JP2005525384A - イオンチャンネル遮断治療薬及びその使用方法 - Google Patents

イオンチャンネル遮断治療薬及びその使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005525384A
JP2005525384A JP2003576422A JP2003576422A JP2005525384A JP 2005525384 A JP2005525384 A JP 2005525384A JP 2003576422 A JP2003576422 A JP 2003576422A JP 2003576422 A JP2003576422 A JP 2003576422A JP 2005525384 A JP2005525384 A JP 2005525384A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acetyl
bis
dimethoxybenzofuran
yloxymethyl
optionally substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003576422A
Other languages
English (en)
Inventor
ベル,ジョナサン,ビー.
ヴルフ,ハイケ
ハーヴェイ,アンドリュー,ジェイ.
ノートン,レイモンド,エス.
チャンディ,ジョージ,ケイ.
Original Assignee
ザ ウォルター アンド イライザ ホール インスティチュート オブ メディカル リサーチ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ ウォルター アンド イライザ ホール インスティチュート オブ メディカル リサーチ filed Critical ザ ウォルター アンド イライザ ホール インスティチュート オブ メディカル リサーチ
Publication of JP2005525384A publication Critical patent/JP2005525384A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D417/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00
    • C07D417/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing three or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/77Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D307/78Benzo [b] furans; Hydrogenated benzo [b] furans
    • C07D307/86Benzo [b] furans; Hydrogenated benzo [b] furans with an oxygen atom directly attached in position 7
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D405/00Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom
    • C07D405/14Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing three or more hetero rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D409/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D409/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms containing three or more hetero rings

Abstract

【課題】 ケリノンの二つの活性単位をスペーサー(二価リガンド)で連結して得られる誘導体の中でKv1.3チャンネルを遮断する活性を有し、且つ加水分解への感受性が低く安定で、しかも脂溶性の低い(水溶性の高い)治療上有用な物質を提供することを目的とする。
【解決手段】ケリノン誘導体の基礎となる種々の二価リガンドについて記載する。これらの誘導体は、中でもT−細胞に見出されるKv1.3チャンネルを含む、細胞中のカリウムチャンネル活性を変更するのに有用である。これらの化合物は、多発性硬化症を含む自己免疫疾患や炎症性疾患の治療及び防止に有用である。

Description

本発明は細胞内のカリウムチャンネル活性、とりわけT細胞に見出されるKv1.3チャンネルの活性の変更に有用な化合物に関する。本発明は多発性硬化症などの自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療又は予防におけるこれらの化合物、これらの化合物を含む医薬組成物の使用、及びそれらを調製する方法にも関する。
多くの自己免疫疾患及び慢性炎症性疾患は免疫調節異常に関連する。全身性エリテマトーデス、慢性リウマチ様関節炎、多発性硬化症及び乾癬などの疾患は共通して自己抗体及び自己反応性リンパ球の様相を呈する。
多発性硬化症は若年者に最も普通の神経疾患である。若い成人の如何なる他の神経疾患よりも医療に費用がかかり、所得を失わせると考えられている。
多発性硬化症は神経のミエリン鞘に悪影響を及ぼす。ミエリンは大部分の軸索を被覆し跳躍伝導による長距離に及ぶ迅速なシグナル伝導を可能にする絶縁体である。免疫系の抗体や分化した細胞はこのミエリン被覆を攻撃すると考えられる。このプロセスはプラークとして知られる病巣の形成によりその領域の血管を損傷する炎症及び瘢痕(硬化)をもたらす。これらのプラークはその免疫系の細胞により浸潤されることを特徴とする。これは結果として迅速なシグナル伝導の必然的喪失を伴う脱髄を生ずる。
これらの自己免疫疾患及び炎症性疾患を治療する可能な方法は、T−細胞の増殖を抑制しその活性化を変化させることによるものである。
T−細胞の活性化の初期段階は概念的には、前−Ca2+事象と後−Ca2+とに分けられる(非特許文献1を参照)。T−細胞抗原−受容体と抗原の結合の後、チロシンキナーゼの活性化及びイノシトール1,4,5−三リン酸の形成はCa2+の流入と細胞質におけるCa2+濃度の上昇をもたらす。Ca2+の上昇はホスファターゼであるカルシニューリンを活性化し、これは次いで細胞質に局在化している転写因子(N−FAT)を脱リン酸化し、それを核に蓄積しインターロイキン−2遺伝子のプロモーター因子に結合することを可能とする。プロテインキナーゼC及びrasの活性化を含む並行して起こる事象に加えて、遺伝子転写はリンホカインの分泌及びリンパ球の増殖をもたらす。一部の遺伝子は長く持続するCa2+シグナルを必要とするが、他のものはCa2+の一過性の上昇しか必要としない。さらに、Ca2+のT−細胞の抗原提示部位での固定化はT−細胞と抗原提示細胞の間の相互作用を強化しそれにより両細胞間の局部的シグナル発信を促進するのに役立つ。
T−リンパ球のCa2+シグナルの根底にはイオンチャンネルがある。Ca2+イオンは店舗運営Ca2+チャンネル又はカルシウム放出−活性化Ca2+チャンネルと呼ばれるチャンネルを通って原形質膜を横切って移動する。二つの異なるタイプのカリウムチャンネルがカルシウム入口の駆動力を間接的に決定する。その第一は電圧でゲートされたKv1.3チャンネル(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献1を参照)であり、そして第二は中間−伝導カルシウム−活性化カリウムチャンネル、即ちIKCa1(非特許文献6、 非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12、非特許文献13を参照)である。これらのカリウムチャンネルが開くとき、その結果生ずるK+ の流出がその膜を過分極化させ、それが今度はCa2+の入口を強調し、それが下流の活性化事象に対して絶対的に必要とされる(非特許文献1を参照)。
ヒトのT−リンパ球における主要なチャンネルである電圧でゲートされたチャンネルはKv1.3、即ちシェイカー関連遺伝子によりコードされる。Kv1.3は分子レベル及び生理学的レベルで広範囲にわたって特性決定されており、主に静止T−リンパ球の静止膜電位を維持することによりT−リンパ球の増殖の制御に極めて重大な役割を担っている。このチャンネルを阻害すると、Ca2+の流入を減少させるのに十分な程にこの細胞膜は脱分極し、それにより下流の活性化事象が阻止される。Kv1.3チャンネルが殆ど専らT−リンパ球に局在していることは有利である。
従って、選択的Kv1.3遮断薬である化合物は、こうして移植拒否の防止及び自己免疫や炎症性疾患の治療のための免疫抑制薬としての潜在的な治療薬である。これらの化合物は単独で使用することができ、あるいは、とりわけシクロスポリンとの相乗作用を得るため及び/又は毒性を軽減するため、選択的IKCa1遮断薬即ちシクロスポリンなどの他の免疫抑制薬と共に使用することができよう。
現時点では、リンパ球の増殖を抑制する幾つかの非選択的Kチャンネルが存在するが、有害な副作用を有する。他のKチャンネルは心臓や脳を含む広範囲の組織に存在し、一般的にこれらのチャンネルを遮断することは好ましくない。
米国特許第5,494,895号(特許文献1)は、ヒトのT−リンパ球中に存在するKv1.3チャンネルの選択的阻害薬及びプローブとして、そして免疫抑制薬としても、39のアミノ酸ペプチド、さそりペプチドマーガトキシンの使用を開示する。しかしながら、この化合物の使用はその強い毒性により制限される。
国際出願の国際公開番号WO97/16438号(特許文献2)及びWO97/716437号(特許文献3)、及び米国特許第6,051,590号(特許文献4)は、Kv1.3阻害により悪影響を受けるか若しくは促進される哺乳類の状態を治療する場合に免疫抑制薬としてトリテルペンであるコレオリド(correolide)及び関連化合物の使用を開示する。
米国特許第6,077,680号(特許文献5)は、イソギンチャク種由来のDNAセグメント及びタンパク質、より具体的にはスティコダクチラ・ヘリアンサス(Stichodactyla helianthus)由来のShK毒素を開示する。ShK毒素はKv1.1Kv1.3Kv1.4及びKv1.6を遮断することが見いだされたが、突然変異体であるShK−K22DAPはKv1.3を選択的に遮断することが見いだされた。あいにく、この突然変異体は臨床使用するのに十分な程安定ではなかった。
最近、ShK毒素は、ミエリン抗原であるMBP(ミエリン塩基性タンパク質)により慢性的に活性化されるT−細胞を選択的に標的化することにより、ヒト多発性硬化症の動物モデルであるルイスラットの実験的自己免疫脳脊髄炎を予防し且つ治療することが示された(非特許文献14)。この同じ研究は、慢性的に活性化された脳炎誘発性ラットT−細胞がKv1.3チャンネルの高発現(細胞当たり約1500)及びIKCa1チャンネルの低い数の発現(細胞当たり約120)により特徴付けられる独特のチャンネル表現型を表すことも示した。このチャンネル表現型は静止した細胞及び急に活性化された細胞で見られたものとは異なっており、慢性に活性化されたラットT−リンパ球に対する機能的に関連のあるマーカーでありうる。
置換されたベンゾフランであり、ある種の植物由来の天然物であるケリノン(khellinone)及び8−メトキシプソラーレン(8−MOP)は、両方とも市販されている生産物であるが、Kv1.3チャンネルに対し遮断活性を有することが見いだされた。
Figure 2005525384
ケリノン、8−MOP及びそれらの4個の二量体変異型が、コロラド、スノウマスでのアメリカ生理学会のミーティングでのポスター(アブストラクトNo.1078)に記載された(非特許文献15)。本発明者らは二つの活性単位を連結してスペーサーによる活性の向上が得られるか否かを試験していた。二価誘導体の一部は無効であったが、他のものはKv1.3チャンネルを遮断するがそれらの加水分解への極端な感受性(極めて低い安定性)及び高い脂溶性(臨床条件での低い溶解性)のために治療上の有用性を欠くと報告された。
米国特許第5,494,895号。 WO97/16438号。 WO09/716437号。 米国特許第6,051,590号。 米国特許第6,077,680号。 カハランとチャンディ 1997 ,Curr. Opin. Biotechnol. 8: 749。 カハラン1985,J. Physiol. 385: 197。 グリスマー1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 9411 。 フェアホイゲン 1995, J. Gen. Physiol. 105: 765。 アイヤー 1996, J. Biol. Chem. 271: 31013。 グリスマー 1993, J. Gen. Physiol. 102: 601。 ファンガー 1999, J. Biol. Chem. 274: 5746 。 ラウエル 1999, J. Biol. Chem. 274: 21885。 ファンドープ 1998, J. Biol. Chem. 273: 21542。 ジョイナー 1997, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 11013 。 カンナ 1999, J. Biol. Chem. 274: 14838。 ロジソン 1997, J. Biol. Chem. 272: 32723。 ガンシャニ 1998, Genomics 51: 160 。 ビートンら 2001, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 13942 。 The Physiologist 42: A12 (1999) 。
従って、本発明はケリノンの二つの活性単位をスペーサーで連結して得られる誘導体の中でKv1.3チャンネルを遮断する活性を有し、且つ加水分解への感受性が低く安定で、しかも脂溶性の低い(水溶性の高い)治療上有用な物質を提供することを目的とする。
発明の概要
本発明の第一の側面は一般式Iで表される化合物又はその塩又は薬学的に許容しうるその誘導体に関する。
Figure 2005525384
上式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれH、OH、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたアルコキシ、任意選択的に置換されたアルケニル、任意選択的に置換されたアルキニル、任意選択的に置換されたハロアルキル、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたアリールアルキル、任意選択的に置換されたシクロアルキルアルキル、シアノ、ハロ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルアミド、ニトロ及びアルキルアミノから選択され、
リンカーはそれが結合している二個の芳香環の間にスペースを設ける、この二つの芳香環の間の最短経路を通って測った場合6から11原子の二価のスペーサー基であり、
