エタノール中、2.5mg/mlでストックを作成)を補ったダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)(Life Technologies、カタログ番号:31965−023)である。
およそ10日後、gpt遺伝子を発現する細胞コロニーが裸眼で可視であった。その後、ヒトIgG1/κスクリーニングELISAのため、以下のプロトコルを用いて、抗体産生に関してプレートをスクリーニングした。0.7より高い、高ODを持つウェルから、6つの単一のコロニーを選別して、24ウェル細胞培養プレートに移した。5〜6日以内に、細胞を、25cmフラスコに拡大した。24ウェルおよび25cmフラスコ中の飽和培養から、ヒトIgG1/κ ELISAのための以下のプロトコルを用いて、選択したクローンの抗体産生性をアッセイした。
プロトコルの詳細は以下のとおりである。ELISAプレート(Dynatech Immulon 2)を、炭酸塩/炭酸水素塩コーティング緩衝液pH9.6(Sigmaカタログ番号:C−3041)中、1:1000に希釈したヒツジαヒトκ抗体(The Binding Siteカタログ番号:AU015)を用いて、ウェルあたり100μlでコーティングする。コーティングしたプレートを4℃で一晩または37℃で1時間インキュベーションする。その後、プレートをPBST(0.05%Tween20を含むPBS)で3回洗浄する。ウェルあたり100μl、24ウェルプレートから25μl+75μlのPBSTで、96ウェルプレートに試料を添加する。ブランクウェルをPBSTのみで処理する。反応混合物を室温で1時間インキュベーションする。その後、プレートをPBST(0.05%Tween20を含むPBS)で3回洗浄する。二次抗体、ペルオキシダーゼをコンジュゲート化したヒツジαヒトIgGγ鎖特異的抗体(The Binding Siteカタログ番号:APO04)を、PBST中1:1000の比で、ウェルあたり100μl、添加する。混合物を室温で1時間インキュベーションする。その後、混合物をPBST(0.05%Tween20を含むPBS)で3回洗浄する。
基質を作成するため、5mlの10xペルオキシダーゼ緩衝液(Sigmaリン酸クエン酸緩衝液錠剤pH5.0、P−4809を用いて、10xペルオキシダーゼ緩衝液を作成する)を加えた45mlのHOに、OPD(o−フェニレンジアミン)(Sigmaカタログ番号:P−7288)の錠剤を1つ(20mg)溶解し、使用直前に10μlの30%(w/w)過酸化水素(Sigmaカタログ番号:H1109)を添加する。その後、ウェルあたり100μlの基質を添加し、そして室温で5分間または必要に応じてインキュベーションする。発色したら、25μlの12.5%HSOを添加することによって反応を停止することが可能である。結果を492nmで読み取る。
J415脱免疫抗体の発現および拡大
最高の産生性を持つクローンを、75cmフラスコ中に拡大し、そしてその後、2x175cmフラスコ中に拡大した。175cmフラスコの1つ由来の細胞を用いて、5%FBSを含有する非選択DMEMを含有する4x三重層フラスコ(500cm、Nalge Nunc International)に接種し、他由来の細胞を、以下に詳述するNS0細胞を凍結するプロトコルに詳述されるように凍結した。
哺乳動物細胞を凍結保護し、そして液体窒素から細胞を復活させるため、以下の材料:ウシ胎児血清(Life Technologiesカタログ番号:16000)、DMSO(Sigmaカタログ番号:D4540)、2ml凍結試験管(NuncまたはGreiner)、および壁の厚みが1〜2cmのポリスチレンボックスが必要である。簡潔には、活発に増殖している細胞を遠心分離(1000rpm、5分間)によって採取し、そして10%DMSO/90%FBS中、約10細胞/mlで再懸濁する。おおまかな指針として、半集密まで増殖させた細胞を、75cmフラスコの場合は1mlに、または175cmフラスコの場合は2.5mlに再懸濁すべきである。必要な数の試験管を氷上で冷却し、そして標識する。1mlの部分を標識凍結試験管にアリコートする。凍結試験管を−70℃で、少なくとも4時間、または一晩、ポリスチレンボックスに入れておく。バイアルをケーン(cane)に移し、そして液体窒素中に入れる。保管記録は、キャニスターインデックスおよび中央細胞株インデックス系両方で行うべきである。
液体窒素から細胞を融解するため、液体窒素からバイアルを取り出し、そして水浴中で内容物を回転させながら、37℃でインキュベーションすることによって、迅速に融解する。バイアルの外側を70%メタノール変性アルコール(methylated spirits)で清浄化する。懸濁物を一般的な容器に移す。細胞株を増殖させるのに使用しようとする培地を10ml、滴加し、回転させて混合する。遠心分離(1000rpm、5分間)によって細胞を採取する。上清を廃棄する。細胞を20ml増殖培地に再懸濁し、そして75cmフラスコに移す。生存度が低いと推測される場合、増殖培地に、20%まで過剰な血清を添加することが可能であり、5mlのみを用いて、そして25cmフラスコに移す。
10〜14日後、500ml〜1リットルの静置飽和培養を採取した。抗体精製のための以下のプロトコルを用いて、ProSepA(Millipore Ltd.)アフィニティークロマトグラフィーによって、抗体を精製した。ろ過によって精製抗体調製物を滅菌し、そして4℃で保管した。
抗体精製プロトコルは以下のとおりである:抗体を産生するNS0トランスフェクトーマ細胞株を、Nunc三重層フラスコにおいて、DMEM 5%FCS中、フラスコあたり250ml(総体積1l)で、10〜14日間、飽和近くまで増殖させる。馴化培地を収集し、そしてベンチ遠心分離装置5minsで、3000rpmで5分間回転させて、細胞を除去する。その後、1/10体積の1M Tris−HCl pH8(Sigmaカタログ番号:T3038)を細胞上清に添加して、これを0.1M Tris−HCl pH8にする。0.5〜1mlのProsep A(Milliporeカタログ番号:113 111824)を添加し、そして室温で一晩攪拌する。3000rpmで5分間回転させることによって、Prosep Aを収集し、その後、Biorad Poly−Prepカラム(カタログ番号:73 1−1550)に充填する。カラムを10mlPBSで洗浄し、その後、0.1MグリシンpH3.0で1ml分画に溶出する。100μlの1M Tris−HCl pH8(Sigma、上述のとおり)を含有する試験管に各分画を収集する。各分画の吸光度を280nmで測定する。抗体を含有する分画をプールし、そしてPBSに対して、室温で一晩透析する。0.2ミクロン・シリンジフィルターを通じたろ過によって、調製物を滅菌し、そして各分画の吸光度を280nmで測定する。ヒトIgGに関するELISAによって、抗体濃度を測定する。
精製抗体は、上述のヒトIgG1/κ ELISAのプロトコルを用いて、定量可能である。
J415脱免疫抗体の試験
上に詳述するようなプロトコルにしたがって、LNCap膜調製物への結合に関する、ELISAにおいて、J415脱免疫抗体を試験した。ELISAプレートをLNCap膜調製物でコーティングし、そしてリン酸緩衝生理食塩水中の5%BSAを用いてブロッキングした。J415キメラ抗体(それぞれ、ヒト重鎖および軽鎖の定常部に融合させたネズミ重鎖および軽鎖の可変部)および脱免疫抗体の2倍希釈を適用した。検出には、キメラ抗体およびマウス抗体それぞれに関して、西洋ワサビペルオキシダーゼをコンジュゲートしたヤギ抗ヒトIgGおよびロバ抗マウスを用いた。o−フェニレンジアミン基質を用いて発色させた。
脱免疫J415軽鎖バージョン5(「J415DIVK5」とも称される)と組み合わせた脱免疫J415重鎖バージョン4(「J415DIVH4」とも称される)で構成される抗体は、キメラ抗体に比較した際、LNCap細胞に同等の結合を示す。また、DIVK5を重鎖バージョン1および2(それぞれ「J415DIVH1」および「J415DIVH2」とも称される)と組み合わせた際、LNCap細胞への結合は、組織培養上清を解析した際、キメラ抗体のものと同等である。これらのデータは、精製抗体で確認可能である。軽鎖1、2、3をJ415重鎖バージョン1、2、3、および4のいずれかと組み合わせた際、抗体はまったく産生されなかった。脱免疫J415軽鎖バーション1、2、および3(それぞれ「J415DIVK1」、「J415DIVK2」、および「J415DIVK3」)は、構造的グラウンド上で、不全である可能性がある。より高い親和性および減少した免疫原性のための最適な鎖の組み合わせは、DIVH4/DIVK5である。
脱免疫軽鎖バージョン5と組み合わせた脱免疫重鎖バージョン4で構成される抗体は、キメラ抗体に比較して、LNCapに対して同等の結合を示した。また、DIVK5を重鎖バージョン1および2と組み合わせた際、LNCap細胞への結合は、精製抗体を解析した際、キメラ抗体のものより2倍低い。
いくつかの態様において、抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン(または好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの重鎖免疫グロブリン)が含まれる。好ましくは、各免疫グロブリンには、それぞれ、非ヒト抗PSMA軽鎖または重鎖の可変部由来のCDRに実質的に同一の、少なくとも1つ、2つ、そして好ましくは3つのCDRを有する、軽鎖または重鎖の可変部が含まれる。例えば、抗体またはその抗原結合断片は:ネズミJ591の重鎖可変部(図2Aに示す配列番号1、2、および3を参照されたい);ネズミJ591の軽鎖可変部(図2Bに示す配列番号4、5、および6を参照されたい);ネズミJ415の重鎖可変部(図6に示す配列番号29、30、および31を参照されたい);ネズミJ415の軽鎖可変部(図7に示す配列番号32、33、および34を参照されたい);ネズミJ533の重鎖可変部(図10Aに示す配列番号93、94、および95を参照されたい);ネズミJ533の軽鎖可変部(図11Aに示す配列番号96、97、および98を参照されたい);ネズミE99の重鎖可変部(図12Aに示す配列番号99、100、および101を参照されたい);またはネズミE99の軽鎖可変部(図13Aに示す配列番号102、103、および104を参照されたい)に由来する、少なくとも1つ、2つ、そして好ましくは3つのCDRを有することが可能である。他の態様において、修飾抗体またはその抗原結合断片は、ATCC寄託番号HB−12126を有する細胞株に産生される抗体、またATCC寄託番号PTA−3709を有する細胞株に産生される脱免疫J591抗体の軽鎖または重鎖の可変部由来の、少なくとも1つ、2つ、そして好ましくは3つのCDRを有することが可能である。他の態様において、修飾抗体またはその抗原結合断片は、ATCC寄託番号HB−12109を有する細胞株に産生される抗体、またはATCC寄託番号PTA−4174を有する細胞株に産生される脱免疫J415抗体の軽鎖または重鎖の可変部由来の、少なくとも1つ、2つ、そして好ましくは3つのCDRを有することが可能である。さらに他の態様において、修飾抗体またはその抗原結合断片は、ATCC寄託番号HB−12127を有する細胞株に産生される抗体、またはATCC寄託番号HB−12101を有する細胞株に産生される抗体の軽鎖または重鎖の可変部由来の、少なくとも1つ、2つ、そして好ましくは3つのCDRを有することが可能である。
1つの好ましい態様において、修飾抗体またはその抗原結合断片には、同一の非ヒト抗PSMA抗体、例えばネズミJ591、J415、J533またはE99抗体由来の6つのCDRすべてが含まれる。いくつかの態様において、CDRは、配列番号1、2、3、4、5および6(ネズミJ591重鎖および軽鎖のCDRに対応する)のアミノ酸配列、ATCC寄託番号HB−12126を有する細胞株に産生される抗体のCDRのアミノ酸配列、またはATCC寄託番号PTA−3709を有する細胞株に産生される脱免疫J591抗体のCDRのアミノ酸配列、あるいはそれと実質的に同一の配列を有する。他の態様において、CDRは、配列番号29、30、31、32、33、および34(ネズミJ415重鎖および軽鎖のCDRに対応する)のアミノ酸配列、ATCC寄託番号HB−12109を有する細胞株に産生される抗体のCDRのアミノ酸配列、またはATCC寄託番号PTA−4174を有する細胞株に産生される脱免疫J415抗体のCDRのアミノ酸配列、あるいはそれと実質的に同一の配列を有する。他の態様において、CDRは、配列番号93、94、95、96、97、および98(ネズミJ533重鎖および軽鎖のCDRに対応する)のアミノ酸配列、ATCC寄託番号HB−12127を有する細胞株に産生される抗体のCDRのアミノ酸配列、またはそれと実質的に同一の配列を有する。さらに他の態様において、CDRは、配列番号99、100、101、102、103、および104(ネズミE99重鎖および軽鎖のCDRに対応する)のアミノ酸配列、ATCC寄託番号HB−12101を有する細胞株に産生される抗体のCDRのアミノ酸配列、またはそれと実質的に同一の配列を有する。
抗体J591、J415,J533およびE99のCDRのアミノ酸配列を以下の表3に提供する。
表3:CDR配列
Figure 2005527474
Figure 2005527474
修飾抗PSMA抗体またはその抗原結合断片の軽鎖または重鎖の免疫グロブリンは、ヒトまたは非ヒト、例えばげっ歯類の抗体に存在する軽鎖または重鎖の可変フレームワーク(例えばネズミJ591、J415、J533またはE99抗体重鎖または軽鎖の可変フレームワーク)に由来する軽鎖または重鎖の可変フレームワーク配列をさらに含むことが可能である。いくつかの態様において、軽鎖または重鎖の可変フレームワークは以下から選択可能である:
i.ヒト軽鎖または重鎖の可変フレームワーク由来の、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、または80アミノ酸残基、例えば成熟ヒト抗体、ヒト生殖系列抗体配列、またはヒトコンセンサス抗体配列由来の軽鎖または重鎖の可変フレームワーク残基を含む、軽鎖または重鎖の可変フレームワーク;
ii.ヒト軽鎖または重鎖の可変フレームワーク由来の、少なくとも5であるが30未満のアミノ酸残基、例えば成熟ヒト抗体、ヒト生殖系列抗体配列、またはヒトコンセンサス抗体配列由来の軽鎖または重鎖の可変フレームワーク残基を含む、軽鎖または重鎖の可変フレームワーク;
iii.非ヒト抗体、例えばネズミ抗体(例えば、配列番号7または8(それぞれ、ネズミJ591の重鎖および軽鎖由来;図2Aおよび2Bを参照されたい)、配列番号35または36(それぞれ、ネズミJ415の重鎖および軽鎖由来;図6および7を参照されたい)、配列番号109または114(それぞれ、ネズミJ533の重鎖および軽鎖由来;図10Aおよび11Aを参照されたい)、あるいは配列番号119または124(それぞれ、ネズミE99の重鎖および軽鎖由来;図12Aおよび13Aを参照されたい)に示すフレームワーク・アミノ酸配列を有する抗PSMA抗体)由来の軽鎖または重鎖の可変フレームワーク、あるいは本明細書に記載するネズミ抗体(例えば、ATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される、ネズミJ591、J415、J533、またはE99抗体)のフレームワーク由来の、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、75、またはそれより多いアミノ酸残基を含む、軽鎖または重鎖の可変フレームワーク;
iv.非ヒト抗体、例えばネズミ抗体(例えば、配列番号7または8(それぞれ、ネズミJ591の重鎖および軽鎖由来;図2Aおよび2Bを参照されたい)、配列番号35または36(それぞれ、ネズミJ415の重鎖および軽鎖由来;図6および7を参照されたい)、配列番号109または114(それぞれ、ネズミJ533の重鎖および軽鎖由来;図10Aおよび11Aを参照されたい)、あるいは配列番号119または124(それぞれネズミE99の重鎖および軽鎖由来;図12Aおよび13Aを参照されたい)に示すフレームワーク・アミノ酸配列を有する抗PSMA抗体)の軽鎖または重鎖の可変部のフレームワークの配列、あるいは本明細書に記載するネズミ抗体(例えば、ATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される、ネズミ抗体)のフレームワークと、少なくとも60%、65%、70%、72%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い同一性を有するか、あるいは、少なくとも1、2、5またはそれより多い残基、但し10、20、30または40未満の残基が異なるアミノ酸配列を有する、軽鎖または重鎖の可変フレームワーク;あるいは
v.少なくとも5つのアミノ酸置換を有する、非ヒト、例えばネズミ、例えばJ591またはJ415軽鎖または重鎖の可変部フレームワーク。
いくつかの態様において、非ヒト抗PSMA抗体またはその抗原結合断片の軽鎖可変部は、配列番号13、14、15、および16(脱免疫J591軽鎖FR1〜4に対応する;図3Bを参照されたい)または配列番号41、42、43、および44(脱免疫J415軽鎖(J415DIVK5)FR1〜4に対応する;図7を参照されたい)から選択される、少なくとも1、2、3、そして好ましくは4アミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体由来の、少なくとも1つ、2つ、3つ、そして好ましくは4つの軽鎖フレームワーク領域を有する。他の態様において、非ヒト抗PSMA抗体またはその抗原結合部分の重鎖可変部は、配列番号9、10、11、および12(脱免疫J591重鎖FR1〜4に対応する;図3Aを参照されたい)または配列番号37、38、39、および40(脱免疫J415重鎖(J415DIVH4)FR1〜4に対応する;図6を参照されたい)から選択される、少なくとも1、2、3、そして好ましくは4アミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の、少なくとも1つ、2つ、3つ、そして好ましくは4つの重鎖フレームワーク領域を有する。他の態様において、重鎖または軽鎖のフレームワークは、それぞれ、配列番号17または配列番号18(脱免疫J591フレームワーク配列に対応する;図3A〜3Bを参照されたい)、それぞれ、配列番号45または配列番号46(脱免疫J415フレームワーク配列J415DIVH4およびJ415DIVK5に対応する;図6または7を参照されたい)、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖のフレームワーク配列と、少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%またはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列を有する。さらに他の態様において、重鎖または軽鎖のフレームワークは、それぞれ配列番号17または配列番号18、それぞれ配列番号45または配列番号46のアミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖のフレームワーク配列と、少なくとも1、2、5、またはそれより多い残基、但し10、20、30、または40未満の残基が異なるアミノ酸配列を有する。好ましくは、重鎖または軽鎖のフレームワーク領域には、それぞれ配列番号17または配列番号18、それぞれ配列番号45または配列番号46に示すアミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖のフレームワーク配列が含まれる。
他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖または軽鎖の可変部は、それぞれ、配列番号21または配列番号22(脱免疫J591の重鎖および軽鎖の可変部に対応する;図3A〜3Bを参照されたい)、それぞれ、配列番号49または配列番号50(脱免疫J415の重鎖および軽鎖の可変部、J415DIVH4およびJ415DIVK5に対応する;図6または7を参照されたい)、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖の可変部配列と、少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%またはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列を有する。他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖または軽鎖の可変部は、それぞれ配列番号21または配列番号22、それぞれ配列番号49または配列番号50のアミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖の可変部配列と、少なくとも1、2、5、またはそれより多い残基、但し10、20、30、または40未満の残基が異なるアミノ酸配列を有する。好ましくは、軽鎖または重鎖の可変部には、それぞれ配列番号21または配列番号22、それぞれ配列番号49または配列番号50に示すアミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖の可変部配列が含まれる。
好ましい修飾抗PSMA抗体には、それぞれ、配列番号21および配列番号22(脱免疫J591の重鎖および軽鎖の可変部に対応する;図3A〜3Bを参照されたい)、それぞれ、配列番号49および配列番号50(脱免疫J415の重鎖および軽鎖の可変部、J415DIVH4およびJ415DIVK5に対応する;図6および7を参照されたい)に示すアミノ酸配列を有する、少なくとも1つ、好ましくは2つの軽鎖可変部、および少なくとも1つ、好ましくは2つの重鎖可変部が含まれ、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の、少なくとも1つ、好ましくは2つの修飾軽鎖可変部配列、および少なくとも1つ、好ましくは2つの重鎖可変部配列が含まれる。
他の態様において、抗PSMA抗体の軽鎖または重鎖の可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、ヒト軽鎖または重鎖の可変フレームワーク、例えば成熟ヒト抗体、ヒト生殖系列抗体配列、またはコンセンサス抗体配列由来の軽鎖または重鎖の可変フレームワーク残基由来の、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、16、または17アミノ酸残基が含まれる。
いくつかの態様において、ヒト軽鎖可変フレームワーク由来のアミノ酸残基は、ヒト生殖系列抗体配列の同一の位に見られる残基と同一である。好ましくは、ヒト軽鎖可変フレームワーク由来のアミノ酸残基は、ヒト生殖系列抗体配列の同一の位での最も一般的な残基である。好ましくは、修飾抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基8、9、10、11、20、22、60、63、76、77、78、80、83、87、103、104および106(表4に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択される位で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部(例えばネズミJ591軽鎖可変部)のフレームワークと異なるか、またはヒト軽鎖可変フレームワーク(例えばヒト生殖系列、成熟、またはコンセンサス・フレームワーク配列)に由来する、少なくとも1、2、3、5、7、10アミノ酸残基を有する。好ましくは、修飾抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基8(プロリン)、9(セリン)、10(セリン)、11(ロイシン)、20(スレオニン)、22(スレオニン)、60(セリン)、63(セリン)、76(セリン)、77(セリン)、78(ロイシン)、80(プロリン)、83(フェニルアラニン)、87(チロシン)、103(リジン)、104(バリン)および106(イソロイシン)(表4に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択されるヒト軽鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも1、2、3、5、7、または10アミノ酸残基を有する。
脱免疫J591軽鎖可変部中のアミノ酸置換を、以下の表4に提供する。左のパネルは、Kabat, E.A.ら(1991)上記にしたがったアミノ酸番号を示し;中央のパネルは、マウス配列中の残基の置換および対応するマウス残基を示し;そして右のパネルは、ヒト生殖系列における対応する位で、最も一般的な残基を示す。
表4
Figure 2005527474
他の態様において、抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基13、15、19、41、63、68、および80(図7および表5に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される位で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部(例えばネズミJ415軽鎖可変部)のフレームワークと異なるか、またはヒト軽鎖可変フレームワーク(例えばヒト生殖系列、成熟、またはコンセンサス・フレームワーク)に由来する、少なくとも1、2、3、5、または7アミノ酸残基を有する。好ましくは、修飾抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基13(アラニン)、15(アラニン)、19(メチオニン)、41(スレオニン)、63(セリン)、68(グリシン)、および80(アラニン)(図7および表5に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択されるヒトコンセンサス軽鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも1、2、3、5、または7アミノ酸残基を有する。
脱免疫J415軽鎖可変部の1つにおけるアミノ酸置換を、以下の表5に提供する。左のパネルは、直鎖番号付けを用いたアミノ酸番号を示し;中央のパネルは、マウス配列中の残基の置換および対応するマウス残基を示し;そして右のパネルは、ヒト生殖系列における対応する位で、最も一般的な残基を示す。
表5
Figure 2005527474
他の態様において、抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、配列番号8(ネズミJ591由来;図2Bを参照されたい)、配列番号36(ネズミJ415由来;図7を参照されたい)、配列番号114(ネズミJ533由来;図11Aを参照されたい)、または配列番号124(ネズミE99由来;図13Aを参照されたい)に示す軽鎖可変フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも5であるが、80を超えないアミノ酸残基が含まれる。好ましくは、軽鎖可変フレームワークは、非ヒト軽鎖可変フレームワーク、例えば、それぞれ配列番号8または配列番号36に示すネズミJ591またはJ415軽鎖可変フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126またはHB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワークと、少なくとも60%、65%、70%、72%、75%、80%、85%、90%、または94%の同一性を有するか、あるいは少なくとも5、7、10、20、または30アミノ酸残基、但し10、20、30、または40未満のアミノ酸残基が異なる。他の態様において、軽鎖可変フレームワークは、ネズミJ591抗体由来(配列番号8;図2Bを参照されたい)、ネズミJ415抗体由来(配列番号36;図7を参照されたい)、ネズミJ533抗体由来(配列番号114;図11Aを参照されたい)、またはネズミE99抗体由来(配列番号124;図13Aを参照されたい)であるか、あるいはATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワークである。
さらに他の態様において、修飾抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、少なくとも5、10、15、16、17、18、19、20、21、22、または23アミノ酸置換を有する、非ヒト(例えばネズミ)軽鎖可変フレームワーク(例えば配列番号8に示すようなネズミJ591軽鎖可変フレームワーク、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワーク)が含まれる。1つの態様において、非ヒト軽鎖可変フレームワークには:
少なくとも5、6、7、または8の置換を有する、フレームワーク領域1;
少なくとも1つの置換を有する、フレームワーク領域2;
少なくとも5、6、7、8、または9の置換を有する、フレームワーク領域3;あるいは
少なくとも2、3または4の置換を有する、フレームワーク領域4
の1以上が含まれる。
さらに他の態様において、修飾抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または10アミノ酸置換を有する、非ヒト(例えばネズミ)軽鎖可変フレームワーク(例えば配列番号36に示すようなネズミJ415軽鎖可変フレームワーク、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワーク)が含まれる。いくつかの態様において、非ヒト軽鎖可変フレームワークには:
少なくとも1、2または3の置換を有する、フレームワーク領域1;
少なくとも1つの置換を有する、フレームワーク領域2;あるいは
少なくとも1、2または3の置換を有する、フレームワーク領域3
の1以上が含まれる。
置換は:非ヒト残基の保存的置換、あるいは同一の位で、ヒト生殖系列、成熟またはコンセンサス・フレームワーク配列に見られる残基、例えば同一の位のヒト生殖系列配列における最も一般的な残基から選択可能である。いくつかの態様において、軽鎖可変フレームワークは、少なくとも3、4、そして好ましくは5の保存的置換を有する。他の態様において、軽鎖可変フレームワークは、少なくとも5、7、10、15、16、または17アミノ酸残基置換を有し、ここで、置換アミノ酸残基は、同一の位のヒト生殖系列フレームワーク配列における、最も一般的な残基である。
いくつかの態様において、非ヒト軽鎖可変フレームワーク(例えば配列番号8に示すようなネズミJ591軽鎖可変フレームワーク、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワーク)は:残基3、8、9、10、11、20、21、22、42、58、60、63、76、77、78、80、83、87、100、103、104および106(表4に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択される位で、少なくとも1、2、3、5、7、10、11、15、16、17、19、20、21または22アミノ酸置換を有する。置換は:残基3(グルタミン)、8(プロリン)、9(セリン)、10(セリン)、11(ロイシン)、20(スレオニン)、21(ロイシン)、22(スレオニン)、42(プロリン)、58(イソロイシン)、60(セリン)、63(セリン)、76(セリン)、77(セリン)、78(ロイシン)、80(プロリン)、83(フェニルアラニン)、87(チロシン)、100(プロリン)、103(リジン)、104(バリン)および106(イソロイシン)(表4に示すようなKabat番号付け)の1以上から選択可能である。