A及びBはそれぞれ、任意選択的に置換された5員環〜7員環の芳香環、複素環式芳香環及び非芳香族複素環から選択される融合環であり、
5 及びR6 はそれぞれ、−C(O)R7 、−C(NR7 )R7 及び−C(S)R7 から選択され、R7 はそれぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基及びヒドロキシ基から独立に選択されるものである、
ただし、R5 及びR6 が−C(O)CH3 であり、環A及びBが置換されていないフリルであり、且つリンカーが−O−CH2 −C6 4 −CH2 −O−である場合は、R1 、R2 、R3 又はR4 の少なくとも一つはメトキシ基でないことを条件とする。
第二の側面では、本発明は免疫抑制薬として使用するための医薬組成物を提供する。この組成物は、有効量の式Iの化合物、その生産物、又は薬学的に許容しうるその誘導体を含み、そして任意選択的に担体又は希釈剤を含む。
第三の側面では、本発明は、式Iの化合物若しくは薬学的に許容しうるその誘導体、又は式Iの化合物若しくはその薬学的に許容しうる誘導体を含む組成物の投与により、自己免疫疾患又は慢性炎症性疾患、外来器官移植体の拒絶及び/又は関連する苦痛、疾患、不快を防止又は治療する方法を提供する。
第四の側面では、本発明はT−細胞に式Iの化合物若しくは薬学的に許容しうるその誘導体を適用することにより、T−細胞のカリウムイオンチャンネル活性を変更する方法を提供する。
第五の側面では、本発明は自己免疫疾患又は慢性炎症性疾患の治療又は防止、又は外来器官移植体の拒絶及び/又は関連する苦痛の防止のための医薬の製造における、式Iの化合物又は薬学的に許容しうるその誘導体の使用を提供する。
発明の詳細な説明
本発明は先行技術の教示に反して二価リガンド系が全く安定であることができるという発見に基づいている。それに加えて、二価リガンド系化合物の臨床的溶解性、Kv1.3チャンネル選択性及び/又は活性が先に教示された二価リガンド系のそれよりも向上しうるということが見いだされた。
受容体部位における化合物の活性を増加させる可能な方法は適当なリンカーを介して二つの活性な化合物を連結し二価のリガンドを創出することである(ポートギース,P.S.,Trends in Pharmacological Sciences, 1989, 10, 230-235)と示唆されたが、幾つかのKv1.3チャンネル活性化合物を用いた既知の実験はほとんど成功しなかった。理想的な局部濃度の効果は実質的に2より大きな係数だけ該二価リガンドの活性を増加させる。
あいにく、該二つの活性化合物を連結するリンカーが二つの隣接する結合部位の架橋、該結合部位の周りの領域の表面形態、及びリンカー基を付加することにより該活性化合物を修飾するという化学的及び構造的影響を可能にするか否かを含む幾つかの予想し得ない要因がこのアプローチの成功に影響を与えるようである。さらに、これらの規範に合致すし、そして一価のリガンドと比べ該二価リガンドが標的タンパク質Kv1.3に対し有意に上昇した結合を示すとしてさえも、水溶性の貧弱さなどの低い物理化学的特性はこのような二価リガンドのいずれをも治療上有用でないものとしてしまう。
しかしながら、本発明の化合物はこれらの問題の一つ以上を解決し、従って良好な安定性を有することに加え、既知の二価リガンドよりも選択的であり及び/又はより活性であり及び/又はより溶解性が高いと考えられる。
本発明に関して、先に述べたように式Iの化合物を提供するために二つのリガンドを連結するリンカーが存在する。この「リンカー」は、それが結合する二つの芳香環の間にスペースを与える該二つの芳香環の間の最短経路を通って測られるとき6から11原子(架橋部分)の二価のスペーサー基である。理想的には、この長さは該活性成分の二つの隣接する結合部位の架橋を可能とするものである。
適切な二価スペーサー基の例としては、二つの芳香環の間の最短経路を通って測った場合6炭素原子から11炭素原子を有する任意選択的に置換されたアルキレン基が含まれる。架橋部分におけるメチレン(−CH2 −)基の一つ以上がO、S又はNRa などのヘテロ原子で置換されても良い。ここでRa は水素及び低級アルキルから選択される。架橋部分におけるメチレン(−CH2 −)基の一つ以上は、一つ又はより多く置換されていても良い(moreoptionally) 芳香環又は置換されていても良い非芳香環(単数又は複数)などの置換されていても良い環の一部を形成する原子で置換されても良い。この環はO、S及びNから選択される一つ以上のヘテロ原子を含んでも良い。この環のヘテロ原子は架橋部分の一部を形成しても良い。
架橋部分(架橋部分の一部を形成する非芳香環(単数又は複数)を含む)は一つ以上の不飽和部位を含んでも良い。不飽和部位はエチレン部分(−CH2 CH2 −)が−CH=CH−又は−C≡C−で置換された場合に生ずる。
上記スペーサー基は以下に記載するような「任意選択的に置換される」の定義を持つ広範囲の置換基により任意選択的に置換されうる。非限定的な例としては、該スペーサー基は、ヒドロキシ、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたアルコキシ、任意選択的に置換されたアルケニル、任意選択的に置換されたアルキニル、ハロアルキル、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたアリールアルキル、任意選択的に置換されたシクロアルキルアルキル、シアノ、ハロ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルアミド、ニトロ及びアルキルアミノから選択される一つ以上の置換基で任意選択的に置換されても良い。
上記リンカーは一つ以上の芳香環、複素芳香環又は非芳香環を含んでも良い。例えば、該リンカーはアリール環又はシクロヘキサン環を含んでも良い。含まれた環(単数又は複数)、好ましくはフェニル環は該リンカーによって連結される二つの芳香環の間の最短経路を形成する二つ以上の原子を構成しても良い。
該リンカーは−X−(CH2 n −X−の形の二価部分であることが好ましい。ここで、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、O、S及びNRa (ここでRa は独立に水素又は低級アルキルである)、好ましくはOから選択され、そしてnは4から9まで、好ましくは6から8までの整数であり、メチレン基の一つ以上は置換されていてもよく、一つ以上の不飽和部位を含んでいてもよい。
別の好ましいリンカーは−X−(CH2 p −Y−(CH2 q −X−の形の二価部分である。ここで、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、O、S及びNRa (ここでRa は独立に水素又は低級アルキルである)、好ましくはOから選択され、そしてp及びqは1以上の整数であり、メチレン基の一つ以上は置換されていてもよく、−(CH2 p −及び−(CH2 q −は一つ以上の不飽和部位を含んでもよく、Yはフェニルなどの置換されていてもよい芳香環、−S−S−、−C(O)−、−C(O)O−、−NRb C(O)−(Rb は水素又は低級アルキルである)、又は−O−などの二価部分から選択される。Yがフェニル基の場合、それは置換されていてもよく、−C(O)ORc [ORc ]などの極性置換基の一つ以上で置換されていることが好ましい。ここで、Rc はそれぞれ水素又は低級アルキルであり、nは0から10までの整数である。
本出願では、特に断らない限り、「置換されていてもよく」とは、基がアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアミノ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、シアノ、カルボキシル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ベンジルアミノ、アシル、アルケニルアシル、アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロキシ、ヘテロシクラミノ、ハロヘテロシクリル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、アルキルチオ、アルキルスニホニル、アルキルスルフィニル、ベンジルチオ、スルホンアミド、−C(O)NRR’、−NR−C(S)NR’R”、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR’R”、−NRC(O)R’、−C(=NR)NR’R”、−C(=NR’R”)SR、−C(S)NR’R”、−C(S)NR’R”、−C(=NCN)−NR’R”、−NR−C(=NCN)SR、−NR”SO2 R、−NR’C(S)R、−NR’C(O)R及び−NRSO2 CF3 から選択される一つ以上の基でさらに置換されていてもよく、置換されていなくてもよいことを意味する。ここで、R,R’及びR”は水素又は低級アルキルである。
任意選択的置換基が芳香環又は複素環式芳香環を含む場合は、この環はアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、及びアルケニルオキシから選択される基の一つ以上で置換されていてもよい。
用語「アルキル」は、本明細書で単独で若しくは組み合わせで用いられるとき、1から10までの炭素原子を含む直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基を指し、用語「C1-6 アルキル」及び「低級アルキル」はメチル(「Me」)、エチル(「Et」)、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの1から6の炭素原子を含む基を指す。
用語「アルケニル」は、一つ以上の二重結合、好ましくは一つ又は二つの二重結合を含む、2から10までの炭素の直鎖状若しくは分枝鎖状の炭化水素を意味する。アルケニルの例としては、エチレン、プロピレン、1,3−ブタジエニル、及び1,3,5−ヘキサトリエニルが挙げられる。
用語「アルキニル」は、一つ以上の三重結合、好ましくは一つ又は二つの三重結合を含む、2から10までの炭素の直鎖状若しくは分枝鎖状の炭化水素を意味する。
用語「アルコキシ」は、本明細書で単独で若しくは組み合わせで用いられるとき、O結合を介して共有結合している直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基を指し、用語「C1-6 アルコキシ」及び「低級アルコキシ」はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシなどの1から6個の炭素原子を含む基を指す。
用語「芳香族の」又は「アリール」は単独で若しくは組み合わせで用いられるとき、非置換の又は置換されていてもよい単環式又は二環式芳香族炭化水素環系を指す。好ましい芳香環系は置換されていてもよいフェニル基(「Ph」)又はナフタレン基である。
該芳香環基又は該アリール基がフェニルであり、そして好ましくはC1-6 のアルキル、C1-6 のアルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル及びハロから選択される4個までの又はより通常は1又は2個の基で任意選択的に置換されていることが好ましい。
上記芳香族基がアルコキシカルボニルで任意選択的に置換されている場合、このアルコキシ基自体もそれ自体さらに置換されていてもよい一つ以上のアルコキシ基で置換されていてもよい。従って、該芳香族基は−C(O)OR[ OR] n などの部分で置換することができる。ここでRは低級アルキル基であり、nは0から10までの整数である。
用語「ヘテロ芳香族」基は、本明細書で用いるとき、炭素原子及び窒素、硫黄及び/又は酸素から選択される他の原子を含む、安定な芳香族の単環式若しくは多環式環系を指す。
ヘテロ芳香族基は、炭素原子から成り、窒素、酸素及び/又は硫黄から選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を含む、5又は6員環の単環式環(ベンゼンが融合してもよい)又は8〜11員環の2環式環であることが好ましい。
好ましいヘテロ芳香族基の例は、イソオキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、フリル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、フラザニル、及びチエニルである。このヘテロアリール基は炭素原子を介して又は安定な構造を結果として生ずる該ヘテロアリールの任意のヘテロ原子を介して親構造に結合してもよい。
用語「ハロ」及び「ハロゲン」は、置換部分を同定するために本明細書で使用するとき、フッ素、塩素、臭素、又はヨー素、好ましくは塩素又はフッ素を表す。
式Iの化合物の塩は薬学的に許容しうるものであることが好ましいが、薬学的に許容し得ない塩も本発明の範囲内にはいることが認められるであろう。何故なら、これらの塩は薬学的に許容しうる塩の調製のための中間体として有用であるからである。
用語「薬学的に許容しうる誘導体」には、薬学的に許容しうるエステル類、プロドラッグ類、溶媒和物及び水和物、並びにこれらの化合物又は誘導体の薬学的に許容しうる付加塩が含まれる。薬学的に許容しうる誘導体には、薬学的に許容しうる任意の塩、水和物又は他の任意の化合物又は被験者に投与されると式Iの化合物又はその抗ウィルス活性のある代謝物又は残基を(直接的に若しくは間接的に)生ずるプロドラッグ類が含まれる。
上記薬学的に許容しうる塩には、酸付加塩、塩基付加塩、薬学的に許容しうるエステル類の塩、及び第四級アミン及びピリジニウムの塩が含まれる。酸付加塩は本発明の化合物と塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、クエン酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、サリチル酸、スルファミン酸、又は酒石酸を含むがこれらに限定されない薬学的に許容しうる無機又は有機の酸とから形成される。第四級アミン及びピリジニウムの対イオンには、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、マロン酸塩、フマル酸塩、スルファミン酸塩及び酒石酸塩が含まれる。塩基付加塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、アンモニウム及びアルキルアンモニウムが含まれるが、これらに限定されない。また、塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピル及びブチルの塩化物、臭化物及びヨウ化物などの低級アルキルハライド、硫酸ジメチルや硫酸ジエチルなどの硫酸ジアルキルといった試薬で四級化してもよい。これらの塩は、例えば、適当な溶媒の存在下で該化合物を適切な酸若しくは塩基で処理することにより、既知の方法で作ればよい。
本発明の化合物は結晶状であっても溶媒和物(例えば、水和物)であってもよく、両方の形状とも本発明の範囲内にあると意図される。用語「溶媒和物」は溶質(本発明では、本発明の化合物)と溶媒から形成される化学量論的には変わりうる錯体である。このような溶媒は該溶質の生物活性を妨害すべきでない。溶媒は、例を挙げれば、水、エタノール又は酢酸であってよい。溶媒和の方法は当分野で一般に知られている。
用語「プロドラッグ」はその最も広い意味で用いられ、本発明の化合物にインビボで変換される誘導体を包含する。このような誘導体には当業者は容易に想到できるであろう。かかる誘導体には、例えば、遊離のヒドロキシル基がエステル誘導体に変換され、環上の窒素原子がN−オキシドに変換された化合物が含まれる。エステル誘導体の例としては、アルキルエステル、リン酸塩エステル、及びアミノ酸、好ましくはバリンから形成されるエステルが挙げられる。本発明の化合物のプロドラッグである如何なる化合物も本発明の範囲及び精神の中に含まれる。
用語「薬学的に許容しうるエステル」には、スルホン酸誘導体、ホスホン酸誘導体及びカルボン酸誘導体などの本発明の化合物の生物学的に許容しうるエステル類が含まれる。
式Iの化合物及びその幾つかの誘導体は少なくとも一つの不斉中心を持っていてもよく、従って、二つ以上の立体異性型として存在できると理解される。本発明はこれらの型の個々にそれぞれ、及びラセミ体を含むそれらの混合物に及ぶ。これらの異性体はクロマトグラフ法により又は分離材を用いて通常のように分離しうる。または、キラル中間体を用いる不斉合成により個々の異性体を調製してもよい。該化合物が少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を持つ場合は、この化合物はZ−及びE−型で現れることがあり、該化合物の全ての異性型は本発明に含まれる。本発明の一部の好ましい態様では、一般式Iを参照して、下記の好ましい定義が適用される。
1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ、H、OH、ニトロ、シアノ、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいハロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシカルボニル、置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ、置換されていてもよいアリールカルボニルオキシ、置換されていてもよいアルキルアミド、及び置換されていてもよいアルキルアミノから選択される。
環A及び環Bは置換されていてもよく、それぞれイソオキサゾリル環、オキサゾリル環、イミダゾリル環、チアゾリル環、イソチアゾリル環、ピリジニル環、フリル環、ピリミジニル環、ピラゾリル環、ピロリル環、ピリダジニル環、フリル環、及びチオフェニル環、より好ましくはチオフェニル、フリル及びピロリルから選択される。
5 は−COR7 であり、R7 はそれぞれ水素、アルキル及びアルコキシ基から独立に選択され、より好ましくはR7 はそれぞれ低級アルキルから独立に選択され、そして最も好ましくはメチル基である。
上記リンカーは−X−(CH2 n −X−の形の置換されていてもよい二価部分であり、ここで、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、O、S及びNRa (Ra はそれぞれ水素及び低級アルキル、好ましくは水素から独立に選択される)、Xは好ましくはOであり、nは4と9の間の整数であり、−(CH2 n は一つ以上の不飽和部位を含む。
または、上記リンカーは、−X−(CH2 p −Y−(CH2 q −X−の形の二価部分である。ここで、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、O、S及びNRa から選択され、Ra はそれぞれ水素及び低級アルキルから独立に選択され、Xは好ましくはOであり、p及びqは1以上の整数であり、上記メチレン基の一つ以上は置換されていてもよく、そして−(CH2 p −及び−(CH2 q −は一つ以上の不飽和部位を含み、Yは置換されていてもよい芳香環(フェニルなどの)、−S−S−、−N(低級アルキル)−CO−及び−O−から選択される。Yがフェニル環であるとき、それを−C(O)ORc 〔ORc n などの極性基で置換することが好ましい。ここでRc はそれぞれ水素又は低級アルキルであり、nは0から10までの整数である。
本発明のこの側面の好ましい実施態様は式IIで表される化合物である。
Figure 2005525384
上式中、R1 、R2 、R3 、R4 、リンカー、A及びBは上に記載した通りであり、R7 はアルキル基又はアルコキシ基から独立に選択される。ただし、R5 及びR6 が−C(O)CH3 であり、環A及び環Bが非置換のフリルであり、リンカーが−O−CH2 −C6 4 −CH2 −O−である場合は、R1 、R2 、R3 又はR4 の少なくとも一つはメトキシ基ではないことを条件とする。
本発明のこの側面のより好ましい実施態様は式IIIa及び式IIIbで表される化合物である。
Figure 2005525384
Figure 2005525384
上式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R7 及びリンカーは式IIについて上で記載した通りであり、ZはそれぞれO、S、NH又はN(低級アルキル)などのヘテロ原子から独立に選択され、好ましくはOであり、R9 及びR10はそれぞれ、H、OH、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいハロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアルキル、シアノ、ハロ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルアミド、ニトロ及びアルキルアミノから独立に選択され、そして破線は存在していてもよい結合を表す。ただし、R7 が両方ともCH3 であり、R9 及びR10がそれぞれ水素であり、ZがそれぞれOであり、破線が結合を表し、リンカーが−O−CH2 −C6 4 −CH2 −O−である場合は、R1 、R2 、R3 又はR4 の少なくとも一つがメトキシ基でないことを条件とする。
本発明のこの側面のより好ましい実施態様は式IVで表される化合物である。
Figure 2005525384
上式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R7 、R9 、R10、Z及び破線は式IIIa及びIIIbについて上で記載した通りであり、XはそれぞれS、ONH及びN(低級アルキル)から独立に選択されるヘテロ原子であり、R11はそれが結合している2個のヘテロ原子Xの間の最短距離に沿って4〜9原子を有する二価の基である。ただし、R7 がそれぞれCH3 であり、ZがそれぞれOであり、R9 及びR10がそれぞれ水素であり、XがそれぞれOであり、R11が−CH2 −C6 4 −CH2 −である場合は、R1 、R2 、R3 又はR4 の少なくとも一つはメトキシ基であることを条件とする。
二価の基R11は二つのXの間の最短距離が4から9までの炭素原子の置換されていてもよいアルキレン基を含む広範囲の基から選択されうる。このアルキレン基は一つ以上の二重結合又は三重結合を有していてもよい。置換されていてもよいメチレン基の一つ以上はO、S又はNRa などのヘテロ原子で置換できる。ここで、Ra は水素又は低級アルキルから選択される。該メチレン基の一つ以上は、置換されていてもよい芳香環や置換されていてもよい脂肪族環などの環構造の一部を形成する原子で置換してもよい。この環は不飽和部位を含んでもよく、それはO、S及びNから選択される一つ以上のヘテロ原子を含んでもよい。
11は−(CH2 n −の形の二価部分である。ここで、nは4から9までの整数であり、このメチレン基の一つ以上が置換されていてもよく、−(CH2 n −が一つ以上の不飽和部位を含んでいてもよい。
または、R11は−(CH2 p −Y−(CH2 9 −の形の二価部分であり、p及びqは1以上の整数であり、該メチレン基の一つ以上は置換されていてもよく、−(CH2 p −及び−(CH2 q −は一つ以上の不飽和部位を含んでいてもよく、Yはフェニルなどの置換されていてもよい芳香基、−S−S−、−NRb CO−又は−O−から選択される。ここでRb は水素又は低級アルキルである。Yがフェニル基の場合、それを−C(O)ORc [ ORc ] n などの極性基で置換することが好ましい。ここでRc はそれぞれ独立に水素又は低級アルキルであり、nは0から10までの整数である。
本発明のこの側面のより好ましい実施態様は式Vで表される化合物である。
Figure 2005525384
上式中、R7 、R9 、R10及びR11はそれぞれ上に定義した通りであり、そして
12及びR14はそれぞれH、OH、シアノ、ハロ、ニトロ、及びアルキル、アルケニル、アルコキシから選択される置換されていてもよい基、置換されていてもよいアルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アルキル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルアミド及びアルキルアミノから選択され、
13及びR15はそれぞれ、H、OH、及びアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルカルボニルオキシ及びアリールカルボニルオキシから選択される置換されていてもよい基から選択される。
ただし、R7 がメチルであり、R9 及びR10が水素であり、R11が−CH2 6 4 CH2 −である場合は、R12、R13、R14及びR15の少なくとも一つはメトキシでないことを条件とする。
本発明のこの側面のより好ましい実施態様は式VIで表される化合物である。
Figure 2005525384
上式中、R9 、R10、R11、R12、R13、R14及びR15はそれぞれ上に記載した通りである。
より好ましくは、R9 及びR10はそれぞれ水素又は置換されていてもよいアルキルであり、R11は置換されていてもよい式−(CH2 n −(nは4、5、6又は7である)の部分、又は置換されていてもよい式−CH2 −C6 4 −CH2 −の部分であり、そしてR12及びR13はそれぞれ置換されていてもよいアルキルオキシ、好ましくは低級アルキルオキシ基である。
最も好ましくは、化合物は下記のものである。
1,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシ)ペンタン、
1,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシ)ヘキサン、
1,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシ)ブタン、
1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ベンゼン、
ジ−(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシエチル)エーテル、
1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)安息香酸、
1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)安息香酸メチルエステル、
1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)安息香酸テトラエチレングリコールモノメチルエーテルエステル、
5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシエタンチオール,ジスルフィド二量体、
1,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシ)−N−メチル−3−アザ−4−オキソヘキサン、
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)フラン、
2,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)フラン、
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)チオフェン、
2,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)チオフェン、
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)チアゾール、
2,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)チアゾール、
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)チアジアゾール、
1,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)シクロペンタン、
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)テトラヒドロフラン、
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)テトラヒドロチオフェン、
1,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)−2−ヒドロキシベンゼン、
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリジン、
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリミジン、
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピラジン、
3,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリダジン、
2,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリジン、
2,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリミジン、
2,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリダジン、
2,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリジン、
4,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリミジン、
3,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリジン、
3,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリダジン、
1,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルチオ)ペンタン、
1,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルチオ)ヘキサン、
1,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルチオ)ブタン、
1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルチオメチル)ベンゼン、
1,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルアミノ)ペンタン、
1,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルアミノ)ヘキサン、