他の態様において、非ヒト軽鎖可変フレームワーク(例えば配列番号36に示すようなネズミJ591軽鎖可変フレームワーク、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワーク)は:残基13、15、19、41、63、68および80(図7および表5に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される位で、少なくとも1、2、3、5、または7アミノ酸置換を有する。好ましくは、修飾抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基13(アラニン)、15(アラニン)、19(メチオニン)、41(スレオニン)、63(セリン)、68(グリシン)および80(アラニン)(図7および表5に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、ヒトコンセンサス軽鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも1、2、3、5、7アミノ酸残基を有する。
好ましくは、修飾抗PSMA抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基5、40、41、44、82a、83、87、および108(表6に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択される位で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部(例えばネズミJ591重鎖可変部)のフレームワークと異なるか、またはヒト重鎖可変フレームワーク(例えばヒト生殖系列フレームワーク)に由来する、少なくとも1、2、3、5、7、または8アミノ酸残基を有する。好ましくは、組換え抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基5(バリン)、40(アラニン)、41(プロリン)、44(グリシン)、82a(セリン)、83(アルギニン)、87(スレオニン)、または108(ロイシン)(表6に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択されるヒト重鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも1アミノ酸残基を有する。
脱免疫J591重鎖可変部中のアミノ酸置換を、以下の表6に提供する。左のパネルは、Kabat, E.A.ら(1991)上記にしたがったアミノ酸番号を示し;中央のパネルは、マウス配列中の残基の置換および対応するマウス残基を示し;そして右のパネルは、ヒト生殖系列における対応する位で、最も一般的な残基を示す。
表6
Figure 2005527474
他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基20、87、94、95、および112(図6および表7に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される位で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部(例えばネズミJ415重鎖可変部)のフレームワークと異なるか、またはヒト重鎖可変フレームワーク(例えばヒト成熟、コンセンサス、または生殖系列フレームワーク)に由来する、少なくとも1、2、3、4、5アミノ酸残基を有する。好ましくは、組換え抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基20(イソロイシン)、87(セリン)、94(アラニン)、95(バリン)、および112(バリン)(図6および表7に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択されるヒト重鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも1、2、3、4、5アミノ酸残基を有する。
脱免疫J415重鎖可変部の1つにおけるアミノ酸置換を、以下の表7に提供する。左のパネルは、直鎖アミノ酸番号を示し;中央のパネルは、マウス配列中の残基の置換および対応するマウス残基を示し;そして右のパネルは、ヒト生殖系列における対応する位で、最も一般的な残基を示す。
表7
Figure 2005527474
他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、配列番号7(ネズミJ591由来;図2Aを参照されたい)、配列番号35(ネズミJ415由来;図6を参照されたい)、配列番号109(ネズミJ533由来;図10Aを参照されたい)、または配列番号119(ネズミE99由来;図12Aを参照されたい)に示す重鎖可変フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも5であるが、75または82を超えないアミノ酸残基が含まれる。好ましくは、重鎖可変フレームワークは、非ヒト重鎖可変フレームワーク、例えば、それぞれ配列番号7または配列番号35に示すネズミJ591またはJ415重鎖可変フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126またはHB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワークと、少なくとも60%、65%、70%、80%、82%、85%、90%、または94%の同一性を有するか、あるいは少なくとも5、10、20、または30残基、但し10、20、30、または40未満の残基が異なる。他の態様において、非ヒト重鎖可変フレームワークは、ネズミJ591抗体由来(配列番号7;図2Aを参照されたい)、ネズミJ415抗体由来(配列番号35;図6を参照されたい)、ネズミJ533抗体由来(配列番号109;図10Aを参照されたい)、またはネズミE99抗体由来(配列番号119;図12Aを参照されたい)であるか、あるいはATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワークである。
さらに他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、少なくとも3、5、10、15、16、17、18、または19アミノ酸置換を有する、非ヒト(例えばネズミ)重鎖可変フレームワーク(例えばネズミJ591重鎖可変フレームワーク(図2Aに示すような配列番号7)、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)が含まれる。1つの態様において、修飾抗PSMA抗体の非ヒト重鎖可変フレームワークには:
少なくとも4、5、または6の置換を有する、フレームワーク領域1;
少なくとも1、2、または3の置換を有する、フレームワーク領域2;
少なくとも3、4、または5の置換を有する、フレームワーク領域3;あるいは
少なくとも1つの置換を有する、フレームワーク領域4
の1以上が含まれる。
さらに他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、少なくとも1、2、3、4、または5アミノ酸置換を有する、非ヒト(例えばネズミ)重鎖可変フレームワーク(例えばネズミJ415重鎖可変フレームワーク(図6に示すような配列番号35)、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)が含まれる。1つの態様において、修飾抗PSMA抗体の非ヒト重鎖可変フレームワークには:
少なくとも1つの置換を有する、フレームワーク領域1;
少なくとも1、2、または3の置換を有する、フレームワーク領域3;あるいは
少なくとも1つの置換を有する、フレームワーク領域4
の1以上が含まれる。
置換は:非ヒト残基の保存的置換、あるいは同一の位で、ヒト生殖系列、成熟またはコンセンサス配列に見られる残基、例えば同一の位のヒト生殖系列における最も一般的な残基から選択可能である。1つの態様において、重鎖可変フレームワークは、少なくとも3、4、5、6、そして好ましくは7の保存的置換を有する。好ましくは、重鎖可変フレームワークは、同一の位で、ヒト生殖系列において、最も一般的な残基による、少なくとも5、6、7、そして好ましくは8の置換を有する。
いくつかの態様において、非ヒト重鎖可変フレームワーク(例えば配列番号7のネズミJ591重鎖可変フレームワーク、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)は:残基5、11、12、16、17、19、40、41、44、75、76、82a、83、87、および108(表6に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択される位での、少なくとも1アミノ酸置換を有する。置換は:5(バリン)、11(バリン)、12(リジン)、16(アラニン)、17(スレオニン)、19(リジン)、40(アラニン)、41(プロリン)、44(グリシン)、75(スレオニン)、76(アスパラギン酸)、82a(セリン)、83(アルギニン)、87(スレオニン)、および108(ロイシン)(表6に示すようなKabat番号付け)の1以上から選択可能である。
他の態様において、非ヒト重鎖可変フレームワーク(例えば配列番号35のネズミJ415重鎖可変フレームワーク、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)は:残基20、87、94、95および112(図6および表7に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される位での、少なくとも1アミノ酸置換を有する。置換は:残基20(イソロイシン)、87(セリン)、94(アラニン)、95(バリン)、および112(バリン)(図6および表7に示すような直鎖番号付け)の1以上から選択可能である。
抗体J591、J415、J533およびE99の軽鎖および重鎖領域のフレームワーク領域のアミノ酸配列を、以下の表8に提供する。
表8:フレームワーク配列
Figure 2005527474
Figure 2005527474
Figure 2005527474
他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン、あるいは好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの重鎖免疫グロブリンが含まれる。好ましくは、軽鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA軽鎖可変部(例えば、それぞれ配列番号20(図2Bを参照されたい)または配列番号48(図7を参照されたい)に示すネズミJ591またはJ415軽鎖可変部、あるいはATCC寄託番号HB−12126またはHB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに:残基3、8、9、10、11、20、21、22、42、58、60、63、76、77、78、80、83、87、100、103、104および106(表4におけるようなKabat番号付け)、または残基13、15、19、41、63、68、および80(図7および表5におけるような直鎖番号付け)からなる群より選択される、1、2、3、4、5、6、7またはそれより多い位で、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA軽鎖フレームワーク(例えば、それぞれ配列番号8(図2Bを参照されたい)または配列番号36(図7を参照されたい)に示すネズミJ591またはJ415軽鎖フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126またはHB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワーク)と異なる軽鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト軽鎖可変部が含まれる。
他の好ましい態様において、重鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA重鎖可変部(例えば、それぞれ配列番号19(図2Aを参照されたい)または配列番号47(図6を参照されたい)に示すネズミJ591またはJ415重鎖可変部、あるいはATCC寄託番号HB−12126またはHB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変部)由来の3つの相補性決定領域(CDR)、並びに:残基5、11、12、16、17、19、40、41、44、75、76、82a、83、87、および108(表5におけるようなKabat番号付け)、または残基20、87、94、95および112(図6および表7におけるような直鎖番号付け)からなる群より選択される、1、2、3、4、5またはそれより多い位で、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA重鎖フレームワーク(例えば、それぞれ配列番号7(図2Aを参照されたい)または配列番号35(図6を参照されたい)に示すネズミJ591またはJ415重鎖フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126またはHB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)と異なる修飾重鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト重鎖可変部が含まれる。
さらに他の態様において、修飾抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン、あるいはより好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの重鎖免疫グロブリンが含まれる。好ましくは、軽鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA軽鎖可変部(例えば配列番号20(図2Bを参照されたい)に示すネズミJ591軽鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに:
残基1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基1〜13の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Bにおけるような番号付け);
残基8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基8〜20の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Bにおけるような番号付け);
残基17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28または29の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基17〜29の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Bにおけるような番号付け);
残基27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38または39の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基27〜39の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Bにおけるような番号付け);
残基30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42または43の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基30〜43の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Bにおけるような番号付け);
残基45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、または57の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基45〜57の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Bにおけるような番号付け);
残基56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、または68の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基56〜68の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Bにおけるような番号付け);
残基71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、または83の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基71〜83の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Bにおけるような番号付け);
残基73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84または85の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基73〜85の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Bにおけるような番号付け);および
残基94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、または106の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基94〜106の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Bにおけるような番号付け)
からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10位で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部、例えばネズミJ591軽鎖可変部(配列番号20またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)のフレームワークと異なる修飾軽鎖フレームワークを含んでなる、修飾非ヒト軽鎖可変部が含まれる。
さらに他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン、あるいはより好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの修飾重鎖免疫グロブリンが含まれる。好ましくは、軽鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA軽鎖可変部(例えば配列番号48(図7)に示すネズミJ415軽鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに:
残基5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基5〜18の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基11〜24の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基13〜26の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基17〜30の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基27〜40の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基31〜44の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、または69の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基56〜69の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、または73の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基60〜73の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、または83の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基70〜83の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83または84の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基71〜84の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85または86の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基73〜86の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);
残基76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、または92の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基76〜92の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け);および
残基81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、または94の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基81〜94の1以上を含むT細胞エピトープ(図7におけるような直鎖番号付け)
からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7位で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部、例えばネズミJ415軽鎖可変部(配列番号48またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)のフレームワークと異なる軽鎖フレームワークを含んでなる、修飾非ヒト軽鎖可変部が含まれる。
他の態様において、抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA重鎖可変部(例えば配列番号19(図2Aを参照されたい)に示すネズミJ591重鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに:
残基2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基2〜14の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基10〜22の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基16〜28の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、または42の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基30〜42の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基32〜44の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、または55の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基43〜55の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、または58の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基46〜58の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基58〜70の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73または74の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基62〜74の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80または81の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基70〜81の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、または93の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基81〜93の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、95、または96の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基84〜96の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);
残基91、92、93、95、96、97、98、99、100、101、102、または103の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基91〜103の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け);および
残基100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、または112の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基100〜112の1以上を含むT細胞エピトープ(図4Aにおけるような番号付け)
からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、5、7、10位で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部のフレームワーク(例えば配列番号19のネズミJ591重鎖可変部またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)と異なる重鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト重鎖可変部が含まれる。
他の態様において、抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA重鎖可変部(例えば配列番号47(図6を参照されたい)に示すネズミJ415重鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに:
残基10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基10〜23の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);
残基16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基16〜29の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);
残基21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基21〜34の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);
残基30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、または43の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基30〜43の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);
残基35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基35〜48の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);
残基43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、または56の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基43〜56の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);
残基46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58または59の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基46〜59の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);
残基49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、または62の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基49〜62の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);
残基64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、または77の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基64〜77の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);