1,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルアミノ)ブタン、及び
1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルアミノ)ベンゼン。
本発明はまた、可能な場合には、本発明の第一の側面の上記の実施態様の薬学的に許容しうる塩、エステル、溶媒和物及び/又はプロドラッグなどの塩又は薬学的に許容しうる誘導体を含む。
第二の側面では、本発明は免疫抑制薬として使用するための医薬組成物を提供する。この医薬組成物は有効量の式Iの化合物、若しくはその薬学的に許容しうる誘導体、及び任意選択的に担体又は希釈剤を含む。
用語「組成物」は、担体としてのカプセル化剤を用いて活性成分を製剤化し、活性成分が(他の担体と共に又は他の担体なしに)その中で担体に取り囲まれているカプセルを作ることも含むものと意図される。
医薬組成物又は製剤は、経口、経直腸、経鼻、局所(バッカル及びサブリンガルを含む)、経膣又は非経口(筋肉内、皮下及び静脈内を含む)の投与に適したもの又は吸入若しくは吹きつけによる投与に適した剤型のものを含む。
本発明の化合物は、従来のアジュバント、担体若しくは希釈剤と共に、医薬組成物の形状に、そして単位投与剤型の形にされる。このような剤型としては、すべて経口使用のための錠剤若しくは充填したカプセルなどの固体、又は溶液、懸濁液、乳剤、エリキシルなどの液体、又はこれらを充填したカプセルが、直腸投与のため座薬の剤型が、又は非経口(皮下を含む)使用のため滅菌注射溶液の剤型が採用されうる。
このような医薬組成物及びその単位投与剤形は、さらなる活性化合物若しくは活性物質を加え若しくは加えることなく、従来の成分を従来の割合で含んでもよく、そしてこのような単位投与剤形は採用された意図される毎日の投与量範囲に見合った活性成分の適当な有効量を含んでもよい。1錠剤当たり活性成分を10mg、より広くは0.1〜100mg含む製剤は従って適切な典型的な単位投与剤形である。
本発明の化合物は多様な経口及び非経口の投与剤形として投与することができる。下記の投与剤形は本発明の化合物か又は本発明の化合物の薬学的に許容しうる塩を活性成分として含みうることは当業者には明らかなことである。
本発明の化合物から医薬組成物を調製するためには、薬学的に許容しうる担体は固体であっても液体であってもよい。固形の調製物には、粉末、錠剤、丸薬、カプセル、カシェー、座薬、及び調剤用の顆粒が含まれる。固体の担体は、希釈剤、香味料、溶解剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊物質、又はカプセル化物質としても働く一つ以上の物質であってよい。
粉末では、該担体は微細に分割された成分との混合物の形の微細に分割された固体である。
錠剤では、該活性成分は必要な結合能力を有する担体と適当な割合で混合され、所望の形状及び大きさに圧縮される。
上記粉末及び錠剤は活性化合物を5〜10から約70パーセントまで含むことが好ましい。適当な担体は炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガカント、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズナトリウム塩、低融点ワックス、ココアバターなどである。用語「調製物」には、担体としてカプセル化物質を用いて、活性成分が担体類と共に若しくは担体類なしで一つの担体(カプセル化物質)に取り囲まれ従ってそれと関連しているカプセルを形成する活性化合物の製剤化が含まれることを意図する。同様に、カシェー及びトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸薬、カシェー及びトローチ剤は経口投与に適した固体剤形として使用することができる。
座薬を調製するためには、脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物などの低融点ワックスをまず融解し、その中に活性成分を攪拌によるなどして均一に分散させる。次いで融解した均一混合物を便利な大きさの鋳型の中に注ぎ、冷却させることにより固化させる。
膣投与に適した製剤は、活性成分に加えて当分野で適当であることが知られている担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡又はスプレーとして提供してよい。
液状の調製物には、例えば、水溶液又は水−プロピレングリコール溶液の溶液、懸濁液及び乳濁液が含まれる。例えば、非経口注射液調製物は水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として製剤化できる。
滅菌液状組成物には、滅菌した溶液、懸濁液、乳濁液、シロップ及びエリキシルが含まれる。活性成分は、滅菌水、滅菌有機溶媒又は両者の混合液などの薬学的に許容しうる担体に溶解又は懸濁できる。
本発明の化合物は従って非経口投与(例えば、大量瞬時注射又は連続注入などの注射により)用に製剤化しうるし、アンプル、予め注入したシリンジ、少量輸液剤の単位投与剤形として又は保存剤を加えて多数回投与用コンテナーとして提供してもよい。これらの組成物は油性のビークル若しくは水性のビークル中の懸濁液、溶液、又は乳濁液などの剤形を採ってもよく、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤などの製剤化剤を含んでもよい。または、活性成分は、使用前に、適当なビークル、例えば滅菌したパイロジェンフリーの水で構成するための滅菌した固体の無菌的単離により又は溶液からの凍結乾燥により得られた粉末状であってもよい。
経口使用に適した水性溶液は、活性成分を水に溶解し、所望の適当な着色剤、香味剤、安定剤及び増粘剤を添加することにより調製できる。
経口使用に適した水性懸濁液は微細に分割した活性成分を、天然若しくは合成のゴム、樹脂、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズナトリウム塩、又は他の周知の懸濁剤などの粘性物質と共に水に分散させることにより調製できる。
経口投与用の液状調製物には、使用直前に変換されることが意図される固形の調製物も含まれる。このような液状製剤には、溶液、懸濁液及び乳濁液が含まれる。これらの調製物は、活性成分に加えて、着色剤、香味剤、安定剤、緩衝液、人為的及び天然の甘味料、分散剤、増粘剤、溶解剤などを含んでもよい。
表皮への局所投与のためには、本発明の化合物は、軟膏、クリーム又はローション、又は経皮用パッチとして製剤化してもよい。軟膏及びクリームは、例えば、適当な増粘剤及び/又はゲル化剤を添加した水性若しくは油性の基剤を用いて製剤化してもよい。ローションは水性若しくは油性の基剤を用いて製剤化してよく、一般に一つ以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤又は着色剤を含む。
口中への局所投与に適した製剤には、香味のある基剤、通常スクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性物質を含むトローチが含まれる。芳香製剤はゼラチンやグリセリン又はスクロースやアカシアなどの不活性基剤に活性成分を含む。うがい薬は適当な液状担体中に活性成分を含む。
溶液及び懸濁液は、例えば滴下器、ピペット若しくはスプレーを用いる通常の手段により鼻孔に直接適用される。その製剤は1回投与剤形又は複数回投与剤形として提供される。滴下器又はピペットの後者の場合には、これは適当な予め定められた容量の該溶液若しくは懸濁液を患者が投与することにより達成される。スプレーの場合、これは、例えば、計量噴霧用スプレーポンプにより達成される。鼻孔送達及び保持を改良するため、本発明の化合物はシクロデキストリンでカプセル化してもよく、鼻粘膜への送達及びそこでの保持を向上させると期待される他の物質と一緒に製剤化してもよい。
呼吸気管への投与はエアロゾル製剤により達成してもよい。エアロゾル製剤では、活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、又はジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適当な気体などの適当な噴射剤と共に圧縮充填されて提供される。これらのエアロゾルはレシチンなどの界面活性剤をも含むのが便利である。薬物の投与量は計量バルブを用いて制御してもよい。
または、該活性成分は、乾燥粉末、例えば乳糖、澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルローズなどの澱粉誘導体及びポリビニルピロリドン(PVP)などの適当な粉末基剤中における該化合物の粉末混合物の剤形で提供してもよい。これらの粉末担体は鼻孔においてゲルを形成するものが便利である。該粉末組成物は、例えば吸入器によりそれから粉末が投与されるゼラチン又はブリスターパックのカプセル若しくはカートリッジの単位投与剤形として提供してもよい。
鼻孔内製剤を含む呼吸気管投与用の製剤においては、該化合物は一般に例えば5〜10ミクロン以下の小さな粒子サイズを持っている。このような粒子サイズは、当分野で知られた手段、例えばミクロン微粉化により得られうる。
必要な場合は、該活性成分を徐放させるように適応させた製剤を採用してもよい。
該医薬調製物は単位投与剤形であることが好ましい。このような剤形では、該調製物は活性成分の適当な量を含む単位投与量にさらに分割される。この単位投与剤形は包装された調製物であってよく、この包装は、包装された錠剤、カプセル、及びバイアル若しくはアンプル中の粉末などの調製物の分離された量を含む。また、該単位投与剤形はカプセル、錠剤、カシェー、若しくはトローチ錠それ自体であってもよく、或いはそれは包装された形状の中のこれらのいずれかの適当数であってもよい。
本発明はまた、該化合物が単位投与剤形である、担体を含まない該化合物をも含む。
式Iで表される化合物の投与される量は、該化合物の活性及び治療対象である疾病に応じて、1日当たり約10mgから2000mgまでの範囲であってよい。
鼻孔内投与用の液体又は粉末、経口投与用の錠剤又はカプセル、及び静脈内投与用の液体は好ましい組成物である。
該組成物は一つ以上の他の免疫抑制化合物をさらに含んでもよい。例えば、該組成物はアザチオプリン、ブレクイナーソジウム、デオキシスペルグアリン、ミザリビン、ミコフェノール酸モルフォリンエステル、シクロスポリン、FK−506及びラパミシンなどの第二の免疫抑制物質を含んでもよい。
本発明の化合物は、器官若しくは組織(心臓、腎臓、肝臓、肺臓、骨髄、角膜、膵臓、小腸、手足、筋肉、神経、骨髄、十二指腸、小腸、骨髄、皮膚、膵島細胞など、異種移植を含む)の移植への抵抗、移植片対宿主病、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ネフローゼ症候群狼蒼、手足膿疱症、ハシモト病、多発性硬化症、ギラン−バレー症候群、重症筋無力症、I型糖尿病ブドウ膜炎、若年発症又は最近発症の真正糖尿病、糖尿病性神経障害、後部ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄膜炎、糸状体腎炎、病原性微生物により惹起される感染症、炎症性及び過増殖性皮膚病、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹様皮膚炎、脂蝋性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、エリテマトーデス(紅斑性狼蒼)、アクネ、円形脱毛症、角結膜炎、春季結膜炎、ベーチェット病関連ブドウ膜炎、角膜炎、単純ヘルペス性角膜炎、円錐角膜炎、角膜上皮変性症、角膜白斑、眼天疱瘡、ムーレン潰瘍、強膜炎、グレーヴズ眼病、フォークト−小柳−原田症候群、類肉腫症など、花粉アレルギー、可逆性慢性呼吸器疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息及び塵埃喘息、慢性若しくは頑固な喘息、末期喘息及び気道過剰反応、気管支炎、胃潰瘍、虚血疾患及び血栓症により惹起される血管損傷、虚血性内蔵疾患、炎症性内蔵疾患、壊死性腸炎、熱傷関連腸病変及びロイコトリエンB4 媒介病、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、偏頭痛、鼻炎、湿疹、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、糖尿病性腎症、多発性筋炎、ギラン−バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎(polyneuritis) 、多発性神経炎 (multiple neuritis)、単神経炎、神経根障害、甲状腺機能亢進症、バセドウ氏病、真正赤血球系無形成症、再生不良性貧血、低形成貧血、特発性血小板減少性紫斑症、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨大赤芽球性貧血、赤血球生成欠如、骨粗鬆症、類肉腫症、線維化肺、特発性間質性肺炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光アレルギー感受性、皮膚T細胞リンパ腫、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性動脈周囲炎、心筋症、強皮症、ヴェーゲナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、脂肪症、好酸球性筋膜炎、歯肉病巣、歯周組織、歯槽骨、歯骨物質(substantia ossea dentis)、糸球体腎炎、毛根破壊による脱毛を防止し又は毛を発芽させ及び/又は毛の形成及び毛の生育を促進することによる男性型脱毛症又は老人性脱毛症、筋ジストロフィー、膿疱性皮膚症及びセザリー症候群、シェーグレン症候群、アジソン病、保存、移植若しくは例えば血栓症や心梗塞などの虚血性疾患の際に生ずる器官の虚血性再灌流障害、エンドトキシン−ショック、僞膜性大腸炎、薬物若しくは放射線により惹起される大腸炎、虚血性急性腎不全、慢性腎不全、肺−酸素又はパラコートやブレオマイシンなどの薬物により惹起される中毒症、肺癌、肺気腫、白内障、鉄症、網膜炎、ピグメントーサ、老年性黄斑変性症、硝子体瘢痕(vitreal scarring) 、角膜アルカリ火傷、多形滲出性紅斑皮膚炎、線形IgAバロス皮膚炎及びセメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵臓炎、環境汚染,老化,発癌性物質,癌腫の転移及び高山病により惹起される疾病、ヒスタミン若しくはロイコトリエン−C4 放出により惹起される疾病、ベルジェ病、ベーチェット病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変を硬化させる胆管炎、肝臓の部分切除術、急性肝臓壊死、毒素により惹起される壊死,ウイルス性肝炎,ショック若しくは無酸素症,Bウイルス性肝炎,非A/非B肝炎,肝硬変,アルコール性肝硬変,肝不全,劇症肝不全,遅発型肝不全,「アキュート−オン−クロニック」肝不全の治療又は予防的処置に、化学療法効果の増強に、サイトメガウイルス感染活性やHCMV感染活性及び抗炎症活性の防止若しくは治療に、そして免疫低下若しくはエイズ,癌,老年性痴呆,心的外傷,慢性細菌感染,グルコース依存性インスリン分泌促進物質などのII型真正糖尿病,心房細動若しくは心室細動などの心臓不整脈,癲癇,筋肉線維束攣縮,尿失禁,神経伝達若しくは神経伝達物質放出の調節を介する一定の中枢神経系障害などの免疫低下を含む障害の治療に有用でありうる。