残基80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、または93の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基80〜93の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);
残基86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基86〜99の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け);および
残基104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、または117の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基104〜117の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような番号付け)
からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5位で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部のフレームワーク(例えば配列番号47のネズミJ415重鎖可変部またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)と異なる重鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト重鎖可変部が含まれる。
さらに他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン、あるいはより好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの重鎖免疫グロブリンが含まれる。好ましくは、軽鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA軽鎖可変部(例えば配列番号20(図2B)に示すネズミJ591軽鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに非ヒト抗PSMA軽鎖可変部、例えばネズミJ591軽鎖可変部のフレームワークと、少なくとも1つの位で異なるが、1、2、4〜7、12〜19、23、31〜41、43〜49、57、59、61、62、64〜75、79、82、83、85〜87、89、98、99、101、102、105、および106(図4Bにおけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、5、7、10、15、または20残基で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部由来の残基を有する、軽鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト軽鎖可変部が含まれる。軽鎖フレームワークは、3、8、9、10、11、20、21、22、42、58、60、63、76、77、78、80、83、87、100、103、および104(図4Bにおけるような番号付け)からなる群より選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、19、20またはそれより多い残基から選択される位で、異なることが可能である。
さらに他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン、あるいはより好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの重鎖免疫グロブリンが含まれる。好ましくは、修飾軽鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA軽鎖可変部(例えば配列番号48(図7)に示すネズミJ415軽鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに非ヒト抗PSMA軽鎖可変部、例えばネズミJ415軽鎖可変部のフレームワークと、少なくとも1つの位で異なるが、1〜12、14、16〜18、20〜40、42〜62、64〜67、69〜79、および81〜107(図7におけるような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、5、7、10、15、または20残基で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部由来の残基を有する、軽鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト軽鎖可変部が含まれる。修飾軽鎖フレームワークは、13、15、19、41、63、68および80(図7におけるような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、または7位で、異なることが可能である。
他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA重鎖可変部(例えば配列番号19(図2A)に示すネズミJ591重鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに非ヒト抗PSMA重鎖可変部のフレームワークと、少なくとも1つの位で異なるが、1〜4、6〜10、13〜15、18、20〜25、36〜39、42、43、45〜49、67〜75、78〜83、85、86、88〜90、92〜98、105〜109、および111〜115(図4Aにおけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14残基で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部由来の残基を有する、修飾重鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト重鎖可変部が含まれる。修飾重鎖フレームワークは、5、11〜12、16〜17、19、26〜35、40〜41、44、50〜66、76〜77、84、87、91、99〜104、および110(図4Aにおけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14位で、異なることが可能である。
他の態様において、抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には、非ヒト、例えばネズミ、抗PSMA重鎖可変部(例えば配列番号47(図6)に示すネズミJ415重鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに非ヒト抗PSMA重鎖可変部のフレームワークと、少なくとも1つの位で異なるが、1〜19、21〜86、88〜93、96〜111、および113〜116(図6におけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、または5残基で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部由来の残基を有する、重鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト重鎖可変部が含まれる。重鎖フレームワークは、20、87、94、95および112(図6に示すような番号付け)からなる群より選択される位で、異なることが可能である。
さらに別の側面において、抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には下記残基:残基1(グルタミン酸)、2(バリン)、4(ロイシン)、7(セリン)、8(グリシン)、11(ロイシン)、14(プロリン)、15(グリシン)、19(リジン)、20(イソロイシン)、21(セリン)、22(システイン)、25(セリン)、26(グリシン)、28(スレオニン)、29(フェニルアラニン)、32(チロシン)、36(トリプトファン)、37(バリン)、38(アルギニン/リジン)、39(グルタミン)、41(プロリン)、43(リジン)、44(グリシン)、45(ロイシン)、46(グルタミン酸)、47(トリプトファン)、51(イソロイシン)、67(アルギニン/リジン)、73(アスパラギン酸)、75(セリン)、80(チロシン)、85(セリン)、86(ロイシン)、87(アルギニン)、89(グルタミン酸)、90(アスパラギン酸)、91(スレオニン)、92(アラニン)、93(バリン)、94(チロシン)、95(チロシン)96(システイン)、100(トリプトファン)、101(アスパラギン)、105(トリプトファン)、106(グリシン)、107(グルタミン)、108(グリシン)、109(スレオニン)、112(スレオニン)、113(バリン)、114(セリン)、または115(セリン)(図4Aに示すような直鎖番号付け)の1以上より選択され、そして該残基の1以上より選択される位に位置する、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸残基を含んでなる、重鎖可変部が含まれる。
1つの態様において、抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には:
残基1(グルタミン酸)、2(バリン)、4(ロイシン)、7(セリン)、8(グリシン)、11(ロイシン)、14(プロリン)、15(グリシン)、19(リジン)、20(イソロイシン)、21(セリン)、22(システイン)、および25(セリン)(図4Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13アミノ酸を有する、フレームワーク領域1;
残基26(グリシン)、28(スレオニン)、29(フェニルアラニン)、および32(チロシン)(図4Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4アミノ酸を有する、CDR1;
残基36(トリプトファン)、37(バリン)、38(アルギニン/リジン)、39(グルタミン)、41(プロリン)、43(リジン)、44(グリシン)、45(ロイシン)、46(グルタミン酸)、および47(トリプトファン)(図4Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10アミノ酸を有する、フレームワーク領域2;
51位(図4Aに示すような直鎖番号付け)での少なくとも1つのイソロイシンを有する、CDR2;
残基67(アルギニン/リジン)、73(アスパラギン酸)、75(セリン)、80(チロシン)、85(セリン)、86(ロイシン)、87(アルギニン)、89(グルタミン酸)、90(アスパラギン酸)、91(スレオニン)、92(アラニン)、93(バリン)、94(チロシン)、95(チロシン)、および96(システイン)(図4Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14アミノ酸を有する、フレームワーク領域3;
残基100(トリプトファン)および101(アスパラギン)(図4Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2アミノ酸を有する、CDR3;または
残基105(トリプトファン)、106(グリシン)、107(グルタミン)、108(グリシン)、109(スレオニン)、112(スレオニン)、113(バリン)、114(セリン)、および115(セリン)(図4Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9アミノ酸を有する、フレームワーク領域4
の1以上が含まれる。
さらに別の態様において、修飾抗PSMA抗体の軽鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には:残基2(イソロイシン)、4(メチオニン)、5(スレオニン)、6(グルタミン)、8(プロリン)、10(セリン)、12(セリン)、14(セリン)、16(グリシン)、17(グルタミン酸/アスパラギン酸)、18(アルギニン)、20(スレオニン)、21(ロイシン)、22(スレオニン)、23(システイン)、24(リジン)、25(アラニン)、26(セリン)、29(バリン)、30(グリシン)、31(スレオニン)、33(バリン)、35(トリプトファン)、36(チロシン)、37(グルタミン)、38(グルタミン)、39(リジン)、40(プロリン)、43(セリン)、44(プロリン)、45(リジン)、47(ロイシン)、48(イソロイシン)、49(チロシン)、51(アラニン)、52(セリン)、54(アルギニン)、56(スレオニン)、57(グリシン)、59(プロリン)、61(アルギニン)、62(フェニルアラニン)、63(セリン)、64(グリシン)、65(セリン)、66(グリシン)、67(セリン)、68(グリシン)、69(スレオニン)、70(アスパラギン酸)、71(フェニルアラニン)、73(ロイシン)、74(スレオニン)、75(スレオニン)、76(セリン)、77(セリン)、79(グルタミン)、81(グルタミン酸)、82(アスパラギン酸)、85(アスパラギン酸)、86(チロシン)、87(チロシン)、88(システイン)、90(グルタミン)、95(プロリン)、97(スレオニン)、98(フェニルアラニン)、99(グリシン)、101(グリシン)、102(スレオニン)、103(リジン)、105(グルタミン酸/アスパラギン酸)または107(リジン)(図4Bにおけるような直鎖番号付け)の1以上より選択され、そして該残基の1以上より選択される位に位置する、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、20、30、40、50、60、または70アミノ酸を含んでなる、軽鎖可変部が含まれる。
1つの態様において、抗PSMA抗体の軽鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には:
残基2(イソロイシン)、4(メチオニン)、5(スレオニン)、6(グルタミン)、8(プロリン)、10(セリン)、12(セリン)、14(セリン)、16(グリシン)、17(グルタミン酸/アスパラギン酸)、18(アルギニン)、20(スレオニン)、21(ロイシン)、22(スレオニン)、および23(システイン)(図4Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15アミノ酸を有する、フレームワーク領域1;
残基24(リジン)、25(アラニン)、26(セリン)、29(バリン)、30(グリシン)、31(スレオニン)、および33(バリン)(図4Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7アミノ酸を有する、CDR1;
残基35(トリプトファン)、36(チロシン)、37(グルタミン)、38(グルタミン)、39(リジン)、40(プロリン)、43(セリン)、44(プロリン)、45(リジン)、47(ロイシン)、48(イソロイシン)、および49(チロシン)(図4Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12アミノ酸を有する、フレームワーク領域2;
残基51(アラニン)、52(セリン)、54(アルギニン)、および56(スレオニン)(図4Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4アミノ酸を有する、CDR2;
残基59(プロリン)、61(アルギニン)、62(フェニルアラニン)、63(セリン)、64(グリシン)、65(セリン)、66(グリシン)、67(セリン)、68(グリシン)、69(スレオニン)、70(アスパラギン酸)、71(フェニルアラニン)、73(ロイシン)、74(スレオニン)、75(スレオニン)、76(セリン)、77(セリン)、79(グルタミン)、81(グルタミン酸)、82(アスパラギン酸)、85(アスパラギン酸)、86(チロシン)、87(チロシン)、および88(システイン)(図4Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、21、22、23、24アミノ酸を有する、フレームワーク領域3;
残基90(グルタミン)、95(プロリン)、97(スレオニン)、および98(フェニルアラニン)(図4Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4アミノ酸を有する、CDR3;または
残基99(グリシン)、101(グリシン)、102(スレオニン)、103(リジン)、105(グルタミン酸/アスパラギン酸)、および107(リジン)(図4Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6アミノ酸を有する、フレームワーク領域4
の1以上が含まれる。
抗PSMA抗体を産生する他の方法
モノクローナル抗PSMA抗体はまた、組換えDNA技術の当業者に知られる他の方法によっても生成可能である。
本明細書において、「in vitro生成」「抗体」または「免疫グロブリン」は、可変部のすべてまたは一部、例えばCDRの1以上またはすべてが、非免疫細胞セレクション、例えばin vitroファージディスプレー、プロテインチップ、または抗原に結合する能力に関して候補配列を試験可能な他の方法いずれかで生成される、免疫グロブリンを指す。
特定の抗原特異性を有する抗体断片を同定し、そして単離するため、「コンビナトリアル抗体ディスプレー」法と称される代替法が開発されてきており、そしてこれを利用してモノクローナル抗体を産生することが可能である(コンビナトリアル抗体ディスプレーの説明については、例えば、Sastryら 1989 PNAS 86:5728;Huseら 1989 Science 246:1275;およびOrlandiら 1989 PNAS 86:3833を参照されたい)。上述のように免疫原で動物を免疫した後、生じたB細胞プールの抗体レパートリーをクローニングする。オリゴマープライマーの混合物およびPCRを用いることによって、免疫グロブリン分子の多様な集団の可変部のDNA配列を得る方法が一般的に知られる。例えば、5’リーダー(シグナルペプチド)配列および/またはフレームワーク1(FR1)配列に対応する混合オリゴヌクレオチドプライマーと共に、保存される3’定常部プライマーに対するプライマーを、多くのネズミ抗体由来の重鎖および軽鎖の可変部のPCR増幅に使用することが可能である(Larrickら,1991, Biotechniques 11:152−156)。同様の戦略はまた、ヒト抗体由来のヒト重鎖および軽鎖の可変部を増幅するのにも使用可能である(Larrickら, 1991, Methods:Companion to Methods in Enzymology 2:106−110)。
例示的態様において、標準的プロトコルを用いて、RNAをBリンパ球、例えば末梢血細胞、骨髄、または脾臓調製物から単離する(例えば米国特許第4,683,202号;Orlandiら PNAS (1989) 86:3833−3837;Sastryら, PNAS (1989) 86:5728−5732;およびHuseら (1989) Science 246:1275−1281)。重鎖(単数又は複数)、並びにκおよびλ軽鎖の各々の定常部に特異的なプライマーと共に、シグナル配列のプライマーを用いて、第一鎖cDNAを合成する。可変部PCRプライマーを用いて、重鎖および軽鎖両方の可変部を、各々単独で、または組み合わせて増幅し、そしてディスプレーパッケージを生成する際のさらなる操作のため、適切なベクター中に連結する。増幅プロトコルで有用なオリゴヌクレオチドプライマーは、ユニークであることも、または縮重していることも、または縮重位にイノシンを取り込むことも可能である。発現のため、あらかじめ決定されたリーディングフレームにおいて、ベクター内への増幅断片のクローニングを可能にするため、制限エンドヌクレアーゼ認識配列もまたプライマー内に取り込むことが可能である。
免疫由来抗体レパートリーからクローニングしたV遺伝子ライブラリーは、好ましくは繊維状ファージ由来の、ディスプレーパッケージ集団によって発現させて、抗体ディスプレーライブラリーを形成することが可能である。理想的には、ディスプレーパッケージは、非常に巨大で変化に富んだ抗体ディスプレーライブラリーの標本抽出、各アフィニティー分離周期後の迅速な選別、および精製ディスプレーパッケージからの抗体遺伝子の容易な単離を可能にする系を含んでなる。ファージディスプレーライブラリーを生成するための商業的に入手可能なキット(例えばPharmacia組換えファージ抗体系、カタログ番号27−9400−01;およびStratagene SurfZAPTM ファージディスプレーキット、カタログ番号240612)に加え、変化に富んだ抗体ディスプレーライブラリーを生成する際に使用するのに特に受け入れられる方法および試薬の例は、例えば、Ladnerら、米国特許第5,223,409号;Kangら、国際公開第WO 92/18619号;Dowerら、国際公開第WO 91/17271号;Winterら、国際公開第WO 92/20791号;Marklandら、国際公開第WO 92/15679号;Breitlingら、国際公開第WO 93/01288号;McCaffertyら、国際公開第WO 92/01047号;Garrardら、国際公開第WO 92/09690号;Ladnerら、国際公開第WO 90/02809号;Fuchsら (1991) Bio/Technology 9:1370−1372;Hayら (1992) Hum Antibod Hybridomas 3:81−85;Huseら (1989) Science 246:1275−1281;Griffthsら (1993) EMBO J 12:725−734;Hawkinsら (1992) J Mol Biol 226:889−896;Clacksonら (1991) Nature 352:624−628;Gramら (1992) PNAS 89:3576−3580;Garradら (1991) Bio/Technology 9:1373−1377;Hoogenboomら (1991) Nuc Acid Res 19:4133−4137;およびBarbasら (1991) PNAS 88:7978−7982に見出すことが可能である。
特定の態様において、重鎖および軽鎖のV領域ドメインを、同一ポリペプチド上で発現することが可能であり、柔軟なリンカーによって連結して、一本鎖Fv断片を形成し、そしてscFV遺伝子を続いて望ましい発現ベクターまたはファージゲノムにクローニングすることが可能である。McCaffertyら, Nature (1990) 348:552−554に一般的に記載されるように、柔軟な(Gly−Ser)リンカーで連結された、抗体の完全なVドメインおよびVドメインを用いて、一本鎖抗体が産生可能であり、これは、抗原親和性に基づいて、ディスプレーパッケージを分離可能にすることが可能である。続いて、抗原と免疫反応性である単離scFV抗体を本方法で使用するため、薬剤調製物中に配合することが可能である。
ディスプレーパッケージ(例えば繊維状ファージ)の表面上にディスプレーされたら、抗原またはそのペプチド断片を用いて、抗体ライブラリーをスクリーニングして、抗原に特異性を有する抗体を発現するパッケージを同定し、そして単離することが可能である。選択した抗体をコードする核酸を、ディスプレーパッケージから(例えばファージゲノムから)回収して、そして標準的組換えDNA技術によって、他の発現ベクター内にサブクローニングすることが可能である。
当該技術分野に知られる方法、例えばライブラリーのスクリーニングを伴う方法にしたがって、表面タンパク質に高い親和性を持つ特異的抗体を作成可能である(Ladner, R.C.ら、米国特許第5,233,409号;Ladner, R.C.ら、米国特許第5,403,484号)。さらに、これらのライブラリーの方法を、抗体の構造的決定基の模倣体である結合決定基を得るためのスクリーニングに用いることが可能である。
特に、特定の抗体分子のFv結合表面は、タンパク質−タンパク質相互作用の原理にしたがって、その標的リガンドと相互作用し、したがってVおよびVに関する配列データ(後者はκ鎖型またはλ鎖型のものであることが可能である)は、当業者に知られるタンパク質工学技術の基礎である。結合決定基を含んでなるタンパク質表面の詳細は、NMR研究または結晶データから得られる、他の抗体から先に決定された三次元構造を用いたモデリング法によって、抗体配列情報から得ることが可能である。例えば、Bajorath, J.およびS. Sheriff, 1996, Proteins:Struct., Funct., and Genet. 24(2), 152−157;Webster, D.M.およびA. R. Rees, 1995, “Molecular modeling of antibody−combining sites,”S. Paul監修, Methods in Molecular Biol. 51, Antibody Engineering Protocols中, Humana Press, ニュージャージー州トトワ, pp 17−49;並びにJohnson, G., Wu, T.T.およびE.A. Kabat, 1995, “Seqhunt:A program to screen aligned nucleotide and amino acid sequences,” Methods in Molecular Biol.51, 前掲書中, pp 1−15を参照されたい。
抗原結合領域はまた、望ましい結合活性を持つ、多様な種類のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって得ることが可能であり、そして記載されている方法によって、活性種を同定することが可能である。
1つの態様において、ディスプレーパッケージ集団によって、変化に富んだペプチドライブラリーを発現させて、ペプチドディスプレーライブラリーを形成する。理想的には、ディスプレーパッケージは、非常に巨大で変化に富んだペプチドディスプレーライブラリーの標本抽出、各アフィニティー分離周期後の迅速な選別、およびペプチドをコードする遺伝子を精製ディスプレーパッケージから容易に単離するのを可能にする系を含んでなる。ペプチドディスプレーライブラリーは、例えば原核生物およびウイルス中であることが可能であり、これらは迅速に増幅可能であり、そして比較的操作が容易であり、そして多数のクローンの生成を可能にする。好ましいディスプレーパッケージには、例えば増殖中の細菌細胞、細菌胞子、および最も好ましくは細菌ウイルス(特にDNAウイルス)が含まれる。しかし、本発明はまた、潜在的なディスプレーパッケージとして、酵母およびその胞子を含む、真核細胞の使用もまた意図する。ファージディスプレーライブラリーを上に記載する。
他の技術には、結合剤を単離するために適切な「受容体」を用いたアフィニティークロマトグラフィー、その後、慣用的な技術(例えば質量分析およびNMR)による、単離された結合剤またはリガンドの同定が含まれる。好ましくは、可溶性受容体を、検出してリガンド結合の指標とすることが可能な標識(例えば蛍光体、比色酵素、放射性同位体、または発光化合物)にコンジュゲートする。あるいは、固定化合物を選択的に遊離し、そして膜を通じて拡散させて、受容体と相互作用することを可能にしうる。
化合物のコンビナトリアルライブラリーはまた、ライブラリーの各メンバーの同一性をコードする「タグ」を含んで合成することも可能である(例えばW.C. Stillら、国際出願WO 94/08051を参照されたい)。一般的に、この方法は、固体支持体または化合物に付着した、不活性であるが、容易に検出可能なタグの使用を特徴とする。活性化合物が検出されたら、付随するユニークなタグの同定によって、化合物の同一性を決定する。このタグ付け法は、ライブラリー中のすべての化合物の完全なセットから、非常に低いレベルで同定可能である、化合物の巨大ライブラリーの合成を可能にする。
損なわれていない抗体でない抗PSMA抗体もまた、本発明で有用である。こうした抗体は、上述の抗体のいずれに由来することも可能である。例えば、抗原結合断片と共に、上述の抗体由来の全長単量体、二量体または三量体ポリペプチド自体が有用である。この種の有用な抗体相同体には(i)Fab断片、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)断片、ヒンジ領域でのジスルフィド架橋によって連結される2つのFab断片を含んでなる二価断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一のアームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardら, (1989) Nature 341:544−546);および(vi)単離相補性決定領域(CDR)が含まれる。さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHは別個の遺伝子にコードされているが、組換え法を用いて、単一タンパク質鎖として作成可能にする合成リンカーによって、これらを連結することが可能であり、ここで、VLおよびVH領域は対形成して、一価分子を形成する(一本鎖Fv(scFv)として知られる;例えばBirdら (1988) Science 242:423−426;およびHustonら (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−5883を参照されたい)。こうした一本鎖抗体もまた、用語、抗体の「抗原結合断片」内に含まれると意図される。当業者に知られる慣用的技術を用いて、これらの抗体断片を得て、そして損なわれていない抗体と同一の方式で、有用性に関して、該断片をスクリーニングする。
抗体断片はまた、化学的方法によって、例えば損なわれていない抗体を、ペプシンまたはパパインなどのプロテアーゼで切断し、そして場合によって切断産物を還元剤で処理することによっても産生可能である。あるいは、有用な断片は、一部切除重鎖遺伝子および/または軽鎖遺伝子で形質転換した宿主細胞を用いることによって、産生可能である。
抗体の他の部分、例えば定常部を、例えば欠失させるか、付加するか、または置換することによって修飾されているモノクローナル抗体、キメラ抗体およびヒト化抗体もまた、本発明の範囲内である。例えば、抗体は以下のように修飾可能である:(i)定常部を欠失させることによって;(ii)定常部を別の定常部、例えば抗体の半減期、安定性、もしくは親和性を増加させることを意味する定常部、または別の種もしくは別の抗体クラス由来の定常部と交換することによって;あるいは(iii)定常部における1以上のアミノ酸を修飾して、例えばとりわけグリコシル化部位の数、エフェクター細胞機能、Fc受容体(FcR)結合、補体固定を改変することによって。
1つの態様において、抗体の定常部は、例えば異なる種由来の、別の定常部によって交換可能である。この交換は、分子生物学技術を用いて実行可能である。例えば、VHまたはVLをコードする核酸を、軽鎖または重鎖の定常部をコードする別の核酸に、機能可能であるように連結することによって、抗体のVLまたはVH領域をコードする核酸を、それぞれ、全長軽鎖遺伝子または全長重鎖遺伝子に変換することが可能である。ヒト軽鎖および重鎖の定常部遺伝子の配列は当該技術分野に知られる。好ましくは、定常部はヒトであるが、他の種、例えばげっ歯類(例えばマウスまたはラット)、霊長類、ラクダ、ウサギ由来の定常定常可変部もまた使用可能である。これらの種由来の定常部が当該技術分野に知られる(例えばKabat, E.A.ら (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242を参照されたい)。
抗体定常部を改変する方法が当該技術分野に知られる。改変された機能、例えば細胞上のFcR、または補体のC1構成要素などのエフェクターリガンドに対する改変された親和性を持つ抗体は、抗体の定常部分の少なくとも1つのアミノ酸残基を異なる残基と交換することによって、産生可能である(例えば、その内容がすべて本明細書に援用される、EP 388,151 A1、US 5,624,821およびUS 5,648,260を参照されたい)。ネズミまたは他の種の免疫グロブリンに適用した際、これらの機能を減少させるかまたは除去する、同様の種類の改変が記載可能である。
抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を誘導体化するか、または別の機能分子(例えば別のペプチドまたはタンパク質)に連結することが可能である。したがって、本発明の抗体および抗体部分は、免疫接着分子を含む、本明細書に記載する抗体の誘導体型および別の方式で修飾した型を含むと意図される。例えば、本発明の抗体または抗体部分は、別の抗体(例えば二特異性抗体または二重特異性抗体(diabody))、検出可能剤、細胞傷害性剤、薬剤、および/または抗体または抗体部分と別の分子との会合を仲介可能なタンパク質またはペプチド(ストレプトアビジン・コア領域またはポリヒスチジン・タグなど)などの、1以上の他の分子実体に機能的に連結する(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合または別の方式によって)ことが可能である。
誘導体化抗体の1つの種類は、2以上の抗体(同一種類または異なる種類の、例えば二特異性抗体を生成するため)を架橋することによって産生する。適切な架橋剤には、適切なスペーサーによって分離される2つの異なる反応性基を有するヘテロ二官能性のもの(例えばm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、またはホモ二官能性のもの(例えばスベリン酸ジスクシンイミジル)が含まれる。こうしたリンカーは、Pierce Chemical Company、イリノイ州ロックフォードから入手可能である。
本発明の抗体または抗体部分を誘導体化(または標識)可能な、有用な検出可能剤には、蛍光化合物、多様な酵素、補欠分子族、発光物質、生物発光物質、蛍光放出金属原子、例えばユーロピウム(Eu)、および他のアンタニド類(anthanides)、および放射性物質(以下に記載)が含まれる。典型的な蛍光検出可能剤には、フルオレセイン、フルオレセイン・イソチオシアネート、ローダミン、5−ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリン等が含まれる。抗体はまた、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコースオキシダーゼ等の検出可能酵素で誘導体化することも可能である。抗体を検出可能酵素で誘導体化する場合、これは、酵素が使用して検出可能な反応産物を産生する、さらなる試薬を添加することによって、検出される。例えば、検出可能剤、西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加は、検出可能な発色反応産物を導く。また、補欠分子族(例えばストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン)で抗体を誘導体化することも可能である。例えば、抗体をビオチンで誘導体化して、そしてアビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的測定を通じて、検出することが可能である。適切な蛍光物質の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセイン・イソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン・フルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンが含まれ;発光物質の例には、ルミノールが含まれ;そして生物発光物質の例には、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが含まれる。
標識抗体は、例えば:(i)アフィニティークロマトグラフィーまたは免疫沈降などの標準的技術によって、あらかじめ決定した抗原を単離すること;(ii)タンパク質の存在量および発現パターンを評価するため、あらかじめ決定した抗原を検出すること(例えば細胞溶解物または細胞上清において);(iii)例えば既定の治療措置の有効性を決定するため、臨床的試験法の一部として、組織中のタンパク質レベルを監視することを含む、いくつかの背景において、診断的および/または実験的に使用可能である。
抗PSMA抗体またはその抗原結合断片は、別の分子実体、典型的には標識または療法剤(例えば細胞傷害性剤または細胞分裂抑制性剤)または部分にコンジュゲート化することが可能である。
放射性同位体は、診断適用または療法適用で使用可能である。抗PSMA抗体にカップリング可能な放射性同位体には、限定されるわけではないが、α、β、またはγ放射体、あるいはβおよびγ放射体が含まれる。こうした放射性同位体には、限定されるわけではないが、ヨウ素(131Iまたは125I)、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、ロジウム(188Rh)、イオウ(35S)、炭素(14C)、トリチウム(H)、クロム(51Cr)、塩素(36Cl)、コバルト(57Coまたは58Co)、鉄(59Fe)、セレン(75Se)、またはガリウム(67Ga)が含まれる。療法剤として有用な放射性同位体には、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、およびロジウム(188Rh)が含まれる。例えば診断剤で使用するための標識として有用な放射性同位体には、ヨウ素(131Iまたは125I)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、炭素(14C)、およびトリチウム(H)、または上に列挙される療法的同位体の1以上が含まれる。
抗PSMA抗体は、当該技術分野に知られる技術を用いて放射標識可能である。例えば、該方法には、抗PSMA抗体、例えば本明細書に記載する抗PSMA抗体を、キレート剤、例えば1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)と接触させ、それによってコンジュゲート化抗体を産生することが含まれる。コンジュゲート化抗体を放射性同位体、例えば111インジウム、90イットリウムおよび177ルテチウムで放射標識し、それによって標識抗PSMA抗体を産生する。抗PSMA抗体を放射標識する詳細な方法は、以下のセクションおよび付随する実施例に、より詳細に記載される。例えば、抗PSMA抗体は、その内容が本明細書に完全に援用される、USSN 60/295,214、2001年6月1日出願に記載されるように、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)とカップリングさせることによって、111インジウム、90イットリウム、または177ルテチウムで放射標識することが可能である。抗PSMA抗体をキレートするための詳細な実験プロトコルが、USSN 60/295,214の実施例15に記載され、これは、本出願に特に援用され、そして以下の実施例で再現される。
上に論じるように、抗体を療法剤とコンジュゲート化することが可能である。療法的に活性である放射性同位体にはすでに言及した。他の療法剤には、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロミド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド類、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、メイタンシノイド類、例えばメイタンシノールまたはDM1(米国特許第5,208,020号を参照されたい)、CC−1065(米国特許第5,475,092号、第5,585,499号、第5,846,545号を参照されたい)、カリケアマイシン、およびその類似体または相同体が含まれる。メイタンシノイドは、例えばメイタンシノールまたはメイタンシノール類似体であることが可能である。メイタンシノイドは、例えば、メイタンシノールまたはメイタンシノール類似体であることが可能である。メイタンシノール類似体の例には、修飾芳香族環を有するもの(例えばC−19−デクロロ(decloro)、C−20−デメトキシ、C−20−アシルオキシ)、および他の位に修飾を有するもの(例えばC−9−CH、C−14−アルコキシメチル、C−14−ヒドロキシメチルまたはアセロキシ(aceloxy)メチル、C−15−ヒドロキシ/アシルオキシ、C−15−メトキシ、C−18−N−デメチル、4,5−デオキシ)が含まれる。メイタンシノールおよびメイタンシノール類似体は、例えば、米国特許第6,333,410号に記載され、該特許の内容は、本明細書に援用される。カリケアマイシンは、例えば、ブロモ複合体カリケアマイシン(例えばアルファ、ベータまたはガンマブロモ複合体)、ヨード複合体カリケアマイシン(例えばアルファ、ベータまたはガンマヨード複合体)、またはその類似体および模倣体(mimics)であることが可能である。ブロモ複合体カリケアマイシンには、α−BR、α−BR、α−BR、α−BR、β−BR、β−BRおよびγ−BRが含まれる。ヨード複合体カリケアマイシンには、α−I、α−I、α−I、β−I、β−I、δ−Iおよびγ−BRが含まれる。カリケアマイシン、並びにその突然変異体、類似体および模倣体は、例えば米国特許第4,970,198号、1990年11月13日発行、第5,264,586号、1993年11月23日発行、第5,550,246号、1996年8月27日発行、第5,712,374号、1998年1月27日発行、および第5,714,586号、1998年2月3日発行に記載され、これらの内容は本明細書に援用される。療法剤には、限定されるわけではないが、代謝拮抗剤(例えばメトトレキセート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルダカルバジン(decarbazine))、アルキル化剤(例えばメクロレタミン、チオエパ(thioepa)クロラムブシル、CC−1065、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン類(例えばダウノルビシン(以前のダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えばダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、および有糸分裂阻害剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソールおよびメイタンシノイド類)が含まれる。
細胞毒素または細胞傷害性剤には、細胞に有害ないかなる剤も含まれる。例には、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロミド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド類、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、メイタンシノイド類、例えばメイタンシノール(米国特許第5,208,020号を参照されたい)、CC−1065(米国特許第5,475,092号、第5,585,499号、第5,846,545号を参照されたい)およびその類似体または相同体が含まれる。療法剤には、限定されるわけではないが、代謝拮抗剤(例えばメトトレキセート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルダカルバジン)、アルキル化剤(例えばメクロレタミン、チオエパクロラムブシル、CC−1065、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン類(例えばダウノルビシン(以前のダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えばダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、および有糸分裂阻害剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソールおよびメイタンシノイド類)が含まれる。
本発明のコンジュゲートは、既定の生物学的反応を修飾するのに使用可能である。療法剤は、古典的な化学的療法剤に限定されると解釈してはならない。例えば、薬剤部分は、望ましい生物学的活性を所持するタンパク質またはポリペプチドであることが可能である。こうしたタンパク質には、例えばアブリン、リシンA、シュードモナス外毒素またはジフテリア毒素などの毒素;腫瘍壊死因子、インターフェロン、神経増殖因子、血小板由来増殖因子、組織プラスミノーゲンアクチベーターなどのタンパク質;または例えばリンホカイン類、インターロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)、または他の増殖因子などの生物学的反応修飾因子が含まれることが可能である。
核酸、ベクターおよび宿主細胞
本発明の修飾抗体および抗原結合断片の組換え発現に使用可能な、単離核酸、ベクターおよび宿主細胞組成物を開示する。1つの態様において、抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体(例えば脱免疫J591またはJ415抗PSMA抗体)、またはその抗原結合断片の、それぞれ、重鎖および軽鎖の可変部をコードするヌクレオチド配列を含んでなる、第一の単離核酸および第二の単離核酸を提供する。
修飾(脱免疫)抗PSMA J591免疫グロブリン軽鎖可変部のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を図5Bに示す(それぞれ配列番号25および22)。非コード相補ヌクレオチド配列もまた、図5Bに示す(配列番号26)。J591脱免疫抗PSMA抗体軽鎖可変部は、以下の領域を含有する:配列番号25のほぼヌクレオチド261〜329にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基1〜23(直鎖番号付け;配列番号13もまた参照されたい)に対応する、FR1ドメイン;配列番号25のほぼヌクレオチド330〜362にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基24〜34(直鎖番号付け;配列番号4もまた参照されたい)に対応する、CDR1ドメイン;配列番号25のほぼヌクレオチド363〜407にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基35〜49(直鎖番号付け;配列番号14もまた参照されたい)に対応する、FR2ドメイン;配列番号25のほぼヌクレオチド408〜428にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基50〜56(直鎖番号付け;配列番号5もまた参照されたい)に対応する、CDR2ドメイン;配列番号25のほぼヌクレオチド429〜524にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基57〜88(直鎖番号付け;配列番号15もまた参照されたい)に対応する、FR3ドメイン;配列番号25のほぼヌクレオチド525〜551にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基89〜97(直鎖番号付け;配列番号6もまた参照されたい)に対応する、CDR3ドメイン;および配列番号25のほぼヌクレオチド552〜581にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基98〜107(直鎖番号付け;配列番号16もまた参照されたい)に対応する、FR4ドメイン。
修飾(脱免疫)抗PSMA J591免疫グロブリン重鎖可変部のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を図5Aに示す(それぞれ配列番号23および21)。非コード相補配列もまた、図5Aに示す(配列番号24)。J591脱免疫抗PSMA抗体重鎖可変部は、以下の領域を含有する:配列番号23のほぼヌクレオチド261〜335にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基1〜25(直鎖番号付け;配列番号9もまた参照されたい)に対応する、FR1ドメイン;配列番号23のほぼヌクレオチド336〜365にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基26〜35(直鎖番号付け;配列番号1もまた参照されたい)に対応する、CDR1ドメイン;配列番号23のほぼヌクレオチド366〜407にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基36〜49(直鎖番号付け;配列番号10もまた参照されたい)に対応する、FR2ドメイン;配列番号23のほぼヌクレオチド408〜458にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基50〜66(直鎖番号付け;配列番号2もまた参照されたい)に対応する、CDR2ドメイン;配列番号23のほぼヌクレオチド459〜554にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基67〜98(直鎖番号付け;配列番号11もまた参照されたい)に対応する、FR3ドメイン;配列番号23のほぼヌクレオチド555〜572にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基99〜104(直鎖番号付け;配列番号3もまた参照されたい)に対応する、CDR3ドメイン;および配列番号23のほぼヌクレオチド573〜605にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基105〜115(直鎖番号付け;配列番号9もまた参照されたい)に対応する、FR4ドメイン。
修飾(脱免疫)抗PSMA J415免疫グロブリン軽鎖可変部(J415DIVK1)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を図8Aに示す(それぞれ配列番号56および57)。J415DIVK1の非コード相補ヌクレオチド配列もまた、図9Aに示す(配列番号58)。J415脱免疫抗PSMA抗体軽鎖可変部は、以下の領域を含有する:配列番号56のほぼヌクレオチド261〜329にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基1〜23(直鎖番号付け;配列番号41もまた参照されたい)に対応する、FR1ドメイン;配列番号56のほぼヌクレオチド330〜362にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基24〜34(直鎖番号付け;配列番号32もまた参照されたい)に対応する、CDR1ドメイン;配列番号56のほぼヌクレオチド363〜407にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基35〜49(直鎖番号付け;配列番号42もまた参照されたい)に対応する、FR2ドメイン;配列番号56のほぼヌクレオチド408〜428にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基50〜56(直鎖番号付け;配列番号33もまた参照されたい)に対応する、CDR2ドメイン;配列番号56のほぼヌクレオチド429〜524にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基57〜88(直鎖番号付け;配列番号43もまた参照されたい)に対応する、FR3ドメイン;配列番号56のほぼヌクレオチド525〜551にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基89〜97(直鎖番号付け;配列番号34もまた参照されたい)に対応する、CDR3ドメイン;および配列番号56のほぼヌクレオチド552〜581にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基98〜107(直鎖番号付け;配列番号44もまた参照されたい)に対応する、FR4ドメイン。好ましい修飾(脱免疫)抗PSMA J415免疫グロブリン軽鎖可変部(J415DIVK5)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を、それぞれ、配列番号50および52に示し;J415DIVK5は、J415DIVK1に関して上に示すのと同一の方式で、その構成要素配列に分割することが可能である。
修飾(脱免疫)抗PSMA J415免疫グロブリン重鎖可変部のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を図8Aに示す(それぞれ配列番号53および54)。非コード相補配列もまた、図8Aに示す(配列番号55)。J415脱免疫抗PSMA抗体重鎖可変部は、以下の領域を含有する:配列番号53のほぼヌクレオチド261〜335にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基1〜25(直鎖番号付け;配列番号37もまた参照されたい)に対応する、FR1ドメイン;配列番号53のほぼヌクレオチド336〜365にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基26〜35(直鎖番号付け;配列番号29もまた参照されたい)に対応する、CDR1ドメイン;配列番号53のほぼヌクレオチド366〜407にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基36〜49(直鎖番号付け;配列番号38もまた参照されたい)に対応する、FR2ドメイン;配列番号53のほぼヌクレオチド408〜464にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基50〜68(直鎖番号付け;配列番号30もまた参照されたい)に対応する、CDR2ドメイン;配列番号53のほぼヌクレオチド465〜560にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基69〜100(直鎖番号付け;配列番号39もまた参照されたい)に対応する、FR3ドメイン;配列番号53のほぼヌクレオチド561〜575にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基101〜105(直鎖番号付け;配列番号31もまた参照されたい)に対応する、CDR3ドメイン;および配列番号53のほぼヌクレオチド576〜608にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基106〜116(直鎖番号付け;配列番号40もまた参照されたい)に対応する、FR4ドメイン。好ましい修飾(脱免疫)抗PSMA J415免疫グロブリン重鎖可変部(J415DIVH4)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を、それぞれ、配列番号51および49に示し;J415DIVH4は、J415DIVH1に関して上に示すのと同一の方式で、その構成要素配列に分割することが可能である。
当業者は、抗PSMA修飾抗体(例えばFRドメイン、例えばFR1〜4)をコードするヌクレオチド配列は、遺伝暗号および標準的分子生物学技術を用いて、本出願に記載されるヌクレオチド配列およびアミノ酸配列から得ることが可能であると認識するであろう。
1つの態様において、単離核酸は、図5A(配列番号23)、図8A(配列番号53)もしくは配列番号51(J415DIVH4)に示すようなヌクレオチド配列もしくはその相補体(例えば配列番号24または配列番号55)、ATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の重鎖可変部のヌクレオチド配列もしくはその相補体;それに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれより高い同一性を有する配列;あるいは図5A(配列番号23)、図8A(配列番号53)、配列番号51に示すヌクレオチド配列、もしくはその相補体(例えば配列番号24または配列番号55)、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の重鎖可変部のヌクレオチド配列、もしくはその相補体に、本明細書に記載するストリンジェントな条件(例えば非常にストリンジェントな条件)下でハイブリダイズ可能な配列を有する、抗PSMA修飾抗体重鎖可変部ヌクレオチド配列を含んでなる。
別の態様において、単離核酸は、図3A(配列番号21)もしくは図6(例えば配列番号49)に示すようなアミノ酸配列、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の重鎖可変部のアミノ酸配列;それに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一である配列;あるいは図3A(配列番号21)、図6(例えば配列番号49)に示すようなアミノ酸配列、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の重鎖可変部のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に、本明細書に記載するストリンジェントな条件(例えば非常にストリンジェントな条件)下でハイブリダイズ可能な配列を有する、抗PSMA修飾抗体重鎖可変部アミノ酸配列をコードする。
別の態様において、単離核酸は、配列番号1、2、および3、または29、30および31、または93、94、および95、または99、100および101のアミノ酸配列、あるいは本明細書に記載する配列と1または2アミノ酸が異なるCDR配列から選択される抗PSMA抗体の重鎖可変部のCDRを、少なくとも1つ、好ましくは2つ、そして最も好ましくは3つコードする、ヌクレオチド配列を含んでなる。さらに別の態様において、単離核酸は、図5A(配列番号23)、配列番号51、図8A(配列番号125)、図10A(配列番号73)、もしくは図12A(配列番号83)に示すCDR1、2、もしくは3をコードするヌクレオチド配列、またはその相補体、あるいは本明細書に記載する配列と1または2アミノ酸が異なるCDRをコードする配列を含んでなる。
別の態様において、単離核酸は、配列番号9、10、11および12、または37、38、39および40、あるいはそれに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一である配列から選択される抗PSMA修飾抗体の重鎖可変フレームワーク領域由来のアミノ酸配列を、少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ、そして最も好ましくは4つコードする、ヌクレオチド配列を含んでなる。
さらに別の態様において、単離核酸は、図5B(配列番号25)、図9A(配列番号56)、もしくは配列番号52に示すような配列、もしくはその相補体(例えば配列番号26または配列番号58)、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部のヌクレオチド配列;それに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一である配列;あるいは図5B(配列番号25)、図9A(配列番号56)、配列番号52に示すようなヌクレオチド配列、もしくはその相補体(例えば配列番号26または58)、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部のヌクレオチド配列、もしくはその相補体に、本明細書に記載するストリンジェントな条件(例えば非常にストリンジェントな条件)下でハイブリダイズ可能な配列を有する、抗PSMA修飾抗体軽鎖可変部ヌクレオチド配列を含んでなる。別の態様において、単離核酸は、図3B(配列番号22)もしくは図7(例えば配列番号50)に示すような配列、ATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部のアミノ酸配列;それに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれより高い同一性を有する配列;あるいは図3B(配列番号22)もしくは図7(配列番号50)に示すようなアミノ酸配列、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に、本明細書に記載するストリンジェントな条件(例えば非常にストリンジェントな条件)下でハイブリダイズ可能な配列を有する、抗PSMA修飾抗体軽鎖可変部アミノ酸配列をコードする。
別の態様において、単離核酸は、配列番号4、5、および6、または32、33および34、または96、97、および98、または102、103および104のアミノ酸配列から選択される抗PSMA抗体の軽鎖可変部のCDRを、少なくとも1つ、好ましくは2つ、そして最も好ましくは3つコードするヌクレオチド配列、あるいは本明細書に記載する配列と1または2アミノ酸が異なるCDRをコードする配列を含んでなる。
さらに別の態様において、単離核酸は、配列番号25に示す軽鎖可変ヌクレオチド配列のCDR1〜3をコードするヌクレオチド配列、あるいは本明細書に記載する配列と1または2アミノ酸が異なるCDRをコードする配列を含んでなる。別の態様において、単離核酸は、配列番号13、14、15および16、または41、42、43および44から選択される抗PSMA修飾抗体の軽鎖可変フレームワーク領域由来のアミノ酸配列、あるいはそれに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一である配列を、少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ、そして最も好ましくは4つコードする、ヌクレオチド配列を含んでなる。
好ましい態様において、抗PSMA抗体の軽鎖および重鎖の可変部をコードするヌクレオチド配列を有する、単離された第一の核酸および第二の核酸があり、各単離核酸は、配列番号1、2、3、4、5、および6、または29、30、31、32、33および34、または93、94、95、96、97、および98、または99、100、101、102、103、および104のアミノ酸配列から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、そして好ましくはすべてのCDR、あるいは本明細書に記載する配列と1または2アミノ酸が異なるCDRをコードする配列を有する。