上述の諸条件のあるものについては、該化合物が急性症状の緩和のためだけでなく予防的にも使用されうることは明らかである。
本明細書で「治療」などと言うときは、急性症状の治療だけでなくこのような予防的処置をも含むと理解すべきである。
該化合物は多発性硬化症の治療にとりわけ有用であると考える。この慢性の神経障害は中枢神経系の神経を襲う。先に論じたように、身体の大部分の神経は正常ではミエリンと呼ばれる脂肪性の物質の保護鞘で防護されている。多発性硬化症は脱髄を惹起する。脱髄によりこの保護鞘は炎症を起こし、最終的には破壊される。
中枢神経系への攻撃に責任があると考えられる免疫系反応を調節即ち変更することにより、該症状を制御する伝統的な方法ではなく該疾病そのものの原因を攻撃することが可能となるはずである。
この疾患の本性は患者の免疫系を不当に抑制することなく多発性硬化症を制御することを可能とするようなものである。先に論じた慢性的に活性化されたラットT−リンパ球研究に基づいて、多発性硬化症はKv1.3チャンネルの高発現とIKCa1チャンネルの低数の発現を特徴とするチャンネル表現型を有する慢性的に活性化されたT−細胞の産物であるかも知れないと推測される。このチャンネル表現型は静止細胞や急に活性化された細胞で見られるものと異なっているので、特異性のより少ない薬物の顕著な副作用を伴わずに多発性硬化症を制御する有用な手段を提供しうる。
さらに、多発性硬化症又は糖尿病性神経障害などの脱髄を伴う疾病では、ミエリン鞘の破壊が正常では沈黙しているカリウムチャンネルの覆いを取ることにより髄鞘を有する神経線維中に節間のカリウム流を呼び起こす。これらの異常なカリウム流は脱髄したニューロンで観察される伝達不全に寄与する。非選択的化合物である4−アミノピリジン(4−AP)などの軸索のカリウムチャンネルの遮断薬は一定の多発性硬化症患者におけるインビトロでの伝達不全を克服し能力障害を改善することが証明された。4−AP(ファンピリジン)は現在多発性硬化症について臨床試験中である。自己反応性のT−細胞におけるKv1.3チャンネルと髄鞘を有する神経のランヴィエ絞輪に存在するKv1.1Kv1.2ヘテロ多量体チャンネルの両方を遮断する化合物は多発性硬化症の治療に理想的に適しているかも知れない。このような化合物は脱髄したニューロンにおけるインパルス伝播の増強と免疫応答の変更を同時に行うことができるであろう。
こうして、第三の側面では、本発明は、式Iで表される化合物又は該化合物を含む組成物又は薬学的に許容しうるその誘導体の投与により、自己免疫性若しくは慢性炎症性疾患を防止又は治療する方法、外来性器官移植体の拒否及び/又は関連する苦痛を防止する方法を提供する。
従って、本発明の好ましい形では、Kv1.3チャンネルの遮断薬、好ましくはKv1.3チャンネルの選択的チャンネル遮断薬、及び任意選択的にKv1.1及び/又はKv1.2チャンネルの遮断薬もの適用による、式Iの化合物若しくは式Iの化合物を含む組成物の適用による、多発性硬化症を制御する手段が提供される。
第四の側面では、本発明は式Iの化合物をT−細胞に適用することにより該T−細胞のカリウムイオンチャンネル活性を変更する方法を提供する。本発明の化合物はT−細胞のカリウムイオンチャンネル活性を阻害することが好ましい。
式Iの化合物により阻害されるカリウムチャンネル活性は電圧でゲートされたカリウムチャンネル、例えば、Kv1.1Kv1.7であることが好ましい。該カリウムイオンチャンネル活性はT−細胞の電圧でゲートされたカリウムチャンネル、Kv1.3であることがより好ましい。該化合物はKv1.3チャンネル、そして任意選択的にKv1.1及び/又はKv1.2チャンネルも選択的に阻害することが好ましい。
第五の側面では、本発明は式Iの化合物を生産する方法を提供する。
式V又は式VIの二量体化合物は式Iの好ましい形態であるが、これはケリノン(khellinone) 及び適当な連結用化合物から容易に製造される。ケリノンは安価で市販されている植物由来の天然物であるから、好ましい出発原料である。連結用化合物は二価の基R11の供給源となり、それが結合する2個の酸素と共に式Iの二価の連結基を提供する。
好ましい反応は直接アルキル化であり、それは(ビスハロ)アルカン中のハロゲン原子に隣接する親電子的炭素原子への塩基により誘導されるケリノンのフェノール性酸素による攻撃により発生する。
Figure 2005525384
例えば、ビスブロモペンタンはケリノンの連結用化合物として用いられ、この反応はペンタン結合を有するケリノン二量体を生ずる。
Figure 2005525384
この反応の変法は、該環系に付着した一つ以上の官能基を添加、除去若しくは修飾することによりその誘導体を作成するケリノンの修飾工程をまず含む。例えば、該メトキシ基を選択的に操作してケリノンのより高級なアルキル誘導体を作成し、これを二量体作成のための前駆体として上記のスキーム中で使用できるであろう。
別の出発原料はケリン(khellin)である。これは保護されたケリノンとみなすことができる。この化合物は三臭化ボロンで2−脱メチル化し、得られるヒドロキノンをK2 CO3 などの弱塩基を用いて選択的にアルキル化し水素結合していないフェノールだけをアルキル化し、続いてCs2 CO3 などのより強い塩基で処理して図示したように水素結合したフェノール性OH(水素結合は破線で示す)をアルキル化することができよう。
Figure 2005525384
別の変法は二量体生産物の置換基を添加、除去若しくは修飾して新たな誘導体を形成する方法である。これは、ラロックRCによる包括的有機変換:官能基調製の指針などの工業界で良く知られた官能基相互変換のための標準的手法、ニューヨーク、VCHパブリッシャーズ,インク,1989を用いて達成できよう。
官能基相互変換の例としては、シアン化金属触媒、例えばメタノール中のNaCNやHNRR’の存在下若しくは非存在下で加熱することによる−CO2 CH3 から−C(O)NRR’、例えばピリジン中のClC(O)R’を用いた−OHから−OC(O)R、アルキルイソチオシアネート又はチオシアン酸を用いた−NHRから−NR−C(S)NR’R”、クロロ蟻酸アルキルを用いた−NHRから−NRC(O)OR、イソシアネート、例えばHN=C=O又はRN=C=Oで処理することによる−NHRから−NRC(O)NR’R”、ピリジン中ClC(O)R’で処理することによる−NHRから−NRC(O)R’、アルコール中で加熱することによるH3 NR+ OAc- を用いた−C(NR’R”)SR”’から−C(=NR)NR’R”、不活性溶媒、例えばアセトン中でR−Iを用いた−C(S)NR’R”から−C(NR’R”)SR、HNR’R”を用いた−C(S)NH2 から−C(S)NR’R”(ここでR’とR”は水素ではない)、NH2 CNを用い無水アルコール中で加熱することによる−C(=NR’R”)−SRから−C(=NCN)−NR’R”、又はEtOH中BrCN及びNaOEtで処理することによる−C(=NH)−NR’R”から−C(=NCN)−NR’R”、(RS)2 C=NCNで処理することによる−NHR’から−NR−C(=NCN)SR、ClSO2 Rで処理しピリジン中で加熱することによる−NHR’から−NR”SO2 R、ローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)で処理することによる−NR’C(O)Rから−NR’C(S)R、トリフリックアンヒドリド及び塩基を用いた−NHRから−NRSO2 CF3 、Na(Hg)とHCl/EtOHを用いた−CH(NH2 )C(O)OR’から−CH(NH2 )CHO、SOCl2 次いでCH2 2 次いでH2 O/Ag2 Oで処理することによる−C(O)OHから−CH2 C(O)OH、PhMgX/HX次いで無水酢酸次いでCrO3 で処理することによる−CH2 C(O)OCH3 から−C(O)OH、R”CO3 HによるRC(O)R’からR−OC(O)R’、Na/R’OHを用いた−C(O)OR’から−CCH2 OH、チュガエフ反応による−CH2 CH2 OHから−CHCH2 、クルチウス反応による−C(O)OHから−NH2 、TsCl/塩基次いでH2 Oを用いた−C(O)NHOHから−NH2 、デス−マーチン・ペリオディナン(Periodinane)試薬又はCrO3 /水性H2 SO4 /アセトンを用いることによる−CHCHOHCHRから−CHC(O)CHR、CrO2 Cl2 を用いた−C6 5 CH3 から−C6 5 CHO、SnCl2 /HClを用いた−CNから−CHO、PCl5 を用いた−C(O)NHRから−CN、N2 4 /KOHを用いた−C(O)Rから−CH2 Rが挙げられる。
別の変法は異なる連結用化合物を使用するものである。リンカー化合物は一般式L−R11−Lのものであることが好ましい。ここでLはハロゲン、より好ましくはBrなどの適当な脱離基であり、R11は−(CH2 n −又は−(CH2 p −Y−(CH2 q −などの先に述べた部分であり、n、Y、p及びqは先に説明した通りである。R11は一つ以上の不飽和部位を含んでもよく、置換されていてもよい。
連結用化合物の例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2005525384
Lは塩素又は臭素であることが好ましい。これらのリンカー化合物はビスハロアルカンについての先述の反応と殆ど同様に使用することができる。一例のスキームを以下に記載する。
Figure 2005525384
該連結用化合物は連結反応の前に修飾する必要があることがある。複素環の窒素原子は連結反応の間保護する必要があることがある。該窒素原子はN−オキシド形への可逆的変換により保護できるであろう。同様に、リンカー中のフェノール性ヒドロキシ基は連結反応の間保護する必要があるであろう。適当な保護基は工業界でよく知られており、グリーンTW著有機合成における保護基,ウィリー−インターサイエンス,ニューヨーク,1981などの多数の参考文献に記載されている。
窒素又は硫黄により該二つの芳香環に結合している「リンカー」を有する本発明の化合物の製造は異なる戦術を必要とする。ケリノンで出発するとき、そのケトン基は保護すべきである。ジチオールに基づく保護戦術は以下に示すが、他の戦術も使用しうる。そのフェノール性OHは、例えば、示したようなトシル化により脱離基に変換すべきである。この化合物は、次いで、アミン系又はチオール系の二親核性物質と反応させて、ケトン基の脱保護の後に図示したような二量体を結果として形成させることができるであろう。
Figure 2005525384
この反応の変法は式I〜式VIの他の化合物を得るために使用することができるであろう。
さらに別の変法はヘテロ二量体(非ホモ二量体としても知られる)化合物の形成である。連結用化合物の一方の端を適当な保護基で保護した後ケリノン若しくはその誘導体と最初の反応を行うことがある。この保護基を除去し、得られる化合物を異なるケリノン誘導体と反応させることができるであろう。
または、二つ以上の異なるケリノン誘導体を一緒に混合し、続いて塩基性条件下でリンカー化合物と反応させて生成物の混合物を形成させ、それを次いで分離し又は混合物として使用してもよい。
本発明をより容易に理解しうるために、本発明者らは下記の非限定的実施例を提供する。
実施例−一般的手法
N,N−ジメチルホルムアミド(「DMF」)(2mL)中のベンゾフラン(1.0ミリモル)及びカルボン酸セシウム(1.0ミリモル)の懸濁液に窒素下でジブロミド(0.5ミリモル)を添加し、この反応混合物を55℃で16時間攪拌した。この反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、10%クエン酸溶液(3×10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4 )し、真空下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィで精製した。
1,5−ビス[(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシ)]ペンタン
この化合物は一般的手法に従ってケリノンと1,5−ジブロモペンタンから調製した。酢酸エチル/シクロヘキサン(1:9〜2:8)で溶出するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、生成物(177mg,65%)を灰色の油として得た。
MS(ES):541(M+H)+ ,563(M+Na)+
1H NMR(CDCl3 )δ1.57(2H,m),1.77(4H,tt,J= 7.0,7.0Hz),2.51(6H,s),3.95(6H,s),4.08(10H,m),6.84(2H,d,J=2.1Hz),7.54(2H,d,J=2.1Hz)。
13C NMR(CDCl3 )δ22.2(CH2 ),29.7(CH2 ),32.7(CH3 ),61.0(CH3 ),61.1(CH3 ),74.9(CH2 ),104.9(CH),116.3(C),124.5(C),134.4(C),143.9(C),144.4(CH),144.7(C),148.6(C),201.8(C)。
1,6−ビス[(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−イルオキシ)]ヘキサン
この化合物は一般的手法に従ってケリノンと1,6−ジブロモヘキサンから調製した。酢酸エチル/シクロヘキサン(1:9〜2:8)で溶出するフラッシュクロマトグラフィで精製することにより、生成物(215mg,77%)が無色の固体として得られた。
分析試料は酢酸エチル/シクロヘキサンからの再結晶により調製した。
元素分析:C303410に対する理論値, C65.0, H6.2; 測定値, C64.9, H6.1 。 MS(ES):555(M+H)+ ,577(M+Na)+ 。mp89〜90℃。
1H NMR(CDCl3 )δ1.48(4H,m),1.75(4H,m),2.52(6H,s),3.97(6H,s),4.06(10H,m),6.85(2H,d,J=2.4Hz),7.55(2H,d,J=2.4Hz)。
13C NMR(CDCl3 )δ25.6(CH2 ),26.8(CH2 ),32.7(CH3 ),61.0(CH3 ),61.2(CH3 ),75.1(CH2 ),104.6(CH),116.3(C),124.5(C),134.4(C),143.9(C),144.4(CH),144.8(C),148.6(C),201.8(C)。
1,4−(ビス[(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシ)])ブタン
この化合物は一般的手法に従ってケリノンと1,4−ジブロモブタンから調製した。酢酸エチル/シクロヘキサン(3:7)で溶出するフラッシュクロマトグラフィで精製することにより、生成物(221mg,84%)が白色針状物として得られた。
MS(ES):527(M+H)+ ,549(M+Na)+ 。mp119〜120℃。
1H NMR(CDCl3 )δ1.87(4H,m),2.50(6H,s),3.95(6H,s),4.06(6H,s),4.09(4H,m),6.83(2H,d,J=2.1Hz),7.54(2H,d,J=2.1Hz)。