核酸は、軽鎖または重鎖の可変部自体をコードすることが可能であるし、あるいは、対応する可変部に機能可能であるように連結した、抗体軽鎖または重鎖の定常部もまたコードすることが可能である。1つの態様において、軽鎖可変部を、カッパまたはラムダ定常部から選択される定常部に連結する。好ましくは、軽鎖定常部はラムダ型(例えばヒト・ラムダ型)に由来する。別の態様において、重鎖可変部を、IgG(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEからなる群より選択される抗体アイソタイプの重鎖定常部に連結する。好ましくは、重鎖定常部は、IgG(例えばIgG1)アイソタイプ、例えばヒトIgG1由来である。
本発明の核酸は、特定の発現系に好ましい、または好ましくないコドンを有するように選択することが可能である。例えば、核酸は、配列が大腸菌、酵母、ヒト、昆虫、NS0、またはCHO細胞での発現に最適化されるように、少なくとも1つのコドンで、好ましくは少なくとも10%または20%のコドンが改変されているものであることが可能である。
好ましい態様において、核酸は、提供される配列のものと、例えば以下のように:少なくとも1つであるが、10、20、30、または40ヌクレオチド未満;少なくとも1つであるが、対象の核酸のヌクレオチドの1%、5%、10%または20%未満、異なる(例えば置換、挿入、または欠失によって異なる)。この解析に必要であれば、最大相同性のため、配列を並列すべきである。欠失または挿入、あるいはミスマッチ由来の「ループ」アウトされた配列を相違とみなす。相違は、好ましくは、非必須残基(単数または複数)または保存的置換(単数または複数)をコードするヌクレオチドでの相違または変化である。
1つの態様において、第一の核酸および第二の核酸は連結され、例えば同一ベクター中に含有される。他の態様において、第一の核酸および第二の核酸は連結されておらず、例えば異なるベクター中に含有される。
別の側面において、本発明は、本発明の核酸、例えば第一の核酸および第二の核酸を含有する、宿主細胞およびベクター(例えば組換え発現ベクター)を特徴とする。
原核または真核宿主細胞が使用可能である。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書において、交換可能に用いられる。こうした用語は、特定の対象細胞のみでなく、こうした細胞の子孫または潜在的子孫も指す。突然変異または環境の影響によって、続く世代に特定の修飾が起こる可能性があるため、こうした子孫は、実際、親細胞に同一でない可能性があるが、それでも、本明細書で用いるような、用語の範囲内に含まれる。宿主細胞は、原核細胞、例えば大腸菌などの細菌細胞、または真核細胞、例えば昆虫細胞、酵母、または好ましくは哺乳動物細胞(例えば培養細胞または細胞株)いずれであることも可能である。他の適切な宿主細胞が当業者に既知である。
抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を発現させるのに好ましい哺乳動物宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)(例えばR.J. KaufmanおよびP.A. Sharp (1982) Mol. Biol. 159:601−621に記載されるような、DHFR選択可能マーカーと共に用いる、UrlaubおよびChasin, (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216−4220に記載されるdhfr−CHO細胞を含む)、リンパ球細胞株、例えばNS0骨髄腫細胞およびSP2細胞、COS細胞、およびトランスジェニック動物由来の細胞、例えば乳腺上皮細胞が含まれる。
別の側面において、本発明は、ベクター、例えば組換え発現ベクターを特徴とする。本発明の組換え発現ベクターは、原核細胞または真核細胞における、修飾抗体、またはその抗原結合断片の発現のために、設計することが可能である。例えば、本発明のポリペプチドを、大腸菌、昆虫細胞(例えばバキュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞または哺乳動物細胞で発現させることが可能である。適切な宿主細胞は、Goeddel, (1990) Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185, Academic Press, カリフォルニア州サンディエゴにさらに論じられる。あるいは、例えばT7プロモーター制御配列およびT7ポリメラーゼを用いて、組換え発現ベクターを、in vitroで転写し、そして翻訳することが可能である。
原核生物におけるタンパク質の発現は、融合または非融合タンパク質の発現を指示する構成的または誘導性プロモーターを含有するベクターを用いて、大腸菌で最も頻繁に行われる。融合ベクターは、コードされる抗体、通常、組換え抗体の定常部に、多くのアミノ酸を付加する。
抗体鎖遺伝子に加え、本発明の組換え発現ベクターは、機能可能であるように連結され、そして宿主細胞において、抗体鎖遺伝子の発現を調節する制御配列を所持する。
本発明の修飾抗体、またはその抗原結合部分の組換え発現のための典型的な系において、抗体重鎖および抗体軽鎖両方をコードする組換え発現ベクターを、リン酸カルシウム仲介トランスフェクションによって、dhfr−CHO細胞に導入する。組換え発現ベクター内で、抗体重鎖遺伝子および軽鎖遺伝子は、各々、遺伝子の高レベルの転写を駆動する、エンハンサー/プロモーター制御要素(例えばCMVエンハンサー/AdMLPプロモーター制御要素またはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター制御要素など、SV40、CMV、アデノウイルスなどに由来するもの)に機能可能であるように連結されている。組換え発現ベクターはまた、メトトレキセート選択/増幅を用いて、該ベクターでトランスフェクションされているCHO細胞の選択を可能にする、DHFR遺伝子も所持する。選択される形質転換宿主細胞を培養して、抗体重鎖および軽鎖の発現を可能にして、そして損なわれていない抗体を培地から回収する。標準的な分子生物学技術を用いて、組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞にトランスフェクションし、形質転換細胞を選択し、該宿主細胞を培養し、そして培地から抗体を回収する。
他のPSMA結合剤
本発明の方法にやはり有用なのは、PSMA模倣剤である。ペプチド、半ペプチド性(semi−peptidic)化合物または非ペプチド性化合物(例えば小有機分子)を含むこれらの剤はPSMA活性の阻害剤である。
好ましい態様において、剤は、コンビナトリアルライブラリー、例えばペプチドまたは有機コンビナトリアルライブラリー、または天然産物ライブラリーのメンバーである。好ましい態様において、複数の試験化合物、例えばライブラリーメンバーには、少なくとも10、10、10、10、10、10、10、または10の化合物が含まれる。好ましい態様において、複数の試験化合物、例えばライブラリーメンバーは、構造的または機能的特性を共有する。
1つの態様において、本発明は、PSMA結合剤のライブラリーを提供する。コンビナトリアルライブラリーの合成は、当該技術分野に周知であり、そして概説されてきている(例えばE.M. Gordonら, J. Med. Chem. (1994) 37:1385−1401;DeWitt, S.H.;Czarnik, A.W. Acc. Chem. Res. (1996) 29:114;Armstrong, R.W.;Combs, A.P.;Tempest, P.A.;Brown, S.D.;Keating, T.A. Acc. Chem. Res. (1996) 29:123;Ellman, J.A. Acc. Chem. Res. (1996) 29:132;Gordon, E.M.;Gallop, M.A.;Patel, D.V. Acc. Chem. Res. (1996) 29:144;Lowe, G. Chem. Soc. Rev. (1995) 309, Blondelleら Trends Anal. Chem. (1995) 14:83;Chenら J. Am. Chem. Soc. (1994) 116:2661;米国特許第5,359,115号、第5,362,899号、および第5,288,514号;PCT公開第WO92/10092号、第WO93/09668号、第WO91/07087号、第WO93/20242号、第WO94/08051号を参照されたい)。
本発明の化合物ライブラリーは、多様な方法にしたがって調製可能であり、このいくつかが当該技術分野に知られる。例えば、「スプリット−プール」戦略を、以下の方法で実行することが可能である:官能性を持たせたポリマー支持体のビーズを複数の反応容器に入れる;固相ペプチド合成に適した多様なポリマー支持体が知られ、そしていくつかが商業的に入手可能である(例えば、M. Bodansky “Principles of Peptide Synthesis”, 第2版, Springer−Verlag, Berlin(1993)を参照されたい)。ビーズの各アリコートに、異なる活性化アミノ酸の溶液を添加し、そして反応を進行させて、各反応容器に1つずつ、複数の固定アミノ酸を得る。その後、誘導体化ビーズのアリコートを洗浄し、「プール」し(すなわち再び合わせ)、そしてビーズのプールを再び分割し、各アリコートを別個の反応容器に入れる。その後、別の活性化アミノ酸をビーズの各アリコートに添加する。望ましいペプチド長が得られるまで、合成周期を反復する。各合成周期で添加するアミノ酸残基を、無作為に選択することが可能であるし;あるいは、「偏向」ライブラリー、例えば阻害剤の特定の部分が無作為でなく選択されて、例えば抗体、例えば抗イディオタイプ抗体抗原結合部位と相互作用可能な既知のペプチドに、既知の構造的類似性または相同性を有する阻害剤を提供するライブラリーを提供するため、アミノ酸を選択することが可能である。非常に多様なペプチド性化合物、ペプチド擬似化合物、または非ペプチド性化合物が、この方式で容易に生成可能であることが認識されるであろう。
「スプリット−プール」戦略は、ペプチド、例えば阻害剤のライブラリーを生じ、これを用いて、本発明の試験化合物のライブラリーを調製することが可能である。別の例示的合成、「ダイバーソマー(diversomer)ライブラリー」は、Hobbs DeWittら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:6909(1993))の方法によって生成される。Houghtenの「ティーバッグ」技術(例えばHoughtenら, Nature 354:84−86(1991)を参照されたい)を含む、他の合成法もまた、本発明にしたがった化合物ライブラリーを合成するのに使用可能である。
化合物ライブラリーをスクリーニングして、ライブラリーのいずれかのメンバーが望ましい活性を有するかどうかを決定し、そしてもしそうであれば活性種を同定することが可能である。コンビナトリアルライブラリーをスクリーニングする方法が記載されてきている(例えばGordonら, J Med. Chem.、上記を参照されたい)。可溶性化合物ライブラリーを、適切な受容体を用いてアフィニティークロマトグラフィーによってスクリーニングして、受容体のリガンドを単離し、その後、慣用的技術(例えば質量分析、NMRなど)によって、単離されたリガンドを同定することが可能である。可溶性受容体と化合物を接触させることによって、固定化合物をスクリーニングすることが可能であり;好ましくは、可溶性受容体は、検出してリガンド結合の指標とすることが可能な標識(例えば蛍光体、比色酵素、放射性同位体、発光化合物など)にコンジュゲート化されている。あるいは、固定化合物を選択的に遊離し、そして膜を通じて分散させて、受容体と相互作用するのを可能にしうる。本発明のライブラリーをスクリーニングするのに有用な、典型的なアッセイを以下に記載する。
1つの態様において、各化合物がPSMAポリペプチドに直接結合する活性をアッセイすることによって、例えば標準的96ウェルマイクロタイタープレートなどのマルチウェルプレートの1つのウェル中で、PSMAポリペプチドおよび溶解物と、試験化合物をインキュベーションすることによって、PSMAポリペプチドと相互作用する能力に関して、本発明の化合物をスクリーニングすることが可能である。この態様において、各個々の化合物の活性を決定することが可能である。試験化合物を持たない、単数または複数のウェルを、対照として使用することが可能である。インキュベーション後、各ウェルをアッセイすることによって、各試験化合物の活性を決定することが可能である。したがって、複数の試験化合物の活性を平行して決定することが可能である。
さらに別の態様において、結合活性に関して、多数の試験化合物を同時に試験することが可能である。例えば、「1ビーズ−1化合物」合成において、固体樹脂ビーズ上で、試験化合物を合成することが可能である;感光性リンカーを通じて、樹脂支持体上に化合物を固定することが可能である。その後、複数のビーズ(例えば100,000ビーズ以上と同程度に多いもの)を酵母細胞と合わせて、そして各小滴に単一のビーズ(そしてしたがって単一の試験化合物)が含まれる、複数の「ナノ小滴」中にスプレーされることができる。その後、UV光にナノ小滴を曝露すると、ビーズからの化合物の切断が生じる。このアッセイ形式が、迅速な形式で、試験化合物の巨大ライブラリーのスクリーニングを可能にすることが認識されるであろう。
化合物のコンビナトリアルライブラリーを、ライブラリーの各メンバーの同一性をコードする「タグ」を含んで合成することが可能である(例えばW.C. Stillら、米国特許第5,565,324号、並びにPCT公開第WO 94/08051号および第WO 95/28640号を参照されたい)。一般的に、この方法は、固体支持体または化合物に付着した、不活性であるが、容易に検出可能なタグの使用を特徴とする。活性化合物が検出されたら(例えば上述の技術の1つによって)、付随するユニークなタグの同定によって、化合物の同一性を決定する。このタグ付け法は、非常に低レベルしか同定可能でない化合物の、大きなライブラリーの合成を可能にする。こうしたタグ付けスキームは、例えば上述の「ナノ小滴」スクリーニングアッセイにおいて、ビーズから遊離した化合物を同定するのに有用である可能性がある。
好ましい態様において、本発明の化合物ライブラリーは、少なくとも30の化合物、より好ましくは少なくとも100の化合物、そしてさらにより好ましくは少なくとも500の化合物を含有する。好ましい態様において、本発明の化合物ライブラリーは、10未満の化合物、より好ましくは10未満の化合物、そしてより好ましくは10未満の化合物を含有する。
薬剤組成物
別の側面において、本発明は、組成物、例えば薬剤的に許容しうるキャリアーと共に配合した、本明細書に記載するPSMA結合剤が含まれる、薬剤的に許容しうる組成物を提供する。
本明細書において、「薬剤的に許容しうるキャリアー」には、生理学的に適合する、ありとあらゆる溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤等が含まれる。キャリアーは、静脈内投与、筋内投与、皮下投与、非経口投与、脊髄投与または表皮投与(例えば注射または注入による投与)に適している。投与経路に応じて、活性化合物、すなわちPSMA結合剤を物質でコーティングして、酸の作用、および化合物を不活性化する可能性がある他の天然条件から化合物を保護することが可能である。
「薬剤的に許容しうる塩」は、親化合物の望ましい生物学的活性を保持し、そしていかなる望ましくない毒性効果も与えない塩を指す(例えばBerge, S.M.ら (1977) J. Pharm. Sci. 66:1−19を参照されたい)。こうした塩の例には、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸等などの非毒性無機酸由来のものと共に、脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸等などの非毒性有機酸由来のものが含まれる。塩基付加塩には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等などのアルカリ土類金属由来のものと共に、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、塩素、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカイン等などの非毒性有機アミン由来のものが含まれる。
組成物は、多様な型であることが可能である。これらには、例えば、液体溶液(例えば注射可能および注入可能溶液)、分散物または懸濁物、錠剤、ピル、粉末、リポソームおよび座薬などの、液体、半固形および固形投薬型が含まれる。好ましい型は、意図される投与様式および療法的適用に応じる。典型的な好ましい組成物は、ヒトを他の抗体で受動免疫するのに用いるのと類似の組成物など、注射可能または注入可能溶液の型である。好ましい投与様式は、非経口(例えば静脈内、皮下、腹腔内、筋内)である。好ましい態様において、抗体は、静脈内注入または注射によって(例えばニードルレス注射によって)投与される。別の好ましい態様において、抗体は、筋内注射または皮下注射によって投与される。
句「非経口投与」および「非経口的に投与される」は、本明細書において、通常、注射による、腸溶性および局所投与以外の投与様式を意味し、そして該句には、限定なしに、静脈内、筋内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および注入が含まれる。
療法組成物は、典型的には、製造および保管条件下で、無菌であり、そして安定であるべきである。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散物、リポソーム、または高濃度の薬剤に適した、他の定序(ordered)構造として、配合することが可能である。無菌注射可能溶液は、必要に応じて、上に列挙される成分の1つまたはそれらの組み合わせを含む適切な溶媒中に、必要な量の活性化合物(すなわち抗体または抗体部分)を取り込み、その後、ろ過滅菌することによって、調製可能である。一般的に、分散物は、基本的な分散媒体および上に列挙されるもの由来の必要な他の成分を含有する無菌ビヒクル中に、活性化合物を取り込むことによって、調製される。無菌注射可能溶液の調製のための無菌粉末の場合、好ましい調製法は、活性成分に加えて、先の無菌ろ過溶液由来のさらなる望ましい成分いずれかの粉末を生じる、真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティングの使用によって、分散物の場合、必要な粒子サイズの維持によって、そして界面活性剤の使用によって、維持することが可能である。注射可能組成物の吸収の延長は、組成物中に、吸収を遅延させる剤、例えばモノステアリン酸塩およびゼラチンを含むことによって、達成可能である。
PSMA結合剤は、当該技術分野に知られる多様な方法によって、投与することが可能であるが、多くの療法適用に関して、好ましい投与経路/投与様式は、静脈内注射または注入である。当業者に理解されるであろうように、投与経路および/または投与様式は、望ましい結果に応じて多様であろう。特定の態様において、活性化合物は、移植物、経皮パッチおよびマイクロカプセルに入れた搬送(デリバリー:delivery)系を含む、徐放配合物など、迅速な放出に対して化合物を保護するであろうキャリアーと共に調製可能である。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル類、およびポリ乳酸などの、生物分解性、生体適合性ポリマーが使用可能である。こうした配合を調製するための多くの方法が特許されるかまたは当業者に一般的に知られる。例えばSustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J.R. Robinson監修, Marcel Dekker, Inc., ニューヨーク, 1978を参照されたい。
いくつかの態様において、PSMA結合剤の薬剤組成物は、単独で、または他の剤と組み合わせて、皮膚障害、例えば真皮乾癬を治療するため、局所的に、または経皮パッチによって、搬送するかまたは投与することが可能である。結合剤が小分子である態様では、経口投与が使用可能である。さらに、該組成物は、特に乾癬性関節炎などの関節炎の治療のため、そして皮膚病変の直接注射のため、非経口的に搬送することが可能である。非経口療法は、典型的には、皮内、関節内、筋内または静脈内である。PSMA結合剤を、クリームまたは油性(based)キャリアー中で、乾癬病変に直接適用することが可能である。あるいは、エアロゾルを局所的に用いることが可能である。これらの化合物はまた、経口投与することも可能である。
一般的に、投与経路は、局所(眼、頭皮、および粘膜への投与を含む)、経口、または非経口である。局所投与は、頭皮の病変、角膜の病変(角膜炎)、およびこうした直接の適用が現実的である粘膜の病変を含む、皮膚病変の治療で好ましい。脂漏性皮膚炎および頭皮の乾癬などの頭皮病変を治療するのに、シャンプー配合が好適であることがある。口の病変および白斑などの粘膜病変には、含嗽剤および経口パスタ剤配合が好適である可能性がある。
関節内注射は、1つまたはいくつか(2〜6など)の関節のみを治療する場合の、好ましい代替法である。さらに、適切な場合、療法化合物を直接病変に注射する(病変内投与)。乾癬のものなどの真皮病変には、皮内投与が代替法である。
当該技術分野に知られる医学的装置を用いて、療法組成物を投与することが可能である。例えば、好ましい態様において、本発明の療法組成物を、米国特許第5,399,163号、第5,383,851号、第5,312,335号、第5,064,413号、第4,941,880号、第4,790,824号、または第4,596,556号に開示されるような装置などの、ニードルレス皮下注射装置を用いて、投与することが可能である。本発明で有用な周知の移植物およびモジュールの例には:調節された速度で医薬品を分配するための移植可能微小注入ポンプを開示する、米国特許第4,487,603号;皮膚を通じて医薬品を投与するための療法装置を開示する、米国特許第4,486,194号;正確な注入速度で医薬品を搬送するための医薬品注入ポンプを開示する、米国特許第4,447,233号;連続薬剤搬送のための可変流移植可能注入装置を開示する、米国特許第4,447,224号;マルチ・チャンバー区画を有する浸透圧薬剤搬送系を開示する、米国特許第4,439,196号;および浸透圧薬剤搬送系を開示する、米国特許第4,475,196号が含まれる。これらの特許は、本明細書に援用される。多くの他の移植物、搬送系、およびモジュールが当業者に知られる。
投薬措置を調整して、最適な望ましい反応(例えば療法反応)を提供する。例えば、単一の多量用量(bolus)を投与することが可能であるし、いくつかの分割用量を時間に渡って投与することが可能であるし、あるいは療法状況の要求に示されるように、比例して用量を減少させるかまたは増加させることが可能である。投与を容易にし、そして投薬量を均一にするため、非経口組成物を投薬単位型で配合することが、特に好適である。本明細書において、投薬単位型は、治療しようとする被験者の単位投薬量として適している、物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要な薬剤的キャリアーと会合した、望ましい療法効果を生じると計算される、あらかじめ決定された量の活性化合物を含有する。本発明の投薬単位型の仕様は、(a)活性化合物の特有の特性および達成しようとする特定の療法効果、並びに(b)個体における感受性の治療のためにこのような活性化合物を配合する技術分野に固有な限界によって決定され、これらに直接依存する。
本発明の抗体または抗体部分の療法的または予防的有効量の典型的な限定されない範囲は、0.1〜20mg/kg、より好ましくは1〜10mg/kgである。1つの態様において、抗PSMA抗体は、10mg/分未満、好ましくは5mg/分以下の速度の静脈内注入によって投与され、約1〜100mg/m、好ましくは約5〜50mg/m、約7〜25mg/m、そしてより好ましくは、約10mg/mの用量に達することが可能である。投薬量値は、軽減しようとする状態の種類および重症度によって、多様である可能性があることに注目すべきである。特定の被験者いずれかに関して、個体の必要性、並びに該組成物を投与するか、またはその投与を監視する人物の専門的な判断にしたがって、時間に渡って、特定の投薬措置を調整すべきであり、そして本明細書に示す投薬量範囲は、例示のためのみであり、そして請求する組成物の範囲または実施を限定することを意図しないことが、さらに理解されるべきである。
本発明の薬剤組成物には、結合剤の「療法的有効量」または「予防的有効量」が含まれることが可能である。「療法的有効量」は、望ましい療法的結果を達成するために必要な投薬量および期間の、有効な量を指す。PSMA結合剤の療法的に有効な量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重などの要因、並びに抗体または抗体部分が、個体において望ましい反応を引き出す能力に応じて多様である可能性がある。療法的に有効な量はまた、PSMA結合剤のいかなる有毒または有害な影響も、療法的に有益な効果に圧倒されるものである。「療法的に有効な投薬量」は、好ましくは、未治療被験者に比較して、測定可能なパラメーターを阻害する。化合物が測定可能なパラメーター、例えば皮膚病変を阻害する能力は、ヒト皮膚における有効性を予測する、動物モデル系で評価することが可能である。あるいは、組成物のこの特性は、化合物が阻害する能力を調べることによって、in vitroの阻害の場合、当業者に知られるアッセイによって、評価することが可能である。
「予防的に有効な量」は、望ましい予防的結果を達成するために必要な投薬量および期間の、有効な量を指す。典型的には、予防的用量は、疾患前または疾患のより早い段階で、被験者において用いられるため、予防的に有効な量は、療法的に有効な量より少ないであろう。
キット
やはり本発明の範囲内にあるのは、PSMA剤またはこうした剤の組み合わせを、本明細書に記載する障害、例えば皮膚障害を治療するか、防止するかまたは検出するのにどのように使用するかに関する説明書と共に、本発明のPSMA結合剤を含むキットである。いくつかの態様において、該キットには:使用説明書;他の試薬、例えば標識、療法剤、あるいは抗体をキレートするか、または別の方式で標識もしくは療法剤にカップリングするのに有用な剤、あるいは放射線防護組成物;投与用抗体を調製するための装置または他の材料;薬剤的に許容しうるキャリアー;および被験者に投与するための装置または他の材料を含む、1以上の他の要素が含まれることが可能である。使用説明書には、in vitroで、例えば試料、例えば乾癬を有する患者由来の生検または細胞において、あるいはin vivoで、PSMAを検出するPSMA結合剤、例えば抗PSMA抗体(またはその抗原結合断片)の診断的適用のための指示が含まれることが可能である。他の指示には、例えば皮膚障害、例えば乾癬の患者における、示唆される投薬量および/または投与様式を含む、療法的適用の指示が含まれることが可能である。他の指示には、抗体をキレート剤、標識または療法剤にカップリングすることに関する指示、あるいは例えば未反応コンジュゲート化構成要素から、コンジュゲート化抗体を精製するための指示が含まれることが可能である。上に論じるように、キットには、標識、例えば本明細書に記載する標識いずれかが含まれることも可能である。上に論じるように、キットには、療法剤、例えば本明細書に記載する療法剤が含まれることも可能である。キットには、抗体を標識もしくは療法剤にキレートするか、または別の方式でカップリングするのに有用な試薬、例えば本明細書に論じる試薬が含まれることも可能である。例えば、巨大環状キレート剤、好ましくは1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)を含むことも可能である。DOTAは、別個の構成要素として供給することも可能であるし、またはすでに抗体にカップリングさせたDOTA(あるいは他のキレート剤またはコンジュゲート化剤)を供給することも可能である。キレート剤、例えばDOTAを抗体にカップリングさせるために、さらなるカップリング剤、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)などの剤を供給することが可能である。いくつかの適用において、抗体は、他の構成要素、例えばキレート剤または標識または療法剤、例えば放射性同位体、例えばイットリウムまたはルテチウムと反応するであろう。こうした場合、キットには、反応を実行する、1以上の反応容器、あるいは出発材料または反応中間体から最終産物を分離するのに使用するための分離装置、例えばクロマトグラフィーカラムが含まれることが可能である。
キットはさらに、1以上の別個の薬剤中に、適切なように配合した、診断剤または療法剤、例えば本明細書に記載するような診断剤または療法剤などの、少なくとも1つのさらなる試薬、および/または1以上のさらなるPSMA結合剤、例えば抗PSMA抗体(またはその断片)を含有することが可能である。
キットはさらに、放射線防護剤を含有することが可能である。同位体、例えば90イットリウム(90Y)の放射線分解性が知られる。この放射線分解を克服するため、放射線防護剤が良性である限り、すなわち例えば90Yなどの同位体の抗体への標識反応を阻害しないか、または別の方式で該反応に不都合に影響を及ぼさない限り、例えば反応緩衝液において、放射線防護剤が含まれることも可能である。
本発明の配合緩衝液には、ヒト血清アルブミン(HSA)またはアスコルベートなどの放射線防護剤が含まれることが可能であり、これらの剤は、イットリウムまたは他の強い放射性核種のための放射線分解を最小限にする。他の放射線防護剤、すなわちフリーラジカル・スカベンジャー(フェノール、スルフィット、グルタチオン、システイン、ゲンチシン酸、ニコチン酸、パルミチン酸アスコルビル、HOP(:O)HIグリセロール、ホルムアルデヒド・スルホキシル酸ナトリウム、Na0、Na、およびS0など)が当該技術分野に知られ、そして本発明の配合緩衝液中にも使用可能である。好ましいキットは、患者に投与するため、キレート剤コンジュゲート化タンパク質またはペプチドを、療法的放射性同位体で放射標識するのに有用なものである。該キットには(i)キレート剤コンジュゲート化抗体を含有するバイアル、(ii)放射標識抗体を安定化し、そして患者に投与するための配合緩衝剤を含有するバイアル、および(iii)放射標識法を行うための説明書が含まれる。該キットは、例えば説明書に推奨されるような、穏やかな(amiable)条件下で、十分な時間、キレート剤コンジュゲート化抗体を放射性同位体またはその塩に曝露することを提供する。十分な純度、比活性および結合特異性を有する放射標識抗体を産生する。放射標識抗体を適切な濃度に、例えば配合緩衝液中で希釈して、そしてさらなる精製を伴わずに、患者に直接投与することが可能である。キレート剤コンジュゲート化抗体は凍結乾燥型で供給可能である。
治療法および予防法
本発明の方法は、異常な細胞、例えば異常なPSMA発現表皮細胞または真皮細胞、あるいは非悪性非前立腺過剰増殖細胞を処理する、例えば除去するかまたは殺すのに有用である。本発明の方法には、該細胞を除去するかまたは殺すのに十分な量の、PSMAに特異的に結合する結合剤、例えば抗体またはその抗原結合断片と、該細胞、または該細胞に近接する血管内皮細胞を接触させる工程が含まれる。
本発明の方法を用いて、例えば、こうした障害を治療するかまたは防止するのに有効な量で、PSMA結合剤、例えば抗PSMA抗体またはその抗原結合断片を被験者に投与することによって、障害、例えば皮膚障害(例えば乾癬)または非悪性非前立腺過剰増殖障害を治療するかまたは防止することが可能である。
皮膚障害は、真皮層、表皮層、または皮下層の細胞または細胞群または層の異常な活性、あるいは真皮−表皮結合部の異常を伴う可能性がある。例えば、皮膚障害は、角化細胞(例えば過剰増殖する基底角化細胞および基底層のすぐ上の角化細胞)、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞、免疫細胞、および表皮層、例えば基底層(胚芽層)、有棘層、顆粒層、淡明層または角質層の1以上に見られる他の細胞の異常な活性を伴う可能性がある。他の態様において、障害は、真皮細胞、例えば真皮層、例えば乳頭層または網状層に見られる、例えば真皮内皮細胞、線維芽細胞、免疫細胞(例えば肥満細胞またはマクロファージ)の異常な活性を伴う可能性がある。
本発明の方法は、いかなる被験者、例えば哺乳動物、より高次の霊長類、好ましくはヒトに対しても実施することが可能である。本明細書において、用語「被験者」は、ヒトおよび非ヒト動物を含むと意図される。好ましいヒト動物には、本明細書に記載するような皮膚障害を有するヒト患者が含まれる。本発明の用語「非ヒト動物」には、すべての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類(特により高次の霊長類)、ヒツジ、イヌ、げっ歯類(例えばマウスまたはラット)、モルモット、ヤギ、ブタ、ネコ、ウサギ、ウシなどの哺乳動物、およびニワトリ、両生類、爬虫類などの非哺乳動物が含まれる。
本発明の方法を用いて治療するかまたは防止することが可能な皮膚障害の例には、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚炎(湿疹)、例えば剥脱性皮膚炎またはアトピー性皮膚炎、毛孔性紅色粃糠疹、バラ色粃糠疹、類乾癬、苔癬状粃糠疹、扁平苔癬、光沢苔癬、魚鱗癬様皮膚病、角皮症、皮膚病、円形脱毛症、壊疽性膿皮症、白斑、類天疱瘡(例えば眼の瘢痕性類天疱瘡または水疱性類天疱瘡)、蕁麻疹、汗孔角化症、関節包を裏打ちする上皮関連細胞の過剰増殖および炎症を伴う慢性関節リウマチ;脂漏性皮膚炎および日光皮膚炎などの皮膚炎;脂漏性角化症、老人性角化症、光線性角化症、光誘導角化症、および毛包性角化症などの角化症;尋常性ざ瘡;ケロイドおよびケロイド形成に対する予防;母斑;いぼ、コンジローマまたは尖圭コンジローマ、および性病性疣贅などのヒトパピローマウイルス(HPV)感染を含む疣贅;ロイコプラキー;扁平苔癬;及び角膜炎が含まれる。好ましくは、障害は、皮膚炎、例えばアトピー性皮膚炎またはアレルギー性皮膚炎、あるいは乾癬である。
最も好ましくは、障害は乾癬である。用語「乾癬」は、その医学的意味を有する、すなわち、主に皮膚を罹患させ、隆起し、肥厚した、落屑する、非瘢痕性病変を生じる疾患を意味するように意図される。病変は通常、重複する、光沢がある鱗屑で覆われた、境界が極めて明瞭な紅斑丘疹である。鱗屑は、典型的には銀色であるか、またはわずかに乳白光を発する。爪が関与すると、しばしば、爪に穴が開き、爪が分離し、肥厚して、そして変色する。乾癬はときに、関節炎と関連し、関節炎を長引かせる可能性がある。角化細胞の過剰増殖は、表皮炎症、および角化細胞分化減少と共に、乾癬性表皮過形成の重要な特徴である。乾癬を特徴付ける角化細胞過剰増殖を説明するのに、多数の機構が引き合いに出されてきている。細胞免疫の混乱もまた、乾癬の病因形成に関連付けられてきている。乾癬障害の例には、慢性停止性乾癬、尋常性乾癬、発疹性(水玉性(gluttate))乾癬、乾癬性紅皮症、全身性膿疱性乾癬(Von Zumbusch)、輪状膿疱性乾癬、および限局性膿疱性乾癬が含まれる。
他の態様において、皮膚障害は、真皮の炎症性または腫瘍性障害である。こうした障害の例には、急性熱性好中球性皮膚症(スウィート症候群)、持久性隆起性紅斑、皮膚性好酸球疾患、肉芽腫、悪性萎縮性丘疹症、皮膚腫瘍、皮膚偽性腫瘍、皮膚過形成、皮膚血管奇形、カポジ肉腫、皮膚萎縮症および皮膚の萎縮性障害が含まれる。
さらに他の態様において、皮膚障害は、表皮前癌性病変または癌性病変である。例えば、病変は:上皮前癌性病変、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、黒色腫、メラノサイトの良性異常増殖または過形成、ケラトアカントーマ、良性上皮腫瘍、および皮膚神経内分泌癌の1以上から選択可能である。前癌性病変または癌性病変の他の例には、皮膚T細胞リンパ腫(例えば菌状息肉症)、皮膚浸潤を含む全身性リンパ腫、および皮膚偽リンパ腫が含まれる。
他の態様において、皮膚障害は、反応性が改変された皮膚障害である。こうした皮膚障害の例には、蕁麻疹および血管性浮腫、移植片対宿主病、アレルギー性接触皮膚炎、自家感作性皮膚炎、アトピー性皮膚炎(アトピー性湿疹)、貨幣状湿疹性皮膚炎、および水疱性手掌足底湿疹が含まれる。
他の態様において、皮膚障害は、自己免疫疾患、例えばリウマチ学的障害の皮膚発症である。本発明を用いて治療可能なリウマチ学的障害の例には、紅斑性狼瘡、皮膚筋炎、強皮症、全身性壊死性動脈炎、皮膚壊死性細静脈炎、慢性関節リウマチ、シェーグレン症候群、レイノー現象、およびライター症候群が含まれる。
他の態様において、皮膚障害は、刺激剤、例えば薬剤、感染性病原体、食物、または環境刺激剤に反応して生じる。1つの態様において、刺激剤は、ツタウルシである。
他の態様において、本発明の方法を用いて、非悪性非前立腺過剰増殖障害を治療することが可能である。こうした障害の例には、限定されるわけではないが、移植拒絶、自己免疫疾患〔例えば糖尿病、関節炎(慢性関節リウマチ、若年性慢性関節リウマチ、骨関節症、乾癬性関節炎を含む)、多発性硬化症、脳脊髄炎、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、自己免疫甲状腺炎、皮膚炎(アトピー性皮膚炎および湿疹性皮膚炎を含む)、乾癬、シェーグレン症候群、炎症性腸疾患(例えばクローン病および潰瘍性大腸炎)、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、喘息、アレルギー性喘息、皮膚ループスエリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬剤発疹、らい逆転反応(leprosy reversal reactions)、らい性結節性紅斑、自己免疫ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死出血性脳脊髄炎、特発性両側性進行性感音性難聴、再生不良性貧血、赤芽球癆、特発性血小板減少症、多発性軟骨炎、ヴェゲナー肉芽腫症、慢性活性肝炎、スチーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー、扁平苔癬、グレーブス病、サルコイドーシス、原発性胆汁性肝硬変、後部ブドウ膜炎(uveitis posterior)、および間質性肺線維症を含む〕、移植片対宿主病、およびアトピー性アレルギーなどのアレルギーを含む、自己免疫および炎症状態が含まれる。
本発明の方法および組成物を用いて、PSMA発現細胞、例えば腎細胞、肝細胞または脳細胞の異常な活性を伴う障害を治療するかまたは防止することもまた可能である。
腎臓に関与する障害には、限定されるわけではないが、先天性異常〔限定されるわけではないが腎臓の嚢胞性疾患(限定されるわけではないが、嚢胞性腎形成異常、常染色体優性(成人)多嚢胞腎症、常染色体劣性(小児期)嚢胞腎症、および腎髄質の嚢胞性疾患(限定されるわけではないが、髄質性海綿腎、およびネフロン癆−尿毒症髄質嚢胞性疾患コンプレックスを含む)を含む)を含む〕、単純性嚢胞などの後天性(透析関連)嚢胞性疾患;糸球体疾患〔糸球体傷害の病変(限定されるわけではないが、その場での(in situ)免疫複合体沈着(限定されるわけではないが、抗GBM腎炎、ヘイマン腎炎、および植え付けた抗原に対する抗体を含む)、循環免疫複合体腎炎、糸球体細胞に対する抗体、糸球体腎炎における細胞仲介免疫、第二経路補体(alternative complement)の活性化、上皮細胞傷害、並びに細胞性および可溶性仲介因子を含む糸球体傷害の仲介因子を伴う病変、急性増殖性(溶連菌感染後、感染後)糸球体腎炎などの急性糸球体腎炎(限定されるわけではないが、溶連菌感染後性糸球体腎炎および非溶連菌感染後急性糸球体腎炎、迅速進行性(半月体形成性)糸球体腎炎を含む)、ネフローゼ症候群、膜性糸球体腎炎(膜性腎症)、微小変化型疾患(類脂性腎症)、巣状分節状糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎、IgA腎症(ベルジェ病)、巣状増殖性および壊死性糸球体腎炎(巣状糸球体腎炎)、遺伝性腎炎(限定されるわけではないが、アルポート症候群および薄膜疾患(良性家族性血尿症)を含む)、慢性糸球体腎炎、全身性疾患(限定されるわけではないが、全身性エリテマトーデス、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、細菌性心内膜炎、糖尿病性糸球体硬化症、アミロイドーシス、線維性およびイミュノタクトイド(immunotactoid)糸球体腎炎、および他の全身性障害を含む)に関連する糸球体病変を含む)を含む〕;細管および間質に影響を及ぼす疾患〔急性細管壊死および尿細管間質腎炎(限定されるわけではないが、腎盂腎炎および尿管感染、急性腎盂腎炎、慢性腎盂腎炎および逆流性腎症、並びに薬剤および毒素に誘導される尿細管間質腎炎(限定されるわけではないが、急性薬剤誘導間質腎炎、鎮痛剤濫用腎症、非ステロイド性抗炎症薬剤に関連する腎症を含む)、並びに他の尿細管間質疾患(限定されるわけではないが、尿酸腎症、高カルシウム血症および腎石灰症を含む)を含む)、および多発性骨髄腫を含む〕;血管の疾患〔良性腎硬化症、悪性高血圧および加速性腎硬化症、腎動脈狭窄、並びに血栓性微小血管病変(限定されるわけではないが、古典的(小児期)溶血性尿毒症症候群、成人溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、特発性HUS/TTPを含む)、並びに他の血管障害(限定されるわけではないが、アテローム性虚血性腎疾患、アテローム塞栓性腎疾患、鎌状赤血球症腎症、散在性皮質壊死、および腎梗塞を含む)を含む〕;尿路閉塞(閉塞性尿路病);尿石症(腎結石、石);並びに腎臓の腫瘍〔限定されるわけではないが、良性腫瘍(腎乳頭腺腫、腎線維腫または過誤腫(腎髄質間質細胞腫瘍)、血管筋脂肪腫、および膨大細胞腫など)、および悪性腫瘍(腎細胞癌(副腎腫、腎臓の腺癌)(腎盂の尿路上皮癌を含む)を含む)を含む〕が含まれる。
肝臓に関与する障害には、限定されるわけではないが、肝傷害;黄疸および胆汁分泌停止(ビリルビンおよび胆汁形成など);肝不全および肝硬変(肝硬変、門脈圧亢進症(腹水、門脈系シャント(portosystemic shunts)、および脾腫を含む)など);ウイルス性肝炎などの感染性障害(A−E型肝炎感染および他の肝炎ウイルスによる感染を含む)、臨床病理的症候群(キャリアー状態、無症状感染、急性ウイルス肝炎、慢性ウイルス肝炎、および劇症肝炎など);自己免疫肝炎;薬剤および毒素誘導肝疾患(アルコール性肝疾患など);代謝の先天性異常および小児肝疾患(血色素症、ウィルソン病、α−抗トリプシン欠乏症、および新生児肝炎など);肝臓内胆管疾患(続発性胆汁性肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、および胆管樹状構造(biliary tree)の異常など);循環障害(肝臓への血流障害(肝動脈コンプロミス(compromise)、並びに門脈閉塞および塞栓症を含む)、肝臓中の血流障害(受動的うっ血および小葉中心壊死および肝臓紫斑病を含む)、肝静脈流出閉塞(肝静脈血栓症(ブッド・キアリ症候群)および静脈閉塞性疾患を含む)など);妊娠に関連する肝疾患(子癇前症および子癇、妊娠の急性脂肪肝、および妊娠の肝臓内胆汁分泌停止など);並びに臓器または骨髄移植の肝合併症(骨髄移植後の薬剤毒性、移植片対宿主病および肝拒絶、並びに肝同種移植片に対する非免疫学的損傷など)が含まれる。
脳に関与する障害には、限定されるわけではないが、ニューロンに関与する障害、およびグリア(アストロサイト、オリゴデンドロサイト、上衣細胞、およびミクログリアなど)に関与する障害;脳浮腫、頭蓋内圧上昇およびヘルニア形成、並びに水頭症;奇形および発生疾患(神経管欠損、前脳異常、後頭蓋窩異常、並びに脊髄空洞症および水脊髄腫など);周産期脳傷害;脳血管疾患〔低酸素症、虚血、および梗塞に関連するものなど(低血圧、低灌流、および低流状態−−全体脳虚血および限局性脳虚血−−局所血液供給の閉塞からくる梗塞を含む)、頭蓋内出血(脳内(実質内)出血、クモ膜下出血および脳動脈に生ずる小嚢状脈瘤破裂を含む)、および血管奇形、高血圧性脳血管疾患(陰窩性梗塞、細隙出血、および高血圧脳症を含む)〕;感染〔急性髄膜炎(急性化膿性(細菌性)髄膜炎および急性無菌性(ウイルス性)髄膜炎を含む)、急性限局性化膿性感染(脳膿瘍、硬膜下蓄膿、および硬膜外膿瘍を含む)、慢性細菌性髄膜脳炎(結核症およびマイコバクテリア症を含む)、神経梅毒、および神経ボレリア病(ライム疾患)、ウイルス髄膜脳炎(節足動物媒介性(Arbo)ウイルス性脳炎、1型単純疱疹ウイルス、2型単純疱疹ウイルス、水痘・帯状ウイルス(帯状疱疹)、サイトメガロウイルス、灰白髄炎、狂犬病、およびヒト免疫不全ウイルス1(HIV−1髄膜脳炎(亜急性脳炎))を含む)、空胞性脊髄病、AIDS関連ミオパシー、末梢ニューロパシー、および小児のAIDS、進行性多病巣性白質脳症、亜急性硬化性汎脳炎、真菌髄膜脳炎、神経系の他の感染性疾患など〕;伝染性海綿様脳症(プリオン病);脱髄疾患(多発性硬化症、多発性硬化症変異型、急性散在性脳脊髄膜炎および急性壊死性出血性脳脊髄膜炎、並びに他の脱髄疾患を含む);変性疾患〔脳皮質に影響を及ぼす変性疾患(アルツハイマー病およびピック病を含む)、基底核および脳幹の変性疾患(パーキンソン症候群、特発性パーキンソン病(振戦麻痺)、進行性核上麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群、およびオリーブ橋小脳萎縮症を含む)、およびハンチントン病を含む)など〕;脊髄小脳変性〔脊髄小脳性運動失調症(フリードライヒ運動失調症、および毛細管拡張性失調症を含む)、運動ニューロンに影響を及ぼす変性疾患(筋萎縮性側索硬化症(運動ニューロン疾患)、球脊髄萎縮症(ケネディ症候群)、および脊髄筋萎縮症を含む)を含む〕;代謝の先天性異常〔白質ジストロフィ(クラッベ病、異染性白質ジストロフィ、副腎脳白質ジストロフィ症、ペリツェーウス・メルツバッヘル病、およびカナバン病を含む)、ミトコンドリア脳脊髄炎(リー病および他のミトコンドリア脳脊髄炎を含む)など〕;毒性および後天性代謝疾患〔ビタミン欠乏症(チアミン(ビタミンB)欠乏症およびビタミンB12欠乏症など)、代謝障害の神経学的後遺症(低血糖症、高血糖症、および肝性脳症を含む)、毒性障害(一酸化炭素、メタノール、エタノール、および放射線(メトトレキセートおよび放射線の併用を含む)が誘導する傷害を含む)を含む〕;腫瘍〔グリオーマ(星状細胞腫(原線維性(散在性)星状細胞腫および多形性グリア芽細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、多形性黄色星状膠細胞腫を含む)、および脳幹グリオーマ、希突起グリオーマ、並びに上衣細胞腫および関連する傍室塊病変(paraventricular mass lesion)を含む)、ニューロン腫瘍、分化が劣った新生物(髄芽腫を含む)、他の実質腫瘍(原発性脳リンパ腫、生殖細胞腫瘍、および松果体実質腫瘍を含む)、髄膜腫、転移性腫瘍、傍腫瘍性症候群、末梢神経鞘腫瘍(神経鞘腫、神経線維腫、および悪性末梢神経鞘腫瘍(悪性神経鞘腫)を含む)、および神経皮膚症候群(母斑症)(神経線維腫症(1型神経線維腫症(NF1)および2型神経線維腫症(NF2)を含む)、結節性脳硬化症、およびフォンヒッペル・リンダウ病を含む)など〕が含まれる。
併用療法
PSMA結合剤、例えば抗PSMA抗体またはその抗原結合断片を、他の療法と併用することが可能である。例えば、併用療法には、1以上のさらなる療法剤、例えば1以上の抗癌剤、細胞傷害性剤または細胞分裂抑制性剤および/または免疫抑制剤と同時配合され、そして/または同時投与される本発明の組成物が含まれることが可能である。用語「細胞傷害性剤」および「細胞分裂抑制性剤」は、本明細書において、交換可能に用いられ、そして成長または増殖を阻害する特性を有する剤(例えば細胞分裂抑制性剤)、または過剰増殖細胞、例えば異常な皮膚細胞またはT細胞の殺傷を誘導する剤を指す。
例えば、PSMA結合剤は、裸の抗体、免疫毒素、および放射性コンジュゲートを含む、他の標的に結合する1以上のさらなる抗体(例えば他のサイトカインに結合するか、または細胞表面分子に結合する抗体)、1以上のサイトカイン、または免疫抑制剤、例えばサイクロスポリンAまたはFK506と同時配合するか、そして/または同時投与することが可能である。
皮膚障害には、皮膚障害のための現在の療法様式とPSMA結合剤の併用が好ましい。こうした様式の例には、光療法(例えばUVA、UVBまたはPUVA);化学療法(例えばメトトレキセート;レチノイド;サイクロスポリン;エトレチナート);または局所療法(例えばステロイド、ビタミン(例えばビタミンD)、タール、アントラリン、またはマクロライド、例えばタクロリムス)が含まれる。こうした併用療法は、より低い投薬量の療法剤または予防剤を好適に利用することが可能である。さらに本発明の1以上の抗体を前述の療法剤の2以上と併用することが可能である。こうした併用療法は、より低い投薬量で投与される療法剤を好適に利用して、したがって多様な単一療法に関連する、ありうる毒性または合併症を回避することが可能である。
裸の抗体、融合タンパク質、免疫毒素、および放射性コンジュゲートを含む、他の標的と結合する、1以上のさらなる抗体またはリガンド(例えば他のサイトカインに結合するか、または細胞表面分子に結合する抗体)と、PSMA結合剤、例えば抗PSMA抗体を併用することが可能である。PSMA結合剤と併用可能な抗体の例には、IL−8(ABX−IL8(Abgenix));補体C5タンパク質(5G1.1(Alexion));CD2(MEDI−507/BTI−322(MedImmune/BioTransplant));Eセレクチン(CDP 850(Celltech));TNFアルファ(Remicaide(Centocor));CD4(HuMax−CD4(Genmab));IL15(HuMax−IL15(Genmab/Immunex));ICAM−3(ICM3(Icos);CD64(MDX−44(Medarex));IL2受容体(Zenepax(PDL));CD3(Nuvion(PDL));およびCD11a(Xanelim(Genentech/Xoma))に対する抗体が含まれる。上記に加え、他の標的に結合する免疫グロブリン融合タンパク質が使用可能である。例えば、CD2に結合する免疫グロブリン融合体、例えばLFA−3−Igが使用可能である。
「併用」投与する、は、本明細書において、2つの(またはそれより多い)異なる治療を、被験者が該障害に苦しんでいる経過中に被験者に搬送すること、例えば2以上の治療を、被験者が該障害と診断された後で、そして該障害が治癒するかまたは除去される前に、搬送することを意味する。いくつかの態様において、治療が重複するように、1つの治療の搬送は、第二の搬送が始まる際になお行われている。これはときに、本明細書において、「同時」または「同時搬送」と称される。他の態様において、1つの治療の搬送は、他の治療の搬送が始まる前に終了する。どちらの場合でもいくつかの態様において、治療は、併用投与のため、より有効である。例えば、第一の治療の非存在下で第二の治療を投与した場合に見られるであろうより、第二の治療がより有効であり、例えばより少ない量の第二の治療で同等の効果が見られるか、または第二の治療がより高い度合いまで症状を減少させるし、あるいは第一の治療で同様の状況が見られる。いくつかの態様において、搬送は、他方の治療の非存在下で搬送された際に一方の治療で観察されるであろうより、症状の減少、または障害に関連する他のパラメーターの減少が、大きいようなものである。2つの治療の効果は、部分的に相加的であるか、完全に相加的であるか、または相加的であるよりも高い可能性がある。搬送は、搬送される第一の治療の効果が、第二の治療が搬送される際に、なお検出可能であるようなものであることが可能である。
好ましい態様において、第一の治療の搬送および第二の治療の搬送は、相互の1、2、5、10、15、または30日以内に起こなわれる。
本明細書に記載するような結合剤は、乾癬などの皮膚状態の慣用的治療に対する付属物として使用可能である。例えば、結合剤は、乾癬の連続療法前に、それと同時に、またはその後に、導入可能である(Koo, J. (1999) J Am Acad Dermatol. 41(3 Pt 2):S25−8に概説される)。
他の典型的な態様において、PSMA結合剤は、長時間に渡って投与することが可能である(例えば12週間の療法治療期間)。緩解期またはあまり活性でない疾患の期間中、PSMA結合剤を単独で、または局所性剤(例えばステロイド、ビタミン(例えばビタミンD)、タール、アントラリン、またはマクロライド、例えばタクロリムス)および/または光療法(例えばUVA、UVBまたはPUVA、しかし好ましくはUVB)と併用投与することが可能である。活性疾患期間中、メトトレキセートおよび/またはサイクロスポリンなどの、迅速に作用するが毒性である補助剤を短い治療期間で投与することが可能である。
好ましい態様において、PSMA結合剤(例えば抗PSMA抗体)または該剤を含有する薬剤組成物は、全身投与される(例えば、注入により(例えば注入装置を用いて)、静脈内投与、筋内投与、皮下投与、関節内投与、鞘内投与、骨膜(periostally)投与、腫瘍内投与、病変内投与、病変周囲に投与、経口投与、局所投与、または吸入によって投与)。好ましくはPSMA結合剤を、筋内投与または静脈内投与する。他の態様において、PSMA結合剤を、罹患領域、例えば乾癬病変に、局在的に(例えば局所的に)投与する。
1つの態様において、本明細書に開示するようなPSMA結合剤を、光療法(本明細書において「光線療法」とも称する)と併用投与する。光療法は、皮膚による紫外(UV)照射の光吸収を利用して、迅速に増殖する細胞を殺し、そして増殖を抑止する。現在、皮膚を320〜400nm(UVA照射)または290〜320nm(UVB照射)の間のUV照射に曝露する、UVA療法およびUVB療法両方が、皮膚状態を治療するのに有効に、そして広く用いられている。他の態様において、光化学療法の1つの型であり、ソラレンまたはソラレンに基づく化合物を、皮膚の罹患領域に反復局所適用し、その後、UVA照射にその領域を曝露することを伴うPUVA療法もまた、使用可能である。さらに他の態様において、光線力学療法(PDT)を用いて、皮膚状態、特に乾癬および菌状息肉症を治療することが可能である。この方法では、癌細胞に選択的に保持される薬剤である、光感作剤を被験者に投与する。光(薬剤に応じて、典型的には320〜700nmの間)の吸収後、光感作剤は光化学反応を経て、細胞傷害性一重項酸素を生じ、これが最終的に、皮膚における腫瘍血管破壊を導く(Andersonら (1992) Arch. Dermatol. 128:1631−1636)。
薬理ゲノミクス
予防的および療法的治療法両方に関して、こうした治療は、薬理ゲノミクスの分野から得られる知識に基づいて、特別に調整するかまたは修飾することが可能である。「薬理ゲノミクス」は、本明細書において、臨床的開発中の薬剤、および市場にある薬剤に対する、遺伝子配列決定、統計遺伝学、および遺伝子発現解析などのゲノミクス技術の適用を指す。例えば、Eichelbaum, M.ら (1996) Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 23:983−985およびLinder, M.W.ら (1997) Clin. Chem. 43:254−266を参照されたい。療法剤の代謝の相違は、薬理学的に活性である薬剤の用量および血中濃度間の関係を改変することによって、重度の毒性または療法的失敗を導く可能性がある。一般的に、2つの種類の薬理遺伝学的状態が区別可能である。薬剤が体に作用する方式を改変する(薬剤作用改変)単一の要因として伝達される遺伝的状態、または体が薬剤に作用する方式を改変する(薬剤代謝改変)単一の要因として伝達される遺伝的状態である。これらの薬理遺伝学的状態は、まれな遺伝子欠陥として、または天然存在多型として、いずれかで生じうる。より具体的には、該用語は、患者の遺伝子が薬剤に対する反応をどのように決定するか(例えば患者の「薬剤反応表現型」または「薬剤反応遺伝子型」)の研究を指す。したがって、本発明の別の側面は、個体の薬剤反応遺伝子型にしたがって、個体の予防的または療法的治療を調整する方法を提供する。
薬理ゲノミクス研究から生じる情報を用いて、個体の予防的または療法的治療の適切な投薬量および治療措置を決定可能である。この知識は、用量決定または薬剤選択に適用した際、不都合な反応または療法的失敗を回避することが可能であり、そしてしたがって療法組成物、例えば1以上のPSMA結合剤またはその誘導体型(単数又は複数種類)からなる組成物を、障害、例えば本明細書に記載するような皮膚障害を治療する手段として、患者に投与した際に、療法的または予防的効力を増進することが可能である。
1つの態様において、医師または臨床家は、薬剤組成物、例えば1以上のPSMA結合剤、その誘導体型(単数又は複数種類)、および場合によって第二の剤からなる組成物を、被験者に投与するかどうかを決定する際に、適切な薬理ゲノミクス研究で得た知識の適用を考慮することが可能である。別の態様において、医師または臨床家は、患者に投与される薬剤組成物、例えば本明細書に記載するような薬剤組成物の投薬量、例えば治療あたりの量または治療頻度を決定する際に、こうした知識を適用することを考慮することが可能である。
さらに別の態様において、医師または臨床家は、臨床試験に参加した被験者群の、1以上の遺伝子座の遺伝子型を決定することが可能であり、ここで、被験者は障害、例えば本明細書に記載するような皮膚障害を示し、そして臨床試験は、薬剤組成物、例えば1以上のPSMA結合剤、および場合によって第二の剤からなる組成物の効力を試験するように設計され、そして医師または臨床家は、薬剤組成物への反応と、被験者の遺伝子型を相関させることを試みる。
診断的使用
1つの側面において、本発明は、PSMAの存在をin vitroで(例えば血漿、組織、生検、例えば乾癬組織などの生物学的試料で)またはin vivoで(例えば被験者におけるin vivoイメージングで)検出する診断法を提供する。該方法には:(i)PSMA結合剤と試料を接触させ、または被験者にPSMA結合剤を投与し;(ii)対照試料(例えば血漿、組織、生検などの対照生物学的試料、あるいは対照被験者)を接触させ;そして(iii)PSMA結合剤、および試料または被験者、あるいは対照試料または対照被験者間の複合体の形成を検出することが含まれ、ここで、対照試料または対照被験者に比較した、試料または被験者における複合体形成の統計的に有意な変化が、試料中に抗原が存在する指標となる。
好ましくは、PSMA結合剤を、検出可能物質で直接または間接的に標識して、結合または非結合抗体の検出を容易にする。適切な検出可能物質には、上述のような、多様な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質および放射性物質が含まれる。適切な酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが含まれ;適切な補欠分子族複合体の例には、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが含まれ;適切な蛍光物質の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセイン・イソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンが含まれ;発光物質の例にはルミノールが含まれ;そして適切な放射性物質の例には125I、131I、35SまたはHが含まれる。
PSMA結合剤およびPSMA間の複合体形成は、PSMA抗原に結合する抗体(または抗体断片)または非結合抗体(または抗体断片)いずれかを測定するかまたは視覚化することによって、検出可能である。慣用的な検出アッセイ、例えば酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)または組織免疫組織化学を使用することが可能である。
PSMA結合剤を標識する代わりに、検出可能物質で標識された標準および非標識抗PSMA抗体を利用する競合免疫アッセイによって、試料中のPSMAの存在をアッセイすることが可能である。このアッセイでは、生物学的試料、標識標準およびPSMA結合剤を組み合わせて、そして非標識抗体に結合した標識標準の量を決定する。試料中のPSMA量は、PSMA結合剤に結合した標識標準量に反比例する。
さらに別の態様において、本発明は、PSMA発現細胞の存在をin vivoで検出する方法を提供する。該方法は、(i)被験者(例えば乾癬患者)に、検出可能マーカーにコンジュゲートしたPSMA結合剤を投与し;(ii)PSMA発現細胞に対する前記検出可能マーカーを検出する手段に、被験者を曝露することを含んでなる。in vivo診断アッセイのプロトコルは、PCT/US88/01941、EP 0 365 997およびUS 4,954,617に提供される。
以下の発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、該実施例はさらなる限定と解釈してはならない。本出願全体で引用されるすべての参考文献、係属特許出願および公開特許の内容は、明らかに本明細書に援用される。
実施例
実施例1:脱免疫J591抗体を用いる乾癬の治療
肺及び肝臓を関与させた転移性腎臓癌を有する72歳男性は、特に彼の背中及び腕上の皮膚の大きな面積を含む、乾癬の多病巣性領域を有することで注目された。患者のカルテの記録は、彼の長期間持続乾癬が“この数か月間に悪化”したことを示唆する。この患者は、約5分間にわたる静脈内注入によって、脱免疫J591の10mg投与量を受容した。この脱免疫J591は、イメージングのために、5mCiの111インジウムでトレース標識した(traced-labeled)ものであった。問題のない注入後約45分に、患者は悪寒戦慄を経験し、これをベナドリルとデメロールで治療した。喘鳴の発生及び酸素飽和度の低下のために、患者はさらに100mgのソルコルテフ、エピネフリン及びペプシドを受容した。患者の症状は消失した。
約2週間後に、患者を、彼の2週間フォローアップ予約のために調べた。患者は、彼の乾癬が“あまり痒くなく”なったことを示唆し、進行記録は、“彼の背中の病巣が低い隆起及び薄らいだ赤味に見える”ことを示す。