13C NMR(CDCl3 )δ26.6(CH2 ),32.7(CH3 ),61.0(CH3 ),61.1(CH3 ),74.7(CH2 ),104.9(CH),116.3(C),124.5(C),134.4(C),143.9(C),144.4(CH),144.6(C),148.6(C),201.8(C)。
1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ベンゼン
この化合物は一般的手法に従ってヴィスナギノンとα,α’−ジブロモ−p−キシレンから調製された。酢酸エチル/シクロヘキサン(1:9〜2:8)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより本生成物(20mg,8%)が白色固体として得られた。
元素分析:C30268 に対する理論値, C70.0, H5.1; 測定値, C70.1, H5.1 。 MS(サーモスプレー, LC/MS):515(M+H)+ ,532(M+NH4 + )。mp196〜197℃。
1H NMR(CDCl3 )δ2.51(6H,s),4.05(6H,s),5.10(4H,s),6.80(2H,s),6.86(2H,d,J=2.3Hz),7.40(4H,s),7.49(2H,d,J=2.3Hz)。
13C NMR:この化合物は13C NMR分析のためのジメチルスルホオキシド(DMSO)に充分に溶解しなかった。
ジ−(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシエチル)エーテル
ケリノン(236mg,1.0ミリモル)と無水炭酸カリウム(138mg,1.0ミリモル)のDMF(2mL)懸濁液に窒素下で(2−ブロモエチル)エーテル(63μL,0.5ミリモル)を添加し、この反応混合物を室温で2日間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、10%クエン酸溶液(3×10mL)、次いでブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4 )し、真空下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル/シクロヘキサン(1:9〜3:7)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、本生成物(99mg,37%)が無色の油として得られた。
MS(ES):543(M+H)+ ,565(M+Na)+
1H NMR(CDCl3 )δ2.53(6H,s),3.77(4H,t,J=4.8Hz),3.96(6H,s),4.06(6H,s),4.24(6H,t,J=4.8Hz),6.85(2H,d,J=2.1Hz),7.55(2H,d,J=2.1Hz)。
13C NMR(CDCl3 )δ32.7(CH3 ),61.0(CH3 ),61.2(CH3 ),70.0(CH2 ),73.7(CH2 ),104.9(CH),116.5(C),124.5(C),134.3(C),144.0(C),144.5(CH),144.8(C),148.6(C),201.7(C)。
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)安息香酸,テトラエチレングリコール モノメチルエーテル エステル
テトラエチレングリコール・モノメチルエーテル(720μL,3.80ミリモル)に懸濁した上記メチルエステル(80mg,0.13ミリモル)の懸濁液にチタニウム(IV)イソプロポキシド(12μL,0.042ミリモル)を添加し、この反応混合物を窒素下に100℃で6時間攪拌した。この期間の後のTLCでは反応が不完全であったので、チタニウム(IV)イソプロポキシド(25μL,0.085ミリモル)をさらに添加し、この反応混合物を100℃で8時間攪拌した。この反応を1MのHCl(1mL)で停止させ、次いで反応混合物を1MのHCl/酢酸エチル(1:1,120mL)に分配した。その有機相を飽和重炭酸ナトリウム(60mL)で洗浄し次いで乾燥(MgSO4 )し、真空下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル/石油エーテル(3:2)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製して出発原料のメチルエステル(30mg)を得た。酢酸エチル/石油エーテル(7:3)でさらに溶出すると所望の生成物(32mg,回収出発原料の50%)が無色の油として得られた。
MS(ES):826(M+NH4 + )。
1H NMR(CDCl3 )δ2.49(3H,s),2.49(3H,s),3.35(3H,s),3.51(2H,m),3.58〜3.68(12H,m),3.81(2H,t,J=4.8Hz),3.99(3H,s),4.00(3H,s),4.03(3H,s),4.11(3H,s),4.44(2H,t,J=4.8Hz),5.12(2H,s),5.56(2H,s),6.88(1H,d,J=2.1Hz),6.90(1H,d,J=2.1Hz),7.59(1H,d,J=2.1Hz),7.61(1H,d,J=2.1Hz),7.67(1H,d,J=8.1Hz),7.86(1H,d,J=8.1Hz),8.09(1H,s)。
13C NMR(CDCl3 )δ32.7(CH3 ),32.7(CH3 ),58.9(CH3 ),61.1(CH3 ),61.1(CH3 ),61.3(CH3 ),61.3(CH3 ),63.5(CH2 ),69.0(CH2 ),70.4(CH2 ),70.5(CH2 ),71.8(CH2 ),74.2(CH2 ),76.0(CH2 ),104.9(CH),105.0(CH),116.6(C),116.7(C),124.6(C),124.6(C),127.4(C),127.5(CH),130.3(CH),132.3(CH),134.4(C),134.6(C),136.2(C),139.9(C),144.0(C),144.1(C),144.4(C),144.5(CH),144.6(CH),148.5(C),148.7(C),166.4(C),201.5(C),201.7(C)。
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシ−6−ベンゾフラン−6−イルオキシメチル)安息香酸,メチルエステル
この化合物は一般的手法に従ってケリノン(147mg,0.62ミリモル)と2,5−ジ(ブロモメチル)安息香酸メチルエステル(100mg,0.31ミリモル)から調製された。酢酸エチル/シクロヘキサン(1:4〜2:3)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより本生成物(149mg,76%)が淡黄色の固体として得られた。
MS(ES):633(M+H)+ 、650(M+NH4 + )、mp87〜89℃。
1H NMR(CDCl3 )δ2.48(3H,s),2.48(3H,s),3.87(3H,s),3.98(3H,s),3.99(3H,s),4.03(3H,s),4.09(3H,s),5.11(2H,s),5.55(2H,s),6.87(1H,d,J=2.7Hz),6.88(1H,d,J=2.7Hz),7.57(1H,d,J=2.7Hz),7.59(1H,d,J=2.7Hz),7.67(1H,dd,J=1.5,8.1Hz),7.85(1H,d,J=8.1Hz),8.07(1H,d,J=1.5Hz)。
13C NMR(CDCl3 )δ32.7(CH3 ),32.7(CH3 ),51.9(CH3 ),61.1(CH3 ),61.1(CH3 ),61.2(CH3 ),61.2(CH3 ),74.1(CH2 ),76.0(CH2 ),104.9(CH),105.0(CH),116.6(C),116.7(C),124.3(C),124.5(C),127.5(C),127.7(CH),130.2(CH),132.2(CH),134.3(C),134.5(C),136.2(C),139.7(C),144.0(C),144.1(C),144.4(CH),144.5(CH),144.6(C),144.6(C),148.5(C),148.7(C),166.9(C),201.5(C),201.7(C)。
2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)安息香酸
工程(i) 2,5−ジ(ブロモメチル)安息香酸メチルエステル中間体の合成
2,5−ジメチル安息香酸メチルエステル(328mg,2.0ミリモル)の四塩化炭素(10mL)溶液にN−ブロモスクシンイミド(890mg,5.0ミリモル)及びAIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル,16mg,0.1ミリモル)を添加し、この反応混合物を4時間加熱還流した。得られた懸濁液を濾過し、残留物をクロロホルム(3×5mL)で洗浄した。プールした有機相を真空下で濃縮すると 1H NMRで生成物とスクシンイミドの混合物が得られた。この混合物をジクロロメタン(20mL)に溶解し、水(2×10mL)で洗浄した。そのジクロロメタン相を乾燥(MgSO4 )し、真空下で濃縮し、得られた残留物を石油エーテル中の2%エーテルで溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製すると本生成物(0.50g,78%)が白色の固体として得られた。分析試料はメタノールからの再結晶により調製した。
mp79.5〜80℃。文献のmp(MeOH)81〜83℃。
1H NMR(CDCl3 )δ3.98(3H,s),4.49(2H,s),4.94(2H,s),7.46(1H,d,J=7.8Hz),7.53(1H,dd,J=1.8,7.8Hz),8.00(1H,d,J=1.8Hz)。
工程 (ii) 2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イル オキシメチル)安息香酸の合成
工程(i)のメチルエステル(63mg,0.10ミリモル)のテトラヒドロフラン(THF)(3mL)溶液に、メタノール/水(2:1,3mL)中の0.25Mの水酸化リチウムを添加し、その反応混合物を80℃で16時間攪拌した。この反応はTLCで不完全であったので、水酸化リチウム(42mg,1.0ミリモル)を添加し、この懸濁液を90℃で16時間攪拌した。反応混合物を1/3の容量まで濃縮し、次いで水(10mL)で希釈し、エーテル(15mL)で抽出した。その水相を氷冷し1MのHClでpH4まで(ユニバーサル・インディケーターを用い)酸性とした。酢酸エチル(2×20mL)で抽出し次いでプールした有機相をブライン(10mL)で洗浄した後乾燥(MgSO4 )し、溶媒を留去すると、残留物が得られ、これをジクロロメタン中の3%メタノールで溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製した。所望の酸(26mg,42%)は無色の油として得られた。
元素分析:C333012に対する理論値, C64.1, H4.9; 測定値, C63.8, H5.2 。
1H NMR(d6 −アセトン)δ2.43(3H,s),2.44(3H,s),4.01(3H,s),4.01(3H,s),4.03(3H,s),4.15(3H,s),5.23(2H,s),5.60(2H,s),7.13(1H,d,J=2.4Hz),7.13(1H,d,J=2.4Hz),7.75(1H,dd,J=1.8,7.8Hz),7.86(1H,d,J=2.4Hz),7.86(1H,d,J=2.4Hz),7.91(1H,d,J=7.8Hz),8.18(1H,d,J=1.8Hz)。
13C NMR(d6 −アセトン)δ31.9(CH3 ),31.9(CH3 ),60.4(CH3 ),60.5(CH3 ),60.5(CH3 ),60.6(CH3 ),74.1(CH2 ),75.6(CH2 ),105.1(CH),105.1(CH),116.6(C),116.7(C),124.6(C),124.6(C),127.0(C),127.4(C),130.3(CH),131.9(CH),135.4(C),135.6(C),136.6(C),139.9(C),144.4(C),144.5(C),145.2(CH),149.4(C),167.2(C),204.1(C),204.2(C)。
生物活性
形成された化合物のKv1.3流を遮断する効力はmKv1.3を安定に発現するL929細胞又は活性化されたヒトT細胞を用いて検定した。この細胞株の形成は先に記述された(グリスマーら(1955) Mol. Pharmacol. 45: 1227) 。上記細胞を、10%ウシ胎児血清、2mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、100単位/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン及び250μgのG418(選択圧の下にそれらを置くため)を含むダルベッコの修飾イーグル培地中で増殖させた。この細胞をパッチクランプ法(パッチ電極法)の細胞全体配置で研究した。全ての実験での保持電圧は−80mVであった。流れは134mMのKF、2mMのMgCl2 、10mMのヘペス、10mMのEGTA(pH7.2、290〜310mOsm)を含む内部ピペット溶液を用い、普通のリンゲル溶液(160mMのNaCl、4.5mMのKCl、2mMのCaCl2 、1mMのMgCl2 、10mMのヘペス、pH7.4、290〜310mOsm)中で記録した。流れが2nAを超える場合は、60〜80%の直列抵抗の補償を用いた。30秒毎に40mVに対し200msの脱分極パルスを適用した(グリスマーら(1955) Mol. Pharmacol. 45: 1227) 。化合物はそれぞれ二つの異なる濃度で2回テストした。Kd 値は正規化されたピーク流の減少をヒル方程式に当てはめて決定した。
Kv1.3への結合についてテストされたある範囲の比較化合物と本発明の化合物についてのKv1.3流に対する半最大効果(最大効果の1/2)を示す投与量を下記の表1に示す。利用できる場合は物理的データも示す。Kv1.3で活性がより低いこれらの化合物はKv1.3以外のKvチャンネルに対して潜在的に選択的であるので、興味深い。
Figure 2005525384
Figure 2005525384
Figure 2005525384
Figure 2005525384
既知の比較例4の場合には、この化合物が水性媒体への溶解性が極めて悪く、細胞に基づく検定法ではT細胞の増殖の阻害についてテストすることができないことが見出された。比較例4は従って治療への使用はできないと考えられる。しかしながら、この化合物は驚くべきことに良好な安定性を有することが見出された。
比較例4の低い溶解性を考えれば、例1及び2が、細胞に基づく検定法でT細胞増殖の阻害をテストするのに充分な程水性媒体に溶解したことは驚くべきことであった。これはこれらの化合物の脂溶性を考えれば予想外であった。例2におけるn−ブチル断片は比較例4の同等の位置に局在するフェニル基よりもかなり脂溶性が強い(断片の疎水性値はそれぞれ2.5対1.9である)。
水性溶媒への溶解性の改良はこれらの化合物の結晶構造に関係すると考えられる。例2におけるリンカーは比較例4におけるリンカーの長さに長さでは同様であり、そして非リンカー部分のKv1.3への同様な結合を可能とするようなものである。しかしながら、例2のリンカーは、比較例4におけるより硬いフェニル系のリンカーと比べるとより大きな立体配座の柔軟性を有するはずである。このことが比較例の化合物よりも本質的に遙かに結晶し難い化合物を生じた可能性がある。比較例4の融点が例2の融点の2倍よりも高いという事実はこの理論に支持を与えるものである。