患者は、この2週間時点で脱免疫J591の第2回投与量を受ける期限であった。しかし、注入後の患者の反応のために、該抗体の第2回投与量を投与しないことが決められた。約2週間後に患者をフォローアップで再び調べた。カルテは、この時点で、“彼の背中、躯幹、腕の乾癬が減少し、病巣が小さくなり、刺激感及び痒みが薄らいだ”ことを示す。その後(1週間後)のカルテ記録は、患者の乾癬が改善したことを示す。この記録はさらに、患者がA&D軟膏を用いていたことを示すが、これは、幾つかの理由から、患者の症状の改善の原因であるとは思われない。第一に、A&D軟膏は、乾癬に有効であると知られていず、さらに患者は、特に彼の背中の、彼の病巣の全てに軟膏を塗布しなかった(できなかった)。それにも拘わらず、彼の病巣の全ては、部位に関係なく、脱免疫J591投与後に改善した。
約3週間後に、患者は、彼の乾癬が“それが今まで10年間にあった状態よりも良く”なったことを示した。この時点で、病巣は平坦になり、着色は変化したが、鱗屑又は見た目に明らかな炎症性変化は無かった。患者は、彼が10年間以上にわたって乾癬のために治療を受けていたが、有意な成功はなかったことを示した。
実施例2:同位体コンジュゲートした脱免疫J591抗体を用いる乾癬の治療
左中指及び両側鼠径領域を関与させた長期間持続乾癬の病歴を有する76歳男性は、10mCiの111インジウムで標識された脱免疫J591 20mgを受容した。この初回投与量から6日後に、90Yで標識された脱免疫J591 20mg(20mCi/m)が投与された。両方の投与は、5分間静脈内注入によって行なわれた。初回抗体投与の前に、左中指を含む乾癬領域の写真を撮影した(図14A)。この領域は、第2回注入時に変化していなかった。患者は、第2回注入から数日以内に、彼の痒みが実質的に消失し、その後数日間かけて病巣が完全に治癒したことを報告する。初回投与後約1か月に、フォローアップ写真を撮影した(図14B)。鼠径領域における患者の罹患領域も実質的に改善した。
実施例3:乾癬病巣におけるPSMAの強化された発現
乾癬病巣の免疫組織化学的染色は、非病巣対照(non-lesional control)に比べて、基底及び基底真上のケラチノサイトと、真皮内皮細胞における強化されたPSMA発現を示した(図1及び15)。強化された染色は、乾癬患者の周囲血管にも検出されている(図15)。
標準の酵素結合免疫組織化学によって、染色を行なった。簡単には、乾癬に関与した領域及び関与しない領域からの皮膚の凍結切片を洗浄してから、ネズミJ591又は対照抗体と共にインキュベートした。1時間のインキュベーション後に、該スライドを洗浄し、第2抗マウスIg酵素試薬と共に1時間インキュベートした。該スライドを洗浄し、基質[AEC]と共にインキュベートした、この基質は該酵素の存在下で赤色に変わって、該抗体が何処で結合したかを示した。
実施例4:111インジウム、90イットリウム及び177ルテチウムへの抗PSMA抗体のキレート化
本発明の抗PSMAモノクローナル抗体は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N”’−四酢酸(DOTA)とカップリングした111インジウム、90イットリウム及び177ルテチウムで放射能標識することができる。
例えば、以下に詳述するように、修飾抗PSMAモノクローナル抗体を、抗体の表面上に存在する第1級アミンに、キレーターの1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N”’−四酢酸(DOTA)の4カルボン酸基の1つを直接カップリングさせることによって、111インジウム、90イットリウム及び177ルテチウムで放射能標識することができる。DOTAコンジュゲートした抗体を次に精製し、滅菌濾過して、バイアルに入れる。使用前に、精製抗体に、DOTAに結合する所望の放射能ラベルを混合することができる。
キレート化方法
モノクローナル抗体deJ591に1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N”’−四酢酸(DOTA)をコンジュゲートさせ、続いて、111インジウム、90イットリウム及び177ルテチウムで放射能標識した。臨床等級(clinical grade)のmAb deJ591の個別の3バイアルに対して放射能標識及び品質管理試験を行なった。
deJ591のコンジュゲーション及び精製に用いる全ての試薬は、発熱物質を含まない水から製造した。NHOAc緩衝液及びリン酸ナトリウム緩衝液の特定の場合には、これらの溶液をChelex100(Bio-Rad,CA)で精製して、如何なる金属イオンをも除去した。
抗体と1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N”’−四酢酸(DOTA)とのコンジュゲーション
モノクローナル抗体deJ591を1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N”’−四酢酸(DOTA)によって、次のように修飾した。簡単には、25mgのdeJ591を30kDa microsep遠心分離濃縮器(Pall Filtron,MA)中で濃縮して、5x4mlの1%DTPA(pH5.0)で24時間かけて洗浄した。次に、同じ遠心分離手法を用いて、該抗体緩衝液を0.1Mリン酸塩(pH7.0)に取り替えた。水2ml中にDOTA 146mg(0.361mmole)及びN−ヒドロキシスクシンイミド 36mg(0.313mmole)を溶解し、pHをNaOHで7.3に調節してから、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 10mgを添加することによって、DOTAの活性エステルを作製した(以下参照)。この反応混合物を氷上で1時間冷却してから、deJ591溶液に加えた。得られたDOTA−deJ591を過剰なDOTA及び他の反応物から、0.3M NHOAc(20x4ml)による反復洗浄及び遠心分離濃縮によって分離した。次に、精製されたコンジュゲートを0.22μmフィルターに通した濾過によって滅菌して、滅菌ポリプロピレンバイアル中に4℃で貯蔵した。
DOTA−deJ591コンジュゲートの濃度を、280nmにおけるUV吸収を測定することによって分析して、2つの50μlアリコートに、111Inのトレーサー量をスパイクしたInClの1.30mM溶液(0.01M HCl)20又は30μlを混合した。この混合物を37℃で16時間インキュベートしてから、ITLCによって、シリカゲル含浸ガラス繊維10cmストリップ(ITLC-SG,Gelman,Prod.#61885)及び1%DTPA(pH6.0)の溶離剤を用いて分析した。抗体結合活性は、最初の状態に(at the origin)留まり、遊離111Inは[In−DTPA]複合体として溶媒と共に前方に移動する。111Inと111In−DOTA−J591との相対的量を、0.5のRfでITLCストリップを切断し、2つの半体をNa(Tl)I検出器でカウントすることによって測定する。111InとDOTA−deJ591との間のモル反応比率及び、検出された111Inと111In−DOTA−J591との実測比率を考察することによって、結合部位数を算出する。典型的には、DOTAの5.1分子がdeJ591にコンジュゲートする。表9は、deJ591の2つのコンジュゲーションからの結果を示す。
Figure 2005527474
放射能標識
下記放射能標識手段は、111Inに関して述べるが、例えば90Y又は177Luのような、他の放射能ラベルによっても用いることができる。酢酸アンモニウム緩衝化DOTA−deJ591に111In(希HCl中)を加えることによって、放射能標識を達成した。該抗体に対するオートラジオリシスの影響を避けるために、反応時間を最小にし、投与の前に、反応混合物をサイズ排除カラムによって精製した。簡単には、111InCl(8mCi,0.01M HCl)20μl、DOTA−deJ591(4mg/ml,0.3M NHOAc,pH7)400μlから成る混合物を37℃で20分間反応させた。次に、この反応混合物を、PBS中無菌1%HSA 4x10ml(HSAはUS認可アルブミンの規格を満たす;Central Laboratory Blood Transfusion Service Swiss Red Cross,Bern, Switzerland,License No.647によって製造)で平衡化した16ml Biogel−P6DGカラム(Bio-Rad,CA)上で分離させた。反応混合物を該カラムに負荷させた後直ちに、これをさらに2mlの1%HSA・PBSで洗浄してから、主要111In−DOTA−deJ591フラクションを5mlの1%HSA・PBSで溶出した。次に、精製111In−DOTA−deJ591を滅菌濾過して、滅菌真空バイアルに入れた。この方法を用いて、7.6mCi・111In/mgDOTA−deJ591の比活性が得られた。
放射化学純度
放射能標識されたDOTA−deJ591調製物中の遊離111In量を、シリカゲル含浸ガラス繊維サポートと1%DTPA(pH5.5)の移動相とによるインスタント薄層クロマトグラフィー方法を用いて評価した。簡単には、放射能標識されたDOTA−deJ591の一部を10cmのITLC−SGストリップ(Gelman, prod. # 61885)上にスポットし、1%DTPA(pH5.5)中で展開させた。溶媒の先端が該ストリップの端部に達した直後に、該ストリップを溶媒から取り出し、0.5のRで切断した。該2部分を放射能に関して分析し、次式を用いて、放射化学純度を算出した:
放射化学純度=(R 0〜0.5中の放射能(activity))/(ストリップ中の総放射能)
免疫反応性
111In−DOTA−deJ591調製物の免疫反応性を、Lindmo方法(Lindmo T. et al.(1994) J. Immunol. Methods, 72:77-89, 1994)に従って評価した、この方法は、無限に過剰な抗原への放射能標識抗体の結合を推定する。簡単には、250μlの総試験量の0.2%BSA 10mM HEPES中に10,000cpmの111In−DOTA−deJ591及び種々な量のLNCap細胞を含有する、5種類の試験溶液を調製した(2通りに)。これらの溶液を4℃において60分間インキュベートしてから、単離し(遠心分離によって)、氷冷PBSで洗浄した。次に、膜をガンマーカウンターで、添加した総放射能を示す基準と共にカウントした。データを次に、Lindmo法を用いて、結合した割合の逆数(reciprocal of the fraction bound)(y-軸)に対する基質濃度の逆数(reciprocal of the substrate concentration)(x-軸)としてプロットした。次に、データを最小二乗線形回帰法(least squares linear regression method)(Sigma Plot)に従ってフィットさせて、yインターセプトを免疫反応性の逆数(reciprocal of the immunoreactivity)と見なした。LNCaP細胞に由来する膜を用いる同様な方法と、その後の該膜の遠心分離単離は、同様な結果を与えた。これらの結果は、72%の平均免疫反応性を与えた(表9参照)。
免疫組織化学
DOTAコンジュゲートし、部分精製されたバルク中間体deJ591(bulk intermediate deJ591)に対して免疫組織化学を行なった。結果は、該調製物が前立腺組織に特異的であり、反応性が、裸の(naked)deJ591抗体と同じであることを示した。
増殖不能性(sterility)
111In−DOTA−deJ591調製物の増殖不能性を、USP24/NF19の方法に従ってチオグリコラート培地を用いて測定した。簡単には、111In−DOTA−deJ591調製物の4通りの0.1mlサンプルを,15mlの流体チオグリコラート培地に移して、混合物を35℃で14日間インキュベートした。これらの培地を、4日目、7日目及び14日目に増殖の何らかの徴候に関して目視検査した。3調製物のすべては、増殖を示さなかった(表9参照)。
内毒素
111In−DOTA−deJ591調製物の内毒素を、USP24/NF19に従ってLimulus amebocyte溶解物(lysate)アッセイを用いて測定した。簡単には、Limulus amebocyte溶解物キット(Bio Whittaker lot # 7L3790,感度0.125EU/ml)を、試験サンプル0.25mlによって再構成した。4通りの試験サンプル、人為的陽性試験サンプル、陰性対照及び陽性対照を37℃において60分間インキュベートした。陽性結果は、180°反転(inversion)によって影響されなかった粘性ゲルの形成によって代表された。1つの調製物は、5EU/ml未満の値を示した。このアッセイは、投与直前に患者投与量に対して繰り返すことができる(及び繰り返されるであろう)。
Figure 2005527474
大規模製造/方法
DOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体の大規模製造を下記パラグラフで述べる。上記方法論との主要な相違は、該抗体を濃縮し、ダイアフィルトレーションするためのmicrosep遠心分離濃縮器の代わりの撹拌セル(stirred cell)の使用と、該DOTAコンジュゲートした抗体から未反応のDOTA及び他の試薬を除去するためのSephadex G−25カラムの使用であった。これらの変更は、規模の増大によって必要になった。公称1000mg規模に関する出発物質の比率を表11に記載する。この方法は、出発物質の同様な比率を用いて、スケールアップすることができる。
Figure 2005527474
汚染を最小にするために、無菌操作(aseptic practices)を観察し、製造中に定期的間隔で環境モニターリングを行なった。DOTA−deJ591抗体のコンジュゲーション及び精製に用いるすべての溶液、緩衝液及び試薬は、Water For Injection(WFI)によって製造された。DOTA部分による如何なる遊離金属残渣のキレート化をも避けるために、方法を通して、金属を含まない成分を製造に用いた。酢酸アンモニウム緩衝液及びリン酸ナトリウム緩衝液の特定の場合には、溶液をChelex100で精製して、如何なる金属イオンをも除去した。滅菌した、発熱物質を含まない及び金属を含まない容器を用いて、反応物質を混合した。Class100規格を満たす領域(area)において、最終バルク滅菌濾過を行なった。
Chelex100(BioRad 又は同等物)カラム上で、金属を含まない0.1Mリン酸ナトリウム pH7.1中に該抗体を緩衝液交換すること(buffer exchanging)によって、deJ591を調製した。次に、該抗体を、30kDカットオフ膜を備えたStirred Cell Unit(Millipore又は同等物)を用いて、約10mg/mlに濃縮した。濃縮済み抗体を次に、0.22μmフィルターに通して滅菌濾過した。
抗体1gをコンジュゲートするために、金属を含まないリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.1)中の0.87M N−ヒドロキシスクシンイミド2.7mlに、金属を含まないリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.1)中の0.49M DOTA6.3mlを加えることによって、DOTAの活性エステルを調製した。この混合物に、0.1N水酸化ナトリウムを、DOTAが完全に溶解するまで加えた(0.1M水酸化ナトリウムの、DOTA/NHS溶液に対する比率約1:1)。pHは6.9〜7.2であった。溶液を2〜8℃で30分間以上冷却した。DOTA/NHS溶液に、リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.1)中1.0M EDC 1.5mlを加えて、2〜8℃で1時間以上冷却させた。
抗体1gに活性DOTAエステルを加えて、2〜8℃において一晩(12〜14時間)インキュベートした。DOTAコンジュゲートした抗体を、金属を含まない0.3M酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.2)中のSephadex G−25カラム(Pharmacia又は同等物)上で精製した。DOTAコンジュゲートした抗体を含有する溶出液フラクションを、30kDカットオフ膜を備えたStirred Cellを用いて、約10mg/mlに濃縮した。DOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体を次に、0.3M酢酸アンモニウム(pH7.2)中でディアフィルトレーションして、過剰な試薬を除去し、8.0mg/mlの最終濃度に希釈してから、0.22μmフィルターに通して滅菌濾過した。
DOTAコンジュゲートしたdeJ591を、濃度、免疫反応性、コンジュゲーション、内毒素及び増殖不能性に関して試験した。内毒素範囲は、1〜5mgの範囲である、必要な、放射能標識DOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体の低い臨床投与量に基づく。バッチサイズが小さいために増殖不能性の代わりに、バルク精製済みDOTAコンジュゲートした抗体に対して生物負荷(bioburden)試験を行なった。増殖不能性(21 CFR 610)は、最終的なバイアル入り薬物生成物に対して行なわれる。免疫反応性の目標及びDOTAモル数/抗体は、以前の臨床経験に基づくものであった。72%程度の低い免疫反応性値を有するDOTAコンジュゲートした抗体が、クリニックで上首尾に用いられている。DOTAモル数/抗体は、以前の臨床的ロットからの結果に基づく。
タンパク質濃度
DOTA−deJ591のサンプルを、280nmの波長において分光光度計での光学密度によって分析した。これらの算出に用いた吸光係数はA280,E0.1% 1cm=1.4であった。この分析の作用範囲(0.2OD単位〜1.2OD単位、直線、CV2%未満)内の吸光度読取りを与えるように、試験サンプルを適当に希釈した。タンパク質濃度の受容される範囲は、8.0mg/ml±0.5mg/mlである。
内毒素
DOTA−deJ591のサンプルを、確証済みLimulus Amebocyte Lysate試験(LAL)Gel Clot Assay (BioWhittaker又は同等物)を用いて、発熱性物質に関して試験した。0.06EU/ml感受性溶解物を用いて、ゲル・クロットアッセイに対するある種の化学物質の阻害レベルを克服するために、分析のための内毒素を含まない水中でサンプルを1:10又は1:25のいずれかで希釈した。加工(processing)中の各緩衝液又は中間体サンプルに関して2通りの測定を行なった、サンプル値は、該緩衝液に対して設定された希釈レベルで得られた値以下である必要があった。すべてのサンプルと共に、陽性及び陰性対照並びに阻害対照を実施した。提案された受容される範囲は、DOTA−deJ591 1mgにつき5EU以下であった。
生物負荷
DOTA−deJ591のアリコートを、流体チオグリコラート及び大豆−カゼイン・ブロスに直接接種した。14日間のインキュベーション後に、これらの培地を検査した。必然的に、両方の培地は14日間後に増殖を示さなかった。
免疫反応性
DOTA−deJ591調製物の免疫反応性を、過剰な抗原の無限量に対する放射能標識抗体の結合を推定するLindmo方法 (Lindmo T.et al.(1994) J. Immunol. Methods 72:77-89)に従って評価した。簡単には、0.2%BSA 10mM HEPESの総試験量250μl中に10,000cpmの111インジウム標識DOTA−deJ591及び種々な量のLNCaP細胞又は細胞膜を含有する5種類の試験溶液を調製した(2通り)。これらの溶液を4℃で60分間インキュベートしてから、単離し(遠心分離による)、氷冷PBSで洗浄した。次に、これらの膜をガンマーカウンターで、添加した総放射能を示す基準と共にカウントした。データを次に、Lindmo法を用いて、結合した割合の逆数(the reciprocal of the fraction bound)(y-軸)に対する基質濃度の逆数(x-軸)としてプロットした。データを最小二乗線形回帰法(Sigma Plot)に従ってフィットさせて、yインターセプトを免疫反応性の逆数として用いた。免疫反応性の目標は75%以上であった。
DOTAモル数/抗体
結合DOTA数/抗体を、インジウムの自然発生同位体及び111インジウムによる飽和結合方法を用いて測定した。DOTA−deJ591の複数アリコ−ト(少なくとも2つ)に、10〜30μlの範囲内の種々の量の、トレーサー量の111InをスパイクしたInCl(0.01M HCl)の3.0mM溶液を混合した。混合物を37℃で16時間インキュベートしてから、シリカゲル含浸ガラス繊維10cmストリップ(ITLC-SG, Gelman,又は同等物)及び1%DTPA(pH6.0)の溶離剤を用いて、ITLCによって分析した。抗体結合放射能は最初の状態に留まり、遊離111Inは、[In−DOTA]複合体として溶媒と共に前方に移動する。111In及び111In−DOTA−J591の相対的量を、0.5のRでITLCストリップを切断し、2つの半体をNa(Tl)I検出器でカウントすることによって測定した。111InとDOTA−deJ591との間のモル反応比率及び、検出された111Inと111In−DOTA−J591との実測比率を考察することによって、結合部位数を算出した。DOTA分子/抗体の目標数は4〜6であった。
DOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体のサンプルロットの分析結果を以下の表12に示す。
Figure 2005527474
DOTAコンジュゲートした抗体の以前のロット(Biov983.2-2)及び現在のLot243101に関するDOTAコンジュゲーション数を表13に示す。Lot Biov983.2−2に関するDOTAモル/抗体の平均数は5.06であり、Lot243101に関しては5.96であった。抗体当りにコンジュゲートしたDOTAモル数は、Lot243101に関する方がやや高いが、免疫反応性は、表14に示すように、影響されなかった。実際に、Lot243101の免疫反応性は、比較ロットの免疫反応性よりも高く、このことは有利である。他の小規模臨床的ロットが90%より大きい免疫反応性値を有することは、注目すべきである(データ示さず)。
Figure 2005527474
代替合成は、次の通りである:deJ591 956.5mgを6回ディアフィルトレーションした。該抗体を30kDa microsep遠心分離濃縮器(Pall Filtron, MA)で、約15mg/mlまで濃縮し、金属を含まない0.1Mリン酸ナトリウム(pH7.1)で12.5倍に希釈した。この手段は6回行なった。0.1Mの金属を含まないリン酸塩緩衝液5.95ml中のDOTA598mg(1.48mmol)と、0.1Mの金属を含まないリン酸塩緩衝液2.7ml中のN−ヒドロキシスクシンイミド132mg(1.15mmol)とを混合することによって、DOTAの活性エステルを調製した。NaOHによって、pHを6.9〜7.2に調節してから、0.1Mの金属を含まないリン酸塩緩衝液1.45ml中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド144mg(0.75mmol)を添加した。この反応混合物を0.2ミクロン滅菌フィルターに通して濾過して、氷上で1時間冷却してから、deJ591溶液に加えて、2〜8℃で14〜18時間一晩インキュベートした。得られたDOTA−deJ591を、0.3Mの金属を含まない酢酸アンモニウム中で平衡化させたG−25カラムに通して精製することによって、過剰なDOTA及び他の反応物質から分離した。精製コンジュゲートを撹拌セルユニットで10mg/mlにまで濃縮し、0.3M酢酸アンモニウムで洗浄してから、0.22μmフィルターに通しての濾過によって滅菌して、滅菌ポリプロピレンバイアルに入れて2〜8℃において貯蔵した。
実施例5.PSMA発現細胞への細胞傷害性薬物の標的デリバリーのためのmAbの使用
抗PSMA抗体を、例えばメイタンシノイド・クラスの薬物のような、高い細胞傷害能力を有する物質にコンジュゲートさせることができる。メイタンシノイド類は、微小管の形成及び安定化を妨害することによって、それらの細胞傷害性効果を発揮する。メイタンシノイド類は、慣用的な化学療法剤(例えば、ドキソルビシン、メトトレキセート及びビンカアルカロイド)よりも100倍〜1000倍大きい細胞傷害能力を有する(Chari, R.V.J. et al. (1992) Cancer Res. 52: 127)。
ネズミ抗体及び脱免疫J591抗体の両方(both murine and deimmunized J591 antibodies)は、立体障害(hindered)ジスルフィド結合を介して、メイタンシノイド、DM1にコンジュゲートされている。この結合は細胞内で切断されて、薬物放出を可能にする。該抗体の定常部(constant region)内の1つ以上のリシン残基を、ピリジルジチオ基を含有するリンカーにコンジュゲートさせた、その後、このピリジルジチオ基がメイタンシノイド毒素に結合した。IgG 1モル当りメイタンシノイド 3〜4モルの比率が好ましい。
DM1結合J591抗体の製造方法は、J591をピリジルチオ基とN-ヒドロキシスクシンイミド脱離基との両方を含有するリンカーと反応させることによって開始する。この場合に、該リンカーはN−スクシンイミジル 4−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(又はSPP)であったが、他のリンカーを用いることもできる。該反応の生成物は、表面露出(surface exposed)リシン基に結合する1つ以上のリンカー基(4−(2−ピリジルジチオ)プロピオノン)を含有する修飾J591抗体を包含し、該リンカー基はピリジルジチオ反応基と、N−ヒドロキシスクシンイミド脱離基を保持する。次に、J591抗体を反応混合物及びN−ヒドロキシスクシンイミドから、例えばセファデックスG25を用いるゲル濾過によって、分離する。該修飾J591抗体を、該修飾抗体の表面上に今や存在するピリジルジチオ基と反応するチオール基を含有するDM1と反応させ、それによって、J591−DM1イムノコンジュゲート及びチオピリジンを製造する。J591−DM1イムノコンジュゲートを、反応混合物及びチオピリジンから、例えばセファクリルS300カラムを用いるサイズ排除クロマトグラフィーによって単離する。メイタンシノイド・コンジュゲートの製造方法は、米国特許第5,208,020号;第5,475,092号;第5,585,499号;第5,846,545号及び第6,333,410号に記載されており、これらの内容は本明細書に援用される。
実施例6:メイタンシノイド・サイトトキシンDM1へのdeJ591のコンジュゲーション
この実施例は、deJ591−DM1イムノコンジュゲートの作製方法を述べる。この方法は、当該技術分野で知られた標準方法に基づくものであるので、例えばdeJ415のような、本発明の他の抗体を含めた、他の抗体に一般化することができる。
コンジュゲーション方法は、deJ591出発物質(Lot1552−60S)5gを用いて行なう1実験と、deJ591出発物質(Lots1552−168、1552−104及び1610−036)6.7g〜7.3gを用いて行なう3実験を含む、幾つかの小規模実験に基づく。
コンジュゲーション方法に関与する工程は次のとおりである:
(1)deJ591抗体5g〜7.5gを接線方向流濾過(tangential flow filtration)(10kD NMWCO膜)によって25〜30mg/mlにまで濃縮して、5倍量の50mMリン酸カリウム、2mM EDTA、pH6.0に対してディアフィルトレーションする。収率は典型的に98%〜100%である。
(2)濃縮抗体を、乳白光を発する場合には、0.2μフィルターに通して濾過し、次にN-スクシンイミジル4−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPP)によって、20〜22mg/ml抗体及び抗体1分子に付きSPP7分子の濃度で修飾する。この修飾は50mMリン酸カリウム、2mM EDTA、5%エタノール、pH6.0中で2.5±0.5時間行なわれる。修飾器(modification vessel)は500ml丸底フラスコである。
(3)修飾抗体を工程(2)の反応混合物から、ゲル濾過クロマトグラフィー及びSephadex G−25TMカラムを用いて分離する。該カラム負荷はカラム体積(column volume)の約25%を表し、該クロマトグラフィーは、50mMリン酸カリウム、2mM EDTA、pH6.0中で、50cm/時の流速度で行なわれる。修飾抗体は、カラム体積の38〜75%で溶離する。典型的に、この工程の収率は95%〜100%であり、SPPの、抗体に対する比率は、約5.4〜5.9SPP分子/抗体である。
(4)約10mg/mlの濃度で、修飾抗体をDM1と、20±4時間コンジュゲートさせる(抗体にコンジュゲートしたSPP 1分子につきDM1 1.7分子を用いる)。典型的に、反応時間は16.25〜17.7時間であり、反応は、電磁気撹拌バーを備えた1L丸底ガラスフラスコ中で行なわれる。該コンジュゲーション反応は、3%DMA、10%スクロース(反応1mlにつきスクロース100mg)中で行なわれる。反応の終了時に、コンジュゲートした抗体を2.0μフィルターに通して濾過して、分光光度計読取りを行なう。
(5)コンジュゲートした抗体を未反応DM1から、Sephadex G−25TMカラムを用いるゲル濾過クロマトグラフィーによって分離する。カラム負荷はカラム体積の22〜23%を表し、流速度は約50cm/時である。該カラムを20mMスクシネート、5%スクロース(50mg/ml)、pH5.5中で平衡化させ、操作する。該抗体コンジュゲートは、カラム体積の約31%〜65%で溶離し、ピーク溶出の開始からピーク後縁(peak trailing edge)の開始までを単一フラクションとして回収し、続いて、15x2%カラム体積フラクション中の残留ピーク物質を分画する。すべてのフラクションを、適当量の50%スクロースの添加によって、100mg/mlのスクロース(10%スクロース)に調節する。2%カラム体積フラクションを、分析サイジング(analytical sizing)(TSK 3000SWL)によって、分析して、選択したフラクション(フラクション1及び2)を主要ピークと共にプールする。フラクションを分析サイジングを用いて分析する、プーリング基準は、24分間ピークが総ピーク面積の<20%を表すことである。典型的に、この工程の収率は、反応混合物及び/又は精製混合物中にスクロースが存在しないラン1552−104を除いて、60%〜65%である。溶出した抗体濃度は3.8〜4.2mg/mlの範囲であり、DM1/抗体の比率は3.6〜3.9の範囲である。
(6)次に、10kD NMWCO接線方向流濾過膜を用いて、抗体コンジュゲートを7〜10mg/mlに濃縮し、5倍量の50mMスクシネート、10%スクロース、pH5.5に対してディアフィルトレーションする(入口圧力<10psi)。ディアフィルトレーション後に、抗体コンジュゲートを5mg/mlに調節する。この工程の典型的な収率は92%〜100%であり、最終タンパク質濃度は4.85〜5.1mg/mlである。
(7)最後に、該抗体コンジュゲートを0.2mフィルターに通して濾過して、指定量に等分する。工程収率は90%〜100%であり、最終DM1−抗体比率は3.5〜3.8である。
得られたdeJ591−DM1コンジュゲートを外観、濃度、DM1/抗体比率、内毒素、非特異的細胞傷害性、アセトン抽出可能なDM1、分析サイジング、還元及び非還元(reduced and non-reduced)SDS−PAGE、pH、生物負荷、比細胞傷害性(specific cytotoxicity)及びIEFに基づいて分析した。ロット1552−168、1552−104及び1552−036に関する選択した分析結果を、以下の表15に示す。
Figure 2005527474
実施例7:111In、90Y及び177LuによるDOTA−deJ591の放射能標識
(a)111Inによる放射能標識
下記放射能標識手段は、臨床研究及び安定性研究のための111In−DOTA−J591のルーチン調製に用いることができる。DOTA−J591溶液(8mg/ml、0.3M酢酸アンモニウム、pH7)に、111In塩化物及び酢酸アンモニウム緩衝液(1M)を添加することによって、放射能標識を達成する。該抗体に対するオートラジオリシスの影響を避けるために、反応時間は最小にされている。標識111In−DOTA−J591を、サイズ排除カラムを用いて精製し、0.2μミリポア膜フィルターを用いて滅菌濾過してから、患者に投与する。簡単には、酢酸アンモニウム(111Inの各mCiに対して10μl)を、111In-塩化物溶液を含有する反応バイアルに加える。続いて、DOTA−J591溶液(111Inの各mCiに対して30μl又は0.24mg)を反応バイアルに加え、混合物を穏やかに混合し、37℃において20〜30分間インキュベートする。該混合物のアリコートを、ITLC(SG及び5mM DTPA、pH5)を用いて、標識効率を測定するために試験する。結合が最適であるならば(>70%)、10〜40μlの5mM DTPAの添加によって、反応を停止させる。
遊離111Inから111In−DOTA−J591を分離又は精製するために、1%ヒト血清アルブミン(US認可アルブミンの規格を満たす;Central Laboratory Blood Transfusion Service Swiss Red Cross,Bern,Switzerlandによって製造、License No.647)を含有するPBS4x10mlで予め洗浄したBiogel−P6DGカラム(Bio-Rad,CA)に、反応混合物を加える。このカラムから1%HSAを有するPBSを用いて111In−DOTA−J591を溶出し、標識抗体を含有するフラクション(典型的に5〜8ml)を滅菌容器中に回収する。ITLC(前記と同じ)を用いて放射化学純度を測定した後に、標識効率が>95%である場合には、0.2μフィルターを用いて標識複合体を滅菌バイアル中に濾過する。最終比活性は典型的に3〜5mCi/抗体mgである。
(b)90Yによる放射能標識
手段は、111Inに関して上述した手段と、インキュベーション時間が10〜15分間であることを除いて、同様である。90Y−DOTA−J591の放射化学純度は>97%でなければならない。
177Luによる放射能標識
手段は、2つの変更を除いて、上記手段と同様である。酢酸アンモニウムの添加量は減少し(177Luの各mCiに対して3〜5μl)、インキュベーション時間は僅か5分間である。177Lu−DOTA−J591の放射化学純度は>97%であるべきである。
代替方法
(a)111Inによる放射能標識
下記放射能標識手段は、111Inに関して述べるが、例えば90Y又は177Luのような他の放射能ラベルによっても用いることができる。酢酸アンモニウム緩衝化DOTA−deJ591に111In(希HCl中)を加えることによって、放射能標識を達成する。該抗体に対するオートラジオリシスの影響を避けるために、反応時間は最小にされてあり、投与の前に、反応混合物をサイズ排除カラムによって精製する。簡単には、111InCl(8mCi,0.01M HCl)20ml、DOTA−deJ591(4mg/ml,0.3M NHOAc,pH7)400mlから成る混合物を37℃で20分間反応させる。次に、反応混合物をPBS中無菌1%HSA 4x10ml(HSAはUS認可アルブミンの規格を満たす;Central Laboratory Blood Transfusion Service Swiss Red Cross, Bern, Switzerland,License No. 647製造)で平衡化した16ml Biogel−P6DGカラム(Bio-Rad,CA)上で分離する。反応混合物を該カラムに負荷させた後直ちに、これをさらに2mlの1%HSA・PBSで洗浄してから、主要111In−DOTA−deJ591フラクションを5mlの1%HSA・PBSで溶出する。次に、精製111In−DOTA−deJ591を滅菌濾過して、滅菌真空バイアルに入れる。この方法を用いて、7.6mCi111In/mg DOTA−deJ591の比活性を得る。
(b)放射能標識(177Lu)
177LuによるDOTA−huJ591の放射能標識は、該放射性核種(希HCl中)を酢酸アンモニウム緩衝化DOTA−huJ591に加えることによって、達成される。該抗体に対するオートラジオリシスの影響を回避するために、反応時間は最小にされてあり、投与の前に、反応混合物をサイズ排除カラムによって精製する。簡単には、177Lu(30mCi,0.01M HCl,MURR)20μl、DOTA−hu−J591(4mg/ml,0.3M NHOAc,pH7)1000μlから成る混合物を37℃で10分間反応させる。次に、反応混合物をPBS中無菌1%HSA 4x10mlで平衡化した18ml Biogel−P6DGカラム(Bio-Rad,CA)上で分離する。反応混合物を該カラムに負荷させた後直ちに、これをさらに4mlの1%HSA・PBSで洗浄してから、主要177Lu−DOTA−hu−J591フラクションを2mlの1%HSA・PBSで溶出する。次に、精製177Lu−DOTA−hu−J591を滅菌濾過して、滅菌真空バイアルに入れる。この方法を用いて、8mCi177Lu/mg DOTA−hu−J591の比活性が得られている。
同等物
当業者は、本明細書に記載した特定の実施態様の多くの同等物を認識するか、又は、ルーチンの実験のみを用いて確認することができるであろう。このような同等物は、特許請求の範囲に包含されるように意図される。
図1は、ネズミJ591抗PSMA抗体を用いて、PSMAに関して染色したヒト乾癬生検(下のパネル)の顕微鏡写真を示す。PSMA発現が真皮血管内皮上で検出された。矢印は、真皮微小血管系におけるPSMA発現増進を示す領域を指す。PSMA発現はまた、角化細胞でも検出された。抗体染色を伴わない対照パネル(上のパネル)は、バックグラウンド染色しか示さない。 図2A〜2Bは、それぞれ、ネズミJ591重鎖および軽鎖の可変部のアミノ酸配列を示す。CDRの位置を図中に示し;アミノ酸番号付けはKabatの番号付けにしたがう(Kabat, E.A.ら(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242を参照されたい)。CDRがChothiaループおよびKabat超可変部を共に含むとみなされ、そして配列はこれにしたがって注釈付けされていることに注目されたい。重鎖:CDR1を配列番号1に示し;CDR2を配列番号2に示し;CDR3を配列番号3に示し;CDR領域を除くフレームワークを配列番号7に示し;そしてCDR領域を含むフレームワークを配列番号19に示す。軽鎖:CDR1を配列番号4に示し;CDR2を配列番号5に示し;CDR3を配列番号6に示し;CDR領域を除くフレームワークを配列番号8に示し;そしてCDR領域を含むフレームワークを配列番号20に示す。 図3A〜3Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のアミノ酸配列を示す。CDRの位置を図中に示し;アミノ酸番号付けはKabatの番号付けにしたがう(Kabat, E.A.ら(1991)上記)。CDRがChothiaループおよびKabat超可変部を共に含むとみなされ、そして配列はこれにしたがって注釈付けされていることに注目されたい。重鎖:CDR1を配列番号1に示し;CDR2を配列番号2に示し;CDR3を配列番号3に示し;フレームワーク1を配列番号9に示し;フレームワーク2を配列番号10に示し;フレームワーク3を配列番号11に示し;フレームワーク4を配列番号12に示し;CDR領域を除くフレームワークを配列番号17に示し;そしてCDR領域を含むフレームワークを配列番号21に示す。軽鎖:CDR1を配列番号4に示し;CDR2を配列番号5に示し;CDR3を配列番号6に示し;フレームワーク1を配列番号13に示し;フレームワーク2を配列番号14に示し;フレームワーク3を配列番号15に示し;フレームワーク4を配列番号16に示し;CDR領域を除くフレームワークを配列番号18に示し;そしてCDR領域を含むフレームワークを配列番号22に示す。 図4A〜4Bに、ネズミJ591および脱免疫の重鎖可変部(4A;それぞれ配列番号19および21)並びに軽鎖可変部(4B;それぞれ配列番号20および22)の並列を示す。ネズミJ591 VHおよびVKの潜在的T細胞エピトープ(ペプチドスレッディングプログラムを用いて同定)を、それぞれ図4A〜4Bに示す。MHCクラスIIに結合すると予測される13量体ペプチドを下線によって示し、CDRは、図4Aの残基26〜35、50〜66、および99〜104、並びに図4Bの残基24〜34、50〜56、および89〜97に位置し;そして脱免疫重鎖および軽鎖の可変部で改変されている残基をボックスで囲む。可能な場合、アミノ酸置換は、ヒト生殖系列VH領域に一般的に用いられるものである。アミノ酸番号付けは直鎖であり、Kabatにしたがったものではない。 図4A〜4Bに、ネズミJ591および脱免疫の重鎖可変部(4A;それぞれ配列番号19および21)並びに軽鎖可変部(4B;それぞれ配列番号20および22)の並列を示す。ネズミJ591 VHおよびVKの潜在的T細胞エピトープ(ペプチドスレッディングプログラムを用いて同定)を、それぞれ図4A〜4Bに示す。MHCクラスIIに結合すると予測される13量体ペプチドを下線によって示し、CDRは、図4Aの残基26〜35、50〜66、および99〜104、並びに図4Bの残基24〜34、50〜56、および89〜97に位置し;そして脱免疫重鎖および軽鎖の可変部で改変されている残基をボックスで囲む。可能な場合、アミノ酸置換は、ヒト生殖系列VH領域に一般的に用いられるものである。アミノ酸番号付けは直鎖であり、Kabatにしたがったものではない。 図5A〜5Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図5Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図5Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。 図5A〜5Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図5Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図5Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。 図5A〜5Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図5Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図5Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。 図5A〜5Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図5Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図5Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。 図5A〜5Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図5Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図5Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。 図5A〜5Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図5Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図5Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。 図6は、J415抗体のネズミ重鎖可変部およびいくつかの脱免疫重鎖可変部のアミノ酸配列の並列を示す。ネズミアミノ酸配列を、J415VH(配列番号47)と示し;脱免疫配列を、J415DIVH1(配列番号54のアミノ酸残基18〜133)、J415DIVH2(配列番号59)、J415DIVH3(配列番号60)、およびJ415DIVH4(配列番号49)と示す。好ましい配列はJ415DIVH4(配列番号49)である。アミノ酸置換を、囲んだ残基で示す。コンセンサス配列は「大多数」と示す(配列番号61)。 図7は、J415抗体のネズミ軽鎖可変部およびいくつかの脱免疫軽鎖可変部のアミノ酸配列の並列を示す。ネズミアミノ酸配列を、J415VK(配列番号48)と示し;脱免疫配列を、J415DIVK1(配列番号57のアミノ酸残基18〜124)、J415DIVK2(配列番号62)、J415DIVK3(配列番号63)、J415DIVK4(配列番号64)、J415DIVK5(配列番号50)、J415DIVK6(配列番号65)、J415DIVK7(配列番号66)、およびJ415DIVK8(配列番号67)と示す。好ましい配列はJ415DIVK5(配列番号50)である。アミノ酸置換を、囲んだ残基で示す。コンセンサス配列は「大多数」と示す(配列番号68)。 図8Aは、脱免疫J415重鎖可変部(J415DIVH1)の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号53〜55)を示す。シグナル配列、イントロンおよびJ415DIVH1アミノ酸配列の相対的な位置と共に、いくつかの制限部位を示す。 図8Aは、脱免疫J415重鎖可変部(J415DIVH1)の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号53〜55)を示す。シグナル配列、イントロンおよびJ415DIVH1アミノ酸配列の相対的な位置と共に、いくつかの制限部位を示す。 図8Aは、脱免疫J415重鎖可変部(J415DIVH1)の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号53〜55)を示す。シグナル配列、イントロンおよびJ415DIVH1アミノ酸配列の相対的な位置と共に、いくつかの制限部位を示す。 図8Bは、ネズミJ415重鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号125、47、および126)を示す。CDRの相対的な位置およびいくつかの制限部位を示す。 図8Cは、ネズミJ415重鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号47)およびKabatサブグループ、ネズミVHIIICのコンセンサス配列(MUVHIII、配列番号69)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号70)。 図9Aは、脱免疫J415軽鎖可変部(J415DIVK1)の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号56〜58)を示す。シグナル配列、イントロンおよびJ415DIVK1アミノ酸配列の相対的な位置と共に、いくつかの制限部位を示す。 図9Aは、脱免疫J415軽鎖可変部(J415DIVK1)の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号56〜58)を示す。シグナル配列、イントロンおよびJ415DIVK1アミノ酸配列の相対的な位置と共に、いくつかの制限部位を示す。 図9Bは、ネズミJ415軽鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号127、48、および128)を示す。CDRの相対的な位置およびいくつかの制限部位もまた示す。 図9Cは、ネズミJ415軽鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号48)およびKabatサブグループ、ネズミ可変軽鎖のコンセンサス配列(MuVKI、配列番号71)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号72)。 図10Aは、ネズミJ533重鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号73〜75)を示す。CDRの相対的な位置および制限部位を示す。 図10Bは、ネズミJ533重鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号74)およびKabatサブグループ、ネズミ可変重鎖のコンセンサス配列(MuVHIIA、配列番号79)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号80)。 図11Aは、ネズミJ533軽鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号76〜78)を示す。CDRの相対的な位置およびいくつかの制限部位を示す。 図11Bは、ネズミJ533軽鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号77)およびKabatサブグループ、ネズミMuVKIIIのコンセンサス配列(配列番号81)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号82)。 図12Aは、ネズミE99重鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号83〜85)を示す。CDRの相対的な位置およびいくつかの制限部位を示す。 図12Bは、ネズミE99重鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号84)およびKabatサブグループ、ネズミ可変重鎖のコンセンサス配列(MuVHIB、配列番号89)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号90)。 図13Aは、ネズミE99軽鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号86〜88)を示す。CDRの相対的な位置およびいくつかの制限部位を示す。 図13Bは、ネズミE99軽鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号87)およびKabatサブグループ、ネズミ可変軽鎖のコンセンサス配列(MuVKI、配列番号91)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号92)。 図14Aは、同位体コンジュゲートした脱免疫J591抗体による2回の治療の前後の患者の左中指を含む乾癬領域を示す写真である。治療後に、患者の鼠径領域における乾癬罹患病巣も、実質的に改善された。 図14Bは、同位体コンジュゲートした脱免疫J591抗体による2回の治療の前後の患者の左中指を含む乾癬領域を示す写真である。治療後に、患者の鼠径領域における乾癬罹患病巣も、実質的に改善された。 図15は、2人の乾癬患者からの免疫組織化学的染色のパネルである。乾癬病巣では、特に、基底及び基底真上のケラチノサイト、真皮内皮細胞、並びに血管細胞(矢印によって示す)においては、同じ患者からの非病巣対照領域で検出された弱い染色に比べて、増強した抗PSMA染色が検出された。 図16は、DM1の化学構造と、DM1を抗体にコンジュゲートさせるために用いられる、DM1のチオール反応基を有さない関連分子であるメイタンシンの化学構造を示す。
【配列表】
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Claims (60)

  1. 表皮細胞及び真皮細胞から成る群から選択される、異常な前立腺特異的膜抗原(PSMA)発現細胞を除去又は殺害する方法であって、該細胞又は該細胞に近接する血管内皮細胞に、PSMAの細胞外ドメインに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片を、該細胞を除外又は殺害するために充分な量で接触させることを含む方法。
  2. 該細胞が真皮脈管構造に見出される、請求項1記載の方法。
  3. 該細胞が真皮内皮細胞又はケラチノサイトである、請求項1記載の方法。
  4. 接触工程が対象において行なわれる請求項1記載の方法であって、該抗体又はその抗原結合断片を該対象に、該抗体を該細胞又は該細胞に近接する血管内皮細胞に結合させることと該細胞を殺害することの両方を可能にするのに効果的な条件下で、投与することを含む方法。
  5. 対象における皮膚障害の治療方法であって、該対象に、PSMAの細胞外ドメインに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片の有効量を投与し、それによって前記皮膚障害を治療又は予防することを含む方法。
  6. 皮膚障害が真皮又は表皮障害である、請求項5記載の方法。
  7. 皮膚障害が、乾癬、関節炎性乾癬、剥脱性皮膚炎、毛孔性紅色粃糠疹、バラ色粃糠疹、類乾癬、苔癬状粃糠疹、扁平苔癬、光沢苔癬、魚鱗癬様皮膚病、角皮症、皮膚病、及び前角化症から成る群から選択される、請求項5記載の方法。
  8. 皮膚障害が乾癬である、請求項7記載の方法。
  9. 対象における乾癬の治療方法であって、該対象にPSMAの細胞外ドメインに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片の有効量を投与し、それによって前記乾癬を治療又は予防することを含む方法。
  10. 乾癬が、慢性停止型乾癬、尋常性乾癬、発疹性(グルッテート)乾癬、乾癬性紅皮症、全身性膿胞性乾癬(Von Zumbusch)、環状膿胞性乾癬、及び限局性膿胞性乾癬から成る群から選択される、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 抗体又はその抗原結合断片がモノクローナル抗体である、請求項1又は5のいずれかに記載の方法。
  12. 抗体又はその抗原結合断片がネズミ又はヒト抗体である、請求項11記載の方法。
  13. 抗体又はその抗原結合断片がキメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫抗体、又はin vitro発生抗体である、請求項1又は5のいずれかに記載の方法。
  14. 抗体又はその抗原結合断片がヒトPSMAの細胞外ドメインに、10−1〜1010−1のアフィニティ定数で結合する、請求項1又は5のいずれかに記載の方法。
  15. 抗体又はその抗原結合断片が、E99、J415、J533及びJ591から成る群から選択されるモノクローナル抗体の結合を競合的に阻害する、請求項1又は5のいずれかに記載の方法。
  16. 抗体が、E99、J415、J533及びJ591から成る群から選択されるネズミモノクローナル抗体である、請求項1又は5のいずれかに記載の方法。
  17. ネズミモノクローナル抗体又はその抗原結合断片が、HB−12101、HB−12109、HB−12127及びHB−12126から成る群から選択されるATCC受託番号を有するハイブリドーマ細胞系によって産生される、請求項16記載の方法。
  18. 抗体又はその抗原結合断片が、ヒト起源の重鎖及び軽鎖定常部を含む、請求項13記載の方法。
  19. 抗体又はその抗原結合断片が、配列番号4、5及び6のアミノ酸配列から成る群から選択される、少なくとも1つのCDRを含む軽鎖可変部を含む、請求項18記載の方法。
  20. 抗体又はその抗原結合断片が、配列番号1、2及び3のアミノ酸配列から成る群から選択される、少なくとも1つのCDRを含む重鎖可変部を含む、請求項18記載の方法。
  21. 抗体又はその抗原結合断片が、配列番号32、33及び34のアミノ酸配列から成る群から選択される、少なくとも1つのCDRを含む軽鎖可変部を含む、請求項18記載の方法。
  22. 抗体又はその抗原結合断片が、配列番号29、30及び31のアミノ酸配列から成る群から選択される、少なくとも1つのCDRを含む重鎖可変部を含む、請求項18記載の方法。
  23. 抗体又はその抗原結合断片が、ネズミJ591に由来する6CDRの全てを含む、請求項18記載の方法。
  24. 抗体又はその抗原結合断片がネズミJ415に由来する6CDRの全てを含む、請求項18記載の方法。
  25. 抗体又はその抗原結合断片が、配列番号20のアミノ酸配列を有する軽鎖可変部を含む、請求項18記載の方法。
  26. 抗体又はその抗原結合断片が、配列番号19のアミノ酸配列を有する重鎖可変部を含む、請求項18記載の方法。
  27. 抗体又はその抗原結合断片が、細胞傷害性部分にカップリングする、請求項1又は5のいずれかに記載の方法。
  28. 細胞傷害性部分がサイトトキシン、治療剤又は放射性イオンである、請求項27記載の方法。
  29. 放射性イオンがヨウ素(131I)、イットリウム(90Y)又はルテチウム(177Lu)である、請求項28記載の方法。
  30. 細胞傷害性部分がメイタンシノイドである、請求項28記載の方法。
  31. メイタンシノイドがメイタンシノールである、請求項30記載の方法。
  32. メイタンシノイドがDM1である、請求項30記載の方法。
  33. 対象が哺乳動物である、請求項1又は5のいずれかに記載の方法。
  34. 対象がヒトである、請求項33記載の方法。
  35. 対象が、皮膚障害を有するか又は皮膚障害の危険がある患者である、請求項34記載の方法。
  36. 対象に細胞傷害剤を、前記障害を治療又は予防するために有効な量で投与することをさらに含む、請求項5記載の方法。
  37. 抗体又はその抗原結合断片を細胞傷害剤と組み合わせて投与する、請求項36記載の方法。
  38. 抗体又はその抗原結合断片、及び細胞傷害剤を同時に又は連続的に投与する、請求項37記載の方法。
  39. 細胞傷害剤が、代謝拮抗物質、アルキル化剤、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、シス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)(シスプラチン)、アントラサイクリン及び細胞分裂抑制薬から成る群から選択される、請求項37記載の方法。
  40. 細胞傷害剤が、光線療法治療、メトトレキセート、レチノイド、マクロライド剤、サイクロスポリン、エトレチネート、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、金塩及びスルファサリジンから成る群から選択される、請求項37記載の方法。
  41. 細胞傷害剤がPUVA又はUV照射である、請求項40記載の方法。
  42. UV照射がUVA又はUVB照射である、請求項41記載の方法。
  43. 抗体又はその抗原結合断片が、全身的、非経口的又は局所的に投与される、請求項5記載の方法。
  44. 抗体又はその抗原結合断片が、静脈内、筋肉内、皮下若しくは経皮投与される、又は吸入によって投与される、請求項43記載の方法。
  45. 対象に、ステロイド、ビタミン、タール、角質溶解剤及びアントラリンから成る群から選択される局所適用剤を投与することをさらに含む、請求項43記載の方法。
  46. ステロイドが、グルココルチコイド又はレチノイドである、請求項45記載の方法。
  47. 対象に、全身性グルココルチコイド、スルホン、アミノキノリン、細胞傷害剤、代謝抑制剤、レチノイド、抗ヒスタミン剤、免疫抑制薬、免疫調節薬、及びサリドマイドから成る群から選択される全身剤を投与することをさらに含む、請求項43記載の方法。
  48. PSMAの細胞外ドメインに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片、及び該抗体又はその抗原結合断片の効力を強化する局所適用剤を含む局所用組成物。
  49. 局所適用剤が、対象の皮膚中への結合剤の浸透を高める、請求項48記載の方法。
  50. 局所適用剤が皮膚障害を軽減する、改善する又は予防する、請求項48記載の方法。
  51. 局所適用剤が、ステロイド、ビタミン、タール、角質溶解剤及びアントラリンから成る群から選択される、請求項50記載の方法。
  52. PMSAの細胞外ドメインに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片、及び皮膚障害を軽減する、改善する又は予防する全身剤を含む、全身投与用組成物。
  53. 全身剤が、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、免疫抑制薬、細胞傷害剤、代謝抑制薬又は免疫調節薬である、請求項52記載の方法。
  54. 全身剤が、全身性グルココルチコイド、スルホン、アミノキノリン、レチノイド、及びサリドマイドから成る群から選択される、請求項52記載の方法。
  55. 製薬的に受容されるキャリヤー、賦形剤又は安定剤をさらに含む、請求項48又は52のいずれかに記載の組成物。
  56. 乾癬性病巣を含むサンプル中のPSMAmRNA又はタンパク質の存在を検出する方法であって、(i)前記サンプル又は対照サンプルを、標識されたPSMA結合剤と、該結合剤とPSMAmRNA又はタンパク質との相互作用の発生を可能にする条件下で接触させる段階、及び(ii)複合体の形成を検出する段階を含み、該標識されたPSMA結合剤との複合体形成の、対照サンプルに比較して、統計的に有意な変化が、サンプル中のPSMAの存在を表示する方法。
  57. PSMA結合剤が、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片である、請求項56記載の方法。
  58. PSMA結合剤が、PSMAmRNAにハイブリダイズする核酸である、請求項56記載の方法。
  59. 皮膚障害を診断する又は病期決定する方法であって、(i)皮膚障害を有する又は皮膚障害を有する危険がある対象を同定する段階;(ii)該障害に罹患した組織又は細胞のサンプルを入手する段階;(iii)前記サンプル又は対照サンプルを、標識されたPSMA結合剤と、該結合剤とPSMAmRNA又はタンパク質との相互作用の発生を可能にする条件下で接触させる段階;及び(iv)複合体の形成を検出する段階を含み、該標識されたPSMA結合剤との複合体形成の、対照サンプルに比較して、統計的に有意な増加が、皮膚障害又は該障害の病期を表示する方法。
  60. PSMA結合剤が、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片である、請求項59記載の方法。
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