例5もまた、比較例2よりも水性条件下で有意に溶解性が高い。それはより低い融点を有し、室温では油である。そのリンカーの中程の酸素原子は極性であり、水溶性をさらに増加させるが、この原子の置換はKd 値の低下で示されるように、Kv1.3への結合を幾らか弱める原因となるように見える。
例6〜8はリンカーのフェニル環のオルト位に置換基を含めることにより溶解性が改良されると考えられる。オルト置換は一部の有機化合物の結晶性を低下させ得る。例8は、本質的に「結晶性」基と一般に見なされるカルボン酸置換基を含むにもかかわらず、そのオルト効果のために固体でさえないと推測される。その溶解性はフェニル環上のオルト置換基として極性基を使用することでさらに改良されたかも知れない。
例10はシス−アミド結合を含むことにより溶解性及び活性が増加している可能性がある。これは比較例4と同様にベンゾフラン結合基をしっかり突き出している一方、極性のN−メチルアミド基の存在のため脂溶性を低下させている可能性がある。
[ 3 H] −チミジン取り込み検定法
[3H] −チミジン取り込みはヒト及びゲッ歯動物のリンパ球の増殖活性を検定するために広く用いられているテストである。細胞が分裂するとき、[3H] −チミジンが生ずる娘細胞の新たに合成されたDNA中に取り込まれる。細胞が早く増殖すればそれだけ多くの放射活性[3H] −チミジンが取り込まれる。リンパ球の増殖を阻害する如何なる化合物も、未処理の細胞と比べ該化合物で処理された細胞による放射活性の摂取を低下させる。
[3H] −チミジンの取り込みを阻害するその能力を測定するため、例2をテストした。健康なボランティア由来の静止末梢血単核細胞を、平底96穴プレート中の培地(10%ウシ胎児血清、2mMのグルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、1%の非必須アミノ酸、100単位/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、及び50μMのβ−メルカプトエタノールを補充したRPMI 1640 )(最終容量200μl)中に、ウェル当たり2×105 個で播種した。細胞を例2の化合物と共に60分間プリ−インキュベートし、5ng/mlの抗−CD3抗体で48時間刺激した。最後の6時間には[3H] −チミジン(ウェル当たり1μCi)を添加した。細胞をグラスファイバーフィルター上で収穫し、シンチレーションカウンターで放射活性を測定した。全ての実験は三連で行なった。結果は、対照における[3H] −チミジンの最大取り込みに対して正規化して以下の表2に示す。例2は約800nMのEC50を持つ強力な抗増殖物質であることが見出された。
Figure 2005525384
本明細書を通じて、用語「含む(comprise) 」又は「comprises 」若しくは「comprising」などのその変形は述べられた要素、整数若しくは工程、又は要素、整数若しくは工程の群を含むが、如何なる他の要素、整数若しくは工程、又は要素、整数若しくは工程の群を排除するものでないことを意味するものと理解すべきである。
当業者は具体的な実施態様で示されたような本発明に対し、広く記載された本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、無数の改変及び/又は修飾を施しうることを理解するはずである。従って、本実施態様はあらゆる側面において例示的なものであり限定的なものではないと解すべきである。

Claims (21)

  1. 式Iで表される化合物、又はその塩又は薬学的に許容しうるその誘導体、
    Figure 2005525384
    上式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれH、OH、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいハロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアルキル、シアノ、ハロ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルアミド、ニトロ及びアルキルアミノから選択され、
    リンカーはそれが結合している二個の芳香環の間にスペースを設ける、この二つの芳香環の間の最短経路を通って測った場合6から11原子の二価のスペーサー基であり、
    A及びBはそれぞれ、置換されていてもよい5員環〜7員環の芳香環、複素環式芳香環及び非芳香族複素環から選択される融合環であり、
    5 及びR6 はそれぞれ、−C(O)R7 、−C(NR7 )R7 及び−C(S)R7 から選択され、R7 はそれぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基及びヒドロキシ基から独立に選択されるものである、
    ただし、R5 及びR6 が−C(O)CH3 であり、環A及びBが置換されていないフリルであり、且つリンカーが−O−CH2 −C6 4 −CH2 −O−である場合は、R1 、R2 、R3 又はR4 の少なくとも一つはメトキシ基でないことを条件とする。
  2. 環A及び環Bがそれぞれ、置換されていてもよいイソオキサゾリル環、オキサゾリル環、イミダゾリル環、チアゾリル環、イソチアゾリル環、ピリジニル環、フリル環、ピリミジニル環、ピラゾリル環、ピロリル環、ピリダジニル環、フリル環、及びチオフェニル環から選択されるものである、請求項1記載の化合物。
  3. 式IIを有する請求項1又は請求項2記載の化合物、又はその塩又は薬学的に許容しうるその誘導体、
    Figure 2005525384
    上式中、R1 、R2 、R3 、R4 、リンカー、A及びBは上に定義した通りであり、R7 はそれぞれアルキル基又はアルコキシ基から独立に選択される、ただし、R5 及びR6 が−C(O)CH3 であり、環A及びBが非置換のフリルであり、リンカーが−O−CH2 −C6 4 −CH2 −O−である場合は、R1 、R2 、R3 又はR4 の少なくとも一つはメトキシ基ではないことを条件とする。
  4. 式IIIa又はIIIbを有する請求項3記載の化合物、又はその塩又は薬学的に許容しうるその誘導体、
    Figure 2005525384
    Figure 2005525384
    上式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R7 及びリンカーは請求項3で定義した通りであり、ZはそれぞれO、S、NH及びN(低級アルキル)から独立に選択されるものであり、
    9 及びR10はそれぞれ、水素、ヒドロキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいハロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアルキル、シアノ、ハロ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルアミド、ニトロ及びアルキルアミノから独立に選択されるものであり、
    破線は存在していてもよい結合を表す、
    ただし、R7 が両方ともCH3 であり、R9 及びR10がそれぞれ水素であり、ZがそれぞれOであり、破線が両方とも結合を表し、リンカーが−O−CH2 −C6 4 −CH2 −O−である場合は、R1 、R2 、R3 又はR4 の少なくとも一つはメトキシ基でないことを条件とする。
  5. リンカーが二価の基であり、2個の芳香環の間の最短距離に沿って図った場合6〜11の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキレン基である、請求項1〜請求項4いずれか1項に記載の化合物であって、
    上のリンカーにおいて、
    (a)該架橋部分のメチレン基の一つ以上がO、S又はNRa で置換されていてもよく、Ra は水素又は低級アルキルから選択されるものである、及び
    (b)該架橋部分のメチレン(−CH2 −)部分の一つ以上が環構造の一部を形成する原子で置換されていてもよい、及び
    (c)該架橋部分が二つの隣接するメチレン基が不飽和部位で置換されている一つ以上の不飽和部位を含んでいてもよい、
    化合物。
  6. 請求項5記載の化合物であって、該リンカーが−X−(CH2 n −X−の形の二価部分であり、Xがそれぞれ同一でも異なっていてもよく、O、S及びNRa (Ra はそれぞれ水素又は低級アルキルである)から選択されるものであり、nは4から9までの整数であり、メチレン部分は置換されていてもよく且つ一つ以上の不飽和部位を含んでいてもよい化合物。
  7. 請求項5記載の化合物であって、該リンカーが−X−(CH2 p −Y−(CH2 q −X−の形の置換されていてもよい二価部分であり、
    XはO、S及びNRa (Ra はそれぞれ水素又は低級アルキルである)から独立に選択され、p及びqは1以上の整数であり、
    部分−(CH2 p −及び−(CH2 q −は二つの隣接メチレン基を不飽和部位で置換することによる一つ以上の不飽和部位を含んでいてもよく、
    Yは置換されていてもよい芳香環、−S−S−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、及び−NRb C(O)−から選択され、Rb は水素又は低級アルキルである。
  8. Yが置換されていてもよいフェニル部分である、請求項7記載の化合物。
  9. Xがそれぞれ−O−である、請求項6〜請求項8いずれか1項に記載の化合物。
  10. 式IVを有する請求項3記載の化合物、又はその塩又は薬学的に許容しうるその誘導体であって、
    Figure 2005525384
    上式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R7 、R9 、R10、Z及び破線は請求項3で定義した通りであり、XはそれぞれS、O、NH及びN(低級アルキル)から独立に選択されるヘテロ原子であり、R11はそれが結合しているヘテロ原子Xの間の最短距離を通って4〜9原子を有する二価の基であり、
    ただし、R7 がそれぞれCH3 であり、ZがそれぞれOであり、R9 及びR10がそれぞれ水素であり、XがそれぞれOであり、且つ、R11が−CH2 −C6 4 −CH2 −である場合は、R1 、R2 、R3 又はR4 の少なくとも一つはメトキシ基ではないことを条件とする、化合物。
  11. 式Vを有する請求項10記載の化合物、又はその塩又は薬学的に許容しうるその誘導体であって、
    Figure 2005525384
    上式中、R7 、R9 、R10及びR11はそれぞれ請求項10で定義した通りであり、そしてR12及びR14はH、OH、シアノ、ハロ、ニトロ、及びアルキル、アルケニル、アルコキシから選択される置換されていてもよい基、置換されていてもよいアルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アルキル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルアミド及びアルキルアミノからそれぞれ選択され、
    13及びR15は、H、OH、及びアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルカルボニルオキシ及びアリールカルボニルオキシから選択される置換されていてもよい基からそれぞれ選択され、
    ただし、R7 がメチルであり、R9 及びR10が水素であり、R11が−CH2 6 4 CH2 −である場合は、R12、R13、R14及びR15の少なくとも一つはメトキシでないことを条件とする、化合物。
  12. 式VIを有する請求項11記載の化合物、又はその塩又は薬学的に許容しうるその誘導体であって、
    Figure 2005525384
    上式中、R9 、R10、R11、R12、R13、R14及びR15はそれぞれ請求項11で定義した通りである、
    化合物。
  13. 9 及びR10がそれぞれ水素又は置換されていてもよいアルキルであり、R12及びR13がそれぞれ置換されていてもよいアルキルオキシである、請求項12記載の化合物。
  14. 請求項10〜請求項13いずれか1項に記載の化合物であって、
    11が、
    (a) −(CH2 n −の形の置換されていてもよい二価の部分であり、nが4〜9の整数であり、メチレン基が一つ以上の不飽和部位を含んでいてもよい、又は
    (b) −(CH2 p −Y−(CH2 q −の形の置換されていてもよい二価の部分であり、p及びqが1以上の整数であり、−(CH2 p −及び−(CH2 q −が一つ以上の不飽和部位を含んでいてもよく、Yが置換されていてもよい芳香環、−S−S−、−NRb CO−及び−O−から選択されるものであり、Rb が水素又は低級アルキルである、化合物。
  15. 11が式−(CH2 n −の置換されていてもよい部分であり、nが4〜7の整数であり、又は式−CH2 −C6 4 −CH2 −の置換されていてもよい部分である、請求項14記載の化合物。
  16. 11に組み込まれたフェニル基が極性基で置換されていてもよい、請求項15記載の化合物。
  17. 次のものから選択される化合物、
    1,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシ)ペンタン、
    1,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシ)ヘキサン、
    1,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシ)ブタン、
    1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ベンゼン、
    ジ−(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシエチル)エーテル、
    1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)安息香酸、
    1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)安息香酸メチルエステル、
    1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)安息香酸テトラエチレングリコールモノメチルエーテルエステル、
    5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシエタンチオール,ジスルフィド二量体、
    1,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシ)−N−メチル−3−アザ−4−オキソヘキサン、
    2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)フラン、
    2,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)フラン、
    2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)チオフェン、
    2,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)チオフェン、
    2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)チアゾール、
    2,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)チアゾール、
    2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)チアジアゾール、
    1,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)シクロペンタン、
    2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)テトラヒドロフラン、
    2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)テトラヒドロチオフェン、
    1,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)−2−ヒドロキシベンゼン、
    2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリジン、
    2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリミジン、
    2,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピラジン、
    3,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリダジン、
    2,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリジン、
    2,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリミジン、
    2,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリダジン、
    2,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリジン、
    4,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリミジン、
    3,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリジン、
    3,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルオキシメチル)ピリダジン、
    1,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルチオ)ペンタン、
    1,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルチオ)ヘキサン、
    1,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルチオ)ブタン、
    1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルチオメチル)ベンゼン、
    1,5−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルアミノ)ペンタン、
    1,6−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルアミノ)ヘキサン、
    1,4−ビス(5−アセチル−4,7−ジメトキシベンゾフラン−6−イルアミノ)ブタン、及び
    1,4−ビス(5−アセチル−4−メトキシベンゾフラン−6−イルアミノ)ベンゼン。
  18. 請求項1〜請求項17いずれか1項に記載の化合物又は薬学的に許容しうるその誘導体の有効量を投与することによる、自己免疫疾患又は慢性的炎症性疾患を防止又は治療する方法、外来器官移植体の拒絶及び/又は関連する苦痛、疾病及び不健康を防止する方法。
  19. 請求項1〜請求項17いずれか1項に記載の化合物又は薬学的に許容しうるその誘導体の有効量を投与することによりT−細胞のカリウムイオンチャンネル活性を変化させる方法。
  20. 請求項1〜請求項17いずれか1項に記載の化合物又は薬学的に許容しうるその誘導体の有効量、及び任意選択的に担体又は希釈剤を含む医薬組成物。
  21. 自己免疫疾患又は慢性的炎症性疾患の治療又は防止、又は外来性器官移植体の拒絶の防止及び/又は関連する苦痛の防止のための医薬の製造における、請求項1〜請求項17いずれか1項に記載の化合物又は薬学的に許容しうるその誘導体の使用。
JP2003576422A 2002-03-20 2003-03-20 イオンチャンネル遮断治療薬及びその使用方法 Pending JP2005525384A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AUPS1272A AUPS127202A0 (en) 2002-03-20 2002-03-20 Therapeutic ion channel blocking agents and methods of use thereof
PCT/AU2003/000351 WO2003078416A1 (en) 2002-03-20 2003-03-20 Therapeutic ion channel blocking agents and methods of use thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005525384A true JP2005525384A (ja) 2005-08-25

Family

ID=3834869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003576422A Pending JP2005525384A (ja) 2002-03-20 2003-03-20 イオンチャンネル遮断治療薬及びその使用方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7507839B2 (ja)
EP (1) EP1490349A4 (ja)
JP (1) JP2005525384A (ja)
CN (1) CN1656087A (ja)
AU (1) AUPS127202A0 (ja)
CA (1) CA2479481A1 (ja)
IL (1) IL164146A0 (ja)
WO (1) WO2003078416A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL163822A0 (en) 2002-03-15 2005-12-18 Nuevolution As An improved method for synthesising templated molecules
AU2005281359A1 (en) * 2004-08-26 2006-03-16 Apparao Satyam Prodrugs and codrugs containing novel bio-cleavable disulfide linkers
WO2006096911A1 (en) * 2005-03-15 2006-09-21 Harvey Andrew J Novel potassium channel blockers and uses thereof
WO2007139771A1 (en) * 2006-05-22 2007-12-06 The Johns Hopkins University Kv channels in neurodegeneration and neuroprotection
NZ575685A (en) * 2006-10-04 2012-04-27 Bionomics Ltd Novel benzofuran potassium channel blockers and uses thereof
JP2010540569A (ja) * 2007-10-04 2010-12-24 バイオノミックス リミテッド 新規アリールカリウムチャンネル遮断薬およびそれらの使用
TWI701249B (zh) 2015-03-13 2020-08-11 德商4Sc製藥公司 Kv1.3抑制劑及其醫學應用
TWI698438B (zh) 2015-03-13 2020-07-11 德商4Sc製藥公司 Kv1.3抑制劑及其醫學應用
CN106518995B (zh) * 2016-11-08 2020-07-17 南方医科大学 印鼠客蚤多肽及其基因和应用

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE787838R (fr) * 1971-08-25 1973-02-22 Delalande Sa Nouveaux derives du cinnamoyl-5 benzofuranne, leur procede de preparation et leur utilisation en therapeutique
US4753965A (en) 1987-04-09 1988-06-28 Merrell Dow Pharmaceuticals, Inc. Method of treating multiple sclerosis with chalcone derivatives
DE3727736A1 (de) 1987-08-20 1989-03-02 Basf Ag Neue benzofuranderivate und diese enthaltende therapeutische mittel
US5494895A (en) 1993-07-22 1996-02-27 Merck & Co., Inc. Scorpion peptide margatoxin with immunosuppressant activity
CA2236171A1 (en) 1995-10-31 1997-05-09 Merck & Co., Inc. Triterpene derivatives with immunosuppressant activity
AU708667B2 (en) 1995-10-31 1999-08-12 Merck & Co., Inc. Triterpene derivatives with immunosuppressant activity
AU5369798A (en) 1996-11-27 1998-06-22 Bachem Bioscience, Inc. Shk toxin compositions and methods of use
US6362371B1 (en) * 1998-06-08 2002-03-26 Advanced Medicine, Inc. β2- adrenergic receptor agonists
US6051590A (en) 1999-05-13 2000-04-18 Merck & Co., Inc. Immunosuppressant tricyclic compounds

Also Published As

Publication number Publication date
EP1490349A4 (en) 2006-01-04
IL164146A0 (ja) 2005-12-18
CA2479481A1 (en) 2003-09-25
EP1490349A1 (en) 2004-12-29
CN1656087A (zh) 2005-08-17
WO2003078416A1 (en) 2003-09-25
US20050261301A1 (en) 2005-11-24
US7507839B2 (en) 2009-03-24
AUPS127202A0 (en) 2002-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7534892B2 (en) Sulfonamide compound
US8507539B2 (en) Potassium channel blockers and uses thereof
US11851409B2 (en) Deuterated benzylaminopyrimidinedione derivatives and use thereof
MX2007016319A (es) Derivados de n-(piridin-2-il)-sulfonamida.
US20130018067A1 (en) Polycyclic pyrrolidine-2,5-dione derivatives as -formyl peptide receptor like-1 (fprl-1) receptor modulators
JP2005525384A (ja) イオンチャンネル遮断治療薬及びその使用方法
US8063093B2 (en) Potassium channel blockers and uses thereof
KR20100087148A (ko) 신규한 아릴 칼륨 채널 차단제 및 그의 용도
JP6985271B2 (ja) アルキニルジヒドロキノリンスルホンアミド化合物
US20050176813A1 (en) Novel chalcone derivatives and uses thereof
US8217189B2 (en) Chromenone potassium channel blockers and uses thereof
JP6464244B2 (ja) Tert−ブチル n−[2−{4−[6−アミノ−5−(2,4−ジフルオロベンゾイル)−2−オキソピリジン−1(2h)−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}エチル)−l−アラニネート又はその製薬上許容され得る塩、水和物もしくは溶媒和物
JP7266676B2 (ja) チエノピリドン誘導体のカリウム塩一水和物及びその調製方法
CA3160801A1 (en) Novel functionalized lactams as modulators of the 5-hydroxytryptamine receptor 7 and their method of use
WO2006088080A1 (ja) シクロヘプタ[b]ピリジン-3-カルボニルグアニジン誘導体およびそれを含有する医薬品
AU2003212101B2 (en) Therapeutic ion channel blocking agents and methods of use thereof
EP1844776B1 (en) Agent for prevention/treatment of disease caused by acyclovir-resistant herpesvirus
AU2003209828B2 (en) Novel chalcone derivatives and uses thereof
KR20230118883A (ko) Enpp1 억제제로서의 이미다졸 화합물
KR20070022094A (ko) 설폰아미드 화합물